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其は紫陽花姫の祟りなりや

#サムライエンパイア


●城山の紫陽花伝説
 古い城山を背後に持つその村に、紫姫と呼ばれる美しい武家の娘がいた。
 姫には心を交わした許嫁がおり、年頃になった姫は祝言の日を心待ちにしていた。
 だが、どんな魔が差したかその許嫁は、祝言も近づいたある日、他の娘と情を交わしてしまった。
 それを知った紫姫は狂乱し、ひとり城山へと分け入った。
 その頃すでに山城は廃墟。古城跡で姫が出会ったのは、討死にした武者たちの彷徨う魂のみ。
 姫の悲しみと武者たちの恨みは呼応しあった。
 姫は、武者たちと共に三日三晩嘆き悲しみ、ついには懐剣にて自らの命を絶った。

 それは、紫陽花咲き誇る梅雨の頃。
 姫の嘆きと涙、そして血を吸ったその山の紫陽花は、以後紫色にしか咲かなくなったという。

 ――紫陽花の花言葉は、移り気、無常。

●紫陽花の山
「あれがその山なのでござる」
 サムライエンパイアの某村へとやってきた猟兵たちは、月殿山・鬼照(不動明王の守護有れかし・f03371)が指し示した山へと目をやった。木々の緑がしっとりと雨に濡れている。
「山城に至る山道沿いに、見事な紫陽花がずらりと植えられております」
 紫姫の供養のため、麓の村の人々がコツコツと紫陽花を増やし、手入れを続けてきたのだ。遠目に見ても、木々の間に紫色の連なりが見える。
「村人の努力の甲斐あって、この山は今では紫陽花山と呼ばれ、梅雨の時期には近隣の町村から花見客がやってくるほどの名所となっておりまする」
 だが、その花見シーズンを迎えた紫陽花山に、今年は異変が起こった。

●1章
「紫陽花の手入れに山に入った村人が、何人も惨殺されたのでござる」
 獣の仕業ではなかった。刀や矢など、武器による殺傷であった。
「戦支度の武者の姿を見たという者もおります」
 この山は、紫姫の悲恋伝説の舞台でもあり、古い山城の跡も残っている。
「すわ紫姫の祟りか、山城の亡霊かと、村人は怯えておりますが、拙僧の見たところ、オブリビオンの仕業かと」
 だからこそ、猟兵が呼ばれたのだが。
「元凶は、山城跡にいると思われまする。貴殿らにはまず、麓から山道を辿って、敵を倒しながら、山頂近くにある山城を目指してほしいのでござる」
 武者と見られる敵を倒しながら山城跡に達すれば、元凶が現れるであろう。
「速やかにオブリビオンを排除すれば、紫陽花の花見にはまだ間に合いましょう」
 何卒よろしくお願い申しあげる、と鬼照は静かに頭を下げた。


小鳥遊ちどり
 猟兵の皆様、こんにちは。
 梅雨の季節、紫陽花にまつわる怪談などいかがでしょうか。

●シナリオの目的
 山城に棲み着いたオブリビオンを倒し、紫陽花の花見を開けるようにする。

●シナリオの構造
1章:集団戦
2章:山城跡でのボス戦
3章:日常 山城跡にて紫陽花の花見

●1章について
 山道を、山頂近くにある城跡を目指して敵を倒しながら登ってください。
 敵は、個々は強くありませんが、必ず3体1セットで出てきます。
 山道にも山城跡にも一般人はいません。

 古城跡の紫陽花って、なかなかよい風情だと思うんです(お城好きです)
 ではでは、どうぞよろしくお願い致します。
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第1章 集団戦 『義勇兵の亡霊』

POW   :    我が信念、この体に有り。
自身の【味方】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    我が信念、この刃に有り。
自身に【敵に斃された仲間の怨念】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    我が信念、この矢に有り。
【弓】を向けた対象に、【上空から降り注ぐ無数の矢】でダメージを与える。命中率が高い。
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風薙・澪
(真剣な顔で)面倒ねぇ
山ごとまとめて吹き飛ばしたら解決したことにならないかしら
・・・まあ、冗談(6割位本気)は置いておいて、真面目にやりましょうか

あえて山道を外れて移動し、山道にいる(と思われる)亡霊たちに不意打ちを仕掛ける
持ってきた小弓【烈火】で一矢撃ち込み、すばやく移動してUC鋭氷矢で追撃
移動しつつ攻撃し撹乱
なるべく姿を視認されないように、木の中を動き回って攻撃しつつ、
たまに不意打ちで斬りかかるも一撃離脱を主としてすぐに離れる


敵の弓攻撃は、木立で防げるようなら防いで、後は全力で駆けて回避



 風薙・澪(ウィザードウォーリア・f17869)は、真剣な顔で紫陽花山を見上げ、
「面倒ねぇ」
 と、呟いた。
「山ごとまとめて吹き飛ばしたら解決したことにならないかしら……まあ、冗談は置いておいて、真面目にやりましょうか」
 六割ほど本気だったようだが、山を吹き飛ばしてしまえば麓の村にも影響が出るし、大体紫陽花の花見ができなくなってしまうではないか。

 なにはともあれ戦う覚悟を固めた澪は、敢えて山道を外れて山を登りはじめた。亡霊たちに不意打ちを食わせる狙いだが、7月の、夏を迎えつつある山は、山道から一歩外れれば猟兵であってもそう簡単には登らせてはくれるものではない。猛々しく繁茂し梅雨の雨に湿った木々や藪がまとわりつき、彼女の歩みを妨げる。
「んもう、やっかいね……これじゃ私の方が不意打ちを食らいそうだわ」
 ぶつぶつ言いながら、けれど段々と藪漕ぎにも慣れてきた頃。
「……!」
 緑の隙間から、敵らしき姿を見いだした。
 3体の、不気味な面を被った亡霊じみた武者たちである。武者たちは紫陽花の咲き誇る山道で、見張だろうか、武器を構え辺りに気を配りながら佇んでいる。
 澪は小弓・烈火を構えた。見つかる前に、とばかりに素早く射込んだ矢は、槍を持った女武者へと突き刺さった。
 その矢傷がいかほどのものかも確かめず、澪はその場を離れた。木の間を縫って動く。出来るだけ見つけられずに移動するつもりだったが、
「無理みたいね……」
 ガサガサと枝や藪をかき分ける音で、敵も澪の居場所を悟ってしまったようだった。この山の地理に関しては、長く居る分敵の方が一枚上手でもあろうし。
 澪は木の陰で一旦立ち止まると念を凝らし、
「終末を待ちて微睡む魔狼に率いられし、凍れる白き雪の乙女よ。其の力、鋭き矢と成し、敵を貫け!」
 ユーベルコード【鋭氷矢】を発動した。虚空から200本以上もの凍り付いた矢が出現し、追ってくる武者たちに降り注いだ。
 びいん、と澪が隠れている木に、一本の矢が付き立った。敵の弓手が苦し紛れに放ったもののようであった。
 戦場が静まりかえり、3体とも倒せたかと澪が木の陰から顔をだすと――。
「うわっ!?」
 氷の矢がハリネズミのように全身刺さった武者が、刀を振り上げ猛烈なスピードで間合いを詰めてこようとしていた。どうやらこの武者だけが矢の雨から生き延びたらしい。
 澪は咄嗟に氷魔剣【凍華】を抜き、ガチリと刃で刃を受けて、跳び退り。
「てえいっ!」
 今度は自ら踏み込んで、一刀の下に生き残りの武者を斬り捨てたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

天春御・優桃
雨の気配がする。
心なしか、纏う風鉄の刃を重く感じる。

肌に吸い付くような空のうねりだ。
足を掬いとるような地の静けさだ。

統べる。

さて、道を開けてもらおうか。

転地鉄塵、戴天空刃を展開。
UC「刃霞」で【空中戦】
【ダッシュ】【ジャンプ】【地形の利用】を組み合わせ、空中のみならず地上も【ダンス】するかのように舞う。

山は移ろ気だ。泣き出す前に終わらせてえな。
そうだろ。

【誘惑】【存在感】で攻撃を誘い【第六感】で被弾を最小限に止め反撃する。

ツワモノども。

アドリブ、連携歓迎
お好きに願います。



 ――雨の気配がする。
 心なしか、纏う風鉄の刃を重く感じる。

 山道を馳せる天春御・優桃(天地霞む・f16718)は、自らの武器の源である、周囲の物質を変化された塵鉄の微妙な重さに、天候の変化を感じた。大気中の物質を纏っているようなものだから、湿度や温度、気圧の変化には敏感なのかもしれない。

 ――肌に吸い付くような空のうねりだ。
 足を掬いとるような地の静けさだ。

 道沿いに咲き誇る紫陽花が音を吸収してしまうのか、しっとりと風のない山中に響くのは、優桃の忍びやかな足音だけ。

 しかし前方、三つの人の影が山道のカーブにちらりと見えた。
 すわ敵かと優桃は足を速め、それとほぼ同時にその人影も彼に気付いたのか振り向いた。

 薄暗い木漏れ日に、不気味な白い面の武者が3体。

――統べる。

 この湿った山を統べる。
 この不安定な空を統べる。
 この事案を統べる。
 それには、まずこの戦いを統べる……!

「さて、道を開けてもらおうか」
 纏っていた鉄塵を集め、展開するは転地鉄塵、戴天空刃。
「そよ風だ、危ねえぞ」
 ユーベルコード【刃霞】を発動すると、霞の羽衣の如くそよぎ吹く風が彼に纏い付くようにして発生した。だがこの風には塵鉄が含まれており、触れたものを刃のように斬るのだ。
 武者が山道を駆け下りてくる。盾の向こうから突き出された槍を、優桃はジャンプで躱し、そのまま頭上の太い枝に捕まり、大車輪のように一回転。斬りつけてくる刀を蹴り飛ばし、3体の武者の真ん中にこれ見よがしに飛び下りる。
「ツワモノどもを――統べてやる」
 シュン。
 飛んできた矢が頬を掠めたが、構うことはない。右手の刃を一閃、左手でもう一閃。剣舞のような優美な動きでワンステップを踏んだ時には、すでに2体の武者が倒れている。
 残る一体、盾を投げ捨てた武者が、仲間の怨念を纏い残像を伴うようなスピードで突っ込んできたが。
 ざわり。
 優桃の纏う刀霞がざわめき、切っ先が彼に届く前に武者は倒れた。
 紫陽花に見送られ、消えゆく武者の亡霊達を顧みることなく、優桃は山の頂きへと、オブリビオンのいる古城跡へと向かう。
「山は移ろ気だ。泣き出す前に終わらせてえな……そうだろ?」

成功 🔵​🔵​🔴​

馮・志廉
如何な怪異と言えど、オブリビオンと判っているのならば、恐るるに足らず。
形有るものならば、必ず滅ぼす事が出来るのだから。

三人組で互いの短所を補い合う、一種の陣法と見た。
ならば、こちらは『馮家身法』で縦横に跳び回り、三人を引きずり回して足並みを乱す。
やがて突出し、孤立した者から討つ。

刀楯には槍法を。間合いに勝るのを最大に利用して、槍で刀を絡めとる。
長刀には刀法を。柄を滑らせる様に刀を走らせ持ち手を狙う「単刀破槍」の技。
弓には拳法を。密着の間合いから陰の様に離れず、矢をつがえる間もなく、打つ。
己の技の長を活かし、敵の短を撃つのだ。



 不気味な面を被った三体の武者……彼らがこの世の者でことを、馮・志廉(千里独行・f04696)は一目で悟った。纏う空気が、明らかに生者のものではない。
されど、志廉は、凜々しい眉を上げ、堂々と亡霊たちと対峙する。
「如何な怪異と言えど、オブリビオンと判っているのならば、恐るるに足らず。形有るものならば、必ず滅ぼす事が出来るのだから」
武者は先手を取ろうというのか、早速動き出す。だが、その動きは想定内。亡霊たちは三人組で互いの短所を補い合う戦い方をすると聞いている。
「……これを、一種の陣法と見るのだ」
 突き入れられた槍を蹴り飛ばし、そこに射込まれた弓を地に伏せて避ける。
これぞ『馮家身法』。
縦横に跳び回り、まずは敵の攻撃を避け、足並みを乱すことを狙う。
 やがて焦れたように、最前列で盾を構えていた刀の武者が、大木を回り込んで横手から飛び出した志廉向けて斬りかかってきた。陣形から見れば、明かな逸脱行為だ。
「突出したものから……討つ」
 発動したユーベルコードは【馮門三絶】。刀法、槍法、拳法のいずれかを自在に使える技である。己の技の長を活かし、敵の短を撃つ。今回のような、それぞれ武器を使ってくる敵には相応しい。
「河南馮氏に三つの絶技有り。味わってみるか」
 刀の切っ先がまだ二尺も先にあるうちに、槍を突き出し刀を絡め取った。
 ギンッ!
 槍の穂先が刀の柄を弾き、取り落としたところに胸元を狙って容赦なく突く。
 その瞬間、背後から突き出された槍が志廉の脇腹を掠った。だが志廉は浅手に構うことなく握っていた武器を瞬時に刀へと変化させ、振り向きざまに槍の柄に沿って刃を滑らせる。槍の武者は、志廉の刀を跳ね上げようとしたが、滑らかな踏み込みと押し込む力が段違いであった。
 刀はそのまま滑るようにして、武者の手を斬り裂いた。
 その時。
ビィン、と弓弦が放たれた音が左手から聞こえた。
志廉は反射的に、今し方血祭りにあげた武者をひっつかむと、矢が射込まれてくると思しき方に投げ出した。
ダンッ、と音がして弓手の放った矢は味方へと突き刺さり、その時にはもう、志廉は弓手へと間合いを詰めている。
「ハッ!」
 二の矢を番う間もなく、武者の喉笛を志廉の旋風脚がえぐっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

紬雁・紅葉
…泣いて、哭いて、亡き果てて…
御鎮めせねばなりますまい

徐に羅刹紋を顕しUC発動

九曜、巴、鳳翔を適宜使い分け
敢えて正面からゆるゆると接敵
射程に入り次第破魔雷属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければUCと破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける
いずれもカウンター破魔雷属性衝撃波UCを狙う

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

地形を利用し包囲されるを避ける
一気に攻め上がるのではなく、引き寄せて迎撃を繰り返し戦線を押し上げる

時雨降り
村雨降り
そしていつかは空も泣き止む

幽かに笑み
道開けぃ

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



「……泣いて、哭いて、亡き果てて……」
 紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)は、悲恋伝説の姫に思いを馳せながら、紫陽花彩る山道を、ゆるゆると登っていた。
 敢えて敵に見つけてもらおうとでもいうような、舞にも似たその歩みに、思惑通りに3体の敵が駆け下りてくる。
「御鎮めせねばなりますまい……」
 徐に顕すは、羅刹紋【ムラクモ】。
 そして祝詞を唱え、舞い踊り、剣神へと変化する。
「掛けまくも畏き布都主の遍く剣とす御力お越し畏み畏み申し賜う……!」
 あくまでゆるゆると優雅な舞に、武者たちは与しやすしと見たか、無雑作に突き入れられた槍の穂先が捕らえたのは、紅葉の残像。
 本体はひらりと横手に回り、魔法剣・九曜を振るう。
「道開けぃ」
 静かに笑むその細腕から発せられるは、雷電を伴う破魔の衝撃波。
 その勢いに吹き飛ばされて、槍手は背後にいた盾を持つ仲間へとぶつかった。
 その機に乗じて突進する紅葉を止めようと、射手が矢を放ったが、すい、と持ち帰られた薙刀・巴によって容易く薙ぎ払われる。紅葉は踏み込む勢いを緩めず、巴をひとふり、またひとふり。
 槍手が倒れ、刀手の盾が割れた。
 壊れた盾を捨てた武者が大上段から振り下ろす刀から、紅葉は後方へと大きく跳んで逃げる。その時には薙刀は、倭弓・鳳翔へと持ち替えられている。
 ビィン。
 空気を揺らし放たれた矢は、空を切った刀を掠め飛び、正確に武者の首筋を捕らえた。
 残った射手は、倒れた仲間の怨霊を纏い、目にも止まらぬ速さで弓弦を引いたが、放たれた矢は、紅葉の巫女服の袂に穴を空けただけ。
 鬼神の速度で間を詰めた紅葉の九曜が、深々と鎧を貫き……それで仕舞い。

 消えゆく武者の怨霊を慰めるように、紅葉は謡う。
「時雨降り 村雨降り そしていつかは空も泣き止む」

成功 🔵​🔵​🔴​

鹿村・トーゴ
うーん…自刃とか娘心の執念てのはすげーや
浮気した許嫁はどうなったんだか…
って感想は置いといて、だ
怪談はいいけど惨殺事件はいただけないねェ

雨模様だし一番歩き易い山道に沿って登山
上方向からの攻撃を避けるのにいい木とか登り易い木は20~30歩ごとに確保しときたいかなー【忍び足/地形の利用/追跡】

先に敵を見つけたら樹上から
木に登れなければ飛び道具避けの木を確保して
UC虚蜂で
3体>弓使い>>自分から遠い敵、の順に仕掛け

自分も接近しクナイで直接斬り付ける
弱ってる奴から確実に仕留めるかな
囲まれるのも面倒だし…って言っても
敵からの攻撃はどうやっても受けるよなー
戦闘の間は【激痛耐性】で気を逸らしとくよ



「うーん……自刃とか娘心の執念てのはすげーや」
 鹿村・トーゴ(鄙村の忍者見習い・f14519)は、紫陽花山の悲恋伝説を聞いて、難しい表情になり腕組みをした。
「浮気した許嫁はどうなったんだか……」
 ろくな後生を迎えなかったと信じたい。
「って感想は置いといて、だ」
 トーゴは組んでいた腕を解き、ぽん、と膝を叩いた。
「怪談はいいけど惨殺事件はいただけないねェ……」
 見上げるは、これから彼らが怨霊退治に登る、小雨にけぶる静かな緑の山。

 雨模様ということもあり、トーゴは一番歩き易い道に沿って山を登り始めた。敵は山の上からやってくる。その上方向からの攻撃を避けるのに都合のよさそうな木や、登りやすい木を常に目に止めながら。忍の郷で育った彼にとっては、当然の心がけである。

「――!」

 カーブの向こうの紫陽花の紫が、ざわりと揺れたような気がした。咄嗟にトーゴは目をつけておいた枝振りのよい木に登った。雨のおかげでよく茂った葉が、自分の姿を下から見えにくくしてくれていることを確認してから、茂みを揺らしたのが、獣か、それとも敵かを見極める。
 果たして姿を現したのは、不気味な面をつけた3体の武者の亡霊であった。
 トーゴの気配だけは感じているのだろうか、用心深い様子でこちらに近づいてくる敵に対し、トーゴはユーベルコード【虚蜂】を発動した。
 ブゥゥン……。
 僅かな羽音だけを響かせ、見えない七匹の大型蜂が敵に襲いかかる。
「七針、お前たちの出番だな」
 見えない蜂たちの攻撃は、武者たちの足並みと陣を乱す。これぞトーゴの狙った展開。
「今だ!」
 ザッ。
 よくしなる丈夫な枝をバネのように使い、トーゴはムササビのように飛んで敵の頭を越えて背後に出た。始めに狙うのは、やっかいな弓使い。
 振り向く暇も与えずに、苦無を逆手に握りしめ首と後頭部の境目をザックリと斬り裂く。
 血飛沫を浴びることもなく身を翻し、次は刀手へと斬りかかる。だが、その刃は盾に遮られ、脇から槍が飛び出してきた。
「……つぅ」
 槍の穂先が太腿を掠めた。しかしトーゴはその痛みを激痛耐性でしのぎ、槍手には忠実な蜂たちが襲いかかる。
「てえいっ!」
 傷ついた脚をものともせず、トーゴは刀手の振りかざす盾を蹴り飛ばし、振り下ろされた刀を苦無で弾き返す。体勢を崩した敵の頭に、もう片手の苦無が、ガッとめり込んだ。
 刀手が倒れたのも確かめず振り向けば、見えぬ蜂に群がられのたうつ槍手の姿。
 雨を切り裂いて飛んだ苦無は、狙い違わず槍手の喉笛を抉り……山にはまた静けさが戻った。

成功 🔵​🔵​🔴​

愛久山・清綱
何故、かの者は最後に紫姫を裏切ったのだろうな……
伝承通り魔が差したのか、何か訳あってのことか。
だが、今は進まねばな。
■闘
義勇兵との戦いでは、刀に【破魔】の力を宿す。
俺も一応は戦巫女だ……迷える魂は救わねばならぬ。

攻撃時は敵の集団目がけて【空薙】による【範囲攻撃】を放ち、
一斉撃破を狙う。
放つ際は【早業】の抜刀で発動時間を短縮し、攻撃が【鎧無視攻撃】になるよう、『鎧で守られていない部分』を狙って放つ。

敵の攻撃は【野生の勘】で仕掛けてくる瞬間を【見切り】、
【武器受け】で受け流す。
衝撃波を放つ者が現れたら此方も【衝撃波】を放ち、相殺する。

兵(つわもの)たちよ……戦は終わったのだ。故に今は眠っておくれ。



「何故、かの者は最後に紫姫を裏切ったのだろうな……伝承通り魔が差したのか、何か訳あってのことか」
 愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は、怪談の主人公の紫姫ではなく、彼女を捨てた許嫁の男のことを考えていた。知識欲の強い彼としては、評判の美姫を挙式寸前に拒絶した男の心理に興味を抱いたらしい。
 しかし清綱は、しとどに濡れた山道に視線を向けた。
「だが、今は進まねばな」
 そう、今はこの緑と紫に彩られた道の先に待つ、敵を倒すのが命題である。

「……来たな」
 蛇の鱗を纏った手が、【破魔】の力を宿した刀の鯉口を切った。
 山道を駆け下りてくる敵は、不気味な面を被った武者3人組。姿といい、漂う邪気といい、見るからに成仏し損なった怨霊の類であるが、
「俺も一応は戦巫女だ……迷える魂は救わねばならぬ」
 迎える清綱の思いに迷いはない。初撃からユーベルコードで迎え撃つ。
「空薙……」
 敵が間合いに入ったとみるや、光のように抜かれた刀が空間を断ち切った。ズバリと断たれた空間に飛び込んできた武者たちの身も、その断面に沿うようにして裂けていく。
 しかし、武者たちは生身のものたちではない。裂け、歪み、血を流しつつも清綱に迫りくる。その姿はまさに怨霊。
 だが清綱は全く怯むことはない。
 槍手がぶんと槍をふり、発せられた衝撃波は、こちらも無骨な刀から衝撃波を放って相殺を狙う。だがそこに、後方から矢が飛んでくる。それはくるりと体を回転させ、傍らの木の陰に入ってやりすごす。
 その木の陰には、盾を投げ捨てた刀手が破れかぶれの勢いで斬りこんできたが、清綱の体がふわりと舞い上がった。
 刀手の頭を踏み台にして、更にもう一段跳んだ清綱は、槍手の間近に片膝をつき着地した。低い姿勢で飛び込んできた清綱を、槍の穂先はとらえ切れず、ガキリと牛の角をかすめたばかり。その時には、清綱の刃が槍手の喉笛を切り裂いている。
 次の瞬間弓手が再び放った矢は、素早く地面を転がり躱す。その手に握られているのは、いつの間にか大薙刀になっていた。
 常人には扱えぬ強大な武器も、清綱が操れば繊細な刃となる。薙刀の歯は弓手の鎧の脇にもぐりこみ、二度と立ち上がれぬ深手を与えた。
 迫る殺気に振り向きつつ、薙刀は再び今刀へと持ち替えられ。
 そこには、瀕死で近づいてくる刀手の姿。

「兵(つわもの)たちよ……戦は終わったのだ。故に今は眠っておくれ」

 面をつけたまま、首が跳んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎

まぁ、なんでもいいんだけどさ。人様に迷惑かけるのなら斬るしかないでしょ。

【選択UC(SPD)】(見切り)で敵の攻撃を捌きつつ、『炎蛇』(属性攻撃,追跡,誘導弾)と『煌刃』(目潰し)を【投擲】するよ! 一対多は苦にしないんだよね。天才だし私。
赤枝流剣術の基本はただ一つ、相手を斬る事。相手の隙を作って【ダッシュ】で懐に潜り込む。
あとはただ、斬るだけ。『月華』(鎧無視攻撃)の刃の煌めきにでも、見惚れてしまえばいいと思うよ?
まあ、私は見惚れた事、ないけど。そういう曰く付きらしいけどね。

「――とりあえずさ、迷わずに逝こっか?」



「まぁ、なんでもいいんだけどさ。人様に迷惑かけるのなら斬るしかないでしょ」
 元気者な上、自称・天才である紅葉・華織(奇跡の武術少女/シスコン師範代・f12932)にとっては、対峙している敵が見るからに禍々しい怨霊であっても関係ないらしい。
 ユーベルコード【天性の超直感】を発動すると、
「赤枝流剣術の基本はただ一つ、相手を斬る事!」
 紫陽花に彩られた山道の先へと、大胆に駆け上がっていく。
 ヒュン!
 風音がして、矢が射込まれた。だが、
「む。なんか危ない気がする?」
 根拠のない天性の閃きにより、華織は反射的に道に転がった。ザクッと音がして、矢が湿った土に突き刺さる。
 そこへ最前列で盾を構えてきた敵の刀手が駆け込んでくる。転がっている隙に斬りつけようというのであろうが、華織は更に転がりながら、
「そおれっ!」
 妖手裏剣【炎蛇】と閃光手裏剣【煌刃】を投げた。2種類の手裏剣は、その煌めきで敵の目を潰し、あるいは攻撃対象を火を纏いながら追いかける。3体の武者はたちまち混乱に陥った。
 その混乱に乗じて懐へと入ってしまえば、彼女の間合い。
「『月華』の煌めきにでも、見惚れれば思うよ?」
 曰く付きの青白い妖刀の煌めきが、敵の目を引き付ける。
「私は見惚れた事、ないけどね」
 何故か妖刀の煌めきは、使い手である華織自身には影響を与えない。
 飛び込み様にまずは槍手の胸元を一閃。
 それが倒れるのを確かめることもせず、振り返り様、刀手の背中にガツンとばかりに刀身をぶち込む。
 華織の技を得た妖刀は鎧を苦にすることもなく、続けて敵を屠っていく。
 崩れ落ちた敵に足をかけ、深々と入った刀身を引き抜いている時。
 ヒュン。
 また矢が射込まれる音が聞こえた。
 ガッ。
 今度突き刺さったのは、刀手が取り落としていた盾であった。華織が咄嗟に拾ったのである。
「てえいっ!」
 三の矢を番わせまいと華織は跳び、次の瞬間、パッと弓手の頸部から鮮血が散った。

 ――どうやら亡霊にも血のようなものが流れているらしい。

 無残に消えゆく3体の亡霊を見下ろしながら、華織は呟いた。
「――とりあえずさ、迷わずに逝こっか?」


 華織は敵の一隊を倒しても、勢いを緩めることなく山道を辿っていった。つづら折りで次第に狭く、そして急になっていく道の様子に、この山にあった古城はなかなか攻め難い造りをしていただろうことがわかる。
 そんな道のそちこちにも、紫色の紫陽花が、ぽつりぽつりとまるで案内表示のように咲いていた。
 道中、仲間の猟兵数人と合流したが、敵とは出会うこともなく、華織たちは山頂近くまで上ることができた。
 道はいよいよ狭く、天然の地形を活かした岩壁と土塁に挟まれた切り通しになっている。その先には大きな土台石がふたつ、道の両脇に残っていた。おそらく城門の跡であろう。

 ――つまり、ここから先が問題の古城の内部となる。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『行く末の予祝者『縁姫』』

POW   :    しあわせになりましょう
【過去を否定し悩みを消し去る舞扇】【現在を捨てる覚悟をさせる市松人形】【未来を定める幸福の手鞠】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    幸福はここにあります
無敵の【それぞれが思う思考停止を誘う幸福な風景】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
WIZ   :    私を守る優しい人達
【縁姫を愛した親類縁者】の霊を召喚する。これは【全ての苦痛を遠ざける優しい手】や【全ての敵を退ける力強い刀】で攻撃する能力を持つ。
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●2章
 構内に入ってしまえば、城跡は空虚な草原であった。痛んだ礎石や井戸の跡がかろうじて茫茫と茂った草の間に認められるだけ。
 その昔の戦で、ことごとく焼き払われてしまったのかもしれない。
 しかしがらんとした草原を囲むように、紫の紫陽花だけはここにも咲き誇っている。

 ――ふいに、その紫陽花の間から赤い振り袖姿の娘が現れた。美しい振り袖に、長い髪。手には人形を持っている。
 だが、娘の顔は、包帯で巻かれて見えない。

 この世のものではないと、猟兵たちは悟った。
 この娘こそ、紫陽花山の悲恋伝説に乗じ、村人たちを恐怖に陥れたオブリビオンに違いない。

『幸せになりましょう?』

 娘の見えぬ口が動き、その隣にボウと人影が浮かんだ。
 若い男だ。その男は娘に親密な様子でよりそった。

 まさかこの男、伝説の紫姫を裏切った許嫁ではあるまいな……?

●3章補足
 特に障害はありませんので、敵UCを参考に、色々語ったり、問答無用で戦ったりして頂ければと存じます。
↑ すみません、2章補足です!
黒鵺・瑞樹
共闘可・アレンジOK

一度想う心ごと葬った身としてはそれは効果あるとは思えないが。
確かにまたあの子に…。
だけど、もう奥底に沈めるって決めたから。
今折れてしまえたらって、俺のまま死ねたらって思う事もあるけど、けどきっとやるべきことがあるんだと思うから。
だからここに俺はいる。

右手に胡、左手に黒鵺の二刀流。
UC菊花を使用。代償は己が寿命。誰かを傷つける事は性に合わないから。
一撃ごとに【暗殺】を乗せ【傷口をえぐる】。
相手の攻撃は【第六感】【見切り】で回避。回避しきれないのは黒鵺で【盾受け】から【カウンター】を叩き込む。



 黒鵺・瑞樹(辰星月影写す・f17491)の耳に、娘らしいまろやかで柔らかな声の囁きが吹きこまれた。振り袖娘は何メートルも向こうにいるのに、その囁きは耳に唇が触れるような距離感であった。
 ぶるん、と瑞樹は囁きを振り払うように首を振り、「一度想う心ごと葬った俺に、そんな囁きが効果的だとは思えないが」
 声に出して精神攻撃を押し返そうとする。
 だが、心の隅が小さく震えるのは止めようがない。

 ――またあの子に……会えたなら。

 そんな思いがちらと脳裏を掠めた瞬間。
「……!?」
 彼の目の前に現れたのは『あの子』に似た人影。
「まさか……」
 だが、その人影は怯む瑞樹にスッと手を伸ばし、抱きついた。そして振り解く暇も与えず締め上げはじめる。ぎりぎりと、細腕からは想像もできない怪力で。
「折れる……!」
 鋼で出来た瑞樹の本体が折れそうな力を籠めてくるその腕には、ひとかけらの温もりもない。
 その苦しみと痛みの中、瑞樹は必死に自らに疑念をかき立てる。

 ――あの気持ちは、もう奥底に沈めるって決めたじゃないか。

 それでも、締め上げる腕の力にふと過ぎる弱い思い。

 ――今折れてしまえたら、俺のまま死ねたら、いいのかも。

 けれど、彼にはやるべきことがあるから。

「だからここに俺はいる……ッ」

 カッと瞳を見開き、瑞樹はユーベルコード【菊花】を発動した
「――はっ!」
 右手に胡、左手に黒鵺を一気に振り切り、まずは締め上げる腕を斬り裂く。緩んだ腕からすかさず飛び出し、急所を狙う。
 自在にナイフと打刀を操り、怪しい人影モドキをなますに刻んでいくうちに、彼は気付いた。
「……なんだ、全然あの子に似ていないじゃないか」
 ターゲットは、オブリビオンと自らの未練が見せた幻影に過ぎなかったのだ。
 最後の一刀は、黒鵺による深い深い胸への一撃。
 己が寿命を代償にした技により、瑞樹を悩ませた幻影は消え、その向こう、それを操っていた振り袖娘もがダメージを受け、ふらりとよろめくのが見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

風薙・澪
姿を乗っ取ったのか、融合したのか、それともただの模倣なのか、わからないけど、成すべきことは一つ。全力を以て倒すのみ

とりあえず、剣撃を中心に攻撃を仕掛けて様子を見ながら相手の攻撃の合間の隙を伺い、ここぞのタイミングを見計らって、三界祝聖で攻撃力を主に強化し致命打を狙いに行く
詠唱の隙は銃撃でカバー

脚に攻撃を入れることができれば、ほかの人たちがこの後攻撃ししやすくなるはず

UCを封じられたら剣、銃、投擲剣、小弓と攻撃の手段を細かに変えて、攻撃し、味方が攻撃する隙を作り出せるように支援する


アドリブ可、連携可



「姿を乗っ取ったのか、融合したのか、それともただの模倣なのか」
 仲間にいやらしい精神攻撃を仕掛けている振り袖娘を観察しながら、風薙・澪は呟く。
「わからないけど、成すべきことは一つ」
 このオブリビオンが、悲恋伝説の姫君の容姿と魂、そして残した想いを乗っ取り、エネルギーとしているのなら、おぞましい限りだが。
「全力を以て倒すのみ!」
 今はそんな面倒なことを考えている場合ではない。

 精神攻撃を打ち払った仲間の一撃に、振り袖娘がよろめいた、その瞬間を逃すまいと澪は飛び出した。
 まずは銃を手に、敵の懐を目指して駆け込みながらユーベルコード【三界祝聖】を発動する。
「永遠に遍く揺蕩し、幾多数多の精霊達よ。炎に揺らぎ、水に移ろい、風に駆ける者達よ。その力、一時なれど、我に授けん」
 炎・水・風のそれぞれの精霊が澪に宿り、全身を輝かせ、力を漲らせた。
『きて……私を守る優しい人達』
 同時に振り袖娘が呟き、正体不明の若い男が現れ、娘を庇う位置に立ちはだかった。澪の突進を防ごうというのか、男の手には脇差しらしき、短めの刀が光っている。
「あんたの出る幕じゃないわよ、どうせ紫姫の思い人じゃあないんでしょ? いやそもそも、こんな気持ちの悪い怨霊が、紫姫であるはずもないわね」
 銃を構え、電光石火の早撃ちで牽制し、男の横へと回り込む。急所に当たらずとも構わない。その銃弾は精霊の力を借りて威力を増しているはず、足止めには充分だ。
 目指すは振り袖娘のみ。
 急ブレーキをかけ、ザッ、と茂った草の上を横滑りしながら方向転換。銃を剣に持ち帰る。敵は澪の鋭角な動きについてこれない。
「脚に攻撃を入れることができれば、後続がこの後攻撃ししやすくなるはず……!」
 氷魔剣【凍華】の白いひらめきが、流れるように振り袖娘に肉薄する。間合いに入った瞬間、ゆらゆらと白い氷気を立ち上らせた刃は、狙い通りに深く脚を抉った。
『ぎゃあぁ』
 振り袖娘が、その醜い本性を現すかのような悲鳴を上げた、その悲鳴の中、銃弾をくらい呻いていた幻の許嫁も、ふ、と消え失せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馮・志廉
伝説の姫君などではあるまい。
あれは、オブリビオン。染みだした過去の物質化したもの。
故に、斬れる。

舞扇。過去を無かったことにすると言うのか。
あの時斬ったあいつも。この手で斬った友も。哀しみは残れど、悔いは無い。
市松人形。現在を捨てる覚悟。
今更だ。侠に生きると決めたときから、己の命は己のものでは無い。
手鞠。幸福な未来か。
己の内の滾る想いに蓋をして幸せに過ごす。それができぬからこそ、俺は武を振るうのだ。

このような佞言は、斬らねばならぬ。
迫るユーベルコードは、『馮家断魂斬魄刀』で斬り落とす。
本体も同じだ。村人達を惨殺した報いは、受けてもらう。



「伝説の姫君などではあるまい――」
 仲間の猟兵たちと、振り袖娘との戦いを目の当たりにし、馮・志廉は確信を持って劈空刀を腰間から疾らせた。
「あれは、オブリビオン。染みだした過去の物質化したもの――故に、斬れる」
 志廉も迷いなく、敵目がけて疾る。
 発動したユーベルコードは【馮家断魂斬魄刀】
「魂魄ともに、一刀にて」
 愛刀に内なる力が籠もってゆく。
 しかし、その道を妨げるモノが出現した。

『しあわせになりましょう?』

 娘の声と共に、まずは舞扇が志廉の視界を防ぐ。
 過去を否定し悩みを消し去る舞扇が、志廉の記憶から過去を切り離そうとする。
――過去を無かったことにすると言うのか。あの時斬ったあいつも。この手で斬った友も。
 侠である志廉に、つらい過去は多い。
けれど。
「哀しみは残れど、悔いは無い」
 ばらりずん、と扇の骨を斬り落とす。

 しかしすぐに、不気味な市松人形が抱きついてきて、今この時を捨てて逃げ出すようにと囁きかける。
 今この時……戦いの時。侠としての、猟兵としての人生。
 志廉は鼻で嗤う。
「現在を捨てる覚悟?」
 人形の首が躊躇いなく斬り飛ばされた。
「今更だ。侠に生きると決めたときから、己の命は己のものでは無い」

 そこへ転がってきたのは、美しい御殿手毬。幸福な未来を定めるというそれは、ゆっくりと、しかし確実に志廉の足下へと近づいてくる。お前はこれを拾わずにいられるのか? と問うように。
「……幸福な未来か」
 志廉は呟いた。だが、彼は己を知っている。
「己の内の滾る想いに蓋をして幸せに過ごす。それができぬからこそ、俺は武を振るうのだ!」
 ダンッ!
 地まで貫き通す勢いで志廉は刀を手毬へと突き刺した。

「このような佞言は、断じて斬らねばならぬ!」
 もう志廉の道を妨げるものはいない。
 疾る。
「村人達を惨殺した報いは、受けてもらう!」
 寒光を放つ名刀が、ざっくりと赤い振り袖を斬った。

成功 🔵​🔵​🔴​

鹿村・トーゴ
…許嫁は奴に唆されたのか?普通に見れば気味悪いと思うけど
幸せ、ねェ
まァ色仕掛けとかじゃなく
こんな誘惑だった、てなら仕方ない気もする
…生温い理想って目を逸らし難いだろ
それを手段に村人惨殺事件じゃあ悪趣味としか言いようねーな?

他の仲間への【援護射撃】も兼ねて【UC菜靡】
包帯の緑姫、持ってる人形、寄り添う影にも警戒して標的に
効果が終了して手元にクナイが戻れば緑姫に接近して斬り付ける

お姫さん、あんたは本来どんなお人だったんだろーね
お付きも多い高貴で優しい人だったのかもな
今は狂っちまったようだけど

まーオレは失くした幸せな風景ってやつ見るの嫌いじゃねえよ
あの子もオレも変らず里に居て…戻れたらいーのになァ



「……もしかして、紫姫を裏切った許嫁は奴に唆されたのか?」
 鹿村・トーゴは件の悲恋伝説にも、このオブリビオンが関わっていたかもしれない、と考察を巡らせていた。
「普通に見れば気味悪いと思うけど……幸せ、ねェ」
 古城跡に、顔を隠した振り袖の娘。普通ならば気味が悪いと思うに決まっている。
「でも、まァ色仕掛けとかじゃなく、こんな誘惑を受けた、ってなら仕方ない気もする……生温い理想って目を逸らし難いだろ」
 見せられた幸せの風景が、紫姫との将来ではなく、他の娘との将来だったとしたら……。
 揺らぐ男心が少しわかるような気はしたが、
「なんにしろ、それを手段に村人惨殺事件じゃあ悪趣味としか言いようがねーな!?」
 仲間の猟兵たちの攻撃により、弱った様子を見せるようになった振り袖娘を封じ込めるべく、
「燈の花は刀の禍に転じて靡け黄の菜花……、菜靡の術な!」
 ユーベルコード【菜靡】を発動した。
 ザアッ!
 武器装備が転じた無数の菜の花びらが渦巻き、振り袖娘を覆いつくした。
 しかし、その黄色い渦の中から。

『しあわせになりましょう?』

 か細い声が聞こえて、舞扇と市松人形、そして手鞠がトーゴ目がけて飛んできた。
「クッ、しまった」
 現在、全ての武器が菜の花びらとなって振り袖娘を攻撃している。すぐにユーベルコードを一部解除して、手元に2本だけクナイを戻し、飛んでくる妖具とも言うべき妖しい武器を叩き落とす。
 だが、全てを叩き落とすこと叶わず、トーゴの顔に、ふぁさり、と舞扇が覆い被さった。

 見えたのは、懐かしいあの里……。

「やめろ! オレは亡くしたくないんだ!!」
 景色に見入りそうになったトーゴは、気合いで舞扇をひっぺがした。
「オレは失くした幸せな風景ってやつ見るの嫌いじゃねえんだ! あの子もオレも変らず里に居て……戻れたらいーのにって思うくらいにな!!」
 クナイを握り、黄色い渦に向かって突っ込んでいく。
「お姫さん、あんたは本来どんなお人だったんだろーね。お付きも多い高貴で優しい人だったのかもな……今は狂っちまったようだけど」
 黄色い渦の中にトーゴも身を投じ、苦悶の舞を踊る赤い振り袖にクナイを振り上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎

あー、うん、何か見えてるし、それで攻撃の意志を逸らしたいんだろーけどさあ……それで止まる訳ないでしょ?

さて。
攻撃とかは【見切】れるから問題ない。縮地や【ダッシュ】で十分。後は接敵して斬るのみ。――そう、斬る事こそが剣士の本領。
【選択UC(SPD)】、ただ、寄って斬る、のみ。
剣士が敵を倒すためには、敵に寄り、斬る、という行為があれば十分。
不意をついて【月華】(鎧無視攻撃)の一振りで終わらせる(暗殺)。

「――どうでもいいからさ、迷わずに逝ってよ」


パラス・アテナ
気に入らないね
未来、ってのはアタシ自身の意思と、周りの連中の都合で決まるもんだ
自分の都合で他人の意思をねじ曲げるアンタには、アンタが望む幸せな未来なんざ上等過ぎるね

命中重視の【一斉射撃】で攻撃
二回攻撃、鎧無視攻撃で火力を上げるよ
敵UCは見切りと第六感で徹底回避
アンタの未来に用はないよ
現在はアタシのものだ
舞扇を食らったら、呪詛耐性と激痛耐性で堪える

消えそうになる記憶を意思の力と腕を掠めて撃つ自分の銃弾で繋ぎ止める
アタシから過去を奪うのは許さない
あの連中を弔うまでは背負うと決めたんだ
それがどんなにしんどくてもね

縁姫
アンタとは二度目だね
覚えてないだろうけど
いずれ完全に骸の海へ還してやるから覚悟おし



『幸福は、ここにあります』

 娘のそんな囁きに、紅葉・華織はふいに懐かしい景色に包まれた。
 見えているのは、家出してきた家か、それとも放浪中に世話になった親切な人々の顔か……いずれにしろ、見惚れてしまいそうになる、それできゅっと胸が痛くなる懐かしい光景。
「あー、うん、何か見えてるし、それで攻撃の意志を逸らしたいんだろーけどさあ……」
 強気に嘯いてはみるものの、そこに留まりたい気持ちが沸いてきてしまうのは、敵の術中にはまりつつあるからか……?

 だがそこに。
「そこ! ……全く気に入らないね」
 ズガガガガガ……!
「未来、ってのはアタシ自身の意思と、周りの連中の都合で決まるもんだ。自分の都合で他人の意思をねじ曲げるアンタには、アンタが望む幸せな未来なんざ上等過ぎるね」
 冷徹な中年女の声と、激しい銃撃の音が割り込んだ。パラス・アテナ(都市防衛の死神・f10709)の【一斉射撃】であった。命中力重視で撃ち込まれる弾丸が、正確無比に振袖娘に浴びせかけられる。
 援護射撃のおかげで、華織を嵌めつつあった精神攻撃は緩んだ。
 しかし、振袖娘はアテナにターゲットを変えた。

『しあわせになりましょう?』

 舞扇、市松人形、手毬がアテナめがけて飛んでいく。そのどれもが、ふわふわと、ひらひらと、ころころと、武器とは思えないゆるさで飛んでいくのに、百戦錬磨の戦士であるアテナが、何故か一瞬の怯みを見せた。

 そこへ。
「私も、止まったわけじゃないよ!」
 華織が仲間への精神攻撃を阻止しようと走り出した。
「接敵して斬るのみ。――そう、斬る事こそが剣士の本領」
 選択したユーベルコードは赤枝流剣術【唯寄斬】。
「剣士が敵を倒すためには、敵に寄り、斬る、という行為があれば十分」
 華織は彼女自身の幻影を見切った。見えているのは赤い振袖の娘のみ。仲間の猟兵の攻撃により、振袖はぼろきれのようになり、顔を隠した包帯も解けかけている。
 術で作り上げた幻影を、仲間の援護と、自身の気合と力業で突破した華織の姿に、振袖娘は解けかけた包帯の隙間から覗いた目を剥いた。丸く見開かれた目はまるで爬虫類のよう、そして隠された顔は……闇であった。
 だが、華織は怯まない。
 見る間に肉薄してくる華織の視界をふさごうとでもいうのか、振袖娘が長い袖を跳ね上げた。
「たあっ!」
 華織は跳んだ。
 生き物のように跳ね上がった振袖を飛び越え、
「――どうでもいいからさ、迷わずに逝ってよ」
 目いっぱい振りかぶった妖刀【月華】の一刀が、振袖娘の黒髪を、バサリと断ち切った。

 その瞬間、アテナも頭から覆いかぶさってきていた舞扇を、
「アンタの未来に用はないよ。現在はアタシのものだ!」
 自身の銃撃の勢いで吹き飛ばしていた。その銃弾はアテナの腕をもわずかに掠め、血が飛沫いた。
 舞扇のもたらす呪いめいた記憶操作を、強固な意思の力と、自らの腕を敢えて掠めさせた銃弾で繋ぎ止めたのだ。
「アタシから過去を奪うのは許さない。あの連中を弔うまでは背負うと決めたんだ……それがどんなにしんどくてもね」
 アテナは拳銃を構えなおす。もう幻影も、痛みも忘れている。
 これが戦士の覚悟だ。どんな悲惨な過去も現在も未来も、すべて受け止めてみせる。
「縁姫、アンタとは二度目だね」
 ただ、今はギリリと奥歯を噛みしめ、ターゲットに向けて銃口を向けるだけ。
「しぶとく蘇ったアンタは覚えてないだろうけど、いずれ完全に骸の海へ還してやるから覚悟おし!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

愛久山・清綱
彼奴らは何者だろう……
かの物語に出てくる二人なのか、其れとも別の何かか。
……ふふっ。やはりこうして考えるのは楽しいものだ。
不謹慎かもしれんが……これが俺の「幸せ」かもな。
■闘
だが、今は戦わねばならん。
邪念を討ち祓うため、身体に【破魔】の力を宿すぞ。

3つの道具が飛んで来たら【野生の勘】で軌道を【見切り】、
『最も狙いやすい道具』目がけて【衝撃波】を放ち回避を狙う。
避けきれない時は【呪詛耐性】と【狂気耐性】で耐える。
「全て」で無ければ技を封じられまい。

好機が来たら、敵の懐まで【ダッシュ】で急接近。
【破魔】の力を最大限まで込めた【剣刃一閃】を放ち、
その邪念ごと切り伏せてみせる。

※アドリブ・連携歓迎



「彼奴らは何者だろう……かの物語に出てくる二人なのか、其れとも別の何かか」
 振り袖娘と、彼女に親密な様子でよりそう若い男を観察しながら、愛久山・清綱はまた思索を巡らせていた。
 オブリビオンが、この地に残る紫姫の思いに取り込まれ成した姿なのか。それとも悲恋伝説を利用しただけの、過去の遺物の仮の姿にすぎないのか。可能性は様々考えられる。
「……ふふっ。やはりこうして考えるのは楽しいものだ。不謹慎かもしれんが……これが俺の『幸せ』かもな」
 仲間がいなければ、また仮初めでも安らぐ場所がなければ、思索にふける機会すら持てまい。
「――だが、今は戦わねばならん」
 敵の正体が何であろうとも、邪念を纏ったものであることは確かだ。清綱はまず、身体に【破魔】の力を宿した。
 それを見計らっていたかのように、

『しあわせになりましょう?』

 清嗣を狙って3つの呪具が飛んでくる。
 どれもゆっくりとしたスピードだ。その気になれば清綱の腕ならば、3つ全部を叩き落とすことも可能であろう。
 だが、敵が技を放ったばかりの今は、攻撃の適機でもある。
「『全て』でなければ、技を封じられまい!」
 清綱は手毬に向け衝撃波を放ち、弾き飛ばした。
 未来を選んだのは、それが見たくなかったからではない。単に最も撃ち落とし易そうだったから。
 敵に向けて走る清綱に、舞扇が纏わり付き、市松人形がすがりつく。
 呪具の影響で脳裏に否応なく浮かんでくる光景は、故郷での戦、武術家としての、巫覡としての厳しい修行。そして猟兵として生きる現在の日々……。
 これらの過酷な経験を全て、忘れられたら――。
「――鋭!」
 清綱は、武術家としての気合いと【呪詛耐性】と【狂気耐性】でその誘惑に耐えた。
 舞扇を引き剥がし、市松人形を踏みつぶして清綱は走った。
「その邪念ごと切り伏せてみせる!」
 発動したユーベルコードは【剣刃一閃】。破魔の力を最大限にまで籠めた刃の前に、呪術を破られたオブリビオンなど敵ではない。
「破っ!」
 抜き打った一刀が、叩きつけられるように振り袖娘の肩口へと振り下ろされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天春御・優桃
伝説の裏にも、影ってか。
全くいつから此所に居たんだか。

ひたすらに憂うような過去はないが、命の果てなき神故に、別れは何度も経験してきた。

だから。
いや、だからこそか。

「過去も、現在も無かったことにゃしたくねえし、未來も勝手に決められちゃあ困るんだよ」

全力の【属性攻撃】、UC羽斫を広げ【ダッシュ】【ジャンプ】で斬りかかり、手鞠を迎撃する。

ああ、幸せになりてえさ。
今は雨が降る前に、終わらせられりゃ幸せか。
傘を忘れてな。

【空中戦】はお手の物だ。跳ねる手鞠も【第六感】合わせて刻んでこう。

済まねえな、幸せが何かまで悟っちゃいねえんだ。
霊達は、幸せそうか?

分からねえか。



「伝説の裏にも、影ってか」
 天春御・優桃は、むしろ痛々しげに、仲間たちの攻撃を受ける振り袖娘を見つめていた。
「全くいつから此所に居たんだか――」
 これほどの力を持つために、どれだけの間骸の海に沈み、そしてこの伝説を持つ城で、どれだけの悲しい魂たちを喰らってきたのか。
 しかし、悲しい妖の存在を憂う神の心さえをも、振り袖娘は求める。

『しあわせになりましょう?』

 飛んでくる、舞扇、市松人形、そして手鞠。

 ひたすらに憂うような過去はないが、命の果てなき神故に、別れは何度も経験してきた優桃は、甘んじてそれらを受け止めたいような気分になる。
 別れにも、色々あった。ひたすらに、つらい別れ。悲しい別れ。気高い別れ。
 その記憶は、彼の脳裏にくっきりと刻み込まれている。
 自分の記憶や未来でよければ、いっそ、この哀れな存在のために……。
「――いや」
 だから。
 いや、だからこそか。
「過去も、現在も無かったことにゃしたくねえし、未來も勝手に決められちゃあ困るんだよ」
 走馬燈のように過ぎる彼の膨大な記憶に比べれば、3つの呪具の動きはまるでスローモーション。
「大盤振る舞いだ」
 纏う砂塵が脚に集まり、双翼の大刃と変化させる。高く跳び上がり、遊ぼう、と誘うように弾んで飛んでくる手鞠を、スパリと脚の刃で果実のように真っ二つに断ち割った。
 纏わり付こうとする舞扇と市松人形は無視だ。少しくらいの思い出はくれてやる、現在だって、今この時過去になるのだから――といわんばかりに、もうひとっ飛び。

 ――ああ、幸せになりてえさ。
 今は雨が降る前に、終わらせられりゃ幸せか。
 今日は、傘を忘れてな。

 高く跳んだ優桃を見上げる振り袖娘の半ば包帯の解けた顔は、金色の爬虫類めいた瞳が光るだけの、ただの暗黒。

 ――済まねえな、幸せが何かまで悟っちゃいねえんだ。
 なあ、ここにいた霊達は、幸せそうか?

 呟く問いに、もちろん答えは返ってこない。

 ――分からねえか。
 分からねえよな。

 振り袖娘に、天翔る神の一撃を避ける力は、もう残ってはいない。
 烈風と砂塵が、哀れな存在を散り散りに吹き飛ばし――。


「――終わったか」
 古城跡の空気が変わった。
 雨に洗われた空気が澄み、咲き誇る紫陽花の紫が夜目にも鮮やかに見える。
「皆……逝ったかな」
 猟兵たちは小糠雨そぼ降る夜空を見上げた。
 紫姫と、古城に留まっていた強者共の霊は、振り袖娘と共に骸の海へと還ったのだろうか?
 それは彼らには判断できぬが、紫陽花山の安全が取り戻されたのは確かだ。これで、村人たちも紫陽花を見に、山に登ることができるだろう。
村人と、猟兵と、皆で紫陽花を愛でることが、哀れな魂の供養にもなるかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『時期遅れの花見祭り』

POW   :    食料の調達、屋台建設

SPD   :    屋台の手伝い(調理)

WIZ   :    屋台の手伝い(価格計算等)

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●3章
 山を下りた猟兵たちは、麓の村の人々に、紫陽花山を脅かしていた怪異を撃破したことを報告した。
 夜が明け、猟兵たちと紫陽花山に登ってみた村人たちは、山と古城跡に静けさが戻っていることに、大いに喜んだ。
 山に平和が戻ったことを喜び、また猟兵たちへの感謝の気持ちを込めて、村人たちは、即席ながら、紫陽花の花見祭を開催してくれるという。
 周辺の町村からの花見客も当て込んでいるのだろうが……気持ちは嬉しい。
 梅雨明けは近いが、山には小雨が降り続き、紫陽花は美しく濡れていた。

●3章補足
 村人がプチ紫陽花祭を開いてはくれますが、自由に古城跡の紫陽花を楽しんでくだされば結構です。
 ユーベルコードの例のように、村人と祭を楽しむもよし。
 ひとりで、または同行者と静かに紫陽花を嗜むもよし。
 主な紫陽花の見所は、古城に続く山道沿いと、古城内の広場のような草っ原(戦場にもなったところ)です。
 山が平和になった、しかも祭と聞いて、待ちかねていた近隣町村の住民たちも大勢花見にきています。
 鬼照もこの章は登場できますので、ご要望がありましたらお声がけください。多分、古城跡で草刈りとかしてると思います。

 尚、この章は成功🔵数が少ないので、

※※この章のプレイング募集は、7/24 8:30~7/27 17:00頃とさせて頂きます※※

(🔵が満たなかった場合や、プレイング返却時刻までに余裕があった場合はこの限りではありません)
 
黒鵺・瑞樹
紫陽花と古城跡を見ながらふらふら探索。
残った石垣とか曲輪跡とか見て過去に思いをはせる。
オブリビオンは過去からよみがえったもの、とは言うけれど過去というものすべてが悪いわけでもない。
過去があるから今があって未来がある。
まして俺はヤドリガミは。大切にされたという過去があるから今こうしているんだもんな。

描写自体はさらっとでOKです。


鹿村・トーゴ
死んだ村人もいたんだよな…
あ、この話持ってきた羅刹のにーさん、あの人坊さんだっけか?
お弔いの準備なりあるなら手伝うし、無いなら…
せっかくだ紫陽花見物をしてこよーか

アレ?結構な人出じゃねーか
こういう地元の祭りに混じるのはちと苦手…かも
(古城への山道沿い、人を避けて樹上を移動し)
山で見晴らしのいい場所でも探そ
お祭りで屋台で食べ物を少し分けて貰うか買って
連れた鸚鵡のユキエと花見
ほらユキエ、あれ全部紫陽花だぜ(とか教える
先の仕事で見知った志廉を見掛けたら相変わらず真面目そうだなー、と思ったり
花見の邪魔しちゃ悪いから声は掛けないけどね

この花見自体、紫姫の供養なわけだよな
自分も少しは神妙にお祈りしておこう



 戦いの後の熱を冷まそうかというように、黒鵺・瑞樹は、紫陽花に彩られた古城跡を、ふらふらと探索していた。
「あぁ……この広場は、曲輪跡なんだなぁ」
 明るいところでよくよく見てみれば、かつてあった城の構造が段々と見えてくる。昨夜の戦場は、門のすぐ内の曲輪であったようだ。
 その隅から山道の方を見下ろすと、古そうな石垣。のぞき込めば、まっすぐに山道まで切れ落ちている。
「こっちの石垣は……堀切跡かな? そうか、このあたりの山道は昔の堀だったんだ」
 地形を上手く利用した、石造りの城であったようだ。
「オブリビオンは過去からよみがえったもの、とは言うけれど過去というものすべてが悪いわけでもない」
 石垣の足下にも、紫の紫陽花が咲いている。戦国時代を物語る古い石垣と、麓の村人たちが植えた紫陽花、その調和もまた風流なもの。その調和を目にすると、過去があるから今があって未来がある……という気分になる。
「まして俺ら、ヤドリガミは」
 自らの身に思いを馳せる。
 そして自分を、ヤドリガミになるまで大切に使ってくれた主のことも思い出す。
 いや、思い出すまでもない。瑞樹は、常に主への想いと共に在る。
「……大切にされたという過去があるから今こうしているんだもんな」


「死んだ村人もいたんだよな……」
 鹿村・トーゴは、山が平穏を取り戻した途端に、祭の準備をはじめた村人たちに、少々複雑な思いを抱いていた。
 生きている者は明日の糧を稼がねばならぬし、祭が死者の供養になると彼らが考えていることも知っているけれど。
「あ、この話持ってきた羅刹のにーさん、あの人坊さんだっけか?」
 トーゴは、戦場であり、祭の会場でもある場内の広場でせっせと草刈りをしている鬼照に声をかけた。このたびの奇禍で亡くなった方の弔いはどうなっているのだろうか。
「死者が出てから日数も経っておりますし、個々の葬儀は済んでおられるようです。この祭にもお供えを用意するそうですが」
 鬼照は汗を拭きながら立ち上がり、
「拙僧も気になっていたところでござる。拙僧の拙いものでよろしければ、念仏など奉ろうかと存じまするが、よろしければご一緒にいかがか?」
 2人は会場から更に登り、かつて出曲輪であったとおぼしき見晴らしのよい場所へと移動した。
 紫陽花山を眼下にして、雨の中、鬼照は念仏を唱え、トーゴはそれを聞きながら瞑目する。
「この花見自体、紫姫の供養なわけだよな……神妙にお祈りしておこう」

 多少なりとも心の平穏を取り戻したトーゴが、祭会場の広場へと戻ってみると。
「アレ? 結構な人出じゃねーか。こういう地元の祭りに混じるのはちと苦手……かも」
 それでも屋台で甘酒とお焼きをわけてもらってから、
「山で見晴らしのいい場所でも探そ」
 山道沿いに人を避けて樹上を移動し、見晴らしのよい枝の上に落ち着いた。茂った葉が雨除けにもなって具合がいい。
 雨にけむる山道が麓まで一望でき、その道沿いにはまるでぼんぼりのように紫色の花が浮かんでいる。
「ほらユキエ、あれ全部紫陽花だぜ」
 肩にとまる鸚鵡のユキエと共に、景色をふたり占めだ。

 その眼下を見覚えのある男が通った。以前の仕事で知り合った猟兵仲間だ。
「相変わらず真面目そうだなー」
 でも、声はかけないでおく。彼もまた紫陽花の風情に浸っているように見えたので――邪魔はしたくない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

愛久山・清綱
山に潜む怪異を倒した。山の安寧は取り戻されたが、
結局何もわからずじまいで終わってしまった。
(……知りたかったなぁ)
■行
さて、俺は一人で花見でもするか。
可能な限り、人のいない場所に向かおう。

花には詳しくないが……確か、紫陽花は色が変わるのだよな。
白かったものが青や赤になり、最期は茶色になって散る……
隆盛からの凋残。その様はまさに、諸行無常の理を表すよう。

(ちらりと紫陽花を見る)
そう、こいつだ。完全に色褪せ、今にも散ってしまいそう。
俺も何れは只々世の理に呑まれ、この紫陽花のように……

……いや、今は考えなくていいな。俺は俺の道を行こう。
如何なる艱難辛苦が待ち受けようとも、進み続ける……

※アドリブ歓迎



「山に潜む怪異を倒した。山の安寧は取り戻されたが、結局何もわからずじまいで終わってしまった」
 見事に任務を終えたというのに、愛久山・清綱は微妙に不満顔である。紫姫の伝説や、城の由来、オブリビオンがここを拠点とした理由など、知りたかったことは山ほどあるのに、ほとんどが謎で終わってしまった。
「……知りたかったなぁ」
 等とつぶやきながら、清綱は祭会場に背をむけ、可能な限り人のいない場所を探して城跡をそぞろ歩いている。
「花には詳しくないが……確か、紫陽花は色が変わるのだよな。白かったものが青や赤になり、最期は茶色になって散る……」
 土壌の酸性度によっても色が変わるらしい。その色の移り変わりは、
「隆盛からの凋残。その様はまさに、諸行無常の理を表すよう」
 清綱は、城の最奥、おそらく主曲輪があったとおぼしき小さな台地まで行きついていた。だが、ここは木々が払われてはおらず、遺構は確認できない。
 そこにも紫陽花は咲いており、その中の一株に清綱は目を奪われた。茶色く干からびた、散りかけの紫陽花に。
「そう、こいつだ。完全に色褪せ、今にも散ってしまいそう。俺も何れは只々世の理に呑まれ、この紫陽花のように……」
 戦い続けて、戦場の花と散るか。
 生き延びて、老残をさらし、この花のように干からびて逝くのか。
 どちらにしろ、人の命には限りがある。
「……いや、今は考えなくていいな。俺は俺の道を行こう。如何なる艱難辛苦が待ち受けようとも、進み続ける……」

大成功 🔵​🔵​🔵​


トーゴが木の上から姿を見止めた戦友とは、馮・志廉であった。
「花を愛でる風流は縁遠いが、村人たちの生活が戻ったのは、喜ばしいな……」
 志廉は、村人が勧めてくれた醤油団子を囓りながら、見所である山道をゆったりと上っている。
「確かにきれいだ。そして、聞いた通りに、紫色の花ばかりだな」
 昨夜、敵を倒しながら辿った道とは思えないくらいに、紫陽花は雨を纏って美しい。そして傘を差し、あるいは簑笠姿の人々の表情は、雨の中とは思えぬくらい穏やかだ。

 志廉が古城跡まで上りつくと、鬼照の姿を見つけた。草刈りは一休みなのか雨が避けられる木陰に座っている。
「確かに、ここの紫陽花は紫色ばかりだな」
「ええ、見事に紫のみでござるな」
 山道だけではなく、城の中の紫陽花も全て紫色である。
「こんな真似をするとは、オブリビオンも手の込んだ事だ」
 そう言うと、鬼照は少々困った顔になり。
「ええと……志廉殿、この山の紫陽花は、オブリビオンの凶行が始まるずっと前から……そう、村人が花見のために紫陽花を植えはじめる前、天然の樹しか咲いていない頃から、紫一色であったという話でござる」
「え……つ、つまりそれは……古城で戦死した武者や、紫姫の祟りとか……そういう……?」
 志廉の顔色が、心なしか紫色になった。
 オブリビオンならば、どんなに不気味で恐ろしいモノでもびくともしないが、実は怪談の類いが苦手なのである。百戦錬磨の武侠でも、弱点はあるのだ。
「そうか……うむ。ハハハ……」
 乾いた笑いで誤魔化す志廉の様子に、鬼照は何事かを悟った様子で。
「そういえば以前庭師より、紫陽花の色は、土の質で変わると聞いたことがあるでござる。だとすれば、山全体の紫陽花の色が同じでも不思議はござらんな?」
 鬼照の説に、志廉の顔にみるみる血の気が戻る。
「おお、そうか、そうなのか! なるほど土の質な! 納得したぞ! ハハ、ハハハハハハ……!」


「この世界の四季は、いつ見ても飽きないねェ……」
 パラス・アテナは、紫陽花に重ねるようにして、古城跡の石垣を見上げていた。
「紫姫も大概不運だね。浮気されて自暴自棄に成って山に登っただけなら良かったのに……古城跡でオブリビオンみたいなヤバい奴に遭っちまったんだろうかね」
 悲恋伝説のヒロインは、古城跡で何を見たのか、何に出会ってしまったのか。そして……。
「紫姫が縁姫になったのか。それとも、紫姫の魂が縁姫に取り込まれたのか……今となっちゃ、知りようもないことだけどね」
 何にしろ縁姫は、パラスたち猟兵の手で骸の海へと還されたのだから……。
 哀れと思う気持ちが微かな胸の痛みとなり、振り払うように視線の向きを変えると、紫陽花越しに草刈りを再会している鬼照が見えた。近づいていき、声をかけると、
「村人の手伝いかい? アンタも真面目だねぇ」
 照れくさそうな笑顔が返ってきた。
「拙僧はオブリビオン討伐には参加できませぬゆえ、せめて村人が普段通りの生活を取り戻す手伝いくらいは」
 村人との触れ合いも、作業自体も結構楽しんでいるようである。
 そうかい、とパラスも釣られて少し笑い、
「聞きたいことがあるんだが、いいかい?」
「拙僧でお答えできる事柄ならば」
「サムライエンパイアで梅酒が旨い土地といったらどこだい? ちょいと探しててね。知ってたら教えてくれないかい?」
 梅酒でござるか、と鬼照は少し考えて。
「それはやはり、紀州でござろうか。少し前のご家老が痩せ地に梅を植えることを奨励し、今は梅干しや梅酒が名産となっておりまする」
 上様のご親戚が治める土地でござるな、と答えた鬼照に、
「ありがとよ。紀州だね、今度、散歩がてら行ってみよう……季節の花も咲いているだろうさ」
 パラスは軽く手を振って、また紫陽花の方へとひとり立ち去る。


 もうすぐ梅雨が終り、夏が来る。
 ひとつの事件が猟兵たちの活躍によって終わり……また次の事件が彼らを求める。
 しかし、新たな事件の先には、必ず新たな風景が在る。
馮・志廉
花を愛でる風流は縁遠いが、村人たちの生活が戻ったのは、喜ばしく思う。
屋台の団子など齧りながら、見所とされる道を歩いてみる。
確かにきれいだ。そして、聞いた通りに、紫色の花ばかり。

古城跡で鬼照の姿を見れば、話しかける。
「確かに、紫色ばかりだな。こんな真似をするとは、オブリビオンも手の込んだ事だ」
この花の色も、村人を怖がらせる為のオブリビオンの仕業と思っている。
違うとわかれば一転、顔は強張り、黙ってしまう。
オブリビオンでは無い、怪談だと認識してしまえば、とても、とても苦手なのだった。
「そうか……うむ。ハハハ……」
乾いた笑いで、誤魔化すしか無い。


パラス・アテナ
せっかくだから紫陽花見物をしようかね
この世界の四季は、いつ見ても飽きないからね

紫陽花を見ながら古城を見上げる
紫姫も大概不運だね。浮気されて自暴自棄に成って山に登っただけなら良かったのに、オブリビオンに遭っちまったんだから
紫姫が縁姫になったのか。
今となっちゃ、知りようもないことか

紫陽花の向こうで草刈りをしている鬼照を見かける
村人の手伝いかい? アンタも真面目だねぇ
聞きたいことがあるんだが、いいかい?
サムライエンパイアで梅酒が旨い土地といったらどこだい?
ちょいと探しててね。知ってたら教えてくれないかい?
情報を得られたら、礼を言って立ち去る
今度、散歩がてら行ってみよう
季節の花も咲いているだろうさ



トーゴが木の上から姿を見止めた戦友とは、馮・志廉であった。
「花を愛でる風流は縁遠いが、村人たちの生活が戻ったのは、喜ばしいな……」
 志廉は、村人が勧めてくれた醤油団子を囓りながら、見所である山道をゆったりと上っている。
「確かにきれいだ。そして、聞いた通りに、紫色の花ばかりだな」
 昨夜、敵を倒しながら辿った道とは思えないくらいに、紫陽花は雨を纏って美しく、そして傘を差し、あるいは簑笠姿の人々の表情は、雨の中とは思えぬくらい穏やかだ。

 志廉が古城跡まで上ると、草刈りが一段落したのか、雨が避けられる木陰に座っていた鬼照がいた。
「確かに、ここの紫陽花は紫色ばかりだな」
「ああ、見事に紫のみでござる」
 山道だけではなく、城の中の紫陽花も全て紫色である。
「こんな真似をするとは、オブリビオンも手の込んだ事だ」
 そう言うと、鬼照は少々困った顔になり。
「ええと……志廉殿、この山の紫陽花は、オブリビオンの凶行が始まるずっと前から……そう、村人が花見のために紫陽花を植えはじめる前、天然の樹しか咲いていない頃から、紫一色であったと言う話でござるが……」
「え……つ、つまりそれは……古城で戦死した武者や、紫姫の祟りとか……そういう……?」
 志廉の顔色が、心なしか紫色になった。
 オブリビオンならば、どんなに不気味で恐ろしいモノでもびくともしないが、実は怪談の類いが苦手なのである。百戦錬磨の武侠でも、弱点はあるのだ。
「そうか……うむ。ハハハ……」
乾いた笑いで誤魔化す志廉の様子に、鬼照は何事かを悟った様子で。
「そういえば以前庭師より、紫陽花の色は、土の質で変わると聞いたでござる。だとすれば、山全体の紫陽花の色が同じでも不思議はござらんな?」
 鬼照の説に、志廉の顔にみるみる血の気が戻る。
「おお、そうか、そうなのか! なるほど納得したぞ! ハハ、ハハハハハハ……!」


「この世界の四季は、いつ見ても飽きないねェ……」
パラス・アテナは、紫陽花に重ねるようにして、古城跡の石垣を見上げていた。
「紫姫も大概不運だね。浮気されて自暴自棄に成って山に登っただけなら良かったのに……きっと、オブリビオンみたいなヤツに遭っちまったんだろう」
 悲恋伝説のヒロインは、古城跡で何を見たのか、何に出会ってしまったのか。そして……。
「紫姫が縁姫になったのか。それとも、紫姫の魂が縁姫に取り込まれたのか……今となっちゃ、知りようもないことだけどね」
 何にしろ縁姫は、パラスたち猟兵の手で骸の海へと還されたのだから……。
 哀れと思う気持ちが微かな胸の痛みとなり、振り払うように視線の向きを変えると、紫陽花に重なるように草刈りを再開した鬼照が見えた。近づいていき、声をかけると、
「村人の手伝いかい? アンタも真面目だねぇ」
 照れくさそうな笑顔が返ってきた。
「拙僧はオブリビオン討伐には参加できませぬゆえ、せめて村人が普段通りの生活を取り戻す手伝いくらいは」
 村人との触れ合いも、作業自体も結構楽しんでいるようである。
 そうかい、とパラスも釣られて少し笑い、
「聞きたいことがあるんだが、いいかい?」
「拙僧でお答えできる事柄ならば」
「サムライエンパイアで梅酒が旨い土地といったらどこだい? ちょいと探しててね。知ってたら教えてくれないかい?」
 梅酒でござるか、と鬼照は少し考えて。
「それはやはり、紀州でござろうか。少し前のご家老が痩せ地に梅を植えることを奨励し、今は梅干しや梅酒が名産となっておりまする」
 上様のご親戚が治める土地でござるな、と答えた鬼照に、
「ありがとよ。今度、散歩がてら行ってみよう……季節の花も咲いているだろうさ」
 パラスは軽く手を振って、また紫陽花の方へとひとり立ち去る。


 もうすぐ梅雨が終り、夏が来る。
 ひとつの事件が猟兵たちの活躍によって終わり……また次の事件が彼らを求める。
 しかし、新たな事件の先には、必ず新たな風景が在る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月28日
宿敵 『行く末の予祝者『縁姫』』 を撃破!


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#サムライエンパイア


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アカネ・リアーブルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト