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ホワイトラビット・オブ・イナバ・オン・ザ・スペース

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●シャーク・パニック!
 快速小型輸送船ホワイトラビット。
 スペースシップワールドの宇宙船の中でもかなり小型のこの船は、快速小型船の名の通り素早い物資輸送をウリにしている。
 主に薬品などの医療系物資を主な積荷とし、病院船や研究機関を有する船などの間を主な輸送ルートにしている。
 そんなこの船は、この日も例に漏れず新薬の輸送の任に就いていた。
「船長、今回の新薬はなんでしたっけ?」
「たしか、無重力空間で生まれ育ったスペースノイドの骨密度やホルモンバランスの問題解決に近づく、かもしれない薬って話だったかな」
「成程。今回も責任重大ですねぇ」
 ブリッジには船長含め5人ほどのクルーしかいないあたりでこの船の規模が察せられるだろう。
 そんなブリッジで船長と操舵士が和やかに会話をしていたとき、ブリッジに鳴り響いたアラートがその平穏を破る。
「どうした!」
「何者かに捕捉されました! 高速で接近してきます!」
「なんだと!?」
 オペレータがモニターを操作しながら叫ぶ内容にブリッジが騒然とする。
 やがて現れた船や戦闘機は、特徴的なシャークマウスがペイントされていた。
「クソッ、シャークパイレーツの連中か!」
「マジかよ、ついてないぜ……」
 船体すらもサメをモチーフにした船を有する者など、ここらの宙域ではひとつしかない。
 宇宙海賊、シャークパイレーツ。
 ここ最近で突如急速に勢力を拡大し、周辺船団に危険性を注視されている集団だ。
 今までの悪行もだが、噂になるほど厄介なのはその性質。
 一度喰らいついたら絶対に離さないと言われ、仲間を引き連れ大勢で襲いかかってくるその執念深さこそが、目をつけられるのも危険と呼ばれる理由だった。
 必死に逃げるホワイトラビットだったが多勢に無勢、やがて追いつかれたシャークパイレーツに囲まれ、今にも揚陸艇が無理矢理にでも突入してきそうな状況になってしまった。
 焦るクルー達だったが、船長の表情からは一種の覚悟が窺えた。
「ど、どうします船長!?」
「……この積荷を渡すわけにはいかない、各ブロックの隔壁を降ろし篭城する!」
「幾ら通商用の航路とはいえ他の船が何時来るかなんて分かりません! ウチの鎧装騎兵たちも優秀ですけど、もしも突破されたら!?」
「皆、この船に乗ると決めた時から覚悟は決めていた筈だ。我々の積荷は決して悪しき輩に与えるわけにはいかない、例え船も命も失っても、だ」
 言い切る船長の真剣な表情に押し黙る一同。
 腰に提げたブラスターへと思わず手が伸び、嫌に重みを感じてしまう。
「さぁてサメ野郎ども、追い詰められたウサギがタダで薬をやると思うなよ」
 船長の呟きがブリッジに響き、クルーの表情が決意に満ちていった。

●スペースレンジャー・イェーガーズ!
「みんなー☆ 今日もマヒロの為に集まってくれてありがとーっ☆」
 グリモアベースにて集まった猟兵たちを、グリモア猟兵の星野・茉宙が出迎える。
 例の如くアイドルポーズをとりながら話す茉宙。
「今回はスペースシップワールド! 星の海を往く宇宙船の世界だね☆」
 手元の資料を見ながら説明を始める茉宙。
 器用にポーズを変えながら話し続ける。
「みんなには、ホワイトラビットって名前の小型の輸送船を助けてほしいの☆ どうやら厄介な宇宙海賊に襲われちゃったらしくて、このまま他の船が助けに来なかったらかなり危険な状態なの!」
 緊急性を感じさせる茉宙の言葉に猟兵たちもにわかにザワつく。
 が、気にしないよう努めているのかそのまま説明を続ける。
「私がそのホワイトラビット内に転送するから、みんなは海賊たちをやっつけちゃって! お願い☆」
 茉宙が語る討伐対象は、転送する直後にはもう船内へ突入してくるとのこと。
 なので、まずは船内部の危機の芽を摘むために突入してきた海賊をすべて倒してほしい、と茉宙が言う。
「重要なのはそのあと! みんなで何とかしてシャークパイレーツの包囲を振り払ってほしいの!」
 シャークパイレーツは基本的に全艦が一気に行動しており、その総数は100を超える。
 相手の船を直接攻撃する、船の操作を代わったり改造したりして増した速力で振り切る、船の代わりに索敵を行い見つからないルートで隠密航行する、などやり方は問わないからとにかくその包囲から逃げ切ってほしい、というのだ。
「そこまでこなせればもうシャークパイレーツ自体は気にしなくていいと思う☆ でも、それで終わりじゃないんだ……」
 集めた情報の記された資料によると、どうやらこの宇宙海賊の急激な成長の裏には銀河帝国が絡んでいるらしいのだ。
 秘密作戦と称しそこらの海賊を手駒足りえる規模まで成長させ人類を脅かす帝国が、今後の人類のためになるであろう物資を逃すはずがない。
「間違いなく、その海賊には帝国の戦力が載っているはず。たとえシャークパイレーツを振り切っても何かしらの追撃がある、それの対処もお願いしたいんだ☆」
 可能性があるのは、人員よりも兵器。
 帝国の武力をバックボーンにして成長した集団が、その武力の象徴を積んでいないはずがない。
 だが、その可能性を見越しても茉宙は不敵に笑う。
「つ・ま・り! その象徴をみんなの手でコテンパンにしちゃえば、当分シャークパイレーツは大人しくなるはず! 解放軍の再来の渾名が鍍金じゃあないことを見せつけてあげて☆」
 ビシ、と指先を猟兵たちに向ける茉宙。
 その瞳には、集まった猟兵たちへの疑念など微塵も浮かんでいない。
「みんななら大丈夫! 私も、精一杯応援してるから☆」


ひらぶき改太
 ひらぶきと申します。

 今回の依頼はライトな冒険枠、舞台はスペースシップワールドのとある通商航路を往く宇宙船となっております。
 ホワイトラビットのクルーは猟兵の存在を知っておりますので、非常に好意的かつ大抵の指示に素直に従ってくれます。
 ちなみにホワイトラビット自体の装備は対空火器と2門の航宙魚雷発射管があり、戦力は3名の鎧装騎兵と1名のスターライダー、及びブリッジクルーは全員ブラスターガンナーです。また人員はすべてスペースノイドで構成されています。
 相手の宇宙海賊自体はオブリビオンではありませんので、余程のことが無ければ相手取って苦戦することもないと思われます。
 ブリッジクルー以外の人員は避難を始めていますので、周囲の環境については気にせず暴れて下さい。
 また、第1章と第3章は宇宙船内部、第2章は内外どちらを舞台としても構いません。ただ、外は宇宙空間ということをお忘れなく。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『強襲! シャーク宇宙海賊(パイレーツ)!』

POW   :    武器を使って正面から迎撃する

SPD   :    侵入ルートを先回りして各個撃破する

WIZ   :    相手の揚陸艦を潰して動揺を狙う

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

時雨・零士
館内の侵入経路を予測し、予め【力溜め】して待ち伏せ。敵が突入次第、出鼻を挫くようにアクセラレイターに【騎乗】【操縦】で突撃しながら変身!

敵をバイクアクションと格闘【グラップル】【見切り】【ダッシュ】でなぎ倒しつつ、フォームチェンジ。
遠距離の敵には風の刃や弾丸を叩きつけるぜ!
揚陸隊の指揮官やリーダーがいるようなら【グラップル】【力溜め】【捨て身の一撃】による必殺の一撃を叩き込んでやるぜ!!

「海賊ども、テメェ等の悪事もこれで終わりだ。さぁ、おまえらの罪を、数えろ…!」

「この船の薬品は、この世界で生きていく人達にとって大切な希望だ…。俺はこの希望を守る!俺達がこの船の希望だ!!」

※アドリブ歓迎


シャレム・アルカード
たまには我も世のため人のため汗を流してやるとしよう!
武装の宇宙での運用テストがしたかったとかそういうのではないからな!違うからな!

ともかく作戦だな!
我は武装収容棺『ヘカトンケイル』を伴って、隔壁前に陣取るぞ!

姿を現した瞬間、ガトリングガンやミサイル、大砲などの遠距離攻撃で段幕を張り、即!制圧というわけだ!

……流石に船の壁に穴が空いてソラにボッシュートは我も勘弁願いたい。遠距離火器の類いが危険そうであれば近接武器(パイルバンカー)メインに切り替えるとしよう。


エミリィ・ジゼル
【WIZ】
わたくしを差し置いてサメを名乗るなどふてえ野郎もいたものです。
本当のサメの恐ろしさ、思い知らせてやりましょう。

というわけで狙うは揚陸艦です。
相手は自分が襲う側だと思っているでしょうからね。
そこにガツンと奇襲をかけて、混乱してるうちにフルボッコってすんぽーです。

まず【サメを呼ぶメイドの術】で宇宙でも活動できるサメの群れを召喚。
続いて宇宙服をみにまとった状態で【増えるメイドの術】で分裂。
サメに乗って揚陸艦を強襲し、強引に乗り込み、
シャークパイレーツに容赦なく襲いかかります。

「わー」
「のりこめー」
「いくぞー」
「ちくわ大明神」
「おいなんかいま変なの混ざったぞ」


レイチェル・ケイトリン
わたしが得意な念動力技能とスカイステッパーをつかってさきまわりして
海賊たちをかたっぱしからやっつけるね。

たたかう時は念動力技能とスカイステッパーに吹き飛ばし技能もつかって
敵をけっとばしていくよ。

この船の人はじぶんのいのちを捨ててでもって言ってた。
その想い、わたしは否定しない。

だから、そんなことをしなきゃいけなくするやつらを否定するよ。

そんなことしなくていいようにしてあげたい、
そして、おくすりをひつような人にとどけさせてあげたい、

そうおもうわたしの心が、宙を駆けるわたしの力なんだから。


ソフィア・テレンティア
【WIS 相手の揚陸艦を潰して動揺を狙う】
まず相手の足を潰すのは戦いの定石。
ソフィアの【蒸気駆動式機関銃・冥土式】の弾幕で、
海賊もろとも揚陸艦を蜂の巣にして差し上げます。

ついでに【ガジェット】をタレットに変形させて、揚陸艦を破壊するまでの間
邪魔されないように【援護射撃】をして貰うことにしましょう。

オブリビオンでもなければこの程度、UCを使うまでもありませんね。

此度の依頼は神久様(f03420)もいらっしゃっている御様子。
何方が多くの敵を倒すか、スコアアタックと参りましょう。


神久・紅玉
クルーさん、お手伝いに来ました!良ければ一緒に戦ってくれませんか?
持ち前の高い「コミュ力」と人懐っこい笑みでクルーさんと仲良くなって一緒に頑張ります、えいえいおーです!

持ってきた「トイピース」で遠距離の狙撃銃を作製、揚陸艦をばきゅーんとやっていきますよ
無事に新薬を届けるため一緒に猟兵さんとだけじゃ無くてクルーさんとも頑張ります
クルーさんは無理しないでくださいね?危ない所はお姉さんにお任せ、ですよ!

ソフィーさん(f02643)も来ている筈だけど大丈夫でしょうか
ふふーふ、少しでもソフィーさんの負担を減らせるように出来るだけ多く倒しますよ
アドリブ、台詞改変お任せします、他猟兵さんとの絡み大歓迎です



●カウンター・アタック
 襲い来るシャークパイレーツの迎撃のために、侵入の予想される艦内ドックにホワイトラビットの戦闘要員たちが集合していた。
 戦意こそ高いものの、これからの苦戦を強いられるであろう状況を考え重苦しい雰囲気に包まれる一団。
 だが、そんな雰囲気に待ったをかけんとばかりに明るい声が投げかけられた。
「クルーの皆さん! お手伝いに来ました!」
「我々は猟兵です。皆様方の救援に参りました」
 どこからともなく現れた神久・紅玉(つま先立ちの林檎・f03420)とソフィア・テレンティア(ミレナリィドールのシンフォニア・f02643)に困惑したクルーたちであったが、かけられた声に一気に沸いた。
「猟兵が来てくれたのか!」
「解放軍の再来ってヤツか、これはツキが向いてきた!」
 手放しで歓声をあげるクルーたちに対しはにかむ紅玉。
「えへへ、はい! 良ければ一緒に戦わせてください!」
「勿論、大歓迎さ! こちらは猫の手でも借りたいくらいだ!」
「ねこの手じゃなくて、人形の手も借すよ?」
 クルーの言葉に、レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)がそう返しながら歩み寄る。
 その幼くも確かな意思を感じ、頼もしい援軍にまたも歓声があがる。
 すると、今度はまた別の方向から高笑いが響く。
「フハハハ! 我、降臨!」
「まったく、わたくしを差し置いてサメを名乗るなどふてえ野郎もいたものです」
 急に聞こえた声に驚いたクルーたちだが、声を追った視線の先には隔壁の前に陣取るシャレム・アルカード(小さな暴君・f09897)の姿が。
 そのやかましい高笑いに半眼になりながら、隣のエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)が問題のシャークパイレーツに対して妙な対抗心を燃やしていた。
 危機的状況にも関わらず平静な状態のままの猟兵たちを見て焦躁心が薄れていったクルーたち。
 現れた頼もしい援軍もあり、すでにその表情から悲壮感は消えていた。
「皆さん、がんばりましょう! えい、えい、おー! です!」
 紅玉の音頭に合わせたクルーたちの声に僅かに震えるドック。
 すでに気合十分、戦意も高々な一同。
 そして、数分もせずハッチがこじ開けられ、揚陸艇がドックへと突入してきた。
「ヒャッハー! 海賊サマの登場だァ!」
 即座に揚陸艇から飛び出してくるシャークパイレーツ。
 構えていたクルーたちの各々の武器が放たれるよりも速く、レイチェルがふわりと海賊たちへ躍り掛かる。
(「この船の人はじぶんのいのちを捨ててでもって言ってた。その想い、わたしは否定しない」)
 先ほどまでのクルーたちの覚悟に思いを馳せるレイチェル。
 突如中心に飛び込んできたその幼い少女に驚く海賊たちだったが、レイチェルは気にも留めず強い光を灯した瞳を向ける。
「だから、そんなことをしなきゃいけなくするやつらを否定するよ」
 言うが早いか、レイチェルの強力な念動力で周囲の海賊たちが根こそぎ吹っ飛ばされる。
 その脅威を目の当たりにした他の海賊たちが狙いを定めるよりも速く、レイチェルはふわりと空へ駆け上がる。
 そのまま照準を追わせる海賊たちだが、この場にいる猟兵は一人ではない。
「たまには我も世のため人のため汗を流してやるとしよう!」
 シャレムの棺から、大量の武装が展開され一斉に火を噴いた。
 揚陸艦も含め全体をなぎ払う銃弾、砲弾、ミサイルの雨霰が海賊たちを襲う。
「フーハハハハ! 圧倒的ではないか、我がヘカトンケイルは!……あ、武装の宇宙での運用テストがしたかったとかそういうのではないからな! 違うからな!」
 相変わらずの高笑いを響かせながら、誰かに向けて釈明するシャレムを尻目に、ソフィアは蒸気駆動式機関銃・冥土式を構え、紅玉はガジェットで遠距離の狙撃銃を組み上げすでに狙いを定めていた。 
「中々派手にやるお方もいますね。神久様、何方が多くの敵を倒すか、スコアアタックと参りましょう」
「ふふーふ、少しでもソフィーさんの負担を減らせるように出来るだけ多く倒しますよ!」
 ソフィアの機関銃が蒸気を噴き出しながら唸り銃弾を吐き出していく。
 掻い潜ろうとした者は設置されたタレットに迎撃され、また紅玉の持つ玩具のような見た目の銃を見て与し易しと判断し仕掛けた者は逆に的確に狙撃されていく。
 次々にやられていく仲間を見て、突破は困難だと迂回すべくほかの通路へと飛び込もう者もいた。
 だが、隔壁を破壊しようと思うより先にその隔壁が上がり、飛び出して来た大型バイクに跳ね飛ばされる。
 吹き飛ぶ海賊には目もくれず、ギャリギャリと激しい音を立てて停止するバイク。
 突然の出来事に固まる海賊たちだったが、誰かが震える指を突きつけ叫ぶ。
「てめぇ、何者だ!?」
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」
 そう返した彼、時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)もまた猟兵である。
 返事をすると同時にフォームチェンジし、漆黒の風を身に纏い海賊たちに吹き荒れる。
「海賊ども、テメェ等の悪事もこれで終わりだ。さぁ、おまえらの罪を、数えろ……!」
 突き返された指先に海賊たちが怯む。
 更なる増援に歓声をあげるクルーたち。
 窮地に陥ったシャークパイレーツは、もはやこれまでと撤退を決める。
 だが、彼らの突入に使われた揚陸艇はもう猟兵たちの攻撃でボロボロになっていた。
 それでも、まだ外に待機している揚陸艇が回収に来る筈であった。
 そんな希望が打ち砕かれるのが、宇宙空間を覗く窓から見えてしまっていた。
「わー」
「のりこめー」
「いくぞー」
「ちくわ大明神」
「おいなんかいま変なの混ざったぞ」
 サメとメイドだった。
 ユーベルコードの力を使い召喚した、宇宙をも泳ぐ大量のサメに跨った、これまたユーベルコードの力で分身したエミリィが外に待機していた揚陸艇に直接襲いかかっていたのだ。
 ご丁寧に宇宙服まで着用済である。
「ひ、ひひひ、な、なんだよこれ、B級映画かよ……シャークメイド・エクストリーム……」
 そのあまりにもあんまりな光景になんか妙なことを呟き発狂しかける海賊までいた。
 一方的な攻勢に、息も絶え絶えな海賊と士気は天井に近いクルー。
 その攻め手と受け手が入れ替わってしまった戦場に、猟兵たちの声が響く。
「この船の薬品は、この世界で生きていく人達にとって大切な希望だ……俺はこの希望を守る! 俺が、俺たちが!」
「私たちが、この船の希望です!」
「このおもいが、心が、わたしたちの宙を駆ける力になるの!」
 零士が、紅玉が、レイチェルが。
 猛々しく吠える様に戦意を折られた、残り少ない海賊たち。
 自然と膝をつき、大人しく捕縛されていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『因幡の白兎』

POW   :    船の火力アップ

SPD   :    船のスピードアップ

WIZ   :    船の索敵力アップ

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ラビット・エスケープ!
 乗り込んで来たシャークパイレーツを撃退し、窮地を脱したホワイトラビット。
 だが、まだシャークパイレーツの船が包囲するように展開しており、安全とは言えない。
 幸い、突入部隊がやられたことで混乱が広がっているようだ。
 あとはなんとかして、この100を超える船の群れを突破しなければならない。
「頼むぜ、猟兵たち……!」
 エンジンに火を入れ、動き出そうと忙しなく声が飛び交うブリッジにて、船長が祈るように呟いていた。
レイチェル・ケイトリン
100を超える船の群れ……
そんなのがわたしたちが先にいけないように立体的にうごいてる。

ならあるはずだよね。
船同士の位置を確認してうごくための航行管制システムがぜんぶの船に。
ホワイトラビットのドッグに突入してきた敵の揚陸艦にも。

ハッキングと念動力と情報収集の技能とサイコリンクデバイスでサイコアクセスをつかって敵の揚陸艦の航行管制システムをこじあけるよ。

うばうデータは敵の船がそれぞれにもつ識別信号のすべて。

そのデータをつかって敵の位置を把握できるようにすれば
ホワイトラビットの索敵力アップできるよね。

ぜんぶおわったら、スペースシップワールドのおまわりさんに
このデータをあげて海賊をつかまえてもらうね。



●サイキック・サイバー・スペース
 最大の危機は切り抜けたが、依然として危うい状況のホワイトラビット。
 だが、ブリッジで船長が祈るように呟く頃、猟兵たちは各々動き出していた。
 その一人、レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)は先ほど撃退したシャークパイレーツのが乗り込んできた、揚陸艇を調べていた。
(「100を超える船の群れ……そんなのがわたしたちが先にいけないように立体的にうごいてる。なら……)」
 レイチェルは所持する特殊な情報入力機器を使うことで、その強大な念動力を用いて常人以上の速度での入力が可能になる。
 レイチェルが操作しているのだろう、揚陸艇内部の電子機器のモニターに凄まじい勢いでデータが流れていく。
 そして大した時間も掛けずハッキングを成功させたレイチェルは、その電子機器内に存在しているであろうデータを探す。
 やがて、お目当てのモノを見つけたのか、ふわりと微笑む。
「あるはずだよね。船同士の位置を確認してうごくための航行管制システムがぜんぶの船に」
 常に集団で行動するシャークパイレーツにとって、全ての船に搭載されたこの航行管制システムは文字通りの生命線。
 故に、生半可なハッカーでは侵入するとっかかりすらも見つけられないほど強固なプログラムであったが、レイチェルは事も無げにシステムを完全に制御下に置いた。
「識別信号のすべてのデータ、もらうね」
 一人呟きデータを収集するレイチェル。
 軽く言い放ったが、もはやシャークパイレーツは丸裸になったも同然。
 そのままホワイトラビットへとデータを転送し、即座に船の機械へと反映される。
 このデータがあれば、全部終わったあとに海賊たちを捕まえるのも難しくない、とレイチェルは一言メッセージを添え、満足気に微笑むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

時雨・零士
「船の強化なんて俺にはできねぇからな…外出て援護するぜ!」

「変身」した状態で【ゴッドスピードライド】のアクセラレイター【騎乗】【操縦】で宇宙空間を縦横無尽に走り回って艦を援護。
敵の艦の艦橋や操縦室、ブースター、武装等を【クイックドロウ】【2回攻撃】ブラスターのバーストモードや【力溜め】ブラストモードで撃ち抜いて破壊。いざとなれば【カオス・ストライク】で敵のエンジンぶち抜いてやるぜ!
敵艦の攻撃は【見切り】や【第六感】で回避!


同じ様な事考えてる猟兵がいるなら、連携して後ろに乗るか誘ってみる。

「艦丸ごと沈めるのは手間だが、航行不能にするだけならそうでもねぇ…あの艦は絶対に守ってみせる!」



●スペース・オン・ユア・ハンド
 ホワイトラビットを包囲するシャークパイレーツの船。
 ひしめき合うように展開していたその船へ向けて、一台のスターバイクが飛び出していく。
「船の強化なんて俺にはできねぇからな……外出て援護するぜ!」
 特撮ヒーローのような姿に変身し、変形した己のスターバイク、アクセラレイターに跨り時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)が宇宙を駆ける。
 進路を塞ぐ海賊船へと一直線に向かう零士が狙うのは、宇宙船の主要部分。
 すなわち、艦橋や武装やブースターといった位置。
「艦丸ごと沈めるのは手間だが、航行不能にするだけならそうでもねぇ!」
 そう言ってアクセラレイターを操りながらも片手でブラスターを構え、次々と海賊船を撃ち抜いていく。
 放たれた光線は砲身を貫き、艦橋の窓にヒビを入れ、ブースターを爆発させていった。
 反撃にと放たれる弾幕の隙間を縫うようにアクセラレイターを駆りつつ、敵船の上方へと向かう。
「仮面ライダーデオルム、タイマン張らせてもらうぜ!」
 ターンするアクセラレイターから敵船へと零士が飛び出す。
 混沌の魔力を纏いながら、零士が放つ蹴りが対空砲火を物ともせず敵船を襲う。
「あの艦は絶対に守ってみせる! 喰らえ、カオス・ストライクッ!!」
 混沌の流星と化した零士の一撃が船を貫く。
 その蹴撃は船のエンジン部を破壊し、零士はそれによって引き起こされた爆発を背に船を突き抜ける。
 迎えに来るかのように丁度その先へと駆けつけたアクセラレイターにひらりと跨り、背後の爆炎を振り返りもせず、次の船へと向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

木霊・ウタ
心情
新薬を運ぶ船か
なら絶対海賊を倒して救わなきゃな
オブリビオンが背後にいるってなら猶更だ

新薬を待っている人たちを
覚悟を持って任についているクルーを救うぜ

事前
こんなんはどうだろ?
ナイフで切った傷口から噴き出た地獄の炎を
魚雷に纏わせとく
勿論爆発はさせないようにして

手段
POW

敵の位置がわかってんなら突破しやすそうだ
行け!白兎!

立ち塞がるor追ってくる敵へ魚雷発射!
頼むぜBガンナー
あんたなら出来る
こんな時にあれだけど歌で鼓舞するぜ
;コミュ&パフォ&演奏&歌唱&手をつなぐ&鼓舞&勇気&優しさ

地獄の炎で推進力upした紅蓮の魚雷が鮫へ喰らいつくぜ
爆発を地獄の炎で増強
余波で他の海賊船を巻き込むようにするぜ



●ブレイズ・トーピード
 慌しくクルーたちが行き交う通路にて、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が先へと進みながら思いを馳せる。
(「新薬を運ぶ船か。なら絶対海賊を倒して救わなきゃな!  オブリビオンが背後にいるってなら猶更だ!」)
 やがてウタが辿り着いたのは、艦首付近の魚雷発射管に付随した魚雷ベッド。
 そこで作業を行っていた一人のクルーがウタの姿に気づいた。
「おい、あんたも猟兵さんか? こんなとこにどうした?」
「へへ、ちょっとお手伝いにな」
 言うが否や、ウタが持っていたナイフで己の身体を傷つける。
 突然のことにぎょっとするクルーだが、キズから流れ出るのが血ではなく炎であることに更に驚く。
「あんた、一体なにを……?」
「これが俺の覚悟ってヤツさ!」
 ウタの傷口から吹き出た炎が一直線に魚雷へ向かう。
 クルーが静止する間もなく魚雷へ触れた炎、だが予想していた爆発はなかった。
「俺の地獄の炎は特別製だぜ、燃やさないようにするのだって簡単だ」
 唖然としたクルーにウタが説明していると、船が揺れた。
 脱出を図るべく、ホワイトラビットが動き出したのだ。
「敵の位置がわかってるし、突破しやすそうだな。行け!白兎!」
「頼むぞ、ホワイトラビット!」
 クルーとウタが口々に船へ激励をしていると、ウタの炎を纏った魚雷を積んだベットが動き出した。
 魚雷発射管へと魚雷を装填するべく稼動しはじめたのだ。
「ブリッジはヤル気だな……猟兵さん、あの魚雷を頼めるか?」
「任せとけ!」
 装填後、殆ど間もなく魚雷が放たれる。
 ウタの炎の噴出で加速した魚雷は、シャークパイレーツの船が逃げる間もなく突き刺さり、更に爆発した獄炎が近くの船をも延焼させた。
 炎と混乱に包まれた海賊船の傍を、無事ホワイトラビットはするりと潜り抜けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エミリィ・ジゼル
100を超える船を一隻一隻破壊していくのは面倒です。なので一気に薙ぎ払ってしまいましょう。


どうするかと言えば、揚陸艦を強襲していたかじできないさんズで敵船を狙うのです。
とはいえ、個々のできないさんズに船を撃沈させる力はありません。
普通ならば。そしてわたくしは普通ではないのです。

「遠隔モード発動! かじできないズ、拡ぅーーー大っ!」

使うUCは【暴れ回るメイドロボの術】
これでできないさんズを巨大メイドロボに変身させ
マルリミサイルを使って海賊船を迎撃していきます。

そうして宇宙空間で暴れ回るメイドロボ軍団を、
本体のわたくしはブリッジで紅茶でも飲みながら優雅に見物するとしましょう。



●メイドパニック・イン・ザ・スペース
 クルーたちが慌ただしく働くブリッジにて、エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)が布陣するシャークパイレーツを確認していた。
 ブリッジのモニターには、すでに猟兵の手によってもたらされた敵船の配置が映し出されていたのだ。
「100を超える船を一隻一隻破壊していくのは面倒ですね」
「まぁ、可能かどうかは兎も角、時間もかかるだろうしな」
 エミリィのつぶやきを拾った艦長が肯定の意を示す。
 逃げる側のホワイトラビットにとって、必要なのは時間であり相手の混乱だ。
 だが、エミリィは不敵な笑みを浮かべた。
「なので一気に薙ぎ払ってしまいましょう!」
「おいおい、ウチの船にゃそんなことできる武装は積んでないし普通ならそんな事無理だぜ。アンタ、一体どうするつもりだ?」
「どうするって? 生憎わたくしは普通じゃないんです、こうするのですよ!」
 エミリィにブリッジ中の視線が集まるが、それを気にも留めず、掲げた右手で指を鳴らす。
「遠隔モード発動! かじできないズ、拡ぅーーー大っ!」
「……えっ!? せ、船長! そ、外に!!」
 指を鳴らしただけで後は満足気に腕を組むエミリィにきょとんとしたブリッジだったが、クルーの一人が叫んだ言葉に慌てて外を確認する船長以下ブリッジクルー。
 するとそこには、巨大メイドロボの軍団が、ミサイルを撒き散らし海賊に襲いかかっているという目を疑う光景が。
「ハハ……まるでアニメーションだぜ」
「いかんいかん、幻覚が……あ、本物だった」
「俺たちはいつのまにスクリーンに紛れ込んだんだ?」
 目と頭を疑うクルーたちを他所に、メイドロボは無理矢理にでもホワイトラビットの進路をこじ開け、ついでにとでもいった風にオマケのミサイルを別の場所に布陣した船にもばら撒く。
 粛々と進むホワイトラビット、その混乱と熱狂に包まれたブリッジの中で、エミリィだけが和やかに笑みを浮かべ、アンティーク調のテーブルで紅茶を飲んでいた。
「……いや、それどっから持ってきたのよ」
 船長のツッコミも他所に、ホワイトラビットは窮地を脱しつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイチェル・ケイトリン
零士さん、ウタさん、エミリィさん、すごーい。

メイドさんたちをひきつれた零士さんが燃えてる海賊船相手におおあばれ!

……してるのかな? 識別信号の数もへってるんだけど……

これ、もう突破しないでこのまんまやっつけちゃってもいいような……

あ、でも、帝国兵器もってにげちゃうのがいたらだめなんだよね。


えとえと、まだ逃げるふりしてひっぱりだすよ。

わたしの得意な念動力技能でサイコドライブつかって宇宙船を加速、
突破と離脱に集中してさらに加速、
メイドさんたちにはそのまんまあばれててもらって
わたしたちをやっつけないととまんないっておもわせるね。

あ、零士さんはおいてっちゃだめだよね。
おねがい、いそいでもどってきてっ!



●ザ・サイコドライバー
「わぁ、みんなすごーい。識別信号の数もどんどんへっていってるね」
 ホワイトラビットのブリッジにて、クルーに混じってレイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)が船の端末を操作していた。
 特殊な入力機器を使い、強力な念動力がそのまま打鍵スピードにも反映されモニターの中では文字の羅列が凄まじい勢いで流れていく。
 同時に、ブリッジの各所から聞こえる猟兵の活躍の報告がレイチェルにも届く。
「メイドロボさんたちをひきつれた変身ライダーが燃えてる海賊船相手におおあばれ! ってかんじなのかな。ふふ、なんだか映画みたいだね」
 楽しそうなレイチェルの呟きに呼応してか、操作スピードが更に早まる。
「このままやっつけちゃうのもできそうだけど……本命をにがしちゃいけないよね。ひっぱりださないと」
 レイチェルがそう呟くと同時に、機器の操作が止まる。
 端末でこの船のサイズや構造を把握したレイチェルから、突如強い念動力が放たれた。
 その力は船を覆うように広がっていく。
「こ、これは……!?」
「みんな、どこかに掴まっていてね」
 呆気にとられるクルーをよそに、館内放送で注意を呼びかけたレイチェル。
 次の瞬間、元々最高速に近い速度を出していたはずのホワイトラビットが更に加速した。
「念動集中……もっと加速するよ!」
 埒外の速度で、猟兵の活躍によって乱れに乱れた包囲網の穴を通り抜ける。
 外で暴れまわっていた零士にレイチェルが連絡を入れ、メイドロボはそのまま暴れさせたまま零士を収容したホワイトラビットは、凄まじいスピードでこの場から離れていく。
 そして遂に、包囲網を完全に突破し、ホワイトラビットは安全圏へと逃げることに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『二足歩行戦車』

POW   :    一斉砲撃
【機体各所に搭載した火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レジェンダリーソルジャー
【伝説的な戦車兵を再現したAI】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    胴体下部可動式ビームキャノン
【砲門】を向けた対象に、【ビームの連射】でダメージを与える。命中率が高い。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●スペース・ジェノサイド・タンク
 遂に突破を果たし安全圏へと辿り着いたホワイトラビット。
 だが、まだこれで終わりではない。
 ブリッジで鳴り響くアラートにクルーたちが声をあげる。
「後方から、何かが高速でこちらに向かってきます! よ、避けられません!」
「総員、耐ショック態勢!!」
 船長の指示が飛んだ直後、轟音と凄まじい揺れがホワイトラビットを襲う。
 手近なものに掴まっていたクルーたちが、なんとか衝突箇所をモニターで探す。
 そして、格納庫に何かが突っ込んだのだと突き止めると、すぐさま格納庫の映像を確認する。
 するとそのモニターには、起動し始めた帝国製の二足歩行戦車が映っていた。
「こいつか、シャークパイレーツの増長の原因は!」
 吐き捨てるように船長が放つ言葉通り、これこそが海賊のバックボーンの象徴であり奥の手であった。
「こいつをやっちまえば、シャークパイレーツなんざたいしたことはねぇ……頼んだぜ、猟兵たち……!」
 船長の鋭い眼がモニターの戦車を睨む。
 長かった包囲線の、最後が始まろうとしていた。
※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
マカ・ブランシェ
イエス、サー!……なんてね。
さあ、このうるさいアラートをさっさと止めてやるのだよ!

血統覚醒で戦闘力をあげてから、彼岸の果てで一気に畳みかけよう。
仲間と協力できそうなら、咎力封じでのサポートも引き受けるのだよ。
私達に抵抗は無駄なのだよ!

お帰りいただこう、なんて可愛いことは言わないさ。この兵器の運命はここで終わりなのだからね。
まったく、格納庫にこんな大きな穴を開けてくれちゃって……船は貴婦人なのだから大事にしろって、シャークパイレーツは知らないのだろうね。
クルーには海賊に負けずに航海を続けて欲しいのだよ。



「イエス、サー! ……なんてね」
 船長の言葉に力強くそう答え、マカ・ブランシェ(真白き地を往け・f02899)はいの一番に走り出す。鳴り響くアラートを断ち切るようにヒールを鳴らして駆け抜ければ、二足歩行戦車が乗り込んできた格納庫はすぐそこだ。
「まったく、格納庫にこんな大きな穴を開けてくれちゃって……船は貴婦人なのだから大事にしろって、シャークパイレーツは知らないのだろうね」
 最も今更それを教え込んでやることはない。お帰りいただこうなどと可愛いことを言ってやりもしない。何故ならこの兵器の運命は、まさしくここで終わるのだから!
 愛用の熱線銃に語り掛けるように一度瞑目したマカの瞳が、静かに開かれる。瞼の下から覗いた虹彩は平素の鮮やかなグリーンではなく、ヴァンパイアそのものの真紅に染まっていた。高まる血の力が全身を巡り、指先まで熱くなっていくのを感じながら、マカは銃に自らの血液を流し込む。そうすることで、この銃もまた彼女同様に『目覚める』のだ。
「私達に抵抗は無駄なのだよ!」
 高速の射撃が間断なく二足歩行戦車に突き刺さり、その装甲を削っていく。まるで目のようなセンサーが赤く光り、二本のアームが反撃の時を伺うように怪しくうねった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【WIZ】
海賊にしては余剰戦力じゃのー
それじゃ掃除も兼ねて破壊といこうかのー

ユーベルコード「昨日の強敵は今日の親友」で白騎士ディアブロの電脳シュミレート霊子体を召喚、強さ強化の為にハッキング調整(ハッキング)
戦車が砲門を向けて発射する前に10秒先の未来を予測して回避、未来位置に向け放たれるレーザーで砲門や足の可動部を徹底的に狙う
ディアブロが砲門を引き付けている間に、敵の移動部に踏むと機動する地雷を設置(罠使い、破壊工作、地形の利用)
それが完了したら、電脳魔術で作りだしたバーチャルミサイルでディアブロと共に集中攻撃(誘導弾、破壊工作)
できればその際に地雷群に誘導するようにしむける(おびき寄せ)



「海賊にしては余剰戦力じゃのー」
 召喚したAIに自身の操縦を任せた二足歩行戦車を前に、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は肩をすくめる。
「それじゃ掃除も兼ねて破壊といこうかのー。ではディアブロ君、やってくれのー」
 或いは眼前の敵にまっとうな感情があったなら、そうしてメイスンが走らせた電脳魔術によって呼び出された存在を前に驚き恐れおののいたかも知れない。ホログラムの魔法陣を潜り抜け、電脳シュミレート霊子体として召喚されたのは、他ならぬ白騎士ディアブロ――銀河帝国二大巨頭、その一騎なのだから。
 電脳シミュレートによる再現体とは言え、そのレーザー射撃の正確無比さは健在だ。レーザー射撃が二足歩行戦車の砲門を狙い、或いは破壊し、或いはその向く先を引き付けていく間に、メイスンは戦場に『仕掛け』を施していく。計算と予測の通りなら、あと十秒。
 白騎士の射撃が、二足歩行戦車の脚部に深々と疵を刻む。崩れかけた体勢を即座に修正し、メイスン本体の方へと狙いを変えようとして二足歩行戦車が駆動音を上げた瞬間、メイスンは眼鏡の下でにやりと笑う。
「かかったの?」
 踏み出した二足歩行戦車の足元が、その声に重なるように爆ぜ飛んだ。メイスンの仕掛けた地雷群の上に、敵はまんまと踏み出させられたのだ。
 装甲の破片を飛び散らせ、一度よろよろと後退して、二足歩行戦車は機関を唸らせる。それは、どこか怨嗟の声にも似て聞こえた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリ・ヴォルフ
アドリブ共闘大歓迎です

この世界の危機たちは相変わらず不気味だな…
厚そうな装甲も、いつまでも耐えられるわけではないだろう
死力を尽くして破壊する!

被弾は『オーラ防御』『激痛耐性』で耐えながら
走りながら『炎の砂』を撒き目くらまし
一瞬でも注意を引き付けられるといい

隙が見えたら『吹き飛ばし』で地面を打ち」
速力を上げ一気に迫り【ドラゴニック・エンド】
化学兵器に対するは、ドラゴンの力
火器とやらの破壊力は確かにすさまじいものだ…
だがこちらにも、炎のー竜の力がある
負ける心算は毛頭ない!いくぞ!ファフニール!
『鎧無視攻撃』『属性攻撃』(炎)を乗せ、勢いよく吹き飛ばす



「やはりその厚い装甲も、いつまでも耐えられるわけではなさそうだな」
 敵の様子にそう確信を抱いて、ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)は強気な表情を浮かべる。敵の装甲とて決して無敵ではない。そして被弾によって敵に隙の生まれている今こそ、こちらにとっては大きなチャンスだ!
「行くぞ! ファフニール!」
 力一杯踏み出し、広げた翼で空気を打って、ユーリは手の中の槍に呼びかける。帝国兵器の火器の威力の凄まじさは、彼もしっかりと知るところ――だがユーリにとて、頼もしい炎竜の力がある。速度を、そして全体重を乗せて繰り出した一突きが、二足歩行戦車の装甲の隙間を縫うように貫いた。
「ここだ……っ! 行け!」
 呼びかけに、竜が応えた。燃え盛る炎を纏った竜が、首をもたげて大きく吼える。口から零れる火花も消えないうちに繰り出された突進が、重い戦車を易々と吹き飛ばし、格納庫の壁面に叩き付ける。ギギ、と軋むような音が装甲の合わせ目から微かに聞こえた。それでもなお、体勢を戻して猟兵達に砲口を向ける兵器の無感動さは、やはりどこか不気味だ。そんな感想を心の隅に抱きつつ、ユーリは油断なく槍を構えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セレスティア・ナイトリー
過去の戦術データを参照……一度は後れを取った相手ですが、今度は前回のようには振る舞わせません。

「特火戦闘プログラム起動」
【殲滅砲台】にて我が機体(全身)を砲撃戦闘へ特化させ、砲撃での殲滅を図る。
各砲身への負担を考慮してローテーションでの射撃を間断なく実行。
敵の攻撃の要たる武装および接地において重要な脚部の関節を重点的に狙撃。
敵からの攻撃を回避するため、蒸気推進器の噴射で衛星のごとく敵周囲を旋回しつつ、2~5秒ごとに一回ランダムな方向への加速・減速を加えて狙いを定めさせぬよう移動。
万一被弾してしまった場合でも激痛耐性にて怯むことなく砲撃を継続。
本能に従うだけの哀れな破壊者に終焉をもたらさん。



 過去にもまみえたのと同型の敵を静かに見据えて、セレスティア・ナイトリー(流転の機士・f05448)は当時のデータを素早くなぞる。一度は後れを取った相手だが、二度同じことは繰り返さない。自身の過去をも正しく的確に武器として、セレスティアは自身の機体にプログラムを走らせた。
「特火戦闘プログラム起動……全武装の蒸気圧縮砲への変換……成功、機体の全フレームを砲撃戦に対応、これより砲撃による殲滅を実行する」
 見る間に彼女の全身は音を立て、蒸気を噴いて、砲撃戦のみを見据えた形状へと変化していく。AIがセレスティアを脅威と判断したのか、二足歩行戦車の砲門が一斉にそちらを向いた。だが砲撃が放たれる寸前、セレスティアは蒸気噴射で文字通り『飛んだ』。狙いを定めさせまいと敵の周囲を常に移動し続けながら、セレスティアは幾つもの蒸気圧縮砲から次々に攻撃を放ち、二足歩行戦車にダメージを与えていく。
「本能に従うだけの哀れな破壊者に終焉をもたらさん」
 ここを壊せば、敵の動きを大幅に縛ることができる。既に他の猟兵の攻撃を受け、最もダメージが蓄積していると見える左脚部の関節を狂いなく狙い続けるセレスティアの目に、迷いの色はない。
 そして、ばきりと鋼の砕ける音がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クイン・クェンビー
誰より速く~……ってもう誰かいるー!?
ああもう、じゃあもうとにかくスーパーヒーロー・ファースター参上!!
相手がロボだろうがなんだろうがヒーローたるものまっすぐいってどーん!!
てなわけで【スーパー・ジャスティス】発動! 燃えてきた燃えてきた、悪を倒せと誰かが叫んでるー!! 誰が!?
わかんない!! わかんないので目の前のボスめがけて超スピードで突っ込んで攻撃だー!!
えっ一斉砲撃とかしてくるの!? ヒーローにそんなの効かないもんねー!!
でも怖いから避けとこ! スピード全開で見てから回避余裕でした☆



「誰より速く~……ってもう誰かいるー!? ああもう、じゃあもうとにかくスーパーヒーロー・ファースター参上!!」
 駆け付けるなり悲鳴を上げたクイン・クェンビー(ファースター・f16715)だったが、そこでめげてはヒーローではない。気を取り直してポーズと共に名乗りを上げ、クインは己の存在を示すと共に自分自身の戦意をも高めていく。相手がロボだろうがメカだろうが銀河帝国の戦車だろうが、ヒーローたるものやることは一つだ。
「燃えてきた燃えてきた、悪を倒せと誰かが叫んでるー!!」
 燃え上がる意志がそのまま色を持ったかのように、黄金色に輝くオーラがクインの全身を包む。叫ぶ誰かが誰なのか、それはクインにも分からない。分からないが、それ故とも言えようか。そのまま真っ直ぐ突っ込んで、クインは高速の拳を二足歩行戦車の正面にぶち込んだ。
「いっ……たぁ~~~!!」
 分厚い鋼の装甲を殴れば、拳の方とて相応に痛む。けれどもヒーローはめげない負けないへこたれない。砲門が新たな目標として自分を捉えたことに気付いたクインはすかさずオーラを燃やして宙に舞い、砲撃に備えて回避の体勢を取る。
 敵がこちらに武器を向けた。それは即ち、言い換えればクインの攻撃が『厄介なもの』と認識された――先のパンチで痛みを覚えたのは、クイン自身だけではなかったということだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

コロッサス・ロードス
「星の海でも海賊は湧いて出るのか。まあ俺の知る海賊より手駒の種類は豊富みたいだが」

●戦術
自身の『武器受け』『盾受け』『オーラ防御』『見切り』等の防御技能を活かす為、また仲間を『かばう』事で被害を抑える為にも、戦車に肉薄して『おびき寄せ』攻撃を誘う
但し闇雲に突出する愚は冒さず、他の猟兵を支援する為に自身は確実な戦線維持に重点を置いた闘いに徹す

●攻撃
自身の『怪力』と『鎧砕き』で装甲を砕き、二の太刀で破損した装甲を穿つ『2回攻撃』を基本とする

●対コード
敵のコードに対しては、各種火器や砲門の射線を素早く『見切り』、適宜【無敵城塞】使用して仲間の盾となる

「我が金剛不壊の守り、そう易々とは破れぬぞ……!」


エミリィ・ジゼル
ようやく真打ち登場といったところでしょうか。
しかし宇宙海賊を蹴散らし、敵船も撃破したわたくしたちに恐れるものなどありません。
コテンパンのギッタギタにやっつけてやりましょう。

問題は場所が格納庫ということです。
ここで撃破するとホワイトラビットにも被害が出かねません。

ですので戦闘とUCを使用しつつ真の力を解放してスーパーかじできないロボへと変身。

更に火器をマルチミサイルで迎撃、ビームはビームで相殺しながら
一気に距離をつめ、敵を強引に掴んで宇宙外へと放り投げます。

最後に『一斉発射』『2回攻撃』の技能をのせて渾身のダブルロケットパンチを見舞い。
宇宙外で戦車を撃破っていうすんぽーです

「くたばれー!」


時雨・零士
「こんなモン用意してるとはな…だが、艦内で大暴れさせるわけにはいかねぇ!すぐに落とさせて貰うぜ!」

ブラスターをマグナやブラストで攻撃しながら【操縦、騎乗】アクセラレイターで敵を中心に周囲を渦を描く様に走って接近。
敵脚部の基部や関節部等の装甲の薄い箇所やビームキャノンを中心に破壊。
接近したら【アクセルフォーム】発動。超高速で敵に足払いや装甲の下から掬い上げる様に連続打撃を加え、最後は【アクセルフォーム】の超高速による【力溜め、捨て身の一撃、ダッシュ、ジャンプ、早業、2回攻撃、怪力】の連続【カオス・ストライク】で仕留めるぜ!!

「テメェの動きで俺について来れるか…っ!!さぁ、振り切るぜ!!」


御狐・稲見之守
からくり相手はどうにも苦手なんじゃがのう。そうも云ってられぬか。

[WIZ]UC荒魂顕現、我成す一切神事也、この場を陰陽五行の法に治めむ。来たれ『金気の腐食』 [属性攻撃]……彼奴に金属の腐食を呼び起こし、その体を朽ちさせてやろう。そのご立派なあんよも、錆びてボロボロでは歩けまい?

彼奴のビーム連射は、[見切り][フェイント]……小狐姿に変化してちょこまか動き回避して行こう。そら、狐狩りの時間じゃよ。もっとも、その錆び付いた砲はどこまで使い物になるのやら。



「からくり相手はどうにも苦手なんじゃがのう。そうも云ってられぬか」
 ぼやくように呟いて、御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)はひらりと手にした扇を揺らした。優雅に舞うようなその動きに呼ばれたように、稲見之守の周囲の空気が渦を巻き、どこか不思議な匂いを帯び始める。
「我成す一切神事也、この場を陰陽五行の法に治めむ。来たれ『金気の腐食』」
 細やかな制御から生み出された術式が導くのは、腐食をもたらす酸の嵐。生身で浴びても相当の痛みをもたらすであろうそれを金属に覆われた兵器がまともに浴びたなら、もたらされる結果は彼女の見越した通り。
 AIが不調を叫んでいるのか、二足歩行戦車の内部から異音が漏れ出し、戦場に反響する。いよいよ使い物にならなくなってきた脚部をがしゃりと折った二足歩行戦車を、稲見之守はここぞとばかりに嗤ってやった。
「そのご立派なあんよも、錆びてボロボロでは歩けまい?」
 挑発に乗ったというわけでもないだろうが、砲口のひとつが稲見之守を向く。ほう、と笑った稲見之守はその場でぴょんと跳ね、小さな狐へと姿を変えて。
「そら、狐狩りの時間じゃよ」
 もっとも、その錆び付いた砲はどこまで使い物になるのやら。付け加えられた言葉に大したものだと笑って、コロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)が刃を抜いた。ボロボロの武装で、それでも攻撃を続ける二足歩行戦車に迷いなく肉薄し、コロッサスは敵の注意を引くように敢えてまだ装甲の厚い箇所を剣身で叩く。
「さあ、此方だ。我が金剛不壊の守り、そう易々とは破れぬぞ……!」
 赤く光るセンサーがコロッサスを『見る』。それでいい。元より彼の得手は守りの戦いだ。至近距離からの射撃を盾で受け切り、その反動でのけ反った敵にすかさず武器を叩きつけて、さらにもう一歩コロッサスは踏み込む。割り砕いた装甲の下にまで、そうして重い追撃が刺さった。刃を引き抜き、残心を取りながら、ふと彼はこの世界のことを考える。
「星の海でも海賊は湧いて出るのか。まあ俺の知る海賊より手駒の種類は豊富みたいだが」
 何にせよ、人々に害成す敵は討つのみだ。再び敵の攻撃を誘うように動きながら、コロッサスは視線だけで一瞬振り返る。その先にいた時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)が、心得たというように頷いた。
「こんなモン用意してるとはな……だが、そろそろ落とさせて貰うぜ!」
 アクセラレイターにひらりと飛び乗り、高らかに言い放って、零士は渦を描くように二足歩行戦車へと迫る。敵はこちらを振り向かない。他の猟兵への対処に追われ、更には自由に動くパーツを破壊され、そうする余裕が既にないのだ。
「Start UP!!」
 掛け声と共に発動したユーベルコードが、彼をアクセルフォームへと変身させる。二足歩行戦車のもはや用済みとなりかけた脚部を薙ぎ払い、姿勢が浮いたところへ掬い上げるような一撃を見舞い、それでもなお超速度を得た零士の連撃は止まらない。
「テメェの動きで俺について来れるか……っ!!」
 溜め抜いた力を解き放ち、目にもとまらぬ早業でもう一撃、さらに追撃。空中に打ち上げられたまま無抵抗に床へ落下し、ボロボロの様相で半身を起こす二足歩行戦車を睨んだまま、零士は叫ぶ。
「さあ、もう終わりにしてやろうぜ……!」
「ええ、あとは安全に撃破を。真打ちだろうとコテンパンのギッタギタにやっつけてやりますよ」
 ここでトドメを刺すことにより、ホワイトラビットに被害が出ることをエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)は危惧していた。ならば、どうするか――答えは簡単。ここでないどこかで爆発四散して貰えばいいのだ。
 既に巨大メイドロボモードに変じ、二足歩行戦車のあらゆる攻撃に対して耐性を得たエミリィにとって、もはや火器もビーム砲も恐ろしくはない。最後の一弾までをも撃ち尽くさんとばかりに吐き出される射撃を巨大メイドロボの搭載兵器で撃ち落としながら、ずんずんと足音を立ててエミリィは無慈悲に二足歩行戦車へと歩み寄る。そしてむんずと敵を片手で掴み上げ、彼女は格納庫の外――つまり宇宙空間へと、そのボロボロの機体を投げ飛ばした。
「くたばれー!」
 叫びと共に突き出した両手がそのままロケット噴射され、二足歩行戦車を追って飛んでいく。エミリィ渾身のダブルロケットパンチの直撃を受け、二足歩行戦車はここに文字通り宇宙の藻屑と化した。
 かくして快速小型輸送船ホワイトラビットは猟兵の手によって守られた。彼らの運ぶ新薬もまた、この世界に生きる人々の確かな希望に、助けになるだろう。宇宙船の明日にそんな光を見出しつつ、猟兵たちはそれぞれの帰路につくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月10日


挿絵イラスト