アースクライシス2019⑬~スーゴック・タマデール
●強制労働
宙に浮かぶいくつもの島。その一つでは、住民たちが四人一組となって労働を強いられていた。
地面から垂直に生えた棒に、さらに四つの棒が水平に生えている。一人がひとつを掴み、時計回りに回す。それを監視するのは、ネイビーブルーのスーツを着こなすサラリーマンたちだ。
「そうです、その調子で働きなさい」
「おやおや、お疲れの様子。しかし、あなたよりもっと辛い人もいるのですよ?」
アタッシュケースから銃口をちらつかせながら眼鏡を光らせるサラリーマン。
銀色の小柄な住人は、彼らに逆らえない。
「……ダレカ……イヤ、タスケナド、イマサラ……」
感情を失いつつある大きな黒色の目は、ただ虚空を見つめていた。
●グリモアベースにて
猟兵たちの活躍はめざましい。
ビームハイウェイの空中戦を制したことで、ついにラグランジュポイントに乗り込めるようになったのだ。
そのラグランジュポイントには、たくさんの島が浮かんでいる。いくつもの宇宙船がぶつかってできたという島々には宇宙人が住んでいるのだが、今はオブリビオン軍団に支配されているようなのだ。
「っていう状況なんだけど……猟兵さんたちなら住民をオブリビオン軍団から解放できるんだよ!」
ホワイトボードを抱きかかえ、佐伯・キリカ(陽気に元気・f00963)が熱弁する。
「猟兵さんとオブリビオン軍団の戦闘が始まったら、住民たちは逃げたり隠れたりするんだよ。でも、猟兵さんたちの派手に活躍して格好良いとこを見せてあげると、勇気づけらた住民たちも一緒に闘ってくれるようになるみたい。そうなれば、オブリビオン軍団を一掃のチャンスなんだよ!」
住民の戦闘力は殆ど無いと言って差し支えない。しかし、その数はオブリビオン軍団をゆうに上回る。つまり住民たちが一斉に蜂起しようものなら、いわゆる「数の暴力」でオブリビオン軍団を一掃できるようになるというのだ。
「そしてそして! じゃーん! これが、今回転送する島の住民が誇りとしている武器なんだよー!」
ホワイトボードをひっくり返したキリカが見せたのは、50の銃身を備えた威容を誇る銃のイラストだ。
「その名も、『スーゴック・タマデール』! 引き金を引くと、50の銃身から同時に七色の弾丸が発射されるんだよー!」
数秒の沈黙。勇気を出した猟兵のひとりが「なんて?」と問うと、キリカはどこか誇らしげに咳払いをした。
「その名も、『スーゴック・タマデール』! 引き金を引くと、50の銃身から同時に七色の弾丸が発射されるんだよー!」
一字一句違わず告げられた言葉。つまりそういうことだ。
「このスーゴック・タマデールでオブリビオンを撃破するところを住人に見せつければ、普通に闘うよりも住民をいっそう鼓舞できるんだよ! 使い方は簡単、銃口を敵に向けて引き金を引くだけ!」
ホワイトボードに「バキューン」と書き足し、ついでに銃口から出る弾丸も追加したキリカはいたく目を輝かせている。
スーゴック・タマデールは転送先付近にある木箱に入っているから、それを使用できるようだ。
「この武器は猟兵さんたちが扱う武器よりも性能が劣るけど……住民たちを熱く鼓舞する戦い方、期待してるんだよ!」
ホワイトボードにもう一つ「バキューン」と書き足し、キリカは猟兵たちを送り出した。
雨音瑛
タイトルでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、ギャグ寄りのシナリオとなっております。トリガーハッピーなプレイング、お待ちしております。
●プレイングボーナス発生条件
島に眠る「宇宙人の謎兵器」を使うこと。
このシナリオで使える武器は『スーゴック・タマデール』という50の銃身を持つ銃です。引き金を引くと、50の銃口から七色の弾丸が一斉に発射されます。
一人ひとつを装備する形になります。
●戦場について
浮遊する島のひとつ。緑が豊かです。
●住民について
リトル・グレイのような外見をしています。カタコトで話します。
猟兵たちが『スーゴック・タマデール』でオブリビオンを撃破すると、彼らも『スーゴック・タマデール』を使用してオブリビオン軍団に立ち向かいます。
第1章 集団戦
『サラリーマン』
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POW : シークレット・ガン
【手に持つアタッシュケースに内蔵された兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : エンシェント・マーシャルアーツ・カラテ
【カラテ】による素早い一撃を放つ。また、【武器を捨て、スーツとネクタイを脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 情報解析眼鏡
【スマート・グラスで敵の情報を解析し、】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
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闇之雲・夜太狼
ライアーヒーロー「クライウルフ」参上!
俺が来たからにはお遊びはここからだよ!
わあ!こういうバカみたいなハチャメチャな見た目してるの大好き!
銃型武器なら俺とも相性ピッタリだし、使わない手はないでしょ!
勝負だ、サラリーマン!この島の住人に代わってお仕置きだよ!
とまあ意気揚々と戦場に現れても、こっちは子供だし武器は50の銃口がある銃だもん
重たくてまともに扱えない【演技】で油断させよう
カラテを使ってこっちに向かってきたら、【念動力】で操ったユラリマントで顔を覆わせるんだ
その隙にUCで装備中のスーゴック・タマデールを増やして包囲させるよ
マントを剥いだところを3000を超える銃口から……ファイア♪
目を輝かせ、闇之雲・夜太狼(クライウルフ・f07230)は威容を誇る銃を手に取った。こういうバカみたいなハチャメチャな見た目をしている武器には目がない夜太狼だ。それに銃の形をしている武器ならば狼少年にはぴったり、使わない手はない。
夜太狼は遠慮無く『スーゴック・タマデール』を手に取り、サラリーマンたちの前に立ちはだかった。
「ライアーヒーロー『クライウルフ』参上! 勝負だ、サラリーマン!」
「ほう、猟兵ですか」
「では、私が出るとしましょう」
「私もお供しましょう、丁度休憩時間が終わったところですからね」
眼鏡を中指で押し上げるサラリーマン複数人。彼らの後ろでは、謎の強制労働に勤しんでいた宇宙人たちが逃走を開始した。
「何人でも好きなだけかかってくるといいよ! 俺が来たからにはお遊びはここからなんだか――らっ!?」
銃口をサラリーマンたちに向けようとした夜太狼の手はぷるぷると震え、次の瞬間にはがくんと落ちた。つられて傾く夜太狼を見て、サラリーマンたちはスーツを脱ぎ、ネクタイを外す。
「クライウルフさん、でしたっけ。お遊びが……何ですって?」
「揚げ足を取るのはやめて差し上げなさい。何せこの島には娯楽がないのです、我々の方が少し『遊ばせて』もらうとしましょうか」
指を鳴らすサラリーマンたちが、一人、またひとりと夜太狼に近寄って来る。サラリーマンがついに取り囲まれたその時、人狼の少年は纏っていたマントを手放した。
「なんて、ね? ふふん、かかったな! さあ、この島の住人に代わってクライウルフがお仕置きするんだよ!」
常に揺れるマントは宙を漂い、サラリーマンの顔を覆う。
その隙に増殖する、スーゴック・タマデール。あれはスーゴック・スーゴック・スーゴック(以下略)・タマデールだったと、この戦いを見た宇宙人は後に語ったという。
「お待ちかね、準備はいいかな? ……ファイア♪」
サラリーマンの返答を待たず、夜太狼は念力を行使する。見えぬ力で引き金が同時に絞られると、虹色の銃弾が無数に飛び交った。
3000を超える銃弾は、見事、サラリーマンたちを消滅させてゆく。
初めてスーゴック・タマデールを手にしたというのに、鮮やかに扱ってみせたばかりかオブリビオン軍団を蹴散らすクライウルフ。物陰から様子をうかがっていた宇宙人たちは、拳を掲げながら歓声を上げていた。
大成功
🔵🔵🔵
月凪・ハルマ
この銃身の数とか弾の色とか、
ツッコミどころは多いけどさ
……まずなにより、そのネーミングは
どうにかならんかったの?
◆SPD
……まぁ、ともかく始めるか
銃はそこまで得意って訳でもないけど、
気を抜かなければ外すことは無いだろう
まず【迷彩】で姿を隠し、【忍び足】で敵の死角へ移動して
『スーゴック・タマデール』発射
敵がこちらを捕捉する前に確実に一人は仕留める
で、隠れたままだと住民が奮起しない可能性もあるので
ここで姿を現して、【大神召喚】で黒狼を呼び出し騎乗
UC対策のため、黒狼には敵との距離を保ち続けるように指示
自分は敵の動きを【見切り】、『スーゴック・タマデール』を
使って敵を纏めて撃ち抜こう(【範囲攻撃】)
「あー……、うん」
既に手に取った『スーゴック・タマデール』とサラリーマンたちを見比べる月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)は、なんとも言えない感情を持て余していた。
まあ、考えたりツッコミを入れるのは後でもできる。今は住民たちを蜂起させるための行動をと、ひとまず移動を開始した。
周囲に溶け込む迷彩で姿を隠し、足音を消してサラリーマンの背後へと回り込む。無言で引き金を引いて、ご挨拶がわりの攻撃だ。目の前で倒れたサラリーマンは、即座に消滅していった。銃の扱いが得意というわけではないハルマでも、至近距離かつ弾丸がめちゃくちゃ多いのなら扱いに困ることはなさそうだ。
しかし、気になる。50の銃口と虹色の弾丸は見てわかりやすいツッコミポイントだ。だが今それにツッコミを入れている余裕はない。
「……なるほど、敵襲ですか」
「どなたか索敵をお願いできますか」
「ああ、探さなくても結構だ。俺ならここにいるからな」
スーゴック・タマデールを手に、あっさりと姿を現すハルマ。対して、身構えながらカラテの構えを取るサラリーマン。
ハルマは包囲が築かれる前に黒狼を召喚し、飛び乗った。取り囲まれるために姿を現したわけではないのだ。
「相手は近距離攻撃を仕掛けてくるから、それが届かないくらいの距離を保ち続けて欲しい」
ハルマが告げた言葉にに、黒狼は行動で返答を示した。
地面を蹴って敵軍を飛び越える黒狼を、サラリーマンたちが追い始める。
「逃がしませんよ」
「安心しろ、逃げやしない」
跳躍して脚技を決めようとするサラリーマンを回避し、ハルマは引き金を引く。そう、ハルマが姿を現したのは住民たちにスーゴック・タマデールでの戦いを見せるためだ。
鮮やかにカラフルに飛び出る50の弾丸は、迫ってきたサラリーマンだけでなく彼の近くにいたサラリーマンをも撃ち抜く。
スーゴック・タマデールを用いた戦闘を見た住民たちは、顔を見合わせた。ならば我々も、というように、スーゴック・タマデールの入った木箱に群がり始める。
「スーゴック!」
「タマデール!」
「スーゴック!」
「タマデール!」
武器を手に謎の踊りを見せる住人たち。それは戦いのための儀式なのだ、きっと。「……そのネーミングはどうにかならんかったの?」
ならんかったから、こうして手にして使うことになってしまったのだろうなあ。
まだ残るサラリーマンたちを撃ち抜きつつ、ハルマは戦意を高めてゆく住民たちの気配を感じていた。
大成功
🔵🔵🔵
フィランサ・ロセウス
銃はあまり使わないんだけど、こういう派手なやつなら悪くないわね
それじゃあ住民の皆さんの為にも、働き方改革といきましょうね!(建前)
まずは周囲に溶け込む[迷彩]や、物陰などの[地形を利用]して[目立たない]ように住民を監視するサラリーマンに近づくわ
トラブルか何かで住民に気をとられた隙をついてUCを発動、
後頭部にタマデールを突きつけて、そのまま引き金を引く!
あらあら、仕事を頑張りすぎて疲れちゃったのかしら?
ゆっくり休んでね♥️
残ったサラリーマン達にも[早業]や[目潰し]で敵のカラテを邪魔しながら、タマデールをどんどん撃ち込んでいくわ!
木や背の高い草に紛れ、フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)はサラリーマンたちへと接近してゆく。
その手にはもちろん『スーゴック・タマデール』。銃を使うことはあまり無いというフィランサであるが、スーゴック・タマデールのような派手なものならなかなか良さそうだ。
過労か病か、棒から手を離した住民に気付いたサラリーマンは、彼を叱責すべく眼鏡を押し上げた。
「おやおや、いけませんねぇ。言いませんで知ったけ……『ひとりは皆のために、皆はひとりのために』。あなたが倒れてしまうと、他の皆さんに迷惑がかかるんですよ?」
住民へと近付いてゆくサラリーマンを見て、フィランサは指を鳴らす。
「未来のない働き方は、ダーメ♥️ そういうことですから、住民の皆さんの為にも――まずは働き方改革といきましょうね!」
ほぼ一瞬で敵との距離を詰めたフィランサは、ひとりの後頭部にスーゴック・タマデールの銃口を突きつけた。
「えいっ!」
サラリーマンが振り返るより早く引き金を引けば、虹色の弾丸が頭部を貫通し、どこかへと飛び去ってゆく。
サラリーマンはといえば、無言で倒れ伏して消滅してゆくのみだ。
「あらあら、仕事を頑張りすぎて疲れちゃったのかしら? せっかくだから、ゆっくり休んでね♥️」
「……敵襲ですか」
「労働の邪魔をしないでいただきたいですね」
アタッシュケースを捨て、スーツを脱ぎ、ネクタイを外すサラリーマンの集団。住民たちは、倒れた者を引きずりながら木陰へと避難していく。
「あは、遅いですよ」
フィランサは、残るサラリーマンたちにも容赦なく銃口を向け、引き金を引いた。彼らよりも早く、時には目潰しをして動きを阻害しながら。
フィランサのスーゴック・タマデール捌きによって次々と倒れ行くサラリーマンたちは、着実にその数を減らしていた。
一方、木陰では先ほど倒れた住民のひとりが目を覚まし、震える手でフィランサを指差している。
「……マスター・スーゴック・タマデールの再来じゃ……」
ダークヒーローの少女がサラリーマンを容赦なく倒してゆく姿は、住民たちに確かな希望を与えていた。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
またすーごいもんつくったなあ
でもこれ上手く使えたら、相当えらいことになりそうだ……
物量で押そうか
UC発動、全員に十一月持たせて『超ぶっぱなせ』、以上!
さーガンガン押せ押せー!
あーとーはー、自動で引き金を引くシステムを外付けで作ってー【破壊工作】
UCで攻めさせてる敵が逃げると思われる場所を第六感で見切り罠張っておく【罠使い】
逃げ込んだらオート銃弾発生する感じの大混乱状態に……したいなー
UCの兵は【高速詠唱】の【オーラ防御】張っとくよ
一撃くらいは弾きたいね
いなくなったらUCぶっぱして何度でも補充する
圧倒的な数の暴力の前に人は無力だ
認めたくない事実だなあ
「千変万化の大千世界、千千万万千軍万馬、千紅万紫の千両役者、一騎当千、千里同風!」
島に到着するなり、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は夢半ばで倒れた意志たちを兵として顕現させた。そして少しでもその場にとどまれるよう彼らにオーラを纏わせる。兵たちは一撃を受けただけで消滅してしまうからだ。
兵がスーゴック・タマデールを手にするのを確認した志乃は頷き、指示を出す。
「よし、全員持ったね? それじゃ『超ぶっぱなせ』、以上!」
志乃が言い切るが早いか、兵の手にあるスーゴック・タマデールが虹色の弾丸を吐いた。それに対し、サラリーマンたちはスマート・グラスを用いて回避行動を取る。
の、だが。
「上手く使えたら相当えらいことになるかなー、なんて思ってたけど」
何とも言えない表情で、志乃は消滅してゆくサラリーマンたちを見遣る。そう、十や二十の弾丸ならばサラリーマンたちも回避したことだろう。だが、ひとつの銃から出る弾丸は五十。それが、およそ300人分。
「この銃がすごいのか、こんな使い方してる私がやばいのか……ま、どっちでもいいか。さーガンガン押せ押せー! で、私は今のうちにこれをこうして、っと……よし、出来上がり! あとはこれを――ああ、あのへんが良さそうだ」
直感的に把握した場所に、手早く工作したそれを設置する志乃。
するとスーゴック・タマデールを手に恐ろしいことしてくる兵から逃れようとするサラリーマンが罠にかかる。
罠、それはスーゴック・タマデールから自動で弾丸を射出する装置だ。一帯で、サラリーマンだけが無残に消滅してゆく。
「わあ……」
認めたく無い事実ではあるが、数の暴力というのは相当のもののようだ。攻撃を受けて消滅した兵を補充しつつ、志乃は着実にサラリーマンの数を減らしてゆく。
流れ弾を受けぬように避難していた住民たちは、その様子を全て見ていた。
「やっぱりすげぇぜ、スーゴック・タマデール!」
「しかしあれは、スーゴック・オートメーション・タマデール……失われたはずの技術が、なぜ……」
「そんなことは後回しだ、俺たちも戦うぞ!」
鬨の声を上げ、戦場に身を投じる住民たち。住民と猟兵の共闘――すなわちスーゴック・タマデールとスーゴック・オートメーション・タマデールによる戦いが、いま幕を開けた。
大成功
🔵🔵🔵
パルピ・ペルポル
…住民にやらせてる作業に意味があるとは思えないんだけど。
まぁ心を折るには適しているのは否定しないけれど。
とりあえずこの兵器、形状的にさすがにわたしの体格じゃ若干持ちづらいから。
銀色の円盤状の(略)すごい機械を使って念動力で移動させたり遠隔操作で発砲できるようにして。
オブリビオンの多くいるあたりを狙いにいくかしら。
で、乗り込んだところで有為なる写しで『スーゴック・タマデール』をコピーして一斉発射するわ。
これで住民のみんなもわかるでしょ。数で押し切ればなんとかなるって。
あとはこっそり念動力で雨紡ぎの風糸を蜘蛛の巣状に張り巡らせておいて、敵の行動を阻兼盾として使用するわ。
サラリーマンの監視下で、棒をぐるぐる回す島の住人。
意味がある作業には思えないが心を折るのにはきっと適しているのだろうと、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は銀色の円盤状のいろんな機能のついたよくわからないけど何かすごい機械にスーゴック・タマデールをセットした。何せ可憐なフェアリーであるパルピの身長は24cm、そのままスーゴック・タマデールを扱うにはなかなか厳しい。
「よし、これで準備はできたわね。……うん、住民の武器の名前もそうだけどこの機械の名前も負けず劣らずよね」
なんてぼやきつつ、パルピは念動力で移動させた機械でサラリーマンに狙いをつけた。無論、そんなものが浮遊しているのを見逃すサラリーマンではない。
「道具は使い方次第よね」
とたん、機械とそれにセットされたスーゴック・タマデールが増殖した。60ものスーゴック・タマデールの引き金が鳴り、一斉に火を噴く。反応の遅れたサラリーマンたちは、成す術なく虹色の弾丸の餌食となった。
次のサラリーマン軍勢が押し寄せるが、パルピは何度でも虹色の弾丸で応戦し、消滅させてゆく。
「これで住民のみんなもわかるでしょ」
パルピが様子を伺う住民たちへと視線を送ると、サラリーマンのひとりと目が合ってしまう。
「――おや、あちらが司令塔のようですね。他の方は銃の対処を、私は司令塔を潰しに行きます」
「あら、気付かれちゃったみたいね。――でも」
密かに設置していた透明な糸がサラリーマンの進行を阻む。すかさずパルピが上方へと飛行すると、機械&スーゴック・タマデールの一組がサラリーマンを撃ち抜いた。
上空から見える風景に、パルピは嘆息する。あちこちに置かれた木箱へと群がる住民の姿が見えたのだ。スーゴック・タマデールを手に奮戦する住民は、ぐるぐる棒を回していた時よりも生き生きしているようで、中には二丁拳銃で立ち向かおうとしている者までいた。
「どうやら理解してくれたみたいね……数で押し切ればなんとかなる、って」
けれど、全ての住民が蜂起したわけではない。彼らのみで立ち向かうにはまだまだ厳しそうだと見たパルピは、戦場へと再び降り立ち、援護に回るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
佐伯・晶
イロモノっぽい武器な気もするけど
ここの住人達の心の拠り所らしいから
何とか使いこなしてみようか
これも異文化交流になるのかな?
攻撃範囲がよくわからないから
とりあえず撃ってどんな銃か性質を把握しよう
まあ牽制にはなるんじゃないかな
数撃ちゃ当たるな武器だったらバンバン撃ってみよう
敵がスーツを脱いで接近して来たら
邪神の涙の冷気に巻き込むよ
向こうから突っ込んできてくれるから当てるのが楽だね
凍えたり凍ったりして動きが止まったら
スーゴック・タマデールで攻撃しよう
動けないから全弾命中も狙えるかもね
とどめに使う事で銃の強さをアピールしようか
住人達が一緒に戦ってくれるなら
神気や使い魔の麻痺でそれとなくサポートしとくよ
「結構広い範囲を撃てそうだけど、どんなもんかな」
金髪碧眼の美少女が、スーゴック・タマデールをぶっ放した。「ここは私が」と進み出たサラリーマンが倒れる。
「うん? わかったような、わからないような……」
予備動作も何もない、銃の性質を把握するためだけの射撃。佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)の銃撃による流れ弾に当たらぬようにと、住民たちは我先にと逃げて行く。
「――なるほど、把握した。こうすればいいのか」
何度か引き金を引いて、晶はスーゴック・タマデールの特性を理解した。弾丸は扇状に広がって飛んでゆく。ならば、敵が接近しきる前に撃つのが効率的だ。
加えて、弾丸は50もの数が同時に射出される。適当に撃ってもそれなりの結果が見込めるのであれば、牽制も含めて撃って撃って撃ちまくった方がいいだろう。
「これもある意味異文化交流になるのかな?」
そんな疑問を抱けば、避難しつつも晶の様子を気にしている住民たちの姿が見える。自分は無傷だということをジェスチャーで示すと、四方八方からサラリーマンたちがスーツを脱いで距離を詰めてくる。
「こうなると流石に銃一丁では辛いかもなあ。 ……って言っても、やりようはあるけどね」
そう呟いた晶の体に、薄氷が張ってゆく。放出する冷気がサラリーマンに到達するや否や、彼らの動きが鈍ってゆく。特に、スーツを脱いだ個体の動きが鈍い。
「的が止まってくれるのなら――全弾命中の難易度も下がるね」
50の弾丸全てが、サラリーマンを撃ち抜く。数秒の沈黙の後、住民たちによる歓声が聞こえた。
ユーベルコードで足止めをし、住人たちの心の拠り所である『スーゴック・タマデール』でサラリーマンたちを消滅させてゆく晶の行動を見て、住民たちの心は揺り動かされたようだ。
やはりスーゴック・タマデールはすごく弾が出るし、オブリビオンと渡り合える武器なのだ。そう、興奮気味に話す声が聞こえる。
住民たちは、ひとり、またひとりとスーゴック・タマデールを手にサラリーマンへと攻撃を仕掛け始めた。
「うん、その調子だよ」
住民たちの後ろで、使い魔を行使してサラリーマンに麻痺を与える晶。住民たちが動きの鈍ったサラリーマンを撃破してゆくのを横目に、自身もサラリーマンを倒すべくスーゴック・タマデールの引き金を絞るのだった。
大成功
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鍋島・小百合子
WIZ重視
なんじゃこの奇抜な形をしておる鉄砲は…
うちゅうじんとやらはこのような武器を好むのかえ?
「扱い慣れぬ武器じゃがゆくぞ!」
謎武器は昔少しだけ扱った事のある鉄砲と同じ感覚で、普段使っている長弓と同じように狙いを定めて使用す(視力、スナイパー、範囲攻撃、目潰し、戦闘知識併用)
主に隠遁術(目立たない、忍び足、闇に紛れる併用)を用いて隠れつつ敵を狙撃
こちらの戦闘情報を解析されたら残像で攪乱しつつ乱戦へ、謎武器の特性を活かした戦法に切り替え
敵にこちらの戦いぶりを見せたところで助っ人としてUC「魔眷属降臨」でキメイエスの眷属を召喚
報酬として敵の魂と甘味を提示、敵の駆逐を依頼
他の猟兵との連携を重視
ミスト・ペルメオス
【SPD】
…言いたくはありませんが、ちょっとびみょうな。
ともかく、やれるだけやってみましょう。
愛機たる機械鎧を駆って参戦。…するが、早々に【サモン・ブラックバード】。
降機して愛機を自律稼働状態に移行させ、自身は『スーゴック・タマデール』を確保。
まずは愛機を先行させて仕掛ける。
スラスターを駆使した立体的な機動を取りつつの射撃戦を展開させ、牽制と陽動の双方を実施。
敵の気を引いている間に自身も歩兵用装備のスラスターを活用して敵に接近。
機を見て愛機に制圧射撃を行わせ、敵を自身の方へと追い込ませて。
いよいよ『スーゴック・タマデール』で敵を攻撃。全弾叩き込んで有効打を狙う!
※他の方との共闘等、歓迎です
グリップはひとつ、銃口は50。そんな奇抜な形をした武器を手にした鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は、まず首を傾げた。
「……うちゅうじん、とやらはこのような武器を好むのかえ?」
「さあ、どうなんでしょう……? ……あまり言いたくはありませんが、ちょっとびみょうな武器、ですよね……」
居合わせたミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)は、神妙な顔で武器『スーゴック・タマデール』を手に取る。
「まあよい、美醜だけが武器の判断基準とも限らぬ。扱い慣れぬ武器じゃが、これで住民を鼓舞できるなら使うまで。さあ、ゆくぞ!」
「ええ、やれるだけやってみるとしましょう。折角ですし、共闘といきましょうか。敵軍を分断して叩く――なんてのはどうです?」
「悪くない考えじゃ。では、わらわは右手あたりにいる連中の相手をするぞ」
「では、私は向こうへ行かせてもらいましょう。ちょうど機械鎧がいい位置にいるみたいですので」
ミストの視線、その先では自律機動状態となった機械鎧がスラスターを駆使し、地上のみならず上空をも足場とする戦闘を仕掛けている。射撃戦での牽制と陽動は、見事にサラリーマンたちを惹きつけていた。
一方、住民たちは機械鎧の来訪とともに避難を完了していた。小高い丘のような場所で身を潜めて様子を伺っているようだから、無様なところは見せられないだろう。
ミストは歩兵用装備であるスラスターを使用し、サラリーマンたちへと迫る。今のところ機械鎧が惹きつけてくれているから、ミストの存在は気付かれていないようだ。
少し先で、機械鎧の攻撃を回避したサラリーマンが、カラテの技を食らわせようとする。機械鎧は飛行し、そもそも間合いを許さない。
戦況を確認しつつもう少し、あと少しと距離を詰めながら、ミストは愛機へと指示を出すタイミングを伺っていた。
やがて機械鎧とミストの位置が、サラリーマンを挟んで直線上に並んだその時。
機械鎧は、ミストの指示を受けて制圧射撃を開始した。
先ほどまでの攻撃とは異なり、反撃すら許さない銃弾の嵐だ。サラリーマンたちはひとまず撤退と言わんばかりに、機械鎧を背に逃げ惑う。
その先で待ち受けているのは、スーゴック・タマデールを手にしたスペースノイドの少年。
「いよいよですね――行きます!」
ミストは引き金を絞り、見事に全弾命中させる。
そうして、引き金を引き続ける。機械鎧の追い立てるサラリーマンたちが、全て消滅するまで。
住民たちは、その様子を見守りながら蜂起のチャンスを窺っているようだった。
スーゴック・タマデールに似た武器なら、昔少しだけ扱ったことがある小百合子だ。そう、『鉄砲』である。
小百合子はひとまず草むらに潜み、普段使っている長弓と同じように狙いをつける。そしてサラリーマン複数体を同時に仕留められる位置を見定め――引き金を引く。
虹色の弾丸は回転しながら空を切り、サラリーマンの目に命中した。
「ぐああ! 目! 私の目に何がァ!」
「虹色の弾丸……どうやら、何者かがこの島の武器で我々に対抗しようとしているようですね」
「方向から判断するに、あちらから……ああ、これは敵襲ですね。解析しますのでお待ちを」
すかさず小百合子は草むらから飛び出る。
「わらわはここじゃ! 好きなだけ解析するといいのじゃ」
残像を残す移動を仕掛けながら、小百合子はサラリーマンの集団へと身を投じた。一度に50もの弾丸が出るのだ、密度の高い場所で戦った方が効率がいい。
しかし、サラリーマンはスマートグラスでの解析を続ける。小百合子の動きを、スーゴック・タマデールの力を、弾丸の軌道を。
「――解析終了。見えました、以降は当たりませんよ」
直前に撃った弾丸が、サラリーマンの横を抜けて行く。
「報告、感謝するのじゃ。 ――我は呼び喚く、深淵たる異界に存ずる魔の僕…来い!」
小百合子の舞に応じて、褐色の女が現れた。頭部にある角と手にした細剣が、彼女がただの人間でないことを物語っている。
「黒服の駆逐を頼むのじゃ。報酬は奴らの魂、それに甘味じゃ!」
「甘味の種類は何かしら?」
「そうじゃな……和菓子なら芋羊羹、洋菓子ならしゅうくりいむとやらはいかがかえ?」
「契約成立。承ったわぁ」
微笑んだ女――キメイエスの眷属が振るった剣は、容赦なくサラリーマンを刺し貫く。3人まとめて貫いたかと思えば、次の相手には足だけを狙って。そこを、小百合子の手にするスーゴック・タマデールの弾丸が襲う。
時には背中合わせとなって、剣豪と悪魔はサラリーマンたちを手当たり次第に倒してゆく。
「しかし数が多いのぅ……おや?」
言いかけた小百合子は、銃撃音がした方向を向いて思わず微笑む。
スーゴック・タマデールの銃口を手にした住民たちが、オブリビオン軍団を滅ぼさんと押し寄せてきたのだ。
形勢逆転は、もう間もなくだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
日向・史奈
何というか…すごく色鮮やかなことになりそうですね…?
あまり私には銃を使う心得はありませんが、引き金を引くだけなら、まぁ…。
…わぁ、いかにも悪そうな方々がたくさんいらっしゃいます
この、何かすごい名前が長い武器で勝負です。お覚悟を…!
範囲攻撃…の力はいらないかもしれませんが、武器を使って広範囲の敵に一斉射撃
…どんな風になるか想像もつきませんでしたが、これは予想以上ですね。綺麗、です
この景色、ずっと見ていたいですね
だんだん楽しくなってきました。四方八方に向けて、引き金を引いていきます
ここの住民の皆さんも、一緒に戦いましょう…!
引き金を引くと、虹色の弾丸が出る。グリモアベースで聞いたことを再確認しながら、日向・史奈(ホワイトナイト・f21991)は『スーゴック・タマデール』に不思議そうな視線を向けていた。
銃を使う心得はあまり無い史奈ではあるが、スーゴック・タマデールを使用すればすごく色鮮やかなことになりそうなことだけは想像がつく。
「引き金を引くだけなら、私にもできそうですし……ええ、やらせていただきましょう!」
決意のもと頷いた史奈は、住民を酷使するサラリーマンの前に躍り出た。
「この、何かすごい名前が長い武器で勝負です。お覚悟を……!」
振り返る、いかにも悪そうな面々。
「ほう、どなたか存じませんが……勇気ある行動です」
「折角ですし、名刺を――おや失礼、名刺を切らしていたようです。お名前をうかがっても?」
「いえ、半人前のヒーローの名乗り……何より、あなたたちに名乗るような名前は持ち合わせていませんので……!」
かちり引き金をひくと、銃弾が広がりながら飛んでゆく。これなら、攻撃範囲を広げる力を行使せずともある程度の敵を射程に含められそうだ。
しかし何より史奈の目を惹くのは、虹色の銃弾が描く軌跡。予想以上の美しさで飛ぶ銃弾は、なぜか心を浮き立たせる。
ずっと見ていたくなるような景色を作り出しながら、史奈は引き金を引き続ける。
正面に、右に、左に、上に。
敵がスマートグラスで解析する暇を与えず、スーゴック・タマデールで撃破してゆく。
「ここの住民の皆さんも……!」
背中の側に視線を感じながら、史奈は声を張り上げた。
初見の猟兵ですらこのように扱えるスーゴック・タマデールなのだ、猟兵よりも先にこの武器を知る住人なら、確かな戦果を上げられるのは想像に難くない。
「一緒に、戦いましょう……!」
今また、サラリーマンがひとり倒れた。
「……! そうだ、俺たちは戦える……」
「スーゴック・タマデールがある! スーゴック・タマデールはすげえんだ!」
「私はあの助っ人たちを信じるぞ! もちろん、スーゴック・タマデールもだ!」
これまでの猟兵たちの戦果に、そして史奈の呼びかけに応じて――ついに、全ての住民が蜂起した。
彼らの手に握られているのはもう、謎の棒ではない。スーゴック・タマデールだ。彼らの足は踏むのは棒の周囲ではない。緑あふれる島、そのすべてた。
圧倒的な数を誇る住民は、スーゴック・タマデールの銃撃でサラリーマンを残さず駆逐してゆく。
そして――オブリビオンのいなくなった島は、瞬く間に歓声に包まれる。
しかし猟兵たちの戦いはここで終わりではない。
住民に惜しまれながら帰還する猟兵たちを、スーゴック・タマデールによる虹色の祝砲が見送るのだった。
大成功
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