●消失する物
ダークセイヴァーのとある村にて、事件が発生していた。
「おかしいなぁ……何処に行ったんだ、俺の鍬」
農家の男性は、畑を耕す為に使う鍬を探していた。
もしもの為に予備も用意してあったのだが、一本も見当たらない。
「あれ? 私の洗濯物がない……」
老年女性は、干していた洗濯物がない事に気付いた。
誰かが盗んだ? いや、若い女性ならともかく、自分の様な老いた女の洗濯物など、好き好んで盗む筈もない。
「え、は? さ、財布が消えた……?」
中年男性もまた、財布を失った。つい先ほどまで、机に置いておいた筈だ。
ほんの僅かな時間。十秒もしない内に財布が消えていた。
「……え、何あれ?」
子供は見ていた。様々な物を持って、何処かに走っていく黒猫を。
そう……『身体に大量に生えた手』に、鍬や衣服、革袋などを持って、走っていた。
黒猫が走っていく先は……かつて吸血鬼いたとされる、無人の屋敷。
そこを訪れた者は、誰一人帰って来ないとも噂される、呪われた屋敷だった。
●グリモアベース
「あ、いいですかね。ちょっと泥棒退治をお願いします」
ベース内を歩いている猟兵達に、ウィルバー・グリーズマン(ウィザードもどき・f18719)が話し掛けて来る。どうやら依頼の話だろう。
魔本のページを開くと、実にゆったりとした口調で概要を語り出す。
「『強欲魔猫グリーディア』と呼ばれる猫型オブリビオンが、村の物を大量に盗んで困らせているのですよ。一つの村だけではなく、複数の村がその被害に遭っています」
その内容は軽い物もあれば、凄まじく重い物もある。
日用品や武具、道具等ならばまだマシと言えよう。馬や家畜、財宝ともなると相当危険であるし、中には生命力を奪われて昏倒した者もいる、とウィルバーは言う。
「幸いにも命に別状はありませんでしたが、これ以上放置すると、もっと凄い物を盗まれる可能性も十分にあります。早急に撃破して、盗まれた物を取り返して頂きたいのです」
口調は変わらないが、その目は真剣な様子だった。
「グリーディアの住む屋敷は把握済みです。ただ、屋敷内の何処にいるかまでは不明なので、そこからは皆さんに探して貰う形になります。まずは正面にある扉を開ける必要がありますが……何かよく分かりませんけど、厳重にロックされてるみたいです」
ここにきて、ウィルバーは唐突に適当な事を言いだした。
物凄い仕掛けの鍵があるとか、物凄く重いだとか、簡単には開けられないらしい。
「いやぁ申し訳ない、本当によく分からないんですよね。窓もありますけど、罠とか仕掛けられてそうで危ない気もします……が、罠に掛かるのを覚悟で侵入するのもアリです」
とりあえず、中に入ってしまえばそれでいいらしい。
「グリーディアを見付けたら、すぐに倒して頂きたいのですが……その前に、館に訪れた人が居る可能性も否めません。一応、探してみて下さい」
望みは薄いだろうが、可能性はゼロではない。
もしも見付けてくれれば、非常に助かるとの事だ。
「そうそう。盗まれた物のリストがここにあるのですが、それ以外の……館に元からあった物は持って帰っていいですよ。必要ならばリストを差し上げますので」
あくまで希望者が居ればの話だが、好きにしていいらしい。
そうして、ウィルバーは館の近くまで転送を始めるのだった。
小強欲
こんにちは、小強欲と申します。
詳しい内容はOPの通りです。
一章では扉を開いてから屋敷の探索。
二章では屋敷内や部屋の探索。
三章では強欲魔猫グリーディアとのボス戦。
一章二章では、お好きに侵入や探索をして下さい。一章で探索しても構いません。
美術品とか金銀宝石程度ならばあるでしょうし、運が良ければ希少な品があるかも知れません。人を見付けられれば、それはとても幸福な事でしょう。
ユーベルコードや技能を駆使すると良いかも知れません。
では、楽しいプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『扉の『謎』を解け』
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POW : 勘を大事に力任せに解答を導き出し、手がかりがないか館をしらみ潰しに調査する。
SPD : 速攻で答えを導き出して、素早く館に潜入し消えた住人を探しだす。
WIZ : 知識や閃きで解答を導き、館と消えた住人の調査を行う。
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尾崎・ナオ
こっわ。これUDC生物じゃない?子供大丈夫?絶対夢に見るわぁ。
扉の厳重ロックが「物凄い仕掛けの鍵がある」「物凄く重い」だっけ。ナオちゃんパワー無いし、かといって窓から進入して罠に嵌りたくはない。ん~、ナオちゃん1人で扉を開けるんじゃなくて、扉をあけれるパワー持った人に繋ぐ行動を取ろうか。
扉の構造上、あと世界観上?電子制御じゃなさそうだ。なら頑丈なだけで物理構造だよね?【毒使い34】で腐敗毒を用意しよう。で【指定UC】の複製に塗って、蝶番を一斉攻撃!最後に毒瓶そのものを【投擲41】で蝶番にぶつけてやろ。
で、体当たり、これで開けば早いんだけどなぁ。
一応、進入可能そうな窓の目星は付けておこうっと。
「こっわ。これUDC生物じゃない? 絶対夢に見るわぁ」
古びた屋敷の前にて、尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)は手にしたリストに描いてあった、強欲魔猫グリーディアの絵を眺めていた。
猫から人間の腕が突き出ているのだ、UDCアースに居ても別におかしい話ではない。ナオはこれを見てしまった子供は大丈夫なのかを気にしながらも、屋敷の扉を確認していた。
「いや、これはやり過ぎだろー……」
鋼鉄製の大扉には十を超える鍵に、同じく鋼鉄製の板で扉を隙間なく打ち付けられており、取っ手は丁寧に削り取られている。
その前面には有刺鉄線で覆われ、木材が積み重なって侵入者を阻んでいた。単純な物理構造だが、頑丈さは見ての通り……簡単には開けられないだろう。
「先に来た人は、どうやって入ったんだろ」
見た所、開けられた形跡はない。やはり窓や裏口的な所から侵入したのだろうか?
かと言って、そこから入って罠に掛かるのは嫌だ。ナオはそう考えると、ナイフを複製して、それらを浮かび上がらせる。
「んじゃ、使いますかね……ナオちゃん特製、腐敗毒!」
ナイフにそれを軽く垂らすと、ドロドロと溶け始める。
本物のナイフならばこんな事はやらないが、これはあくまで複製。ナイフの形が崩れる前に、素早く扉の邪魔な鉄線や木材を楽々に斬り裂いて行った。
そうして鉄板まで斬ったのだが、複製ナイフも全て消費してしまった。
もう蝶番まで見えているが……。
「いいや、もう投げちゃえ」
ナオはそう言うと、腐敗毒が入った瓶を上側の蝶番に向けて、素早く投擲。
それは見事に命中して溶解させ、下に流れた腐敗毒が、別の蝶番も同じ様に溶かしてしまう。
「お次は体当たりで……うおっとぉ!? 危なぁッ!!」
体当たりをする直前に、大扉がナオの方向に向かって倒れて来るが、それを身軽に避けて、何とか事なきを得た。
そうして、中へと侵入しようとするナオだが……。
「え、また何でまた扉が?」
屋敷内の真正面に、また大扉。今の物理的に頑丈な扉とは違って、妙な細工がしてあるようにも見える。
「いや、流石にもう扉はいいかな……」
その扉は別の人に任せる事にして、ナオは屋敷内を探索を始める。
ついでに、窓の前に仕掛けてある罠の解除もする事にしたのだった。
大成功
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エレイン・スティール
…教会の者から報告のあったオブリビオンの住処はここですね。
オブリビオンは単体との報告でしたが中に一般人が居る可能性があるとのことですし館ごと破壊してあぶりだし。という訳にはいきませんし大人しく館内を進みます。
まず【世界知識】【第六感】を駆使して扉の妙な仕掛けとやらの構造が魔術的なものか物理的なものかを判別
扉程度でわたしの信仰を阻む事など出来ないわ。
物理的なものなら『信仰の証』で攻撃力を強化して【属性攻撃(聖)】で破壊
魔術的なものなら『信仰の証』で状態異常力を強化して【破魔】の【祈り】を乗せた攻撃で破壊する。
飛び散る扉の破片や罠などは【オーラ防御】【激痛耐性】【毒耐性】【呪詛耐性】で防ぐわ
「……教会の者から報告のあったオブリビオンの住処はここですね」
屋敷内に足を踏み入れて、エレイン・スティール(血染めの翼・f15630)は玄関の様子を確認する。正面には細工が施された大扉、左右には屋敷の通路。階段を上がれば、また別の通路がある。
「相当な広さですね。中に一般人が居る可能性があるとのことですが……」
もしも本当に居るならば、広い屋敷内から探すのは非常に大変だろう。
この事もあって、炎でオブリビオンを炙り出す、等の方法も取れない。
「大人しく進みましょうか。……その前に、これですね」
玄関にある、目の前の大扉。
まずはそれを調べようと、エレインは近付いて行く。
大扉には取っ手と鍵穴が付けられているだけだが、扉の凹凸から何らかの細工が施してあるのが分かる。
何の細工がしてあるかは常人には分からないが、エレインの知識量ならば……。
「魔硝壁……厄介ね」
反射魔法、烈硝魔法を組み合わせた魔硝壁。
攻撃すればそれは反射されて、呪いの魔力硝子が辺りに放出される、非常に危険な物。単純に殴っても、魔法を使っても、反射で死に至る事も十分に有り得る、恐るべき複合魔法の一つ。
「でも、扉程度でわたしの信仰を阻む事など出来ないわ」
己が信仰心で神に祈りを捧げると、それは加護となって自らに力を与えて行く。
ルーンが刻まれた十字架の様な魔法剣、エンペリウムソードを扉の前で掲げると、それを一気に振り下ろした。
「っ! 重い……ですがっ、問題なし……!」
反射されそうになるが、それを加護による破魔の力で打ち消して、祈りによって強化された剣は、そのまま鍵を斬り裂いてしまった。
扉を解除する事に成功するエレインだったが、まだ終わりではない。
鍵を斬ってからほんの数秒後、烈硝魔法が発動してしまう。
「……光よ」
ぽうっ、とエレインの周囲に光が満ちると同時に、無数の呪いの硝子が放たれて、彼女を飲み込んでいく。
ほんの数秒。辺りは硝子によって切り刻まれて、辺りは呪いの瘴気で穢れた。
「……信仰の光はそう簡単に消えないわ」
神の加護で状態異常力を向上していた事が幸いしたのだろう、エレインに呪いは通用しなかった。加えてオーラによる防御が硝子を弾いてしまい、無傷で魔硝壁を突破したのだった。
エレインが扉を開けると、そこには更に扉が。
今度は、攻撃ではまず開かないであろう、何かの合金か何かで作られた扉。そこには鍵穴のみがあった。
「これは……これを破壊するのは厳しいですか。鍵を探すべきでしょうね」
ひたすら攻撃をし続ければ破壊は可能だろうが、一人では無理がある。
ここは他の猟兵に任せる事にして、エレインは二つ目の大扉の先……幾つかの部屋がある客間らしき場所を探索する事にした。
大成功
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城田・紗希
鍵開けなら得意だよ!(キリッ)
まずはレプリカクラフトの材料な鉄板を……鉄板?(ポケットから出てきた針金とにらめっこ)
鉄板、こっちに入れたっけ……(鞄ごそごそ)
…まぁ、鉄板で鍵を作らなくても、針金でも開くよね!
(金平糖やらパチンコやら弦の切れたおもちゃの弓やら、色々出てきたけど本命が迷子なので諦めた)
なんかこう、勘で!(考えるより動いて解錠するタイプ)
解錠の最中と扉が開いても少しの間、全体的に警戒しとくよ!
(車内脱出用のガラスブレイカーと、即席ボーラを構えつつ)
アテナ・アイリス
扉を開けるのであれば、トラップマスターのわたしの出番ね。
UC「トラップマスター」を使用して、【鍵開け】と【聞き耳】と【罠使い】の技能レベルを490レベルにする。
【鍵開け】を使えば、わたしに開けられない扉なんてないのよ。
もちろん開ける前に、【聞き耳】と【罠使い】を使って、罠やモンスターがいないかは調べるわよ。
ついでに、すでに行ける部屋についても、隠し扉がないか調査しておきましょうか。
「ここは、トラップマスターのわたしにに任せなさい。」
「なるほどね、なかなかやるじゃない。この鍵を作った人は・・・。でも、相手が悪かったわね。」
「罠は
・・・・、ここには無さそうね。」
アドリブ・連携好きです。
暗峠・マナコ
猫は猫でも人間の腕の生えた猫ですか
猫の手も借りたい時には便利なのでしょうが、盗みをするのはいけませんね
うちの全く動かないハナコさんの方が良い子です
鍵のかかった扉、屋敷の壁を隈なく探れば私の身体なら入れる隙間もあるかもしれませんが、
私一人が入っても仕方がないですからね、開錠を試みましょう
【トコヤミフタツ】でとても小さな私の分身を召喚し、鍵穴から鍵内部へ送り込みます
金庫のような鍵も内側から番号を揃えてしまえばクリアです
窓の方には罠があるかもしれないんでしたね
刃物の罠とかなら私には大して効かないので、人を探しついでにそちらの様子も見ておきましょうか
万が一急を要して窓から脱出、なんて時に危ないですし
第一の物理的な大扉、第二の魔術的な大扉。
続く第三の扉は他の物よりもやや小さく、しかし極めて厳重な合金製だった。
そこにあるのは鍵穴のみ……ただし、一つ問題があった。
「鍵開けなら得意だよ!」
キリッと擬音が出ていそうな表情で、城田・紗希(人間の探索者・f01927)はその扉の前に立っている。
「そんなふうに考えていた時期が私にはありました……」
打って変わって落ち込む紗希。
それもその筈。扉を見れば、鍵穴があるのだ……扉の外周に、百個ほどの鍵穴が。
「なるほどね、なかなかやるじゃない。この鍵を作った人は……」
紗希の隣では、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)がその扉の厳重さに感心している様子。
やり過ぎな気もするが、セキュリティに関して言えば、ダークセイヴァーでもトップクラスだろう。
「ここは、トラップマスターのわたしに任せなさい」
「いえいえ! 解錠が特技の私に!」
二人がそう言うと、アテナと紗希の間に僅かな沈黙が流れて。
ほぼ同時に右と左に別れて、鍵穴を調査してから解錠に取り掛かる手筈を整えていく。
そんな二人の少し後ろより、暗峠・マナコ(トコヤミヒトツ・f04241)は扉の付近を見ながら考えていた。
(「屋敷の壁を隈なく探れば、私の身体なら入れる隙間もあるかもしれませんが」)
ブラックタールのマナコならば、隙間を通る事が可能。
なんせ古い屋敷だ。隣の部屋にある隙間が、この扉の先に繋がっている可能性なども十分に考えられる。
「……私一人が入っても仕方がないですからね」
それに、先に何があるか不明瞭なので用心に越した事はないだろう。
であるならば、マナコのやる事は解錠の手伝いだろう。掌の上に、小さな自分の分身を作り出して。
「ごきげんよう、キレイなわたし。上の鍵を任せますね」
小さな分身が手を上げると、扉上部の鍵穴に跳んで潜り込んだ。分身は鍵内部から番号を揃えて、すぐに解錠してしまうだろう。
マナコはその間に、通路の窓に仕掛けられているであろう罠の様子を確認しに行った。トラバサミや弓矢ならば、ブラックタールのマナコには効果が薄いだろう。
「さぁて、まずは鉄板を……鉄板?」
紗希はまず、鉄板で鍵を作ってから、一つずつ開けて行こうと考えていた。
ポケットを調べると、そこから針金が出てくる。
「鉄板、こっちに入れたっけ……」
鞄を調べて鉄板を探すが、出てくるのは暗器やガラクタばかり。鉄板は見当たらない。
隣を見れば、既に鍵穴に手を付けているアテナ。これは負けていられない……と考えると、仕方がないので針金で解除を始める事にした。
一方でアテナの方は、余裕の表情で鍵穴を見ていた。
「ふふふ、わたしに開けられない扉なんてないのよ」
何度も何度も何度も、トラップに掛かり続けて得た経験。
その経験はアテナに鋭い聴覚を与えて、高レベルの解錠技術も会得していたのだ。
「しかし、こんなに鍵を掛けて、何を隠しているのかしら」
横の部屋に隠し扉がある訳でもなく、この扉以外からの出入りは不可能だろう。この中にあるのは宝か、それとも物凄い美術品? とてもお見せ出来る物ではない代物なのかも知れない……。
小時間、そんな事を考えていると、隣で結構な勢いで解錠をしている紗希を見た。アテナも同じ様に、これは負けていられないと思って、解除の続きを始める。
カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ……。
物凄く地味な作業だが、二人と分身は着実に解錠をして行く。
そうして十分が経過しただろうか。窓の外にあった幾つかの罠の解除を終えた、本体のマナコが戻って来て。
「あ、ちょうど終わりましたか」
タイミングは最高だったらしく、百個ほどの鍵は全て解錠されていた。
二人は疲れた様子だったが、扉を慎重に調べて、開けようとして。
「罠は……ここには無さそうね」
アテナは扉には何も仕掛けられていない事を確認。
紗希はガラスブレイカーと、即席ボーラを構えて、警戒をする。
扉の先は薄暗く、淀んだ空気が蔓延る部屋。
「あ、あれは……もしかして、人でしょうか」
暗い部屋内も、マナコの目は中央に倒れたそれを視認する。
痩せ細ったの男性……危ない状況だが、生きている。比較的綺麗な服を着ているので、ここ最近に訪れた者なのだろうか。うわ言の様に、猫が、猫がと繰り返している。
「……猫は猫でも人間の腕の生えた猫ですか。トラウマになっているのでしょうね」
猫の手も借りたいという言葉もあるが、グリーディアの手は借りたくない物である。
「ええと! まずはこの部屋から連れ出しましょう!」
そう言って紗希が男性を起こすと、アテナとマナコがそれを支える。
数日……数週間かも知れないが、何も食べていないのだろう。男性は非常に軽かった。
「とりあえずは、隣の部屋でいいわね。ベッドがあったし」
アテナの言葉に二人は頷くと、部屋から男性を運び出して行った。
彼のいた部屋は一体何なのか……そもそも、誰が鍵を掛けたのか。
後で探索や、休ませた男性に話を聞いてみるのも良いかも知れない。
大成功
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草野・姫子
猫の物の怪か。しかしヒトの腕とはまあ、一体何があったのかのう。
建物というのは家神がいたりして正直苦手なんじゃが、ここにはいそうにないか。それならいいんじゃが。
どうやら先達が扉に苦戦しているようじゃし、UC【自然の朋輩】で周囲に住まうネズミやトカゲ、クモなどに協力してもらって周囲を調べるかの。
猫の特性が強いなら妙な所に出入口やそのヒントがあるかもしれぬし、【失せ物探し】で鍵が見つかるかもしれぬ。
内部に入り込んでいるかもしれぬし【動物と話す】で【情報収集】もしておこう。
全く動物類の行き来がないなら、他の猟兵や囚われておる者の為に軽食を準備しておこう。
しかし――案外引き戸だったりせぬよな、これ(ぐい
「猫の物の怪か……」
玄関の横の通路を調べながら、草野・姫子(自然を愛するモノ~野槌~・f16541)は手にしたリストを眺めていた。それに描いてある強欲魔猫グリーディアは、何本もの腕が生えている、実に気味の悪い姿。
「建物というのは家神がいたりして正直苦手なんじゃが、ここにはいそうにないか」
グリーディアに追い出されたのか、元からいないのか。理由は不明だが、この屋敷内には同族の気配を感じない。
であれば、遠慮なく探索ができると言うものだ。
「扉は他の者に任せるとして……」
最初に屋敷内の探索を始めよう。
そう考えると、まずは虫や動物を探しに歩き回る。
敵が虫や動物に危害を加える存在ならば危うかったが、グリーディアはそのタイプではなかった様だ。すぐにクモとネズミ達を見付け出して、彼等の協力を得られた。
これは他社が真似できるものではなく、山の神である姫子だからこそ可能な術だ。
「では、任せたぞ」
穏やかな表情でそう告げると、動物達が辺りに散らばって行く。
これで探索がかなり捗るだろう。
動物達が探索している間、姫子はもう使われていないであろう、台所のような場所まで来ていた。
「ふぅむ……ホコリは溜まっておるが、まだ使えそうじゃな」
自身が他にやれる事と言えば探索くらいのものだが、既に動物達に頼んであるし、他の猟兵もそれを行っている。
ならば、別の事をやった方がいい筈だ。幸いにもここは台所。ここで料理が出来そうだ、と考えて。
「さて、何を作ったものか……む? おお、早かったな」
視界に入ったネズミを見ると、目線を合わせて会話を始めて。
「ふむふむ……成程。囚われておる者が見付かったのだな」
人が見付かったのならば、ここはやはり料理を作った方が良いだろう。
「む、まだあるのか。……これは鍵か?」
別のネズミが現れると、金色で目立つ鍵を加えて来た。
姫子はそれを手に取ると、それをじっと見て。
「どこの鍵だろうか……助けられたヒトが知っているやも知れぬな」
料理を作り終えた後にでも件の人に話を聞いて、鍵に対応する扉を開けて見ようか……と考えて。
そうして姫子は、簡単に食べられる軽食を作り始めていく。
その後、動物達から聞いてみたが、鍵の使い道は分からないとの事だ。しかし、グリーディアが通ったであろう道を見付けた、との報告もあった。
色々やる事が増えたが、姫子は次に何を行うのだろう……。
大成功
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第2章 冒険
『部屋の仕掛けを解け』
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POW : 物を退かせたりスイッチのような物理的な仕掛けと予想
SPD : 巧妙な騙し絵や隠し扉のように隠された仕掛けと予想
WIZ : 燭台に火をつけたり規則性にそって物を並べるような仕掛けと予想
👑11
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三つの大扉は開かれ、後はセキュリティも低い扉ばかり。
これまでの情報を元に、引き続き屋敷の探索を行おう。
その他、アイテムを探すのも良し、男性に話を聞きに行くのも良し、グリーディアとの戦闘に向けて仕込むのも良しだ。
自分がやれる、最良の行動を行おう。
草野・姫子
無事に救助者が見つかって何よりじゃ。
しかしかなり衰弱しておるし正気ではないな……
よし、この者の面倒は任せよ。皆は心置きなく探索と準備をしておくれ。
まず情報共有をする
動物たちの話、特にグリーディアが出入りに使っている道は重要じゃろう
金の鍵についても伝えておくぞ
次に救助者の世話じゃ
正気に戻さねば食事もできぬ。UC【山神の一喝】で恐慌状態を戻そう
普通のヒトの上に衰弱しておるから、気絶しないよう加減を慎重に
正気に戻ったなら、まずは粥と紅茶で落ち着かせて、それから詳しい話を聞こう
眠ってしまったら念のため周囲に注連縄を張っておくか
そうそう、他の皆に軽食を渡しておくぞ
食べるもよし、仕掛けに使うもよし、じゃ
「うむ、無事に救助者が見つかって何よりじゃ」
男性から話を聞こうと、粥と紅茶を手に持って姫子は部屋まで向かっている。
グリーディアが出入りに使っているであろう道や、金の鍵の使い道も気掛かりだが……まずは男性の安否確認が先だ。
「さて、ここじゃな」
部屋の扉を開けると、ベッドの近くに件の男性がいるのを見て、近付いていく。他の猟兵は探索か周囲の安全確認をしに言ったのだろうか、出払っている様だ。
酷く痩せ細って、呻き声を上げており、実に苦しそうだ。そんな男性を見て、姫子は軽く息を吸って。
「世が夢ならば、起きねばならぬ。汝は一人のヒト故に」
清浄なる山神の気迫と共に発せられる言葉は、男性の恐怖心を吹き飛ばして。
「あ……あ? こ、ここは……」
「ふむ……落ち着いたらで良い、これを食べるようにな」
粥と紅茶を、男性の横の小さな机に置いて、彼が落ち着くまで窓の外を眺めた。
そうして十数分後、男性は粥と紅茶を食し終えて、落ち着きを取り戻す。
「もう大丈夫かの?」
「え、ええ、この度は皆さんに助けて頂いて、誠に、感謝しています」
姫子は普通に喋れる様になった男性に話を聞く。
彼曰く、自分の村の人が消えた屋敷の調査をしに来たが、運悪く件の猫に襲われてあの部屋に逃げ込んだらしい。ミイラ取りがミイラになる……まさにその典型だ。
内側から自分で鍵を閉めた後も、何らかの方法でその猫が扉の鍵を開けようとしていた。対抗して大量の鍵を閉めて続けて、事なきことを得たと男は語る。
「隙を見て逃げようとはしたのですが、ずっと扉の前にいて……」
他に出口がある訳でもない、鍵開けが止んだと思えば、不意を打って鍵を開けてくるので、眠れもしない。
そうして数週間は猫との根比べ。物も食べられず、移動もできず。開けられた鍵を片っ端から掛け直す作業。
「何と言うか、物凄い攻防戦じゃな……」
「最近は身体が動けなかったのですが、猫の方も諦めたのか全く来なくなりまして」
体力尽きてもう駄目かと思ったが、本当に運が良く生き延びた。もしも猟兵が来なければ……本当に、運の良い男だ。
また、男性からは自分以外の人間は、何処を探しても見当たらなかったと聞いた。
「うっ……」
「無理をするでない、その身体ではまだ動けぬじゃろう。暫し休むと良い」
男性は姫子の言葉に頷くと、ベッドに横になって、静かに眠りについて。
「眠ったか……さて、今の内に仕掛けようかのう」
そう言うと、姫子は周囲に注連縄を張りに行く。
厄を祓うそれは、邪なる者……強欲魔猫グリーディアの侵入を阻止する為の神域を作り出して。
「これで、無理矢理入ってこない限りは大丈夫じゃろう」
強力な結界が張られた事によって、今後は男性に危害が及ぶ事はない。
戦闘に入る場合は多少の注意が必要かもしれないが、それでもここを通る可能性は非常に低いだろう。
部屋を訪れた猟兵達にも情報は渡る。
男性の証言には特に重要な物は無い気もするが……絶対に無いとは言い切れない。
それに、先ほどのグリーディアが通っているであろう道、そして金色の鍵。上手く使えれば、何らかの手掛かりを得られるかも知れない。
疲れたのならば、軽食を取ってから探索を開始するのも良いだろう。
他に人が居る可能性もあるかも知れない。まだまだ、やる事はありそうだ。
大成功
🔵🔵🔵
アニー・ピュニシオン
「ウィルバー先生の話を聞いて
泥棒くんを捕まえに来たのだけれど、
何かここ、お化け屋敷みたいで怖いなぁ……。」
アニーは、この事件に対してこう感じ、猟兵として参加します。
「燭台に火をつけたり規則性にそって物を並べるような仕掛けと予想(WIZ)」に挑戦するね。
ユーベルコードは【もっと愉快な仲間達】を使い、
お屋敷の中を探索するよ。
アニーと陽気な小人達が一緒に行動して、
お屋敷の中が暗そうだから、
不自然に新しい蝋燭に火をつけようとしたり、
物が動かされて、塵が少なくなってそうな
場所の物を戻したりするね。
最大の目的は、この行動を成功させること!
その為なら、
ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします!
時刻は正午。しかし空は雲に覆われて、太陽は全く見えない。
屋敷内もまた非常に暗く、壁の所々に掛けられた燭台の蝋燭に灯された炎が、青く怪しく揺らめいて。
「ウィルバー先生の話を聞いて、泥棒くんを捕まえに来たのだけれど……」
暗い屋敷の通路を、アニー・ピュニシオン(小さな不思議の国・f20021)が歩いていた。暗闇の中は青い炎の光だけが頼り。しかしその炎は、見る者を不安にさせる輝きを放っている。
「何かここ、お化け屋敷みたいで怖いなぁ……」
流石に7歳のアニーにとっては、この屋敷には恐怖を感じているのだろう。
しかし彼女も猟兵の一人。ここで立ち止まる訳には行かないと心に思うが……やはり怖い物は怖いのだ。
であれば、アニーがすべき行動は一つ。片手を上げると、大きく元気な声で、呼び掛けた。
「みんなきてー!」
言葉を発すると、十体の小人がアニーの周囲に集まって、愉快な声で応援を始める。
それを見てアニーはほっと安心。小さくても、居ると居ないとでは全く違うのだ。
「それじゃあ、行くよーっ!」
アニーが歩くと、小人達も歩いたり跳ねたりして、続いていく。
暫く歩きながら通路の調査をしていると、一体の小人が大きく跳ねて、アニーにアピールをしている。
「ショクダイ! ショクダイ!」
「えっ、燭台?」
小人の言葉を聞いて目を向けると、そこだけ埃一つない綺麗な燭台があった。
アニーは首を傾げつつも燭台に触れると、ガコンッ、とレバーの様に下へ動いて。
「わ、わ……! なになにっ!?」
ゴゴゴゴッ、と音が鳴ったと思えば、すぐ横の壁が横にずれて、隠し部屋が姿を現す。そーっと中を覗くと、そこは非常に小さな部屋。色々と本や資料が置かれた空間となっていた。
アニーはまず、机に置かれた資料を手に取って中身を見てみる。
そこには悪魔を呼び出す儀式が書かれていた。更に資料を読み進めると、とある事実に気付く。
「あっ、猫だ! 確かさっき貰った紙に……」
先ほど貰ったリストを取り出して資料と見比べる。絵柄は違うが、両方とも腕の生えた猫が書かれていた。
恐らくは、誰かがグリーディアをこの屋敷で召喚したのだろう。
「誰がこんな事をやったんだろう……怖いなぁ」
悪魔よりも人間の方が業が深いとはよく言う。しかしダークセイヴァーでも邪神召喚を行う者がいるとは、実に恐ろしい事だ。
小人達がアニーに触れて慰めると、すぐに元気になって。
「後はなにかあるかな……ん?」
床に落ちていた本が目に入ると、すぐ隣の本棚を見る。一冊抜けているので、そこから落ちたのだろう。すると、若干の違和感を感じて。
少し考えると、本棚の硝子の扉が閉まっているのに気付いた。
「あれ? なんで棚の扉が閉まってるのに、本が落ちてるんだろう」
疑問に思いつつも、本を元あった場所に差し込むと……一瞬、屋敷が揺れた。
これにはアニーと小人達もびっくりして跳び上がる。
「な、なんだったの……?」
屋敷内にある、何らかの大きな仕掛けが発生したのだろう。
しかし、今のアニーには何が起こったのかは知る由もなかった。
大成功
🔵🔵🔵
アテナ・アイリス
そうね、わたしは金色の鍵の使い道を調査するわよ。
まずは、鍵が使えそうな場所を探すわよ。わたしも探すけど、ここは数に頼りましょうか。
UC「サモン・ブラウニー」を使って、49人のブラウニーを召喚するわ。
さあ、手分けして怪しそうなところを探してよ。見つけたら、わたしに報告するのよ。
絶対、鍵を使えるところが見つかるはずよ。
見つかったら、鍵を使って、奥に行ってみるわ。
「この金色の鍵をどうやって使うのかしらね。」
「なにかヒントが書かれてないかしらね。」
「ブラウニーたちよ。手伝って頂戴ね。」
「ひょっとしてこれは
・・・・・・・。」
アドリブ・連携好きです。
「うぅん、この金色の鍵をどうやって使うのかしらね」
二階を探索しているアテナは金色の鍵を持って、その使い道を探している。
通路を歩いていると、屋敷全体が一瞬、大きく揺れた。
「えっ! なにっ!?」
アテナが驚くのも無理はない。大きく揺れただけではなく、すぐ近くで物凄い音が鳴り響いたのだから。
壁に手を付いて、振動がなくなるのを待って。
「……広間よね、今のは」
音がしたのは、二つ目の大扉がある大広間。
すぐに通路を戻れば、その先に巨大な上への階段が現れていた。
「へぇ、三階があったのね。もしかしたら、この鍵の使い道があるのかも……」
そう言うと、すぐに三階に向かって行く。
そこには部屋が一つ。ただし、他の部屋とは比べ物にならない巨大な部屋があった。
流石に一人でここを探すのは骨が折れる。
そう考えると、妖精を呼び出して手伝って貰おうと考えた。
「ブラウニーたちよ。手伝って頂戴ね。見つけたら、わたしに報告するのよ」
アテナの言葉と共に、身長1メートル程の妖精ブラウニーが現れて、辺りに散らばり調査を始める。
しかし、この部屋は50人程のアテナとブラウニーが入っても、余裕で走り回れる程の広さだ。かなりの根気がいるだろう。
勿論アテナも調査をして、部屋の中で怪しそうな所に手を付けていく。本棚の書物を手にとって中身を見てみるが、どれも悪魔召喚やら怪しい物ばかり。
「さっきの鍵とかもそうだけど、居住者は碌でもないわね」
一人で住んでいたのか、複数人で住んでいたのかは不明だが、極めて悪趣味な者だという事は確かだった。
「あら、見つけたのね」
暫くの間は進展がなかったが、そこはやはり数の暴力。これだけの数が居れば、流石に何かしらは出てくる。
一人のブラウニーが道具棚の後ろを示す。アテナはそこを覗き見ると、そこには妙な金属の壁がある。そしてこの金属は、恐らく……。
「ひょっとしてこれは……みんな、棚の物を下ろして頂戴」
アテナの言葉を聞くと、あっという間にブラウニー達が物をどかして。
それが終われば、彼女は棚を物凄い力で押して行く。
「結構重かったわね……で、やっぱり金の壁だったのね」
ギラギラと輝く金の壁。当然とばかりに鍵穴もある。
すぐに鍵穴へと鍵を挿し込んで回すと……屋敷全体が、もう一度揺れ動いた。
「こ、これも仕掛けなの……! どれだけ厳重に隠しているのよ……」
流石にこれ以上の仕掛けがあるとは思わなかったアテナは、やや疲れた表情だった。
何処で何が発生したのかは不明だが、恐らくは一階で何かが起きたのだろう。
すぐにアテナは階段を降りて、探索を再開して行った。
大成功
🔵🔵🔵
尾崎・ナオ
えー、なに?揺れたかと思って探索開始すれば、まーた揺れるし。ナオちゃん1階にいるんよね。階段って嫌なんよ。逃げ場ないし、仕掛けしやすいし。
ナオちゃんは(揺れるまで)廊下の探索をしてるよ。部屋は入らん。だって窓に仕掛けあるって知ってるもん、入口塞がれたら逃げ場ないじゃん。常に逃げ場がある、広く戦える場所を確保するのがナオちゃん流。な、の、で、壁にあるんじゃないかなぁ、絵画とか☆
【指定UC】でナイフ複製、まずは絵画に突き刺す、目玉とか。その後、壁とフレームの隙間にいれて絵画を動かしたり落としたり。花瓶やらシャンデリアやら、気になるもんは突いてみよう。
1階が揺れたかぁ。ふふーん。地下かにゃー?
ズズンッ、と屋敷が揺れる。
ナオは天井から落ちる砂埃を腕で防いで、周囲を見回して。
「えー、さっきからなに?」
二度目の地響き。何が起こっているのかは不明だが、揺れたまま探索するのは危ない。それのせいで何度か動きを制限されており、少々イラッとしている様子だ。
「……よしっ、止んだな!」
地響きが止まれば、すぐに探索を再開する。
ナオが探索するのは一階の廊下。二つ目の大扉を抜けた先にある、灯りが殆どない場所。そして、部屋には入らない。窓には仕掛けがあると言われているし、入口を塞がれれば逃げ場がなくなる。
逃げ場がある空間を必ず確保して動く……ナオは極めて用心深かった。
狭い通路に多くは必要ない。ナイフを数本の浮かせると、掛けてあった絵画を突き刺して見る。
「なんかないかなーっと」
割と高い絵にも見えるが……躊躇なくグッサリと。
人物の目玉や宝石、手に持っている十字架などをサクサクと。
「ないにゃー……よっと」
絵画と壁の間にナイフを突き付けて、絵画を落としてみる。
ガコンッ、とフレームが外れると、絵画の裏には何かが書かれていて。
「……地図、かな? ええと、これは……」
何かを示した地図。見覚えはないが、どこかの部屋の形だろうか。
色々と考えを巡らせてみるが、これといって思い浮かばない。
「持って行くのもいいけど、荷物が嵩張るしなぁ」
ここに置いておけば、別の人が何かに気付くかも知れない。
仮に地図が必要になっても、この場所を見付けたら後で戻ってくれば良い。時間はグリーディアを見付けるまであるのだから。
壁に複製ナイフで地図を刺すと、別の場所の探索へ向かう。
暫くの間、ナオはナイフで気になる物を突き続けている。
花瓶、燭台、床……突付いても特に何も起こらず、カンカンと音を立てるだけ。
中央の大広間に戻ると、ふとシャンデリアを見て。
「こういう洋館って、ああいうのが怪しいよねぇ」
試しにナイフで突いて揺らしてみると……物凄い勢いで落ちて来て。
すぐに耳を塞ぐと、辺りに響き渡るのは、ガシャンというシャンデリアの破壊音。
「や、やっちゃった……! あれ?」
シャンデリアが落ちた床の先。当然だがそこは崩れているが、よく見れば地下室があった。
そこを覗いてみると、そこには無数の魔法陣や、そういった類の文字が描かれているのが確認できる。
「ここが猫の棲家か。……でもいないな?」
何者かがここでグリーディアを召喚したのだろう。
誰かは分からないが、傍迷惑な話だ。
「……下に行く方法は、今の所なさそうかなー」
どこかを探せば降りる方法はあるかも知れないが、階段なんて見掛けなかった。シャンデリアをどかせても行けるだろうが、それはそれで面倒だ。
ここはやはり、一階で起こった仕掛けの方を探るべきだと考えて、再度探索に入るナオだった。
大成功
🔵🔵🔵
城田・紗希
んー……厳重に鍵がかかってたけど、あれはフェイクだったのかなぁ…。
とりあえず、なんか気になる……もといこっちからオブリビオン臭を感じる!(第六感をそれっぽい建前で取り繕う)
騙し絵…は角度を変えれば見破れるから、いろんな視線を前提とすると床にはないはず?(手近な棒で念のために突付きつつ)
隠し扉……は、奥が空洞になってるはず?(ハンマーの柄で叩いて壊さないようにしつつ)
あと、隙間がどこかにあるはずだから、煙が吸い込まれ…るのかなぁ(窒息を警戒して視認だけ)
とりあえず、怪しげな箇所には起き上がりこぼしかボール転がして(パンチが飛び出す罠仕様)、
ドアが開いたらドアストッパーを置いてみる(形容し難い何か
「んー……」
屋敷に入ってすぐ横にある通路を、色々と思考を巡らせながら紗希は歩いていた。
厳重に鍵を掛けられていた合金製の扉。その先あったのは、謎の部屋……そして男性。あれはフェイクだったのか。それとも……。
それに先ほどの地響きも気になる。色々とやる事が増えた気がするが、紗希のやる事は既に決めていた様子だ。
「とりあえず、なんか気になる……もといこっちからオブリビオン臭を感じる!」
ただの勘だが、先ほどから何かを感じているのは確かだ。
そうして、一つの部屋に入って行く。
部屋に入ってみるが、見回しても特に何もない。
「うーん、こっちだと思ったんだけどなぁ?」
しかし、何かを感じたのは間違いない。第六感がピンッと働いているのだ。
紗希はこの場を手早く探索してから、すぐに別の所に向かおうと考えて。
「何かトリックがあるのかも」
まずは松葉杖の様なものがあったので、それを手にとって絵画や床を突付いてみる。
しかし特に何もなく、絵画も騙し絵と言う訳ではなさそうだ。突き続けると絵画が落ちてフレームが外れる。その裏を見てみれば、何かが書かれている事に気付く。
「なにこれ?」
そこに書いてあったのは、何かの地図。これには見覚えがある。
そう、これは先ほど男性がいた、合金の扉の先にあった部屋。それの一部だろう。
「フェイク……じゃなかったのかな?」
首を傾げつつも、紗希はその現場へと向かって行った。
合金の扉に入る前に、周囲を探索してみると、そこには別の地図がナイフで壁に貼り付けてあった。
「おっと、これもか! やった!」
もう一つの地図を手に取ると、先ほどの地図と組み合わせて一枚の地図になる。すぐにその部屋に入って行って。
中に入れば、先ほどと同じく淀んだ空気……そしてもう一つ、先ほどとは全く違っている点があった。
奥の大きな本棚が二つに分かれて、謎の壁が現れていたのだ。
「うおおっ、これは……何かよく分からないけど凄い仕掛け!」
改めて地図を見てみると、赤い印で仕掛けがあるのに気付いた。
燭台をレバーの様に下げると、謎の壁が更に二つに分かれて、その奥には金で出来た壁があった。
「全面が金張り! 凄い! どれどれ、何があるかな……!」
ハンマーの柄で金の壁を叩けば、そこに空間があるのに気付く。
力技で壊すのは危ないと考えると、よく壁を観察して。
「あっ、隙間が……」
金の壁の下に小さな隙間。その近くの普通の壁にも別の隙間があり、ここを猫が通った可能性があるのに気付いた。
「ボールでも転がしてみようかな……」
壁の隙間にボール。ただしパンチが出るトラップ付きの物を、ころころと転がして。
暫くすると、ギャッ! と謎の鳴き声がすると同時に、下を黒い猫が通り過ぎる……当然、腕が生えた猫だ。
「うわっ! ここにいたんだっ!? 待て待てっ!!」
隙間を通って行ったので、すぐには追えない。
急いで外に出ると、紗希はグリーディアを追い掛けて行った。
大成功
🔵🔵🔵
愛久山・清綱
館に来てみたが、既に扉は空いていたようだ。
しかし、館の仕掛け解きでござるか……
まるで探索ゲームの1シーンみたいだ。
■行
【POW(手分けあり)】
取り合えず、部屋を調べよう。
先ずは【式紙】で以前使ったメイドの紙人形を具現化。
手分けして捜索を開始。
俺は家具や置物を【怪力】を用いてどかし、隅から隅まで
調べて怪し場所を捜索する。
して、仕掛けを見つけたら……あえて作動させる。
でなければ前に進めない。
■令
人形は「床」や「壁」を注視して調査するよう指示。
妙な仕掛けが隠されているかもしれんからな。
怪しい場所を見つけたら『左肩を2回叩くよう』伝える。
一応の合言葉(?)だ……間違えるなよ?
※アドリブ歓迎・紙人形無言
屋敷内の慌ただしい状況は露知らず、入り口に立つ愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は屋敷を見上げていた
「しかし、館の仕掛け解きでござるか……まるで探検ゲームのワンシーンみたいだ」
清綱は和風な見た目ではあるが、歴としたキマイラ。恐らくは、そういったゲームはよくやるのだろう。
「……行くとしようか。一仕事、頼むぞ」
手製の式紙に霊力を宿せば、それは人の形となって具現化して。
メイドになった紙人形は、清綱の前でお辞儀を一つ。精錬されたその動きは、実に流麗。
「うむ。今日は調子が良さそうだな」
式紙の動きを確認して満足すると、二人は屋敷の中へと侵入する。
入ってすぐに、異変が起きているのを確認。そう……大広間のシャンデリアが床に落ちて、穴が空いているのだ。
「地下室……か?」
まだ他の猟兵が手を付けた形跡はない。
これは何かありそうだ……と考えると、そのシャンデリアを凄まじい腕力で、無理矢理に引き摺って動かしてしまった。
その様子を見ていた式紙は何かを言いたそうだったものの、人形である彼女が喋る事は結局なかった。
「ふむ、室内はそこそこ大きいな。一人では時間が掛かるか……よし、調査を手伝ってくれ」
二人で手分けをすれば、この程度の広さならばすぐに終わるだろう。
清綱が地下室に降りると、それに式紙も続いて調査を始めていく。
地下室には魔法陣に大量の魔法文字。儀式に使ったであろう触媒や、動物の骨などもある。
「悪趣味な……ここで猫が召喚されたのに違いないか」
であれば、何が隠してあってもおかしくはない。
清綱は部屋の物を、式紙は壁や床を注視して、調査をしている。
動物の頭骨を手に取ってみると、それは猫の骨の様だ。
「ううむ、ここで召喚したのは間違いないか」
周囲の材料を見てみれば容易に判断が付く。
更に触媒に目を移してみれば、それはミイラの手。無論、人間の物だ。
これを行った人間は、実に嘆かわしい。そんな事を考えながら、色々と物色して行く。
ふと、左肩を二回叩かれる。
事前に式紙と決めていた合図だ。振り向けば、ある一箇所の壁を指し示している式紙がいて。
「ここだな」
ガコンッと壁が動くと、その壁が横に移動して新たな部屋への道を作り出す。
そこには、大小様々な絵画や骨董品の様なものが、大量に隠されていた。
「これは……盗まれたもの、ではないな。元から館にあったものだろうか」
リストを見てみるが、どれも盗まれた物とは合致しない。
相当な価値があるのは、清綱から見てもよく分かるが……。
「後で、皆に知らせてみるか」
特に意見がないならば、山分けでいいだろう。
その後に、換金するのか、村などに配るかは、猟兵達の自由だ。
その後も二人は暫くの間、その場所を調査し続けて行くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
暗峠・マナコ
グリーディアが通ったであろう道、ですか。
猫が通るような細い道ならば、私も大概通れると思いますのでちょっと見てきます。
暗くても[暗視]でそれなりに見えますし。
そうそう、万が一戦闘の際、ここから逃げられでもしたら面倒ですからね、
出口までたどり着いたらその道は【レプリカクラフト】で作成した壁で塞いでしまいましょう。
そういえば最終目的としては、盗まれたものも取り返さなければいけないんでしたね。
宝物庫的な場所もついでに見つかれば良いのですが…。
これだけ大掛かりな仕掛けがある場所です、きっと複雑な場所に隠されているんでしょうね。
「グリーディアが通ったであろう道、ですか」
通路の端にある、本当に小さな隙間をマナコはじっと見詰めていた。
こんな場所は、普通は通れない。猫程度の大きさならば通れるかも知れないが……だが、マナコの場合は話は別だ。
「これならば、私も通れる……でしょうね」
ブラックタールのマナコならば、ここを通れる可能性は十分にある。
先ほども暗い部屋を見渡した目。これがあれば、迷う事もないだろう。
「さて、通りましょうか」
そう言ってマナコは姿を変えると、するするっとその隙間へと入って行く。
隙間の中にはネズミなどがいるが、特に敵意もない。寧ろ友好的なのか、走りながら道を示している様にも見える。
「ふむ……道がかなり複雑ですし、付いて行きましょう」
迷って時間を掛けるのも困る。それに彼等と会話をする猟兵も居たのだし、罠の可能性はまずないだろう。
マナコはそう考えて、暫くの間は狭い空間をずっと移動し続けるのだった。
そうして出口まで付くと、ネズミはあっという間に何処かへ行ってしまった。
出口のすぐ横には金色に輝く壁と、その反対側には先ほど男性が倒れていた部屋があった。
「こ、こんな仕掛けがあったのですね……。さっきの揺れは、もしかしてここの仕掛けだったのでしょうか」
他にも猟兵達が暴いた仕掛けは沢山あったが、その終着点がこの金の壁だ。
金の壁の下に隙間があるのに気付いて。
「なるほど、ここに何かがありそうですね。ですが、その前に……」
先程通った隙間。戦闘の際にグリーディアに逃げられると、非常に面倒。であるのならば、ここは塞ぐべきであろう。隙間に手を入れると、そこに壁を作り出して。
「猫が通れないサイズで十分ですね」
ネズミも通れなくなるのは迷惑を掛けるだろうと考えて、隙間を上手い具合に張った。
金色の壁の隙間を見ると、先ほどと同じ様にするするっと中に侵入して行く。
その先には、様々な道具が適当に散らかっている部屋だった。
「これは確か、盗まれた物ですね」
リストを開いてみれば、そこ書いてある物と全て一致していた。鍬や衣服、財布なども見える。
とは言え、全てが無事という訳ではなく、大きな壺などは割られた上で中に入っていたが。
「とても複雑に隠されていましたね……」
盗まれたもの以外には何もないが、それがあるだけでも十分と言えよう。
そうして、グリーディアを倒すまでは壁を塞いで、後で開ける事に決めたマナコ。
この他にも隙間はあると聞いたので、別の隙間も埋めに行こうと、屋敷内を歩き回って行く。
大成功
🔵🔵🔵
エレイン・スティール
さて、後はオブリビオンを探して討伐するだけ。
『信仰の証』で【呪詛耐性】【毒耐】【激痛耐性】で防御力を強化した上で手当たり次第に探索。多少の罠等は強化した耐性や【オーラ防御】で対処。
閉ざされた扉等も物理や魔術でどうにかなるなら『信仰の証』で攻撃力を上げて突破。
オブリビオンもしくはそれに与するものの屋敷なので遠慮なくぶち壊しながら(探索等に影響が出ないように加減しつつ)探索するわ。
一般人の保護も済んだしオブリビオンが出てこないのなら屋敷毎潰してしまえばいいわ。
「さて、後はオブリビオンを探して討伐するだけ」
通路を歩くエレインは、最後は虱潰しに探す事に決めていた。
救助した男性はまだベッドで休んでいるが、そこには結界が張ってあってグリーディアは来ないと聞かされている。
ならば、そこだけは無視して遠慮なく破壊しながら探せば良い、と考えていた。
「扉も……邪魔ね。全部壊すわ」
部屋の扉も、後は戦闘するのみだから必要はない。
呪われた屋敷と言われているこの場所に、今後住む者も現れないだろうし、もう遠慮する必要がないのだ。
そうしてエレインは自らに神の加護を宿せば、それは光のオーラとなって身に纏われた。
「……さあ、やるわよ」
扉に触れると、それを引き千切って窓へと捨て去る。
硝子が飛び散るが、光に阻まれて、掠っても物ともせずに次へ向かう。
加護によって高められた力。それは次々と扉を破壊。そして身に纏った光は、部屋の内部を明らかにしていく。
「いない……次」
冷静に。淡々と。
機械的な動作で続けていって、突き当りまで辿り着く。どうやらこの通路にグリーディアは居なかったようだ。
しかしエレインの信仰心は、こんな事で諦める程度のものではない。別の通路の探索も始めていく。
バタンッ! ボギィ! ガシャーン!
扉が開き、引き千切られ、窓に投げ捨てられる一連の動作で発生する音だ。
「中々出て来ないわね……」
扉の間にある柱を見れば、それも叩いて辺りを揺らす。
ほんの僅かだが、屋敷が傾いた気がした。
「次は……」
その次にある扉を見て、手を掛けようとした瞬間、後ろから声がして。
「先ほどから私の屋敷を揺らしているのは貴様か……」
強欲魔猫グリーディア。
この屋敷に住むとされる、人間の腕が生えたオブリビオン。
「よくもまあ、好き勝手に荒らしてくれたな」
怒りの表情でグリーディアはエレインに近付こうとするが、先にエレインがグリーディアに向けて駆け出していた。
「叩き潰すわ」
「ちぃ……」
放たれる拳の一閃は躱されて、グリーディアは窓から上の階へ移動して行く。
「二階ね、絶対に逃さないわよ」
エレインはそう言うと、すぐに階段を登って二階へ移動する。
かくして、屋敷全体を使った猟兵達とグリーディアは戦いが始まるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『強欲魔猫グリーディア』
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POW : 貴方の
【生命力、技能、記憶を奪う腕】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 全てが
【武器を奪う腕】【防具と衣服を奪う腕】【対象の選択したユーベルコードを奪う腕】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 欲しい
【 七本の腕の中】から【心を奪う腕】を放ち、【対象の最も大きい感情を奪うこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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屋敷内を走り回るグリーディアは、身軽な動きと腕を駆使して猟兵達から逃げ回る。
「くっ……しつこいぞ、猟兵共。私の楽しみの邪魔をするな」
グリーディアは人間の言葉を理解しており、流暢にそう言い放つ。
その動きは凄まじく、二階の窓から飛び降りたと思えば一階に移動して、階段を登ったと思えば手すりから降りて。
とにかく全力で猟兵から逃げ続けている。
外に逃げないのは何故かは分からないが、屋敷に大切な物でもあるのだろうか?
それはともかく、鬼ごっこ……いや、戦いの始まりだ。
一気に叩き潰せ。
エレイン・スティール
何物であろうと主の断罪からは逃れられないわよ。
2章から引き続き逃げるグリーディアを追いかけるわ。
『神聖なる評決』を使用して窓伝い、わたしが通れない小さな穴等はぶち抜きながら飛行して【空中戦】でどこまでも追いかける。
追いかける際に発生した瓦礫やグリーディアの攻撃等は【オーラ防御】【激痛耐性】で防ぐわ。
敵のユーベルコードに関しては逃げるグリーディアを追いかけながら【破魔】の【祈り】を乗せた【2回攻撃】や『神聖なる剣閃』で腕を切り落として発動そのものをつぶしていくわ。
アニー・ピュニシオン
凄い怖いけど行かなくちゃ。
…何の為にこの猫は召喚されたんだろうか、
気になるけれど、
放置してたら幸せな人生を送れなくなっちゃう人が
沢山出るかもしれないから。だから、ごめんね。
アニーはこの事件に対してこう感じ、参加します。
戦闘中、敵の死角や射程外からの攻撃を狙うよ、アニー。
「欲しい(WIZ)」に対し、
UC「ドレスアップ・プリンセス」を使うね。
お化け屋敷の恐怖により、心臓がドキドキしてるはずだから、
プリンセスハートがかなりの出力で出せそう。
もし、●欲しいを食らっても、恐怖が取り除かれて正常になるかも。
最大の目的は、戦闘を有利に進め、勝利に導くこと。
その為なら、ある程度の事はやむを得ないものとします。
気になる事があったのか、暫くアニーは小部屋で書類を調べていた。
「……何の為にこの猫は召喚されたんだろうか、気になるけれど」
誰がグリーディアを召喚したのかは不明だが、呼んだ理由は当然ある筈だ。
彼を信仰する者だったのか、彼の力を借りて力を得ようとしたのか……愉快犯、と言うのは少々考え難いが、可能性はゼロではない。
いずれにせよ、放置をしていると人々が幸せに生きる事が出来なくなってしまう。
「……! 今のは!」
すぐ近くで響き渡るのは、剣で壁を斬り裂くような音……戦闘が始まったのだろう。アニーはすぐに小部屋を飛び出して、その現場へと向かって行く。
逃げるグリーディアを追い掛けるエレインは、神の代行者……罪人に罰を下す、四枚翼の姿に変身していた。
インペリウムソードを構えて、通路を低空飛行でグリーディアへと斬り掛かる。
「ふん、思っているよりも速いな」
身を翻してその剣撃を避けると同時に、逆方向へと逃げて行く。
しかしエレインも簡単に逃がす筈もなく、地面に足を付けると、それを蹴り飛ばして、すぐにグリーディアを追って行く。
「反射神経も良し、悪くないぞ、貴様」
「……さっきからどこ目線から話しているのよ、あなたは」
グリーディアの言葉に突っ込みながらも再度斬り掛かるが、それは部屋の中に飛び込んで、またもや躱してしまう。
エレインはすぐに部屋の入口を塞ごうとするが、入口の前に立った直後に、グリーディアが殴り掛かって来るのが見えて。
「くっ、直接殴りに……!」
それをオーラで軽減するが、後ろの壁に叩き付けられる。その隙にまたもやグリーディアは逃げ始めた。
神の代行者となった今、エレインに壁に叩き付けられた程度の痛みは通用しない。絶対に逃しはしないと、どこまでも追い掛けていく。
まだ戦闘は始まったばかりなので、疲労も傷もないグリーディアの機動力は、極めて高い。かなりの速度を持つエレインでも完全に捉える事は難しく、ひたすら攻撃をし続けて。
「何時になった止まるのだ、貴様は」
「あなたに罪を下すまでかしらね」
鋭い剣の一撃がグリーディアを掠めるが、それでも的中には至らない。
器用に腕を用いて動き回っており、確実に避けるように立ち回っている。
「私に罪を下すか。出来るものならば……むっ」
剣を躱して地面に落ちるまでの僅かな時間。その瞬間を狙った、遠距離からの魔法攻撃がグリーディアを襲うが、すぐに腕で防御して。
「術者か、先に潰さねばな」
魔法が放たれた方向に向かって、一気に駆け出すグリーディア。
その先には豪華絢爛なドレス姿となったアニーが、掌に魔力を溜めていた。
「わわわっ! 本当に腕が……なんか怖いっ!」
空を飛ぶプリンセスハートがその恐怖に合わせて鼓動すれば、高い出力でアニーに魔力を与える。そこから強力な魔法弾を作り出すと、グリーディアに向けて放った。
「やるな。だが、心を奪ってしまえば動けまい」
その魔法弾を躱し続けて、アニーへと徐々に迫って行くグリーディア。
素早く動き回りながら一気に彼女に近付くと、鋭く腕を突き付けて、アニーの最も大きな感情を奪い去ってしまう。その感情とは……。
「むっ、これは……」
感情を奪ったグリーディアが感じる違和感。直後に彼に向けて放たれた魔力の波動。それは彼に命中して、大きく後退させてしまう
それを放ったのはアニー。そう、彼女の最も大きな感情とは恐怖心。それが奪われた事によって、精神が正常に戻ってしまったのだ。
「よーし、あたれーっ!」
続けて放たれる大量の魔法弾。
すぐに後ろへと跳んで躱さざるを得ないグリーディアだったが……。
「もしかして、わたしを忘れていたのかしら? 酷いわね」
「……くっ、しまった」
恐怖心を奪って逆に不利に陥った事に思考を割かれていたのだろう。エレインの事が完全に頭から抜け落ちていた。
迫るエレインの剣閃は避ける事は出来ず、腕で防御しようとするが……。
「ぐぬっ!」
強化された浄火の剣は、魔の者であるグリーディアの腕の一本を、容易く切り落としてしまった。しかしグリーディアも黙ってそれを受けるだけではない。即座に残りの腕で殴り掛かると、エレインを吹き飛ばしてしまう。
追撃を仕掛けようとするグリーディアだが、その先には魔力を溜め切ったアニー。
「させないよ……くらえーッ!!」
「おのれ、やってくれるな
……!!」
放たれた魔力の光線は、グリーディアを捉えて、通路の向こう側へと吹き飛ばしてしまった。
「ここで逃す訳には行かないわね。わたしはグリーディアを追うわ」
エレインはすぐに立ち上がると、吹き飛んだ彼を追いに通路を飛んで行く。
「よし、アニーも先回りしようっ!」
アニーもまた、別の通路を見張ってグリーディアの動きを阻害しようと考えて、別の場所へと向かって行った。
戦いはまだ始まったばかり。
確実にグリーディアを追い込んで、叩き潰すのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
愛久山・清綱
どうした?また何か見つか……何、上で音だと?
例の泥棒猫が見つかったかもしれん。急ごう。
■闘
曲がり角から奇襲するぞ。
【式紙】には刀を持たせ、隠れてもらおう。
相手の技は……一つでも奪い損ねたら封じられんのだよな。
先ず『武器を狙う腕』が来たら大なぎなたから手を放し、明け渡す。
が、これは囮。『防具を狙う腕』は【怪力】全開の
【グラップル】で掴み、持ち上げることで動きを阻害。
本命はここからだ。
相手を持ち上げたら隠れていた式紙に攻撃の合図を送り、
高速の【ダッシュ】から【鎧無視攻撃】を絡めた斬撃を
仕掛けるよう指示。
そう、俺も囮だったのだ。
(しかしその居合……何処で覚えた?)
※アドリブ歓迎・式紙は召喚されたまま
「一本、持っていかれたか」
グリーディアは斬られた腕を見ながら、小さく唸って独りごちる。
魔法によって吹き飛ばされた後、窓から二階へ移動している。暫くは適当な部屋で休憩できるだろう……そう考えていた。
通路を曲がろうとすれば、清綱が大なぎなたを振って、グリーディアに斬り掛かる。
「ほほう。避けたか、泥棒猫」
大振りのそれは容易く躱されて、グリーディアは割れた窓の縁に乗った。
「休む暇もなしか。面倒な」
グリーディアは残る腕をゆらゆらと動かしながら、清綱へと向かって行った。
迫るグリーディアの動きを観察して、清綱はタイミングよく大なぎなたを振るう。
しかしその一撃は、腕の一本……他よりも強い筋肉を持った腕に掴まれてしまう。
「さあ、ここからどうする気だ?」
強力な腕力で武器を封じられた清綱だが、余裕の表情でグリーディアを見て。
「持っていくが良い」
「なっ……」
大なぎなたを持った手を離すと、グリーディアはバランスを崩す。清綱はその隙を突いて腕の伸ばすと、彼の首を握って持ち上げてしまった。
首の骨を折ってしまおうと力を込める。同時に、ある合図を出そうとするが……。
「この程度で私を殺せるとでも?」
グリーディアの肉体は予想以上に堅い。清綱が合図を出す前に、彼は大なぎなたを短く持つと、それを突き付けて来る。
それを受ける訳には行かず、その一撃はグリーディアを投げ飛ばす事で回避した。
「やるな、泥棒猫め」
「ふん……無駄に重い槍だな。威力はありそうだが」
大なぎなたを持ったまま、じりじりと清綱へと近寄って行く。
それに合わせて、少しずつ退く清綱。足に力を込めると、大きく後ろに跳んだ。
「逃がすものか、ここで死ね」
恐ろしい速度で駆けて、清綱へと飛び掛かるグリーディア。
その飛び掛かりは、幾つかの部屋を通り過ぎる程の跳躍で、清綱との距離を一気に詰めて行く。そして、大なぎなたを振るって清綱を仕留めようとするが……。
「なっ、伏兵だと」
一つの部屋の中。そこにはメイド姿をした清綱の式紙が、今刀を構えていた。
飛んでいる途中では回避は不可能。武器を奪うには大なぎなたが邪魔。今のグリーディアに出来る事は、腕での防御のみ。
放たれる居合の一閃。それは大なぎなたを持つ腕を斬り落としてしまった。
「ぐ……! まさか、貴様は……」
「そう、俺は囮だったのだ」
気付いた時にはもう遅い、清綱の全力の拳がグリーディアの腹を捉えると、通路の先にある壁にまで吹き飛ばしてしまった。
吹き飛ばしたグリーディアを追って、二人は走り出す。
「……しかし」
腕を斬り落とすほどの居合の一閃。式紙はこの技術を、一体何処で覚えたのか。
見当も付かないが、清綱は非常に気になっていた。この謎が明らかになる日は、果たして来るのだろうか。
大成功
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尾崎・ナオ
はぁい、にゃんこさーん。同じにゃんこさんが来ましたよ~。ホントはナオちゃんも同じように戦いたいんだけど、赤丸ないから真の姿にはなれないんだにゃー。ここまで言えば判るよね。ナオちゃんの真の姿も黒猫なんだよぉ。ま!お前より圧倒的に可愛くて美しくて最高なんだけどね!
だからさ、その姿はいただけない。私達はもっと可愛くなきゃ。可哀想に、次は普通の猫に生まれてきなよ。
【指定UC】で高速移動。黒猫本体に二丁拳銃で【クイックドロウ136】【早打ち34】。早打ちを回避するなら、腕の動きも予測しやすい。敵UCの動きは高速回避。飛び跳ねて、撃って、褒める!ナオちゃんは超可愛い!だって飼い主がそう言ってたもん!
屋敷内を逃げ回るグリーディアは、その小さな体躯と腕を駆使して、猟兵達から逃げ続けている。
「残り五本。猟兵共め……」
苦々しい表情で駆け回るが、この屋敷は多くの猟兵に制圧されている。逃げる場所は殆どないに等しい。
そんな中で大広間まで移動すると、グリーディアの目の前にナオが現れて。
「はぁい、にゃんこさーん。同じにゃんこさんが来ましたよ~」
軽薄な口調のまま拳銃を向けると、躊躇なく射撃を始めるが、それは簡単に腕で防がれてしまう。
その腕を見ると、ナオは何故かクスッと笑う。
「何を笑っている、貴様」
グリーディアに突っ込まれても笑うのは止まらず、クスクスと笑みを浮かべて。
「いや、同じ黒猫でも、ここまで可愛さと美しさが違うって……何か笑いが出ちゃってね」
同じ黒猫。即ち、ナオの本当の姿の事を表すのだろう。とは言え、異形の存在であるグリーディアと比べれば、殆どの猫は可愛い物だが。
もしもなれるならば、その姿で圧倒するつもりだったが、今日は気分が乗らない。
「ともかく、その姿はいただけない。私達はもっと可愛くなきゃ。可哀想に、次は普通の猫に生まれてきなよ」
ナオは笑みを浮かべた状態で二丁拳銃を構え直すと、グリーディアに照準を合わせて。
「余計なお世話だ、猟兵。貴様の腕を私の素材として扱ってやろうぞ」
対するグリーディアは攻撃的な表情のまま、素早い動作で、ナオの元へと駆け出した。
タンッ、タンッと甲高い発砲音が大広間に響き渡る。
狙うは黒猫本体、腕の防御をすり抜けるように射撃し続けるが、五本の腕はそれを見事に防御。飛び掛かってナオの力を奪おうと腕を突き付けるが……。
「ざーんねん! 飼い主にも超可愛いって言われたナオちゃんに、そんなの当たんないよッ!」
自画自賛をする事で、自らのスピードが急激に増大。それを軽々と躱してしまう。
「飼い主……私の場合はあの愚かな男か。私を呼ばなければ長生きできたと言うのに」
ちらっと背中に生えた一本の腕を見る。
これがグリーディアを呼び出した者の一部なのだろうか。
「……殺したの?」
「ああ。何故、人間と敵対する私を呼び出したのは知らぬが、当然の報いだ」
少し真面目な顔をするナオに対して、グリーディアは僅かではあるが怒りを感じている様子。ある意味ではグリーディアも被害者なのだろう。会話を中断すると、更に攻撃を仕掛けて行く。
自画自賛でスピードが上がっている今ならば、本体に当てる事も十分に可能。拳銃による高速連射が放たれた。
「それはもう見たぞ……なに?」
銃撃を空へ跳んで躱して、続く銃弾も腕で防ごうとするが、銃撃と同時に駆け出していたのだろうか、ナオの拳銃がグリーディアの腹に押し付けられていた。
「馬鹿な、速過ぎる」
「ナオちゃんは、動きも速いのさ!」
残る拳銃の全弾斉射。
それを受けて、グリーディアは通路の向こう側まで吹き飛ばされた。
大成功
🔵🔵🔵
暗峠・マナコ
事前に【レプリカクラフト】にて仕掛け罠を作り仕掛けておきます。
あからさまに目立つものから、逃げた先を狙い影に潜ませたものまで、とりあえず手当たり次第です。
ようやく此方に来ましたか、お待ちしておりました。
ふむ、猫と聞いていたもので、喋る方だったとは驚きました。
奪えるものなら是非どうぞ。
貴方が欲しがるような私のものは、私の体内に腕を伸ばさなければ盗れないと思いますが。
攻撃を回避しながら罠に誘導しつつ、
相手が背後から近づいてきた所を、背中から腕を生やして捕まえます。
背中に腕があるのは何も貴方だけではないですよ。
抑え込んだ所を私自身もろとも罠で仕留めてしまいましょう。
腹部に銃弾を零距離から撃たれたグリーディアは、激痛からか動きが鈍っている。
すぐにこの状況を立て直そうと、合金製の扉を抜けて部屋に入っていくが、違和感に気付いて。
「これは……罠か」
後ろから感じる気配から離れようと、部屋の中央に跳んで振り返る。
そこにはマナコが立っており、グリーディアを見つめていた。
「ようやく此方に来ましたか、お待ちしておりました」
この部屋に逃げ込むだろう、そう考えて待ち続けていた。勿論、ただ待っていた訳ではない。部屋の中には、既に大量の罠が仕掛けられているのだ。
「この程度で追い込んだつもりか」
「はい。あっ、逃げ場はありませんよ。隙間は埋めましたので」
グリーディアはハッとして奥の金の壁に向かうが、そこはきっちりと隙間が壁で埋められていた。
「やってくれるな、猟兵……」
隙間はない。ならば、マナコの後ろの出入り口以外に逃げる方法はない。
そう考えると、グリーディアはマナコへ殴り掛かって行く。
マナコに向かって跳んだグリーディアが、空中に張られた糸に引っ掛かると、何処からか弓矢が放たれて。
「くっ、矢だと」
それを躱そうとするが、身体に走る激痛で避ける事が出来ずに、刺さってしまう。
「確か、窓に仕掛けられていた罠だな。それを上手く利用するとは、やるな、貴様」
「ありがとうございます。それにしても流暢な言葉ですね。猫と聞いていたもので、喋る方だったとは驚きました」
戦闘中とは思えない会話をしながらも、互いに警戒して動かない。特にグリーディアは下手に動くと罠の餌食だ。
先に動いたのはマナコ。グリーディアの攻撃方法と同じく、殴り掛かって行く。
「なんだと、腕が……」
マナコが腕を振るうと、それは真っ直ぐグリーディアに向けて……伸びた。
それを避けようと横に跳ぶが、トラバサミに掛かってしまう。
「これも窓のか。器用な奴だ」
腕でそれを解除しようとするが、その間にマナコが迫って来るのが見えて。
すぐに迎撃しようと、トラバサミが掛かったまま、残る腕で殴り掛かる。
「ぐっ、無理矢理ですね……!」
物理攻撃はそこまで効かないものの、かなりの威力で部屋の壁まで飛ばされてしまう。
壁に叩きつけられて片膝を付くマナコに、追撃をしようと迫るグリーディア。
それから逃れようと考えたのか、少し移動するマナコだが……。
「逃さん、貴様の腕は使えそうにないが、ここで仕留め……なにっ」
拳を握ってマナコに叩き付けようとするが、突如マナコの背中から生えた腕がグリーディアを捉えてしまった。
「背中に腕があるのは何も貴方だけではないですよ」
ブラックタールの肉体を活かした反撃。
そのまま自分ごと罠に引き摺り込んでしまおうと、腕に力を込める。
「させるものか」
マナコの身体の先にある罠のトラバサミ。それに向けて、腕の二本を突き付けて勢いを付ける。
すぐに腕がトラバサミに掛かってしまうが、腕を分離する事で勢いを維持して、マナカから離れてしまった。
「着脱が可能なのですか、それは……!」
「ふん、着けるのには、かなりの時間が掛かるがな」
出入り口は開いた。すぐにグリーディアはその部屋の中から移動してしまう。
残りの腕は三本。これで攻撃手段も限られて来た。
大成功
🔵🔵🔵
城田・紗希
猫ってしゃべるっけ……?
まぁオブリビオンだし、猫の姿しててもしゃべるよね!(四本脚と別に腕生えてたり、色々と理解を諦めた)
ウィザードミサイルに全力魔法と誘導弾を乗せて、あと家への延焼をしないようにコントロールしつつ打ち込むよ!
オブリビオンは消毒だー?(本音で一番大きい感情:姿は猫なのでモフりたい)
(本音を奪われたあと)オブリビオンだ殲滅だー!(殺意全開)
再度、通路を逃げ続けるグリーディアの前に、紗希が現れて。
「いたいたっ! やっと見つけたよ!」
もはや、何処に逃げても猟兵がいる。
これ以上の逃亡は無駄だろうと判断して、グリーディアは拳を握った。
「先ほど、妙な球を投げて来た者だな、貴様は。よくも睡眠の邪魔を……っ!」
今までになく、凄まじく怒りを発して紗希を見ている。寛いでいた所を邪魔されるのは、グリーディアにとって最も嫌な事なのだろう。
「猫ってしゃべるっけ……?」
そんな彼の怒りよりも、猫が喋る事の方が紗希にとっては気になっていた。
とは言え、相手もオブリビオン。人間の腕が生えていたりしているので、あまり気にしない事にした。
「とりあえず、オブリビオンは消毒だー?」
実を言うと、グリーディアの毛並みを見ているとモフりたいと言う感情が湧いているので、本気は出せていない。
しかしそれでも、放たれた炎属性の魔法の矢は精密なコントロールで、グリーディアの動きを阻害する。
「ふん……炎か、嫌いだ」
激痛が走る身体を強制的に動かして、紗希へと近寄って行くグリーディア。
「ううっ、当て難いっ!」
動きもそうなのだが、猫をモフりたいと言う感情がどうしても邪魔をしてしまう。
それに、屋敷に延焼するのも不味い。精密なコントロールを強いられている中で、グリーディアに命中させるというのは至難の業なのだ。
これによって、紗希はかなり苦戦していた。
グリーディアは炎を躱しながら紗希へと迫ると、強烈な殴りで壁へと追い詰めて。
「うわわっ!!」
「貴様の感情、奪わせて貰うぞ」
すかさず放たれる、心を奪う手。それは紗希の猫をモフりたいと言う感情を奪ってしまう。それを奪うと、グリーディアは訝しげな表情をして。
「おのれ、貴様もか……いや、貴様のはあまりにも我欲が過ぎる
……!!」
その感情を奪ってしまえば、紗希はグリーディアに対して本気を出す事が可能だ。
凄まじい殺意を持って、一気に制圧しようと炎を操って行く。
「オブリビオンは殲滅だーっ!!」
炎の矢をぐるぐると回転させると、グリーディアを取り囲んで、纏わり付く。
「ぐぬぅ……」
本体ごと燃やし尽くそうとするその炎をどうにかしようと、グリーディアは腕を振るってそれを払おうとするが、次第に腕が焼け爛れてしまって。
「おのれ、ここまでかっ」
焼け爛れた、生命力を奪う力を持った腕を分離する。これはグリーディアの切り札だったが、一度も使う事はなく、紗希に向けて投げ付けてくる。
「うわぁっ!? 変なの投げて来ないでよっ!」
紗希が大声で叫ぶが、その隙にグリーディアは、またもや逃げ去ってしまう。
残る腕は、感情を奪う腕と、ユーベルコードを奪う腕の二本。
もう少しで戦いが終わる。
大成功
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草野・姫子
この音は……ついに見つかったか。
思うことはいくつかあるが、ここに来てしまったらやることをやらねばの。
WIZを選択
救助者を守るため防衛に専念
合間にグリーディアについて彼や動物達が知らぬかもう一度聞いておこう
この場が敵に襲われた場合、破邪の力を持つ【茅の輪】の投擲と【注連縄】での打撃で近寄らせぬ
それでも敵の【欲しい】が当たってしまったら…
望んだのかは分からぬし、それなりに好き放題をしているが、勝手に喚ばれてヒトの都合で滅ぼされる様を「哀しい」と思っているのが伝わってしまうかもしれぬ
この感情が少なくなれば、注連縄で締め上げるのに容赦をしなくなるじゃろう
――そなたの名は何という。その名、私は忘れぬぞ。
アテナ・アイリス
グリーディアは、足が速そうだし、攻撃も厄介なものばかりだから、確実に一撃を与えるわよ。
グリーディアが通りそうなところで、待ち伏せをする。
姿を見かけたら、UC「クロノグラフ・アクセス」をつかって、グリーディアのすぐそばに瞬間移動し、
「アーパスブレード」を両手で持って、グリーディアにたいし、強打で攻撃する。
やっかいな、腕がなくなれば、もう私たちの敵じゃないのよ。
「追いかけても追いつかないだろうから、ここで待ちましょうか。」
「いまね!行くわよ。」
「剣技:レイジストライクよ。」
「これで、おわりよ!」
アドリブ・連携好きです。
屋敷の至る場所から聞こえる戦闘音。それは姫子と男性がいる神域にまで、徐々にだが近付いて来ている。
そうして、すぐに迫り来るグリーディアの足音。もはや、ここに近付きたくない等とは言っている場合ではないのだろう。
「この音は……ついに見つかったか」
姫子は椅子から立ち上がると、寝ている男性を起こさないようにして、扉の外へ向かう。扉から出れば、すぐ横の通路にグリーディアが見える。
「貴様か、妙な結界を張っている者は……む、神か」
魔の者であるグリーディアにとっては、真逆の神の力を理解しているのだろう。姫子を見ると、結界でダメージを受けながらも近寄って来る。
「人間に召喚されたと聞いたが、その怨みでこんな事をやっているのかの?」
先ほど、動物達から聞いた話だ。
愚かな人間によって召喚されて、この館に縛り付けられているという事実を。
「奴には報いを与えた。盗みはただの趣味に過ぎん」
そう言うと、グリーディアは残る力を振り絞って、姫子へと攻撃を始める。
迫るグリーディアを見て、茅の輪に神力を込めれば、それは巨大化して行って。
「ここを通す訳には行かぬ」
破邪の力を持つそれは、グリーディアにとっての天敵。それを投擲すれば、彼には避ける以外の行動を取る事が出来ないのだ。
すぐに横に跳んでそれを避けるが……。
「いまね! 剣技、レイジストライクよっ!」
「なっ、何処から……」
突如、目の前に現れたアテナ。彼女はアーパスブレードを両手に持っており、既に斬り掛かる体勢だ。
すぐにそれを防ごうと、残る両手をクロスさせて防御するが……全力の剣技によるそれは二本の腕では防ぎ切れない。
「ぬぅ……!」
急襲によって残る二本の腕も斬り落とされて、遂には全ての腕を失ってしまった。
アテナは部屋の一つに潜んでおり、グリーディアに隙が出来る一瞬のタイミングを狙って待ち伏せていた。そして隙が発生した瞬間に、空間を操作する呪文で一気にグリーディアまで瞬間移動したのだ。
しかしそれを知る由も無いグリーディアは、その理由を聞こうともせずに鋭い牙でアテナの首を狙って。
「くっ、危ない……ま、まだ戦う気なのっ!」
腕を全て失って、見た目はボロボロの猫と化したグリーディアだが、未だに闘志は衰えず。牙を出して二人を威嚇をしている。
「猟兵が来たのが運の尽きか。好き勝手に遊べると思ったが……」
魔の猫は威嚇をしながらも、残念そうに首を振っている。
姫子は、勝手に喚ばれてヒトの都合で滅ぼされるグリーディアを見ると、とても哀しそうな表情をして。
「ふん……神が魔の者である私に、哀れみを覚えたか」
その感情を読み取ったのか、苛立たしく姫子を見る。
それでも姫子は表情を変える事なく、グリーディアを見続けている……しかしここで倒さねば、人々が苦しみ続けるのは間違いない。意を決して手を上げると、神域を作り出していた注連縄がグリーディアを縛って。
「……まさか私が、ここまでとはな」
動きを封じられたグリーディアは諦めたのか、暴れようとはしなかった。
「――そなたの名は何という。その名、私は忘れぬぞ」
最期に、姫子はグリーディアの真の名を聞こうとして。
「下らんな。私を呼び出した愚か者の持っていた資料でも見れば良かろう」
グリーディアは魔の者の中でも、特に純粋な性格なのだろう。神に対して、極めて敵意を持っている様子だ。
姫子の言葉にも一応は返答するものの、遂に自らの口から語る事はなかった。
「これで、おわりよ。言い残す言葉はないわね?」
動けないグリーディアを見下ろして、アーパスブレードを構えるアテナ。
彼は何も言わず、そのまま首を落とされると、霧となって消えて行った。
●魔猫の終わり
グリーディアを倒し、盗まれた物、そして囚われた男を助け出した猟兵達。
その他にも怪しげな資料や本、価値の高そうな骨董品なども数多く見付かった。
これらをどうするかは、猟兵達次第。
文句のない様に配分しよう。
大成功
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