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帝都えれべえたあアクション!!

#サクラミラージュ


●浅草百二十階の怪
 さてはて、浅草六区の名物といえば、見世物、活動、モボにモガ。
 しかし、なんといっても帝国が世界に誇る浅草凌雲閣にとどめを刺すであろう。
 その高さ、実に520メートル。メートル法とかいう当代のハイカラなものなんざあ受け付けないという方には、高さ286間といえばおわかりになるだろう。
 文字通り、雲を凌駕するこの浅草百二十階には、帝国初のエレベーターが建物のいたるところに張り巡らされ、雲の上までもあっという間につくというモダン建築の精髄だ。
 いまだ上層部分は未完成であり、常に増築されてまだ高くなるというから、帝都にそびえるバベルの塔の趣であった。
 しかし、この帝国近代化の象徴たる摩天楼には、不穏な噂があった。
 うら若き乙女をさらい、剥製にせんとする怪人とする黒コートの怪人が出没するという不届きなものである。

「黒コートの怪人なんて、ただの噂ですわ」
「でも、火のないところに煙は立たぬと言いますし」
「行方不明になっている女学生がいるのも確かなのよねえ」

 やってきたのは、三人の少女たちである。
 つんと澄ましたお嬢様が狩生院彩子(かりゅういん・あやこ)、財閥のご令嬢である。
 おっとりした着物にメガネの子は高良千代乃(たから・ちよの)、文学を心指す女子学生。趣味は骨董だとか。
 活発そうに髪をまとめて馬の尻尾のようにしているのが御倉さくら(みくら・―-)、普段は女給のアルバイトをしている。
 ひょんなことから知り合った三人が、探偵の真似事なんかをしていることについてはいろいろあったのだが、今回は割愛する。
 捜査に夢中になって、お互いに推理を披露するなどしていたせいで、背後でエレベーターが開いたことに気が付かなかったのである。
 現れたのは、黒コートの怪人と死人となった少女たち。

「これはまた、よい素材がやってきてくれた」

●大正高層建築に挑め
「そういうわけでサクラミラージュで予兆があった」

 グリモアベース、堂崎・獣明(整備係・f15021)が集まった猟兵たちに告げる。
 浅草百二十階こと、凌雲閣で少女たちが黒コートの怪人とその手下たちにさらわれてしまったのだ。

「浅草百二十階は、エレベーター多数設置した超高層建築だ。黒コートの怪人も、こいつを駆使して犯行に及んでおり、今まで止めることはできなったみたいだ」

 グリモアから、その見取り図が提示される。
 建造中部分も含めると、その数は千を有に超える数だ。

「捕まった少女たちのことをもうとなんとも胸クソが悪い。だが、あの娘さんたちを助けてやってくれ。今ならまだ間に合うはずだ」

 さっそく、サクラミラージュへの転送準備が整えられた。


丹藤武敏
 丹藤武敏です。シナリオを執筆する時間が取れましたので新作を出します。
 大正時代といえば、震災で失われる前の浅草十二階こと凌雲閣ですが、ここでは増築に増築を繰り返した摩天楼としてみました。
 エレベーターということで、日本初のエレベーターを備えた高層建築が舞台です。
 怪人にさらわれた三人を助け出してあげてくださいませ。
 それでは、どーんといらっしゃってください!
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第1章 冒険 『エレベエタアの怪人』

POW   :    周囲での目撃証言等、根気強く情報を集める。

SPD   :    業者、従業員の調査等地道に情報を集める。

WIZ   :    魔術的な何かが関与しているのでは? その点を重きを置き情報を集める。

👑11
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神羅・アマミ
百二十階!千部屋超!?
そんなのいちいち調べてたら日が暮れるどころか年が明けちまうぜ…!

そこで妾が目をつけたのは矢張りエレベーター!
怪人が犯行を繰り返しておきながらも有力な手がかりを掴めなかったのは、そこに秘密が隠されているからに違いない!
どや(ドヤ)!

具体的には、増改築を繰り返した結果「通常の手順では辿り着けないフロア」が隙間のように存在するとまで睨む!
所謂1.5階とかそういう奴。
コード『操演』にて蜘蛛型ドローンのオクタビアスくんのスキャニング能力も利用し、ボタン操作によるカラクリを疑ったり、エレベーター天井の格子を外しシャフト内を直接探ってみよう。
何かヒントの一つも得られれば御の字じゃな。



「百二十階! 千部屋超!? そんなのいちいち調べてたら日が暮れるどころか年が明けちまうぜ…!」

 ごもっともである。実際、日が暮れるし迷子は続出する。
 神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は、この浅草百二十階を効率よく調査することにした。

「そこで妾が目をつけたのは矢張りエレベーター! 怪人が犯行を繰り返しておきながらも有力な手がかりを掴めなかったのは、そこに秘密が隠されているからに違いない!」

 動画の撮れ高を期待して、虚空に向かってどやっ顔を決めた。
 ユーベルコード【操演】によって蜘蛛型ドローンのオクタビアスくんを起動、凌雲閣のスキャンを開始する。
 特に、増改築を繰り返した部分を重点的に調査する。
 怪人が犯行を繰り返しながら、有力な手がかりを掴めなかったのは、見取り図にも乗らない建築物の空白だ。
 よくオペラ座なんかだとそういうところろが怪しい、怪人が潜む定番である。階と階、そういう1.5階的なところにもスペースがある。エレベーターシャフトも重点的にスキャンする。
 ほどなくしてスキャン結果が出た。
 この凌雲閣、エレベーターは横にも移動する。
 これを隠し通路のように使っているようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

神代・凶津
(凌雲閣を見上げている鬼面と巫女)
「・・・高いですね。」
高いな、相棒。
なんでも百二十階あるって触れ込みらしいからな。
ここを根城にしている黒コート野郎をぶちのめして拐われた嬢ちゃん達を助けるのが今回の仕事だぜ。
こいつは骨の折れそうだな。

「・・・式、召喚【捜し鼠】」
まずは相棒の式神を放って黒コートを探させるぜ。
黒コート本人じゃなくても何か手掛かりでも見つかりゃいいんだがな。

式神に探させてる間に俺達も足で稼ぐぜ。
業者や従業員に何か変わった場所や現象がないか情報収集だぜ。
当たりを点けられれば少しは調査が捗るんだがな。

何はともあれ今は地道に行くしかねえか。


【技能・情報収集】
【アドリブ歓迎】



 この天までそびえようかという凌雲閣を見上げるものがあった。
 儚げな巫女装束の少女と、彼女が持つ鬼の面である。

「……高いですね」

 誰もが当たり前に抱く感想を呟いたこの少女こそ、神代・桜である。退魔を生業とし、さまざまな世界を旅するという。
 そしてこの鬼の面、銘を神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)という。

「高いな、相棒」

 鬼の面は口を利いた。ともに退魔の業に身を置く相棒なのだ。
 百二十階になんなんとするその威容、少女たちをさらった黒コートの男を見つけ出すのは相当な手間がかかる。

「こいつは骨が折れそうだな」

 凶津がそれだけ言っただけだというのに、桜は指示を察し、ユーベルコードを発動させる。

「……式神【捜し鼠】(シキガミ・サガシネズミ)」

 桜が式神を召喚している間、凶津も業者や従業員たちから情報収集を行なう。
 無論、従業員も鬼の面に問われたら仰天するだろう。
 立ち話、噂話の類いを、密かに集めるのだ。
 やはり、エレベーターが集中する上層階が怪しいようである。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳴海・静音
うっは、たけェな!しかもまだ建設中ってか?
スゲェ時代になったもんだぜ…いや、この場合は世界か?
ま、記憶のねぇ「私」や海賊だった「俺」が知らねぇだけかもなァ

現時点で一番高い所に来てるぜ、折角だから上から一望したかったからなァ
…さーて、今日も今日とて生きる為に仕事の時間だ野郎共!
必要なのは数、戦闘力は要らねぇからコレでも行けんだろ
『亡霊の狂宴』!出てこい野郎共ォ!物理干渉を限りなく無くせ!フリーフォールの時間だぜェ!
亡霊らしく壁抜けで上から下に移動しつつ人海戦術で隠し部屋がねぇか探させるぜ
…所で、敵はどっから建設中の建物の情報を得たんだろうなァ…

※協力・アドリブ歓迎
手下共の言動等はお好きにどうぞ


斑鳩・椿
「皆、視線は百二十階に釘付け…確かに無用心かも。…でも、それだけに別の行動をしていたら目立つかもしれないわね」

上層階はまだ工事中とのことだが、行けるところまで行ってみよう。地道に目撃情報等を集めながら上っていく。

「申し、よろしいかしら…私、行方知れずになってしまった妹を探しておりますの。お友達も入れて3人でこの辺りに遊びに行ったそうで…見ていらっしゃらない?」

一方で【影狐の献身】を使い、影から現れた小さな狐を一匹放っておく。不審な行動を見せている人間があれば気がつけるように。

アレンジ絡み等可



「うっは、たけェな! しかもまだ建設中ってか?」

 現在、浅草百二十階の最上階である。鳴海・静音(不思議の国の亡霊船長・f19460)は、その頂上から帝都を見下ろした。
 高い、圧倒的に高い。
 その高い位置から見下ろしてみたかったから、まずここにいる。

「スゲェ時代になったもんだぜ……。いや、この場合は世界か? ま、記憶のねぇ“私”や海賊だった“俺”が知らねぇだけかもなァ」

 記憶を失った静音と、亡霊船長も知ることのなかったサクラミラージュの不思議な建造物に感銘を受ける。

「……さーて、今日も今日とて生きる為に仕事の時間だ野郎ども!」

 そう、この広大な建造物の中を調べ回るのはまずは人手である。
 ユーベルコード【亡霊の狂宴(ファントムレヴァルリィ)】によって亡霊の手下どもを使っての人海戦術である。
 亡霊だけに、壁や障害物はものともしない。
 その一方、地上から見上げる猟兵の姿もあった。

「皆、視線は百二十階に釘付け……確かに無用心かも。……でも、それだけに別の行動をしていたら目立つかもしれないわね」

 妖狐の斑鳩・椿(徒花の鮮やかさ・f21417)である。
 いくつもある尾を機嫌よくふりながら、下からの探索を始める。
 上と下から、効率はいいはずだ。

「申し、よろしいかしら……私、行方知れずになってしまった妹を探しておりますの。お友達も入れて3人でこの辺りに遊びに行ったそうで……見ていらっしゃらない?」

 物見遊山で凌雲閣に昇ってきた見物客に、さらりと聞き込みを行う。

「ああ、そういう三人組の娘さんたちなら、上の方に昇っていったよ」

 有力な目撃情報である。
 さらにユーベルコード【影狐の献身】によって小さな狐を影から放っておく。
 椿と五感を共有しており、不審な気配があればすぐに察することができるだろう。

「上から静音さんがしらみ潰しに探して下がってくるはずですから、挟み撃ちにできますね」

 椿は影の狐にささやくと、さらなる探索を開始した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

山田・キリン(サポート)
「よおっし!キリンさんにお任せだ!」
基本的にいつも明るく元気でニコニコ
目的には結構グイグイ向かっていくが、
根がビビりなので必死に隠して強がっている(おばけとかも苦手)
心優しく、困っている人やか弱い相手には、勇気付けるような行動をとる
「大丈夫、キリンさんが着いてるぞ!」
知識は少ないがバカではない。ちゃんと考えることが出来る。
格好良く男らしいもの・行動が好き!
グラフィティーアートがマイブーム

魔法は勉強中だが、雷の属性攻撃を好む
力任せよりも搦め手を使う
戦闘力に自信がないので工夫でごまかす


水梨・リッカ(サポート)
『ラ・プワールの元気担当☆ 水梨・リッカだよ♪』
『よぉーし! 楽しいライブの始まりだよっ☆』
『何だか落ち込んでる感じ? そんな時は、歌って踊れば元気になるよ♪』
バーチャルアイドルユニット「ラ・プワール」として、UDCアースやキマイラフューチャーで活動しています。
口調は「私、~くん、~ちゃん、だね♪、だよ!、だよね☆、なのかな?」です。

ユーベルコードはどれでも使います。後方支援が得意で、連携や良い意味で周囲を巻き込むような動きを積極的に行います。
性格は基本的に明るく元気です。たまに怒ったり泣いたりもしますが、立ち直りが早くポジティブです。
アイドルなので恋愛やお色気系はNGです。



「よおっし! キリンさんにお任せだ!」

 山田・キリン(キリンサンダー・f14194)は、キリンの首を持つキマイラである。
 天高くそびえる浅草百二十階にも挑戦する。根はビビリだが、さらわれた少女たちがいるというならこれを放っておけない。
 さいわい、高いところはその首のおかげで苦手ではない。

「よおし、みんなしゅーごー」

 凌雲閣の壁に、ユーベルコード【Killin'it(サイコーナヤツラ)】でグラフィティアートを描いていく。
 すると、それを目印に故郷の仲間たちの幻が集まってくる。

「なんか、この辺で女の子が行方不明になってるらしいんだ。手がかり探してくれない?」
「よっしゃ、任せておくれよキリンさん!」

 仲間たちの幻は、さっそく手分けして手がかりを捜索する。
 ある者は聞き込み、ある者は目を皿のようにして証拠品探し、ある者はエレベーターでの移動だ。

「私も、ちょっと人を集めてみるね☆」

 これに協力するのは、水梨・リッカ(ラプワの元気担当・f02794)であった。
 ヴァーチャルアイドルユニット“ラ・プワール”の元気担当らしく、その場で歌って踊る。
 このサクラミラージュの人々には、アヴァンギャルドでアプレゲールなパフォーマンである。
 たちまち人だかりができる。

「皆さーん、おはよー☆ 元気ー?」

 その場に集った人々は、この刺激的なパフォーマンスに釘付けである。

「さすがは浅草六区、変わった出し物ですな」
「うーん、実にシュルレアリスムに満ちたハイカラな踊りだ」

 新しもの好きの帝都の人々にはウケがよかったようだ。

  ♪弾け飛び散るこの想い
  全部ゼンブ浴びせるから
  あなたの元へ押し寄せるの SpRush!!!

 歌うと同時に、ピストルに構えた指から水流がほどばしる。

「水芸の手品ですな! これぞ浅草の大衆園芸でずぞ」

 リッカのユーベルコードは、伝統の水芸と解釈されたようで喝采が湧く。

「今日は、いなくなっちゃった女の子たちを探しに来てまーす☆ 見かけた人は教えてね」

 ……このように、キリンとリッカが手分けして探したところ、建設途中の上層階に魔術的痕跡が発見されたのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『殭屍兵』

POW   :    アンデッド イーター
戦闘中に食べた【仲間の肉】の量と質に応じて【自身の身体の負傷が回復し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    ゾンビクロー
自身の【額の御札】が輝く間、【身体能力が大きく向上し、爪】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    キョンシーファクトリー
【死者】の霊を召喚する。これは【仲間の死体に憑依する事で、負傷】や【欠損箇所が完全修復し、爪やユーベルコード】で攻撃する能力を持つ。
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 さて、猟兵たちの活躍によって浅草百二十階の上層建築部分に、影朧のものと思しき魔術の痕跡が発見された。幻影による目くらましである。
 周囲には、無数のエレベーターがある。

「ここは、私のコレクションの場所だ――」

 黒コートの怪人がうそぶくと、次々にエレベーターが開く。
 そこから現われたのは、殭屍兵に変えられた少女たちだ。
 なんという怪奇! なんという猟奇! 
 しかし、三人娘の姿はまだない、彼女たちはまだ無事だ。
 さあ、猟兵は以下にして立ち向かうのか?
火土金水・明
「浅草十二階が浅草百二十階ですか。いくらエレベーターがあっても止まったら大変ですね。」「それはともかく、少女達を『殭屍兵』にする非道は許すことはできませんね。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【高速詠唱】し【破魔】を付けた【属性攻撃】の【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『殭屍兵』達を纏めて【2回攻撃】をします。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「オブリビオン達は『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


神代・凶津
漸く敵のお出ましって訳か。
魑魅魍魎の類いの相手は俺達の専売特許だぜ。
雷神霊装で最初からとばすぜッ!
「いくぜ、相棒ッ!」
「・・・転身ッ!」

先手必勝、一気に敵に近付いて破魔の雷撃を纏わせた妖刀の一閃で斬り捨てるぜ。
そのまま次々相手取ってやる。
敵の攻撃は見切りで見切りって避ける。
隙があればカウンターも叩き込むぜ。

悪いが、さっさと片付けて胸糞悪い黒コート野郎の元に行かせてもらうぜッ!


【技能・先制攻撃、破魔、見切り、カウンター】
【アドリブ歓迎】


鳴海・静音
ちっ…コイツらは手遅れかァ?胸糞悪ィ事しやがって
これ以上被害者増やさねェ為にもやるしかねぇか…

…コイツら、もう死んでんだよなァ?
試してみっか…『亡霊の呼声』!野郎共、そいつらを乗っ取りやがれェ!
今無理でも俺がカットラスで切り倒した後に改めて乗っ取らせるぜ
…戦わせはするが、あんま変な事すんなよ野郎共
…こうすりゃ喰われる事も、別の霊に乗っ取られて何度も傷つく事も無くなんだろ
まぁ、全員どうにかするまでは力を借りるんだけどなァ…悪ィな、後で眠らせてやっからよ
…未練があんなら霊体ででも憑いて来な、こんな事しやがった奴に一撃喰らわせる位は手伝ってやるぜ…!

※協力・アドリブ歓迎
手下共の言動等はお好きにどうぞ



「浅草十二階が浅草百二十階ですか。いくらエレベーターがあっても止まったら大変ですね」

 別の世界では、凌雲閣は浅草十二階と呼ばれ、関東大震災で倒壊するという歴史をを辿ることになる。だが、ここはサクラミラージュ。大正時代も七〇〇年続けばこうもなろう。
 そのように感慨深げに増築部分にやってきたのは、火土金水・明(人間のウィザード・f01561)である。
 同時に到着したエレベーターから、無数の殭屍兵が到着する。
 定員オーバーにならないのが不思議なくらい、寿司攻めにされる。

「それはともかく、少女たちを殭屍兵にする非道は許すことはできませんね」

 高速詠唱から、魔法の先制攻撃で広範囲にユーベルコード【コキュートス・ブリザード】を放つ。

「オブリビオンたちは“骸の海”へ帰りなさい」

 急激に引き起こされた極低温によって待機の水分が凍結し、きらきらとダイヤモンドダスト現象を起こす。
 この輝きにもまた、破魔の力が宿っていた。
 哀れな殭屍兵たちを、氷の棺で葬っていく。
 しかし、次々とエレベーターが到着し、増援が殺到する。
 また、氷漬けにされても、なお動く。
 仲間を呼ぶと、また明の背後にあるエレベーターが開く。
 不意の奇襲に、明はオーラを引いた残像によって回避する。

「危ないところでした」

 ほっと胸をなでおろす。

「やるじゃねえか、あんた」
「いえ、なんとかなりましたよ」

 呼びかける鬼の面に、明は答えた

「さて、ようやく敵のお出ましってわけか。魑魅魍魎の類いの相手は俺たちの専売特許だぜ」

 神代・凶津と神代・桜が到着したエレベーターから出現する殭屍兵に向かう。

「いくぜ、相棒ッ!」
「……転身ッ!」

 取り囲んだ殭屍兵たちの爪が伸びるが、これを見切りつつ、鬼の面の凶津を桜がかぶる。ユーベルコード【雷神霊装・二ノ型(スパークフォーム・ツー)】を装着する。その間、0.1ミリ秒。
 破魔の雷撃をまとった妖刀が一閃すると、殭屍兵たちを浄化させていった。

「ちっ……コイツらは手遅れかァ? 胸糞悪ィ事しやがって。これ以上被害者増やさねェ為にもやるしかねぇか……」

 この殺到する殭屍兵も、元は罪もない少女であったと思うと、鳴海・静音もやりきれない思いがある。

「……コイツら、もう死んでんだよなァ? 試してみっか 野郎ども、そいつらを乗っ取りやがれェ!」

 静音が号令をかけると、【亡霊の呼声(ファントムコール)】で呼び出された手下の亡霊たちが、殭屍兵に取り憑いていく。
 暴れる者もいたが、乗っ取ってしまえば静音の言うことを聞くようになる。
 その前に爪を突き立てようとするのもいたが、カットラスでどうにか切り払った。

「あんま変なことさせんなよ、野郎ども」

 もちろん、戦わせもするが彼女たちも被害者ゆえに気が引ける。
 憎むべきは、この要な境遇に遭わせた黒コートの男だ。

「……未練があんなら霊体ででも憑いて来な、こんな事しやがった奴に一撃喰らわせるくらいは手伝ってやるぜ……!」

 率いて、黒コートのところまで連れて行ってやろうというのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

雲母坂・絢瀬(サポート)
マイペース系関西弁女子ね。
臨機応変な柔軟さがモットーやで。
スキルやUCは使い時にはしっかり使うていく方針や。
あと、公序良俗は大事やね。

基本お任せのアドリブ大歓迎でよろしゅうお願いします。


エステル・リンティネン(サポート)
まだ知られていない別の世界から迷い込んだ、ミステリアスな雰囲気のする少女です。
猟兵として様々な世界を旅する事で元居た世界に帰還する為の方法を探しています。
普段は異世界出身である事を隠しており、出身を聞かれた場合は「記録喪失で小さい頃の記録は無くしている」と説明して誤魔化しています。
性格としては大人しく落ち着いていて、丁寧口調で話しかけます。
仕事として占い師をしているので、それにあった行動をして貰えると嬉しいです。
戦闘では魔法を中心に戦いますが、状況によって剣でも戦うことが出来、状況に合わせて剣と魔法を切り替える戦法を取っています。



「ははー、浅草百二十階を上ってきたら、えげつないものと出くわしたもんやね」

 雲母坂・絢瀬(無塵流剣士・f23235)は、殭屍兵を見るなり蘇芳一文字を構えた。
 マイペースな雰囲気でであるが、こう見えて退魔剣術である無塵流の免許皆伝資格者である。
 影朧という妖魔にされてしまった殭屍兵などは、得意とするところである。
 そしてまた、マイペースに見えるも、このような所業をなした怪人黒コートに対する怒りを燃やしていた。

「ですが、無残なことです。私が旅してきた中でも、……」

 ミステリアスな雰囲気の少女、エステル・リンティネン(旅する占い師・f08918)は、殭屍兵の姿を見るや沈鬱な表情を浮かべる。
 犠牲者となった彼女たちの由来は容易に想像できた。

「だけど、こうされてしまった以上は、成仏させてやらんことには」
「おっしゃるとおりです」

 おぞましいことに、殭屍兵たちは貪りあったことで、その戦闘力が増大している。
 蠱毒の術の一種だと思えばいいい。
 そして被害者をさらに生みつつ増殖していくという寸法だ。
 黒コートの男の術のひとつである。

「ほな、片付けますか!」

 早く終わらせることこそ、犠牲者への救いとばかりに、絢瀬は一刀を鞘から払った。
 発せられた剣気によって、その刀身は10メートルほどに巨大化する。ユーベルコード【白灼の殲刃】である。
 抜き打ちざまに成長を続けた刀身は、殭屍兵まとめて薙ぎ払っていく。

「それでは――」

 エステルは瞑目して静かに呪文を詠唱する。
 炎の魔力、水の魔力、風の魔力がエステルにまとわり、それぞれの属性を持つ魔法として発せられる。
 殭屍兵たちは燃え、流され、風化して殲滅していく。

「これで片づいたんかな?」
「エレベーターで上の階に上がれます。急ぎましょう」
「ほな、いこか。ところであなた、どちらのご出身?」
「それは、記憶がなくて……」

 まだ知られていない別世界から迷い込んだエステルは、ともに戦った絢瀬にそう述べて誤魔化した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『謀略の黒桜』黒いコートの男』

POW   :    影朧たちの相手でもしていては?
自身からレベルm半径内の無機物を【爆弾と化した怨嗟を吐く『影朧』の群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD   :    暇ですねぇ、貴方達も。
【黒桜に触れた思念を『影朧』化すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【『影朧』の群れによる連携攻撃と自爆攻撃】で攻撃する。
WIZ   :    私は策謀に忙しい。影朧達がお相手しますよ。
非戦闘行為に没頭している間、自身の【黒い桜が周囲を覆い、現れる『影朧』の群れ】が【連携攻撃と自爆攻撃で攻撃する。その間】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
👑11
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「来たか、ユーベルコヲド使いよ」

 広い階層に、三人の少女たち――狩生院彩子、高良千代乃、御倉さくらと黒コートの男がいる。
 捕らえた娘たちを、無残な剥製にしてしまうというのだ。

「君たちの中にも、我がコレクションにくわえてもよいと思える者もいるね。望むなら、歩み出たまえ。その姿を永遠に残してやろう!」
レパル・リオン(サポート)
こんにちは!あたしはレパル!またの名を『魔法猟兵イェーガー・レパル』よ!よろしくね!

あたしが戦うのは、怪人(オブリビオン)から人々と平和を守るため!そのためなら、ケガをしたってかまわないわ!
ホントにヤバそうな怪人が相手だと、ちょっと尻込みしちゃうけど…でも、あたし頑張る!

得意なのは肉弾戦!ダッシュで切り込んだり、ジャンプやオーラ防御で躱したり、激痛耐性でガマンしたり、怪力パンチでぶっ飛ばしたりするわ!
ユーベルコードに怪人の弱点属性を組み合わせてパワーアップさせたりもするわよ!

頭を使うのは苦手かな。でも、パワーとスピードでなんとかするわ!

日常では、楽しそうな事に積極的にチャレンジしていくわよ!


鳴海・静音
ハッ!お前の言い分なんざどーでもいい
テメェこそ前に出な、骸の海に叩き落としてやっからよォ!

とりあえず憑いてきている奴らはゲストとして今回だけ俺の手下っつー事で
さっきの殭屍兵が居るかによるが…自分からぶん殴りたい気合いの入ったゲストには『呼声』か『号令』で相手からのUCを防御可能にしつつ黒コートをぶん殴れるようにするぜ
その他の手下共は三人の奪還と呼ばれる影朧の掃除だ、ゲストに道を開けてやりな
前に出るのが怖いゲストは応援してくれや…『亡霊の狂宴』!お前らの思いが俺の力となるってなァ!
"生命力吸収"で黒い桜なんざ枯らして、お前を叩き切ってやるぜッ!

※協力・アドリブ歓迎
手下共の言動等はお好きにどうぞ



「ハッ! お前の言い分なんざどーでもいい。テメェこそ前に出な、骸の海に叩き落としてやっからよォ!

 黒コートの男に、鳴海・静音は胸くその悪い思いとともに言葉を吐き出した。
 残虐猟奇な行為を趣味のように言ってのける影朧にはもう付き合いきれない。このサクラミラージュの世界から、骸の海へと叩き落とす。
 罪人は海に突き落とし手さばきにかけるのは、海賊の古式ゆかしい伝統的な処刑法だ。

「お手伝いに来たよ!」
「お? てめぇは……」

 この浅草百二十階に現れた新たな猟兵。
 ピンクの毛並みのキマイラの少女である。

「あたしはレパル! またの名を“魔法猟兵イェーガー・レパル”よ! よろしくね!」

 登場とともに名乗ったのは、レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)である。怪人――レパルはまとめてみんなそう呼ぶ――オブリビオンから平和を守るために戦う魔法猟兵だ。

「おお、よろしくな! あのヤローをぶっ飛ばしてやろうぜ」
「もちろんよ! ……ちょっとヤバそうだけど、あたし頑張る!」

 黒コートの男が放つ異常性には尻込みしつつも、魔法の戦闘準備開始である。

「ふん、私は策謀に忙しい。影朧たちがお相手しますよ」

 当の黒コートは、言って黒い桜で周囲を覆った。同時に現れるのは、殭屍兵の群れである。

「お客さんがいっぱいね。だったら、ホームチェンジ! えいっ!」

 レパルは、【転衣召還(クロッシング・フォームチェンジ)】によってふさわしい魔法少女の衣装を引っ張り出す。

「あっ、エレベーターガール!」

 三人娘のひとり、御倉さくらが気づいた。
 エレベーターガールの誕生は、昭和初期と言われているが、大正が七百年以上続いたこのサクラミラージュでも認知されている。

「下にまいりまーす♪」

 黒コートが操っている殭屍兵を、エレベーターに誘導し、このフロアーから下の階へと転送する。

「おし、ありがとうよ。これであの黒コートを思う存分ぶん殴れるぜ!」

 レパルに礼を言う静音である。
 ユーベルコード【亡霊の狂宴(ファントムレヴァルリィ)】によって、無数の亡霊の手下たちを召喚する。
 その亡霊たちと、下の階で手下にくわえた殭屍兵たちを差し向ける。
 無残な姿に変えられた少女たちが、その復讐を果たそうと殺到する。

「……何故だ!? 永遠に変わらぬ姿を与えてやったというのに!」
「教えてやるぜ。てめぇに変えられた者たちの思いが、俺の力となるってなァ!」

 フロアーいっぱいに咲いた黒い桜も、亡霊たちがその生命力を貪っていく。
 そうして亡霊たちが開いた道を、呪われたカットラスを振りかざし、本当は肉弾戦を得意とするレパルとともに突き進んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

片桐・公明(サポート)
快活な女性ですが知的な一面もあり、依頼に参加する際事件の背景について思考を巡らせ考察します。感情的な行動は滅多にしません。

主に二挺拳銃『Mathem842』『臥龍炎』を使用した遠近問わない戦闘を行います。時折、または接近戦を重視する場合は妖刀『血吸』を使用します。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、積極的に行動します。ただし敵の攻撃に対しては回避を主体にして、なるべく負傷しないように立ち回ります。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


神代・凶津
漸く見つけたぜ。
てめえが今回の黒幕だな。
てめえの悪趣味なコレクション収集もこれで終わりにしてやるよッ!

三人の嬢ちゃん達もまだ無事だな。
「・・・彼女達は返してもらいます。」
おうよ、相棒ッ!

【千刃桜花】で先制攻撃を叩き込んでやる。
コイツは範囲内の指定した対象のみを攻撃できるから嬢ちゃん達を気にせずムカつく黒コート野郎と奴が召喚した影朧だけを斬り刻めるぜ。
破魔の力が籠ったこの桜吹雪をたっぷり味わいなッ!

千刃桜花で応戦しながら何とか嬢ちゃん達の身柄を確保して護衛もしないとな。

てめえの黒桜と俺達の桜花、最後に咲いてるのがどっちか勝負といこうかッ!!


【技能・先制攻撃、破魔】
【アドリブ歓迎】



「……どうやら、本気を見せねばならないようですね!」

 猟兵たちによってダメージを受けた黒コートの男は、憎々しげに言い捨てる。

「本気? そりゃあいい、たっぷり拝ませてもらうぜ」

 どこからともなく、声が響く――。
 到着したエレベーターが開くと、鬼の面をつけた巫女姿の少女が現れた。

「新手かね?」
「そうとも、ようやく見つけたぜ。てめえが今回の黒幕だな。てめえの悪趣味なコレクション収集もこれで終わりにしてやるよッ!」
「……彼女たちは返してもらいます」

 すっと鬼の面を手にとって、少女は静かに告げる。
 鬼の面は神代・凶津、巫女はその被り手である神代・桜であった。

「こちらも、手伝わせてもらうわ」

 もう一台、同じようにエレベーターが止まって扉が開くと、二挺拳銃を構えた新たな猟兵が登場した。
 片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)だ。

「ありがてえ、助っ人が来たようだぜ相棒ッ!」
「はい……」

 桜が凶津をその顔に被り、戦闘態勢に入る。

「そうかね。だったら、こちらの影朧たちの相手でもしていればいい」

 黒コートが言うと、エレベーターが開くとともに爆発的な怨嗟が吐き出された。
 放たれた怨霊が取り付けば、たちまちに爆発するというユーベルコードだ。
 エレベーターの脅威を、人類に知らしめるかのようだ。

「そのエレベーターが元凶ってことなら……!」

 すると、公明が見えないサイキックエナジーを放ち、エレベーターをシャフトごと引き抜いてこれを盾にする。彼女が猟兵として持つ強力な【サイキック】の力だ。

「ちっ、なんという力だ。……この桜吹雪は?」

 黒い桜吹雪が、さあーっと本来の色に変わっていく。

 花の色は

  うつりにけりな いたづらに

     ユーベルコード【千刃桜花】――

 破魔の力が宿った桜吹雪が、刃となって舞い乱れる。
 凶津と桜のユーベルコード【千刃桜花】である。

「てめえの黒桜と俺たちの桜花、最後に咲いてるのがどっちか勝負といこうかッ!!」

 浅草百二十階で、花いくさが繰り広げられた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ニオ・リュードベリ(サポート)
あたしはニオ・リュードベリ
アリス適合者だよ

基本的には明るく元気いっぱい!
ちょっと子供っぽいとかも言われるかな……
でもアリスラビリンスでオウガのやってきた酷いことをたくさん見てきて、そういうのに慣れたりもしてるよ

戦う時はUCを使いつつ、アリスランスを武器にするよ
レギオンと一緒に連携したり、無敵の鎧で自分を守りつつ敵に挑むね
悪いやつには【ランスチャージ】だよ!

大怪我には慣れっこだよ(【激痛耐性】で耐えがち)
だから必要があれば怪我するような行動にもどんどん挑むよ
誰かが怪我するより、あたしが怪我する方がマシだって思うから
(負傷描写OKです)

あとはお任せ
よろしくお願いするね!


ダスク・ドーン(サポート)
『また日が沈むな』
人間のフォースナイト × スカイダンサー
年齢 27歳 男
外見 184.1cm 黒い瞳 黒髪 普通の肌
特徴 面倒見がいい くーる 女性が好き とんでもない甘党
口調 やわらか(自分、相手の名前+ちゃん、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )
真剣な時は かたい(自分、お前、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )

煮るなり焼くなり。
アドリブでも何でもお好きにお願いします。
口調は適当なので細かいとこは気にしない。

戦闘ならいずれかのフォースブレイドを使用。
シンプルな正面勝負を好む。

冒険や日常は……、
うむ、メンドウだな。
(テンション低くても仕事はきちんとやります)


暮陽・黎明(サポート)
アドリブ連携歓迎
不自由を嫌う少女。気の赴くままに自由にマイペースに過ごす。結構楽観的

戦いは割と好きな方で率先する節はある
八百万の神に仕える代行体であり、必要であればその身に八百万の神を降ろして戦う
ユーベルコードは黎薄流刀剣術(欺を含む)を好んでよく使う
よく使う武装は妖刀『魔魂餐』、薙刀『天之必多棍』
神降ろしを行う場合は篝火が手の甲に現れ、目の色が金色に変化する
ボス戦においてはかなり知的な戦い方を行う。可能ならば空中戦、ダメでも超低空飛行で有利なポジションを取って敵の情報を得てからそれに応じた戦いを展開、戦闘知識、2回攻撃など使える技能は全て駆使。
防御にはオーラ防御や激痛耐性を利用。可能なら回避



 黒い桜吹雪が、色を変えていく。
 黒コートの男が引き起こした怪異が、猟兵たちによって退けられてゆく。

「認めてなるものか……。ここは、私の神聖なアトリエだ。永遠の美しさを保つ工房なのだ!」

 身勝手な価値観、身勝手な思い込み。
 妄念に囚われた影朧の本性が吐露される。
 そんな黒コートの領域に、エレベーターが到着する。
 扉が開いて現れたのは、3人の猟兵たち。
 ニオ・リュードベリ(空明の嬉遊曲・f19590)、ダスク・ドーン(人間のフォースナイト・f13904)、暮陽・黎明(瑠璃色に染まる空の果へ・f00383)である。

「女の子たちをこんな目に遭わせるなんて、この人、悪い人ってことだよね」
「そうだな、遠慮しなくていいっていうのはありがたいこったぜ」
「お嬢さんたち、無事で何よりだな。さっ、私たちの後ろに」
「「「はいっ!」」」

 花の帝都の少女探偵団を守るため、3人は黒コートの怪人に退治する。

「邪魔をしないでもらいましょうか。その娘たちは、私の獲物なのですから!」

 悪意が満ち溢れると、桜の色もどす黒いものへと変わっていく。
 それは、浅草百二十階からも溢れ出し、帝都上空覆う暗雲となった。
 無数の剥製たちが猟兵たちに殺到する。
 いや、そればかりではない。
 下層階へのレベーターに乗って、見物客や都民にも牙を向こうとしている。

「やけっぱにちなったってことか! だったら――」

 黎明は、妖刀『魔魂餐』を薙刀『天之必多棍』を構え、そのセの翼を羽ばたかせて飛び上がった。
 上空から、魔魂餐を高く放り投げる。
 動くものに反応する剥製たちは、当然それを見上げた。

「こいつはちぃとばかり痛いぜ? こいつをよーく見とけ。よそ見したその瞬間が、お前さんの終わりだよ――」
 
 敵の視線を上にひきつけ、滑空して下段から逆袈裟に薙刀で斬り上げる。ユーベルコード【黎薄流刀剣欺『千変斬』(センペンバンカノギマン)】による斬撃であった。
 斬られた途端、連鎖爆発が起こる。

「……フッ、いつまでそうやってしのぎきれますかね。さあ、遠慮はいりません。どんどんいくといい!」

 黒い桜吹雪の花弁が、剥製人形へと変わっていく。
 触れれば、その途端自爆する。

「うわ、怖いことするよね」

 ニオのユーベルコード【リアライズ・バロック】が展開した。
 彼女が感じた恐怖の元へ、45体ものバロックレギオンたちが押し寄せる。
 大群対大群、バロックレギオンたちがエレベーターのシャフト内にまで入り込み、戦闘を繰り広げる。

「悪いやつには、ランスチャージだよ!」

 白銀の槍アリスランスを構え、一気に黒コートへ突撃していく。

「ちっ……!」

 黒オートが躱した背後に、風穴が開く。
 もう一度、槍を構えて穂先を向ける。

「こっちもいくか」

 ダスクが構えるのは、実体を持たない剣フォースブレイド。
 光と闇の二振りである。

「あなたも怨念に沈みなさい!」

 黒コートがいうと、一斉にエレベーターの扉が開き、怨嗟の念を吐き出しながら剥製たちが襲いかかる。

「残念だが、躯の海に沈むのはお前だぜ? ――そらよっ!」

 まずは光の一刀、続いて闇の二刀!
 連撃が、怨念を切り裂き、黒コートまでの道を作る。
 改めてランスを構えたニオと薙刀を下段から構えた黎明も向かう。
 アリスランスが、壁際まで貫く。
 薙刀が、下段のうちから斬り上げる。
 そして、荷島の太刀筋が交差する――。

「ば、馬鹿な……。そんなことが……」

 黒コートの男は、影の中に沈んでいく。
 三人娘たちは無事だ。浅草百二十階の怪異も、これで解決した。

「ありがとうございます、ユーベルコヲド使いの皆さん。おかげで、女の子たちの無念も晴れたようです」

 御倉さくらが代表して頭を下げ、他のふたりもこれに続いた。
 今後、彼女たちが無茶をしないよう祈りつつ、猟兵たちはこの場を去るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月23日


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#サクラミラージュ


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠レイ・アイオライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト