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黄昏の復讐者

#ダークセイヴァー


●復讐の園
 墓場は暗く、冷たい。
 鴉の群れが不吉を告げるように鳴き、空は黄昏の色に染まる。
 悪夢の夜が来る先触れだ。

「芽吹くがいい。“屍者の種子”よ」

 鎮魂の鐘が響く只中、黒衣の男がひとり嘯いていた。
 復讐者ジョーウェル。死の匂い漂う魔人である。
 この絶望満ちる世界でヴァンパイアを狩る者であった。
 なんのために戦うか?
 無論、おぞましき吸血鬼を駆逐するため。
 しかし、なんのために駆逐するかとさらに問えば、答えは返ってこない。
 圧政からの解放でもなく、誰かを救うためでもない。
 ああ、かつては憎しみのためであっただろう。
 だが、今は憎しみすら手段となった。
 憎むから狩るのではない、狩るために憎む。
 それを復讐者と呼べるかどうかは別として、吸血鬼狩人ジョーウェルはそうした修羅のひとりだ。
 そのような男が、手段を選ぶであろうか?

 否である――。

 憎しみはすべてを正当化し、情念の炎はおのれを灼き尽くすまで消えることはない。
 彼は、ヴァンパイアを戦うための尖兵を欲していた。
 狙いは、一帯を支配する強い領主である。
 戦を仕掛けるのには、兵が足らぬのだ。
 その兵を集める場が、この墓場である。
 ジョーウェルが撒いた“屍者の種子”は、死人を人を貪る怪物に変えてしまうものだ。
 人間の生き血を糧とする領主から、その糧を奪い去る。
 つまりは、支配された人間を屍者の群れに襲わせ、弱体化を図とうというのである。
 およそ正気の沙汰ではない。

「これでいい、これでな」

 白皙の肌に、狂気に彩られた笑みが浮かぶ。
 地の底から、かすかに呻く声がした。
 さあ、もうすぐ日が暮れる。
 屍者が目を覚ます時間の訪れだ。

●屍者襲来の予兆
 グリモアベースで、オブリビオン出現の予兆があった。
 現われるのは、ダークセイヴァーの墓地だという。

「屍者の群れが甦るらしい」

 グリモア猟兵、堂崎・獣明(整備係・f15021)が事態を告げる。

「このジョーウェルってのはヴァンパイア・ハンターだ。だが、ヴァンパイアを狩るためなら、人間を犠牲にすることすら厭わねえ」

 言いながら、獣明は眉根をしかめる。
 怪物と闘う者は、その過程でみずからが怪物と化さぬよう心せよ、有名な警句がある。
 まさに怪物と闘い、怪物と化したのだろう。
 憎しみは、過去の出来事を元とする。
 彼もまた、骸の海から這い出たオブリビオンに違いないのだ。

「あいつは、墓場に“屍者の種子”を撒いた。このまま夜が来れば、無数の屍者が蠢き出す。近隣に溢れ出すのだけは防がねえとな」

 獣明はすまなそうに言った。
 いつもいつも、後手に回ってしまうのだ。

「そういうわけで、頼んだぜ」


丹藤武敏
 皆様よろしくお願いします、丹藤武敏です。
 現在『ゲーマーズ・フィールド』誌で「第六猟兵シナリオマスター体験記」という記事を連載中です。
 初めましての方は初めまして。そうでない方はまたよろしくお願いします。
 TRPGのリプレイやセッションをすると、トンチキなNPCが多いと言われがちですが、こう見えてダークファンタジー的なシナリオも得意としております。
 ちょっとこの辺をアピールすべくオープニングを作成いたしました。
 一章は甦り出した屍者に対処します。
 二章は屍者との集団戦となります。
 三章はいよいよ復讐者とのボス戦となります。
 それでは、どーんといらっしゃってください。
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第1章 冒険 『墓地に満ちる怨嗟』

POW   :    死人は黙れ。生者の力や可能性を見せつけて黙らせる。

SPD   :    感傷は不要。理路整然と説き伏せる。

WIZ   :    彼らの未練を聞き届け、死者の為に祈る。

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アシェラ・ヘリオース
「誇り高き狩人が、いまや狩られる側に堕ちるとはな」
身につまされる話だ。
悪と呼ばれた帝国に仕えた過去に誇りはあれど悔いは無い。
だが一歩間違えれば、信念も誇りも容易く妄執と変ると言うことか。
引導が必要だろう。

「聞け死者達よ。私は闇を纏いて悪鬼を裂く黒の騎士だ」
良く通る声で宣言する。
死者に対しては静謐に、心を乱さずに語りかけるのが肝要だ。
「私は刃に振るう事しか出来ぬ無骨者だが、貴公らがもしも報いを欲するならば刃となろう」
腰の軍刀を一閃し誓いの言葉。

「もしも我が刃にその未練を託すなら、存分に語られよ」

【礼儀作法、鼓舞、コミュ力、情報収集】

一頻り話を聞き、死者への送り火を放つ。【優しさ、属性攻撃】


夜神・静流
【WIZ】
「彷徨える亡者を導くのも私の務めです」
彼等が安らかに眠れるように祈り、除霊の儀式を行ないます。

お祓い道具、霊符、聖痕を使用。
技能は祈り・破魔・呪詛耐性・聞き耳を使用。

亡者の未練を聞き、癒しと破邪の力で苦しむ事なく成仏させる。
彼等の声に耳を傾けつつ、それに呑まれる事がないように。

「もう苦しむ必要はありません。どうか安らかにお眠りなさい」
優しく語りかけつつ、内心で犯人に対して怒りを燃やす。
死者が現世に留まる事など、あってはならない。
その理を覆そうとする者には死を。

アドリブ・絡み歓迎。



 夜が来る。
 死者が眠る墓場に、夜が来る。
 安らかなる眠りは、すでに妨げられている。
 晩鐘の音は、目覚めを告げるかのごとく響く。
 もうすぐ、屍者たちが目を覚ます。
 屍者の種子や萌芽を始めたのか、地の底からひそやかなる声が聞こえてくる。

「誇り高き狩人が、いまや狩られる側に堕ちるとはな」

 墓場に足を踏み入れたアシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)は種を撒いた復讐者を思い、嘆息とともに言った。
 誇り高き狩人の堕落。
 だが、一歩間違えれば、信念も誇りも容易く妄執と変ってしまうことを心に留め、戒めとする。
 墓場に踏み入れば、ざわめきが周囲から聞こえてくる。
 その声に答えねばならない。死を迎えても、人であることは変わらぬ。アシェラは彼らへの尊厳と敬意は心得ていた。
 
「私は刃に振るう事しか出来ぬ無骨者だが、貴公らがもしも報いを欲するならば刃となろう」

 アシェラの声は、よく通った。
 それでいて、眠りの場の静謐は妨げることがない。

「彷徨える亡者を導くのも私の務めです」

 続いて、夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)も死者たちに語りかける。
 亡者の未練を聞き、癒しと破邪の力で苦しむことなく安寧の眠りを祈る――。
 夜神の一族の末裔にして退魔の剣士である静流は、除霊の儀式によって悪霊を祓う用意をした。
 紳士に祈る2人には、死者の声が聞こえる。
 屍者の種子によって、眠りを妨げられたという無念。
 すべてがすべて、望んで目覚めるわけではない。

「もう苦しむ必要はありません。どうか安らかにお眠りなさい」
「もしも我が刃にその未練を託すなら、存分に語られよ」

 安らかな眠りを祈る静流。
 腰の軍刀を一閃し、誓うアシェラ。
 優しさと真摯さが、多くの死者の魂を慰めた。
 二人に応じて、幾人かの死者はそのまま眠りを続けるという。
 どうか、自分たちを呼び起こさないでくれ――。
 痛切な願いが聞こえた。
 死者が現世に留まる事など、あってはならない。
 その理を覆そうとする者には死を。
 冒涜の種を撒いた狩人に、静流は静かな怒りを燃やすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宇冠・龍
とても濃い死の臭い、そして蔓延しすぎる呪詛
過去は未来を生きるための糧、今を悪戯に貪るためではありません
死霊を扱う者として放ってはおけませんね

屍者の種子……またやっかいな物があるものですね
這い出る屍を倒しても、元の芽を断たなければまた出てきてしまうかもしれません
【屠竜之技】を使用し、破魔の力を限界まで高めます
両拳に収束させた破魔を、拳から打ち出す衝撃波に乗せ屍者を退治

粗方片付いたら、死霊術士として呪詛を辿り、最も濃い中心点を探します
地面に向けて両手から破魔の力を流し込み、範囲攻撃の要領で付近一帯に植えられた発芽してない屍者の種子を除去してしまいましょう


鈴木・志乃
種子を蒔いた……か
んん、種子も死人も対処するなら
手荒だけどこれが一番良いかな?

墓地にする所業かと問われると全力土下座だけどね

UC【意志の花】を発動
聖属性の花火を打ち上げて、死者も種子も燃やして浄化
【祈り、破魔】の力を籠めて【衝撃波】で震わすよ!
弔いの歌も歌おう【歌唱】
効きそうなことは全部試す

可能なら【催眠術】で私が生者に見えないようにするか
【オーラ防御】も常時発動
襲われませんように

【第六感】で危機探知しておくよー
しかし種子ってどんなんだろ
それ探して燃やせたりしないかな


花火は元々死人を送るためのものだったそうだよ
安らかにお眠り
無理に誰かを呪ったり
復讐したりしなくていいんだ



「過去は未来を生きるための糧、今を悪戯に貪るためではありません」

 宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は、過去から今を守る猟兵のひとりだ。
 だからこそ、濃密な死の香りと蔓延する呪詛が渦巻く墓場にも立つ。
 死霊を操るものとして、その理を脅かすものは放置してはおけないのだ。
 すでに“屍者の種子”によって蠢き始めた屍者の気配がある。

「屍者の種子……またやっかいな物があるものですね」

 そう、この厄介な代物は芽を立ってしまう必要があった。
 龍は、両の拳に破魔の力を満たし、墓場の地に向けて放った。
 ユーベルコード【屠竜之技(トリョウノギ)】である。
 激しい衝撃波と、打ち出された破魔の力が、芽吹き始めた種子を掘り返す。
 動き出した屍者たちも、土中にいたうちから退治された。
 種は芽を出し、墓場に根を張り巡らせている。
 穢土の瘴気を養分とし、凄まじい速度で成長した。
 龍は、その根を伝う呪詛を辿って絡み合った中心に破魔の力を叩き込む。
 文字通り、根こそぎである。

「んん、種子も死人も対処するなら、手荒だけどこれが一番良いかな?」

 鈴木・志乃(ライトニング・f12101)も、龍と同じく種子を除去することに決めた。
 ユーベルコード【意志の花(ファイアーワークス)】は、聖属性の残留思念を炸裂せさせる大花火だ。
 掘り起こされた種子を焼き払ってしまおうというのだ。
 
「墓地にする所業かと問われると全力土下座だけどね……」

 その懸念はあった。
 しかし、花火といえば死者の霊を弔い、施餓鬼、悪霊退散の願いを込めて打ち上げることもあった。
 
「花火は元々死人を送るためのものだったそうだよ」

 打ち上がった花火が、種子と屍者に降り注ぐ。
 ぼうっと、青白い炎が灯ってこの世ならざるものたちを浄化していていった。
 誰かを呪ったり、復讐しなくてもいい。
 そんな思いも込めて、志乃は鎮魂の歌を歌う。
 にぎやかに、華やかに。
 弔いとは、厳粛なものばかりではないのだ

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。他の猟兵達の祈りで多くの魂が眠りについた。
それでも、いまだ鎮まらぬ魂があるならば…。
眠りを妨げた者への怨嗟が捨てきれないならば…。
報復の機会を与えてあげる…。

“葬送の耳飾り”に聞き耳を立てて、
目立たない魂の存在感を第六感を頼りに見切り、
魔力を溜めた左眼に残像として暗視。

…貴方達の想いは私が受け継ぐわ。
死者を操り尊厳を汚した者を赦しはしない。

死者達の呪詛の声に祈りを捧げ、
心中で彼らと手を繋ぎ【断末魔の瞳】を発動。
死者達の魂を呪詛耐性で受け止め吸収する。

…それにしても。死者の力を操る黒衣の吸血鬼狩りね。
どこの誰だか知らないけれど、私も少し道を違えれば、
この敵のようになっていたのかしら…?



「……ん。他の猟兵たちの祈りで多くの魂が眠りについた」

 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、他の猟兵たちの活躍を見守っていた。
 それでも、まだ眠りを妨げた者への怨嗟の声が、“葬送の耳飾り”を通じて聞こえてくる。
 死者の思念を聞き取るという特別な力を持つが、あまりに死者と近づいてしまうと、強烈な怨念や悲しみに取り込まれる危険もある。

「それでも、いまだ鎮まらぬ魂があるならば……」

 夜と死は、彼女にも親しいものである。
 第六感が、いまだ墓場に残る未練を捉え、魔力を溜めた左目が残像を暗視した。
 リーヴァには、死者たちの渦巻く呪詛と怨嗟が視える。
 だからこそ、告げねばなるまい。

「眠りを妨げた者への怨嗟が捨てきれないならば……。報復の機会を与えてあげる……」

 正面から、死者たちの思いを受け止める。
 並みの者なら、精神に変調をきたしていただろう。
 だが、彼女には秘められた信念と決意がある。
 死者と心中で手を取り、そのために祈ることができるリーヴァならばこそ、耐えられるのだ。

 ユーベルコード【代行者の羈束・断末魔の瞳(レムナント・ゴーストイグニッション)】が、死者の魂を吸い上げる。
 復讐者への呪詛は、こうしてリーヴァの力となる。

「……貴方たちの想いは私が受け継ぐわ。死者を操り尊厳を汚した者を赦しはしない」

 黒衣の吸血鬼狩人への怒りを共有する。
 しかし、少し道を違えれば、自分も復讐者と同じになっていたかもしれない――。
 そんな憂いが、紫の瞳にふと浮かぶのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『満たされることは無い飢餓者』

POW   :    分解作業
【手に持った武器】が命中した対象を切断する。
SPD   :    捕縛行動
【獲物を押えつける為の死角からの攻撃】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    共食い
戦闘中に食べた【死体の肉】の量と質に応じて【さらに上質な肉を求め】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
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「よくも我が募兵を邪魔してくれたものだ」

 状況を知ったジョーウェルは、忌々しく言い放った。
 本来なら、百を超える尖兵を揃えることができたはずだ。
 しかし、復讐者ジョーウェルの兵はこの墓場だけが収穫場ではない。
 永劫の飢餓を与え、貪る者と化した者たちを麾下に加えていたのだ。

「しかし、それほどの者どもなら、我が復讐兵団に加えるもよかろう」

 猟兵たちをも屍者とし、種子を植えておのれの手駒にしようとの算段である。
 復讐のためならば手段を選ばぬ。
 狩人は堕落し、過去の妄執に囚われたオブリビオンとなったのだ。
 ジョーウェルは、猟兵たちに向けてその兵団を差し向けた。
仇死原・アンナ
命を弄ぶ者を狩る者が
死者を弄ぶ者に成り果てたか…外道が…
だけど…その前に目覚めてしまった死者達を眠りにつかせないとね…

他の同行者と共闘する

[呪詛耐性]を施し戦闘の入る

鉄塊剣を振り回し[怪力、なぎ払い、範囲攻撃]で敵群を攻撃
鞭を振るい[ロープワーク、武器落とし]で敵の武器を叩き落す

敵からの攻撃は[見切り、武器受け]で防御回避
[カウンター]も狙う

「地獄の炎よ!死者の魂に安息と救済を…!」
敵群を[挑発]し[おびき寄せ][属性・範囲攻撃]を使用して【ブレイズフレイム】を発動
敵群を地獄の炎で焼き尽くそう

ジョーウェルめ…
次に狩られるのは貴様のほうだ…覚悟しろ…!

アドリブ絡みOK


宇冠・龍
(無理に起きてくださいとは言いません。どうか、皆さんの同胞を、再び眠らせることに賛同される方は、私に力をお貸しください)
地面に手を添え、墓地に眠る死者たちに念じるように呼び掛けます

【談天雕竜】にて、私と同じ強さを持つ百体の悪霊を、破魔の効果を付与した剣盾と共に召喚
この地には呪詛が満ちています。それは仲間や自身を無理に使役される怒りと嘆き、それは私の霊に更なる力を与えることでしょう

霊とはいえ、共食いの餌食になってしまいかもしれません
4対1を基本として取り囲み、一体ずつ確実に仕留めていきましょう

上質な肉を求めて私に群がるかもしれませんが好都合
待ち伏せの部隊で挟み撃ちにし一網打尽にします


鈴木・志乃
ダメだよ、こんなことしちゃ
貴方が一番分かってるだろうに
それとも、それすら忘れてしまったの

今に眠りに返してあげる

【呪詛耐性】の【オーラ防御】展開
どんな呪いぶつけられるか分かんないからね

UC発動
その呪詛を【祈り】に変換し
満たされない想いを正の感情で塗り替える【なぎ払い】
【破魔】の歌を【歌唱】し【衝撃波】で体内も精神も侵し尽くそう

肉を食べる予兆や攻撃のタイミングは
【第六感】で【見切り】、【早業】な鎖の【武器受け】でそのまま【カウンター】を狙う
手が足りないと感じれば【念動力】で土や砂を巻き起こしUCに混ぜて目眩ましとする


夜神・静流
魔に堕ちた外道を、断じて許す訳にはいきません。
ですが先ずは、この屍兵達を斬り祓いましょう。
「静かにお眠りなさい。貴方達の業は、私が断ち切ります」

祈り・早業・破魔・属性攻撃・範囲攻撃・なぎ払いを使用し、七ノ太刀・暁で攻撃。
必要に応じて地形を浄化し、その上で戦う事で自身を強化する。
敵の攻撃に対しては見切り・残像・オーラ防御による回避や防御で対応。

「お任せ下さい。この手の敵の相手は最も得意とするところです」
「彼らの魂に平穏があらん事を。そして、死者を冒涜する者には死を」

アドリブ・絡み歓迎。


アシェラ・ヘリオース
【連携改変歓迎】

「哀れな事をするものだな」
静かな怒りを籠める。
これは最後の一欠けらの誇りまで、復讐の薪にくべた者の所業だ。
オブリビオンであるとここに断定する。
まず、この妄執に囚われた哀れな兵に安らぎを与えねばなるまい。

・戦闘方針
黒のサーベルで交戦しながら戦場把握。【情報収集、戦場知識】
交戦しつつ後退し、機を見て黒刃を巨大な風車手裏剣とし、フォースを纏わせて回転させ投擲。
敵陣を攪拌しつつ大きな円を描く軌道を取らせ、結んだ黒鎖で飢餓者達を一つ所に集める。【念動力、ロープワーク、誘導弾】

「送りの火だ。還るべき所に還るがいい」

古いフリントロックの儀礼銃にて弔いの火弾を放ち、彼等を焼き尽くしたい。


リーヴァルディ・カーライル
…ん。無惨な…。
これがお前のやり方だというならば、私とお前は相容れない。

…私は声無き声、音無き嘆きを聞き届ける者。
…必ず。必ず、貴方達の眠りを妨げ苦しめた者に報いを与えてあげる…。

魔力を溜めた左眼を維持して【断末魔の瞳】を発動
(目立たない・存在感・第六感・見切り・残像・暗視)

怨念の精神干渉(誘惑)を気合いと呪詛耐性で耐え、
敵の攻撃は全身に纏う呪詛のオーラで防御し、
魂(生命力)を吸収する闇属性攻撃のカウンターで動きを封じ、
心の中で祈りを捧げ大鎌をなぎ払い仕留めて回る。

…もう嘆き苦しむ事は無い。眠りなさい、安らかに…。

…お前を討ち果たし、全てを終わらせる。
お前と同じ吸血鬼狩りの名にかけて。



 貪り、喰らう者の群れ――。
 復讐の炎に巻き込まれた者たちのなれの果て。
 墓場の周囲に満ち溢れ、動くものに反応して食い尽くそうとする。
 ジョーウェルが揃えようとした“復讐兵団”は、その暗く燃える胸中の炎の勢いに比例して膨れ上がっていた。
 過剰ともいえるその規模は、彼が戦争を仕掛けるつもりだったことを物語る。

「命を弄ぶ者を狩る者が、死者を弄ぶ者に成り果てたか。外道が……」

 貪る者どものうめき声が周囲を埋め尽くす。
 死者に近しい出自を持つ仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)にとって、ジョーウェルの為したことは到底許せることではない。
 とはいえ、まずは目覚めてしまった死者たちを眠りつかせなくてはならない。

「哀れな事をするものだな……」

 アシェラ・ヘリオースも貪る者どもの群れを前に、復讐者への憤りを口にした。
 物静かな中に込められた怒りは大きい。
 これは最後の一欠けらの誇りまで、復讐の薪にくべた者の所業だ――。
 復讐の炎は、一度燃え上がれば多くを犠牲とする。
 おのれの身も心も、そして矜持さえも。
 黒のサーベルを抜き、戦場となる墓場の状況を把握する。
 他の猟兵たちとの共闘を選択した仇死原・アンナとともに、交戦のタイミングをうかがう。
 巨大な鉄塊剣を振り回すアンナは、まずこの場に満ちる強烈な呪詛へと備える。

「どうか、皆さん……」

 宇冠・龍のユーベルコード【談天雕竜(ダンテンチョウリュウ)】が発動される。
 龍は墓場の地面に手を添え、念じるように呼びかけた。

 無理に起きてくださいとは言いません
 どうか、皆さんの同胞を
 再び眠らせることに賛同される方は
 私に力をお貸しください

 静かなる死霊術の祈り。
 この地に満ちる呪詛を、破魔の力に変えるというものである。
 百体に及ぶ悪霊たちが、自分たちの苦しみに語りかけ、その怨念を受け止めようという死霊術師に応じた。
 無数の悪霊たちが、彼女に剣と盾を手渡す。
 愛を知り失ったがゆえに、龍は死者たちの悲しみを知る。
 だが、飢餓に狂った貪る者たちの群れは、その優しさすらも食い尽くそうとする。

「地獄の炎よ! 死者の魂に安息と救済を…!」

 その群れに対して、鉄塊剣を信じられぬ怪力で振り回し、薙ぎ払った。
 錆びた大包丁を振り上げて斬りかかる貪る者たちの腕が、何本か切り落とされた。
 その切り落とされた腕すら、食らおうとする貪欲さが彼らの恐るべき特徴だ。
 しかし、龍がそうはさせじと確実に切り倒した。
 自身の肉体が、彼らの食欲をそそることも計算済みだ。
 前進突破をアンナに任せたアシェラは、黒刃を巨大な風車手裏剣に変える。
 この武器にフォースをまとわせて勢いよく回転させると、群れに向かって放った。
 風車手裏剣は、まるで草刈り機のように群れを蹴散らしていく。
 十分に撹拌された敵陣に、黒鎖を編んで一所に集める。
 装飾されたフリントロックの儀礼銃で、弔いの火弾を撃ち込む。

「送りの火だ。還るべき所に還るがいい」

 【貴人殺し(オナー・オブ・デス)】の葬送。
 青白い聖火は、屍者をあるべき灰へと変えたのだ。

「静かにお眠りなさい。貴方たちの業は、私が断ち切ります」

 夜神・静流は、屍兵たちに向けて呟く。
 魔に堕ちた外道を、断じて許す訳にはいかない。
 復讐のために死者を利用していいという道理はない。
 飢えにたけった声を上げて襲いかかってくる亡者たちに、確かな眠りを約束すると、ユーベルコード【七ノ太刀・暁(ナナノタチ・アカツキ)】を放った。

「お任せ下さい。この手の敵の相手は最も得意とするところです」

 抜刀すると浄化の光を宿した刃が光を放つ。
 呪詛の染み渡った穢土をまずは清め、自身の戦いを有利に進めようというのである。
 その浄化の結界に踏み込んできた死者たちは、まずは足下から崩れていく。

「彼らの魂に平穏があらん事を。そして、死者を冒涜する者には死を」

 肉付きのよい静流を貪ろうと、欲望を露わに押し寄せる死者どもの動きを見切り、残像を引いてかわしていく。

「……必ず。必ず、貴方たちの眠りを妨げ苦しめた者に報いを与えてあげる……」

 そのとき――。
 リーヴァルディ・カーライルの紫の瞳が輝きを放った。ユーベルコード【代行者の羈束・断末魔の瞳(レムナント・ゴーストイグニッション)】が発動したのだ。
 すでに無数の屍者をその瞳の聖痕に吸収していたリーヴァは、その力を存分に自分の力を自分の力に変えることができる。
 オーラを纏い、大鎌を構えたかと思うと、超高速で貪る者どもを刈り取っていく。
 もう誰も、そのスピードを目で追うことはできない。
 右と思えば左、左と思えば右。そして残像がさらに困惑させる。
 そんな中でも、リーヴァは祈りを忘れない。

「……もう嘆き苦しむ事は無い。眠りなさい、安らかに……」

 声無き声、音無き嘆きを聞き届ける者――。
 リーヴァルディ・カーライルとは、そういう吸血鬼狩人なのだ。

「ダメだよ、こんなことしちゃ。貴方が一番分かってるだろうに」

 鈴木・志乃(ライトニング・f12101)は、この兵団を差し向けてきた復讐者ジョーウェルに対して呟いた。
 おそらくは、ジョーウェル自身も止められないのだろう。
 復讐の炎は、引き返す道すらも焼き払うものなのだ。

「今に眠りに返してあげる」

 志乃は言うと、その身に呪詛への耐性を持つオーラを纏った。
 ここは呪い渦巻く墓場、対策を為さねば怨念に引きずり込まれる恐れもあった。
 しかし、この呪詛を今こそ祈りに変える――。
 ユーベルコード【全てを希望へ(チェンジ)】が発動する。
 志乃が歌う破魔の絶唱が、墓場に響き渡る。
 食欲のみがその身に残された唯一の感情と思われていた貪る者たちに、歌の喜びを与えたのだ。

「お、おおおお……」

 満たされない飢えが、歌によって正の感情に満ちていく。
 戦慄の夜は更けた。猟兵たちの戦いによって静謐が取り戻された。

「ジョーウェルめ……。次に狩られるのは貴様のほうだ……覚悟しろ……!」

 鉄塊剣を置くと、アンナは元凶であるジョーウェルに怒りの声を上げるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『狂気に飲まれた復讐者』

POW   :    闇夜に濡れ血を断つ
技能名「【不意打ち、早業、暗視、暗殺、二回攻撃】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD   :    狩場
【罠】が命中した対象に対し、高威力高命中の【弾丸】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    飛来する銀の雨
【歴戦の感覚】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【無数の銃弾と跳弾】で攻撃する。
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「復讐兵団、ここに壊滅か。やはり役に立たぬな」

 宵闇の月光に、黒衣の姿を晒した復讐者ジョーウェル。
 どこか楽しんでいるかのようでもある。
 所詮は、意思なき屍に過ぎない。吸血鬼の領土を蹂躙するための手駒だ。
 しかし、現れた者たちの強さは目を見張るものがある。
 彼らを中心に兵団とすればよい。

 ――その血を啜り、操ればいい。

 だがそれは、彼が復讐の対象としたヴァンパイアの発想である。
 もはやそのことに気がつかぬほど、情念の炎は燃え盛っていたのであった。 
宇冠・龍
誰しも感情に呑まれることはあるでしょう。それが悪とも思いません。しかし、その身を焦がす程のものを他人に向けた時、傷付く方がいることを忘れることだけはいけないのですよ

銀の弾丸、聞いたことがあります。死霊を操る私との相性は最悪でしょう

復讐により先鋭化された思考と感覚、甘くはみません
墓石に身を隠し機を伺います。恐らく先に見つかってしまうでしょうが構いません、墓地をこれ以上荒らしたくもないので

駆けながら【雲竜風虎】で衝撃波を放ち、弾道を逸らしたり牽制して誘き寄せます
場所は最初に屠竜之技で破魔の力を流し込んだ地点

その地に満ちた悪しきを払う力。狂気や感覚を鈍らせ隙を作り、全力の衝撃波を叩きこみます


リーヴァルディ・カーライル
…ん。もはや口舌は不要。
今までお前の復讐に利用された死者達の想い。
この刃を以て、思い知らせてあげる…。

敵を挟撃するよう立ち回り【吸血鬼狩りの業】を発動
第六感や聞き耳が捉えた気合いや気配の存在感を、
魔力を溜めた両眼に殺気を追跡する残像の軌跡として暗視

目立たない敵の罠の配置や銃撃を先読みして見切り、
攻撃を武器で受け流してカウンターを試みる

…吸血鬼狩りの業をみせてあげる。
カーライルの吸血鬼狩りを…。

取り込んだ魂に祈りを捧げ【血の葬刃】を発動
吸血鬼化した怪力の踏み込みから生命力を吸収する大鎌をなぎ払い、
死者達の呪詛を爆発させ傷口を抉る2回攻撃で仕留める

…この一撃を手向けとする。眠りなさい、安らかに…。



 死と暗い炎が黒衣をまとっているようであった。

「おかげで復讐兵団は壊滅だ。さして惜しいとは思わんが、私を妨げるなら吸血鬼の側にいると判断する。狩られるがいい」

 狂気の理論であった。
 復讐者ジョーウェルの歯車は噛み合ってはいない。
 そのことが十分に理解できた、
 ただ、邪魔をしようとする者たちを駆逐しようと、フリントロック拳銃に込めた銀の弾丸を放つ。

「誰しも感情に呑まれることはあるでしょう。それが悪とも思いません。しかし、その身を焦がす程のものを他人に向けた時、傷付く方がいることを忘れることだけはいけないのですよ」

 かわしながら、宇冠・龍は言う。
 超えてはならない一線がある、それを超えた狩人は止めねばならない。
 墓石に身を隠し、機会を伺いながら接近を試みる、
 銀の弾丸が、盾にした墓石に弾け、甲高い音が立つ。

「隠れんぼか、いいだろう、いつまで続くか試してやる」

 すばやく弾丸を込めるジョーウェル。
 死霊に効果を持つ銀の弾丸は、龍にとって相性の悪い武器だ。
 一方のジョーウェルも、もうひとつの気配に視線を向ける。
 そう、同類の殺気を感じていたのだ。

「ほう、同類か。貴様も講釈を垂れるつもりか?」
「……ん。もはや口舌は不要」

 すでに、リーヴァルディ・カーライルはこの復讐者に向ける言葉は持っていない。
 おのれの目的のために、死者の魂を冒涜した罪を下すのみである。
 だが、白皙の肌に浮く復讐者の唇が、不気味に歪む。
 リーヴァの足者から、ぬっと死者の手が伸びる。
 ジョーウェルが配置していた、伏兵が残っていたのだ。
 しかし、吸血鬼狩りの業を背負う彼女には、吸血鬼の悪意を敏感に感じ取っていた。

「……吸血鬼狩りの業をみせてあげる。カーライルの吸血鬼狩りを……」
「いいだろう、どんな報いをくれるのだ」

 罠を躱すと同時に、ジョーウェルも大地を蹴った。
 ジョーウェルの十字剣とリーヴァの大鎌が交差し、火花を散らす。
 少女の身とは信じられぬ怪力で、振り回された大鎌“過去を刻むもの”が、ジョーウェルの左腕を刈り取った。
 その大鎌の呪詛ゆえに、赤黒い血が盛大に流れる。
 この隙は宇冠・龍にとって、絶好の機会だった。
 すでに警戒すべき弾丸はない、一気に駆けた。
 拳に込めて叩き込む、ユーベル【雲竜風虎(ウンリョウフウコ)】を。

「ぐっ……」

 発生した衝撃波は、十字剣で受けきることはできなかった。
 よろめいて、ジョーウェルは後ずさる。

「おのれ……」

 憎々しげに呟きながら、革袋に詰めた人血を啜る。
 これで受けたダメージの回復を図るのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鈴木・志乃
ダメだよ
貴方はその手を止めなくちゃ
貴方が吸血鬼になる前に
骸の海へ帰らなきゃ【祈り】

貴方も含めて大切な命なんだよ?

即UC発動
私光ってるから不意打ち暗視暗殺は意味ないねえ
むしろその良すぎる暗視で逆に目を潰そうか
ぴかぴか、きらきら

【歌唱】に【催眠術】を乗せて【衝撃波】で体内も精神も響かせよう
【なぎ払おう】
【催眠術】は……そうだね『平衡感覚を弱める』ぐらいにしておこうか
貴方には効きづらそうだし
それだけでも十分御の字です

敵攻撃を【第六感】で【見切り】
【念動力】と【オーラ防御】で作った簡易的な障害物の盾、カーテンで抵抗
可能なら鎖で【早業武器受け】しそのまま【カウンター】跳弾狙うわ



「ダメだよ……。貴方はその手を止めなくちゃ。貴方が吸血鬼になる前に骸の海へ帰らなきゃ」

 鈴木・志乃の祈りの言葉だ。

「黙れ、もはやこの身は怒りと憎しみに捧げたのだ!」

 口元を血に染めながら、ジョーウェルは叫んだ。
 身を焼く炎は、怒りと憎しみ。

「貴方も含めて大切な命なんだよ?」

 志乃は言う。
 復讐に焼かれ、みずからの命を捧げても良いのかと。
 誰がそれを望むのか、と。

「むお――!?」

 宵闇を突然引き裂くようなまばゆい閃光。
 志乃のユーベルコード【閃光(ライトニング)】だ。
 目も眩む光の渦の中、祈りの歌を聴く。
 ジョーウェルは強烈な目眩を覚え、剣を振るうどころではなかった。
 吸血種の特徴として、ジョーウェルも夜目が効く。
 それが返って網膜に光を焼き付けることになる。

「……では、誰が最愛の者を奪った吸血鬼に報いをくれるというのだ? 婚礼の日に花嫁を奪った、あの化け物に――!」

 幻惑の中、重なるのはいつかの記憶――。
 復讐の炎の源泉を露わにして叫んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜神・静流
「悪しき魔の者は全て討ち滅ぼす。貴方も魔に堕ちた以上、ここで死んでいただきます」

手下を作り、罠を仕掛け、銃で遠くから狙い撃つ……なかなか狡猾で用心深い相手と思われる為、敵の動きに警戒。
見切り・視力・暗視・聞き耳・第六感・戦闘知識を使って敵が攻撃するタイミングを察知し、カウンターを狙います。
早業・カウンター・属性攻撃・破魔技能を用いて三ノ秘剣・千鳥で攻撃。
相手が動かない場合はカウンターの代わりに先制攻撃を使用。

「貴方も安心してお眠りなさい。全ての魔は、私が滅します」
仇の吸血鬼とやらも、見つけ次第貴方と同じ所に送りますので、その後はどうぞご自由に。


仇死原・アンナ
ジョーウェル…何も言うまい…
ただ貴様を屠るだけだ…

妖刀を抜き[早業、2回攻撃、鎧無視攻撃]で敵を攻撃

敵からの攻撃は[見切り、武器受け、激痛耐性]で防御回避

「ジョーウェル…闇に帰るがいい…!」
[力溜め]をして[串刺し、傷口をえぐる、残像]と共に【剣樹地獄の刑】を放ち、敵を八つ裂きにしてやろう

戦闘後は、死者たちの魂が安らかに眠れるように[祈り]を捧げよう…

アドリブ絡みOK


アシェラ・ヘリオース
【連携改変歓迎】

「貴様がまずなすべき事は、己の心臓を抉り出す事だ」
練り上げられた技、鍛え抜かれた体は賞賛に値する。
それだけに歪みきった心が惜しい。

黒のサーベルを大型風車手裏剣に変化させ、フォースを通して回転鋸【鎧砕き、傷口をえぐる】とし投擲する。
山なりの軌道から孤を描く急降下で、そして避けられても戻りの一撃での直撃を狙う。【念動力、衝撃波、誘導弾、二回攻撃】

本命はフォースソードだ。相手から見え難い脇構えに展開した赤光の剣。
機を見据え、一息に巨大化させた赤光の刃で逆袈裟を狙う。【戦闘知識、情報収集】

「貴様にはもう届くまいがせめて祈ろう……何時か、見失った誇りを取り戻す出会いがあらん事を」



 幽鬼のような佇まいの中にも、幾ばくかの人間らしさを備えていた復讐者ジョーウェルであったが、修羅の形相へと変わる。
 おのれの怒りと憎しみのみがこの世で唯一正しい――。
 そう信じたがゆえの歪んだ精神が、容貌をこのように変異させた。

「うぬらも、あやつらと同じだ……! 殺してやる、殺して殺して殺してやるぅぅぅぅっ!!」

 猛り、獣のような吠え声を響かせる。

「……悪しき魔の者はすべて討ち滅ぼす。貴方も魔に堕ちた以上、ここで死んでいただきます」

 夜神・静流は【三ノ秘剣・千鳥(サンノヒケン・チドリ)】の型に構える。
 猛り狂っているが、罠も仕掛ける狡知も持ち合わせる相手ゆえに動体視力と第六感までの感覚のすべてを研ぎ澄ます。狙うは、魔を断つ一刀のカウンターだ。

「貴様がまずなすべき事は、己の心臓を抉り出す事だ」

 化け物に変じた復讐者に、アシェラ・ヘリオースは言い放った。
 しかし、その練り上げられた技と鍛え抜かれた身体は称賛に値するもの。
 それだけに歪みきった心を惜しむ。

「ジョーウェル……。何も言うまい……。ただ、貴様を屠るだけだ……」

 仇死原・アンナには、もう語る言葉はなかった。
 刃にて決着をつけたのち、捧げる言葉を贈るのみだ。

「ならば、我が憎しみの血破を受けるがいい!」

 ジョーウェルの流れた血が、弾丸のように爆ぜた。
 墓場をおのれの狩場とし、灼熱の怒りに沸かせて撃ち出す。
 そういう血の報復の技だ。
 納刀したまま、予感していた静流はこれを躱す。
 散弾銃の弾丸のような飛沫を、アンナは妖刀を抜いて斬り払った。すべてをしのぐことはできないが、その程度の苦痛は元ともしない。
 アシェラも、黒のサーベルを大型風車手裏剣に変え、これに合わせて放る。軌跡は弧を描き、復讐者目がけて襲来する。フォースによって操られた殺人風車が、急降下から軌道を変えてまた襲いかかる。

「おのれ、こんなものなど!」

 巧みな攻撃が手傷を負わせるも、異様な回復力を見せつける。
 それはアシェラも承知の上であった。脇構えに取った彼女の本命は、別にある。

「貴方も安心してお眠りなさい。すべての魔は、私が滅します」

 静流が間合いを詰める。刀が鞘走り、銀光が一閃する。

「ジョーウェル……闇に帰るがいい……!」

 ユーベルコード【剣樹地獄の刑(ケンジュジゴクノケイ)】、復讐を上回る恨み屠殺位の一刀。

「ぐがああああああっ!!」

 声にならない咆吼を上げ、なおも暴れまわる。
 しかし、アシェラの脇構えから【黒王刃(ダークセイバー)】が見舞われる。
 赤光の剣がフォースによって巨大化し、下段から上段へと逆袈裟に斬り上げる。
 壮絶な断末魔が上がり、どさりと倒れる。黄昏の復讐者の最期であった。

「貴様にはもう届くまいがせめて祈ろう……。何時か、見失った誇りを取り戻す出会いがあらん事を」

 アシェラは、倒した敵にこそ祈った。
 アンナもまた、死者たちの魂の安らかなるを願って祈りを捧げる。
 静流は、胸中で復讐の道にいざなった吸血鬼を同じところに送ると約束した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年06月19日


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#ダークセイヴァー


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィーナ・ステラガーデンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト