●成功率常に100%
「人っていうのは勝手なものさ。雨が続けば晴れを求めて、日照りになれば逆に雨を求める」
グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは、自らの身をその翼で仰ぎながら物憂げに溜息を吐いた。
「何事もバランスではあるのだから仕方ないのだがね。まぁ仕事だよ諸君」
ある種の真理を語りながら、スフィーエは手帳を開くと、淡い金色のグリモアを輝かせて集まってきた猟兵達に語り始めた。
「さぁ語ろうか。舞台はアックス&ウィザーズ、自然と幻獣の豊かな場所だ。君達には、憩いの湖を解放して貰いたい」
アックス&ウィザーズ世界の森にある大きな湖――「トリニヒタ湖」と呼ばれる、人々の憩いの場として活用されている美しい湖がある。
ところがある日、ドラゴンを信仰するトカゲの狂信者達が湖を占拠してしまったのだという。
幸い人的被害は殆ど出ていないようだが、連日、湖に封じられた竜を復活させるという妖しい儀式を続けている。
それだけでも厄介だが、性質の悪いことにドラゴンが実際に襲来してしまうそうだ。
実際に儀式が効果があるのかと問われれば、笑ってスフィーエは答える。
「そりゃあ百発百中さ。出てくるまで無駄な儀式を続けるんだ。降るまで続ける雨乞いと一緒だよ」
つまるところ儀式自体に特別な効果などはない、ということらしい。
だが近づく者を贄にしかねない空気を張り詰めさせているので、人々は迷惑し近寄れないらしいのだとも語って。
「だからまずはこの狂信者達を片付けて貰いたい」
転送先は当の湖、幸いにして人は寄り付かなくなっている都合上、人払いの心配等は必要ないと語り。
グリモアが指し示す、パストールなるこの僧侶は竜の狂信者であり、同時に強力な魔術を行使するのだという。
そこそこの強敵だが、猟兵の前にはそう苦戦する敵ではないと語り。
「ただ人数は少なめな分、それだけ一体一体が強力だ。無理に数を仕留めるより、確実に一人一体仕留めるつもりで行った方が良いかもしれないがね」
「然る後、やってくるドラゴンを迎撃してくれたまえ」
グリモアを輝かせて示すのは、白銀の重厚な鱗に覆われた竜の姿。
名の通り白銀竜と呼ばれ、人の言葉を話す知能と強大な力を併せ持ち、今回は新たな縄張りを求めてやってくるのだそうだ。
「見た目通り、防御力に優れている。君達の攻撃を耐えカウンターを繰り出すのが主な戦法のようだ」
カウンターも強力だが、その分だけ溜めが必要らしく、そこを上手く狙うといいと語る。
尚、白銀竜は自在に飛行するがその鱗の代償に機動力自体は鈍く、飛行によって攻撃が届かなくなることは無いのだとも補足し。
一頻り語り終えたスフィーエは冷たい清水を一口すると、ぽつぽつと語りを再開する。
「ちなみに湖自体には竜が封じられてるとか、そういう逸話は何もないよ。魚釣り的な意味でのヌシはいるかもしれないがね」
結局のところ、偶然に頼りただ出てくるのを信じて続けているだけなのだという。
今回の湖に決めたのも、何の根拠もなくただそこに封じられていそうという、出鱈目な決めつけに依るものだと語る。
これまでも偶然やってきたのを自分達の祈りの成果だと勘違いしているだけなのだとも。
「いやはや、狂信と間違った伝統ってのは恐ろしいね」
全くもって救えない、と肩を竦めると改めて彼女は語る。
「終わったら湖はちょうど貸し切り状態になる。戦いの疲れを癒すといいよ……偶には海水ばかりなく、淡水で泳ぐのも悪くないのではないかな?」
丁度、他の旅人も寄り付かなくなっている頃合だ。
無事討伐が相成れば、平穏を取り戻した湖の一番乗り、貸し切りを楽しめるだろう。
「それと言い忘れてたが、白銀竜からは肉が採れる。物凄く美味しいらしいよ」
バーベキューと洒落こむのも良いかもしれない……可食部は少ないが元々の体躯が大きいので人数分はあるだろうと補足して。
最後に改めて、淡い金色のグリモアを輝かせると彼女は改めて猟兵達にこう言った。
「兎にも角にも、人々の憩いの場を身勝手な妄想で潰されて良い訳がないからね。ここは一つよろしく頼むよ」
裏山薬草
どうも、裏山薬草です。
海水も良いものですけれど、淡水も良いものですよね。
今回はですね、憩いの湖を占拠している狂信者を倒し、然る後にやってくるドラゴンを倒してから湖で泳いだりして遊ぼう!というシナリオになっております。
第一章では集団戦、パストールなる蜥蜴の僧侶を相手にして頂きます。
数は集団としては少なめですが、その分一体一体が強めなので確実に一人一体を仕留める風に戦った方が良いと思われます。
第二章ではボス戦、やってきた白銀竜を迎撃して貰います。
防御は硬いですがその分攻撃は“溜め”に時間をかけがちですので、その辺りを上手く突けば有利になると思われます。
戦場は両方とも湖の近くとなります。
第三章では日常、湖の一時を過ごしてください。
フラグメントの内容にはあまり拘らず、好きに遊んでいってください。
泳がれたり水辺で遊んだりする場合は、水着の着用をお勧めします。
スフィーエはお声が掛かれば適当にお邪魔します。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
裏山薬草でした。
第1章 集団戦
『パストール』
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POW : ディス・イリュージョン
自身からレベルm半径内の無機物を【昆虫や爬虫類の幻影】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD : ドラゴニック・リボン
【召喚した伸縮自在のリボン】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : ジャッジメント・パヴィリオン
【杖】を向けた対象に、【巻き付く炎のカーテン】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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●狂信者達
アックス&ウィザーズは森林――天気は快晴、早朝の日差しは早朝であっても尚、暑く場を進む者の肌を焦がす。
森の木陰を期待をしても、幸か不幸か猟兵達が送られたのは、森の中で唯一開けた場所……それは美しき湖のある場所だった。
トリニヒタ湖と呼ばれるそれは、夏の日差しが照り付けても不思議と心地よい冷たさを保ち、清らかな水は生命に安らぎを与えてくれる負のマナ――いわゆるマイナスイオンと呼ばれるものに満ちている。
日差しは暑くても、吹き付ける風は湖の冷たさを運び心地よい安らぎを与え。
鏡の如き滑らかな湖面が時折波紋を広げて歪めば、その歪みを作り出した銀の鱗、淡水魚の跳ねる姿だろう……正に、レジャーには最適といるだろう。
そこに――大勢で屯し、妖しくも喧しい歌声と奇怪な踊りを続け騒いでいる白きトカゲめいた人がいなければ、の話であるが。
それこそがパストールと呼ばれるオブリビオンなのだろう、成程この騒ぎと異様さでは確かに近づけないだろう。
そして儀式に竜を呼びつけるような不吉な気配は感じられない……実に哀れな伝統らしきものか。
とはいえ、まずはこのトカゲ達を倒さなければならないだろう。
猟兵達は一斉に得物を構え、儀式に狂っている狂信者達に立ち向かっていくのであった……。
小宮・あき
人払いが無いのは幸い。
聖職者として、狂信者は見過ごせません!
UC【愛雨霰】
「伸縮自在のリボン…、厄介ね。」
遠距離に布陣。かなりの距離をもって戦闘。
マスケット銃(47本)を【念動力】で操作。
銃を自身の前に先行させ、【一斉発射】【援護射撃】【スナイパー】で攻撃。
マスケット銃を2本クロスさせ【武器受け】で敵の進行を防いだりします。
敵UCの捕縛に注意する。
マスケット銃を回転させ、リボンにからめるようにして捕縛されないようにする。
収縮するなら手元まで引き戻すのかしら、その時に【零距離射撃】を狙ってみよう。
【視力】【聞き耳】【第六感】【野生の感】で気を配る。
【回避】は脚武器の【ダッシュ】と併せて軽やかに。
●愛を以て狂信を
見回せば人っ子一人いない――見えるのは、狂信者達のトカゲ人の姿だけ。
(人払いの心配がないのが幸いですね)
後は全力で叩き潰せばそれでいい――小宮・あき(人間の聖者・f03848)は、決意を固めると周囲に47にも及ぶマスケット銃を浮かべ。
銃口の威圧感と、そこからなる敵意は離れていても分かるのか、狂信者は赤い瞳を見開かせマスケット銃を浮かべるあきの姿目掛けて叫んだ。
「むっ、なんだ貴様は!? 我が主を呼び出す儀式を邪魔しようというのか!?」
「いかにも! 聖職者として、狂信者は見過ごせません!」
念力を以て浮かべたマスケット銃が一斉に火を吹き、銃弾が正に雨・霰のように教信者達の鱗に叩き付けられんとする……が。
並の相手ならこの弾幕で消し飛ばせたであろうが、流石に精兵か。杖の一振りで空中に帯を生み出すと、渦巻くように旋回させて銃弾を受け止める。
「我々を狂信と呼ぶか! 矮小なる人間如きが……身の程を知れい!」
二本のマスケット銃を交差させ、教信者の進軍を止めつつも杖を振るうのは出来るのか。
先ほど生み出した帯が空を裂くような音を立ててあきへと向かう――宛ら竜のように。
その音を聞き分け、着弾地点を見極める野生の勘を以て見切ると、優雅に、かつ軽やかに帯の横をすり抜けて躱す。
「伸縮自在のリボン……、厄介ね」
だが躱されたその先から、自由自在に縮んでは伸びあきを絡め取らんとする。
それをマスケットを絡みつかせデコイと為し、回転させて逆に絡めとる。
(でも収縮するなら、引っ張らざるを得ない筈!)
複雑怪奇に絡みついた帯、解くは不可能。狙いは正しく敵の得物ごと引き寄せんと狂信者がマスケットを絡めた帯を引き寄せたが最期。
念力の手を離れていなかったマスケットが急激に、その銃口を狂信者へと向けて――その銃口を盛大に鳩尾へめり込ませ。
回避も防御も間に合わぬ、銃弾の一発が狂信者の命を絶つのであった。
成功
🔵🔵🔴
シーザー・ゴールドマン
【POW】
やあ、良い天気だね。竜は呼べそうかね?
ふむ、まだ呼び出せてはいない様だ。
残念だね。だが、そんな君達に朗報だ。
私が竜を呼んであげよう。触媒は――そうだね、君が良い。
と『ドラゴニック・エンド』を発動。
槍で一体を貫き、黒鱗の竜王アートルムを顕現させます。
(先制攻撃×投擲×串刺し)
さて、お望みの竜は見れたのだ。そろそろ『骸の海』に還りたまえ。
と竜と連携して戦闘を行います。
シーザーはオーラセイバーを振るいます。
(先制攻撃×怪力×鎧砕き)(フェイント×2回攻撃×鎧無視攻撃)など
敵の攻撃は回避からのカウンター
(第六感×見切り×カウンター)
敵POWUC対策
(衝撃波×範囲攻撃)で周囲を打ち払います。
●期待外れ
「やあ、良い天気だね」
狂信者と猟兵の戦闘が始まり、緊迫感に満たされた中、貴族然とした偉丈夫の穏やかな声が響く。
狂信の下、それを邪魔する教信者達の敵意とは裏腹に、その声は先客に挨拶をするような気軽さに満ちていた。
「竜は呼べそうかね? ……ふむ、まだ呼び出せてはいない様だ。残念だね」
偉丈夫シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は教信者達を見回し、彼らの儀式の跡と何の成果もあげられない、あげようがない状況を目に納めると。
その唇の端を僅かに吊り上げると教信者に両腕を広げながら語る。
「だが、そんな君達に朗報だ。私が竜を呼んであげよう」
一体どうやって――自分達がやると声を張り上げる者もいれば、やれるものならやってみろと響く罵声を悠然と受け流し。
優雅に槍を取り出すと、近くの狂信者の一体に目を向けると。
「触媒は――そうだね、君が良い」
言うが早いか、その強肩が携えた槍の穂先を狂信者の肩へと吸い込ませ。
白い鱗に広がる赤黒きは、狂信者自体の血、そして――槍が黒く渦を巻き、シーザーの魔力を以て巨大に具現するは黒き鱗の雄大なる竜。
黒鱗竜王アートルム――圧倒的な竜の気配に、狂信者達は暫し言葉を無くし見上げるも。
「ハッ!? ふ、ふざけるな! こんなのが」
「さて、お望みの竜は見れたのだ。そろそろ『骸の海』に還りたまえ」
槍投げで穿たれた肩を抑えた狂信者の、抗議の声を強引に言葉で却下するが早いか。
狂信者が怒りと共に嗾けてくる、爬虫類や毒虫の這い出る幻影を、掌に光り輝く剣を生み出しつつ、一気に薙ぎ払い制すれば。
その勢いで強く地を蹴り出すと、呆気に取られている狂信者へ真っ直ぐに光の剣を振り下ろし。
狂信者が両手杖を掲げ受け止めようとした瞬間、光の剣を一瞬で消すと、別の手にそれを改めて生み出し。
がら空きとなったその脇へ光の剣を走らせて――狂信者を斬り伏せるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
迷惑を掛けずにひっそりとやってるだけなら良いのだけど…ドラゴンをお望みなのよね?なら、その望みを叶えてあげるわ♪
【ブラッディ・フォール】で「黒竜を駆る者」の「ドラゴンテイマー」の姿(フレミアがテイマーの黒衣と剣を装備し、翼が生えた姿)へ変化。【文明侵略】で周囲の石ころや敵の杖等、無機物を黒竜へ変化させて襲撃。
更に【ギガンティックダイウルゴス】も召喚し全て合体。強力な一体にして蹂躙するわ。
わたし自身は空中から竜達の指揮を執りつつ、場合を見て【クリムゾンキャリバー】で空中から仕掛け、黒竜の群れと共に敵を殲滅するわ
竜を生み出し、操る…竜を崇める狂信者から見れば、わたしってどう見えるのかしらね…?
●竜使いの降臨
迷惑をかけずにひっそりとするだけなら、誰も責めることは無かっただろう――ただ、悪質に人々の憩いの場を占拠しているというなら話は別だ。
狂信者の前に現れたフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は、挑発的な笑みを浮かべると、狂信者に向けて言い放った。
「ドラゴンをお望みなのよね? なら、その望みを叶えてあげるわ♪」
「何ッ……」
「骸の海で眠るその異形、その能力……我が肉体にてその力を顕現せよ!」
言うが早いか、降ろす力は過去の異形、竜使いの名を持ち八つの空すらも制する翼持つ覇王の力――黒衣を身に纏い、太陽の如く紅き刃を携える合成幻獣人の姿。
呆気に取られる狂信者に目もくれず、空を飛び剣を掲げれば、侵略の波動が広げられ周囲の無機物は次々に黒き竜に変わる。
時に己の杖すら変えられ慌てふためく彼らに、次にフレミアが呼び出すは同様の黒き竜の群れ――ただし、その群れは一瞬で束ねられ山脈の如き巨体と化し、狂信者の一人を殴り飛ばす。
「な、なんと……! 人間風情が
……!!」
(竜を生み出し、操る……竜を崇める狂信者から見れば、わたしってどう見えるのかしらね……?)
人間風情(実際は魔の血に連なる者だが)と見下していた存在が、最も崇める者を生み出し行使する――彼らからすれば、屈辱の極みだろう。
尤も、偶然に過ぎぬ極極稀なる成功を己が起こした成果と喜ぶような狂信者、その言動の往く果てはつまるところ。
「偽物のドラゴン様で惑わそうとは不届き者よ! 消え失せろ!!」
何が何でも、己以外の方法は認めない、ということであった。
狂信的に杖を振るい、燃え盛る帯を振り乱す姿に溜息を一つフレミアは洩らし。
「……救えないわ」
嗾けられる帯を黒き巨竜の爪で弾かせ、八つの翼をはためかせ空を滑り――紅き刃で狂信者を斬り伏せるのであった。
そして斬り伏せられた肉体が竜の糧となるのは、幸か不幸か……
成功
🔵🔵🔴
四季乃・瑠璃
緋瑪「竜人?トカゲ人間?まぁ、殺すならどちらでも一緒だよね♪」
瑠璃「湖を占拠する迷惑なトカゲみたいだし、仕方ないね」
【破壊の姫君】で分身
空中から【範囲攻撃、早業】接触式ボムを大量に放ち爆破しつつ強襲。
爆破を仕掛けつつ、敵の急所を狙ってK100での銃撃から、大鎌の機巧を使っての急降下急加速による高速斬撃で一気に首を刎ね飛ばしに掛かるよ。
敵の攻撃は【見切り】や【残像】で回避。
特にリボンや炎のカーテンは攻撃を回避または迎撃して対応。
後は敵集団には【力溜め、範囲攻撃】ジェノサイドノヴァで一気に敵を消滅させるよ
「「さぁ、消し飛べ-!!」」
●やめろぉ、ナイスゥ
湖にいる狂信者は竜人だろうか、違うのだろうか。
きっと彼女達にとってはどうでも良いのだろう。
「竜人? トカゲ人間? まぁ、殺すならどちらでも一緒だよね♪」
「湖を占拠する迷惑なトカゲみたいだし、仕方ないね」
四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)は半身の緋瑪の言葉に仕方ないとも言いながら、憐れみの念は一切持ち合わせていないようだった。
ドラゴン様の祝福ある体に何を――と抗議する狂信者を後目に、彼女達はその背に魔導機械の翼を背負う。
「行くよ、緋瑪」
「行こう、瑠璃!」
「「さぁ、わたし達の破壊を始めよう」」
狂信者が杖から炎の幕を放てば、二人は宙に舞い上がりそれを躱し。
お返しと言わんばかりに、彼女達の得意とする爆弾を環境破壊も厭わず叩き込んでいく――尤も、飽く迄狂信者達だけをピンポイントに、地形には殆ど影響を与えない程度に巻き込んでいる結果になっている辺り意識せずとも流石ということか。
「おのれ卑怯な! 矮小なる人間如きが空を制する資格など」
騒ぎ立てる狂信者に、爆弾を矢継ぎ早に投げ放ちつつ、懐から出した改造拳銃の弾丸を叩き込み。
中々に丈夫な彼らの身を倒すことは敵わなくとも、攻撃をさせる暇を一切与えず――ここでふと、わざとらしく緋瑪が問うた。
「んっ? 瑠璃、なんか言った?」
「何も言ってないよ緋瑪。爆発音じゃないかな」
「そっかー♪」
彼女達の耳に、狂信者達の抗議など耳に入らない。
狂信者達が炎の幕を解き放ち彼女達を包み込みにいこうとしても、二人は機械の翼で空を滑りそれを躱し。
逆に放つ爆弾の熱風がそれを押し返し、彼らの身を焼き――怯んだ先の白銀の鱗を、大鎌の急降下の一撃が交差して斬り裂く。
「「さぁ、消し飛べ-!!」」
反撃をまた飛翔して躱すと、二人は一斉に必殺の閃光を斬り裂いた狂信者へ投げ放ち。
限りなく強化された殲滅の光は、狂信者を原子の粒へ還元していくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
イーファ・リャナンシー
なるほどね…アックス&ウィザーズでは、神話や伝説がそのままの事実を写し取っている場合が結構あるけれど、他の世界では起こった現象を自分達の常識の枠組み内で都合よく解釈したものが神話や伝説になってることもよくあるみたいだし…とはいえ、勝手な思い込みの結果、周囲にまで迷惑をかけようって言うのなら放っては置けないわ
【スピリット・アウェー】で姿を消しつつ、そもそも杖を向けられないように対応するわ
疲労が嵩んでもいけないから、混戦状態じゃないんなら使う回数や時間は節約していく方向で
そうやって小さな体と透明化を使い分けながら死角から近づいて【全力魔法516】で攻撃するわ
共闘時は、その人のことも透明化できるかも
●幻想の世界とは
やたらと執着を続ける狂信者の様子を見て、フェアリーの少女が一つ頷いた。
「なるほどね……アックス&ウィザーズでは、神話や伝説がそのままの事実を写し取っている場合が結構あるけれど」
幻想と魔法の世界とは誰が言うたか、竜もいれば少女イーファ・リャナンシー(忘都の妖精・f18649)のように妖精そのものも存在する世界。
他の世界では、起こった事象を神話とこじつけるケースの多い――雷を天上の神の争いと解釈するなどが良いサンプルだろう。
「とはいえ、勝手な思い込みの結果、周囲にまで迷惑をかけようって言うのなら放っては置けないわ」
「勝手な思い込み? ……事実だ! 我らが儀式で確実にドラゴン様は現れるのだぞ!!」
戦意を露わにするイーファに狂信者は叫ぶ――その確実に現れるのが、現れるまでやり続ける、ということを敢て訂正するまでもなく。
「さーて、隠れんぼの始まりよ」
周囲の光景に溶け込むように、その姿を消しイーファは狂信者の向ける杖から標準を逸らす。
杖を向けた相手に放つ炎も、向ける相手が見えないではどうしようもない。
「ぬぅっ、隠れ身の術とは卑劣な……」
妖精族の煌めく薄い虹の翅を羽ばたかせ、体長30㎝に満たぬ小さな体が、時に狂信者の脇を擦り抜け、赤い瞳の視線を感じれば周囲に溶け込み姿を隠し。
翻弄する妖精の消えては現れの舞踏に狂信者は吐き捨てるように言葉を発する。
「ふんっ、所詮は小狡いフェアリーが」
「負け惜しみのつもり?」
その声の出どころは狂信者の背後――既に背後に回り込んでいた彼女は、その腕輪を狂信者へと向けていた。
「あなたで終わりみたいだし、私の全力魔法、見せてあげる!」
咄嗟に放つ狂信者の放つ炎の帯を、それよりも尚太く苛烈な。
その姿は正に火竜を具現したかの如き膨大な炎が狂信者を放つ技ごと飲み込むのであった。
――そう、真っ向勝負であっても、最初から彼に勝ち目はなかったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『白銀竜』
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POW : 白銀竜のオーラ
全身を【一定ダメージを反射するオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【受けたダメージ合計量】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : 白銀竜の怒り
【殺気】を向けた対象に、【敵合計レベル半径mのいる敵に落雷と流星】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 白銀竜の意志
全身を【一定ダメージを反射するオーラ】で覆い、自身の【意志の力】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
👑11
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●白銀竜到来
狂信者達を倒し終えたが、油断はならない――何故ならば、予知によればよりにもよって竜が来てしまうのだから。
それ自体は単なる偶然の導きに過ぎないのだが、だとしたら偶然の力恐ろしきか……。
そうこうしている内にやってきたのは一頭の巨竜――岩肌の如き頑強な表皮は白銀に輝く、如何にも屈強な竜だった。
竜は湖の真ん中に飛翔しつつ、周囲を見渡しながらゆっくりと口を開いた。
「ふむ……日当たりも良く、水も清らか。魚も居て花もある」
値踏みするような竜の視線が湖に這う。
幸か不幸か、猟兵達の存在にはまだ気付いていないようだが、竜にとってはこの湖の光景が満足のいく内容であったようで。
「人間の匂いもする。となると、餌には困らない……よし、決まりだ」
竜は大きく息を吸うと、湖面に波紋を齎すが如き蛮声を響かせる。
「これより此処を我が住まいとする!!」
余りの大声に小鳥は逃げ惑い、湖に住まう魚の動きも千々に乱れ湖面が不規則に波打つ。
響き渡る竜の声と、呆気に取られる猟兵。
「……よし、反論する者はいないな。今日からここが我が住まい……うん?」
暫くの沈黙が流れると、竜は満足げに頷き――ここで漸く猟兵達の
「おお! 早速餌が来ているではないかーっ! よし、そこの人間共、この私がお前達を餌にしてやる! 有難く喰われていくがいい!!」
言葉の節々から人間を餌としか思っていないことは伺える――平和に湖に住まうならまだしも、訪れる民を喰らう予定ならば容赦はいらないというものだろう。
……ところでこの白銀竜、実のところその肉は大層に美味らしい。
弱肉強食の掟の意味を教える為に――湖のBBQの食材調達に、猟兵達は得物を構えるのだった。
イーファ・リャナンシー
これが白銀竜…なんだか思ってたより食い意地が張ってそうね
ま、私なんか食べたところでぜんぜんお腹はいっぱいにならないんでしょうけど
聞くところによるとすごくおいしいって話だし、もしこっちを食べようっていうんならあっちにも相応の覚悟をしてもらわないと
小さな体を活かして死角に潜り込みながらの攻撃を心がけるわ
死角に回って【全力魔法528】で攻撃するの
敵のオーラでダメージを反射されちゃうと困るから、【フェアリー・リング】をくぐらせて、予め反射能力が使えないようにしておくのがいいかも
大きさが大きさだし一筋縄で打ち消せないようなら【全力魔法528】を込めて発動、最低限、仲間がオーラの影響を受けないようにするわ
●小腹にも満たぬ
銀の重厚な翼を強く輝かせ、この世界における上位種の力をこれでもかと言わんばかりに竜は誇示していた。
尤も……白銀の鏃のような鋭い牙を、幾度となく打ち鳴らし下品な輝きを口の端から垂らしている姿に威厳は皆無と言ってよいのかもしれないが。
「これが白銀竜……なんだか思ってたより食い意地が張ってそうね」
「さーて、まずは……よし、そこなフェアリー。貴様から頂くぞ!」
「うわぁ……」
翼を羽ばたかせ突進する白銀竜を前に、イーファは軽く冷や汗を一つ垂らした。
(ま、私なんか食べたところでぜんぜんお腹はいっぱいにならないんでしょうけど)
元より竜もそれは承知だろう、さりとてイーファにむざむざ食べられてやるという選択肢は存在しない。
その巨体で文字通り、豆一粒にも竜にとっては満たぬだろうサイズのイーファを飲み込まんと牙を向ければ、それを紙一重できらきらと翅煌めかせ躱し。
(聞くところによるとすごくおいしいって話だし……)
勢いよく閉じられた口のギリギリを擦り抜けるように飛びつつ思い出す――この強固な鱗に覆われた肉は、美味だと。
可食部は少ないらしいが、この巨体、仲間と分け合うには十分なほどだと。
「もし食べようっていうんなら、相応の覚悟をしてもらわないと」
「!?」
イーファの呟きに只ならぬ気配を感じたのか、白銀竜は鱗を溶かさんほどに冷や汗を垂らし始め。
食っても喰われるのは嫌だという身勝手の極意の闘気を身に纏わんとした刹那、イーファはその小さな体に秘められた莫大な魔力を放つ。
「あっちへ行っちゃいなさい!」
「ぬおぉ!?」
生み出された眩き光の環が、白銀竜を強く烈しく包み込むと竜の闘気を掻き消しその守りを振り払い。
高めた筈の力を一気に落され、空中で体勢を崩す白銀竜目掛けイーファの猛攻は続く――その莫大な魔法力を以て。
両の掌から次々に光の破壊球を放ち、白銀竜の鱗を容赦なく削っていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シーザー・ゴールドマン
【POW】
君の肉はとても美味らしいよ。知っていたかね?
『ウルクの黎明』を発動。
オド(オーラ防御)を活性化して飛翔、戦闘開始。
基本的には空中戦。
光や闇の魔力弾(属性攻撃×投擲×串刺し)
炎と雷だと肉の品質維持が心配だ。
大技は烈風斬(属性攻撃:風×衝撃波×なぎ払い×全力魔法)
敵POWUC対策
反射がどの様な物か取り合えず、小手調べの魔力弾による遠距離攻撃。
それにより、反射のタイミング、角度を見切る。
見切ってから本格的な攻撃を開始。
生命力吸収の攻撃は見切って回避からのカウンター
(第六感×見切り×カウンター)
戦闘力は増強している様だが……ダメージによって鈍ってもいるね。
●自然の摂理のカウンター
武骨ながらも優美な白銀の鱗とは裏腹に、竜の知性は邪悪な食欲を満たすことに向けられている。
それを悠然とした様子でシーザーは激しいオーラを身に纏いながら、軽く肩を竦めて語る。
「私達を餌としたいのかね? 良かろう、それもまた自然の摂理だ。きたまえ」
「ほう! 殊勝な心掛け、遠慮なく喰らってやろう。寛大ですまぬなぁ!!」
邪悪に嗤う竜の声を涼し気に受け流し、シーザーは尚も語る。
真紅のオーラを優美に噴き上げ、軽く地面より距離を取りながらポーズを決めつつ、とある摂理の一つを語る。
「ところで、だ。君の肉はとても美味らしいよ。知っていたかね?」
「!?」
その言葉に牙を向けかけた白銀竜は思わず手を止めて身体をビクつかせ。
ここに来て漸く確信が持てたのか、白銀竜は鱗を再び溶かしかねないぐらいの勢いで冷や汗を垂らす。
「文字通り食うか食われるかの戦いだ。さぁ楽しませて貰おうか」
竜の焦りをものともせず、シーザーは牽制に暗い魔力の弾を放つ。
それを竜の強固なオーラは受け止め弾き返す――お互いにとってさしたる攻撃ではないが、シーザーにとっては飽く迄牽制、反射角を見極める為の一撃。
一瞬の着弾の後に入射と正確に同じ角度で返す――そしてダメージそのものは無効化されない。
最早完全に反射角を見切ったシーザーに白銀竜の脅威は無く、空中で竜の牙を華麗に躱しつつ、白と黒の光弾を放ち竜を揺さぶりながら。
「戦闘力は増強している様だが……ダメージによって鈍ってもいるね」
猶更敵ではない――振るわれる爪を見切り、オーラセイバーを逆に突き出してその爪の一つを完全に打ち砕き。
続け様に生命を奪う闇の光弾を左手から何度も解き放ち、竜の活動力を奪い――竜のオーラによる反射も見切っている今、跳ね返される光弾を縫うように飛び迫ると。
擦れ違い様に、烈しい風の刃を伴う凄まじい斬撃が鱗の隙間に潜り込み、竜の肉体を苛んでいくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
小宮・あき
【真の姿】解放
「これは…四の五の言っていられませんね」
他猟兵の戦闘を見て、自身の得意とする攻撃技が効きにくいのではないかと判断。
回避に特化(爆発的にスピードを上げる技)を使用し、敵攻撃を避けつつ接近を試みる。
猟兵が活性化できる全耐性持ち。
「……(チッ)」
UC【真の姿】発動。落雷と流星も避けきってしまえば何の問題もない!
命中率が高い事を理解し、第六感・野生の勘が囁く方向にレガリアスシューズを使って
勇気をもって、己を鼓舞し、ダッシュ・ジャンプ・スライディング!
愛用のマスケット銃から先制攻撃・高速詠唱・全力魔法の魔力弾を打ち出す。
捨て身の一撃・零距離射撃・スナイパー!
フレミア・レイブラッド
…イマイチ威厳に欠ける竜ね…。
まぁ、良いわ。それでも防御力は高いみたいだし、戦いは楽しめそうね♪
それと…貴方、美味しいみたいね?
ふふっ、そちらも楽しみだわ♪
【ブラッディ・フォール】で「群竜大陸護る柱」の「黒皇竜ディオバルス」の力を使用(黒皇竜の翼や尻尾等が付いた姿に変化)。
敵の落雷や流星、反射された炎等は【見切り、第六感】や【残像】ができる程の速度で回避。
後は反射オーラに構わず、遠距離から【インフェルノ】を浴びせかけ、至近で【黒皇竜の一撃】を敵の鱗を貫く様に叩き込み防御を突破。最後は【カタストロフィ・ノヴァ】で消し飛ばすわ!
貴方の防御力と黒皇竜の破壊力…どちらが上か比べるのも悪くないわよね♪
四季乃・瑠璃
緋瑪「美味しいドラゴンだって!今日はドラゴンBBQだよ、瑠璃!」
瑠璃「ドラゴンは食べた事ないね…楽しみだね、緋瑪」(マイデスソース出しつつ)
【破壊の姫君】で分身
先ずは飛行しながら【範囲攻撃、早業、鎧砕き、鎧無視】接触式ボムで敵の堅牢な鱗を砕きながら敵の反射能力を調べる為に二人で一発ずつ爆破。
どの様に攻撃やダメージが反射されるか確かめつつ、【見切り、残像】で攻撃や反射を回避し、敵の周囲を飛び回りながら次々と敵の鱗や甲殻を粉砕する様に爆破を継続。
装甲を剥がした部分や装甲の薄い喉元等ボムを投下しつつ、敵の口内にジェノサイドノヴァを叩き込んで粉砕するよ。
後は無事な部分からお肉を剥いでドラゴンBBQだね
●喰うことは常に喰われること嗚呼無情
「美味しいドラゴンだって! 今日はドラゴンBBQだよ、瑠璃!」
「ドラゴンは食べた事ないね……楽しみだね、緋瑪」
「!?」
二つ身に分かれ、主人格の瑠璃が死の名を関する激辛のソースを取り出して食欲を露わにする姿を見て白銀竜は体をびくつかせた。
これまで只ならぬ食欲と、下手をすればこちらが逆に食べられかねないと認識を改めたのか、絶対に食べられたくないという臆病な意志の力をオーラの形と為して身に纏い。
先行し魔導機械の翼煌めかせ飛ぶ瑠璃と緋瑪の二人に対して待ち構える。
ここで逃げようとしないのは、曲がりなりにも竜の誇りがあるからなのか、好都合と瑠璃と緋瑪の殺人姫達は幾度となく彼女らが得意とする爆弾を投げつける。
応用力に乏しき分身ではあるが、負担も軽く爆破に特化した強化の為された爆弾は、分厚い鱗をも貫く衝撃で白銀竜の内部を揺さぶっていく。
とはいえ流石に鱗だけが彼の防御ではないのか、生来丈夫な筋肉と纏うオーラを以て並の相手ならば消し炭すらも残らぬ爆発を耐え抜き。
受けた莫大な衝撃を正確に瑠璃と緋瑪へ突き返すように、纏うオーラより鋭い光刃を解き放ち飛ばす。
それを上下に飛翔して別れて躱しつつ、瑠璃と緋瑪は反射の軌道を見切っていく。
「くぁっはっはっは! 効かぬ効かぬぅ!!」
効かぬと書いてその実は効いていると読むのはお約束ではあるが、白銀竜にとってはそれが見栄なのか。
猟兵達の猛攻に対しても頑強な鱗と竜の闘気によって幾許かを反射しつつも、しっかりと内部にはダメージを受けている訳で。
「これは……四の五の言っていられませんね」
とはいえ、その頑強な鱗の鎧とオーラによる防護と反射は只管に厄介。
得意とする戦法が使えないのではないかと舌打ちしつつ、あきはその薄紅色の髪を、真の姿である濃密な紅の色へと転じさせていき。
命を削る代償に得た超スピードを以て白銀竜に肉薄していく――道中、鱗を削るべく放たれていく爆弾の衝撃を反射する刃が飛び交おうとも、それを潜り抜けて。
「ええいやめろ! 我は貴様らの食物ではないわぁ!!」
新たに迫るあきの姿に竜は力を振り絞って、その鱗と同じように鈍い色の瞳を鋭く向けて。
解き放たれていくは莫大な雷と流星の圧倒的な暴力……降り注ぐ破壊の結晶ではあるが、決意と勇気を胸にあきは落ちるごとに舞い散る砂礫の、僅かな隙間すらも滑り潜り抜けて。
地を強く踏みしめ時に優雅に跳躍し躱す姿にも、竜は怒りと共に雷と流星を降らせて駄々っ子のように迎え撃たんとしている。
「なんていうか……イマイチ威厳に欠ける竜ね」
その威厳も何もあったものではない姿に辟易しつつフレミアは溜息一つ。
人間も千差万別、竜も千差万別――とはいうものの、あれが幻想の上位種を謳うのかと。
「まぁ、良いわ。それでも防御力は高いみたいだし、戦いは楽しめそうね♪ それと……貴方、美味しいみたいね?」
「!? や、やめろっ! 我は美味くないぞ!?」
ともあれ実力は確かならば相応に楽しめるか、楽しんだらさっさと倒して肉を食べることにしよう。
竜の抗議を右から左へと受け流し、竜に対抗するならば同じ竜を――より強い竜をと、フレミアは記憶より力を呼び出す。
「骸の海で眠るその異形、その能力……我が肉体にてその力を顕現せよ!」
纏うその力は、雄大な黒き鱗と強靭な尾を持った戦いの皇帝。
その爪はミスリルの名剣すらも凌ぐ切味と、強靭な尾の薙ぎ払いは世界樹すらも倒壊せしめ、放つ業火は地獄すらも生温き。
伝説の竜の力を纏ったフレミアもまた、あきが潜り抜けるようにその膨大な雷と流星の間を擦り抜けて。
「お前に救いの道は存在しない」
「地獄の業火で燃え尽きなさい!」
互いに真紅の印象的なあきとフレミアが白銀竜の前に並び。
あきのマスケット銃から放たれるのは閃光――詠唱は一瞬という表現すらも遅いと思われる速度。
紡がれた言の葉による魔力への呼びかけは十二分――高められた魔力による激しき光弾は呆気に取られている白銀竜に突き刺さり、数多の爆発でヒビを入れられていた強靭な鱗のヒビを更に押し広げ。
同時に吹き付けられるフレミアが解き放つ地獄の業火――巨岩すらも容易く溶かすであろう地獄の火炎は、押し広げられたヒビに吸い込まれるかのように広がり、鱗を溶かすと同時にその肉体へ耐え難き苦痛を刻み込む。
「ッ……やめろ、やめろぉぉ!!」
「……チッ」
纏うオーラによりその攻撃の一部を光の刃として突き返すも、彼女達は軽々とそれを躱し。
半狂乱になって再び雷と流星を解き放つも、最早あきにとってはそれは停まって見えるも等しく。
圧倒的な暴力の前に、超人的な勘を駆使しては紙一重で躱し、勇気を以て力強く踏み出すと白銀竜の眼前に迫り。
再び放つ光弾――先ほどよりも遥かに威力を上げたそれが、ピンポイントで白銀竜の片翼を落し。
「貴方の防御力と黒皇竜の破壊力……どちらが上か比べるのも悪くないわよね♪」
続いて振るわれるフレミアの、伝説の鋼をも斬り裂く竜皇の爪の一撃が、続いてもう片方の翼を落し、白銀の竜を完全に地へと堕とす。
そして追撃に放たれる終末の火球が、白銀竜の纏うオーラをも完全に塵に還しては吹き飛ばし。
「ぐぎゃあああ!!」
「うわー、みっともないねー瑠璃」
「早く倒して食べよう、緋瑪」
もはや白銀竜に矜持は無くも――芋虫のように転がり無様な姿を見せても、その鈍い瞳の闘志に戦意衰えぬは竜の最期の意地か。
だがその横転を阻むように、喉元へ置いておくように仕掛けた爆弾が爆ぜ、竜の転がりを強引に阻むと。
「「さぁこれで終わりだよ白銀竜――」」
咆哮を挙げる竜の口内に投げ放たれた殲滅の閃光と名付けられた必殺の爆弾が、竜の首を残さず消し飛ばすのだった。
大成功
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第3章 日常
『飛沫煌めく水面』
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POW : 元気に賑やかにはしゃぐ
SPD : 遠泳や潜水にチャレンジ
WIZ : 優雅にゆったりくつろぐ
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●憩いの一時
戦いは終わった――
身勝手で自分本位な根拠もなき儀式の為に、憩いの場を占拠した狂信者達も。
偶然の導き恐ろしくも、民の憩いの場を不当に占拠せしめんとした白銀竜も。
全ては駆け付けた猟兵達の手によって打ち倒されたのだ。
狂信者達は兎も角、竜については運が悪かったと言う他ないだろうが、あの調子では別の人里を占拠していたかもしれない。
せめてこの場で倒せたことを、僥倖と思おう――
さて、猟兵達の目の前にあるのは清く澄んだ心地よい空気の湖。
トリニヒタ湖と呼ばれ、周囲の民の憩いの場として名高き避暑地。
幸いにも、バーベキューや釣りの用具は、近くの小屋に揃っている――恐らくは一応の管理人がいて貸し出しも行っていたのだろう。
そして猟兵達の前には、鮮やかなピンク色の柔らかく美しい肉がある。
それは当の白銀竜の肉……巨体の割に可食部位は少ないと言っていたが、それでも元々が巨体である以上、場の猟兵が楽しむには十分な量で。
ともかく、バーベキューなり魚釣りを楽しむなり、果ては淡水で泳ぎに興じてみたり……
平和を無事取り戻した憩いの湖、労働を無事終えた猟兵の貸し切りを報酬とするのも悪くはないだろう……
小宮・あき
●同行:シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)
●行動:WIZ
弟と一緒に寛ぎましょう。湖畔でアフタヌーンティです。
弟はグリモア猟兵ですが、他の方の予知した現場には転移出来ないそうね。
スフィーエさん、お手数ですが、弟を呼んでいただけないかしら。
お茶会の準備は全て弟にお願いしましょう。
柔らかい大きな布に、お茶菓子や軽食を。ポットとカップも忘れずにね。
ふふ、くるしゅうない~、なんてね。(口調は「心を許したら」)
普段は庭園で楽しむ紅茶も、湖畔で味わうとまた格別というもの。
いつも通り、近況を報告し合ったり、面白い予知を聞いたり、のんびり過ごしましょう。
上品な姉弟。ここまで来てくれた弟にも感謝して。
シェーラ・ミレディ
姉さん(小宮あき・f03848)と参加
姉を労うため、アフタヌーンティーの準備をしていくぞ。
バスケットに簡単な軽食とスコーン、マカロン。ジャムとクロテッドクリーム。後は地面に敷く布と、茶器と、茶葉と……お湯は現地で調達できるか。念の為、アイスティーの用意もしておこう。
悪いが、スフィーエ。転送を頼む。
現地に着いたら姉にお疲れと声をかけ、早速お茶会の準備を。
先に布を広げて姉を座らせておき、軽食や茶菓子を出したりお茶をいれたり。給仕しながら、会話を楽しむとしよう。
避暑地とはいえ、冷房がある訳では無いからなぁ。姉が暑そうな素振りを見せたら、すかさずアイスティーを出すぞ。
ふふん。準備は万端だ。
●姉と弟の水郷の一時
――ところ変わってグリモアベース、数多の世界のヴィジョンが忙しなく映っては消えてと繰り返す、猟兵達の本拠地。
その中に、忙しなく様々な物――簡単な軽食や茶の類、行楽用のシートや上等な茶器の類を用意するミレナリィドールの姿がそこにあった。
シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)の準備が整うと、スフィーエは微笑みながら声を掛けた。
「準備はいいかい?」
「ああ。悪いがスフィーエ、転送を頼む」
「では行くよ」
またところ変わってアックス&ウィザーズ、此度の一件で猟兵達が平和を取り戻した淡水湖の避暑地にて、転送の結界を通ってやってきたシェーラを迎える声一つ。
「お、来た来た~」
「うむ、来たぞ姉上。お疲れ様だ。さあ、ここへ座るがいい」
「うむうむ、くるしゅうない♪」
手を振りながら迎えたのはあき――彼女とシェーラは、彼女が経営するホテルに住まい、姉弟として過ごしていたからだった。
あきの傍に寄るやいなや、シェーラは行楽用のシートを柔らかな地面の上に敷くと座るように促し。
何処か芝居じみた口調で弟の気づかいに姉は答え、戦に疲れた身体を休める様に腰を掛け。
「有難うございます、スフィーエさん」
「何、気にすることは無いよ。楽しんで行ってくれたまえ」
座ったままあきは転送を頼んだスフィーエに改めて礼を一つすれば、スフィーエはあきとシェーラに手を振り場を後にしていった。
「あっつぅい……」
「避暑地ではあるが、冷房などがあるわけではないからな。というわけで、これを飲むといい」
その背を見送りつつ、あきは忙しなく茶器の類を並べ、軽食や菓子の類を並べているシェーラを穏やかに見つめながら、真夏の暑さに声を漏らした。
木陰も多い湖の近く、心地よき風は吹けど冷房に類する何かがある訳でないこの世界。
それもまた幻想の世界の妙と言えるものかもしれないが、シェーラは見越していたように今用意をしている茶とは別に、良く冷やされたアイスティーをグラスに注ぎ提供する。
「おお、さっすが~!」
「ふふん、準備は万端だ」
透明なグラスに映える鮮やかな紅茶の色と、一口すると広がる華やかな、仄かに甘い香。
飲み口も爽やかに香りが一瞬だけ広がり、すぐに消えていく――心地よき涼を体現したような冷却を、火照る体に納めつつ。
シェーラの用意したスコーンにクリームを塗りつつ、熱い方の紅茶の茶葉がゆっくりと己を出していく光景を見守りながらあきは問う。
「最近はどう?」
「いつも通りだ。サムライエンパイアで、渡来人の財宝とやらを壊してきた」
「向こうの世界も大変ね」
戦争真っ盛り夏の陣、かの世界で繰り広げた渡来人と残した財宝の災厄を払った戦果をシェーラは語り。
程よき時を迎えた熱い紅茶をカップに注げば、姉弟はアイスティーとはまた違った高貴な香りを鼻腔に通し。
淹れたての熱く、香り華やかにして柔らかで、かつしっかりと口に重厚感溢れる余韻心地よき茶の一時を過ごす。
合間に齧るスコーンも、ほんのりと甘くクリームの重みを紅茶の心地よく程よい渋味が洗う。
始まるは穏やかなティータイム……とても激戦を終えた後の猟兵とは思えない、それこそ避暑地の行楽を楽しみに来た上流階級の姉と弟にしか見えない姿だった。
時折湖面に魚の跳ねる水音と、そよぐ風が成す木々の騒めきが魂安らぐ揺らぎを与え、湖の清らかな水が成す負のマナ<マイナスイオン>が、穏やかな茶の一時をより柔らかな安らぎへと為してくれる。
このまま穏やかな一時が続けば良い……などと考えもしながら、あきはふとシェーラに会話を持ちかける。
「何か面白い予知とかある?」
「ううむ……最近は無いな」
「また何か有ったら教えてね」
シェーラはうむ、と一つ答えて匂い立つ紅茶を一口し。
真夏の穏やかな湖、その傍で繰り広げられる姉弟の穏やかなティータイムを、一つ涼やかな風が心地よく労わりを与えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シーザー・ゴールドマン
とりあえず白銀竜の肉を『料理』して食する。
(状況次第では他の猟兵の分を料理するのもあり)
食事の際は肉に合う酒を何処からともなく取り出したりもする。
スフィーエもいるなら「美味しい肉を紹介してくれた御礼」として料理を振舞う。
その後はいつの間にか姿を消していますが、料理に使った器具等は新品同然となっています。
●この男、実に出来る
あの巨体からすれば確かに可食部位は少ない、少ないがこの量は十分だろう。
眼前に並ぶ柔らかなピンク色の肉を前に、シーザーはその指先を軽く肉に埋もれさせた。
吸い付くような肉質と、押せば押すほどにめり込む柔らかさ、されど弾力も程よく備えた極上の肉の気配に唇を吊り上げる。
「ふぅむ……実に柔らかいね。この柔らかさだから、ショックアブソーバーも兼ねていたのかもしれない」
衛生面は多分に問題ないはずだ。
柔らかな肉を相手に多少の考察も交えながら、シーザーは食べやすく、されど食べ応えを備えた厚さに肉を斬り出すと、放置されていた調理器具の、鉄板の上に載せて火を通し始める。
肉の焼ける特有の香りに優雅に陶酔もしながら、香辛料も振りかけたりもし、程よく火を通したそれを口に運び。
噛み締める度に広がる柔らかな繊維質と、爆ぜる様に広がる旨味を孕む肉汁の協奏曲が何とも言えぬ美味を醸し出す。
それに合うのは、皮を剥かずに作った白ワイン――通称オレンジワインが良いだろう。
白の爽やかさを基調としながら皮の旨味も備えた力強さは、この鳥に近い肉に良く合うだろう。
などと暫く肉と酒を味わっていたら。
「スフィーエ君、どうだい?」
「いいのかい?」
通りかかった紅のコートのオラトリオに声を掛ければ、焼ける肉の野性的な、されど高貴な肉汁の香と香辛料の匂い女の腹を鳴らす。
「美味しい肉を紹介してくれた礼というものだよ」
「……では、有難く頂くよ。シーザー君」
注がれた橙色と、グラスを打ち合わせどこか似通った男女二人。
肉と酒の語らいを交えて過ごしていれば。
……いつの間にやら、シーザーの姿はそこになく。
気が付けば使われた筈の調理器具も新品同様の様子を見せる――まるで、最初から使われていなかったように。最初から彼が存在してなかったように。
ただ……美味しそうに焼けた肉だけは、確かに彼が存在する証拠を見せていた。
大成功
🔵🔵🔵
四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身
緋瑪「あ、白銀竜でもお肉はピンクなんだねー」
瑠璃「まぁ、銀色のお肉なんて美味しそうじゃないしね」(焼いてるお肉にデスソースどばっ)
緋瑪「わあっ!瑠璃、ソースの煙が辛いよ!網から上げてから掛けて!」
緋瑪「そういえば、あの竜人?トカゲ人間?アレも銀色で色似てたし、食べたら美味しいのかなぁ?」
瑠璃「トカゲでも人型してるのはあまり食べたくないね…そもそも残ってたっけ…?」
緋瑪「わたし達と戦ったのは消し飛ばしちゃったねー」
緋瑪は普通に、瑠璃はマイデスソースを掛けながらお肉を大量にもぐもぐ。
やや物騒な事言いながら美味しそうにお肉頬張って楽しんでたり
●華麗なるお姫様
二つ身に分かれた瑠璃と緋瑪の殺人姫達は、白銀竜の肉を焼きながら穏やかに語らっていた。
「あ、白銀竜でもお肉はピンクなんだねー」
「まぁ、銀色のお肉なんて美味しそうじゃないしね」
或いは白に近ければ魚肉か何かと思えばそう思えるのかもしれないが。
想像してしまったのは、メタリックな銀色の輝きを持つ肉なのだから、確かに美味しそうとは言えないだろう。
微妙な顔をする瑠璃と裏腹に、目の前の肉をより楽しもうと緋瑪がかけたのは。
「わあっ! 瑠璃、ソースの煙が辛いよ! 網から上げてから掛けて!」
「あ、ごめんごめん
一口するだけで舌を刺すような、見るからに瓶自体が危険な髑髏を描かれている辛味のソースであった。
そんなものを焼けば煙が最早テロリズムになりかねない――慌てて仰ぐ瑠璃と、ソースを焼いた肉で可能な限り絡め取り皿に盛る緋瑪。
騒がしくも、とても殺人鬼と称される人種とは思えない、ある意味でとても和やかな光景であった。
「そういえば、あの竜人? トカゲ人間? アレも銀色で色似てたし、食べたら美味しいのかなぁ?」
焼かれた肉に持参したソースを付けて一口しながら半身と語らう緋瑪。
濃厚な旨味と、舌を突き刺し口内に針を突き立てるような強烈極まりない刺激的な辛さのハーモニーが何とも言えず心地よい。
……下手をすればソースで味を殺しているのかもしれないが、指摘するのも無粋というものだろう。
瑠璃は至って普通のフルーツフレーバーのソースを付けて食していた。
そちらは白銀竜の肉を、果実の仄かな甘さが際立たせる普通に美味しい組み合わせ、元より甘党の彼女には堪らないだろう。
「トカゲでも人型してるのはあまり食べたくないね……そもそも残ってたっけ……?」
「わたし達と戦ったのは消し飛ばしちゃったねー」
……話題自体の物騒さは置いておいて。
二つの御霊を二つの身に分けた殺人姫達の焼肉は続く――これもまた、一つの平和な光景……だろう。
大成功
🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
これが白銀竜の肉なのね…もっと締まってるかと思ったら、なかなか美味しそうじゃない♪
折角なので【虜の軍勢】で眷属(雪花、罠うさぎ、エビルウィッチ、邪悪エルフ、ぽんこつ女王様、氷擬鳥、ウォルファン、猫又、ハート・ロバー、エージェントの子達、黒い薔薇の娘たち、異国の少女剣士、猫又花魁)を召喚。お休みという事で、自由にBBQやら楽しむ様伝えるわ♪
更に【魔城スカーレット】から自前のワインや追加の肉、一緒に焼く野菜等の食糧を運び出し、他の猟兵のみんなにも振舞ってみんなで頂くわ♪
自身は眷属の子達を侍らせ、同じくBBQ楽しむ猟兵と会話しながらワインとBBQを優雅に楽しんだり♪
それ程癖も無く美味しいじゃない♪
●饗宴の姫君
「これが白銀竜の肉なのね……もっと締まってるかと思ってたけど」
尤も、締まっている部位は逆に硬すぎて可食には適さないのだと考えれば……何とも両極端な竜だと思う。
けどそんなことは大して重要じゃない、重要なのは。
「中々美味しそうじゃない♪」
肉として現れた以上は、美味しいか美味しくないかの単純な二択で十分なのだ。
そして前者であるならばフレミアも何も言うことは無い――
「わたしの可愛い僕達……さぁ、いらっしゃい♪」
目を閉じ、胸の前で軽く掌で円を作り呼び出すは彼女の眷属――世界を跨ぎ、嘗て魅了した存在が次々と呼び出される。
このアックス&ウィザーズの世界における存在も多々あれば、似通った世界のそれもあり、果ては全く毛色の違う存在もあれど。
だがいずれもフレミアにとっては可愛く大事な眷属であり、賑やかな彼女達に貴族然と振舞う。
「今日はお休みよ。一杯食べて英気を養って頂戴」
「「「はーい!」」」
続いて取り出したるは、普段の居城としているユーベルコードの空間より次々と、仕留めた竜の肉だけでは物足りぬ。
様々な肉や、野菜の数々――ついでに自前の極上のワインなども取り出したりもして。
和気藹々と思い思いに鉄板焼きを始める眷属を微笑ましく見守りつつ、フレミアも焼かれた竜の肉を一口し。
「ん、これそんなに癖も無くて美味しいわね」
味としては鶏肉に似ているだろうか。
柔らかくも繊維自体はしっかりと、それでいて広がる旨味は強く仄かな甘味すらも感じる――居城から用意した肉も最高級品ではあるが、これも決して劣らぬだろう。
「あら、注いでくれるの? ありがと♪」
異国めいた風貌の少女の剣士に追加のワインを注がせれば、女王のように労いの一撫でを与え。
赤面し背を向ける眷属の少女を見守りつつも、慕う他の眷属達も可愛がるように顎を擽りつつ。
他の猟兵に料理を振る舞いながらも、女王とその眷属達の賑やかな宴の一時が過ぎていく。
●湖畔の休日
かくして哀れな狂信者によって、民の憩いの場を乗っ取られる事件は終わりを迎えた。
幸か不幸か、狂信者の信ずる竜の到来による蹂躙も猟兵達は無事に阻止することができたのだ。
その後は近くの人里に報告をする必要もあるだろうが……ただ、今は。
この穏やかな水郷の一時を、存分に過ごすと良いだろう――
願わくばこの水郷の水鏡に、二度と酔狂な侵略者が現れぬことを。
真夏の照り付ける日差し徐々に和らぎ始めた昼下がり、猟兵の休日は心行くまで続けられるだろう……
大成功
🔵🔵🔵