アルダワ・ディープナイトプール
●アルダワ魔法学園にて
「……持ってきた?」
「……持ってきた!」
顔を見合わせた少女ふたり、同時にロッカーを見る。その後は、にんまりと笑って。
「「楽しみだね、ナイトプール!」」
待ちきれないのは誰もが同じ。お楽しみの時間は授業が終わった後だと頭では理解しているが、感情はとうにナイトプールへと向かっている学生たちだ。
「ね、ね、何かテーマとかあるんだっけ?」
「ナイトプールを整備してる先輩に聞いたんだけど『深海』だって」
「わー、楽しみー! 出店もあるんだよね?」
「透明なのとか青いのとか、沢山準備してくれてるって」
授業中のひそひそ話は、終わることがない。教師も咳払いだけで勘弁してくれるのは、そういう季節であるからか。あるいは、教師自身もナイトプールを楽しみにしているためか。
終業チャイムの回数を指折り数えるごとに、学生たちの熱も高まってゆく。
場所は変わって、地下迷宮。
鮮やかな空の色に波模様がうねる壁は涼し気で、等間隔に置かれた青い魔法の灯火がいっそう冷ややかにフロア内を照らしている。
灯火が不意に揺れると、先ほどまで静かだったフロアに足音が響き始める。ひとり、ふたり、と増えた後はもはや無数、としかいいようのない数になる。
また、遅れて歩く足音が一人分。それは時折立ち止まったり足早になったりと、ひどく不規則だ。やがて足音の主は壁を叩き「ふむ」と呟いた。
「ここなら、理想の脱出ゲームができるだろうか?」
●グリモアベースにて
「ナイトプールに! 行きたいかーっ!」
佐伯・キリカ(陽気な吸血魔法使い・f00963)か拳を掲げ、飛び跳ねる。そして猟兵の返事を待たずして、反対側の拳も掲げた。
「それじゃあ水着を持って、アルダワ魔法学園に集合ーっ! ……って言いたいのはやまやまなんだけど……学園迷宮のフロアボスが、配下を率いて上の階層へと攻めあがって来てるみたいなんだよ」
全ての階層を突破されようものなら、学園施設へ侵攻されてしまうことは免れない。
開放されたばかりのアルダワ魔法学園の施設がひとつ「ナイトプール」も、例外ではない。学生が企画して準備した設備も、魔法の光も、何もかもが台無しになってしまうのは、何としても防ぎたいところだ。
「学園には非戦闘員もいるから……彼ら彼女らの命を守るためにも、猟兵のみんなにはダンジョンの一角でオブリビオンの侵攻を食い止めて欲しいんだよ!」
オブリビオンたちが必ず通るポイントは、予知で判明している。それは教室などがあるフロアから3階層下に位置しているという。
「そのフロアは、通路の区切りがなくなってだだっ広い場所になってるんだ。上階への通路である螺旋階段を塞ぎながら戦えば、侵攻は阻止できるはずだよ」
最初に攻め上がってくるのは、『吸血鬼アルマ』と『受肉のフラジール』という少女と人形のペア。の、集団だ。
「彼女たちをおおかた退けたら、今回の侵攻を企てたオブリビオン1体との戦闘になるよ。同じフロアでの戦闘となるだろうから、引き続き上階に上がらせないように注意して事に臨んで欲しいんだよ」
その後は、と、猟兵の誰かがそわそわしながら聞く。
「もちろん、お楽しみ! ナイトプール! 存分に楽しんできてほしいな!」
そう言って、キリカは満面の笑みで送り出した。
雨音瑛
今回のお楽しみは、深海をテーマにしたナイトプールです。
アルダワ魔法学園にてよろしくお願いいたします。
●ダンジョンの内装
青い灯火が揺れ、波の模様が透けて動くダンジョンとなっています。ちょっと涼しげ。
●各章補足
第1章:集団戦/まずは『吸血鬼アルマ』と『受肉のフラジール』との戦闘となります。大挙して押し寄せてきますので、上階に続く螺旋階段を通過さないよう確実に撃破していってください。
第2章:ボス戦/ボスとの戦闘です。開始時に冒頭に何かしら記載する予定ですので、プレイング送信はそれ以降ですと助かります。
第3章:日常/ナイトプールで泳いだり浮かんだり食べたり飲んだり、思い思いにお過ごしください。プールの内外に魔法の光が灯り、幻想的な風景となっています。水着については「納品イラスト参照」といった記載でも大丈夫です。
開始時に冒頭に何かしら記載する予定ですので、プレイング送信はそれ以降ですと助かります。
※お誘いがあった場合のみ、キリカも登場します。
第1章 集団戦
『『吸血鬼アルマ』と『受肉のフラジール』』
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POW : Necrosis
【アルマに対して恐怖】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【浮遊する巨大な目玉】から、高命中力の【生物の体組織を壊死される光線】を飛ばす。
SPD : 獄
【フラジールの胸の空洞】から【無数の手枷、足枷、鎖】を放ち、【SPDの数値が低い者から順に追尾すること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : こうやって狩りをしているの
【フラジールが捕らえた対象にアルマの拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
👑11
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セツナ・クラルス
ナイトプールか
ふふ、楽しそうだね
迷宮から現れたら彼女たちは特別ゲスト……という訳ではないのだよね
ならば、残念だが
ここを通すわけに はいかないよ
折角の涼しげな空間に炎を舞わせるのは本意ではないのだが、
集団戦では手数の多いものを使用するのが効率的だからね
幾つか纏めた大きな灯火は囮様
この炎から逃れようと群れから突出した敵を
小さな灯火で囲い、退路を絶った上で確実に仕留め、敵の数を減らしていこう
騙し討ちのようで多少気は引けるが
ここで同情しても問題の先延ばしになるだけだからねえ
すまないね
過去にお帰り
ここにあなた方のいる場所はないのだよ
学生たちの賑わいを抜けて迷宮のフロアへと降り立ったセツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)は、思い出したかのようにくすりと笑った。ナイトプール、という単語が主語になっていなくとも、充分に解るその熱気と期待。
「楽しそうだったね」
誰に言うともなしに呟いた言葉は、『吸血鬼アルマ』と『受肉のフラジール』の出現にかき消される。彼女らがナイトプールの特別ゲスト、なんていう風には到底見えないから、セツナは成すべきことをするだけだ。
「残念だが、ここを通すわけにはいかないよ」
押し寄せる軍勢相手に落ち着いた態度を崩さず、セツナは迎撃の構えを見せる。
そうして敵を、空間を一瞥し、小さな灯火をいくつか纏めた。
大きな炎を空間に灯した。涼しげな空間に、一瞬にして熱波が広がる。
『そんな大きな炎、感嘆に躱せ――ッ!?』
炎から逃れるべく突出したアルマとフラジールたちが驚くのも無理は無い。
完全に回避した、と思った先で小さな灯火に囲まれたからだ。大挙して押し寄せるのなら、誘導もしやすいというもの。折角の涼しげな空間に熱気を篭もらせるのは本意ではないが、相手が数にものを言わせてくるのならば手数の多い手段を利用するに越したことはない。
「残念、そちらは囮だよ」
騙し討ちのようになってしまうことに多少の罪悪感を覚えるのは、セツナが聖者であるからか。
しかし、彼女たちを小さな灯火で囲って退路を絶つ様はまるで容赦ない。逃げ場の無くなったアルマとフラジールの包囲をいっそう狭め、行動を制限する。このようになってしまっては、アルマに反撃の術は無い。
「同情をしたところで、問題の先延ばしになってしまうだけだからねえ」
それに、ここより上は彼らがいて良い場所ではない。焦る彼女らの顔をちらりとだけ見たセツナの黒い瞳はしばしの間、閉じられる。
「……すまないね。過去にお帰り」
再び開くと同時に告げられる言葉に、温度は無い。
『――!』
セツナの操る炎の包囲は次第に彼女らを焦がし、順当に、確実に彼女たちを消滅させてゆく。
成功
🔵🔵🔴
伊美砂・アクアノート
【+】【SPD 結界糸・無風陣】
個人的には狭い場所の方が好きなんだが…。ま、仕方ない。広間なら射線が通って丁度良い。精々狙い撃たせてもらうさね…。
螺旋階段の根本に陣取り、【スナイパー10、視力5】武装のアサルトライフルで敵を発見次第射撃。使える武器が多いのが自慢の暗器遣いだからね…敵の接近に合わせて、武器を持ち替えて対応していく。
螺旋階段まで接敵されたら【地形の利用5、ロープワーク5、拠点防御5】で遅滞戦闘に移行。…ふはは、我輩の硝子糸の檻を突破できるかな? 螺旋階段にユーベルコードの糸を張り巡らせ、敵を待ち構える。…どうせ此処が行き止まり。蜘蛛糸に絡め取られて、無残に果ててしまうがいいさ。
ジュリア・ホワイト
【幾千】で参加
「夏のナイトプールとは洒落た催しだね?良いとも。ヒーローとして皆と、皆が楽しみにするものを護るのはボクの使命だ」
螺旋階段前で陣取る兎乃君の式神や彼自身と十字砲火を組めるよう位置取って射撃援護するよ
突っ込む心結さんが敵の目の前でUCを封じられるとマズいね
彼女に近いフラジールには優先的に攻撃を叩き込んであげよう
「恐怖も痛みも、感じる暇など有りはしない。纏めて消し飛ばしてあげるとも!」
自分の攻撃で主力になるのは【ヘビーアームド・ウェポナイズ】を発動しての『No.4』とML106による射撃かな
MLで敵本体を狙いつつ、目玉が召喚される度に『No.4』で射抜いていくよ
【アドリブ歓迎】
音海・心結
【幾千】で参加するのです
アドリブ歓迎なのですよっ
ナイトプールっ!
みゆ、すごくすごく憧れてたのですよっ
早く倒して遊びましょうねっ?
ふふ♪
みゆはあんな奴らになんか負けないのです
怖くないのですよーっ
【第六感】で敵の攻撃を避け、
【ジャンプ】【ダッシュ】で相手に近づくのです
ジュリアっ!
フォローは任せたのですよーっ
みゆと勝負なのですっ♪
相手に至近距離まで詰め寄ったら、
UC『地の果てまで』を使うのです
絶対に逃がさないのです
流血しながらみゆは戦闘を楽しんでいるので、
もしかしたら【精神攻撃】になっているかもしれませんが、
みゆは気にしないのです♪
ぁ
そっちにゆくのはダメなのです
零時はみゆが守りますからねぇ
兎乃・零時
【幾千】で参加
アドリブ歓迎
+
ナイトプール……一体どんな感じか、今から楽しみだ…!
▼戦闘
―――めっっっちゃ居るぅぅ
……!!(集団を見て思わず震える
で、でも、俺様は負けん…!心結にジュリアも居るんだし…!
(恐怖を感じぬ為【気合】を入れ【覚悟】を決め【勇気】を振り絞る
…さぁ、行くぜ!
こっから先は…絶対通させねぇ…!
UC:紙兎パル
【オーラ防御・拠点防御】は
上階に続く螺旋階段を通過させぬように、壁として使ったり
味方に来る攻撃を防ぐ時用に使う
攻撃は【属性攻撃・援護射撃】
な、なぁ…血だらけなのは良いのか…!?
兎乃
【全力魔法】という名の、光属性の魔力の塊を交え放ち続ける
ヤバい攻撃は【逃げ足・ダッシュ】で避ける
アルダワ魔法学園の生徒たちが企画したナイトプールとは、どんなものなのだろう。あんなものやこんなものがあって、きっと食べ物はこんなので――と、考えつつ目的のフロアにたどり着いたクリスタリアンの少年、兎乃・零時(大きな帽子に夢抱え、目指すは《最強/最高》魔術師!・f00283)は、硬直した。
「――めっっっちゃ居るぅぅ
……!!」
続いて震え上がるも、全力で首を振って恐怖を振り払おうとする。
でも、負ける要素はない。なにせ、ジュリア・ホワイト(白い蒸気と黒い鋼・f17335)と音海・心結(ゆるりふわふわ・f04636)も一緒なのだ。
恐怖を感じぬよう気合いを入れて覚悟を決め、さらには勇気を振り絞れば、アクアマリンの瞳がいっそう輝く。
「……さぁ、行くぜ! こっから先は……絶対通させねぇ……!」
大きな魔法帽子を被り直した零時は、渋滞を起こしそうなほどの『吸血鬼アルマ』と『受肉のフラジール』へと魔力の塊を放った。眩いばかりの光がフロアに満ち、数体のオブリビオンがかき消されてゆく。
その一瞬の間に距離を詰めた個体がいれば、尋常ではない速度で駆け出し、逃げるように距離を取る零時だ。
零時の横をくぐり抜けてゆこうとする個体には、オーラを発動させて移動を妨げる。
「ナイトプールっ!」
嬉しそうに告げる心結は、第六感にて踊るように、あるいは舞うように敵の攻撃を回避する。
「みゆ、すごくすごく憧れてたのですよっ。早く倒して遊びましょうねっ?」
フロアを軽やかに跳ね、ダンピールの少女は素早く接敵した。
「ジュリアっ! フォローは任せたのですよーっ。そしてあなたたちは、みゆと勝負なのですっ♪」
「ああ。ヒーローとして皆と、皆が楽しみにするものを護るのはボクの使命だからね」
ジュリアは心結に近い敵個体へ詠唱ロケットランチャーを発射した。
巻き起こる爆風の中、元気に揺れる心結の手が見える。無事、ということを示しているのだろう。
ジュリアが特に気に掛けるのは、敵陣に突っ込むことを己が役目とする心結だ。攻撃の主軸となっている彼女が、敵の前でユーベルコードを封じられるのは非常にまずい。
ジュリアは重武装モードに変形し、速度を犠牲として遠距離からの攻撃と、その力を増幅させる。
「恐怖も痛みも、感じる暇など有りはしない。纏めて消し飛ばしてあげるとも!」
手にする銃火器は、No.4とML106。
ML106で『吸血鬼アルマ』を撃破しつつも、目玉が召喚されようものならNo.4で的確に射貫いてゆく。旧式の蒸気機関車のヤドリガミは、かつての憧れを胸にオブリビオンを制圧する。
「ジュリア、ありがとーですっ!」
「ああ、いつでも頼ってくれ」
軽く手を振った心結の額や腕から、血がだらりと流れる。
心結の金の瞳はルビーを思わせる赤へと変わり、背からは白い羽が、そして身体には真白のリボンが纏わり付く。
「な、なぁ……それ良いのか
……!?」
少しばかりぷるぷるする零時が心結を指差して心配するが、当の心結は眩しいばかりの笑みを浮かべ、何ら気にしていない様子だ。しかし次の瞬間、何かに気付いたように表情を引き締めてアルマへと肉薄すれば、カラフルな髪がゆらりとなびく。
「そっちにゆくのはダメなのです、零時はみゆが守りますからねぇ」
可愛らしい見た目をした短剣で一閃した。
「大丈夫ですよ零時、みゆはあんな奴らになんか負けないのです。ふふ、絶対に逃がさないのです♪」
流血は、ユーベルコードの副作用だ。けれどまったく気にする様子もなく、むしろ楽しげに心結は敵陣へと切り込む。対するアルマは少しばかり引いた様子で、それでも攻撃を仕掛けて来る。
『……う、』
『あまり、こっちに来ないで欲しいわ』
戸惑うアルマの隣で放たれるフラジールの拘束具は、ジュリアの援護射撃によって叩き落とされる。
「だ、大丈夫なんだろうけど……別の意味で心配だ……」
「ふふ、心結なら心配ないさ」
「う、うん……」
アルマと、傍らの『受肉のフラジール』を同時に倒しながら、零時はジュリアの言葉におずおずと頷いた。
心結が派手に立ち回る中、彼女を避けるようにして迫ってくる個体はジュリアと零時の十字砲火の餌食となる。
硝煙の香りに、伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)は小さく笑んだ。彼女が戦闘において好むのは狭い場所だが、強い拘りがあるわけでもない。広い場所ならば射線が通る、それだけのことだ。
アクアノートは螺旋階段の根本に陣取り、アサルトライフルを構える。
「……来た来た、」
藍色の瞳が妖しく光り、アルマとフラジールを捉える。引き金を絞って撃ち抜けば、気持ち良いくらいに倒れ、消滅してゆく。それでも数だけは一丁前だから、弾丸が切れる直前、マガジンを替えるよりも早くゾーリンゲン・タロットを指先で弾き、凶器とする。
さらに距離がある程度詰まったのならショットガンに持ち替えて蜂の巣にして。敵との距離を正確に把握し、適した武器に持ち替えては撃破してゆく。
続いて分銅鎖でフラジールを絡め取ると、空洞である胸元から鎖が放たれるのが見える。
直撃する。アクアノートが舌打ちをした矢先、零時の式神『紙兎パル』が彼女の前に躍り出た。
鎖はパルへと絡まり、アクアノートに到達することはない。
「だ、だいじょうぶ!?」
「ああ、おかげさまでな」
猟兵の援護は心強い。アクアノートはパルを戒める鎖をタロットカードで切断し、再び敵軍の迎撃へと集中する。
(「これなら、切り札を出すまでもないか」)
アクアノートがそう考えつつタクティカルマチェットを振るうと、すぐ近くに気配を感じて向き直る。
「おっと、運の良い奴が……いや、むしろ運が悪い奴だな。お一人様ご案内、だ」
戦術を拠点防御のそれとして、アクアノートは口角を上げた。3人の防衛戦を無理矢理超えてきたアルマとフラジールは、身体のところどころが損壊している。
『素直に通してくれて嬉しいわ。でも、ただ通してもらうのも心苦しいから……これは、お礼』
空洞となっているフラジールの向けから、手枷や足枷、鎖といった相手を戒めるものが放たれる。
「それはどうもご丁寧に。それじゃ、これはお礼のお礼だ」
アクアノートが右手の指先を軽く持ち上げると、拘束具たちは彼女の眼前で細切れになる。そのまま指先でくるりと円を描くと、先ほどの拘束具と同じようにアルマとフラジールも断片となり、黒い霧となって消えてゆく。
「……ふはは、我輩の硝子糸の檻を突破できるかな?」
できるわけがないと、アクアノートは理解している。
もし敵が螺旋階段にたどり着こうとも、無慈悲な蜘蛛の糸に絡め取られて果てて行くだけなのだから。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
災魔は何にも知らないだろうがタイミング悪すぎだぜ
学生達とオレ達の楽しみを守ってみせるぞ
階段に近いアルマとフラジール達になぎ払いによる範囲攻撃で
『溢れ出る戦士の猛り』を当てて、
学園に侵攻する思惑をオレへの闘争心で上書きしてやるぜ
「吸血鬼が相手なんて戦い甲斐があるな、いくぜ!」
アルマがどれだけ恐怖を煽ろうと恐怖心よりも
学園を守りたい想い、強敵達と戦いたい挑戦心を膨れ上がらせるぜ
「みんなの笑顔も守って強いお前達も倒す、一石二鳥だぜ!」
特に警戒すべきは階段に向かう恐怖心だから、
時折高くジャンプして戦況を把握、階段に近くて
戦士の猛りをまだ当ててない奴にも周囲を吹き飛ばしながら
オレの闘争心を当てに行くぞ!
「何にも知らないとはいえ、お前らタイミング悪すぎだぜ!」
グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)の声が、フロアに響く。
螺旋階段に近寄る『吸血鬼アルマ』と『受肉のフラジール』に向け、闘争心を籠めた薙ぎ払いを見舞えば、彼女たちが吹き飛ばされるより早く爆発が起きる。
爆発してなお無事な個体を襲うのは、不思議とグァーネッツォを攻撃したくなる闘争心だ。
『なんなの、これ……!』
『私たちの目的は、彼女ではないはず!』
『でも、今は彼女を倒さなければ……!』
「そうだ、オレと戦え! まとめてかかってきな!」
ここまで、グァーネッツォの思惑通り。彼女たちの『学園を侵攻する』という意識を『グァーネッツォを攻撃したいと思う闘争心』で上書きしたのだ。
グァーネッツォの小柄な体は縦横無尽にフロアを行き来し、竜骨ナチュラルアックスで叩き潰すようにしてアルマとフラジールを撃破する。
「へへっ、吸血鬼が相手なんて戦い甲斐があるな。っと、倒すことばっかに集中しちゃいけないよな」
グァーネッツォはひときわ強くフロアを蹴り、高く跳躍した。ぐるり見渡す中、階段へと向かう個体を発見したものだからすぐに着地して、周囲の敵を吹き飛ばし始めた。
「それ以上は行かせないぜ、何より一般人に手出しなんてさせてたまるか! 戦士であるこのオレが相手だ!!」
その気迫たるや、アルマが思わず数歩下がるほど。そう、彼女の覚えた感情は「恐怖」。巨大な目玉が宙に出現し、緑色の光線を放つ。
光線の範囲は広く、よほど早く動かなければ回避は難しいと思われた。しかし、グァーネッツォの野生の勘をもってすれば回避は難しいことではない。
光線が放たれるよりも早く動いたグァーネッツォは回避行動から一転、真正面から突撃してアルマの胸元を竜骨ナチュラルアックスで切り下ろした。
『……あ、』
「みんなの笑顔も守って強いお前達も倒す、一石二鳥だぜ!」
振り下ろした先から再び斬り上げれば、アルマとフラジールは瞬く間に消滅した。
成功
🔵🔵🔴
アルトリウス・セレスタイト
いつも通りか
破天で掃討
高速詠唱と2回攻撃で間隔を限りなく無とし、全力魔法と鎧無視攻撃で損害を最大化
爆ぜる魔弾の嵐で蹂躙する面制圧飽和攻撃
敵性個体の周囲一帯を巻き込んで回避の余地を与えず、攻撃の密度速度で反撃の機を与えず
無理やり反撃しても諸共に飲み込んで押し切る心算
攻撃の物量で全てを圧殺する
訪れてみれば、いつもと変わりない仕事であった。
襲い来るオブリビオンのペア『吸血鬼アルマ』と『受肉のフラジール』を前に、アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は青い輝きでフロアを満たした。
最初のそれですら二度にわたる攻撃であったと、消滅した彼女たちは気付くことすらできない。
魔弾の嵐はひたすらに爆ぜ、蹂躙する。アルトリウスの全力を以て放たれるユーベルコードは身に纏う鎧、すなわち防備を無視するものであるから、どれだけ供えていようとただただ無意味だ。
複数体を巻き込めば、回避は不可能。
高速詠唱により、反撃は不可能。
たとえ反撃を開始すべくアルトリウスへ肉薄しようとしても、先んじて発動した術がその個体の周囲にいる者ごと飲み込むものだから、無意味そのもの。
為す術が無いと気付こうとも、アルマとフラジールは侵攻するしかない。それが己の存在意義であるから。
しかしアルトリウスのユーベルコードは、無慈悲なまでに彼女らの存在根源を直に砕くものだ。
敵軍の襲来に、藍色の瞳が瞬く。
煙幕が発生するたびに、銀色の髪が僅かに揺れる。
けれどアルトリウスは一歩とて歩みを進めたりはしない。
彼の完全では、青光の煙幕と沈黙に近い雑音だけが間断なく繰り返されるだけだ。
成功
🔵🔵🔴
リュカ・エンキアンサス
オズお兄さん(f01136)と
うん、深海の世界だって
海の底は、行ったことがないんだ。楽しみだな
…ああ。本当だ。ここも水の中っぽい
そうだね。お兄さんは水の中でもとても頼もしかった
じゃあ、今日も頑張ろうか
…すごいね。毎度毎度思うけど
アルダワの軍勢って多種多様でなんていうか、ちょっと怖い
つなぎ目、大事なんだね。わかった
お兄さんの後ろから狙いを定めて撃ち続ける
ここは、護らせてもらうよ
なるべく確実に連携して、一体ずつ的確に仕留めていく
お兄さんの援護が一番大事。お互い、怪我しないようにね
…にしてもちょっと
なんとなく。お兄さんに人形を壊すって言われると、複雑な気持ちになるけれど
うん、こっちこそありがとう
オズ・ケストナー
リュカ(f02586)と
プールっ
たのしみだね
ここもなんだか水の中みたい
ゆらゆらしてる
リュカと一緒に水中戦をしたことを思い出して
ふふ、もうとくいだものねっ
わあ、いっぱい
怖い?
瞬いてから気合いをいれ
ガジェットショータイム
柄の長いハンマー
人形相手ならこわれやすいところはわかる
つなぎめっ
言いながら叩いて、ぐるんと勢いで範囲攻撃
ここはとおさないよ
ねっ、リュカ
わたしよりリュカのほうがはやいんだもの
つかまえやすそうなこっちから狙ってくるはずっ
走りながら手枷や鎖を武器受けで叩き落し
リュカを追尾させないように
手が追い付かなかったらリュカが手伝ってくれる
うん、ケガなくねっ
複雑な気持ちには気づかず
ありがとうと笑って
学園を守り切った後の『お楽しみ』が待ちきれない様子のオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)はプラチナブロンドの髪を跳ねさせ、小さく跳ねながら歩いている。
「プールっ、たのしみだね!」
「うん、楽しみだな。それも、行ったことのない深海の世界だっていうから――」
応えるは、リュカ・エンキアンサス(蒼炎の・f02586)。言いかけて、迷宮内の様子に目を奪われる。リュカの様子に気付いて、オズもくるくる周りながら迷宮内を
「ね、ね。ここもなんだか水の中みたいだね。水のもようが、ゆらゆらして。青い光が、ほわほわして。ふふ、もうとくいだものねっ、水中での戦い!」
オズが思い出すのは、リュカと一緒にした水中戦のこと。波打つ壁面を見て、リュカもあの日のことを思い出す。
「そうだね、お兄さんは水の中でもとても頼もしかった。……じゃあ、今日も頑張ろうか」
押し寄せる『吸血鬼アルマ』と『受肉のフラジール』に対して臨戦態勢を取るリュカの隣で、オズは柔らかに微笑む。
「怖い?」
問いの答えを探すように、リュカは敵軍を眺める。ぱっと見の印象は、少女と人形だ。
毎度毎度思うけど、と前置きをして、リュカは続ける。
「アルダワの軍勢って多種多様でなんていうか、ちょっと怖い」
「そっか。でもわたしが一緒だから、だいじょうぶ!」
とっておきの笑みを見せて、オズはアルマとフラジールの群れにその身を投じた。
『手間が省けて助かるわ』
『フラジール、いつものようにやりましょ。獲物を狩った後、私が最初に血を。その後、あなたに屍肉を』
「思い通りにはさせないよ! いっつ、しょーたーいむ!」
ぱちんと指を鳴らしたオズの手元に、柄の長いハンマーが出現する。すかさず握り、狙うは――
「つなぎめっ」
フラジールの関節部。次いでぐるりとその場で回転する攻撃で2体3体と支点を砕かれた人形たちは、次々と無様に地に伏す。
「つなぎ目、大事なんだね。わかった」
オズの後ろから狙いを定め、リュカは正確な射撃を続ける。フラジールの関節部を、そしてフラジールを失ったアルマを。敵のまっただ中で奮戦するオズを、護るために。
『たった二人で、私たちすべてを壊すつもり?』
『無駄よ、私たちはまだまだたくさんいるわ』
フラジールの胸部、その空洞から無数の手枷や足枷、鎖が放たれる。けれどオズは走りながらそれらをハンマーで叩き落とす。
リュカへと向くものも、容赦なく。
「無駄かどうかは、やってみなきゃわからないんじゃない? でもここはとおさないよ。ねっ、リュカ」
オズが落とし損ねた手枷、足枷、鎖を落とすことを返答とするリュカ。オズが安心して敵軍を引っかき回すことができるのは、今リュカがそうしてくれたような援護射撃があるからこそ、だ。
縦横無尽に行き交う鈍色の拘束物を落としながらも、オズはフラジールを確実に破壊してゆく。人形を失ったアルマを、リュカがアサルトライフで仕留める。その、繰り返しだ。
「お互い、怪我しないようにね」
「うん、ケガなくねっ」
見事な連携が成すのは、確実な撃破。
「人形相手なら、こわれやすいところはわかるからね」
どこか得意気なオズの言葉に、リュカはなんというか、どう言葉にしていいものやら、とにかく複雑な気持ちになる。ミレナリィドールであるオズが『人形』を壊すというのだから。
それでも集中が乱れることはなく、リュカはは今オズを狙うアルマとフラジールに弾丸を撃ち込む。
「ありがとう!」
「うん、こっちこそありがとう、お兄さん」
キトンブルーの瞳を瞬かせて笑い、礼を述べるオズだから。リュカもまた、小さく笑んで礼を返した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ユア・アラマート
灯(f00069)と
綺麗なダンジョンだな、こんな所もあるのか
せっかくだ、しっかり仕事をしてご褒美も楽しもうか
さ、灯。今日もよろしく。頼りにしているよ
捕まると面倒そうな上に数も多い。基本は螺旋階段を背に、少し距離をとって戦っていこう
【属性攻撃】【全力魔法】で強化した風の杭を広範囲に射出して灯の援護を
取り囲まれないように【早業】で次の詠唱をすぐさま行い、展開することで接近をできるだけ防ぐ
万一敵の攻撃範囲に入ってしまった時は【見切り】【ダッシュ】で素早くその場から回避
空間作りは任せておけ。お前はいつもどおりに、好きなように暴れて活路を開くんだ
こうしていれば、親玉もすぐ痺れを切らして現れるだろうからな
皐月・灯
ユア(f00261)と
……そうだな。良いとこじゃねーか。
学生連中、相当気合入れたらしい……とっとと片付けてやるか。
……別にご褒美がどうとか気にしてねーからな!
【全力魔法】を発動。
螺旋階段を背に、近づいてくるヤツから《猛ル一角》でブッ飛ばす。
突っ込みすぎると守れねーからな。
【ダッシュ】【スライディング】で、場を広く使うぜ。
そのための空間は、ユアに任せりゃ問題ねー。
フラジールに掴まりさえしなきゃ追撃はかわせる。
30㎝圏内に入ったら襲われる……
それだけ頭に入れときゃ、十分【見切り】からの【カウンター】を狙えるぜ。
運が悪かったな。
2体で1体のオブリビオンらしいが……オレとアイツが相手じゃあよ。
さざ波が聞こえそうな、波模様の揺らめき。追っていけば深海へとたどり着きそうな、青い光。妙に蠱惑的な妖狐、ユア・アラマート(ブルームケージ・f00261)はフロアを見渡し、こんな所もあるのか、と笑った。
とはいえ、今回の最初の目的はオブリビオンの討伐。ただならぬ気配を感じながらも、ユアはいつもと変わりない様子で皐月・灯(喪失のヴァナルガンド・f00069)へと声をかける。
「さ、灯。今日もよろしく。頼りにしているよ」
「だな、とっとと片付けてやるか。学生連中、相当気合い入れたらしい……って、別にご褒美がどうとか気にしてねーからな!」
応えるのは、ぶっきらぼうな少年魔術師。ユアはくすりと笑い、灯と共に螺旋階段を背にして構えた。
『吸血鬼アルマ』と『受肉のフラジール』は何せ捕まると面倒そうな攻撃手段を持っているうえ、数も多いときた。二人は、ひとまず距離を取っての戦闘を仕掛ける。
「空間作りは任せておけ――荒れ狂え古の風。残るものは何も無し」
全力を籠め、風の力で強化した風の杭を射出し、灯に近付きすぎたアルマとフラジールを引き剥がすようにするユアは、同時に灯にも声をかける。
灯が敵の動きを見定めている間、ユアはすぐに次の詠唱を行う。風の杭が敵軍を散らしたことで生まれた空間は、先ほどより大きい。灯は素早くスライディングで滑り込んだ。再びアルマとフラジールが接近するが、既に灯の言葉が先陣を切っている。
「アザレア・プロトコル1番――《猛ル一角》!」
術式を籠めた拳が打ち込まれれば、人形であるフラジールは元より、アルマも吹き飛んでゆく。
次に戦うための空間は、特段依頼をせずともユアが作成してくれる。
「その調子だ、灯。――おっと」
不意に回り込む気配を感じて、ユアはゆるやかに駆けた。
「そう簡単に背中は取らせないよ」
『……、このっ!』
見切ったアルマの動きが大きく空を切ったものだから、タイミング良くその場に滑り込んできた灯の拳が打ち込まれる。フロアに叩きつけられた2体は折り重なり、動きを止めた。
それでも、アルマとフラジールは果敢に迫ってくる。30センチメートルという間合いを肌で感じた灯は、むしろ鼻で笑った。
「お前ら、運が悪かったな」
『……? それは、あなたたちの方じゃないの?』
問いには答えず、灯は伸びるフラジールの手を屈んで躱す。
「2体で1体のオブリビオンらしいが……」
詠唱の後、術式を籠めた拳をアルマへと拳を打ち込む。手応えを当然のものとして、灯は敵軍を一瞥した。
「オレとアイツが相手じゃあよ」
天井に向かって吹き飛ぶアルマは持ちこたえられず、フラジールと共に消滅する。
展開した風の杭を爆ぜさせるユアと、拳を撃ち込む灯の動きは絶え間ない。
「そうだ、いつもどおりに、好きなように暴れて活路を開くんだ」
そうすればきっと、親玉も痺れを切らして現れるだろうから。徐々にその数を減らし始めた敵軍に、ユアはそんな予感を抱いていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『建築家・スバル』
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POW : トラップルームメーカー
【シャベルの一撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を一瞬で無数の穴と罠で埋め尽くし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD : ゴートリック・チャンバー
いま戦っている対象に有効な【条件を満たさないと出られない密室】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : ダンジョンコンダクター 38
【地下迷宮アルダワの比較的安全なフロア】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【罠と暗号の詰まった死の危険のあるフロア】に変化させ、殺傷力を増す。
👑11
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途絶えたオブリビオンの群れ、その向こうから足音がする。
やがて青い光の下に姿を晒したのは、がっちりとした体躯の獣人にも似た男であった。
帽子を突き抜けた角には青い光が反射し、不思議に煌めく尻尾は上機嫌にフロアを打っている。手にしたスコップを小脇に抱え、マップに何かを書き加えていた男はようやく気付いた、というように猟兵たちを見渡した。
「おやおや、これはまた丁度いいところに丁度いい者たちが」
人懐っこいばかりの笑顔は、敵意など感じない。
しかし猟兵であるならば、彼が危険な存在であることはすぐに察知できるだろう。
男は進み出て、猟兵たちを見渡した。まるで教師がこれから授業を始める合図をするかのように。
「君たち、僕の部屋作りの実験台になってもらえるかな? ああ、答えてくれなくても結構、僕の方で勝手に始めさせてもらうからね」
身構える猟兵に対し、男はどこまでも朗らかだ。
「特に試したいのは、条件を満たさないと出られない密室かなあ。いやあ、腕が鳴るなあ、どんなのがいいかなあ」
いっそ無邪気に笑う男の名は『建築家・スバル』。
こう見えて、学園への侵攻を企んだ「ボス」だ。
●『建築家・スバル』攻撃手段補足
POW ●トラップルームメーカー
罠の内容は、プレイングで指定していただいて構いません。
SPD ●ゴートリック・チャンバー
「条件を満たさないと出られない密室」はぜひお好きに指定してもらえればと思います。
※公序良俗に反するものや極端に残虐なもの、年齢制限が発生しそうな内容については採用を見送ることがあります。
WIZ ●ダンジョンコンダクター 38
封印を解く装備武器はスコップです。
【罠と暗号の詰まった死の危険のあるフロア】の内容は、プレイングで指定していただいて構いません。
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
自分にしか興味がない奴は他人へ悪意向ける奴よりも危険だ
学園に来たら最悪の未来に一直線だから必ず倒すぞ!
地形を穴と罠だらけにさせない為にも
シャベルの一撃はなるべく武器受けと激痛耐性で受け流しながら
腕や手を重点的に攻撃して武器落とししてやるぜ
それにスコップ面から取っ手まで長いから懐に入り込んじまうぜ
「敵の得物の特性も理解してこそ戦士だぜ!」
万が一無数の穴と罠が出来ちまったら
敵が強化しきる前に罠をグラウンドクラッシャーで破壊、
壊した罠と地形の瓦礫で穴を埋めちまおう
「どんな罠だろうとパワーでねじ伏せるぜ!」
穴に落とそうと噴き出したり飛ばしてくる滑り油の罠も食らう前に
破壊した瓦礫を投擲してガードだ
「やあ、ご協力ありがとう」
『建築家・スバル』はにこやかにグァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)を歓迎する。
「はっ、誰がお前なんかに協力するかよ」
自分にしか興味が無い者は、他人に悪意を向ける者よりも格段に危険だ。このような者が学園の施設に到達しようものなら――蒸気機械と魔法は、スバルにとって恰好の玩具となってしまうことだろう。
「なに、君は特に何もしなくても……おっ、今すごく素敵なフロアを思いついたぞ!」
スバルは、さも嬉しそうに手元の地図に文字やら図を書き込んでゆく。
グァーネッツォはスバルの懐に潜り込み、幽冥竜槍ファントムドラゴンランスを横に薙いだ。
「敵の得物の特性も理解してこそ戦士だぜ!」
「獲物! 狩りのように追い詰める部屋もいいかもしれないねえ!」
スバルが目を輝かせながら、グァーネッツォのドラゴンランスをスコップで受け止める。が、スコップはドラゴンランスの衝撃を受けた箇所から折れ、スコップとしての役割を果たさぬ形へと変貌する。
「……! でもまあ、このスコップはダメージを与えるだけが仕事じゃないさ」
スコップの柄がグァーネッツォに向けて振るわれる、短くなった柄を受け止めようと動くグァーネッツォであったが、僅かに間に合わない。
直後、フロアは無数の穴と滑り油の噴き出す罠で埋め尽くされた。
「さあ、君がこの罠をどう突破するか見せてくれ!」
「期待に応えるつもりはないけど、どんな罠だろうとパワーでねじ伏せるぜ!」
そう告げるグァーネッツォは強気な笑みを崩さない。全力で竜骨ナチュラルアックスを床へと振り下ろし、仕掛けを破壊してゆく。
先ほどまで床を構成したものは瓦礫となり、穴を埋め。
噴き出す油は瓦礫を盾に受け止め。
その度に、スバルは目を見開き、喜んでいる。瞬く間にグァーネッツォが距離を詰めてきていることにも気付かずに。
「猟兵はお前を喜ばせるためのものじゃないんだぜ! ――喰らえ!」
グァーネッツォは全力を以て斧を振り下ろし、スバルの肩口に深い傷を刻み込んだ。
苦戦
🔵🔴🔴
伊美砂・アクアノート
【WIZ 羅漢銭・空間掌】
せ、狭い場所が好きとはいったが、殺人密室までは望んでねぇーッ!?
【罠使い10、破壊工作8、第六感8、地形の利用5、鍵開け5、視力5、聞き耳5】 オレも本職シーフとはいえ、ここまで殺意の高いトラップ迷宮は初めてだぜ…褒めてないからな!? 持てる技能をフル活用して、必死で罠解除を試みる。必要なら他猟兵と連携する。というか、恥も外聞も投げ捨てて協力するのだわー!? と、とりあえず拙者はドアと宝箱の開錠はできるでゴザルよ。あと、手榴弾で罠破壊、糸と鎖を用いてトラップ動作不良、あとは力業でゴザルが地形ごとコイン連射で吹き飛ばせるでゴザル……あの建築家、次見たら覚えておけよ…!!
「さーて先手必勝、これでも喰らうといい!」
勢いよく飛び出した伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)は掌で無数のコインを回転させ、続けざまに射出した。
『建築家・スバル』の正中線上を狙ったそれらは見事命中。スバルはよろめき、胸元を押さえる。
「いたたたた、僕はあんまり強くないんで、手加減して欲しいなあ……」
「駄目だな、する理由がない」
「それじゃしょうがない、罠と暗号とフロアに仕事をしてもらうとしよう」
スバルが折れたスコップを掲げると、アクアノートは小さな部屋の中に閉じ込められた。感覚としては六畳程度の部屋か、なんて悠長に考えている暇は無い。
アクアノートは確かに言った。狭い場所が好き、と。それがスバルの耳に届いていたかどうかは不明だが、今この状況は「ばんざーい狭い部屋だー」と手放しに喜べない。
「殺人密室までは望んでねぇーッ!?」
白いテープで囲われた人の形が足元にある、と認識するのと同時に棘の生えた壁が迫り来るし、天井もズゴゴゴゴとか音を立てながら降りてくる。
あと足元はガッチリと足かせでホールドされている。
「ここまで殺意の高いトラップ迷宮は初めてだぜ……って、褒めてないからな!?」
たぶん密室の外でわくわくしているであろうスバルに向かって叫び、アクアノートはすぐに足枷の解錠に取りかかった。
「よし足枷はクリア……ぐぬっ!?」
一歩踏み出して軽く体重をかけようとすれば、スイッチを踏みかけたのがわかる。何のスイッチか、と考える前にそろりと足を外し、足枷の上でバランスを保ちながら器用に立つアクアノートだ。
「あれを踏み抜いたら、壁と天井の速度が速くなってた気がする。俺の第六感がそう告げている……が、速度も何ももう時間無ぇー!」
そう、室内は人が二人並んで歩けるほどの幅になっていた。よく見たら床に貼られていた人型白テープは人にしては細長いからたぶんあれは壁に挟まれて死んだ痕跡なのだろう。南無阿弥陀仏。
アクアノートは壁面の棘に鎖を絡め、器用に扉の方まで移動してゆく。
ドアに近付きつつある中で見えたのは、何やら四角いブロックが並ぶ枠だ。
「スライディングブロックパズルじゃねーか!!」
そういうわけでアクアノートは素早く判断する。
「解いてる時間無し、かくなる上はコイン連射で吹き飛ばしでゴザル!!」
コインは放射状に散り、壁や天井にを穿ってゆく。床に大きなひびが入ったかと思えば密室の壁と天井が吹き飛び、凄まじい爆風が巻き起こった。
直後、ファンファーレのような電子音と音声がアクアノートの頭上から降り注ぐ。
『おめでとうございます! 脱出成功です!』
「うるせえ! ――あの建築家、次見たら覚えておけよ
……!!」
咳き込むアクアノートの後ろでは、爆風に吹き飛ばされたスバルが壁に頭をぶつけていた。
大成功
🔵🔵🔵
リュカ・エンキアンサス
オズお兄さん(f01136)と
SPDで
え…っと、真剣勝負をしなきゃいけないのか
真剣か…お兄さんと殺しあうのは嫌だな
…(すごく難しい顔
え、じゃんけん?
成る程それでいいのか
お兄さん、天才だね
勿論、それなら真剣になるよ
俺はこの一瞬ですっごい悩んだんだから、早く出てあれを倒したい
そういうわけでお兄さん、俺は最初にパーを出すからね
と、予告しておいて、じゃんけん…っ
※何を出すかは相談してません
出す:パー
勝ったら:…何か、難しいこと考えただろ、お兄さん(得意げ
負けたら:…お兄さんの素直さに負けたきがする
勝っても負けても部屋から出たら即座に敵を探して問答無用で攻撃
あいこのときは勝敗がつくまで続ける
勝敗はお任せ
オズ・ケストナー
リュカ(f02586)と
しんけんしょうぶをしないと出られないの?
悩んでるリュカを見る
ころしあいはわたしもこまる
じゃあじゃんけんは?
うんうん、なにでしょうぶするか書いてないんだもの
わたしもしんけんにじゃんけんするよっ
そしたら出られると思うなあ
天才とほめられたらちょっと誇らしげに笑って
えっ、え?
パーを出すと言われたらどうしたらいいのかわからず慌てて
わ、わーっ
出す:ぱー
勝ち:あれ、リュカぱーじゃなかった
負け:わ、どうしてわたしがぱー出すってわかったの?
あいこ:あいこになれば次はなに出すかわからないものっ
出たらリュカが撃つのを邪魔しないように
斧を構えて駆ける
あぶない実験にみんなをまきこんじゃだめだよっ
『真剣勝負をしないと出られません』
薄茶色の紙には、妙に達筆な字でそう書かれていた。
「……お兄さんと殺しあうのは嫌だな」
うつむき、口元に手を当てるのはリュカ・エンキアンサス(蒼炎の・f02586)。青い瞳は灰色の室内に視線を彷徨わせる。難しい顔のまま室内を見渡せば、無機質な灰色が広く続いている。
真剣勝負をするには、充分な広さだ。ここには敵である『建築家・スバル』の姿は無い。この部屋の外で何かを考え、何かを記しているのだろう。
悩んでいるリュカを見て、オズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)も少しだけ考え込む。
「……んー。じゃあじゃんけんは?」
突然の言葉に、リュカは少しだけ目を見開いた。
『真剣勝負をしろ』という指示ではあるが、その方法については一切記載がない。ならば、真剣にする『じゃんけん』で勝敗を決しても何ら問題はないはずだ。だって『勝負』なのだから。
「成る程それでいいのか。お兄さん、天才だね」
ふふんとちょっとだけ誇らしげに笑うオズが、胸を反らせる。
「それじゃお兄さん、早く出てスバルを倒そう。ほんの一瞬だけどすっごい悩んだのが少し、悔しい」
「うんうん、はやくでようね。わたしもしんけんにじゃんけんするよっ」
「よろしくね。俺は最初にパーを出すからね、お兄さん」
「えっ、え? リュカはパーをだすの? ほんとに? あれ、もしかしてそういう『さくせん』?」
宣戦布告にどうしていいかわからず慌て、オズは目を白黒させた。狙い通りだと、リュカは合図の言葉を始める。
「じゃんけん……」
「わ、わーっ」
オズはその場で足踏みをしながら、何を出そうか迷いに迷う。
直後、リュカの合図で出した二つの手の勝負の行方は、
「パー」
「ぱー!」
あいこ、だった。
「よーし、もういっかいだよ。あいこになれば次はなに出すかわからないものっ」
どことなくきりりとした顔で、オズは再び拳を握る。
「じゃーんけーん……」
今度はオズの合図で、二人同時に手を出した。
「チョキ」
「ぱー!」
「……俺の勝ちだね、お兄さん」
「まけちゃった、くやしいな!」
真剣に悔しがるオズの言葉に反応して――かどうかはわからないが、二人を取り囲んでいた部屋の壁が全て消え、元のフロアが姿を現す。
フロアに透ける波の模様と青い灯火は、密室に閉じ込められる前と同じように揺れている。
そしてスバルはといえば、こちらは口をぽかんと開けて不思議そうに二人を交互に見ている。
「あれっ!? 真剣勝負しないと出られないはずなのに! どうして両方とも生きているんだい?」
スバルは二人を一度ずつ指さし、息を呑んだ。
「ズル、してないよね?」
「……してたら、出られないんじゃないかな」
リュカが改造アサルトライフルを構えると同時に、オズは駆けて身の丈ほどもある斧を振りかぶった。
「もうっ、あぶない実験にみんなをまきこんじゃだめだよっ」
斧の先端が、床に突き刺さる。続けて何か別のものが突き刺さる音が聞こえる。
青色で上書きされる鈍色の輝きは、つい先ほどまでスバルの帽子を突き破って生えていたものだ。
「――まさか、そんな」
愕然とした表情で、スバルは失われた角の生えていた場所に触れた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セツナ・クラルス
ふむ、閉じ込められたようだね
意味なく壁をコンコン叩いてみたり
…ふむ、部屋を出る条件?
「勝敗を決めねば出られない」?
一人では勝ち負けもないからね
おいで、ゼロ
共に歩も…いや、今回ばかりは共に歩むことはできないのだよねえ
別人格ゼロは
瞳の色が金ということを除けばほぼ同じ見た目
一人称はオレ
セツナよりも口や態度が悪い
さあ、始めようか
構えたまえ
ノリノリで愛用の鎌をゼロに突き付けて
こういう機会がないと
きみと真剣に斬り合うことなどないからね
なんてね、冗談だよ
ふふ、可愛いゼロに刃を向けることなんてできる筈ないよ
結局、コイントスで勝敗を決める
(勝敗はお任せ
ボスに相見えることがあれば
ゼロや他の猟兵たちと連携して戦おう
ジュリア・ホワイト
【幾千】で参加
ああ、自分が興味の在るもの以外一顧だにしないタイプか
力づくで止めるしか無い手合いだね
「よし、やろう。心結さんも兎乃君も準備はOK?」
・密室の内容
「壁ドンしないと/されないと出れない部屋」
なる程、壁ドン
どういう意図の部屋なのか良く判らないが、ここから出る為なら否やはない
「というわけで覚悟してくれたまえ、兎乃君」
心結さんと2人がかりで彼に壁ドンを仕掛けよう
精々格好良く見えるよう、余裕たっぷりに微笑んでドン!
無論顎クイも完備だとも
…うん?ボクも変な気分になるね
・戦闘
【怒れる黒竜よ、戦場を駆けろ】で器物形態に変身して射撃戦を挑む
「そういえば、2人の前でこの姿を晒すのは初めてだったかな?」
音海・心結
【幾千】で参加なのです
アドリブ歓迎なのですよ
みゆたちを実験台にするなんてよい度胸ですねぇ
・密室
任せるのです
みゆだって壁ドンできるのですっ!
零時をじりじりと壁際に追いやって、
ジュリアとタイミングを合わせて壁ドンするのです
みゆはいじわるに楽しく「ドン」とするのですよ♪
……!
顎クイまでするなんて、さすがジュリア
じゃあみゆは……えーと、えーっと!
……思いつかなかったのです
・戦闘
部屋から出たら、みゆたちの反撃開始なのです
ジュリアが変身をっ
みゆも負けていられませんねぇ
UC『咎人封じ』で、みゆの大好きな拘束具たちで相手を拘束するのです
【フェイント】【スナイパー】も使っちゃうのですよーっ
さぁ!
後に続くのですっ
兎乃・零時
【幾千】で参加
アドリブ歓迎
+
実験台って響きが既に怖いんだが……!
「あ、あぁ、俺様は大丈夫だ!
・密室
壁ドン……壁をドンとすりゃ良いのか…?
え…え!?
待って待っ――ヒッ…!?
(されると考えてなく、変な声は出るし赤面しつつ動揺したり
詳細はアドリブ可)
・戦闘
ぐぅ…おま、お前が変な部屋用意するせいで…!!
嫌とかじゃ無いけど、なんでこんなドキドキする羽目になるんだよ、もぅ!
内の魔力を限界まで高め
指をびしっ!と敵に向け
ともかく!ぜっったいお前、倒すから!
ジュリアの姿かっこいいな…!(キラキラ)
攻撃
【全力魔法】っぽい感じで膨大な魔力をどばーっと発射
紙兎は【オーラ防御・拠点防御】で防御を頼む!
回避は【ダッシュ】
ふむ、と呟き、セツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)は壁をコンコンと叩いてみた。
意味があるものではないと解ってはいるが、なんとなくセオリーであるような気がして。
密室の形は円形で、等間隔に松明が灯されている。素材は煉瓦が、あるいは素焼きの素材か。
「閉じ込められたようだね……と、おや? 『勝敗を決めねば出られない』――これがこの部屋を出る条件か」
なるほど、密室が円形なのも納得がゆく。つまりコロシアムのような
けれどセツナは一人きり。一人では勝ち負けもない。かといってこのまま永久に出られないと嘆くでもなく、セツナは淡々と頷いた。
「おいで、ゼロ。共に歩も……いや、今回ばかりは共に歩むことはできないのだよねえ」
出現した別人格は不満げに金色の目を細めた。
『当たり前だろ、ちょっとは考えてオレを呼び出せ』
「これでも一応、考えて呼びだしたんだけどね?」
だから、とセツナは愛用の鎌を手元で一回転させ、ゼロに突きつけた。
「さあ、始めようか」
『――やるのか』
「当然。そうしないと、出られないのだから。ほら、構えたまえ」
それにこんな機会でもなければ愛し仔と真剣な斬り合いなどできないと宣う男の言葉は、室内に灯る松明を揺らした。
一方その頃、セツナの至近距離で作成された密室には3人が閉じ込められていた。
「みゆたちを実験台にするなんてよい度胸ですねぇ」
腰に手を当て、音海・心結(ゆるりふわふわ・f04636)が室内の様子を確認する。
室内、というよりかは細長い通路のようであった。階段、踊り場、階段、といった構成は、UDCアースにあるような学校を思わせる。
「ジュリア、零時、見てください! 密室から出るための条件が書いてあるのです!」
心結の指差した先にある張り紙いわく。
『壁ドンするorされる』
「……なるほど。どのような意図があるのかは解らないが、壁ドンをするかされるかの選択肢しかないようだな」
頷くジュリア・ホワイト(白い蒸気と黒い鋼・f17335)に対し、兎乃・零時(大きな帽子に夢抱え、目指すは《最強/最高》魔術師!・f00283)はただ首を傾げるだけだ。
「壁ドン……? 壁をドンとすりゃ良いのか……?」
「その通り。というわけで覚悟してくれたまえ、兎乃君」
余裕たっぷりに微笑んだジュリアは、首を傾げた零時を何のためらいもなく壁ドンした。同時に心結もジュリアの隣から零時を壁ドンする。
「え……え!? 待って待っ――ヒッ
……!?」
まさか壁ドンをされると思わなかった零時は上ずった声を出し、ジュリアと心結を交互に見ては赤面していた。
いっそ妖艶に微笑むジュリアとは悪戯っぽい笑みを浮かべる心結の顔は、あまりに近い。
だからと言って何かができるわけでもない零時の顎を、不意にジュリアがくいっと持ち上げた。
「ヒェワ!?」
いっそう変な声が出る零時は動揺のあまり目を瞑ってしまう。
「……! さすがジュリア、じゃあみゆは……えーと、えーっと! ……思いつかなかったのです」
「思いつかなくていいッ、心結はそのままで、そのままでいいッ!」
断末魔のような悲鳴を上げる零時は、まだ目を瞑っている。それが無言になるとキスを待っているような状況にも見えてくるから、ジュリアも変な気分になってくる。
といったところでドンしていた壁も消え失せ、背中に全体重を預けていた零時は派手に背中から転んだ。
「ぱ、パル―――ッ!」
間一髪、紙兎パルが出現して背中を支えてくれる。
「それじゃあ戦闘再開だ。心結さんも兎乃君も準備はOK?」
「もちろんなのです、みゆたちの反撃開始なのです!」
「あ、あぁ、俺様も、もう大丈夫だ!」
持ち直した零時はまだばくばくする心臓を抑え、『建築家・スバル』の姿を探す。3人が同時に見つけた先で、スバルは困ったように笑った。
「あれ、思ったより早かったね。流石に壁ドンするorされるは簡単だったかな? それなら、もっとプラスで何かの条件をつけた方がいいな……浮遊して壁ドン、地下に潜って壁ドン、壁ドンと床ドンを同時……」
スバルは気付かない。内なる魔力を限界まで高めて指先をつきつける、零時の様子に。
「ぐぅ……おま、お前が変な部屋用意するせいで……!! 嫌とかじゃ無いけど、なんでこんなドキドキする羽目になるんだよ、もぅ!」
「ドキドキ? なるほど、ドキドキする密室がいいんだね? それは楽しそうだ」
「なるほど、自分が興味の在るもの以外一顧だにしないタイプか。これは力づくで止めるしか無い手合いだね。というか兎乃君は壁ドンと顎クイが嫌じゃなかったんだね?」
「なるほど、零時は壁ドンと顎クイが好きなのですね?」
「いや2人して反応するのかそこ!? というか心結は変な翻訳しないでくれる!? ……って、今はそれどころじゃないのわかってる
!?!?!?」
二人に向けて叫んだ後、零時ははっとした様子でもう一度スバルを指差した。
「……ともかく! ぜっったいお前、倒すから!」
「ああ。壁ドン好きの兎乃君と共に、ボクも全力で臨むとしよう――これがボクの突撃装甲列車形態。これを見せた以上、押し通らせてもらうよ!」
宣言するジュリアの姿は一瞬で巨大化し、列車のような形へと変化した。
「……そういえば、2人の前でこの姿を晒すのは初めてだったかな?」
二人を見下ろし、ジュリアは事もなげに言う。
「うわ、ジュリアの姿かっこいいな……!」
「むむ、これはみゆも負けていられませんねぇ」
心結はスバルに向かって『大好きな』拘束具を放った。フェイントを織り交ぜた、狙撃手のごとく先読みをして放った手枷、猿轡、拘束ロープは全てがスバルに絡みつき、彼の動きを制限する。
「さぁ! 二人とも、後に続くのですっ」
「ありがとう、心結。では遠慮無く」
ジュリアが一斉に射撃を開始した後、間を縫って零時が全力の魔法を放出した。傍らの紙兎は、スバルの振るうスコップをオーラで弾いたりと防備に回る。
スバルの残る角がジュリアの射撃で落とされると、迷惑な建築家の顔にようやく焦りが見えてきた。
その頃、セツナのいる密室ではようやく長い沈黙が破られた。
「なんてね、冗談だよ」
そう言ってセツナは鎌を降ろした。
「ふふ、可愛いゼロに刃を向けることなんてできる筈ないよ。だから、これで決めよう?」
いつの間にそうしていたのか、セツナの手にはコインが握られている。
コイントスに委ねられた勝敗ののち、セツナを囲っていた壁が消え失せる。
勝敗の行方は、得意気なゼロの表情でわかるというもの。対し、セツナはどこ吹く風。部屋を出られたというその結果さえあればいいのだから。
さてスバルはといえば、端的にいえば「3人にボコられていた」。あの3人も何らかの目的を達成しないと出られない部屋に閉じ込められ、そして無事に出られたのだろうとセツナは判断する。うち一人がやたらと凄まじい気迫で魔法を放っているが、立ち入ったことを聞くのも野暮だ。
「折角だ、ここは加勢しよう」
3人の立ち回りを邪魔しないようにうまく潜り込み、セツナは零時に声をかける。
「お邪魔するよ」
「助太刀か、有り難いぜ! あいつ無駄に固くて――」
「なるほど、それなら」
零時の言葉に笑顔で頷き、セツナは大鎌を振るう。
「切れるところから切っていけばいいと思うよ」
スバルの体から離れた尻尾が、リズムよくフロアを跳ねた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
皐月・灯
ユア(f00261)と
はあ!?
「キスをしないと出れない部屋」……だと!?
ふざけてんのかあの野郎……くそっ、ブチ破れそうにねー!
……おい、軽い気持ちで流すってお前……。
……わかった。なら、いいってことだよな。
っ……!! お、おう。
……すぅー……ふぅー……。
じゃあ、行くぞ――動くなよ。
(――頬には、唇でなく手を添えて)
……よう、また会ったな。
わかってる。お前に合わせっから好きにやれ、ユア。
【ダッシュ】【スライディング】を駆使して接近
次の攻撃を発動する直前を【見切り】、【カウンター】で《轟ク雷眼》を叩き込む
コイツで一瞬動きを止めりゃ、後はユアが片付けてくれるさ。
…………ふん。
(感触の残る頬を触れて)
ユア・アラマート
灯(f00069)と
お互いキスをしないと出れない部屋
…UDCアースの読み物で見たことあるな、これ
えーと、まあ灯、ここで足止めされるわけにもいかない
軽い気持ちで流して早く脱出しよう
まずは私から、頬を借りるな
…よし、それじゃ灯、次はお前の番だぞ
どこからでもどうぞ、って手の力強くないか?
ああ、目を開けてると緊張するなら閉じておこう
……
……!?
…開いたな。灯
……(魔術回路起動)
私は左から行く
お前は右から攻め込んでおくれ
(【全力魔法】【属性攻撃】【2回攻撃】を駆使し、八つ当たり気味の斬撃を灯と連携を取りつつひたすら叩き込む)
はあ、はあ…
……まいったな
(頬に返されると思っていたが…完全に不意打ちだったぞ)
「まだいるのか……! それなら、君たちには、こんな部屋はどうかな?」
『建築家・スバル』が魔法使いのごとくスコップを振ると、ユア・アラマート(ブルームケージ・f00261)と皐月・灯(喪失のヴァナルガンド・f00069)は四畳半ほどの部屋に閉じ込められた。
窓もドアもない部屋は真っ白で、壁のひとつに張り紙があるだけだ。
「『キスをしないと出れない部屋』……だと!?」
紙に書かれた文字を読み上げ、灯が素っ頓狂な声を上げる。続けて張り紙のある壁を殴りつけ、武器を突き立ててみるが、びくともしない。
「ふざけてんのかあの野郎……くそっ、ブチ破れそうにねー!」
「……UDCアースの読み物で見たことあるな、これ」
対して、ユアは落ち着いた様子だ。口元に手を当てて考え込んだ後、ユアは灯の肩に触れる。
「えーと、まあ灯、ここで足止めされるわけにもいかない。軽い気持ちで流して早く脱出しよう」
「……おい、軽い気持ちで流すってお前……」
灯の橙と薄青の目は、どちらも動揺の色を示している。が、すぐに覚悟を決めていつもの態度に戻った。
「……わかった。なら、いいってことだよな」
「ああ。まずは私から、頬を借りるな」
ほとんど同じ身長の二人だから、背伸びをする必要もかがむ必要もない。ユアは灯の頬に軽く口をつける。
「……よし、それじゃ灯、次はお前の番だぞ」
「っ……!! お、おう。……すぅー……ふぅー……」
びくりと反応して、灯は深呼吸を始めた。吸って、吐いて、を何度か繰り返し、ついに決心する。
「……じゃあ、行くぞ――動くなよ」
「どこからでもどうぞ、って手の力強くないか?」
肩に置かれた手の圧が、すごい。緊張ゆえか瞬きすらしない灯を気遣うように、ユアはそっと目を閉じた。
しかしユアがすぐに目を見開いたのは、頬に触れた感覚が唇のそれでないから。否、自身の唇に柔らかな感触を覚えたから。
再びさざ波の音が聞こえたことで、外部への扉が開かれたことに気付いた灯はユアから離れ、背を向ける。
「……開いたな。灯」
少し上ずる声でそう言って、ユアは魔術回路を起動した。部屋から出てぐるりとフロアを見渡せば、楽しげにメモをするスバルの姿が見える。
「私は左から行く。お前は右から攻め込んでおくれ」
「わかってる。お前に合わせっから好きにやれ、ユア。……よう、また会ったな」
スバルをちらりと見遣った後、灯は一直線に駆け出した。間合いに入るや否やスバルの視界から姿を消すようにスライディングし、拳を叩き込む。
「アザレア・プロトコル3番――《轟ク雷眼》!!」
「そんな普通のパンチなんか……何だコレ痺れ、る……!」
スバルの身体を轟雷が迸り、動きが止まった。
灯がユアを呼ぶまでもない。
実際、ユアはすかさず全力の魔法を繰り出した。風が斬撃となってスバルを切り刻むさまを見ながら、灯は小さく息を吐く。
「……ふん」
ため息をつくようにそう零して、灯はまだ感触の残る頬に一度だけだけ触れた。
一方、ユアの八つ当たりのような攻撃は止むことなく、絶え間なくスバルへと襲い掛かる。
「え、ちょ、うわ
……!?」
「うるさい。喋るな。黙って倒されろ」
いっそ無表情で繰り出されるユアの攻撃にスバルは成す術なく、すべての斬撃の餌食となり――やがては倒れ込み、スコップと地図を取り落とした。
「……ぐえぇ、無念……」
さらさらと崩れて砂のようになっていくスバルを見下ろし、ユアは大きく息をつく。
「……終わったな、灯」
「ああ。お疲れさま、ユア」
スバルを見下ろす体勢のまま、ユアは背中の側に灯の気配を感じた。けれど今はまだ振り返らず、人差し指で唇に触れる。
(「……まいったな」)
自分がそうしたように、灯の唇もまた頬に触れるのものだと思っていたから――完全に、不意打ちだったのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『ナイトプール in アルダワ』
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POW : プールを泳いだり浮かんだり
SPD : 美味しいものを食べたり飲んだり
WIZ : 幻想的な光景を眺めたり飾ったり
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アルダワ魔法学園の授業が終わる。
鐘の音と終礼の合図で、生徒たちはプールへと急ぐ。
水着に着替える時間も惜しいとばかりに急ぎ着替えを済ませて、会場への扉を開くと、そこには確かに深海があった。
水棲生物の幻影は、訪れる者を誘うように、あるいは自由に室内を浮遊している。
同じく浮遊する灯りは、点いては消え、消えては点き、かつ場所すらも移動する。
会場に踏み出せば、敷き詰められた黒いタイルはひんやりと冷たい。加えて踏む度に淡く光り、深海までの道案内をしてくれる。
さて、プールはといえば。
プール全体は不定型な形をしており、底の方までは見通せない深い深い青色の液体で満たされている。
プールの中は緩やかな階段状になっており、一段降りるごとに異なる生物の幻影が見える。降りれば降りるほど、生物の形状は不思議なものになってゆく。
鉱石や貝に似たオブジェが敷き詰められているが、足を置いても不思議と痛くない。
貸し出されるフロートは不思議なものばかりで、光るもの、勝手に動くもの、逆に沈んでいくものなどがある。
また、販売されているドリンクやフードはどれも魔法学園ならではのもの。もちろん普通のドリンクやフードもあるのだが、やはり一風変わったものが目を惹く。
たとえば、七色ドリンク。透明な液体の中に入っているタピオカのようなものは、常にその色を変えている。
たとえば、深海ゼリー。深い青色のゼリーには銀箔のようなものが振りかけられ、内部の照明に反射しては仄かに発光する。
たとえば、海の宝石パフェ。真珠をイメージした輝くジュレに珊瑚をイメージしたウエハースが乗せられ、
これらを始めとして、他にもたくさんのドリンクやフードが販売されている。
当初は学園の生徒だけに解放する予定であったプールは、学園の危機を救った猟兵たちも歓迎してくれるのだった。
皐月・灯
ユア(f00261)と
水着に着替えてユアを探す。
……かなり作り込んであるな、このプール。
見てて飽きねーけど、探すのには手間取っちまった。
ユアの様子が変なのは……さっきのアレ、気にしてんだろうな。
ったく……オレ、なんであんなこと……。
黙ってても始まらねーし……何か、話しかけてみるか。
……そういや、オレから話しかけるの、珍しい気がする。
ああ、そういやその、変わったもんに乗ってるよな?
なんだよ、お前が動かしてるわけじゃねーのか……って、おい!
……大丈夫か?
目の前で落っこちたら、そりゃ抱きとめるだろ。
視界が全部ユアになったなら――腰に回した手に、力だって籠るだろ。
……嫌なら、離れりゃいいじゃねーか。
ユア・アラマート
灯(f00069)と
(水着は納品物参照)
このフロート面白いな、勝手に動いてる
それにしても…さっきは驚いたな
ううん、妙に気まずいというか、なんというか
そろそろ灯も来るかな
…や、やっぱり気まずいな
こういう時はいつもみたいに軽く流すべきなんだろうが…上手くできない
本当に調子がおかしいな今日は
ん?あ、ああ、これは自動で動いてるんだ、面白いだろう?
お前も乗ってみるか…っと、勝手に動くから起きるとバランスが…!?
…キャッチしてくれて、ありがとう
でもちょっと、顔が近いな?
離れればと言っても、お前の腕に捕まってるし
私の腕も、お前の背中がお気に入りらしい
人目、あるからな
私から、さっきのお返しを唇にしたら離れるよ
水着に着替えた皐月・灯(喪失のヴァナルガンド・f00069)は、おそらく先にプールで待っているであろうユア・アラマート(ブルームケージ・f00261)を探していた。
魔法学園の生徒たちによって作られたナイトプールはかなり手が込んでおり、そのせいか人を探すのも少々骨が折れる。
透き通るフロートに揺られるユアは、ナイトプールの天井を見上げた。赤いワンピースのような水着の裾が深海を模した水に浸かり、ひんやりとした感触が肌に伝わる。
けれど自身の身体が熱を持っているように感じられるのは、ダンジョンでの一件のせい、だろうか。無意識に唇に触れては、慌てたように離して、を時々繰り返しているユアだ。
「……さっきは驚いたな」
勝手に動くフロートの行き先はわからない。そしてこの、妙な気まずさの行方もどうしていいものかわからない。そろそろか、と何気なく見たユアは、ちょうどプールサイドを歩く灯と視線が合った。
そのまま何かいうでもなく、数秒そのまま。
二人の間に、気まずい沈黙が流れる。
灯は思う。ユアの様子が何だか変なのは『さっきのアレ』を気にしているからだろう。灯自身もなぜあのようなことに及んだのか今でもよくわからない。
ユアは思う。変に黙っていないでいつものように軽く流すべきなのだろうが、適当な言葉は何一つ思い浮かばない。本当に今日は調子がおかしい。
ナイトプールはさまざまな音を反響するが、二人の耳には入らない。
浮かんでは移動する水棲生物の幻影も、二人の目には映らない。
永遠とも思われる沈黙を先に破ったのは、灯の方だった。
「ああ、そういやその、変わったもんに乗ってるよな?」
「ん? あ、ああ、これは自動で動いてるんだ、面白いだろう? お前も乗ってみるか……うわっ!?」
「!? おい!」
灯に場所を譲ろうとしたユアが体を起こすと同時に、フロートが動いた。それに伴ってバランスを崩したユアが、横転しつつプールの中に落ちそうになる。
けれど、そうはならなかった。
すぐさまプールに飛び込んだ灯がユアを抱きとめたのだ。
「……大丈夫か?」
「……ありがとう。でもちょっと、顔が近いな?」
「視界が全部ユアになったなら――腰に回した手に、力だって籠るだろ。……嫌なら、離れりゃいいじゃねーか」
そう言われても、ユアの体は灯の腕に捕まっている。それに、ユアの腕もどうやら灯の背中を気に入っているようだから。
なんて、口には出さずに思うユアの口元にやっと笑みが浮かんだ。
「そうだな。人目、あるからな」
灯の二色の瞳は、不安そうに揺らめく。そんな様子を悪戯っぽく眺めたユアはいっそう顔を近づけ、『さっきのお返し』を灯の唇にした。
目を見開き、沈黙する灯。
ユアが顔を離した後は、ふたりの肌に幻の魚たち、その色が落ちては移りゆくだけだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
水着は納品イラスト参照
本物の深海ではないと分かっていても、潜水艦や潜水服を使わないで深海を泳げるってワクワクするぜ♪
頑張った自分へのご褒美だ、思いっきり遊ぶぞー♪
おお、濃い青色だからこそ生き物の幻影に臨場感が出てるぜ
変わった形の深海魚に足のながーいカニに……
あ、あっちにいるのはクジラの家族か?
大きいのが二頭と小さいのが一頭、仲良く泳いでる
オレもこっそり混じらせて貰って……
おお! クジラのデカさを間近に体験できて嬉しいぜ♪
ああ、戦闘と泳ぎで腹減ってきたな
一度あがって海の宝石パフェを食べるか
食べるのが勿体ない綺麗な盛り付けも贅沢だし、んん~、極上の甘さが疲れた体に染み渡る~♪
頑張った甲斐があったぜ
植物の蔓と葉を用いたかのようなワイルドな水着を着て、グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)はプールに飛び込んだ。
本物の深海ではないとわかってはいても、潜水艦や潜水服を使わないで深海を泳げるというのは胸躍るというもの。
水面から顔を出しつつ、ひんやりする水の感触を楽しむ。
「頑張った自分へのご褒美だ、思いっきり遊ぶぞー♪」
そうして再びプールの中に潜り込めば、濃い青色の水の向こうに幻影が見える。臨場感が出ている生き物たちを指差し確認、まずはカニ。あんまりにも足がながーいものだから、グァーネッツォは水中であることを忘れて少しばかり笑ってしまう。
さて、次はクジラ。大きいのが二頭、小さいのが一頭と、仲良く連れ立って泳いでいる。
(「あれはクジラの家族か? そうだ、いいこと思いついた!」)
水をかき分け、鯨に近寄るグァーネッツォ。金の瞳に映るクジラの幻影がますます大きくなったかと思いきや、グァーネッツォはするりとクジラの間に入り込んだ。
そのまま一緒に泳げば、不思議と一人で泳ぐよりも気持ち良い。なにより、クジラの大きさを間近で体験できて楽しくなる。
クジラの気のむくまま、な泳ぎに付き合っていたグァーネッツォは、ふと空腹を感じた。
(「そういえば戦闘もしてたんだっけな。戦闘に続いて一泳ぎしたんだ、そりゃ腹も減るよな! よし、次は――」)
クジラの親子に手を振ってお別れ、そのあとは一度プールから上がって。
「これこれ、気になってたんだよな。海の宝石パフェ!」
きらきらした真珠のジュレと、珊瑚のウエハース。食べるのが勿体ないくらい綺麗に盛り付けられたパフェグラスを、グァーネッツォはその目にやきつけるようにしてじーっと見た。
「って言っても、腹減ってるからもう我慢できないんだよな。うん、いただきまーす♪」
スプーンをさしこみ、ジュレをひとくち。
「んん~♪ 甘い、でも美味い!」
極上の甘さは、疲れたグァーネッツォの体を癒すように染みこんだ。
大成功
🔵🔵🔵
音海・心結
【幾千】で参加なのです
アドリブ可
水コンで頼んだ水着を着用するのですよ
でも、これだと泳ぎにくそうなので
後ろのリボンとレースのひらひらは取って泳ぎましょうか
ふぁ
幻想的でとっても綺麗なのです
ずっと見ていたいくらいですねぇ
みゆはプールに入りますが
泳げないので浮き輪でぷかぷか浮きながら夜景を楽しんで…
二人とも器用ですねぇ
それにしても零時の髪の毛の煌めきがすごいのです
むむ
そんなに綺麗なら、みゆもちょっとだけ潜ってみましょうか
ええと……二人とも
ちょっとだけ手を繋いでてもらってもよいですか?
べ、別に怖いとかじゃないのですよっ
二人と一緒に見た方が綺麗なのかと思っただけなのです(ぷん)
ジュリア・ホワイト
【幾千】で参加
無論水着コンで着た水着を着用さ
「これは凄いね。こんなに幻想的なプールは初めて見たよ」
目の前に広がった景色に、思わず足を止めそうになってしまった
こんな物を見せられたら少し学園生が妬ましくなってしまうよ
「さて、見とれているだけでは勿体ない。ボクはひと泳ぎしてくるけど、2人はどうする?」
(少し潜ってから戻ってきて)「凄いよ、ちょっと潜っただけで水族館のショーみたいだ。興味があるなら少し覗いてみると良いよ!」
と、水上組に声をかけてからまた潜ろうかな
運動は好きだし、もっと深いところの景色も見てみたい
おや、2人も来るのかい
手を繋ぐ?成程、いい考えだ
任せてくれたまえ
【アドリブ歓迎】
兎乃・零時
【幾千】で参加
アドリブ歓迎
当然水着コンで着た水着で行くぜ!
おぉー!!すっごい綺麗な風景!ほんと、皆と来れて良かったぜ!
(宝石の目を輝かせ)
あれ、プールって全部が全部こうじゃねぇのか…?
(※実は初プール)
確かに見るだけじゃ勿体ないよな
折角来てるわけだしよ!
…俺様も、一緒に泳ぐよ!
一応…泳げる、し…っ!
(余り、泳いだ経験はねぇが、海でも何故か呼吸は出来たし…問題は無いだろ…!)
(最悪、パルの『誘導弾』で俺様を動かして貰えりゃ溺れずにすむはず!…多分!)
(潜って見えた光景も素晴らしく)
ホント凄かったよな!
(プールの影響か、彼の宝石髪は淡く水色に光ってる)
手を繋ぐ…?勿論、大丈夫だぜ!
(手を繋ぐ構え)
「おぉー!! すっごい綺麗な風景! ほんと、皆と来れて良かったぜ!」
到着するや否や、兎乃・零時(そして少年は断崖を駆けあがる・f00283)は宝石の瞳を輝かせた。ショートパンツの水着に加え、羽織ったマントと被った帽子は、言ってみれば「魔法使いの夏休み」という雰囲気だ。
「零時、さすがに声が大き――ふぁ……!」
音海・心結(ゆるりふわふわ・f04636)は、ナイトプールの幻想的な風景に息を呑んだ。泳ぎにくそうだからという理由で一部の装飾を外してもなおフリルたっぷりの白い水着は可愛らしく、深海を模したプールにおいては淡く光っているようにも見える。
「これは凄いね。こんなに幻想的なプールは初めて見たよ」
スポーティな青い水着を着用したジュリア・ホワイト(白い蒸気と黒い鋼・f17335)は、心結とは対照的だ。それでも、均整のとれた体を鮮やかに引き立てている。
「え? プールって全部が全部こうじゃねぇのか……?」
「ここが特別なのですよ、零時。もしかしてプール、初めてです?」
「! は、初めてといえば初めてだけど……泳いだ経験はあまり無いけど、う、海で呼吸できたこともあるし……!」
「大丈夫大丈夫、慌てないで兎乃君。初めてのプールがここだというのなら、兎乃君は実に幸運かも知れないね」
あわあわする零時に微笑みかけ、ジュリアはあたり視線を向けた。
どこを見ても、まず目に入ってくるのは深い青。そんな青い空間を縦横無尽に泳ぎ、あるいは浮遊する水棲生物の幻影は楽しげだ。
こうして訪れているだけでも気持ちが浮き立つのだから、魔法学園の生徒も楽しみながらこの場所を作ったのだろう。
ほんの少し学園生を妬ましく思いつつ、さて、とジュリアは二人の顔を見た。
「見とれているだけでは勿体ない。ボクはひと泳ぎしてくるけど、2人はどうする?」
「そうだな、勿体ないよな……俺様も、一緒に泳ぐよ!」
「そうですねぇ……ずっと見ていたいくらいですが、みゆはプールに入るのですよ」
そんなわけで、まずは三者三様にナイトプールを楽しむことにしたのだった。
一応泳げるし、と口の中で言葉にした後、零時は覚悟を決めて水の中に、とぷん、と全身を沈めた。
(「ぱ、パル――何かあったら頼むぜ」)
紙兎の式神を傍らに待機させながら、零時はゆっくりと潜って行く。
(「――! パル、見たか今の!」)
肩口の紙ウサギを軽く突きながら、前方を指し示す零時。
気泡かと思ったまあるい物体はクラゲで、七色に移り変わりながら揺蕩っている。
階段を駆け上るように水中を斜め移動するヤドカリの殻は、螺旋を描いて回転している。
移りゆく幻影の競演に、気付けばジュリアも目を奪われていた。
極彩色の魚たちが触れあうたびにお互いの色を映してみたり。
のそり近寄って来る亀の甲羅は、宝石を背負っているかのように輝いていたり。
呼吸を忘れるほどに、見入ってしまう。
泳げないからと真っ赤な浮き輪でぷかぷか水面に浮かぶ心結には、水面下で泳ぐ二人の姿が見えていた。特に目を惹くのは、
「……零時の髪の毛の煌めきがすごいのです」
そう、淡く水色に光る零時の宝石髪。目立つ髪のせいであっちこっちへうろうろしているのが分かるから、つい笑ってしまう。
何気なく見上げた場所で、イルカの幻影が心結の方を見た――そんな気がして、心結はゆっくりと手を振った。
「! カニも空を飛ぶのです? と思ったらサメも、エイも、あっあれはなんていう生き物でしょう、ウロコがいっぱいなのです」
目で、指で幻影を追う心結。するとすぐ近くで水しぶきが上がる音がしたから、すぐにそちらを見た。水面から顔を出したジュリアが、興奮した様子で。
「凄いよ、ちょっと潜っただけで水族館のショーみたいだ。興味があるなら少し覗いてみると良いよ!」
「ああ、ホント凄かったよな!」
何度も頷く零時も、興奮気味だ。
「むむ……そ、そんなに綺麗なら……みゆもちょっとだけ、潜ってみましょうか。少し待つのです、浮き輪を置いてくるのです」
プールサイドに浮き輪を置いて再び二人の元へ戻ってきた心結は、言いにくそうに両手を合わせている。
「ええと……あのですね、二人とも。潜るのは賛成なのですが、その、ちょっとだけみゆと手を繋いでてもらってもよいですか? べ、別に怖いとかじゃないのですよっ、ただ――そうです、二人と一緒に見た方が綺麗なのかと思っただけなのです!」
ぷん、と顔を逸らす心結。
「成程、いい考えだ、任せてくれたまえ」
「勿論、大丈夫だぜ!」
心結の右手をジュリアが、左手を零時が握る。
水に入る時こそ不安そうであった心結の顔は、すぐに笑顔となった。心結の反応を見て、ジュリアと零時は視線を交わして微笑む。
大きな鯨がゆっくりと体を捻る。捻るたびに、頭から吹き上がる水が虹を描く。
クラゲたちが連なって、上下する。クラゲはやがて合わさって、大きなクラゲになる。
三人並んで見たそんな風景は、きっと夢のような思い出となることだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
オズ・ケストナー
リュカ(f02586)と
すごい、これがプール?
青色だ
リュカ、いこいこっ
あしもとまでぴかぴか
海の色みたいな石
とぷん
こぽこぽ
水音もたのしい
さかなだっ
ネオンテトラっていうんだよ
しってる
ひかってるところが、リュカの色だって思ったから
もっと下に降りて
めずらしいものをさがそう
わあ、ほんとうだっ
ながい
ずんずん進むリュカに瞬いて
たのしそう、と笑顔になる
手をぎゅっと握り返して
うんうん、はぐれない
くらげ、おいかけようっ
ねえ、あの子
ながーくて透明な魚がひらひら
なかみが見えてるよ
ふしぎっ
そっか、なにか食べたらおなかの中も見えるかな
手を引かれるとうれしそうについていく
(ふふ、なんだかリュカを見てるのがいちばんたのしい)
リュカ・エンキアンサス
オズお兄さん(f01136)と
…これは、すごいプールだね。
よし、いこう
潜って、潜って、割りと、早足で進んでいく
うん、音も面白い
魚も…
え、なんだろう、あの色
(捕まえようとして)逃げられた。…案外素早い
ネオンテトラ?あんなに目立って大丈夫なのかな…
確かに青の色味は似てるけど、あんなの心配する
珍しいの…
あ、見て、お兄さん
すごい鼻の長いサメがいる
あのクラゲは…
(若干テンション高めに魚を追いかけ始めて
…あ、忘れてた
(手を繋いでおく
これではぐれない
ああ。ほんとだ、あの魚中身が見えてる
すごいな。食べ物はどうやって運ばれるんだろう…
とか、じっと観察して
その最中にも別のを見つけてお兄さんをどんどん引っ張っていく
「すごいすごい、どこを見ても青色だ。リュカ、いこいこっ」
「……これは、すごいプールだね。そうだね、お兄さん。よし、いこう」
オズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)とリュカ・エンキアンサス(蒼炎の・f02586)は、小さく息を漏らしながらプールへと入っていった。
温かいような冷たいような水の中を潜って潜って、気付けば早足になりながら、ただただ風景を愉しむ。ふたりぶんの青い瞳は、深い青に染められている。
魔法の砂地を踏むたびに足跡の形で光るから、オズは何度も何度も試してしまう。足元に落ちているぴかぴかの石は、まさに海の色。
どんな仕組みで起きているのか分からない水音は、とぷん、だったり、こぽこぽ、だったり。
「ね、リュカ。水音もたのしいよ」
「うん、面白い。そうだお兄さん、あっちの魚も……え、なんだろう、あの色」
青と赤が目を惹く小さな魚は、透き通るひれを揺蕩わせながら自由自在。もっと近くで見たいからと手を伸ばして捕まえようとしたリュカであったが、
「逃げられた。……案外素早い」
一度閉じた手を開いて、オズに見せる。
「ざんねんだったね。ね、あのさかなはね、ネオンテトラっていうんだよ。ほら、ひかってるところが、リュカの色」
「ネオンテトラ? って、いうの? ……あんなに目立って大丈夫なのかな……」
確かに青の色味は似ている。けれどそんなことよりも、他の大きな魚などに捕食されてしまわないか心配するリュカだ。
「リュカ、もっと下に降りてめずらしいものをさがそう」
軽やかに下降してゆく二人、砂や岩を踏むと同時に上がって行く気泡は、きっと魔法の演出なのだろう。
誘うように移動する石たちは進行方向に沿って光って誘うように。縁に小さな宝石をつけたような海藻たちは華麗なダンスで二人を歓迎しているようだ。
幻影溢れる深海探索、リュカの足は止まることなく進んでゆく。
「あ、見て、お兄さん。すごい鼻の長いサメがいる」
「わあ、ほんとうだっ、ながい!」
ゆっくりと左右に体を振りながら泳ぎ行くサメの鼻、らしき部分は確かに長い。真上を通過するサメの影が二人に落ちると、先ほどまで確かにいなかったはずのクラゲが見えてきた。消えては現れ、現れては消える。瞬間移動をしているようにも見えるクラゲは逆さまの姿だ。
「あのクラゲは……」
クラゲを追っていたリュカが不意に立ち止まったかと思えば、
「……あ、忘れてた」
これではぐれない、とオズの手を握った。
「うんうん、はぐれない。くらげ、おいかけようっ」
手をぎゅっと握り返したオズは、リュカの速度に合わせて駆ける。
クラゲの速度は存外早い。見失った、と思って瞬間、オズがすっと右上方を指差した。
「ねえ、あの子、なかみが見えてるよ」
そのうえ長くて透明だ。ひらひらと、風を受けたレースカーテンのように揺れている。
「ほんとだ、あの魚中身が見えてる」
ほんの少し前までクラゲに向かっていたリュカの意識は、今度は不思議な魚の方へと向けられた。
サービス精神満点で目の前を横切った魚は、リュカとオズの周囲をぐるり一周してくれた。
「すごいな。食べ物はどうやって運ばれるんだろう……」
「そっか、なにか食べたらおなかの中も見えるかな」
魚の動きをじっと観察する二人。
するとリュカが足元を抜けていく様なの形に驚く。
「あ、なんだかとても細長い魚が――魚? 魚なのかな。お兄さん、あれわかる?」
「どれどれ? わわ、あの子もけっこう早いね!」
「よし、追いかけよう」
再びオズの手を引き、夢中で追いかけ始めるリュカ。手を引かれて深海を模した風景の中を歩くのは散歩ともピクニックとも違って、それでも何と言えば正解なのか解らないけれど、オズはしあわせそうに笑っている。
どの水棲生物も、ひときわ変わっていて見ているだけでも楽しい、けれど――
(「ふふ、なんだかリュカを見てるのがいちばんたのしい」)
繋いだ手を離さぬようもう一度ぎゅっと握って、オズはリュカの隣を歩く。
大成功
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