アースクライシス2019⑥~乗り越えよ社会の荒波~
●乗りこなすには並のモノじゃあない
「人々の堕落を理由に、神様は大洪水で善良な一族と動物をひとつがいずつを除いて滅ぼした、という神話は知っているかね」
方舟の神話として有名な話を、グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは唐突に語り出した。
「大洪水で世界を滅ぼした、という意味では何らかの関わりがあるかもしれないがね」
グリモアを輝かせながら彼女はとあるマスクを付けた女の姿を映し出し、集まってきた猟兵を見回した。
「さぁ語ろうか。舞台はヒーローズアース。正義と悪の絶えぬ戦い繰り広げられる英雄の世界だ。君達にはサーフィンをしながら悪しき神話の再現を阻止して貰いたい」
映し出した女は敵幹部が一人、レディ・オーシャンであり、彼女の作戦によってハワイ沖で大津波が発生している。
それは神話の時代に世界を滅ぼしたという、大海嘯の前兆なのだそうだ。
そしてその大津波は、ハワイ部族に伝わる『サーフィン魔法』なるもので食い止められるという。
だが敵もその魔法の知識を有しており、それによって大津波を強化している。
「君達にはサーフボードを使い、波乗りを披露しながら津波を鎮静化して欲しい」
そう言ってスフィーエが映し出すのは、何処か民族めいたアトモスフィアを醸し出す呪印と祈りが込められたサーフボード。
それを使って上手く波を乗りこなし、乗った波を制御するのが『サーフィン魔法』なのだという。
しかし敵もまたその知識を有しており、同様に波に乗りながら津波の勢いを増長させているのだという。
「よって、君達は敵よりも上手い波乗りを披露しながら敵を倒して欲しい」
魔法のぶつかり合いにおいては、より上手く波を乗りこなし高かったり海流の激しい場所へ陣取った方が勝つ。
そうなれば津波を操れる都合上、より戦いに於いても有利になるだろうと語った。
「敵となるのはこのサラリマン達だ。この見た目で中々のサーフィンを披露してくれる。正に社会の荒波にも負けず……おほん」
僅かに頬を赤らめながらスフィーエはグリモアを輝かせ、敵となるオブリビオンの姿を映し出す。
紺や黒といった地味なシヴィル・クローズ(背広)に身を包んだ彼らは、スーツケースに隠した銃で攻撃してくるのだという。
それを除いても、素の身体能力も中々のものであり、スーツに身を包みながらも一切濡れずにサーフテクニックを披露するワザマエの持ち主だとも語る。
「一説によるとニンジャめいた何やらの末裔やらという噂もあるがね。まあ、とにかく中々の体術(カラテ)の持ち主だ。油断はしないでくれたまえ」
尤も、油断さえしなければ猟兵一人一人には劣るとも補足しつつスフィーエは微笑んだ。
一通りのことを語り終えたスフィーエは、諸々を映し出していたグリモアを変化させるとハワイ沖までのゲートを開きながらこう締めた。
「さて、私からは以上だ。サーフィンは楽しそうだが、敵の作戦自体はやはりえげつないし、止めて欲しいものだ。頼んだよ」
裏山薬草
●注意!!
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「アースクライシス2019」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
どうも、裏山薬草です。
乗るしかない、このビッグウェーブに!
さて、今回はですね、波乗りをしながら敵と戦うシナリオとなっております。
皆様は現地で呪力の籠ったサーフボードが支給されますので、それで波に乗りながら戦って貰います。
上手く敵より上手い位置を取ったりサーフィンのテクを見せたりすればプレイングボーナスになります。
また、集団戦ですが基本的には一対一で戦うのでその心算で来てください(合同プレイングによっては三対三などもあります)
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
裏山薬草でした。
第1章 集団戦
『サラリーマン』
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POW : シークレット・ガン
【手に持つアタッシュケースに内蔵された兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : エンシェント・マーシャルアーツ・カラテ
【カラテ】による素早い一撃を放つ。また、【武器を捨て、スーツとネクタイを脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 情報解析眼鏡
【スマート・グラスで敵の情報を解析し、】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
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アリソン・リンドベルイ
【WIZ 庭園守護する蜂軍団】
ーーーなるほど。グリモア猟兵さんも言ってらしたけれど、社会の荒波に揉まれて戦ってきたから、こんな波濤をものともせずに乗りこなせるのね…。
感心しつつ、おっかなびっくりサーフボードに乗って、サラリマンさんを追いかけるわ。……ええ、ええ。何しろ、海で泳いだこともないもので。不調法かもしれませんが…。 カラテや銃弾を『オーラ防御』で防ぎながら、慣れない動きで追いすがります。……相手への攻撃と妨害は、『庭園守護する蜂軍団』に任せて、私自身は防御と波乗りに専念…少しづつ、コツを掴んで行きたいのよ。落水しそうなときは、『空中浮遊』で海面近くをぱたぱたと飛んで、波乗りを再開するわ
●社会の荒波(物理)
七三分けの眼鏡をかけた中年男が一切の着崩しの見当たらないセイヴィル・ロー(背広)姿でそれは見事なサーフィンを披露していた。
「ドーモ、猟兵=サン。有村です」
……相手になるサラリマンの名は有村というらしい。
おっかなびっくりで、よたよたと揺れる波間の振動を伝える板の上に立ちながら、その波に乗って追いかけるアリソン・リンドベルイ(貪婪なる植物相・f21599)は関心しながら呟いた。
「――なるほど。グリモア猟兵さんも言ってらしたけれど、社会の荒波に揉まれて戦ってきたから、こんな波濤をものともせずに乗りこなせるのね……」
ええ、ええ、何しろ海で泳いだこともないので不調法かもしれませんが。
社会の荒波(物理)が頼りないアリソンの身体を、サーフボード越しに揺らそうとも。
アイサツを終えたサラリマンが早速サーフボードで波に乗り飛沫を上げながら、擦れ違い様の胴回し回転蹴りを見舞いに来ようとも。
アリソンは諦めない。
鋭い回転蹴りを体の内側から弾けるようなオーラめいた何かでそれを受け流せば、バランスを崩したサラリマンがサーフボードに乗ったまま独楽のように回り。
敵意や悪意を感じ取った彼女の使役する毒蜂が、サラリマンの身体に纏わりつき容赦なく毒針でスーツに孔を開けていく。
「グワーッ蜂毒!!」
例えビジネスマンの眼鏡による超高度な演算を以てしても、平和な大海原という庭園を荒らす害悪に蜂の慈悲は無く、演算と予測をしても尚、凌げず潜り抜けられぬ程にサラリマンを埋め尽くし――
「よ、と……ん、こんな感じ……?」
掌大の蜂の毒針がサラリマンの顔に腫れという化粧を施し、大いなる海原に沈んでいく最中。
漸く揺れ動く波の上、荷重の移動を見出しつつ、時に翼による浮遊で横転を避けながら波乗りのコツを掴んだアリソンは。
その和やかな雰囲気とは裏腹に、飛沫と水を切る音を烈しく奏でながら大津波を乗りこなし制するのだった。
成功
🔵🔵🔴
鍋島・小百合子
POW重視
人の生は楽と苦を行き来するものよ
この程度を荒波というのであれば人の世はさぞ地獄であろう
「さて…ぼーどとやらはどう乗ればよいのかえ?」
水着姿でぼーどの上にてまずは波に乗れるよう精進
慣れてきたら馬を騎乗して操るかのように乗りこなしてみせる
敵との戦闘では波乗りを継続し残像で翻弄しながらの一撃を加えていく(鎧砕き、咄嗟の一撃併用)
敵からの攻撃には波に乗りながらの回避、間に合わない場合は薙刀を前方に風車の如く回しての武器受け防御
機を見てUC「災禍刺刀撃」発動
敵の至近距離まで波に乗りつつ接近し抜刀した小太刀で刺突(ダッシュ、串刺し、鎧砕き、ジャンプ、咄嗟の一撃併用)
●人生楽ありゃ
「さて……ぼーどとやらはどう乗ればよいのかえ?」
水着姿の鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は呪力の祈りの込められたサーフボードの上で海面を揺蕩っていた。
実際に乗りこなしてなければ分からないものもあるが、揺れる波の上、イメージは、そう……馬。
如何な悪路も力強く駆ける戦場の名馬の如く――乗りこなす骨子が分かれば後は容易きこと。
小刻みに板を上下させ波に食いつき、薙刀を一つ構えて駆け抜ける小百合子にサラリマンは一つアイサツの声を発す。
「ドーモ、猟兵=サン。吉永です」
胡麻塩じみた頭髪を潮風に揺らしながら平然と津波を乗りこなすサラリマンに、擦れ違い様の薙刀の一撃を見舞い。
反撃の手刀を波の揺れを利用しながら上方を取るように移動して躱していく彼女にサラリマンは嗤いながらスーツケースを取り出すと。
「やられたらやり返す……倍返しだ!」
「甘いわ!」
スーツケースより出でた機関砲のけたたましい銃撃音が響く。
しかし荒波という名馬を乗りこなすに至った小百合子を貫くには至らず、ただ虚しく銃弾は彼女の残す影を通り過ぎるのみ。
「ほほう中々。しっかーし! 社会の荒波を超えてきた我々の前には甘い!」
「ふんっ!!」
笑うサラリマンの機関銃が終には小百合子を蜂の巣に変えんとしても。
数多の銃弾の雨霰を、薙刀を眼前で一回転させることで纏めて弾き斬り伏せて。
「くくっ……この程度を荒波と呼んでは、この世はさぞかし地獄であろう。のう?」
人生は楽と苦を行き来する終わりのない循環。
それはこの津波よりもなお苛烈――呆気に取られるサラリマンの懐へ、波をぼぉどで斬り裂きながら疾風の如く迫り。
「我は放つ鎧貫く剛の一刺……受けよ!」
護り刀に込められた必殺の勢いが、サラリマンの心の臓を貫きながら。
波乗りの勢いを以て血糊を振り払いながらそれを鞘に納めれば。
サラリマンの爆発四散する音が、水飛沫を上げながら響き渡るのであった。
成功
🔵🔵🔴
ナギ・ヌドゥー
洪水伝説は世界各地で伝承されてますからね。
幹部最強と噂されるレディ・オーシャンならあるいは……
で、その阻止の為にやる事がサーフィンって。
果たして波乗りと呼べるものに成るか成らぬか?
【ドーピング】【オーラ防御】常時使用
【第六感・野生の勘】で知覚を限界まで研ぎ澄まし
優位な位置を【見切り】ボードを乗りこなす
武器・邪絞帯を作動させ敵のボードを絡め捕りバランスを崩し
【殺気・呪詛・呪殺弾・制圧射撃】で撃ち合いと行こうか
敵がUCを放ったらこちらもUC発動
敵に反射し攻撃は全て無駄になると教えてやろう
●無駄撃上等
踏みつけず波の流れに委ねるようにボードを自然と乗りこなしながらナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)は穏やかに思いを馳せる。
(洪水伝説は世界各地で伝承されてますからね。幹部最強と噂されるレディ・オーシャンならあるいは……)
研ぎ澄ました全ての身体の感覚を以て、優雅に波を彼は乗りこなしつつも誰もが思うであろう指摘も一つ。
「で、その阻止の為にやる事がサーフィンって」
――果たして波乗りと呼べるものに成るか成らぬか?
その答えは、これから始まる戦いというものが語るだろう。
近くまでやってきたサラリマンの一体が両手を合わせ軽く薙ぎに頭を下げる。
「ドーモ、猟兵=サン。須藤です」
アイサツもそこそこに、須藤と名乗ったサラリマンのサーフボードへとナギは飛ばす。
その顔を穏やかなそれから徐々に、波の激しさと比例さすように好戦的なサガを露わにし。
その手から解き放った包帯、呪いの紋様を込められたそれが名の示す蛇のようにサラリマンのボードを絡めとり、引っ張り上げると。
「おっと、動けるデブか」
「スゴイ=シツレイ! メタボと呼びたまぁっえっ!」
サラリマンも負けてないのか、舞い上げられたボードに喰らいつくように乗りこなすとスーツケースを変化させた銃より弾丸を放つ。
その弾を、ナギの掌より放った光線で相殺する様にサラリマンがより邪悪に嗤えば。
「さぁ散り給え猟兵=サン! エネルギィィ充填! 128プァーセントォ!!」
蛮声上げてサラリマンがスーツケースを変化させたグレネードより、ナギを爆発四散させる榴弾を放ち。
「――いい技だ」
それに合わせるように静かにナギは――その榴弾を、真っ向から腹筋で受け止める。
クリーンヒット、そのまま榴弾の爆発にナギが犠牲となるかと思われても。
「返すぜ!!」
サラリマンの驚愕の顔は跳ね返った榴弾が顔に触れるや否や。
爆ぜる炸薬が、驚愕の顔ごとサラリマンを波間の中に消し炭とさせるのだった。
成功
🔵🔵🔴
李・蘭玲
華麗なる喪失を発動
ウェットスーツで参戦
機嫌が良い
ニンジャVS元工作員なんて映画みたいだねぇ!
波乗りはスポーツ、つまりリズムが大切
相手の呼吸に合わせず自分の呼吸で動くよ
回避は高波を呼んで自分を打ち上げたり
チューブライドで波を盾にするさ
ごきげんよう『坊や』、アタシと遊ばない?と挑発
得物は記憶消去銃と刻印
戦闘知識を活用して海上戦を制していこう
最大出力の消去銃で先制攻撃
天眼で波の流れを分析(情報収集)しつつ照準を合わせる
掴まれそうなときは払い除ける
お返しは衝撃波に鎧無視の一撃のおまけつきでね
残り少ない寿命を使ってんだ、お代は安くないよ!
ハワイの海にスーツで来るなんて無粋だね
大人しく骸の海に揉まれてな!
●ブラックパンサー
――ああご機嫌だ。
老練なる落ち着きの象徴<メイドキャップ>を外し、ウェットスーツを身に纏った若き女が華麗なるサーフテクニックを披露していた。
李・蘭玲(老巧なる狂拳・f07136)はニンジャと特殊工作員という状況に喜びを感じながらも海流を乗りこなしサラリマンへと迫り。
記憶を掻き消す銃の一撃を、射程に入るや否や解き放つ。
アイサツの前に一度だけ許された先制攻撃を、サラリマンはまともに喰らいながらもその意識を蘭玲に向けた。
「ごきげんよう『坊や』、アタシと遊ばない?」
「ドーモ、毛利です。……ハイヨロコンデー!」
反撃に放たれた体術(カラテ)は波打ちをバネとした跳躍からの、サーフボードの硬度と質量を乗せての飛び蹴り。
岩すらも砕く一撃と速度を、激しき海流渦巻く場所の優位を得ていた蘭玲のサーフィン魔法が海流を操り――高波を一つ立ててそれを盾とし弾き。
よろめくサラリマンに記憶を消す光を牽制としながら、海流を乗りなし弾丸の如く海を駆ける。
全てを見据える天の瞳の如き演算装置を以て海流の流れ、波の揺らめきを自動で正しつつ照準合わせ、最高の力振り絞った光を放ち。
光線を真っ向から受け、全身より白煙噴いて狂気に笑みながらサラリマンはついぞ、卓越せし体術の握力で蘭玲の手首を潰さんとするも。
「咲かせよう真夏の一花! 一つ夏の熱い経験ン!!」
「安かあないよ!!」
咄嗟に左掌で、下から上へ掬い上げる様に掴みかかるその手を弾き飛ばし。
時空万象にも触れ、霊体すらも砕き散らす刻印を乗せた掌底は、サラリマンの精強な肉体をも貫き心の臓を撃ち抜き破裂せしめ。
「大人しく骸の海に揉まれてな!」
雌豹の如き若さと美と力を取り戻す代償は命。
振り絞るその力と姿に触れる対価、命こそが相応しき――そもそも、心地よき海に堅苦しいスーツなど似合う道理も無。
海に散っていく亡霊の身を一つ見送りながら、蘭玲は高波を覇したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
石守・舞花
波間のカラテファイターvsスペース戦巫女、さながらB級映画って感じですね
クロックアップスピードで反応速度を上げて、的確に波を読んでチャレンジです
波乗りの経験はこの戦争が初めてですが…
体幹をしっかり保つことが大事なら、いしがみさんもそのへんは薙刀で鍛えてます
武器は身軽な包丁を使うことにして、全身でバランスをとります
大波に乗ってジャンプしたりちょこまかと左右に移動して、敵が狙いを定められないように細かく動きます
隙ができたら眼鏡を【部位破壊】して怯ませてから本体に攻撃です
疲れたので【生命力吸収】もさせてくださいね
「お命頂戴いたします……このセリフ、一度言ってみたかったんですよね」
●斬る者ルーモス
それはまるでB級映画のようではないか。
パチンと弾かれた指が、今、繰り広げられんとした戦の鐘を鳴らす。
限りなく加速した内的時間(カイロス)は、僅かな波の揺れと荷重の移動もスローモーションのように感じ取り。
日々の薙刀の振り回しで得た体幹の強さは、身軽な包丁を選ぶことで細かな姿勢制御をも可能とする。
石守・舞花(神石の巫女・f17791)は波打つ海面を巧みに飛び跳ねながら、波に乗りながら繰り出されたサラリマンの拳を難なく躱す。
「ドーモ、猟兵=サン。波佐見です」
「ドーモ、波佐見=サン。石守です」
交わされる一つの作法というべきか。
揺らめく海面を物ともしない卓越した体術(カラテ)による両手からの無数の拳を、海面の揺らめきを利用しながら上下左右、自在に動くことで舞花は躱す。
やがては痺れを切らしたサラリマンの回し蹴りを波の揺らめきを逆用し跳躍しながら躱すと。
「その綺麗な眼鏡をふっとばーす」
「へぶしっ!?」
次の瞬間。
無慈悲にもサラリマンの顔面を陥没させるように、舞花の足裏が眼鏡のレンズを派手に割りながら突き刺さる。
怯ませる、という目的どころか少なくない衝撃を与えた今こそが好機――即座にボードに着地すると波の勢いに乗りながらサラリマンの懐へ潜り込み。
「お命頂戴いたします……このセリフ、一度言ってみたかったんですよね」
喉笛、肩口、鳩尾。
横真一文字、袈裟懸け斬り、突き上げ。
実体のないものすらも斬り裂く包丁による、瞬き一つの刻にも満たぬ一瞬の連撃が強かにサラリマンを刻み。
そのついでに舞花の中に仕込まれた神石の欠片が、血を介しながらサラリマンの生命力を根こそぎ吸い上げて。
「グワーッ万能包丁=サン!?」
「いえ、魔切り包丁さんです」
断末魔の叫びを軽く受け流し、しめやかに爆発四散するサラリマンの下から颯爽と離れ。
巫女の送る華志の舞いの如き波乗りが、荒れ狂う波をまた一つ御するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ナーシャ・シャワーズ
はは、波乗りときたか。
宇宙の波を乗り越えて来て、地球の波を乗り越えられなくちゃあ格好がつかない。
きっちり魅せて差し上げよう。
ソウル・ガンは魂の力で扱う。そして波にもソウルがあるのさ。
それを感じ取れば波は敵じゃあない、味方だ。
制するのではなく、一体化する。それこそが極みよ。
さあ、波よ。時に激しく時に静かに、だ。
宙に跳び、再び波へと帰る。
エアリアルは得意技だ。そういう戦いを魅せようぜ。
カラテとやら、見事なもんだが当たらなくちゃあ意味がない。
波と空を乗りこなす私の軌道についてこられるかな?
ソウル・ガンはお前さんが何処に居ようと、どんな動きをしようと狙っているぞ。
そう、波が教えてくれる。その道筋を。
●わだつみのようなつよさをきっと
足の裏を起点に五指と脳天の先までに感じる海の揺らぎ、その大いなる魂(ソウル)――御するのではない。
ただ感じ取ればそれが味方――ナーシャ・シャワーズ(復活の宇宙海賊【スペースパイレーツ】・f00252)の操るサーフボードがまるで彼女の靴の一部のように。
海面を蹴るように飛び、空の虚空の流れすらも滑るように乗りこなしサラリマンへと彼女を運ぶ。
「ドーモ、雨宮です」
「ご丁寧にどうも。……それじゃ、魅せてあげようか」
雨宮と名乗ったサラリマンが放つ、鳩尾を目掛けたアッパーカットを兎のように飛び越え躱し。
着水の飛沫を上げながら波の揺らめきの鼓動を感じ、それを左腕の銃に籠め。
解き放たれた弾丸がサラリマンの肩を盛大に貫き、呻くその隙にナーシャは波を流れより高みへ至り。
されどサラリマンも負けず、スーツに水の一滴も付けぬほどに追い縋りより高きへと至り追い詰める。
「――さぁ波よ。時に激しく時に静かに、だ」
サーフボードが互いの上下を奪い合うチェイスを続け、海流が時にナーシャの思うがままにならずとも。
御するではなく、ただその激流と一つとなるように――波の上下をバネに飛んだカラテの飛び蹴りを、それよりも尚高度に。
跳躍の高度、技巧の領域の双方の意味でより高きナーシャの跳躍がそれを躱させる。
「見事なもんだが当たらなくちゃあ意味がない。波と空を乗りこなす私の軌道についてこられるかな?」
宙を飛び、波へ帰り。
宇宙の荒波すらも超える御業は、地球の波をも味方につけて。
「そしてソウル・ガンはお前さんが何処に居ようと、どんな動きをしようと狙っているぞ。波が教えてくれる。その道筋を」
ターゲット・スコープが海流の揺らぎを介して伝わるサラリマンの存在ならば、弾は偉大なる海の息吹。
津波の飛沫を盾に紛れて体勢を立て直さんとするサラリマンの脳天を正確に貫き――骸の海に一つ、亡霊を還すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ウィーリィ・チゥシャン
よくあんな動きにくそうなカッコであんだけ見事にサーフィン出来るな!
っていうか暑くないのかよ!
恐るべしサラリマン。実際スゴイ!
けどな、荒波からみんなの暮らしを守るためにこっちも負けてはいられない。
波の動きを【見切り】、向かってくる大波を【カウンター】で乗り上げる事で相手の高所に陣取り、そして【属性攻撃】で波を操り戦いを有利に進める。
敵の銃撃は厄介だけど、それも安定した足場があってこそ。
【フェイント】を駆使してそれを回避しながら、【料理の鉄刃】で敵が乗ろうとしている「波」を切断してバランスを崩し(研ぎ澄まされた刃と技に、料理出来ないものはない!)、そこへ大包丁の【二回攻撃】と叩き込んで撃破する。
●ダイナミック調理
スピード・スケートのように交錯し合いながら高所を奪い合いつつ、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はサラリマンに向かって叫んだ。
「あんなカッコであんだけ見事にサーフィン出来るな! っていうか暑くないのかよ!」
「ドーモ、秋山です。問題ありません。これもカラテのちょっとした応用というもの」
「恐るべしサラリマン。実際スゴイ!」
一切の乱れ無き技巧を称えながら、サラリマンのスーツケースから放たれた銃弾を波に乗りつつ躱し。
激流に乗りながら振るう大包丁が、サラリマンの胴を真っ二つにお別れさせんとするも、サラリマンは上体を背中から倒れる寸前まで逸らして躱し。
スライディングめいた加速でウィーリィの横を過ぎると、スーツケースを今度はバズーカへと変形させ。
「きぃぃたなぁいはなあなびにぃ! なりなさぁぁああいい!!」
「そんなの、お断りだ!」
このワザマエ、カラクリめいたスーツケースの火砲。
厄介極まりない。
けどな。
――俺だって、荒波からみんなの暮らしを守るために負けてはいられないんだ。
荒波も物ともしない確かな狙撃をするならば。
その足場を、崩してやればいい――その瞳に決意の炎を宿し、少年料理人は鋼の大包丁を力強く振るって見せた。
駆け抜ける衝撃が激しい飛沫を上げるが、何処を狙っているとバズーカを向けたサラリマンは嗤って引き金に指を掛けた刹那。
「研ぎ澄まされた刃と技に」
突如としてぐらつくサラリマンの身体――明後日の方向へ解き放たれたバズーカの砲弾。
その疑問は至極単純、そう……「サラリマンの乗っていた波が綺麗に切断されていた」のだ。
「料理できないものなど……無いッ!」
「わ、ワザマエ!!」
切断された波間に堕ちていくことも許さずに力強く制した波を操り、何処までも速く迫り。
今度こそ真一文字に、血糊の付着すらも許さない正に瞬断と呼ぶべき一撃がサラリマンを骸の海に還したのだった。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
いやー、お務めご苦労さん!
まさか海の上でまでスーツとはねぇ。
悪いけどアタシは水着で邪魔するよっと!
自信満々でボードに『騎乗』って、沖まで繰り出そうじゃないのさ!
さあ、そのアタッシュケースも厄介なブツなんだろ?
ノリノリで波を遡りながら、
『衝撃波』で水柱を立てて『目潰し』を試みるよ。
ついでにそうしとけば、銃弾も『見切り』やすくなるだろ?
そうしている間に、波のてっぺんを目指すよ!
最後は一気に『ジャンプ』してオッサン目指して急降下!
勢いのままに、【漢女の徹し】を
サラリーマンのボードにぶっこむよ!
●To The Light
「いやー、お務めご苦労さん! まさか海の上でまでスーツとはねぇ」
「ドーモ、滝沢です。私は貴女で眼福です」
波乗りで向かい合いながら競泳水着にパーカーを羽織った女と暑苦しいスーツ姿の男の皮肉り合いが交わされた。
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)と滝沢と名乗ったサラリマンの視線が数瞬、交錯し合うと。
サラリマンのケースより突然にタイピング音めいた機関銃が、多喜目掛けて襲い掛かった。
ハワイにも関わらず別の地名が銘打たれた機関銃の弾丸を、波の揺らめきを伴い、腕を軽く振り回しつつ上体を逸らして多喜は躱し。
荷重を後方に掛けることで、海面を跳躍し、正に順風満帆に波を遡ればサーフィン魔法は一時的な勝者を彼女に定める。
故に多喜は、躊躇いなく手刀を海面に強かに打ち降せば――
「さて、厄介なブツっぽいから……イヤーッ!!」
「グワーッ水柱!?」
迸る水柱は、性懲りもなく放たれるサラリマンの機関銃をその質量と打ち上げる衝撃で逸らし多喜を守り抜き。
飛沫の迸りはサラリマンの眼鏡を曇らせ、彼から多喜の存在を晦ませた。
「むぅっ、何処に行った!? 出てぇぇ来たまぇぇっ!」
水柱が漸く収まりサラリマンの視界が晴れても、その時既に多喜の姿は其処に無く。
「ああ、お望み通りにしてやろうじゃないか!」
「上かっ!」
「上さっ!!」
サラリマンの耳に響いた多喜の声、その出どころは彼の頭上。
波の頂点を制し、波から跳躍し眩き日差しと水飛沫を纏いながら現れた多喜。
一瞬、見惚れてしまったがこのサラリマンの愚かなる選択。
海を制し、空を駆け、重力すらも味方につけて。
ピューマの如き力強い掌に籠めたサイキックは、触れる者を原子に帰す光の鉄槌の如くサラリマンの身体と、その下のボードに盛大に叩き付けられ。
「サヨナラ!」
爆ぜるサイキックの奔流が、サラリマンを爆発四散せしめ多喜の勝利を祝うように海が美しき飛沫を舞い上げた。
成功
🔵🔵🔴
緋縅・善蔵
鞄に銃を仕込むのは良い。
だが鞄から銃を取り出すのではなく鞄が銃なのはハードボイルドとは言えんな。
さて、俺もサーフボードを借りて出陣する。
兜跋着たままだが(ボードに)浮力があるから問題無い。
ついでに【念動力】で足裏とボードをくっ付けてるからノープログレム。
〔VRB〕を使用した上で敵より大波に乗ってくれよう。
「波乗りするには不向きそうなスーツじゃァないか」
言いつつ大波に乗ってカットバックターンを披露。
「お前は次にこう言う。アイエー!ロボット。ロボット!なんで!…と」
波乗り魔法で敵にダメージを与えたらトドメだ。
「サーフィン・ラム」で!(単にボードに乗って突撃するだけです)
●GET READY
サーフィンを行う者としては、相対する両者の姿は途轍もなく異様だった。
「波乗りするには不向きそうなスーツじゃァないか」
一切濡れることなきスーツ姿のサラリマンに言葉を投げかけたこの男、緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)の姿は。
端的に言ってしまえば、アニメイシヨンの中から出てきた重装甲の人型決戦兵器が如きその姿。
数多の火砲を備えた鈍色と、顔の中点に威圧感たっぷりに輝くモノアイ。
総重量はキロでは足りぬ身に見えても、ボートの浮力は如何なくそれを支え、念力が磁石のように足裏とボードをくっ付ける。
「ドーモ、猟兵=サン。鳥羽です。そして……全ての出会いにぃぃグッドバイソン!」
異様なその姿に平然とサラリマンはアイサツを交わすや否や、スーツケースを変形させて、ロケットランチャーじみた弾頭を放つも。
「鞄に銃を仕込むのは良い。だが鞄から銃を取り出すのではなく鞄が銃なのはハードボイルドとは言えんな」
――無粋に過ぎる。
見せてくれよう、真の「粋」というものを――全身に満ちた紅蓮の闘気を噴き上げて善蔵は波を疾しる。
海の青と噴き上がる紅蓮の闘気の対照美の華麗なるカットバックターンを披露し、サラリマンの放った弾頭を躱し。
「お前は次にこう言う。アイエェェ! ロボット!? ロボットなんで!?……と」
「アイエェェ! ロボット!? ロボットなんで!?……ハッ!? うぶっ!?」
唐突なRRS(ロボット・リアリティ・ショック)の叫びを言い当てられ一瞬怯んだその隙に。
波を制した善蔵の操る海流がサラリマンの身体を一気呵成に呑み込むと、そのまま闘気を噴き上げながら彼は突撃し。
「サーフィン・ラム、だ」
――悪く言えば轢逃げアタックともいう。
辞世の句を読み上げる暇も与えぬ、その質量と速度を持ったそれは掠めただけでも鉄塊を粉末に変える衝撃を以て。
サラリマンを文字通り「粉砕」に追い込むのであった。
成功
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四季乃・瑠璃
【破壊の姫君】で分身
飛翔翼から出る魔力推進を姿勢の制御と移動の加速力に利用。
威力調整したボムを水面に投げて波と爆風を利用してボードで跳ぶ等、戦闘方法をボードに応用して戦闘。
基本は瑠璃と緋瑪で左右から挟み撃ちや片方が囮になる等連携して戦闘。波による加速から大鎌ですれ違い様の斬撃や【ドロウ、早業】K100での銃撃、【範囲攻撃、早業】接触式や時限式ボムによる爆破で攻撃し、最後にビッグウェーブによる大ジャンプからの【力溜め、範囲攻撃】ジェノサイドノヴァによる広範囲攻撃で吹き飛ばすかな。
緋瑪「おお~!そのアタッシュケース良いね!ちょっと欲しいな~」
瑠璃「その眼鏡も便利そう…良いもの持ってるね」
●バーグラー
二人の女学生めいた少女がサラリマンを追い詰めた。
「ドーモ、賀東です」
アイサツを交わし、少女の内の一人に飛び蹴りを食らわせば、もう片方が銃撃でそれを制し、片割れが炸薬を仕込んだ鎌で打ち据えてホームランヒットのようにサラリマンを吹き飛ばす。
四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と半身の緋瑪は、背に生やした機械の翼を以て波を巧みに乗りこなしつつ、吹き飛んだサラリマンに追い打ちの爆弾を投げ放つ。
しかしサラリマンは眼鏡のレンズに逆光を輝かせると、それを予測したいたかのようにスーツケースを変化させ、逆にグレネードの砲撃を以て相殺せしめ。
「おお~! そのアタッシェケース良いね! ちょっと欲しいな~」
「その眼鏡も便利そう……良いもの持ってるね」
如何な銃にも変形する機構の仕込まれたアタッシェケース。
未来を高速演算する眼鏡型のデバイス――仮に奪い取ったとしても、このサラリマンほどにすぐには使いこなせないかもしれないが、それでも。
「んん! あげませんよぉぉぉ!!」
何処かハイテンションに叫び、サラリマンはカラテの飛び蹴りを殺人姫に放ち分断しつつ、サラリマンの返答に緋瑪が不平の声を挙げる。
「えー」
「まぁ無理強いは出来ないよ。でも緋瑪、こういう時は」
「そう瑠璃、こういう時は」
分断されながらも殺人姫達は顔を突き合わせ、制服の袖から掌にストンと落すように、それぞれが爆弾を手に持った。
サラリマンがスーツケースを変形させた散弾銃の花火が如き無差別の連射を、高波に乗って跳躍して躱し、その爆弾に全ての魔力を込めて。
「「殺してでも、奪い取る!!」」
「な、なにをするだァーきさまらー!?」
彼女達の笑顔はその背後に輝く燦然たる太陽にも劣らず輝かしく。
されど投げ放たれた必殺の爆弾は、苛烈なる太陽の炎にも似た輝きを以てサラリマンを包み込み――ただ、虚しくスーツケースと眼鏡が揺れる海面に揺蕩うのだった。
大成功
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シャーリー・ネィド
宇宙の海はボクの海っ!
地球の海もボクの海っ!
困った時のサメ頼み、宇宙海賊シャークトルネード参上だよ!
サーフィン初めてだけど、地元の人たちに教えてもらったから大丈夫っ
荒れ狂う波に浮かぶサーフボードを【騎乗】で操り、接近戦を挑もうとする敵を【フェイント】でやりすごしながらチャンスを待ち、大きな波が来たところでジャンプ!
【空中戦】で相手の頭上を取ったら【クイックドロウ】の【スナイパー】で熱線の雨をお見舞いするよ!
●サメやらぬ決着の花火
その姿は最もこの戦場に相応しきアトモスフィアを纏っていた。
濃紺のスクール水着に眩しい小麦色の肢体を包み、海賊のような帽子をかぶった少女。
「宇宙の海はボクの海っ! 地球の海もボクの海っ!」
シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)が、教わったサーフテクニックを以てサラリマンの放つカラテを潜り抜けながら名乗れば。
「困った時のサメ頼み、宇宙海賊シャークトルネード参上だよ!」
「ドーモ、シャークトルネード=サン。山野井です」
アイサツを交わすサラリマンが、ぎらつく笑顔と共に手刀を繰り出してくれば、華麗なるスピンを以てシャーリーは躱し。
輝く金の二括りがサラリマンの顔を掠めれば、それを掴もうと彼は手を伸ばし――が。
彼女は波の揺らぎをバネにボードから跳躍しそれを躱すと、吸い寄せられるようにボードへ降りる。
最早この時点でサーフィン魔法の優劣は決まり――大波は彼女の狙いを想定していたかのように、シャーリーを導くように揺れて。
彼女はそれを乗りこなすように高度を徐々に、徐々にと上げて行き――
「史上最大空前絶後! 最大級の大嵐、魅せてあげる!!」
「グワーッ!!」
大津波の揺らぎを以て飛んだシャーリーの姿、宇宙の海を制し地球の海をも覇する偉大なる大海賊の如く。
荒ぶる波の揺らぎは新たなる女王の君臨を称えるように、仇為す逆賊(サラリマン)を揺さぶりそのカラテを封じ込め。
頭上を取ったシャーリーはマスケット銃を向け、その引き金を弾かれるように一瞬で何度も引き。
「サ、サヨナラー!」
熱線の大雨は、サーフィンの後のシャワータイムというには余りにも熱くそして苛烈な衝撃となってサラリマンの身体に無数の孔を穿ち。
此度、一際大きな爆発四散が巻き起こりサラリマンの身体を骸の海に還す――それはこの海の平和の一部と取り戻した勝利の凱歌のように。
輝かしき勝利を称える花火の如くあったという……。
大成功
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