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上手に焼けますか?

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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「みんな、ドラゴンの肉って興味ない?」
 グリモアベースに集まっていた猟兵たちに、UDCアースの学生服を着た少女、白神・杏華(普通の女子高生・f02115)が話しかけた。
「まぁ私も食べたことはないけど、冒険者の人に話を聞く限りでは絶品なんだそうだよ」
 アックス&ウィザーズにおいてドラゴンは、その巨体と怪力により畏れの象徴であった。彼らの前足が薙ぎ払えば人は二度と立てず、口から吐き出されるブレスは避けきれなければ何人もの犠牲を生む。人々が束になって己の武器、知恵、魔力……それらを結集させない限り倒すことのできない災い。それがドラゴンである。
 そんなドラゴンだが、もし討伐できた場合はそれは値千金を生む。力の象徴たる牙や爪はお守りとしての価値を持ち、丈夫で柔軟性のある革は防具や砦の防御に使われる。骨はそれを潰して薬に利用されることもあり、またドラゴンの骨を漬け込んだ酒も非常に高価な商品として出回っている。そしてその肉は、食用となる。
 とはいえ、ドラゴンは非常に筋肉質な生物だ。生存競争に特化したその筋肉は硬い。しかし、肋骨から骨盤にかけての肉、牛肉のサーロインの部位はドラゴンも比較的柔らかい。適度に脂が入った赤身肉で、何の料理に使用しても非常に美味しい部分だ。そして骨盤内側のほとんど動かさない筋肉、ヒレ肉もドラゴン肉の最高級部位である。ステーキなどにしていただくと、凝縮された旨味を余すところなく味わうことができるだろう。
「そんなドラゴン肉を食べるチャンスだよ! ……オブリビオンではあるんだけど」

 草食の温和な生態のドラゴン、『グラスアボラス』。
 草花を成長させる力を持ち、その力により生じた花畑を縄張りとするドラゴンである。基本的には人間に敵対的なものではないが、度々自ら積極的に縄張りを広め、巻き込まれた集落を襲う凶暴な個体も昨今現れつつあるらしい。
「今回は、この人間の集落に現れたグラスアボラスを討伐してもらいます」
 グラスアボラスの周囲には仔竜も大量に集まってきている。集落の家の屋根を齧ったり見境なく人に突撃してきたりするので、こちらを先に討伐してからグラスアボラスと戦う形になる。
 そして大事なのは討伐後だ。グラスアボラスを倒したあとはその体は自由にして構わない。つまり、ドラゴン肉パーティである。解体作業などはその集落の人も手伝ってくれるようだ。焼いて食べるも炒めて食べるも猟兵次第。現地住人に調理してもらうもよし、自らの料理の腕をふるうもよしだ。
「なかなかドラゴン肉って食べられないからね〜。みんな、頑張ってね!」
 片手に持った「ドラゴン肉調理ガイド」を振って、杏華は猟兵たちを見送った。


玄野久三郎
 玄野久三郎と申します。オープニングをご覧いただきありがとうございます。
 予定としてはオフ会当日にリアルタイム執筆用に公開予定のこちらのシナリオ。小型ドラゴンを倒して大型ドラゴンを倒して肉を食べる、非常にシンプルな内容となっています。
 浅草にはいくつかステーキ屋さんもありますので、PCと同じようにステーキを食べてみるというのもまた一興……かもしれません。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『戯れる仔竜』

POW   :    じゃれつく
【爪 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    未熟なブレス
自身に【環境に適応した「属性」 】をまとい、高速移動と【その属性を纏わせた速いブレス】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    可能性の竜
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

緋月・透乃
ドラゴンの肉!一回食べてみたかったんだよね。どんな味がするのかなー。
折角猟兵でオブリビオンとも戦えるし色々な世界に行けるのだから、こういうチャンスは逃したくないね。

まずは仔竜だね。お腹を空かせるための運動相手になってもらうよ。
それにしても、こいつは美味しくないのかな?戦闘後に丁度よさそうなのが残っていたら食べてみたいね。
敵は近づくと危険そうだけど、私も近づかないと攻撃できないんだよね。
【色々食べよう!】で攻撃力を高め、ダッシュで接近して捨て身の一撃を入れたらすぐ離れる。
この繰り返しでできるだけ敵の近くにいる時間を少なくしつつ、1体倒していくよ。



「ドラゴンの肉!一回食べてみたかったんだよね。どんな味がするのかなー」
 緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)は本命のドラゴンが現れる前からその味を想像し、眼前に広がる仔竜の群れを見据えた。彼らは集落の屋根の藁を齧ったり、村人たちの間をビュンビュンと飛び回ったりして住人たちを驚かせていた。
 腹を空かせるための準備運動と考えつつも、透乃にとっては同じドラゴン。彼らに対して食欲が顔を覗かせる。とはいえ彼らも魔物、その力はあるのだ。一旦腹を満たすため、彼女はパンを取り出しパクパクと食べていく。
 空腹がある程度満ちれば、彼女の戦いの時間が始まる。攻撃力を高めた透乃は、まずその力を脚に集中させた。一息に地を蹴ると、まずは屋根を齧っていた仔竜の元にまで迫る。
「ピギャ?」
 屋根に夢中だった仔竜はその接近にほとんど気付けなかったようだ。振り向いた仔竜の顔面を彼女の拳が捉える。悲鳴を漏らし、ドラゴンは屋根から地面に叩きつけられた。
 直後に透乃は屋根から離れる。そこに別の仔竜が飛んできていたのだ。彼らの力は驚異的だが、その攻撃のリーチは全て短い。彼女はヒットアンドアウェイを徹底することで、その攻撃から身を守っていた。
 先ほど叩き落とした地に伏せる仔竜をじっと見る。――どうにかして食べられないかな? その目は肉食獣のように仔竜を品定めしていた。
 しかし脂肪も肉もあまりなさそうで、軟骨が多そうだ。あまり食べて美味しいものではないだろう。彼女は一旦跳躍し、その足で彼の首筋を踏み抜きとどめを刺した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウサコ・ブラック
POWで勝負!
超高速かつ大威力の一撃を放つ…わたしの「にゅういん」のほうが早く、鋭いのよ!どっかーん!
「気合」を入れて「怪力」をのせたパンチでぶっ飛ばすのよ

どうも子供ドラゴンはたくさんいるみたいなのね?
とりあえず目についたものをバッタバッタとぶん殴っていくけど、とりあえず一般人が狙われているような場合は「かばう」を行いつつ、真っ先にそいつからぶん殴っていくのよ。
その次に優先するのは建物をぶっこわそうとしているやつね



「うわっ!」
 男の短い悲鳴が響く。シャアア、と威嚇の声を上げながら仔竜が突っ込んできたのだ。そこまで重篤なダメージはもたらさないだろうが、打ちどころによっては骨くらいは折れるかもしれない。
 そんな危険から彼を守ったのはウサコ・ブラック(黒兎狂騒曲・f05324)である。浮遊した仔竜とだいたい同じかそれより少し大きい程度の体格の彼女ではあるが、そのぬいぐるみめいた柔らかさで竜を受け止め、弾き返した。
「まったく、悪戯好きにも困ったものなのよ。そういうドラゴンには、びょういんおくりになってもらうのよ」
 アックス&ウィザーズに果たして病院はあるのか。診療所のようなものはあるかもしれないが、ドラゴンを診てくれる所はないだろう。果たして仔竜がどこに送られるのかは謎だが、ともかく彼女はそのふわふわのおててを握りしめ構える。
 その腕と仔竜の爪のリーチは同じであった。いかにしてその攻撃を叩き込みつつ敵の攻撃を躱すのか。答えは一つ。気合だ!
「びょういんおくりなのよ!!!」
 仔竜が爪を剥く。その反対側からウサコの手が迫り、その爪を砕き散らしながら竜の体を打ち抜いた。
「ギィィィ……!」
 哀れ仔竜は吹き飛ばされ、意識を失ったようだ。ふう、と額を拭ったウサコは次に屋根の上を睨む。藁に悪戯する竜を見て、次に病院送りにする対象に向けて彼女は跳んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

リース・フェンディット
エルフィ(f04586)と参加
「ドラゴンのお肉ニャ?おいしいニャ?」

「なんかわらわらいるニャ」
ライオンライドで召喚したライオンに乗って行動
じゃれつかれないようある程度距離を取ってさいこがんを使って攻撃
攻撃がこっちに向いた時にはエルフィのバトルキャラクターを盾にする

アドリブ可


エルフィ・ヴェレキア
リース(f01364)と参加
呼称:猫さん

わーい、ドラゴンのお肉だー!
今回も美味しいごはんいっぱい食べよーね!猫さん!

……っていきなり何かいっぱい出てきた!
よーし、【バトルキャラクターズ】でゲームの皆に出て来てもらうよ!
皆、敵を引き付けて、猫さんも援護してあげて!
あたしは離れた所で頑張って応援してるから!

アドリブ可



「ドラゴンのお肉ニャ? おいしいニャ?」
「今回も美味しいごはんいっぱい食べよーね! 猫さん!」
 割と最初から食べる気満々だったリース・フェンディット(ケットシーのビーストマスター・f01364)とエルフィ・ヴェレキア(フェアリーの人形遣い・f04586)。しかし彼らの前にはギャアギャアと集う仔竜の群れ。
「なんかわらわらいるニャ」
 最初から美味しいご飯にありつくことは出来なさそうだ。気を取り直し、二人は戦闘準備を始める。リースの傍らに黄金のライオンが降り立った。きらびやかな鬣に雄々しい牙が非常に威圧的だ――もしそれがおおよそ70センチほどのサイズでなければ、仔竜たちも恐れ慄いていたことだろう。
 二人はともに仔竜と同じサイズかそれより小さい程度の体格であった。どちらかと言えば、むしろ彼らこそ仔竜たちにとって食糧に見えただろう。ドラゴンらは上空から襲い来て、品定めするようにリースを囲み込む。
 リースはライオンに乗り込むと、それを駆けさせた。爪で仕留めて喰らおうという仔竜の魂胆はすぐに崩れ、ライオンの速度に目を回す。
 ならば、広範囲の攻撃でその足を止めるしかあるまい。仔竜らの思惑は一致していた。その口から暴風とともに、桃色の花びらが撒き散らされる。
 その花は彼らの親玉たるグラスアボラスの力を写したものだ。未熟といえど、その花弁に当たれば生命力を吸われてしまうだろう。ライオンの背にブレスが迫る。
「皆、敵を引き付けて、猫さんも援護してあげて!」
 エルフィの手にしたゲームデバイスから複数の勇者のようなキャラクターが踊り出る。彼らは風と花のブレスをその身で受け止めるが、元々生命のない彼らにとってそれはただの強風に過ぎなかった。
 それらの壁に仔竜らが気を取られている隙に、ライオンに乗ったリースが戻ってくる。手にした小さな銀玉鉄砲を彼らに向けて引き金を引くと、その銃口からは考えがたいほど大きな光弾が射出された!
「ギギィ!?」
 仔竜の一体が吹き飛ばされ、住宅の壁に叩き付けられる。ベシャリと地に落ちた仔竜を見て、他のドラゴンは恐れとともに再びライオンをブレスで狙う。が、それもまた先回りしたゲームキャラクターたちに防がれ、無意味に終わった。
 続く二射目、三射目。さいこがんで仔竜を撃ち抜き、リースは銀玉鉄砲の銃口をふっと吹いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リリサレナ・ハイヴァーン
POW
仔竜は仔竜で柔らかくて美味しんじゃない?
仔羊のソテーとかあるし、食べたことないけど。

とりあえず食べれそうな部分と内蔵は避けた方がいいわよね。
じゃあ頭かしら?頭だけ潰すことにするわ。

戦術槍の命中率重視で頭だけ丁寧に潰していくわ。
【串刺し、スナイパー】



 仔竜は仔竜で何とか食べられるかもしれない。仔羊のソテーのように調理すれば……あるいは煮込めば、軟骨と皮だらけでもおいしく食べられるかも。
 リリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)は倒れた敵に目を向けつつ、次に健在で空を飛ぶ仔竜たちを見る。彼女の持つ槍で肉体を貫けば、残り少ない肉も飛んでいってしまうだろう。それでは良くない。食べられない部分を攻撃しなければならないだろう。
 引き続き、彼女は仔竜を観察する。完全な捕食者の目でそれを睨む……頭だ。頭ならばほとんど食べるところもないし、傷つければその命は絶たれる。彼女は黒い槍を構え、腰を落とした。
 空飛ぶそれを視界の中心に収めると、槍を投擲した。彼女の投げたそれがヒュオッと空を切る音を鳴らす。素早く、そして重々しくその刃が仔竜の頭を射抜いた。その質量は哀れなドラゴンの首の骨を折り、顔面を貫いた。
  空を飛んでいるのだ、地上からの攻撃など当たるまい。そう高を括っていた仔竜たちが青褪める。あくまで食糧として、リリサレナはその頭だけに視界をロックオンし……槍を拾い、再び構えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・つかさ
ドラゴンの……ステーキ……?
あ、まだ戦ってもいないのにおなかすいてきた。
よし、村の平和のため。
おいしいお肉のため。
頑張るわよ。

草食性で草花を育てる能力持ちってことは、火や熱に弱いんじゃないかしら。もちろん仔竜も。
ということで仕掛ける前に【五行同期・精霊降臨術】を発動。
火行と木行を強めにし、武器に炎熱の力を纏わせる(攻撃力強化する)わ。
数も多そうだし、今回は風迅刀と刃噛剣の二刀流で対応。
攻撃はUCの炎熱の力と風迅刀の「属性攻撃」を合わせて、熱風の刃を飛ばしたり直接斬りつけたり。
敵の物理攻撃は刃噛剣での「武器受け」で対応するわ。
ブレスとかなら、風迅刀での斬り払い及び「吹き飛ばし」を狙ってみるわね。



「ドラゴンの……ステーキ……?」
 戦う前から腹を空かせていた荒谷・つかさ(護剣銀風・f02032)は、空飛ぶ仔竜たちを眺める。彼らが吐いているのは風と花のブレス。グラスアボラスの取り巻きである彼らも同様の属性を持つということは、火に弱いのではないだろうか? そう推測したつかさは、自然の精霊より火と木の属性を借り受けた。
 右手に握られた鋸のような刃を持つ刃噛剣が赤熱し、熱気の煙を放ち始める。一方で左手に握られた暴風を纏う不可視の刃、風迅刀が徐々に火花を散らし始める。その輪郭が炎の膜に包まれ、柄の先に短い火災旋風が巻き起こった。
「ギギィ!?」
 暴力的な炎を見て、露骨に仔竜たちが怯え始める。つかさが一歩進むと、仔竜が僅かに後退る。頭を垂れ、身を縮める者もいるが、彼女にとっては等しく攻撃対象に過ぎない。
 決死の覚悟で一匹の竜が彼女に飛びかかる。爪を体の前に突き出し突撃した彼だったが、その爪がつかさの体に食い込む前にガチリと刃噛剣に受け止められた。熱を放つその刃が仔竜の脚部を焼け焦がし、たまらず仔竜が爪を離す。
 ならばブレスで対抗を、と数匹がまとまって花弁の嵐を彼女に放つ。それに対し、つかさは火災旋風と化した風迅刀を渾身の力で振るった。それはブレスに混じる花弁に次から次へと引火し、向かい風に煽られた炎はさらに勢いを増し、彼らを呑み尽くした。
「仔竜の丸焼きね……まぁ、これは食べられなさそうかしら」
 彼女が冷たく見下ろすその仔竜たちは黒焦げで、とても食べられなさそうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竜石堂・はつら
温和な草食ドラゴンさんを討伐するのは少し寂しいですが、はつらさん美味しく食べるので許して貰いましょう!
はつらさん固い肉も大好きですっ、丸焼きとかで、かじかじしてジューシーさを味わいましょう!

とりあえず小さい子達ですね!
はつらさんの大きな斧を持って蹴散らしていきますっ
草食ですから牙とか鋭いところはないと思いますので爪に気を付けましょう!
じゃれついてきたドラゴンさんはいい感じの布をヒラヒラさせつつ避けつつ
はつらさんアックスをブンブンと振り回しつつ真ん中に突撃しますっ
大木とかは斧でこんこんとんとん切り落とすに限りますね!

いっぱいに囲まれても泣かない精神で頑張りましょう!



 グラスアボラスの討伐。危険な個体ではあるが本来は温和なドラゴン。それを殺す点について、竜石堂・はつら(どこかのはつらさん・f01374)は多少なりとも寂しい思いがあった。が、美味しく食べるので許してもらおう、ということで瞬時に自分を納得させた。はつらさんは現金である。
 彼女はその小柄な体躯に似合わぬ無骨で巨大な斧を振り回しながら、残る仔竜たちに突撃していく。その暴風は空を飛ぶ仔竜たちにとっては、羽ばたく翼のバランスを大きく崩されるものであった。
 飛び方を誤った仔竜たちを、さらにアックスで両断していく。破れかぶれでバランスを崩したまま爪で攻撃してこようとするドラゴンもいたが、いずれも彼女の「いい感じの布」でひらひらと軌道を逸らされ、その爪は届かない。
「え〜〜い!」
 ぐるぐる、さらに回る。もはや仔竜たちは彼女に近付けず、ただ暴風に吹き荒らされるのみである。ある一匹。賢しい仔竜は風に煽られぬようにと地上に伏せ、はつらに襲い掛かろうと狙っていた。
「うーん、はつらさん回りすぎました。目が回ります……」
 はつらは目を回し、回していた斧を地面に取り落とす。落ちた斧を中心に大きなクレーターができたが、運の悪いことに、地に伏せていた仔竜はそのクレーターの中心にいた。その安否は、もはや確認するまでもない……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『息吹の竜『グラスアボラス』』

POW   :    フラワリングブレス
【吐き出された息吹 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【咲き乱れるフラワーカッター】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ガーデン・オブ・ゲンティアナ
自身の装備武器を無数の【竜胆 】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    フラワーフィールド
【吐き出された息吹 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を花畑で埋め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ナイツ・ディンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 仔竜の群れが消え、ひとまず村は安寧を取り戻した。村人は歓声を上げ、猟兵たちに拍手を送る。
 さて、次は本命のグラスアボラスだ。この村からやや離れた花畑に奴はいる。配下の仔竜が倒されたことはすでに察し、臨戦態勢でいるだろう。
 村を守るため……そしてその肉を食らうため。猟兵たちはグラスアボラスの狩猟に臨む!
竜石堂・はつら
次はでっかいドラゴンさんですね!
村から少し離れてはいますがドラゴンさんにとっては一瞬の距離、放置なんて出来るわけがありません!
はつらさんも村とお腹を守るために頑張りますっ

呼吸音を良く聞いてブレスの予備動作に気を付けつけて、残像でさっと避けられるようにします
そしてこそっと近づいて、先に杏華さんが言っていた柔らかそうな部位をはつらさんブレイドですごい突きでぷすーっと刺します!

それで動きを止めたら剣刃一閃で翼をビリビリにしちゃおうと思います
これでドラゴンさんが飛びにくくなれば、お肉になるときも近いですよね!

皆さんでわーわーすればあっという間にステーキですねっ、いただきますは近いですっ!



 次はでっかいドラゴンさんですね! と、はつらは引き続き進撃し花畑の中心に佇むグラスアボラスと相対した。竜は眼前の敵に警戒し、浅い呼吸を繰り返す。浅いといえどその体は巨大、生暖かく圧力の強い風が彼女の体に打ち付ける。
 ドラゴンはどうやらはつらが素早く動くであろうと警戒し、それに対応するべく呼吸を浅く保っていたようだ。しかしはつらは動かない。それを受け、グラスアボラスは先手の攻撃のため息を深く吸う。
 そこからブレスが来ると読んだはつらは、それの回避のために腰を落とし動向を見た。ブレスをより広くまで届かせるため、ドラゴンは頭を左から右へ振るう。その視界がブレる瞬間を狙い、はつらは残像を展開。それが本物か否か、判断するだけの視界は彼にはない。結果、ブレスの射程に捉えたと見たはつらはすでにグラスアボラスの背後まで逃げ切っていた。
 その有利を活かし、こっそりと彼女は近付いていく。事前に聞いたサーロインやヒレの肉質の柔らかい部分。おおよそ腰の辺りを探し、はつらさんブレイド(刀)を突き刺した。
 柔らかくともそこは腰、非常に重要な器官だ。痛覚神経も多く集まっている。グラスアボラスは大きく身を捩りながら悲鳴を上げ、反射的に翼を大きく広げた。
 広がった翼に、すかさずはつらは剣戟を叩き込む。刀で翼膜が切り裂かれ、もはやその翼は風を捉えることはできないだろう。
 退路は絶たれた。グラスアボラスは目の前の敵を根絶やしにする覚悟をその眼の奥に宿し、咆哮した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルフィ・ヴェレキア
リース(f01364)と参加
呼称:猫さん

あ、グラスアボラスさんって食べられたんだ?
よーし、じゃあ美味しいお肉の為にあと一頑張りだよ!

じゃあ、今度もバトルキャラクターズでゲームの皆に頑張ってもらっちゃおう!
あ、そういえば相手がドラゴンなんだから、ドラゴンを狩るゲームの皆がいいかな。
よし、じゃあゲームを切り替えて、召喚!
皆、今度は頑張って攻撃しよう!一人で無理なら合体してがんばっ!
猫さんは援護お願いね?
あたしは今回も後ろから頑張って応援するからね!

アドリブ可


リース・フェンディット
引き続きエルフィ(f04586)と参加

「あれが目当てのおにk・・・エモノニャ?」
エルフィのバトルキャラクターに前衛を任せて離れた位置からライオンに乗ってさいこがんで援護射撃
こちらにターゲットがこないよう加減しつつチマチマと削る
敵の攻撃はライオン任せの素早さでなるべく距離を取る
余裕があれば敵がブレスなどで攻撃する瞬間に開けた口の中を狙う
「的が大きいから滅多なことじゃ外れないニャ?」

アドリブ可



「あれが目当てのおに……エモノニャ?」
「よーし、じゃあ美味しいお肉の為にあと一頑張りだよ!」
 リースとエルフィは村の時と同じようにコンビを組んでいた。エルフィがゲームのカセットを切り替えると、ドラゴンや獣の類を最大四人で狩る形式のゲームキャラたちが現れる。その形式に合わせ、ゲームキャラクターは四体ずつで合体。各々の武器を構えつつ、リースをかばう盾となった。
 彼らは身の丈ほどの大剣やスピードを持つ双剣を持ってグラスアボラスに殺到する。小さなキャラクターといえど、その攻撃力は高い。ドラゴンの体に傷が増え、出血とともに露出する肉が増える。おそらくゲーム通り、二十分ほどかければ彼らだけでの討伐も可能だろう。
 そしてそれらの後ろから、リースはさいこがんで射撃を行う。その足は黄金のライオンに任せ、ターゲッティングされない程度の牽制射撃。威力が軽減されたビームが数発、グラスアボラスの身に降り注ぐ。その革の表面が少し焦げる。
「的が大きいから滅多なことじゃ外れないニャ?」
「グルルル……ガァァ!」
 彼らの作戦は確かに仔竜たちを寄せ付けなかったものだ。だが、目の前にいるのは仔竜が倒れたことを自らで感知できた竜。同様に、彼らの作戦もまたグラスアボラスには経験済みのものだった。
 攻撃を続けていたリースは、竜の体から青い花弁が風に乗って流れてくるのに気付いた。それは旋風のようにドラゴンの体の周囲を渦巻き、そしてグラスアボラスが羽を大きく広げると散っていった。
 散った花弁は暴風の中で吹き荒れる。それは仔竜らが吐いていた生命力を奪う花弁とは性質を異にする。それはシンプルに皮膚と肉を切り裂く刃であった。
「うわわわ!?」
 射程に入り込んだ対象の全てを襲う広範囲攻撃。エルフィが展開したゲームキャラクターたちは、ゲーム内ではありえない「回避不能の攻撃」を前に倒れていった。
 それでも彼らはリースを守ろうとしたが、360度から襲い来る花弁を防ぐことはできない。リース自身なんとか射程から出ようとライオンを走らせるが、ライオンは足を切り裂かれその場に倒れこむ。
「ニャッ!?」
「猫さん! 危ないよ!」
 放り出されたリースを後ろで応援していたエルフィが助け起こし、なんとか攻撃範囲内から逃れる。しかし、このままやられっ放しのリースではない。彼はエルフィにその身を支えてもらいつつ、グラスアボラスを睨む。
 ドラゴンは咆哮を続けていた。それは威嚇のためか、能力維持のためか。いずれにせよ、好機。狙いを定め、その口の中に向けて精神力の弾丸を打ち込んだ。
「グガァ!?」
 ドラゴンが口を閉じ、頭を振る。致命的な一撃とは成り得なかったものの、それは花弁の嵐を止めるために役立ったようだ。無差別の攻撃が止み、再び猟兵が接近できるようになった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

リリサレナ・ハイヴァーン
やっぱり食うなら草食竜よね。

よし、デカ物だし今回は手加減無しよ!

槍を戦乙女の雷槍に変えて雷神槍を放つわ
【力溜め、怪力、槍投げ、視力、スナイパー、属性攻撃、串刺し】

ッらぁ!!!!!!



 リリサレナは、自らの攻撃に先立って行われた敵の攻撃……花弁の嵐を吹き荒らすユーベルコード、ガーデン・オブ・ゲンティアナに警戒していた。
 予備動作がわかりづらいあの攻撃、それを受けないためにはそもそも接近をしないことが重要だった。そこで、彼女はある一本の槍を握りしめる。
 その握る力に呼応するように、槍の柄が雷を放つ。バチバチと音を立てるその電撃は徐々に強くなり、槍全体が光り輝く。稲光と化したそれを、リリサレナは投げつけた。
「雷神槍ッ!!!」
 その槍の一撃は空気を走り、一瞬にしてグラスアボラスの腕に突き刺さった。雷の槍はそのまま帯電し、再び激しく明滅する。それは周囲への放電であった。反撃のため、再度自らの体の一部を花弁に変えようとしていたドラゴンは、その追加の電撃によってその行動を潰される形となった。
 しばし放電した後、戦乙女の雷槍は忽然と姿を消す。それはグラスアボラスに突き刺さった時と同様、一瞬にしてリリサレナの手元に戻ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

緋月・透乃
よし、次は本命のドラゴンだね!
見た目はあんまり強くなさそうだけどドラゴンだからきっと強いよね!
食べる前にスリルのある楽しい戦いができるといいね!

息吹に当たると危なそうだけれど、斧を使うから接近するしかないね。
首と口の動きに気を付けつつ、力を溜めてチャンスを待つよ。
そして突撃と見せかけて、バトルアックスを投げつけて不意を突いてから、接近して重戦斧【緋月】を使った捨て身の【罷迅滅追昇】にかけるよ!
一度近づいたら離れずに攻撃を続けたいね。そのほうが息吹に当たりにくそうだからね。



 傷が増えてきてはいるが、グラスアボラスはまだまだ健在。かつ、本来が温和そうな顔つきのドラゴンだ。見た目から油断しそうになるが、そんな自分を戒め透乃は重戦斧【緋月】を構え直す。
 ブレスによる攻撃が来ると読んだ透乃は、拡散する息吹に当たらぬようにジリジリと距離を詰めた。あまり接近すると今度は前腕による直接攻撃や花弁の嵐による攻撃が来てしまうが……それもまたスリルというものだ。
 ドラゴンは首と目をグルグルと動かし、次の攻撃対象を選別しているようだ。その視線が自身から逸れた瞬間、透乃は突撃した。
 が、グラスアボラスもすぐさまそれに気付いた。その口に空気が集まり、突風となって口内に取り込まれていく。この距離、スピードでは、彼女がちょうど口元に辿り着いたタイミングでブレスが発射されてしまうだろう。
 それに対し、透乃はどこかから比較的小型のバトルアックスを取り出すとそれをドラゴンの口めがけて投げつける。それはちょうど、敵の突き出した犬歯に直撃。牙にヒビが入り欠け落ち、その衝撃にドラゴンの呼吸が一瞬止まる。
 透乃は本命である斧の攻撃が届く距離まで辿り着いた。だが、まだ彼女は止まらない。これ以上接近すれば、敵の牙により無防備な体に食いつかれる危険があるにも関わらず。ついに彼女は止まることなく、その牙に向かってショルダータックルした。
 それはグラスアボラスの頭を僅かに後ろに仰け反らせた。しかし、それで十分。透乃の視点から顎が見えたのだ。地面を抉りながら、その下に斧を滑りこませる。
「くたばれ、消え去れ、あの世の果てまで飛んでいけー! 罷迅滅追昇!!」
 巨大斧による打ち上げが敵の顎にクリーンヒットした。無理やり咬み合わせられた牙はその勢いに負けへし折れる。口内から血をダラダラと流しつつ、グラスアボラスが前腕で周囲をなぎ払った。
 透乃はそれを難なく回避し、敵の近くに留まり続けた。結果、彼女の存在そのものが大きなプレッシャーとなって、敵の動きを制限していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒谷・つかさ
(焦げた仔竜を齧りながら)
……小骨が多くて食べずらいわね。
やっぱ食べるなら本命の方か。

さて。
さっきの仔竜と特徴が同じなら、花弁のブレスが炎に弱いのは同一のはず。
ついでに花畑に陣取ってるのも、自分の得意なフィールドって可能性が高いわね。
ということで先ほどと同様、まずは【五行同期・精霊降臨術】を発動。
同じく火行と木行を強めに降ろして炎熱の力を得る(攻撃力強化する)わ。
その上で、風迅刀の風の「属性攻撃」と組み合わせて火炎の嵐を巻き起こし、グラスアラボスの周辺ごと纏めて攻撃。
当然グラスアラボスにダメージを与えるつもりだが、本命は花畑を焼き払う事。
フィールド属性の書き換え……効いてくれるといいんだけど。



 つかさは先ほど焦がした仔竜をバリバリ食べつつ、グラスアボラスの様子を窺っていた。
 ある程度以上の傷を負わせているにも関わらず、敵の動きに翳りがないのは何故か? その答えとして、彼女は竜の前腕の傷が少しずつ塞がっていっているのを見た。
(なるほど。自分の得意なフィールドだから……ってわけね)
 グラスアボラスの足元には花畑が広がっている。そこから何かしらの生命エネルギーの供給を受けているのだろう。口の中に溜まった仔竜の小骨を吐き捨て、不可視の刃風迅刀を構える。
 敵のドラゴンは先ほどの仔竜に似た性質を持っているらしい。であれば、そのブレスの持つ弱点も似たものだろう。再び自らとその刀身に火と木の力を降ろし、火災旋風の剣を作り出す。
 が、敵の性質を知っているのはグラスアボラスも同様であった。炎の旋風と化したあの刀にブレスをぶつけてはいけないと、仔竜たちの戦いからわかっていたのだ。結果、竜は自らの足で走り寄り前腕による直接攻撃を狙った。
 地面が大きく凹み、つかさは辛うじてその攻撃を回避する。その挙動から、彼女も理解した。敵はブレスを使うつもりはないのだと。だが関係ない、つかさは容赦なく風迅刀を振るい、炎の風をグラスアボラスに浴びせかけた。
 それを、彼は身を固めてガードする。熱は弱点であるが、防御に専念すれば致命的なものではない。やがて火災旋風が止み、耐え切ったグラスアボラスは頭を上げ、つかさを睨む。そして……違和感に気付いた。
「あなたのテリトリーはもうなくなったのよ」
 竜の足元の花畑は、炎によって焼き払われていた。そこでは回復力も得られず、自らの力も制限される。再度花を咲かせようにも、焼けた地面に生命は宿らない。撤退し場所を移そうにも、翼はすでに破られている。
 グラスアボラスはいよいよ追い詰められた。忌々しげに喉を鳴らし、地面に爪が食い込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒谷・つかさ
妹(荒谷・ひかる(f07833))と共に

効いてるけれど、このまま少しづつじゃ埒があかないわね。
本当は後ろでゆっくり待ってて欲しかったんだけど、仕方ない。

炎はもう警戒されている、なら別の弱点を考えて突くわ。
草木、つまりは木行なら、金行……金属や雷に弱いかもという事で【五行同期・精霊降臨術】を発動。
強化は金行を主に土行で補助し、土中の金属を纏わせて零式・改二をより鋭く、巨大な剣へと変貌させる(攻撃力強化)。
そして本命の時間を稼ぐため、足元を回避重視で動き回ってちくちく攻撃。
本命の積乱雲が出来上がったら勝負よ。
ジャンプで奴の背中に飛び乗り、大剣をぶっ刺してそのまま離脱するわ。

ひかる、〆はお願いね。


荒谷・ひかる
お姉ちゃん(荒谷・つかさ(f02032))と一緒に

お姉ちゃんに頼られるなんて、嬉しいなっ
ようし、頑張っちゃうよ!
精霊さんも、お願いね!

お姉ちゃんがグラスアラボスの意識を引き付けている隙に【エレメンタル・ファンタジア】を発動。
「入道雲」に「雷」を足して、「積乱雲」を作り出すよ。
この時、速く大きくなるように水の精霊さんや氷の精霊さんにも手伝ってもらうね。
わたしも「鼓舞」技能を存分に発揮して精霊さんを応援するよ!
お姉ちゃんがドラゴンさんの背中に剣を刺したら、雷の精霊さんにお願いして雷を落としてもらうの。
おっきな金属の剣だから雷もよく落ちるだろうし、全部当てちゃうよ!

えへへ、見てた見てた~?



「ふむ……このまま少しずつじゃ埒があかないわね」
 つかさは大剣『零式・改二』を地面に突き刺す。続けて五行の精霊に呼びかけると、その剣が鼓動を打つように規則的に震えた。
「ひかる、〆はお願いね」
 つかさに声をかけられた荒谷・ひかる(精霊ふれんず癒し系・f07833)はひょっこりとその姿を表す。
「お姉ちゃんに頼られるなんて、嬉しいなっ。ようし、頑張っちゃうよ! 精霊さんも、お願いね!」
 笑顔のひかるが片手を上げ、精霊たちに呼びかける。水の精霊、氷の精霊、それに彼女自身のユーベルコードの力が合わさって、空に雲が現れる。
 頃合いと、つかさは地面に刺していた大剣を引き抜く。それは、突き刺す前と比べて明らかにその長さが伸びていた。本来の刀身の先端に、地中の金属を無理やり固めたものが付いていたのだ。
「行くぞッ!」
 つかさは大剣の重さも長さも感じていないかのように、身軽にグラスアボラスの足元に迫った。ブレスを吐くつもりのないドラゴンは、再びつかさに向かって走ると地面に前腕を叩きつける。
 彼女はその軌道を剣で逸らし、身を躱した。その攻撃は確かに重いが、明らかに花畑があった頃よりも弱体化していた。
 つかさを捉えようとグラスアボラスは両前足を振り回す。それを彼女はいずれも躱していった。傍から見ればそれは防戦一方であるように見えただろう。だが、そうではない。
 空にできた積乱雲はすでに相当の大きさになっていた。太陽を覆い隠し、辺りを暗くする。ゴロゴロと空が鳴り、稲光が見える。
「お姉ちゃん! いつでも準備オッケーだよ!」
「わかったわ」
 つかさは逃げるのをやめる。全てはこの雲が完成するまでの時間稼ぎだったのだ。だがその目論見はグラスアボラスにはわからない。あと少しで捉えられよう、と全身で突っ込んでくる。
 彼女はドラゴンの鼻先を足場にして高く跳び、それを避ける。同時にその背に、深く零式・改二を突き刺した。
「グギャァァァ!?」
 駄目押しに、剣の柄に踵落としする。一層深く食い込んだその剣は、しかしそれ自体は幸か不幸か急所を逸れ、ドラゴンの命を繋ぎ止めた。
「行くよ! みんな離れて!」
 ひかるの言葉と共に、雷鳴が強くなる。黒雲を破ろうとするようにバリバリと音が鳴り、そして……この場で最も高い位置にあり、金属質なもの。大剣の柄に、落雷した。
 その衝撃は瞬時にグラスアボラスの体中を駆け巡った。その皮膚の表面を一部黒く焦がし、沈黙した。
 ひかるの精霊が力の行使を止めると、すぐに雲は散り去っていった。雲ひとつない青空の下、すでに軽く焼かれたグラスアボラスの死体が照らし出される。
 討伐……完了!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『いきなり!ドラゴンステーキ』

POW   :    食って食って食いまくれ!!!

SPD   :    ガーッと一気に食いまくれ!!!

WIZ   :    いろんな食べ合わせで美味しく食いまくれ!!!

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「皆さん、どうもありがとうございました!」
 村人たちがグラスアボラスの死体の前に集まってくる。信じられないものを見るようにそれにペタペタと触れる者も多い。
「いやまさか、この人数で本当にドラゴンを倒しちまうとは……恐れ入りました」
 まぁそんな事よりも、猟兵たちには大事なことがあった。そう、グラスアボラスの肉である。
「このドラゴン、これから村に運んで捌きますんで。皆さんにはお礼としてぜひ、それを使った料理とかを振る舞わせていただきますんで!」
 今こそドラゴンステーキを食べる時だ!
緋月・透乃
強敵だったけど、倒せてよかったね。なかなか楽しめたよ。

そしてっ、お待ちかねのっ、ドラゴン肉!
草食ならあまりにおいはなさそうだね。まあ、あってもいいけどね。
ヒレ、サーロインは美味しいらしいね!
タンとか内臓類もいけそうなら食べてみたいね!
他にも食べられそうな部位はどんどん食べてみるよ!
ドラゴンを食べる機会なんてなかなかないし、できるだけ食べたいね。お酒もあるとうれしいねー。
料理は得意な人にまかせるよ。特に好き嫌いはないから、色々な料理を食べたいね。
食べながら、村の人達に戦闘の様子とかを話すとより盛り上がったりするかな。



「で、その時この斧でドラゴンの顎をバキーッ! とね! 牙が折れてたのはそれだよ」
「へえぇー……やっぱ冒険者さんってのはすげぇもんだなぁ。ホイ、焼けたぞ!」
「ありがとう! いただきまーす!」
 透乃は村人に武勇伝を語りつつ、ドラゴンの肉を楽しんだ。フードファイターの面目躍如といったところか、彼女は主に高級な食材として出回っているサーロインやヒレ肉のステーキをまず食べてみた。しっかりとした歯応えでありながら固くなく、絶妙な反発を与えてくれるサーロインの肉質。肉の繊維とその間から旨味が溢れてくるヒレ肉。
 それらからドラゴンの可能性を見出したのか、或いはフードファイターの好奇心か。彼女は試しに村人にタンを焼いてくれるよう交渉したのだった。
 舌を食べる風習はこの辺りにはないのか、村人たちは不思議そうな顔をしながら鉄板でとりあえず焼いたそれを持ってきた。
「そんなもの旨いのかい? そもそも食えるのか?」
「それは食べてからのお楽しみ、って奴だね……!」
 透乃は鉄板の上に無造作に切って置かれた舌を、自分のグルメツールで小さく切って一口食べてみた。中までしっかり火は通っている。噛んでみると弾力があり、一噛み二噛みでは歯が軽く跳ね返される感触があるが、同時にやや淡白な旨味が溢れ、ソースと口内で混じり合う。
 それもやがて噛み切れ、飲み込む。あまり食べた経験のない味わいだが、確かにそれは美味しかった。もう一切れ食べる。どんどん食べる。
「うん、おいしーい! 次内臓とかあったら持ってきてもらえる!?」
「えぇっ、まだ食えるのか!?」
「しかも内臓!?」
 村人の驚嘆をよそに、透乃の食欲はまだまだ収まらなかった。ドラゴン肉のパーティはまだ始まったばかりだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

リース・フェンディット
エルフィ(f04586)と参加

「一緒にお料理するニャ」
血抜きしたり、切り分けたりするところから手伝う。

「固いお肉は柔らかくなるまでじっくり煮込むニャ」
ステーキに使わないようなちょっと固いところのお肉を貰って、まほーのおなべ(圧力鍋)を使ってビーフシチューならぬドラゴンシチューを作ってみる。

「美味しいお肉なら余計な味付けはいらないニャ。シンプルに塩コショーだけで焼いてみるニャ」
自分の分を分けて貰ったら持ってる調味料で味付けてミディアムレアくらいで焼き上げる。

アドリブ可


エルフィ・ヴェレキア
リース(f01364)と参加。
呼称:猫さん

わーい!お肉!お肉!
さっそくあたしと同じくらいの大きさに切ったお肉を貰ったよ!
よーし、これを背負って、鉄板まで飛んでこー♪

……お、重い……。
あと、ちょっとで、てっぱん……。
つい、たぁ……。
じゅううううううううううう。

し、しぬかとおもったよ。
でもお肉はしっかり焼けたね!
猫さんに味付けしてもらったし、さっそく食べちゃおー!

アドリブ可



 村に運び込まれたグラスアボラスは地面にそのまま横たわっていた。背中側から切り開かれたらしく、そこから流れ落ちる血によってか全身が血塗れになっていた。食用肉の解体現場は非常にスプラッターなものである。
「一緒にお料理するニャ」
「おっ? 手伝ってくれんのかい? いやそもそもできるのかい?」
 リースは村人から解体用ナイフを受け取ると、グラスアボラスによじ登り、血まみれの肉の中に入っていった。すでに結構な量の肉を採取されたらしく、中は空洞気味で彼の全身が入るほどだ。
 そこからおそらく食べられないであろう筋肉質な肉や背骨の一部が伺える。リースは一部の食べられそうな肉を切り落とすと、再びよじ登ってグラスアボラスの外に出た。ブルっと体を振るうと辺りに竜の血が飛び散る。
「猫さーん、お肉ちょうだい!」
「はいどうぞニャ」
「わーい! お肉! お肉!」
 リースはパタパタと飛んできたエルフィにやや無造作に肉を渡す。それはだいたい全長で彼女と同じくらいのサイズで、それを受け取ったエルフィは意気揚々とパーティ会場の酒場へ戻っていく。
 一方リースは手元に残った肉を見て、やや足りないと見るや今度はドラゴンの前腕の方に向かって歩いていく。
「この辺りの肉はどうするニャ?」
「ん? この辺は硬いしな。骨を取るためにこそげ落とすが、ほとんど捨てるぞ」
「じゃあ、それ貰うニャ」
 前腕の筋肉は発達し、非常に硬い。だがそれは焼いたりして調理すればの話だ。彼の持つまほーのおなべ(圧力鍋)で煮こめば、或いは食べられるかもしれない。
 リースはその肉を貰い圧力鍋に入れると、エルフィを追って会場に入っていった。

「……お、重い……」
 エルフィは自らが背負った肉に潰されかけながら飛んでいた。当然といえば当然である。自分と同じサイズの肉を持っているのだから。だがあともう少しで鉄板だ!
「つい、たぁ……」
 彼女は鉄板の上にそれを落とすと、ジュウウウと肉の焼ける音、そして油っ気を含んだ熱気が立ち上がる。
「し、しぬかとおもったよ〜」
「お疲れニャ。席で待ってるといいニャ」
 追いついたリースが自分の分の肉を焼きつつ、隣のエルフィの肉にも手早く塩コショウをかけていく。
「美味しいお肉なら余計な味付けはいらないニャ。シンプルに塩コショーだけで焼いてみるニャ」
同時に近くの火を使って前腕の肉に軽く味付けし、シチューも作り始めた。
「おぉ? なんだか別の旨そうな匂いがするな」
 シチューの匂いは他の参加者たちにもすぐに伝わった。デミグラス風味の汁がコトコトと音を立て煮える。
「固いお肉は柔らかくなるまでじっくり煮込むニャ。まだ食べられないけど、これもあとで配るニャ。待ってるニャ」
「おぉ、楽しみにしてるぜ!」
「猫はグルメって言うからな」
 ワイワイと遠ざかっていく声。リースの意識はシチューや喧騒からグリルの上のステーキに移った。表面の焦げ具合や火力から、最適な焼き加減を模索する……そしてカービングフォークでその肉を突き刺すと、鉄板の皿の上に載せた。
「お待たせニャ」
 リースはそれらをエルフィの待つ席に持っていく。香ばしい肉の香りをスパイシーな胡椒の風味が引き立てる。
「それじゃ、いただきまーす!」
 エルフィとリースは手を合わせると、一口切ってそれを食べる。口の中に野性味あふるる匂いと、ハーブのような匂いが広がった。それはまさにグラスアボラスの放つ体臭に似ている。
「なぁ、あのシチューは?」
「あぁハイハイ、ちょっと待つニャ」
 リースは村人にせがまれ、厨房に戻っていく。シチューの火加減を見なければなるまい。狩りとはまた別種の戦いが始まろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リリサレナ・ハイヴァーン
POW
よし!食べるわよ!!!
神狼召喚のブラックとドラゴンランスのクーロも交えて食べまくるわ

ほらクーロ~、強いドラゴンの肉よ~。これ食べれば立派な竜になれるわよ!

くわっくわと可愛らしく張り切っちゃってるわね~!かわいい!
すくすく育て!30cmの壁を越えるのよ!

ブラックももりもり食べちゃいなさい!あっヒレ肉はダメよ!ヒレ肉は私のだから!
なによ、別に取らねーよみたいな顔してんじゃないわよ。
いいでしょ別に、好きなんだから赤身。苦手な脂身が全然無いんだもん。

あ、肉は極厚で焼き加減はレアね!
あぁ~、やっぱ肉は塊で食べるのが最高ね!いくらでもいけるわ!
なんかもう妊婦さんみたいになってきたけどまだ全然行ける!



「よし! 食べるわよクーロ、ブラック!」
 リリサレナが召喚した漆黒の狼ブラックの大きな体に酒場はザワついた。が、それが害のない大人しい生き物だとわかるとそのざわめきも消えていく。
「あ、肉は極厚で焼き加減はレアね! みんな同じ焼き方でいいから、どんどん持って来ちゃって!」
 そして彼女の注文通りにどんどん持ってこられた肉は、ジュウジュウと音を立てながら彼女と二匹のペットの前に出される。誰が先にともなく、三者は食べ始めた。
 黒色の仔竜クーロは焼けた肉を啄み、口の中でハフハフと冷ましながら勢い良くかぶりついていく。
「ほらクーロ~、強いドラゴンの肉よ~。これ食べれば立派な竜になれるわよ!」
「クワッ、クワッ!」
「可愛らしく張り切っちゃってるわね~! かわいい! すくすく育て! 30cmの壁を越えるのよ!」
 ひとしきりクーロの応援を済ませたリリサレナは続いて自分の肉にとりかかる。それまでの間にすでにブラックは自分の分の肉を半分ほどまで減らしていた。その事実に、彼女は危機感を覚え自分の肉を守ろうと腕を振る。
「あっヒレ肉はダメよ! ヒレ肉は私のだから! なによ、別に取らねーよみたいな顔してんじゃないわよ」
 ちらりとリリサレナを一瞥し、ブラックは再びモリモリと肉を食べ始める。が、ブラックがすでに意識を自分の肉に向けていることに気付かず、彼女はなおも弁明する。
「いいでしょ別に、好きなんだから赤身。苦手な脂身が全然無いんだもん!」
 そしてガツガツと肉を食べ始めた。その勢いは他の二匹にも全く引けを取らない。みるみるうちに肉は消え、ブラックとリリサレナの前におかわりが持ってこられる。
「あぁ~、やっぱ肉は塊で食べるのが最高ね! いくらでもいけるわ!」
 彼女の食欲は衰えを知らず。そのお腹が漫画のようにどんどん膨らんでいっても、まだまだ彼女の前には皿が積み重ねられていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコ・ベルクシュタイン
文字通り美味しい所だけ頂戴してしまうようで恐縮だが、俺もご相伴に与れれば嬉しい限り。
戦闘で頑張った皆は本当にお疲れ様だ、其れと白神も予知に転送にとご苦労様にて。
皆で大いに食べて飲んで楽しめれば良いな。

色々な食べ合わせと言えばやはり切り落としだろうか、
平時はお買い得品というイメージがあるやも知れないが
ロースやヒレなど色々な部位を一度に楽しめるのだぞ。
捌いた際に絶対出るであろう切れ端を集めて堪能したく。

鉄板は【精霊狂想曲】で一気に加熱し
厚切りレアーで塩コショウとシンプルに頂こう
何?座って食べて良いのか?立ち食いではなく?
そういう作法だと聞いてはいたが、
きちんと席が用意されているなら有難く…。


荒谷・つかさ
ひかる、はつら、お疲れ様。
遅かったじゃないユーイ。もう仕留めたわよ。
さて、それじゃ杏華や他の皆も呼んで、ステーキパーティーにしましょ。

そういえば、ひかるは【FlyHigh】の皆と会うのは初めてね。
紹介してあげるから、挨拶なさい。
……みんな、注目ー!
はい。この子が私の妹。
で、あのドラゴンにトドメの一撃入れた本日の功労者です!
仲良くしてあげてね。

流石にこの大きさのを倒すのは骨が折れたわ。
単純に生命力あるのに加えて、回復までしてたもの。
読みが外れてたら面倒なことになってたわね。

では、いただきます。
……んー、美味しいっ!
濃厚な旨味がありながら、重すぎない味わい。
高級肉と言われるだけのことはあるわ。


荒谷・ひかる
(声をかけてきた姉に)
お姉ちゃん!……と、はつらちゃん、だね!
うん、おつかれさまーっ!
……この人たち、お姉ちゃんのおともだち?

(紹介されて)
えっとっ。
荒谷ひかる、12歳ですっ。
よろしくお願いしますっ!
(勢い良くおじぎ)

杏華おねえさんも、お姉ちゃんのおともだちなんだっ。
グリモア持ってるのって、カッコイイなー!
あっ、そろそろ焼けたみたいっ。
一緒に食べよっ!

はふはふ……おいしーっ!
なんだかいくらでも食べられそうっ。

ありがと、ヘスティアおねえさん!
わたしって言うより、精霊さんのおかげなんだよー!(自慢気)
ぶわーって雲作って、どーんって雷落としたの!

はーいっ!
ごちそうさまでした!


ヘスティア・イクテュス
ドラゴンステーキと聞いてわたしも参加よ。戦った皆はお疲れ様

あら、つかさの妹?ドラゴンに止めの一撃は流石つかさの妹ね
えぇっとひかる?ほら、ドラゴン肉一緒に食べましょう
つかさもはつらも折角だから今回の武勇伝聞かせて頂戴

わたしもニコやオウカみたいに塩コショウでシンプルにいきましょうかしら
あっけど香草焼きも美味しそう

ドラゴン、全身あまなく使えるって良いわね
これ家畜化できたらどれほどの富が……

ん~シンプルな味付けでもすごく美味しいわ! 流石最高級肉
ほら、杏華、ユーイも美味しいわよ!
…オリヴィアトカゲ食べるの?


ユーイ・コスモナッツ
宇宙騎士ユーイ、ただいま見参!
助太刀しますよ、つかささん、はつらさん!
……って、あれ?
ひょっとして、もう終わっちゃってます?
二人ともさすがです

つかささんの妹さん?
わあ~、はじめまして!
年、同じくらいですよね
これからよろしくね!

えっ、ドラゴンステーキ?
ドラゴンって、食べられるんだ……
それではお言葉に甘えてご相伴に

焼き方にも個性が出ますね
ニコさんもオリヴィアさんも、
鮮やかな手つきです

ようし、私も!
くっ、このっ……あれ? あれれ?
きょ、杏華さぁん!(助け求め)

オウカさんは、
美味しそうに食べるなあ……
ヘスティアさんも良い笑顔
美人は食べる姿も絵になるなあ
富がどうとか聴こえたけれど、
きっと気のせいだよね?


オウカ・キサラギ
ドラゴンステーキだって!?ボクも参加していいの?やったー!
あ、その前にまずはみんなお疲れさまだね!こんな大物をやっつけちゃうなんてすごいね!
へー、君がつかさちゃんの妹さんかー。ボクはオウカ・キサラギだよ! よっろしくぅー!
それじゃあいっただっきまーす!……これは!噛むと同時にジュワっと広がる肉汁と、牛さんとも豚さんとも違う独特の風味が溢れてくる!
弾力があっても決して固くないし、塩コショウのシンプルな味付けとマッチしてすごく、すごーく満足感にあふれている!
ほらほらひかるちゃんが主役みたいなものなんだからもっと食べなきゃ!
食べ終わったらちゃんと忘れずにこの言葉は言わないとね!
ごちそうさまでした!


竜石堂・はつら
わー、皆さんとお肉パーティですね!
武勇伝ですか? はつらさんはペタペタってやってグサーって頑張りましたっ!
ひかるさんはじめましてっ、見事なトドメの一撃でしたね!

ドラゴンステーキって食べるの初めてですからはつらさんとっても楽しみですっ
お肉もぐもぐ、おいしいです!
味はそうですね、おいしいです!
お肉は固い方が好きなのでお肉はいっぱい焼いて、骨もかじかじしますっ
ユーイさんっ、お肉、そのまま焼く、おいしいです!
皆さんの焼いたお肉も頂きますっ、おいしいです!

とにかく美味しくって頑張った甲斐がありましたね、杏華さんお誘いありがとうございましたっ
皆さんもおつかれさまでしたっ


オリヴィア・ローゼンタール
皆さんお疲れさまです
ありがたく、ご相伴に与らせていただきますね

かなりの巨体ですね、これを倒すのは苦労したことでしょう
折角なので【守護霊獣の召喚】で獅子を呼び出し、私の分を分けてあげます
機動力に戦闘力、嗅覚といつもお世話になっていますから
……硬い部分の方が歯応えがあっていい?
そういうものですか?

炎を操るのには慣れているので、応用してお肉を焼きましょう
料理も色々覚えたのですが、これほどの量を扱うのは初めてですね

いい感じに焼けましたね
ひかるさん、こちら焼けましたのでどうぞ
私もいただきます
ふむ、昔非常食にしていたトカゲよりジューシーで美味しいですね
えっと、その、私の世界は食料が乏しかったので……



「宇宙騎士ユーイ、ただいま見参! 助太刀しますよ、つかささん、はつらさん!」
 意気揚々と馳せ参じたユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)は、まず最初に依頼の主目的であったグラスアボラスが地面に杭とロープで縛り付けられているのを目撃した。
「……って、あれ? ひょっとして、もう終わっちゃってます?」
「遅かったじゃないユーイ。もう仕留めたわよ」
 つかさは少し遅れてきた助太刀に苦笑しつつ、やって来た仲間をパーティ会場の酒場に誘導していく。
 ユーイと同じタイミングで現れたオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)も、死体となったグラスアボラスを見上げ、感嘆の声を漏らした。
「かなりの巨体ですね、これを倒すのは苦労したことでしょう」
「えぇ、そうね。その辺りの話も、食べながらしましょうか。さて、それじゃ杏華や他の皆も呼んで、ステーキパーティーにしましょ」

 場所は移り、酒場。そこには既にぶどう酒の匂い、そしてむせ返るほどの熱気と肉の焼ける良い匂いで満ちていた。村人も猟兵も、思い思いに料理を楽しんでいる。
「戦闘で頑張った皆は本当にお疲れ様だ、其れと白神も予知に転送にとご苦労様にて。皆で大いに食べて飲んで楽しめれば良いな」
 集まった【Fly High】メンバーの中で黒一点となったニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)は、まず集った面々に労いの言葉をかけた。同時に、一同に冷えた水を配ることも忘れない。
「ありがとうニコさん。それじゃ、戦ってくれた皆も、わざわざ来てくれた皆もお疲れ様! かんぱーい!」
 杏華は水の入ったジョッキを掲げた。なお、乾杯の文化を持つ者だけがそれを返した。
「……この人たち、お姉ちゃんのお友達?」
 ひかるは隣にいるつかさにこっそりと耳打ちした。つかさはあぁ、と何事か気付いた様子で頷く。
「そういえば、ひかるはFlyHighの皆と会うのは初めてね。紹介してあげるから、挨拶なさい」
 姉はにっこりと笑い、パンパンと軽く手を叩き一同の気を引いた。
「……みんな、注目ー! はい。この子が私の妹。で、あのドラゴンにトドメの一撃入れた本日の功労者です! 仲良くしてあげてね」
 つかさは妹の肩に手を置き、自慢げに彼女を紹介した。ひかるは少し照れながらも、各々の目を軽く見回し。
「えっとっ。荒谷ひかる、12歳ですっ。よろしくお願いしますっ!」
 と、勢い良く頭を下げて挨拶した。仲間の妹分ということで、無論FlyHighメンバーからの歓迎は温かい。
「へー、君がつかさちゃんの妹さんかー。ボクはオウカ・キサラギだよ! よっろしくぅー!」
「あら、つかさの妹? ドラゴンに止めの一撃は流石つかさの妹ね。ヘスティア・イクテュスよ」
 オウカ・キサラギ(お日様大好き腹ペコガール・f04702)とヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)もひかるに軽い自己紹介を返す。
「ありがと、ヘスティアおねえさん! わたしって言うより、精霊さんのおかげなんだよー! ぶわーって雲作って、どーんって雷落としたの!」
 ひかるのその言葉は、まるで自分より精霊の強さを知ってもらいたいかのようだ。
「さて……では、俺は厨房を借りてこよう。君達もそろそろ肉を食べたい頃合いだろう」
「あ、じゃあ私もお肉焼きにいくよ。楽しみにしててね皆!」
「おぉっと、私も助太刀しますよ! 今度こそね!」
「では、私も。火の扱いには慣れていますからね」
 ニコ、杏華、ユーイ、オリヴィアの四名が厨房に入っていく。ドラゴンステーキの調理が始まった。

「荒れ狂え精霊よ、汝らは今こそ解き放たれん!」
 戦闘場面のような詠唱が厨房に響くが、れっきとした調理である。ニコは【精霊狂騒曲】で火の精霊を刺激し、鉄板を一気に加熱した。
 鉄の下で炎が赤々と燃えているにも関わらず、彼の動きは涼やかで無駄がない。無駄にならず、様々な部位を楽しむために彼は切り落としの肉を焼いていた。それらの肉すべてに目を配り、カービングフォークを用いて焼き具合を調整していく。
「料理も色々覚えたのですが、これほどの量を扱うのは初めてですね」
 その隣では、オリヴィアが大量の肉を並べていた。半分以上はヒレやサーロインの人間が食べるための部位だが、一部は肩や脚の硬い肉だ。
 いつも戦いで世話になっている守護霊獣の獅子に与えるための肉だ。どうやら彼は硬い部分のほうが歯ごたえがあって好みらしいので、あえてそういった部位を持ってきたのだ。
「焼き方にも個性が出ますね。ニコさんもオリヴィアさんも、鮮やかな手つきです。ようし、私も!」
 一方のユーイは二人ほどの量ではなく、三枚ほどの肉を焼いていた。焼け具合をきちんと確認できる限界はおおよそこの程度の数になりがちだ。
「くっ、このっ……あれ? あれれ?」
 彼女はニコやオリヴィアのようにカービングフォークを用いて肉をひっくり返そうとしたが、肉が鉄板に張り付いてしまいうまく剥がれない。こうしている内にも肉は焼けていく。
「きょ、杏華さぁん!」
 ユーイは助けを求め、さらに隣で調理を進める杏華の方を見る。……だが、しかし。
「ユ、ユーイちゃん! これどうやってひっくり返せばいいんだろう!?」
 杏華の肉も張り付いていた。二人は大混乱である。その後ろから咳払いがひとつ聞こえ、ニコの助け舟がやって来る。彼はフォークを軽く肉の下に滑りこませ、彼女らの分の肉をあっさりとひっくり返した。
「あー……慣れないうちはヘラを使ったらいいんじゃないか?」
 同時に、二本の金属のヘラを彼は持ってきていた。それを手に入れた彼女らは、一部を焦がしながらもなんとかきちんとしたドラゴンステーキを作ることに成功したようだ。
「それでは、そろそろ持っていくとしよう。空腹は最高のスパイスだが、それも過ぎては良くないというもの」
 お盆とステーキを乗せる鉄板を持ち、ニコはそれぞれの肉を手にFlyHighのテーブルに戻っていった。

「お待たせしましたー! それじゃ、皆でいただきます!」
「いっただっきまーす!」
 オウカの元気な声が一際目立つ。彼女は手を合わせるとすぐさま肉に取り掛かった。まずはナイフで大きく切って、一口で肉を頬張る。
「……これは! 噛むと同時にジュワっと広がる肉汁と、牛さんとも豚さんとも違う独特の風味が溢れてくる!
 弾力があっても決して固くないし、塩コショウのシンプルな味付けとマッチしてすごく、すごーく満足感にあふれている!」
 カッと目を見開き、彼女は食レポを始めた。そしてまた一口。肉の繊維質の隙間より肉汁が溢れてくる。
「ほらほらひかるちゃんが主役みたいなものなんだからもっと食べなきゃ!」
 食べながらも、オウカはひかるへの配慮も忘れていなかった。その背中にポンと軽く触れながら促す。
「えぇっとひかる? ほら、ドラゴン肉一緒に食べましょう」
 ひかるは初めて食べるその肉に緊張していたが、二人に促されると恐る恐るそれを食べてみる。初めはその熱さに驚かされていたが、温度に慣れればソースの甘酸っぱさと野趣あふるる肉の風味、そして旨味が彼女の口内で巻き起こった。
「おいしい! おいしいねお姉ちゃん!」
「ええ。濃厚な旨味がありながら、重すぎない味わい。高級肉と言われるだけのことはあるわ」
 つかさもまた軽く食レポをしつつ、口元を少し紙で拭った。
「つかさもはつらも折角だから、今回の武勇伝聞かせて頂戴」
 ステーキを食べつつ、ヘスティアは戦いの様子を二人に尋ねた。二人は少し考える様子を見せる。
「流石にあの大きさのを倒すのは骨が折れたわ。単純に生命力あるのに加えて、回復までしてたもの。読みが外れてたら面倒なことになってたわね」
 事実、つかさによる炎がグラスアボラスの花畑を焼き払った功績は大きかった。回復能力を無効にしたことがトドメへの重要な一手だったことに間違いはない。
「武勇伝ですか? はつらさんはペタペタってやってグサーって頑張りましたっ!」
 一方で、背中の弱点を貫き翼膜を破壊するという活躍を見せたはつらが語る武勇伝は非常に大雑把であった。まぁでもはつらさんだしな、という空気感が一同の間に流れる。彼女はどうやら目の前の肉に夢中のようだ。
「はつらさん、肉はどう?」
「おいしいです!」
「味はどんな感じかしら」
「味はそうですね、おいしいです!」
「焼き加減はどうだろうか。部位はそこでよかったのか? 骨も多いが……」
「お肉は固い方が好きなのでお肉はいっぱい焼いて、骨もかじかじしますっ」
 はつらは野生児だった。その好みはだいたいオリヴィアの傍らで肉を食べている獅子と似通っていた。
「しかし、本当に美味しいわね。ドラゴン、全身余さず使えるって良いわね 。これ家畜化できたらどれほどの富が……」
(えっ何、富? 富がどうとか聴こえたけれど、きっと気のせいだよね?)
 ヘスティアは肉の向こう側に何か違うものを見ていた。俗物的な何かを。その一方で、オリヴィアは肉の向こう側に過去を見ていた。
「ふむ、昔非常食にしていたトカゲよりジューシーで美味しいですね」
「……オリヴィアトカゲ食べるの?」
「えっと、その、私の世界は食料が乏しかったので……」
 そんな影響もあってか、オリヴィアはその後しばらくするとすっかり肉を食べ終えていた。他のメンバーも、粗方肉を平らげたところのようだ。
「とにかく美味しくって頑張った甲斐がありましたね、杏華さんお誘いありがとうございましたっ! 皆さんもおつかれさまでしたっ」
「とんでもない。皆、予知に付き合ってくれてありがとうね。私一人だけじゃ予知もワープも意味ないからさ。喜んでもらえてよかったよ」
 それじゃあ今日は……と立ち上がろうとした杏華をオウカが手で制す。
「ちょぉっと待った! 食べ終わったらちゃんと忘れずにこの言葉は言わないとね!」
「食べ終わったら……そうですね!」
 ひかるもそれを察し、笑顔で手を合わせた。二人に倣い、一同も皆目の前で両手を合わす。

「「「ごちそうさまでした!」」」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日


挿絵イラスト