●類は友を呼び、争いは……
その日も、朝から町は騒々しかった。
コンクリート破砕器を取り付けられたバックホーが轟音を上げて建物を破砕し、地面へと転がっていく。
金属の擦れる音とともにダンプに積み込まれたコンクリート片は、運ばれる際も細かい不協和音を奏でて遠ざかる。
バックホーの旋回半径から少し離れると、作業員達が騒々しい声で指示を飛ばし合っているし、下働きの若者達も怒鳴り返すように返事をしている。
ありふれた光景といえば、至極ありふれたそれではあった。
そんな工事現場を囲うように、メガホンとマイクと音響装置と車と、兎に角人と金と時間が余ってそうな御老体達が並び立っている。どうやら解体工事に反対する『市民』らしい。
作業員達とさほど年の変わらぬ若者も混じっている辺り、世も末である。
彼らは解体工事の騒音が、施主の(どこか怪しい雰囲気を持った)存在が、そして発注者である行政が憎いのである。
恐らくは反対行為に対する快楽4割、義に因って立つのが4割、残り2割は近所付き合いといったところ。
工事の騒音に負けじと声を張り上げ、あるものは音楽をかき鳴らして騒ぎ立てる。
両者ともに負けず劣らずの迷惑度だが、彼らは場所と時間と――もしかしたら星辰も間違ったのかもしれない。
「あぁぁァんた達ぃぃィィ! 近所迷惑だよぉォぉヲヲヲ!」
どこからともなく現れた中年女性が、身丈ほどもあろうラジカセを持ち上げ騒音を振りまきながら走ってくる。常軌を逸したその音と姿に、居並ぶ市民と作業員は一様に動きを止め、耳を塞いだ。
解体重機などはなお酷い。一部が拉げ、ちぎれ飛びすらしたのだから。
結果は言うまでもないが……解体されたのは誰あろうその場の人々だったと。そういうオチである。
●二重三重ややこしい
「俺は騒々しいのは嫌いなんだよな……このトシになると耳鳴りもするようになってどぉぉぉにもキツいんだよ、高音が。重低音最高」
刳浜・三十下(誤謬陳列罪・f16662)はしみじみと感想を述べると、猟兵達に説明を始めた。どうやら、騒音がぶつかりあったことで音程的なものが未知の存在を呼ぶ旋律と合致したとか、まあ諸々そう言う理由でUDCの復活につながったのではないか、と彼は言う。この辺曖昧なのは、彼の知るところではないからだ。
「で、まあUDCエージェント側が詳しく調べたら解体業者が壊してた建物も大分古くて、如何わしい噂がわんさかあった。主に戦争関連のな。解体してる業者にも……身綺麗とは言えねえなんかが混じってるみてーな。ハハ、超ウケる。登場人物どころか解体される建物含めてクズまみれじゃねえの」
くつくつと彼はひとしきり笑ってから、「だからこのババアにちょっかい出す連中もすぐ来るぜ」、と付け加えた。
面倒だし敵は少なくなさそうだし。迅速に処理せねばならなさそうだ。
十文字 一知
初めましての方ははじめまして。十文字と申します。
今回は偶発的に呼び出された騒音おばさん(と、解体業者と現場絡みの如何わしい連中)を撃退せねばなりません。
おばさん登場直後に戦闘開始となるので被害者の心配はいりません。解体業者も重機ほっぽりだして逃げられます。万事オーケー。
全体的にバリバリに戦闘なので、細かいことを考えずに脳みそシェイクしたい方におすすめです。ジェットコースターっていいよね。
第1章 ボス戦
『忍び寄る身近な恐怖『爆音おばさん』』
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POW : おばさん覚醒
【充血の瞳】に覚醒して【アクティブおばさん】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : おばさん暴れる
【近所迷惑な騒音】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : おばさん飛ぶ
全身を【何とも言えないオーラ】で覆い、自身の【怒り】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
👑11
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ネムネ・ロムネ(サポート)
『交渉を始めるのです』
『ん。ネムに任せるのですよ』
『んん。出てくるのがはえーですよ』
『うるせーです。知らねーです』
慈悲深く、困ってる人には手を差し伸べずには居られない性格です
オブリビオンに対しては容赦なく火器を振るいます
“交渉”や“説得”と称した武力制圧で敵を圧倒する事を好み、遠距離からの狙撃や中距離からの制圧射撃を軸に戦います
事前にロケーションを入念にチェックし、地形や建物を利用した戦闘で身体能力以上のパフォーマンスを発揮する戦略を得意としています(舞い上がる花弁を隠れ蓑にした狙撃や城の柱を崩落させて死角を生み出す戦術等)
ギャグ依頼も歓迎
恋人がいる為R18な事や他者との過度なスキンシップ禁止
ミレイユ・ダーエ(サポート)
歌と美しい景色を探してあちこちの世界を巡っているエルフの少女です。物腰は柔らかで礼儀正しく、闊達な性格。お祭り騒ぎが大好きという一面もあります。
口調は基本的にいつも敬語・丁寧語で、語尾が「~ですわ」になることが多いです。
どの世界でも活発に行動しますが、どちらかといえば植物や水が豊かな世界を好んでいます。そのため、自然の均衡を壊すような敵には冷厳な態度で臨みます。
《永遠の森の聖星祭頌》を使って他の猟兵と合流してから、
集団戦:《エレメンタル・ファンタジア》で一掃狙い
ボス戦:《シンフォニック・キュア》でサポート
冒険:WIZの選択肢に準拠
日常:《歌唱》技能を活用
という感じで行動します。
●
爆音をかき鳴らしながら現れた騒音おばさんの暴挙を前に、人々はただ耳を抑え呼吸を殺し、彼女の次の暴挙がただ、自分に向かないことだけを切に祈った。そんなささやかな祈りが届いたわけではないだろうが――。
「交渉を始めるのです」
ネムネ・ロムネ(ホワイトワンダラー・f04456)の放った『交渉』(狙撃銃)がラジカセのスピーカー部に突き刺さり、異常なハウリングを発生させた。
「ナァァァァァにヲしてぇぇエ」
「うるせーです。黙ってろです」
2射目。バックホーのアームの継ぎ目に放たれた弾丸は、跳弾し騒音おばさんの足元を掠め過ぎる。怒りで弥増す声をかき消すように銃弾の音が乱反射し、おばさんを包囲するように響き渡る。
普通に動いては、まず反応できない速度だが。己の欲求の解放を邪魔されたおばさんの怒りは、驚くべき方向へと進化を遂げた。
……浮いたのだ、空に。そしてそこから騒音をかき鳴らし、音圧でネムネを攻め立てるのだ。
「えっ、えっ……あれはどうなってますの?!」
そんな所に現れたミレイユ・ダーエ(永遠の森の歌乙女・f01590)は驚愕に目を剥き、咄嗟に廃墟の影に身を隠した。直後にネムネの姿を視界に収めると、咄嗟に治療すべく歌声を奏で、おばさんの騒音をほんの僅かに相殺する。
「助かったのですよ。ネムだけで“説得”するのは骨が折れるですから」
ネムネは宙を我が物顔で舞うおばさんに視線を向け、ガジェットスーツを展開する。廃墟、解体工具の山、空を飛ぶ敵を捉える手段――全身を覆ったスーツは、背中から巨大なパラボラアンテナを広げたもの。中心部に音叉を備えたそれが騒音を受け止めると、音叉を起点に強引に相手の音を拡散して押し返す。
その間も、ミレイユの歌声は絶えずネムネを治癒し……いきおい、彼女のパラボラにミレイユの歌声が相乗し、おばさんの音圧を強引に押し返した。
「あアァぁぁ
……?!」
おばさんは空中でバランスを取りそこねて墜落し、ようようと起き上がる。まだまだ負けない。そう、暗に伝えてきていた。
成功
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ノイジー・ハムズ(サポート)
いいでしょういいでしょう!
可愛くて強い、ノイジーちゃんがお手伝いします☆
オブリビオンを褒めましょう!
オブリビオンの気持ちも肯定しましょう!
けれども! 共存はできないのです☆
それならば!
せめて、最後の時まで楽しく遊びましょう☆
○戦法
武器は剣と魔力です☆
攻撃を重要視しています!
命の掛け合いは花火のようにきれいなもの!
【空中戦】で飛び回りながら攻撃を仕掛けます☆
硬い敵には【鎧無視攻撃】!
決め打ちのときは、【全力魔法】や【属性攻撃】で属性魔法を武器にまとわせて、ユーベルコードで正面突破!
属性は気分で何でも使います☆
弱い敵の攻撃は、基本的に避けずに【オーラ防御】です☆
強い攻撃は【見切り】ます!
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
得意なのはサポートで、NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能。非戦闘時はコミュ力や宇宙バイクの機動力で情報収集をしたり、料理で炊き出ししたり出来る
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
また、無力なNPCが大人数いる場所での戦闘も彼らを【仮面憑きの舞闘会】で強化して戦わせつつ身を守らせることも可能。
「オブリビオンを褒めましょう! オブリビオンの気持ちも肯定しましょう! けれども! 共存はできないのです☆」
ノイジー・ハムズ(夢の続きは羽虫に乗せて・f14307)は騒音響く最中にあって、いっそ清々しいほど爽やかに相手を肯定した。共存はできないが気持ちは肯定する。相手の生き方を否定はしないが相容れない。ゆえに、気持ちを理解するために戦う。
空中を飛び回るおばさんへと向かっていく彼女の体は余りに小さい。されど、小さいからだろうか? おばさんの速度に引けを取らないレベルで飛び回り、振り回されるラジカセに玩具ほどの剣をぶち当てて互角に渡り合う。
サイズ差をものともしない勢いは、彼女の心の底からの思い込みにある。物々しいエフェクト込みで攻撃を繰り返す彼女の存在は、おばさんにとって鬱陶しいものだったのだろう……地上に降りたおばさんは、空気を大きく吸い込もうとした。
「遅れ馳せながら、正義のヒーローの登場っすよ~」
主役は遅れてやってくる、というが、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)の場合は単純にタイミングが良すぎただけのこと。
思い切り吸い込んだ空気に混じった濃い排気、それにおばさんが咳き込んでいる隙に、リカルドは彼女の周囲を駆け回る。たちまちのうちに生傷を増やしていくのは、隠し武器による刃傷。さらには、次々と打ち出された鎖によって動きを拘束され、声をあげようとしたタイミングで喉に念動力を向けられれば、出せる声も無いもので。
つまるところが、おばさんの動きはその尽くが先手を打って妨害されていたのである。
「まだまだ遊べますよね? 是非最後まで楽しみましょう☆」
よろめいたおばさん目掛け、ノイジーが突っ込んでくる。どこか楽しそうな彼女の姿は、ハートのエフェクトごとおばさんに苛烈な体当たりをぶちかまし――一際まばゆいエフェクトを撒き散らす。
「まだ動けるみたいっすね。しぶとすぎるっつーか……」
「まだ遊んでくれるんですか! 嬉しいです☆」
どこか抜けたノイジーの言葉はさておき。弱ってはいるが、どうやらまだおばさんに戦意が残っている様子であった。
成功
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田中・香織
催涙ガスを撃ち込んで動きを封じてから重機関銃(アサルトウェポン)やアームズフォートの大砲で一斉射撃を食らわせるわ。
爆音おばさんが飛び始めたらアームズフォートを対空砲に切り替えて対空射撃で迎撃するわ。
これ以上騒がせるとご近所迷惑になるし、手早く片付けるつもりよ。
(あたしの武器もかなり音の出るタイプだし、周囲を更地にしかねないから)
「まぁぁぁぁだぁぁぁぁぁ」
騒音おばさんが凶暴そうな声を撒き散らしながら地上に降りてくるのを待ち構えていたかのように、地上から次々と砲弾が叩き込まれる。ガスの尾を引いて打ち込まれたそれは、催涙ガスによるもの……田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)が砲台を振り回し、撒き散らしたのだ。
ここに一般人などいようものなら大惨事間違いなしだった。皆避難していて本当によかった。寧ろ香織はガスとか大丈夫なのか、という話はあるが……。
「これで笑っていられないわよね? 降りてきなゲホッ、煙が重いからあなたもどうせ動けなゴッッッホ!!」
覿面っぽいが、次々と砲弾を撃ち込んでいるので少なくともセーフのようだ。
相手はUDC、そして周囲は住宅街。彼女の重装でドンパチしたら更地確定である……彼女が派手にやってる分、音圧を相殺できているのだが。
「これ以上、騒音被害はお断りよ! さっさと倒れちゃいなさい!」
無差別に解き放たれる騒音を、全力の砲撃で相殺しながら隙間を縫って叩き込まれる砲弾。それらが確実におばさんの命を削り取り……最後の一発をもって、おばさんはステレオごと爆発四散したのだった。
大成功
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第2章 集団戦
『鬼戦車』
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POW : レッド・ウェーブ
【自身と同じUCが使用可能な同型戦車をLv】【×1体の増援として召喚する。また、増援の】【戦車と連携して攻撃(戦車砲や機銃)する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : タンク・コルホーズ
自身が戦闘で瀕死になると【自身と同じUCが使用可能な同型戦車】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ : マルクスの亡霊達
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自身と同じUCが使用可能な同型戦車】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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●
猟兵達が騒音おばさんを撃破した煽りで、解体半ばだった建物が少しだけ崩れ、内部が垣間見える。
前時代的な建築構造のくせにやたらとオーバーテクノロジーじみたその内部から、生物と兵器の中間……というか悪いとこ取りをしたような化け物がわらわらと溢れ出す。
「ゲゲゲゲゲゲゲッ」
……気色悪いことこの上ない。おばさんの次は戦車か、と呆れ返る面々をよそに、戦車達は周囲の建物を照準すべく動き出す……!
田中・香織
……ガスマスクも用意した方が良かったわね。
(ようやく催涙ガスのダメージから回復)
今度は気持ち悪いのがうじゃうじゃ出てきたわね。
アームズフォートの範囲射撃と一斉射撃で広範囲に弾をばら撒いて敵を一体一体の点ではなく、面で制圧するわ。
ユーベルコードのフルバースト・マキシマムも併用して大砲と重機関銃の手数で敵を粉砕するわ。
(爆音おばさん戦で更地になった周囲は見ないふりしながら)
「今度は気持ち悪いのがうじゃうじゃ出てきたわね……」
催涙ガスでもろともに苦しんでいた香織は、深呼吸をして眼前の相手を見る。空気が美味しい。でも目の前の相手は気持ち悪い。
おばさんも大概だが、この連中は輪をかけて酷い。
そして先の戦闘でだいぶ破壊したが、こいつらを掃討するのにもさらなる破壊が伴うのだと思うと……考えないことにしよう。
「ゲッゲッゲッ」
「気持ち悪いわよ!?」
戦車達が動き出したかと思えば、次の瞬間にはとんでもない量に増殖している。それが彼らのユーベルコードなのだろうが、気持ち悪さに加えて、吐き出される弾幕の量もえげつない。そして、それを次々避けていく香織も香織だ。爪先の後ろにあったブロック片はさっくりと粉に変わったし。
それでも彼女は全身の武装から次々と弾丸を吐き出し、当たるを幸いに次々と戦車達を沈めていく。増殖した戦車は操り人形かなにかだったのか雲散霧消し、しかし残存数はまだ多く……彼女は痺れを切らし、手持ちの火器を展開したかと思えば一斉発射。
おばさんの時以上の破壊の暴風を撒き散らし、周囲は砂煙に巻き込まれた。
大成功
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轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、17歳の女です。
普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
宇良潟・伝助(サポート)
わたくしは裏方メインの黒子ですから前線に立っての戦闘は致しません。
戦闘になると【目立たない】技能を使って存在感を消し、罠にも使えるアイテム【戦闘用舞台装置】と【罠使い】技能を使って敵の行動の妨害し、罠を使って攻撃をします。
あとは舞台演出のユーベルコードを使って猟兵達を強化して気持ちよく戦って貰います。
日常、冒険ではユーベルコード【黒子の団体】を使っての情報収集、探し物、救助などをします。
口調 は裏方作業中の時は(わたくし、~様、ございます、ございましょう、ございますか?)でございます。
高宮・朝燈(サポート)
『私とおかーさんが居れば、どんなオブリも大丈夫!』
妖狐のガジェッティア×電脳魔術士、7歳の女です。
普段の口調は「ちょっとだけメスガキ(私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、機嫌が悪いと「朝燈スーパードライ(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
「私の出番……みたいね」
「いくよ、バール先生!」
轟木・黒夢(モノクローム・f18038)と高宮・朝燈(蒸気塗れの子狐・f03207)は群がってくる戦車達を前に散開すると、各々が得意とする間合いへと相手を引きずり込んでいく。
数を頼りに襲いかかってくる戦車を前に、黒夢はナックルを叩き込む。矢継ぎ早に振り下ろされる拳に圧された戦車は咄嗟に増援を呼び出すことでそれらを盾とし、自らへの攻撃を防ぐべく身構えたが、しかし彼女の攻撃の圧は全く緩まない。それどころか、回転数を弥増し、逆に押し込んでくるではないか。
「頭数さえ減らしちゃえば、そのうち終わるわよね?」
発想が完璧に力任せのそれだが、解決に進むなら問題ない、のだろうか。
「スカウター分析! アームの変形完了! 先生、やっちゃって!」
他方、朝燈はガジェットスーツの「バール先生」を変形させると、当たるを幸いに射撃や格闘攻撃を叩き込んでいく。
機動力にものをいわせた攻撃の乱舞は、数を増やした戦車で止められるレベルではない。重量もかなりのものであろうに、軽々とふっとばすバール先生がヤバいのかもしれないが。
瀕死の状態まで追い込んだ個体がコピーを作り出そうとすればそれを踏み潰し、瓦礫の中で伸びている人間を襲おうとすればそれを吹き飛ばす。
とにかく何もさせない。相手の得意分野を徹底的に先回りして潰していくやり方は、わずかに残った可能性をじわじわとすり潰す。
だが、当然ながら2人の行動力にも限界がある。手は2つ(+バール先生)、いっそ無尽蔵ともいえる戦車の手数は測定不能……普通なら、窮地に立つ場面だった。
そう、普通ならだ。
「では、ここで空を飛んで頂きましょう」
宇良潟・伝助(裏方大好きな黒子猟兵・f21501)の声は恐らく誰にも届いてはいまい。それだけ、存在感が希薄だったのだ。
戦車砲が不可避となったタイミングで、黒夢はなにかに引っ張られるように宙を舞う。直後、仕組みを悟った彼女はワイヤーによる飛翔能力を使いこなし、高度を活用して打撃力を高め、叩き込む。
朝燈もまた、突然の出来事にあっさりと順応し、次々と戦車を撃破していく。
地上で右往左往する戦車達は、状況の変化に追いつくより早く、伝助の仕掛けた罠に続々とハマっていき、何もさせてもらえぬ内に数を順調に減らしていく。耐性を高めようと増援を呼び出しても、次の瞬間には猟兵達の猛攻で消し飛ばされていく。
この局面において恐ろしいのは、伝助の存在感のなさに尽きる。戦闘に介入してくる何者かを認識していても、戦車達はその正体はおろか影さえもつかめないのだ。
だが、仲間達はその存在を、彼の企図した作戦を理解して回り込み、次の一手を打つことが容易にできる。理由は単純、『仲間だから』である。
斯くして、戦車達はいたずらに数を増やすばかりで、増えた先からなすすべなく猟兵に蹴散らされていく。気づけば、本体の数すらもどれだけ残っているか怪しいくらいには掃討が進められていたのだった。
成功
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純・ハイト(サポート)
勝つ事を考えて、自身を含めて全てを駒として考えて手段を択ばずに、使える物全て使って任務に参加して戦う。
エレメンタル・ファンタジアはトラウマはあるが、トラウマよりも敵は全て殲滅と考えているために問題無しに使える。
主にユーベルコードの力で軍隊を操り戦闘を指揮して戦うが、他のユーベルコードが有利に動くならそっちを優先して使う。
純・ハイト(数の召喚と大魔法を使うフェアリー・f05649)と対峙した戦車達は、明らかに動きが鈍くなっていた。
彼はまだ攻撃態勢にすら入っていない。にもかかわらず、それらは彼に対して敵意を――否、攻撃する意思を保てない。兵器としては通常あってはならぬ欠陥。だが、生物的側面を持つからこその反応とも言えた。
「お前達が暴れることで不幸になる人間がいる。乱れる場がある。オブリビオンを生かしておく理由がない」
それは、強烈な殺気による。
敵意ではなく殺意、戦う前に既に撃滅することのみを企図したそれに、戦車達は気圧されているのである。
「来ないならば此方から行くぞ。……我に付き従うフェアリー達よ、戦いの時は来た! 全軍出撃せよ!!」
彼の声に応じて現れた霊達は一斉に火器を構え、火線を集中させていく。霊の出現に呼応して、戦車達も増援をかき集めて防衛線を張り、また、火力を高めて対抗していくが……その戦力の差は歴然だった。
戦う為ではなく制圧するために喚び出されたそれらは、一切の躊躇なく『敵のみを』跡形もなく叩き潰した。
成功
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第3章 ボス戦
『半邪神『伽羅・明宏』』
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POW : 神は不滅だッ!
自身が戦闘で瀕死になると【同じ能力を持った自身のバックアップ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD : 神に歯向かった罰だッ!
【邪神の力を解放した姿】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ : 君達は最高のモルモットだァ!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【邪神の力によりゾンビ】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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●
「おやおや……これはとんだ邪魔をしてくれたものだ」
偶発的に現れた騒音おばさんを蹴散らし、建物から湧いて出た鬼戦車の群れを蹴散らした一同に、背後から声がかけられた。
戦闘経験のある……否、なくとも猟兵であればその存在の邪悪さを察知できたであろう。
感情を押し殺して口走ったその男の声に籠もった敵意が。
そして、彼がUDCであり、オブリビオンであるということに。
「私のビジネスのいい商材になるであろう面々を片っ端から潰されては、商売あがったりだ。……さて、神(わたし)に磨り潰されてこちらの戦力をアピールする材料になってもらいたいんだが、いいかな?」
反論を許す空気ではなく、議論を交わす意味もない。いずれにせよ、互いに果たしあう以上の未来はなかった。
津久根・麦穂
少し出遅れてしまいましたが、
ちょうど戦いも終盤というところでしょうか。
まともに戦うには厳しい相手ですが、
どうも本気を出すと理性が吹っ飛ぶタイプのようです。
動きが速い物に反応するのなら、【ミミック】から取り出した
ドローン爆弾でも飛ばして相手をしてもらいましょう。
私はゆっくり近付いて本命の……
本命はどうしましょう?
邪神とやらに私が普段使うトラップとか効くんでしょうか?
まあ私一人で倒せる相手でもありませんし、
せいぜい削っておくとしましょう。
今回は【コカトリストラップ】の石化ガスを
足にでも浴びせておきますか。
完全に石化とか贅沢は言いません。
少しばかり動きを封じさせてもらいますよ?
アララギ・イチイ
神は不滅ねぇ
髪は絶滅寸前ぽいけどぉ……(髪の生え際を見て
戦闘人形フギン・ムニンを前面に押し出して戦闘するわぁ
フギンはランスの【串刺し】、散弾砲の【範囲攻撃】、盾による【盾受け】、ムニンはフギンの【援護射撃】として、【誘導弾】のミサイル、連装バルカンの【2回攻撃】で敵を攻撃よぉ
私は後方で戦闘人形に戦闘データに関する【情報取集】してまったり待機しているわぁ
まぁ、人形達が壊されると修理が面倒だから、戦闘人形が危なそうな時は射撃武器で敵の動きを【見切り】、【スナイパー】の技能で補正した一撃を叩き込むわぁ
あと、瀕死になったら復活するみたいだから【選択UC】で無力化してしまいましょうかぁ
「あれが事件の元凶、といったところですか。なんというか……」
「髪は絶滅寸前ぽいけどぉ、不滅なんてのも眉唾ねぇ」
津久根・麦穂(ストレイシーフ・f19253)が言いよどんだ言葉を引き継ぐようにして、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)が容赦のない挑発を向ける。明宏は冷静そうな仮面を間髪入れず脱ぎ捨てると、見る間に髑髏じみた忌々しい外見へと変化していった。
見るからに理性を失った姿のまま、彼は2人へと突っ込んでいく。速い。一般人であれば、狙われたことすら気付くまもなく首と胴が泣き別れの憂き目に遭っていただろう。
「動きが単調な上に周りが見えてないわねぇ。本当に神なのかしらぁ」
アララギの声に応じるように、戦闘人形『フギン』が明宏の前に躍り出ることで狙いを引き付け、距離を置いた『ムニン』が弾丸を撒き散らす。
「猪口才な、こんな玩具で――」
思い通りになるものか、とか。そんなことを口にしようとしたのだろうか?
明宏は勢いを付けてフギンを押し切ろうとした刹那、視界の端を横切った飛翔体へと飛びかかる。もはや本能に近い反応で飛びついた彼は、しかし次の瞬間大きく弾き飛ばされた。
何が起きたのか理解できぬまま転がり、立ち上がった彼の足元からは煙が立ち上る。
「玩具も案外、馬鹿にできないものですよ。現に今、私の持っていた玩具に翻弄されていますから」
声は麦穂のもの。先程の飛翔体も、足元に転がった罠から吹き出すガスも彼によるものだ。
曲がりなりにも相手は半分ほど邪神であり、今与えた傷も些細なものかもしれない。だが、攻撃が通用しない訳ではない。今与えた傷が次の仲間の、その次の仲間の助力となるならばこれ以上の利益はなかろう。
石化ガスで鈍った動きを無視して麦穂へと飛びかかろうとする明宏だったが、ムニンの放ったバルカンに行く手を遮られ、一瞬の躊躇へミサイルまで叩き込まれる始末。
生み出そうとしたバックアップはアララギの放った徹甲弾で腕一本持っていかれ、不滅の怪物とはとても呼べぬ状態だ。
彼は面白いくらいに呆気なく、2人の思惑通りに消耗を強いられる。だが、まだそれは序の口に過ぎなかったということを、彼は思い知ることとなる。
大成功
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月隠・望月(サポート)
※他の猟兵に迷惑をかける行為、および公序良俗に反する行動はしません。
『戦うのは、得意。わたしにまかせて』
『強者なら周りの者を守る、のが、当然』
『オブリビオンは世界の敵。倒す。全て』
サムライエンパイア出身の忍者です。無感情無表情な羅刹ですが、責任感は強く『強者は周囲の者を守るために戦うのが当然』という信念を持っています。
戦闘に関しては、何でもこなすオールラウンダーです。敵の動きを観察しつつ、剣術・陰陽術・射撃術などを組み合わせて戦います。
反面、炊事・洗濯などは壊滅的に苦手としています。羅刹という種族柄、力仕事は得意です。
一人称は『わたし』。少したどたどしい口調で話します。
よろしくお願いします。
護堂・結城(サポート)
『外道殺すべし、慈悲はない』
どの世界でも、外道であれば殺す
オブリビオンはただの異物、過去に終わりを迎えたものが今を生きる者に影響を与えてはならん
【世界知識・戦闘知識・野生の勘】を利用しUCを選択
戦場に合わせた【属性攻撃】を武器に纏わせる
対集団には【念動力】で【浮遊】させた無数の刀を振るい【怪力・衝撃波・範囲攻撃】
タイマンなら【怪力】で氷牙のランスをもって全力【ダッシュ】の【ランスチャージ】だ
「外道に遺言なぞいらん、疾く死ね」
「散々人を食い物にしてきた外道ならば、次は貴様が食われるのも道理よな」
「外道殺すべし、慈悲はない」
「オブリビオンは世界の敵。倒す。全て」
護堂・結城(雪見九尾・f00944)と月隠・望月(天賦の環・f04188)は手負いとなってなお凶悪な力を秘める敵に対し、一切の躊躇も慈悲も見せるつもりは無い様子だった。
もとより、加減の利く相手ではないが。
「神に逆らうとはいい度胸だ! その生命で償え!」
邪神としての本性を露わにした明宏にとって、彼らの宣言は路傍の石が暴言を吐くようなもの。鼠が噛み付くのと変わらない。だからこそ許せない。
望月の呪符と拳銃が次々と自らに傷をつけ、距離をとって賢しく立ち回るのが許せない。怒りを勢いに変え、勢いよく振り下ろした筈の拳が無銘刀に遮られ、強烈な押し合いから拮抗を呈したのがなおのこと許せない。
「わたし、は、逃げない。オブリビオンに、向ける背は、ない」
拳と刃の拮抗は長くは続かない。明宏があらん限りの力で望月を弾き返すが、彼自身もたまらず数歩、後退する。隙は大きい。
「散々人を食い物にしてきた外道ならば、次は貴様が食われるのも道理よな」
結城がその隙を逃す道理はない。大槍を携え、体ごと突っ込んだ彼の衝撃力に、蹈鞴を踏んだ明宏が耐え切れるわけもなく。掠めた槍に弾かれ、独楽よろしく大きく揺れ、回る。
「《雷》《領域》――悉く撃ち滅ぼす」
そして、完全に無防備になった彼を打ち据えたのは望月の放った雷撃だ。効いていないふうを装っても、足取りや所作の不自然さから分かる通り衝撃は大きかったと見るべきだろう。
「我が身、闘気を纏いて、この敵意抑えること許さず」
そして動きが鈍ったということは、必然として結城が再度攻撃する態勢を整える猶予を作るということでもある。
彼の背後に現れた闘気の巨人は、彼の動きを踏襲して明宏へと間合いを詰め、突きかかる。
巨大な槍に胴を深々と貫かれた彼が己のバックアップを即座に生み出し、そのまま周囲の鬼戦車の残骸へと歩を進めたのも必然といえば、十分必然だったのかもしれない。
成功
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田中・香織
ユーベルコードで呼び出したアーミーメン(兵隊人形)の大群と合同で重機関銃やアームズフォートの大砲をこれでもかと撃ちまくるわ。
バックアップやゾンビを呼んだり変身しようと、向こうの対処できる以上の手数で攻めれば防ぎきれなくなるはずだから。
(この一帯は更地になりそうだけど)
『あなたのビジネスも今日で廃業ね』
「神……神は不滅だ、神に逆らう者こそが絶えるのが道理だ!」
明宏のバックアップは彼自身として正しく役割を果たし、鬼戦車の残骸からゾンビを次々と作り出す。数は正義。それは全く言い訳のできない真理の一側面である。
「いいえ、弱い者こそが絶え滅びるのよ」
香織の声を契機に、ゾンビ達へと連続して弾丸が突き刺さる。物量は明宏に分があった筈。数の暴力は、明らかに明宏へと味方していた……筈、だった。
だがそれは先程まで。明宏の到着から香織が準備を整えるまでの暇の話である。
一糸乱れぬ歩調を響かせて現れた兵隊人形は、勝利を微塵も疑わない香織の号令一下、容赦のない銃弾の雨と硝煙の雲とを作り出す。
神が、神は。己をそう呼び鼓舞する声が弱々しく響く。だが銃声は鳴り止まない。
ゾンビが死に絶え、残骸が本当にボロクズに成り果て、ついには明宏の影も形も見えなくなった頃。
「あなたのビジネスも今日で廃業ね」
やれやれといった様子で肩を竦めた香織の前に残ったのは、それはそれはきれいに解体されたビル跡であったという。
大成功
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