●未踏宙域探索の経緯
スペースシップワールドには、未だ探索の及ばぬ広大な宙域がある。
その存在を掴んだ猟兵たちは、未踏宙域の探索に続々と乗り出した。
未踏宙域には現状、猟兵の敵となりうる脅威の存在が判明している。
クエーサービースト。いずれも小惑星級の巨体を有し、目に該当する器官を持たず、意思疎通手段のない、謎の種族である。
猟兵たちによって未踏宙域の航路は拓かれ、クエーサービーストの尖兵『キエリビウムJOX』との戦いも優位に進んだ。
かくて猟兵たちは、より深部の領域へと探索の手を進めることとなる。
●グリモアベース:ゲネ
「スペースシップワールド未踏宙域探索に興味ある人この指とまれ!」
ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)は声を弾ませ人差し指をピンッと立てた。その瞬間、周囲にいくつものホロモニターが現れ、広大な星の海と、機械と金属を合成した生物のような異形の塊が映し出された。
「未踏宙域への航路は確保された。今回はさらに踏み込んだ領域での戦いになるぞ! 行き来の足はいつものホシゾラ号にお任せだ。諸君は戦闘に集中してくれ!」
次なる領域に待ち構えるのは、やはりクエーサービーストの一種。
「呼称は『マインドミナBVA』。『状況に応じて無限に変化する外殻』を操る、キエリビウムJOXよりもさらに巨大なクエーサービーストだ」
猟兵と遭遇すると、マインドミナBVAは切り離した黄金の外殻を「オブリビオンの姿」に変えて猟兵に差し向けてくるだろう。
今回の外殻は『アイスバーグレンジャー』に変化して襲ってくる。姿形のみならず、オブリビオンとしての邪悪な意志や戦法までも再現されているようだ。イカした眉毛のイワトビペンギンめいたコミカルな見た目だが、統制のとれた連携攻撃は侮れない。
「この『変身外殻』の群れを蹴散らしたら、いよいよ『マインドミナBVA』との戦いだ! やはり外殻を切り離して様々な形態に変えて攻撃してくるぞ」
ただし、本体はあまり想像力豊かというわけでもないらしい。宇宙空間にありふれた物体や事象の再現を軸に、『アイスバーグレンジャー』や猟兵の戦い方などを再現したり応用してくる確率が高いと思われる。相手の攻撃を予想して、対処法を考えておくといいだろう。
幸いにして、クエーサービーストには猟兵のユーベルコードが有効であることは既に判明している。厳しい戦いが見込まれるが、決して無謀な挑戦ではないはずだ。
「ただ、前回に比べてきつくなってきているのは事実だな。この先さらに巨大な敵が現れるようになると、対処が難しくなってくるかもしれない」
攻撃の威力は十分でも、『間合い』はどうしても不利になっていくだろう。そろそろ対処方法を考え始めるべきだろう。
「そこでだ。今回の敵の『思念によって形を変える外殻』! これがどうも有用そうな匂いがプンプンしててな。何にどう使えるかは実物を手に入れてみなけりゃわからんが、とりあえず無事にマインドミナBVAを撃破できたら、これを剥ぎ取ってきて欲しい!」
というわけで!とゲネは威勢よく転移術式を展開した。
「目標、クエーサービースト『マインドミナBVA』の撃破、及びその外殻の確保! 気合い入れて、大掃除よろしく!」
そらばる
スペースシップワールド未踏宙域探索、第二弾。
新たなクエーサービーストを打ち倒し、外殻を剥ぎ取りましょう!
●前提
未踏宙域への航路は開拓されています。
未踏宙域には現地の宇宙船『ホシゾラ号』で向かいます。
●第一章:集団戦『アイスバーグレンジャー』
帝国軍に改造されたサイコフォースペンギン特殊部隊。
高い知能を持ち、人語を話し、サイコパワーと宇宙空間を自在に泳ぐ特殊能力を保持。歩くのは遅い。
連携のとれた氷系の攻撃を使用します。
今回出現するのはクエーサービーストの外殻によって再現された群れですが、基本的に普通のオブリビオンと変わりません。
●第二章:ボス戦『クエーサービースト・マインドミナBVA』
未踏宙域に棲息する小惑星級の宇宙生命体、クエーサービーストの一種。
キエリビウムJOXよりも巨大。意思疎通は不可能。
思念によって無限に形を変える外殻を操って戦います。
基本的には宇宙空間の事物に変化させてきますが、『アイスバーグレンジャー』や猟兵の戦い方からヒントを得て運用することもありそうです。
●第三章:冒険『マインドミナBVAの外殻を剥ぎ取ろう!』
倒した『マインドミナBVA』から黄金色に輝く外殻を剥ぎ取り、素材として持ち帰りましょう。
外殻は手にした者の思念によって形を変え、ユーベルコードを伝達するようです。
クエーサービーストの外殻は非常に巨大かつ強靭なので、効率よく量を持ち帰るための工夫が必要でしょう。
必要な外殻はホシゾラ号に全て積み込めます。
執筆の進捗やプレイング締め切りなどは、マスターの自己紹介ページで呟いております。目安にどうぞ。
それでは、皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
第1章 集団戦
『アイスバーグレンジャー』
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POW : フォーメーション『霜』
【冷凍ビーム】が命中した対象を爆破し、更に互いを【氷の鎖】で繋ぐ。
SPD : フォーメーション『霰』
【隊長ペンギンの特攻体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【隊員ペンギン達の連続体当たり】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : フォーメーション『雹』
【隊員全員のパワーを合わせて巨大氷山】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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●宇宙を滑るペンギン軍団
星の海をぽっかりと切り取る、巨大な影。
機械と金属を複雑に組み合わせ固めたような、小惑星に匹敵する巨体。その質量は、未踏宙域表層にて猟兵たちの行く手を阻んだ巨大生物『クエーサービースト・キエリビウムJOX』さえも凌ぐ。
『クエーサービースト・マインドミナBVA』。
宇宙船の接近を察知したマインドミナBVAは、顔のようにも見える身体の一部をうっそりと蠢かすと、背中を覆う甲羅めいた部位の一部分を肩口に移動させ、拳のように前方に突き出した。
一斉発射される金色のパーツ群。ドリルロケットのように宙を駆けながら、その姿はたちまち大量のオブリビオンへと変化していく。
イカした黄色の眉毛の、凛々しいイワトビペンギン──『アイスバーグレンジャー』である!
「仇敵発見! 仇敵発見!」
「猟兵発見! 猟兵発見!」
「ここで遭ったが百年目だぜ! 全隊員、速やかにフォーメーション展開!」
アイスバーグレンジャーたちは宇宙空間を華麗に滑走し、逆三角形の見事なフォーメーションをいくつも整然と作り上げてみせた。
「我々を甘く見るなよ猟兵共! レンジャーGO GO!」
マインドミナBVAを後方に背負って、アイスバーグレンジャーたちは敵意剥き出しで猟兵たちへと攻撃を仕掛けてくる!
これらはマインドミナBVAの変身外殻である。能力や意志は通常のオブリビオンと大差ないが、猟兵をマインドミナBVAに近づかせないように機能している。
変身外殻をあらかた撃破しない限り、マインドミナBVAが新たな攻撃をしていくることはないが、こちらからマインドミナBVAへ攻撃を通すこともできないだろう。
まずはこの、外殻扮する器用なおしゃべりペンギン部隊を蹴散らそう!
ミスト・ペルメオス
【WIZ】
ああ、そういえば。例の「外殻」、開発素材として有望だそうですね…。
…ともかく、まずは目の前の任務に集中しましょう。
ミスト・ペルメオス、ブラックバード。出撃しますッ!
愛機たる機械鎧を駆って参戦。
まずは切り離された外殻から構築された敵集団の撃滅を図る。
戦闘領域に進出と同時にスラスターを活用し、機械鎧ならではの立体的な戦闘機動を開始。
狙いを絞らせないようにしつつ適度な位置取りを行い、動きを止めないまま【バラージショット】。
全ての射撃武装を活用し、切れ目のない弾幕の如き射撃を展開。集団ごと制圧し薙ぎ払うつもりで攻撃していく。
反撃に対しては基本的に回避機動で対処。
※他の方との共闘等、歓迎です
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「ええー、未踏宙域にペンギンなんかいたの??」
なんだかびっくりだけど、フィオ姉ちゃんと一緒にアイスバーグレンジャーを
殲滅するんだ!
【行動】()内は技能
Flying Broom GTSに(騎乗)しホシゾラ号から出撃だよ
「巨大氷山!?なんだか滅茶苦茶だー 」
オブリビオンを射程に捉えたら(先制攻撃)でバーラ・スーペルノーバだね!
重力磁場で動きを封じてフォーメーション『雹』を発動させないんだ。
「そして氷山に対抗するなら隕石だよね」
とどめは(全力魔法)でカラミダド・メテオーロ。聖箒を振りかざしてやっつけるよ。
「これが全部変身外殻ってびっくりだよね」
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携/アドリブ可)
「帝国軍に改造された特殊部隊にあのペンギンがいたみたいね」
巨大なクエーサービーストと戦う前に、まずは前哨戦ね。
■作戦
弟と連携しながらアイスバーグレンジャーの動きを鈍らせて殲滅する
■行動
Flying Broom GTRに[騎乗]して戦う。【ペガサスの翼】で強化してから戦闘へ
「全員で巨大氷山を投げつけてくるみたいよ」
滑走してくるオブリビオンを冷静にオートフォーカスでロックオン。
弟のUCで動きが乱れた瞬間を狙って、[全力魔法]で【ロンギヌスの槍】を放つ
無数の魔法の槍の[乱れ撃ち]てオブリビオンを次々に貫いて倒していく
「あと少しで本体に近づけそうね」
●ペンギン大戦争
未踏宙域に浮かび上がる巨体が黄金の外殻を発射し始めたのを見取り、愛機である機械鎧を身に纏ったミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)は、速やかに発進態勢をとった。
「あれが例の『外殻』……開発素材として有望だそうですが……」
思念による変身という特性を、果たしてどう活かせるのか。気になるところではあるが。
「……ともかく、まずは目の前の任務に集中しましょう」
変身外殻が次々に敵意満々のイワトビペンギンたちへ変身していく。このアイスバーグレンジャーたちを倒さねば、手に入るものも入らない。
「ええー、未踏宙域にペンギンなんかいたの??」
「帝国軍に改造された特殊部隊にあのペンギンがいたみたいね」
フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)とフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)姉弟は賑やかに言葉を交わしながら、美しい流線形を描く各々のバイクに騎乗し、並んで出撃態勢を整えた。
「ミスト・ペルメオス、ブラックバード。──出撃しますッ!」
黒光りする機械鎧が急速発進、推進剤の輝く尾を引きながら戦闘領域へと高速で突入していく。
「なんだかびっくりだけど、あいつらを殲滅しなきゃね、フィオ姉ちゃん!」
「ええ、まずは前哨戦ね。私たちも出るわよ、フォルセティ!」
GTSとGTR。ホシゾラ号から飛び出した二台のバイクは、『空飛ぶ箒』の名に相応しく、飛ぶように自在な軌道を描いて戦線へと突っ込んでいった。
接近する猟兵たちの姿を敏感に察知し、アイスバーグレンジャーたちは即座に情報を共有しあう。
「敵接近! 敵接近!」
「フォーメーション『霜』! フォーメーション『霜』!
「冷凍ビーム用意──撃てぇッ!」
ペンギンたちは互いを氷の鎖で繋いで見事な陣形を組むと、全身にサイコパワーを漲らせてビームを照射してきた。
大量の冷凍ビームが降り注ぐ。が、ミストはスラスターを巧みに制御し、機械鎧ならではの立体的な戦闘機動で攻撃を躱しながら、狙いを絞らせないよう距離を取って翻弄、並行して機械鎧の火器管制システムを走らせていく。
(「──捉えた」)
整然としたフォーメーションを組むペンギンたちを瞬く間にロックオンするや、全ての射撃武装を開放! ありったけの弾丸、砲弾、ビーム砲を、次々にぶち込んでいく!
「あだだいだいだだだだっ!」
「ぬぅっ、こしゃくなヤツだぜ!」
「フォーメーション変更! フォーメーション『雹』!」
陣形の一部が崩れたかと思えば、ペンギンたちは即座にフォーメーションを組み換えようと動き始めた。絶え間ない銃撃にもめげずに、幾何学的な配列で円形を組み立てていく。まるで、宙に浮かぶ魔法陣のように。
フィオリナは敵射程に届く直前にペガサスの翼の如くバイクを変形させつつ、弟に忠告を投げかけた。
「全員で巨大氷山を投げつけてくるみたいよ」
「巨大氷山!? なんだか滅茶苦茶だー」
どれほどの被害になるかわかったものではない。フォルセティは敵陣を射程に捉えるや否や、素早く詠唱を開始した。
「常闇の淵に彷徨う黄昏よ。其に捧げるは原初の神韻……バーラ・スーペルノーバ!」
銀河を象った魔道帽から爆ぜ飛んたのは、数多の漆黒の魔力弾。敵陣へと着弾するや超重力の磁場を発生させ、巨大フォーメーションを組まんとするペンギンたちの動きを容赦なく妨げていく。
「ぬぬぅっ、あいつ邪魔なんだぜ……!」
「一部離脱! 一部離脱!」
「フォーメーション『霰』! 露払い行くぞァ!」
比較的小さめの楔形の陣形が組まれたかと思えば、隊長の掛け声でペンギンたちが一斉に特攻体当たりを仕掛けてくる……!
しかしその動きは、フィオリナの冷静な眼差しが捉えていた。
「オートフォーカス、ロックオン完了」
デバイスを通じて表示されるターゲットマーカーへとありったけの魔力が練り上げられていく……
「そして、氷山に対抗するなら隕石だよね!」
フォルセティもまた全身の魔力を練り上げながら、聖箒を振りかざした。輝く箒が敵本陣を指し示した瞬間、灼熱の巨大隕石が、まだ作りかけの氷山目指して降り注いだ!
「「「ぺぎゃーーーー
!?」」」
大量のペンギンたちの阿鼻叫喚が響き渡る。
「あちちちっ、あぢぃっ」
「隊長、ケツが! ケツのほうからものすごい熱が……!」
「ええい落ち着かんか!」
あまりにも大規模な全力魔法に、特攻滑走していた分隊も影響を免れず、隊列を乱し始めた。
その隙を逃す手はない。
「──全てを貫け、ロンギヌスの槍よ!」
フィオリナの目前に巨大な魔法陣が現れるや、無数の光り輝く魔法の槍を生み出し、向かい来る分隊へ向けて一気に発射した!
雷を帯びた魔法の槍の乱れ撃ち。ぺぎゃーぺぎゃーと悲鳴を上げながら、ペンギンたちが次々に射抜かれ、電撃に沈んでいく。
「この調子なら制圧も時間の問題ですね」
ミストはやぶれかぶれの反撃特攻を回避機動で淡々と対処しつつ、隕石に蹂躙されて青息吐息のペンギン本隊へ、切れ目のない弾幕を容赦なく浴びせていった。フォーメーションのために集合したのが災いし、ペンギンたちは集団ごと薙ぎ払われ制圧されていく。
生命活動を停止したペンギンは、瞬く間に生物的な質感を失い金色のパーツに変じると、本体であるクエーサービーストの元へと引き寄せられるように戻っていった。
「うわー本当にパーツなんだ。これが全部変身外殻ってびっくりだよね」
「有用そうで何よりよ。それに、あと少しで本体に近づけそうね」
隕石に槍に銃撃。優れた制圧力と絶え間ない蹂躙に、ペンギンたちは自慢のフォーメーションをまともに活かせぬまま翻弄され、続々と数を減らしていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マヤ・ウェストウッド(サポート)
「アタシの右眼? ああ、今朝焼いて食べちまったよ。ベーコン付きでね」
◆口調
・一人称はアタシ、二人称はアンタ。いかなる場合でも軽口とジョークを欠かさない
◆癖・習性
・獣人特有の嗅覚で危機を察知できるが、犬耳に感情が現れるので隠し事は不得意
・紅茶中毒
◆行動傾向
・普段はズボラでとぼけた言動や態度をとる三枚目ながら、ここ一番では秩序や慣習には関わらず自身の義侠心の赴くままに利他主義的な行動をとる(中立/善)
・戦場では常に最前線でラフな戦い方をとるが、戦いそのものは好まない。弱者を守る事に自分の存在意義を見出している
・解放軍仕込みの生存技術を活かし、役に立つならステージのギミックやNPCを味方につけて戦う
●重力の申し子
「ははん、宇宙を滑るペンギン集団か。なかなかイカしてるじゃないか」
間近に駆け抜け突撃してくるペンギンたちを軽快に躱しながら、マヤ・ウェストウッド(ザ・ベネヴォレント・f03710)は軽口を叩いた。優れた危機察知能力を駆使した身のこなしは、いかにも無駄な力のない、ラフな立ち回りだ。
突撃を回避されたところをドローンに迎撃され、ペンギンたちは苦戦を強いられていた。
「ぐにゅぅっ! ……ええい、攻撃が当たらん!」
「片目が使えんくせに、まるでいくつも目があるみたいなんだぜ……!」
「アタシの右眼? ああ、今朝焼いて食べちまったよ。ベーコン付きでね」
物騒なジョークをかましつつ、マヤはドローンを集団へとけしかけた。パンジャンドラムが宙を駆け抜け、敵に激突すると同時に爆発を引き起こしていく。
「……ぬぬぅ、まずはこの邪魔くさいのをどうにかするんだぜ!」
「フォーメーション『霜』! フォーメーション『霜』!」
氷の鎖で互いを繋いで網の目の陣形を組むペンギンたち。
が、次の瞬間、整然と整えられていた陣形の中央が、ぐんにゃりと歪んだ。
ぽつりと宇宙空間に生じた、時空間の歪み。
「──んなっ!?」
「局所重力!? ひっ引きずり込まれるぅぅーーー!」
「く、鎖を切らないと……ぺぎゃーっ!!」
自分たちを繋ぎ合わせた鎖が仇となって、ペンギンたちは文字通りの芋づる式で高重力へと引きずり込まれていく。
「こう見えても戦いはあまり好きじゃないんだけどね……」
マヤはのんびりとした佇まいで、おおわらわのペンギンたちを眺めながら、眼帯の下に仕込んだ装置のモードを切り替えた。
「ここを突破したいっていう人たちがいるんだ、手は抜けないのさ」
右目の義眼より連続射出される刃の如き重力子が、高重力に抵抗していたペンギンたちを次々撃ち抜いていく。
「「「ぺぎゃあああぁぁぁぁぁぁ────」」」
なんとも情けない悲鳴の合唱が、潰れた尾を引きながら、歪みの向こうへと消えていった。
成功
🔵🔵🔴
多々羅・赤銅(サポート)
一切合切大成敗。赤銅鬼が、お邪魔すんぜ。
混ーぜて!
NG:子殺し
性格:人助けに躊躇無い破竹の快楽主義】
酒煙草賭け事、悪巫山戯も夜伽もだぁいすき。ガタイの良い真摯な奴とか特に好き♡敵でも惚れちまうね、赤い糸ごと御魂を斬って、何れ地獄の果てで落ち合おう。
あとな、私すっっげー寂しがりなの!
だから敵ともガンガン話すし、人には好かれたい!
ま、敵は仲良くなっても斬れっけど。
戦闘:鎧無視斬撃と耐火特化】
斬れないモンは何も無えよ。
鉄、炎、音さえも
見切り受け流し斬り伏せる。
身体に流れる聖者の血が、多少の傷は次々塞ぐ
肉盾役も、ご要望とあらば
日常冒険:酒、交流、笑う脳筋】
人と話すの好き!はしゃぐのも大好きー!あそぼ!
●陽気な闖入者
「一切合切大成敗。赤銅鬼が、お邪魔すんぜ」
星の海に飛び出した多々羅・赤銅(千早振・f01007)は、ユーベルコードがチカチカ煌めきぶつかり合う戦場へと躊躇なく突撃した。
「混ーぜて!」
軽薄な掛け声から繰り出される強力な斬撃!
防護を貫く刃の一撃に不意を撃たれ、固まって陣形を張っていたペンギン部隊がペギャーペギャー叫びながら蹴散らされた。
「はっ反撃! 反撃ー!」
「フォーメーション『霜』! 距離をとるんだぜ!」
ペンギンたちは素早く散開して、網目状のフォーメーションから一斉に冷凍ビームを照射し始めた。
宇宙を掻きまわすようなビームの雨を、赤銅は視線で見極め躱していく。時折至近距離を通り過ぎる冷気に表皮を切り裂かれてもなんのその、その身に流れる聖者の血が、多少の傷は瞬く間に塞いでいく。
忙しく体を動かしながらも、赤銅の口は止まらない。
「なーなー! お前らすごいな! 宇宙を滑るってどんな感じ? 冷凍ビームってどうやってんだ?」
「敵に教えることなんかないんだぜ!」
「そうつれなくするなよー、お互い戦いに命をぶち込んでる仲だろー? もっとはしゃごう! 仲良くしようぜ!」
「ええい、うるさい馴れ馴れしいッ! フォーメーション変更ッ!」
「フォーメーション『霰』! フォーメーション『霰』ぇー!」
瞬く間に赤銅を取り囲む陣形を作ったペンギン隊が、氷屑をまき散らして宙を滑りながら体当たり攻撃を仕掛けてくる……!
四方八方から突進してくるペンギンたちへ、赤銅は静かに刃を構えた。
「氷属性は得意分野じゃないが……斬れないモンは何も無え!」
先頭の隊長ペンギンを最小の動作で躱して、すれ違いざまに斬り伏せるや、上方へと離脱、
ほぼ同時、突撃してきた隊員ペンギンが激突する一点を、打ち下ろされる鋭い斬撃が一閃する──!
ペンギンたちの一群は最後の悲鳴を上げながら、宇宙の藻屑と成り果てるのだった。
成功
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第2章 ボス戦
『クエーサービースト・マインドミナBVA』
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POW : BVAジェノビック
【無限に変化する外殻が超殺戮形態 】に変形し、自身の【防御力】を代償に、自身の【攻撃力と攻撃速度】を強化する。
SPD : BVAエクスタリ
いま戦っている対象に有効な【無限に変化する外殻が変形した殺戮兵器 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : BVAリモーフ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【無限に変化する外殻によって再現し 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
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●開拓阻む黄金の巌
ペンギン部隊……もとい『アイスバーグレンジャー』のほぼすべてが猟兵に制圧された。
腹を見せてひっくり返るペンギンたちが、次々に黄金の破片へと姿を変え、一斉に飛び去っていく。一点、後方に控える巨体へと。
外殻を取り戻した『クエーサービースト・マインドミナBVA』は、上部に据えられた顔らしき造形を機械的に蠢かせた。甲羅の如き外装が激しく組換わり、攻撃的な最適配置を見いだしていく。
巨大な顔を中心に黄金のパネルを前面に向けて配置した、交戦態勢──
外殻が輝きを帯びる。戦闘態勢に入った合図だ。
小惑星に匹敵する巨体に、黄金外殻を変化させての事象再現を駆使する厄介な難敵。
しかしこの敵倒さずして、未踏宙域への開拓は成し得ない。
今後の探索のため、そして新たな力を得るために、猟兵は立ちはだかる強敵へと立ち向かう……!
ゲンジロウ・ヨハンソン(サポート)
エロ…NG
グロ…OK
やられ役・引き立て役…OK
○日常
日常系なら料理に関すること、可愛い動物関連に飛びいちまうな。
装備した宇宙バイクは調理場を有した屋台に変形させることも可能じゃ。
○調査
客を集めて情報集められるなら、上で言った屋台を使って料理と酒で人々から情報を集めることもできるな。
一応戦場傭兵でもあるからな、人並み位になら潜入もこなせるとは思うわ。
○戦闘
普段は武器そのものの威力よりも、並外れた身体能力で戦い抜いとるな。
といいつつ、決めてのUCは自分が繰り出す大技の方よりも、
実は人や物を呼び出して打ち出すUCのが威力が高いわ。
†蒼刻の騎士†と槍翼の揮士についちゃ、基本わしよか戦闘能力も高いぞ?
紅守・弌流(サポート)
人間の剣豪×竜騎士、21歳の女流サムライ 。
普段の口調はいわゆる軍人口調で、「〜だろう」「〜なのか?」など少なからず女らしいとは言えない口調。
特筆する事といえば、家の位が高かったからか戦闘以外に関しては特に庶民に関する常識が無く、例え単なるベーゴマなどだろうと目を輝かせて騒ぐほど。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず、特に仲間の協力などに関してはより積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
それと、R18に関する依頼などもNGです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
夜神・静流(サポート)
「夜神の剣は魔を討つ刃。悪しき魔物が出たならば、何時でもこの剣を振るいましょう」
破魔技能に特化した退魔剣士。あるいは悪い人外絶対殺す女。
妖怪や悪霊、魔物、邪神等を討つ事を得意としており、その手の依頼には積極的に参加する。
一般人や仲間、友好的な相手には礼儀正しく接するが、討つべき邪悪に対してはとことん冷徹非情で、一切の慈悲を持たない。
戦闘中は抜刀術と退魔の術を合わせた独自の剣術(ユーベルコード)を状況に合わせて使用。
逆に戦闘と退魔以外の事に関しては不得手で、機械や横文字が苦手。
シナリオ中の行動に関しては、魔を討ち、人々を護るという自分の使命を第一に考える点以外は全てお任せします。
●小惑星を貫いて
「ほう、こりゃまたごっついヤツが出てきたもんだ」
いよいよ戦場に引きずり出された巨大な巌に、ゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)は隙なく身構えた。
『クエーサービースト・マインドミナBVA』。小惑星級と言われるその巨体は、実際目前にすれば距離感が狂うほど。
「なかなか難儀な敵のようだが、ここで皆の探索を停滞させるわけにはいかん。押し通らせてもらおう」
軍人めいた硬派な言い回しで、勇ましく刀を構える紅守・弌流(紅蓮なりし刀剣豪・f23583)。
「夜神の剣は魔を討つ刃。悪しき魔物が出たならば、何時でもこの剣を振るいましょう」
夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)は魔を討つ使命を眼差しに宿して、決然と愛刀を敵へ差し向けた。
と、猟兵たちの戦意を受けてか、マインドミナBVAの黄金外殻が、まるで花弁が散るように一斉に辺りに射出された。鋲にも似た外殻がたちまち武骨な岩へと姿を変えて散逸していく。
瞬く間に辺りに構築されていく光景は、音もなく流動する小惑星帯。
比較的小さな……と言っても軽く二階建て一軒家は超えるであろう質量の岩がごろごろと浮かび、それもよく見れば結構なスピードの慣性をもって動き回っている。あちこちで衝突が発生し、ピンボールのように弾きあい、一気に戦場を混乱に陥れた。
「っと、こいつはマズイ……!」
ゲンジロウは飛び交う岩を並外れた身体能力で躱していくが、見るからにキリがない。巨大な物量を避けたそばから、砕けた小さな破片が豪速で飛来し、弾くのに手いっぱいだ。
弌流は襲い来る岩を一太刀の元に斬り捨てていくが、そのたびに分裂して外殻に戻る様子もない。
「斬っても斬っても増えるばかりか……っ」
「無限に変化する外殻……なるほど、こういったことが可能なのですね」
刃の炎で一気に複数の岩を切断していた静流は、刀を八相に構え直した。肩より高く掲げた刃に、たちまち雷が迸る。
「我が剣は雷。薙ぎ払え、三ノ太刀・鳴神!」
打ち下ろされる、雷撃を帯びた斬撃。四方より迫り来ていた複数の岩塊が、いかずちに打たれて一瞬にして砕け散った……!
「なるほど、それだ! ──頼むぜ槍翼の揮士、遠慮なくぶっ放してくれや!」
膝を叩いて声を張り上げるゲンジロウ。呼ばれて宙より突如舞い降りたるは、パワードスーツを装着したサイボーグの突槍飛兵。
「ええ、任せて下さい──全ターゲットロックオン! 翼槍……展開! 穿て、一揮槍千!!」
槍翼の揮士の周囲に展開した千の槍頭が、全方位に一斉射出された! とてつもない制圧力の刃の嵐が辺りの岩塊を砕き割っていく──!
「道が拓かれた! 有難い……!」
弌流が真っ先に飛び出し、静流もすかさず続く。二人は慣性を失った岩や正体を現した黄金外殻を足場に、次から次へと飛び移りながら一気に敵の巨体へと距離を詰めていく。
その進路に立ちはだかる、ひときわ巨大な岩塊。弌流は吼える。
「千回斬れば、大抵の奴は倒せる!」
瞬時にして疾る999閃の斬撃。障害物はバラバラに砕け散り、猟兵はひたすらに前へ。
と、マインドミナBVAが再び動いた。変化を崩された外殻を操って一点に集め、自身の巨体にも匹敵するほどの小惑星を創り出していく。
超未来変形屋台バイクで一足早く突出していたゲンジロウが、外殻集束に巻き込まれかけて悲鳴を上げた、その時。
突如細剣が一閃し、小惑星を一瞬にして砕き割った──!
「ゲンジロウ、これで貸しひとつだ」
唐突に響いた声に、唖然としていたゲンジロウがはっと頭上を振り仰いだ。
「蒼衣の剣士!? なんでここに……」
「俺は†蒼刻の騎士†だ……刻み付けろ、我が刻剣の冴え。蒼刻と碧刻の剣閃(ブルー・スライス・ブルー)!」
颯爽と現れた蒼衣纏いし銀甲冑の剣士は、細剣を軽やかに構え直すと一気に敵へと突撃した! 時空を歪めるほどの光速の軌跡を描く連撃が、マインドミナBVAの巨体を揺るがす……!
「その装甲、突き崩す! ……焔に焦がれし天が如く……輝け、綺羅星!」
紅蓮一刀『紅天・綺羅星』。
紅く輝く魔力を纏った一刀を渾身の力で叩きつける弌流。その凄まじい衝撃とエネルギーに、頑健な装甲の表面が真っ赤に沸騰する……!
そこに吹き込む、一陣の冷気。
「機械は苦手ですが……金属を脆くする手段ならば、心得ております」
静流が叩き込んだ端然とした斬撃から、一瞬にして吹雪が溢れ、急速にマインドミナBVAの巨体を極寒の冷気に閉ざしていく──
度重なり積もるダメージが臨界点をあっけなく振り切り、分厚く武骨な巨大装甲に、巨大な亀裂を走らせた──!
成功
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フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「ちょっとした衛星くらいはあるんじゃない?」
マインドミナBVAの大きさに圧倒されちゃうけど、フィオ姉ちゃんと相談した作戦で
内部破壊を狙うよ
【行動】()内は技能
「フィオ姉ちゃん、攻撃は任せたよ」
Flying Broom GTSに(騎乗)だね
フィオ姉ちゃんが引き付けている間に戦場をぐるっと遠回りして(目立たない)ように
マインドミナBVAの後方に回り込むよ
フォルマ・ベンダバールから(ダッシュ)で一気に接近
勢いに任せて(全力魔法)のラビリント・ネプトゥノを発動するよ
マインドミナBVAの巨体を逆手にとって、展開した氷壁の迷宮で内部損傷を与える狙いだよ
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携/アドリブ可)
「これはちょっと普通の攻撃ではダメそうね」
■作戦
囮になってマインドミナBVAを引き付け、その隙に弟のUCで内部破壊を狙う
■行動
「相手との距離感をしっかりとつかまないと」
Flying Broom GTRに[騎乗]し【ペガサスの翼】でスピード強化。
一定の距離を保った状態でマインドミナBVAに向かって【ロンギヌスの槍】を[乱れ撃ち]
「手加減はしないわよ」
無数の魔法の槍を浴びせながら[挑発]して[おびき寄せ]。注意を完全にひきつける
BVAリモーフで反撃されたら[高速詠唱]で【アイギスの盾】を展開して相殺する。
「さて、あとはフォルセティに期待ね」
ミスト・ペルメオス
【POW】
さて…。やるぞ、ブラックバードッ。
引き続き、愛機たる機械鎧を駆って戦闘に臨む。
念動力を最大限に。デバイス等を介して機体をフルコントロールすると共に、敵や周辺の情報収集にも応用する。
敵を有効射程に捉え次第【オープンファイア】、各種射撃武装を駆使しての射撃戦を展開。
スラスター出力最大、フェイントも織り交ぜた戦闘機動を行いつつ弾幕を張るような射撃を断続的に実施。
一方、敵の攻撃は基本的に回避することで凌ぐ。
回避しきれない場合は腕部から展開するビームシールドで防ぐが、そう何度も耐えられるものではないと想定。
単独では少々分が悪いかもしれないが、複数で当たれば…!
※他の方との共闘等、歓迎です。
●弾幕、光槍、そして迷宮
「うわぁ……ちょっとした衛星くらいはあるんじゃない?」
敵の巨体に圧倒されて、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)が声を上げた。どこに焦点を絞ればいいやら、目が泳いでしまう巨大さだ。
「これはちょっと、普通の攻撃ではダメそうね」
フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は気難しげに思案しつつ敵を見据える。
「さて……。やるぞ、ブラックバードッ」
同じく敵の姿を正面に捉え、ミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)は愛機たる機械鎧のスラスターの出力を最大に上げた。
凄まじい初速で疾る機械鎧。念動力全開、デバイスを介して、機体に直接神経が接続したかのような明瞭な感覚と共に、大量の情報が飛び込んでくる。
黄金外殻変じる岩塊の飛び交う隙間、有効射程に垣間見える、巨大な敵本体。
(「――攻撃開始」)
オープンファイア。機械鎧に搭載された各種火器が一斉に火を噴き、暗い宇宙空間を明るく輝かせていく……!
「私たちも手筈通りいくわよ、フォルセティ」
「了解! フィオ姉ちゃん、攻撃は任せたよ」
空飛ぶ箒の名を持つ各々のバイクを駆り、姉弟は逆方向へと散開した。
「相手との距離感をしっかりとつかまないと」
フィオリナはFlying Broom GTRから優雅なペガサスの翼を広げ、さらなる機動力を得て宙を駆け抜けた。素早い動作で飛んでくる岩塊の群れを躱しつつ、バイクが雷の先触れを周囲に放出し始める……
「手加減はしないわよ」
目を射る輝きが閃いた瞬間、フィオリナの周囲に生じた数多の魔法の槍が、雷を帯びて凄まじい速度で敵へと解き放たれた! 輝く槍が宙を疾り、次々に敵へと突撃していく──!
マインドミナBVAは顔らしき部位をもそもそと動かすと、周辺の岩塊を操って守りを固め始めた。
槍の第一陣は多くがそれら岩塊に阻まれたが、フィオリナはGTRを飛ばし間合いを厳密に保ったまま、第二陣、第三陣と絶え間なく槍を撃ち込んで岩塊を砕き、徐々に本体へと届く槍の本数を増やしていった。
「単独では少々分が悪いかもしれないが、複数で当たれば……!」
視界が切り拓かれたことによって、ミストの弾幕も効率的に敵を攻め立てていく。
弾丸、熱線、光の槍。降り注ぐ集中砲火に、マインドミナBVAは体中の装甲をかき集めるようにして丸く縮こまった。
「防御態勢……来るわよ!」
フィオリナは敵体表に残る黄金外殻の動きを見取り、警告の声を上げた。
次の瞬間、敵の全身に散った外殻が銃火器の姿を形作ると同時、一斉砲火を開始した。オープンファイアのコピーだ、精密な射撃が絶え間なく追いかけてくる……!
ミストは己の肉体の如く自在に機械鎧を駆り、照射される熱線や弾丸を猛スピードで躱していく。螺旋を描くような回転回避、正確無比の熱線は腕部のビームシールドで防御。しかし何度も耐えうるものではない。センサーがターゲットした敵射撃武装へと、再度の弾幕で対抗していく。
「撃ち抜く……!」
可変速ビームキャノンの放つ熱線が明々と一閃する──!
高出力のビームに貫かれ、敵腹部に取り付けられた二門のビームキャノンは完全に破壊、本来の黄金外殻の姿へと瞬く間に戻っていった。
しかしマインドミナBVAの攻勢は終わらない。変化の解けてしまった外殻も、岩塊のままの外殻も本来の姿に戻しながら手元に引き戻し、その姿を輝く槍へと変化させていく……
「次は私の槍をコピーする気? オウム返しの攻撃なんて当たらないわよ。防げ、アイギスの盾よ!」
備えに怠りないフィオリナは、素早く口内で詠唱を終え、光り輝く魔法の盾を顕現させた! まるでバリアの如く広範囲の前面に展開していく盾が、輝く槍の雨を相殺していく──!
「さて、あとはフォルセティに期待ね」
全ての槍を完全に相殺しきると、フィオリナは盾を収束させ、新たな槍を輝かせた。
一方、姉と別れたフォルセティの姿は、マインドミナBVAの遥か後方にあった。敵の目につかぬよう戦場を大回りで移動し、機を窺っていたのだ。
「さっすがフィオ姉ちゃん! ボクも負けてられないね……!」
姉の活躍に快哉を叫ぶと、フォルセティはバイクのハンドルに前のめりに取りついた。
「雷帝の剣閃にして、雲海を巡る旋律。我に纏いて一陣の颯とならん」
静かな詠唱が響くと同時、Flying Broom GTSが鋭い雷を帯びて攻撃的なフォルムへと変形し、弾けるように飛び出した。疾風の如く暗い宙を駆け、マインドミナBVAの背部へと突撃していく。
「凍結を抱きし冷雪の英霊よ。彼の者に封縛の柩を捧げよ……!」
勢いに任せて魔力解放! 全身全霊を籠めた魔法が戦場全体を視界を遮る霧で覆い尽くす……
「内側から、壊してあげる」
呟きと同時、マインドミナBVAへと絶対零度の魔力が凝集した。
それは氷壁による迷路を創り出す魔法。しかし、あまりにも巨大なマインドミナBVAの周囲に、迷路は現れない。
代わりに致命的な破砕音を響かせたのは、マインドミナBVAの内側。
その巨体を逆手に取り、フォルセティはクエーサービーストの体内にラビリンスを創り出したのだ……!
金属と氷壁がぶつかり合い、破壊しあい、軋み砕ける破滅的な音が長々と轟き──
──次の瞬間、小惑星を超えるその巨体は、絶対零度の氷壁の迷宮に食い破られ、数多の氷壁を生やした。
こすれ、軋み、砕ける金属の悲鳴が、そのまま『クエーサービースト・マインドミナBVA』の断末魔の絶叫となった。
大成功
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第3章 冒険
『マインドミナBVAの外殻を剥ぎ取ろう!』
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POW : 腕力と体力を活かして大量の外殻を剥ぎ取り、運搬する
SPD : 巨大な外殻を器用に解体し、運搬効率を高める
WIZ : 思念によって形を変える外殻の特性を利用し、変形させた外殻を運搬する
👑5
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●黄金外殻を剥ぎ取ろう!
猟兵の活躍により、マインドミナBVAは完全に生命活動を停止した。
その巨大な骸は、内部からの破壊でボロボロになっているものの、未だ頑丈な表面装甲には大量の黄金外殻を抱えている。疑似小惑星帯を成していた岩塊も、戦いの最後の最後でマインドミナBVAがほとんどを体内に回収してしまったようだ。
さて、今回の最後の仕事は、これら黄金外殻の回収である。
外殻は螺旋状のパーツ同士が噛み合い、かなりの強度で装甲に貼り付いている。腕力を駆使して引っぺがすなり、上手く構造を読み取って解体するなりする必要があるだろう。
また、思念によって形を変えるという特性を、ここで試してみるのもいいかもしれない。
果たしてこの外殻を素材に、どんな装備を創り出すことができるのか。
期待を胸に、猟兵たちはいよいよ収獲へと乗り出すのだった。
西川・宮美(サポート)
『ゆっくりしてきー?』
ヤドリガミの聖者×フードファイター、22歳の女です。
普段の口調は「関西弁もどき(うち、~くん、~さん、や、やろ、やろか?)」、真剣な時は「真面目に(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
水梨・コト(サポート)
『ラ・プワールのクール担当、水梨・コトだよ』
『私の気持ち、届けるよ。だから……聴いて、この歌を』
『やるしかない、か。ふふ、大丈夫。私のキーボードは頑丈なんだ』
バーチャルアイドルユニット「ラ・プワール」として、UDCアースやキマイラフューチャーで活動しています。
口調は「私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? 」です。
ユーベルコードはどれでも使います。基本的には歌や雑魚敵処理などの支援が得意で、たまにキーボードを物理的に使用したりもします。
性格はクールです。大体真面目ですが、真顔でジョークを言ったりします。
アイドルなので恋愛やお色気系はNGです。
●力を高めて
「おやまあ。奴さん、金ぴかをぎょうさん抱え込んではるわ」
マインドミナBVAの巨大な骸の具合を見て回り、西川・宮美(お布団の使者・f02279)は肩をすくめた。
「……ふむ。ここは力ずくでいかせてもらおか。フードファイターの面目躍如やね」
宮美は大量の宇宙食のパッケージを取り出し、内容物を呑むように腹に収めていった。中身は全て、食べやすく加工された肉類である。
「力ずくか……なら、私も手伝えるね」
水梨・コト(ラプワのクール担当・f01016)はショルダーキーボードに軽く指を走らせると、美しい旋律を奏で始めた。
「ラ・プワールのクール担当、水梨・コトだよ。私の気持ち、届けるよ。だから……聴いて、この歌を」
明るくしっとりとしたミディアムテンポに、コトの澄んだ歌声がしっくりと馴染む。スポットライトの下にいるような堂々たるパフォーマンスにして、作業中にぴったりの、気取りすぎない平熱の音色。
「ああ、ええね。力が湧いてくるわぁ」
手持ちの肉を大量に消化した宮美は、美しい歌声に耳を傾けながら剥ぎ取り作業に取り掛かった。
まずは外殻と本体との間に力ずくで隙間を作り、七つ道具やグルメツールを駆使して隙間を広げ、最後は怪力任せに一気に引っぺがす!
ぽぽんっ、と弾けるように、螺髪にも似た黄金外殻がいくつも宙に飛び出した。
「おっと。そっち行ってまったわ」
「大丈夫、任せて」
慣性を乗せて散っていく外殻を、すかさずコトが追った。幾度となく跳躍を繰り返すことですぐに追いつき、アイドル衣装のきらびやかな靴で豪快に蹴りつけて、宇宙船の方へと軌道修正していく。
「このまま私が運搬しておくよ。ドローンは置いていくから」
スピーカードローンを宮美の傍へと送り、コトは再び宙を蹴って跳躍し、逐一微調整を加えながら外殻を輸送していく。跳躍を重ねつつ口ずさむのは、うって変わってクールなロックテイストのポップスだ。
スピーカードローンからその歌を聞きながら、飛ぶように去るコトをにこやかに手を振って見送ると、宮美は本格的に遺骸へと向き直った。
「……さて、うちも気張らんとなぁ」
心湧き立つ軽快な音楽と共に、新たな探索の希望となる黄金外殻が次々に収獲されていくのだった。
成功
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フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(共闘/アドリブ可)
【行動】
「なんでも吸い込むよー」
じゃじゃーんと取り出したのはいつもの聖箒ソル・アトゥース。
黄金外殻が脆くなってそうな箇所にイスベル・ウラーノを叩きこんでから、
謎のサイクロン掃除機のアタッチメント取り付けてディオス・デル・ビエントだね。
強力な吸引力で黄金外殻を剥ぎ取っちゃうよ
「でもこれだと大変だから、んーと、列車型にならないかな」
黄金外殻に列車をイメージした思念を送り込んで、吸引した黄金外殻を列車に変形させるんだ。
そのまま宇宙船『ホシゾラ号』の方へ向けて宇宙空間を自走してもうよ
「未踏宙域鉄道の運行開始!」
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携/アドリブ可)
■行動
「いったいどのような構造になっているのかしら」
何やら箒を振り回している弟を尻目に黄金外殻に直接触れて調査する
[ハッキング]や[世界知識]などで材質や電子的な構造を確認
「さっぱり分からないわ。まるで未知の素材ね」
ならば思念によって形を変える特性を試してみるわね
例えば―
『胸が大きくなった私』と強く念じてみたら…いや、せっかくだから
『愛らしい実物大の弟』の姿を思念として送り込んでみるのはどうかしら
さすがに無理があるかしら。あまり馬鹿な事やっていないで、まじめにやらないと
黄金外殻をまとめて小型の宇宙船型に思念で変えて、ホシゾラ号まで[運搬]する
ミスト・ペルメオス
【WIZ】
さて…後は回収できるだけしてみますか。
これをもとに、我々猟兵や他の人々の役に立つものが開発されれば言うことは無いのですが。
引き続き、愛機たる機械鎧を駆って任務に従事。
念動力は最大限に。黄金外殻が思念に反応するというのならば、試してみる価値はある。
必要ならば【サイキック・フィールドシューター】を行使、念動力そのものを外殻の破片や塊にぶつけていく。
己の思念をぶつけることで外殻を己の制御下に置けたのならば、可能な限りの量をひとつにまとめ、変質・変形を試みる。
上手くいったのならば、集めた外殻の質量に応じた艦艇(小型艇から大型の軍艦まで)が形成されるだろう。
後は遠隔操縦で共に帰還する、つもり。
●星空の行進
巨大な遺骸はまだまだたくさんの外殻を抱えている。
機械鎧越しに遺骸を見渡し、ミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)は再度念動力を高め始めた。
「さて……後は回収できるだけしてみますか」
「おー!」
「ここは手分けする感じでよさそうね」
陽気に拳を突き上げるフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)と冷静なフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)も、各々作業しやすい環境を探して移動を開始した。
その間にも、高まっていくミストの念動力。
「思念に反応するというのならば、試してみる価値はあるはず……!」
針が振り切れる瞬間、膨大なサイキック・エナジー波を遺骸へと叩きつける──!
ガッチリと絡みあった機械の如き残骸が弾け飛び、黄金色の外殻だけが不可思議な力場を帯びて宙に取り残された。
試しに軽く念じてみると、外殻はゆっくりと回転し、思い描いた通りに円を描き、ぐにゃぐにゃと輪郭を溶かすように形を変え始めた。複数同時に動かすこともできる。どうやら制御下に置くことに成功したようだ。
「なるほど、確かに変幻自在のようですね……これをもとに、我々猟兵や他の人々の役に立つものが開発されれば言うことは無いのですが」
活用する手は色々とありそうだ。改めて有用性を確認し、ミストはさらに多くの外殻を制御下に加えていった。
一方。
「お、派手にやってるなー。ボクもそろそろ……ふんふん、このへんがよさそうかな」
遺骸をあちこち見て回ったフォルセティは、脆くなっていそうな箇所を目ざとく見つけ出すと、高々と手を上に掲げた。
じゃじゃーん、と取りいだしたるは、毎度おなじみ聖箒ソル・アトゥースである。
「星霜纏いし冷厳の天王。黄天より招くは無窮の霊氷」
たちまち頭上に招来された巨大氷塊が降り注ぎ、強烈な衝撃で遺骸を砕いて黄金外殻を露出させた。
するとフォルセティはいそいそと聖箒にアタッチメントを取り付け、掲げ直した。
「なんでも吸い込むよー」
再度天突く聖箒の先端に輝くのは、謎の掃除機アタッチメント。
「闇を纏いし河漢の煌星よ。我が聖箒へ導け断絶の風瀑!」
たちまち唸りを上げるサイクロン掃除機が、強力な吸引力で黄金外殻を次々引っぺがしていく……!
箒を振り回し派手にやっている弟を尻目に、姉のフィオリナは至極真面目に黄金外殻の調査を進めていた。
「いったいどのような構造になっているのかしら」
外殻表面に直接触れて、ためつすがめつハッキング。持てる限りの知識を総動員して材質や電子的な構造を紐解こうとするが……
「……さっぱり分からないわ。まるで未知の素材ね」
これは持ち帰って本格的な研究にかける必要がありそうだ。
となれば、思念によって形を変える特性を試してみるしかないだろう。
「どうしようかしら。例えば──『胸が大きくなった私』……とか?」
思わず強く念じてみれば、複雑に絡み合っていた外殻の一つが溶けるように形を変えてフィオリナの前に飛び出し、人型を形作った。とはいえ、鏡の中の姿というにはずいぶんと輪郭がぼんやりとしている。……胸は間違いなく大きいが。
「ディテールまで作り込むのはコツがいりそうね……じゃあ、これは……?」
もう一つばかり欲望のままに念じてみると、今度は別の外殻が、実に愛らしい姿の実物大のフォルセティをそこに形作った。……心なしか、いやどう見ても、自分の似姿より出来が良い気が……
「フィオねーちゃん、外殻集まったー?」
「ぃいえっ!? ま、まだよ」
不意の弟の声に、フィオリナは咄嗟に外殻の形を元に戻して取り繕った。
どうやらフォルセティのほうはまとまった量の外殻を収獲し終えたようだ。
「そっかー。うーんこのままだと運ぶの大変だから……」
「自走できる乗り物に変えてしまうのが手っ取り早いわよ」
「やっぱそれだよね。んーと、列車型にならないかな?」
フォルセティが列車をイメージした思念を送り込むと、集めに集めた外殻の塊がたちまち機関車型へと変化していく──
その傍らでいそいそと小型宇宙船を造形し始めたフィオリナの頭上に、恒星からの明かりを遮る影が射した。
「考えることは同じだったようですね」
思いのほか巨大な影とミストの声に姉弟が上を仰ぐと、そこには小型艇から大型の軍艦まで大小さまざまな艦艇が宙を泳ぎ、ちょっとした艦隊を成していた。ミストは傍らで並走し、遠隔操作で見事に艦隊を操っている。
「これはまた大量ね。ホシゾラ号が重くなりそう」
肩をすくめて軽口を叩きつつ、フィオリナは弟と仲間の勤勉っぷりに追いつかんと集中力を総動員し、残っている外殻で一気に宇宙船を完成させた。
と同時に、フォルセティの列車も完成する。
「よしっ、未踏宙域鉄道の運行開始! 次の目的地は、宇宙船『ホシゾラ号』~!」
元気な掛け声と共に、黄金の輝きを帯びた列車が先導するように宙を駆け抜け、宇宙船と小さな艦隊がそれに続く。
黄金色の行進が煌びやかな尾を描きながら、星の海を駆けていく。
次なる開拓への、期待と希望を乗せて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵