しん、と静まり返った森の中を、一頭の獣がゆっくりと歩いていた。
ここしばらく続いた雨の雫を払うでもなく、湿った地面を一歩ずつ踏みしめていく。
獣の足の跡から木の芽が伸び、瞬く間に樹木と化し、絡み合うように樹が連なる。
樹は美しく生い茂り、地面から水を、栄養を吸い上げて大きくなる。獣へお辞儀をするように、伸びた枝が頭を垂れる。
その、影で。
もう何も居ない動物の巣穴が、またひとつ、潰れて消えた。
「近頃、なぁんかおかしかないかねえ」
「この前から何回その話してんだい。一体なにがおかしいってのさ」
「それがわっかんねぇんだあ……」
辺境にある小さな村で、村人たちはそんなやりとりを繰り返していた。
言い出した村人自身もよくわかっておらず、いまいちぼんやりと要領を得ないために、相手をするほうも自然とおざなりな態度になってくる。
「それより手を動かしな。ここんとこ雨が続いたせいで、このままじゃ薪の切り出しにも行けやしない」
「う、うわぁ! あれ、あれ見ろ!!」
「だから何……な、なんだぁ!?」
彼らが揃って声を挙げ、注目した先の光景は。
遥か離れた場所。普段は森に居る筈の動物達が、恐ろしい速さで平原の方へ逃げ去って行くところであった。
●グリモアベース
「皆、聞いて。アックス&ウィザーズの世界に、強力なオブリビオンが現れたの」
猟兵たちの集うグリモアベースで、グリモア猟兵のコルネリア・ツィヌアが告げた。
「具体的な正体や居場所までは特定出来ていないけれど、オブリビオン出現の影響で、いくつかの異変が起こる。その異変の痕跡を頼りに追跡、討伐をお願いするわ」
強力なオブリビオンの居場所は、辺境にある大森林の何処かであるという。
だが、この森林は広い。しかも辺鄙な場所にあり、猟兵以外の者が辿り着くためには山をいくつも越える必要があるというのだから、相当なものだ。
「周りにまったく人が住んでいないわけじゃないけれど、森にはほとんど出入りが無いわね。近くの村で木材が必要な時でも、決して深入りしないし、入る時は必ず目印沿いに歩くそうよ」
広くて迷いやすい上、多くの動物が縄張りとしている大森林は、人が足を踏み入れない秘境ということだ。
「しかもこの森林、放っておくと地味にじわじわと拡がるみたい。オブリビオンの影響と見て間違いないでしょうね」
もともと広い森のこと、森の周辺に住む人々もすぐには気付かないだろう、とコルネリアは続ける。
「そして、森から動物が多数逃げ出しはじめる。人間の手が入らず恵みも豊かな、暮らし慣れた森から、ね」
動物達は、平原なり別な場所なり、とにかく森から離れようとしているという。
オブリビオンを捜すならば、その動物達からオブリビオンの居場所を特定してゆくのが良いだろう。
「今からテレポートすれば、ちょうど動物の群れが逃げる所に居合わせることになるわ」
まず考えられるのは、動物の動きを逆走しながらの調査。他にも、動物の方を調べる、はたまた別の方面から調査するなど、色々な方法がある。
具体的な行動は猟兵達の個々の発想や技能に任せる、とコルネリア。
「場所としては、森の中でも比較的浅い場所だから、迷う心配はしなくて大丈夫よ」
とはいえ、そこから先はどうなっているかわからない。何かしらの備えをするならば、それはその場限りでなく、その後の調査の助けにもなりえるだろう。
コルネリアは猟兵たちひとりひとりの目を見て、改めて告げる。
「皆の中には、森は馴染み深いというひとも、逆にまったく未知の領域というひとも居るでしょう。私も出来る限りサポートするから、どうかお願い。これ以上の異変が起こる前に、オブリビオンを討伐してちょうだい」
越行通
こんにちは。越行通(えつぎょう・とおる)です。
新米ですが、皆様の冒険のお手伝いをさせて頂きます。
宜しくお願い致します。
今回はファンタジー世界にて、未踏の地を舞台にした冒険です。
全体の流れは『オブリビオン捜索その1』『オブリビオン捜索その2』『ボス戦』の三章構成です。
第一章では、森から逃げ出す動物たちについての調査を行います。
『なぜ?』『どうすれば?』などの疑問。実際にどういう調査を行うか。森を歩くならこうしたほうが良いかもしれないというアイディア。
ある意味五里霧中なこの状況に対し、どうか自分らしく、自由なプレイングをかけてください。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『逃げ出す動物たち』
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POW : 大胆に調査
SPD : 慎重に調査
WIZ : アイテムや技能を活用
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祝聖嬢・ティファーナ
逃げ出した動物たちの前に送られたら、ネズミ/ウサギ/リスなどの捕食動物の弱い動物たちに「みんな、こっちこっち!」と『フェアリーランド』に招き入れていきます。 全部とはいかずとも、多くの小動物たちを入れたら上空に移動してから、落ち着いた小動物たちから“何があったか”をゆっくり順を追って聞いて行きます。
また少ししたら小動物たちから聞いた話しを猟兵たちと落ち合って話しを擦り合わせていきます。
まだ足りなそうな点や聞けていない臆病な動物たちを搾ってから探して『フェアリーランド』に招きます。もちろん、保護した動物たちにも“壺”の中から呼び掛けてもらいます。
動物たちが疲れたら『シンフォニック・キュア』する
ベルリリー・ベルベット
動物って人間よりも敏感に危険を察知するのよね。
普段からサーカスの動物と触れ合ってるおかげで動物と仲良くなるのは得意だから、任せてちょうだい。
逃げ出す動物達を追いかけて、『動物と話す』で話を聞くわ。
森を抜けて平原まで辿り着いたら、少しは落ち着いて話を聞いてくれるかしら?
森の中で追いかける時は、木の枝にフック付きワイヤーを引っ掛けて、ターザンの要領で木々を飛び移って移動するわ。
その方が早いでしょうし、踏み潰される心配もないだろうから。
平原に着いたら「よしよし、大変だったわね」って動物達を労わりながら、
何が起こったのか、何故森から逃げ出したのか、元凶はどこにいるのか質問するわ。
◆アドリブや絡み歓迎
アル・ディオール
俺も森の中でよく遊ぶけど、これはちょっと変だね
皆あんなに怯えて…よっぽど怖い目に遭ったのかな
【WIZ】
逃げてくる動物達の様子を観察してみよう
水に濡れてれば水辺が近い、とかそんな感じで予想してみる【第六感】
どの方角から来るのが一番多いかも注視しておこう
動物達にも直接話を聞いてみよっか【動物と話す】
混乱しているだろうから安心させたり
もし傷付いていれば(生まれながらの光)で治療してあげよう【鼓舞・優しさ】
『もう大丈夫だよ。安心して。
…ねえ、一体何が起きてるの?
他にも異変が起こった場所、獣の姿形、周辺には何が多いとか
簡単な事でいいから聞いてみよう
『あの、ちょっと動物達と遊んで行ってもいい?ダメ?…はい
霜月・柊
強力なオブリビオン…!!どんなのかなぁ〜楽しみ♪
まずは居場所が分からなきゃダメだよね。動物達が何から逃げてるか分かればオブリビオンの居場所も分かるかな?【追跡】を使って動物達が森のどの辺から逃げているかを探すよ。
ベリザリオ・ルナセルウス
●目的
動物達に直接話を聞いてみよう
動物が自分の縄張りを離れるなんて相当な事だ
草食動物などは群れの仲間が襲われても自分達が無事なら少し離れた所で見ている事もある
それほど危険なオブリビオンなんだろうか?
●行動
逃げている途中だと余裕がないかも知れないが【動物と話す】
他にも怪我で動けなかったり素早く動けない動物はいるだろうか?
【生まれながらの光】で治療しながら話を聞いてみよう
何故森から逃げ出したのか
逃げ遅れた動物はいないか
オブリビオンの存在に気付いているならどんなものだったのか
私達がオブリビオンを倒したらまた元通り森で生活できるのか
一匹で全て分かるとは思わない。根気強く聞いて回ろう
「みんな、こっちこっち!」
ネズミやウサギ、リスといった捕食動物を招き寄せ、『フェアリーランド』へ壷を通して招くのは、祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)だ。
「小さい子たちは任せてっ。ある程度集まったら、一旦上空に逃げるね!」
「お願いね。大きい子たちはこのまま平原まで送って行って、落ち着かせてから話を聞くわ」
「そうですね。途中、怪我をするようなことがあれば、私が癒しましょう」
フック付きのワイヤーを手に、木の上から動物たちの動きを目で追うベルリリー・ベルベット(ルーナフラウ・f01474)に、ベリザリオ・ルナセルウス(この行いは贖罪のために・f11970)が頷く。
「俺は、動物たちの逃げて来る方角を見てくるね。一番多かったところとか、ある程度わかったら目印をつけてくる」
そうしたら動物たちからの聞き込みと癒しを手伝う、と表明したのは、やはり傷を癒す能力を持つアル・ディオール(ぼんやりエルフ・f06347)だった。植物の蔦や葉を毛に絡ませたまま走り続けるのを見て、痛ましげに眉を寄せる。
「何から、何処から逃げてるのか。それが分かれば、自然と強力なオブリビオンに行き着くよね」
「動物が自分の縄張りを離れるなんて、相当な事です。草食動物などは、群れの仲間が襲われても、自分達が無事なら少し離れた所で見ている事もあるくらいですから」
敵との対決に心を躍らせ、思い浮べていた霜月・柊(多重人格者の剣豪・f09791)に、ベリザリオがこの状況の異常性を補足する。
「うん。そういう意味では草食の子が逃げるのもわかるんだけど、これだけの群れが大移動するのはそれだけの理由があるよね。……よっぽど怖い目に遭ったのかな」
「動物って人間よりも敏感に危険を察知するのよね。……じゃあ、そちらも頑張って」
アルとベルリリーがそれぞれ頷いた後、動き始める。アルは宣言通り森の奥へ、ベルリリーはフック付きワイヤーを引っ掛け、木々を飛び移って動物へと呼びかける。
「このまま平原へと走るのよ。大丈夫。リリーも一緒に行くわ」
「怪我をしても、出遅れても、私たちが助けます。ですから、今は走って下さい」
ベリザリオもまた、逃げ続ける動物に優しく話しかけ、誘導してゆく。
ベルリリーはワイヤーによる移動、ベリザリオは自前の翼で飛行しているため、動物たちに踏まれる心配も、進路の妨害をする心配もない。
二人と動物たちを見送ったアルと柊も、行動を開始していた。
「あ、この蔓草、沢山の動物がつけてたやつだよ」
「地面の足跡もこの辺が多いね。これは……力任せに木にぶつかったかな。とすると、突進してきたのは、向こうからかな」
「それに驚いた……のもあるけど、やっぱり全部の原因じゃないね。もっと奥だと思う」
追跡に長けた柊の分析に頷きながら、アルは周囲の木のひとつに目印の紐を結び、小さな洞なども覗き込んでいる。
逃げ遅れた動物には今のところ遭遇していない。それも、この状況のおかしさに拍車をかけている。
「森が空っぽになったみたいだ」
ぽつり、と。
直感のままに口走ったアルの言葉は、やけに森に響き渡った。
小動物を招けるだけ招いた後、上空高く飛び上がったティファーナは、まず動物たちに低く優しい歌を聴かせ、心を落ち着かせることに努めていた。
怯えていた動物たちも、フェアリーランドで歌声に包まれ、傷を癒されることで、確かに落ち着いていった。
「ねぇ、何があったのか教えて。思い出して怖くなったら言ってね。何度だって歌ってあげるよ」
ティファーナの問いかけに、小動物たちはぱらぱらと応えた。
『わからない。いきなり沢山の逃げろが来た』
『みんな、逃げろ逃げろ叫んでた』
『普段こわい大きなやつも、おんなじことを叫んでた』
『わからなくて、走った』
『石の呪いを見た』
『花が呪われるのを見た』
『呪われたところから、花の芽が出た』
小動物なりに懸命に訴えた内容を、更にティファーナなりに意味を汲み取り、整頓する。
わからない部分も多いが、ともかく彼らを連れて、平原に居る筈の仲間と合流することを決める。
あちらと話しを擦り合わせれば、何か見えてくるかもしれない。
「よしよし、大変だったわね」
何とか平原まで辿り着いた動物たち一体一体に、ベルリリーは労いの言葉をかけ、彼らの間に溶け込んでいた。
サーカスの動物と触れ合ってきた経験から、彼女は動物たちと仲良くなるのが得意だ。動物たちも、今は群れや種族を抜きに、彼女の労わりを受け入れている。
「……これで大丈夫。ですが、少し休みましょうね。ずっと走り続けて、疲れたでしょう」
同じく動物と会話出来る術を持つベリザリオが、怪我を癒した動物に語りかける。
「休みながら、ゆっくりでいいわ。何があったのか、どうして森から逃げていたのか。お話してくれる?」
平原の草の上で、動物たちの毛を撫でながら、ベルリリーもまた動物たちに問いかける。
しばらくの後、ぽつぽつと話す動物たちの話を統合すると、こういうものだった。
まず目に見える異変として、あらゆるものを突然石にする『モノ』が現れた。
それは鳥のかたちだったという。ただし、鳥にしては異様に感じた、と。
間違いなくオブリビオンであろう。自然な動物にしてみれば、いくら鳥を模したとしても、本質は異なる。
「その鳥が嘴を開くと、その先にあるものが石になった……」
「そういうモンスターには覚えがありますね。幸い飛べはしませんが、石化の能力を有する、厄介な相手です」
ベリザリオが思い出したのは『コカトリス』だ。身体に石化袋を持ち、吐くブレスで相手を石に変えるという。
行動範囲の関係で、ある一定以上の高さには被害は出ていない。だが、森の基礎でもある地面近くのものを石に変えるというのは、森で暮らす動物には致命的だろう。
「自分の巣がある樹を石にされても、たまらないものね」
「どの動物にとっても、他人事ではないということですね。ですが、森が拡がる原因とは別口のようです」
「そうね。……その鳥が何処に居るか、わかる?」
ベルリリーの問いかけに、動物たちは首をひねるような様子を見せる。
曰く、己の縄張りの近くで見たときは、大きな獣に威嚇され、その仕返しに石化のブレスを吐いていたらしい。
得体の知れぬ相手から縄張りと仲間を守ろうとした獣は、あえなく石化。それを見届けた後は、また気侭にふらふらとあちこちを移動していたとか。
攻撃しなければ大丈夫なのではないかと期待したが、気まぐれに石化させることもある為、『これは駄目な相手だ』と動物たちの思考が概ね一致したらしい。
「本当に怖かったわね」
しみじみと言ったベルリリーが、再び獣たちを撫でて、労わった。
ややあって、小動物を保護した壷を手にやってきたティファーナも合流する。
「石の呪いというのは、石化のことだと思うよ」
「そうね。花が呪われたというのは、石にされたということだとして……呪われたところから、花の芽が出たっていうのね」
ベルリリーの言葉にベリザリオが考え込み、難しい顔で考え込む。
「コカトリスにそういう特性は聞いたことがありません。個体差にしても考えにくい。やはり、別口の何かが居ると見るべきですね」
「そっちが、強大なオブリビオンなのかな。……あっ、ふたりが戻ってきたよ」
動物たちの進路を確認していたアルと柊の姿をいち早く見つけ、ティファーナが大きく手を振った。
「まず、こっちの話から話すね。大体この辺から逃げてきたのかな~、って辺りに来たら、花とか樹とか、あと逃げ遅れた動物が石化してるの見つけた」
「すっごい端折られたけど、本当にそんな感じだったよ。……だから森が静かだったんだと思う」
気落ちした様子のアルに、マイペースかつ端的に柊が続ける。
「で、そこにその鳥がぬうっと出てきてねえ。僕もこれヤバいなって思ったし、何よりアルが撤退最優先説明後!って言うから、全力で逃げた。うん、あれ逃げて正解だったよね」
「あのままだと、ミイラ取りがミイラになりそうだったから」
それでも、何処か後ろ髪を引かれた様子のアル。
彼は最善の判断を下した。だがそのことと、森の中でよく遊ぶ動物の痛ましい姿に背を向ける気持ちは、また別な話だ。
「あと、花の芽以外に、石になった地面から何かの芽が出てるのも見たよ」
「それは……」
アルの言葉にさすがに言葉を失うも、すぐに確認を取るベリザリオ。
「コカトリスが通ったルートを、後から通ったものが居る。それこそが、討伐対象のオブリビオン……ということで、間違いないでしょうか」
彼の言葉に異論を唱えるものは居なかった。
その仮定の下、動物たちへの聞き込みをした結果、概ね裏付けはとられた。
芽が出ているのを見たという動物や、その近くを縄張りとする群れに話を聞き、その容姿や特徴から相手を絞り込んでいく。
「ヒューレイオンかな。他に植物で有名なのも居るけど、芽が出た場所だとか、見た目の特徴も一致する」
「下手をしたら、自動的に近寄って来そうね。コカトリスと同時に相手にするのは避けたいわ」
「コカトリスを先に捕まえるのにさんせー。石化の心配があると、戦いどころじゃないもん」
「石化されていた地点で行動範囲を把握し、そのうち『芽』を目撃した場所は避けられたら良いですね」
対策を話し合ううち、ベリザリオはふともうひとつ聞こうと思っていたことを思い出し、動物たちに訊ねる。
「私達がそれらを倒したら、また元通り森で生活出来ますか?」
その問いかけに、森の動物たちはしばし考えるような間を置き、口々に応える。
――わからない。
――巣が石になった。
――縄張りが乱れた。
――出来るかはわからない。
――死ぬ群れも、あるかもしれない。
――けれど、生きる。
――みんな、森に帰る。
――みんな、森で生きたい。
それぞれに多少の意思の違いはあったが、彼らはほとんど同じ返事を返した。
そんな動物たちを見つめ返し、それが彼らの本心であると確認するベリザリオ。
「あの、ちょっと動物達と遊んで行ってもいい? ダメ?」
「お気持ちはわかりますが、駄目です」
「……はい」
名残惜しく動物の毛を撫でるアルの姿に、ベリザリオは思わず口元を綻ばせた。
大成功
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第2章 冒険
『石にする鶏を捕まえろ!』
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POW : モンスターが出てくるまで張り込み
SPD : モンスターを必死に追いかける
WIZ : 足跡や聞き込みからモンスターの場所をたどる
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●
動物たちの異変の原因のひとつが、コカトリスであると看破した猟兵たち。
その厄介な特質上、討伐対象の強力なオブリビオン、推定ヒューレイオンとの戦いの前に、まずはコカトリスをどうにかして捕獲、無力化しなければならない。
コカトリスの特性は、端的に言えば『石化を使う鶏』である。
石化のブレスを除けば、さほど強いユーベルコードの持ち主ではない。
むしろ石化が強い。
あるいは、鶏の世話をした経験のある猟兵ならば、舐めてはいけないと嗜めるかもしれないが。
今まで判明しているところによれば、コカトリスとヒューレイオンの行動範囲は微妙に異なる。
更に明確なルートを割り出すにはもう少し調査が必要だが、現時点で分かっている行動範囲内でなら、コカトリス捕獲に専念することが出来るだろう。
張り込み、追跡、その他さまざまな手段やアイデアを駆使し、コカトリスを捕まえる為、猟兵たちは大森林を往く。
祝聖嬢・ティファーナ
動物たちに聞いてコカトリスのブレスが光線かガスかを聞いて猟兵に動物たちの情報を伝えます♪
引き続き動物たちには謝り、逃げてもらいコカトリスを探します☆
翔んでコカトリスを探して見付けたら『神罰の聖矢』を上げて居場所を知らせて、数本上げて方向も伝えます♪
コカトリスには「止まって自分の石の森に帰って!」とお願いしてみます☆
聞き入れてもらえなかったら両手で『X』を出して、仕方ないと方向を変えてくれたら「帰ってくれるから、みんな待って!」と大きな声で伝えます♪
戦闘になったら石化の光線/ガス対策を炎の竜巻や神罰の聖矢で曲げたり防いだりする事を猟兵に伝えます☆
治癒と防策に集中はしますが、聖矢で攻撃もしてみます
レギーナ・グラッブス
まずは石化した動植物を探し、
それをたどってコカトリスを探します。
これまでの調査で得られた話を整理して
大まかな位置がわかれば良いのですが。
その時ヒューレイオンの痕跡があれば記録しておきましょう。
コカトリスと戦闘になったら咎力封じで石化ブレスを封じる事を試みます。
それさえ封じれば捕獲はだいぶ楽になるでしょうし。
コカトリスの動きをよく見て移動やブレスの後の隙に
拘束具を使用するつもりです。
そういえば私が石化ブレスに触れるとどうなるのでしょう。
元々硬い素材を球体関節で繋いでいるので動けそうな気もしますが
服が勿体無いので積極的に試したくはないですね。
「動物たちが見たブレスは、『ふわふわ』じゃなくて『びかびか』してて『まっすぐ』だったんだって。多分、ガス型じゃなくて光線型ってことだと思うな」
「この位の範囲の直線ですね。それが判っていれば、回避しやすそうです」
森の中、石化した地面を見ながら、祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)とレギーナ・グラッブス(人形無骨・f03826)は、コカトリスの詳細について改めて整頓する。
ちなみに、ティファーナは動物たちに話を聞いた後は、既にコカトリスの行動範囲外と思われる場所に逃げて貰っている。危険が伴う状況に向かうと理解した動物たちも、『がんばって』『きをつけて』と、謝るティファーナを励ました。
「じゃあボク、空から探すね」
「はい。なるべく近くに居るようにします。お気をつけて」
「まっかせて!」
レギーナの言葉に笑顔でくるりと回ってみせると、ティファーナは空へと飛び立った。
一旦ティファーナと別れたレギーナは、改めて石化した動植物を調査していた。
方角や特徴のある樹、これまで猟兵たちが集めた動物たちの証言を整頓し、行動範囲を更に絞っていく。
「この辺りまで来ると、ヒューレイオンの痕跡はありませんね。完全に行動範囲外なのでしょうか」
ここまでの記録と照らし合わせ、より正確に双方の行動範囲を見極める。特に、コカトリス捕獲に専念する為には、ヒューレイオンの行動範囲を正しく頭に入れて行動することは重要だ。
「そういえば、私が石化ブレスに触れるとどうなるのでしょう」
ふと疑問を感じ、レギーナは呟く。彼女は、ミレナリィドールの中でも硬い素材を球体関節で繋いでいるタイプなので、動こうと思えば気合で動けそうな気もするのだが。
「……服が勿体無いので、積極的に試したくはないですね」
頭を振ったレギーナの視界の端に、天からの光が数本、立て続けに降り注ぐのが見えた。
「ねえキミ、ちょっと止まって!」
「コケッ?」
コカトリスを発見し、まず『神罰の聖矢』を用いて周りに居場所と方角を報せた後、ティファーナはコカトリス相手に交渉を持ちかけていた。
「あのねっ。自分の石の森に帰って!」
「……ケコケッ??」
拳を握ってのティファーナの言葉に、ぐりんと首を傾げるコカトリス。
「ほら、コカトリスの故郷とかそういう感じの森、無い?」
「コケコクァ!」
「わかんないの? 迷子なの?」
「ココココカコェーッ!! クェェエエエ
!!!!」
「え、え、ごめん、自由への反逆者ってなに……何……跳んだー!?」
「クッククゥコォーーーーーー
!!!!!!!!!!!!」
興奮した様子で大きくジャンプするコカトリスに、すわ戦闘かと高く飛び上がるティファーナ。
そこにちょうど合図を見たレギーナが駆けつけ、広げた嘴めがけて猿轡を投げつける。
「ーーーーーー
!!!!!!」
声を封じられたコカトリスだが、声を封じていても何となくやかましい気配が伝わってくる。
「あ、ブレス吐かないね!」
「あの状態だと、闇雲にブレスを吐けば窒息間違いなしですからね。しかし、速い」
枷を蹴り飛ばされたレギーナが、とにかくヒューレイオンの行動範囲へ向かわぬよう引き続きロープで牽制する。
ティファーナも神罰の聖矢を発動。ふたりの攻撃を受けたコカトリスは大きくジャンプして後退、誘導に乗せられるまま森の中を逃げてゆく。
「あの様子なら、しばらくは石化ブレスは難しいでしょう」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
霜月・柊
このまま探しちゃった方が早いよね〜。
【追跡】と【第六感】でコカトリスを捜索。見つけられれば【目立たない】、【暗殺】、【先制攻撃】で死角から斬り掛かるよ。
早く会って見たいなぁ〜。
その頃、霜月・柊(Inane Withdraw・f09791)もまた、コカトリスの痕跡を辿って捜索を行っていた。
「何となく、こっち寄りかな~」
眠たげな目を更に細め、音もなく足を進めた先で、木々の隙間を縫うような足音に立ち止まり、そっと姿勢を落として近寄る。
果たしてそこには、件のコカトリス。嘴に引っ掛けられた猿轡を木の幹に叩きつけることに夢中で、柊の方にはまったく気付いていない。
――たぶんあれ、誰かの石化封じだね。
得物を手に構えた柊は、即座に茂みを飛び出し、不意打ちを仕掛ける。
狙い通りコカトリスの首元を掠め、そのままの勢いで羽毛を大幅に削ぎ落とす。
「ーーーーーー
!!!!!!」
慌ててコカトリスは地を蹴り、大きくジャンプして逃げ出そうとする。
その方角を見て、ふと、柊は気付いた。そして閃いた。
「このまま程よく追っかければ、撒き餌してる人達の網の中だよね」
柊は得物を持ち直し、コカトリスにぎりぎり追いつかない速度を維持しつつ、時々斬撃を閃かせては、コカトリスの危機感を煽る。
「頑張って走ってはらぺこになって、さくっと捕まっちゃってねえ~」
はやく捕まれば、それだけ早く『大物』に出会えるのだ。
成功
🔵🔵🔴
ベリザリオ・ルナセルウス
●目的
織久(f10350)と協力してコカトリスを無力化しよう
あの子は問答無用で討伐しそうだが……まあ、その時は仕方ないか
動物達の棲家を石化されたら困るからね
●作戦
コカトリスの餌になる物はなんだったかな?
私の知識の中にあったか改めて考えてみよう
餌が分かったらこの森の植生からありそうな位置が割り出せるかもしれない
先程助けた動物達の中でまだ治療中で逃げていない子達にも聞いてみよう
それが分かったら織久と一緒に待ち伏せかな
織久は敵に対する嗅覚と勘が鋭いし目もいい
発見したらまず私が【鈴蘭の嵐】で注意を引こう。見つかった後は石化のブレスを盾で防ぎながら誘き寄せる
西院鬼・織久
【心情】
ベリザリオに先回りされるとは
しかし本命はまだのようですね
分かりました、協力しましょう
【行動】
呼称:ベリザリオ(f11970)に協力
「視力」「暗視」「聞き耳」「第六感」使用
物陰や死角が多い森なので第六感も働かせる
此方が先に敵を発見したらベリザリオに合図
目立たないようにその場に潜み、ベリザリオの行動を待つ
行動開始と同時に敵の背後へ静かに移動
背後から「先制攻撃」
「ダッシュ」で接近し「串刺し」
毒蛇の毒腺のように石化の元があればそれを「二回攻撃」「なぎ払い」
深い場所にある、または硬いなら「鎧砕き」「鎧無視攻撃」
ブレスを吐く前に「影面」の爆破で牽制
「残像」も利用して常に横か背後に位置取り攻撃する
胃袋を狙った猟兵のひとりが、ベリザリオ・ルナセルウス(この行いは贖罪のために・f11970)であった。
彼はその豊富な知識をもとに、コカトリスが主食にするような虫や木の実の類がこの森にあるか、森の植生や動物たちの話をもとに調査し、割り出していた。
念の為、先に聞いておいた行動範囲とも比較した上で、餌場と思しき場所を割り出して待ち伏せを行っている。
少し距離を置いた木陰には、西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が、注意深く物陰や死角へと神経を向けていた。
彼がその索敵能力で接近を感知し、ベリザリオがコカトリスの注意を引くという役割分担だ。
そうして潜むことしばし。
織久がベリザリオに見えるように合図を寄越すと同時、その姿を更に森へ埋没させる。
彼の合図が示した方角を見据え、ベリザリオは浅くゆったりと呼吸をした。
もはや彼にもわかるほどはっきりと、焦ったような速度で近寄る気配と、隠しもせず地を蹴る音がしていた。
辛抱強く、しかしいつでも行動出来るよう構えるベリザリオの前方に、口に猿轡をかけられたコカトリスが、転がるように茂みから飛び出てきた。
「そんなにお急ぎで、どうされたのでしょうか?」
敢えてそう告げながら、その身に装備していた武具の数々が無数の鈴蘭の花びらとなり、コカトリスを強襲する。
「ーーーーーーー!!!」
さすがに回避しきれず、真っ向から鈴蘭の嵐をその身に受けるコカトリス。
「それでもまだ立ちますか。体力などの点では、やはりオブリビオンなのですね」
油断なく盾を構えるベリザリオに、コカトリスが地を蹴る。もう一度鈴蘭を食らう前に跳びかかろうとしての行動だが、それは叶わなかった。
コカトリスの腹部から、赤黒く濡れた刃が生えていた。
一連の行動の間に背後に回りこんだ織久が、速度と力の乗った一撃で、コカトリスの身を貫いたのだ。
それから間を置かず、薙ぐような斬撃を二度。更に弱った身体を叩きもう一度貫くような、骨を砕き身の内まで届く重い一撃を繰り出す。
途切れることなく残像を残し、決して逃がさぬ猛攻の前に、嘴の猿轡がからりと落ちる。
だが、その嘴から漏れたのは石化のブレスではなく、弱い呼吸音と、錆びた食器がぶつかるような耳障りな声。
コカトリスの石化能力の要である石化袋を狙う。そんな離れ業を、このように彼は徹底的にやってのけたのだ。
半ば死を覚悟し、コカトリスがもう一度跳ぶ。
むざむざ逃がす織久ではなく、幾度も刃が閃き、コカトリスの体力を削るも、生存への要求のままに、がむしゃらにコカトリスは大きく跳躍する。
それを阻んだのは、ベリザリオの構えた盾だ。
自分が壊れるか、盾が壊れるか。その気迫でコカトリスは盾目がけて飛び掛り……。
「…………おや」
すさまじい激突の後、見事に反射したコカトリスは、そのまま斜め上空へと吹き飛ばされていく。
そして、まったく迷いなくそれを追いかけていく織久。
「無力化と伝えたんだが……あの子は問答無用で討伐しそうだな」
先程までの戦闘を思い返しながらも、すぐにベリザリオは思考を切り替える。
「まあ、その時は仕方ないか。動物達の棲家を石化されたら困るからね」
現在生きているものたちの暮らしを守るのは猟兵の務めだ。
成功
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アル・ディオール
【WIZ】
あの子(コカトリス)の好物ってあるのかな
動物達に聞いてみよう
『誰かあの子が食事してる所見た事ある?
興味を引けそうなものとか知らない?
それが森にある物ならあの子に見つからない様に集めよう
隠れたり追跡する際は足跡や足音に警戒【聞き耳・視力】
森に小さな祠があったよね、そこに誘導する様に餌を撒いて行こう
後はあの子を視認できる距離から餌付近で隠れて待機
祠に入ったら後ろから捕まえて素早く嘴を紐で縛っちゃお
暴れる前にユーべルコードを使って脅迫【高速詠唱】
『大人しくしないと槍でグサってして頭から食べちゃうぞ、分かった?
上手く言ったら事が終わるまで
全身紐でぐるぐる巻きにしてそのまま祠に居て貰おう
大森林の比較的浅い場所に、近隣に住む人間が作った小さな祠がある。
その話を動物から聞いたアル・ディオール(ぼんやりエルフ・f06347)は、それを使った作戦を立てていた。
『誰かあの子が食事してる所見た事ある? 興味を引けそうなものとか知らない?』
そう動物たちに聞き込みを行い、コカトリスがよく食べていた木の実や植物を突き止め、着々と集めて祠の内側から点々と撒く。胃袋狙いの、撒き餌戦術だ。
先程から、コカトリス遭遇の合図に空を走る光や、戦闘の音が聞こえてくる。そして、コカトリスが近づいて来る、その音も。
ここからが正念場、と、木の陰に隠れたアルは音の方を見てじっと待ち伏せた。
程なくして、ぼろ雑巾のようになりながらも、まだ生きているコカトリスが現れた。
よたよたとした足取りで、まんまと餌の方におびき寄せられている。実際、空腹の限界だったのだろう。
緩慢な動きで、しかしぱくぱくと餌を口にしてゆくと同時に、感じていた恐怖もコロリと薄らいだようだ。ふるふるしていた筈の脚や羽根が、次の餌次の餌へと伸びていく。
より美味しそうなものを選別した甲斐があったなあ、と感慨深く思いつつ、祠へ頭を突っ込んだのを見計らってアルは素早く飛び出した。
「グゲ!! コゴケケッ!!?」
この個体は、鶏並みに暗闇に弱い個体らしい。
自分を捕まえようとする『何者か』に、正体もわからぬまま抵抗しようとした時、不意に周囲が明るくなった。
「はい、大人しくしないと槍でグサってして、頭から食べちゃうぞー。分かった?」
「…………」
「あ、気絶した」
アルの周りに浮かんだ数え切れないほどの魔法の槍は、すべてがその先端を真っ直ぐコカトリスに向けていた。
こうして、全身を紐でぐるぐる巻きにしてそのまま祠に放り込まれるという、比較的穏便な対処が行われた。
動物たちが感じた恐怖を何倍にも増幅して返されたコカトリスは、怪我もあってほぼ身動きがとれず、石化能力も失っている。
これで後顧の憂いなくヒューレイオンとの決戦に挑めるだろう。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『ヒューレイオン』
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POW : ディープフォレスト・アベンジャー
【蹄の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自在に伸びる角を突き立てて引き裂く攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : チャイルド・オブ・エコーズ
【木霊を返す半透明の妖精】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ : サモン・グリーントループ
レベル×1体の、【葉っぱ】に1と刻印された戦闘用【植物人間】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑17
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●
静まり返った森に、植生を無視した花や樹の芽が、点々と続いている。
石の地面に咲いた花、倒木の上に生えた若木などを目印に森林を進むうちに、周囲は一際濃い緑に包まれる。
空を覆うほど伸びた枝葉、足元が見えなくなるほどの緑。
その中心から、静かな、しかし紛れもない怒気が発せられている。
辛うじて差し込む日差しが、その姿を浮かび上がらせる。
青く輝く四本の角。黒いその身を走る不可思議な紋様もまた青。
そして、爛々と輝く緑の瞳。
森の奥深くに棲み、その足跡からは木々が芽吹くという幻獣。
それは理解していた。目の前に居るのは、己の天敵だと。
拡がる過去を押しとどめる術を持つ者たちなのだと。
このままでは、この森だけでなく、周りにあるあらゆるものを巻き込む脅威となる。
必ず幻獣を討伐し、骸の海へと還さなくてはならない。
猟兵たちとオブリビオン――相容れぬ存在同士の、決戦が始まった。
ベリザリオ・ルナセルウス
●目的
織久(f10350)と一緒にヒューレイオンを倒す
これほどの恵みをもたらす力があるのに……悲しい話だが私は剣を抜こう
正常な森を取り戻すため、勝利を【祈る】
●戦闘
織久は自分も傷つくことを前提にした特攻タイプ
私はできる限り敵を引き付けて織久の被弾を減らす
味方を【鼓舞】しながら【鈴蘭の嵐】で【挑発】
【おびき寄せ】に気付かれないよう角などを狙って【武器落とし】も。無視できないようにする
【覚悟】をもって盾と剣で攻撃を受け強烈な攻撃は【無敵要塞】で防ぐ
動けなくなっても心配はしない
敵が私に気を取られるほど織久が必ずその隙を突くからね
戦いに支障が出るような傷があれば【生まれながらの光】で治療する
西院鬼・織久
【POW】
【心情】
その能力、ダークセイヴァーであれば歓迎されたかも知れません
ですが
我等が敵となれば狩るのみ
より豊かな血肉と苦痛を期待しよう
【同行】
呼称:ベリザリオ(f11970)
【戦闘】
敵の行動や攻撃を「見切り」反撃しにくいタイミングや角度を狙う
直接攻撃は回避と同時に「カウンター」
「先制攻撃」の「影面」で高速
「二回攻撃」で引き寄せ木立や地面に叩きつける
起き上がる瞬間を狙い「ダッシュ」の勢いを加えて「串刺し」
刺したまま「影面」を武器伝いに送り爆破で「傷口をえぐる」
それで隙ができれば「なぎ払い」で足や首を狙う
影面を当てるのが難しいなら「殺意の炎」の「範囲攻撃」で牽制
火柱に隠して「影面」を使う
霜月・柊
やっと大物のお出ましだね〜!頑張って探したかいがあったよ!
【先制攻撃】、【二回攻撃】を組み合わせて不意打ちを狙う。それで怯む様子があれば【剣刃一閃】で首を狙う。怯む様子が無ければ他の猟兵と戦いながら隙を突く。敵からの攻撃は【見切り】、【逃げ足】を生かして避ける。
やっぱり思いっきり戦えるのは良いね〜!ここにいる猟兵も強い人居るし、後で声掛けよ〜。
●
「やっと大物のお出ましだね~! 頑張って探したかいがあったよ!」
小さく潜めつつも、喜びを隠し切れない声で霜月・柊(Inane Withdraw・f09791)は先程までより遥かに活き活きとした目で、戦場と猟兵たちに視線を巡らせる。
真っ直ぐに立つパラディンは、僅かに悲しげな目で目の前の光景を見つめていた。
――これほどの恵みをもたらす力があるのに。
ヒューレイオンがもたらした緑の領域を強く目に焼きつけ、ベリザリオ・ルナセルウス(この行いは贖罪のために・f11970)は敢えてゆっくりと剣を抜いた。
淡い煌めきが僅かな木漏れ日と反射し、ヒューレイオンの目がそちらを向く。
「その能力、ダークセイヴァーであれば歓迎されたかも知れません。ですが」
西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が、ベリザリオの感じた悲しみの一端を、ただ事実として述べる。
しかし、彼が感じるのは、災いに転じる恵みへの心の痛みではない。
「我等が敵となれば狩るのみ。より豊かな血肉と苦痛を期待しよう」
より豊かな世界を喰らうものならば、その味わいも、また。
爛々と光る赤い瞳に、柊は口の両端を吊り上げた。
「はじめましょう。正常な森を、取り戻すため」
ベリザリオは強く、誓うように剣に祈った。
動物たちの眼差しを、思い返す。
その瞬間、ベリザリオのもとから無数の鈴蘭の花びらが舞い上がり、幻獣へと殺到した。
四肢を、角を容赦なく打ち据える花弁を振り払い、ベリザリオを見据えたヒューレイオンに、彼は盾を掲げて宣告する。
「この場で討伐します!」
剣を突きつけたベリザリオに対抗するかのようなヒューレイオンの嘶きに応え、『1』と書かれた葉を持つ植物人間の群れが現れる。
物量で押そうと、ベリザリオに殺到する植物人間達。
だが、彼らとヒューレイオンの間に割り込んだ影があった。
「その首、貰って良いかな?」
淡い水色の刀を素早く振るい、首元に傷を負わせたのは、柊だ。
繰り出されたヒューレイオンの蹄の一撃を軌跡を読んでかわし、そのまま誘うようにゆらりと後退してみせる。その動きに、隙は無い。
深追いを避け、先に体勢を立て直そうとするヒューレイオン。その四肢を目指して黒い影が飛び、命中した箇所に次々と爆破を引き起こしてゆく。
「うわあ。聞いてたより派手~」
相手の様子を見て、遊撃と援護体制に切り替えた柊が感嘆の声を漏らした。
爆破による痛みを堪え、『敵』の姿を求めて見回すヒューレイオンの四肢に、影の腕が巻きついてぎりりと締め上げる。
「何人たりとも死の影より逃れる事能わず」
影の腕の主である織久が力ずくで引き倒し、その巨体を木に叩きつける。
己の生み出した樹木と同時に傷つけられ、怒りのままに身体を起こそうとするところを狙い、織久は更に奔る。
掠める蹄を紙一重でかわし、走った勢いと力を込めて武器を突き立てる。
「その身の恵みは如何ほどか。我等に見せてもらおう」
爛々と光る目で、突き刺した武器ごしに再び爆破の力を送り、傷口を更に抉ってゆく。流れるような動作で、傷を増やしてゆく。
この痛みは危険だと察知したヒューレイオンは、織久を逆に引きずるべく立ち上がり、植物人間たちに一啼きで指示を出す。
「織久!」
剣と盾で植物人間たちをいなしながら近づいていたベリザリオが、ヒューレイオンの角を目がけて剣を振るう。
「こいつら、合体する気みたいだよ~! 明らかに堅くなってた!」
植物人間を何体か切り捨てた柊の足元には、『1』と書かれた葉と、『2』と書かれた葉が落ちていた。
「やり甲斐はあるけど、あいつに近づけないのは困るなあ」
「奴等も、『我等』ということか」
傍らを通り過ぎた織久が呟くと同時、ベリザリオが集団の只中に飛び込む。
「頼む!」
その一声を合図として、何処か優美さのあったベリザリオの鎧がかたちを変え、ベリザリオ自身すらも封じる超防御モードとなって、強固な護りを固める。
一切の恐れを宿さず、敵陣の只中に立つベリザリオをヒューレイオンの蹴爪が捉え、その青く光る角を鋭く伸ばしてベリザリオを狙う。
たとえ防具によって攻撃が通じないとしても。勢いのままに押し込み、絶え間なく植物人間を呼び、合体させて抑え込む。
冷酷に思考しながらも、ヒューレイオンは自身を縛る影の腕に焦りを覚えていた。だからこそ、護りを担うものの動きを封じねばならないとも、思っていた。
「我等が怨念尽きる事なし」
声は、ひどく近くから聞こえた。
視界を黒い炎が埋め尽くし、四肢を縛る影の腕に再び力を込められるのがわかった。
咄嗟にベリザリオから距離を取り、死に物狂いで暴れて影の腕から逃れ、黒い炎の中をひた走る。
その後ろから、植物人間たちの命が怨念の中で燃え尽き、切り倒される音が聞こえた。
――ユルサナイ。
抉られた傷口の痛みを、復讐の念が上回る。
――『私タチ』ヲ傷ツケル者ハ、決シテユルサナイ!
怒りをくべて力となし、森を芽吹かせる幻獣は、怒りの咆哮を挙げて更なる植物人間を招いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ベルリリー・ベルベット
お前を倒せば終わりなの?
せっかく美しい姿と素晴らしいチカラを持っているのにね
特に瞳は深い森を閉じ込めた宝石みたい……
残念だけれど、ここで幕を下ろしましょう
植物人間も出てくるなんて厄介ね
まずはフック付きワイヤーや『ジャンプ』『空中戦』で舞い上がって、囲まれないように動き回るわ
敵の攻撃は『見切り』で回避に努めて、反撃のチャンスを探しましょう
攻撃チャンスを見つけたら、【早撃ちシンデレラ】をお見舞いよ
『2回攻撃』で攻撃の手数を増やしてあげるわ
植物相手なら炎の『属性攻撃』が効くかしら
◆絡みやアドリブも歓迎です
「お前を倒せば終わりなの?」
鈴を転がすような声が、樹海の幻獣に呼びかけた。
「せっかく美しい姿と素晴らしいチカラを持っているのにね。特に瞳は深い森を閉じ込めた宝石みたい……」
くらがりと木漏れ日が入り混じる中、舞台に上るように現れたベルリリー・ベルベット(ルーナフラウ・f01474)が真っ直ぐに幻獣と向き合う。
薔薇色の瞳には、既に決めた者が持つ強さがあった。
「残念だけれど、ここで幕を下ろしましょう」
宣言と共に、彼女は地を蹴り、密集する枝を自在に飛び移りはじめた。召喚された植物人間が彼女を取り囲むより早く、羽毛のようにひらりひらりと植物人間たちを翻弄する。
「最後の舞台が地上だけなんて決まっていないでしょう?」
ベルリリーの動きを追いきれない植物人間たちの様子に、ヒューレイオンは身体の表面に生えた植物を揺らす。
ひっそりと。半透明の妖精がベルリリーを追って舞い上がり、枝の間を飛び回る。
生み出した妖精と五感を共有したヒューレイオンの指示により、植物人間たちの動きに変化が生じる。数だけでは押せない、合体した上で先回りをせよ、と。
「あら、しっかりと見つめてくれているのね。それなら――ダメよ、目をそらしちゃ」
いつのまにか握っていたフック付きワイヤーを手足のように使い、ベルリリーは枝のない空中を舞い踊る。ステップをひとつ踏む度に無数の閃きが広がり、炎の属性を帯びた無数のナイフが、植物人間たちを次々と地に縫いとめた。
それはヒューレイオンにも容赦なく降り注ぎ、再びの後退を余儀なくさせる。
「リリの『早撃ちシンデレラ』、お気に召して頂けたかしら」
彼女がワイヤーを手繰る。ヒューレイオンの喚んだ妖精が、絡め取られて地に落ちた。
大成功
🔵🔵🔵
ベリザリオ・ルナセルウス
●目的
織久(f10350)と共にこの戦いを終わらせる
悲しみは続かない方がいい
過去の苦しみを今を生きる者達に背負わせてはいけないんだ
(織久達のように……苦しみは続けば続くほど呪いとなってしまう)
だから終わらせる
●戦闘
狙いはヒューレイオン
【覚悟】を決めて前に出る
【武器落とし】の武器を的確に狙う要領で攻撃を受けとめ、叩き落とす
体勢を崩して盾を叩きつけ【挑発】する
植物人間を呼び寄せるなら【鈴蘭の嵐】でその体の葉を引き剥がして引き裂く
相手は【無敵城塞】を使えば私が動けなくなるともう知っている
我を忘れて襲ってくる時以外は使わないでおこう
そうなるようヒューレイオンの行動も【鈴蘭の嵐】で妨害して苛立たせよう
西院鬼・織久
【POW】
【心情】
易々と倒れぬ敵であれば尚の事
互いの血肉が流れ怨念の糧となる
どちらが喰い尽くされるか楽しみだ
【同行】
呼称:ベリザリオ(f11970)
【戦闘】
ベリザリオと挟撃、または十字砲火できる立ち位置で
危険な攻撃のみ「見切り」致命傷を避ける
それ以外は攻撃に専念
傷の深い場所、急所となる場所を「見切り」
「先制攻撃」の「殺意の炎」で目晦まし
ベリザリオに向かった所で炎の影から回り込み「影面」
動きが止まった所を「二回攻撃」の「なぎ払い」
植物人間や木霊が邪魔なら複数体は「殺意の炎」の「範囲攻撃」
合体した植物人間は「ダッシュ」の勢いを乗せ「串刺し」
「影面」を伝わせて内部から爆破し「殺意の炎」で焼き払う
這うような低い唸り声が、徐々に殺意を含んだ嘶きと化してゆく。
焼けた葉が散乱する地にあって、ヒューレイオンは未だ爛々と目を光らせ、敵意を露にしていた。
それに真っ向から対するように、ベリザリオ・ルナセルウス(この行いは贖罪のために・f11970)は淡く輝く剣と盾を構え、一歩を踏み出す。
「悲しみは続かない方がいい。過去の苦しみを今を生きる者達に背負わせてはいけないんだ」
――織久達のように……苦しみは続けば続くほど呪いとなってしまう。
その憂いを『終わらせる』という決意と覚悟に転じ、ベリザリオは走り出した。
真っ直ぐに突き進んで来る護り手に、ヒューレイオンは正面からぶつかる覚悟を固め、後ろ足に力を入れる。
鋭い蹄の一撃に対し、ベリザリオは盾で受けるのではなく、剣をぶつけるようにして受け止め、叩き落すことを選んだ。
受け流されたその瞬間、ヒューレイオンの視界を黒い炎が埋め尽くす。
その炎が何かを、ヒューレイオンは知っていた。対処しなければ。そう思っても、目の前の護り手が盾をぶつけて阻む為、そちらに気を取られる。
危険だ。
焦りが、ヒューレイオンの判断を鈍らせる。ベリザリオは、先程のような守りに徹することはせず、積極的な妨害で以って『攻め手』を守っている。
植物人間を呼ぶには、黒い炎は危険だった。
それでも。彼らを倒せるならばと、何度目かの呼び声を挙げる。
召喚してすぐに炎に巻かれる彼らに命じる。炎を纏い、あらゆる方向に散れ、と。
――樹海の住人の守護者とも呼ばれる幻獣が、そう命じる。
「何人たりとも」
ベリザリオの進撃と十字を描くように、黒い影が迫る。
「死の影より逃れる事能わず」
炎を纏う植物人間の隙間を、狙いたがえることなくすり抜け、ヒューレイオンの後ろ足を爆破する。
ベリザリオとの戦闘音、黒い影と繋がった腕を伝い、西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が容赦なく得物を振るう。
僅かな掠り傷のみで炎を突破した織久めがけて殺到する植物人間には、ベリザリオの武装から溢れた鈴蘭が降り注ぎ、葉を引き剥がしてその身を引き裂いた。
織久が爆破した脚を再び薙ぐように切りつけ、蹄による一撃をしくじったヒューレイオンの角の一本が、歪に曲がる。
「良い。我等の炎に、かように怨念をくべるとは、良い」
得物を振るう織久の動きは、異世界の機械のように正確に、必要最低限の回避以外の全てを攻撃に転じている。
振りかぶった得物が胴を薙いで、そのまま勢いを殺さず歪になった角に柄を叩きつけ、繋がった影の腕を時に引き、時に緩めて。
ヒューレイオンの身体に傷が増えてゆく。斬られ、叩かれ、爆破を受け、無事なところなどありはしない。
織久の攻撃により吹き飛ばされ、その勢いにベリザリオを巻き込もうとしても、『無敵城塞』の使いどころを誤らなかったベリザリオは耐え抜き、ヒューレイオンだけが地に叩きつけられる。
もはや、ヒューレイオンは満身創痍であった。
それでも、ヒューレイオンは立ち上がった。
どうして未だ立っていられるのか。どうして未だ立とうとするのか。ヒューレイオン自身にも、わからない。
だが、もしも。ここで楽になることを選び、諦めるようであれば。
オブリビオンになることなど、ありはしなかったのだろう。
あと一撃でも喰らえば、存在してはいられない。
そんな有様であっても立ち上がろうとするその姿に、織久が口を開いた。
「易々と倒れぬ敵であれば尚の事、互いの血肉が流れ怨念の糧となる。――どちらが喰い尽くされるか、楽しみだ」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
源・ヨーコ
そんなになっても立つっすか、見上げた根性っすね。敵ながら天晴っす!
だけど、このまま見逃すこともできねーっすから……
今ここで決着をつけるっす!!
ここまで追い込んだのなら小細工なしっす。敬意をもって一撃で仕留めるっすよ!
ヒューレイオンと正面から相対し、真っ向勝負!! 突撃を避けず、深く腰を落として頭部に正拳突きを合わせるっす! 勝てば良し、力負けしても悔いはないっす。
もし倒すことができたなら、ヒューレイオンの亡骸をブレイズフレイムで焼いて弔うっす。
古来森は山火事で新しい樹木の育成を促したと聞くっす。なら、これが再生の焔になるかも知れないっすから。
「そんなになっても立つっすか、見上げた根性っすね。敵ながら天晴っす!」
身体は傷だらけで、頭もまともに働かない。植物人間はことごとく燃え尽きて、木霊の妖精と共有出来る五感もあやふやなまま。
その身に投げかけられた言葉は、緑のくらがりに爽やかな新風を吹き込むようだった。
「だけど、このまま見逃すこともできねーっすから……今ここで決着をつけるっす!!」
はっきりと言い切り、構えを取る源・ヨーコ(鉄拳制裁・f13588)の姿に、ヒューレイオンが何を見たのかはわからない。
ただ、正面からの真っ向勝負を挑もうとする彼女に応えるように、姿勢を落とす。
それだけの動作ですら、苦痛に満ちていた。
機会はただの一度。それを、両者ともに直感する。
――ここまで追い込んだのなら小細工なしっす。敬意をもって一撃で仕留めるっすよ!
地を蹴ったヒューレイオンの突撃に、ヨーコは拳を握り、深く腰を落とす。
真っ直ぐに。敬意を込めて、何処までも真っ向勝負で。
瞬間。
視界いっぱいに広がる傷だらけの巨体――その頭部めがけて、体重を乗せた全力の正拳突きを叩き込んだ。
その凄まじい激突の音は、ヨーコ本人には遠く聞こえた。
「ぐ、うぅ……!」
衝撃で後方に飛ばされ、ほぼ反射で受身を取ったそのまま座りこむヨーコ。
「……っつぅ。さすがに効いたっすー……」
ぼやきながらも、全身全霊での一撃を放った彼女は、実にさっぱりしていた。
まだ右手が痺れたまま、それでも状況を確かめようと、身体に力を入れる。
そして、見た。
自分と真反対の場所に吹き飛ばされ、地に伏したヒューレイオンを。
今度こそ、その瞼が二度と開かないことを。
ヒューレイオンの亡骸が、紅蓮の炎に包まれる。
地獄の炎とも呼ばれるその炎は、ヨーコが操るものだ。彼女の意志に忠実な炎は、周囲を巻き込むことなく、ただヒューレイオンの亡骸だけを燃やし、その存在を弔った。
「古来森は山火事で新しい樹木の育成を促したと聞くっす。なら、これが再生の焔になるかも知れないっすから」
恵みによって害を成した幻獣の灰が、豊穣をもたらすのかどうか。
その結果を知るには、短くともあと数年を待つことになるだろう。それも、きっと、森に住む動物たちだけが知ることだ。
●
帰路を辿る猟兵たちの頭上を、一羽の鳥が飛ぶ。
不自然に静まり返った森に、さえずりや鳴き声が戻ってこようとしていた。
成功
🔵🔵🔴