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エンパイアウォー㉙~胎に宿すは、蟲か神か

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー


「グギギ……まさか、清明がやられるとは思わなんだわ……。」
 山間部の森の中、体中に蟲を宿した女神が逃げていた。
「何としても、我の胎のややこを……。」
 その巨体を木にぶつけ、なぎ倒しながら……。

「ひとまず、鳥取城周辺の水晶屍人の討伐、お疲れ様。
 だが……休んでもいられないみたいでね、申し訳ないが話を聞いてほしい。」
 集まった猟兵達を労いながらも、予知で見た内容を話して行くニャルラ。
「最初に水晶屍人が出てきたあたりを調べたら、どうも安倍晴明の研究施設があったみたいでね。
 調べてみたら、なかなかに厄介なことをやってたようなのさ。
 今戦ってるコルテスとかの魔軍将がいるだろう?
 その因子をオブリビオンに植え付けて、10月10日待つと……その因子を持った子供が生まれるって話さ。
 どうやら、転生の邪法って呼んでたらしい。
 まったく……どこまでも厄介ごとを残す男だね。
 さすがに笑えないさ、私だって女だしね。」
 はー……と紫煙混じりのため息をつき、話を続ける。
「で、だ。
 私が見たのは山の中……えーと、地図では奥羽地方で……まぁ、東北のこのあたり。
 逃げてるのは常世神『トコヨノカミ』っていう神様さ。
 元々は女の死体に、蟲が巣食って一つの異形の神になったもの、らしい。
 祀れば富や長寿が得られるとか言う話だけどね……どうだろう?
 子宝には恵まれそうな気はするけど、私は薦めないね。
 ……話が逸れたね。
 今からみんなを送るから、そいつを倒してほしい。」
 ニャルラの手のグリモアが輝き、鬱蒼とした森の中につながった。
「トコヨノカミは胎の子供を神の子だと思わされ……ややこしいね、元々神なのに。
 まぁともかく、子供を守ることを第一に考えて動くからね、君たちと戦う気はあまりない。
 つまり、逃げようとするから気を付けてくれ。
 もっとも、体長数メートルとある巨体さ、そうそう見失いはしないと思うがね。」


ヨグ
 ヨグです、エンパイアウォー戦争シナリオ第10弾となります。
 神の子を宿す神を退治してください。

 なお、戦争終了までに成功シナリオ数が10本以上となった場合、転生の邪法は完全に阻止できます。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『常世神『トコヨノカミ』』

POW   :    猪突猛進
単純で重い【巨体から繰り出される体当たり】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    脱皮転生
【脱皮をする 】事で【無数の翅で飛び回る飛翔形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    大量発生
自身からレベルm半径内の無機物を【 数多に蠢く蟲の群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
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霧島・絶奈
◆心情
神が神を孕む…まるでどこぞの黒山羊ですね

ただ、考えてみればこれ程悍ましい行為も無いでしょう
胎内に宿る寄生生物を我が子と認識しているに等しいのですから…
尤も、狂信とはそう言う物かもしれませんが…

◆行動
『暗キ獣』を使用
展開した軍勢の槍衾によって退路を塞ぎ、屍獣にて遊撃
軍勢の【範囲攻撃】で敵を討ちましょう

私は【目立たない】事を活用
周囲や軍勢に紛れつつ、【罠使い】の力を活かして罠を設置
万に一つも逃走を許さぬ様に念を入れます

ある程度設置が進んだら接近し【マヒ攻撃】を【二回攻撃】

逃走を赦さぬ執拗な攻撃で【精神攻撃】と為し【恐怖を与える】

負傷は『暗キ獣』の力と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


フィロメーラ・アステール
「こんなのを逃がしたら面倒な事になるぜ!」
よーし滅ぼそう!
禍根は完膚なきまでに断たねば!

派手に動いてるっぽいので【聞き耳】すれば見失わない?
万が一の時は【失せ物探し】の魔法で探知だ!
そして【残像】の速度で追いかけるぞ!
【迷彩】魔法で姿を隠せば、接近しやすいと思う!

接近したら【煌天つまびく無窮の星琴】だ!
【オーラ防御】で補強した光の糸で網を作る!
コイツで敵を【グラップル】して【念動力】で引っ張り足留め!

敵の反撃には、余った糸で作った網で戦うぞ!
魔力を流し、触れたものや通るものに【衝撃波】でダメージを与えるよう【武器改造】する!
コレで蟲をバチバチやる!
敵本体にも【全力魔法】を込めてお見舞いだー!


アマネク・アラニェ
※アドリブ・連携歓迎※

*心情*
「孕んでいようといまいと、アイツは滅ぼすべきオブリビオン。躊躇はしないわ」
相手が蟲――数多の虫の似姿なので好戦的になっています。蜘蛛は虫を喰らうもの故に、(同情せずに済む)

*行動*
《寄眼》を使い『追跡』。気付かれるのも作戦の内。
安全な逃げ道という罠に『おびき寄せ』られたら《砥盾》で進行方向を塞いで『時間稼ぎ』。
森という『地形の利用』をして脱皮前に『先制攻撃』を狙うわ。《妙法》を使った『ロープワーク』と『ジャンプ』で
体に飛び乗って、UC【闘蛛化葬】で頭を大蜘蛛に変えて首筋に喰らいつきにいくわよ。
傷を負っても『生命力吸収』で回復するし、多少のダメージは厭わないわ。



「神が神を孕む……まるで、どこぞの黒山羊ですね。」
 トコヨノカミが通り、木がなぎ倒された後を追う霧島・絶奈(暗き獣・f20096)。
 その間も、グリモア猟兵の言っていたことを頭に思い浮かべて呟く。
「ただ、考えてみればこれ程悍ましい行為も無いでしょう。胎内に宿る寄生生物を、我が子と認識しているに等しいのですから……。」
「そうね、確かに。……胸糞悪い。」
 並走しながら同意するアマネク・アラニェ(ユビキタス・アラニェ・f17023)。
 しかし、蜘蛛のキマイラであるアマネクは、相手が蟲を宿す神と聞いて闘志を燃やす。
「まぁ、孕んでいようといまいと、アイツは滅ぼすべきオブリビオン。躊躇はしないわ。」
「そうだぜ! あんなのを逃がしたら面倒な事になるぜ!」
 先行して聞き耳を立てながら飛んで進む、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)。
 その耳に、新たに木の倒れる音が聞こえてきた……だいぶ近い。
「あっちだぜ! よーし、禍根は完膚なきまでに断たねば!」
 指さしたと思えば、残像を残す勢いで飛んでいくフィロメーラ。
「とにかく、追いましょう。」
「ああ。」
 その方向へ、残りの二人も走る。

「まったく……どこまで逃げればよいのか……。」
 逃げるトコヨノカミの目に、キラリと光る物が映る。
「なんぞ?」
「かかったな、デカブツ!」
「く!き、貴様!」
 輝いて見えたのは、魔法で姿を消したフィロメーラの投げた、光の糸で編まれた網。
 細いが頑丈なそれを引くと、その網に足が絡まって転倒した。
「我の邪魔をするな!」
 その異形の手が木を掴むと、途端に蟲の群れと化してフィロメーラへ襲い掛かる。
「おーっと、ちょっと困るぞ!」
 余った光の糸で絡めとろうとした時……その蟲たちを、横合いから飛び出した屍獣が喰らいつき、貪っていた。
「間に合いましたか。」
「おう! 助かったぜ!」
 屍獣を呼び出した霧島の姿を見て、トコヨノカミは網を振りほどき、
「く、クソ! 我には貴様らに構っている時間はないわ!」
「……そういうと思いました。」
 逃げだそうとするが、その前には槍を構える屍者の軍勢。
 まるで槍衾と化したそれと共に、霧島の声だけが響く。
「ですから、あなたの足を止めましょう。……逃がさぬように。」
「ぬぅ……! かくなる上は」
「おっと、させないわ!」
 木立につないだロープから、アマネクが一気にトコヨノカミの肩へ飛ぶ。
 そのまま、自身の頭を大蜘蛛のそれに変え、
「アタシにこの牙を出させたこと、後悔しても遅いわよ!」
「ぎゃあああああ!」
 トコヨノカミの首元へ食らいつく。
 脱皮をし、飛行形態へ移ろうとするのを阻止した形になった。
「は、離れろ!」
「お生憎様!」
 体を揺さぶり、アマネクを振り落とそうとするが、食らいついた牙は外れない。
 そうしているうちに……足元のトラバサミを知らずに踏み抜く。
「ぐあ!」
「ふふ、大きな体で、仕掛けがいがありますよ。」
 霧島の仕掛けた罠にかかり、その上からさらに光の網がかけられる。
「バチバチさせてやるぜ!」
「く、やめ……ぐあああああ!」
 今回は魔力のおまけつき。
 フィロメーラの手から放たれる魔力の衝撃波が網に伝わり……トコヨノカミの身体を切り裂く。
「さぁ……これでどうでしょう?」
「ここで喰らってやるよ!」
 その足を霧島の黒剣が切り裂き、アマネクの牙が食い破る。
「ぐあ! ……おのれ……!」
 トコヨノカミはただ、呪詛のこもる言葉を吐くことしかできなくなっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
【ソロ希望・POW】
配下を隕石に変え自爆させる風魔小太郎。
女性に邪神を産ませる晴明。
信長軍の幹部は吐き気を催す邪悪ばかりね!!

『欲望解放』で一糸纏わぬ女神となり
愛欲に比例した戦闘力増強と
最大4800km/hの速度で【空中戦】

虫は苦手だけど
トコヨノカミ程度なら
充分、私の守備範囲

音速を超えた私は
彼女の攻撃を【見切り・残像】で避け
雷の【属性攻撃】で動きを止めるわ

女体部分を抱きしめ【催眠術】で眠らせ
せめて夢の中だけでも、良き母に……
そして【生命力吸収】で苦痛の無い最期を

……私の母も、守ってくれたわ。
半分は吸血鬼というだけで
石を投げられた私を

母の愛は何より尊いもの。
それを弄ぶ晴明を……私は絶対に赦さない



「配下を隕石に変え自爆させる風魔小太郎。そして、女性に邪神を産ませる晴明……。信長軍の幹部は吐き気を催す邪悪ばかりね!!」
 少し遅れてこの場にたどり着いた、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
 目の前にいるトコヨノカミ……蟲が苦手なドゥルールは、その姿に顔をしかめるが、
「大丈夫……私が、救ってみせる。」
 深呼吸をして覚悟を決め、愛欲のままに一糸纏わぬ姿に変わり、飛翔して一気にトコヨノカミへ近づいていった。

「ググ……貴様も、我を狙うか!」
 高速で飛翔するドゥルールに対し、蟲と一体となった腕を振るうトコヨノカミ。
 羽虫を落とすがごとく、大地を割る勢いで……。
「取った!」
「ふふ、甘いわ。」
 トコヨノカミが潰したのは残像、その背に飛び乗ったドゥルールの手から雷撃が放たれる。
「あがが……。」
「……もう、逃げなくていいのよ。」
 そのままするりとトコヨノカミの体を抱きしめ、顔を覗き込むドゥルール。
「あなたは、お腹の子を守ろうとしただけ……何も、悪くないわ。」
「あ……ああ……。」
 ゆっくりと話しかけ、トコヨノカミを眠らせる。
 苦痛にゆがんでいたその顔は……ドゥルールに頭を撫でられるごとに、安らかに変わっていく。
「私の母も、守ってくれたわ。……半分は吸血鬼というだけで、石を投げられた私を。」
 その手は安らぎを与えるとともに、生命力を吸い上げてゆく。
 やがて、トコヨノカミの体が乾き、黒い塵となって砕けていった……。
「……母の愛は、何より尊いもの。」
 手の中に残る黒い塵を握りしめて呟くドゥルール。
「それを弄ぶ晴明を……私は絶対に赦さない。」
 元の服装に戻り、その場から去っていった。

 こうして、安倍晴明の企てた転生の邪法、その一つが潰えた。
 非道な方法によって造られた、この世界に望まれぬ子を宿した母……。
 次こそは、幸せな生を……そう望みながら、猟兵達はグリモアベースへ帰っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月24日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト