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グッドルッキングをキメなはれや!

#キマイラフューチャー #戦後

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#キマイラフューチャー
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#戦後


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 猟兵たちの活躍により平和を取り戻したキマイラフューチャーでは、今日も今日とて住人たちが楽しい祭りを企画立案し開催するなどして、愉快な毎日を送っていた。

 『グッドルッキングフェス』

 この祭りも彼等が企画した祭りのひとつで、それぞれにあった衣装でカッコいいポーズや可愛いポーズ、ダンディなポーズやセクスィなポーズを決めて観客を魅了したり、変ポーズを披露して観客の腹筋を崩壊させたりするらしい。
 特に優勝者は決めない。この祭りは楽しんだすべての人が優勝なのだ。


「たのしそうなのー! ララもさんかしたい、なのー」
 グリモアベースに楽しそうな祭風景を映し、にゃんにゃんぴょんぴょんと大はしゃぎの佐久・ララ(ハナサカ・f17010)が、自分はこの祭りに参加できないと気が付くまでには時間はかからなかった。
 その事実を知ってしゅんとして見せるが、すぐに集まった猟兵たちにちょこんとお辞儀をして見せた。集まってくれてありがとうの意だ。
「でで、このおまつり、キマイラフューチャーのみんなも、りょうへいさんたちがさんかするの、たのしみにしてるなのー」
 なので、一張羅を着て一発決めポーズをキメて、キマイラたちを魅了するなりしてきてほしいと猟兵たちに伝えたララ。
 だがそれだけのことなら、グリモア猟兵である彼女の予知には引っ掛かからないはず――。
「でもね、おまつりのとちゅうで、なにかがいっぱいらんにゅうするよかんがする、なの」
 待ってて、今何が来るか見るから。と、ララは眉間に皺を寄せてむむむーと目を瞑り、しばらくしてカッと目を見開いてあせあせと焦りだす。
「やばいのがみえたっ! じあん、じあんなのー」
 ケットシーでも、幼女が発する『事案』という言葉。そして彼女の様子から、ガチ目のやばい奴が複数で乱入してくるのであろうと猟兵たちも察した。
 だがララの予知はその先も見通していて、
「そのじあんをたおしたら、さらにじあんがらんにゅうしてくる、なのー」
 と大慌て。
 集団で来るやつもボスも、ヤバ目のやつか。
 まさに事案と事案の夢のコラボレーション。
「このじあんをやっつけられるのは、りょうへいさんたちしかいない、なのっ」
 お願い、楽しいお祭りを守って!
 そう願ったララ。ふわりと手のひらに花の形のグリモアを浮かび上がらせると、猟兵たちを彼の世界へと誘っていった。


朝奈ひまり
 こんにちは、朝奈ひまりです。

 キマイラフューチャーで行われるお祭りに参加しつつ、乱入してくる奴をばったばったとなぎ倒したり、ちぎっては投げしてほしい系のシナリオです。

●第一章
 所謂、コスプレショーです。
 一張羅でポーズを決めて、観客たちを魅了してください。
 かっこいい可愛い、ダンディやセクシーなど、お得意のジャンルで決めるもよし、いつもとは違う自分で攻めるもよし!
 ソロ参加はもちろん、ペアやグループ参加も大歓迎です。
 挑戦する、その意気やよし! です!

 猟兵さんが事案になるような場合は、プレイング自体を採用できないかもしれません。

●第二章、第三章
 『事案』級のオブリビオンが祭りに乱入してきます。
 詳細は追ってお知らせいたします。


 第一章のプレイング受付は【6月7日8時31分】から、第二章、第三章についてはその都度お知らせいたします。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『その名はSヨン』

POW   :    直線スピードこそパワー

SPD   :    コーナーこそ魅せ場

WIZ   :    何か走ってたら色が変わったり

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●猟兵さんたち、アレを見てみろ!
「えーー!!」
 そこで猟兵たちが見た物とは――!
 コスプレをしながらSヨンと呼ばれるSサイズの四輪駆動車玩具を操縦するキマイラフューチャーの住人達。
 コースの途中には『ここで決めポーズ!』の看板と共に何やらでっかいカメラが多数設置されており、その場所を通過する際に参加者は各々ポーズを決めていく。
 あれ、コスプレで決めポーズだけ取ればいいってフェスじゃないの?
 聞いてないんだけど。と、猟兵たちがくるり振り返ると、後方支援のためスタンバっているケットシーのグリモア猟兵もポカンとした表情を浮かべている。恐らくは、そう言うことなのだろう。
 しかし猟兵たちと目が合うと、手を頭の後ろにもっていくとウインクをして舌をペロッと出して見せている。
 てへぺろ☆だ。
 可愛さで押し切れると思っているアイツに、これはどういうことかと詰めねばなるまい。
 しかし猟兵たちはあっという間にこの世界の住人に囲まれてしまった。
「猟兵さんたちだ!」
「見に来てくれたんですねー、嬉しいなぁ!」
「皆さんもこのフェスに参加してみてくださいよぉ!」
 聞くところによると、今回のレースに使用するSヨンは色や形こそさまざまあれど、モーターやエンジン、足回りのスペックは皆同じ。
 早さよりもパフォーマンス重視。
 如何に衣装に合ったマシンの上、カメラの前でグッドルッキングをキメられるかが勝負である。
 話を聞いた猟兵たち。仕方ないなとため息を吐く者、面白そうと意気込む者それぞれいるが、このフェスに乱入してくるオブリビオンを撃破するためにも、参加するほかない。

 その名も『グッドルッキングSヨンレース』。
 開☆幕、デス!
*****
 お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
 プレイングを【6月7日8時31分から】受付いたします。

 プレイングには
 車体の形や色、衣装、ポーズをキメる際のあれこれ(キレだとか心意気だとか)を記してください。
 よろしくお願いいたします。
*****
 訂正:プレイングを【6月8日8時31分から】受付いたします。

 重ね重ね失礼いたしました。
*****
 訂正:プレイングを【6月8日8時31分から】受付いたします。

 重ね重ね失礼いたしました。
*****
無明・緤
【SPD】【AD歓迎】
シンプルな黒スーツにグラサンで決め
セレブな猫ドレスのバディペットと共に参戦
グッドルッキングなガイは美女を守り引き立てるもの…
つまりな、今日はおれが脇役でお前が主役ってワケ。
絡繰人形はかさばるから観客席に置いてきた

おれはこのブラックキャット号を選ぶぜ!
クールなイケ猫モチーフのマシンだ、イカしてるだろ

レースは【操縦】の腕の見せ場
速度を落とさずコーナーを攻める
仔猫に危険が及ばないよう気を配りつつ
カメラ近くで二匹揃って可愛い猫のポーズ!

…あ、ヤベ。
気が逸れた隙に制御がきかなくなり
ちびミケを連れてクラッシュ前に退避
ブラックキャット号――!
(コーナーに顔面から突っ込み爆発するSヨン)



 『グッドルッキングSヨンレース』も第nレース目に突入していります。
 このレースから遊びに来てくれた猟兵さんたちもレースに参戦するということで、見てください、興奮と熱気に包まれた会場がさらに湧いております!

 クマのキマイラの軽快な実況は、会場のあちこちに設置されたスピーカーから流れる。
『エントリーナンバー――。ブラックキャット号。ドライバーは無明・緤選手です!』
 アナウンスで紹介された無明・緤(猫は猫でしかないのだから・f15942)は、クールなイケメン猫風のマシンから顔を出して手を上げた。
「どうだ、このマシン。イカしてるだろ?」
 彼自身もシンプルな黒いスーツとサングラス姿で、まさにクールガイそのもの。
 傍らにはセレブリティなドレスを身に纏っているミケの子猫を伴っており、その様はまさに美人セレブとSP。
「グッドルッキングなガイは美女を守り引き立てるものさ。つまりな、今日はおれが脇役でお前が主役ってワケ」
 そうちびミケに告げ、美女をガードするポーズで早速会場を沸かせる緤。
 ちなみにいつもの相棒である絡繰り人形は、湧き上がる観客席でちょこんといい子に座っていた。
「さすがに嵩張るからな」
 とは、緤の談。
 
 信号機が赤から青を点灯させると、6台横並びだったSヨンが煙と唸りをあげて一斉に走り出す。爽快に駆け抜けてゆく個性的なマシンの数々に、観客のテンションも最高潮だ。
 マシンを操縦しつつポーズスポットで華麗にポーズを決めていくキマイラたち。
 しかし緤も負けてはいない。操縦のテクニックは随一で、コーナーではノンブレーキ。マシンの後部を滑らせながらかっ飛ばしてゆく。
「ニャッハー!!」
 先を走っていたキマイラのマシンを数台捲りって思わず感嘆の声を上げる緤の目の前には、出ました『ここでキメポーズ!』。
「よし、行くぜちびミケ」
 とファンシーなカメラ指さして、二匹そろって決めるのは、ニャンっとかわいらしい招き猫ポーズ。
 だが、この招き猫ポーズがやばかった。
 片手は招きポーズ。もう片手はちびミケの肩に回っていたものだからハンドルはがら空き。看板の後ろに控えていたコーナーに間に合わず、目の前にはクッション代わりに積まれたタイヤの壁が――!
「……あ、ヤベ」
『あーッ!! ブラックキャット号コースアウト!! 壁に激突――!!』
 実況の叫びの後に会場内に轟くのは、爆発音。
 緤とちびミケは無事か? と探す観客とスタッフとテレビカメラが捉えたのは、ちびミケを抱えて宙を舞い地面に華麗に着地した緤の、グッドルッキング!!
 レースには残念ながら走行不能によりリタイアとなったが、女性を守るグッドルッキングガイにいいねの嵐が吹き荒れ捲った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

榎・うさみっち
車……コスプレ……よっしゃ、ピンときた!

選んだ衣装は引きずるようなロングサイズの学ラン
背中には「兎茶味っ稚」の文字
頭には日の丸が描かれたハチマキ
手にはバールのようなもの

更に助っ人を呼ぶぜ!
うさみっちスケブセットを取り出し
同じような衣装でリーゼントな髪型のうさみっちと
黒グラサンとマスクを装着したうさみっちを描く
それを【かみえしうさみっちクリエイション】で実体化!
ずばりテーマはヤンキー!
3人でヤンキー座りなポーズで

\俺たちワルみっち!/
\なめてるとケガするぜ!/

と決めてやるぜ!夜露死苦ゥ!
車もヤンキー仕様にデコってるんだぜ!
ゴッドペインターな腕前を活かして
無駄に上手なイラストが描かれていたりとか



 このレースでも、キマイラたちが個性的な衣装と車で駆け抜けていくが、この猟兵は発想がすごかった。
「おらおらどけどけー、誰の許可でこの道を走ってるんじゃーい!」
 ぱらりらぱらりらと鳴るヤンキー仕様のデコ車をぶいぶい言わせながら駆け抜けていくのは、榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)。ちなみにデコレーションペイントはうさみっちのお手製。
『カメラドローン、もっと寄れますか? 見てくださいあのマシンのボンネット!』
 と、寄ったドローンのカメラが映し出したのは、超絶上手い雄々しさ抜群のウサギのイラストである。
『ウサギが牙をむいています!! 実に勇ましく愛らしい!!』
 このマシンのドライバーはというと、頭には日の丸が描かれた鉢巻を巻き、片手運転の空いたほうの手でバールのようなものをぶんぶんとぶん回している。
『ヤンキーです! うさみっち選手、コテッコテです! あんなコテッコテのヤンキー姿、私は図鑑でしか見たことがありません!』
 驚愕する実況が、ん? と唸る。
 風になびくロングの学ランの背に何やら刺繍が施されていたのを見つけたのだ。
『ん、なんて書いてあるのでしょうか……。ドローン、寄れますか? ググッと寄って文字を映してください!』
 が、実況がドローン操縦者にお願いするも相手はフェアリー。どんなに寄っても文字が小さすぎて見えない。それどころかこれ以上寄りすぎるとプロペラの風圧で吹っ飛ばしてしまう恐れがある。
「『兎茶味っ稚』って書いてあんだよ、マクロレンズ使えよなー」
 ジト目をさらにジットリ目にして不満を垂れたうさみっち。彼の目が捉えたのは、はるか前方の『ここでキメて!』と書かれたっ可愛い看板とファンシーなデカカメラ。
「あそこでキメればいいんだな」
 よーし。 とうさみっちが傍らから取り出したのは、うさみっち愛用のスケッチブックと色鉛筆。
『おーっと、うさみっち選手。空いてる足でハンドルを固定しつつスケッチブックに何かを描き始めましたー! これはスゴ技だー!』
「スゴ技なのはドライビングテクニックだけじゃなーい! この神絵師うさみっち先生のエモい作品、その目に焼き付けろー!!」
 と、広げたスケッチブックから飛び出してきたのは、リーゼントうさみっちと黒グラサンとマスクを装着したうさみっち。
 二人はぶいぶい加速するSヨンの後部座席で仁王立ち。本物のうさみっちはバールのようなものをアクセル部分に押し込むと彼らと並んで、よいしょとしゃがみこんだ。
「「「俺たち悪みっち! なめてるとけがするぜ! そこんとこ、夜露死苦ゥ!」」」
『見てください! 足の裏をぴったり地面につけてガバッと膝を広げて座っております! このポーズは、まさに――!!』
 古のヤンキー座りだーー!!
 きゃー、可愛いー!!
 珍しいものを見たとばかりに沸き立つギャラリーを背に。
 悪みっちたちのジト目メンチ切りはファンシーカメラにたくさんすっぱ抜かれたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

香神乃・饗
仮装祭りっすか!面白そうっす!(誤魔化す佐久さんに気づかずきらきら目を輝かせる)

こんなのどうっすか?
丸いもっふもふの白い鳥の着ぐるみに身を包んで白い丸い卵みたいなSヨンに乗るっす
糸で鳥の形のぬいぐるみを沢山引き連れたら兄弟鳥の行進みたいになるっすかね?
キメポーズゾーンに入ったら翼を広げてばっさばっさ
羽ばたくエナガチャンポーズをキメるっす!
運転はやったこと無いっすからよく解らないっす!
変な方向に進んだり回転してるかもしれないっすけど、それはそれ、きっと面白アクシデントになるっす!楽しいをたーっぷり伝えるっす!



『ぎゅんぎゅんと音を立てて駆けていくSヨンですけど、このマシンはとても愛らしい!』
 ご覧ください皆さん! と実況の声に合わせてカメラが追ったのは真っ白な卵型のマシン。後ろには、マシンより一回りも二回りも小さい卵型の荷車が何個も連なっていて、その中にはもっふもふのシマエナガぬいぐるみがちょこんとお行儀よく乗っている。
 この愛らしいマシンの操縦者は香神乃・饗(東風・f00169)。
 彼自身も丸っこくてもっふもふの着ぐるみに身を包んでいて、なんだか彼の周りだけ可愛いが過ぎている。
 実は饗、これが初めての『運転』。なので、コースアウトして芝を転げてしまったり、転げた拍子にマシンの方向がさかさまになってしまって、いざコースに戻って走らせたら逆走になったり。
「んんー、なかなか難しいっす……。車にしてもバイクにしても、運転できる人マジすごいっす」
 ふぅっと息をついて、手……というか翼で額の汗をぬぐった彼の表情は笑顔。そんな彼の楽しんでいる姿は伝染し、会場中も笑顔であふれている。
「でも、これはこれでなかなか面白くて楽しいっす! みんなー、ちゃんと付いてきてるっすかー?」
 それでも何とか元のコースに戻り、くるりと振り返りマシンの後ろの荷車を確認する。弟たちはみな無事のようだ。
「じゃぁ、あの撮影スポットまでアクセルベタ踏みっすー!!」
 と加速しながらクラクションを押すと、チーチーと愛らしい鳥の声がコースに響いた。
 何あれ。シマエナガの兄弟……マジで可愛い……!
 クラクションの音、シマエナガの鳴き声かよ……!
 会場内がほんわかとした空気に包まれる中、撮影スポットのデカカメラが卵型のマシンを捕らえた。
「ここでキメるっす!!」
 と、翼をばっさばっさ広げた饗の『羽ばたくエナガチャンポーズ』が決まった。
『あざとい!! よたよた走りもドジっ子逆走も、それについていく兄弟たちも……すべてにおいてあざといですエナガチャン!!』
 饗に吹き荒れたいいねの嵐。それは『あざといいね』だったことは言うまでもないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御堂・茜
事案はここですか!?
正義の使者御堂ですッ!
その『ぐっどるっきんぐ・えすよんれぇす』
とやらで悪を成敗すれば良いのですねッ!
(あかねは はなしを きいてない!)

武士は自らの生き様を鎧兜にしたため
志半ばで散ろうとも恥じる事なきよう
着飾り出陣したと申します
わたくしの生き様、それは正義!

マシンを鎧武者に見立て
正義のレッド、赤備え風の装飾を
ヘッドには無論『義』の一文字の前立て!

更に正義にはカワイイも肝要にございます
『正義』の花言葉を持つ竜胆の髪飾りと
紫の着物で淑やかに着飾り
武家の娘として恥じることなき出で立ちを
いざ出陣です!

ジャスティスッ!(特撮っぽいポーズ

【気合い】で背景を爆発させ
悪を圧倒致しましょう!



「事案はここですか!?」
「じ、事案?」
 何やら物騒気な事案級な発言にぎょっとする同レース出場者をよそに――。
『エントリーナンバー、――。御堂・茜選手』
 のコールに、
「正義の使者、御堂ですッ! 今馳せ参じましたッ!」
 と、キラキラした笑顔とともにきりっと敬礼してみせたのは、御堂・茜(ジャスティスモンスター・f05315)。
 『正義』の花言葉を持つ青紫色の竜胆を髪に、それに合わせた淑やかな紫の着物は可愛らしい中にも気品を感じさせる。
 さすがは武家の姫君である。装いはどこに出しての恥かしくはない。
 古風はいつの時代も何処の世界でもエモである。観客たち――特に女性は茜の凛とした立ち姿に釘付けだ。
 だけど彼女のマシンがやばかった。
 重厚な装飾が施されたそのマシンは鎧武者の如き――いや、鎧武者だ。
 何を言っているのかわからねぇかもしれないが、あのマシン変形したら鎧武者ロボットになりそう……!
 カラーリングは正義のレッド――赤備え。そして、日の光を浴びてキラリと輝くヘッドマークは、無論『義』の字。
 説明しよう! ゴツくて赤いヤツは強くて三倍速いと、相場はきまっているのだ!!
 そんな茜のマシンは、会場ににいる今現在の男の子から古に男の子だっだもの達を虜にしていた。
 そんな彼女の目的はいたってシンプル。
「この『ぐっどるっきんぐ・えすよんれぇす』とやらで悪を成敗すれば良いのですねッ!」
『え、ちょっと待ってください、このレースには悪も成敗する相手も存在しません!』
 思わず突っ込みを入れる実況。だけど茜は手を胸に当て静かに首を横に振り。
「武士は自らの生き様を鎧兜にしたため、志半ばで散ろうとも恥じる事なきよう着飾り出陣したと申します。わたくしの生き様、それは正義ッ! いざ、出陣いたしますッ!」
 と、ドライバーシートに腰を下ろし、この一本道の先のまだ見ぬ敵を見据えて瞳をきらっきらさせていた。
 あかねは はなしを きいていない!
 ……のであった。
 
 このレースでは、茜のマシンが常に先頭を走り、他の参加者のマシンがその後を追う。
 それまさに、将軍が軍を率いて進軍する如き走り。
 やはり、あの赤い奴は三倍速い!
 しかも、そのマシンがポーズスポットに走り込んで、
「悪を圧倒致しましょう! ジャスティスッ!」
 と、茜が特撮っぽいカッコイイポーズをキメるたび、何らかの作用でコース脇でどっかんどっかんと炎を伴う爆発が起きるという。
 そんなまさかの事態に、キマイラフューチャーの住人たちが盛り上がらないはずがなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木元・祭莉
アンちゃん(f15656)のコーチ兼任!(むん)

一張羅?(これ以外思い付かないって顔)
向日葵着ぐるみ&向日葵カー(命名:さんふらわあ号)で発進っ!

アンちゃんの丸っこいフォルム。
父ちゃんのペンギン着ぐるみ思い出すなあ。
(リーチの足りなさ加減)
いつもは機能性重視なのに。エモさ体験で、何かに目覚めた?
(ニコニコな兄ちゃん♪)

向日葵って、ライオンに似てるでしょ?
(コックピット周りが鬣花輪みたいに)
逆風を受けて、はためく花弁!
エネルギーをぎゅんぎゅんアピール!(よたよた)

あ、カメラだ! UC起動!

さんふらわあ号に降り注ぐ花弁と、天に突き上げた拳!
(JC参照)
どーだ、これがおいらの走りだーっ!!


木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)とペア

わたしの車体は丸い杏の実型に、
ホイールを紫の桜花の形でデコって
服装は丸い杏の実の着ぐるみに、
大きな大きな紫の桜花の髪止めつけて

…………まつりん、ハンドル持てない
(うんうん頑張ってみる

コツを教わりなんとか運転オッケー
着ぐるみ、奥が深い(兄にそんけーのまなざし
だって、機能性よりあんず大事……

ん、わたしコーナー得意(ぶおんっとハンドル回し
コーナーの勢いでくるんっとジャンプで宙を舞い
ハンドルはうさみみメイドさん、お願い(巧みに操り)
そのまま華麗に運転席に着地……
(慣れない着ぐるみでべちっとコケる
………………(真っ赤

気を取り直して決めポーズ
てへぺろ☆(ララの真似



 祭莉にとって、
「一張羅?」
 とは、向日葵の着ぐるみである。
 これしか思いつかなかった。という顔で祭莉が首を傾げれば、顔の周りに開いた黄色い花びらも一緒に揺れる。
 そんな祭莉のマシンも、向日葵の花モチーフにした可愛らしいものだ。
 一方の杏のマシンはころんと丸いアンズの形。タイヤのホイールもデコっちゃえと紫の桜柄にしてみた。
 衣装もマシンと同じコンセプト。紫の桜を漆黒の髪に飾り、着ぐるみはぷっくりとしたアンズの実。
 だけどさっきから、ドライバーシートに座りうんうんうなっていた。
「どうしたのアンちゃん」
 祭莉の問いに、杏はまるっとした着ぐるみからかろうじて出ている腕を前に伸ばす。がしかし、前方のハンドルを持つまでに着ぐるみのお腹がぽよんとハンドルに当たる。
「……どうしようまつりん、ハンドル持てない」
 それでもこれを掴まないことにはマシンの操縦ができない。うんうん唸りあがら必死に手を伸ばす杏の姿が彼の人とかぶって、祭莉は思わず笑ってしまった。
「アンちゃんのその丸っこいフォルム、父ちゃんのペンギンの着ぐるみを思い出すなぁ」
 リーチの足りなさ加減が。と祭莉はアンズ着ぐるみのお腹を引っ込めたりして、やっとこさ杏にハンドルを持たせてやる。ついでに着ぐるみでの運転のコツも伝授。
「まつりんありがと。着ぐるみ、奥が深い」
 と、華麗に着ぐるみを着こなしてしまう兄に尊敬のまなざしを向ける杏。
 そんな妹に祭莉は笑顔で答えたが、
「あれ、いつもは機能性重視なのに。エモさ体験で何かに目覚めた?」
 と逆に問う。
 彼女の着ぐるみ姿――しかもこんな機能性がガタ落ちチョイスは滅多にないからだ。
 すると杏は真剣な表情で告げる。
「だって、機能性よりあんず大事……」
 出発前の双子のやり取りを、会場中のスタッフや観客たちはほほえましく見守っていた。
 ヒマワリとアンズの兄妹、エモ可愛い……!

 アンズとヒマワリ。
 早かったのはアンズの方。
 コーナーの向こうに設置された『ここでキメる!』看板を確認して。
「ん、わたしコーナー得意。うさみみメイドさん、よろしくね」
 と杏がぶおんとハンドルを回すと、後ろに控えていたウサミミメイド人形がハンドルを固定する。
 それと同時に杏はびょんとジャンプしてくるんと宙を舞う。
『おぉっとアンズが跳ねました!! 上手く着地できるのかーーっ!!』
 実況の心配をよそに杏は華麗に着地を決めるかに見えたが、やはり慣れない着ぐるみではいつもと勝手が違った。ぺちっとこけながら運転席へと落下してしまう。
「……」
 ひょっこり顔を出した杏の頬は恥ずかしさで真っ赤だったが、ファンシーカメラに向かい舌を出してぱちんとウインクをして見せた。
「……てへぺろ☆」
 一方のヒマワリ――さんふらわー号、風を受けて走ると運転席回りの花輪がライオンの鬣のようにパタパタとはためいた。
「お日様の力も借りてエネルギーをぎゅんぎゅんアピール!」
 と、元気よく運転の祭莉。だけどヨタヨタ。
『抵抗があるのかもしれませんねぇ』
 解説の分析など何のその。マイペースに進んでいくと、
「あ、カメラだ!」
 と祭莉目の前に能われたのは、『ここでキメっ!』とか書かれた看板と、何やらポップなカメラ。
「よーし、集い花 咲き誇りて 憩う庭 想い溢れ♪」
 歌いながら踊るのは、母直伝のヒマワリダンス。
 すると、何処からともなく現れた糸括桜の花びらがひらひらと舞い降り、祭莉は勇ましく元気に天に拳を突き上げた。
「どーだ、これがおいらの走りだーっ!!」
 元気可愛いヒマワリとあざと可愛いアンズが会場に可愛い旋風を巻き起こしていたのは、もはや言うまでもないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高柳・零
POW

予定外の事が起きると大変ですね。お察し致します。
これぐらいで自分はめげませんよ!

Sヨンはオリーブドラブの特二式内火艇型。
コスプレはセーラー服に水兵帽の水兵さんスタイルで(当然ズボンです!)
「水陸両用車の魅力を存分にお見せします!え?Sヨンにそんな機能は無い?気にしません!」

カメラの前では敬礼や指差し確認のポーズを決めます。
「こういうのは男子の憧れですよね」

レースはオーソドックスに進めますが、妨害して来る相手がいたら容赦しません。
盾受けと無敵城塞でガードし、鎧砕き付きの衝撃波で反撃します。
「ほう、戦車にケンカを売るとはいい度胸です」
自分からは仕掛けないので、ここは描写無しでもいいです。



「予定外の事が起きると大変ですね。お察し致します。ですがこれくらいで自分はめげませんよ!」
 臨機応変に行きましょう! とセーラー服に水兵帽子の高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)が乗り込んだマシンは、オリーブドラブカラーの特二式内火艇型。
『高柳選手のマシンは――これまた古風な形です!』
 古の水陸両用戦車なんてインターネットで見たことあるだけの実況や観客からはどよめきの声が上がると、零はエンジンを起動させ、
「水陸両用車の魅力を存分にお見せします!」
 と意気込んで見せた。
 Sヨンにそんな機能はありませんよ。
 どこからかそんなツッコミも飛んできたが、零は顔のモニターに凛々しげな顔文字を表示させる。
「そんなことは気にしません!」

 レースは序盤から波乱の展開。
 なんと最終に近いレースだからと水や洗えば落ちるタイプのインク弾やらがどっかんどっかんと乱れ飛び、各マシンがやたらカラフルに染まってゆく。
 零のマシンも例外ではない。足回りはゴム製の履帯故に進みがゆっくりであるため、ばっしゃんばっしゃんと濡れていった。
『なんということでしょう、ここにきて妨害弾が炸裂しまくりです!』
「……ほう、戦車にケンカを売るとはいい度胸です」
 実況のアナウンスとともに、表示させた表情に勝気さを滲ませた零。
 しかし相手は競争相手ではなく運営側。反撃したりしたらさすがにマズいことになりそうだなと、ぐっと堪えてやめておくことにする。
「ならばこの水を利用するまでですよ」
 と、キメスポットまでの間を水を跳ねながら進むマシンは、さながら海の中を進む艇。そしてキメスポットに入り込むや否や、零がキメたのは、水兵ならではの指差しや敬礼の数々。
 これには観客も血沸き肉躍ったらしく、
 カッケェ!!
 レトロエモい!!
 と、野太い歓声が沸き上がる。
「ですよね。こういうのは男子の憧れですよね」
 ハンドルを握りながらつぶやいた零の表情は、いつの間にかご満悦のニコニコの笑顔であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『フロガステリ家の召使い』

POW   :    「おかえりなさいませ!ご主人さ、あっ···」
【メイドがすっ転ぶと、怒った執事の頭部が羊】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    「おかえり、坊ちゃん。」「おかえりなさいませ!」
【可愛く声援を送ってくれる銀髪の少年】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    「フロガステリ嬢の御心のままに。」
【お盆の上】から【男はメイド服、女は執事服になるミートパイ】を放ち、【どうしてこうなったのかという疑問】により対象の動きを一時的に封じる。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 レースを終えてた猟兵たちは、ピット場の片隅に用意されたキマイラフューチャーのエモくて映えるケータリングのお料理に舌鼓を打っていた。
 腹が減っては戦はできぬから、この後何処からともなく現れる得体のしれない『事案』に備える。
 漫画肉だったり、フルーツサンドだったり厚切りステーキだったり。
 なんだかエモいフードを食べたり写真撮ったりタピったりしている猟兵たち。
 だが、彼らが待ち構える『事案』はとんでもないところでスタンバっていた。
『エントリーナンバー――、フロガステリ家のメイド選手、執事選手』
 と、次のレースに出走する選手の名がコールされたのとに、強烈な違和を覚える。
 ん? なんかそんな名前のオブリビオン居たな。
 ピット場の壁に設置された大型モニタを見る猟兵たちは、その姿を画面に見、また、
「えーー!!」
 と声を上げたのだった。
 そこで猟兵たちが見たものとは――!!

「なぜメイド服やバトラー服を着たレーサーがいないのでしょう……!」
「どうしてティーカップ型やポット型のマシンが出走していないんだ……!」
 と、芝居がかった身振り手振りで悲しみを露わにするメイドと執事の姿。
 その場所はなんと、コースのスタート地点。
「それに、あら、猟兵のにおいがするわ」
「そういえば奴らも出場して、いいねされてたな」
 だったが、すぐにキッとカメラ目線になり。
「ならば、私がメイド姿で!」
「俺がバトラー衣装で!
「「グッドルッキングをキメればいい!」」
「そしてこのレースに参加しているレーサーと」
「観客を」
「「メイドと執事にしてしまえ!」」
 と現れた彼らは4ペア8人。手にはそれぞれメイド服と執事服が広げられ、風になびいている。
 そんな彼らのイケてる姿に、会場中の観客はエモいエモいの大合唱。
 
 猟兵たちは思わず後方支援中のあのグリモア猟兵を見る。
 お前の予知に引っかかった事案はこいつらか?
 だけどあの子猫はまたてへぺろっとして見せている。もう予知どおりなのか違うのかすらもわからない。
 だけど確実にわかることは一つ。
 この会場に現れた、このバトラーとメイドを全員倒さねばならないということ。
 幸いにして彼らは会場内の一般人に危害を加える可能性低そうではあるが、このまま野放しにしておくわけにはいかない。かといって、観客がたくさんいる中でコース内を戦場にするわけにはいかない。
 どうにか穏便にフロガステリ家の召使いを退場させる手立てはないものか。
 うんうん唸る猟兵たちに、あのグリモア猟兵がちょこんと手を上げた。
「こういうたたかいかたは、どう、なの?」

*****
 猟兵の皆様にはもう一レース走っていただき、フロガステリ家の召使いと戦いつつ、彼らのグッドルッキングを邪魔していただきます。

 皆様の衣装やマシンは先のレースで使用したものでも大丈夫ですし、この章からご参加をお考えの方はお好きな衣装とマシンでどうぞ。
 ただ、メイド服や執事衣装、ティーカップやポット型マシンなど、メイドや執事に関する衣装やマシンご参加の場合は即戦闘が終わってしまう可能性がありますので、会場内を盛り上げる手立ても講じていただけると幸いです。

 面白おかしく戦って召使たちのグッドルッキングの邪魔をするのか、彼らの『メイドや執事を増やす』という意思を汲んで速攻消し去ってやるのか。
 選択は各々にゆだねます。

 プレイング受付開始は【6月19日AM8時31分】になります。
 よろしくお願いいたします
*****
高柳・零
POW

おお、あれは伝説のリア充の乗り物コーヒーカップ!え?ティーカップですか?似たようなものですよね。
RB団が居たら全力で爆破しそうですね。

「ちょっと!カップが真っ直ぐ走ってどうするんですか?それはこう動くのが正しいんですよ」と言いながら、カップの縁を掴むと全力で回します!
(零はそれが正しいと思っているので100%善意でやってます)
カップ型の車両にはもれなく行います。

回るとメイドさんが転ぶでしょうから、羊から来る攻撃をティーポット型のマシンを盾にして受けます。
自分の車両はオーラで、本体はUCでしっかりガードします。
「興奮するしてはいけませんよ。そういう時はメイドさんを優しく起こしてあげないと」



 同じ容姿の人間――正確にはオブリビオンなのだが、人間が4人ずつ計8人。
 ドッペルゲンガーだ! ってならないのがこの世界の住人で、会場内はメイドと執事の双子が四組エモいイイね萌えるの大合唱。
 おまけに可愛らしいカップ型やらポット型やらのSヨンがすいすい走ってる様は愛らしさの宝庫で、さらに観客のハートをずっきゅんと射る。
「おぉ、あれは伝説のリア充の乗り物コーヒーカップ!」
 感嘆の声を上げた零に何処からかツッコミが入る。
「ティーカップですか? 似たようなものですよね」
 コーヒーカップとティーカップでは、厚みとか飲み口の広さとか中の絵柄の有無とかいろいろ違うようだが、あのマシンに二人乗りしたら、血縁だろうが赤の他人だろうがリア充は爆破する団がいたら全力で爆破しにかかる代物であろう。
 そんなことはさておいて。
 今はあのメイドと執事を止めなければ、観客がメイドと執事にされてしまう。そうしたらどんな恐ろしい厄災が降りかかることか……!
 零はマシンに乗り込んで颯爽とコース内に飛び出した。
『おぉっと、メイドと執事が乗り込んだティーカップを特二式内火艇型が追っている! ドライバーはもちろん、零選手だー!!』
 実況のアナウンスが軽快に零を紹介すると、観客の視線は零が乗り込んだ特二式内火艇型マシンに向けられる。
 戦車がカップを追いかけている。なんてエモだ。
 零のマシンはあっという間に最後尾のカップとポットに追いついた。
「決めポーズポイントだ! あそこでしっかりキメるぞ!」
「えぇ、任せて頂戴!」
 キメポイント看板を見つけて意気込んだ執事とメイドをファンシーデカカメラが捕らえた――。
 が、カップの縁をむんずとつかんだ者がいた。
「ちょっと! カップが真っ直ぐ走ってどうするんですか? それはこう動くのが正しいんですよ」
 零だ。
 零は掴んだカップの縁を全力で引くと、カップはくるくると回りだす。
 その様はまさにリア充の乗り物コーヒーカップ。
 やはりカップはこう動くべきです! 正しいことをしました! とドヤ顔の零。
 そんな彼にカップを回されて、あろうことかカップの中でメイドが転んでしまう。
 それをカメラですっぱ抜かれたものだから、会場中が笑いの渦に。
 しかし一人だけ笑っていない人物がいた
 ポット型マシンに乗っていた執事だ。
「……任せろと大口をたたいたのは、どの口だ!! メイド執事化計画が台無しになってしまうだろうがっ!!」
 わなわなと拳を震わせるその顔は怒りにゆがみ、見る見るうちに頭部を羊の姿に変えて、自らのマシンを放棄して零に攻撃を仕掛けてきたのだ。
 零は思わず自分のマシンを放棄されたティーポット型のマシンに寄せた。するとひつ……執事の攻撃は一撃でポット型マシンを粉砕する。
 粉々に砕けるハリボテの向こうで零は自分のマシンが壊されないようにオーラで防御しつつ、自身の体を無敵城塞で超防御モードに変える。
 だがこの技、自身は全く動けないという弱点もあり……。
 アクセルを踏んだまま動かない零のマシンはどんどん先に進み、それをマシンを放棄したひつ……執事が追いかける。
 超攻撃力と超耐久性VS超防御力の熾烈で不毛な戦いがコース内で勃発した瞬間であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

木元・杏
まつりん(祭莉(f16554))と

引き続きあんずで
ん、まつりん(こくり
(息を揃えて
わたし達の
メイド姿は
お安くなくってよ!
(おとうさん仕込みの宣戦布告
ね、うさみみメイドさ…

……(メイドさんにカエル着ぐるみ被せ)
ね、カエルさん

一度走ったコース
今度は着地もぴしっと決め
かっこよさでアピールする

ん、まつりん仕掛ける?
サポートしようとぎゅいんとカーブでインを取っ……
あ。
(うっかり遠心力に振られ飛ぶあんず)
(マシンは咄嗟に透明のカエルさんに任せるけど
メイドも巻き添えて一緒にコケる

………………(真っ赤

!まつりん
即座にオーラを飛ばしオーラ防御
メイドにはカエルさん行って?
まつりんメイド分のお支払してもらう(物理)


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)とー。

マシンは引き続き、さんふらわあ号。
衣装もヒマワりんだよ♪(ん? 花弁の裏に白いふわふわ?)

「お安くなくってよー♪」(声を揃えて)
うさみん☆じゃないよ、カエルさんだよー。ねっ♪

さあ、今回の目玉!(片肌脱ぎで召使sを見)
これがおいらの……あ、アンちゃんー!(ぽて)

ま、まあ作戦通り、かな☆
カメラの前で。

『これがおいらの真の姿!』

着ぐるみを脱ぎ捨て、膝上13cmのキュートなメイド姿に!

ダンシング・キュアでアンちゃん回復!
飛んできたミートパイは、羊執事に投げ返す!
きゃー☆(ダメージ軽微♪)
アナタもメイドにし・て・あ・げ・るー♪

あ、避けちゃダメー♪
(観客席にミートパイ!?)



 メイドと執事。
 それだけでエモをかき乱される人種は少なくはない。
 しかも彼らは、この会場中の人々を自分たちの虜にして、メイドと執事を増やすとまで宣言している。
 なぜなら彼らはオブリビオン。
 これはある意味、ゆゆしき問題だ。
 祭莉と杏はヒマワリとアンズのマシンに乗り込んで、すぐさまコースへと進み出る。
『おぉーっと、さんふらわー号とアンズのマシンも、メイドと執事の独壇場に参戦していきます!!』
 実況のアナウンスを追い風に、最初のキメポーススポットへと突撃してゆく。
 ファンシーなデカカメラが二人を捕らえると、ヒマワリの花びらと花びらの後ろにしろいふわふわっとしたものをなびかせる祭莉は、杏と目を合わせ。
「アンちゃん」
「ん、まつりん」
 コロンとしたアンズの着ぐるみ姿の杏も、祭莉の呼びかけにこくんと頷いた。
「「わたし達のメイド姿は」」
「お安くなくってよー♪」
「お安くなくってよ!」
 ヒマワリとアンズ、息ぴったり。それは父仕込みの宣戦布告。
『これは!! メイド服は絶対着ない着せない許さないという強い意志を感じます!!』
 実況も盛り上げる中、メイドと執事は、
「ちっ、猪口才な」
 とか呟いているのが中継カメラにすっぱ抜かれる。
「ね、うさみみメイドさ……」
 とアンズに同乗している人形にも同意を求めた杏は、はっと息を呑んだ。
 この子、メイド姿だ……!
 着ない着せない!なのに……!
 杏は咄嗟にウサミミメイドにカエルの着ぐるみをかぶせる。これで彼女は可愛いカエルさんである。
「……ね、カエルさん」
「そそ。うさみん☆じゃないよ、カエルさんだよー。ねっ♪」
 祭莉もすかさずフォロー。
 微妙にうさみみとフリルカチューシャが飛び出してはいるが、このくらいは大丈夫であろう。

 一度走ったコース。
 どこにキメスポットがあるのか、カーブやストレートがあるのかは把握済み。
 アンズ型マシンは颯爽とティーカップを追いかけるが、先ほどと同じ轍は踏まない。
 キメスポットのカメラが自分を捕らえたのを確認すると、マシンの上でくるんと跳ねた。
『おぉっと、アンズが跳ねました! 今度は上手く着地できるのか――できました! アンズ、着地成功です!!』
 実況のアナウンスに会場がうおぉーと沸く。さっきはぺちんと着地失敗していたアンズが……! アンズが!!
 あんなにかっこよくなって!!
 アンズカッコイイネ!!
 イイネアンズ!!
 歓声は杏の耳にも届いているだろう。しかし、あのメイドと執事を追うことにまず集中。
 アンズとヒマワリはぎゅんぎゅん加速し、ついにティーカップとポットの後に追いついた。
 メイドと執事はちらと祭莉と杏を見やる。
「追手が来たわよ! どうするの?」
「ふん、グッドルッキングを邪魔されなければこっちのものさ」
 この会話が聞こえるくらい、ヒマワリとアンズはティーカップとポットに近づいていた。
「ん、まつりん仕掛ける?」
「うん、ここでいっちゃお!」
 杏が尋ねると祭莉もうんと頷く。
 今仕掛けないでいつ仕掛けるのさ。
 今こそ双子のコンビネーションを見せつける時である!!
「さあ、今回の目玉!」
 口上を打った祭莉が緑色の着ぐるみから片肌を脱いで、ティーポットから頭をのぞかせる執事を見据えた。
 同時に杏が祭莉をサポートするため、インコーナーをぎゅいんと攻め入ろうとしたその時。
「あっ」
「これがおいらの――アンちゃーん!!」
 祭莉の呼びかけむなしく、遠心力で外へ飛ばされる杏。
 飛ばされながらも十指の糸でウサミミメイドガエルを操ってはみるけど、杏はそのままこともあろうに手でハートを作ってもえもえきゅんな決めポーズを取ろうとしていたメイドのカップにインしてしまった。
「わ、きゃぁ!!」
 派手に転げるメイドとカップの中でもだもだ起き上がれずに顔を真っ赤にしている杏。
 決めポーズカメラにすっぱ抜かれたのは、カップの中にぷっかりうかぶアンズ。
 さながらそれは、アプリコットティー、イン、メイド。
 相方の無様な姿を終始凝視していたのは執事。己も決めポーズをキメるのを忘れるほどだ。
「ま、まあ作戦通り、かな☆ ――これがおいらの真の姿」
 と改めて口上を打った祭莉が、カメラに写り込む一瞬でヒマワリの着ぐるみを脱ぎ捨てた。
『おぉーっと、ヒマワリの中から現れたのは――メイドだーー!』
 実況の言う通り、祭莉はヒマワリからメイドへと華々しい変身を遂げていた。
 ヒマワリの被りモノの後ろに見えていたのは、メイドカチューシャのフリル。
 ふりっふりのスカートは膝上13センチ。決してお安くない絶対領域に、会場内の特にその手の人たちはイイネいいねの大合唱。
「アナタもメイドにし・て・あ・げ・るー♪」
 と、ひまわりダンス――いやメイドダンスで転げた杏の傷を回復しようと祭莉が動いた。その時――。
「メイドだわ……」
「メイドだ……」
 祭莉のメイド姿をほうっと見つめるカップの中のメイドと、あと少しで理性を飛ばして羊に化けそうであった執事が小さくつぶやいた。
「こうしてまたメイドが増えたわ……私、うれ……」
「執事服も着てく……」
 メイドと執事が最後まで言葉をつぶやくことはなかった。祭莉のメイド姿に満足した彼らは、ブルースターの花びらとなって消えていったのだ。
 その散り際にぽかんとする双子の頭上にも、空色の花びらがたくさん舞い降りていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御堂・茜
【AD歓迎】
まああ…!
良い子のお子様も見においでだというのに
小さな子に不埒なめいど服を着せようなどと!
事案!!事案です!!

おいでなさい皆様!【風林火山】!
この御堂自らがめいどとなり
皆様を事案からお守り致しますわ!
召喚した女中達の手を借りた【早着替え】と【変装】で
たちまち雅な和風めいどに変身し場を沸かせましょう!

団結力でなら我らも負けませんとも!
召使い達がポーズを決める際には
家臣達が素早く乱入し粗相を失礼致します
紅茶も良きものにございますが
緑茶もいかがですか?
ああっ、手が滑りましたわ!

敵に熱々の緑茶をかけ行動不能にし
その間に割り込みジャスティスを決めます
さあ家臣の皆様もご一緒に!
ジャスティス!!



 このレースに参加しているレーサーと観客を、メイドと執事にしてしまえ!
「まああ……!」
 彼らの宣言を頭の中でリフレインさせて、憤りから思わず声を上げたのは茜であった。
「良い子のお子様も見においでだというのに、お子様にまで不埒なめいど服を着せようなどと……事案!!事案です!!」
 と、ピット内に置いていた赤い鎧武者型のマシンに再び乗り込むと、その勢いのままコース内へとマシンを走らせる。
 茜の淡いピンクの瞳が捉えたものは、メイドと執事がグッドルッキングをキメにかかっているまさにその瞬間。
 会場内もエモいエモいいいねいいねの嵐。
 もう、一刻の猶予もない。茜はすっと手を天高くかかげ、
「おいでなさい皆様!」
 声高らかに風林火山で呼び出したのは、御堂家の女中たち。
 女中たちは和装の茜をくるり囲むと一瞬で彼女の衣装を変えてしまった。
 ふわりとなびくのはたくさんのフリルが施された真っ白なエプロン。その中では濃い紫の袴が風をはらみ、共鳴して揺れるのは長く垂れた袖。
 纏められた茶色の髪も心なしかしっかりと結われているだろうか。
「この御堂が自らめいどとなり、皆様を事案からお守り致しますわ!」
 びしっと目の前のドローンカメラ向けて指させば、和装のメイドに会場内がさらに盛り上がる。
 クラシカルメイドと和装メイドが一気に拝めるなんて!! 生きててよかったモエモエキュン!
 そんな歓声を背に、茜は再びコースを走る。
 そしてとうとう、決めポーズスポットを目前にしたメイドと執事のしっぽを捕らえた。
「よーし、決めるわよー」
「いまだ!」
 執事がティーポットを掲げるとメイドがティーカップを手に持ち、にこやかに紅茶を注ぐポーズをとった。これがファンシーデカカメラに収められればかなりのエモだ。
 だがしかし、彼らの前に割って入る御堂家の家臣たち。
 メイドと執事はぐらりと体勢を崩しポーズどころではなくなってしまった。今から立て直してもカメラに収まるのは至難であろう。
「あぁっ!」
「なんだこの者たちは!!」
 せっかくのチャンスをつぶされて苛立ちを隠せないメイドと執事のマシンに並走するのは三倍速い赤い奴。
「あら、家臣たちが失礼をいたしました」
 茜は美しい所作で頭を下げて微笑んだ。
 彼女の手には盆。盆の上にはどんと構えた湯呑。湯呑の中にはいかにももあつーい緑茶が、大きな波を立てていた。
「紅茶もよきものにございますが、緑茶もいかがですか――あぁ、手が滑りましたわ」
 これはもう、お約束である。
 ばっしゃぁと降りかかるアツアツのお茶に執事もメイドもびっくり仰天の悲鳴が上がり、動揺からかマシンの操縦を誤ってくるくるとスピンをし始める
 その隙にメイドと執事のマシンの先に出た赤い兜武者。ヘッドの義の字もギラリと輝く。
「さぁ家臣の皆様もご一緒に、あのカメラに決めましょう!」
 家臣や女中を周りにあつめ、茜が指さす先にはファンシーなデカカメラ。
「せぇの――」
 ジャスティス!!
 キメポースを決めた茜と御堂家に仕える皆様の後ろで爆発したのは、火柱ではない。
 ブルースターの花びらのシャワーであった。
 アツくてエモい、そして萌えた観客たちは一斉に歓喜の声を上げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

香神乃・饗
お散歩中のエナガチャンがお通りっす!お邪魔するっす!
兄弟を連れてSヨンで1章と同じ仮装姿で参戦
運転がおぼつかないふりのフェイントで地形を利用して敵の周囲をすり抜けるようにしたり、轢いたりして邪魔をするっす!

香神写しで武器を増やし
見た目の愛らしさをフェイントに鋭い攻撃で暗殺を狙うっす
兄弟にも被害が出ないように気をつけて戦うっす
剛糸できゅっと締めて敵を盾にして身を護るっす

男がメイド服を着るんっすか?
似合う訳ないじゃないっすか!俺はこのエナガチャンが良いんっす!
この完璧な可愛いフォルムにかなうものは無いっす!エナガチャンヒップふりふり



 猟兵たちの活躍により、召使いたちもあと一組。
「どうしましょう、仲間たちが次々やられていくわ……」
 ハンカチをギリィとやりながらそれでも前を見据えてハンドルを握るメイド。執事の表情にも焦りの色が滲んでいた。
「……せめて俺たちだけでも全力を尽くそう!」
 そんな彼らのマシンの隙間を、おぼつかない運転でねじ込んできたSヨンがいた。
「はいはい。お散歩中のエナガチャンがお通りっす! お邪魔するっす!」
 エナガチャン――饗である。
 彼のマシンと仮装は先のレースと同じ。雑な運転でメイドと執事のマシンに割って入ったり、幅寄せしたり、鳴き声クラクションを鳴らしたり。
 これはこれでとても可愛いじゃないか……! と、会場中が召いとエナガちゃんの戦いを、かたずをのんで見守り始める。
「なんなのこの鳥! 煽られたって動画サイトにアップしてやろうかしら!!」
 いらだつメイドが饗に向けたのは、カメラと見せかけてお盆。上にはアツアツのミートパイがほっこり湯気を立てている。
「それ、噂の男をメイド姿に変えるミートパイっす――」
 言い切らぬうちにメイドが放ったミートパイが、饗めがけてすっ飛んでくる。
「っ!!」
 饗は全身全霊でミートパイを避けた。この時ばかりはすべてのステータスを根性に振ったかもしれない。それと運にも振り分けた。
「あ、君、何で避けるんだ! メイドになる絶好のチャンスだったのに!」
 そう吠える執事に見据えられて、饗も負けじと応戦する。
「似合う訳ないじゃないっすか! 俺はこのエナガチャンが良いんっす! この完璧な可愛いフォルムにかなうものは無いっす!」
 と、饗がエナガチャンの丸っこいお尻を振れば伸びた尾羽が左右に揺れる。
 メイド服を着れば一発で消すことはできるだろう。しかし、それは饗の美学に反するものだ。
「反撃っすよー」
 と、饗は香神写しで得物を増やした。その数40個強。
「エナガチャンの愛らしさ、喰らってみるっす!!」
 バサッと翼を広げて投げた得物に込めた鋭い暗殺の意思は、メイドと執事の体を次々に射抜いていく。
「……ぐっ……俺たち……」
「私たち、まだグッドルッキングも決めてないのに……!」
 辞世の言葉を残して、ブルースターの花びらと化したメイドと執事。
「危うくメイドにさせられるところだったっす……」
 ほっと息をついたのもつかの間、はっと息を飲んだ饗はマシンの後方を見た。
 結構派手な運転をしてしまったから、後ろのエナガチャン兄弟の安否が気になったのだけど。
 幸いにして彼は横転もせずに無傷であった。

 猟兵たちの活躍によってフロガステリ家の召使いの野望は打ち砕かれた。
 会場中はといえば、猟兵さんたちいいねいいねの嵐であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『牝山羊怪人マリアディジー』

POW   :    救済の女神は惨劇へと現れる(デウスエクスマキナ)
【自身の生命力】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【より強く速く相手に浸食する活性状態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    お姉さん特製・ふしぎウイルス
【体に力が入らなくなる、肉体へのウイルス】【頭がボーっとなる、精神へのウイルス】【お姉さんにメロメロになる魅了ウイルス】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    大丈夫?疲れてなぁい?私の『ここ』においで…?
小さな【子も軽く包み込む圧倒的な母性の塊】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【優しさが詰まった極上の居心地】で、いつでも外に出られる。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠マックス・アーキボルトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 フロガステリ家の召使いがブルースターの花びらと化して夕焼け空へと消えてゆく中、会場内のボルテージは最高潮。
 いいね! 猟兵さん!
 エモい! 猟兵さん!
 イカス! 猟兵さん!!
 声は重なり合って、わーわーとしか聞こえない。まるで今がクライマックスのような雰囲気さえ感じる。
 だが、『それ』は突然訪れた。
『楽しそうなレースですこと。私も混ぜてくださらない?』
 マイクを通したその甘く柔らかな声は、一瞬にして会場内をどよめきを消し去った。
 何が起こったのか。と、猟兵たちは思わず各々の近くのモニターに目をやった。
 そこに映し出されたのは――。
『おぉっと、乱入です! 牝山羊のコスプレをしたぼんきゅっぼんなお姉さん乱入です!!』
 軽快な実況が、水を打ったように静まり返った会場を一瞬にして沸かせる。
 だが、猟兵たちは知っている。
 乱入者がただのお色気魔乳コスプレお姉さんではないことを。
 ――牝山羊怪人マリアディジーだということを――!
『いいね疲れを起こしているこの会場に、癒しをもたらして差し上げますわ』
 マイクの周波数までジャックしてにんまりと笑んだ彼女は、早速自前のモフモフ山羊さん型マシンに乗り込んでエンジンをふかす。
 
 猟兵たちは、あのグリモア猟兵を見ない。
 てへぺろっていようがいまいが、あれは確かに『事案』だ。
 紛うことなき完全な『事案』だ――!

**********

 お待たせいたしました。
 プレイング受付は【7月2日8時31分】からです。
 よろしくお願いいたします。
高柳・零
POW

あー、色んな意味で事案ですね。
バランス悪くて直ぐに転びそうな体型ですね…。

「もう、夏なのにその車体暑くありませんか?」
などと言いながら、天斬りで車体の毛を刈ります。

「え?羊は夏に毛を刈らないと病気になりますよ」
更に毛を刈ります。

「そういえば、さっきの執事も羊になってましたが…は、まさかあなたの乳を吸うとああなってしまうとか?」
「まさか、あなた!ダークシープキングダムの女王ですか!え?羊じゃなくて山羊?……………とにかく、オブリビオンは倒します!」(今、山羊だという事に気付いた背後)

腕が短いので、衝撃波で攻撃しつつ、オーラと盾で身を守ります。

アドリブ歓迎です。



「あー、これは……」
 客席上の液晶モニターに映し出される乱入者の映像を見上げ独り言ちた零は、Sヨンから降りると迫りくるモフモフをきりっと見据える。
「本当に色んな意味で事案ですよ……」
 いいね疲れを起こしている観客を癒す方法も、おそらく事案級であろうが、何よりもそのバランスが悪い体型が事案である。
 現に会場中の男性の5割が、もうマリアディジーの(むっちりした部分の)トリコになっていた。
 この状況はよろしくない。
 おそらくこのフェスに彼女が乱入してきた本当の理由なんて『フェスが盛り上がっているから』の何物でもない。
 ならば。
 零はモフモフ山羊さんの前に躍り出ると得物の剣をすっと構えた。
 そんな零の所作をみて、マリアディジーは妖艶に笑み、
「おやおや坊や。そんなところに突っ立ってたら轢いてしまうわよ」
 と、マリアディジーはうっとりと目を細めて自身の胸を露わにする。
 たゆんと揺れた二つの山に、おぉー……と呆けたような溜息が会場中のところどころから聞こえてきた。おそらくそういうのが大好きな年代の方々のものだろう。実況のキマイラも仕事を忘れ、マイクにその抜けた声を拾われる始末。
 骨抜きにされるぅー。
 癒されるー。
 だが零にはそれが効かなかった。
 なぜなら彼は、そのたゆんたゆんな胸部をバランスが悪いと一掃した、清く正しい青少年であるからだ。
 オーラと盾で固く身を守る零は、迫りくるマシンと魔乳をきりりと見据え、
「もう夏なのにその車体は暑くありませんか?」
 ひらりと宙に飛び上がり、通り過ぎるマシンに刃を向けると、目にと留まらぬ速さで剣を捌く――天斬りだ。
「え」
 この一瞬に何が起こったのかを理解できなかったのか。マリアディジーも抜けた声を上げたが、零がアスファルト敷きの地面に着地するなりふぁっさりと舞い上がったのは、モフモフ山羊さん型マシンの毛。
「いやぁぁ! なんで丸裸にされてるの!?」
 青ざめたマリアディジーは思わずハンドル操作を誤ってスピンした後に停車する。
「え? 羊は夏に毛を刈らないと病気になりますよ」
 と、理詰めで迫る零は、彼女の姿をまじまじ見るなり、先ほど一線を交えた執事の羊を思い出す。
「そういえば、さっきの執事も羊になってましたが……。はっ、まさかあなたの乳を吸うとああなってしまうとか?」
「は、羊? 何のことかしら……」
 眉根に皺を寄せて首を傾げたマリアディジーを尻目に、
「まさか、あなた! ダークシープキングダムの女王ですか!」
 と、ボケ続ける。
「ダークシープキングダムって、私は羊じゃないわ、山羊よ! ゴートの方!」
「え? 羊じゃなくて山羊……?」
 名乗ってもらうまで彼女を羊だと勘違いしていた零は、その姿を頭のてっぺんから足先までまじまじと見た。
 たしかに、山羊だ。
 まぁ、無理もない。
 もっふもふな山羊のマシンを駆っていたのだから。
 ごほんとごまかしの咳払いした零は、その両手に波動の力を溜めると、マリアディジーに殴り掛かった。
「……とにかく、オブリビオンは倒します!」
 たとえ自分には無害だとしても、会場内の青少年にとっては弩級の事案であることには間違いないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御堂・茜
【AD歓迎】
まああああ…!
公衆の面前でなんと破廉恥な!
事案!事案です!!
本来ならばその悪の脂肪を
我が正義の剣で叩き斬る場面ッ!

ですが!
ここは楽しいキマイラフューチャー…!!
鎮まるのです御堂
放送事故はなりませぬ!
然らばUCで先程のSヨンマシンと合体し
わたくし自身がマシンとなり敵に挑みます!

変身!
ジャスティスミドウカイザー・Sヨンフォーム!

さあ会場の皆様もご一緒に!
ジャスティスッ!!正義は勝つのです!
観客を【鼓舞】して味方につけます
もはや貴女はアウェー、覚悟なさい!

猛【ダッシュ】からの体当たりで【捨て身の一撃】を放ち
敵もろとも爆発炎上します!
それでも【気合い】で生還する…
これぞヒーローの花道です!



 会場中のお年頃の男性たちが、その露わになった二つの房に感動のため息を漏らす中、Sヨンのハンドルを握ったままポカンと口をまん丸く開けて言葉を失っている猟兵が一人。
 おそらく彼女、呆気にとられ過ぎて今の今まで息を吸うのも吐くのも忘れている。
 茜さん、息してくださーい。
 ようやく息を大きく吸い込んだ彼女は、
「……まあああああ……!」
 と、息を吐くと同時に嘆きの声を発した。
「公衆の面前でなんと破廉恥な! 事案! 事案です!! 本来ならばその悪の脂肪を我が正義の剣で叩き斬る場面ッ!」
 会場内には女性も、健全なる子どもたちもいるというのに。
 いつもならば、この次から次へとあふれ出る憤りを正義の鉄拳に変えて突き進むのだが、
「ですがッ」
 茜は小さく息を吸った。自分を鎮めるためだ。
「ここは楽しいキマイラフューチャー……!! 鎮まるのです御堂……ッ、放送事故はなりませぬ!」
 そう、この世界の住人は、やっと平和が訪れたこの世界をさらに大いに楽しい世界にしたいとフェスを開催しているのである。
 その心意気に水を差すことは、茜の正義に反していた。
「然らばこの手しかありませんねッ」
 鎧武者の赤いSヨンのハンドル後ぐっと握り、アクセルをぐっとふみ込む茜。するとぐんぐん加速する赤い鎧武者。
「変身! 御用でございます! 起動せよ、ジャスティスミドウカイザーSヨンフォーム!」
 鎧武者が茜の高らかな宣言に呼応するかのようにガシャンガシャンと変形し。
 ついには彼女自身もその一部となって、ついには3メートルの武者ロボとなった。
 その様はちびっ子から特撮大好き大きなお友達のハートにずっきゅんずっきゅんと突き刺さってゆく。なんといっても、赤いやつは主役だしヒーローだし最強だし三倍速い。
「さあ会場の皆様もご一緒に!」
 茜が音頭を取れば、会場内のよいこたちはせーのでジャスティスポーズを決めてくれる。
「そう、正義は勝つのですッ!」
 と観客を鼓舞すれば、さらに完成は大きく湧き上がる。
「がんばえー」
「がんばえ、じゃすちすみどうかいざー!」
 いろいろなところから飛んでくる可愛らしい声援に手を振ってこたえる茜――ジャスティスミドウカイザー。
「皆様、もっと御堂に正義の心の分け与えてくださいませッ!」
 魔乳にメロメロになってた大人たちも子どもたちを前になんて恥ずかしいところを見せてしまったんだと恥ずかしげにしている。これはいい効果だ。
『はっ、……いけません、私もすっかり虜になっておりました』
 と、実況も目を醒ます。
 これを面白くないと歯をギリギリさせているものがいた。
 マリアディジーだ。
 エロスというエモをジャスティスというエモで完全にひっくり返されてしまったのだから、これは不愉快であろう。
「なっ、なんということを……!」
「もはや貴女はアウェー、覚悟なさいッ!」
 3メートルの高みから敵を見下ろし、茜はビシィッと指さした。
「くッ……こうなったら、もう一度私の一番柔らかい所を見せつけてあげるわ」
 相手が女子でも関係ない。だって、赤子のころにこうして胸に抱いてもらって、癒されたでしょう? と再び肌を露わにしたマリアディジー。
 だが茜はそれをもろともせず。砂埃を上げて駆け出すと、敵を押しつぶさんばかりの体当たり。
 からの、敵を巻き込んでの大爆破。
 凄まじい爆音と爆風とともに炎が立ち上る。
『これは激しい爆破炎上だー! この激しい炎の中、ジャスティスミドウカイザーは! マリアディジーは! 生きているのでしょうか!!!』
 実況の叫びと会場中の大歓声の中。
 炎の向こうから現れたのは――ジャスティスミドウカイザー……茜だ!
 所々煤けてはいるが、両の足で地面を捕らえている!
「気合いで生還する……これぞヒーローの花道ですッ!」
 ジャスティス!
 決めたポーズに、よいこや大きいお友達が沸き立たないはずがなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木元・祭莉
アンちゃん(f16565)とー。

事案(こくり)。
山羊さんもマシーンも、もふもふ……強敵だー!
なんか、こう、自然と、引き付けられるっていうかー……(よろよろ~)

さんふらわあ号、全速前進!
カメラポイントで、てーい、山羊さんマシンにダーイブ!
はうー。(圧倒的な母性の塊に飲み込まれる)
あー、やーらかくてイイにおいー♪

よいこのみんなにもよく伝わるように、カメラ目線でー。
母ちゃん直伝、ヒマワリ・ダンシン・ソング、歌うよー♪
(母性の塊の中でVサイン)

そろそろ出ようかなー♪
うん、ふわふわだったー!
なんていうか、美味しそうな匂い!(きらんと肉食獣の目)

きっちり、お料理させてもらいまっす!(至近距離から拳の一撃)


木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

……もふもふマシン
無意識にあぷりこっと号(命名)のハンドルを握り
ぎゅいんと山羊さん向かって一直線

(はたと気付き
待って
わたし今、まん丸の杏着ぐるみ着用中……

これじゃもふもふ感じとれない!(がーん、と稲妻に撃たれる衝撃

悔しさを山羊さんにぶつける決意の目で【絶望の福音】
ウイルス?もふ出来ない悲しみは
そんなものじゃ癒せない
うさみみメイドさんを山羊さんに向かわせ、ジャンプで事案を台にし
顔面キックと目潰し

ん、まつりん今…………あれ?
まつりん?しっかり!
おかあさんはそんなにおっきくないでしょ(事案指差し)

……あ
わたしはおかあさんサイズが好きだからね?
画面に向かっててへぺろ☆



「げほっ……なんなの。私はただ、エモ疲労を起こしているこの会場を癒そうとしているだけなのに……ッ」
 巻く炎から這い出たのは真っ黒こげになったマリアディジー。
 彼女もまた、ヒールとして大爆破の中辛うじて生還を果たしていた。
「こうなったらもう、逃げて逃げて逃げまくって、癒しを振りまいて差し上げますわっ」
 と、元モフモフ山羊さんマシンを操って、脱兎のごとく猛スピードを上げるマリアディジー。
 あぷりこっと号のハンドルを握りアクセルを踏み込む杏の目は、そこらへんの少女の目ではなかった。
 あのマシンの、お尻のほうにちょっとだけ残ったもっふりした毛の部分。
 そう、刈り取られずに燃やされずに残った愛しのもふもふ部分。
 あの部分を狙うレーサーの目であった。
 あの部分が近づいたら、どうやってあのもふもふを感じよう。
 手を伸ばして触ってみて感触を、ほっぺたですりすりして温かさを感じて。
 それはそれは幸せ一瞬なんだろうな。
 と、ほんわかした杏の表情が戻った。
「……だけどちょっと待って? わたし、今何着てる?」
 はたと気が付いた彼女は、今、ころっとまんまるなアンズであった。
 手はかろうじて利くかもしれない。だけど頬はどうだ……。
「これじゃもふもふを感じ取れない!」
 まさにそれは稲妻の撃たれたような衝撃。
 杏の絶望をガチで尻目にしたマリアディジーは、
「騒がしいお嬢さんね。これでも喰らいなさいっ!」
 と、体からウイルスを放出する。
 力が入らなくなるやつと、頭が働かなくなるやつ。そして、お姉さんにメロメロになるやつだ。
 杏はそのウイルスをしっかり見据えると、
「……もふ出来ない悲しみはそんなものじゃ癒せない」
 まるで10秒先を見てきたかのようにすべてを交わしきった。
「どういうこと、全部避けるなんて!!」
 マリアディジーはサイドミラー越しに写った後方の景色に絶望するが、悔し紛れにホーン型手榴弾を後方にお見舞いする。
 カランカランと音を立てて迫るそれを杏が交わすと、後方でぱぁんぱぁんと何かが弾ける音がする。
 何かは気になるけど、
「うさみみメイドさん、お願い」
 と十指の糸を操って、ウサミミメイド人形をマリアディジーの『事案』――胸に着地させた。
 そしてぐっと糸を手繰り寄せれば、うさみみメイド人形の顔面キックが炸裂する。
「きゃぁぁ、いたぁい!!」
 マリアディジーの緊張感のない叫びが響くころ。
 山羊さんマシンのもふもふはもう見る影もないが、マリアディジーの何かは祭莉を確実に釣っていた。
 攻撃を受けながらも彼女が意識的に放った、小さな子も軽く包み込む圧倒的な母性の塊に吸い寄せられていたのだ。
「なんだ、これ。なんか、こう、自然と、引き付けられるっていうかー……」
 本人はよろよろと、だけどさんふらわあ号は全速全身で、あの後姿を追う。
 杏の攻撃によって目つぶしを喰らいながらも、よろよろとマシンを走らせてキメスポットに差し掛かったマリアディジーは、
「私、こんな姿になっちゃったけど、癒されなさーい!」
 と、いまだ健在なたわわに実った胸をぎゅぎゅっとよせたが――。
「てーい」
 という声と、どごん! と何かに突っ込まれる元もふもふ山羊さん型マシン。
 突っ込んだのは祭莉のさんふらわあ号だ。
 ついでに祭莉は、マリアディジーの『ここ』――優しさが詰まった極上の居心地のどこかにむにゅにゅっと包まれていた。
「はうー。あー、やーらかくてイイにおいー♪」
 彼が思い出しているのはふるさとのお母さん。
「おかーさんもよくこうして踊ってくれたんだよー」
 と踊るのはふるさとの母直伝の、ヒマワリ・ダンシン・ソング。
 その踊りは本来、ヒマワリのように陽気で楽しそう。
 だけど、圧倒的母性の中で母直伝の踊りを踊る祭莉の姿に、会場中の、特に女性が涙する。
 カメラにすっぱ抜かれたVサインも健気で、
「あぁ、ヒマワリ少年、頑張ってるのね……」
「故郷のお母さんも、あなたの成長を楽しみにしているわ……
 と、本来ターゲットにしたかったよいこ以外のエモさを大爆発させてしまう。
 そんな祭莉にてーいとアタックしてくるものがいた。杏だ。
 マリアディジーの事案級の胸を指差して
「まつりんしっかり! おかあさんはあんなににおっきくないでしょ」
 と口にして、あ。っと固まってしまった。
 これ、おかあさんがきいてたら確実におこられるやーつ……。
 杏は決めポーズスポットのカメラをまじまじ見て、
「わたしはおかあさんサイズが好きだからね?」
 と、画面に向かっててへぺろ☆ っとして見せる。
『お母さん、可愛いあの表情に免じて、どうか許してあげて!』
 実況の願いはこの会場中の願いでもあった。
 一方、圧倒的母性から抜け出した祭莉はいい笑顔。
「うん。でも、ふわふわだったー! それと、なんていうか、美味しそうな匂いがした!!」
 と、きらんと輝いた彼の瞳は肉食獣の輝き。
 じゅるりと舌なめずりをして見せれば、びくぅっと怯むマリアディジー。
 そう。祭莉は人狼――狼だ。山羊なんて狙われたら一溜りもない。
「い、いや、やめて! 来ないで、食べないで!!」
 蹄キックを繰り出すも、祭莉はささっとそれをかわし――。
「きっちりお料理させてもらいまっす!」
 と、マリアディジーの懐に飛び込むなり、その胸を超えた先の顎に抜けて強烈な拳をお見舞いした。
 その衝撃で空まで飛ばされたマリアディジーは、ご退場とともに叫ぶ。
「――私はただ、会場を――!」
 ほんわかとした何かで癒したかっただけなのにー。
 空のかなたからほんのりとそう聞こえた気がした。

 事案級のすったもんだが多々あったけれど、猟兵たちの活躍によりグッドルッキングSヨンレースは無事に終幕を迎えた。
 きっとこの変てこなレースは手を変え品を変え、この世界にイイネとエモを振りまくのであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月16日


挿絵イラスト