ボクはわるいスライムじゃ……
●わるいスライムじゃないよ
「今更廃墟探索の生実況なんて再生数稼げないっすよ?」
「そう言うなって。……いい噂を耳にしたんだよ」
「いい噂?」
深夜の廃ビルに潜り込む二人の男たちの姿があった。目的は、動画配信サイトで視聴者数を稼ぐための生放送をするためだ。
「なんでも、行方不明者が多数出てる廃ビルらしいんだ。その真相を俺たちが探って原因が分かればチャンネル登録者数も爆上がりだろ?」
「そんな上手くいくもんなんすかね」
「上手くいくんだよ!俺が保証する!」
はぁ、と乗り気ではない男が気の抜けた声を出した。スマートフォンの動画機能を使って、周囲を見渡す。視聴者数は10人行かない程度。コメントでは「はやく幽霊見せろよ」だの気の抜けたコメントが続いていた。
「……ん?」
風化した机の裏で、何かが動くような気配がした。男たちが顔を見合わせる。スマートフォンの光をそちらへ向ける。
すると。
うぞうぞと動く、粘液状の何かがそこで蠢いている。
「!?な、なんだ……!」
「ま、まずいっすよ!!早く逃げ……」
近づいてきた粘液状の物体。じりじりと後退する男たち。だが、その物体は何かするわけでもなく、男たちの前で蠢いているだけだ。
「……おい。ちゃんと動画は撮ってるよな」
「は、はいっす!」
「これはいける!いけるぞ!視聴者がどんどん増えてる!チャンネル登録者数も
……!!」
コメント欄が怒涛の勢いで流れ始める。「なに?合成?」「スライム?」「うわきも」と他人事のような発言。
視聴者数、100、200、500……増え続ける数字に、男たちがニンマリと笑った。
●UDC-P(Peace)
「皆、UDCアースで少しマズい状況になってる」
小さく息を吐き出して、アイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)がぽりぽりと頭を掻いた。
「UDCアースにおけるUDC生物たち、その中で『世界の破壊』の意思を持たないUDCが存在することが分かった。UDC組織では、そのUDCのことを『UDC-P』と呼称してるらしい」
人を殺さず、悪事を働かず、ましてや世界の破壊に繋がるようなこともしない。完全に友好的なUDCの総称だ。
今回UDC-Pとして発見されたのは、ストーンスライムというUDCの集団の中にいる1体である。
「そのUDC-PであるストーンスライムっていうUDCの1体が……人間たちに見つかってしまったみたいなんだ。動画配信まで始めて、色んな人に認知されそうになっている」
UDC組織によって秘匿され続けていたUDCが暴かれようとしている。それだけは阻止しなくてはいけない。
「まずはその二人の男についてどうにかするのと、世間に広まる前にこれはでっちあげだ、ってことをネット配信を見てる人達に分かってもらわなくちゃいけないな」
男たちを気絶させ、カメラを取り上げる。魔法やユーベルコードなどで何らかの対処を行う。配信を中断するなどやり方は様々だ。
「その後は、廃ビル内にいるUDC-P以外のストーンスライムを退治することになる。破壊の意思を持ってないUDC-Pのストーンスライムからしたら、心苦しい状況だろうな」
自分だけが集団の中で違う考えも持っている、というのは異形の生物だろうと居心地が悪いものだろう。
「UDC-Pを確保したら、あとはUDC組織に受け渡しだ。その際、ストーンスライムに対しての対策マニュアルを作らなくちゃいけなくなるから、よろしくな」
さて、とアインが杖を掲げる。
「時間も惜しい。こうしてる間にも、ネット配信でUDCの存在が広まり続けてる。皆、頼んだぞ!」
転移先は廃ビル前。ストーンスライムというUDCの正体がネット配信によって今まさに晒されようとしている。
夕陽
見ようによってはかわいい。(SAN値0)
OPをご覧頂きありがとうございます。初めましての方は初めまして、すでにお会いしている方はこんにちはこんばんは、夕陽です。
今回のシナリオはUDCアース。人間たちに友好的なUDC、『UDC-P』を保護するシナリオとなっております。
●第一章 UDCの秘匿
二人の男が偶然にもUDC-Pのストーンスライムを発見してしまい、あろうことかネット配信を始めてしまいました。一般人にUDC生物を知られるわけにはいかないのでなんとかしてこの状況を打破してください。説得(物理)でカメラと男たち両方ノックダウンさせるのもよし、魔法やユーベルコードなどで事実を隠蔽するもよし、です。
●第二章 UDC-P以外のストーンスライム殲滅
UDC-Pとなるストーンスライムは1体だけです。その他のストーンスライムは問答無用でこちらへ襲いかかってきますので、撃破してください。
●第三章 UDC-P対処マニュアル作成
UDC-Pであるストーンスライムの対処マニュアルを猟兵の皆さんが作成します。UDC-Pの問題点を指摘し、どうやってその問題点を改善するかをプレイングにて記載してください。
この対処マニュアルが十分であれば、UDC組織がその成果をいずれ明らかにするでしょう。
ちなみに、UDC-Pと通常のUDCは、猟兵の不思議な力で見極める事が可能ですので、誤ってUDC-Pを攻撃してしまった、等は起きませんのでご安心下さい。
それでは、皆様のプレイングおまちしております。
第1章 冒険
『カメラを止めるんだ!!!』
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POW : カメラを止めろ!
SPD : ネット配信を止めろ!
WIZ : 魔法や魔術で誤魔化せ!
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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レパル・リオン
動画配信の為に覚えたユベコだけど、まさか動画配信を止めさせるために使う事になるとは思わなかったわ
UC【只今放送中!】を使うわ!
演技力を引き上げて、『配信者の仲間』のフリをして動画に乱入よ!
「はいオッケー!いい感じに撮れたわよ!」(迫真の演技)
「やー、スゴい演技だったわ!まるでスライムが目の前にいるみたいだったわよ!」(迫真の演技)
「え、これカメラ回ってる?…ああ〜…ご、ごめんなさいっ!」(迫真の演技)
とかなんとか言いながら、自然(ごういん)な手つきでカメラを取り上げるわよ!
配信者2人は…まぁ、組織の人に任せればどうとでもなるわよね〜(丸投げ)
二條・心春
UDC-P……この子達みたいに、良いUDCはやっぱりいたんですね(タブレットに映るUDCの霊を見ながら)。ちゃんと保護してあげたいです。
ここは【見えざる者の影】を使いましょう。透明になってスライムさんの近くに行って、いきなり解除すれば、私は幽霊に見えるかも。顔も見えないよう気をつけますね。あの人達が驚いている隙に、スライムさんに「優しく」話しかけましょう。
こんにちは。えーと、私は貴方とお話ししてみたくて、ここまで来ました。……ここはちょっと騒がしいので、場所を変えてお話しませんか?
そのまま私とスライムさんを影で包んで透明になって、この場から離れましょう。これで心霊現象っぽくなったでしょうか?
黒木・摩那
【WIZ】
ネット配信を止めるのは簡単なのですが、
単に止めただけでは録画が残りそうですし。
ここは映像の信用を落としましょう。
スマートグラスを使って、【ハッキング】で画像を操作し、表面の光具合などをいじることで、スライムが作り物っぽく見えるようにします。
さらにスライムが操られているような糸も見えるようにします【言いくるめ】。
最後に撮影者たちには記憶消去ペンの光を見てもらって【催眠術】、
作り物のスライムを使った動画を撮ろうとしてたと信じさせましょう。
可愛猫・仮面
我輩は考えた。
UDCよりもヤバい奴になれば、相対的に誤魔化せるのではないか、と。
すなわち……我輩自身がUDCになるということである!!!
……いや、つまりは幽霊ちっくに登場して、このUDC-Pも我輩の仕込みとして納得させるのが目的なのであるが。
我輩は袋で、首元は脱げないよう赤い紐で結んであるし。袋被った幼女先輩、怖いと思うのである。
ストーンスライムを挟んだ暗がりから、UC「ネコチャンを呼ぶ」で呼んだねこちゃんロボを配信者たちの足元に通らせるのである。
素通りさせて逃げている風を演出し……満を持して我輩と幼女先輩の登場であるぞ!
ささ、幼女先輩。少し声を貸すのであるよ。
「おにいちゃあん、どこぉ……?」
●ハイ、カット!!
視聴数が跳ね上がっていく。その様子をニヤニヤとした表情で見ながら、二人組の男は目の前のスライムへと目をやった。
ぐずぐず、と蠢く謎の物体。ちょっと触ってみようかな、と片方の男が手を伸ばしたその時だった。
「はいオッケー!いい感じに撮れたわよ!お疲れ様!」
はえ、と素っ頓狂な声を出して固まる男二人組。後ろから降り掛かった声に振り向けば、いきなり現れた少女が拍手をして迫ってくる。
「やー、スゴい演技だったわ!まるでスライムが目の前にいるみたいだったわよ!」
「は……?いや、これ演技じゃねぇ―――」
「……え、これカメラ回ってる?……ああ~……ご、ごめんなさいっ!」
流石はキマイラ、というべきか。レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)の早業によって片方の男が持っていたカメラが取り上げられる。
「おい、お前!!!一体何なんだ!!」
「ちょ、ちょっと……怒らないでってば!悪かった、あたしが悪かったって!」
レパルがちらり、とスライムへとアイコンタクト。「はやく隠れろ」という念が通じたのか、それまで微動だにしなかったスライムが廃墟の陰へ隠れようとしている。
男たちがぎゃあぎゃあ騒ぐ中、コメント欄が大嵐。
「は?」「なに、ヤラセ?」「草」「さっむ」「はーつっかえ」「自演乙」等でお送りしております。
「ってかお前誰だよ!?どっから湧いて出たんだ!?」
「ちょ、嘘……そんな怒ることないじゃない!他人のふりなんてひどい!!」
「え、先輩。俺に隠れて彼女連れてきてたんすか?」
「違えよ!?ホント何も知らねえんだよ!」
後輩だろう男性に一喝。そこで現れた謎の少女へと再び視線を移したのだが……
「……あれ?」
いない。少女も、カメラを消えている。
「!?あ、あのスライムは
……!!」
ばっ、と振り向くと、スライム、全力で逃走中。ぐずぐず、と粘液の身体を動かしながら廃墟内へと絶賛移動中だった。
「こら、待て
……!!」
駆け出そうとした男性が、その途端ピタリと止まった。なぜなら、突然、唐突に、いきなり少女がスライムの前に現れたのだから。
「ひっ……」
「ま、まさか……幽
……!!」
現れたのは幽霊……ではなく、れっきとした人間である。二條・心春(弱さを強さに・f11004)は眼前のスライムへと視線を落とす。
(UDC-P……この子達みたいに、良いUDCはやっぱりいたんですね)
手に持ったタブレット内存在するのは彼女の相棒であるUDCたちだ。それは蛇のような身体と翼を持つ竜や、炎の体を持つ悪魔のようなUDC、イカを模したUDCも存在する。無数のUDCと心を通わせてきた心春だからこそ、この絶体絶命の状況を見逃すことが出来なかった。
「こんにちは。えーと、私は貴方とお話ししてみたくて、ここまで来ました。……ここはちょっと騒がしいので、場所を変えてお話しませんか?」
男たちには聞こえないように小声でスライムにそう言うと、粘液状の体に手を伸ばす。
が。
「……え?」
先程まで大人しそうだったスライムの挙動が途端に早くなった。すっ、と心春の手を避けると、ボロボロの風化した机の陰に隠れてしまう。
「どうして……」
やはり人間が恐ろしいのだろうか、と思案したが、その行動の意味をすぐに理解する。
「―――あっ」
よくよく見ると、ストーンスライムが通った場所の土が、石へと変性しているのだ。つまり、ストーンスライムに気安く触れようものならその箇所から石化するということ。
よって、ストーンスライムのこの行動は。
(私を石化させたくない、ってことだよね)
少しじんわりときた心春。やはりUDC-Pは人間に危害を加えないように立ち回っているようだ。
後ろで男たちの怯える声が聞こえる。視線を僅かに動かして、心春は再び【見えざる者の影】の力を行使し、姿を消す。
「き、消えたっすよ!?」
「や、やはり幽霊……か!!良いネタになる!!おい、カメラを回し続けろ!!」
「な、なにいってるんすか!こんなところ早くおさらばするっすよ!さっきカメラ奪われたじゃないっすか!」
「何言ってんだ!俺たちにはまだスマホがあるだろうが!」
と、片方の男が自分のスマホを取り出して物陰に隠れているストーンスライムにピントをあわせる。次いで、周囲に幽霊がいないか、くまなく撮影しているようだ。
と、そこで。
(―――吾輩は考えた)
廃墟の倒壊した瓦礫に隠れて、一人の猟兵が思案に耽っていた。
可愛猫・仮面(我輩は猫ではない・f23412)は、ストーンスライムを救うための手立てをじっくりと考えていたようだ。
すなわち。
(……吾輩自身がUDCになるということである!!!)
なん……だと……?と合いの手(?)が飛んでくる気配はない。ともかく、重要なのは男たちがこの怪奇の全容を知って落胆すればいいということ。そしてストーンスライムが自分の仕込みだということを男たちに納得させるのが一番である。
まず、自分の容姿を見る。自分は袋。首元は赤い紐で結んである。袋を被った我が主、もとい幼女先輩。
夜トイレに行ってばったり会ったら絶対普通に怖い。
というわけで。
「早急に来るのだ、ネコチャンよ!」
小声で。
にゃー、にゃー、と廃墟奥から雪崩のように逃走していく猫(ロボ)たち。それを見た男たちが小さな悲鳴を上げる。
「な、なんっすかこれ!?」
「間違いない、心霊現象だ!いいか、よく撮っておけよ!」
スマホを回して画面を見る。
廃墟の暗がりの奥、そこから、ボウ、と現れる人影。
それは袋を被った……
「おにいちゃあん、どこぉ……?」
幼女先輩。
男たちの悲鳴が響き渡る。強気な男、真っ先に逃走。後輩らしき男、その場で泡を吹いて倒れる。
「あ、あれ……ちょっとやりすぎたであるか?」
「良いと思いますよ。やりすぎぐらいが丁度いい」
廃墟の陰から現れた一人の猟兵、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)の言葉に仮面(with幼女先輩)が、ふむぅ、と唸る。
「ごめんー!ちょっと失敗しちゃったわ!そうよね、スマホだって立派な記録媒体だものねー」
「私も失敗しました……スライムさんの特性をもっと良く知っていれば……」
そこで茂みに隠れていたレパルと心春が姿を表す。
カメラを盗む、という行動は吉、幽霊になるという行動も吉である。が、この男たちの執念は想像を絶しているようだ。特に先輩の方。
「少なくとも、ストーンスライムの撮影は中止できたから問題なしでしょう。失敗なんてことないわ」
目の前で伸びている後輩の男のスマホとレパルが奪い取ったカメラを持って、摩那がメガネ型の端末、『スマートグラス』を起動する。
メガネに流れるプログラムの列を視認しながら、カメラ内の電子情報を書き換えていった。
「ストーンスライムの色調を変えるのと……糸のようなものがあるように見えるようにしておきますね」
スマートグラスの高精度なハッキングによってスマホとカメラ内に残された動画を改竄、その後。
「さてと……後は記憶を書き換えてしまいましょうか」
記憶消去ペンの光を後輩である男へと照射。「作り物のスライム撮影のためにこの廃ビルを訪れた」という記憶を植え付ける。
「……よし、こんなものでしょう」
「この男はともかく、さっき逃げたやつはどうするであるか?あちらのスマホにも動画が残っているのであろう?」
「あ、それなら問題ないと思うわよ」
仮面の言葉に、レパルがぐっ、とサムズアップ。
「頼れる猟兵は、まだまだいるからね!」
物陰に隠れていたストーンスライムが、その言葉に反応してぐずり、と揺れた気がした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
佐伯・晶
友好的なUDCか
シャーマンゴーストさんみたいな感じなんだよね
僕もそちら側に片足突っ込んでいるようなものだし
皆と協力して保護しようとするよ
…ところでスライムの知能ってどれくらいなんだろう
せめて犬猫くらいで意思の疎通ができればいいんだけど
男二人の無力化にはワイヤーガンを使用
一応UDCアースで一般的に実用化されてる技術の中だしね
捕縛した後の処置はUDC組織にお願いしておくよ
慣れてる人達にお願いした方が確実だろうし
後で誰かが確認しに来た時に偽物が見つかるように
複製創造で色の似たおもちゃのスライムをいくつか創っておこうか
他の人の隠蔽工作に必要な物があれば
普通に見た事があるレベルの物なら創れるし協力するよ
エミリロット・エカルネージュ
●POW
態々人間や世界に友好的なオブリビオン……UDC-Pのストーンスライムだっけ?
そんな子を考え無しで世間に晒され悪目立ちするのは、良い気はしないよね、只でさえ不安に苛まれてるだろうし
と言う事で
使用UCでチョコ餃子怪人に頭と尻尾を変化させ
オブリビオンのフリをして
強引に割り込み『早業』と『残像』でカメラを破壊し、有無を言わさず男達を気絶させる程度に『グラップル』の一撃入れてノックアウトしてから
使用UCを解除し
UDC-Pのストーンスライムの子を助けに来た事を伝えて、抱えてこの場を離れるよ
あっ、カメラを破壊した時点で逃げようとしたら『ダッシュ』で『追跡』して気絶させるね
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
鳳城・那由多
アナンシさん(f17900)と
あらあら、人の好奇心は本当に怖いもの知らずね
そういう所が可愛らしくて協力したくなっちゃうのだけど
危ない目に遭ってしまうのは可哀想だわ
丁重にお帰り願いましょうか
まずは【歌唱】で【おびき寄せ】て
アナンシさんとは夫婦を装いますわね
ふふふ、そうねアナタ♪
それに私、此処で歌の練習をしているのだけど
貴方達はどうかしたのかしら?
と、世間話で私が気をひいている隙に
アナンシさんにカメラ等の機材を壊してもらいましょう
機材の方に意識が言ったら至近距離で近づいて
声に魔力を乗せて【催眠術】をかけて眠りへと【誘惑】しますわ
あらあら、色々あって疲れたのね
ゆっくりお休みになって♪
※アドリブOK
アナンシ・メイスフィールド
鳳城君f22037と
大事になっては困る故、男達を見つけたならば鳳城君と共に接触を
怪しまれたならばそうだねえ…夫婦でこの廃ビルの購入を検討している資産家と言う事にでもしておこうか
夜も見学するのが基本ではないね?
それに夜に妻が存分に歌える様な場所がいいと思っているのでねと言いくるめんとしつつ鳳城君が気を引いてくれている間に男達の背後から見えぬ様に【贄への誘い】を発動、カメラを壊さんと試みよう
…怪奇現象かね…?ここは買わない方が良いかもしれないねえと真剣そうな声音を投げつつ後は鳳城君へ任せよう
男達が意識を失えばビルの外に運び人目が付かぬ場所に転がして置こう
そう、全ては夢なのだよ。ゆっくりと眠り給え
●ライフはもうゼロ
「くそっ……なんだってんだあのビル
……!!」
廃ビルが遠ざかり、男はビル近くにあった公園へと逃げ込んだ。酷い目に遭ったが、それでも怪奇現象と正体不明の生物に関する映像はスマートフォンに保存済みだ。これを編集し動画サイトに投稿すれば……。
「たちまちネットの人気者だよな
……!!」
しめしめと笑う男。スマートフォンが壊れないようにポケットにしまいこみ、後輩の男のことなど忘れたのかそのまま帰ろうと歩を進めた。
そこで、男は不思議な音色を耳にする。……いや、音色というよりも、歌声だろうか。
こんな時間に歌を唄っている誰かがいる?と考えてまた怪奇現象が起きたのかと早足で帰ろうとしたが。
(……いや、動画に保存するネタがあればあるほど編集も捗るか)
と、パパラッチ思考で歌声する方向へと駆け出した。哀れである。
木に隠れながらその先を見ると、男女の二人組が廃ビルへ続く方向へ歩いているところだった。どうやら、片割れの女性が歌を口ずさんでいるようだ。
「……そこにいるのは誰かしら?」
隠れていたのがバレた。男は仕方なく姿を現す。
●
「人の好奇心は本当に怖いもの知らずね」
「好奇心は猫を殺す、という言葉を知らないようだ」
男が公園内へ逃げ込んだ数分前、鳳城・那由多(傍観察者・f22037)とアナンシ・メイスフィールド(記憶喪失のーーー・f17900)が廃ビルで起きている状況を他の猟兵たちから訊き、ふふ、と笑い合う。
「そういう所が可愛らしくて協力したくなっちゃうのだけど、危ない目に遭ってしまうのは可哀相だわ。丁重にお帰り願いましょうか」
というわけで、二人はスマートフォン片手に逃走してきた男の近辺に潜伏、わざと歌声に魔力を乗せて、男を誘い出すという作戦に出たのだった。
軽度の催眠術にかかった男が、二人の前に姿を現すと。
「あんたたち、なんでこんな時間にこんなところに……」
警戒心MAXの問い。とはいえ、催眠術にかかっているため話の誘導もしやすい。
アナンシが那由多の肩に手を置き、いかにも夫婦然とした雰囲気を醸し出す。
「夫婦でこの先にある廃ビルの購入を検討している者でね。妻は歌が趣味で、夜に存分に歌える様な場所がいいと思っているんだよ。なあ、那由多?」
「ふふふ、そうね、アナタ♪」
はぁ、と気の抜けた返答を返す男。普通に信じてしまったようだ。
「……って、あの廃ビルを購入!?や、やめておいたほうが良い!あそこは怪奇現象が
……!!」
「……怪奇現象かね……?ふむ……」
ちらり、と那由多へ視線を向ける。こくりと頷いた那由多が大げさに驚いた表情。
「怪奇現象と言うと幽霊というものかしら……まあ……」
「そうなると、買わない方が良いかもしれないねえ」
じっくりと見つめ合う両者。だが、アナンシはすでに行動を開始している。ユーベルコード【贄への誘い】によって発現した蜘蛛の脚によって、後方の木々がざわざわと大きく揺れ出した。何事かと猟兵2名(大げさに)びっくり。
後方へ視線を移した男が見たものは。
●
(態々人間や世界に友好的なオブリビオン……UDC-Pのストーンスライムかぁ……)
男が二人の猟兵と会話をしている間、エミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)がグリモア猟兵から聞いた言葉を心の中で反芻していた。
人に害を与えないUDC、すなわちUDC-P。そんな平和的な思考を持つ子を考え無しで世間に晒されて悪目立ちするのは、良い気はしない。仲間とは違った考え方を持つが故に不安に苛まれている可能性も大いにある。
というわけで。
アナンシのユーベルコードによって木々が大きく揺れ出す。今だ、とエミリロットは男の目の前に姿を現した。
「スマホヨコセーーーーーーーー
!!!!!!!」
直接的表現で絶対お前のスマホ確保するUDC、名付けて『チョコ餃子怪人(仮)』となって男へとめちゃくちゃ速い渾身のアッパー(ドラゴニアンの膂力も加わっております)。
へぶぅ!!!と男が仰け反る。ポケットに入れていたスマホが反動で落ちた。好機。
「アー!!!!アシノシタにスマホガーーーーーー
!!!!」
迫真の演技でスマホへと圧倒的膂力のかかと落とし。スマホ、ご臨終。
男、もう何が起こったかも理解したくない、というより廃ビルの出来事もあってSAN値がガリッ、と逝ったらしい。
叫び声を上げて全力逃走。だが、それを許す猟兵ではなかった。
「いや、逃さないからね」
茂みに隠れていた猟兵はもう一名。佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)が構えたのはUDC組織御用達の『ワイヤーガン』だ。逃走を図る男へと照準を定めると、トリガーを引く。飛び出るワイヤー。男の足に絡みついた。顔面から転倒。痛そう。
見事なまでの連携(?)によって完封。男はワイヤーに繋がれたまま奇声を上げていたが……。
「やれやれ、因果応報というべきなのかこれは……」
「まあ、仕方ありませんわね」
那由多の歌声が大気に溶ける。それは、聴いた者を眠りへと誘う鎮魂歌か。……いや、死んではいないが。
「あらあら、色々あって疲れたのね。ゆっくりお休みになって♪」
「そう、全ては夢なのだよ。ゆっくりと眠り給え」
そのまま眠りへと落ちた男に小さく告げて、那由多とアナンシは後始末のために、公園内の痕跡を消していくのだった。
後日、男は公園のベンチで眠っているところを発見されたらしいが、UDC組織によって記憶が操作され、なぜこんなところで寝ていたのか全く覚えていなかったらしい。
……ともあれ、男二人の対処は完了である。
●
廃ビル前でぐずぐず、と蠢いているスライムに、晶とエミリロットが近寄る。
「きみが友好的なUDCか。シャーマンズゴーストみたいな感じなんだよね。僕も一応そちら側へ片足突っ込んでいるようなものだし、仲良くできるかな?」
「助けに来たんだけど、触ると石になっちゃうのは厄介だね……どうしようかな」
二人の猟兵がそう問いたが、スライムはぐずぐずと体を変化させるだけだ。
「……スライムの知能ってどれくらいなんだろう。せめて犬猫くらいで意思の疎通ができればいいって思ってたんだけど」
こちらの言葉を理解してくれているのかもわかりにくかった。
とりあえず、この後他の誰かが廃ビルを訪れないとも限らない。
【複製創造】によって目の前のスライムと同じようなおもちゃを複製、廃ビルに放置されてボロボロになってしまっているところも再現しておく。
「次は、廃ビル内の確認かな?」
廃ビルは静寂に包まれている。とにかく、廃ビル内に発生しているだろうUDCは退治しなくてはいけない。
と、そこで足元にいたストーンスライムが動き出した。廃ビル内へ入ろうとしているようだが、入り口前で再び動きが止まる。
どうやら、ついて来て、と言っているようだ。
大成功
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第2章 集団戦
『変質粘液『ストーンスライム』』
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POW : 粘液散布
レベル×5本の【石化】属性の【石化粘液】を放つ。
SPD : 粘液分裂
【分裂したストーンスライム】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 粘液強襲
【石化した犠牲者】から【潜んでいたスライム本体】を放ち、【触れ包まれた箇所から石化する事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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●石像の間
粘液の体を動かし、廃ビル内へと入っていくストーンスライムの後の追う猟兵たち。
たどりついた場所は廃ビル内の5階部分、風化した業務用のデスクが立ち並び、割れた窓から月光が差し込んでいる。
その広間に、無数の石像が立ち並んでいた。それは人を象った石像だ。慌てて逃げ出そうとしたように手を伸ばしたポーズの石像や、驚愕の表情をしている石像もある。
とある少女の石像に、ストーンスライムが近づいた。粘液の体を伸ばし、石像に触れようとするも、その途中で静止する。
空間を埋め尽くす石像は……ストーンスライムの被害者たち。どうやら、猟兵をここに連れてきたかったらしい。
ぐずり、と伸ばされた粘液が元に戻る。どうやら、石像と化した人間たちを救って欲しくて猟兵を案内したらしい。
そこで、石像の隙間から液体が沸いて出る。迸った粘液は弾丸と化して、UDC-Pのストーンスライムに突き刺さった。
弾き飛ばされたUDC-Pは猟兵の前まで飛んでくると、そのまま動きを止めてしまった。
―――裏切り者め。
そんな思念が聞こえてくるかのような、邪悪の気配。
石像たちにまとわりつくのは、UDC-Pではないストーンスライムたち。猟兵たちに協力しようとするUDC-Pさえも排除しようと、粘液を放出する。
襲いかかってくるストーンスライムと対峙し、石像と化した人間たちを救うべく猟兵たちは武器を取るのだった。
【MSより】
裏切り者と断定したUDCストーンスライムは、UDC-Pであるストーンスライムをも排除しようと攻撃を向けてきます。
UDC-Pを護衛しつつ、ストーンスライムを撃破して下さい。
プレイング募集は【11/3 23:59迄】となります。皆様のプレイングお待ちしております。
可愛猫・仮面
はわわ……迂闊に触ると我輩たちも石になるであるか!?
幼女先輩には指一本触れさせないのである!!!
……スライムに指はあるのであろうか?
さて。
触りたくないのでUC「お絵描きをする」で遠距離戦を挑むのである。
クレヨンは何色にしようか迷うのであるな……
やはり明るい色の方が心も弾むのである。
が、それはそれとして色は気にせずしっかり狙って投げるのである!
どうせ何色でも効果は変わらんのである! 考えるだけ無駄であろう!
わーっはっはっは! 我輩たちのユーベルコード用クレヨンは90色であるぞーっ!!!
●特製クレヨン?
うぞうぞと石像から這い出たストーンスライムたちが、現れた敵対者を視認してじりじりと近寄ってくる。
「はわわ……迂闊に触ると我輩たちも石になるであるか!?」
そう、先程UDC-Pであるストーンスライムが通った道は石化していた。つまり、UDCであるストーンスライムもまた、攻撃しようと粘液の体へパンチしようものなら触れた先から石化することは明白だった。
だが、引くわけにはいかない。可愛猫・仮面(我輩は猫ではない・f23412)は、猫の形をした仮面……もとい布の裾をぎゅっと持って素早く後退する。
「幼女先輩には指一本触れさせないのである!!!」
自分の大切な存在である幼女先輩を危険な目に遭わせるわけにはいかない。……というか、仮面がやられなくても人間側が石化したら即終了である。気をつけなければならない。
スライムに指はあるのであろうか、とふとそんな考えが脳裏をよぎったが、流石にあっち系な展開は好まないので、仮面は懐からひょいっとクレヨンの箱を取り出した。
「うーむ……クレヨンは何色にしようか迷うのであるな……」
箱の中の90色クレヨンを見てうんうんと唸っている。一見能天気に見えるが、これはれっきとした戦法だ。
「やはり明るい色の方が心も弾むのである!」
てーれってれーというSEが似合う感じでクレヨンを高く掲げる仮面、幼女先輩。隙と見たのか、石像から這い出たストーンスライムの一体が石化粘液を放出する。
が、それを仮面は軽やかに回避。そして。
「食らうのである!!吾輩たちのユーベルコード用クレヨンは90色であるぞーっ!!!」
ブン!!と投げたクレヨンは弾丸の如く。ストーンスライムの体を捉えてその粘液の奥にある核を的確に撃ち抜いたようだ。
90色を投げ終える頃には、空間を埋め尽くしていたストーンスライムは姿を消していた。
仮面、そして幼女先輩。そしてクレヨン。強い。
その様子を、UDC-Pのストーンスライムがふるふると体を揺らしながら見ていたようだった。
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
【人形館】で参加
アドリブ可
善良なストーンスライムさん…これは保護をして、あわよくば仲良くなりたいのです!
悪いスライムが目の前に…善良なスライムさんは隠れていてください!
しかしここで戦うと石化した犠牲者が危ないです…わたしが囮になります!
大声をあげて悪いスライムたちをおびき寄せます!みなさん石像達を頼みました!
そして下の階の広いところにて追い詰められ…スライムが飛びつき全身が包み込まれ、身体が石にされていきます…
ここまではよし…!一か八かあのユーベルコード…を…むぐぅっ!?
(ユーベルコード『対生物固化蝋液津波』の発動によって巻き込まれ、スライムは蝋化して粉々に、テフラは石化したまま立ち尽くす)
レパル・リオン
【人形館】で参加
アドリブやピンチ歓迎
むむ、スライム怪人をぶっ倒すのはカンタンそうだけど…
あんまり激しく暴れると、石像が壊れちゃうかも…!
こういう時は…協力するのが1番!みんな、行くわよ!
あたしは【石像の避難】を担当するわ!
【トリニティ・エンハンス】で筋力アップ!テフラちゃんが悪スライムを引き付けてる間に石像を安全な所に運ぶわよ!
運ぶ途中でスライムに襲われるかもしれないけど、できるだけバリア魔法『獅鬣盾』を使って弾くわ!防ぎきれなくても、シャルボンちゃんの回復ユーベルコードを当てにして強引に避難を続けるわ!
背後より◆防ぎきれず、手足、尻尾などを部分的に石化されてしまう展開を希望します
シャルボン・フランヴェルジュ
【人形館】で参加。
アドリブ・絡み歓迎
あっ!テフラさん、ちょっと待…行っちゃった……あそこまで行かれると回復がもう届かないね。たぶん固まってるだろうから後で戻してあげよう。合唱。
相手は石化で行動できる猟兵を減らしてくる訳だよね。ならボクは善良なスライムくんを守るためにも、猟兵の石像が増えないように回復UC"灰の救護院"を準備しておくだけだ。
でもこのUCで石化を治すには、一人ずつ集中して治療しないといけないから、その隙を突かれないか少し心配だ。
回復を必要とする猟兵が居ないなら、レパルさんを手伝って石像を移動させるよ。
スライムくんもだけど一般人の安全も優先事項だ。
●不覚にも石化粘液に接触してしまい
廃ビル内に鎮座する石像と、そこから這い出てくるストーンスライムたち。異様な光景の中、三人の猟兵が各々身構える。
「むむ、スライム怪人をぶっ倒すのはカンタンそうだけど……あんまり激しく暴れると、石像が壊れちゃうかも……!」
レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)の言うことは尤もだ。猟兵の攻撃やユーベルコードを安易に発動しようものなら、石像と化した人間たちは簡単に砕け散ってしまうだろう。
となると。
「こういう時は……協力するのが1番!みんな、行くわよ!」
「任せて下さい!善良なストーンスライムさんを助けますよ!」
「ボクは後方で支援するよ。まずは石像を動かすべきだよね」
褐色肌のウサギのキマイラ、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)と魔剣のヤドリガミであるシャルボン・フランヴェルジュ(契約魔剣(ただしご主人募集中)・f22312)がそれに呼応した。
(善良なストーンスライムさん…これは保護をして、あわよくば仲良くなりたいのです!)
ぐっ、と両手をぐっと握り込んで、テフラは目の前で沸き立つストーンスライムへと立ち向かう。
後方では、ぐずぐずと蠢くUDC-Pのストーンスライムが。
「悪いスライムが目の前に……!善良なスライムさんは隠れていてください!悪いスライムさん、あなたたちの相手はこのわたしなのですっ!!」
大声を上げて、回り込むように全力疾走。その言葉が通じたのか否か……いや、どうやら通じたようだ。一部のストーンスライムたちがテフラを追従し始める。
あ、とシャルボンが声をあげようとするも時すでに遅しだ。
「テフラさん、ちょっと待……行っちゃった……あそこまで行かれると回復がもう届かないね」
「テフラちゃんに一部のストーンスライムは任せて、あたしたちは石像を運ぶわよ!」
「うーんそれはもちろんなんだけど……」
絶対ストーンスライムの被害に遭うだろうなぁ(故意に)と感じながら、シャルボンは回復のユーベルコード【灰の救護院】をスタンバイしながら、石像の避難を開始した。
レパルの体から立ち昇る三属性の魔力が、その筋力を大幅に向上させる。ひょいっ、と石像を軽々と持ち上げたレパルがUDCのストーンスライムから距離を取ろうとするが、自らの獲物を横取りしようとする猟兵を見逃すスライムたちではない。
「くっ……!アンタたちに邪魔はさせないわよ!」
それは、弱き者を助けるヒーローとしての覚悟の具現だ。レパルの周囲に拡散する波動はオーラの盾となって顕現、ストーンスライムの石化粘液を盾によって弾き返す……が、盾の効力からはみ出している片腕と尻尾が石化していく。
「ぐ……うぅ……!」
「レパルさん!……少し眠くなるけど……我慢して!」
シャルボンの後方からぶわりと舞い上がった灰は吹雪となり、レパルへと降り注ぐ。火の特性を付与した灰の吹雪は、浄化の意味を凝縮した癒やしの灰だ。
ユーベルコードによる強制的な睡眠になんとか打ち勝ちながら、レパルとシャルボンはストーンスライムの攻撃を受けながら、石像の避難を進めていく。
●
「こ、来ないで下さいっ!」
ぶんぶん、と両腕を振りながら、テフラはストーンスライムの大群に襲われていた。4階の広間の角に追い詰められ、ストーンスライムの圧を受けながら、ぐぬぬと表情を強張らせていた。
一体のストーンスライムが飛びつく。石化粘液によって石化していく四肢。もはや、テフラに石化から逃れる術はない……かに思われたが。
「ここまではよし……!一か八かあのユーベルコードを……を……」
ばふん!とテフラの目の前に現れる巨大蝋燭は、あらゆる存在を蝋固めにするユーベルコード【対生物固化蝋液津波】である。
まあ、それはいい。なるほど。巨大蝋燭の蝋で対象を縛り付ける。なるほど。
一番の問題は。
「むぐぅっ!?」
ぱぁん!!!と弾けた蝋は、術者のテフラをも巻き込んで破裂。集っていたストーンスライムは蝋の塊と化して崩壊。対するテフラは、ストーンスライムの石化粘液の侵食を受けて石像へと姿を変えてしまったのだった。
数分後。
ぴょんぴょん、と粘液が跳ねる。生き残っていた一体のストーンスライムが、石化したテフラの懐に入ろうと粘液を伸ばしたその瞬間だった。
その後方から弾け飛んだのは、同様の石化粘液。ばっしゃあ、と弾丸のような石化粘液によってテフラに纏わりつこうとしたストーンスライムが弾け飛ぶ。
ぴっちゃ、ぴっちゃ、と近寄ってきたのは、避難していたUDC-Pのストーンスライムだ。
「ボクたちが介入する必要はなかったみたいですね。ストーンスライムさん、ありがとうございます」
「やるわね……!ヒーロー魂を感じるわ!」
シャルボンとレパルは石像の避難を完了させたようだ。テフラを助けるためにここまで来たらしい。
石化したテフラに【灰の救護院】を使用する。浄化の灰によって石化から解けたテフラはきょとんとした表情。
UDC-Pのストーンスライムに助けられたことを説明すると、きらきらと目を輝かせる。
「ありがとうなのです!わたしたち、友達なれますよね――――」
と、言おうとしたのだが、ストーンスライム、全力の逃走。レパルとシャルボンの背後に緊急避難。
「え、あの……ど、どういうことですか?」
(本性バレてるんじゃないですかね……)
(本性バレてるわね……)
動物は人の本性を見抜く力が強い、とはいうが、ストーンスライム、テフラの内面性を敏感に感じ取って全力逃走である。
「な、なんで逃げるんですか!?友達になりましょう~~!!」
ストーンスライムを追うテフラ。全力逃走で広間をぐるぐると回り続けるストーンスライム。
そんな光景を、2人の猟兵がため息まじりに見つめていたのだった。
大成功
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二條・心春
案内してくれてありがとうございます。貴方はやっぱり、優しいですね……。
敵が液体なら、炎で蒸発させてしまいましょう。【召喚:炎魔】を使って、ウコバクさんと一緒に戦います。体が炎でできているウコバクさんなら、粘液が当たっても効果が出る前に消せるはずです。
ストーンスライムさんをウコバクさんに守ってもらって、私はウコバクさんに攻撃の指示をします。「第六感」で感知した敵の攻撃にカウンターで、拳銃に氷の銃弾を籠めた「属性攻撃」をして敵の動きを止めて、ウコバクさんの炎で包んで攻撃してもらいます。
敵対しているとはいえ、仲間が倒されるのを見てるのは辛いですよね。ストーンスライムさんは大丈夫でしょうか……?
黒木・摩那
UDC-Pを救い出すには、まずは敵であるスライムから倒さないと
先に進めません。
でも、接触すると石化してしまうし、粘液も吐いてくるしで、
厄介なことこの上ないですね。
ここはUC【トリニティ・エンハンス】で【水の魔力】をルーンソードに付与します【属性攻撃】【破魔】。
相手が攻撃してきたら、水の膜を打ち出して、これを防ぎ、
こちらが攻撃するときは水の圧【衝撃波】も利用して【なぎ払い】ます。
ストーンスライムは犠牲者の間に入り込んでいるようですが、
スマートグラスの温度センサーならば探知できるかも、です。
●水禍と炎熱
ぽこぽこと沸き上がる粘液を放出しながら、UDC-Pのストーンスライムが次の階、6階へと猟兵を誘導する。
やはり、ここでも石と化した人間の像が鎮座していた。ストーンスライムは石像の懐に潜むことが好きらしい。気配は感じるが、どこにいるかが分からない。
「案内してくれてありがとうございます。貴方はやっぱり、優しいですね……」
「ここまで友好的だと逆に申し訳なくなってきますね」
二條・心春(弱さを強さに・f11004)の言葉に、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が頷いた。
粘液の塊は発声器官もないため、言葉や感情を読み取ることは出来ないが、猟兵を手助けしたいという気持ちは伝わってくる。
「さて……UDC-Pを救い出すには、まず敵であるスライムから倒さないといけません。でも……」
「はい、接触すると石になるし、粘液も吐いてきますね……」
「……厄介なことこの上ないですね」
ふう、と摩那が息を吐き出した。物理的攻撃では、ストーンスライムを倒すことは困難だろう。
「でも、敵が液体なら……出てきて、『ウコバク』!」
かざしたタブレットから湧き上がる炎の渦。それは空間に拡散すると、たちまち人の形へと変性する。
炎の体を持つ、悪魔型UDC『ウコバク』。それが、心春の仲間の一人だ。轟々と炎猛るUDCは、心春の命令を待ち続けている。
「炎……なるほど。では私は……」
摩那は腰に差した魔法剣『緋月絢爛』を抜き放つ。剣を指でなぞると、それに合わせて蒼碧の魔力が纏わりつく。【トリニティ・エンハンス】によって付加された水の魔力が線を引き、鮮やかな軌跡を生んだ。
「私がスマートグラスでスライムが潜んでいる石像を解析します。心春さんは飛び出してくるスライムの対処を」
「はいっ!」
スマートグラス『ガリレオ』による熱源センサによって、石像に潜むストーンスライムを炙り出していく。
「―――そこですね」
石像を壊さない程度に、ルーンソードに纏わり付いた水の奔流がくねり、と宙を翻る。石像に伝播した水の渦によって、潜んでいたストーンスライムが無理やり引きずり出された。
「ウコバク!」
オォォオオ、と鈴の音にも似た高い音。それは心春の言葉を理解した悪魔型UDCの攻撃の予兆だ。
腕が火焔の奔流へと変化する。飛び出してくるストーンスライムが炎渦に呑まれ、たちまち蒸発、潜んでいては勝てないと見たのか、数多のストーンスライムが一斉攻撃を開始した。
「無駄ですよ」
ルーンソードが薙ぎ払われる。その剣の軌跡に迸る水の渦によって、飛来する石化粘液が押し返された。
ウコバクが再び吼えた。炎熱は空間を飛び交い、まるで火焔の格子のように変化していった。
ストーンスライムが高熱の炎から逃れる術はない。悲鳴も上げぬまま消え去っていくストーンスライムに、心春はぐっ、と胸を押さえ込む。
(敵対しているとはいえ、仲間が倒されてるのを見てるのはつらいですよね……?)
恐る恐る、後方を見た。ぐずぐず、と蠢くUDC-Pのストーンスライムは、その光景をただじっと見つめているようだった。
炎と水の力場が消失し、広間に静寂が堕ちる。地面に遺る同胞の痕。UDC-Pのストーンスライムが、その痕跡にゆっくりと近づいていった。
「ストーンスライムさん……」
そっ、と伸ばそうとした手を引く。触れれば石化してしまうのは分かっている、が。
どんな声をかけて良いものか、心春には分からなかった。
廃ビルに潜んでいたストーンスライムは駆逐された。後は、UDC-Pを組織に保護してもらえば、依頼は完了だ。
大成功
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第3章 日常
『UDC-P対処マニュアル』
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POW : UDC-Pの危険な難点に体力や気合、ユーベルコードで耐えながら対処法のヒントを探す
SPD : 超高速演算や鋭い観察眼によって、UDC-Pへの特性を導き出す
WIZ : UDC-Pと出来得る限りのコミュニケーションを図り、情報を集積する
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●UDC-P対処マニュアル
無事UDC-Pのストーンスライムを保護し、この後UDC組織へ引き渡しを行う予定だが、元々UDCであるストーンスライムには様々な問題点が存在する。
それは存在するだけで人間に危害を及ぼす何かしらの特性、ストーンスライムであるが故の問題点。
猟兵はその問題点や特性に対する対処マニュアルを作成しなくてはいけない。
引き渡し前の廃ビルの入り口前で、猟兵たちは思い悩む。マニュアル作成のための調査開始だ。
【MSより】
問題点については自由に考案して頂いて問題ありません。
問題点、特性から対処方法を確立しましょう。
皆様のプレイングお待ちしております。
可愛猫・仮面
うーむ、問題はたくさんあるのである。
触るだけで石になっちゃうとか、意思疏通の手段が限られるとか。
石になるのは我輩たちにはどうにもならんが、意志疎通ならば方法がある。
地面にチョーク……は、ないので白っぽいクレヨンで、いろいろ書くのである。
「はい」、「どちらでもない」、「いいえ」。
つまり、筆談のようなものである。
これを元に対策がとれるのである!
とはいえ、我輩には質問があんまり浮かばないのである……
「んっとね、ピーちゃんは、しずかなとこ、すき?」
ピーちゃんではなく、UDC-Pである。
しかし、流石は幼女先輩である。
住む環境は大事であるもんな。
では、他の質問は他の猟兵に任せるのである。
シャルボン・フランヴェルジュ
【人形館】で参加。
アドリブ・絡み歓迎
人は時に間違えてしまうもの。
だからフェイルセーフと言う考えができる訳で、万が一スライムくんに石化されてしまった時のために解除法を模索しようか。
取りあえずテフラさんが何時も通り固まってるから、ボクは現地の治療薬をテフラさんの手足に塗ってみるよ。
刷毛で細かく塗るから、くすぐったかったらごめんね。
もし現地の治療薬が効果なかったら、レパルさんにスライム観察の成果にヒントがないか聞いてみるよ。
レパル・リオン
【人形館 】で参加
アドリブ・絡み可
うーん、やっぱり触ったものを何でも石にしちゃうのが難しい所よね…
調べる為の道具や機械も石になっちゃうし、スライムちゃんは自分で能力をコントロールできないみたいだし…
とりあえずスライムちゃんの様子をスマホで撮影するとして、あたしも【獣感覚】を使ってスライムちゃんを観察するわ!高めた視力で魔力とかを感じとったり、動物と話す能力でスライムちゃんと話して、能力の使い方を教えたりできないかな?
えへへ、こうして見るとスライムちゃん、結構可愛いわね!
なかなかヒーロー魂があるみたいだし、ひょっとしたら立派なUDCエージェントとして活躍してくれるかもしれないわね!
テフラ・カルデラ
【人形館】で参加
アドリブ・絡み可
ストーンスライム…とても強敵でした…(顔を赤らめながら
ともあれ戦って分かったこと、素手…どころか肌や衣類ですら触れるだけで石化してしまうところですね…
マニュアルなので、写真や動画を載っけておくのもわかりやすいかもしれません!
例えば…誤って生身で触れてしまって石化してしまったボク…とか?
あ、大丈夫ですよ!石化とかは慣れているので気にしないで撮っても構いませんよ♪
(迫真の演技でストーンスライムと戯れながら石化されるテフラの姿が撮られていく)
機会があればあの子とはまたお会いしたいですね
あ、愛着があってかわいいだけで決して石化されたいというわけではないので!(目を逸らす
黒木・摩那
【WIZ】
せっかく保護できたUDC-Pですから、
お互いの役に立つマニュアルにしたいです。
まずはコミュニケーションの方法を探しましょう。
「〇」と「×」のボードを用意して、
うなづいたり、首を振ったり、な身振り手振りで、何のボードかを説明します。
その後で、「言葉分かりますか?」「ここがわかりますか?」などの
簡単な質問をしていきます【情報収集】。
二條・心春
とりあえず、この子が無事で良かったです。後は、もう一仕事、ですね。
やっぱり一番の問題は、触れたものが石になっちゃうことですよね……。(今までのことを思い起こして)これを何とかしないと、手で触れることもできないし。触っても石にならない素材を見つけることができれば、専用の部屋を作ったり、手袋を作れば触ることもできるかな?
調べるなら、廃ビルから石や金属、ガラスとかを見つけてきて、ストーンスライムさんに触ってもらうのが良いかな。貴方が私達人間と一緒に暮らせるように、力を貸してくれませんか?
短い間でしたが、優しいこの子と会えて良かったです。一旦ここでお別れですが、後で必ず会いに行きますから……またね。
●猟兵たちにできること
「せっかく保護できたUDC-Pなのですから、お互いの役に立つマニュアルにしたいです。ですので……」
「うむ、まずはコミュニケーションの方法、であるな!」
黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)に、可愛猫・仮面(我輩は猫ではない・f23412)が応えた。
ストーンスライムには発声器官が存在しない。こちらの言葉は少なからず理解しているようだが、円滑なコミュニケーションを図るためには工夫が必要だろう。
「地面にチョーク……は、ないので白っぽいクレヨンで……」
テテーン、と白クレヨンを掲げる仮面、もとい幼女先輩。地面に書いたのは、「はい」「どちらでもない」「いいえ」の3つの言葉である。
「私もその方法を考えていました。UDC-Pに意味が分かってもらえるといいのですが……」
ストーンスライムが、地面に書かれた文字に粘液を伸ばしている、が、どういう意味かわからないようだ。
「貴方のことが知りたいのです。簡単な質問でそれにあてはまるなら『はい』を、当てはまらないなら『いいえ』を、どちらでもないなら中央の『どちらでもない』を選んでもらえますか?」
摩那が身振り手振りでストーンスライムにそう説明すると、納得したのか粘液をちょいちょい、と動かしている。
「吾輩には質問があんまり浮かばないのである……質問は摩那に任せるぞ」
「分かりました。では……」
私達の言葉が分かりますか、と聞いたところ、『どちらでもない』に粘液が伸ばされる。はて、と思った両者だったが、おそらく意味を知っている言葉と知らない言葉があるという意味だろう。
その他の質問をしていくと、知能は人間の子供ぐらい、空間認知能力も存在し、視覚も周囲360度全方向に配らせることができるようだ。
と、それまで後ろで控えていた仮面に代わって、幼女先輩が口を開く。
「んっとね、ピーちゃんは、しずかなとこ、すき?」
「い、いきなりであるな!?ピーちゃんではなくUDC-Pであるぞ幼女先輩!」
おや、と摩那が声を上げる。伸ばされた粘液がひょいひょいと快活に動いていたからだ。そのまま伸ばされた粘液は『はい』の方向へ。廃ビルを寝蔵にしていたためか、静かなところは大好きなようだ。
「ピーちゃんという名前が気に入ったのかもしれないですね」
「ん、ピーちゃん」
「い、いいのであるか!?ピーちゃんでいいのであるか!?」
とまあ、とりあえずUDC-Pのストーンスライムの愛称が決定したようだ。
口笛が聞こえてきそうな程に粘液がひょいひょい揺れている。ピーちゃん、決定。
●石化への対処
「とりあえず、この子が無事で良かったです。後は、もう一仕事、ですね」
「愛称も決まっちゃったみたいだし、次の問題は……石化ね」
二條・心春(弱さを強さに・f11004)とレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)がストーンスライムを間近に見ながらうーん、と唸った。
ストーンスライムの体に触れれば、即座に石化してしまう。それはあらゆる物質に対して有効。その証拠に、廃ビルから土の地面へ触れた瞬間、土が石へと変貌していったのだ。
「調べる為の道具や機械も石になっちゃうし、スライムちゃんは自分で能力をコントロールできないみたいだし……」
「そうですね、やっぱりそこが一番の問題です。手で触れることもできないし。触っても石にならない素材を見つけることができれば、専用の部屋を作ったり、手袋を作れば触ることもできそうですね」
もしそれが希少素材となれば素材収集も厳しくなるだろう。と、そこで、廃ビルから戻ってきた二人の猟兵が合流する。
「ストーンスライム……とても強敵でした……」
「まったくもう……治癒するボクの身にもなってよ……」
顔を赤らめながら帰還したテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)の言葉に、シャルボン・フランヴェルジュ(契約魔剣(ただしご主人募集中)・f22312)が深くため息を吐く。どうやら、石化状態を完全に治療するために廃ビル内で全神経集中の治癒ユーベルコードを行使していたようだ。
「いいえ、これは戦略的石化です!」
「戦略的石化って何」
「ともあれ戦って分かったこと、素手……どころか肌や衣類ですら触れるだけで石化してしまうところですね」
「……軽く流さないで欲しいんだけど」
再びシャルボンが深い溜息。その様子にレパルは呆れ顔、心春は苦笑である。
「マニュアルなので、写真や動画を載っけておくのもわかりやすいかもしれません!というわけで、ストーンスライムさん!」
ばっ、と両腕を広げる。
「レッツトライ!」
「怯えてる。スライムくんがめちゃくちゃ怯えてるよテフラさん」
「……ここまでウェルカムだと、逆にスライムちゃんが可哀想になってくるわね」
心春の後ろに即座に隠れるストーンスライム。通常のUDCだったストーンスライムが聞いたらやったぜやっほおおおおおおおおとばかりに飛びかかりそうなものだが、残念ながら(?)UDC-Pはその思考や破壊の意志から逸脱した存在である。テフラ、超怖い、とばかりに粘液をごぼごぼさせている。
「まあとりあえずスライムちゃんの様子をスマホで撮影するとして、あたしもユーベルコードを使って観察するわ!」
「……人は時に間違えてしまうもの。だからフェイルセーフと言う考えができる訳で。万が一スライムくんに石化されてしまった時のために解除法を考えたいと思うんだけど……協力してくれないかな?」
頼むよ、とシャルボンが心春の後ろに隠れるストーンスライムに懇願。しぶしぶ、と言った感じにテフラへと近づくストーンスライムに申し訳無さいっぱいなシャルボンである。
「とりあえずテフラさんが何時も通り固まるから、ボクは現地の治療薬を……」
テフラに対して治療薬を塗布。
「あ、大丈夫ですよ!石化とかは慣れているので気にしないで撮っても構いませんよ♪」
「ストーンスライムからすごいビビリの感情を感じるんだけど……」
レパルの【獣感覚】によってストーンスライムの感情が顕になっているようだ。
とまあ、色々と試行錯誤した結果だが、現地の治療薬では石化は完全に防げないものの、石化を遅らせる効果はあったようだ。
レパルの獣感覚によって触れた場所からストーンスライムの魔力が流れ込んでいることを感知、つまり、魔力を対象へ流さないようにすれば石化は起こらない、ということらしい。
UDC組織が魔力を通さないような素材を作れば、ストーンスライムへ触れることは可能だろう。
そして、3人の猟兵がストーンスライムの石化に関する観察を行っている間、心春は廃ビルから数々の素材を運んでくる。
「石や金属、ガラスとか……後はスチールとかアルミニウムとか触ってもらって石化への抵抗がありそうなものを確認できればいいかなって」
そっ、とストーンスライムの前に素材を置くと、次々と接触していく。やはり、というか元々石である素材では石化は起こらず、重金属系もまた石化の速度が遅い事が分かった。
そして後ろで両腕石化中のテフラ。救護院のユーベルコードは疲労が溜まりすぎて使えないらしい。無念である。
●対処マニュアル完成
そうして、猟兵たちの活躍によってストーンスライムの対処マニュアルが作成された。到着したUDC組織にストーンスライムを引き渡して、その護送車の後ろを見つめる猟兵たち。
「なかなかヒーロー魂のある子だったし、ひょっとしたら立派なUDCエージェントとして活躍してくれるかもしれないわね!」
「短い間でしたが、優しいあの子と会えて良かったです」
「機会があればあの子とはまたお会いしたいですね」
と、テフラの言葉に各々の猟兵たちがジト目。
「あ、愛着があってかわいいだけで決して石化されたいというわけではないので!」
全力の弁明。全力の視線逸し。
「……とりあえずあの子が怯えないようにお願い」
「うう……分かってますよ……」
しょんぼりと肩を落とすテフラに、猟兵たちが苦笑する。
「……おや」
そこで、摩那が気付く。先程まで意志確認ために筆談形式で書いておいた『はい』『どちらでもない』『いいえ』の場所が、微かに石化していたからだ。
「おお、これはまた、気付かなかったのである」
仮面もまた声を上げる。なんだろうと他の猟兵がそこに集うと、石化した場所を見て、ふふ、と笑い声を漏らした。
規則性を持って石化した箇所は、ストーンスライムが知っている言葉を使って石化させた文になっている。
『おいガト』
どうやら、『ありがと』と書きたかったようだが、ひらがなとカタカナが混じっている上、文字の混同が起こって文として成り立っていない。
とはいえ、猟兵たちになにかしらを伝えたいと思った故の行動だろう。
そこに記された文を見ながら、猟兵たちはグリモアベースへと帰還する。UDC-Pとの共存は始まったばかりだ。
ストーンスライムというUDC-Pが人間と寄り添うその日まで。
猟兵たちは近い将来に起こるかもしれない優しさに満ちた日を夢見て、この廃ビルから姿を消したのだった。
大成功
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