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アースクライシス2019⑮〜墜とせ、無限射程の射手

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #ダークポイント


●暴かれた不可視
 その射手はマンハッタンの高層ビル街、あらゆる存在から死角となる“不可視領域”にて息を潜めていた。
 自身は前線に出る事無くクローンのみを送り込み、そのクローンたちの力でさえ並のヒーローやヴィランを物ともせぬ脅威としてこの世界を脅かしていたそれは――しかし、そのヒーローたちの活躍によって不可視を引き剥がされた。
 だが、その脅威を断つには未だ届かない。存在を暴かれ、無数の戦力を前に晒されて尚もその射手は未だ破れざる壁となって高く高く聳え立つ。
 闇に浮かび上がる墓標のような意匠を施された顔が、遥か視界の彼方に獲物を捉えた。

●闇の弾丸
「御機嫌よう。今回も集まってくれて感謝するよ」
 グリモアベースにある作戦会議室、招集に応じた猟兵たちに一礼したのはカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)。
 アースクライシス……ヒーローズアースを襲う戦禍について新たな予知があったと告げる彼女の普段より僅かに硬い声音に気付いた者が居たかどうか。努めて普段通りに振る舞いながら地図を広げたカタリナが示したのは行政区マンハッタンの高層ビル街。
 そこにはこの戦争の首魁たるクライング・ジェネシス直属の幹部、ジェネシス・エイトの一角たるダークポイントが潜伏しているというのだ。
「いや、厳密には潜伏していたと過去形で表現する方が正しいかな。あらゆる存在の死角、不可視領域に隠れていたダークポイントの所在は暴かれた。後は撃破するだけだ」
 そこまで言ってから、ただし、と言葉を続ける。
 ダークポイントの脅威は――扱うユーベルコードも勿論だが――二つ。高層ビル街を縦横無尽に駆け巡る機動力、そして無限に至る射程距離だ。敵はこの二つの利点を存分に活かし、猟兵がユーベルコードを発動するより先に攻撃を仕掛けてくる。
「……つまり、相手のユーベルコードにどう対処して自分のユーベルコードでの反撃に繋ぐかが最初の難関になる。次のハードルは勿論、その後にどう撃破まで持っていくかだね」
 仲間との連携、或いは装備や技能を活かす事が鍵になるだろう。そう告げると、カタリナは滲むような憂慮を湛えた瞳で猟兵たちを見渡す。
「遂に幹部クラスとの戦いだ。……どうか、無事の帰還を」
 締め括る言葉は常より短く。その言葉に見送られ、猟兵たちは戦場へと転移していくのだった。


ふーみー
 当シナリオをご覧くださりありがとうございます、ふーみーです。
 白熱していくアースクライシス、今回は幹部クラスとの戦いになります。
 今回のプレイングボーナス条件は敵のユーベルコードへの対処法を編みだす事。
 皆様のご検討をお祈りしています。
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第1章 ボス戦 『ダークポイント』

POW   :    ダーク・フレイム
【ダークポイントの視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ダーク・リボルバーズ
自身に【浮遊する無数のリボルバー】をまとい、高速移動と【全方位・超連射・物質透過・弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ダーク・アポトーシス
【銃口】を向けた対象に、【突然の自殺衝動から始まる自分への攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
夜月・綺羅星
この魔法少女ムーンナイト・キラキラスターが相手っす!


高層建築物の陰から陰へ、指から【蜘蛛之糸】を伸ばし
某ヒーローの如く蜘蛛糸のワイヤーアクションで移動
敵の強さはなんといっても圧倒的な射程。まずは近距離戦に持ち込むっす!

敵に自殺衝動を与える技とは面白い技っすね
ならボクは、自我を塗りつぶすほどの敵意を抱かせる毒を自分に打ち込むっす!
敵を殺す以外何も考えられない状態になれば全部解決!
大丈夫、本能と反射だけで動けばいいっすから
ボクなら銃を破壊しつつ隙を見て本体を叩いてくれるって信じてるっす

お、敵が見えてきたっす!よーし、ボクが相手っすよ!
さぁ覚悟し(ブスッ)■■■ァアア■■■――― !!!!



●VSダークポイント ― 1st Round ―

「この魔法少女ムーンナイト・キラキラスターが相手っす!」
 戦場となるマンハッタン、高層ビル街にて名乗りを上げたのは夜月・綺羅星(■■使いでも魔法少女になりたい!・f22847)。
 その口上は伊達や酔狂や二つ名の類ではなく純然たる本名(読み仮名)だったりするのだが、生憎とツッコミ役を務められるギャラリーはこの場に居ない。

「敵の強さはなんといっても圧倒的な射程。まずは近距離戦に――」
「疑問:汝。可能と判断?」
「んなぁっ!?」
 底冷えのする声が虚ろに響いたように聞こえたのは、或いは錯覚か。
 ユーベルコード【蜘蛛之糸(ラダー・トゥ・ヘル)】――操作自在にして凡そあらゆる属性に耐性を持つ蜘蛛糸の発射は、しかし綺羅星の意図した通りには叶わなかった。
 彼方のダークポイントが自らに銃口を向けた瞬間を彼女は知覚できただろうか。
 ただ突如として湧き上がる自殺衝動、移動補助に用いる筈だった蜘蛛糸が自らを絞め殺そうとする事態が綺羅星に先制攻撃を防ぎ損ねたという事実を認識させる。

 ここに趨勢は決した。もはや射手が手を下さずとも綺羅星は自らの手で自分自身の命を断つ事になるだろう。
 だが……このオブリビオンは、己が務めを果たす事に一切手を抜こうとしない。どこまでも無機的に引鉄を引き、乾いた銃声と共に鮮血が散る。
「不慮:前哨戦=遥かに及ばず。排除遂行」
「こん、の……!」
 最早どうあれ死は免れ得ぬ。だが、このまま相手の思い通りにさせる事は許容し難い。未だ心身を蝕む自殺衝動と闘争心が重なり、一つの結論を導き出す。
 ――即ち。避けられぬ死であるなら、一矢報いて死んでやると。
「元々……もっと近づいてから……使う予定……だったん、っすけどね……!」
 その身を締め上げる蜘蛛糸に毒の雫が滲み、軋む身体へと染み込んでいく。末期の痙攣のように手足がびくりと震え――
「――■■■ァアア■■■――― !!!!」
 咆哮。未だ自身を締め上げる蜘蛛糸を筋繊維のように伸縮させ、羅刹としての身体限界すら超えた駆動による自傷も、迎撃に放たれる弾丸による致命傷すらも無視して一直線に駆ける。
「疑問:理解不能。停止しない?」
 脚を撃たれ、視界を潰され、呼吸を封じられ、しかしそのどれもが羅刹の疾走を止める事が叶わない。
「疑問:理解不――――」
「――――■■■■■■■■■ッ!!」
 どれだけ離れていたかも分からない距離が零になり、その拳が射手を捉えたのは数十秒も経たぬ間の事。
 吹き飛んだダークポイントがビルの壁に叩きつけられるより先に、綺羅星の身体もまた音を立てて倒れ伏した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ジズルズィーク・ジグルリズリィ
SPD判定*アドリブ歓迎

無私、不死。ジズは、この場で倒れようとも一矢報いてみせるのです
一人で戦っているわけではないですから、捨て身の作戦も恐れないです
味方との連携を重視しましょう

使用するユーベルコードは《私に七難八苦を与えたまえ》
戦場でこちらが視認する時点でとうに射程内だというのなら、この際ダメージは【覚悟】しましょう
ですが足でも腕でも動くのであれば、むしろ動かなくても動かしてみせます
その機動力には【野生の勘】と負傷を無視するユーベルコードの効果で追いすがり殴る!

未知、不知。あなたの狙いはわかりませんが、ここで叩き潰します
闇を祓うために、我々は来たのですから!


大神・零児
C-BAに騎乗し手足の様に操縦
グレネードユニットはC-BAに搭載
高速移動による残像や煙幕等のグレネードをばら撒く等して狙われにくく
未来位置に飛来する弾や面制圧射撃も考慮し立体的に行動

リロード等の隙の瞬間にUC発動
敵をUCの範囲内に捉え
弾丸にも敵意は籠る
敵意の「向き」も感知
経験による無意識の思考と反応で回避

敵意の向きの逆算
敵の速度と動きの割り出し
範囲内で敵の敵意・思考を感知した瞬間
無意識の思考と反応で対応

油断
足の停止
思考の一瞬の隙等を衝く

技能
戦闘知識
咄嗟の一撃
情報収集
追跡
第六感
見切り
野生の勘
世界知識
地形の利用
学習力
逃げ足
早業
ダッシュ
ジャンプ
カウンター
武器改造
動物使い
クライミング
空中戦
運転
2回攻撃



●VSダークポイント ― 2nd Round ―

 ――狼の遠吠えが響く。
 Cyborg beast armsことC-BA、鋼の獣に騎乗する大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)が放ったのはそれ自体が幻惑の呪詛。C-BAに搭載したグレネードから撒いた煙幕の効果もあり、彼方から飛来する弾丸は零児の見切りを超えた結果をもたらすには至らない。
 ……だが。
「ちっ……!」
 ユーベルコード【無双の意識】――半径57m領域の意識をほぼ完全に把握する超常の異能を発揮した零児からは舌打ちが零れる。
 一つ、ダークポイントの居場所は射程圏より未だ遠く。
 そしてもう一つ。弾幕を形成するかの如く放たれる超連射の一つ一つを読んでいては、如何に無意識下の反応を活用し負担を減らそうとも零児のキャパシティが追いつかない。練達の戦闘経験が導き出すのは40%にも満たない勝率、撤退すべきという無情な判断だった。

「形勢、不利ですか」
「あん?」
 身を隠す煙幕の中、攻めあぐねる零児に声を掛けたのはジズルズィーク・ジグルリズリィ(虚無恬淡・f10389)。身を掠めた弾丸に眉を顰めながら、彼女は独特のリズムで言葉を続ける。
「弾丸、半分、ジズが引き受けます。それなら、突破可能ですか?」
「それくらいだったら……一か八か、ってとこか。そっちこそ大丈夫なんだろうな?」
「無私、不死。ジズは、この場で倒れようとも一矢報いてみせるのです」
「なんか答えになってねぇような……あ、おい!」
 勝機を見出せるのであれば、それ以上迷っている時間は無い。ジズは躊躇なく煙幕を飛び出し、途端に襲い掛かる弾丸の雨へとその身を晒す。
「――無私、不死。ジズの受難は、常しえに苛むのです」
 発動するユーベルコードは【私に七難八苦を与えたまえ(ネガセイヴァー)】。異能の代償による流血も分からなくなる程にその身は瞬時にして無数の傷を負い、しかし一時的にあらゆる負傷を無視する状態となった身体を突き動かしてジズは駆けだす。
「あのバカ……! “第六感の、その、先へ!”」
 あまりの無謀に目を見開いたのは一瞬にも満たず、零児も【無双の意識】を再起動するとC-BAを駆り即座に続く。

 標的が二人に増えたのを確認すると、ダークポイントの放つ無数の弾丸もちょうど半分ずつに分かれて零児とジズを襲う。その対応はあまりに機械的であり、そして如何なジェネシス・エイトの攻撃にしても脅威の半減したそれは猟兵たちの突進を阻むには至らない。
「肯定:……」
 独り言のような呟き。効果が薄いのを認識すれば、ダークポイントの弾雨はより己に迫っていたジズ一人を再び標的に定める。
「ぅ、あ……っ!」
「ジズ!」
「平気です……ジズは、一人で戦っているわけではないですから! 行ってください!」
 ジズの声に背を押されるように、阻むものの無くなった零児は限界を超える程にC-BAを加速させダークポイントへと距離を詰める。
「――受けてみろッ!」
「否定:己は未だ――」
 剣の間合いに捉えられるに至りオブリビオンは防御の反応を見せる。太刀筋に割り込ませたリボルバーが魂喰の妖刀を受け止め……間髪入れず振り下ろされた黒鞘の一撃がその身に叩き込まれる。
 体勢を崩したダークポイントの背後に飛び込んできたのはジズ。もはや半死体といった有様ながら、その動きに一切の停滞は無く。
「未知、不知。あなたの狙いはわかりませんが、ここで叩き潰します――闇を祓うために、我々は来たのですから!」
 拳と共に放たれるのは聖痕より漏れ溢れる光輝。二人の猟兵の渾身の一撃を受け、ダークポイントはノイズめいた呻きと共に地上へと墜落する!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナイ・デス
ヒーローが、見つけた。暴いた。その、ヒーローさん達は……
もうこれ以上、命を奪わせは、しない、です……!

【闇に紛れる迷彩】纏って【忍び足ダッシュ、ジャンプ】地縛鎖【ロープワーク】伸縮操りビル街を縦横無尽に移動し追いかける

銃口向けられ、自殺衝動のまま一度、自ら胸に【暗殺】剣を突き立ててみて

知っている。私は、死なない。私は、死ねない
自殺は、できない
【覚悟】私は『いつか壊れるその日まで』止まらない!
【激痛耐性】銃弾受けても、止まらない
再生する。強くなる。加速する
頭狙いだけは【第六感】で感じて【見切り】腕で【かばい】受け
再生、再生、かばう頭が弱点か
頭を撃たれても、再生

追いついて
【鎧無視攻撃】で【串刺し】



●VSダークポイント ― 3rd Round ―

「ヒーローが、見つけた。暴いた。その、ヒーローさん達は……」
 マンハッタン、ジェネシス・エイトの一角たるダークポイントが潜む戦場に降り立ったのはナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。
 彼女の呟きに応える者は居ない。だが、激しい戦闘の形跡と共に残る血の跡がその答えを示していた。
 地を蹴るナイの身が迷彩を纏い、建物の影から影を自在に飛び移る姿は闇に溶けるかの如く。

 その隠密で稼げた時間は5秒。6秒目で艶消しの銃口がナイを捉え――湧き上がる自殺衝動。一心不乱にダークポイントへと迫りながら暗殺用の短剣が細い手に閃き、敵へと攻撃を仕掛けるようにナイ自身の胸に突き立つ。
「ぐ、っ……」
 喉元に込み上げた血を吐き捨て、しかしナイの疾走は止まらない。
「もうこれ以上、命を奪わせは、しない、です……!」
「否定:使命=滅殺」
 痛みには慣れている。進むべき理由がある。
「私は――『いつか壊れるその日まで』止まらない!」
 傷を抉るように何度も自身を突き刺しながら、一切速度を緩める事無く――否。その身を包む聖者の輝きが傷を癒し、新たな傷が生まれるごとに更に加速してダークポイントへと迫る!

 自殺衝動による殺害を試みる無為を悟ったオブリビオンは攻撃手段を通常弾頭へと切り替えナイを迎え撃つ。連続して放たれる弾丸を捌く腕から鮮血が散り、しかしそれもユーベルコードの輝きに修復されナイの速度を上昇させるのみ。遂に両者の距離がナイの間合いまで縮まり――
「推論:弱点=被弾の阻止箇所」
「っ……!」
 防御をすり抜けてナイの頭部を貫く弾丸。銃声は容赦なく連続し、頭部を喪失した身体がぐらりと傾く。
 ――それが彼女の仕掛けた最大のフェイント。死なない、死ねない、本体不明のヤドリガミであるナイ・デスの絡繰。
「言い、ました」
 致命の負傷と再生はナイの戦闘力を格段に向上させ、弾け飛んだ頭部すらも再構築。もはや全力で後退しようとも逃れられる距離ではなく。
「これ以上……奪わせは、しない、です……!」
 黒き刃が、オブリビオンを串刺しに貫く――!

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・ひかる
事前に、精霊銃の弾を全て電撃弾(スタンガン程度の出力の電撃を放つ弾)に変えておく
そのまま接敵、精霊銃の銃口を向けて止まるように指示すれば、きっとUCを使ってくる
突然の自殺衝動なら、わたしは多分手元にある精霊銃で衝動的に自殺を図るはず
でも銃の中身は非致死性の電撃弾、気絶はしても死なない

ここからが勝負
予め【風の精霊さん】たちにお願いして、わたしが気絶した後に発動するようにしておく
わたしの精霊術はあくまで「精霊さんの意志」で発動するもの
だから術者であるわたしが気絶していようと発動できる

合計305体の不可視の風の精霊さん達が、わたしを傷つけられた怒りと共にダークポイントへ鎌鼬を放ちつつ襲い掛かるんだよ



●VSダークポイント ― 4th Round ―

「ダークポイント……止まりなさい!」
「?」
 猟兵たちの猛攻から逃れるようにマンハッタンのビル街を疾駆するオブリビオンへと制止の声を上げたのは荒谷・ひかる(精霊ふれんず癒し系・f07833)。
 そもそも身体能力で言えばヒーローどころか一般人にも満たない彼女が標的であるダークポイントと遭遇できた事が幸か不幸か。銃口を向けた精霊銃を撃ちもせず警告から入ったひかるの行動は、死と隣り合わせの戦場に於いてあまりにも温く、そして遅い。
 言語として形にもならない程の初歩的な疑問の念と共に、反射行動めいてダークポイントの銃口が向けられる。
 ……そこから先は、一瞬の事だった。

 【ダーク・アポトーシス】――オブリビオンのユーベルコードがもたらすのは突然の自殺衝動。敵に向いていた精霊銃はひかる自身に照準を合わせ、その指は止める間も無く引鉄を引く。
「きゃぁああああああっ!?」
 撃ち出されたのは事前に込められていた電撃弾。非致死性のそれは命を奪う事こそ無いが、自身の直接戦闘能力に乏しいひかるの意識を奪うには十分なもの。
「疑問:汝の目的?」
 敵を殺す気も無い甘さが結果的に死を引き延ばしたとでも判断したか。もはや答えの返らぬ問いと共にとどめを刺すべく艶消しの銃から弾丸が放たれ――その弾丸が不可視の刃に断ち切られる。
 目に見えぬ攻撃者の存在を感知するや即座に照準を合わせ、自身への攻撃を誘発させ葬ったのはジェネシス・エイトにふさわしい反応速度だったと言えるだろう。
 周囲を圧する強烈な怒気が尚も健在である事を悟るのは、よほど鈍感な者でもない限りそう難しい事では無かったかもしれない。
 ユーベルコード【風の精霊さん(ウインド・エレメンタル)】――自分が倒れた後の事を見越したひかるが予め助力を求めていた風精たちの召喚、その数は実に300余り。
「理解:本命=――」
 不可視にして膨大、単純な戦力として見ても相性は致命的に悪い。ダークポイントは即座に後退を試みるが……絆を結んだ少女を傷つけられた風の精霊がそれを許す筈も無い。
 向けられる敵意に銃口を合わせまた一体の風精を消滅させ、それが限界。直後に放たれた303の鎌鼬がダークポイントを容赦なく斬り刻んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
機動力と射程距離…厄介な能力ですがこれ以上のヒーローやヴィランの被害を出させるわけにはいきません
発見に貢献してくれたヒーロー達の活躍に報いるためにもなんとしても仕留めます

相手を発見する為敢えてリスクを取りましょう
装備していた投光器を作動させ相手に場所を知らせつつ
周囲の建物の分布をセンサーでの●情報収集で把握
己がスナイパーなら何処から狙うかをある程度分析して視線を●見切り●盾受けで盾を犠牲に防御

視線である以上その直線上に敵はいます
UCの機械槍を構え●騎乗していた機械馬のスラスターも併用し突撃飛翔
●怪力で突撃方向を制御しつつ視線を槍のバリアでの●武器受けで受け止め
この身を一本の投槍として突撃



●VSダークポイント ― 5th Round ―

「機動力と射程距離……厄介な能力ですが」
 巨大な……些か度を越したレベルで巨大な機械白馬に跨り戦場に現れたのはトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。
 これ以上ヒーローやヴィランの被害を出させるわけにはいかない。発見に貢献したヒーロー達の活躍に報いるためにも、なんとしても仕留めると彼は決意を固くする。

 トリテレイアが最初に取った手段はハードポイントに搭載した投光器の作動だった。同時に各種センサーを機動して周囲の地形を走査する。
 ここでの読み合いはトリテレイアが一枚上手だったと言っていいだろう。
 彼が態々居場所を誇示した事が罠だとしても、ダークポイントとて猟兵を見逃すという選択肢は存在しない。そして彼は先手の利を活かし、最適の地点を得てから狙撃を行う。
 故に。続く展開もまた、トリテレイアの予測に違わぬものとなった。

 ユーベルコード【ダーク・フレイム】――視線のみをトリガーとして生じる漆黒の炎。それが発動するより僅かに早く、機械騎士の大型盾がその身を庇う。
「確認:標的捕捉」
「標的を捕捉」
 奇しくも重なったのは機械的な二つの呟き。
 燃え上がる盾を手放したトリテレイアが構えるのは騎乗する機械仕掛けの白馬にも相応の巨大な馬上槍。見据える先には高層ビルの屋上に陣取った射手。
「暴れ馬ならぬ暴れ槍ですが……御してみせましょう」
 刹那、マンハッタンの大地が震えた。
 機械白馬ロシナンテⅡ、馬上槍、そしてトリテレイア・ゼロナイン自身……全て合わせればその質量はトン単位にまで至ろうか。砲弾の如くに放たれた大質量は更にスラスターによって加速し、瞬時にして獲物までの距離を詰める!
「――――」
「バリア展開。想定の範囲内です」
 言葉も無く、寸前に放たれた黒炎が最後の抵抗。それすらも穂先より展開された障壁によって阻まれ。
 一本の投槍と化した人馬一体の一撃が、オブリビオンを吹き飛ばす――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

カイム・クローバー
射程距離に機動力ね。どうやって接近戦に持ち込むか、だな。

高層ビル街なら身を隠し近づく事が出来るんじゃねぇかな。とはいえ、静かにではなく【残像】を用いて駆けるようにビルに身を隠しながら接近。視線から逃れる為に地に落ちた石ころなど使って【フェイント】を仕掛けつつ迅速に接近するぜ。充分に距離を稼いだ後は愛用のトレンチコートを【早業】でダークポイントに向かって投げる。視線を隠す事が目的だが、上手く行きゃ燃え上がるコートで包める可能性もあるんじゃねぇか?
接近後は魔剣で紫雷を纏わせた刀身で【属性攻撃】、【範囲攻撃】を交えてUCの【二回攻撃】に【串刺し】。

何喋ってるか分かんねぇよ。言語から勉強し直して来な!



●VSダークポイント ― 6th Round ―

 ぼっ、と音を立てて黒炎が燃え上がる。
 投じた小石が地に落ちる事なく燃え尽きるのを置き去りに、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)はビル街の狭間を駆け抜けていく。
(射程距離に加えて機動力も高いと来る。接近戦と行くにはまだ遠いな)
 ちら、と視線を向けた先には墓標めいた意匠の施された顔を此方に向けたまま後退していくオブリビオンの姿。
 実体を持たぬ残像は燃え上がる事無く、翻弄するように敵の狙いをブレさせながらカイムの身体が迸る紫雷を纏った。
「さぁて――本領発揮だ。少しばかり手荒い歓迎といこうか」
 ユーベルコード【紫雷を纏う者(ライトニング・エンハンス)】――呼び覚ますは邪神の力、その片鱗。加速したカイムの身体は地面を蹴って舞い上がる。
「推論:攪乱手段=20%の解析を完了」
「ハ、思いの外遅っせぇな! そんなんじゃ半分もいく前にその首獲っちまうぜ? ――っと!」
 ダークポイントの顔は展開していた残像の方に向いたまま、あらぬ方向から襲い掛かるのは中空で互いに弾き合い軌道を変えた跳弾。直感に従って首を傾けたカイムの頬を掠めた弾丸が浅い傷を残して遥か後方へと飛び去っていく。
「つまんねぇホラ吹いてまで騙し討ちたぁセコい手を使う! それで仕留め損なってんだから世話無ぇなあ!」
「否定:汝の捕捉=20%の精度で十分。他愛ない」
「そうムキになるなって。顔に似合わず可愛げのあるヤツだ」
(効き目はそれなりだが、意外と効いてるもんだな……)
 カイムの身を覆う紫雷は相手への挑発の成功度合によっても戦闘力を増強させる。覿面という程ではないが、確かに挑発の効果が上がっている事もまた事実だった。
 そして、敵の視線を掻い潜り距離を詰めるにはその加速で十分。
「そら、こいつでも喰らいな!」
「否定:汝の攻撃=脅威足り得ず」
 ダークポイントの視界を遮った紺色の正体はカイム愛用のトレンチコート。
 こうなってはダークポイントのユーベルコードは意味を為さず、至近まで接敵を許したオブリビオンは銃弾を放つが――空間ごと断つように振るわれるは紫雷を纏い、黒銀の炎を従えた神殺しの魔剣。それ以上の反応すら許さぬと繰り出された追撃は獲物の身体を深く斬り裂き、摩天楼より叩き落とす!
「さっきから何喋ってるか分かんねぇんだよ。言語から勉強し直して来な!」
「……!」
 闇の射手は返す言葉も無く吹き飛ばされ。苦し紛れの反撃は、最早カイムには掠りもしなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ダビング・レコーズ
最優先撃破目標を確認
これより戦闘行動を開始します

【全歓迎】

まずは敵の先制攻撃に対処します
直視を阻止する為EMフィールドを展開しつつ周囲を俯瞰可能な高度まで急上昇
視認され易い位置取りをする事で敢えて被弾
被弾方角から敵位置を割り出します
視線照準式の攻撃ならば発動した瞬間は双方から視認可能な状態だと推定します

先制攻撃への対処に成功後はSSDを起動し新たな電磁障壁を展開
スヴェルも前面に構え二重の守備で直視を阻止した上で攻撃を開始します
セントルイスで制圧射撃を加えながら空中戦能力と運動性(ダンス)そして速力を以て徹底追跡
直線上に並んだタイミングで最大加速し音速を超えた突進で目標を破壊します



●VSダークポイント ― 7th Round ―

「――最優先撃破目標を確認。これより戦闘行動を開始します」
 マンハッタンのビル街、ジェネシス・エイトの一角ダークポイントと猟兵たちが火花を散らす戦場に新たに降り立ったウォーマシンはダビング・レコーズ(RS01・f12341)。
 天駆ける機体をEMフィールドの電磁障壁に包み、街全体を俯瞰できる高度まで上昇――するよりも、展開した電磁障壁の一部が黒炎を上げる方が早い。
 だが、問題ない。ダークポイントの用いるユーベルコード【ダーク・フレイム】は視線を媒介に発動する能力であり、故に攻撃の瞬間は互いに視認可能な状況であるというのがダビングの判断だった。
 そして、その考えは正しかった。黒炎の襲ってきた方角、彼のハイビジュアルセンサーは高層ビルの影に潜むオブリビオンの姿を確かに捉える。
「終わらせる」
 端的な宣告と共に発動するのはユーベルコード【SSD(ソリッドステートドライバー)】。
 燃え広がりつつあった黒炎はフィールドの解除と共に虚しく霧散し、ユーベルコードによる新たなバリアがその身を守る。
「推論:最優先事項=障壁の解除」
「その判断は正しい。ですが――」
 ダークポイントは後退しながら再び黒炎を放つ。バリアに阻まれたそれはゆっくりと侵蝕を進め、その間に両者の距離は更に縮まる。
「――自分の戦術の方が、更に正しい」
 バリアを解除。連続して放たれた黒炎がダビングの構えた大盾を燃え上がらせる。
 実に6000km/h、極超音速に迫るダビングの突進がダークポイントを吹き飛ばしたのはほぼ同時の出来事だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
…ふむ。自殺衝動は厄介だなぁ…でも…『銃口を向けた相手』ね…
…改造装甲車【エンバール】の運転席に私っぽいダミー人形を乗せて…
…実際は予め入力したプログラムに従って走るように命令しておくよ…
…私は車体後部の荷台に隠れて待機…
銃口がダミー人形に向けられれば不発…車はAIですらないので自殺できない…
…もし、なんらかの手段で看破されたら狂気耐性で自殺衝動に抗う…
…そして、車に入力したプログラムは2つ…
…予め設定したルートを巡回する事…
…巡回中に設置した【開けてはならぬ玩具箱】による罠…閃光と大音響によるスタン…に引っかかったダークポイントを跳ね飛ばす事…
…跳ね飛ばしたら術式による光の矢で追撃するね…


セシリア・サヴェージ
【ダーク・アポトーシス】による自殺衝動及び自傷行為は【狂気耐性】【呪詛耐性】である程度抑制できるはず。傷自体も【激痛耐性】で痛みを無視して行動します。
その上でUC【血の代償】を発動すれば、負傷の度合いに応じて戦闘力が上昇することでしょう。
自殺衝動も負の感情の一種とすれば、これもまた戦闘力増強につながる筈です。
対策とは少し違うかもしれませんが状況を利用させてもらいましょう。

ビル群を縦横無尽に駆ける敵など普段の私なら追いつけそうもありませんが、強化状態になった今ならばあるいは……。
【空中戦】【追跡】を駆使して追い詰め、暗黒剣を叩き込んでみせましょう。



●VSダークポイント ― 8th Round ―

「……ふむ。自殺衝動は厄介だなぁ……」
 そう呟いたのはメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。彼女の姿は今、マンハッタンの道路を疾走する改造装甲車【エンバール】の車中にあった。
「推論:対象=精神を持たない?」
 ビルとビルの隙間から現れては再び姿を消すダークポイントの言葉に、ご明察と内心で零す。
 エンバールの運転席に座るのは意思無きダミー人形。そしてこの車自体にも意思などなく、事前のプログラムに従って走るのみ。ユーベルコードは不発と悟って敵の放つ弾丸も装甲を破るには未だ至らない。
(……とはいえ……このままだと千日手か……)
 無数に備えた術式を用いて外部の状況を確認しながら、車体後部の荷台に隠れたメンカルは一つ溜息を吐く。
 自身も精神干渉攻撃を用いるこの敵に同種の攻撃は効き目が薄いか、或いは効果発現に時間を要するが故の相性の不利か。
 ユーベルコード【開けてはならぬ玩具箱(パンドラズ・トイボックス)】――巡回中に設置した罠の成果は未だ上がらず、安全圏からの超長距離射撃によって処理される始末。そうこうする内に何度目かの狙撃が遂に装甲を貫き、運転席のダミー人形は憐れ首から上が無残に吹き飛ぶ。

(……ふむ)
 メンカルが戦術の再構築を視野に入れた時、同じく内心で思案したのはセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)。罠の発動に合わせ畳みかける手筈で待ち伏せ地点を移動していた彼女だが、状況の不利を悟り覚悟を固める。
「聞こえていますね? 繋ぎは私が務めます」
 あの魔女には聞こえるだろうという確信の元小さく呟き、そしてセシリアはダークポイントの出現に合わせその姿を晒す!
「否定:汝らの作戦=己に及ばず」
 ユーベルコード【ダーク・アポトーシス】――オブリビオンの銃口が誘発するのは突然の自殺衝動。セシリアの手にした暗黒剣の切っ先は彼女自身へと反転し……
「――見くびるな!」
 傷は浅く、散った血は僅か。暗黒のもたらす狂気と呪詛に耐えながら戦うセシリアにとって、このジェネシス・エイトの植え付ける自殺衝動は決して捻じ伏せられないものではない!
「護るためならば、この程度の痛み……!」
 黒騎士の身を包むは暗黒のオーラ。 ユーベルコード【血の代償(ブラッドプライス)】――流れた血を啜り、その心身を蝕む自殺衝動すら取り込み、力へと変えてダークポイントとの距離を瞬く間に詰める!
「推論:汝――」
「まずは一発ッ!」
 ビルの壁面を蹴り攪乱する三次元機動には最早向けられる銃口など追いつく事も許されず、振り下ろされる暗黒剣の一撃がその身を地表へと叩き落とす。
 黒血を散らしながら路上をバウンドするオブリビオンへと迫るのは首無し運転手を乗せた改造装甲車。
「……上出来だね、黒騎士……」
「――喰らえぇッ!!」
 撥ね飛ばされたダークポイントへと叩き込まれるのはダークスレイヤーの銘を持つ特大剣の追撃。とどめとばかりに放たれた無数の光矢が、空中で大爆発を引き起こした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フォルク・リア
「無限の射程を持つ狙撃手。
ダークポイントとはよく言ったものだ。」
その闇が暴かれたなら。
後は光を届けて闇を消し去るのみ。

敵の攻撃に備え【催眠術】で自身に
己が攻撃するのは敵のみ。と暗示をかけ
それを【狂気耐性】とし自殺衝動を抑える。
敵の攻撃を感知したら【カウンター】で冥雷顕迅唱を発動。
大気と地形に満たされた雷で敵を攻撃。
感電効果での足止めと電撃による銃の動作不良
それに加え【マヒ攻撃】を狙い
その隙を【見切り】。
再び冥雷顕迅唱を【高速詠唱】を使い
己の魔力を全て込めた【全力魔法】で威力を高め発動。
一度目の攻撃で残った雷も全て敵に向け
落雷と四方からの雷弾で攻撃。
「魔弾の影は迅雷の閃光に溶けて消えてもらう。」



●VSダークポイント ― 9th Round ―

「無限の射程を持つ狙撃手。ダークポイントとはよく言ったものだ」
 ――その闇が暴かれたなら。後は光を届けて闇を消し去るのみ。
 述懐と共にマンハッタンの戦場に姿を現したのはフォルク・リア(黄泉への導・f05375)。
「推論:汝=新手の猟兵」
「それがどうした。猟兵でなくとも殺すんだろう?」
 ユーベルコード【ダーク・アポトーシス】――自殺衝動を誘発する異能を受け、しかしフォルクの瞳は平然とダークポイントの銃口を見返す。
 幾多の魔導を収めた彼は狂気に相対する術とて心得ている。矛先を向ける相手を予め自らに設定しておく自己暗示もそうした手段の一つだった。
「疑問:汝――」
「答えてやる義理も無い」
 ダークポイントが状況に反応するより早くフォルクの身に着けた数多の魔導具がその力を発揮し、周囲に大気を震わす魔力が満ちる!
「上天に在りし幽世の門。秘めたる力を雷と成し。その荒ぶる閃光、我が意のままに獣の如く牙を剥け――“冥雷顕迅唱(オーバーライトニング)”!」
 それでも瞬時にして地形と待機を満たした膨大な冥雷を咄嗟に躱したのはジェネシス・エイトの一角に足る反射能力を示すものであっただろう。
「否定:汝=脆弱な人間の身なれば――」
「それもハズレだ。ま、どうでもいいがな」
 反撃に放たれた弾丸は、しかし雷に満たされたフォルクの領域に於いて目標を捉える事無く焼き焦がされ蒸発するのみ。そして無数の雷から成る包囲は最早ダークポイントに後退すら許さず。
「――閃光よ、冥雷よ! 我が意に応え、今一度その牙を剥け!」
 再びの詠唱により雷は更にその威を増し、放たれるごとにその威力を増していく雷獄に囚われたオブリビオンへと襲い掛かる!
「魔弾の影は迅雷の閃光に溶けて消えてもらう」
 ぱちん、と指を弾く音が一つ。
 直後に轟くこの世の終わりの如き雷鳴が、マンハッタンの戦場を満たした。

成功 🔵​🔵​🔴​

フェリクス・フォルクエイン
連携歓迎
迷彩によって姿を隠しつつ敵を追跡、見つかりそうになった時は強行突破しUCを使うと見せかけるフェイントでダーク・フレイムを誘発
「視線が燃やす……大悪災『日野富子』との戦いを思い出しますね」
「エミリア、決して見つからないように。無理はしなくていいですからね」
先制攻撃対策は、エミリアと二手に別れ、フェイントで視線をあらぬ方に向けさせる他お互いに遠くへ小石を投げるなどで音をさせかく乱、更に建物などを遮蔽物として地形を利用、視線を浴びないようにしジャンプやスライディングしたり、残像で惑わせ第六感で視線の来る方を見切り、それでも当たりそうなときはオーラの守りで耐えながら敵の後ろへ回り込みUCで攻撃



●VSダークポイント ― 10th Round ―

「視線が燃やす……大悪災『日野富子』との戦いを思い出しますね」
 マンハッタンのビル街、その影から影へと身を隠しながらダークポイントを追うのはフェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)。むしろあの戦いの際は敵を撃退した後の方が酷い目に遭った気もするが、その記憶には流れるように蓋をしつつ。
「推論:敵性存在の潜伏率=93%」
「っ、と……」
 ジェネシス・エイトたる超感覚に依るものか、牽制のように放たれた弾丸はどれも正確にフェリクスの急所を狙うもの。咄嗟に双剣を振るって受けるが、その攻防はオブリビオンへと明確に己の所在を伝える事になる。
「……ならば!」
「否定:汝の剣=己には届かず」
 間合いにはまだ遠く、捨て身の一撃が敵を捉えるよりもダークポイントの視線が黒炎を生み出す方が早い。――しかし、それもフェリクスの仕掛けたフェイント。
 跳躍してビルの壁を蹴り、敵の視線を惑わすように動き回りながら距離を詰めていく。
(早い……!)
 先の読み合いではダークポイントに軍配が上がったか。
 その刃が敵を断つよりも早く自らが黒炎に燃やされる未来が不可避である事をフェリクスの直感が告げ……その瞬間、天馬の嘶きが高らかに響く。
(だから無理はしないようにと言ったのに……!)
「――上出来です、エミリア!」
 自身の居場所を直接的に明かす大音声に内心頭を抱えたくなりながらも、それ故に陽動として強い効果を発揮したのもまた事実。自分はあくまで囮に過ぎなかったと示すように声を合わせれば、敵の注意は“本命”に備えるべく眼前のフェリクスから僅かに逸れる。
 二重、三重と巡らせた策は、ここに至ってようやく勝機を掴むに至る!
「仮説:汝の目的=この攻撃であるなら……未だ己には及ばない」
 ダークポイントの放つ黒炎もまたフェリクスを捉えるが、双剣の騎士は纏うオーラでその身を守り更に踏み込む。
 防御の上から尚も焼き尽くさんとする滅びの熱を感じながら繰り出すはユーベルコード【インフェルノ・エッジ】――二度、四度、八、十六、加速していく斬撃がダークポイントを斬り裂き、黒血の飛沫が宙に散る!
「――燃え尽きろ、この忌むべき炎に焼かれて! 喰らえっ、インフェルノ・エッジ!」
 トドメの一撃にダークポイントを吹き飛ばし、間髪入れず飛翔する斬撃が宿すは地獄の灼熱。両者は共に火達磨の様相を呈しながら、フェリクスが黒炎を振り払う間に痛打を受けたダークポイントもまた後退していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

春日・氷華
氷の異能を持つ寡黙な少女。
触れたものを凍らせる冷気と氷を操る。

【火炎耐性】火鼠の皮衣で全身を覆い、身を伏せる。
「……来た」
炎をガードしてあと、素早く白手袋を口で外したあと地面に手をつけて【絶対零度】の見えない冷気を周囲に放つ。
「……仇は討つ」
倒れているヒーローやヴィラン達を冷気で感じながら、彼女の怒りを表すように張り巡らした冷気が強烈な吹雪をビル街に生み出す。
「……あなたの攻撃は、もう届かない」
この吹雪の中では視線は届かない、弾丸が貫通しても周囲に水分がある限りあたしの体の傷は氷で覆われ再生される。
あたしの武器は全て氷と冷気、水分によるもの、つまり絶対に自傷できない。
「次に狩られるのはお前だ」



●VSダークポイント ― 11th Round ―

「……来た」
 マンハッタンの戦場、ビル街の隙間から飛び出すように現れたダークポイントを待ち構えていたのは春日・氷華(氷の女王・f22182)。
「推論:汝=冷気能力者?」
 ノイズの掛かったようなオブリビオンの声にも凍気を纏った少女が言葉を返す事は無い。同様に元より返答など期待などしていなかったか、重傷を負いながらも暗黒の射手の動きには僅かな停滞も無く。
 【ダーク・フレイム】――視線を媒介に発動する黒炎は氷華にとっては天敵と言ってもいい。
 故に、対策があるのもまた必然。
 黒炎が襲い掛かったのは氷華が咄嗟にその身を包んだ火鼠の皮衣。決して燃える事の無いとされるそれすら緩慢に蝕んでいく火勢はジェネシス・エイトの一角を占めるダークポイントの理外たる証左か。
 ――だが。氷の女王の怒りを鎮めるには、その黒炎はあまりにも温かった。
 異能を抑制していた白手袋が外され、黒き炎までもが白氷に閉ざされる。
「……仇は討つ」
 冷気を通じて感じられるのは倒れた人々……猟兵の到着より前に犠牲になったヒーローやヴィランの存在。冷気は吹雪となり、ビル街の闇を白く白く染め上げていく!
「……あなたの攻撃は、もう届かない」
 それは宣告。戦場は既に氷華の統べる処刑場と化し、荒れ狂う吹雪そのものが壁となって視線はおろか撃ち出される弾丸すらも遮る。
 ユーベルコード【絶対零度(アブソリュート・ゼロ)】――冷気操作の極致が一つ、満ちる凍気から成る空間の支配。推論も仮定も、否定も肯定も最早何一つとして意味を持たない。白い帳の向こうで僅かに黒影が蠢いたのは、氷雪荒れ狂う領域からの脱出を図ろうとしたのか。
「次に狩られるのはお前だ」
 槍の如き氷柱が、弾丸の如き氷礫が形を為す。それは統率のとれた軍勢にも似て、オブリビオンのシルエットを白く塗り潰した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
【鎧無視攻撃】で【串刺し】て
黒剣からの【零距離射撃】負傷して強まった、加減なしの【生命力吸収】する光を放ち、跡形もなく消滅させよう、として……
投げ飛ばされて見失うとか?した
……まだ遠くには、いっていない筈、です

【第六感】を信じて【ダッシュジャンプ念動力】で自身を【吹き飛ばし空中戦】と、飛んで

みつけた……!
【恐怖を与える】?不死身系再登場
私は死なない、死ねない
【覚悟、激痛耐性】怯まない、ですが
殴り投げ飛ばされるなど、超連射された弾丸に押されるなどで、近づけないことは、ある

だから目を【かばい】守り、敵を視認して
『フェイタルムーブ』
【暗殺】串刺し、光で、飲みこむ

過去を、今生る私の力に
人を、救います



●VSダークポイント ― Final Round ―

「は、っ……」
 積み重なる消耗に息を切らしながら、しかしその存在を悟られぬよう気配を消してナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は戦場を駆ける。
 先の戦いでの最後の交錯、確かに彼の黒刃はダークポイントの急所を貫き通した筈だった。だが、その後もダークポイントは生き延びている。今もまだ。

 反撃を受けた訳ではない。あの瞬間のオブリビオンにそこまでの余裕は無かった。
 防がれた訳でもない。負傷により強さを増した生命喰らう輝きは確かに突き刺した肉に通っていたエネルギーを絞り尽くした。
 ならば、その絡繰は何か。
 ……種族すら定かでないこの怪人は、決定的な一撃を受ける寸前に自らの身体を切り離していたのだ。
 幾度となく致命の一撃を受けながら未だ銃を手放さないダークポイントの最後の生命線を見切り、ナイ・デスは決着を付けるべくビル街を縦横無尽に疾走する。
 勘の背中を押すままに放つ念動力は地面に向けて。その反動を受けた小柄な身体は射出されるかのように舞い上がり――
「みつけた……!」
「推論:不死性=喪失」
 ナイが標的の姿を目視してから迷彩を暴かれるまで、今度は3秒。その刃が再び暗黒の射手を捉えるより早く、防御叶わぬ超高速の連射が驟雨の如くに降り注ぐ!
「いいえ……私は死なない、死ねない……!」
「肯定:対応=消滅」
 その身を再生させる輝きは今や無く、ならば肉体を削り切って消滅させるまでと弾雨は更に激しさを増す。
 体積が半分になる程に肉を喪い、尚も標的を見逃すまいと血色の瞳を爛々と輝かせ進み続ける様は意思の強さを通り越して狂気の域にすら達していただろう。
 強力な念動力を守りに割いてなお弾雨を凌ぐには足りず。遂にその脚が膝下から千切れ飛び、額への一射を最後に首が胴を離れる。
「肯定:抹殺=達成」
「そう――私はここにいて、ここにはいない」
 声は射手の背後から。
 咄嗟に振り向こうとする動きに滲んだのは、或いは脅威の念か。
 ユーベルコード【今はあなたの後ろにいる(フェイタルムーブ)】――瀕死になり放棄された仮初の肉体が崩れ落ちると同時、新たな肉体はそれ以上の反応を許さず二振りの黒剣を突き立てる。
「過去を、今生る私の力に――人を、救います」
 その喉が否定の声を発するよりも猶速く。
 今度こそ逃がさぬと――溢れ出した光の奔流が、オブリビオンの生命を残らず奪い尽くした。

 ―― “ジェネシス・エイト”ダークポイント、撃破 ――

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月17日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト