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帝国駆逐艦バンゲン・ゼクスを討て!

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●プロローグ
 時は未来、所は宇宙!
 人々が全ての全ての居住可能惑星を失ったスペースシップワールドにおいて宇宙船とは人々の暮らす最後の生息域なのである。
 そして今、大宇宙を航行する巨大宇宙船ピースフォレスト号に復活した帝国軍の魔の手が迫っていた。


「はいはーい、猟兵の皆さーん!スペースシップワールドで事件なのでーす。」
 エルフのグリモア猟兵、村雨ベル(f03157)が眼鏡の位置をクイっと直しながら集まった猟兵達に頭を下げにっこりと笑う。
 一呼吸置き全員が説明を聞ける準備が出来たと確認すると、ゆっくりと手元の端末を操作しディスプレイに映像を投影させた。
「巨大ショッピングモールなどを内包した宇宙船ピースフォレスト号という船があるのですよ。今の季節だとクリスマスから年越しを楽しむ空気でどのお店も盛況というとても平和な船なのですが……」
「このまま何もせずいると帝国軍の駆逐艦が襲来しピースフォレスト号は難無く占領下に陥れられてしまいます。物資は略奪、捕まった人々も帝国軍の兵士に改造されてしまうなどとても正視出来るものではありません。」
 近年、滅びた筈の銀河帝国が復活し各地の生産能力の高い宇宙船などを中心に制圧され、人的物的被害が膨大な数字に跳ね上がっていると言われている。
 何としてでも阻止せねばならない。

「敵駆逐艦バンゲン・ゼクスは帝国軍の艦船の中では旧型の部類に入るようでカーゴスペースなどがさほど大きくなく艦載機などは搭載されていないようです。」
 投影する映像を切り替え、流線型のシルエットを持つ帝国軍駆逐艦らしき艦影を映し出した。おそらくは速度重視で設計されたのか大型機動兵器などを搭載するのは無理であろうということが一目で理解できる。
「今回皆さんには敵艦内へ直接テレポートして乗り込んでもらいます!」
 ピッと帝国駆逐艦のカーゴルームらしき一角にレーザーポインターを当てここですよーとばかりに円を描くように赤い光点を移動させまくる。
「帝国軍は制圧を目的にしているため対人戦闘に特化した戦力を多数搭載しているはずです。恐らくは数十はいると思われますので注意してくださいね。」
 画像をさらに切り替え人型兵器バトルドロイドを映し出すと指折り数えてみる。
「狭い艦内に奇襲を仕掛ける事でその全てを一気に相手どる必要を無くし、こちらが少数でも互角以上の戦いを挑める事が可能なはずですが……」
 コホンとわざとらしくポーズを取ると先ほどまでよりも真面目な表情で話を続ける。
「テレポート後に即戦闘が開始されると思います、準備を怠らずよろしくしますね。」
 そこではっと口元に手を当て思い出したように、
「あーっと言い忘れる所でした、無事に任務が終わればピースフォレスト号のショッピングモールで買い物や休暇を楽しめますから皆さん絶対に無事に帰ってきてくださいねー!」
 そう言ってエルフのグリモア猟兵は皆を笑顔で送り出すのだった。


轟天

 初めての方は初めまして。
 以前の依頼に参加してくださった方はこんにちはです。

 今回の依頼は1章、2章は敵戦内部での戦闘がメインとなります。
 狭い艦内で多数の敵をいかに倒すかなど対策できるといいかもしれないですね。

 無事倒すことが出来れば3章では買い物など楽しむ事が出来ると思います。
 途中参加とか気にせず気楽に楽しんでもらえればと思います。
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第1章 集団戦 『バトルドロイド』

POW   :    バトルスイッチオン
【超戦闘モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    精密射撃
【狙撃用プログラム】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【熱線銃(ブラスター)】で攻撃する。
WIZ   :    シュートダウン
対象のユーベルコードに対し【正確にタイミングを合わせた射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

西院鬼・織久
【SPD】
【心情】
如何なる敵でも殺せば我等が糧になります
血肉を備えた敵なら尚良いのですが
まあ、選り好みは良くありませんね
どのような場所でも我等は敵を殺せればそれで良いのです

【行動】
ユーベルコード:咎力封じ
技能:なぎ払い、吸血、生命力吸収
艦内の見取り図など事前に得られる情報があればできるだけ入手
身を隠せる場所や遮蔽物になりそうな場所の目星をつける

上記の場所が見付からなければ器具の影や角を利用して様子見
敵の密集具合を確認し、他と距離が空いている敵を狙う
「咎力封じ」が成功した敵を技能を使って集中攻撃



帝国駆逐艦バンゲン・ゼクスは旧式艦とはいえ一級の索敵能力を持つ軍艦である。
何の対策もせず近づこうものなら即座に察知され、対空兵装の餌食になってしまっていただろう。
 だがそんな索敵能力もテレポートによって現れる猟兵達が相手では全くの無力といって差し支え無いのである。
「フムン」
 西院鬼・織久(ダンピールの黒騎士・f10350)は自分が今いる現在地を頭の中に叩き込んだ図面で確認しようと怪しく光る赤い瞳で周囲を見渡す。
 グリモアベースで何度も確認した艦内経路図は同系列の艦艇の物なので、ほぼ同じ構造のバンゲン・ゼクスでも変わりないはずだと眼鏡のグリモア猟兵が言っていた。
「ならばこちらの方向か」
 おおよその向うべき方向に目星をつけカーゴスペースから出ようと扉のほうへと軽く跳躍する。
 人工重力がほぼ働いていない為たったそれだけで世界新記録も真っ青な距離を跳び扉に接近した所で、織久は壁に複数の人影が設置されている事に気付き臨戦態勢を整えた。
「帝国のバトルドロイドですか……」
 バトルドロイド、それは帝国軍が拉致した人々を改造し戦闘する以外の全てを奪って造られた人型戦闘マシーン、大量生産されたそれらは帝国軍の貴重な戦力源の一つになるのだ。
 そんなバトルドロイドに殺意を容赦なくぶつけながら織久は壁を蹴り無理やりに進行方向を変え、懐からいくつもの拘束具を解き放ったのだ。
 そのユーベルコード『咎力封じ』は恐るべき威力を発揮し数体のバトルドロイドをに襲いかかり次々のその手中に収めていく。
 壁面で待機状態だったバトルドロイド達は手枷、猿轡、拘束ロープなどにより身動き一つ取れない状態に追い込まれ、今や熱線銃(ブラスター)を撃つ事すら適わぬ哀れな虜囚に過ぎなかった。
「如何なる敵でも殺せば我等が糧になります。血肉を備えた敵なら尚良いのですが
まあ、選り好みは良くありませんね」
 無表情のまま身動き取れぬドロイド達に闇焔(という名の大鎌)を突き立てると次々と生体エネルギーが吸い出されドロイド達は急速に発色を無くしそして機能停止に追い込まれていったのだ。
「どのような場所でも我等は敵を殺せればそれで良いのです」
 眼光鋭くしかし冷静に闇焔(大鎌)を振りかぶた所で、抑えきれない狂気を爆発させるかのように闇焔を横薙ぎに一閃。

 次の瞬間拘束されていたドロイド達の首が全て宙を舞っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ピードル・ニュービー
クリスマスのシーズンを楽しみにしている人々をも巻こむなんて救い難い連中ですね。
【誘導弾】と【おびき寄せ】で通路の狭い場所まで誘導、【戦闘知識】で敵が密集しそうな所を予想しユーベルコードを攻撃しますね。その後は敵の反撃に備えつつ【2回攻撃】と【範囲攻撃】で迎撃します。
さてそんなにパーティーを始めたいならボクが歓迎してあげるよ盛大にね。


エドゥアルト・ルーデル
ヒュー!本物のロボット兵!
骨組みだけの骨格といい某SF映画みてぇでござるね

■UC
エレクトロレギオン

■戦闘
扉や物陰を遮蔽物として利用しながら【機械兵器】を最大限召喚
味方のWIZ攻撃前に合わせて機械兵器を重力に任せて散開突撃させ、味方の攻撃を隠すように数による目眩ましを仕掛けますぞ!
また【正確にタイミングを合わせた射撃】では相殺しきれないように飽和攻撃を行う事で味方の攻撃を相殺されないようにするでござるよ

■心情
光線銃いいですなぁ、ロマンが有って
ぜってぇ後で2,3個スカベンジしますぞ


松苗・知子
先行したメンバーが派手にやってるみたいね?
そいじゃあ、あたしも便乗させてもらおうかしら。
年末年始バーゲンのために、ゆくわよ!

準備:
敵の艦内図はしっかり覚えこんでおくのよ。特に、どこで戦った時どこが退路になるか、を重点的に見ておくわ。

戦闘:
フォックスファイアでドロイドも艦内も燃やしていくのよ。
出会い頭に、狐火を全部纏めにした火球を敵陣に放り込む
その後はドロイドにこちらのパターンを読まれないよう、狐火を3つずつ、5つずつ等毎回違う個数を纏めて投射するわ。
投射先は敵前列を中心に、4分の1くらいの割合で敵中列くらいに投げて敵の攪乱を試みるのよ。
「これだけ余計な熱源があれば、見づらいんじゃないかしら?」



帝国駆逐艦バンゲン・ゼクス艦内に侵入者を知らせる警報が鳴り響く。
それに呼応するように待機状態だったバトルドロイドが活動を始め艦内のあちらこちらで赤いライトが点灯し動き始めた。
「ヒュー!本物のロボット兵!骨組みだけの骨格といい某SF映画みてぇでござるね」
 眼光鋭く髭を擦りながらおっさん……もとい戦場を駆ける傭兵であるエドゥアルト・ルーデル(ローンワンダラー・f10354)が動き出したバトルドロイドを観察しながらそう軽口を叩き口笛を鳴らす。
 おそらくは周りにいる自分より年少の二人を気遣う歴戦の傭兵の気配りなのかもしれない。(おそらく違う気がするのはきっと気のせいだ!)
 抜け目無く手持ちのアサルトウェポンのエネルギー残量や残弾を再チェックし物影へと身を隠すとハンドサインで残り二人に目標を確認するようにと促した。
「あまりいい調律が成されていないですね」
 ピードル・ニュービー(音楽好きな機械傭兵・f01112)は大きなウサギ耳型の二本角を揺らしバトルドロイド達の駆動音を採点するとルーデルにやれやれといった仕草で返す。
 獣人型ウォーマシンであるピードルは人としては大柄な部類であるルーデルよりも20cm近く背が高いのだが、その礼儀正しい態度も含め知らない者が見ればきっと驚いてしまうかもしれない。
「クリスマスシーズンを楽しみにしている人々をも巻き込むなんて救い難い連中ですね」そう憤慨する姿はピードルを知る者から見れば当たり前の光景かもしれない。
 ピードルは自ら囮となる旨伝えると誘導弾を用意しながら即座に行動を開始した。
程なくして周辺ブロックを巡回していたバトルドロイド達がピードルを追いかけ狭い通路に殺到することとなった。
 狙い通り狭い通路では戦闘のドロイドからの熱線銃(ブラスター)からしか攻撃がなく、そこへ通路の壁や天井の隙間から襲い掛かる小型機械兵達がドロイド達にさらに追い討ちをかけた。
 これはルーデルのエレクトロレギオンで呼び出した物なのだが如何せんドロイド達の数は多数であり小型機械兵達も徐々に数が減らされていく。
 これでは埒が明かないそう二人が思い始める直前、突如ドロイドの群れに複数の狐火が撃ち込まれその機械の身体を紅蓮色に染めた。
「先行したメンバーが派手にやってるみたいね?」
 狐火を放った主が颯爽とポーズを決め狐耳をピーンと立たせた松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)の姿がそこにはあった。
 ルーデルとピードルの二人と目を合わすと、ふふーんと声を張り上げた。
「そいじゃあ、あたしも便乗させてもらおうかしら。年末年始バーゲンのために、ゆくわよ!」
 複数の狐火を己の周囲で回転させ目標を定めると今度はドロイドの前衛へと撃ちこみ追い討ちをかけた。
 さらに次は中後衛へと撃ち込む数を変え動きを読まれないよう細心の注意を払う。
 そこに負けじとピードルが複数のスピーカーの機能を最大限開放した。
『各シーケンスオールクリア、ショックブラスト発射』機械音声がどこからか聞こえてくる。
「そんなにパーティーを始めたいならボクが歓迎してあげるよ盛大にね!」
 ピードルがそう言い放つと共にスピーカーから放たれた衝撃波はドロイド達のボディををメキメキと破壊していき、さらに次々と数と狙う場所をずらし襲い掛かる狐火の前に一体そしてまた一体とドロイド達が数を減らしていく。
 この二人の攻撃を前にしてどうにか生き残っていたドロイドの熱線銃(ブラスター)もルーデルの連続射撃を相手取るうち徐々に数を減らしていきそしてこの通路に誘い込んだバトルドロイドはその全てが機能停止し沈黙するのだった。

「これだけ余計な熱源があれば、見づらかったんじゃないかしら?」
 知子がまだ燃え広がり燻っていた炎をまるで鎮めるがように消し去りながら少し胸を張り(とてもスレンダーだが)ふふりと微笑んだ。
 熱学センサーが大量の炎で狂わされ照準が甘くなっていたかもしれないのだがどちらにしろそれを知るバトルドロイドはすでに目の前で消し炭と化していた。
 そのスクラップと化したドロイド達を一体一体トドメを刺せているか確認して回るルーデルは知子と対照的に熟練の傭兵らしいプロフェッショナルぶりである。
 だが大きなウサギ耳型による聞き耳でルーデルの呟きを聞いてしまっていたピードルはそれを口にするべきか迷っていた。
 曰く
『光線銃いいですなぁ、ロマンが有って ぜってぇ後で2,3個スカベンジしますぞ』
(よし! 聞かなかった事にしよう)
 熟練の傭兵の外見と内面の差には触れないであげようと空気を読み好きな曲を聞き始めるピードルであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ミミ・フリージア
宇宙船が襲われるじゃと
占領された後の事は聞いておるのじゃが戦いを望まぬ人々が犠牲になるのは阻止せねばならんのぅ

戦闘では狭い艦内を利用して囲まれたり不意打ちされぬよう動くのじゃ
他の猟兵とも連携をして敵をおびき寄せつつ各個撃破できればいいじゃろう
通路を利用していけば狙撃のリスクも避けられるかのぅ
ユーベルコードを確認されたら相殺されかねぬしその辺は意識して他の者とも連携して素早く倒さねばのぅ
敵の数が多いようじゃし味方が消耗していったら回復を行うのじゃ


ランゼ・アルヴィン
敵の懐に飛び込んで戦えるのは助かるねぇ、ここなら周りの被害も気にしねえで済むしよ

チョイと壊しすぎても文句は言われねえだろ

俺は黒剣を構えてドロイドの群れに突っ込むぜ
攻撃は羅刹旋風で、一撃で一体倒すのが目標だが……ま、これは状況次第だな

多少の攻撃は受けても必要経費だ。俺が暴れて注意を引けば、他の猟兵も攻撃しやすくなるだろうよ

ああ、恫喝の技能で注意を引けるかもな

「オラオラオラァ!そんな攻撃で俺様が倒せるかよ!」
「一つ!二つ!この程度か!」


魑魅魍魎魂魄塊魔鬼・壱弐参肆伍陸漆捌玖
【殺気】は全開と出さないを切り替え【地形の利用】をして狭い道に【誘惑・おびき寄せ】戦力を削るデス

略奪し未来を奪おうとするのなら自分が奪われる側になっても文句は言わせないのデス

刀と剣の呪いを解き放ち武装


【生命力吸収・吸血】で回復しつつ戦えばかなりの長く戦えるデス

「いちいち呪いを開放したり封印したりするのは面倒デス」
頭の中の別人格がうるさいから我慢するしかないデス

誘いこむことが出来ず相手が逃げに徹した場合には
殺気全開、呪い開放全開で攻撃を行い乗り物の足を破壊し
【時間稼ぎ】ができるように立ち回り物資や人を運べないように
して敵を倒すデス

頭部のパーツか何かを無傷で回収すれば何か有効な情報元になるかもデス


テラ・ウィンディア
POW
この星空の世界はもう少し夢みたいなものだと思ったけど
こうしてみると何だか怖いな

帝国の駆逐艦の一般的な構造と敵兵が沢山配備されやすい空間について可能な限り把握しておくぞ

後は他の猟兵が戦ってる場所の邪魔をせず手分けする形のルートを確認

その上で…突撃だー!

属性攻撃で剣と槍に炎を宿し
少数の場合は不意打ち或いは見的必殺の勢いで接近して槍で串刺しに
剣にて焼き払い

敵が集中したり狭い場所の場合は
グラビティブラストで範囲攻撃で一気に殲滅

冷徹に陣形と動きを見て見切りで回避する

悲しいな
唯殺し殺されるだけの為に生きる
それは本来の在り方を否定している
自然の理からも外れているぞ
だから…せめてその悪夢から解放してやる




  帝国駆逐艦バンゲン・ゼクス艦内の戦闘は未だ続いていた。
開けた場所で会すれば苦戦するでろう大量のバトルドロイド兵も狭い艦内で誘い込み、各個撃破に専念している猟兵達の前に確実に数を減らしていた。
 他の通路で爆音が鳴り響き微かな振動までもが伝わるのを感じながら、魑魅魍魎魂魄塊魔鬼・壱弐参肆伍陸漆捌玖(境界ヲ曖昧二シ世界ヲ浸食スル欠落ヲ揃エシ時神ヘ至ル・f02902)はドロイドに突き刺した剣を引き抜いた。
「いちいち呪いを開放したり封印したりするのは面倒デス」
 いっそ開放したままのほうが楽でいいとも思ったが頭の中の別人格から受けるであろう説教に心底嫌気がさしており仕方が無いとばかりに我慢をしたようだ。
 その横で豪快に黒剣を振るうランゼ・アルヴィン(乱世に轟く・f06228)には無縁の悩みかもしれない。
「ふはははははっ! 一つ!二つ!この程度か!」
 ランゼが剣を一閃するごとに切り裂かれ壁に叩き付けれる。超戦闘モードの破壊力を持って突進して襲い来るドロイドをこちらも力任せに捻じ伏せているのだ。
 二人共狭い通路に誘い出すことで多数対一の戦いを有利に演出していたのだがそれでも見落としはある。
 二人の死角から接近し襲い掛かろうとするドロイドが銃の引き金に指をかけた瞬間、顔面に紅龍槍『廣利王』が突き刺さりその機能を永遠に失わせた。
「おれがいなけりゃお前ら死んでたぞ?」
 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は槍を引き抜きクルリと回転させると小柄な肩に担ぎニッと笑ってみせる。
 他の二人よりかなり小柄なエルフの少女だが臆する事無く自信満々である。
(この星空の世界はもう少し夢みたいなものだと思ったけどこうしてみると何だか怖いな)
 目の前に広がるドロイド達の残骸を見ながらふとそんな事を思ってしまう、少し感傷的になってるかなと自分でも思わないでもない。
「それを言うなら、わらわがいなければ皆とっくに倒れているじゃろうが。皆わらわに感謝するのじゃぞ」
 そう後ろの通路の影から高貴な雰囲気で声をかけたのは6歳のエルフ少女ミミ・フリージア(エルフの聖者・f05747)だった。
 少し疲労の影が見えるのは癒しの技の反動で負傷などをしているわけではない。
 攻撃特化に等しいこの3人を後ろから癒し続けていた影の功労者……と言いたい所なのだがこのエルフのお姫様ときたら自分の功績はきちんと周囲にわかってもらいたいのかつい口に出してしまう。屋敷では普段何もさせてもらえなかったので自分の仕事がきちんと出来ているという事が嬉しくして仕方が無いのだ。
 内心もう少し素直に声をかければなどと思案しているのが顔に出ていてわかりやすくとても可愛らしい。
 それを察してか空気を読んでか他の3人が目線や手で感謝の意を伝えてくれたのがちょっぴり嬉しいといった様子だ。

 そんなチグハグなメンバーが何故一緒に行動しているのかというと、カーゴスペースにテレポートされた4人は想像以上に多いバトルドロイドを目にし即席のチームを結成。それぞれの長所を生かした作戦が功を奏し艦内の蹂躙を続けていたのだ。
 すでにかなりの数のバトルドロイドを倒すことに成功し、制圧出来ているブロックが順調に増えていることを艦内通路を示す図面を使いテラが指し示す事で4人の顔にはあと一息だという達成感が伺える。

 ザッザッザッザッザッ。
 小休止していた四人の耳に新たに近付いてくるドロイド達の足音が聞こえてきた。
「おっと、わざわざ向うから客が来てくれたようだぜ。」
 ランゼがそう促すと全員がコクリと首を縦に振り準備は万端だと無言の返答を返す、それを確認するとランゼは足音のほうへと駆け出した。
 引き摺るように壁や床に擦り付けられた剣先から火花が飛び、力の限り奮われた一刀は『ゴウッ』と唸りをあげドロイドの金属ボディがひしゃげる音が鳴り響く。
(敵の懐に飛び込んで戦えるのは助かるねぇ、ここなら周りの被害も気にしねえで済むしよ。チョイと壊しすぎても文句は言われねえだろ?)
 まるで野獣のような暴れっぷりにドロイド達の隊列が大きく乱れた。その隙を見逃すはずもなく追い討ちのかけるように二刀を振るう壱弐参肆伍陸漆捌玖が通路の角など地形を上手く利用し一体また一体とその数を減らしていく。
 「略奪し未来を奪おうとするのなら自分が奪われる側になっても文句は言わせないのデス」
 狩るものと狩られる側の立場が逆になってしまったドロイドに一切の同情を見せる事無く、関節の隙間に捻じ込んだ刃を貫通させまた一体を葬り去る。
 だが多勢に無勢バトルドロイド達が前方にいる味方の有無に関わらず狭い通路内で熱線銃(ブラスター)を連射してきたことで全くの無傷でいられるわけがなかった。
 ミミの『生まれながらの光()』が無ければ猟兵達はこの時点で一時撤退を考えなければならなかったかもしれない。
 だがそうはならなかった。
 壱弐参肆伍陸漆捌玖、ランゼ、ミミの3人が狭い通路で奮闘している隙に別の通路から殺到するドロイド達の後ろに回りこんだテラの存在である。
 最後尾のドロイドの背後から見的必殺の勢いで接近し槍で串刺しすると剣にて焼き払う。突然の背後からの攻撃にドロイド達の統率が乱れ各々がバラバラに振り返ろうとするが互いの熱線銃(ブラスター)に引っ掛かり思うようにいかない。それは少し知恵が回ればもっと上手く出来るのだろうが戦闘に関する記憶のみ残され生まれ出されたバトルドロイドには無理な話だった。
(悲しいな、唯殺し殺されるだけの為に生きる。それは本来の在り方を否定している。自然の理からも外れているぞ、だから……せめてその悪夢から解放してやる)
 テラは憐憫の目を向けながらゆっくりと掌を前へと突き出す。
「大地の力…存在の維持を司る力…星の力…我が手に集いて我が敵を滅せよ…グラビティ・ブラスト…往けぇ!!」
 ズンッと目の前の空間が歪んだ気がする、メキメキと音を立てドロイド達が持つ武器ごと全身にヒビが入っていた。
「御二方…今がチャンスじゃ!」
 ミミがここが正念場と聖なる光を放ち仲間達に発破をかける。
「応よ!」「言われずともデス!」
 ランゼと壱弐参肆伍陸漆捌玖がそれぞれの最大の技を放つべくドロイドの群れに飛び込んだ。
 無骨な黒剣を振り回しそして眼前の敵へと無慈悲に振り下ろす!
 さらには全身のバネを生かし身体ごと剣を横薙ぎに、その回転は止まらない。
 力任せにしか見えないこの無骨な攻撃が通過した後には原型を留めないドロイドの残骸が幾つも転がるだけになっていたのである。
 逃走を図るドロイドもいるにはいたのだがその悉くが凶悪な漆黒の旋風に全身を包まれた壱弐参肆伍陸漆捌玖によって足を斬られ、逃げ出す事適わずそのまま何度も何度も串刺しにされ活動を停止していた。
 知らない者が見れば虐殺としか見えないその光景も、このまま猟兵達が何もしなければ宇宙船の住民達がそうなっていたかもしれないと思うと致し方ない事なのである。
「戦いを望まぬ人々が犠牲になるのは阻止せねばならんからのぅ、主らはただ静かに大地に還るがよいのじゃ」
 ミミはバトルドロイドにされた人々にそっと鎮魂の祈りを捧げ終局が近い事を肌で実感し残った敵へと突き進む仲間達の勇士をその目に焼き付けた。
「お前で最後だ!」
 テラの槍が最後に残ったバトルドロイドの首に突き刺さり、その一撃で付け根から千切れた首級を高々と掲げ勝利を宣言するのだった。

 艦内の全てのバトルドロイドは一掃された。
 もはやブリッジへ至る通路を邪魔する何物もこの艦内には存在しない。
 こうして帝国駆逐艦バンゲン・ゼクス内部で未だ制圧できていないのはブリッジ周辺のみとなったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●帝国騎士ゾルダーという男
 帝国駆逐艦バンゲン・ゼクスのブリッジ内に鼻歌のハミングが響く。
 そのメロディは滅び去る前の銀河帝国がまだその栄華を誇っていた時代に偉大な帝国とそして皇帝陛下を称えるべく作曲された壮大なクラシック音楽であった。
 手振り身振りでまるでオーケストラの指揮者のように振舞う姿はこの軍艦のブリッジの中では異彩を放っていた。
 なぜなら観客は他に誰がいるわけでもない。
 ブリッジにいるのはただ一人、漆黒の甲冑を身に纏った帝国の騎士だけなのである。
「バトルドロイド共はどうやら任務も果たせず朽ちたようであるな、実に嘆かわしい」
 鼻歌を止めた帝国騎士がブリッジ内に幾つもあるモニターを一瞥し溜息をつく。
「我等帝国の臣民はその血の一滴までも皇帝陛下御為に捧げねばならぬ、このような辺境の地で下賎なる民共に血の制裁を与える事無く勝手に死ぬなど決して許されるものではない」
 身を焦がすほどの怒りに思わずブリッジ要員を全員惨殺したことはすでに帝国騎士の中では無かった事になっているらしい。
「嗚呼、嗚呼、皇帝陛下! 我が部下共の不忠をご寛恕いただきたく伏してお願い申し上げます!」
 両手を掲げ声を張り上げ熱狂がその心を蝕んでゆく。
「こうなれば我が剣で帝国に仇成す怨敵どもの首級、これ事如くを陛下に献上する事にて汚名を雪ぎたく存じ上げまする!」
 その身から溢れ出す念動力が作り上げた帝国の旗を背に帝国騎士はブリッジの扉前まで迫り来る猟兵達のほうへと向き直る。
「いざ参られよ猟兵共、帝国騎士ゾルダー逃げも隠れもせんぞ」
 そう高らかと名乗りを上げ抜刀する帝国騎士には隙などとても見当たらなかった。
●帝国騎士ゾルダーという男
 帝国駆逐艦バンゲン・ゼクスのブリッジ内に鼻歌のハミングが響く。
 そのメロディは滅び去る前の銀河帝国がまだその栄華を誇っていた時代に偉大な帝国とそして皇帝陛下を称えるべく作曲された壮大なクラシック音楽であった。
 手振り身振りでまるでオーケストラの指揮者のように振舞う姿はこの軍艦のブリッジの中では異彩を放っていた。
 なぜなら観客は他に誰がいるわけでもない。
 ブリッジにいるのはただ一人、漆黒の甲冑を身に纏った帝国の騎士だけなのである。
「バトルドロイド共はどうやら任務も果たせず朽ちたようであるな、実に嘆かわしい」
 鼻歌を止めた帝国騎士がブリッジ内に幾つもあるモニターを一瞥し溜息をつく。
「我等帝国の臣民はその血の一滴までも皇帝陛下御為に捧げねばならぬ、このような辺境の地で下賎なる民共に血の制裁を与える事無く勝手に死ぬなど決して許されるものではない」
 身を焦がすほどの怒りに思わずブリッジ要員を全員惨殺したことはすでに帝国騎士の中では無かった事になっているらしい。
「嗚呼、嗚呼、皇帝陛下! 我が部下共の不忠をご寛恕いただきたく伏してお願い申し上げます!」
 両手を掲げ声を張り上げ熱狂がその心を蝕んでゆく。
「こうなれば我が剣で帝国に仇成す怨敵どもの首級、これ事如くを陛下に献上する事にて汚名を雪ぎたく存じ上げまする!」
 その身から溢れ出す念動力が作り上げた帝国の旗を背に帝国騎士はブリッジの扉前まで迫り来る猟兵達のほうへと向き直る。
「いざ参られよ猟兵共、帝国騎士ゾルダー逃げも隠れもせんぞ」
 そう高らかと名乗りを上げ抜刀する帝国騎士には隙などとても見当たらなかった。
テラ・ウィンディア
真の姿解放
紅く輝く光の翼が展開

おれの居た世界でも古代帝国ってのがあったが
結局の所帝国ってそんなんばっかなのか?
或いは…それだけ突っ切った奴らこそこうも暴れられるのかな

貴様のその忠義は中々のものだな
だが…その狂信は視野を狭めてるぞ
子供のおれでもそんぐらいは解るぞ

ああ、お前は名乗っていたな
ならばおれも名乗ろう
竜騎士テラ・ウィンディアだ
お前も我が龍の猛威に散れ

戦闘
属性攻撃で炎を武器と全身に纏い
激しく猛攻
但し冷徹に騎士の動きと癖を見極め分析

インペリアルブレイドで繋がれた瞬間
お前達は皆こうしたデスマッチを好むな
おれも同感だ
だから…逃げずに受けろ

そしてドラグニックエンドを打ちこむ打ち込む打ち込む




 この船の名は帝国駆逐艦バンゲン・ゼクス(6)という。
 帝国軍第五世代標準型駆逐艦バンゲン級の6番艦であり、かつての銀河帝国が滅んだ際には辺境警備の任に当たっていた当時としても老朽艦である。
 そのバンゲン・ゼクスに配属された忠誠心溢れる帝国騎士ゾルターには大いなる野望があった。功績を挙げ中央へと招聘され、日々帝国の意に従わぬ者たちに皇帝陛下の恩寵を与える大任を命じられる事である。
 その記憶はこの時代に蘇った身であろうとも失われる事はなかったのだ。

「来たか」
 そう呟いた帝国騎士の目の前でブリッジと通路を隔てていた金属扉が赤熱しそして爆発音と共に内側へと吹き飛んだ。
 濛々と上がった煙などを空調システムが浄化しようと作動し煙が流れていく中、小柄なエルフがその煙の中心から姿を現す。
 先ほどまで通路で戦っていた時と違いその背には『紅く輝く光の翼』が展開し本気で戦うという覚悟がそこには宿っているかのようだった。
「ああ、お前は名乗っていたな、ならばおれも名乗ろう」
 そう口にするとテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は先ほどまで艦内放送で鳴り響いていた帝国騎士ゾルダーの言葉を思い出し槍の柄を床に着け堂々と言葉を続けた。
「竜騎士テラ・ウィンディアだ、お前も我が龍の猛威に散れ!」
 その言葉を受け帝国騎士もフォースセイバーを胸の前で構え騎士の礼を取る。
「竜騎士とな? フムン、異郷の戦士であろうとも我が皇帝陛下のご威光をその身で受けるがよいぞ」
 ……そのまま10秒ほど互いに動く事無く刻が過ぎた頃、静から動へ対局の場が動くのは一瞬のことだった。
 紅龍槍『廣利王』から発した炎を全身に纏いテラの閃光の如き突きが帝国騎士に襲い掛かる。
 それは変幻自在に上半身を突きが襲ったかに見えた次の瞬間それその物をフェイントに足元が払われるなど熾烈を極める攻撃の数々だったが、その全ての攻撃をフォースセイバーで捌ききると帝国騎士がその一連の流れのままテラの首を刎ねようと剣先を横に一閃する。
 危機を察し間合いを外したもののその一撃は紙一重でテラの肩布の一部を切り裂いていた。
(おれの居た世界でも古代帝国ってのがあったが結局の所帝国ってそんなんばっかなのか?或いは…それだけ突っ切った奴らこそこうも暴れられるのかな)
「貴様のその忠義は中々のものだな。だが…その狂信は視野を狭めてるぞ?子供のおれでもそんぐらいは解るぞ」
 帝国騎士の忠誠心は確かに見上げたもの、かといって罪の無い人々に危害を加えたりしようとする事にテラは静かな怒りを覚えていた。
「フムン、異郷の竜騎士よ。貴様も騎士を名乗るのであれば忠道というものをもっと数多く学ぶべきであるな。だが学ぶ時間を与えずその幼き命をここで狩らねばならぬのも悲しき騎士の定めというものよ。」
「言ってろ!」
 テラがそう怒りを露に槍を構えなおした瞬間、帝国騎士ゾルダーの必殺剣が牙を剥き間合いの外より念動力の飛ぶ刃をテラへと放ったのである。
 不意を衝かれたものガードにはギリギリ間に合った、だが受けきったと思えた斬撃は不意に爆発しさらに念動力の鎖で二人を逃げれぬよう繋いでしまっていた。
「お前達は皆こうしたデスマッチを好むな、おれも同感だ。」
 普通ならば逃げ場無く恐怖に慄くであろう状況にテラが不敵に笑って見せる。
「だから…逃げずに受けろ!」
 恐怖心を押し殺してテラが投擲した必中の槍が帝国騎士に命中した瞬間、必殺の
ユーベルコード『ドラゴニック・エンド』が発動する。
 即ち……召喚竜の猛攻。
「うぉぉぉぉぉぉっ!」
 帝国騎士ゾルダーは次々と召喚されてくるドラゴンをその身に受けフォースによるガードを行うしかならない状況に追い込まれていた。
 ようやく竜の猛攻より解放されると突き刺さった槍を引き抜きテラの足元にそれを投げて転がす。
「ふはははは、見事也(みごとなり)異郷の竜騎士よ」

 テラの放った起死回生の一撃は確実に帝国騎士の体力を奪っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ピードル・ニュービー
その音楽はYesだね荘厳で偉大さを感じるいい音楽だよ。どうゆう目的で作られた曲であれいい曲は後世に残すべきだ。だが過去にすがり今を食い潰す亡霊は後世に残してはいけない人々を苦しめるだけだからね。

・使用UC
ウィー・ゴット・ザ・パワー

ユーベルコードを使用して猟兵の皆さんの戦闘力の向上を図る。
ボクは【おびき寄せ】で囮になり惹きつけ敵の攻撃を【見切り】ながら【時間稼ぎ】で他の猟兵の皆さんに攻撃させないようにし敵の隙をつくるのに専念するよ。隙ができたなら蹴り飛ばして距離を取って他の猟兵さんの攻撃に合わせるよ。

亡霊は墓場で眠りつくのがお似合いだよ。


ミミ・フリージア
帝国の騎士が相手なんじゃな。広い世界こういうやりかたが正しいとする国もあるんじゃのぅ
その中においては見事な忠義を見せてるのであろう
じゃが他所の船に手を出すというのは見過ごせぬのじゃ

帝国の旗が当たろうがそこはそなたらの領土でもないし立たせるわけにもいかんのじゃ
わらわはトリニティ・エンハンスを使って戦い苦手な属性が見られるならそこをつくのじゃ。なくても斬って見せるのじゃ


西院鬼・織久
【POW】
【心情】
先程のガラクタとは比べ物になりませんね
あなたの忠義は分かりました
断たれた時の無念と怨嗟の強さは忠義に比例します
我等が怨念の良い糧となるでしょう

【行動】
ユーベルコード:殺意の炎
技能:武器受け、怪力、範囲攻撃、二回攻撃、傷口を抉る、生命力吸収
「殺意の炎」と「範囲攻撃」で対抗
念動力の鎖への牽制にならなければ鎖を「武器受け」
物理的な干渉が可能なら「怪力」で逆に引き寄せ「二回攻撃」
不可でも距離を詰めて「二回攻撃」
負傷箇所をさらに「傷口をえぐる」でダメージを与える
距離をあけられたら「殺意の炎」「範囲攻撃」で攻撃しながら再度距離を詰め、負傷が続けば「生命力吸収」を行う




 他のブロックを突破した猟兵達が次々とブリッジに乱入し帝国騎士へと殺到する。
 炎を纏った黒い大鎌が円を描き襲い掛かるが、それは帝国騎士の光剣に僅かに軌道を逸られ宙を薙ぐだけに終わった。
 返す刃で襲い掛かる光剣を大鎌の柄で受け弾き返す。
「先程のガラクタとは比べ物になりませんね」
 そう嘯くのは西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)、カーゴブロックで戦ったバトルドロイドとは一線を画す帝国騎士の実力を僅か一合で見抜いていた。
「ドロイド共と同じにされてはかなわからな むっ!?」
 帝国騎士がさらなる追撃を加えようと踏み込んだ足で真横へといきなり跳躍した、その空間を炎が通過し地面を焦がす。 
「ふむ、見事に避わされてしもうたの」
 ミミ・フリージア(エルフの聖者・f05747)がルーンソードをを構え慎重に帝国騎士の方へと剣先を向け警戒を続けていた。
(これが帝国の騎士なのじゃな。)
「見事な忠義を見せているようじゃが、他所の船に手を出すというのは見過ごせぬのぅ」
 自分とあまりに違う価値観を持つ帝国騎士を前に緊張を隠せない。だからこそそれに屈しない為にも言葉で己を奮い立たす必要があったのだろう、その決意を口に出して帝国騎士へとその否定の言葉を発していたのだ。
 その言葉を耳にし帝国騎士は先ほどの鼻歌を歌いながら織久の追撃をさらに避けながらミミへと指先を向ける。
「異郷の幼子よ覚えておくがよい。この宇宙の隅々小石の一つまで、すべからく我が銀河帝国皇帝陛下の物であるとな」
「なっ!」
 そう反論しかけたミミの肩を優しくポンポンと叩く者がいた。大きなウサギ耳型の二本角を持つ獣人型ウォーマシン、ピードル・ニュービー(音楽好きな機械傭兵・f01112)だ。
 ピードルはボクに任せておきなよとばかりにミミの前へと一歩進み出る。
「その音楽はYesだね荘厳で偉大さを感じるいい音楽だよ。どうゆう目的で作られた曲であれいい曲は後世に残すべきだ」
 指でリズムを取りながら軽やかに歩みを速める。
「だが過去にすがり今を食い潰す亡霊は後世に残してはいけない、人々を苦しめるだけだからね」
 アサルトライフルのセーフティを解除し狙いを定めそして迷い無くトリガーを引く、火線上にいた帝国騎士はそれを光剣で弾きながら火線上を避け横へと走りだす。
「貴公は勘違いしているようだが我が帝国は過去の物ではない。何故ならだ銀河帝国は不滅なのだからな」
 念動力で形成した帝国の旗が帝国騎士の身体から伸びそしてそれはピードルの足元に炸裂する。
 横転しそれを回避するがそれでも衝撃が伝わってきてくる、直撃だったらどれぐらいの衝撃だったのかと思うと背筋に冷たいものが走った。
「力強いベースですがあまり好みのビートではありませんですね」
 そう嘯(うそぶ)くも声色には緊張が混じってしまっていたが、自分へと敵の矛先を引き付けるという思惑はどうやら成功しているらしい。
「フムン、貴公には我が帝国の偉大な旋律が解せると思ったのであるがな」
「こちらも忘れてもらっては困りますね」
 不意に帝国騎士の足元を薙ぐような低軌道で織久の大鎌が横から割り込み次なる念動力を放とうとした動きを中断させた。
 軽やかなステップで死を呼ぶ斬撃を飛び越えると空中で真横に一回転しカウンターで光剣が織久の首を襲う。
 ……がそれは織久が時間差で投擲していた暗器を弾くために剣の軌道を変えるしかなく不発に終わった。
「なかなかに楽しませてくれるな猟兵共よ」
 暗器を捌ききるとバックステップにて間合いを取り直し光剣を正眼に構え直した。


 幾合かの攻防が繰り広げられた。三人の連携が功を奏し実力では上である帝国騎士相手に脱落者を出さずに戦いは推移していた。
 だが帝国の領土たるこの駆逐艦内では思っている以上に手強い相手なのも確かなようだ。
「帝国の騎士が相手じゃとさすがに一筋縄ではいかぬの」
 水の魔力を纏った魔法剣を打ち込みながらミミが呟く。
「何、貴公は年端のいかぬ幼子の身でこれほどの鍛錬を積んでおるのは賞賛に値するのだよ、だがしかし……」
 帝国騎士は光剣で受けた魔法剣を押し返し念動力の旗を放つ。
「我が帝国の威光の前に平伏すべきだとは思わんかね?」
 念動力で造られた帝国の旗を至近からその身に喰らいミミが悲鳴をあげ後ろに倒れこんでいきかけた。
 全身に電気が走るような衝撃とこのまま倒れたほうが楽なのかと思ってしまう声すら脳裏に鳴り響いた。
 だが寸での所で持ち直すと小さい身体に鞭打ち魔法剣に魔力を注ぎ込む。
「て……帝国の旗をいかに立てようと、ここはそなたらの領土でもないし立たせるわけにもいかんのじゃ!」
 小躯ながら振るう魔法剣の一刀一刀ごとに『火』『風』『水』の魔力を交互に叩き込むがそれらは防御フィールドのような物で弾かれていた。
 だがそのフィールドも幾度と無く打ち込まれるミミの魔力の前に疲弊していきそして唐突に限界を向かえる時がきた。
 帝国騎士の周囲に浮かんでいたフィールド発生装置の一つが煙を噴きながら力なく床に転がった。
「何、まだそのような力が!?」
 力量差は理解していたはずの帝国騎士が驚きを隠せなかった。
 帝国の旗の下、強化されている自分へと痛恨の一撃を与えるファクターがどこにあったというのか?
 倒れこみそうなミミを抱えに割り込んできたウサギ耳のウォーマシンを見そして理由を悟ったのだ。
「貴公が猟兵共に力を与えていたのだな……」
 ピードルのハイパースピーカーから鳴り響く力強い音楽『ウィー・ゴット・ザ・パワー』、それこそがこの戦場に立つ猟兵達に力を与え続けていたのだ。
「音楽性の違いってやつですよ。お・気・に・な・さ・ら・ず」
 指を目の前でチッチッチと左右に揺らし挑発すると帝国騎士を蹴りその反動でミミごと距離をとるピードル。
「くっ 貴様!」
 防御フィールドの一つを失い先ほどまでなら気にするほどでもなかった蹴りの衝撃がダイレクトに伝わり思わずよろけてしまう帝国騎士。
 その隙を見逃す織久ではなかった。
「あなたの忠義は分かりました。ですがしかし!」
 跳躍し天井を蹴って間合いを詰める織久の放った黒い殺意の炎に包み込まれ苦悶の声を上げる帝国騎士。
 だがただやられるだけでなく咄嗟に光剣を一閃、飛ぶ斬撃が織久へと放たれ血飛沫が飛ぶ。
 念動力の斬撃はそのまま互いを繋ぐ鎖へと変化しき逃亡不能へと追い込むはずだったのだがこれを織久はチャンスと狙っていた。
 自慢の怪力で力任せに鎖を引っ張ると互いの距離が一気に縮まっていく。リーチを生かし大鎌の石突で一突き、さらに密着するほどに接近した所で闇撫と呼ばれる拷問具を取り出しそして……。
「断たれた時の無念と怨嗟の強さは忠義に比例します、我等が怨念の良い糧となるでしょう」
「ぐぉぉぉぉぉぉっ」
 ブリッジ内に帝国騎士の絶叫が響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
テラ!大丈夫っ!!

…あなただね、かわいい妹をこんなに間でしたのは
覚悟は、いいよね、騎士様っ!!

シル・ウィンディア、行きますっ!!

光刃剣『エレメンティア』と『六源和導』を構えて斬り込みます
真正面からは行かずに、フットワークを利用して
側面につけるように動くね

壁とかがあれば、壁を使っての3次元機動を行って翻弄してから
攻撃を仕掛けるよ

敵の攻撃は【見切り】を使用して回避を狙うよ

相手がユーベルコードを使用して来たら
こっちも【エレメンタル・ファランクス】で迎え撃つよ
【全力魔法】で思いっきり撃ちますっ!

「わたしの限界突破、受けてみてっ!!」

電撃だろうとバリアだろうと、全て撃ち抜いてあげるよっ!




「テラ!大丈夫!!」
 激闘続くブリッジに駆け込んできたエルフの少女が開口一番叫んでいた。
 帝国騎士ゾルターとの戦いで一番槍を勤めた双子の妹テラを追いかけこの戦場へと辿り着いたばかりなのだ。
 ブリッジ内を見渡し妹の無事を確認するとほっと吐息を漏らす。怪我はしているようだがそれなりに疲弊をしているらしい。
「…あなただね、かわいい妹をこんなにしたのは」
 シルは光刃剣『エレメンティア』と精霊剣『六源和導』の二刀を抜刀し、その片方を帝国騎士へと突きつけ声を張り上げた。
「覚悟は、いいよね、騎士様っ!!」
 

 帝国騎士ゾルターは次々と現れる猟兵達に消耗戦を強いられていた。だが騎士の矜持に懸けて一歩も退く訳にはいかない、傷口を光剣で焼き血止めをすると新たな乱入者へと向き直る。
 光る刃を両手に構えるエルフ少女の視線の先から『かわいい妹』とやらを察すると
その口を開いた。
「先ほどの異郷の竜騎士の姉か……なるほど」
 子供と思って対峙するなど愚の骨頂、決して油断などするわけにはいかない。その小さな身体にどんな瞬発力を秘めているのかわかったものではないからだ。
 「来るがよい異国の少女よ、貴公にも銀河帝国の威光をその身を持って教えてやろう。対価はその幼き命ではあるがな!」
 帝国騎士から念動力が放たれ形成された帝国の旗が命中した。
 否、それは命中したかに見えただけで刹那のタイミングでシルは最小限の動きで避けていたのだが常人の目にはその場から動けず命中したようにしか見えなかっただけなのだ。
「シル・ウィンディア、行きますっ!!」
 小柄なエルフの少女は真正面へは走らず回り込むように駆け始めた。その進む先々に帝国の旗が何本も飛んできてはそれを全て避けてみせる。
 念動力での攻撃タイミングを見切ると、壁をそして天井を蹴り三次元機動で帝国騎士に迫り螺旋状に身体を回転させながら次々と二刀で斬りつけ至近へと接近していった。
「手数は多いだがっ……軽い!」
 シルの連撃を光剣で受け流し一歩引いた帝国騎士が地面に振脚(ズシンッと足裏を大地に叩きける)をすると足元から真上に向って帝国の旗がまるで槍のように突き出される。
 攻撃中に不意の反撃を受け普通ならば直撃を受ける所なのだがシルは咄嗟に仰け反りこれを紙一重(スレンダーな体型だったの)で 躱すことができた。
「何!?」
 確実にカウンターを決めたと思い込んだ帝国騎士は紙一重で回避された旗が通過すると同時に海老反りの姿勢から一気に前に反り返ってくるシルの姿を見て驚愕の表情を浮かべる事となる。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ…。我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
 ほぼ至近の距離で剣を持った指で素早く印を組み、凝縮して高めた地風火水の魔力を迷わず帝国騎士へと開放した。
 それは数十本に及ぶ四大元素の魔力の束、如何な帝国騎士が念動力で防ごうともそれを全て防ぎきるのは不可能な威力を誇っていた。
「わたしの限界突破、受けてみてっ!!」
 妹を想い全力を出し切るシルの一撃が収まった後には、数十メートル押し切られ肩で息をしながら片膝をつく帝国騎士ゾルターの姿があった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
妹のテラ(f04499)と一緒に

…まだ、立つの?
さすが帝国の騎士様、ってところか。

一人じゃつらいかも知れないけど…

テラ、もうそろそろ大丈夫?
行けるのなら…
わたしたち姉妹のコンビネーション、見せてあげよっ!

光刃剣を銀のロッド部分(基部)を中心に前後に光の刃を展開
(所謂ビームナギナタ状態)
間合いは、剣状態より広く取れるし、今度はこれで勝負っ!
ヒット&アウェイで、変わらずに仕掛けるけど
今回は、連携する妹がいる
妹のフォローに回りながら、わたしは、隙をついて斬りつけるよ

相手の剣は、光刃剣を回転させてシールドとして防御するの

最後は
テラ、合わせてっ!
…ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト、行っけーーっ!!


テラ・ウィンディア
姉のシル(f03964
と連携

シル!
お前も来てくれたのか!

ああ、そうだな
見ての通りあいつは強い
だが…おれ達二人なら更に強い!

そうだろう?

そのままシルの前に立ち…属性攻撃で武器と脚に炎を纏わせ

ゾルター!おれ達の絆と連携はお前の限界を超える!

背中に姉が…シルが居る
これ程心強い事は無い
だから…炎を纏った剣と槍を駆使して接近戦で剣
離れれば槍で貫き更にシルと死角と隙を補い怒濤の連携
冷徹に動きを見定めシルともぴったり息を合わせ
途切れぬ猛攻を仕掛け!
最後に
距離を取れば
ああ!往くぞシル!
シルと並び共に片手を敵に向け
エレメンタルと共にグラビティブラスト発射
これがおれ達の想いと全霊だ!その身と心に刻み逝けー!!


琥珀川・れに
まずは、最近他の依頼で「謎の紳士(仮)」になるのに使って以来装備品にしている目元だけのマスク「変装マスク」を装着。
理由は女だと悟られなめられないようにだが、なんというか相手の反応が気になる。

所持する剣で戦闘。得意の【カウンター】を交えて小柄の小回りで戦う。
これは同じ剣士として剣を交えたい。僕のわがままさ。

しかし対人戦闘に特化した相手なんだろう。
念対策は無いが【火炎耐性】は効果があるだろうか。
ならば途中でUC【血統覚醒】を使う。
「君は異世界の闇を覗いたことがあるか?」
【吸血】経験してみるい?


西院鬼・織久
【POW】
【心情】
漸く弱って来ましたね
とは言え手負いの獲物こそ厄介です
窮鼠に噛まれぬよう俺も力を尽くしましょう
怨念の糧となるのは敵だけではありません
我等自身の苦痛と血肉もまた交わり糧となるのです

【行動】
ユーベルコード:黒風鎧装
主な技能:先制攻撃、武器受け、敵を盾にする、怪力、二回攻撃、なぎ払い、範囲攻撃、生命力吸収、傷口を抉る
「黒風鎧装」で強化
「先制攻撃」を仕掛け、既に損傷を負っている箇所に「傷口を抉る」
また手足を狙って「二回攻撃」「なぎ払い」を使い動きを鈍らせる
自分の攻撃では致命傷には足りないなら「怪力」で敵を捕らえ「生命力吸収」
その後「敵を盾にする」を利用して味方の攻撃を敵に集める



●立ち上がる者達
 壊れた壁面の電子パネルなどから火花が飛び散る中ゆっくりと動き出す人影。
邪魔なパネルなどを光剣で切り裂くと帝国騎士ゾルターはその負傷を感じさせない歩みでブリッジ中央を陣取りここは帝国の領地だと宣言するかのように剣を構えた。
 自分に痛恨の一撃を与えた姉妹の方を一瞥するも新たな乱入者が現れた為そちらを先に処理せねばと思い至ったようだ。
 琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)は目元だけを覆うマスクを付け細身の突刺剣をまるで舞踏会に出てくる王子様を思える仕草で華麗に構えを取る。
「君にまだ剣を取る勇気があるのなら一手お相手願おうかな?」
 軽い挑発を交えて間合いをじりじりと詰めていく。
「フム、正体を隠すは貴族の嗜みというところか?まあどちらでも良い、指南の対価は命になるものと知れ」
 琥珀川・れにの持つ立ち振る舞いと変装マスクからそう推察したようで帝国騎士は構えを剣士を相手取る場合の仕草に微妙に変化させる。
 れにに取っては女性である事を隠す男装用マスクといった所だが現時点でそれを察しているのかどうかはまだわからない。
 ならば今は目の前の敵に集中すべきだ、琥珀川・れには剣を持つ手を軽く肘を曲げ手の甲を上にし切っ先は相手の喉に狙いをつけた。

(漸く弱って来ましたね)
 西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)は闇焔(大鎌)を杖にし立ち上がった。連戦の疲労はお互い様だが猟兵達に次々と連戦を挑まれる帝国騎士に比べれば自分の疲労など大したものではない。
 先ほどの傷口を抉ってやった攻撃は確実に効いているあと一息だ、怨念の糧としてやるためにももう一撃お見舞いせねばと気合を入れる。
 手負いの帝国騎士は今はあの仮面の剣士と対峙している、どのタイミングで乱入したものか?と思案する織久の視界を片隅に他にも立ち上がる者達があった。

 双子のエルフ姉妹、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の二人だ。
「テラ、そろそろ大丈夫?」手を差し伸べるシル。
「シル!お前も来てくれたのか!」その手をがっしと握り立ち上がるテラ。
 かなりの深手を負っているはずだというのに、琥珀川・れにと激しい剣の応酬を未だ続ける帝国騎士を遠めに二人は互いの姿を見る。
「…まだ、立つの?さすが帝国の騎士様、ってところか。」
「ああ、そうだな…見ての通りあいつは強い」
 敵を決して侮る事無く認める強さを持つ二人には個々の能力だけだは勝てない相手だという事も十分理解でききていた、だが……。
「一人じゃ辛いかもしれないけど……」
「…おれ達二人なら更に強い!」
 姉妹二人力を合わせればそんな実力差をも覆す事ができる。そう信じて疑わない二人は再び戦いの場へと一歩を踏み出すのだった。

●激闘
 双方の剣が火花を散らす。琥珀川・れにの剣が突き払いフェイントと次々と変化しながら帝国騎士に迫る。
 小柄な体型を生かして間合いの内へ内へと入り込もうとする琥珀川・れにの攻撃は徐々に小傷を増やしていたが決定打には欠けるという具合だ。
 数合打ち合った末に体力的に決着を急いだのか帝国騎士が大きく踏み込み渾身の一撃を振るう、それをこそ『れには待っていた』。
 瞬間、琥珀川・れにの仮面に隠れた瞳が真紅に輝きその身をヴァンパイアに変身させる。その身体能力は人の身では限界だった腕の差を易々と超えてみせる。
 剣は相手の移動線上においたまま、琥珀川・れには体を捻って突きをかわし左足が体を中心に元の位置とは反対の位置まで移動し帝国騎士に完全に背中を向ける形になった。
 手首は剣と90度の角度をつけることで、踏み込んできた相手に切っ先を向けそして大きく身を捩り一閃しその背中を切り裂く。
 俗にフル・ヴォルテ(180度)と呼ばれる細剣でのカウンター技が華麗に決まり帝国騎士は苦悶の声を上げて片膝をついた。
「君は異世界の闇を覗いたことがあるか?」
「貴公 人外の者かっ!?」
 切り裂かれた傷口からさらに吸血されていく脱力感に帝国騎士は振り払おうとするがそこへ横から漆黒の旋風で覆われた乱入者がさらに追撃をかける。

「手負いの獲物こそ厄介です、窮鼠に噛まれぬよう俺も力を尽くしましょう」
「!?」
 織久もまた『黒風鎧装』で強化されその力は常人とはケタ外れとなっている。強引に四肢を狙った大鎌の円を描く一閃に帝国騎士の手足から同時に出血が飛び散る。
 だがその強引な攻撃をただ受けるだけでなく光剣の切っ先が織久の脇腹に突き刺さっていた。
 互いに痛み分けというべき状態から織久は大鎌を手放すと、闇撫と呼ばれる拷問具を帝国騎士の利き腕に突き立てギリギリと締め上げ拷問の如き責めを続けていた・
「なっ まだ動けるというのか貴公!」
 下手をすれば致命傷になりえる一撃を受けながらも己の利き腕を潰しにくる男に驚きを隠せない。
 だがそんな帝国騎士の驚きを余所に織久は落ち着きを失ってはいなかった。
「怨念の糧となるのは敵だけではありません、我等自身の苦痛と血肉もまた交わり糧となるのです」
 バカなっと呟く帝国騎士の手から光剣が落ち地面に転がる。
「さあトドメを刺すなら今です!」

 織久の声に呼応するようにエルフの双子姉妹が同時に駆ける。ロッドの前後に光る刃を放出し双剣と化した光牙剣を可憐に振るう姉のシル。
 剣と槍そして脚にも炎を纏い激しく攻め立てる妹のテラ、二人の息の合った連携に加えさらにれにと織久の二人が動きを封じ続けている為か帝国騎士に出来る事はもはや皆無と言えた。
 二人の剣が何度も何度も帝国騎士ゾルターの鎧に亀裂を作っていき返り血が飛ぶ。誰の目にももはやこれで勝負がついたかに見えた、だが
「な なんの……銀河帝国の騎士たる者、これしきの事で……」
 己の動きを封じていた二人を振り払い念動力で落ちていた光剣を手元へと呼び寄せ構えを取る。
 だがその背中には、れにの魔法剣エペドルーンが刺さり、利き腕には織久の闇撫が無残に捻じ込まれている。さらにはテラの槍も脇腹に刺さったすでに生きているのが不思議な状態だ。
 二人は互いに頷くと手を帝国騎士へと向け突き出す。
「テラ 合わせて!」「ああ往くぞシル!」
 精霊と重力の力が二人の前で限りなく高まっていき周囲の壁面などに亀裂が入り始めそして……。
「「ゾルター!おれ(わたし)達の絆と連携はお前の限界を超える!」」
 二人の叫びと共にそれは撃ち出され帝国騎士へと放たれる。
「増長するな異国の猟兵共よーっ!」
 光剣から念動力が放たれ精霊と重力と空中で拮抗し火花を散らす、その周囲では床やパネルが捲り上がりその余波は今にもブリッジ全体へと広がるやもと思えるものだった。
 そのいつまでも続くかと思えた均衡はあっさりと破られる事となる。
「こちらも忘れてもらっては困りますね?」
 織久がなぎ払った一撃は踏み込む足をよろめかせ踏ん張りを効かなくし、
「君に差し上げるには勿体無い一品なのでね、返してもらうよ」
 琥珀川・れにが騎士の背中に突き刺さった剣を一気に抜き間合いを取る。
「UGAAAAA!」
 限界を超えた帝国騎士は重力と精霊の合わせ技ヘキサドライブ・エレメンタル・ドライブに包み込まれていく。
 その力の奔流が通り過ぎた後、ブリッジ中央で仰向けに倒れた帝国騎士ゾルターを見て全員がようやくほっと胸を撫で下ろすことになった。

●帝国駆逐艦バンゲン・ゼクスの最期
「見事也、異郷の猟兵共よ」
 倒れた帝国騎士が口から吐血をしながらそう天井を仰ぎ見る。一流の腕を持つ者達と戦っての戦死であれば地獄に墜ちようとも恥じる事など何もない。
 だが銀河帝国皇帝より賜ったこの艦を敵に渡すは断じてあってはならない、そう思い至ると左手手甲にあるパネルボタンに震える手で特定のコードを打ち込む。
 それを見た織久が慌てて近づき左手の手甲に装着されたパネルを覗き込む、そこには一定のリズムで数を減らしていく赤色の数字が表示されていた。
「帝国に仇為す猟兵達よ。我が艦バンゲン・ゼクスをお前達に委ねるつもりはない。たった今この艦の自爆シーケンスを実行した、死ぬ気が無いのならば早く退去することだな……ゴフッ、帝国万歳……皇帝陛下に栄光あれ……」
 吐血しながら帝国騎士ゾルターはそれだけ言い残すと後は猟兵達が何を話かけても何も答える事はなかった。

 それからきっちり15分後、帝国駆逐艦バンゲン・ゼクスの轟沈が巨大宇宙船ピースフォレスト号の広域レーダーによって観測された、危機は去ったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『アパレルショッピング』

POW   :    爆買い。欲しかった服や狙っていた小物を片っ端から買っていくスタイル

SPD   :    衝動買い。気に入ったものを思わず買ってしまうスタイル

WIZ   :    じっくり吟味。試着を重ね、予算を吟味して

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 戦いは終わった、ピースフォレスト号に帰還した猟兵達に一時の休息が訪れる。
 だが別の意味での戦いが始まろうとしているのを敏感な者達はすでに感じ取っていた。
 年末年始の初売りセール。
 ピースフォレスト号の誇る巨大ショッピングモールにて開催される最新ファッションセールに猟兵達は招待されていた。
 最先端のデザインの衣装にアクセサリーそしてランジェリーなど目の保養になりそうな商品が所狭しと並べられた店内に驚かされる一同。
 船の危機を救ってくれたせめてもの礼にと開店前から徹夜などで行列が出来ているのを尻目に先行で入場させてもらえるうえ、全商品半額で購入できるという特典付き
という異例の待遇にもう買うしかないよねと気合が入る者もいる。
 軽いウィンドウショッピングから爆買いそしてオーダーメイドの注文まで好きなようにこの休息を楽しむことが可能なので自由に過ごしてもらって大丈夫である。

 自分達の手で守りきった平穏を楽しんでくださいね!…とエルフのグリモア猟兵は皆を徹夜組の最前列から涙目で見送るのだった。
ミミ・フリージア
わらわもショッピングを楽しませてほしいのじゃ
アクセサリーもきれいなのがあるといいのぅ
あと皆が着てるような洋服も気になっておるのじゃ
選ぶのも楽しそうじゃしここはじっくり見て試着して決めるのじゃ
こういう買い物をわらわもやってみたかったからのぅ
あと猫のキャラクターのグッズがあるかは重要じゃな
みつかるといいのぅ



●ドキドキ☆ショッピングモール
「これがこの船自慢のショピングモールなのじゃな~♪」
 ショッピングモールの入り口に立ち尽くし、物珍しそうに辺りを見渡すミミ・フリ
ージア(エルフの聖者・f05747)の声にはすでに喜びが滲み出ていたりする。
 普段お屋敷にいれば必要な物はじいやが全て手配してくれているので別段不自由す
ることはないがそれはそれ……女の子がこんな素敵な光景を見てしまったら、わらわ
もショッピングを楽しみたいのじゃーとなるのは当然至極。
(アクセサリーも綺麗なのがあるといいのぅ♪)
 さっそく可愛い衣装の置いてあるショップへと(自分ではゆっくりと歩いてるつも
りで)駆け出していくのだった。
 到着した店内には右も左も服、服、服。まるで遊園地にでも迷い込んだ子供のよう
に(実際6歳の子供なのだが)キョロキョロしながら着てみたい洋服を一着一着物珍
しそうに触れてみては嬉しそうに小躍りしてしまう。
 じいやが傍にいれば『はしたないですぞ姫様』っとお小言を言われたかもしれない
が今日は一人でショッピング!
「わっ、わらわとて皆が着てるような洋服も気になっておるのじゃから今日ぐらい許
すがよいのじゃぞじいや」
 ここにはいない相手にぺろっと舌を出してお茶目に手を合わせたミミはさっそく可愛らしいキャラクター物のバッグなどを手にとって試着室へと向う。
 手馴れた店員に手伝ってもらい着替え終わると姿見の前でクルリと一回転してみて自分の姿に思わずはっとなる。
 猫耳のついた帽子とポーチ、そして可愛い猫尻尾が可愛く揺れるのを見て思わず自分の口から溜息が出ていた事に気付き耳まで真っ赤にして興奮の絶頂にあった。
「猫さん可愛いのじゃ~ もっと猫グッズあるかのぅ~♪」

 その日ミミは初めてのショピングを思う存分堪能し尽くすと、すやすやと眠りながら岐路へと着いたのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
妹のテラ(f04499)と一緒にお買い物

ふぅ、何とか無事に行けたね~
それじゃ、お買い物と行きますかっ!

そだ、テラ。
あなた、男の子っぽい格好が多いから
たまには、かわいいワンピースとか着てみない?

折角の機会だから、日ごろ前線に立つ妹の服選びっ!
んー、フリルの付いたものもいいけど
パフスリーブのついている物もいいなぁ~

いろいろ持ってきて、テラを着せ替え人形状態で
いろいろ着せてみようっと

フリルは、かわいいし
パフのは、お姫様みたいだし…
レースの重ねたものは、とってもおしとやかだし…

んー、悩んじゃうなぁ…。
でも、折角かわいいんだし、フリルの一敗付いたものにしよっか♪
色は、淡いピンク系がいいかなっ♪


テラ・ウィンディア
姉のシル(f03964)と同行
いや、荷物持ちのつもりだったんだがな…あれ?

おれはあんまりこういうのは気にしてなかったからなー

今回は動きやすい服を…

(と、シルの言葉に

ってぇえええ!!?
お、おれぇ!?
(とはいえ興味が無い訳ではないので抵抗できない妹

(色々な格好でシルの言われるままポーズを取るが何というかもう何時もの炎属性付与ではなくて普通に血が上って赤くなってる

そして…ピンクのフリルのついたワンピースにふわふわの帽子が完成

…な、なんだろう…こう、は、恥ずかしいな
というかシルも着ろよぅー(真っ赤

最終的には試着した中でも可愛い系のワンピースと小物や帽子を一杯買う事になるのであった



●愉しむ姉と妹と
 アパレルショップの売り場に賑やかな声が響き渡る。
「そだ、テラ。あなた、男の子っぽい格好が多いからたまには可愛いワンピースとか
着てみない?」
「いや、おれシルの荷物持ちのつもりで付いてきただけだし、今回は動きやすい服を
…って、えぇぇぇぇ!?」
 賑やかな声の主の正体は双子のエルフ姉妹、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士
・f03964)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)達だった。
 お姉ちゃんのシルとしては日頃前線に立つ妹にも可愛い衣装を着せてみたい!とい
う素直な欲求に従ってすでに可愛いワンピースを目の前に出してきていた。
「んー、フリルの付いたものもいいけど、パフスリーブのついている物もいいなぁ~

「おれはこういうの気にしてなかったしシルの服を先にだな……」
「いいからいいから♪」
 シルのマイペースな押しの強さに根負けしたようにテラが試着室へと背中を押され
て入ってしまう。
 嫌がってるように見えてチラチラとワンピースのほうへテラの視線が泳ぎ興味が無
い訳ではないのは丸判りなのだがお姉ちゃんはそんな野暮な事は言ったりはしない。
(ほっぺを真っ赤にしちゃって可愛いーい♪)
 さっそく『一着目』に着替えて出てきたテラを見たシルがとても素直な感想を心の
中でだけ呟く。
(テラったらそんな事言ったら照れちゃって着替えてくれないしねここは我慢我慢っ
と♪)
 そんなシルの無言の微笑みにテラは余計に照れてしまい試着室のカーテンに身体を
半分隠してしまったままだ。
「…に、似合わないだろ?」
 普段の威勢の良さからは想像し辛い弱弱しい声色でテラの問いにシルは迷い無くこ
う答えたのだ。
「テラ……すっごく似合ってる!」
 テラの身体を隠していたカーテンを開けてあげ姿見のほうへとくるりと身体の方向
を変えてあげる。
 そこに写っていたのはピンクのフリルのついたワンピースにふわふわの帽子を被っ
たとても可愛いエルフの漆黒の髪の少女。
 普段とのあまりのギャップに頭に血が登っていくのが自分でもわかる気がする。
「…な、なんだろう…こう、は、恥ずかしいな」
 ついつい内股になってしまってる事に気付いていないテラも、このままでは羞恥心で爆発してしまいそうな事は理解できる。
「というかシルも着ろよぅー!!」
「うんうん わたしもテラとお揃いで着たいと思ってたところだよ♪」
 笑顔のシルがノータイムで返事した事で謀られたと気付く。このまま姉妹で色々な衣服を”シルと一緒に”試着するのだと言質を取られてしまった。
「んー、悩んじゃうなぁ…。折角可愛いんだしフリルの一杯ついたものもいいけどパフのはお姫様みたいでいいよね♪」
「おっ…おう」
 シルが次々と色々な衣装を持ち込み試着室は大賑わい。
「レースの重ねたものはとーってもお淑やかだしこれもいいね♪」
「えぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
 姉の勢いに押されっぱなしのテラだったが途中から何気にノリノリに試着したり、二人でポーズを決めてみたりしていたことはここだけの内緒話という事でひとつお願いしたい。
 
 後日、自宅に届けられたワンピースに大量の小物や帽子を開封し可愛い悲鳴があがるのだがそれはまた別のお話である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

松苗・知子
【POW】
心情:
ついにこの時が来たわね!そしてバーゲンだと思ったらオーダーメイドまで行けるのね。
ぶっちゃけこの世界の最新ファッションはあたしの生活圏(サムライエンパイアとUCDアース)だと着づらいので難しいところではあるけど……

行動:
機能性下着!高機能素材を使った機能性下着を買い漁るのよ!とくに伝線しないストッキングとかそういうやつよ!やっぱり普段使いのインナーは消耗品だからねー。このワールドのはとても良いわ。

と、一通り買い終わったら、その足でせくしーなランジェリーも見に行くわけよ。あたしのスレンダーな魅力を際立たせてくれそうな勝負用のやつよ。オーダーしたっていいのだわ!
「お願い何とかして!」




「 ついにこの時がきたわね!」
最先端の品揃えを誇るランジェリーショップを前に松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)が歓喜の声を上げていた。
バーゲンセールで安く買えるだけだと思っていた所にオーダーメイドも可能だと説明を受けたおかげでテンションがもう最高潮に達しているのだ。
「今日は予算も十分だし買い漁るわよー!」
予算が充実している上にバーゲンセールとくれば今買わずしていつ買うのかという決戦の時、店内に所狭しと陳列されている下着を次々と手に取り吟味を始めていた。
このスペースシップワールドで買うなら機能性下着! それも高機能素材が使われた物に限るのよっとばかり次々と買い物用カートに詰め込んでいく。
丈夫で履き心地の良い品物となると他世界の商品ではそうはいかないのでこのチャンスに買い溜めしておこうと考えたのだ。
「派手に暴れても電線の走らないストッキングとか最高すぎるわ♪」
既製品の下着だけでさっそく一つ目のカートを満杯にしてしまうと、いよいよここからが本番とばかり本命の店へと足を踏み入れた。
そう、他所の店で買い物をしているお子様達にはちょーっと早い”せくしー”なランジェリーのお店なのだ。
かなり際どいデザインの物から優雅な大人の魅力たっぷりの物、そしてほぼ透け透けで隠せていない物などを次々と手に取りカートへと積んでいったのだが
「あたしのスレンダーな魅力を際出させる勝負下着となるとこれでもまだ役不足なのよね」
とまだまだ過激なデザインをついつい狙ってしまう。
予算はすでにオーバーしているがここで躊躇う知子ではない。早速店員を呼ぶと念密な相談の末、それはまるで最初から知子が着るために創られたかのようなランジェリーのオーダーメイドが進められていったのだ。
「お願い何とかして!」っと無茶振りをすること数十回、後日完成品が自宅に届いたので知子はさっそく試着してみたのだがそのあまりの破壊力につい正直な感想を漏らしてしまうのだった。
「ぶっちゃけ、サムライエンパイアとUCDアースだと き…着れないかもこれ」

成功 🔵​🔵​🔴​

ピードル・ニュービー
ふっー折角ご厚意に預かってショッピングモールに来たんですから何か買っていかないと、最新のヘッドホンとか音楽プレイヤーも後掘り出し物のレコードとかもありますかなー。時間はありますからゆっくり楽器店を巡りますよ。




 年末年始を祝うBGMが流れるショッピングモールを気の向くままに悠々と歩くピードル・ニュービー(音楽好きな機械傭兵・f01112)は買ったばかりの音楽プレイヤーと奇抜なデザインのイヤホの入った紙袋を持ちながら次はどの店に行こうかと立ち止まり看板を見渡していた。
「せっかくご好意で呼んでいただけたのですし、他にも買っていかないとですね」
 他世界では買えないような物もここでなら最新モデルで買えるということもあって財布の紐もかなり緩くなっているようだ。
 特にこの時期は目の前にあるショップでもこの船で今流行のPVが流れ素敵な曲が耳へと流れ込んでくる。
 季節のイベントに合わせた曲はこの大宇宙を漂う都市型宇宙船においては貴重な娯楽なのだ。
 そんな中ショッピングモールの片隅にポツンと出店している出店に何か感じる物があったのか自然と足はその店に向いていた。
「これはなかなかROMANを感じますね」
 スペースシップワールドではもう一部の好事家ぐらいしか買う事の無いレコード盤が売られていたのだ。
 かなり以前から音楽の電子データ化が進んでしまった為にアナログなLPレコード盤の生産は早々に消えてしまい、どうにか聞こうにも再生用のダイヤモンド針も入手困難というマニア泣かせの一品…というわけだ。
 ピードルの場合は他世界も跨げばプレイヤーはどうにかなるだろうし、何より無ければ造るという手もある。
 今はこの宇宙船にそんな貴重品が持ち込まれていて出会える幸運に感謝しつつレコード盤を手に取り一枚一枚確認していくのみ。
 そうしてあえてその中から一枚を選び胸に抱くとこれが古い蓄音機で再生される姿を思い浮かべ楽しげに夢想してしまう。
「さあこの曲はボクにどんな世界観を魅せてくれるのでしょう……とても、とても楽しみです」
 帰路に着くピードルの足はとてもとても軽やかだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

西院鬼・織久
【WIZ】
【心情】
(戦闘が終わったので精神状態は正気に傾いている)
この風体ですからね。まずは身なりを整えねば
それで時間があれば買い物へ
村正さんは残るのでしょうか。彼女がいてこそ俺達も戦場に行けるのですから礼を言わねば

【行動】
主な技能:視力
村雨ベルさんの身なりを確認してから眼鏡に付けるチェーンか一見してそうと分からないデザインの帽子用クリップを売っている場所を探す
彼女の衣服から浮かない物を買って今回の礼と一緒に渡す
時間があれば自分用には服を買う
手持ちの【黒衣】は一目で戦闘用と分かるものばかりなのでセミフォーマルくらいの黒を基調にしたシンプルで品のある服と小物を探す
スリーピース+靴で揃えたい




 帝国駆逐艦バンゲン・ゼクスによる襲撃事件はようやく終わりを告げた。ピースフォレスト号に無事帰還できた猟兵達もそれぞれに巨大ショッピングモールでの買い物などを楽しんでいるようだ。
 皆それぞれに事件解決のボーナスとばかりにゆったりとした時間を過ごしていた。だがその中にあって一人未だ物々しい雰囲気のままモールを歩いている男がいる。
 一族に伝わる戦闘用衣装【黒衣】を身に纏う西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)は歩きながらショーケースに写った己の風貌を見て独り言ちた。
「この風体ですからね。まずは身なりを整えねば」
 戦闘から帰還した事で心に渦巻く狂気は鳴りを潜め、この場にいるには少し不自然すぎると思えるようになっていた。都合のいいことにここならば紳士服もすぐに手に入る。
 しばらく後、織久が黒を基調としたセミフォーマルな衣装に身を包み店から出てくると先ほどまでとはまるで別人のように周囲に溶け込んでいた。
 店員に見送られ少し歩いたアクセサリーショップの前で立ち止まると徐に通信機をオンにして相手を呼び出し始める。
 すぐに通信が繋がり画面にエルフのグリモア猟兵・村雨ベルが映し出された。
「お待たせです~西院鬼さん。何か御用ですか~? まだ時間はありますからゆっくり買い物してくださっても大丈夫ですよ~」
 時計で時間を確認しながらそう答えるとにっこりと笑う。
「いやなに、村雨さん今どちらにおいでですか? 少々時間を頂けるとありがたいのですが…」
「今ちょっと女性陣の荷物運んでますので20分ぐらい後でよければそちらに向かいますよ~」
 そう言いつつ通信機の視点を変えてくれたらしく何人かの猟兵達が手を振る姿と大量の買い物の山が映し出された。
「なるほど、それではお待ちしてますね」  
 織久は簡潔に返答をすると通信を切るとアクセサリーショップへと足を踏み入れ何かを探し店員に話しかけるのだった。

 きっかり20分後、織久のいる店の前に現れた村雨ベルに織久は買ったばかりの眼鏡用チェーンを手渡し感謝の意を告げていた。
「あなたがたがいるからこそ俺達も戦場に行けるのですから、これぐらいはお気になさずにどうぞ」
 そう言いながら渡された眼鏡チェーンは、今ベルがつけている眼鏡や衣装にとてもマッチした物で先ほど通信の際に今日の服装などもきちんとチェックしていた織久の心遣いが上手く生きた形となっていた。
「ありがとうございます。それじゃありがたく頂いておきますね!」
 大事そうに受け取ったチェーンをカバンに直すとベルは大きく頭を下げるのだった。
 そんなやり取りをしている二人がいる横を続々と増える買い物客達が通り過ぎ始めた。銀河帝国の魔の手から守りきったからこその平和と日常なのだ。


●エピローグ
時は未来、所は宇宙!
 人々が全ての全ての居住可能惑星を失ったスペースシップワールドにおいて宇宙船とは人々の暮らす最後の生息域なのである。
 そして今、大宇宙を航行する巨大宇宙船ピースフォレスト号に復活した帝国軍の魔の手は……もはや迫ってなどいなかった!!


 帝国駆逐艦バンゲン・ゼクスを討て!  (完)

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月11日


挿絵イラスト