●サムライエンパイヤ
そこは貧しい村だった。痩せた土地、実りの少ない稲穂。かろうじて団子の特産品とすることで食いつなぐ小さな村。
「聞いたか?」
村人の一人が囁く。
「聞いたぜ、森の中に鬼がいるってな」
ささやきは次々と広がっていく。
「ヨモギを取りに行った奴が弁当取られたらしいな?」
「森の奥から笑い声が聞こえたらしいな」
「誰か退治してくれないかな?」
「天下自在符を持った方々が助けに回ってるらしいぞ」
「よせやい、こんな村までそんなのが来るわけないだろ?」
村の空気が不安で沈む。
――森の奥、洞窟が一つ。
子供のような笑い声が奥から響く。岩々に反響する中、鎧武者の男は歩いていた。
「遅れてすまなかったな」
詫びを一つ入れて、担いでいた鹿を死体を転がせば。
「おじさんありがとー」
「わーおいしそー」
「いただきまーす!」
あどけない声が響く。
会話だけ聞いていれば微笑ましい風景かもしれない。
それが子供の鬼とオブリビオンの武者でなければ……。
●グリモアベース
手の甲に乗せた粉を鼻から吸引し、一息ついた後、トラガン・ストイコブッチ(ブッチ軍曹・f04410)は猟兵達を見た。
「最初に言っておく。救いは無い」
広げたのは洞窟のある森と小さな村のある地図。
「君達にはサムライエンパイヤにある洞窟に居る鬼達……まだ子供のだがな、これを排除してもらいたい。本来なら鎧武者のオブリビオンが保護しているが、幸い食料確保に出たところを奇襲できる」
子供という言葉を強調した後、ケットシーは言葉を続ける。
「鬼は子供だ。すぐ排除できる、撫でたら死ぬくらいにな。メインはその後の鎧武者だ。人間じゃあるまいし、君達に向かってあらん限りの恨み、感情をぶつけるだろう」
元軍人の猫が皮肉交じりに語る姿は何か滑稽な役者の様だった。
「終わった後は村に行くといい。なーにも知らない村人がお前達を名産の歓迎してくれる。団子を食べることにひたすら夢中になっても良いし、何か考えるのも良い、自分も呼ばれれば合流しよう」
全てを説明し終わったトラガンが右手の軍用コンパスを開けば。
「このグリモアが君達を案内してくれる……念の為言っておく。放っておけば鬼は成長して村を滅ぼす。やるなら今だ、分かるな?」
是を求めるグリモア猟兵の目は何かを隠すように冷たい。
「決意を決めたら、装具を点検して、時計を合わせろ! 君達は子供を殺しに行って、英雄になるんだ」
みなさわ
みなさわです。
OPで説明した通り、救いは用意してません。
こどもを殺し、育てた者に恨まれ、何も知らない村人に感謝されるだけのシナリオです。敵がオブリビオン、ただそれだけの。
舞台は洞窟の前から始まります、葛藤する時間すらありません。
最後に村人が名産の団子を用意して歓迎してくれます。プレイングで指定していただければトラガンもやってきます。
もう一度言います。 みなさわは救いを用意していません。
第1章 集団戦
『棍棒鬼』
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POW : 鬼の金棒
単純で重い【金棒】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 怨念疾駆
自身の肉体を【怨念の塊】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : 死武者の助太刀
【落ち武者】の霊を召喚する。これは【刀】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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洞窟の前。奥からは子供の笑い声が聞こえてくる……。
己条・理鎖
はて、何か問題があるのでしょうか?子供だろうと何だろうとオブリビオンであることに変わりはないのでしょう?ならば、ためらう理由も容赦する理由も何一つありませんね。
【SPD】重視で戦闘
撫でたら死ぬくらいといっても相手は鬼、油断はよくないですね。
【暗殺】の要領で気配を消して洞窟内に進入、鬼どもを発見次第【錬成カミヤドリ】にて私の本体である鎖を複製し、それらによる強襲を行います。
私自身は敵の動きを見渡せる位置をとり、回避に専念します。
無駄な被害は受けたくないので迅速に済ませましょう。
●己条・理鎖(f05312)の場合
闇の中を歩むものがいた。
洞窟に住む鬼子達はそれに気づかず、遊ぶ呆け。年長と思しきものは赤子の世話や藁で作り物をして助け合う。
一匹の小鬼がもよおしたのか、立ち上がり洞窟の外れへと歩いて行く。その細い首に鎖がかかった。
「ヵァッ――」
声にならない声がした、息を吸おうとした喉からかすれた音が漏れた。小鬼が必死に鎖を外そうと手を伸ばしたとき、鎖は更に引き上げられ子供の足が岩肌から離れた。
はて、何か問題があるのでしょうか?
罪人の捕縛や処刑等に使われていた鎖という出自故か、理鎖はグリモア猟兵の態度を疑問と感じた。
子供だろうと何だろうとオブリビオンであることに変わりはない。ならば、ためらう理由も容赦する理由も何一つない。
故に鎖を操る力を緩めない。
酸素を求める鬼子の口から涎がこぼれ、ばたつく足は空を切る。何かを求めるように鬼は手を伸ばすが掴んだのは虚空。
――グるん!
白目をむいた子供の手はだらしなく垂れ下がり、ばたついた足の間より熱い液体が垂れ流される。
「…………」
一瞥もせず汚れた死骸を投げ捨てれば、理鎖は次の獲物を捕らえるべく鎖を伸ばした。
――絞殺。
成功
🔵🔵🔴
八坂・操
【SPD】
日常を過ごす家族の元へ、殺人鬼の突然乱入!! 哀れ餌枠! 辺りに広がる血溜まりと過剰な流血演出! スプラッター映画じゃありがちな展開だね♪
……大丈夫、やれる。やるんだ、八坂操。
逃げられると手間だ。洞窟の入り口付近に、予め【レプリカクラフト】で仕掛け罠を複数設置しておく。
後は『忍び足』で『目立たない』よう近付き、ドスを突き立てて『傷口をえぐる』だけだ。
真正面から行けば、どうやったって気付かれるだろう。そこに『恐怖を与える』。言葉を発さず、交わさず、黙し続け……ただ殺す。
「……」
多少の被害は耐えろ。堪えろ。だが倒れるな。恐怖は倒されてはいけない。無理をする前に『逃げ足』だ。
●八坂・操(f04936)の場合
「日常を過ごす家族の元へ、殺人鬼の突然乱入!! 哀れ餌枠! 辺りに広がる血溜まりと過剰な流血演出! スプラッター映画じゃありがちな展開だね♪」
動画実況のようなハイテンションで洞窟の入り口に仕掛け罠を仕込んだと思えば。
「……大丈夫、やれる。やるんだ、八坂操」
次はブレーキがかかったように己に言い聞かせる。今日の人格はそういう気分らしい。
仕込みを終え、忍び足で闇の中を歩いて行けば、彼もまた鬼子に出会う。
その後は簡単だった。幼児体型の膨らんだ腹にドスを刺して傷口を抉る。
抵抗などなかった、ただやめてくれと縋る様に腹に刺さった刃を小鬼が掴む。
咎人殺しの女が幼子の口を塞げば漆黒の瞳で見つめ、ただ笑う。
目から涙を流しながら鬼が頭を振る。
それは懇願だった、それは未練だった、それは「どうして?」と問う顔だった。
けれども、操はドスを捻るのみ。
口を塞いでいた手の奥から泡立つように音がして、指の隙間から赤いものが流れる。
刃を引き抜けば子供だったものは崩れる。女は手首まで赤く染まった短刀を見つめた後、それを拭って闇に消えた。
――刺殺。
成功
🔵🔵🔴
カチュア・バグースノウ
悪役ね、好きよ
先陣を切る、部屋に入り目に付いた子供の首を優しく掴む
殺されたくなかったら、武器を捨てなさい
武器を捨てれば上々
そのまま無抵抗の鬼を殺して
子供たちは逃さないように注意しつつ逃げるなら殺す
手の届くところにいなければ、奥まった場所に切り込んで子供を斬り殺すわ
大きい鬼が飛びかかってきたらわざと血を出させる
血花応報を使うためよ
血がついた鬼がいれば、「血花応報!燃え死ね!」
嫌いじゃないのよこういうの
心が歪んだらのかしらね
心が沈むの、好きよ
●カチュア・バグースノウ(f00628)の場合
先陣を切る様に竜騎士が子供の集まった広い箇所へ飛び込む。
侵入者に気付いた年長の小鬼が近くにあった木の棒を持って立ち向かう。その首をカチュアは優しくつかむと。
「殺されたくなかったら、武器を捨てなさい」
力を込める。
憎しみと悔しみを持った目で子供がエルフを睨めば、掴む力はまた強くなる。苦しさに顔をしかめ、小鬼が武器を捨てる。
素手であることを確認した女が優しく微笑んで手を離すと、年長の子供は膝をつき、首を抑えつつ安堵の表情で咳き込む。
その頭に斧剣が振り下ろされた。引き上げた刃には赤いものと白いものがへばりつく。
「ギャァアアアアアアアア!!」
子供の一人が叫んだ。それを契機に悲鳴が重なった。閉鎖環境に反響するのは戦いの声ではなくて恐慌の悲鳴。
奥へ奥へとあるものは尻もちをつき、あるものは這いつくばって逃げていく。騎士は悠然とした足取りで鬼子を追い詰める。
勇気ある子供の一人が錆びた刀を持って走り出す。
その刃はカチュアの頬を掠め、鮮血が飛沫となって小鬼の顔を汚す。その姿を見てエルフの白磁のような白い肌を彩る唇が動いた。
「血花応報! 燃え死ね!」
死を宣告する言葉を紡げば。子供が浴びた返り血は炎となりてユーベルコードが焼き尽くす。
(……嫌いじゃないのよこういうの)
炭となり崩れる鬼をそのままに歩を進める。
(心が歪んだらのかしらね? でも心が沈むの、好きよ)
エルフは一人心の中で呟いた。
答えるものは誰も居ない。
――斬殺及び焼殺
成功
🔵🔵🔴
夷洞・みさき
英雄なんて柄じゃないけどね。
やぁ、こんにちは。それとも、こんばんは、かな。
笑顔を絶やさず、己の過去の憎悪を反芻して。
君達は無害かもしれないけれど、咎の防疫もお仕事だから。
せめてもの憐れみだ、一撃で終わらせよう。
車輪にて痛みを感じる間もない一撃粉砕を
ただし、一人分になる程度の部品は残す
憎むなら繋いで生まれ変わるといいよ。
WIZ
対鬼
人目につけばこうなると分かっていたんじゃないかな
計画妨害、もしかして、愛情もあったのかな。
その怒りは受け止めよう。
逆恨みを受けるのも咎人殺しの宿命だしね。
六の同胞や深海の冷気による妨害で攻撃を回避しつつ、相手の意識を自身に釘付けにする
勝算の目途が付くまで意識を失わない
●夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)の場合
「やぁ、こんにちは。それとも、こんばんは、かな」
一節ごとに言葉を区切って咎人殺しが挨拶をし、狭い洞窟の中で車輪を押す。
人並の全長と全幅を持ったそれは勢いを増し、逃げ場すら呑み込むジャガーノートへと変貌する。
「ヒィィィッ!!」
鬼子が数名、背中を見せて走り出す。けれど、けれど足場の悪く、灯りも少ない洞窟を子供が速く走れるわけがない。
小さな鬼が一匹転んだ。
「ビッ!」
悲鳴と言うにはゴムボールを一気に潰したときのような空気が漏れる音だった。あらぬ方向に曲がった足とちぎれた腕、血と脳漿が車輪の通り過ぎた後に残る。
(人目につけばこうなると分かっていたんじゃないかな? 計画妨害、もしかして、愛情もあったのかな? その怒りは受け止めよう、逆恨みを受けるのも咎人殺しの宿命だしね……)
跳ねて転がる車輪を眺めながらみさきは一人考える。視界には轢かれ、潰され、砕かれていく小鬼達。キマイラの女が望むようにどれも即死に近い終わりのは幸せかもしれない……。
「憎むなら繋いで生まれ変わるといいよ」
車輪が止まった時、引きちぎられた肉片へ向かって咎を背負う女が囁いた。優しく、冷たく。
――轢殺。
成功
🔵🔵🔴
キリエ・ニール
撫でたら死ぬか。
何も知らない子供か。
昔の僕みたいだな、と一瞬だけ想いやり。
それだけ。
目を閉じて、開いて、それで十分。
僕はそれだけでいい、それだけあれば僕は、割り切れる。
…割り切れる。
WIZを前面に押し出し。
召喚された落ち武者の霊は僕が召喚した古代の戦士で相手取ってもらう。
刀は近づかれる前に槍で、弓矢の矢は炎で燃やしてと伝えて…容赦は必要ないから、とも伝える。
僕自身は第六感を使用し逃げ隠れした子鬼を捜索。
二回攻撃、衝撃波を駆使し、無数の安物刀剣の束である数打を片っ端から使い、確実に一体一体仕留めていく。
…優しさというのはなんだけど、痛みの少ないよう急所を狙い、急所を間違えてない事を祈っておこう。
●キリエ・ニール(スターゲイザー・ボーイ・f00824)の場合
(撫でたら死ぬか。何も知らない子供か……昔の僕みたいだな)
一瞬だけ想いやり、キリエは目を閉じる。
(僕はそれだけでいい。それだけあれば僕は割り切れる)
「……割り切れる」
一言、自分に言い聞かせるように唱えた後、彼は洞窟へと歩んだ。
武器を構え、落ち武者を召喚されると警戒したが、そんなことは無く。猟兵が出会うは窪みに身を隠した子供。
専用ケースから吊るしの数打ちを抜けば、頭を抱えて怯える子供の背中を刺し、衝撃波を叩きこむ。
肉が弾ける音と全てを恨む絶叫が洞窟に木霊した。目の前には剥き出しの肋骨からはみ出した臓物を抑えて、這い出る鬼子。
口角から血の泡を吹く小鬼へもう一度剣を突き立てる。次は頭。
念には念を入れる行動でも却って苦しませることがある。衝撃波を叩きこまれるというのは全身に打撲のような痛みを与えること、転んで背中を強く打った時を想像してほしい。
優しさ故の不幸。
頭を失った骸を見て、彼は痛感する。そして魔眼と義手が機械的に観測し、より確実な方法を提示する。スペースノイドは逃げ隠れした子鬼の頭を貫き、破砕した。
――爆殺。
苦戦
🔵🔴🔴
ステラ・ハーシェル
「……これでは、どちらが悪者か……分からないな」
弱きは助けたい……だがそれは、人と言う種の安寧があってこそ。その安寧を未来壊す可能性があるのならば、私は人のため鬼……否、悪魔にでもなろう。
しかし相手は罪無き鬼の子。せめてもの情けだ……苦痛なく、楽に逝かせてやると言うのが戦士として、私が唯一できる事だ。【剣刃一閃】を発動し、首めがけて刀を振るう。もし反撃するようであれば、【残像】による錯乱と洞窟の大きさによってはバイクの速さを活かして攻撃を行う。余程の不測の事態が起きない限り、一撃で仕留めるように尽力する。
●ステラ・ハーシェル(星屑のサンダーボルト・f00960)の場合
「……これでは、どちらが悪者か……分からないな」
ステラが呟き。ヘール・ボップのスロットルを開放すれば、洞窟の中を宇宙バイクが疾走する。
弱きは助けたい……だがそれは、人と言う種の安寧があってこそ。その安寧を未来壊す可能性があるのならば、自分は人のため鬼……否、悪魔にでもなろう。
マッドブラッグに塗られたダートトラックスタイルの愛馬に跨りながらサイボーグが決意を決めれば、ペルセウス座で最も明るい星を銘とした刀を抜く。
――鬼が居た。
シフトペダルを蹴りあげて、ギアを上げていけば宇宙を駆けるバイクが岩肌を走る。
突然のバレルロールに子供が見とれ、その横をバイクがすれ違う!
エンジン音が遠くなった頃合い、頭の重みで鬼子の首から上がずれていく。丸いものが弾まず、足元に転がると首の無くなった小鬼の首が噴水のように赤いものを流し、岩肌を紅に汚す。
刀を振るい、血を払うと女は一瞥もせずバイクのスロットルを捻り、次の目標へと愛馬を走らせていった。
――斬首。
成功
🔵🔵🔴
花邨・八千代
まったく、まったく
……どうしようもないってのは、こういう話を言うんだろうなァ
◆行動
真っ向から洞窟に入ってくぜ
こどもの数を確認して、それから【ブラッド・ガイスト】を始動させる
「逃げんじゃねェぞ、ガキ共」
恫喝して脅して、仕事を始めるぜ
「怪力」を乗せて武器を振り回して手近なところから殺してく
数に間違いがないよう、数えながら
「2回攻撃」で可能なら一気に数人纏めて殺す
逃がさないようにだけ注意するぜ、逃げようとするのから優先するか
終われば息の根が止まったかどうか、確認も忘れずにな
あーぁ、早く終わらせて……団子が食いてェなぁ…
●花邨・八千代(可惜夜エレクトロ・f00102)の場合
「まったく、まったく……どうしようもないってのは、こういう話を言うんだろうなァ」
口から出るのは悪態。別に言わなければやってられないという訳ではない。ただ煙管を燻らすのも酒を飲むのも風情が足りず、口が寂しいだけ。
正面から乗り込んだ羅刹が見るのは自分と同じ角がある小鬼達、肌の色と姿形が人間に似てるだけの子供。
「ひー、ふー、みー……あー」
怯え逃げようとした鬼子達の前でひと呼吸。
『逃げんじゃねェぞ、ガキ共』
恫喝。心の臓を掴むような声に怯えた子供達の足が止まり、合わせたかのように刻印が血を吸った。
お互い身を寄せ合って震える幼子達には彼女の腕は何に見えたのだろうか?
封印を解かれ、殺戮捕食態となったそれは八千代自身の腕を裂くかのように口を開いた。
小鬼が目を瞑る。倒れた油皿から燃え上がる火が映し出すのは子の上半身を覆い隠す化け物の影絵劇場。鬼だった影が足のみとなり、そして転がった。
「あーぁ、早く終わらせて……団子が食いてェなぁ……」
グリモア猟兵の話に出ていた団子に想いを馳せながら、八千代は腕に思考を任せた。咀嚼の音が酷く煩わしく感じた。
――捕食。
成功
🔵🔵🔴
寧宮・澪
子供の声、って、どんな子、も、無邪気ですよねー……。
鈴蘭の嵐で、一気に、行きますー……。
一方的な【優しさ】、【祈り】、といったこちらの、身勝手な、願いを込めて。
せめて、苦しまず殺せ、ますようにー……。
どうぞ、おやすみ、なさい。
貴方達が安らかに、綿津見の向こうに、いけますようにー……。
案内、します、ねー……。
悲鳴も、懇願も、怨嗟も、全部受けとめますよー……。
当たり前、ですものー……生きてたかった、ですよねー……。
でも、ごめん、なさいー……私達も、生きたい、んですよー……。
●寧宮・澪(澪標・f04690)の場合
「子供の声、って、どんな子、も、無邪気ですよねー……」
洞窟に響く特徴的な声。
無表情、無愛想なオラトリオが逃げ惑う子供達を見つめながら謳匣を手に取る。
「どうぞ、おやすみ、なさい。貴方達が安らかに、綿津見の向こうに、いけますようにー……」
手の中の歌は鈴蘭の花弁となって白魚のような掌を離れて――。
「案内、します、ねー……」
澄んだ声に応えるように鬼達へと飛散した!
「悲鳴も、懇願も、怨嗟も、全部受けとめますよー……」
優しさ、祈り、言葉は綺麗だが身勝手な願いが込められた鈴蘭は嵐となりて硝子の様な鋭さで鬼子の肌を裂いていく。
いたい、いたい、と泣く声がした。
「当たり前、ですものー……生きてたかった、ですよねー……」
いやだ、いやだ、と叫ぶ声がした。
「でも、ごめん、なさいー……私達も、生きたい、んですよー……」
死にたくない、ごめんなさい、という声に謝罪する頃には花が舞い散り、残るのは全身を切り裂かれて赤に染まった無数の骸。
苦しまず殺せただろうか? ただそれだけが心配で微睡む気分になれなかった。
――刺殺。
大成功
🔵🔵🔵
浅沼・灯人
ああ、そうか
今度の仕事はそういうやつか
いいぜ、それが俺達の役割だ
子どもの鬼を見つけたら【暗殺】を仕掛ける
【視力】【スナイパー】を利用してアサルトウェポンで遠距離から射撃
一撃で殺せなくとも、一人でもいい
最低、動きを鈍らせる傷を与えられたらいい
警戒して出てこないなら洞窟に近付き、
子供達に近づけたなら灼焼で焼き尽くす
熱いか。だろうな。
お前達からすれば理不尽な話だろうな
単純な話なんだ、ただ当たり前の話だ
強いものが生き、弱いものが糧となる
子どもだろうが容赦なくそうなるだけだ
俺がお前たちより強くて、お前らの命を奪わねばならなかった
――どんなに苦しくても、やらなきゃいけなかったんだよ
目は反らさない。最期まで
●浅沼・灯人(ささくれ・f00902)の場合
ブレイズキャリバーが照準越しに映る鬼子へ向けてトリガーを絞る。アサルトウェポンが火を吐き、銃弾は鬼の腕を穿つ。
鳴き声が響き渡り、子供が奥へと走って行くのを確認すると、灯人は迷いのない足取りで追いかける。
狭い洞窟の奥に広い場所があった。入り口には小鬼が数名、先を削った槍代わりの棒を構えて立ちはだかる。
男は深く息を吸ったかと思えば次には火竜が如き灼焼の炎を吐き出し、洞窟の中を炎で満たす。
「あづい! あずい!」
「嫌だ、火が……!」
「燃えちゃう! 燃えちギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「いぎゃああああああああああああ!」
鬼の肉を薪に燃える炎、肉が爆ぜ脂肪が溶ける匂いが鼻を突く。ミルクティー色の短い髪が炎に照らされて濃い目の紅茶を混ぜ合わせた色に染めていく。
「熱いか? だろうな」
ポケットに手を突っ込んで灯人が誰ともなしに呟く。
「お前達からすれば理不尽な話だろうな」
皮膚が焼け、肉が剥き出しになる。
「単純な話なんだ、ただ当たり前の話だ」
脂肪が流れ、肉が焼け、炭になる。
「強いものが生き、弱いものが糧となる」
炭が崩れ、骨が残る。
「子どもだろうが容赦なくそうなるだけだ」
骨が崩れ、灰になる。
「俺がお前たちより強くて、お前らの命を奪わねばならなかった」
灰は流されず、地面に溜まり、余熱が頬を撫でた。
「――どんなに苦しくても、やらなきゃいけなかったんだよ」
浅沼・灯人は最後まで目をそらさなかった。
――焼殺。
成功
🔵🔵🔴
ベール・ヌイ
「子供だろうと・・・鬼は鬼・・・ボクはただ・・・殺めるのみ」
子供だろうと気にせずに行動します
使用武器は【鬼殺】。設定上鬼に特効します
先制攻撃で目に入った鬼を斬ります、二回攻撃を使用して返す刃で別の鬼も斬ります
それを淡々と繰り返します。攻撃が来そうなら火鳥乱舞で撹乱させます
●ベール・ヌイ(桃から産めれぬ狐姫・f07989)の場合
「子供だろうと……鬼は鬼……ボクはただ……殺めるのみ」
ベールが躊躇いもなく飛び込み小鬼を一匹切れば、返す刀でもう一匹。
何が彼女を駆り立てるのか? 鬼への殺意で刀を振るう。
けれど単調な動きは子供でも逃げるチャンスを作った。設定上鬼への特攻がある鬼殺と言えど、それが本当かどうかは振るわなければ分からないし、それに見合った行動を為さなければ結局は意味はない。
一匹、また一匹と鬼子が死ぬ中、逃げていく小鬼達も居た。
追いかけるように先手を取って切ればまた鬼子は死ぬ、返す刀でもう一人近くにいればやはり死ぬ。
そんな行動を繰り返す。
淡々と淡々と繰り返す。
やがて……息が切れて、膝をつく。その姿を見て生き残った鬼は一目散に逃げていった。
「待っ……」
後を追うにも膝に力が入らず、肺は酸素を必要とした。
刀に伝わる謂れへの甘えは無かったか?
殺意があるから、必ず殺せると思ったのか?
それは彼女にしかわからない。
――斬殺。
苦戦
🔵🔴🔴
ジャガーノート・ジャック
(ザザッ)
――無力だろうと、今は幼くとも、鬼は鬼。
何れ加虐者となる存在。
討伐対象だ。
可及的速やかに駆除する。
(ザザッ)
【SPD】使用。
使用UC:『クイックドロウ』。
技能『迷彩』を使用し本機の視認性を下げ潜入。
本機の存在を悟られない様にしつつ、鬼達に気付かれる前に射撃。
頭部と胸部の『二回攻撃』、『スナイパー』で射撃精度も高め
確実に射殺する。
――せめてなにが起こるか気付く前に死ぬ様に。
(ザザッ)
ただ本機は機械的に
任務を全うするのみ。
君達は人でも友軍でもなく
鬼で敵軍だった。
こうなった理由を挙げるなら、ただそれだけの事。
――本機の行動指針は以上、任務の遂行に移る。オーヴァ。
(ザザッ)
●ジャガーノート・ジャック(OVERKILL・f02381)の場合
猟兵戦闘報告
猟兵:ジャガーノート・ジャック
某月某日、グリモア猟兵より任務通達を受け行動を開始。
無力だろうと、今は幼くとも、鬼は鬼。何れ加虐者となる存在。
本機は之を討伐対象と認定し可及的速やかなる排除を決意。
迷彩技能を使用し機体視認性を下げ迅速に洞窟内に潜入。探索から十二分後、本機は現場にて子供の鬼とみられるものを発見。討伐対象と相違ないことを確認後、排除行動に移行する。
迷彩の効果により視認性の低下した本機に対象は気づくことなく、スナイピングを実行。発見から行動への移行速度は十八分の一秒とメモリに記録。二射発射後、対象の頭部と胸部へ命中。絶命を確認後、次の行動へ移る為洞窟の内部を続行する。
個人的雑感として、せめてなにが起こるか気付く前に死ぬ様に願う。
以後、上記行動を繰り返し、対象を八体射殺に成功。
損害は皆無、残弾多数。
任務に対して、感ずるは対象は人でも友軍でもなく、鬼で敵軍だった。それだけの事と認識する。
以上を持って戦闘報告とする。
――射殺。
成功
🔵🔵🔴
太刀川・明日嘉
武器を鬼退治かぁ
せめて親鬼だけだったらよかったのに
子供の魂、いくつでも私が背負ってあげるから
洞窟を静かに進むわ
明かりはつけず、音を頼りに
こどもの声が聞こえたら少し手前を移動するわ
徹底して一人でいるこどもを狙いましょ
これから先、この子たちが悲劇を生むのならどれだけ非道にだってなってやるわ
黒剣開放・椿
私の斬撃は早いわよ
せめて苦しまないように、痛みを感じる間もなく、頭と身体を切り離してあげるわ
……ごめんね
●太刀川・明日嘉(色を失うまで・f01680)の場合
「鬼退治かぁ」
耳と唇、舌に鋲のようにピアスを打った黒騎士は嘆息する。
「せめて親だけだったらよかったのに」
しかし、思考はすぐに覚悟に切り替わる。
「子供の魂、いくつでも私が背負ってあげるから」
背負うと決意するのは、人を送り出す役目を持つグリモア猟兵としての側面故か……答えは当人の心の中。
明かりを使わず、音を頼りに探索者としての技術を発揮する明日嘉の耳に聞こえるのは鬼子の泣く声。
すでに様々な場所で猟兵が行動を開始しているのは耳にしている。だとしたらはぐれた子供なのだろうか?
深く呼吸をし黒剣を握れば、決意するのは非道。これから先、この子たちが悲劇を生むのなら……と。
百花繚乱と銘打たれた剣から解放するのは椿と名付けた高速移動。寿命を糧に生贄にされた者の魂を身にまとったその姿は闇に溶けて、小鬼の目に映ることはない。洞窟の中では見れない夜が鬼子に巻き付けば、刎ね上がるは小さな頭。
転がった首は目を閉じることなく岩肌を、頭を失った自身を見つめていた。
「……ごめんね」
転がる瞳にたった一言、そう呟けば明日嘉はまた闇へとその身を走らせた。
――斬首。
成功
🔵🔵🔴
八代・玖竜
もし相手が人なら、ううん、難しい事を考えるのは…賢い人にお任せ。
容赦なんて、いらない。他の人たちの襲撃で荒れる中に「忍び足」で陰に潜んで
「暗殺」と「先制攻撃」で、片っ端から小鬼の首を木狼で斬る、伐る、KILL…
やらなきゃダメなら、少しでも苦しまず、一瞬で命を絶てる様に…集中
ある程度、鬼の数が減れば1匹を「咎力封じ」で無力化、抵抗されたら「残像」で回避しつつ無力化したら捕獲して戦闘領域から少し外れた場所に引き摺って【持って行く】
子を育てる怪物は、目の前で子を斬られれば…きっと隙が出来る。
それに…せめて、一匹位は育ての親と一緒に葬ってあげないと
これが人の英雄…人斬りが鬼斬りになる、たったそれだけ…
●八代・玖竜(ねむねむ人斬り・f02272)の場合
「もし相手が人なら、ううん、難しい事を考えるのは……賢い人にお任せ」
人斬りは思考を止め、マフラーで口元を覆う。こういう場合、それは正しい。思考をするなら作戦段階で考えるべきだし、省みるのは終わった後に行う事なのだから。
もう洞窟内は猟兵達が完全に圧倒していた、無力化を狙うならもう終わるが、今回の任務はそうではない。
故に幼き剣豪は忍び足で場を走り抜け、まだ生き残る鬼子へと刃を向ける。先手を取れば、暗殺のために磨かれた剣技が木刀の仕込みを抜き、白木で拵えた刃を小鬼の首へと走らせる。
少しでも苦しまず一瞬で命を絶てる様に、と精神を研ぎ澄まし集中した刃が次々と首を転がす。
惨状の中、飛んだ首の一つを両手で受け取り、腰を抜かす子供がいた。
玖竜は剣を納めると、首を放り出し、地面を蹴って逃げようとした鬼子を縛り上げ、手枷をし、猿轡で口を塞ぐ。
「子を育てる怪物は、目の前で子を斬られれば……きっと隙が出来る。それに……せめて、一匹位は育ての親と一緒に葬ってあげないと」
唯一の生存者を繋ぐロープに力を込めると、玖竜は外へと歩き出した。
――斬首及び、拉致。
成功
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第2章 ボス戦
『戦国武将』
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POW : 合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
👑17
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武者が見たのはかつて見慣れた惨状。
逃げ道を塞ぐ罠、燃えた後の焦げ臭さ、硝煙の匂い、そして死臭。
彼の前に猟兵が現れる。幼い猟兵が引きずる鬼子の拘束を外せば、その背中を仕込みで斬る。骸となった子供の顔は見えない。ただ武者の腕の中で倒れ、飛沫が彼の面頬を汚したのみ。
「…………」
沈黙が支配した。
オブリビオンは丁重に鬼の骸を置く。
その姿を見て、一匹位は育ての親と一緒に葬ってあげたい、と猟兵が答えれば彼は嗤う。
「流石、人間。やることは変わらぬな! 儂も昔は同じようなことをしたものよ!」
武者が刀を抜く。
「不思議なものでな、ここで生まれる鬼は皆、子供。故に育てなければならなかった、そのままでは使えないからな」
八相に構える姿は実戦で裏打ちされた佇まい。
「まあ、後の事はお前達を斬って考えよう人間よ。……ところで聞きたい」
武者が問う。
「優しさと言う名の葛の湯はどれくらい甘かった?」
絆を育もうとした過去の残滓と絆を奪いさった未来への戦士の間に緊張が走った。これから始まるのはおそらく正しい行い……双方にとって。
ステラ・ハーシェル
SPD
生憎私はサイボーグ……感情と言った類はとうの昔に捨ててな……だから私はただ、私自身の信念に従うのみ。
「私の名はステラ・ハーシェル……貴様もかつては剣の道を進んだと言うであれば、この言葉の意味……分からんとは言わせんぞ?」
安心しろ。例え名乗り返さなせずとも、先の幼い戦士が言った様に鬼の子等とは同じ墓には埋めてやる。
速度に物言わせて敵の注意を引く。【残像】と【ゴッドスピードライド】の組み合わせで錯乱させつつ、速度重視の為に浅くなるであろう攻撃を【2回攻撃】で多少なりともカバーする。敵の攻撃の予備動作を【サイバーアイ】の演算能力で分析を行い、攻撃を予測し回避を行う。
ベール・ヌイ
「鬼ではない・・・キミには・・・刀を抜く必要はない・・・」
「ボクは・・・それに・・・味を求めない」
鬼を殺しきれぬ無念か、自分の不甲斐なさか、すこし不機嫌そうな声でいいます
双銃を【クイックドロウ】で【二回攻撃】し、兵士たちを【氷弾】で打ち抜きます。
兵団を撃ち抜いてる間に火鳥乱舞の火の鳥を一つにまとめ、全力でぶつけます
●葛の味を求めぬもの
腐った汚泥の臭いが辺りを見たし、大地より陣傘、同丸姿の足軽だったものが現れ、武者に付き従う。
「私の名はステラ・ハーシェル……貴様もかつては剣の道を進んだと言うであれば、この言葉の意味……分からんとは言わせんぞ?」
「それは古風なしきたりだな。儂にもかつては名乗る名はあったが今はただの――鬼よ」
ステラ・ハーシェル(f00960)の名乗りに鬼と返した武者は傍らに並んだ兵団へと頷き刀を振り下ろす。
火縄が火皿に落ち、マッチロックの鉄筒より鉛が吐き出され、猟兵を貫かんと空を疾走する。
スロットルが解放され、エンジンルームの中で爆発が加速した。唸りを上げるヘール・ボップに騎乗したスターライダーが疾走すれば、見えるのは黒き影の残像、サイバーアイに刻み込まれる予測ルートに脳が負荷を起こし吐き気を覚える中、弾丸を縫うように彼女が走る。
それを支援するためにベール・ヌイ(f07989)が精霊銃を抜けば斉射二発、弾幕に隙間が出来る。被害に構わず足軽達が槊杖を掲げ、装填動作を行うのを不機嫌そうに眺めれば炎の大鳥を呼び寄せて、雑兵だったものをへと飛ばしていく。
「鬼ではない……キミには……刀を抜く必要はない……」
爆風から逃げるように後ろに下がった武者へ言い放つ妖狐。
「ボクは……それに……味を求めない」
「そうか、ならば去れ。儂もお主には用はない」
鬼と名乗りしオブリビオンが言い捨てる言葉は洞窟の空気より冷たく感じた。彼の目の前を損害の出た足軽の間を疾走したステラが迫る。日本刀の峰を肩に押し付けるように片手に持ったその姿勢はかつての騎兵が行う抜刀突撃を思わせる。
「生憎私はサイボーグ……感情と言った類はとうの昔に捨ててな……だから私はただ」
勢いを持って振り下ろすミルファクの斬撃を武者が刀で受ければ、オブリビオンが勢いに負け体勢を崩す。
フルスロットル! 後輪が悲鳴を上げるように地面を抉ればそこからバイクの最小半径を上回るスピンターンからのもう一撃!
「私自身の信念に従うのみ」
「ぬぅうん!!」
不安定な体勢から刀を振り上げ、鍔競り合う直後。斬撃から放たれるは武者の衝撃波。マッドブラックの愛機が盾になって身を守るものも居れば、余波を食らって吹き飛ばされる少女も居る。
「信念、見事なり。なれど儂も今は……信念をもってここにいる!」
オブリビオンとは思えない情の咆哮が木霊した。
成功
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八代・玖竜
あの子の抱き方、この殺気
…あぁ、良かった。相手はちゃんと親で、ちゃんと怪物だ。
「SPD」で勝負、「ダッシュ」と「残像」で攪乱しつつ一気に距離を詰めて「先制攻撃」で斬りつける。
優しさと言う名の葛の湯、だっけ?まだ、味わえてない…しっかり貴方を斬らないと、独りぼっちを残すなんて…「優しくない」でしょ?
正面から打ち合う事は避けて一度距離を開けたら攻撃を誘うように両手を下げ脱力
俺も1つ聞きたいな?オジサンにとって、これは何時も通りの殺戮?それとも仇討?
ゆっくり片手を木狼に掛けてリラックスしてる様にも見える隙だらけな姿で
相手が向かって来たら「残像」と「幼き狂気」でカウンター狙い
さて―――汝は人間なりや?
己条・理鎖
精神攻撃のつもりですか?姑息な手を使いますね。ですが、そのような戯言は私には通じません。問答無用です。
【SPD】重視
敵の拘束による他の猟兵の方のサポートをします。
拘束目標は敵の攻撃の要であろう刀を振るう腕。
回避重視で立ち回り敵の隙を伺います。
この時は回避に専念する為攻撃行動は行わず、刀の動きを観察します。
敵が大技であろう乱世斬を使用する時にはただ刀を振るのとは違うでしょうからそれが見えたら拘束への行動を開始します。
乱世斬を回避し【咎力封じ】を仕掛け、大技後の隙をついて腕を拘束します。
さらに念を入れて私の本体に宿る罪人の怨念から生じる【呪詛】により【咎力封じ】を強化します。
カチュア・バグースノウ
優しさ?そんなものないわよ
ただ滅する、それだけの行為をしただけ
そこになんの感情もないわ
…少なくともあたし以外は
あたしは?秘密
あんたに教えてやる義理もないしね
さぁ!やろうじゃない!
前衛、攻撃手でいくわよ
盾受けでガードしながら攻撃する
攻撃はアックスソードブレイクで!
敵がWIZを使用したら、兵士達を優先的に倒す
こういうのはほっとくと消耗戦になるから
ああ、さっきのほうが楽しかったわ
あんたの相手はつまらない!
さっさと去れ!
●葛の味を知らぬもの
「……あぁ、良かった。相手はちゃんと親で、ちゃんと怪物だ」
八代・玖竜(f02272)が安堵の声を漏らし、大地を蹴る。その姿がぶれたように武者の目に映った瞬間、横に回り込んだ玖竜が仕込みを抜いた。
「優しさと言う名の葛の湯、だっけ? まだ、味わえてない……」
金属音が響く。一撃を防がれたことを悟った幼き剣豪は深入りせず距離を取る。
「しっかり貴方を斬らないと、独りぼっちを残すなんて……優しくないでしょ?」
「いいや、お主はしっかりと味わった」
答えを返す武者。両者の間を隔てる距離は遠い。
「俺も一つ聞きたいな? オジサンにとって、これは何時も通りの殺戮? それとも仇討?」
「舌幼き若者へ、儂の之を応えるのは濃厚。味蕾の成長する頃になったらいずれ分かろう」
納刀し、脱力した姿勢で問う若者へ味に例えて返すのは武者。お互い様子見の後、動くのはオブリビオン。一足一刀まで間合いを詰めれば振るうのは横薙ぎの斬撃。
瞬間、玖竜の姿が掻き消える。残像を囮としてのカウンターでの居合い、幼き狂気(オサナキキョウキ)呼ばれるその業が仕込みから抜かれ少年が問いかけた。
「さて――汝は人間なり……」
だが言葉は途中で止まった、武者が振るった刀が衝撃を発し、抜刀をする前に叩きこまれたからだ。
「かつては人だったが、今は鬼よ」
返す刀で一撃。鮮血で土を汚し幼き剣豪が地を仰ぐ。
玖竜はいくつかの失敗をしていた。最初に武者の目の前で剣を振るったこと。それにより彼は相手の武器を知る事となる。その結果、相手を誘った時点で武者は次の手を知り、対策を組むことが出来た。
最後に彼は様々なことを誤った。戦術的には有効であったが目の前で鬼を斬り、一緒に死なせることを優しさと唱えた。そして葛の味を味わっていないと答えた。それはもはや優しさではなく独善ともいえた。故にオブリビオンは鬼と化した。いつか未来を歩み、優しさとは何かを知ることが出来れば幼き剣豪は葛の味も知るだろう。だがそれは危ういかもしれない――。
介錯の太刀が振るわれる直前、手枷が飛び、武者の両腕を拘束した。
「精神攻撃のつもりですか? 姑息な手を使いますね。ですが、そのような戯言は私には通じません。問答無用です」
「目の前で小鬼を殺したものが何を言うか?」
己条・理鎖(f05312)の言葉を武者が一蹴し、枷を破壊しようと力を籠める。けれど枷に乗せられた呪詛が拘束を強化する。呪いはどこから来たのか? それは罪人を捕縛処刑した鎖のヤドリガミたる由縁。罪人たちの怨念。
罪人の呪いを背負った武者が理鎖に迫れば、女は後ろに跳び、拘束ロープを引くことで彼の動きを制する。
そこへカチュア・バグースノウ(f00628)が斧剣を持てば、重たい一撃が叩きこまれる。武者が刀でなく、手枷でそれを防げば大地が割れ、足元が陥没する。
「優しさ? そんなものないわよ」
盾代わりに片腕でオブリビオンの刀を受ければ、竜騎士が口を開く。
「ただ滅する、それだけの行為をしただけ」
腕を犠牲にしてのアックスソードブレイクという堅実な攻めを理鎖の拘束ロープが支援し、肩口に一撃叩きこむ。
「そこになんの感情もないわ」
膝を折って、崩れる武者を見下ろし、竜騎士は言い放った。
「主は正しい」
見上げた面頬の奥より声がした。
「そうであったなら……儂はもっと単純でいられた」
鎧が割れる音がした。次に具足が肉に埋もれた、そして身は膨れ、両腕にかかった手枷が膨張に耐えられず破壊され、現れるのは先程より二倍の大きさとなったオブリビオン。その兜は鬼を思わせた。
武者は――いや鬼は刀を持ち上げる。ヤドリガミの女が拘束ロープでコントロールしようとするが膂力に負けて、振り回される。
カチュアに向け刀が振り下ろされる。左腕でガードしようにも、既に傷深く役目を為さない。盾を持っていれば、もしくは武器で受けることを選択していれば、結果は変わっていたかもしれないが、もう遅い。致命傷は回避できたが、一撃を受けたその身は武器を振るうに難しい状態へとなっていった。
苦戦
🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
シズル・カンドーヤ
あら、あら、あら。
こういう仕事のお話は、いの一番にわたくしまで届けてほしいですわね。
でないと――余計な傷が増えますの。
わたくしが使うユーベル・コードは唯一つ。
無くした優しさなら(ラジカル・レディ)。
一流の傭兵として、どんな局面でも、微笑みを絶やさずに戦いますわ。
敵のユーベル・コード、戦国兵団と乱世斬の相性が悪そうですわね。
その戦略の不備を突きたいですが、まず兵団で様子見をするような、理性が残っているかどうか……。
……その霊を見ればわかりますわ。きっと子供たちなのでしょう?
なんて理性的に、狂乱される方なのでしょうね。
わたくし、いたく感動いたしましたわ♪
――外れたらかっこ悪いですわね、この予想。
デブラ・ヘックシュバイン
おやおやァ、遅れをとってしまったっすかねい。
あの軍曹殿、なかなか興味深い目をした人だったっすが…
ま、大将首には間に合ったっすね。
相手は一人、退く気は無し。
過去と未来は相容れず、
政治の延長としての戦争など望むべくも無し。
どちらかが絶滅するまで殺り合うしかねェ…
いやァ! 死ぬには良い日かもなァ!
こっちも退かない、後は歌いながら遮二無二突っ込むだけだ!
狙うは一点集中、その甲冑のど真ん中!
同じところを何度も銃撃することで削りに削るぜ!
私が大将首に届かずとも、お仲間が続いてくれるわな…
戦闘機動、全軍突撃だァ!!
●一線を超えるもの
「あら、あら、あら」
バラクラバの女が感嘆の声を上げると、そこへ鬼の刀が振り下ろされる。
「こういう仕事のお話は、いの一番にわたくしまで届けてほしいですわね」
シズル・カンドーヤ(f10880)が持っていた撲殺ステッキを警棒のように振るって受け流すと、相手の側背を突くように動き――。
「でないと――余計な傷が増えますの」
マスクから見える口元に笑みをたたえながら膝裏に一撃叩きこむ!
微笑みを絶やさずに無くした優しさなら(ラジカル・レディ)と名付けたユーベルコードで変化した撲殺ステッキを振るう姿はまさしく戦場傭兵……いや、何か超えちゃいけないラインを超えちゃった傭兵。
そこへもう一人、戦場傭兵が続く。
「おやおやァ、遅れをとってしまったっすかねい」
デブラ・ヘックシュバイン(f03111)が08式機動詠唱速射砲のロックを解除し拳銃のスライドを引く。
「ま、大将首には間に合ったっすね。相手は一人、退く気は無し。過去と未来は相容れず、政治の延長としての戦争など望むべくも無し。どちらかが絶滅するまで殺り合うしかねェ……」
死ぬにはいい日だと嘯けば、始まるのは火薬の歌。Gunpowder March(ガンパウダー・マーチ)。
「豪華絢爛、豪華絢爛! いざいざ、戦友諸君! ステップを踏み、硝煙と舞え! これよりは一歩も退かぬ突撃の宴である! 総員……かかれ!」
こちらは本当に理性をぶっちぎれば、巨躯の鬼に降り注ぐは火砲、銃弾、シャベルの雨霰。
「狙うは一点集中、その甲冑のど真ん中! 同じところを何度も銃撃することで削りに削るぜ! 私が大将首に届かずとも、お仲間が続いてくれるわな」
理性は失えども歌は続き、傭兵の本能が攻撃を集中させる。面ではなく点の攻撃にたたらを踏む鬼。機とみたシズルが飛び込めば。その背中に火砲が直撃。フレンドリーファイアで勢いを増した撲殺ステッキの一撃が鬼の武者鎧に穴を開けた。
たたらを踏む鬼へ尚も攻撃を続けるデブラ。不利を悟り、オブリビオンも自分に従う霊を召喚する。
転がる様に着地したバラクラバのヒーローマスクが抗議の声を上げるも豚の耳には入らず。とりあえず動かなければ大丈夫と悟ったシズルが撲殺ステッキを向け言い放つ。
「……その霊を見ればわかりますわ。きっと子供たちなのでしょう?」
「何を言う、お前達が殺したものが霊になるなど有り得な……!」
鬼の言葉が止まった。新たに召喚した兵士達は人ではなく、鬼子であった。驚愕する巨躯のオブリビオンを尻目に小鬼達は弓矢を構える。
「なんて理性的に、狂乱される方なのでしょうね。わたくし、いたく感動いたしましたわ♪」
「狂か……狂を発していたか」
かつて武者だった鬼が笑った。それは何か哀しい笑いだった。一線を越えてしまったことを鬼は知ったのだ、そして猟兵も悟った。
――彼等をもう一度殺さないとならないことに。
成功
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ジャガーノート・ジャック
(ザザッ)
本依頼の討伐対象を発見。
これより作戦を開始する。
(ザザッ)
SPD使用。
使用UC:『Snipe Laser』。
本機は友軍達から離れた場所に『迷彩』を使用し存在隠蔽の上ポジショニング。
討伐対象の射程範囲外からの狙撃を以って敵の撃破を図る。
『スナイパー』により命中精度向上。二倍のチャージ時間により『二回攻撃』による頭部・胸部への連撃を実現。
撃破を狙うか『援護射撃』によるサポートに回るかは状況に応じ判断。
更に真の力解放。
(ザザッ)
狙撃に用いる腕の巨砲は、狙撃銃よりは寧ろ、獣じみた獰猛な、戦車(パンツァー)の如く。
敵を噛み砕き殺すだろう。
本機の行動指針は以上、実行に移る。オーヴァ。
(ザザッ)
キリエ・ニール
……小賢しい真似しちゃったなぁ。
そうだね、僕は学がないからさ。
武人じみた言い回しはよくわからないけど…強いて言うなら、くそにげぇよ。
WIZで挑む。
サモニング・ガイストを再び使用。
彼と一緒に、敵の召喚した兵士へと切り込む。
彼には兵士を槍で貫き、炎で弓矢ごと霊を焼いてもらい、聖者として生まれた僕の祈りで浄化する。
火縄銃は僕の拳銃、デリンジャーで撃ち落とす。
捨て身の一撃、衝撃波、鎧砕き、鎧抜き、二回攻撃。
肩がぶっこわれる、承知の上。
第六感と学習力の併用
魔眼が見せる弾道、銃の着火タイミングを見切り相殺し、更に突き進み、大口径の弾丸を武将まで届かせる。
やることは変わらない。
爆殺にて、鏖殺する。
麗明・月乃
鬼は鬼じゃ。
如何なる者であろうとも、村が滅びるのなら看過はできぬ。
人に崇められた偉大なる者は、人を守る為にこそ力を振るわねばならぬからのう。
…かつてできなかった私は特にの。
戦国兵団が現れたら【妖花演舞】を全力魔法として打ち込み、範囲攻撃で打ち倒す事を試みるのじゃ。
その際は一番効率の良い、範囲で多く巻き込める位置で放つのじゃ。
私一人でない以上、多少のリスクを背負っても脅威は打ち払わないとのう。
「武者鎧に兵士。戦争じみてきたの。勝った方が正義のこの場には相応しいのじゃ」
……そして偉大なる私にひれ伏すが良い!
兵団がいない時は【フォックスファイア】で相手の範囲攻撃外から攻撃するのじゃ。
●それでも殺すもの
「鬼は鬼じゃ」
一言、麗明・月乃(f10306)が言い放つ。
「如何なる者であろうとも、村が滅びるのなら看過はできぬ。人に崇められた偉大なる者は、人を守る為にこそ力を振るわねばならぬからのう」
矢の降る中、歩むのは自らの矜持故。
「……かつてできなかった私は特にの」
自嘲するのは、過去が故。
「舞え。踊れ。其は何処にもない花。其は何処にでもある華。熱き魂は偉大なる我が御身の下に顕現する」
数珠が杖が扇が星が、狐の形を模した炎となり、花のように舞い散る。妖花演舞(フラワー・フォックス)を全力で顕現すれば。その身を小鬼達の元へ走らせ花と言うには紅く獰猛な炎の嵐に巻き込んでいく。
悲鳴は無かった。ただ、消え去るのみ。それでも鬼子を殺したのは変わりない。
「武者鎧に兵士。戦争じみてきたの。勝った方が正義のこの場には相応しいのじゃ」
少女が高らかに叫ぶとその横をキリエ・ニール(f00824)が走る!
「……小賢しい真似しちゃったなぁ」
嘆息したスペースノイドの横を古代の兵士が付き従う。
「そうだね、僕は学がないからさ」
兵士が小鬼と槍を交わし、炎を振るう。
「武人じみた言い回しはよくわからないけど…強いて言うなら」
自らもオクタグラム・サイン光らせば。
「くそにげぇよ」
小鬼が数を減らす。そこに弓を向ける鬼達。すかさずフォトンマグナム・デリンジャーを抜けば凄まじい音とともに右手が反動で空高く跳ね上がる。
矢と銃弾が交錯し、弓を撃ち抜いたのをその目で見ればキリエはもう一度、デリンジャーを構える。もう肩の感覚はなくなっている。次は確実に肩が抜ける。承知の上。
狙うのは巨躯の鬼の壊れた鎧、第六感とメビウスゲイザーの演算を併用し、銃の照準、反動による誤差を最初の一撃で学習しカバーする。鬼子が弓を構える中。スペースノイドは引鉄を絞った。
「本依頼の討伐対象を発見。これより作戦を開始する」
迷彩スキンでレイヤードした身で静かに静かに移動を重ね、定点を確保すればジャガーノート・ジャック(f02381)は狙撃姿勢に移行する。
腕は狙撃銃というよりは寧ろ、獣じみた獰猛な、戦車砲となり。エネルギーをチャージする。
――ドクン!
電子の精霊のはずの身体から鼓動がなった。(エネルギー充填120%)
……いいのか?(エネルギー充填180%)
何かが問う声がした。
『やらなくてなならない!』(エネルギー充填200%)
一言だけ、ロールプレイングを捨てて、本当の言葉で応える。それは真の力の解放。埒外への存在に近づく行為。
過充填で振動する右腕を押さえつけ、砲のトリガーを心で二度引いた。
「Snipe Laser(スナイプ・レーザー)照射」
戦塵を巻き込み激しく光る二本の牙。ダブルタップで叩きこまれるその連撃は兜と胸元の破損個所へと迫る。
同時にキリエのデリンジャーも光を放った。
三条の光線が十字砲火で打ち込まれれば、胸元に二つの穴を空け、鬼を模した兜は消え、面頬を残すのみ。
口元から何かを吐き出す音がして赤いものが鬼だった武者の足元を汚す。
「見事なり、だが儂もまだ引けぬ!」
刀を杖に歩く巨躯の武者を残った小鬼達が武器を捨て足元に集い、彼を支えた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
花邨・八千代
そりゃ、咽喉にへばりつくくらいに甘ったるいのさ
アンタは知りたくもないだろうけどな
――中々の味だったぜ、アンタんとこのガキはよ
◆行動
「恫喝」で気合入れてくぞ
おびえるガキ共を食いつぶしたのは俺だ
纏めてあの世に放り込んでやったのは俺だ!
そしてアンタを叩き潰すのも俺だ!!
「怪力」を乗せて【羅刹旋風】だ
ぶち当てる瞬間一気に距離を詰めて確実に当てに行くぜ
「捨て身の一撃」だ、「2回攻撃」で「傷口をえぐる」ぞ
手でも足でも好きにもってけ、冥土の土産だ
完膚なきまでに叩き潰す、それが英雄の仕事ってもんだろ
恨め、憎め、それも全部食らいつくしてやる
寧宮・澪
そう、ですねー……優しさは、己を見失って、ただ陶酔するほどに甘ぁくて。
同時に、その様が結局欺瞞、自己満足ではないか、と問われれば、すごく苦ぁい、ですよー……。
だから、何だ、という話ですがー……。
【謳函】、で補助を。
【歌唱】は、得意ですよー……。
負けるわけには、いかないですし。
【鼓舞】も込めて、歌いましょ、謳函ー……。
自分の方に来た攻撃は、【戦闘知識】や洞窟の、【地形の利用】でいなしつつ、【オーラ防御】で軽減、をー。
こちらが崩れたら、【時間稼ぎ】、してみましょかー……。
使えぬ子供、を育ててた、貴方には、優しさはどんな味なんでしょかー……?
手駒でしかない、なら、味なんて、なかったですか……?
浅沼・灯人
子ども達は殺し尽くした
なら次はお前だオブリビオン
お前を過去へ還すだけだ
さすがに銃だけじゃ対応できないだろうから
主軸を鉄塊剣に変更する
剣で攻撃を受け、反らし、返す刃でぶったぎる
鎧なんて叩ききってやるよ
弾かれたならアサルトウェポンで牽制
手が使えねぇなら灼焼で燃やす
森は燃やさねぇ、焼くのはお前だけだ
相手がどんなデカブツだろうが数増やそうがやることは変わらねぇ
壊して、殺す
燃やして、殺す
俺はそれしかしない
お前らにはそれしかできない
優しさが甘いか?
……んなはずねぇだろ
酸いも甘いもねぇよ、ただ温いだけだ
煮えて冷めた湯と同じなだけだ
●葛の味を知るもの
最初は戯れだった、次に打算があった、そのうち情が移った、そして失って鬼になった。
自ら足元を支える何かはもう見えない。喉が熱血に溢れ、喋るのがやっと。目は閃光に灼かれ、影を映すのみ。
鬼子の霊に支えられたオブリビオンが一歩、また一歩と歩みを進める。
「おびえるガキ共を食いつぶしたのは俺だ」
花邨・八千代(f00102)の南天が鋸へと変わる。
「纏めてあの世に放り込んでやったのは俺だ!」
怪力込めた羅刹の旋風が足元の子供を再度殺し。
「そしてアンタを叩き潰すのも俺だ!!」
武者の脇腹を挽いた。雑に切り裂かれオブリビオンの腹から臓物がこぼれる。
「そりゃ、咽喉にへばりつくくらいに甘ったるいのさ! アンタは知りたくもないだろうけどな――中々の味だったぜ、アンタんとこのガキはよ!」
恨め、憎め、それも全部食らいつくしてやると恫喝を込めて挑発する羅刹の女の髪を武者が掴めば。
「うがぁ!」
唸り声と共に刀を握った拳で殴りつける、剣技も術もない只の激情。故に重く、八千代の身体が二度三度、地面をバウンドして転がっていく。
「そう、ですねー……優しさは、己を見失って、ただ陶酔するほどに甘ぁくて」
寧宮・澪(f04690)の特徴的な声が武者の鼓膜を打つ。
「同時に、その様が結局欺瞞、自己満足ではないか、と問われれば、すごく苦ぁい、ですよー……」
時間稼ぎと倒れた八千代への追撃を阻むために答えた葛の味にオブリビオンが振り向き、歩き出す。
「だから、何だ、という話ですがー……使えぬ子供、を育ててた、貴方には、優しさはどんな味なんでしょかー……?」
絡む臓物と引きちぎる姿から目を離さずに謳函(ウタハコ)を開けば流れるのは鼓舞を込めた童歌。
「……葛の味に決まっておる」
何度も咳き込み絞り出したその声は自嘲の色。自分がオブリビオンとして外れたことをしていたのは分かっていた、だからこそ――葛と例えた。
「子ども達は殺し尽くした」
浅沼・灯人(f00902)のささくれだった声が武者を止めた。
「なら次はお前だオブリビオン」
澪の隣を通り、鉄塊剣を引きずる。
「お前を過去へ還すだけだ」
お互いの刃が重なった、巨躯の日本刀とドラゴニアンの大剣。傷つき衰えた力と謳函に引き上げられた力が拮抗し離れる。刹那、灯人の左手が動きアサルトウェポンが火を吹く。
たたらを踏んだ武者へさらに袈裟の一撃を叩きこめば、筋腱が切れ、骨が立たれ、武者の刀が落ちる。けれど尚も彼は両手でブレイズキャリバーに組み付こうと飛び掛かった。
スゥーっと深く息を吸う音がして、武者を灼焼(イグニッション)が襲った。炎に巻かれ身悶えるオブリビオン。それを灯人が見下ろした。
「壊して、殺す。燃やして、殺す。俺はそれしかしない。お前らにはそれしかできない」
大地を転がり火を消そうとする武者、しかしユーベルコードの炎は消えることはない。
「優しさが甘いか? ……んなはずねぇだろ。酸いも甘いもねぇよ、ただ温いだけだ。煮えて冷めた湯と同じなだけだ」
「……ああ」
声は炎の向こうから聞こえた。
「温かった」
成功
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夷洞・みさき
沢山の子供がいたね。今は動物で賄えていたけど足りなくなったら、次の餌は只の人達かい?
あの子達もちょっとした泥棒だけで現世の人から恨み少なく海に還れたのなら、次に浮かぶ時の錘は少ないんじゃないかな。
そして、それは君も同じかも?だから、子供を追いかけると良いよ。
残念だけど、葛は放置すると周りに良くないらしいからね。
伐採するなら根本からだよね。
何にせよ芽の内に直せると良いのかもしれないけれど
WIZ
召喚された兵団に対して六の同胞により行動を阻害
自身は本体に対峙
過去、僧兵の予想外の足技を頭に食らったのが若干トラウマ
相手の動きを警戒
飛び道具は敵本体を射線に入れる様に同胞達を位置取り。
状況次第で真の姿になる
八坂・操
【SPD】
B級スプラッタ映画の殺人鬼なんて、所詮は悲惨な映像の為のマクガフィンに過ぎないのサ☆
……だから、難しく考えるな。私達は敵、アンタの敵。斬って捨てて、幕引きだ。エンドクレジットを怨むんだな。
乱戦が予想される。『忍び足』で『目立たない』よう近付き、背後から【咎力封じ】を叩き込む。抵抗されるようなら『敵を盾にする』……子供の亡骸だって、一撃位は耐えられるだろう。
言葉を交わすな。マクガフィンに理解は不要。趣味の悪い映画を手に取った。ただ、それだけの事だ。
●生命断つもの
武者が立った、炎に巻かれたその身で。猟兵が危険を感じ炎を消す。抱き着かれて仲間が巻き込まれるのは避けなければならない。
そのタイミングで面頬に猿轡がかかり、拘束ロープが足に絡む。
「B級スプラッタ映画の殺人鬼なんて、所詮は悲惨な映像の為のマクガフィンに過ぎないのサ☆」
テンション高い声に武者が振り向けば、拘束具を投げた八坂・操(f04936)が立っていた。
「……だから、難しく考えるな。私達は敵、アンタの敵。斬って捨てて、幕引きだ。エンドクレジットを怨むんだな」
ロープが絡まってもなお距離を詰める武者に操は何かを掴んで投げた。抱きしめるようにして受け止めた武者の動きがそこで止まる、それは切られた子供の骸。直後、金属が嵌まる音がして手枷がかけられた。
「沢山の子供がいたね。今は動物で賄えていたけど足りなくなったら、次の餌は只の人達かい?」
磯の臭いが鼻についた。
「あの子達もちょっとした泥棒だけで現世の人から恨み少なく海に還れたのなら、次に浮かぶ時の錘は少ないんじゃないかな」
夷洞・みさき(f04147)が呼ぶのは虐殺され海に棄てられた同胞六人の咎人殺し。
「そして、それは君も同じかも? だから、子供を追いかけると良いよ」
死を宣告すれば、忘却祈願・我は我等なり(ボウキャクキガン・シチニンミサキ)が黄泉から呼んだ六人は巨躯の武者に憑りつき、身を引き裂かんと爪を立てる。肉を裂く音がした。何かを引きちぎる音がした。それでもなお、振り払って蹴ろうと武者が足を上げれば、咎人殺しの一人が足にしがみつき、ちぎる。以前の戦いで蹴りを受けた経験が咎人殺しを動かしたのだ。
足を失い、倒れた武者に冥府から来た六人が群がる。
操はそれを黙って見守る。
(趣味の悪い映画を手に取った。ただ、それだけの事だ)
ただそれだけを心に独白し、猟兵達と共に最後を見守る。
面頬が投げ飛ばされ、転がる。それは子鬼の死体のそばまで転がると音もなく骸に重なった。
成功
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第3章 日常
『たくさん食べる君が好き』
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POW : とにかく食べる。ひたすら食べまくる。
SPD : 味を変えたり切り刻んだりして食べやすくなる工夫をする
WIZ : アイテムやユーベルコードを上手く活用する
👑11
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鬼を倒したと聞いて、村は熱狂に包まれ、猟兵達を祝うため祭りが開かれた。
村人達は次々と礼を述べ、そして祭りと名物の団子の由来を話す。
――昔、この村には何もありませんでした。ある年、大きな飢饉がありました。沢山の村人が死にました。その霊を鎮めるため、そして少しでも飢えて死ぬことが無いようにと、当時の村人は団子を作り、村の名物としました。それが祭りと団子の由来でございます。……子供? 勿論死にました、それはたくさん。ささ、猟兵様。どうぞお召し上がりください。特別に醤油や餡子も用意しましたが、自慢は葛を溶いた餡を絡めた団子でございます。是非に、是非に!
村人は次々に猟兵に団子を持ち寄ってくるだろう。
己条・理鎖
別にお団子目当てだった訳ではないですが、せっかくの好意を無駄にするのはよくないですね。ありがたくいただきましょう。
おすすめされた通り葛のお団子をいただきます。
美味しい物を食べるのはいいことです。ヤドリガミとなって良かったと実感することの一つですね。
邪悪なオブリビオンは倒れ、村人の方達は命に関わるようなことになる前に脅威が去って安心して生活できるようになり、私はおいしいお団子を食べられて幸せ。
よかった、よかった。
カチュア・バグースノウ
の、飲み物でも持っていこうかしら
2リットルのボトルで…
同じ味は飽きるから、別の味にして〜!
餡子かけたり、きな粉に黒蜜もいいわよ
あとはそうね、溶かしたチョコレートなんかも結構合うのよね!
(もしかしてメープルと、イチゴジャムも合う…)
(試す勇気はないけど)
なんかすっごく心が晴れたわー!
感謝されると悪い気はしないわね
お酒はないの?お酒!
わいわいしながら一人引っかかることを思い出す
(さっき、団子を作って子供を死なせたみたいなこと言ってたけど)
(まさか…ね)
(あの鬼の子たちは)
八坂・操
わーい、お団子だー♪
やっぱりこーさー、お茶を傾けながら食べるお団子は最高だよねー☆
芸の一つでも眺めながら食べられたら、もっと素敵なんだけどなー♪
という訳で、【オルタナティブ・ダブル】操ちゃんGO!
「はーい、一番操ちゃん! お団子浮かします!」
いやー、我ながら『怪糸』の扱いがお上手。こりゃ食も進みますなー♪
それにしても、労力を割かずに参加する宴会は、スリルがあって良いね。猟兵ってだけで打ち上げに混ざっても分からないんだから、ホント便利♪
「鬼退治? そうそう、こー操ちゃん達が二人になってねー」
そういえば、昔鬼退治の悪趣味な映画があったよーな気が……ま、それだとウケも悪そうだし、適当にでっち上げよ。
●祭りがはじまる
戦が終われば、祭りは始まり。人々はやんややんやと猟兵達ををはやし立てる。
名物の団子の他に川で獲れた魚を塩で焼いたものや彼等自身がめったに口にすることの無い酒や茶も振る舞われる。
「流石は天下自在符の豪傑方、オラんところの団子も食べてくれないかのう?」
一人の男がそう言って、葛で溶いた翠の餡がたっぷりかけられた団子を差し出せば、我も我もと村人たちが猟兵に殺到する。
「別にお団子目当てだった訳ではないですが」
己条・理鎖(f05312)は一言入れてから。
「せっかくの好意を無駄にするのはよくないですね。ありがたくいただきましょう」
と一人の村人の差し出す葛の団子に手を付ける。作り立ての団子の歯ごたえが心地よく、葛を溶いた餡の甘みも控えめで優しい。
「美味しい」
と一言、呟けば村人の顔が輝く。
舌に絡む甘みにヤドリガミとなって良かったと理鎖は改めて実感する。
――邪悪なオブリビオンは倒れ、村人の方達は命に関わるようなことになる前に脅威が去って安心して生活できるようになり、私はおいしいお団子を食べられて幸せ。
よかった、よかった。
己が生まれから由縁する律法が守られたことを心から喜び、誇れる。そう感じた時、団子がいつもより甘く感じられたのは気のせいだろうか?
「の、飲み物でも持っていこうかしら」
2リットルのボトルで……と考えるのはカチュア・バグースノウ(f00628)。
グリモア猟兵でも呼べば何かもらえたかもしれないが、誰も呼ばなかったので彼も来ない、代わりに差し出された渋い味の茶で舌を休ませるが……。
「同じ味は飽きるから、別の味にして〜!」
葛のラッシュにとうとう悲鳴を上げた。
「餡子かけたり、きな粉に黒蜜……あとはそうね、溶かしたチョコレートなんかも結構合うのよね!」
彼女の言葉に村人が醤油や餡子の団子を差し出す、黒蜜やチョコレートは娘を売っても手に入らないので流石にそれは無かったが。
「なんかすっごく心が晴れたわー!」
それでも戦いが終わったことを実感し開放感に浸ることはできた。
「感謝されると悪い気はしないわね。お酒はないの? お酒!」
カチュアの手の盃が渡され、酒が注がれた。
(さっき、団子を作って子供を死なせたみたいなこと言ってたけど)
(まさか…ね)
(あの鬼の子たちは)
ふと考えに更けて手近な団子を口にする、葛の味が何か苦く感じて、盃を傾けた。
団子を堪能する者も居れば、自ら祭りに入っていく者もいる。
「はーい、一番操ちゃん! お団子浮かします!」
八坂・操(f04936)がもうひとりの自分を呼んで行うのは糸を使っての芸。
「ゲェー! 団子が浮いとるぞい!」
「それよりも、娘さんが二人になっておる。これは一体どういう事じゃあー!?」
驚く村人達を眺めて食べる団子はとても進む。
「それにしても、労力を割かずに参加する宴会は、スリルがあって良いね。猟兵ってだけで打ち上げに混ざっても分からないんだから、ホント便利♪」
芸をオルタナティブ・ダブルに任せて、団子を堪能すれば子供達がやってきて、武勇伝を聞きに来る。
「鬼退治? そうそう、こー操ちゃん達が二人になってねー」
鬼退治の悪趣味な映画を思い出したが流石にウケが悪いと考えて操は話をでっち上げた。
葛の団子からは嘘の味がした。
成功
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麗明・月乃
飢えて死んでいった子供達…か。
後悔はせぬよ。
あれらは所詮過去の亡霊。囚われて村が滅んで良い道理などないのじゃ。
ああ、いかん。辛気くさい顔をしてたら村人を不安にさせるの。
広くて邪魔にならぬところで【鶏の頂点に立つ少女】を発動。適当に外してにわとりの上でひなたぼっこしながら団子を食うかの。
「うむ。苦しゅうない。なかなか美味いではないか」
…とはいえ、正直味がいまいちわからぬのじゃよな。
子供達にこいこい、と手招きしてにわとりの陰に隠すようにこっそり団子を渡す。
「実は最近ちょーっと食べすぎでの。お主らで食ってたもれ」
内緒じゃよ?と悪戯っぽく笑うのじゃ。
罪滅ぼし…にはならぬだろうが。ま、自己満足じゃな。
寧宮・澪
【謳函】、使用。
……じゃー、予め、録音してた中から。
お祭りの、童歌、をー。
きっと、こんな時にはこんな風に、歌う、でしょうから。
これなら、食べてても、流れるでしょうしー……歌って、謳函。
村の、人たちをー……猟兵をー……【鼓舞】、しましょー……。
食べるときに、無駄に黙祷をー……。
もし聞かれたら、由来となった飢饉の被害者へ、と応えておきましょー……その中に、鬼と鬼の子等を悼む、【祈り】がまじってますが……言わなきゃ、ばれない、ですし。
いただきますー……ああ、甘ぁいですねー……葛、の味。
いっぱい、食べれて、よかったですねー……。
幸せ、な、味だったでしょかー……幸せな味、ならいいですねー……。
●宴の中で
祭りの中、童歌が村中に優しく響く。
貧しい村に楽器という高価なものを持つものはいなかった、歌と言っても子守唄程度。故に自然と猟兵のものと分かる。
謳函のガジェットが歯車を回し歌声を風に乗せるのを耳で確認すれば、寧宮・澪(f04690)は団子の乗った皿を膝に乗せる。
「きっと、こんな時にはこんな風に、歌う、でしょうから。これなら、食べてても、流れるでしょうしー……歌って、謳函」
主の意に沿ってガジェットの旋律が流れれば、村の子供達が珍しそうに集う。箱を傍らに置いたオラトリオは子供達の視線がそちらに向いたのを見てから団子に向かって黙祷をする。
「どうしたの?」
童が聞いた。
「由来と、なった、飢饉の、被害者に、お祈りをー……」
いつもの独特な調子で答えれば、そうかーと納得する童。その中に鬼となった武者と鬼子達も含まれていることは心の箱にしまって置いた。
「いただきますー……ああ、甘ぁいですねー……葛、の味」
団子一つ口に含む。
「いっぱい、食べれて、よかったですねー……幸せ、な、味だったでしょかー……幸せな味、ならいいですねー……」
葛の味は何かが含んでいた。
「飢えて死んでいった子供達…か」
大量のにわとりを布団にして、日向ぼっこするのは麗明・月乃(f10306)
「後悔はせぬよ。あれらは所詮過去の亡霊。囚われて村が滅んで良い道理などないのじゃ」
自分に言い聞かせるように呟き、団子を食べる。
「うむ。苦しゅうない。なかなか美味いではないか」
出来立ての団子の歯ごたえに満足しつつも、舌を転がせば物足りない感じ……まだ十歳の少女には葛の甘みは物足りないのだろう。
ふと横目に見れば鶏を追いかける子供達が居た。
視線の合った子供へこいこいと手招きすれば、駆け寄る童に団子の皿を鶏の陰から。
「実は最近ちょーっと食べすぎでの。お主らで食ってたもれ」
内緒じゃよ? と悪戯っぽく笑えば。団子に当たってない子供達が目を輝かせて走っていった。
「罪滅ぼし…にはならぬだろうが。ま、自己満足じゃな」
呟いて、天を仰ぐ。
彼女が葛の味を知るのはいつか未来の話。
成功
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夷洞・みさき
幾つかお土産に貰おうかな。
何故、子供ばかりだったのか。
理解ってしまえば、あぁ、なるほど。としか言えない単純な話なわけだね。
WIZ
出された物を食べないのは失礼だけど、一人じゃちょっと厳しいし、皆(同胞達)も一緒に食べようか。
亡霊と車座になのは驚くかもしれないけど、死人は意外に近くいるという事を思い出してもらおうかな。
帰りには洞窟に寄り貰った団子を子供と親一人分供えてゆく。
あくまで嘗て死んだ子供達のためと、自身に嘯きながら。
「僕は咎人殺し。咎有る者への情けなんてないからね。」
死霊術士の目が鬼―子供とその親の姿を見るかもしれない。
「でも咎が落ちたのなら…」
死なば仏、還れば思い出。
他者同道お任せ
ステラ・ハーシェル
私は鬼と鬼の子等を埋めた場所に行くとしよう。これだけの騒ぎだ……私1人姿を消しても気づく者は居ないだろう。
私達が来る前、鬼は子供達の食料を取りに行って無事に確保できていたのなら、それが残っているはずだ。彼らの墓の前にそれを置くとしよう。無かったならそうだな……洞窟内に残ってる彼らの物を置くとしよう。
「本当なら団子をやりたい所だが……感謝で貰った物をあなた達にあげるのは違うなと思ってな……その代わりだ」
置いた後は近くに腰を落とす。
サイボーグに食事は不要なのだがな……弔いの意味も兼ねて餡が絡まった団子を食べるとする。
「やはり……何も感じないか……」
花邨・八千代
腹が減ってんだ、ありがてぇ。
遠慮なく食わせてもらうぜ、ついでに酒なんてありゃ最高なんだがなァ。
あぁ、酒は一升余分にくれよ。
うまい団子だなァ、醤油や餡子も…葛餡も。
そういやここにも子供は居んのか?
いや、せっかくだしガキ共にも腹いっぱい食わせてやってくれよ。
この葛の味ならいつまでだって覚えていて良いだろうからな。
祭りの途中でちっと抜けさせてもらうぜ。
酒を一本拝借して、あの洞窟の傍へ。
多分同じ目的のやつらも居るだろうし、隠すこともねェだろ。
酒は大人用だ、ガキは飲むんじゃねーぞ。
死ねばみぃんな仏さんだ。
酒を備えるくらいしたっていいだろうさ。
キリエ・ニール
…悪いね友達。
ちょっと、手を貸して欲しい。
POWで行こうか。
残党がいないか調べて、それから貰うよと葛餡からめの団子をたっぷりと貰い、再び戦場へ戻る。
多分、鬼や武者の死体がまだ残ってると思うから。
柄じゃないけど、そうあって欲しいと造られた宇宙人は……
……call・dear・Friends!!
友達を、何処か遠くの星の神様、そうでなくてもそう呼ばれる異形達。
彼らを召喚し、武将も鬼子も、死体を纏めて焼き払う。
火葬…になるかな、見送りの聖者はここにいるし
神様も呼んできた。
燃え上がる火に、持ってきた団子を投げる。
さぁ、たくさんお食べ、これなら腹いっぱい食べていい。
火が消えて残った焦げ団子は…僕が食べる。
●祭りの裏で
亡霊と車座になって団子を食べるのは夷洞・みさき(f04147)。ざわめく村人達を意に介さず、皆で団子を食べる。そもそも団子も多いし。そして死人は意外に近くいるという事を思い出させる意図も含めて。
それを横目に花邨・八千代(f00102)は団子を求める。
「腹が減ってんだ、ありがてぇ」
歯を立てて串を引けば葛の味は喉にへばりつく甘い味。
「遠慮なく食わせてもらうぜ、ついでに酒なんてありゃ最高なんだがなァ」
すぐに盃が渡され、酒が注がれる。
「あぁ、酒は一升余分にくれよ」
酒精を堪能しながらも酒瓶一つ引っ手繰るのは忘れない。
「うまい団子だなァ、醤油や餡子も…葛餡も」
喜ぶ村人にぎらついた眼を向ける羅刹の女。その目つきに村人の背筋が正される。
「そういやここにも子供は居んのか?」
問う声は意外に優しく。
「いや、せっかくだしガキ共にも腹いっぱい食わせてやってくれよ。この葛の味ならいつまでだって覚えていて良いだろうからな」
頼む言葉は葛より甘い。ほっ……と息を吐く村人。
団子があたり、子供達が喜ぶ中。八千代がそっと席を立てば、森の中へ。
「何故、子供ばかりだったのか。理解ってしまえば、あぁ、なるほど。としか言えない単純な話なわけだね」
途中で着いてきた咎人殺しの言葉に羅刹の女は答えを返さず、ただ森の中へ歩けば辿り着くのは先程まで戦った洞窟。
そこには先客が二名居た。
●葬送
ステラ・ハーシェル(f00960)とキリエ・ニール(f00824)が洞窟から死体を集める。サイボーグの女は埋めたいと考えたが、数が多い。それにスペースノイドの男が考えがあるというので手を貸すことを選ぶ。
武者の骸は死したときに消え、残ったのは面頬だけ。山と積んだ死体の上にキリエが丁重に乗せた。
「……悪いね友達。ちょっと、手を貸して欲しい」
遺体から離れて、そう呟けば空を仰ぎ。
「call・dear・Friends!!」
四人の見守る中、シャーマンにして聖者の男が友達を呼んだ。何処か遠くの星の神様、そうでなくてもそう呼ばれる異形達。
彼等が応え、返すのは降り注ぐ炎の雨。ボゥっと、布に火が付き。パチリと柔らかいものが弾ける音がして、肉が焼ける独特の匂いがする。炎熱が生者の頬を撫でる中、骸は灰となっていく。
荼毘に付される鬼達を前に、キリエは火中へと団子を投げる。
「さぁ、たくさんお食べ、これなら腹いっぱい食べていい」
「僕は咎人殺し。咎有る者への情けなんてないからね」
団子を供え、炎を見つめるみさきのが見るのは彼岸の向こう。
「でも咎が落ちたのなら…」
死なば仏、還れば思い出。そうであってほしいと願う。
その横で八千代が酒瓶の栓を開け、炎へと注ぐ。
「死ねばみぃんな仏さんだ。酒を備えるくらいしたっていいだろうさ」
みさきの想いを汲んだように羅刹が呟く、偶然なのだろうか、けれども咎人殺しの女にはそうであってほしいと感じた。
「でも酒は大人用だ、ガキは飲むんじゃねーぞ」
続けた言葉に、誰かが笑った。
それぞれが墓前にそなえるのを見つめながら、ステラは一人離れて近くの石に腰を落とす。
「サイボーグに食事は不要なのだがな……」
呟けば手に持つのは餡が絡まった団子。弔いの意味も兼ねてそれを食べれば。
「やはり……何も感じないか……」
空虚な何かが喉の奥へと沈む。
●そして何もなくなった
炎の中で面頬にヒビが入る。ぱきん、ぱきん、と割れる音が耳を打つ中、つむじ風が一陣、炎をさらう。
風を受けた炎は一瞬燃え上がった後、そのままつむじ風に流されていく。骨も灰も面頬も何もかも連れ去って。
風がその場を去れば、そこには何も無い。
彼らが殺した子供も武者も戦いの後も何もかも。見上げた空は日が沈みかかり、星々の瞬きが見え始める。
残ったのはそこで炎が燃えていたという余熱と彼らの中にある記憶だけ。
「……帰ろう」
誰かが口を開けば、皆が同意した。
暗い夜道の中、猟兵が歩く先にあるのは貧しい村一つ。
祭りはまだ続いている。誰かが生き続けようとする限り――。
大成功
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