奇門遁甲封鎖戦線・決戦【破】~遭遇、デビルズナンバー
富士山麓に横たわる青木ヶ原樹海。
自然豊かな国立公園として観光客を集める一方で、自殺の名所としても知れ渡っている。
事実、樹海の至るところで『命を大切に』と書かれた立て看板を多く見かける。
だとしても、樹海から遺体が発見される報告は決して途絶えない……。
その男は無念を抱いて首を吊った。
だが、偶然にも彼の魂魄は龍脈に飲み込まれてしまった。
まるで腹を空かした龍が贄を求めるが如く、男の魂魄に飽き足らず、周囲に漂う有象無象の霊体までも取り込んでゆく。その内包された負の感情が『よくないもの』を呼び寄せる引き金となるには充分だった。
偶発的に呼び寄せられたのはUDC――不可思議殺人オブジェクト『デビルズナンバー』たちは瞬時に状況判断を行うと、この地の龍脈エネルギーを独占して、他の『デビルズナンバー』の招集を行おうと目論み始めた。
「とても厄介な事が起きちゃったんだよ……っ!」
グリモア猟兵の蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)が頭を抱えていた。
既に青木ヶ原樹海で展開中の『奇門遁甲封鎖戦線』の決戦作戦だが、ここにきて想定外の事態が発生したのだという。
「青木ヶ原樹海の一角で、偶発的に邪神が復活する予知を見ちゃったんだよね。どうやら復活したのは『デビルズナンバー』と呼ばれる不可思議殺人オブジェクト群なんだけど、龍脈の流れを利用して他の仲間を召喚しつつ、樹海の外へ出ようとしているっぽい! このUDCたちは普段と違って龍脈エネルギーで活性化されてるヤバい存在だから、かなりの強敵だよっ! なんと、先制攻撃を仕掛けてくるよっ!」
つまり、放っておけば弱体化している黒幕よりも厄介な存在が、この樹海から溢れ出して好き勝手しかねない、と?
「そういうことだよっ! 本筋とは違うけど、放置したら周辺住民や観光客が生贄にされちゃうっ! 申し訳ないけど、急ぎ現場へ転送するから殲滅してきてねっ!!」
それと、とレモンは言葉を継ぐ。
「隕石事件の時もそうだったけど、猟兵が戦闘に打ち勝つと龍脈の流れを弱めることが出来るよっ! 更に邪教団本拠地を弱体出来るかも?」
なるほど、決して無駄ではないという事か。
「それじゃあ、みんな、先制攻撃の対策はしっかり立てて戦闘に臨んでねっ!」
レモンの頭上のグリモアが輝き、UDCアースへの転送が始まる!
七転 十五起
これは6月に公開された『奇門遁甲封鎖戦線』シナリオ群の決戦シナリオです。
本シナリオのオブリビオンは、龍脈エネルギーによって活性化されています。
具体的には【すべての戦闘フラグメントは敵側の絶対先制攻撃】から開始します。
対策を講じたプレイングには判定ボーナスが付与され、活躍が見込めるでしょう。
七転十五起、なぎてんはねおきです。
敵の本拠地を叩くためにも、後顧の憂いを断ちましょう。
事件発生場所は樹海の奥地、人が入らない獣道です。
時間帯は正午から日の入りまでを想定しております。
なお、本シナリオの結果は、同時公開中の【急】へ影響を及ぼします。
皆様、心して挑んでいただきますよう、よろしくお願い致します。
第1章 ボス戦
『三五零『デビルズナンバーおもてなし』』
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POW : 悪魔の冥土(デビルメイド)
【メイド殺法】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 悪魔の武器(デビルウェポン)
いま戦っている対象に有効な【暗器】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : 悪魔の相棒(デビルバディ)
【三五一『デビルズナンバーごほうし』】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
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神代・黄泉
【WIZ】
猟兵の活動なんて面倒臭いって思ってた…けど、邪神が絡んでるなら話は別
ムカつく相手に、好き放題出来るんでしょ?
やってやるわよ
先制攻撃をしてくるなら…見切りとフェイントを活かし、まずは回避に専念を
躱せなかったら激痛耐性で堪えるしかないわね…そうはなりたくないけど
上手く躱せたら、次はこっちの番
UCを発動して敵の背後を取り、手痛い一撃を叩き込んでやるわ
私さ、武器持ってるより素手の方が戦いやすいんだ
拳で殴る方が、恨みつらみを直に叩き込める気もするし
活性化されてるらしいけど、私だって薬のドーピングで強化されてる…防御されても、その上から鎧砕きとか鎧無視を乗せた攻撃を叩き込むわ
※アドリブ・連携歓迎
ナハト・ダァト
■有効な暗器
発火or火気に類する武器
□対抗策
アイテム「枝の破滅」の欠片から蒼炎を借り受けて身に纏う
力溜め、オーラ防御、火炎耐性でより熱い炎を予め体から吹き出しておくことで、敵の炎を吸収し更に強度を高める炎の鎧を武器改造で作っていく
火力が更に上昇する場合は情報収集から世界知識で解析を行い、早業で適応化させていく
炎ニ目を付けるとハ慧眼だネ
しかシ、残念ダ
私ハ既ニ炎の加護を貰っていル
私個人ヲ燃やす程度ノ火力ガ、世界ヲ破滅させル炎ノ威圧ニ勝るかネ?
万が一手傷を負った場合
早業、医術で高速治療
防備を固めきった所で
三ノ叡智による未来予知と時飛ばし
背後に回り残像を残しながらのだまし討ちを2回攻撃で実行
深淵の樹海の中、蘇った三五零『デビルズナンバーおもてなし』は、自身の身体が異様に身軽な事に気が付く。
「体が……軽いですね……!」
この身軽さならば、どんな敵であっても先手を取ることが出来ると確信する。
そこへ転送されてきた猟兵2名が、おもてなしへ向かって身構えた。
神代・黄泉(生屍・f19790)は、おもてなしへ向けて強い憎しみを籠めて睨み付ける。
「猟兵の活動なんて面倒臭いって思ってた……けど、邪神が絡んでるなら話は別」
神代は過去に、とある『教団』に邪神の母体として尊厳を悉く踏み躙られた経緯を持つ。
彼女は『教団』関係者を皆殺しにした後に脱出したが、家族や友人、想い人までも虐殺してしまうのだった。
UDC組織の庇護下に入り、紆余曲折あった結果、猟兵として初の任務がこの戦闘である。
「ムカつく相手に、好き放題出来るんでしょ? やってやるわよ」
少し前までは、こんな化け物と戦うなんて思っていなかった。
アニメやゲームの中の世界だけだと思っていたし、UDC組織から受け取った武器カタログに銃火器が平然と羅列されているのを見た時は眩暈もしたくらいだ。
だが、今の神代にとってはそんなことはどうでもいい。
憎しみと狂気で一刻も目の前の邪神を殺害したいと昂りを抑えきれないでいた。
そんな神代の真横で、ブラックタールのナハト・ダァト(聖泥・f01760)は冷静に復活したおもてなしを見据えていた。
「さあ、始めようカ。隣のお嬢さんハ、抑えきれないようだヨ」
「うわ、なんか黒くてピカピカしてる……! 人間……?」
猟兵活動が初めての神代にとって、ブラックタールと接するのも初体験であった。
ナハトは穏やかに紳士的に自己紹介を行った。
「私はナハト・ダァト。ブラックタールという種族だヨ。UDCアース以外の世界で暮らす液状生命体ダ」
「は、初めて見た……。って、一緒に戦ってくれるの?」
そっけなく問い掛ける神代にナハトは頷いてみせた。
「アア、勿論だとモ。敵ハ先手ヲ打ってくるかラ、対抗策バ練らねばならないネ」
「そんなの、見切りとフェイントを活かして、回避に専念すればいいだけ!」
神代が薬品で底上げされた感覚器官をフルに活用して全集中!
目の前でおもてなしが悪魔の相棒(デビルバディ)――三五一『デビルズナンバーごほうし』を召喚してくると、二人掛かりで神代へ襲い掛かってきた!
おもてなしの手刀と、ごほうしの拳が左右から神代へ迫る!
「早い――!?」
実戦経験皆無の神代、おもてなしの攻撃を眼前ギリギリの紙一重で回避!
迫るごほうしの拳は、身を捩って左腕でガードして受け流す!
「この程度の痛み……! なんてことない!」
左腕が痺れるが、この痛みは過去に請け負った自身の痛みに比べたら屁でもない!
すぐに反転攻勢に打って出る神代。
「お前も、味わえ!! 私の痛み、悲しみ、怒り……全部味わって、死ね!!」
フェイントでごほうしの背後を取ると、神代は左貫手で腰から腹部へと深々と刺突!
そのまま内臓を抉り抜き、爆ぜ散らせると、展開した右骨刀の逆袈裟で脊椎を断つ追撃を放った!
召喚されたごほうしはあっという間に絶命し、骸の海へと還ってゆく。
「私さ、武器持ってるより素手の方が戦いやすいんだ。拳で殴る方が、恨みつらみを直に叩き込める気もするし」
しかし、神代が殺害したのは本体ではなかった。
では、本体は何処へ?
彼女が後ろを振り返ると、おもてなしの片手から炎が噴き出ている!
それを浴びたナハトの全身が青く燃え上がっていた。
「小型ノ火炎放射器……炎ニ目を付けるとハ慧眼だネ。しかシ、残念ダ。私ハ既ニ炎の加護を貰っていル」
ナハトは自身への攻撃に炎を用いてくると予測していた。
そのため、「枝の破滅」の欠片――燃え盛る蒼い炎が結晶になったものから、蒼炎を借り受けて身に纏うことでより熱い炎を予め体から吹き出しておいたのだ。
これにより、敵の炎を吸収し更に強度を高める炎の鎧を生成することに成功したのだ!
「私個人ヲ燃やす程度ノ火力ガ、世界ヲ破滅させル炎ノ威圧ニ勝るかネ?」
「……でしたら、更に燃やし尽くすまで!」
ゴゥッとさらに強火を浴びせられるナハト!
だが、鎧が炎を食い尽くし、更に強度を増してゆくだけであった。
防備を固めきった所で、ナハトはユーベルコード『三ノ叡智・理知(セフィラ・ビナー)』で未来予知、更に時間を跳躍して火炎放射を完全回避。
背後に回りながらナハトは残像を残しながらおもてなしを惑わし、逆に蒼炎を2回叩き付けて、おもてなしの身体を焦がしてゆく。
「……ここは退かせていただきます」
不利を悟ったおもてなしは、樹海の闇へとすぅーっと溶けてゆく。
「待てッ! まだお前を殺せてないッ! 逃げんなァッ!!」
ごほうしの返り血を浴びて凶暴化した神代は、荒れ狂う衝動を抑えきれずに樹海の中で吠えたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
佐々・真子
えーっと、なんで私調査員なのにこんな鉄火場にいるんでしょう
え?
猟兵だから?
そんなぁ、私はごくふつーの女子高生ですよぅ
あ、先制攻撃は『第六感』に任せて察知し『視力』で捉えて『逃げ足』早く距離を取り回避します
回避しきれない場合は『医療知識』で致命だけは避けるようにしますね
わずかでも時間が稼げればしめたもの……増えた?!
増えました?!
か弱い女子高生にずっこいですよ!!
と言っていても仕方がないので『影遊び』
私と味方しか通り抜けできない影の壁でできた迷路を作り上げます
私は影の中を歩きますがあなたたちは侵入不可能です
迷路で分断をした後影の中から
『影の追跡者』や『影の狩人』を送り出して追い詰めましょう
青木ヶ原樹海へ転送されてきた佐々・真子(無個性派女子(主張)・f12501)は、薄暗い森の中を恐る恐る周囲を警戒しながら進んでいた。
「えーっと、なんで私、調査員なのにこんな鉄火場にいるんでしょう……?」
ひょんなことからUDC事件を解決してしまった事から、UDC組織の調査員として活動することになった女子高生の佐々。
「はぁ……独り言を呟いても、誰も聞いていませんよね……」
「……ちっ、猟兵が先にいたのですね」
「誰ですか!?」
突然、背後から声が聞こえたので佐々は思わず飛び跳ねながら後ろを振り向いた。
そこには、三五零『デビルズナンバーおもてなし』の姿があった!
「ひゃっ!? オ、オブリビオン!?」
驚く佐々とは対照的に、冷静におもてなしは状況判断する。
「腰が抜けるほどの事でもないでしょうに。既にこの樹海には、貴女みたいな猟兵たちがウロウロしているのでしょう……?」
「そんなぁ、私はごくふつーの女子高生ですよぅ。それに鉢合わせしたのも偶然で……」
弱腰の佐々に、おもてなしの態度が徐々に強気になってゆく。
「なるほど、非戦闘員といったところでしょうか。でしたら、その首を落とさせていただきます」
おもてなしは早速、悪魔の相棒(デビルバディ)の三五一『デビルズナンバーごほうし』を召喚すると、2体掛かりで佐々へ殴り掛かってきた!
龍脈エネルギーで活性化され、身軽になった2体のメイド型UDCたちの先制攻撃に佐々は慌てて背中を見せて逃走する!
「増えた?! 増えました?! か弱い女子高生にずっこいですよ!!」
とはいえ、佐々も経験をある程度積んだ猟兵だ。
UDC2体の肉弾戦を目でしっかりと捉え、攻撃の軌道を第六感で察知、紙一重のところで何とか回避してゆく!
対して、ごほうしはなかなか攻撃が当たらない佐々に苛立ちが募り始める。
「ちょこまかと、鬱陶しいですね……!」
先制攻撃を仕掛けられても、その攻撃のすべてが回避されては意味がない。
次第に攻撃の勢いが弱くなり、佐々はその隙を見逃さなかった。
「わずかでも時間が稼げればしめたもの……認知は歪み、目をそらす。それは心の影。影遊び(ディフレクト
)……!」
入り組んだ樹海の地面に横たわる数々の影が途端に蠢き出したかと思えば、それらは急に競り上がって壁を形成する!
「こ、これは……!? 影の壁、いえ、迷路ですか!?」
「その通りですよ」
佐々が壁からぬるりと突き抜けて姿を見せた。
「先程のピンクのメイドさんと分断させていただきました。更にこの馬部は私しか通過できません。それでは、私は逃げますね」
「待ちなさいっ!?」
おもてなしが佐々を追い掛けるが、佐々が潜り込んだ硬い影の壁にぶつかって額を擦る羽目になった。
「痛……! こんな迷路に惑わされている場合ではないのに……!」
焦るおもてなし。まずは相棒のごほうしと合流しなければ。
だがほどなくして、ごほうしの断末魔が迷路に轟いた!
そしてすかさず、おもてなしの背中に走る鋭い痛みと火傷!
「じゅ、銃撃ですって
……!?」
影の中から、胸にクラブのマークを持つ影の霊――佐々の兄の霊が出現したかと思えば、漆黒の弾丸を撃ち込んできたのだ。
「別のユーベルコード!? 早く脱出を、うぅ!?」
死角から次々に銃撃を喰らい、おもてなしは迷路を脱出する頃には肉体ダメージと精神ダメージの両方を蓄積する羽目になった。
佐々は無事に闘争に成功し、更には敵を消耗させることに成功。
調査員とは思えない戦果をあげる事が出来た。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
仮面のメイドの邪神と来たか。
ま、ここを抑えなきゃ被害が増えるってんなら。
受けて立つしかねぇだろ!
メイド殺法がどんなものかは分からねぇが、
そもそもアタシの【漢女の徹し】は超接近戦用だ。
サイキックエナジーを練り上げながら、
電撃の『マヒ攻撃』で牽制し。
その射程に近付くまでは致命打は『見切り』、
他の有象無象の打撃や斬撃は『覚悟』を決めて
『激痛耐性』で耐え続ける。
そうして『グラップル』の間合いまで詰めたなら好都合。
やおら『念動力』を放って思い切り『おびき寄せ』、
強引にアタシの間合いに来てもらうよ!
アタシが電撃だけの女だと思ったかい?
そいつは見通しが甘いんだよ!
かなりの手負いとなったおもてなし。
次に遭遇のは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)だ。
「仮面のメイドの邪神と来たか。ま、ここを抑えなきゃ被害が増えるってんなら、受けて立つしかねぇだろ!」
両拳を掲げてファイティングポーズをとる数宮に、おもてなしは独特の構えで対峙する。
「いいでしょう。いくら手負いとはいえ、このメイド殺法の前では猟兵たちは何もできずに倒れるだけです」
「随分と自信があるんだねぇ?」
数宮は呼吸を整え、敵の出方を窺う。
先制攻撃されるというのならば、狙うのはカウンター一択だ。
(そもそも、アタシの必殺の一撃『漢女の徹し』は超接近戦要だ。近付いてもらわないと、こちらの間合いに収められない……)
敵のメイド殺法の威力次第では、数宮は何もできずに樹海に沈むだろう。
だが、それを耐えきった先には、必ず勝機がある……!
「さぁ、掛かってきな! お互い拳で語り合おうか!」
「望むところです……参ります、メイド殺法・壱の型!」
おもてなしが数宮の懐に飛び込んでくると、いきなり右手で彼女の頭をアイアンクロー!
そして勢いよく仮面のメイドのヘッドパットが炸裂!
「おかえりなさいませ、お嬢様ッ!!」
「ふがッ
……!?」
主人の出迎えのお辞儀を戦闘へ転用した頭突きの一撃!
まさかの初手頭突きに数宮はもんどりうって仰け反ってしまった。
「続けて弐の型!」
屋敷を掃除するが如く、流れるような手刀が数宮の頸椎をへし折らんと振り下ろされた!
だが、数宮は初撃を気合と勇気で痛みを堪え、意識を保った状態でバックステップ回避!
回避されたことに驚愕するおもてなしの身体の動きが一瞬鈍った。
「ぞなもし!? ですが参の型で終わりです!」
すぐに数宮との間合いを詰めようと足運びを行う仮面メイド。
だが、数宮は拳からサイキックエナジーで練り上げた電撃をメイドの足元に放つ!
「なっ!?」
バチッと青白い火花が爆ぜると、おもてなしの動きが完全に止まってしまった。
その瞬間を数宮は待っていた!
「オラァッ!」
サイキックエナジー全開!
念動力でおもてなしを数宮自身へ引き寄せ、必殺の構えをとって叫んだ。
「強引にアタシの間合いに来てもらうよ!」
踏ん張りがきかなくなり、遂に仮面メイドの両足が地面から離れて宙を舞った。
掃除機に吸引されるが如く数宮の必殺の間合いに誘き寄せられたおもてなしは、その鳩尾に無属性のサイキックエナジーを込めた掌底で強打された!
「練って、整え、ぶち込むっ! オラァッ!!」
「グハッッ!?」
砕ける肋骨! その衝撃は人間でいう心臓部に直撃し、樹海の地面を転がるように仮面メイドが吹っ飛ばされてゆく!
「アタシが電撃だけの女だと思ったかい? そいつは見通しが甘いんだよ!」
ホワァーッと裂帛の気合を叫んだ数宮は、見事にカウンターで大打撃を与えることに成功した!
大成功
🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
【ソロ希望・POW】
仮面を付けたメイドだなんて斬新ね?
350……貴女の事はミコって呼んであげる♪
さあ、ミコ。私にたっぷり御奉仕して頂戴❤
(先制攻撃でボコボコにされ)
けほっ……随分と激しいマッサージねぇ……
でも、悪くなかったわ……❤【激痛耐性】
私、お腹が空いたわ。食事の用意をして頂戴?
食べるものなんて無い?
あるじゃない、すぐ近くに❤
『血統覚醒』で爆発的に戦闘力を高め
メイド服を引き裂くわ。
無限の愛で【気合い】が入り、更にパワーアップ♪
強化された力で抱きしめて【吸血】
同時に【呪詛】を体内に注いで抵抗する力を奪い
ボディタッチで【生命力吸収】
素顔が見られないのは残念だけど
仮面でこもった声も興奮するわね❤
「あら? 仮面を付けたメイドだなんて斬新ね?」
三五零『デビルズナンバーおもてなし』が吹っ飛ばされた先には、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が恍惚の表情のまま佇んでいた。
「……ここにも猟兵が。鬱陶しいですね」
「そんなつれない事を言わないで? あなた、名前は? 私はドゥルール。ルルって呼んで♪」
「不可思議殺人オブジェクト三五零『デビルズナンバーおもてなし』……何なのですか、あなたは」
今までの猟兵とは毛色の違う物腰の相手に、おもてなしは警戒心を露わにして身構えた。
あれはメイド殺法『悪魔の冥土(デビルメイド)』の構え!
「350……貴女の事はミコって呼んであげる♪ さあ、ミコ。私にたっぷり御奉仕して頂戴❤」
ドゥルールは両手を広げて、おもてなしを受け入れるように身を差し出した。
それを、このオブリビオンは好機とみなした。
「気持ち悪いですね……ご希望通り、冥土に送って差し上げます!」
おもてなしが地面を蹴ると、一瞬でドゥルールの懐へ潜り込み、全体重を乗せた右のボディーブローが炸裂!
拳で圧迫された肺の空気を吐き出すドゥルールは、自分の肋骨が数本砕ける音を聞いてしまう。
「ハァッ!!」
更に鋭い左フックがドゥルールの顎に直撃、衝撃が脳を揺らす!
ドゥルール、足元がふらついた!
駄目押しとばかりに、おもてなしは掌底からの飛び膝蹴り!
更に跳びあがると、なんと、両脚でドゥルールの首元を鋏のように挟んで、遠心力を付けて上半身を振って強引にドゥルールを投げ飛ばした!
まさかのフランケンシュタイナーだッ!!
吹っ飛んだドゥルールは首から地面に垂直落下!!
ゴリッという鈍い音が鳴り響き、地面に顔を埋めたまま、まったく動かない!
ワンピースがめくれて、無様に布地面積の小さすぎるショーツと尻を丸出しにしてしまっている!
「……あっけないですね、何の対策も練らないとは愚かな」
おもてなしがその場を去ろうとしたが、何か違和感を覚えて後ろを振り返った。
すると、そこには頭から流血しながら、脇腹と首を擦るドゥルールが立ち上がっていたのだ。
「けほっ……随分と激しいマッサージねぇ……でも、悪くなかったわ……❤」
「馬鹿な、あれで立ってられるというのですか!?」
「正直、死ぬほど痛いわ……頭は割られて血が止まらないし、肋骨が5本折れて左腕も折れたみたいで動かないし、首も寝違えたように痛くて動かないわ……」
ドゥルールが大量の血を吐いた。
激痛耐性があるから大丈夫、というわけにはいかなかった。
もはや立っているのが奇跡というべき重傷っぷりである。
根性論で何とかなる相手ではなかったようだ。
しっかりと反撃の『作戦』を練るべきだった、と後悔しても仕方がない。
「でも、足は無事だったかた辛うじて立っていられるわ。愛の力ね♪」
「狂ってる……!」
おもてなしは戦慄した。
目の前の猟兵はもはや色々と触れてはいけない存在だと勘付いたのだ。
「私、お腹が空いたわ。ミコ、あなたメイドなんだし、食事の用意をして頂戴?」
「世迷い言を。だいたい、こんな樹海で食料などありませんよ」
おもてなしの言葉に、ドゥルールは口元の血を拭いながら微笑んだ。
「食べるものなんて無い? あるじゃない、すぐ近くに❤」
ドゥルールの瞳が真紅に染まり、一時的にヴァンパイア――オブリビオンのそれへと変身する!
動く両足で跳躍して、おもてなしの鳩尾へ跳び蹴りと突き刺す!
倒れ込んだ2人は、くんずほぐれつで暴れまわり、互いの衣服が揉み合いで引き裂かれ合ってゆく!
「あぁん、強引なのも嫌いじゃないかも❤」
ズタズタに引き裂かれたメイド服を庇いながら、おもてなしはドゥルールの近付く顔を両手で押し退けていた。
「重傷者の癖に、なんですか、この馬鹿力は!?」
「これがヴァンパイアの力よ♪ いただきまぁす❤」
右腕だけでガッチリとオブリビオンの腰をホールドしたまま、ドゥルールは敵の首元に噛み付いて吸血行為を敢行!
更に体が接することでエナジードレイン――呪詛と生命力吸収のダブルパンチで、おもてなしを衰弱させてゆく。
次第に割られた頭も止血され、傷が微かに再生し始めているようだ。
「や……やめ、て……」
おもてなしの艶っぽい声に、ドゥルールは首元から口を離して、満足気に破顔した。
「――ぷはぁ❤ うふふ、素顔が見られないのは残念だけど、仮面でこもった声も興奮するわね❤」
「――めろ、と、言っているのです!」
突然、ドゥルールの鳩尾に突き刺さる、おもてなしのワンインチ・パンチ……寸勁が炸裂!
ダメージ量が限界を超えたドゥルールは悲鳴を上げることなく、その場で意識を手放してしまった。
おもてなしはよろよろと立ち上がると、その場から逃げるように立ち去っていった。
「随分と消耗してしまいました。ですが、近くに『仲間』の気配を感じます。そちらへ向かってみましょうか……」
虫の息のおもてなしは、体を引きずるように、必死に『仲間』の気配を辿っていった。
苦戦
🔵🔴🔴
佐々・真子
あのオブビリオンさん、また遭遇したら今度は油断なく速攻でしかけられちゃいますよねぇ
誰かが退治していてくれると嬉しいのですが、そうもいかないでしょうか
んー……よし
『二重影』を事前に纏い容貌を弄っておきます
具体的には陰影を深めたり服の色に影を被せることで黒く染めたりです
樹海という明度が足りない中では正体隠しと隠密に有効でしょう
その上で『目立たない』ことと『第六感』と『視力』を活かし危険を察知することで【先に察知してすぐ動けるように】樹海を巡ります
その上で遭遇後は先ほどと同じように致命傷を避けるように逃げ
フック付きワイヤーで拘束(信頼するに足る意志)して『影の狩人』の漆黒の弾丸を頭部に撃ち込みます
波狼・拓哉
メイドが襲ってくるなんて世も末だな!!!…さーてどうしよ?
先制攻撃ねぇ………一応第六感で察知して逃げ足発揮して避けようとは思うけど…まあ多分無理でしょう。甘んじて攻撃は受けよう。戦闘知識と衝撃波で攻撃緩和で致命傷だけは避けてやられた演技しとこ。マジで意識飛んでるかもしれんけど。
こういうとき先に出しておけばミミックさんだけ別に動けるってのは利点だと思うんだよね。適当に化け喰らって『かみ』殺しておいて貰えるかな。出来るだけ離れて影の顎飛ばしまくればいい感じの勝負になると思うよ。あ、こっちに追撃来ないようにだけはお願いね。
奇跡的に意識あったら衝撃波込めた弾で奇襲してサポートに回ろ
(アドリブ絡み歓迎)
ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎
あたし早撃ちで先手取るのが基本戦術だから、こういう絶対先制相手って苦手なのよねぇ…
ま、ボヤいてもしょうがないし、なんとか考えてみましょ。
メイド殺法、ねぇ…
近接格闘の心得は無くもないけど、さすがにちょっと無茶ねぇ。無難に防ぐ方向で考えましょ。
〇第六感で見切ろうとするけど間に合わず、〇オーラ防御と激痛耐性で耐える…
と、いう方向で〇演技するわあ。
攻撃に〇目立たないように〇隠して仕込んでおいたイサ・ソーンのルーンで〇カウンターを合わせて〇マヒ攻撃で足止め。
〇零距離射撃で●滅殺を叩き込むわぁ。
手筋が分かってるなら、対策って意外と立てられるのよぉ?
日中でも薄暗い樹海の中を、佐々・真子(無個性派女子(主張)・f12501)は『なんとなく』の方向へ向かって歩いていた。
「あのオブビリオンさん、また遭遇したら今度は油断なく速攻でしかけられちゃいますよねぇ。誰かが退治していてくれると嬉しいのですが、そうもいかないでしょうか」
だが、佐々の第六感は残念ながらオブリビオン……三五零『デビルズナンバーおもてなし』の、皮膚をヒリヒリと焼くような存在の異様さを感じ取っていた。
おかげで、目標の方角と距離はなんとなく把握できるのが幸いであるが。
「んー……よし」
意を決し、佐々はユーベルコード『二重影(ドッペルゲンガー)』を発動。
「自分の心から生まれる影は恐ろしい……。影を被って全身を黒く染めれば、樹海という明度が足りない中では正体隠しと隠密に有効でしょう」
佐々は先制攻撃を甘んじるのではなく、そもそも『先に察知してすぐ動けるように』準備をしようというのだ。
果たして、これは吉と出るのか、それとも……?
その頃、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)とティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)が途中で合流を果たし、周囲の状況や痕跡、更に2人の直感を頼りに、おもてなしの追跡を開始。
「メイドが襲ってくるなんて世も末だな!!! ……さーてどうしよ?」
波狼は思わずボヤいた。
相手は先制攻撃を仕掛けてくる。
今まではオブリビオン・フォーミュラやその幹部クラスが行ってきたが、通常の邪神が仕掛けてくるケースは恐らく初であろう。
故に、彼はその対策を決めあぐねていた。
そんな波狼にティオレンシアもまた苦笑いを浮かべながら口を開いた。
「あたし、早撃ちで先手取るのが基本戦術だから、こういう絶対先制相手って苦手なのよねぇ……。ま、ボヤいてもしょうがないし、なんとか考えてみましょ?」
見た目とは裏腹の極甘ハニーボイスで溜息を吐くと、彼女は逡巡を始める。
「メイド殺法、ねぇ……。情報ではそんな格闘術を使うようねぇ。あたしも近接格闘の心得は無くもないけど、さすがにちょっと無茶ねぇ。無難に防ぐ方向で考えましょ」
「先制攻撃ねぇ………一応、第六感で察知して逃げ足発揮したうえで避けようとは思うけど……まあ多分無理でしょう。俺も甘んじて攻撃は受けよう。戦闘知識と衝撃波で攻撃緩和で致命傷だけは避けてやられた演技しとこ。……マジで意識飛んでるかもしれんけど」
「あたしもそんな感じの演技が思い付いたわぁ。手筋が分かってるなら、対策って意外と立てられるのよぉ?」
ティオレンシアが波狼に話した次の瞬間、真後ろから第三者の声が聞こえてきた。
「……なるほど、方法が筒抜けのようですね。では、その対策とやらを早速、披露してもらいましょうか」
2人が振り向くと、そこには三五零『デビルズナンバーおもてなし』の姿が!
おもてなしは相棒の三五一『デビルズナンバーごほうし』を呼び出すと、自身はティオレンシアへ、ごほうしは波狼の方へ猛然と駆け寄ってきて――
木の陰で佐々は仲間の猟兵たちの戦闘を眺めていた。
波狼はごほうしから強烈なコンビネーションパンチを連続して顔面に喰らい、ティオレンシアもおもてなしの貫手が鳩尾に直撃すると胃の空気を押し出されて反射的に嘔吐(えず)いてしまう。
そのあまりにも圧倒的な先制攻撃に、佐々も飛び出して助けなくてはと気持ちが急く。
だが、佐々はその場から動くが出来ない。
……おもてなしの『暗器』である鋼糸に絡まっているのだ
「まさか、こういう先制攻撃もあり得るだなんて……!」
ワイヤートラップは木々が鬱蒼と茂った樹海では効果絶大である。
おもてなしは、あらかじめ自身の周りに鋼糸を張り巡らせていたのだ。
迂闊に接近しようものなら、身動きだけではなく息の根まで求められてしまったはずだ。
「間一髪、絞殺は免れましたが……」
これでは佐々自身が攻撃に参加することが出来ない。
故に佐々は、新たなユーベルコード『信頼するに足る意志(ライブ・マイ・ライフ)』と『影の狩人の召還(シャドウハンター)』の2つを発動させた。
「私は生きることを諦めない。そして影と共に影を狩ろう――世界が壊れる恐怖を胸に」
34本のフック付きワイヤーを複製して念力で個別にばらばらに動かし、おもてなしを拘束!
「これは
……!?」
雁字搦めにされたおもてなしの頭部へ、影の狩人の銃弾を全てぶち込むべく発射された!
だが、ほぼ同時に、新たな暗器である投げナイフを生み出したおもてなしは、相棒のごほうしに佐々へナイフを投擲させた!
影の弾丸と投げナイフが空中で交錯する!
ナイフは佐々の左肩と左太ももに突き刺さり、銃弾はその殆どが仮面メイドの側頭部を爆ぜ飛ばす!
無言で揺らめくおもてなし!
一方、佐々は不可思議といわんばかりの顔をしていた。
「なんで、ことごとく先制されるのですか……?」
佐々は知らなかった。
かつて起きた2つの戦争では、オブリビオン・フォーミュラとその幹部が先制攻撃を行った際、ユーベルコードの使用した数だけ先制攻撃を行うという前例を。
戦争を経験した猟兵ならば、追撃を警戒してユーベルコードの使用をひとつに絞るのがセオリーだ。
だが、佐々は知らず知らずのうちに3回も使用してしまった。
すなわち、3回分の先制攻撃を見に受けることとなった。
たとえ彼女の攻撃が全て成功しても、佐々自身のダメージは甚大だ。
仲間の救助どころでは、ない。
「そこに誰かいるのぉ? 大丈夫かしらぁ??」
辛うじて一撃を耐えきったティオレンシアだが、もはや演技なんてしている余裕はない。
激痛耐性は痛みを最小限にまで抑えるだけであり、身体のダメージ自体はしっかり被っている。
オーラの防壁があるとはいえ、彼女の内臓へのダメージは想定以上のものであった。
ただ、幸いなことに、佐々のワイヤーでの拘束により、おもてなしは身動きが取れない状態だ。
ティオレンシアは反撃を加えるべく、胃酸で焼け付く喉へ唾を呑み込んだ後、愛銃『オブシディアン』を振り上げる。
「拳銃にはねぇ、こういう使い方もあるのよぉ?」
射程30cmへ潜り込むべく、ティオレンシアは凸凹の樹海の地面を蹴って前へ進む!
しかし、間に割って入る相棒ごほうしの妨害がティオレンシアを阻む!
「……噛み/咬み/神/守/皇/神(かみ)……殺せ、ミミック……!」
そこへ、息も絶え絶えに、腹這いになって倒れていた波狼が召喚した箱型生命体『ミミック』の形状が見る見るうちに急変してゆく。
ミミックは影の巨狼となり、幾つもの巨大化した黒く染まった影の顎をその身からごほうし目掛けて放った!
影の狼の咢の濁流に押し流される形で、おもてなしの前から押し出されるごほうし。そのままゴリゴリと食い殺されてしまうのだった。
かくして道は開けた。
ティオレンシアは、イングアウトした弾倉内の弾丸をクイックローダーで直接ブッ叩き、そのまま仮面メイドの身体に密着させたまま撃発させた!
爆発で拘束していたワイヤーが弾け飛び、おもてなしのメイド服から赤黒い液体が噴き上がる!
「……やって、やったわぁ……でも、ここまでみたい、ねぇ?」
遂にダメージを堪え切れなくなったティオレンシアは、どっと前のめりになって気を失ってしまった。
その後ろでは、気絶してしまった波狼もミミックに噛み付かれて後退していた。
苦戦に次ぐ苦戦であったが、おもてなしへのダメージは深刻な量が蓄積されている。
あと一押しで、この激闘に幕を下ろすことが出来るだろう。
苦戦
🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
羽月・姫香
ふぅん…先手を取られるんやったら、そういう風に立ち回るだけや。
ウチも暗器は得意やし…ちょっと腕試しさせてもらおかっ☆
そんな訳やから、ウチの【戦闘知識】で暗器の隠し場所、種類を【見切り】…【第六感】も使って回避っ!
「今度はウチの番やでっ! 【忍法・カエンジン】!」
そして<忍七つ道具>から『爆弾』を【投擲】っ!
…今、爆弾に注意が向いたやろ? ウチの狙いはそれや。
今までのは布石…本命は【だまし討ち】からの【忍法・禍怨塵】っ!
ウチはただの暗器使いやない。忍で…【毒使い】やっ☆
もしまだ息があるんやったら【2回攻撃】の<忍者刀>での【串刺し】で決めよかっ☆
「暗器で忍に挑もうなんて…十年早いんとちゃう?」
御宮司・幸村
同じユベコを連発するのはポリシーに反するけど、とりあえずおじさんは前哨戦で疲れましたー!
と、言うわけで、五体投地だよー
絶対先制攻撃の相手なら、おじさんはだらごろしてるだけで完全に無効化できるしぃ?
ムフフ( ´艸`)
先制攻撃恐るるに足らず!
先に来るのが解っていれば、対処のやり方なんていくらでもありますしー!
お次はおじさんのターン!
おじさんは近接武器のタクティカルタッチペンを【武器改造】に加え【鎧無視攻撃、怪力、鎧砕き】を付与した【2回攻撃】で攻撃しちゃうよ!
召喚士だからって丸腰だと思わない事だね~♪
仲間が倒れたのと同時に、羽月・姫香(災禍呼ぶ忍・f18571)と御宮司・幸村(いいかげんサマナー・f02948)が仮面メイド『おもてなし』の目の前に駆け付けた。
「ふぅん……先手を取られるんやったら、そういう風に立ち回るだけや。ウチも暗器は得意やし……ちょっと腕試しさせてもらおかっ☆」
羽月は手招きをして自信満々におもてなしを呼び寄せるそぶりを見せる。
対して、御宮司は何と、その場にどかっと腰を下ろして、なんと缶ビール(ノンアルコール)をプシュッと開けると、ぐびぐびと飲みだしたではないか!
これには途中で合流した羽月もびっくり仰天!
「何したはるの、オッサン!? ここ戦場やで!?」
「ん? あーあー! とりあえずおじさんは前哨戦で疲れましたー! あー、ビール美味いねー! あーだめ! おじさん、もう疲れたから寝ちゃう! 寝るからねー!? おやすみなさーい!」
御宮司、とうとう、その場でゴロンと横になって仰向けに五体投地。
「老婆心ですが、せめて何か、下に敷いた方が寝心地いいですよ? 樹海は割とジメジメしていますし……」
敵であるおもてなしでさえも、御宮司の言動に心配をしてしまうようだ。邪神でもメイド魂は健在なのだ。
羽月に至っては絶句してしまい、頭を抱えていた。
「冷静になるんや……! ウチがしっかりせなあかん……!」
悶々としている羽月を尻目に、おもてなしは大地を蹴って弾丸の如く御宮司へ急接近する!
「……私もさすがに後ろめたいのですが、まずはそこの無防備な猟兵を血祭りに上げさせていただきますね!」
「せやな!? やっぱそうなるやんな!?」
羽月は瞬時におもてなしの暗器の種類を特定、カバーリングに入ろうとするも活性化された邪神の先制攻撃を阻止することは能わず、そのまま御宮司に匕首(あいくち)を突き付けた!
御宮司は斬撃を右手で受け止めようと匕首の前に差し出した……!
「愚かな! 生命線を掻っ捌いて差し上げましょう!」
振るわれた刃は、見事に御宮司の右掌にずぶりと入り、皮膚と肉を割いて通過していった!
哀れ御宮司の右手は上半分が両断されて地面に真っ逆さま……とはならなかった!
「前哨戦のラストと同じユベコを連発するのはポリシーに反するけど、疲れたから仕方がないよねー?」
彼の右手は全くの無傷!
裂傷もなければ流血もなく、刃先がしっかり入って骨肉を切り裂いたはずなのにキレイな右掌のままであった。
「どういう事ですか、これは……!」
おもてなしが困惑した次の瞬間、御宮司の左掌から、見えない衝撃波のようなエネルギーが放出された!
それは、仮面メイドのエプロンドレスを袈裟斬りに易々と切り裂いたのだ!
たたらを踏んだおもてなしは、すかさず後ろへ跳躍、猟兵たちと距離を取った。
「い、一体、何が起こったんや
……!?」
困惑しているのは、仲間の羽月も同様であった。
説明を求められた御宮司は、よっこいしょういちと立ち上がると、おもむろに口を開いた。
「ユーベルコード『一般人究極奥義、のんべんだらりの術(アブナイユベコハカタノチカラヲヌイテポイッ)』! 絶対先制攻撃の相手なら、おじさんはだらごろしてるだけで完全に無効化できるしぃ? 斬撃のエネルギーを右手で受け止めて左手に流して放出できちゃうしぃ? ムフフ! 先制攻撃恐るるに足らず!」
ビシィッとヘッドマウントディスプレイを装着したまま、してやったりの笑顔を見せる御宮司。
彼の一連の言動は全て、おもてなしを欺き先制させることでユーベルコードを無効化したうえで相手に跳ね返すためであった!
「なんやねん、オッサン! ウチはホンマにだらしない大人やかて思うたで!?」
手のひらを返すように御宮司への評価を上げた羽月が駆け寄る。
御宮司はにっかりと笑いながら告げた。
「はっはっはーっ! いや、おじさんが疲れたのはホンマホンマ! さっきの戦闘が前哨戦なのに滅茶苦茶ハードでさー」
「その話、長くなるんやったら、目の前の敵をシバいてからにしてくれへん?」
「そうだったねー! じゃあ、おじさん頑張っちゃうよー!」
御宮司は近接武器のタクティカルタッチペン(ゲーム用のタッチペン)を武器改造すると、短めの槍のような形状へと変化させた。
「召喚士だからって丸腰だと思わない事だね~♪」
「……いい気にならないでくださいね。まだこの樹海には、私が仕掛けた暗器がまだまだ数多く存在しているのですよ」
満身創痍だが、ここぞとばかりに気丈に振舞うおもてなし。
そんなオブリビオンの思惑を、羽月はあっさりと看破していた。
「おっと、ここにある暗器の類はウチが既に見破ったで! 3時方向に手裏剣が、7時の方向に石つぶて、10時方向に鋼糸、そして本体にナックルと匕首、それに猛毒の匂いもしてくるねんな?」
すんすん、と鼻を利かせる羽月に、今度はおもてなしが絶句してしまった。
「……だからといって、先制攻撃を防げるわけではありませんよ!」
おもてなしはワイヤートラップから全ての暗器を猟兵たちにぶつけてきた!
だが、羽月は既にこれスあも対策済であった。
「今度はウチの番やでっ! 忍法・カエンジン!」
忍七つ道具から爆弾を地面に投擲!
爆風が飛来してきた暗器を吹き飛ばし、土煙がおもてなしの視界を遮る!
煙を掻き分けると、おもてなしは猟兵たちの姿が消えたことに気が付いた。
「げほっ! げほっ! ……猟兵どもは、どこに!?」
「ここやで! どれが当たりかは……すぐに分かるでっ♪」
羽月は神経毒・血液毒・筋肉毒がそれぞれ仕込まれた3本の針をおもてなしへ射出!
おもてなしはメイド殺法でこれを回避しようとするが、背後から御宮司のタッチペンの2連撃がクリーンヒット!
3本の毒針も刺さり、おもてなしの全身から力が急激に抜けてゆく!
「ほらほら! ガラ空きだよー!?」
「な!? このオッサン、普通に戦えるじゃないですか!?」
「失礼だなー! でも、おじさんの事よりも前を見た方がいいよー?」
「はっ!?」
仮面メイドが前を見直ると、眼前に迫る羽月の顔が!!
「今、爆弾に注意が向いたやろ? ウチの狙いはそれや」
艶消しされた忍者刀の鞘を抜き払い、白刃が樹海の闇に煌めく!
「ウチはただの暗器使いやない。忍で……毒使いやっ☆」
羽月は素早く忍者刀の切っ先を仮面メイドの心臓に突き立てた!
おもてなしの身体が大きく痙攣する!
更に羽月は、おもてなしの背後に回ると、心臓に刺さった忍者刀を抜いてその喉元へ白刃を添えた。
「暗器で忍に挑もうなんて……十年早いんとちゃう?」
トドメの一撃は、仮面メイドの喉元を貫く刃の一突き。
おもてなしは仮面の内側に大量の吐血をぶちまけて膝から崩れ落ちると、そのまま溶けるように体が消失していってしまった。
残されたのは、ボロボロのロング丈メイド服のみ。
羽月はそれをおもむろに手に取ると、まじまじと見つめた後にぼそっと呟いた。
「……仕立て直せば、ウチ着れるんちゃうん? 防御力めっちゃ高そうやし、呪術防御力も完璧やさかい、瘴気さえ祓って裁縫し直せばイケるとちゃうん?」
「え、マジ……?」
御宮司がぎょっと驚けば、羽月は我に返って首を横にぶんぶんと振るのだった。
「……気の迷い! そうや、気の迷いやで、これは!!」
成功
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第2章 集団戦
『六零二『デビルズナンバーはやし』』
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POW : 悪魔の枝葉(デビルリーフ)
【刃物のように鋭い木の葉】が命中した対象を切断する。
SPD : 悪魔の花粉(デビルポレン)
【目が痒くなる特殊な花粉】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 悪魔の樹枝(デビルブランチ)
レベル×5本の【刺突】属性の【鋭く伸びた木の枝】を放つ。
👑11
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オオオオオォォォォン――!
突然、樹海全体が泣き叫ぶような、そんな不気味な声を猟兵たちは耳にした。
「仲間ヲ殺シタいぇーがー、許サナイ!!」
「殺ス! 必ズ殺シテヤル!」
「敵討チダ!!」
周囲の森がざわざわと大きく蠢く!
いや、これは森ではない。
六零二『デビルズナンバーはやし』……木々の群像型デビルズナンバーだ!
気を付けよ!
猟兵たちは既に完全包囲されている!
更に、はやし達も先制攻撃を仕掛けてくる!
360度全方位から仕掛けられる先制攻撃の波状攻撃に、猟兵たちの運命や如何に?
神代・黄泉
【WIZ】
へぇ、森そのものが敵って事?
いいじゃん、わかりやすくて
─目に付くもの全部ぐっちゃぐちゃにして良いとか、最高じゃん?
とりあえず、最初は回避に専念っと…我慢した方が、後々気持ち良く暴れられるし
木の枝が向かって来るなら、大鉈で叩き斬るわ
そもそも鉈って木を切る道具だし、使用法としては最適よね
多少喰らっても、激痛耐性で堪えるわ
さぁて、次はこっちの番ね
はやしだかもりだか知らないけど、邪魔臭い木は全部斬り倒して肥やしにしてやるわ
UCで背後を…どっちが表か裏かイマイチわかんないけど、とりあえず死角を取って、あとは伐採しまくるわ
新人猟兵とは言え、木如きに殺される程雑魚じゃないってのよ!
※アドリブ歓迎
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
あだ、あだだだだだだっ!?
いきなり枝のマシンガン!?
ゲリラ戦を得意とする邪神かっ!?
不意打ちは『激痛耐性』と『覚悟』で第一波を凌ぎ、
追撃には『衝撃波』の『範囲攻撃』を合わせて
勢いを相殺し、吹き散らす。
そうやって『オーラ防御』を纏い、
体勢を立て直す間に周囲を観察するように『情報収集』。
樹海に紛れるデビルズナンバーを見つけたら、
オーラのバリアを攻撃向けにスイッチ!
【嵐裂く稲妻】となって、神速の体当りをぶちかます!
こんだけド派手に光ってぶち当たれば、
味方の注意を『おびき寄せ』て攻撃を誘導しやすくなるだろ!
樹海全体が蠢き出す。
先程まで樹木だったもの――六零二『デビルズナンバーはやし』たちが明確な殺意を持って、唐突に猟兵たちへと鋭く伸びた木の枝を大量に四方八方から発射してきた!
全方位から放たれる針のような小枝の雨に、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は思わず涙目で身を捩る。
「あだ、あだだだだだだっ!? いきなり枝のマシンガン!? ゲリラ戦を得意とする邪神かっ!?」
己の強い覚悟で痛みを堪えるも、徐々に体は傷付いてゆく。
だが耐えるだけではなく、サイキックによる広域衝撃波で降り注ぐ枝の針から身を守ることでそのダメージを最小限に抑えられたのが功を奏した。
時間を稼ぐことで他の猟兵との合流を果たすことができたのだ。
駆け付けてきたのは強化人間の神代・黄泉(生屍・f19790)だ。
神代は瞬時に状況判断すると、嬉しそうにその口角を釣り上げた。
「へぇ、森そのものが敵って事? いいじゃん、わかりやすくて。─目に付くもの全部ぐっちゃぐちゃにして良いとか、最高じゃん?」
神代の両手には、身の丈ほどの無骨な大鉈が二振り握られていた。
「向かってくる枝は回避しながら叩き斬る!」
まるで竹とんぼのように回転を始めると、枝の弾幕を大鉈2つで弾き返し、叩き落とし始めた!
「そもそも鉈って木を切る道具だし、使用法としては最適よね! 食らったところで我慢すればいいし、我慢した方が、後々気持ち良く暴れられるわ!」
「おいおい、またブッ飛んだ猟兵がおいでなすったねぇ!?」
数宮は凶暴な助っ人の登場に苦笑いを浮かべるも、サイキックエナジーを体中にみなぎらせる時間は充分に確保できた。
「サイキックオーラ展開! これで攻撃を防ぐよ!」
数宮の宣言の後、途端に枝の針の束が空中で弾き返される!
バチバチッと音を立てながら火花が散ると、枝は焼け焦げながら地面に転がってゆく。
電気のサイキックエナジーをバリア展開することで、斥力を生み出しつつ電流で枝が焼けてゆく!
「そっちのお姉さんは電気使いなんだ? 猟兵には色んな人がいるのね? ほんとッ、漫画やアニメのほうがよっぽども現実味あるわ、よッと!!」
ブォンッと豪快に空を切る大鉈で枝の針の弾幕を叩き落とし、死角からの攻撃は大鉈そのもので受け止める攻防一体っぷりを披露する神代。
猟兵としての経験はまだまだ浅いのだが、ここまでの格闘センスを発揮するのは天性の何かを持っているとしか言えないほどの身のこなしであった。
声を掛けられた数宮は、ようやく余裕が出てきたようで神代に言葉を返した。
「そっちこそ手慣れてるみたいだけど、見かけない顔だねぇ? もしかして新人さんかい?」
「新人猟兵で悪かったわね!? あと、神代・黄泉! それが私の名前……!」
「ああ、そうかい? ヨミさんか! あたしは数宮・多喜さ! 猟兵の縁は合縁奇縁、よろしく頼むよ! ところで、そろそろ反撃へ転じないかい?」
「言われなくてもやってやるわ!」
「まぁ、そう急くなって! 既に奴さんと本物の樹木との区別は付いてるんでねぇ?」
数宮はバリアと衝撃波で枝を防ぎながらも、射出される方向や角度に法則性を見出し、本物の樹木とデビルズナンバーはやしたちの区別をつけるべく情報収集していたのだ。
「奴さんたちは攻撃の瞬間、顔みたいのが一瞬浮かび上がる! 見えたらその木を叩くよ!」
数宮の提案に神代は思わず顔をしかめた。
「え、めんどくさ……『はやし』だか『もり』だか知らないけど、邪魔臭い木は全部斬り倒して樹海の肥やしにしてやるわ」
そう言うと、更に体の回転速度を上げながら大鉈を膂力に任せて振り回す!
「どこが死角か分からないから、まとめて切り刻んであげるわ!」
向かう先の樹木ごと、はやしたちの群れが爆ぜながら真っ二つに切り裂かれてゆく!
「新人猟兵だからって、木如きに殺される程雑魚じゃないってのよ! お前らも、味わえ!! 私の痛み、悲しみ、怒り!! 全部味わって、死ね、死ね、死んじゃえ!!」
まるで悪鬼か暴風のごとく、神代が通過した場所は文字通り草の根ひとつ残らなかった。
数宮は頼もしく思う反面、その有様にまたも苦笑い。
「UDC組織のみんな、申し訳ないねぇ……。国立公園で自然破壊たぁジョークも大概だろ!?」
次の瞬間、数宮は電撃を伴う球状サイキックバリアを纏った姿に変身すると、超高速機動で樹海の中へ突っ込んでゆく!
「嵐裂く稲妻(ストレガ・オーバードライブ)の神速の体当たり! あたしゃ本物の樹木は極力なぎ倒したくないけどもッ!?」
体当たりの衝撃で巻き込まれた樹木の被害を見るに、それは早々に諦めるべきだな、と数宮は早々に気が付いた。
「まぁ、所詮、無理な話ってことだね? 薄々解ってたさぁ……。ヨミさん! このままじゃ埒が明かない即席でも連携してみる気はないかい?」
バラバラで猟兵が動くよりも、協力し合ったほうが攻撃を誘導でき、撃破効率が上がることも頭の回転が速い彼女は理解していた。
「え、私と……!? べ、別にいいけど……? よ、よろしく。……多喜、さん」
よもや他の猟兵と連携をするなんて頭になかった神代だったが、闇雲に突撃しても行き詰まるのは目に見えていたので提案には素直に乗っかることにした。
尻ごもる神代に背中を預け、数宮は告げる。
「あなたが過去に何があったかは詮索しないさ、でも、今はあたしを信じてくれないかい?」
「……いいわよ、信じてあげる。ほら、さっさと奴らを殺すわよ!」
数宮の気風の良さに、神代の胸の中に少しだけ温かいものが宿った気がした。
そのまま2人ははやしの中へ突撃してゆくと、みるみるうちにダイナミック伐採タイムを敢行するのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
波狼・拓哉
…生きてるなー良かった。所で背中が痛いんですけどミミックさん?後なんか噛み跡あるんですけど?そして囲まれてるんですけど?
さて死ぬほど痛いけど死んでないのでお仕事です。
先にやられるの分かって…何か降ってる…ゴーグルだけしておこう。後は花粉なら衝撃波で散らせるだろうし薄い所を作って逃げ足で走り回って第六感も合わせつつ出来るだけ体内に取り入れないように行動かな。
まあ、本体も倒さんと話にならんね。化け撃ちなっと。胴体貫通してポッキリ折れば死ぬだろう。後敵に突っ込んで物理的に折って回ろう。
…衝撃波で花粉かためたら粉塵爆発起こしたり出来そうか?行けそうなら集めてミミックに撃ってもらおう
(アドリブ絡み歓迎)
紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎
む。人質救出をやっている間に、此方では包囲されている、と来ましたか。
となれば、援軍と行こうか。華織(f12932)も来れる? よし、それじゃあ――(眼鏡を外しながら)行くでありますよ、華織! え、そのキャラ作り華織的にはダメ? あ、そう……。
(妹に文句を言われキャラ作り封印)
包囲網の外(最低でも半径100m以上)から【選択UC(SPD)】を飛ばして、偵察をしつつ、攻撃モードに移行して発砲。一点突破で包囲網内部の猟兵の突破を【援護射撃】する。
この手のは射程外からの狙撃(スナイパー)に限る。遠く【目立たない】場所から自分の得物でも木々を狙う。あと華織、調子に乗らないでね。
紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎
真打は遅れてやってくる! お姉ちゃん(f07893)からの要請とあらば即・参上! 赤枝流(自称)師範代、紅葉華織、推して参る!!
ところでお姉ちゃん、そのキャラ作りやめよ?
で、味方の猟兵さん達が木々に包囲されているって話だけど、まあ、一点突破で包囲網を抜けるのが一番。お姉ちゃんが外から穴を作るって言ってるから、その援護射撃に合わせて【選択UC】(ダッシュ)で木々に接近。
手には『月華』と言いたいけど、『炎蛇』かな。とりあえず、炎(属性攻撃)で焼いてやれば、向こうの攻撃も防げるカナ?
で、隙があれば当然『月華』(鎧無視攻撃)を一振り。
「ふふん、この華織様が来たからにはハックション」
波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は樹海の中で目を覚ました。
……というか、相棒の箱型生命体『ミミック』に叩き起こされた。
「ん……ああ、生きてるなー良かった。ところで、背中が痛いんですけどミミックさん? 後なんか噛み跡あるんですけど?」
ジト目で睨む波狼から目を逸らすように(目があるか判別付かないけど)、ミミックは彼から明後日の方へそっぽを向く。
相棒が体を向けた方向の木々が突然蠢きだし、それは次第に周囲へ伝播する。
気が付けば、波狼の周囲は六零二『デビルズナンバーはやし』の包囲網の中で孤立していた。
「あのーミミックサン、敵がいるんですけど、そして囲まれてるんですけど? って、ボヤいても仕方がないか」
軋む体をなんとか立ち上がらせると、波狼ははやしたちを警戒する。
「さて死ぬほど痛いけど死んでないのでお仕事ですってね?」
全方位から発散される謎の花粉から粘膜を守るべく、波狼はすかさず探索用ゴーグルを装着し、口元をタオルで覆ってみせた。
一方その頃、紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)は最愛の妹である紅葉・華織(奇跡の武術少女/シスコン師範代・f12932)に応援要請を行い、合流を果たしていた。
「真打は遅れてやってくる! お姉ちゃんからの要請とあらば即・参上! 赤枝流師範代、紅葉華織、推して参る!!」
「自称師範代、だけどね?」
「仕方がないでしょ、ここUDCアースではおおっぴらに言ったら、華織はUDC組織から収容対象認定されちゃうもん……」
華織の言う通り、UDCアースではオブリビオンのことも猟兵のことも一切秘匿されている。
そのため、猟兵活動関連のことを表沙汰にすれば、すかさずUDCアースが動きかねない。
UDC組織は猟兵の協力者ではあるが、世界の秩序を守る存在でもあることを忘れてはならない。
「確かに、自分の可愛い妹がUDCオブジェクト扱いされるのは心外だな」
「でしょー? 華織だって大好きなお姉ちゃんと二度と離れ離れになりたくないもん。で、お姉ちゃん。状況は?」
智華はむくれながら尋ねる妹に内心尊さを感じながらも、戦況を説明した。
「私達が人質救出作戦を完遂後、続けて敵本拠地へ向かって索敵中に殺人UDCオブジェクト『デビルズナンバー』と遭遇戦が発生。此方では既に仲間の猟兵たちが包囲されている。となれば、援軍と行こうか。華織も来れる?」
「当然だよ! 仲間を助けに行こう、お姉ちゃん!」
華織の返事に、智華は静かに頷いた。
そして赤いフレームの眼鏡を外すと、その口調が仕事モードへと切り変わる。
「――行くでありますよ、華織! 状況開始(オープンコンバット)であります!」
「お姉ちゃん、そのキャラ作りやめよ?」
妹のまさかのツッコミに、姉の顔がひきつった。
「え、そのキャラ作り華織的にはダメ?」
「ダメ」
コンマ1秒の即答だった。食い気味だった。
がっくりと肩を落としながら、智華は愛用のライフル銃を担いだ。
「あ……、そう……そうか……」
「お姉ちゃん、割とショック受けてる
……!?」
姉の動揺に戸惑いつつも、紅葉姉妹は現地の猟兵の救出作戦を敢行する。
「さあ、化け撃ちなミミック……! 暁の地平線に存在を刻みな!」
こちらは包囲網真っ只中の波狼。
ゴーグルとタオルのおかげで、謎の花粉の脅威をほとんどカットできたため、波狼へのダメージはほぼゼロで抑えられたのは僥倖である。
「どうやら対策は完璧だったみたいだな。あとはミミックで焼き払うだけだな」
波狼の頭上に浮かび上がるのは、巨大な宇宙戦艦。
これも相棒のミミックの擬態の姿のひとつであり、波狼のユーベルコード『偽正・械滅光線(バトルシップ・ドーン)』である!
「胴体貫通してポッキリ折れば死ぬだろう。撃ち漏らしたやつは、俺が直接物理的に折ってまわろうかね。そんじゃ、始めよっか」
宇宙戦艦ミミックは合図を受けて、艦先から青白い光線を上空から連射!
光線ははやしたちを容赦なく打ち抜き、大地から火柱が上がる!
波狼は樹海の中を駆け回り、花粉の飛散量の少ない空間を選んで通過してゆきながら、撃ち漏らしのはやしたちへ回し蹴りを放ってへし折ってゆく。
そこへ、何故か既に満身創痍の華織が超高速縮地の足運びで突進してきた!
そのまま、はやしたちをすれ違いざまに妖手裏剣【炎蛇】を放って焼き切ってゆく!
「助っ人参上! ふふん、この華織様が来たからにはハックション!?」
周囲に漂う花粉を吸ってしまった華織は盛大にくしゃみをしてしまった。
波狼は苦笑いを浮かべながら、援軍の到着に感謝した。
「助かったー、満身創痍の状態で流石にこの数を独りでこなすのは辛いからね」
「無駄口叩かないで、脱出するよ! 付いてきて!」
急かす華織似、波狼がおもむろに尋ねる。
「いいけど、なんでそんなに怪我してるのかな?」
「あ、これ? さっき既にコイツらと戦闘してきたから! コイツら、既にベースキャンプ近くのお姉ちゃんと私のところにまで侵攻していたんだよ!」
「なんだって?」
これを聞いて焦る波狼。
「だから、一緒に戻ろう? お姉ちゃんがサポートしてくれるから!」
指差した先に、空中に浮かぶドローンの姿があった。
そのカメラを通して戦場を監視するのは姉の智華。
ベースキャンプ近くで待機中である。
随分と鼻をすすって体をボリボリと掻きむしっているが、なんとか無事である。
「まさか、樹海の木を媒介に増殖しているなんてね……」
智華の周囲は、半径5mほどが更地になっていた。
スナイパーとしては丸裸だが、周囲の木がUDC化すると解った手前、樹木のそばにいるのはむしろ危険である。
故に襲いかかってきたはやしたちを、華織が妖刀【月華】で樹木ごと伐採したのだ。
「私の身を案じてくれるのはありがたいんだけど、華織ってば愛が重すぎなんだけど……安全確保のために樹海を更地にしろとまでは言ってないんだよね」
ボヤく智華出会ったが、彼女は今までの戦闘を振り返ると、随分と火柱が上がって木々がなぎ倒されていたのを思い出した。
「うん、この程度は許容範囲内だ。UDC組織の隠蔽力ならきっと穏便に済ませてくれる」
そう信じながら、義眼を通じてドローンを操作する智華であった。
「……ということだから、行こう?」
「そういうことなら、このあたりを吹き飛ばせばいいだろう?」
そう言うと波狼は上空の宇宙戦艦ミミックへ指示を出す。
「10秒後に化け撃ちなミミック!」
すると、波狼は体術から衝撃波を放って花粉を風圧で押しのけ、ひとつの空間へ押し集めてゆく。
「今だ、ミミック! 華織さん、逃げろ!!」
「え、なに
……!?」
宇宙戦艦から放たれた光線が花粉密集空間を射抜くと、花粉に引火して粉塵爆発が発生!
はやしたちは広範囲の爆圧に巻き込まれて粉々に吹き飛んでいった!
猟兵たちは智華の操るドローン『闇夜に潜む夜烏CA-W-02[DDNC](AA)(ディディエヌシー・オートアサルト)』の超高速攻撃によって脱出口を確保、そこから爆発の難を逃れていた!
「さぁ、ベースキャンプへ一旦帰還しようか。俺の傷の手当もしたいし」
「ちょ……っ!?」
波狼の優男風の外見に似つかわしい激しい攻撃手段に、思わず絶句する華織であった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
御宮司・幸村
ふーん、オールレンジ攻撃ねぇ?
じゃあ、詠唱!インベーダーズ!
1撃で消滅するってーのは、発想を変えれば1撃は耐えられるって事ー
言い換えれば、おじさんの残機は215機居るようなモノ
波状にも全方位にも数で対応ってね!
情報の妖精さんを併せて死角をカバーからの
敵の攻撃軌道を【見切り】つつ【第六感、野生の感】も総動員
攻撃箇所へ展開して盾にするよー
おじさんはゲーマー電脳だけど、経験っていうアナログも信じてるからねー
クールタイム後、インベーダーズを再召喚
さて、今度はおじさんの番
【一斉発射、鎧無視攻撃、鎧砕き】
侵略せよ、インベーダー!オールレンジ攻撃
一体の威力が弱くても、防御無視つけたら、お構いなしだよねー♪
ナハト・ダァト
トラップツールⅡを用い、地形の利用、罠使いから
木々の中に身を隠す
早業、残像でさらに敵を混乱
探知強化を行った所で目潰し、マヒ攻撃で動きを鈍らせる
木々の迷彩効果で隠れている間
地形の利用による情報収集から、敵の根を張る範囲を補足
世界知識、六ノ叡智からの聞き耳で集めた情報から
親玉と思しき木の根を狙ういトラップツールⅡに仕込んだ種を頒布する
敵がこちらを補足し、攻撃に意識を割いた瞬間を狙って
カウンター、だまし討ちを行う
傷口をえぐるように木の根から栄養を搾り取り
枯れ果てさせることを狙う
機ヲ隠すなラ森の中といってネ
いヤ、正しくハ木カ
君達ニとっテ格好ノ領域でハあったのだろウ
それ以上ニ、私モ相性ガ良かったのサ
所変わって、御宮司・幸村(渚のインドアサマナー・f02948)とナハト・ダァト(聖泥・f01760)のコンビも、邪教団本拠地の捜索の最中に六零二『デビルズナンバーはやし』たちの襲撃を受けていた。
「おっと、これは割と痛いぞー!?」
降り注ぐ小枝の針の雨を振り払いながら、御宮司は偵察型極小ドローン『情報の妖精さん』で自分の死角をカバーすると、直感で軌道を予測して回避行動!
「ふーん、オールレンジ攻撃ねぇ? じゃあ、詠唱! Invader's(インベーダーズ)!」
御宮司の周囲に突如、小型のドット画の侵略してくる戦闘用宇宙人が召喚された。
その数、なんと215体!
「一撃で消滅するってーのは、発想を変えれば1撃は耐えられるって事ー! 言い換えれば、おじさんの残機は215機居るようなモノ。波状にも全方位にも数で対応ってね!」
その言葉通り、215体の宇宙人は陣形を組むと小枝の針の雨の壁となって御宮司を攻撃から身を呈して守り始めた!
「ナハトちゃんも危ないから陣形の中に、っていない!?」
御宮司がキョロキョロとナハトを見渡すも姿が見えない。
だが、樹海の中からナハトの声が聞こえてくる……。
「既ニトラップツールⅡで私の身体ト背景ハ同化していル」
はやしたちが攻撃する瞬間、木の幹に顔のような模様が浮かび上がるという情報が猟兵たちへ既に拡散されている。
ナハトははやしたちが視力をもとに攻撃を仕掛けてくると判断し、木の枝を撃ち込んできた直後に迷彩効果で樹海の木々の中へと紛れ込んだのだ。
するとどうだろう、ナハトへ攻撃は一切向けられなくなり、御宮司へと全て小枝がぶっぱされる結果になったのだ。
「なるほどねー! その手があったかー! って、おじさん大ピンチじゃなーいこれ!?」
だが御宮司もいっぱしの猟兵だ。しかも、凄腕のゲーマーなのだ。
この程度の窮地、ゲームでいくらでもくぐり抜けてきたのだ!
「それに、おじさんはゲーマー電脳だけど、経験っていうアナログも信じてるからねー!」
ここでかっ喰らうのはモンスター飯!
魔物を丁寧に捌き希少部位を贅沢に使った肉料理を食べて勇気凛々、元気百倍!
その間にナハトは早業と残像を駆使して自身への攻撃を逸してゆき、顔の浮かび上がった樹木へ触腕を叩き込んで目潰しとマヒ攻撃を同時に叩き込んでゆく。
「ふム、だいぶ幸村クンへの攻撃ガ和らいできたかナ?」
やはり視界を潰すことで小枝の発射の狙いがそれてゆくことを知ったナハト。
だが、彼は更に深慮を重ねていた。
「……どこかニ『親株』ガいるはずダ。それヲ叩けバ、子株モ死滅するはずだネ」
そうと決まれば、地中に張り巡らされている根を調べて親株の場所を探知すべく、ユーベルコード『神の真意(セフィロト・ダアト)』を発動させる。
『AIN SVPH AVR』
樹海に神々しい生命の樹が芽生え、急激に生長してゆく。
だが、この樹はナハト以外には発見しづらく、またナハトと五感を共有して指定した物を追跡が可能だ。
追跡するのはもちろん、はやしたちの『親株』だ。
ユーベルコード『六ノ叡智・美麗(セフィラ・ティファレト)』も使用して『親株』の生命力の希望の音を聞き澄ますことで方角を割り当て、トラップツールⅡで作成した種子を『親株』と思しき根に片っ端から受け付けてゆく。
すると、種子は植え付けられたはやしたちの生命力を吸い尽くして生長してゆく!
あっという間に戦闘で焼け野原になった青木ヶ原樹海は、ナハトのユーベルコードの生み出した生命の樹々で埋め尽くされてゆく。
これでUDC組織が秘密裏に植林する手間が省けただろう。
だが、ユーベルコードを2種使用することは、己の存在を的に知らしめるのと同義。再び強力な小枝の針の雨がナハトへ降りかからんとする!
「機ヲ隠すなラ森の中といってネ。……いヤ、正しくハ木カ」
だが、小枝の針はみるみるうちに痩せ細って朽ちてゆく!
枝を生み出すほどの栄養が足りていない!
既にここら一帯は、ナハトが“植林”した生命の樹々がはやしたちごと生命力を吸い取ってしまっている。
しかも、それは猟兵たちやナハトが見またと判断した存在へと生命力が配分されてゆく。
戦闘で折れた自然の樹々までもが活性化し、はやしたちの必要な栄養素を奪い去ってしまったのだ。
勝手に枯れて滅びてゆくはやしたちの子株に、ナハトが言い放った。
「その根ニ抉りこむようニ種子を植え付ケ、栄養を搾り取リ、枯れ果てさせてやろウ。君達ニとっテ格好ノ領域でハあったのだろウ。それ以上ニ、私モ相性ガ良かったのサ」
「うおー! ナイスだナハトちゃーん! さて、今度はおじさんの番! 侵略せよ、インベーダー! オールレンジ攻撃!」
再びドットで描かれた215体の小型戦闘用宇宙人が召喚されると、あっという間に周囲へ拡散してゆき、はやしたちの身体に群がって胴体をぶち抜いてゆく!
「一体の威力が弱くても、鎧砕きと防御無視攻撃を持ち合わせた宇宙人たちの攻撃さえあれば、あとはもうお構いなしだよねー♪」
次々に御宮司は、はやしたちを宇宙人たちをけしかけて粉砕してゆく最中に、ナハトは『親株』の特定を急いでいた。
「どうやラ、ここかラ少し遠いようダ。だガ、他の猟兵ガ向かっていル。あとは彼らニ任せよウ」
これに御宮司は戦闘中にもかかわらず、ほっと胸をなでおろす。
「おー! ようやくこの状況からオサラバできるんだねー?」
「あア、ならバ、ここハ掃討戦へ移行しよウ」
こうして、ナハトと御宮司は、残るはやしたちを見つけ次第に除去してゆき、樹海の秩序を取り戻してゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎
――っ、たぁ…
ちょーっと無理しすぎたかし、って!?
うわもう次の来てるの!?
ったく、ちょっとぐらい休ませてほしいわねぇ…!
刃の嵐って言っても中身は木の葉よねぇ。
軌道〇見切って火炎〇属性攻撃の●鏖殺で撃ち落とすわぁ。
…で。正直どれが敵なのかわかりにくいわよねぇ。
纏めて焼夷手榴弾で焼き払っちゃったほうが楽かしらぁ?
適当に焼いてけば当たらないかしらぁ?
…え?攻撃の瞬間顔が浮かぶの?
ならそこに早撃ちを合わせるわぁ。
刻むルーンはカノ(炎)・ティール(勝利)・アンサズ(言葉)。
即ち…勝利をもたらす炎の剣、なぁんてね。
羽月・姫香
うわ、今度は完全に囲まれとるやないの…次から次へと、キリがあらへんなぁ…
まずは包囲を切り抜けな、すぐにやられそうやな…それやったら【ダッシュ、残像、見切り】に【第六感】も駆使して木々の間を走り抜けて身をかわそうかっ!
素早さには、忍として一応の自負はあるんやっ!
うまく避けられたら、<忍者刀>でひたすら斬る…と、思ったやろ?
実はさっき走ってる時に…あんたらの足元に【物を隠す】のをしとったんや
何を隠したかって? それはぁ…
「【忍法・火炎陣】っ! 木やったら火には弱いやろっ!?」
あ、周りにいる人も気をつけてな? ウチ【毒使い】やから煙にも毒が…
何かあったら<解毒剤一式>と【医術】も使うけど…
※アド歓迎
「――っ、たぁ……」
樹海の中を傷だらけで探索しているのはティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)。
先程の仮面メイドの三五零『デビルズナンバーおもてなし』との戦闘で深手を負ったが、応急処置を自前で行い戦線復帰したのだ。
ベースキャンプで揃った情報をもとに、敵の拠点の場所を探っている最中なのだが、またしてもここでオブリビオンの強襲に出くわしてしまう。
「ちょーっと無理しすぎたかし、って!?」
ティオレンシアの左肩が途端に切り裂かれた!
飛来してきたのは、大量の葉っぱ!
しかし、それに触れたものはことごとくスパスパと切断されていってしまう!
これぞデビルズナンバーはやしたちのユーベルコードのひとつ、『悪魔の枝葉(デビルリーフ)』!
「うわもう次の来てるの!? ったく、ちょっとぐらい休ませてほしいわねぇ……!」
荒れ狂う鋭い葉の嵐に飲まれながらも、直感で軌道を読んだティオレンシアは致命傷を回避して逃げの一手!
だが、先程のメイドより単調かつ直線的な攻撃、時間が経過するにつれ、ティオレンシアは完全に見切って葉の刃の嵐を見事に掻い潜ってゆく。
そこへ、同じく奇襲を受けていた羽月・姫香(災禍呼ぶ忍・f18571)が樹海の茂みから飛び出してきた!
「うわ、今度は完全に囲まれとるやないの……次から次へと、キリがあらへんなぁ……?」
だが、羽月は化身忍者、己の敏捷性には自負がある!
「まずは包囲を切り抜けな、すぐにやられそうやな……超高速移動の残像と直感による葉っぱの軌道の見切りも駆使して木々の間を走り抜けて身をかわしたるっ!」
日々の鍛錬と武装の充実が功を奏し、ティオレンシア同様、飛び交う葉の刃を物ともせずスイスイと回避してゆく!
「素早さには、忍として一応の自負はあるんやっ!」
「あら、流石ねぇ? ちょっと手伝ってくれるかしらぁ?」
ティオレンシアは愛銃オブシディアンの弾倉を弾いてリロード!
先程から向かってくる葉の刃を銃弾で弾き返しているのだ。
「刃の嵐って言っても中身は木の葉よねぇ。だからこうして、炎(カノ)のルーンを刻んだ銃弾で焼き払ってるわぁ」
クイックドロウの技能をフル活用し、ファニングと神速のリロードによる連射を実現させた彼女にとって、もはや見切った葉っぱの動きなど的でしかなかった。
銃口から飛び出した弾丸が葉っぱに命中すると、ルーンの魔力によって空間を焼き尽くす爆炎が一瞬で広がった! 巻き込まれた葉っぱも灼き尽くされ、次第に周囲の安全を確保できるようになっていた。
「……で。正直どれが敵なのかわかりにくいわよねぇ? いっそ、纏めて焼夷手榴弾で焼き払っちゃったほうが楽かしらぁ? 適当に焼いてけば当たらないかしらぁ?」
ナパーム弾各種を取り出して、ほんわかと微笑むティオレンシアに羽月は顔をひきつらせてしまう。
「まさか、ウチと同じ事を考えてた猟兵がおるとは思わなかったわ……」
羽月はなおもはやしたちの攻撃を回避しながら樹海中を駆け巡っていた。
「そこのお姉さん! 手伝ってもええけど、風上に移動してくれへん? そこはちょっちヤバいねん!」
「えっ? 風上に移動すればいいのねぇ? わかったわぁ」
要領を得ぬまま、ティオレンシアは言われるがまま風上と思しき場所へ移動を開始。
「それと、敵の親玉がこのあたりに居るらしいで!? そいつを潰せば、子株も一気に死滅するそうや! あと、攻撃の際に、木の幹に顔が映るんやて!」
羽月は仲間の猟兵から集積された情報をティオレンシアへ伝達。
当然、それはティオレンシアにも伝達はされていたが、羽月のおかげで裏が取れた。
「攻撃の瞬間顔が浮かぶの? なら、そこに早撃ちを合わせるわぁ。あなたも忍者刀で斬り伏せちゃってねぇ?」
ティオレンシアの言葉に羽月は首を小刻みに振った。
「ちゃうちゃう! 忍者刀でひたすら斬ると思ったやろ? ちゃうねん、実はさっき走ってる時に……奴らの足元にある物を隠しとったんや! 何を隠したかって? それはぁ……」
羽月は忍者刀の峰で葉っぱを弾き飛ばすと、刀を地面に突き刺して素早く両手で印を結んだ!
「忍法・火炎陣! 木やったら火には弱いやろっ!?」
彼女がユーベルコードを発動させると、途端に周囲の樹々があっという間に炎に包まれてゆく!
羽月は回避行動の最中、はやしたちの根本に特性の焼夷弾をばらまいてゆき、一斉に発破させたのだ!
「ただの火遁やと思った? ウチの忍法は一味ちゃうよっ! 敵さんが葉っぱだけに、ウチも発破させてもろうたわ! どや! 洒落とるやろ!?」
「ケホケホッ! 何、この煙……!? なんだかくらくらするわぁ……」
ティオレンシアが苦しそうに爆煙を掻き分け、ようやく羽月の側まで辿り着く。
羽月は慌ててタクティカルポーチから小瓶に入った薬液を取り出した。
「お姉さん、この煙を吸うたらあかん! ウチ特製の毒が仕込まれてんねん、はよ解毒せな!」
「そういうことは早く言ってほしかったわぁ……」
ティオレンシアは薬液を一気に飲み干すと、血清を獲得して毒に耐性を得ることができた。
軽い毒耐性があったティオレンシアだからこそ、毒煙を吸っても大事に至らなかったことが幸いだ。
羽月の焼夷弾のおかげで、はやしたちの子株が次々とピンポイントで焼かれてゆく。
次第に数が減ってゆくと、攻撃が一方からのみ飛んでくるようになった。
数十メートル先、一瞬だけ人の顔が樹の幹に浮かびあがった!
「見つけたわぁ♪ 6発撃ったら終わり? そんなこと、誰が決めたのかしらぁ?」
ティオレンシアは神速リロード!
刻むルーンはカノ(炎)・ティール(勝利)・アンサズ(言葉)!
「即ち……勝利をもたらす炎の剣、なぁんてね♪」
そこからのファニングショット高速連射!
樹海の樹々の合間を縫ってゆき、6発の銃弾が親株へ全弾命中!
発泡からわずか2秒も立たないうちに、はやしの親株は火柱をあげて全身が焼き焦がされてゆく!
「■■■■■■■■■■■■■■――!」
おおよそ言語化できない断末魔を上げながら、はやしの親株は灰へ化してゆくのだった。
数と地の利を活かして強襲してきた六零二『デビルズナンバーはやし』は青木ヶ原樹海から滅びた。
しかし、戦いは、まだ終わっていなかった……。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『四六四『デビルズナンバーかぶとむし』』
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POW : 悪魔の大斧(デビルアックス)
単純で重い【バトルアックス】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 悪魔の竜巻(デビルトルネード)
【四本腕でバトルアックスを持つこと】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【相手の肉体を切り刻む巨大な竜巻】で攻撃する。
WIZ : 悪魔の外骨格(デビルエクソスケルトン)
全身を【相手の攻撃を軽減する強靭な外骨格】で覆い、自身が敵から受けた【ユーベルコードによる攻撃】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
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樹海に横たわる、六零二『デビルズナンバーはやし』の残骸。
その残骸のひとつから、ミシミシと音を立てて中から突き破って出てくる異形がいた。
――四六四『デビルズナンバーかぶとむし』。
この樹海で復活を遂げ、他のデビルズナンバーの仲間を呼び寄せていた張本人だ。
「なぜだ? なぜ、はやしたちが倒されている
……!?」
信じられないと言わんばかりに驚愕するかぶとむし。
だが、同時に胸が高鳴っていた。
「面白い! 猟兵とやらは相当な技量の猛者のようだ。我が闘争の相手に相応しい!」
身の丈ほどのバトルアックスを掲げると、樹海の中でかぶとむしは叫んだ!
「聞こえるかっ! 猟兵共!? 我が名は四六四『デビルズナンバーかぶとむし』! 我を倒したくばここまで来い! いざ、尋常に勝負、勝負ゥゥゥゥーッ!」
馬鹿でかい声量の名乗りは、きっと同じ樹海にいる猟兵たちの耳に届き、次第にかぶとむしの前に集結してくるだろう。
そのときこそ、この遭遇戦の決着をつける瞬間だ!
猟兵たちよ、心して掛かれ!
この異形のUDCオブジェクトも先制攻撃を仕掛けてくる!
無策で立ち向かうのは自殺行為である!!
<プレイング受付:2019/07/25(木) AM8:30~>
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
ようやく妙に強い奴らの親玉、ってヤバいなこりゃ……
こういう真っ向勝負好きの奴が最後だととにかく強いんだよなぁ。
さっきまでアタシらも思い切り樹海をなぎ倒しちまったけど……
こいつもそういう意味じゃ同類ってかぁ!?
兎に角、奴の戦斧はまともに受けちゃたまらねぇ。
『地形を利用』して、死角を取るように逃げ回るよ。
他にはさっきのはやしの残骸を『敵を盾にする』要領で
凌ぐために使う。
そうやって周囲の見晴らしがよくなりゃ、
逆にこっちも好都合さ。
相棒を呼び寄せ、【人機一体・天】を発動!
周囲が破壊されて空を飛びやすくなったからね、
空中からヒットアンドアウェイの様に
連続で『踏みつけ』てやる!
波狼・拓哉
いやー!?先手取られたらこっちが死にそうなん出てきたー!?
あんなのとまともに戦ってられ…竜巻とか逃げきれそうにないんですけど?
と、焦ってる感じで演技しつつ脱力状態を維持して攻撃を釣り上げよう。…8割本心だけど演技だよ、うん。戦闘知識に衝撃波組み合わせて竜巻の斬撃をいなしつつ無効化。…風の向きを読んだり第六感も併用して精度を上げよ。
じゃ、いつまでも黒染みしてる場合じゃないお仕事ですよ、ミミック。化け穿ち刻みな。
自分は無効化した後はクイックドロウで相手の腕…というかバトルアックスを衝撃波込めた弾で撃とう。最上は武器落としだけどメインは4本腕で持たれて相殺を避けるように邪魔しよう。
アドリブ絡み歓迎)
四六四『デビルズナンバーかぶとむし』の咆哮は、樹海の中で彷徨う猟兵たちの耳に届いた。
真っ先に駆け付けたのは、スピードに自身のある猟兵2名であった。
「ようやく妙に強い奴らの親玉、ってヤバいなこりゃ……」
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、かぶとむしを目の当たりにして身構えた。
今までのデビルズナンバーも強敵だったが、今度の親玉は纏っているオーラと殺気が比類ない。
「こういう真っ向勝負好きの奴が最後だととにかく強いんだよなぁ」
さて如何に攻撃をいなすか、と考える数宮の真後ろから、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)の悲鳴が樹海に轟く!
「いやー!? 先手取られたらこっちが死にそうなん出てきたー!?」
両膝はガクガク震え、口はパクパク閉じたり開いたりする波狼は完全にすくみ上がっているように見えた。
これにかぶとむしがすかさず反応した。
「ぬ!? 猟兵といえども、全員が勇猛というわけではないのだな? 戦場(いくさば)に弱者は不要ッ! このままバラバラにしてくれる!」
波狼を排除しやすい相手だと判断したかぶとむしは、四本腕でバトルアックスを持つと、そのまま大回転!
独楽の要領で高速自転をし続けると、周囲の空気を巻き上げて竜巻と化した!
「あんなのとまともに戦ってられ……竜巻とか逃げきれそうにないんですけどぉ!?」
「拓哉さん! 早く樹海の中に隠れな!」
数宮は既に樹海の中へ紛れて死海に回り込んで竜巻を回避していた。
だが波狼は恐怖で足が竦んでいるのか一歩も動けず顔面蒼白だ!
「う、うわああああ!?」
波狼が恐怖に震えて絶叫!
かぶとむしの『悪魔の竜巻(デビルトルネード)』が波狼を飲み込んでゆく!
「拓哉さぁーんっ!?」
数宮、思わず悲痛な声を上げつつ目を逸らしてしまう!
哀れ波狼、竜巻の刃に巻き込まれてバラバラに!
「……バラバラになると思った? 残念だったな!」
竜巻の中から聞こえる波狼の声!
「いつまでも黒染みしてる場合じゃない、お仕事ですよ、ミミック」
彼の影の中に黒いシミとして潜んでいた箱型生命体『ミミック』が竜巻の勢いを全て喰らい尽くす!
「な、なにっ!?」
強制停止させられたかぶとむしの足元に、胡座をかいてニヤリと口角を釣り上げる波狼!
「さあ、化け穿ちなミミック……! 世界を染め上げ無に還せ!」
黒いシミから放たれる刃の竜巻が、かぶとむしを直撃して上空へ巻き上げていった!
「おいおい! あれをまともに食らってよく生きていたねぇ!?」
木々の影を渡り歩きながら、数宮は波狼のもとへ駆け付けて身を案じる。
すると波狼は傷ひとつなくピンシャンしているではないか。
「焦ってる感じで演技しつつ、脱力状態を維持して攻撃を釣り上げたんだ。……8割本心だったけど演技だよ、うん。あとは風の向きを読んだり第六感で軌道を読んで回避の精度を上げつつ、今までの戦闘経験から竜巻の内部へ衝撃波を放って威力減退を図ってみた」
「すげぇ……一瞬で其処まで考えいたなんてねぇ!」
感心する数宮だったが、すぐに険しい顔に戻る。
「奴さんのご起床のようだ。今度はあたしを御所望かい?」
巨大なバトルアックスを掲げて、数宮へ突進してくるかぶとむし!
「先程は不覚を取ったが、次こそは潰してくれるわ!」
樹海の奥へ逃げる数宮を、かぶとむしの巨斧が襲い掛かる!
次の瞬間、爆発音とともに、数宮の足元が一気に吹き飛んでいった!
周囲の樹々は爆散し、大地は砕けてクレーターを形成!
「うっへぇ!? さっきまでアタシらも思い切り樹海をなぎ倒しちまったけど……。こいつもそういう意味じゃ同類ってかぁ!?」
あまりの威力に数宮は舌を巻いてしまう。
咄嗟に転がっていた、デビルズナンバーはやしの残骸を盾にして衝撃から身を守らなかったら、今頃、あばらが何本折れていたことだろうか?
「ぞっとしないねぇ!? でも、これで見晴らしが良くなったわけだね。逆にこっちも好都合さ!」
すると、サイキックエナジーで通信を行うと、相棒の宇宙カブJD-1725が樹海の中から飛び出してきた!
「行くぜ相棒……天翔ける、翼となれ!」
ユーベルコード『人機一体・天(チャージアップバディ・ジェットドライブ)』発動!
宇宙カブはパワードアーマーへと変形して、数宮の身体を包み込む!
更にカブのエンジン回転数が急上昇!
燃費がすこぶる悪くなるが、アーマーのパワー出力が一気に跳ね上がリ、機体からのロケット噴射で空を飛び始めた!
「どうだい? これで攻撃が届かないだろう?」
「なめるなぁッ!?」
かぶとむしは全力で垂直跳び!
巨斧を振りかぶって数宮の顔面に叩き込むつもりだ!
しかし、その攻撃を阻止するために、波狼は衝撃波を纏った銃弾をかぶとむしの腕の関節へと集中銃撃!
「俺のクイックドロウと衝撃波の腕前、甘く見ないでよね?」
「ぐぬっ!? 貴様ァ!?」
銃弾を防ぐために体勢が崩れた鋤に、数宮は更に高度を急上昇!
「そんじゃ、虫はおとなしく『踏み潰されて』いな!」
スラスター最大出力で急降下キック!
カブトムシの顔面に数宮の重い加速キックが突き刺さった!
「グワーッ!?」
悲鳴を上げて地面をワンバウント、ツーバウンドと弾むかのように転がってゆき、樹海の奥へとかぶとむしは姿を消したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
宮入・マイ
連携歓迎
面白そうなことやってるじゃないっスか、マイちゃんも混ぜてほしいっス。
まずは辺り一面に『アーちゃん』をバラまいて【破壊工作】っス、地面も木もグズグズにしちゃうっス。
これで相手の地形破壊に反応して崩れる落とし穴の完成っス!
斧の一撃自体はそのまま受けるっス、上半身…最悪顔が残ればいいっス。
ただ、マイちゃんは落ちないように遠くの木に『サナダちゃん』をひっかけて足場を作っておくっス、【ロープワーク】っス。
落とし穴であたふたしてる隙に【細部破綻の物知り】っス、カブトムシにくっついてるアーちゃんを回収してマイちゃんボディ再生&強化っス!
後は自慢の大斧を【怪力】で脳天に叩き返してやるっス。
きゃっきゃ。
御宮司・幸村
ボス戦だねー
先ずは【迷彩】かけつつ【目立たない】ように隠れて【情報収集】
なるほど、外骨格強化からのこっちのユベコに比例したバフねー
んじゃあ、おじさんはこの手で行こう
敵の前に飛び出して、猟兵はここにも居るよーって挑発するよー
相手の攻撃をギリギリまで引きつけ【見切り】
…残念、それは【残像】で、おじさんはこっこだよー♪
んじゃあ、召喚!
……外殻強化?じゃあ、始めから内側なら意味ないねー
攻撃ユベコに比例?
おじさんのユベコは麻痺させるだけー
だから強化は微々たるもんでしょ?
悠々とタッチペンを薄い刃のナイフに【武器改造】
関節とか外骨格の無い所に攻撃するよー
アタッカーさんが居たら、お任せしても良いかもねー
神代・黄泉
【POW】
うっさいわね、そんな馬鹿みたいに叫ばなくても聞こえてるわよバカブトムシ!
ただでさえ暑いのに、暑苦しいのが出てくんじゃないっての!
なんかいきなり地面砕く攻撃かましてくるんでしょ?
叩き付けって事なら、後方に飛び退れば範囲から逃れられそうだし…見切りを活かして、頑張るしかないわね
クソムシの一撃を凌いだら、こっちの番
ほら、さっさと起きなさいクソ山羊!
あの暑苦しいヤツの大斧…アレを狙うのよ、私も部位破壊で壊せるか試してみるから
ガワも堅そうだけど、鎧無視と鎧砕きの併せ技で中身をミンチにしてやるわ
クソ山羊が頑張ってる間に背後を取って、骨刀で関節を狙うのも良いかもね…特に、脚の関節!
※アドリブ歓迎
別働隊の猟兵たちが声が響いた場所へ急ぎ駆け付けてみれば、傷だらけの四六四『デビルズナンバーかぶとむし』が茂みの中から転がってきた。
「ぐふっ!? 抜かったわ……む? ここにも猟兵が! 貴様も我が叫びに応えたか?」
「うっさいわね、そんな馬鹿みたいに叫ばなくても聞こえるわよバカブトムシ! ただでさえ暑いのに、暑苦しいのが出てくんじゃないっての!」
神代・黄泉(生屍・f19790)がイライラしていた。
「だいたい森の中でかぶとむしとか安直すぎるのよ馬鹿じゃないの!? お前みたいなXXXは▲▲▲▲▲で……」
二振りの大鉈を携え、かぶとむしへ向けて聞くに堪えない罵詈雑言を並べ立てる神代を、近くの巨木の影から見守る猟兵がいた。
「いやー、遂にボス戦だねー」
あっけらかんと言い放つのは、赤いヘッドマウントディスプレイを装着した御宮司・幸村(渚のインドアサマナー・f02948)だ。
敵が先制攻撃を行うというのなら、どんなに隠れていても、近くにいるだけで敵は反応するはず。
今までの戦争でも、敵は猟兵のユーベルコードの気配を感じ取って先制攻撃を行っていた。
神代が暴言をカブトムシにぶつけることで、敵がどのような手を繰り出すのか御宮司は観察しようと試みる。
「――って、聞いてるの、このバカブトムシ!?」
「……む? 貴様の他にも猟兵がいるな? 我が外骨格が次第に厚くなってゆく……ユーベルコードの気配を感じるぞ!」
「げ……やっぱりバレてるわ!」
神代は狼狽しながら、どこかに隠れている御宮司に助け舟を求めた。
この光景を一部始終眺めていた御宮司はニタリと口角を釣り上げる。
「なるほど、外骨格強化からのこっちのユベコに比例したバフねー。ダークヒーローのユーベルコードと同系統のアレねー」
ネタが判別できればこっちのもの。
御宮司は神代を庇うように飛び出すと、かぶとむしに向かってひらひらと手招き。
「猟兵はここにも居るよーっ! 固くなるだけのユベコってしょぼいよねーっ!」
「言ってくれるな、猟兵!」
かぶとむしは身の丈ほどのバトルアックスを振り上げる!
「この一撃で木っ端微塵にしてくれようっ!」
「来るわよ、幸村さんっ!」
神代は全力で後ろへ飛び退く!
(どうせ、その斧でなんか地面砕く攻撃かましてくるんでしょ? だったら後方に飛び退れば範囲から逃れられそう!)
彼女が身を引区と、その顔面数センチ先を斧の刃がすり抜けてゆく!
間一髪! 幸運(クリティカル)が味方したのだ!
神代は仮面メイドのおもてなしの頃から運を味方にしてきたのだ。
だが目の前で御宮司ごと斧の刃に巻き込まれて地面が粉砕、抉られてゆく!
「……はぁ!?」
唖然とする神代!
目の前で仲間が殺された、そう認識した彼女はすぐさま反撃に転じた。
「ほら、さっさと起きなさいクソ山羊! 全部、殺して! 私と、お前の前に立つ者は……全部、ぐっちゃぐちゃに!!」
神代が叫んだ瞬間、彼女の下腹部から突然大量出血!
「う、グッ!? あ、あああああ!?」
出血は両足を通じてぼたぼたと滴り落ちると、激痛に耐えて喘ぐ神代の股ぐらから、唐突にぼとりとナニカを“産み落とした”。
「マ……マ……! マ、マ……!」
産み落とされた異形の牡山羊頭の半獣半人が、全身血まみれで神代の足にすがりつく。
この存在はユーベルコード『背徳の牡山羊(バフォメット)』で具現化させた神代の胎内に巣食う邪神である。
血液500mlを代償に出現させることができ、高い戦闘力を有して使役することが出来る。
――かつて神代が受けた陵辱の記憶と憎悪、憤怒などの激しい悪感情は、お腹に宿したナニカをここまで変質させてしまった。
それがグールドライバーの素質を持っていた神代の体質ゆえになのかどうかは、今となっては確かめるための確証はないのだが……。
「っさいわねっ! お前にそう呼ばれる筋合いないわ! ああ、最悪……血でベトベト、気持ち悪い! ほら、さっさと起きなさい、クソ山羊! あいつを殺して!」
「うん……コロ、ス……コ、ロス……!」
山羊頭が立ち上がると、瞬時にかぶとむしの懐へ飛び込むと、秒間113発の拳の弾幕を放つ!
「うおおおお!?」
唐突な打撃のラッシュに驚愕するかぶとむし!
しかし、分厚くなった外骨格によってダメージが軽減される!
すぐさま神代が駆ける!
「違うってば! あの暑苦しいヤツの大斧……アレを狙うのよ!」
山羊頭に指示を出しながら、自身も大鉈を振るって関節部を狙う!
しかし硬い! もはや通常の刃が通らないほどの硬度を誇っていた!
一方、指示を受けた山羊頭は、バトルアックスを持つかぶとむしの腕を集中攻撃!
「ママ、の、いいつケ、聞ク……!」
「な、何だ、こいつは
……!?」
愚直に殴ってくる山羊頭は武器ばかり狙うため、かぶとむしは反撃しようにも拳の弾幕に食い止められてしまっていた。
「刃が通らないのなら……」
神代は素早く敵の背後に回り込むと、両腕尺骨が急激に変異、骨刀となって顕在化!
「これでどうだ!!」
強化人間とグールドライバーの特性を兼ね備えた一撃は、かぶとむしの両肩関節をいとも容易く貫いた!
吹き上がるドス黒い体液!
「ば、馬鹿な!? 我の体が、貫かれた!?」
「驚いてるところ悪いけど、追い打ちさせてもらうわ……いるんでしょ、早く攻撃しなさいよ、おじさんっ!?」
「あははー、バレてたー? おじさんの残像を斬らせて死んだふりしてたんだけど、さっすがヨミちゃん、勘が冴えてるー!!」
樹木の影から御宮司が再び姿を見せた!
「それじゃ、おじさん頑張っちゃうぞー! 召喚開始っ!!」
レトロ仕様の携帯用次世代ゲーム機『Spiel Onkel』からユーベルコード発動!
「地獄に住まう虫達よ、我に仇なす者の動きを止めよ――パラサイトパラライズ!」
宣言の直後、かぶとむしの体内から無数の寄生虫が溢れ出す!
その毒素が神経を蝕み、かぶとむしの動きを止めた!
「我の、体の中に!? ぐぬぅ!?」
「無駄だよー、振りほどこうとしても体の中からだからねー? ……外殻強化? 始めから内側なら意味ないねー? 攻撃ユベコに比例して強化? おじさんのユベコは麻痺させるだけー、強化なんて微々たるもんでしょ?」
御宮司の敵への観察眼と自身の戦闘経験より、かぶとむしは為す術なく彼の手のひらで踊らされていたのだ!
敵の目の前で悠々とタッチペンを薄い刃のナイフに武器改造すると、傷口をえぐるように肩関節へ御宮司は武器の先端をねじ込んだ!
「ぐううううぅぅ!?」
その激痛を払い除けるように、無理矢理かぶとむしの四肢を動かして御宮司と山羊頭を振り解いた!
……と、そこへ、飛び散った寄生虫を拾い上げて、おもむろに口を開けて放り込む少女が現れた。
「……ゴックン。あー、これはマイちゃんたちのお友達になれなさそうっスね~」
ぺっと寄生虫を吐き出すと、フラフラと此方へ近付いてくる。
唐突な言動の少女に、御宮司も神代も目を丸くして驚愕!!
「え、ちょ!? おじさんの召喚した寄生虫を食べちゃったー!? そして吐いた!」
「は!? 食べるってキモ
……!!」
「キモくないっス。マイちゃんは宮入・マイ(奇妙なり宮入マイ・f20801)っていうっス。カタツムリのキマイラっす」
豊満な胸元を揺らしながら、赤ジャージの桃髪少女がお気楽に前へ進み出てきた。
「面白そうなことやってるじゃないっスか、マイちゃんも混ぜてほしいっス」
「新手の猟兵め……! 今度こそ斬り伏せてくれる!」
痺れる体を押しながら、かぶとむしはバトルアックスを振り下ろした!
「ヌゥンッ! 悪魔の大斧(デビルアックス)!」
鈍重で巨大な斧の一撃は、近付いてきた宮入の上半身から下を木っ端微塵に吹き飛ばし、跳ね飛ばされた彼女の首が宙を舞う。
一瞬の出来事に御宮司と神代は絶句……!
「フンッ! むざむざ殺されに来たか……!」
かぶとむしは手応えのなさに思わずせせら笑う。
……だが、地獄はここから始まった。
斧が大地を叩き付けた瞬間、先程よりも広範囲に深く地面が陥没、かぶとむしは地中深く転落してしまった!
「ぬおおおお!?」
巨大な落とし穴の中でひっくり返るかぶとむし!
それを見てキャッキャとはしゃぐのは、なんと宮入の生首であった!
頸動脈らしき部分をうねうねと自在に伸ばして木の枝にぶら下がっている!
「やーいやーい、引っかかったっス! 斬られるちょっと前に『アーちゃん』をバラまいておいたっス。『アーちゃん』は寄生虫っス。この首の『サナダちゃん』も寄生虫っス。つーか、マイちゃん全身が寄生虫なんスよ~」
かぶとむしとの会話の最中に、足元の土壌を寄生虫たちで腐らせで軟化させておき、衝撃を加えることで地盤沈下を引き起こしたのだ。
更に、宮入自身は『本体』さえ殺されない限り生存可能!
「あ、キマイラっていうのは嘘っス。研究時のおっさんたちはバイオモンスターってマイちゃんのことを呼んでたっス。でもマイちゃんがちょっと遊んだら研究所が爆発して吹き飛んじゃったっスよ。マイちゃん、あんま気にしてないっスけど」
つまり、宮入は知能を獲得した寄生虫の集合生命体のバイオモンスターなのだった!
「あ、身体返してもらうっス。ついでに『アーちゃん』で噛じらせてもらうっスね?」
「ぎゃあああ!?」
悶絶するかぶとむし!
厚くなった分の外骨格が全て寄生虫に喰われていた!
地面から這い出た寄生虫は宮入の頭部に集合すると、下半身を引き寄せて合体!
「マイちゃん復活っス。あ、ジャージは流石に復活できなかったっスかー。人目もあるので隠すっス」
露出した発育のいい胸元にデビルズナンバーはやしの残骸を巻きつけた宮入は、集まった寄生虫をこねくり回す。
すると、かぶとむしの持つバトルアックスに似た巨斧を形成したではないか!
「マイちゃんもこれやりたいっス。せーのっ!」
振り下ろされた一撃は、地面に埋もれているかぶとむしの脳天をかち割り、緩くなった地盤を更に吹き飛ばした!
「グワーッ!?」
大地が爆ぜ、その勢いで樹海の奥へ吹っ飛んでゆくかぶとむし!
「うおー、めっちゃ飛んでたっス。きゃっきゃ!」
飛んでいった敵を目で追いながらはしゃぐ宮入に、御宮司と神代は顔を見合わせる。
「いやー、おじさんびっくりだよー」
「……ホント、猟兵って色々いるのね。常識ってなんなのかしら?」
かぶとむしが飛んでいった咆哮で、すぐさま爆発が発生、すでに他の猟兵と交戦が始まっているようだ。
ならば、と2人は宮入を保護してベースキャンプへ帰還することにしたのだった。
大成功
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ナハト・ダァト
真の姿解放
白く輝く異形の姿へ変貌
所詮ハ昆虫
コレハ堪らないだろウ?
トラップツールⅡを用いて、
はやしの残骸から敵を酩酊させる樹液を精製
広範囲に散布し
樹液にはマヒと催眠効果も付与させておく
酩酊して、判断力が弱った所で目潰し
薄暗い林の中で鈍くなっている網膜を焼く光を放つ
地形ノ利用とハ、こういう事ダ
厳正なル裁キ、受けると良イ
力溜め、武器改造で甲殻を抉りとり、衝撃を内部に通す形状に変化させた触手の一撃を
早業で叩き込む
コレが本当ノ、ハニートラップダ
この程度ノ知能デ立ち向かうなド、笑い話にモならないヨ
紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎
引き続き華織(f12932)と。
さて、大物がやってきたけど、華織の持つ刀なら一刀両断は容易い。後は、その状況を如何にして作るか、だけど。
【選択UC】(第六感,見切り)で自分や妹、友軍への攻撃を予測して共有、回避する。妹とは妹のスマホへの着信を使った合図で共有する。……妹には一太刀浴びせるまでは【目立たない】所に隠れていて欲しいからね。
『刹那』や[K's]Sirius(鎧無視攻撃)の手数(2回攻撃)で敵の意識を向けさせて、隙を作る。(おびき寄せ,時間稼ぎ,援護射撃)
本当は華織には危険な事はさせたくないけど、この場で華織がいるなら、私が守れるから。
「――今!」
紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎
引き続き、お姉ちゃん(f07893)と。
うっわー、なにあの大きなカブトムシ。凄く怖いケド、凄く斬りがいがあるよね。こんなのいるって知ってたら呼ばれなくても来たよ!
お姉ちゃんの指示に従って最初は様子を伺うよ。直感(見切り)で回避しても良いけど、お姉ちゃんの方が正確だろーしね。それに、アレを斬る為に集中しておきたいし。スマホに届くお姉ちゃんからの指示で回避。
機が熟したらお姉ちゃんが回避とは違う合図を出すから、それに合わせて行動開始、不意をつく形(暗殺)で【ダッシュ】で接敵して、【選択UC】(鎧無視攻撃)を一太刀。
「――迷わず、逝っちゃえ――!」
羽月・姫香
ただのカブトムシやない…力も、早さも、堅さも段違いや…気を引きしめなあかんなっ!
あの竜巻は避け切れるか分からへんな…それやったら<忍七つ道具>の爆弾を【投擲】!
竜巻の周りで爆発させて、進路を逸らしたり、勢いを削いだりするのを試してみよか
あとは【ダッシュ、見切り、第六感、逃げ足】を使ってとにかく竜巻から逃げ切るっ!
そしたら【地形の利用】で【目立たない】ように隠れながら…【暗殺】や
相手がウチを見失っていたら儲けもの。必殺の…【秘伝忍法・山風】っ!
例えかすり傷やったとしても、【毒使い】やから甘く見たらあかんよっ!
更に【2回攻撃】で【クイックドロウ】、最後の武器の拳銃もおまけで撃ち込むっ!
※アド歓迎
ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎
うっわあ、見るからに力押しの武人型…
こういう小細工ごと踏みつぶす力isパワーのタイプ、あんまり相手したくないのよねぇ…
武器ぶん回しての竜巻って…近づかないほうがよさそうねぇ。
〇逃げ足でダッシュかけて引き撃ちするわぁ。
竜巻って、風でできた檻でもあるわよねぇ。…なら、そこに火をつけたらどうなるかしらぁ?
刻むルーンはカノ(炎)・ソーン(茨)・アンサズ(言葉)。
焼夷手榴弾の〇投擲と火炎〇属性攻撃の●的殺で炎の檻に変えてやるわぁ。
虫だもの、火にはそんなに強くないでしょぉ?
にしても、最近我ながら火とか爆発とか多用してるわねぇ。
…ナパームお姉さん、ちょっと否定できないかも。
四六四『デビルズナンバーかぶとむし』が吹き飛ばされた先には、ちょうど数名の猟兵たちが駆け付けてくるところであった。
「うっわあ、見るからに力押しの武人型……。こういう小細工ごと踏みつぶす力 is パワーのタイプ、あんまり相手したくないのよねぇ……」
困惑するティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)に、羽月・姫香(災禍呼ぶ忍・f18571)は警戒を促す。
「ただのカブトムシやない……力も、早さも、堅さも段違いや……気を引きしめなあかんなっ!」
そこへ紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)が駆け付けてきた。
「さて、大物がやってきたけど……どうしようか?」
物陰に隠れる妹の紅葉・華織(奇跡の武術少女/シスコン師範代・f12932)の方をちらりと智華は見遣る。
当の本人もかぶとむしを物陰から視認して目を輝かせていた。
「……うっわー、なにあの大きなカブトムシ。凄く怖いケド、凄く斬りがいがあるよね。こんなのいるって知ってたら呼ばれなくても来たよ……!」
興奮を抑えきれず、小声で呟く華織はスマートフォンを握り締めていた。
(お姉ちゃんの指示に従って、必殺の一太刀を浴びせる……!)
その好機が訪れるまで、暴力的な斧の一撃を回避しなければならない。
「役者ハ揃ったようだネ。そろそろ始めようカ」
ナハト・ダァト(聖泥・f01760)の姿が移り変わってゆく。
黒いタール状の身体は次第に白く輝く異形の姿へ変貌する。
真の姿……ナハトの力の一端がこの場で顕現する!
「所詮ハ昆虫。コレハ堪らないだろウ?」
トラップツールⅡをデビルズナンバーはやしの残骸を素材に精製を行うと、たちまち甘い樹液の香りが樹海に立ち込めてゆく。
「ほう、敵に塩を送るとは殊勝な心がけだな!」
ダメージを負っていたかぶとむし、樹液の香りで戦闘意欲を回復させるとバトルアックスを掲げる。
「ではゆくぞ! 合体ユーベルコード! 悪魔の大斧(デビルアックス)! 悪魔の竜巻(デビルトルネード)! まとめて2つ同時発動だ!!」
4つの腕で巨大斧を持って独楽のように高速自転!
大気を巻き込んで竜巻を発生させると、猟兵たちへ突っ込んできた!
竜巻が通った場所の地形はあっという間に破壊され、まるで生きる災害のようだ!
「武器ぶん回しての竜巻って……近づかないほうがよさそうねぇ」
全力で樹海を駆け巡りながら、愛銃で引き撃ちで対抗するティオレンシア。
必死に軌道を逸らそうと懸命に撃ち込んでゆく。
智華も後退しながら04-MV[P/MC]マルチロールアサルトウェポン【刹那】とWH04HL[K's]Sirius(ハイレーザーライフル)を使い分けながら牽制射撃。
「そうだ、こっちへ来い!」
誘い出すように智華はかぶとむしの外骨格を撃ち抜いてゆく。
(華織のいる場所へは向かわせない!)
おびき寄せようと必死の抵抗を続ける智華の狙い通り、徐々にかぶとむしが智華へ標的を絞り始めた。
しかし、全てを抉る暴風の刃が華織の潜む場所を容赦なく巻き込んでゆく!
(まずい! 華織、逃げて!)
智華はすかさずユーベルコード『虚構の神脳(イミテーション・ラプラス)』を発動!
義眼の未来予知演算で軌道を予測すると、スマホの通話ボタンを押す。
それは潜んでいた華織のスマホのバイブレーション着信が合図となって、華織は暴風を間一髪で回避!
巻き込まれた大樹が音を立ててへし折られてゆく!
「うわぁっ、こんなの近付けないよ!?」
近接武器を主体とする華織にとって、範囲攻撃は天敵に近い。
……華織のユーベルコードでいくらでもなるようにはなるのだが、それは自分の身の安全を考慮しない場合だ。
この後の邪教団本拠地決戦を控えている今、この遭遇戦での猟兵の消耗は避けるに越したことはないのだ。
「直感で回避しても良いけど、お姉ちゃんの方が正確だろーしね。それに、アレを斬る為に集中しておきたいし」
華織は再び気配を薄くして樹海の闇へと紛れていった。
猛威を振るう災害級のユーベルコードを前に、ナハトも軌道と攻撃範囲を読んで身を翻す。
「……まだ効果ガ現れないのカ」
何かを待つような素振りを見せるナハトに勘付いた羽月、すぐさま行動に打って出た。
「時間稼ぎが必要やったら任せとき!ちゅーても、あの竜巻は避け切れるか分からへんな……それやったら!」
彼女の隠し持つ忍七つ道具をタクティカルポーチから取り出す。
「ほな、吹っ飛びや!」
投擲されたのは爆弾!
竜巻の中で炎を撒き散らして爆発すると、風で煽られて炎はかぶとむしを取り囲む灼熱の檻と化す!
「グワーッ! 身体が、燃える!!」
「あらぁ? やっぱり虫は火に弱いのかしらぁ?」
ティオレンシアはすかさずルーンが刻まれた銃弾を愛銃に再装填(リロード)!
「刻むルーンはカノ(炎)・ソーン(茨)・アンサズ(言葉)。竜巻って、風でできた檻でもあるわよねぇ? そこに炎を巻き込ませれば、自身を焼くインスタント地獄の完成だわぁ」
投げ込まれるピンを抜いた焼夷手榴弾!
それに向けて照準を合わせたティオレンシアは、炎のルーン銃弾をユーベルコード『的殺(インターフィア)』で狙う撃つ!
「攻撃=防御の解除。そこを崩せばハイこの通り、なぁんてね?」
放たれた銃弾が焼夷手榴弾を撃ち抜くと、戦場一面に紅蓮の炎が膨張し埋め尽くしてゆく!
竜巻に煽られてかぶとむしの全身は炎に包まれ、4本ある腕うちの3本が吹き飛んだ!
ティオレンシアのユーベルコード効果によって、敵の竜巻は封じられてしまった!
「ティオレンシアさん、ありがとうございます! ――狙う穿つ!」
智華は【刹那】をぶん投げて付属の銃剣部分をかぶとむしの関節へ突き刺す!
動きが鈍ったのを確認すると、すかさずハイレーザーライフルで外骨格を焼き穿った!
(本当は華織には暗殺のような危険な事はさせたくないけど、この場で華織がいるなら、私が守れるから!)
狙撃手たちの奮戦が功を奏し、かぶとむしの足が遂に完全に止まった。
だが、止まった要因は銃撃だけではなかった。
「やっと効果ガ出たネ。散布した樹液ニ神経ヲ麻痺させル毒ト催眠効果ヲ付与しておいタ……つまりキミは今、酩酊していル」
「うッ……どおりで、足元がふらつく……わけだ……!」
「あんな高速自転ヲしていれバ余計にだネ。さて、猟兵ハ目ヲ閉じ給エ」
ナハトはかぶとむしの眼前に飛び込むと、自身の聖者の証たる無限光を最大出力で開放!
樹海の闇が一瞬だけすべて吹き飛ぶほどの光量が、かぶとむしの網膜を焼き尽くした!
「があああああああああ!? 目が! 目があああああ!?」
「地形ノ利用とハ、こういう事ダ。厳正なル裁キ、受けると良イ」
斧さえ残る腕から手放して悶え苦しむかぶとむしに裁きの一撃を見舞おうと力を溜めるナハト。
この瞬間こそ、必殺の一撃を加える絶句の好機!
「――華織、今だっ!」
智華の着信で華織が樹海の影かた飛び出す!
その真向かいからは、爆発に乗じて身を潜ませた羽月が暗殺の一撃を放たんとかぶとむしの急所へ飛び掛かる!
「秘伝忍法・山風! ウチのとっておきの忍法……たっぷりと味あわせたるっ!」
複製される32個の毒を塗布した南洋手裏剣が各々個別に風を切ってかぶとむしの関節部へ殺到!
「これもオマケや! ぎょうさん受け取っとき!」
懐に忍ばせていた45口径サブコンパクト拳銃の銃弾をありったけ零距離から発砲!
そこへ消煙を掻い潜る華織が迫る。
「――斬る。即ち絶つ事也」
華織は妖刀【月華】を抜き払うと、赤枝流剣術【唯絶】の構え!
「――迷わず、逝っちゃえ――!」
その斬撃は、かぶとむしの外骨格を紙切れのように切り裂き、内蔵ごと掻っ捌いてしまう!
高速の連携に悲鳴すら上がる暇もないかぶとむしに、ナハトはダメ押しのユーベルコードを叩き込む!
「ALHIM GBVR」
その聖詠により、ナハトの触腕が一層白く輝き出す。
千枚通しのような形状に変化した触腕は、ワンインチの至近距離から超高速でかぶとむしの心臓部へと放たれ、異形を穿ち貫く!
ユーベルコード『五ノ叡智・厳正(セフィラ・ゲブラー)』――全てを粉砕可能かつ修復不能にする触腕の超高速かつ大威力の一撃は、かぶとむしの胴体部に風穴を開け、その衝撃波は異形のUDCの肢体を完全に破裂させていった。
「コレが本当ノ、ハニートラップダ。この程度ノ知能デ立ち向かうなド、笑い話にモならないヨ」
やれやれ、と呆れるようにナハトは燃え崩れるデビルズナンバーに憐憫の情を向けた。
「念のため、焼却処分しておくわねぇ?」
ティオレンシアはナパーム弾で、四散したかぶとむしの残骸を完全に灰にしてゆく。
「にしても、最近我ながら火とか爆発とか多用してるわねぇ」
ふと、ティオレンシアの脳裏に、UDC職員から送られた通称を思い出す。
「……ナパームお姉さん、ねぇ。……ちょっと否定できないかも」
苦笑いをするティオレンシアだったが、彼女はぞくり、と周囲の空気が変容するのを気取った。
彼女だけではない。
この場にいる猟兵たち全員が、青木ヶ原樹海の龍脈から吸い上げられた空気の変わりように気が付いた。
――これは、もしや結界?
破れかぶれになった邪教団が結界を拡大して自己防衛を行おうというのだろうか。
おかげで、敵の本拠地の場所の気配が容易に特定できる。
……いよいよ、長きに渡る事件に終止符を打つ時が来たようだ!
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年07月29日
宿敵
『四六四『デビルズナンバーかぶとむし』』
を撃破!
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