邪神は欲し、求め、手を伸ばす
●
はろー! と明るく挨拶をしてから、グリモア猟兵、ベッキー・ウッドは話を切り出した。
「邪神よりももっとおぞましいナニカが、自分の領域に『完全復活をした邪神』をしまいこんでいるのがわかったよ。
儀式魔術【Q】は、その領域に行くための『鍵』の存在を暴き出した。そして今回、その『鍵』を発見することができたんだ」
ベッキーは『鍵』を取り出す。
既存のどの言語とも異なる言語で書かれた、一冊の本。これを使えば、猟兵を完全復活した邪神の元に送ることができるようだ。
「でも気を付けて! 完全なる邪神は三段階に変身するんだ」
第一形態では、邪神は無数に分裂している。
無数にいる邪神の一体一体、どれもが強力な力を持っている。
一度に複数の邪神を相手にすれば、猟兵といえど、勝機はない。
「大量の敵を同時に相手にしないように、しかもなるべく多くの敵を討ちとれるよう、工夫が必要だろうね」
戦闘後しばらく経過すると、邪神たちは融合し強大な力を持つ第二形態に変化する。そして第二形態の邪神が脱皮し、完全なる邪神としての第三形態となる。
「第一形態の時に沢山の敵を倒せば、第二形態時の邪神の力は弱くなる。
だからまず、第一形態の邪神たちとの戦いに、皆の知恵と力を注いで」
ベッキーは真っすぐに猟兵達を見、真摯な声で告げる。
「いずれくる『大いなる戦い』。その戦いの為にも、今のうちにできるだけ敵の戦力を削いでおく必要がある。みんな、よろしくお願いね!」
●
猟兵達が辿り着いたのは、空に月がぼんやり光る、薄暗い草原。
前方に無数の子供が寝転んでいた。否。無数の子供の死体が、転がっているのだ。
死体の背それぞれに切れ目が入り、中から、光り輝く存在達が姿を現す。
蝶の羽と触角をもつ人型のそれら――邪神どもは笑う。満面の笑み。そして口々に言う。
「ほしい」「ほしい」「ほしい」「ほしい」
「とってもほしい」「いっぱいほしい」「すっごくほしい」
どの声も甲高く、明るく、無邪気で、純粋な欲望に満ちていた。
一体が真っ赤な瞳で猟兵達を見る。つづいて他の全ての邪神も、猟兵に顔を向けた。
「あなたがほしい」「あなたのあいが、とってもほしい」「ほしい」
「「ちょーだいっ」」
邪神どもは羽を動かし、猟兵達へ一斉に近づいてくる!
支倉みかん
ご閲覧ありがとうございます。支倉みかんです。
今回は完全復活した邪神との戦いになります。
今回の邪神は章ごとに形態を変化させます。
一章の第一形態では、邪神が無数に存在します。
一体一体がボスとしての実力を持つため、一度に複数を相手にするとまず勝てません。大量のボスを同時に相手をしないよう、かつなるべく多くの邪神を倒せるよう工夫をしてください。
一章で多くの邪神を倒せば、二章での敵の強さが弱まります。
第三章では、章開始時に注意事項を追記します。ご注意ください。
皆さんの力と知恵を最大に発揮して、敵に挑んでください。
よろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『寄生する者』
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POW : あなたは痛みをくれるの?だったら私は死をあげる!
【自身に攻撃】を向けた対象に、【羽で起こした衝撃波】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : それが欲しいの!だから頂戴?
対象のユーベルコードを防御すると、それを【防御した殻の中で増幅】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ : 愛して、愛して!私を愛して!
【洗脳された宿主】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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波狼・拓哉
飛んで火にいる夏の虫ー…savvy?
なんてね、言葉何て通じないだろうし万が一通じたら無視したほうが良さそうだし。じゃ、行こうかミミック!(箱型状態で掴んで投擲)
…敵軍中央で辺りで炎転化、化け焦がせと。…ついでの死体も火葬といこう。あんまり見ていて気持ちのいいものじゃないし。
自分は衝撃波込めた弾でミミックの炎を防ごうとしてる奴を優先して撃ち殺して回ろう。…あ、こっちはユーベルコードじゃないんだ。当たれば衝撃がはじけて部位破壊を狙うこの弾丸…何発耐えれるでしょうね?
後は薄暗さを利用して闇にまぎれて目立たないように動き回ろう。
…ミミックが消えたらまた召喚して投擲を繰り返しますか。
(アドリブ絡み歓迎)
●
猟兵達が辿り着いた、超次元の渦と呼ばれる超空間。ここが薄暗い草原なのは、邪神の性質故か。
波狼・拓哉は、グリーンアイを嵌めた目で迫る邪神達を捉えつつ、嘯く。
「飛んで火にいる夏の虫ー…savvy?」
「ナツノムシ? それをくれるの?」「くれるの?」
邪神の数体が拓哉の言葉に反応。邪神達の視線が拓哉に集中。
拓哉はそれ以上とりあわず、箱型の存在を召喚、
「じゃ、行こうかミミック!」
敵群へ投擲!
「化け焦がしなミミック……! 陽炎が全てを焼き尽くす時だ!」
敵群中央で、ミミックは箱から炎の渦に変化。【偽正・炎精陽炎】!
炎は邪神が寄生していた死体を焼き、さらに邪神へと伸びる。が、邪神は、己を繭に似た殻で包み炎を防いだ。
追撃せんとする拓哉。が、それより速く殻に罅が入った。罅から炎が迸り、拓哉を襲う!
「プレゼントをくれたから、おかえしなの!」
「っ……結構ですよ!」
拓哉は跳躍、邪心達が放った炎を回避。
着地した拓哉はミミックを再召喚、投げる!
再び殻に籠り炎を防ぐ邪神達。
「今度は炎の反撃が来ませんね。……ユーベルコードを防ぎ真似る力。が、真似れるのは一度だけ。なら――」
拓哉はモデルガン二丁を取り出す。バレッフの銃口を殻に向け、発砲。
弾丸が弾け、衝撃波が発生。衝撃波は殻を砕き、中の邪神を打つ!
敵の多くは未だ健在。が、ミミックの炎で敵を守勢に回らせ、銃撃。拓哉の戦術は、敵の群れを着実に傷つけていく。
大成功
🔵🔵🔵
クトゥルティア・ドラグノフ(サポート)
「OK、私に任せてよ!」
「力を……もっと力を!」
「(詠唱後ユーベルコード名を叫ぶ)!!」
戦闘では怪力を活かした、技術よりパワー重視の重い剣術を主体として使う。
ユーベルコードは基本敵が隙を見せたときにしか使わない。
トドメには必ず月腕滅崩撃を使う。
また鏡花水月・絶は余程追い詰められないと使わない。
日常冒険では、頭は一般人の範疇に収まってるので、そこまで知的な行動はしない。
勇気と優しさに溢れ、困ってる人は放っておけない性格。
誰かを助けるためなら、死なない程度に無茶をする。
武器は真の姿にならない限り、月明かりに咲く華の剣しか使わない。
一人称は一貫して私です。
後はおまかせします!
よろしくお願いします!
●
薄菫色のロングコートの裾を揺らし、クトゥルティア・ドラグノフは戦場を駆ける。
月明かりに咲く華の剣の柄を強く握りつつ、敵に囲まれない位置を取り続けるクトゥルティア。
そんなクトゥルティアに、邪神一体が近づいた。
「ちょーだい、あなたのあいをあなたのにくをあなたのちをっ」
体を掴もうと伸びる邪神の腕。
「それはあげられないよっ!」
クトゥルティアは体を大きく捻り大剣を一閃、邪神の腕を払う!
腕から血を流しつつ邪神は唇をさらに吊り上げ、
「だったらわたしが死をあげる!」
羽を大きく動かした。衝撃波が発生。クトゥルティアは衝撃波に吹き飛ばされ、地に転がる。
全身に痛みを感じながらも、クトゥルティアは立つ。大型ベレー帽をかぶり直し、
「一体一体が強敵……なら……力を……もっと力を!」
息を吸い込み、呼吸を整える。敵群を見据えたまま、精神を集中。
はたして前方では先程の一体が、羽を大きく広げていた。再び衝撃波を放つつもりか。
間髪入れず、クトゥルティアは走る。一気に敵に接近し、
「これでノックダウンだ!! 【月腕滅崩撃】!!」
サイキックエナジーで巨大な腕を生成、そして一撃!!
クトゥルティアの攻撃が敵の胴に直撃。敵は驚いた顔をし――消滅。
衝撃波を受けた部位が痛む。それでもクトゥルティアは大剣を再度、上段に構えた。紫の瞳は、次の一撃の機を探り続けている。
成功
🔵🔵🔴
笹鳴・硝子
五十歩百歩
確かにそう違いは無いのだ
宿主となり果てた彼らと、絡柄に逃げおおせた(本当に?)私とは
ただ、そこには明確に彼我を隔てる線が引かれているだけで
「一体ずつ倒そう、良いね?【晶】」
『わかったよ、おねえちゃん!』
最寄りの邪神とその宿主に召喚した【晶】による雷撃を与えて宿主を無力化
邪神には火属性を付与した精霊銃の銃撃と【晶】の爪の斬撃でトドメをさす
(技能【オーラ防御・見切り・属性攻撃・2回攻撃・カウンター・スナイパー・援護射撃】使用)
二体目以降もこれを繰り返し、可能な限り撃退数を上げる
完全なる邪神の宿主が助かることなど無いのだから
「してやれることなどこれぐらいでしょう」
せめてもの、人としての死を
●
草原に転がった無数の死体が、むく、体を起こす。
「あいしてあいして!」
邪神の声に応じ、死体達は走り出す。猟兵達に手を伸ばす。
笹鳴・硝子は死体と邪神を見、小さく呟く。
「五十歩百歩。なり果てた彼らと、私と……。ただ、そこには明確に彼我を隔てる線があるだけ」
硝子は感情を顔には出さず、
「おいで、【晶】――外で遊ぶよ」
【雷冥】を行使。ざわつく影の獣の仔、UDC【晶】を召喚。
晶の体から宙に光の線の如く雷撃が発生。雷撃を浴び死体達は地に崩れていく。
「してやれることなどこれぐらいでしょう」
倒れた死体達に一言をかけ、硝子は視線を動かした。
邪神にも雷撃は命中したが、倒すには至っていない。硝子へ近づいてくる邪神。
「邪神は一体ずつ倒そう、良いね? 【晶】」
『わかったよ、おねえちゃん!』
硝子は穿の引き金に指をかけた。弾丸で邪神の腹を射抜き、精霊の力で全身を焼く!
邪神は炎に包まれ落下。
が、まだ生きていた。邪神はガサガサ地を這って移動、硝子の足を掴んだ。指が足に食い込む。骨を砕かんばかりに。
「晶!」
鋭い硝子の声。すかさず晶が邪神の背を爪で抉る。
硝子を掴む邪神の力が緩んだ。硝子は邪神の額に銃を突きつけ、発砲。敵を終わらせた。
死体や邪神を倒しても、硝子は表情を変えぬまま。
晶に次の行動を指示しつつ、銃を構え続ける。敵の合体までに撃退数を上げるため。
大成功
🔵🔵🔵
ソリン・クザ(サポート)
ダンピールの探索者×戦場傭兵、表の顔はルーマニアの警察官な25歳の男です。
普段の口調は「礼儀正しい(私、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、覚醒時は「尊大(我、貴様、~である、だ、~であろう、~であるか?)」です。
UCはあまり使わず、基本的に自力での解決を優先します。
基本的には、警察官としての職業倫理のもと動きます
直接戦闘よりも謎を解いたり、だれかを守ったり、対象を確保したりという方向で動きます
アニスニニス・ミニチュリエ(サポート)
『アンはがらくただから食われねーですよっ』
ミレナリィドールのプリンセス×アリスナイト、99歳の男です。
普段の口調は「🎀(自分の愛称、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「👗(自分の愛称、~くん、~ちゃん、なの、よ、なのね、なのよね?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
戦場を動く死体達の少なくない数が、猟兵の攻撃に無力化された。が、未だ動く死体達も多い。彼らは虚ろな目で猟兵に殺到してくる。
警察の制服に身を包んだソリン・クザは、眉間にしわを寄せていた。
「大量の死体……ご家族や関係者が無事なら、捜索願もでているでしょうか。当局に連絡し身元を確認したいところですが、現状ではそうもいきませんね」
サブマシンガンUMPを構え、
「せめてできることを。邪神の操り人形である状況から、速やかに解放しましょう」
銃弾を連射。死体達の足や頭部に次々に命中する弾丸。
だが、体に穴をあけられてなお、死体達は動き続ける。数体がソリンに殴り掛かって来た。
素早いバックステップでソリンは攻撃を回避。そして弾幕を張り反撃!
邪神達はさらに死体を操る。ソリンに追い打ちをかけさせ、邪神本体に攻撃する暇を与えない。
アニスニニス・ミニチュリエは、革の編み上げブーツで地面を蹴った。
「思い通りにはさせねーでごぜーますよっ!」
取り出したのは、まち針。まち針は一本の槍へと進化。アニスニニスは槍を突き出す。仲間を狙う死体を貫いた。
アニスニニスは、ウェーブのかかった金髪と七色移ろうドレスの裾を揺らし移動、時にアンブレラを広げてふわり宙に浮く。軽やかな動きで死体達を翻弄。
アニスニニスはプリンセスハートを飛ばして敵の注意を引き、再び槍の一撃! 死体の動きを停止させた。
「死者さんたちは、このままアンが引きつけておくでごぜーますよ。だから、今のうちに――」
ソリンはアニスニニスの声に小さく頷いた。
「感謝します。アニスニニスさん」
アニスニニスが死者を惹きつけている間に、ソリンは戦場を駆け、邪神の一体を狙える位置へ。拳銃G17で狙いを定め、発砲!
だが。
「うふふふ! もっとあそんで! もっともっと、あいをちょーだい!」
邪神は己の体を白い殻で包んだ。殻は銃弾を弾き返す。
アニスニニスは死者たちの動きを止めながら、殻に包まれた邪神を見る。
「これは知恵を借りねーといけねーでごぜーます。というわけで、妖精さんたち、しゅーごーでごぜーますよっ!」
行使するのは、【おしゃべり妖精のワルツ】! 40体の妖精が殻の周囲を飛び回る。
妖精たちは告げる、殻の中で邪神が体を動かしている、今にも殻から外に出そうだと。
「ソリンさん、少しで殻を破って出てきやがるでごぜーます! 3、2、1!」
「了解です!」
アニスニニスが告げたタイミングに合わせ、ソリンは再び銃撃を実行。
殻を破って出てきたばかりで無防備な邪神、その邪神の左胸を撃ち抜き、命を奪う。
●
アニスニニスとソリンはその後も連携を取り、数体の邪神を打ち取る。
猟兵達の活躍で、邪神の3分の1程度が倒れたころ――。
「ああ!」一体が悲しげな声を上げた。
「どうしてくれないの」「ほしいの」
声が楽しげなものから、悲しげなものへ。
「どうしててにはいらないの」「うしなってしまったの」「こんなにほしかったのに」「あんなにほしかったのに」
邪神達は涙を流し、苦悶に顔をゆがめながら、はばたき、一か所に集まる。
「ほしいの」「ほしかったの」「うしなってしまったの」
邪神達の体が今まで以上に光り――融合を始めた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『禍罪・擬結』
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POW : 藍
【悲痛な叫びと共に大量の水】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 愛
【血のように赤い糸】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 哀
【悲哀に満ちた歌】を披露した指定の全対象に【戦意を喪失する程の寂しさや悲しみの】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
●
草原の形をした超空間で。
羽を持つ邪神達の体が光り、溶け、まじりあう。
そして現れたのは、女の姿をした者。
女は顔を白い布で隠していた。身につけた白い装束のところどころに札と杭。
装束の裾から覗くは、足ではなく、魚の骨と尾。
邪神の第二形態は禍罪・擬結。歪んだ愛と悲しみとで、周囲の者を破滅に追いやる女の姿の邪神。
第一形態時の邪神を多く倒したゆえに、擬結の力は弱っているとはいえ、その狂気と戦闘能力を侮ることはできない。
「愛、哀、愛、哀――嗚呼、嗚呼!」
悲しみの声をあげ、禍罪・擬結は猟兵達に顔を向けた。
ベアータ・ベルトット(サポート)
ベアータ・ベルトットよ
早速だけど、手短に自己紹介するわね
改造手術を受けて、手足とか体のあちこちを機械化してるわ
腕に仕込んだ機銃と機爪、機脚の加速機能、血霧の噴射に、眼帯の下のとっておきの一撃…それらを駆使して、戦場を駆けずり回って戦うのが性に合ってるわね
…厄介なのは。力の核となる「餓獣機関」の動力が、生物の新鮮な血肉だって事
生きる為、戦う為には
機関が呼び起こす喰欲に従って、敵を生きたまま…口で食べるか、手足の分解吸収機能を使うかして捕食しなくちゃならないの。正しく、獣の如くね
生来血の気の多い性質でね。たいてい何かしらにイライラしてるんだけど…ま、仕事はなるべく冷静にこなすよう努めるわ
よろしくね
編堵・希亜(サポート)
「……なに?」
「そうなんだ。」
「私は、私だよ。」
囚人服のようなものを着て、いつも黒猫のぬいぐるみを抱えた女の子。口数は少なく、人見知りで猜疑心は強いものの、猟兵としての仕事をこなすためなら、それなりに人と付き合っていける。
甘い物が大好きで、食べればすぐに機嫌がよくなる。嫌いなモノは、かつて自分のいたアリスラビリンスの世界と、それを連想させるもの。
戦闘では、自分ではあまり戦わず、自身に宿るオウガの『カイ』を戦わせたり、ぬいぐるみをバロックレギオンとして相手を押しつぶしたりする。
『カイ』は上等なドレスを着たラミアで、少し高飛車な話し方。宿主の身は守り、敵には容赦がない。『さぁ、敵はどこかしら!?』
●
「嗚呼……」
悲嘆の声を上げる邪神、禍罪・擬結。
ベアータ・ベルトットは苛立たしげに眉を寄せた。
「第一形態時の戦いで力を削いだといっても、やっぱり厄介。早く終らせましょう」
ベアータは機脚の加速機能を作動。一気に前進。
敵の側面をとり、機腕を振った。仕込まれた機餓獣爪が、邪神の肩を抉る! 邪神の口から苦痛の声。
「効いてるわね! なら――」
ベアータは機腕の捕食機能を使用、邪神の肉を喰らう。さらに機脚を動かし――。
だが。着物の裾からはみ出た邪神の尾が、ベアータの足を払った。
体勢を崩すベアータ。その顎を邪神の掌が打つ。ベアータの動きが止まる。
拘束服姿の編堵・希亜は仲間の危機を見、黒猫のぬいぐるみを抱く腕に力を込めた。
二の腕の肉の一部を代償に【身に宿る蛇『カイ』の召喚】を実行!
現れるのは、上半身に煌びやかなドレスをつけたオウガ・カイ。
『ふふ……私を呼び出したからには、楽しませなさいよ! さぁ、敵はどこかしら!?』
「あっち……楽しいかは保証しないけど」
希亜が指をさすと、カイは妖艶に笑い腕を一振り。宙に青白い炎が発生。
『これに耐えられるかしら?』
炎が邪神へ飛ぶ。敵の着物に火が燃え移り、敵の体を焼く!
邪神は後ろに跳躍。
「体勢を立て直すつもり
……?」『させないわ!』
カイはさらに炎を放ち、邪神へ追撃!
ベアータも体勢を立て直した。気腕に内蔵されたWARGUS M10の銃口を敵へ。敵の体組織から精製した弾丸を、連射!
「――嗚呼!」
邪神が叫んだ。途端、大量の水が放射される。水は炎を打ち消し、弾丸を弾いた!
邪神はさらに叫ぶ。水を放射し続ける。
水に撃たれ消耗する希亜とベアータ。
ベアータは肩で息をしつつも、
「使い時ね。……私は―――『人間』だッッ!!!」
叫び【Sin of Lykaia】を実行。地面に掌を付け、餓獣の如き様相へ。
ベアータは四つん這いで駆ける。邪神は再び一条の水を放った。水に打たれるが、ベアータは怯まない。
敵を間合いに捉え、両腕を獣の前足の如く振る。機爪にて渾身の一撃ッ。飛び散る血と肉。
邪神はまた叫ぼうとしたが、
「……カイ」『わかってるわ!』
希亜の声に応じ、カイが敵の横に。邪神の顔を爬虫類めく尾で巻く!
『声を出して力を使うなら、出させなければいい。でしょ?!』
カイの尾が敵の顔や首を、ぎりぎり締めあげる!
数分後、邪神は強引にカイを引き剥し、するりと後ろに下がる。
「……逃げられた……でも効いてる」
『――!』
邪神の体の僅かなふらつきに気づく希亜。吠え猛るベアータ。
二人は休まず戦場を動く!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
波狼・拓哉
…とても草原に映える感じのきましたね?この流れだと三形態も…ま、今はどうでもいいや。どうで嫌でもわかるし。
じゃ化け狂いな、ミミック。狂気にルールなどなくどちらがより深いかってのが…まー正面から行く気ないんであんまり関係ないですが。水流に負けないように頑張って首でも折ってあげればいいんじゃないですかね。
自分は歌や水が届かない所で目立たないようにしつつ、隙を見切って衝撃波込めた弾で撃ち込もう。ま、距離があるのでダメージは見込めないでしょうけど…うちのミミックから一瞬でも意識離せればいいでしょう。
後第六感、戦闘知識で赤い糸だけは死ぬ気で察知して避けよう。ミミック消えたら死ぬ(確信)
アドリブ絡み歓迎)
●
波狼・拓哉は足音を忍ばせ敵から距離をとる。
背の高い草の生えている地点にたどり着くと、身を屈め邪神を観察。
「……とても草原に映える感じのきましたね? この流れだと三形態も……」
そこまでいうと、ふっと息を吐く。
「ま、今はどうでもいいや。どうせ嫌でもわかるし」
おどけた口調で言ってから一転、拓哉は視線を鋭くさせ、箱型生命体を召喚。
「じゃ化け狂いな、ミミック……! 笑い話だ。狂気にルールなんてねぇよ!」
生命体の姿が歪み。首を落としたような異形の獣へ変化。【偽正・命無月光】!
「狂気は深さこそ……いや、正面から行く気ないんで関係ないですが」
拓哉が嘯く間に、ミミックは二足歩行で突進。
邪神がミミックに顔を向け、
「その足音はあの方――違う違うっ、嗚呼!!」
甲高い悲鳴。邪神の体から大量の水が放射される。
ミミックは水に打たれながらも、踏みとどまる。が、止むことなく注がれる水の勢いに、前に進めない。
「流石は邪神。でも、俺には気づいていないようですね」
拓哉はカラフルなモデルガン二丁を取り出し、銃撃!
バレッフから放たれた弾丸は邪神の足へ。衝撃波が発生。邪神の膝が揺れ、水の放射の勢いが弱まる。
「大して効いてないようですが、隙は作りました。――さあ、ミミック!」
ミミックは疾走。体を捻り邪神の首に前足を叩きつける!
首への一撃にふらつく邪神。拓哉は仲間に声をかけた。
「まだ余力はありそうですし、能力は厄介。でも、対応のしようはあります。皆さん、このままいきましょう」
大成功
🔵🔵🔵
大周・照(サポート)
『ーーそこまでだ。ここには猟兵(ぼくたち)がいる』
一人称は“僕”。その他口調等はステシ参照のこと
キャラ崩れない範囲でのアドリブ・連携OK
基本お人好しで温厚かつ前向き。
その性格から、虐げられているもの、
不幸になりそうな者が居る場合は割と積極的に肩入れする。
が、正邪善悪の判断はキッチリつけるタイプ
任務では、数多の世界からの祈りの歌(【祈り】【歌唱】)を
力に変えるデバイス・事象鍵を用い、
【武器改造】で[無尽錠]を各武装に変形させて行動する
(一部UCについては無尽錠を適した武装に変形させてからの
行使を想定しています)
戦闘が絡まないパートでも、事象鍵の力と自らの手足で
事件解決へ努力を止めることはない
ルク・フッシー(サポート)
こ、こんにちは。ぼ、ボクは、ルクといいます
戦いは怖いですけど…ボク達がやらなかったら、他の誰かが傷ついてしまうから…だから、ボク、戦います…!
絵筆を振り抜き塗料を飛ばす事で中〜遠距離から攻撃します
塗料に属性や誘導弾などの性質を宿す事もあります
攻撃はよけるよりオーラ防御や武器で受けて軽減したり、激痛耐性で耐えたりする方が得意です
あとは、えっと…魔法学園で迷宮探索について学んでいるので、罠や魔力の探知はそれなりにできる、つもり、です…
探知の際は現場や探知できた魔力などを絵に描く事で分析、整理する事ができます
日常では、人々や風景を描きながらのんびりと過ごしたいです
よ、よろしく…お願いします(ぺこり)
●
「悲しいの愛おしいの悲しいの……」
祈るようなしぐさで胸の前で手を組む邪神。
大周・照とルク・フッシーはともに、その邪神の姿を見つめていた。
「第一形態の邪神は何かを欲しがり、第二形態の邪神は何かを嘆いている……だが、ここまでだ。ここには猟兵(ぼくたち)がいる)」
照は凛とした口調で告げ、籠手型のデバイス・事象鍵を作動させる。
「か、悲しそうで怖い邪神ですけど……ボク達がやらなかったら、他の誰かが傷ついてしまうから……だから、ボク、戦います……!」
ルクは声を震わせながらも、愛用の特定絵筆を両手で確りと握る。
はたして、二人に邪神が顔を向けた。「嗚呼!」甲高く叫ぶ。
宙に大量の水が発生し、猟兵達に放射される!
迫りくる攻撃を前に、ルクは息を止め、特大絵筆を振り抜く。塗料を水流にぶつけ、水の威力を軽減。
照は事象鍵の力で黒い直方体・無尽錠を変形。大禍祓太刀で飛び掛かる水を切り払い、防御。
「敵が攻撃を放った今がチャンスだ。ルク君、行けるかい?」
「照さん。ボク……がんばり、ますっ!」
照の言葉に、ルクは首をこくん。
ルクは敵へ一歩を踏み出す。絵筆の穂に隠された水晶玉から塗料を生み出し、筆を振りかぶる。
ほぼ同時に、照は草原を駆けた。敵を断たんと太刀を上段に。
一撃を見舞わんとするルクと照。
が、二人の前で、邪神が歌い出す。悲哀に満ちた声が紡ぐ美しく狂おしい調べ。
その歌を聴いたルクの顔が悲痛に歪む。照もまた手足の動きを止めてしまう。悲しみと喪失感に襲われているのだ。
「なんて……苦しい……でも……でもっ」
ルクは敵の歌に心を蝕まれつつも、歯を食いしばる。必死に気力を振り絞りつつ息を吸い、
「……ーーー!」
敵の声を打ち消せとばかりに声にならない叫びをあげた。【ドラゴニアン・ブラッド】を行使!
血と塗料の翼を生やし、ルクは飛び立つ。
敵めがけ、大量の紅い塗料を上空から噴射!!
塗料に撃たれ、邪神の声が掠れた。
「尋常じゃない悲しみを味わわせてもらった。……そちらが絶望と嘆きで戦うなら、僕は光(いのり)と歌(ねがい)で戦おう」
照もまた喪失感から己を回復させていた。太刀を構えなおし、詠唱する。
「久遠の彼方より来たれ光(いのり)。それは理不尽(かなしみ)を断つ刃、あらゆる事象を拓く希望。逸閃――切り裂け、歌(ねがい)よ!」
照は裂帛の気合と共に刃を振り落とす。【断象逸閃】!
事象崩壊を伴う斬撃を敵の肩に叩き込む!
●
ルクと照の連携攻撃に邪神は動きを止めた。
「続けていこう、ルク君……いや、これは……」
「……体に、罅が?」
追撃を行おうとして、二人は気づく。邪神の肌、腕の辺りに皹が入っているのを。
「悲しい、愛おしい、悲しい――でも……何が悲しかったの? 誰が愛おしかったの? ――わからない。わからない。わたしはわたしは」
切羽詰まった声を出す邪神。邪神の皹は、メリ、メリィ、音をたてながら全身に広がっていく。
「――わたしはなに?」
邪神の体が崩れ始め――その中から邪神の第三形態が姿を現した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『白の王』
|
POW : 魔性
【認識を狂わせ、同士討ちを誘発する催眠の声】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 神性
【体から分離した、無数の獣による突撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を眷属で埋め尽くし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : 創世
全身を【燃やし、周囲一帯を白い炎の荒れ狂う世界】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
👑11
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傷ついた邪神の第二形態『禍罪・擬結』の肌に皹が入った。皹はたちまち全身に広がり、そして邪神の体が崩れ去る。
中から現れたのは、異形。
女性の体を頂点に、無数の獣が数十も数百も絡み合った存在。
「――わたしはなに? なに? なになにになに――わからないわからないわからないわからないっ!!」
絶叫。その狂気を帯びた女性の眼が、絡み合う獣たちの眼が、猟兵に向けられる。
草原の形をした超空間に現れた、邪神の第三形態『白の王』。知性はなく狂気のままに、強大な力を操る存在。
UDCアースでいずれ起こるだろう大いなる戦い、その戦いの為に、猟兵達はこの存在を打ち破らなければならない!
●MSからの補足
完全なる邪神の第三形態『白の王』との戦いです。
この形態の邪神は必ず「ユーベルコードによる先制攻撃」を行ってきます。これに対する何らかの対処がプレイングになければ、プレイングは必ず「失敗」になります。
敵の先制攻撃に対処しつつ、敵を討ち破ってください。
どうかよろしくお願いします。
推葉・リア(サポート)
色んなゲームで推しキャラを育成して愛でるのが好きな妖狐
基本的に人がいいので命や心を大事に動き相手の心に寄り添おうとする、それが敵であっても(倒すときはしっかりと倒す)
あと結構関係のないことも考えたりもしてたりもするがやるときはやる
★戦闘
各ゲームの推しキャラ達の召喚と狐火を使う、基本的には推しキャラ達が戦い自分は後衛やサポートに回ることが多い、活躍する推しキャラを見るのが何よりも好き、また推しキャラが動きやすいように自分を囮にすることもある
UC『星色ライド』『夜色チェイサー』は基本戦闘では使用しない
★冒険
推しキャラやペットの鴉やインコ達と協力して動く、演技もしたり騙したりもする
過剰なエログロNG
月宵・真白(サポート)
エルフの酔拳使い。良く言えば大らか、悪く言えば適当な性格で、隙あらば酒を飲もうとする。
基本的に誰に対しても優しく友好的で、滅多に怒る事は無い。
「酒飲んで自由気ままに遊べる日常を守る為に戦う」スタンス。
戦闘中は酒を飲んで自身を強化しつつ、格闘による接近戦を挑む。
真正面からぶつかるよりは、のらりくらりと躱しながら相手の隙を作るトリッキーな戦い方。
あまり無理はせず、自分や仲間の安全を重視する傾向。
小柄な体型を活かす為に回避重視で、スライディングから足下への攻撃が得意。
チェリカ・ロンド(サポート)
★★エロ厳禁★★
『聖なる光の破壊力、見せてあげるわ!』
聖なる光魔砲ぶっぱ系ダンピールよ。おてんば。
基本的に遠距離から破壊魔法で戦いますが、拳と光聖剣バルムンク(でかい)で戦うわ!
敵には容赦しないけど、一応聖女だから慈悲がないわけじゃないわ。請われれば聖女の仕事もするわよ。祝福とか回復とか。
基本的には走り回る魔法砲台だと思ってもらえばいいかな!
年齢 12歳 女
外見 141.8cm 赤い瞳 紫の髪 色白の肌
特徴 八重歯 スタイルが良い ツインテール ゴシック 天真爛漫
口調 おませさん(私、あなた、呼び捨て、なの、よ、なのね、なのよね?)
機嫌が悪いと ドツン(私、アンタ、ね、わ、~よ、~の?)
●
白の王の頂点の女は必死に言葉を紡ぐ。
「わたしはかみ、わたしはひと、わたしはけもの、わたしはなにわたしはなにわたしはわからない
……!!」
白の王から犬、狼、熊……無数の獣が分離し、猟兵へ殺到。
推葉・リアは琥珀色の瞳で白の王を見据えた。
「自分が何なのか自分が何を好きなのか、自分の推しキャラが誰かも分からない……とても不安で恐ろしいことだと思うわ」
共感する言葉を口にし、体から力を抜く。敵を誘う為、あえて隙を見せた。
リアの思惑通りのタイミングで、獣達はリアへ飛びかかる。一匹がリアの腕を噛もうととするが、
「でも、あなたは邪神。加減はしないわ。――がぶっ! と噛みつくわよ!」
【バイフォックスファイア】を発動! 己の腕を炎の狐に変えた。熱に怯んだ獣へリアは炎の狐を突きつける。狐が獣の首に噛みつく!
炎の狐の腕を振り獣を迎撃するリア。炎が爆ぜ、火の粉が宙に舞う。
仲間の奮戦を見つつ、チェリカ・ロンドは光聖剣「バルムンク」の切っ先を白の王へ向ける。その隣で、月宵・真白は酒仙の瓢箪を口元へ、ごくりと酒を飲み顔を赤くさせた。
臨戦態勢のチェリカと真白。が、二人の攻撃より早く、白の王の頂点の女が口を大きく開けた。
「あああ、アアアアアアAAAAAA――!」
聞く者の認識を狂わせる魔性の声が、二人の耳から脳へ侵入。
真白は尻餅をつき、チェリカも膝を地につけた。
「くっ……厄介な声ね。遠距離攻撃で黙らせる? でも今の状態じゃ誤爆も……そうよ!」
チェリカは額に汗を浮かべつつも、地に両掌を付け、
「聖なる光の破壊力、見せてあげるわ!」
【零距離チェリカ砲】。凝縮した聖なる光で地面を打つ!
大地を破壊する轟音が、敵の魔性の声を打ち消す!
一方。真白は尻餅をついたまま瓢箪を前に突き出した。
「おいでませ精霊様!やっちまえー!」
真白が祈ると瓢箪が軽くなる。酒を代償に、【超級頑固親父降臨】を実行、精霊を召喚!
巨大おっさん姿の精霊は白の王へと目を見開き、
『黙らんかーっ!!!』
大声で怒鳴る。さらにどこかから取り出した巨大ちゃぶ台を豪快にひっくり返す!
巨体の精霊の全身全霊を込めた大声と食器の割れる音が、敵の声の音量を圧倒的に上回る!
(やかましいけど流石だね、精霊様!)親指をびっと立て、精霊を讃える真白。
【零距離チェリカ砲】と真白の精霊の怒鳴り声。二つの音により、敵の声はチェリカと真白の耳に届かなくなる。体勢を立て直すチェリカと真白。
己の声が届かないと悟ったのか、白の王が口を閉ざした。分離した獣達の残りもリアの奮闘で動きを鈍らせている。
「今のうちに行きましょう、ロンドさん、月宵さん!」
リアの声に、頷くチェリカと真白。三人は戦場を駆け抜け、白の王本体へ接近。
白の王の本体、その体を構成する獣達が動く。猟兵達を抉らんと無数の前足が伸びた。
リアは狐の羽衣を付けた身を翻す。獣達の足を、戦旗に変貌したホイッスルフラッグで絡めとって防御。
白の王の獣達は真白にも襲い掛かる。が、リアが翻弄してくれているためか、動きは鈍い。自分に噛みつこうとした獣の首を、真白は大きく上体をそらし回避。
「おーっとっと」
真白はふらふらした動きで、右に左に上体を揺らし敵の攻撃を避け、そして不意に片足をあげる。キックシューズの爪先を獣の顎にめり込ませる!
チェリカは赤の瞳で敵を観察。
獣達や頂点の女が、真白とリアを見つめていた。注意が二人に集中している。
チェリカは全身に光気を纏わせ、両腕を前へ。
「隙ありぃぃぃっ!」
白の王の異形の体に、―掌に凝縮した聖なる力を叩きつける! 揺れる巨体。響く獣達の悲鳴。
「いたい。いたがるわたしはなに? なに? わたしはわたしは」
相変わらず狂気から醒めぬ白の王。だが、真白、リア、チェリカの攻撃は、確実に敵にダメージを与えていた。
成功
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火土金水・明
「相手は完全体の邪神、こちらも本気を出して戦わないと危ないですね。」
相手の先制攻撃に対しては、【見切り】【野生の勘】【第六感】【フェイント】の技能を駆使して回避を試みます。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】した【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『白の王』が何処に移動しても巻き込めるようにして【2回攻撃】をします。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
●
火土金水・明は白の王を凝視していた。
敵は傷を負ってはいるが、明の勘は「敵の攻撃能力は未だ衰えていない」と告げている。
「相手は完全体の邪神、こちらも本気を出して戦わないと危ないですね……くるっ」
明は、敵の体が小さく揺れたのに気づき、走り出す。敵から離れる明。靡く黒のマントの裾とポニーテール。
次の瞬間、白の王の全身が燃え出す。
「もえるもえるわたしはもやす、わたしはわたしは」
火は草に燃え移り勢いを増し、周囲を炎の荒れ狂う世界に変えた。
事前に敵から遠ざかっていたため、明は無傷。
「ですが……」明は帽子のつばに手をかけつつ考察。
今の敵は炎で覆われている。並の攻撃は通じない筈。
「敵の力が解け炎が消えるまで、耐える時ですね」
再び戦場を駆ける明。
白の王は明へ炎の塊を噴射してくる。白い炎の塊が明に迫るが、
「残念、それは残像です」
炎が焼いたのは、明本人ではなく残像。明は不敵に笑いつつ攻撃を避け続ける。
数分して。白の王の体から炎が消えた。
間髪入れず、明は七色の杖を振る。
「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。――我、求めるは、冷たき力」
【コキュートス・ブリザード】を発動。
空中に300を超える氷の矢が発生、白の王に降り注ぐ。幾本もの矢が、絡み合う獣に、頂点の女に突き刺さった!!
「あがあああ?!」獣達や女の悲痛な声。敵の傷は深い。
「それでも敵の力は脅威。最後まで油断しませんよ」
杖の柄を強く握る明。
大成功
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波狼・拓哉
…いやわからんもんこっちに聞かれましても。まー俺から言えるとしたら草原に映えるいい白色ですね、くらいですけど。ま、やりましょうか。
ミミッ…間に合わんなこれ!狂う認識、催眠は呪詛、狂気耐性で何とでもなるとして…声の衝撃波もありそうか。声の響きを戦闘知識、第六感辺りで察知し見切り衝撃波で声を相殺することで少しでも効果を和らげよう。後は地形の利用で上手く踏ん張るか、声の衝撃に乗って後ろに吹っ飛ぶかだな。
攻撃はまあ…ミミック出した時点で何とでもなるでしょう。認識を狂わせる…元からないものには効かねーでしょう。後はさっき通り。踏み止まることになれば衝撃波込めた弾で隙を作るだけですわ。
(アドリブ絡み歓迎)
●
既に傷だらけの白の王、その頂点の女の口が開く。
波狼・拓哉はそれが攻撃の予備動作と看破、対処しようとするが、
「ミミっ……間に合わ……っ!」
「アアあぁああアAAAA――!!」
敵が叫ぶ方が早い。耳から入ってくる魔性の声。脳を直接揺すられるかの如き錯覚。
「これは……っ少し、き、つい」
それでも拓哉は耐性を発揮、声の力に抗い、MODELtypeβ・γ バレッフ&ノットを構えた。地面を撃ち、衝撃波を発生させる!
衝撃波が魔性の声の効果を和らげた。拓哉は箱型生命体ミミックを召喚。
「さあ、化け狂いなミミック…!笑い話だ。狂気ルールなんてねぇよ!」
【偽正・命無月光】を実行。ぐにゃ。ミミックの姿が歪み首無き獣へ。
ミミックは白の王へ突進。前足を大きく振る。白の王を構成する獣の頭一つを爪で破壊!
白の王の頂点の女は魔性の声を出すのをやめ、顔を歪めた。
「いたい。いたがるわたしはなに? わたしはなにわたしはなに――」
問いかけに、拓哉は溜息をつき、
「こっちに聞かれましても。まー俺から言えるとしたら草原に映えるいい白色ですね、と……そろそろ終わり、くらいですかね」
二丁拳銃を敵に向け発砲。敵の間近で衝撃波が発生。
驚いたか、白の王の獣達の動きが鈍る。その隙にミミックは獣の頭に後ろ足を乗せた。白の王の体を登りだす!
ミミックは白の王の頂点へ。女の首へ爪を一閃!
白の王の動きが完全に止まり――崩壊を始める。
白の王を構成していた獣達の体は全て塵になり、空気に溶けた。
拓哉は体から力を抜く。そして、共に戦った仲間を労う。
「いやー、大変でしたが討伐終了ですね。後は帰るだけ。皆さんお疲れ様でした」
疲れと達成感を顔に浮かべて。
大成功
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