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漫遊世直しお散歩・信州上田編にゃ!

#サムライエンパイア #戦後


 まだ残暑が残るこのサムライエンパイアの世界は、平和を取り戻したとは言えない状況であった。
「とはいえ、少し涼しくなってきたべ……」
 収穫まであと少しという田畑を眺めながら、村人は静かに腰を落とす。麦わら帽子を団扇にあおげば、涼しい風が吹く。
「少し被害があったとはいえ、戦があったとは思えぬよのう……」
 過去の戦争では、田畑は焼かれ農民にとっては地獄のようであった。しかし、今回の戦争では猟兵の活躍の結果、被害は比較的小さかった。
「……なんだべ?」
 そんな平和な村へと、厄災が迫ろうとしていた。残党のオブリビオンだ。
「お、落ち武者だぁぁ!」
 この場所は上田城に近い場所。つまり、上杉謙信の部下であったオブリビオンの残党が落ち武者……つまり、野盗化し暴れまわっているのだ。
「うわぁぁ!!」
 野盗化したのは、妖のカモシカを使役する祟り神。
「我に捧ぐ血肉となれ……」
 サムライエンパイアの世界では、八百万の神がいる。祀られねば祟る、それが神の理とばかりに村を蹂躙していくのだった……。

「みんなのおかげで無事に織田信長を倒せたにゃ!」
 まずは、織田信長との戦争の勝利をお祝いするティットリート・ポルカル(お料理大好きなケットシー・f05382)。いつものように説明をする場所には、ちょっと豪華に手作りお菓子などが並べられている。
「サムライエンパイアの世界は、まだ落ち着いた訳じゃないにゃ」
 だけど、少し寂しそうにサムライエンパイアの世界の地図を広げ、説明を続ける。
「戦争は終わった後が大変にゃ」
 通常の戦争であれば、農民による落ち武者狩りにより、野盗化する事は少ない。それは武将であっても変わらない。かの有名な明智光秀や武田二十四将の一人、穴山信君も落ち武者狩りで命を落としたと言われている。
 しかし、今回の落ち武者はオブリビオン。やはり猟兵の力が必要である。
「にゃので、ちょっと諸国をお散歩しながら、残党オブリビオンをやっつけて欲しいにゃ!」
 そんな諸国お散歩経路を地図に記すティットリート。最初の場所は、信州上田城。
「ここで、信州上田と言えば、こねつけ餅にゃ!」
 こねつけ餅と言えば、上田城城主、真田昌幸が愛した郷土料理。胡桃と味噌を混ぜた具を、米と小麦粉で作った餅で包み込んだ郷土料理。
 そんな料理が名物の村がオブリビオンに襲われようとしているのだ。
「とりあえず、皆さんはこねつけ餅を食べながらちょっとゆっくりして欲しいにゃ」
 本来なら即座にオブリビオンを退治したいところだが、居場所がはっきりしていない。現状最善な方法は、現れるオブリビオンを迎え撃つ方法。その為に村人に避難してもらう必要があるが、それには落ち着いてもらう必要がある。
 ゆっくりしている猟兵の姿を見せれば、村人たちも落ち着いて避難が出来るだろし。秋風に揺られながら涼んでいれば相手も油断して襲い掛かってくるだろう。
「それじゃあ、よろしくお願いするにゃ~」
 そう言って、猟兵たちを送り出すティットリートだった。


雪見進
 こんにちは雪見進です。戦争は、終わった後が肝心です。諸国を漫遊しながらの世直し旅、お付き合い下さい。

『第一章』
 郷土料理のこねつけ餅を食べながらでも、流れる季節の移り変わりを涼をとりながらゆっくとして下さい。

『第二章』
 祟り神の先兵である『荒ぶるカマシシ』が集団で襲い掛かってきます。猟兵である皆さんであれば、強敵ではありませんが、村人にとっては厄災でしかありません。

『第三章』
 『時花神・紫翡翠』がボスとして現れます。神ではありますが、サムライエンパイアの世界では八百万の神がいます。中には流行り神。祟り神、疫病神と様々。この『時花神・紫翡翠』もオブリビオンですので、畏れず骸の海へと戻しましょう。

 それでは、皆さんの参加をお待ちしております。
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第1章 日常 『夕涼みの会』

POW   :    水を浴びる等して涼む

SPD   :    飲み物や食べ物で涼む

WIZ   :    木陰等でゆったり涼む

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木常野・都月
「こねつけ餅下さい。」

こねつけ餅を食べに来た。

まだヒトの生活や文化に慣れてないから、ちゃんと学ばねば。

そう、俺にとって食べる事は学びなんだ。

香ばしい餅の香りと、クルミと味噌…
ヒトの食文化は本当に凄い。凄い美味い。

俺はまだ猟兵になって間もないから、戦争にはほとんど参加していない。

でもこうして、食の文化を守ってくれた先輩方は偉大だと思うし、その守られた文化を堪能する事は、とても大事。だと思う。

ちゃんと食べたら、働くので…

「もう1皿いただけませんか?」


鞍馬・景正
大将首を討ち取ればすべて解決、とは行かぬのは他の世界でも同じですな。
然らば猟兵としては勿論、この国の武士としての使命を継続しましょう。


しかしその前に、作戦通り敵の現れるまで英気を養いましょう。
こねつけ餅と、地酒もあれば一緒に頂戴したいところです。

こねつけ餅は初めて食しますが、実に美味。
少々味噌の風味が濃い気がしますが、酒の肴としては実に相性が良い。
つい飲み過ぎてしまいそうです。

――はッ、謙信公は天下の酒豪だったと聞きますが、まさかこれを目当てにこの地へ兵を進めたのでしょうか……?

流石は軍神と感心しつつ、酔い覚ましも兼ねて周囲を散策致しましょう。
地形を把握し、この後の戦にも備えませんとな。



「大将首を討ち取ればすべて解決、とは行かぬのは、他の世界でも同じですな」
 静かに戦争のあったサムライエンパイアの世界を歩くのは鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)。彼の瞳には、どんな世界の景色が写り流れたのだろうか。
「然らば猟兵としては勿論、この国の武士としての使命を継続しましょう」
 そんな瞳の奥の想いを胸に、武士として使命を果たそうと、静かに歩を進める。
「しかし、その前に、作戦通り敵の現れるまで、英気を養いましょう」
 そう言いながら、暖簾をくぐる景正。そこは、この信州上田城近くでの小料理屋。
「こねつけ餅と、地酒もあれば一緒に頂戴したいところです」
「あいよ! こねつけ餅と酒一丁」
 威勢のいい声で答える店主。事情は聞いているはず。しかし、猟兵を信じ最後まで残り料理を振る舞おうと待っていたのだ。
「こねつけ餅下さい」
 そんな景正と別に店に入った木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)がこねつけ餅を注文する。
「へい、こねつけ餅追加で!」
 再び響く威勢のいい声と共に、厨房より漂う味噌と餅の香り。
(「まだヒトの生活や文化に慣れてないから、ちゃんと学ばねば」)
 そんな香りに気を引かれながらも、都月の目的は、妖狐としてヒトの文化を学ぶ事にあるようだ。
「おまたせ、こねつけ餅だ。あの真田昌幸様も大好きだったらしいよ!」
 上田城城主の真田昌幸も大好きだったと伝わるこねつけ餅。真田昌幸は上田城の最初の城主であり、あの有名な真田幸村(信繁)の父にあたる人物。出されたこねつけ餅は、一見すると焼きおにぎりのよう。表面の味噌がいい香りを漂わせる。 
「これがこねつけ餅ですか……」
 そんな歴史の偉人に想いを馳せながら、こねつけ餅を口に運ぶ景正。
「ふむ、初めて食しますが、実に美味」
 一緒に地酒を口に運ぶと、味噌の香りと共に地酒の香りが鼻と喉に広がり、味噌の味を際立たせる。
「酒の肴としては、実に相性が良い」
 後は陣中飯としての役割として、味噌の風味が濃いのだろう。
「香ばしい香りと、クルミと味噌……ヒトの食文化は本当に凄い」
 都月も、こねつけ餅を堪能しながら、想いを馳せる。信州こねつけ餅といっても店により差異がある。ここのは、表面がカリっとしているが、中はもっちりとしていて胡桃と味噌の具がいい塩梅になっている。
(「俺はまだ猟兵になって、間もないから、戦争にはほとんど参加していない。でも、こうして食の文化を守ってくれた先輩方は偉大だと思うし、その守られた文化を堪能する事は、とても大事だと思う」)
 すぐ横で食べている先輩・景正に心の中で感謝を述べる都月。基本的な作り方は伝えられても、店ごとの特徴は色々。それが地方の文化として様々な形となり、歴史を繋いでいく。
「これは、酒が進みますな……」
 そんな景正はつい酒が進んで、飲みすぎてしまいそう。
(「……はッ、謙信公は天下の酒豪だったと聞きますが、まさかこれを目当てに、この地へ兵を進めたのでしょうか……?」)
 そんな想いすらよぎる地酒とこねつけ餅の組み合わせを堪能する景正。そんな景正の推測が当たっているのかは不明だが、この信州に様々な想いを抱いていたのは間違いないだろう。
「……」
 隣では、あっという間に無くなってしまった空の皿を見つめる都月。
「もう一皿、いただけませんか?」
「ふふ、あいよ。気に入ってくれて嬉しいよ」
 美味しそうに食べてくれて嬉しそうにお代わりを準備する店主。対して、酔い覚ましに、軽く散策を行う景正。
 様々な想いと共に、秋風に揺れながら涼を取る猟兵たち。大きな戦いがあったのだ。今くらい、ゆっくりしても問題無いだろう。
 そんな想いと共に、都月に二皿目のこねつけ餅が運ばれてくる。その香りを秋風が空へと運ぶのだった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神坂・露
もう秋の虫が鳴いてる。夏も終わりなのね…それにしても。
「同眷ぞ…むぐ! …あv これ美味し♪」
言葉の最後をレーちゃんに遮られちゃったけど。許せないわ。
基本カミサマは見守るもので、災いを与えるものじゃない。
…まあ。悲しさや理不尽な仕打ちとかで…祟るのもいるけど…。
『君のような性質の神のみだと楽だな♪』…って。もぅ。酷いっ。
「ぷぅ~。あたし、そんなにお気楽極楽、呑気してないもんっ!」
謝っても遅いですよぉ~だ。レーちゃんも許してあげないわっ。
え?お餅奢ってくれる?あと一つお願い叶えてくれるの?!
「♪ じゃあ、今回は許してあげるわ。レーちゃん光栄に思うのねv」
えへん♪それにしてもこのお餅美味しいわ~。


シビラ・レーヴェンス
ふむ。季節…か。初めて体験する自然現象だな。面白い。
露が迂闊なことをいう前に餅を口に入れ言葉を中断させる。
「この餅は『こねつけ餅』というそうだ。…確かに美味だ」
寂しそうな悲しそうな眼差しと物言いの露に。餅を食べつつ。
「……君のような神が多いと、この世も楽だな」
思わず言ってしまったが別の解釈をさせてしまったな。
ま。いい。私の失言だ。やれやれ。
「その食べている餅代は私が払おう。まだ不満なら願いを言え」
やれやれ。機嫌も直ったか。…あ。お茶を二人分頼む。濃いので。
やたらと偉そうだがまあいい。調子を合わせておこう。今は。
…。……。………。(咀嚼中)
「…ふむ。ん。ハーブティや紅茶にも合うか。この餅は…」


木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
赤の陣羽織、まつりん似合う
(嬉しそうに襟元ぴしっと直してあげて

こねつけ餅を買って……
なに?まつりん(連れられて川辺へ

夕涼み、ん、水もう冷たい?
靴と靴下脱いで浅瀬に足をつけてみる

あ、魚いる
ちゃぽちゃぽ追いかけるけど
逃げられて
でもそれも楽しい

(水を手ですくい
まつりん、まつりん
振り返った顔に、えいっと浴びせて
たまにはわたしがいたずら(自慢気に胸張って

遊び終われば、近くの大きな石に座ってこねつけ餅

夕日、きれい
夕焼けに染まって更に赤くなった赤とんぼは「あかやけとんぼ」
おとうさん言ってた

夕日にきらきら光って飛んでいくね

そしてお餅、おいしい……(至福
この世界、守れてよかったね


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と。

いつもの作務衣に、赤い陣羽織風上着。赤備えっぽく!
うむ、おいらも、こねつけ餅を所望である♪
えっとね……(おこづかいごそごそ)、こんだけぶん、ください!

河原でキレイな石を探す。
ほらほら、ラムネのビンの色!
うわ、冷たっ。やったなー、えいえいっ♪(きゃっきゃっ)

あー、面白かったー♪
ハイ、風邪引かないでねー。(タオル渡して)

こねつけ餅に、ススキと月見草添えて、お城にお供え。
両手を合わせて、お祈り。
謙信、強かったねー。おいらも、頑張らなくっちゃ!

へー、あかやけ。
父ちゃんみたいな名前で、母ちゃんみたいな色だ!

アンちゃん、珍しくはしゃいでる。
……うん。ホント、勝ててよかった!


天羽・しおん
私、戦争には参加できませんでした
ただ、眺めるばかりで、無力でした
でも、これからのサムライエンパイアの力に少しでもなれるなら

こねつけ餅ってはじめて食べますが美味しいですね
くるみ味噌が絶品 香ばしい
しかも腹持ちがいいからひとつで満足できそう

ぱくり、と一口食べて平和な景色を眺めて
秋の風を感じて
私は強くなれるかな
できれば、強くなりたいな
(腰の刀をぎゅっと握って)

まずは私たちが落ち着かなくちゃね
戦闘がはじめてなんてばれないように
ゆっくりこねつき餅、いただきます
あ、お茶も一杯いいですか

アドリブ・絡み歓迎です



 他にも、世直しお散歩に信州を訪れる猟兵がいる。
 作務衣(いわゆる作業着)に、赤い陣羽織風上着を可愛らしく着こなして訪れたのは木元・祭莉(サムシングライクテンダネスハーフ・f16554)と木元・杏(ぷろでゅーさー・あん・f16565)。
「赤備えっぽく!」
「赤の陣羽織、まつりん似合う」
 赤備えというと、やはり有名なのは真田の赤備えだが、他では井伊家でも有名である赤備え。そんな祭莉の襟元を直してあげながら笑顔の杏。
「うむ、こねつけ餅を所望である♪」
 そんな仲良しな雰囲気の二人。
「えっとね……こんだけぶん、ください!」
 祭莉がおこづかいをごそごそと差し出す姿に、店主もほっこり。
「あいよ、こねつけ餅二人前!」
 楽しそうに用意する二人分のこねつけ餅だけど、ちょっと多めなのはご愛嬌。
「そうだ、河原でキレイな意志、探すよ!」
「え、なに、まつりん?」
 こねつけ餅が焼けるまで、近くの川へと杏が祭莉の手を引いて……途中は、引いてか引かれてか。
「おやおや……」
 そんな二人を笑顔で見送る店主。そんな店に、新たに別の猟兵が二人。
「もう、秋の虫が鳴いてる。夏も終わりなのね……」
「ふむ。季節……か。初めて体験する自然現象だな。面白い」
 こちらも仲の良さそうな神坂・露(ヤドリガミの精霊術士・f19223)とシビラ・レーヴェンス(ダンピールの電脳魔術士・f14377)が、秋風を感じながら軒先の椅子へと腰を下ろす。
「それにしても、同眷ぞ……むぐ!」
 そんな秋風と共に、迂闊な事を言いそうになる露の口へと、シビラが餅を放り込み、中断させる。
「この餅は『こねつけ餅』というそうだ」
「あ、これ美味しい♪」
 そのまま、もぐもぐと食べる露。
「……確かに美味だ」
 シビラは迂闊な事を言いそうになる露の様子を伺いながら、自身もこねつけ餅を食べる。
(「言葉の最後をレーちゃんに遮られちゃったけど、許せないわ。基本カミサマは見守るもので、災いとか与えるものじゃない。……まあ、悲しさや理不尽な仕打ちとかで……祟るのもいるけど……」)
 餅を食べながら、シビラの気遣いに答え、声に出さず独白する露。まあ、『カミサマ』は様々。そういえば、シビラも『ヤドリガミ』だ。
「……君のような神が多いと、この世も楽だな」
 そんな露の胸中を察するように、言葉を続けるシビラ。そんな言葉が、露の胸中を巡り口から紡いだ言葉は、ちょっと意外なものだった。
「ぷぅ〜。あたし、そんなにお気楽極楽、呑気してないもんっ!」
 ほっぺたを膨らませて答える露。どうやら、ちょっと言葉に行き違いがあったようだ。しかし、そんな言葉は信頼しているから出る言葉なのだろう。いわゆる『喧嘩するほど仲が良い』というやつだろう。
「やれやれ……。ま、いい。私の失言だ」
 それを露が別の解釈をしてしまったと答えるシビラ。とはいえ、そんな言葉の行き違いから感じるのは、露からシビラの『甘え』な想いではないのだろうか?
「その食べている餅代は私が払おう。まだ不満があるなら願いを言え」
 『失言』という事にして、露の気持ちを受け止めたシビラ。それは、戦いで守ってもらった想いに答える意味もあるのかもしれない。
「♪ じゃあ、今回は許してあげるわ。レーちゃん光栄に思うのね」
 途端に機嫌を直して、眩しいほどの笑顔を見せる露。その笑顔に『やれやれ』という表情を浮かべるシビラだった……。

 そんな話をしている猟兵たちとは別に、川で遊ぶ杏と祭莉。
「ん、水もう冷たい?」
「うん、気持ちいいよ」
 二人で川に足を浸して、軽い川遊び。季節の変わり目は、やはり自然が教えてくれる。山より湧き出す川の水は冷たく気持ちいい。
「あ、魚いる」
「ほらほら、ラムネのビンの色!」
 魚を追いかけたり、綺麗な石を探したり……それは、平和だから出来る遊び。酷い戦の後では、水計などの戦略に利用され、川や土地が荒れてしまう事もある。
「まつりん、まつりん、えい!」
「うわ、冷たっ。やったなー、えいえいっ♪」
 そのまま、二人は水を掛け合い遊び始める。こんな風に二人が綺麗な川で遊べるのも、サムライエンパイアの世界を猟兵が守ったからだ。

 そんな世界を見つめる別の猟兵の姿があった。
「私、戦争には参加できませんでした」
 それは天羽・しおん(「蒼姫」の鞘・f21737)。静かに、秋空を見ながら呟く。
「ただ、眺めるばかりで、無力でした……」
 その言葉に答えるように、そっと店主が差し出したこねつけ餅。
「でもよおう、今……ここに来てくれたんだろ?」
 戦争は終わったとはいえ、この地に現れたオブリビオンが一掃された訳ではないし、これからも現れない保証は無い。
「はい、これからのサムライエンパイアの力に少しでもなれるなら……」
 その想いを胸にしおんは差し出されたこねつけ餅を口に運ぶ。
「こねつけ餅ってはじめて食べますが美味しいですね」
「おう、そうだろうよ」
 米と味噌はサムライエンパイアの世界では、何処でも食べられるものだが、形は本当に様々。似たような料理も多い。中部地方の五平餅、秋田のきりたんぽなど。しかし、材料はほとんど同じはずなのに、全て味わいが違う。
「くるみ味噌が絶品 香ばしい……」
 店主が言うには、先代が創意工夫をして、少しでも美味しく食べられるようにしたとか。
 それだけ、サムライエンパイアの世界では『食』に関する工夫がある。
「満足です……」
 一口食べて、川で遊ぶ二人の姿を……平和な景色を眺める。そんな二人に店主がお盆を手に川へと降りていく。
「お待たせ、こねつけ餅だよ」
 そんなひと遊びした二人に店主がこねつけ餅を持ってきてくれる。
「ありがとう!」
「いただきます!」
 最初に祭莉が上田城の方向へと餅を置いて、ススキと月見草を添え、お供え両手を合わせて静かに祈りを捧げる。その祈りは、過去の様々なことへの祈りだろうか、それとも未来を見据えた祈りだろうか。
「謙信、強かったねー」
「そうだねー」
「……うん。ホント、勝ててよかった!」
 祭莉の言葉に、杏は答えながら視線は川で尻尾をつんつんする赤とんぼ。
「夕焼けに染まって、更に赤くなった赤とんぼは『あかやけとんぼ』って言うんだって」
「へー、あかやけ。父ちゃんみたいな名前で、母ちゃんみたいな色だ!」
 夕焼けに照らされた赤とんぼが、杏の言う通り綺麗なあかやけを見せる。
「お餅、おいしい……」
「そうだね……」
 そんな景色を眺めながら二人でこねつけ餅を食べる。その味は普段以上の美味しさ。
(「アンちゃん、珍しくはしゃいでる」)
 それは、やっぱり仲良し二人で食べているからだろうか。杏の笑顔を見ながら餅を食べる祭莉。
 料理は香りや味以外にも、一緒に食べる人の笑顔が、より美味しく感じるスパイスになるのだろう。
「それにしてもこのお餅、美味しいわ〜」
「……ふむ。ん、ハーブティーや紅茶にも合うか。この餅は……」
 軒先でこねつけ餅を食べる二人も一緒だろう。露は溢れるような笑顔。シビラは、ぶっきらぼうな雰囲気ながらも、その冷淡に見える表情の奥は笑顔なのではないだろうか? 一緒に出されたお茶は、紅茶やハーブティーではないが、それでもお茶を一口、二口と運ぶ。

「私は強くなれるかな……」
 そんな猟兵の先輩たちを見ながら、そっと腰の刀にてを伸ばす。それは強くなりたいという願い。
「大丈夫よっ♪」
「大丈夫だ……」
 そんな小さな仕草だが、刀に手を伸ばした仕草に気付かぬほど鈍感でもない。しかし、敵意の行動でない事も分かる。だから、露もシビラも一言だけ。
『大丈夫』
 と、答える。それは先輩としての助言。
「そうですね。まずは私が落ち着かなくちゃね」
 そっと握った手を離す。その手が少し震えている事に、気付くしおん。
「あ、私もお茶をもう一杯、いいですか?」
「あいよ!」
 そんな些細な動きに店主は気付くはずもないが、その元気な声は猟兵たちの気持ちを強くしてくれる。
 ほどなく、この場所は戦場になるだろう。この店もたぶん無事では済まないだろう。しかし、この世界ではそんな事は日常茶飯事。
「それでは、行きましょうか」
 戦闘がはじめてである事を知られないように、声を出して立ち上がるしおん。
「大丈夫よ!」
「大丈夫だよねぇ」
 そんなしおんに川から上がってきて声をかける杏と祭莉。
 そう、一人で戦う訳ではないのだ。必要なのは『虚勢を張る事』では無い。『戦闘がはじめてである事を知られぬ事』でもない。ただ、生き残る事だ。
「ありがとうございます」
 先輩猟兵たちの言葉で、ちょっとは肩の力が抜けただろうか。
 ともかく、この村にオブリビオンの群れが迫っている。それの群れと、群を使役する神がいる。
 戦いに向け、気を引き締める猟兵たちだった!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『荒ぶるカマシシ』

POW   :    アオの寒立ち
全身を【覆う和毛を硬質の毛皮】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    神鳴り
自身に【紫電】をまとい、高速移動と【電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    影より出づる藤波
【自身の影】から【召喚した藤の花】を放ち、【絡みつく蔓】により対象の動きを一時的に封じる。
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「ヒュゥゥーー!」
 空を飛ぶ、不思議な音が響いたかと思うと、山より下りてくるのは、『荒ぶるカマシシ』。いわゆる、カモシカだ。その鳴き声は聞きなれぬ鳴き声。しかし、警告の鳴き声と共に、紫電の光を放ち村へと襲い掛かってくる。
 その数は不明だが、このままでは村が蹂躙されてしまうだろう。そうならぬ為に猟兵たちが駆け付ける。戦いの開始だ!
木常野・都月
カモシカは、昔住んでいた森でも見かけた。

普段は好奇心旺盛で、敵対心を向けなければ、一緒に遊ぶような、気の良い動物のはずだ。

でもこのカモシカ達は全然違う…
こんな鳴き方はしないし、雷も使わない。
やはり、彼らはオブリビオンなのか…

どちらにせよ、カモシカ達を村に行かせてはダメだ。

UC【雷の足止め】で可能な限り村への侵攻を止めたい。

加えて風の精霊様の[範囲攻撃][催眠術]で侵攻を妨害したい。

加えて、火の精霊様の[属性攻撃]で少しでも数を減らしたい。


鞍馬・景正
狒々退治の石見重太郎殿の言葉を借りるなら、
神は人を救うもので禍を齎すものには非ず。

民を脅かすならば、刀を抜く事に躊躇いは無し。

◆避難
近くの人々に、慌てず避難するよう呼び掛けましょう。
己はそのまま何事でもない調子で敵を迎え撃ち、少しでも安心して頂くよう努めます。

もし攻撃に晒されそうな方がいれば【かばう】事を最優先。

◆戦闘
一匹一匹に時間を掛ける暇なし。
【羅刹の太刀】にて断ち切らせて頂く。

間合を急ぎ詰めて、【早業】の斬撃を。
毛並みが硬質化しようと、【怪力】を乗せた【鎧砕き】の打ちで叩き切るのみ。

反撃の兆しがあれば動き出す瞬間を【見切り】、躱しながらの【2回攻撃】で、体力の続く限り撃滅して参る。


天羽・しおん
…皆さん、ありがとうございます
未熟者ですが、必ずやお守り致します

妖刀「蒼姫」を構えていざカマシシへと
蒼姫の妖刀としての力を借ります
UCを使用、どちらが速いかいざ勝負
放たれた電撃は高速移動によって生まれた【残像】を
狙わせるつもりです、が

未熟者ゆえ、当たる可能性もあるわけで

でもこの痛みは
エンパイアを救った猟兵の皆様や
この世界で生きてきた人たちの痛みに比べれば
きっと軽いもの

膝をついたって負ける気なんてありません
衝撃波で斬れる数だけ叩き切ってみせます

蒼姫、初陣だよ
そのお転婆ぶりを披露してみせて

アドリブ・絡みなど歓迎です



「このカモシカ達は全然違う……」
 現れた『荒ぶるカマシシ』の姿を見て、複雑な表情を見せるのは木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)。彼は過去にカマシシ……カモシカを見かけた事があった。
 そのカモシカは好奇心旺盛で、敵対心を向けなければ一緒に遊ぶような、気の良い動物だった。しかし、眼前に迫るカマシシは雷を帯び、怪しい影を操る。
「やはり、彼らはオブリビオンなのか……」
 昔遊んだカモシカと被らぬように、一瞬だけ目を閉じ、覚悟を持って開く。
「どちらにせよ、カマシシ達を村へ行かせてはダメだ」
 村を守るように、カマシシへと向かい走り出す都月。
 その都月の隣を走るのは鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)。
「その通りだ。民を脅かすならば、刀を抜く事に躊躇は無し」
 周囲の村人に避難を呼びかけながら、あえて広く何も無い場所で迎え撃つのは、村人を安心させる為。
「未熟者ですが、必ずやお守り致します」
 共に避難を呼びかけながら、天羽・しおん(「蒼姫」の鞘・f21737)も景正と同じ場所へと立ち、妖刀『蒼姫』を構える。
「神は人を救うもので禍を齎すものには非ず」
 その言葉は、かつて狒々退治の石見重太郎の言葉を借りたもの。
 その言葉を以って、民を脅かすモノは神だろうと斬る覚悟とする景正。
「ヒュゥゥーー!」
 そんな広い場所で迎え撃つ猟兵たちへ、威嚇のような鳴き声と共に襲いかかる『荒ぶるカマシシ』。戦いの始まりだ!

「雷の精霊様、足止めを!」
 最初に動いたのは都月。拳から電流をカマシシへと放つ。初手で放つ雷の精霊術と共に、風の精霊様と、火の精霊様にも助力を願いながら、放つ電流を操り多数のカマシシの足止めをする。
「羅刹が戦場剣法……」
 足が止まったカマシシへと突撃するのは景正。上段に構えた刀が、自身の身長を倍ほど超える野太刀へと変形する。
「断ち切らせて頂く……」
 都月が足止めしたカマシシたちを、巨大な野太刀で……文字通り薙ぎ払う。
「薙ぎ払いし後に残すは、屍山血河のみ」
 まさに一閃。十を数えるほどのカマシシの首が景正の一刀により飛ぶ。
 しかし、二人の攻撃でも全てを薙ぎ払う事は出来ない。何体か、都月の足止めを突破し、全身に紫電を纏い高速移動してくる。
(「……皆さん、ありがとうございます」)
 心の中で一礼して、突撃してくるカマシシを迎え撃つしおん。
「ヒュゥゥゥーー!」
 甲高い鳴き声と共に放射された電撃。
「っ!」
 複数放たれた電撃が足を掠める。電撃に強い痛みを感じるも、その痛みをこらえ、足を踏ん張るしおん。
(「この痛みは、エンパイアを救った猟兵の皆様や、この世界で生きてきた人たちの痛みに比べれば、きっと軽いもの」)
 共に戦う都月や景正も無傷では無い。都月はカマシシから伸びる影から召喚された藤の花に絡まれ、景正は屍血河の中で奮戦している。
 そんな先輩猟兵の姿を見て、自身の気力へと変える。それがしおんの強さなのだろうか。
「ヒュゥゥゥーー!」
 再び放たれた雷撃を、今度は残像を残しながら避けるしおん。
「蒼姫、初陣だよ。そのお転婆ぶりを披露してみせて」
 そのまま、妖刀『蒼姫』に怨念をまとわせ、高速移動と共に、衝撃波を放ちカマシシを討ち取る。
(「私にも……出来た」)
 初めてのオブリビオン撃破に、一瞬気が緩みそうになるも、足に力を込め踏ん張る。
 そこへ迫るオブリビオン。数多い長所を生かしてなのか、それともオブリビオンとしての本能か、仲間が骸の海へと戻されようとも、猟兵たちへと襲いかかってくる。
「風の精霊様、侵攻の妨害を!」
 そこへ都月の願いを受けた風の精霊がオブリビオンの意識を催眠する術を放ち、混乱させる。
「ビヒヒィ!!」
 混乱したカマシシ。しかし、その覆う毛皮を硬質化させ、耐えようとする。
 硬質化し『ほぼ無敵』になったオブリビオン。
「……どうしますか?」
 しおんの斬撃は、硬質化した毛皮に弾かれ、傷を負わせられない。
「それなら……火の精霊様、炎を!」
 対し、都月は火の精霊に願い周囲を火の海に変える。硬質化で無敵になったとしても動けぬオブリビオンを炎で包み、硬質化を解除した時を狙う都月。
「硬質化しようと……」
 対照的に、『ほぼ』無敵になったオブリビオンに、羅刹の如く野太刀を振るう景正。
 一振りすると、岩と刀が衝突するような音が響く。二振りすると、岩にヒビが入るような音。三振りすると、岩が砕ける音と共に、カマシシを両断する。
「叩き切るのみ!」
 その姿は正に羅刹。しかり、冷静さを失っている訳ではない。景正の背後を取り、雷撃を放つカマシシに対しても、完全に動きを見切り、そのまま身長の倍以上もある野太刀を振り回し、カマシシの首をはねる。
「ビヒヒヒィィィーー!」
 突如、奇声を上げたかと思うと、カマシシたちが撤退していく。一度立て直し、再び襲いかかるつもりなのだろう。
「……っ!」
 しおんは、追いかけようと、走り出すもすぐに足を止める。都月と景正は静かに呼吸を整え、次の敵へと備えている姿が見えたからだ。
 所詮、カマシシは後に控えるボスオブリビオンの手駒。次の戦いに備え、一呼吸置く猟兵たちであった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。戦況で他の者達と協力連携。
周囲の警戒を怠らない。下るのが一か所だけとは限らない。
村には行かせない。村を背に戦う。
私の術や動きが仲間の行動の阻害にならないよう注意だ。
周囲の影響を鑑みてカモシカには【氷結の矢】で対応。
今の私が生み出す矢なら突進の出鼻を挫くこと位には役立つだろう。
術行使間隔の短縮に【早業】【高速詠唱】【2回攻撃】を。
術には【全力魔法】【範囲攻撃】【破魔】を付与。
困難だろうがカモシカからは極力距離を置く。
理由は手段が魔術だから接近されるとキツイ。
露の私へのフォロー対応ができなくなる可能性もある。
私も一つ所にいるつもりはないが念のため。
【電撃耐性】【オーラ防御】


神坂・露
レーちゃん(f14377)と一緒よ。頑張るっv
基本はレーちゃんの間合いに入ろうとするカマシシの撃退。
ピンチになってる人を見つけたらフォローにまわるわね。
あたしの得物は剣よ。今回初めて使うけど…どうかしら。
一体一体確実に仕留めるわ。レーちゃんの攻撃と連携する。
【2回攻撃】【見切り】【オーラ防御】【野生の勘】
突撃されたら困るからオーラで身体を護るわ。
素早そうだけど見切りと勘でいけるかしら…。
声かけた人がもしいるなら気になるわ。不安そうだった。
戦い中に気を散らせたら危険だけど警戒を兼ねて探してみるわ。
本来角がある部分が電撃なのね。あれ攻撃に使ってくるのかしら。
…剣に纏わせて…え?危険だからやめろ? 


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と!

オブリビオン、出た?
カマシシ。藤の花は、少し季節外れだけど。
こねつけなお店、守らないとね!(だーっと表へ)

アンちゃんが張り切ってるので、少し後ろから追っかけながら。
メカたまこ召喚ー!

派手に鳴き喚いて、ぐるぐる走り回って、カマシシたちを挑発してねー。
雷撃も、たまこはメカだから。
ぜんぜん平気ー♪
むしろ避雷針ぽく、嘴を上に向けて走れー♪

ウサみん☆とメカたまこが注意引き付けてくれてるうちに。
アンちゃんの合図で、ダッシュ&ジャーンプ!
左拳で角を往なし、如意な棒で前蹄を抑え。
今回のおいらの本命は、スライディングからの足払い!

体勢を崩したところで、アンちゃん呼び込み。
いっけー!


木元・杏
【まつりん(祭莉・f16554)】と

カモシカの群れ
……山が怒ってるみたい
信濃は昔から戦多い
土地を荒らすなと、怒りでオブリビオンになった?

ごめんね
だからこそあなた達に村は襲わせない
行こう、まつりん!

村への侵入を遮るよう山沿いの入口付近へ
ここは押さえるから、慌てず落ち着いて?
避難を呼び掛け
怖がる人には大丈夫と手を繋いで安心させて

うさみみメイドさん、先行して突撃
背の低さは地面の変化も見易い
影からの藤を引き付け、見切ってジャンプ
カモシシの身体を跳び跳ねて移動して、蔓がカモシシ自身に絡み付くよう誘導して?
無理なら蔓を掴んで巻き付けて

(まつりんにこくんと頷き)

まつりんの攻撃とタイミングを合わせ【華灯の舞】



 オブリビオンの群は別の方向からも村へと襲い掛かろうとしていた。しかし、それを読み待ち構えていた猟兵の姿もある。
「カモシカの群……山が怒ってるみたい」
 山から群れを為して襲いかかってくる『荒ぶるカマシシ』を見つめながら呟くのは木元・杏(ぷろでゅーさー・あん・f16565)。
「信濃は昔から戦多い。土地を荒らすなと怒りでオブリビオンになった?」
 そんな事を考える杏だが、その考えはすぐに中断させられる。
「アンちゃん、オブリビオン出た?」
 お店から走って出てくる木元・祭莉(まっきーは今尻尾がない・f16554)の声が響く。
「うん、行こうまつりん!」
 その予想が当たっていようとも……いや、だからこそ村を襲わせる訳にはいかない。
「ここは押さえるから、慌てず落ち着いて?」
 途中の村人に避難を呼びかけながら、杏と祭莉はオブリビオンへと向かっていく。
 さらに別の方向から走る二人の猟兵の姿があった。
「村には行かせない」
「頑張るっ!」
 シビラ・レーヴェンス(ダンピールの電脳魔術士・f14377)と神坂・露(親友大好きな子犬娘・f19223)の二人だ。二人とも周囲を見渡しながら、村人に危機が及ばぬように、他の猟兵と連携が取れるように、気を配りながらオブリビオンを迎え撃つ。
「ヒュゥゥゥーー!」
 そんな猟兵達の姿をカマシシたちも確認したのか、威嚇のような声を上げ襲いかかってくる。戦いの開始だ!

「カマシシ。藤の花は少し季節外れだけど……毎日が修行!」
 突撃してくるカマシシに対して、ニワトリ型のロボを召喚する祭莉。
「メカたまこ召喚!」
 その数は50を超えるほど。すべて額に『1』と刻印してある。
「うさみみメイドさん、先行して突撃!」
 さらに杏もからくり人形のうさみみメイドさんを先行させ、村から離れた場所を戦場にし、村への被害を最小限にしようと試みる。
「ヒュゥゥ!!」
 現れたニワトリロボの群れに紫電をまといながら突撃するカマシシ。
「電撃も、たまこはメカだからぜんぜん平気ー♪」
 そんな突撃をメカたまこを操り、挑発する祭莉。しかし、本人は『平気』というが、そこはオブリビオンの攻撃。電撃に耐性があるメカであろうとも雷撃により壊れてしまう。しかし、メカたまこは数が多く、避雷針的な役割として大活躍である。
「嘴を上に向けて走れー♪」
 そんな挑発する隣では、杏のうさみみメイドさんが、その背の低さを利用して、カマシシから伸びる藤の花を避け、注意を引く。
「誘導して!」
 そのまま、藤の花から伸びる蔓を誘導して、カマシシ自身に絡ませようとするも、さすがにそこまでは出来ない。しかし、戦場の注意を引くには十分。
「Posibilitatea de a îngheța blocanții……」
 混戦模様を見せる戦場へとシビラが魔力で創った氷の矢を放つ。二百ほどの氷の矢がかまししへと降り注ぐも、対抗して自身の影を操るカマシシ。
「ビュ!」
 影より召喚した藤の蔓を放ち、シビラの氷の矢を撃ち墜とそうとする。
「出鼻を挫く役には立つだろう」
 シビラの氷の矢に足が止まったところへ露が距離を詰める。
(「今回、初めて使うけど……どうかしら」)
 普段とは違う得物・クレスケンスルーナを構える露。その得物は青白く煌く片刃の剣。
「銀色の風……」
 クレスケンスルーナを一閃すると同時に、青白い軌跡を描き、カマシシの首を切り落とす。
「ヒヒッ!」
 対して、紫電をまとい反撃してくるカマシシ。本来角のある場所が紫電に包まれているカマシシ。そこから電撃を放射し、攻撃してくる。
 そんなカマシシの攻撃をクレスケンスルーナで受け流しながら、何か閃く露。
(「あれを剣に纏わせて……」)
「それは危険だな」
 閃きを実行する前に、シビラから制止の声が飛ぶ。ある意味以心伝心。
「……ぷぅ」
 一瞬だけ、ふくれた顔になる露だが、そのふくれ顔は自分の考えてる事を理解してくれた嬉しさが混じった顔でもありそうだ。
 ともかく、シビラからの氷結の矢による援護を受けながら、クレスケンスルーナを振り、カマシシの数を減らしていく露。そこへシビラが、高速詠唱からの氷結の矢に破魔の力を込め、上空より雨の如く、降り注がせる。
「ヒュゥゥーー!」
 猟兵たちの攻撃に次々に倒れるオブリビオンだが、数は無駄に多く祭莉のメカたまこも数を減らし、前線で戦う露も少しづつ傷を増やしていく。
「……っ」
 そこで杏は祭莉に視線で合図を送る。
「よーし、ダッシュ&ジャーンプ!」
 合図を受け、如意な棒で突撃する祭莉。左拳で角をいなし、棒で前蹄を抑えてからの、カマシシの下部へと潜り込んでの足払い。
「いっけー!」
 カマシシのバランスを崩したところへ杏へ合図を送る祭莉。
「射て」
 そこへ指先を向ける杏。そのまま指先から桜の花弁を思わせるような白銀の光が煌めいたかと思うと、カマシシの心臓を白銀の槍が貫き、そのまま骸の海へと返す。
「よし、メカたまこも行くよ!」
 戦況は猟兵側に傾く。そのまま押し返す為に、祭莉はメカたまこを合体させる。かなりの数が避雷針としての役割をこなした結果もあり、合体したメカたまこの額の数字は20。その数の大きさが強さ。
「クェ!!」
 派手な鳴き声とともに、カマシシへと突撃する合体メカたまこ。
「Posibilitatea de a îngheța blocanții……」
 再びシビラの詠唱が響き、カマシシへと氷の矢が降り注ぐ。
「射て」
 氷矢の雨から逃げようとするカマシシを杏が白銀の光で撃ち抜いていく。
「銀色の風……」
 最後の一体は、特攻気味にシビラへと接近するが、その前に露の斬撃により塵へと変える。
「これで終わりかな?」
 多数のカマシシの群れを全滅させた猟兵達。しかし、カマシシが降りてきた山の方向から、嫌な気配が大きくなる。
「これからが本番みたいね」
 このカマシシたちを使役していたオブリビオンだろう。それが、ゆっくりと村へと近づく気配がする。
「大丈夫、わたしたちがいるから」
 杏は逃げ遅れた村人の手を引き、安心させながら避難を促し、他の猟兵たちも避難誘導に当たる。最後の戦いの前に、出来る限りの事をする猟兵たちだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『時花神・紫翡翠』

POW   :    あなたにゆめを
【悪夢を見せる催眠作用のある衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    わすれないで
【時花神に触れたものに病と】【戦闘終了まで癒えぬ疼痛と】【精神を蝕む衝動を与える力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    われこそが
【幸福】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【夢を喰らう花々】から、高命中力の【蔓の触手】を飛ばす。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

「我は……誰だ……」
 現れたのは『時花神・紫翡翠』。静かな嗚咽と共に、その瞳に移る感情は憎悪か羨望か……。
 『時花神(はやりがみ)』とは、その読み通り『流行』により生まれ一時的に信仰を得て神となるも、そのまま忘れ去られてしまった神。
 しかし、目の前にいるのはオブリビオン。一時とはいえ、実際に信仰を集めた神ではなく、その『時花神』として、忘れ去られた『想い』が骸の海より悪しき形となって蘇ったと思われる。
「汝は我を崇める者か……」
 故に、ただ生者への破壊衝動しか、意識を持たぬオブリビオン。
「なんでもいい……すべて……消えてしまえ……」
 忘れ去られた神、『時花神・紫翡翠』が、忘れされれた『想い』を破壊の力へと変え、猟兵たちへと襲い掛かってきた。
「我が忘れ去られたように!!」
 最後の戦いの始まりだ!
木常野・都月
忘れられた辛さも、信仰を得た喜びも、同じ「想い」なのに、辛さだけ骸の海から戻ってきたのか。

なんというか、神様も色々大変なんだな。

人の命も、想いも、いつかは自然に戻り消えていくものが道理なのに。

自分を信仰してくれた人々が、その子供達が住んでいる、そんな世界を壊しに骸の海から戻ってくるんだから。

相手は元神様。
とはいえ、倒さなければならない相手。

今生きている村人達を逆恨みなんかで殺させる訳にはいかない。

目の前の、時花神を倒したい。

[全力魔法]を乗せたUC【狐火】で燃やしたい。

相手からの攻撃は、[カウンター]火の精霊様の[属性攻撃]と、[オーラ防御]で対応したい。


天羽・しおん
たとえ、全ての人が忘れたって
忘れない人はどこかにいます
私はきっとあなたを忘れない
…だって、あなたは私の初陣の敵になるのですから

蒼姫、力を貸して
妖剣の力を解放し、皆様と足並み揃えて攻撃を行います
私一人ではとても倒せぬ相手です
せめて、皆様の攻撃の突破口となれば

妖剣を使う自分に対し、精神は蝕まれます
悲鳴を上げて足を止めますが
私が攻撃を受けている今こそが好機
どうか、一撃を与えてください

私も【衝撃波】で少しは対抗
とは言え、あくまでも皆様のサポート程度で

この戦場に立ち戦うことができた
それが私の一番の収穫ですから

アドリブ、絡み歓迎です


鞍馬・景正
過去いかにして祀られ、どんな加護を齎した御霊か知らず。
されど今はただ禍を招くものとして顕れてしまったのであれば、私は武門としての使命を全うするのみ。

◆戦闘
刀を抜き、斬り懸る瞬間を狙って隙を伺うと致そう。

時花神により見せられる悪夢は、例えば私にとって最悪の状況――先の戦に敗れ、民衆は残らず屍となり、幕府もまた倒れる。

ありえたかも知れない光景を見せ付けられるとも。
しかし敵の気配が消えなければ、心折れるには足りず。

剣と禅の稽古にて心を鍛え、得た【呪詛耐性】と【破魔】の念で悪夢を振り払い、今一度相手を捉え、【太阿の剣】を全霊の【怪力】を乗せて打ち下ろす。

荒ぶる御霊も怨念も、この一太刀にて鎮めましょう。



「忘れられた辛さも、信仰を得た喜びも、同じ『想い』なのに、辛さだけ骸の海から戻ってきたのか」
 静かに『時花神・紫翡翠』を見つめる木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)。しかし、そんな視線に時花神は表情を変えず、周囲に花を咲かせる。艶やかだが、少し寂しさを感じる紫色の花だ。
「たとえ、沢山の人が忘れたって、忘れない人はどこかにいます」
 そんな狂い咲く紫色の花を見つめながら天羽・しおん(「蒼姫」の鞘・f21737)も寂しそうに時花神を見つめる。
「過去いかにして祀られ、どんな加護を齎した御霊か知らず」
 悲しい想いと共に蘇った時花神のオブリビオンに様々な感情を抱く猟兵たちの気持ちを受け止めるように声を出す鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)。
「されど今はただ禍を招くものとして顕れてしまったのであれば、私は武門としての使命を全うするのみ」
 その想いを受け取った上で、刀を抜き構える。
「そうです。私はきっとあなたを忘れない……だって、あなたは私の初陣の敵となるのですから」
 静かに景正に習うように、刀を……蒼姫を抜くしおん。
「初陣というなら、少し肩の力を抜け。そして、一歩引け」
 それは武人としての矜持だろうか。初陣と力むしおんに、声をかける景正。
「は、はい!」
 蒼姫を握る手が、赤く変色しているのに気付き、手の力を……肩の力を抜く。
 一歩引いて、下がったしおんに対し前に一歩進む景正。
「では、斬り懸る瞬間を狙って隙を伺うと致そう」
 ゆっくりと声に出し、隙を伺うのは、しおんへの助言だろう。
「……あなたにゆめを」
 そんな景正へと放たれた衝撃波。それは、悪夢を見せる催眠作用のある攻撃。
「……」
 その衝撃波を真正面から受けた景正。その脳裏には、戦いに敗れ、民衆は残らず屍になり、幕府もまた倒れる。そんな光景が一瞬で景正の脳を走馬灯のように駆け巡る。
「……私、ここにあります」
 しかし、そんな悪夢を禅の心で一瞬で振り払う。そのまま、距離を詰めると唐竹に刀を振り下ろし、時花神を真っ二つにする。
「……やった?」
 思わず誰かの声が漏れるも、景正は残心を取り、隙は無い。
「我は……花ではない……」
 次の瞬間、真っ二つになった時花神が一瞬で元の姿に戻り、しおんへと襲いかかる。
「っ!!」
 時花神に触れられた箇所が、病を引き起こす腫瘍となり、しおんに強い痛みを与える。
「かゆい……いたい……くるしい……」
 同時に時花神自身が、苦悶の表情を浮かべ苦しそうに両手で自身を掻き毟る。そのまま、紫の蔓を伸ばししおんへと攻撃を繰り出す。
「私は攻撃を受けている今こそ好機、どうか一撃を与えてください」
 しおんが狙われたのは、若い女性だからだろうか。執拗にしおんを狙う時花神。
「逆恨みなんかで殺させる訳にはいかない! 火の精霊様、守護を!」
 そこへ割り込む都月。火の精霊様に自身の守護を願いながら、しおんを守る。炎の精霊様の守護により、夕焼けのような赤いオーラで身を守る都月。
「燃えてしまえ」
 そのまま、カウンター気味に放つ四十を超える狐火。それが、炎の渦を作り出し時花神を包み込む。
「人の命も、想いも、いつかは自然に戻り消えていくものが道理なのに」
 オブリビオンを包む炎が、灯篭のように並び、帰るべき場所へと道を作る。
「自分を信仰してくれた人々が、その子供達が住んでいる、そんな世界を壊しに骸の海から戻ってくるんだから」
 オブリビオンとして蘇ってしまった神。どんな形であっても神である以上、出来れば『倒す』などしたくない。倒さなくてもいい方法があれば……と、願い気持ちが狐火の道を作ったのだろうか。
「……われこそが……」
 しかし、時花神はその道を通り帰る事は無い。今はオブリビオンなのだ。時花神は花々を召喚し、蔓の触手を伸ばす。
「やっぱり、倒さなければならない相手なんだな」
 時花神が召喚した夢を喰らう花々と蔓を狐火で焼き、そのままオブリビオンを巨大化させた狐火が包む。
「ああぁぁぁ!!」
 巨大化した狐火に飲み込まれるオブリビオン。
「私も一撃を!」
 そこへしおんも蒼姫を上段に構え、妖気の怨念をまとう。
「……この場に、この戦場に立ち戦えた事が、私の一番の収穫です」
 景正と都月に感謝の言葉を述べてから、白い光の帯を残しながらの高速移動。
 都月が作った炎の渦にしおんの道が作られる。
「あなたの事はきっと忘れません!」
 蒼姫の突きがオブリビオンの胸を捉え、そこから放たれた衝撃波が、激しい爆発を生む。
「……われこそが……われは……あなたが……」
 それでも、動きを止めぬ時花神。そこへ、景正が動く。
「荒ぶる御霊も怨念も、この一太刀にて鎮めましょう」
 濤景一文字を無骨の背負うと共に、気迫の言葉を放つ。
「是の剣は、金鉄の剛きより玉石の堅きまで、自由に伐れて天下に刃障になる物なし!
 その言葉と共に放たれた斬撃がオブリビオンを真正面に捉え、そして再び真っ二つになる。
「……太阿の剣、ここにあり」
 次の瞬間、再び元の姿に戻ろうとするオブリビオンの左半身が、景正の作り出した次元断層に飲まれ消滅していく。
「む……」
 景正の一撃で、消滅したように見えるオブリビオン。しかし、残った右半身が虚空へと逃げていくのが見えた。
「逃したか……」
 すぐに追いかけたいところだが、周囲は戦いの影響でかなり破壊されてしまった。特に景正の周囲は、大きく破壊されている。
 他にも展開している猟兵がいる。残り半身は任せて大丈夫だろう。後を任せ刀を納める猟兵たちであった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

神さま。こんにちは
初めて会った時は哀しそうで
次に会った時は、忘れないでと幸せを見せ
その次は、忘れられなければと、そう言った気がした

神さまは憶えてなくても
わたしたちは忘れずに会いに来た

【花魂静め】
うさみみメイトさんは肩に乗ってて?
灯る陽光を日本刀に象りオーラ放出
第六感を働かせて攻撃を見切り、高速移動で神さまの懐に一気に入り込む

近くだと見切りも難しい
でも、いい
急所は日本刀で守り受け、祈りを込めて手を伸ばし神さまに触れる
忘れられる哀しみ、わたしに見せて?
癒えぬ疼痛も病も神さまがここにいる証
まつりんの声に、ぐっと指で糸を操り
メイドさん、神さまの顎を下から殴り付けて

またね


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と。

あ。紫のかみさま。
四度めまして、だけど……今回もおいらたちのコト、覚えてないよね?

うん。しかたないよね、オブリビオンだもんね。
前と同じように、骸の海に返してあげる!

今回のゆめ……

あ……おいらたちの村が燃えてる!
鶏小屋が、水車が、隣のおばさんの家が。
向日葵畑が……真っ赤に。

熱い空気を吸い込んで、咽て咳き込んで。
周囲が……静か過ぎる?

うん。
たまこ(飼鶏)が、暴れてないワケない。
アンちゃんが、何もしてないワケない!

これは、ホントじゃない。
わかってても、コワイけど。でも。

目を開けて。
行こう、アンちゃん!

いつものように、右拳を構え。
かみさまを、撃ち抜く。

ばいばい、またね?


シビラ・レーヴェンス
忘れられるか。後腐れと面倒がなくていい。
だが。今は放っておいてくれない子が煩いだろうな。
今回私はサポートを行う。神への攻撃は露に任せる。
『蔓』と『衝撃波』は厄介だな。攻撃役の露に危険が及ぶ。
【姉妹達の軍行】を壁代わりにしよう。すまないが頼む人形達。
人形達には【破魔】【呪詛耐性】【オーラ防御】を付与しよう。
「やれやれ」
気の迷い。紫翡翠に直接触れる。箇所は手でも衣服でもいい。
決して時花神に悲哀を感じたわけではない。身体が勝手に動いた。
これで口惜しさが和らぐとも思えんが…暫くの間は。
無茶をする前に身体に【オーラ防御】【狂気耐性】を施す。
あとで怒られることは予想する。何をされても受容しよう。私が悪い。


神坂・露
こーゆー負の感情は戦力にしやすかったんでしょーけど…ね。
あたしも忘れられたら嫌だわ。特に…目の前の…。
サポートしてくれるのがすっごくすっごく頼れる人だから安心。
作ってくれる壁から【月狼】で打撃。ひっとあんどうぇいよ。
あ。触れるとダメだっけ?じゃあ腕に【破魔】の力を宿しておくわ。
それから【オーラ防御】で身体と腕を護っておこうかしら。
紫翡翠さんの攻撃は【野生の勘】と【見切り】でなるべく回避ね。
もし可能なら【2回攻撃】で【月狼】を叩き込むわ。
「重ねて吼えろ!」
寝てるレーちゃんの横でぷんぷん怒るわ。無茶し過ぎ。
怒りに任せて思わず平手打ちしちゃった引け目もあるけど。
小言だけは言わせてもらうわ。ぷんぷん!



「こーゆー負の感情は戦力にしやすかったんでしょーけど……ね」
 複雑な感情と共に、相方へと視線を向ける神坂・露(親友大好き子犬娘・f19223)。
「忘れられるか……。後腐れと面倒がなくていい」
 対して、さっぱりな意見の相方であるシビラ・レーヴェンス(ダンピール・f14377)。
「だが、今は放っておいてくれない子が煩いだろうな」
 無論、その視線の意味に気付き、言葉を続ける。ヤドリガミである露にとっては、他人事ではないのかもしれない。
「あたしも忘れられたら嫌だわ……」
(「特に……目の前の……」)
 続きは心の中で呟く露だった……。

「神さま、こんにちは」
「あ、紫のかみさま」
 木元・杏(料理(物理)の達人・f16565)と木元・祭莉(まっきーにはふわ耳と尻尾があった・f16554)は『時花神・紫翡翠』に見覚えがあった。
「四度まして、だけど……今回もおいらたちのコト、覚えてないよね?」
 どうやら、別の場所で同じように骸の海より蘇った時花神と出会った経験があるようだ。それも、今回を含め四回。
「……あぁ……あぁ、覚えている。我に贄として捧げられた……」
 その言葉に答えた言葉は『虚無』。誰でも聞けば嘘だと分かる言葉。それは怨念がやまびこのように繰り返しただけの『声』ですらない『音』でしかない。
 そもそも、贄にされたのなら、この場にいるはずが無い。何かの記憶と混同しているのだろう。
「うん、しかたないよね、オブリビオンだもんね」
 自分の感情が溢れぬように、言葉で『想い』に蓋をして、拳を構える祭莉。
「初めて会った時は、寂しそうで……次に会った時は、忘れないでと、幸せを見せ……その次は、忘れなければと、そう言った気がした……」
 過去の巡り会いを回想しながら、祭莉の隣に立つ杏。
「神さまは憶えてなくても、わたしたちは忘れずに会いに来た……」
 しかし、相手は骸の海より何度でも蘇るオブリビオン。
「前と同じように、骸の海へと返してあげる!」
 杏と祭莉。共に戦いの構えを見せる。
「……」
 そんな二人を見て、露がそっとシビラの手を握る。
「今回、私はサポートを行う。神への攻撃は露に任せる」
 シビラは言葉と共に、その手を一度だけ握り返し、そっと離す。
「サポートしてくれるのが、すっごくすっごく頼れる人だから安心よ」
 離された手に小さく印を描く。それは破魔の印。その印に重ねるように、シビラも印を描く。
「Ridicați-vă și mergeți împreună Cruciada este încă în viață……」
 シビラの詠唱と共に召喚したのは己に似たデフォルメ人形。その数は二百以上。その人形にさきほど描いた印を重ね、強化する。
「すまないが頼む、人形達」
 それが、露を守る盾となり壁となる。シビラのオーラに包まれた人形たちは、半数が露を守るように展開し、半数が時花神へと牽制を行い、オブリビオンの注意を引く。
「ありがとうしーちゃん。いっくぞ〜吠えろ〜♪」
 シビラの人形たちが作る隙を狙い、露が拳を握り、時花神へと重い一撃を放つ。
「……おもい……おも……」
 凄まじい一撃に、大きく身体を揺らす時花神。
 そこへ杏と祭莉が視線を交差させ、攻撃を重ねる。
「うさみみメイドさんは、肩に乗ってて?」
 杏の言葉に『こくん』と首を縦に振って肩に乗る操り人形のうさみみメイドさん。そのまま、灯る陽光を日本刀に白銀のオーラを放出する。
「……わ……すれ」
 高速で距離を詰め、懐に入り込むと同時に衝撃波を伴う斬撃を繰り出す。
「ボクもいくよ!」
 杏に連携して、反対側から拳を叩き込む祭莉。大威力の一撃が時花神の腹部へと叩き込まれ、その身体を大きく揺らす。
「……あぁぁ!!!!」
 猟兵たちの連携攻撃を受け、大きな悲鳴を上げる時花神。同時に影が、腕が、髪が伸び猟兵たちへと津波のように放たれる。
「アンちゃん!」
「まつりん!」
 最初に飲み込まれたのは杏と祭莉。
『あ……おいらたちの村が燃えている!』
 祭莉が見たのは、過去の悲しい記憶。燃える鶏小屋、水車、隣人の家。そして、向日葵畑。それが真っ赤に燃える光景。
「忘れられる哀しみ、わたしにも見せて?」
 杏は避けられぬと分かると、指に祈りを込め、そっと時花神へと触れる。途端に流れてくるのは、疼痛と精神を蝕む衝撃。
 それこそが、時花神が『ここにいる証』だと杏は受け止める……。

 二人を飲み込んでも時花神の暴走は止まらない。
「やれやれ……」
 そんな時花神の暴走から露を守るように一歩踏み出し、そっと手を伸ばすシビラ。
「え! しーちゃん!」
 露の悲鳴と同時に、影に飲まれたシビラが見たのは……言葉で形容するのは難しい、輪廻の理。同時に蝕まれるシビラの身体。病魔が一瞬で身体を巡り、永遠とも思えるような苦痛が身体を巡る。
(「これで口惜しさが和らぐとは思えんが……暫くの間は」)
 それは一瞬だったのだろうか、それとも永遠か。しかし、響く声が現実へと引き戻す。
「しーちゃんダメ!」
 自身を守ろうとしたとはいえ、無茶な行動をしたシビラを現実へと引き戻したのは、露の平手打ち。しかし、現実に戻したのは頬に走った痛みではない。ただ、泣きそうな顔でぷんぷんに怒った露の……涙。
「無茶しすぎ」
 我に返ったシビラを見てから、振り返り拳を握る。
『これは、ホントじゃない』
 悪夢に飲み込まれた祭莉が見た光景を、冷静に否定していく。燃える村から感じない熱さ、燃える鶏小屋で静かにしている飼鶏。
『わかってても、コワイけど。でも』
 痛みや熱さは感じなくても恐怖は、その身体を縛り、心に傷を与える。しかし、それでも堪え目を開くと、そこには心配そうに覗き込む杏の姿。
「ああぁぁぁぁ!!」
 立ち直る猟兵たちへと再び襲いかかるオブリビオン。しかし、その前に露が動く。
「重ねて吠えろ!」
 そのまま、鈍色に染まった素手の一撃を時花神へと叩き込む露。その振り切った拳を、旋回させ月狼の連撃。
「すまない、私が悪い」
 我に返れば、身体も頭も動く。シビラは一言だけ露に声をかけてから、人形を仕掛け時花神の動きを封じる。
「行こう、アンちゃん!」
「うん、まつりん!」
 そこへ駆け込む祭莉と杏。無理やり伸ばされた蔓を日本刀で斬り落とし、操り糸に指をかける。
「メイドさん、神さまの顎を下から殴りつけて」
 白銀のオーラと共に舞うような動きを見せる杏とうさみみメイド人形。
「ばいばい、またね?」
「またね」
 杏の斬撃が左から、祭莉の拳が右から、綺麗な十字を描き交差する。
「……あぁぁぁぁ……」
 そのまま、『時花神・紫翡翠』は塵になり消滅した……猟兵たちの勝利だ。

 静かに時花神が消滅した場所に花を捧げる猟兵たち。
 隣では、シビラが露からこっぴどく小言を言われているが、まあ……仕方ないかもしれない。
 周囲の地形はオブリビオンが荒らし、猟兵たちの戦いの影響もあり、色々と壊れてしまっている。しかし、大きな被害は出なかった。それも猟兵たちの尽力の結果だ。
 そんな壊れてしまった建物を慣れた様子で立て直す村人たち。良くも悪くもこの世界では、こういった事は日常茶飯事。家事と喧嘩は江戸の花とは、誰が言った言葉だろうか。
 そんな様子を眺めながら、一つの村を守れた事に安堵し、一時の休息を取る猟兵たちであった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年09月18日


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#サムライエンパイア
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#戦後


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠無供華・リアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト