くるりと、空に傘の花が咲くこの時期。
艶やかに浮かび上がるのは、青・紅・紫――重なり合い咲く濃淡の彩。
寄り添い咲く花たちは数多の星を思わせ、垂れ下がる様に開いたその姿は優美。
緑豊かな里山の風景に鮮やかにも淑やかに色を添えるのは、紫陽花と花菖蒲。
そして訪れた夜――優しく咲くその色たちを照らす、舞い踊る煌めき。
仄かな輝きを放ち降る蛍の光がより一層、花々に幻想的な色を添えて。
澄んだ水の恵みで育まれた美しい彩は毎年、夜祭を訪れる人々の目を楽しませている。
でも……妖艶な蛍の光に、ふらり導かれて。
安易に、花咲く森道の奥へと足を踏み入れはいけない。
静かに落ちる美しくも儚きその花影に潜むのは……悲しくも秘されし彩り。
●二藍の花影
「雨が長く続くと憂鬱になりがちだが。しかし見方を少し変えるだけで、そんな季節も、一変して風流なものに変わるのではないだろうか」
筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は集まった皆に、そう雅な微笑みを向けた後。改めて表情を引き締め、グリモアに導かれた予知の内容を語る。
「サムライエンパイアの澄んだ水に恵まれたある村で、紫陽花と花菖蒲、そして蛍を同時に観賞できる夜祭りが開かれるらしい。だが、その祭りに……人々の平穏な日々を脅かしかねない、不穏な花影を視た」
しかし、その清史郎曰く『不穏な花影』の正体は、はっきりとはわからなかったのだという。
なので、この蛍舞う紫陽花と花菖蒲の夜祭りに参加しつつ情報を集めて。
人々の平穏な日々を脅かす存在を排除して欲しいというわけだ。
現場となる村は丁度、紫陽花と花菖蒲が見頃で。
夜になると、蛍が舞い遊ぶのだという。
そんな時期に合わせ行われるのが、『觜宿祭』といわれる夜祭り。
「この村は聖なる白き虎を祀っているようで、祭りの名もそこからきているようだ。そしてそんな白虎が祀られているという神社から観る風景は、かなりの絶景だと言われているが……その神社の場所は秘された場所にあり、幻なのではないかとまで言われているという。それに、無闇に神社へと続く道へと足を踏み入れれば気が触れてしまう、などという良からぬ噂などもあるらしい」
予知で視えた『不穏な花影』も、村のどこかにある森道の奥から感じたという。
情報を集め、夜祭りに潜む脅威を取り払って欲しい。
「情報を集めつつ、折角の機会だ、夜祭りを楽しむのもいいだろう。村をあげての年に一度の一大行事ということもあり、様々な露店が並ぶのだという」
やはりまず外せないのは、甘味。
わた飴やチョコバナナやリンゴ飴など、祭りならではな甘味も勿論。
甘い団子や羊羹、饅頭、抹茶パフェなどの和の甘味も見逃せない。
中でも、紫陽花や花菖蒲の二藍の彩りにちなんだ、かき氷が名物らしい。
甘い青のシロップにレモンの雫を数滴垂らせば、一瞬で鮮やかな青から淡い紫へと変化するのだという。見た目の珍しさだけでなく、味も甘くて美味しいようだ。勿論、イチゴなどの定番の味もある。
そしておなかを満たしてくれる、香ばしい焼きトウモロコシや焼き鳥、イカ焼きやタコ焼き、焼きそばやお好み焼きなどの鉄板焼きの屋台も。
成人しているのならば、辛口だがすっきりとした味わいの地酒も振舞われており。酒でなくても、綺麗なこの村の水で淹れられた茶や和紅茶は絶品だという。
そしてこの村では、美しく澄んだ川の底から採れる煌めく石でアクセサリーも作れるという。天然の石は様々な大きさやカタチや色をしており、ストラップからブレスレット、ネックレスなど、個性的で好みのものが作れそうだ。
また、花の染料を使ってハンカチや手拭を染める、染色体験もできるのだという。
勿論、祭りの喧騒から離れ、静かに蛍の光に照る幻想的な花々を愛でるのも良いだろう。賑やかな祭り会場だけでなく少し離れた場所でも、何かが掴めるかもしれない。
清史郎は、転送を担って赴けない俺の分まで花や蛍の夜祭りを楽しんできて欲しい、土産話を是非聞かせてくれ、と笑みながらも。
「雨に濡れる艶やかな二藍の花影はやはり、美しく在って欲しい。潜む不穏の正体究明や排除を、よろしくお願いする」
そう、もう一度頭を下げ、その掌に満開の桜のグリモアを咲かせるのだった。
志稲愛海
志稲愛海です。
よろしくお願いします!
※ご連絡※ 第1章プレイングは、6/4火曜日朝8:30から受付開始します。
それ以前に送信されたものは流れる可能性があります。
今回は、咲き誇る紫陽花と花菖蒲を照らす蛍の風景が名物の、夜祭りが催される村が舞台のシナリオをお送りします。
各章の内容は以下です。
第1章:梅雨もまた風流なり(紫陽花と花菖蒲と蛍の夜祭り)
第2章:神の座へ至る迷いの森道(補足後述)
第3章:集団戦(戦闘)
各章終了後、次の章の詳細をOPに追加します。
また、プレイング受付開始日時等の連絡をOPや個人ページ、Twitterで連絡いたしますので、ご確認の上ご参加をお願いします。
第1章は、紫陽花と花菖蒲が咲き誇り、蛍舞う夜祭を楽しめます。
夜祭りを楽しむことメインでプレイングかけていただいて構いません。
雨は降ったり止んだりしています(お好みでご指定あればどうぞ!)
第2章は、神社までの道の森は認識障害系の幻術によって迷宮化しています。
そして侵入者の心を折るべく、その幻術により『眼前に現れたら一番嫌だと心に潜む事象』が顕現します。
それは過去の記憶でも、人でもシチュでも風景でも、未来への不安でも……軽いものから重いものまで、ご自由に設定くださればと。
必ずしも乗り越える必要はありません、どのような気持ちでも先へと歩みを進めばOKです。
複数人でご一緒の場合は『その中の誰かの、眼前に現れたら一番嫌だと心に潜む事象』が現れ、その場に居る方全員がそれを共有する事になります。
共に乗り越える、相手の過去に触れて言葉を掛ける、驚愕の事実を知る……など、相手との関係を深めるきっかけにもなるかと。
複数参加でも、逸れてお一人ずつ幻術を体験、その後合流……等でもOKです。
●お願い
ご一緒に行動する方がいる場合は【相手の名前と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入お願いします。
ご記入ない場合、相手と離れてしまうかもしれませんのでお忘れなく。
グループ参加の場合は失効日の関係上、プレイング送信タイミングが一日前後程度の誤差だと助かります。
問題ある内容や上記の理由で採用できない場合をのぞき、基本参加者様全員採用したく思っています。
どんなに人数多くても、人数で不採用ということはほぼないので。
どうぞお気軽にご参加ください!
それでは、ご参加お待ちしています!
第1章 日常
『梅雨もまた風流なり』
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POW : 雨の中を散歩する。
SPD : 雨音を聞きながら、室内でくつろぐ。
WIZ : 雨に濡れる紫陽花を鑑賞する。
イラスト:kom
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
勘解由小路・津雲
白虎が祀られていると聞いてきてみたが、やあこれはずいぶんにぎやかな祭りだな。露店も充実している。……転送のため来られないのは残念でしょうね。何か土産でも買っていきましょうか(素が出ているためここだけ口調変化)。
【行動】 せっかくなので名物のかき氷を頼むとしよう。それと土産に、……そうだな、饅頭の類でも。その後は蛍と花を愛でつつ、調査として人々のうわさ話などに耳を傾けるとしよう。
たいていはたわいのない話だろうが、中には何か重要な話が聞けるかも知れない。話の内容から地元の人間らしき人をわりだし、聞き耳をたて、場合によっては話しかけるとしよう。長年この地に住む人なら、何か知っているかもしれぬ。
雨の日の外出と言えば、普段であれば、気怠く億劫に思うものだけれど。
やあこれはずいぶんにぎやかな祭りだな――勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)は小雨がぱらついているにも関わらず、活気に満ちている周囲に、銀を湛える瞳を細めながら。
「……転送のため来られないのは残念でしょうね」
充実している露店を見て回るべく歩みを進めつつ、何か土産でも買っていきましょうか、と。
ふと素に戻った口調で、転送の任を担う見知った彼を思い、饅頭の類でもと土産になりそうなものを見繕う。
退魔師である津雲にとって、四神の一角、『觜宿祭』の名の由来でもある白虎が祀られているということに興味を惹かれ訪れたのだが。
せっかくなので、と足を向けたのは――この夜祭りの名物のひとつである、かき氷の店。
津雲は、咲き誇る紫陽花や花菖蒲のような、青から紫へと変化した二藍の彩りを目で楽しんでから。
さくりと掬った花のいろの甘さを、今度は舌でも堪能する。
それから、甘い蜜の色と良く似た花々と舞い飛ぶ蛍を鑑賞しながらも、周囲の声に耳を傾けてみれば。
聞こえてくるその大半が、他愛のない微笑まし気な雑談であったが。
「小さい頃は、白虎様の神社でよく紫陽花や花菖蒲を眺めたものだが……今では、なぁ」
「これも白虎様の意思……仕方ないさ」
ふと耳に入ってきたのは、地元の住人であるだろう二人組の声。
気になっている白虎という単語を聞いて、津雲は二人に声を掛けてみる。
「突然声を掛けて申し訳ないが、この地に祀られているという白虎について、知っていることを聞かせてくれないだろうか」
「……えっ」
津雲の問いに、思わず二人は驚いたように瞳を大きく見開き視線を交わし合うも。
「し、知ってること……この地は貴方も言っていたように、白虎様が祀られているんだけど」
「今は、白虎様が祀られている神社には、行けなくなってるんだ……神社への道中、気が触れるまやかしが視える、とかいう噂もあって……神社へと続く道も今や、秘されしものになってるんだ」
何だか歯切れ悪いながらも、そう二人組は口にしてから。
ま、白虎様のことはともかく祭りや紫陽花を楽しんでくれよと、そそくさと行ってしまう。
そんな後姿を見送りながら、津雲は何かを思案するように。
ふと開いた紫陽花の色の如き青の扇子を、そっと口元に宛がうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
有栖川・夏介
※アドリブ、絡み歓迎
これから何が起きるかわからないですから、調査を怠らないようにしなければ。
……とはいえ。
せっかくのお祭りなので、まずはそちらを楽しみますね。
名物のかき氷を食べます。鮮やかな青色が美しいです。
まずはそのまま一口、ぱくり。…冷たくて、甘くて美味しい。
次にレモンの雫を垂らして……。
「……!!」
色が変わったことに声は出さないものの感動。とても綺麗です。
レモンの酸味でさっぱりして味も美味しい。
一通り堪能したら屋台からは離れます。
雨の音、蛍の光、紫陽花に花菖蒲。幻想的で美しいです。
この風景を護るためにも不穏は取り除かなければ……。
周辺をよく観察します。何か、おかしなところはないだろうか?
しとしとと雨降る夜に浮かぶ花々のいろ。
その花影に、何が潜むのか。
(「これから何が起きるかわからないですから、調査を怠らないようにしなければ」)
有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)は赤を湛える瞳でそう、周囲をぐるり見回してみるも。
……とはいえ、と、映る光景に瞳を細めて。
せっかくのお祭りなので、まずはそちらを楽しみますね、とひときわ盛況な様子のある露店へと足を向けた。
そして購入したのは――ふわふわでシャリシャリの、名物であるというかき氷。
その鮮やかな紫陽花の如き青の美しさを一通り眺めてから。
まずはその青をひと掬いして、ぱくり、口に運べば……瞬間広がる、冷たさと甘さ。
その美味しさを噛みしめながら、今度は、降る雨のようにレモンの雫を紫陽花色に垂らしてみれば。
「……!!」
じわりと、鮮やかな青が淑やかな二藍のいろに。
声にこそ出さないものの、紫陽花の青から花菖蒲の如き紫へと彩を変えた蜜に感動を覚えつつ。
夏介は、とても綺麗だと。その幻想的な見目は勿論、再び色合いを変えた氷をシャリっとひと掬いして。
レモンの酸味がより甘味を引き出したかき氷の味の変化も、確りと堪能する。
そして、名物を目で舌で存分に楽しんだ後――賑やかな祭りの喧噪からは、少し離れて。
(「この風景を護るためにも不穏は取り除かなければ……」)
眼前に広がる様々な青の風景に、夏介は改めてそう思う。
静かな夜に響くのは、雨音だけ。
その雫に濡れた紫陽花や花菖蒲が、艶やかさを増して咲き誇って。
美しい彩をより浮かび上がらせるのは、仄かに照り舞い飛ぶ蛍の光。
――何か、おかしなところはないだろうか?
夏介はそう、心地良く響く雨音を聞き歩きながら、咲く花々へと目を向ければ。
「……? これは……」
赤の瞳に青を映し、二藍の色合いに染まったその目を細めて。
ある不自然さに、ふと気が付く。
その幻想的な色や美しさが巧妙に隠している、秘密に近づく花影に。
大成功
🔵🔵🔵
石籠・むぎ
おまつりおまつり♪
なに?ハヤザブロウ(バディペット
うん、雨のタイサクは大丈夫なのよ(巫女服の上からピンクのレインポンチョ着て
ハヤザブロウとイッショに屋台めぐるのよ~
雨がふったらハヤザブロウもポンチョの中、ね
おいしそうなモノいっぱい…(目キラキラ
あっ、メイブツのかき氷たべるのよ!一つください、なの
まずはそのままたべるの(パク
ん~おいひい♪
それからレモンをたらして…わあ、キレイに色がかわったよ(パク
レモンのサンミが加わって甘味がひきたつのよ~
(ハヤザブロウの視線に気づき
むぎばかりたべるなって?
じゃあコンドはハヤザブロウがたべれるのをかうのよ
…ギュウクシ?
ゼイタクになったのね~(牛串の屋台に足を向け
踊るその心を映すように、思わず足取り軽く歩みを進めれば。
ぴしゃんっと飛ぶ雫さえも、珍しくて楽しくて。
「おまつりおまつり♪」
石籠・むぎ(白銀稲荷・f02944)は、きょろきょろと琥珀色の瞳を忙しなく周囲へと向ける。
そんなむぎの袖をちょいちょい引くのは、一羽のシロハヤブサ。
「なに? ハヤザブロウ」
むぎはそんなハヤザブロウの様子にちょこんと首を傾げるけれど。
刹那、小雨であった雨が本降りに……!
でも――大丈夫!
「うん、雨のタイサクは大丈夫なのよ」
巫女服の上から抜かりなく羽織るのは、ピンクのレインポンチョ。
雨のお祭りを楽しむ準備は万全!
雨を教えてくれた兄気取りなハヤザブロウも、ポンチョの中に入って雨宿り。
そんなハヤザブロウと一緒に、夜の祭りを歩き出すむぎ。
咲き誇る花々や蛍の光も綺麗なのかもしれないけれど。
「おいしそうなモノいっぱい……」
キラキラと輝かせたその瞳に映るのはやはり、露店に並ぶ美味しそうな食べ物!
焼きトウモロコシに焼きそばに甘味、和風のパンは帰りにお土産に買っていこうと思いながらも。
その中で、むぎの興味をまずひいたのは。
「あっ、メイブツのかき氷たべるのよ!」
人も沢山、盛況な露店で売られている、名物の二藍のかき氷。
一つください、なの、と。背伸びしつつ、渡されたかき氷を受け取って。
青の色をしたふわふわな氷を、まずは一掬い。
そのままぱくりと口に運んでみれば。
「ん~おいひい♪」
ほっぺが落ちそうな優しい甘さに、笑顔の華もぱっと咲いて。
レモンの雫をさらに垂らしてみれば――琥珀の瞳に映るのは、青からいろを変えた二藍。
それもやはり、パクッと同じ様に食べてみるけれど。
「レモンのサンミが加わって甘味がひきたつのよ~」
さらに増した甘味に、ほわほわ幸せを咲かせるむぎ。
けれど、じーっと見つめる視線に気付いて。
「むぎばかりたべるなって? じゃあコンドはハヤザブロウがたべれるのをかうのよ」
再び雨が止んだことを確認してポンチョから出たハヤザブロウが、バサリと向かった先は。
「……ギュウクシ?」
美味しそうな匂いを漂わせる、豪華に串に刺さったお肉!
そんな遠慮のないハヤザブロウに、ゼイタクになったのね~と言葉を投げながらも。
むぎと半分こするのよ、と、いざご所望の牛串の屋台へ。
大成功
🔵🔵🔵
ペイン・フィン
ん。
祭り、祭り、楽しもう。
甘いもの中心に、食べ歩き。
かき氷に羊羹、抹茶パフェ。
焼き鳥にトウモロコシ、たこ焼きも。
あんまり、日持ちしなさそうだし、
皆のお土産は、考えずに、食べ歩き。
……ふと、
石のアクセサリーが、気になる。
……赤い石、あるかな?
自分の、髪とは別の、
ほのかに透明で、色がグラデーションみたいになっていて、
それで、輝くような、そんな石。
あれば、アクセサリー、2人前、買っていこうかな……。
また少し降り出した雨にも構わずに。
――祭り、祭り、楽しもう。
そう賑やかな露店を巡るのは、ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)。
静かな暮らしをそっとその心に願いはするけれど……賑やかなのも、いいかもしれない。
自分でも変わってきたと、その自覚があるし。
そう思わせてくれたのはきっと――大切な人や一緒に居て楽しい皆のおかげ。
そんな皆への土産も少し探しはしたけれど、露店に並ぶものはどれも日持ちしなさそうだから。
今回は皆には土産話をすることにして、純粋に食べ歩きを楽しむペイン。
青から紫へと彩を変える二藍のかき氷は、見て食べて楽しめて。
サムライエンパイアで食する抹茶パフェは、本格的で濃い本場の味。
焼き鳥にトウモロコシ、たこ焼き……ぐるり、一通り八兵衛にもお裾分けしつつ食べ歩けば、おなかも満足に。
そしてふと次に足を向けたのは、目に入ってきたある店。
食べ物も良いけれど――気になるのは、光に照る様々な輝き。
「……赤い石、あるかな?」
ペインが興味を惹かれたのは、色とりどりの天然石を扱う店であった。
「赤い石ですか? 赤だと、こんな感じでしょうか」
ペインの呟きを拾った店員が、様々な赤を帯びた石で作られたアクセサリーを目の前に並べる。
雨降る夜風に揺れる己の髪も、同じ赤なのだけれど。
探すのは、自分の髪の赤とは、また別の――。
(「ほのかに透明で、色がグラデーションみたいになっていて、それで、輝くような、そんな石」)
脳裏に思い描くその彩は、誰のものか……心の中だけでそっと、その姿を描きながら。
思い描いた赤と同じように、自分の姿を映す色が連なった、ペアのブレスレットを手に取って。
静かに、けれど美しく澄んだその煌めきを2人分、購入したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ネフラ・ノーヴァ
【WIZ】アドリブ、他キャラ絡みOK
サムライエンパイアはあまり馴染みないが、雨時の「風流」というのを味わおうじゃないか。
近頃は特に蒼色の花に目が行くようになったものだ。
いつもは戦場で血に濡れる身。雨は降っているが、濡れるのは嫌いではない。そのままにしよう。
祭りの賑やかさと、濡れた花々の対比。紫陽花に手を触れてみれば、今の私には嬉しさと哀しさの両方が去来するようだ。村人の無邪気に笑う様子は少し羨ましくもあるな。
こういう気分の時は酒を飲んで、酔いで紛らわしてしまおうか。それに酒飲みは口が軽い。酔っぱらいの男衆から聞き出せる情報もあろう。
酒が旨ければ、まだ後があろうに少し飲み過ぎてしまうかな、フフ。
――濡れるのは嫌いではない。
普段ならば、ただの天候のひとつでしかない雨。
それにサムライエンパイアという世界も、あまり馴染みがないけれど。
雨時の『風流』というのを味わおうじゃないか――そう、雨に濡れる紫陽花や花菖蒲のように艶やかな雫纏うのは、緑を宿す乳白色の羊脂玉。
(「近頃は特に蒼色の花に目が行くようになったものだ」)
ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)の瞳にも咲いたその花々の色は、青や紫。
いつも戦場で濡れる血の色とは異なる、和の国の彩りや雫。
雨は降っているが、そのままにしよう……ネフラは敢えて傘をさすことをせず、雨の夜祭りを楽しむべく歩き出して。
賑やかな祭りの喧噪とはまるで対比となるような、静かで淑やかな花々の彩りに手を伸ばしてみる。
そして、目の前に咲く二藍の紫陽花に、そっと触れてみれば。
嬉しさと哀しさ――今のネフラの心に灯り去来するのは、その両方の感情。
顔を上げると瞳に映る村人の無邪気に笑うそんな姿が少し、羨ましくもある。
でも、こういう気分の時は、やはり。
「地酒を1杯、貰えないか」
酒を飲んで、酔いで紛らわしてしまおう、と。
露店で振舞われている酒を受け取り、きゅっと口にしてみるネフラ。
辛口だが、すっきりとした味わい。
その旨さは、まだ後があるのに、少し飲み過ぎてしまうかもしれない予感も。
そんな、フフ、と笑み零すネフラは、既に出来上がりかけの男衆に声を掛けてみる。
「この村の紫陽花や花菖蒲は見応えがあるな。しかし、もっと絶景があると聞いたのだが」
「あーそれって、『觜宿神社』のことだろ。でもねーちゃん、今は行けやしないぜ」
「祀っている白虎様が、あんなことになられてしまってはなぁ……」
酒飲みの酔っぱらいは口が軽い。
「……あんなこと?」
酒をさらに勧めつつ、そうネフラは訊き返してみるも。
「俺らも話を聞いただけで、この目で見たわけじゃないが……恐ろしいよなぁ」
「でも、ああなられても白虎様は、やはりお優しい……」
そこまでペラペラ饒舌に語っていた酔っ払いたちだが、ハッと少し我に返って。
「ま、まぁとにかく……『觜宿神社』には今は行けないけれどよ」
「村の紫陽花や花菖蒲でも十分に綺麗だから、楽しんでくれな」
誤魔化すようにそう慌てて言いながらも、ネフラに2杯目の地酒を注ぎ返す村人。
そして、トクトクと再び杯に満ちた酒の雫を再び口に運びながら。
ネフラは何故か話を変えたがる村人たちの様子を映した羊脂玉の瞳を、ふと細めたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
落浜・語
周囲の人の話を拾いつつ、屋台でりんご飴や団子なんかを買って、その屋台の人についでに聞き込みもしようかな。
「この近くに白虎の神社があって、そこからの景色がいいって噂を聞いたけれど、行き方とか知らないか」
理由を聞かれたら、噺のネタにならないかと思って、と適当にごまかす。【聞き耳】【第六感】【コミュ力】
後は、その場の空気とかに寄るが、どっかで一席やるのもありかね。【パフォーマンス】
人が集まればそれだけ何かしらの情報はあるだろうし。
ある程度情報を集めたら、蛍を見つつ買ったもの食べようか。
人がいない所を探して、そこで。人がいなければカラスと分けて食べてても、問題ないだろ。
アドリブ、連携可
くるり雨空に咲かせた番傘がよく似合う、いつもの着物姿。
その傍らには、首回りが白いカラスも一緒。
落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)は、賑やかに並ぶ屋台で、まず団子を調達した後。
今度は、甘いりんご飴が売っている屋台へと足を向けて。
艶やかで真っ赤な甘味を受け取りながらも、ふと店主にこう尋ねてみる。
「この近くに白虎の神社があって、そこからの景色がいいって噂を聞いたけれど、行き方とか知らないか」
「……えっ」
今まで威勢良く商売していた店主は、驚いたように一瞬言葉を切るも。
「噺のネタにならないかと思って」
落語家の性分で、と咄嗟に語が続ければ……小声でひそひそと、店主はこう返す。
「お客さん、悪いことは言わない。その白虎の神社……『觜宿神社』へ行こうとするのは、やめときな」
「やめときな、って」
「とはいえ……昔は行けたけれど、今は道も秘されているし。道をたとえ見つけたとしても、到底神社には辿り着けっこないけどな」
そこまで言って、もう訊いてくれるなと。
再び営業用の笑顔を宿し、りんご飴を買いに来た客の相手を愛想良くし始める店主。
紫陽花や花菖蒲が雨に濡れ艶やかに咲き、蛍が舞い飛ぶ美しい風景。
だが、その花影に潜む不穏……村人もそのことに関する何かを知っていそうだ。
そこで、語が講じた策は――人が集まればそれだけ何かしらの情報はある。
そう、夜祭り会場の広場の一角で、即席高座を作って一席。
「ちょっとばかり、お付き合いを」
姿勢をスッと正し、人が集まった時を見計らって。
淡々とした早めの語り口で噺始めるは、雨が出てくる演目――『笠碁』。
そして語り終え、拍手を浴びながら。
「やぁ、楽しかったよ」
「それはどうも。それにしても、この村に祀られている白虎にも是非一席披露したいけれど、『觜宿神社』は何処にあるか知らないか」
話しかけてきた村人に、そうさり気なく訊いてみれば。
一瞬、口籠りはするも……こう、返ってきたのだった。
「村の外れの森道から、昔は行けたが……今は、行けないんじゃないかな」
「村の外れの、森道……」
それから語は偵察も兼ね、賑やかな祭り会場から離れた村の外れへと足を向けて。
雨音だけが聞こえる静かな青の風景の中、此処だと問題ないだろうと。
買っていたものをカラスと仲良く分け合いながら……神社へと続く森道とやらを、探してみるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リル・ルリ
【花筏】
アドリブ歓迎
雨上がりの紫陽花に花菖蒲
雨雫の宝石で飾られとても綺麗だ
僕
紫陽花も花菖蒲もみるのは初めて
揺れた尾鰭が雫を弾く
紫陽花と花菖蒲を観察
紫陽花は小さいのが集まり咲いて可愛い
何だかおいしそうだ
春鳴のりんご飴もおいしそう
いつの間に
紫陽花に顔をうめるなんて素敵だね
花菖蒲はひらひらしていて金魚みたい
白い花菖蒲!きっと真珠にいさんみたいだよ
でもにいさんの方が綺麗だと思う
あれ?星?
見ればふわりひらりと舞う星…
あれが、ほたる?
傘の下で微笑む優しい織愛の声が心地よくて
穹を游ぐ星耀と戯れる妖精みたい
皆で観られて嬉しいな
追いかけそうになり止まる
遠くへはいかないよ
屋台!
嬉しいな
僕、ちょこのばなな、がいいな
雷・春鳴
【花筏】
屋台で買ってきたりんご飴を齧りながら歩く
織愛にくすくすと微笑まれた
ちょっと子供っぽかったかな。と貌を傾げて、またひとくち
リルは紫陽花も花菖蒲も、はじめてなんだね
はじめてみる楽しさは知ってるから
嬉しそうな姿に嬉しくなる
紫陽花、俺は両手いっぱいに抱きたくなる
柔らかそうで、顔をうずめたい
白い花菖蒲が真珠なら、咲いた時に真っ先に見つけられるよ
星?……あ、蛍
梅雨で星が見えなくても
地上に星が漂うなら、さみしくないね
明滅する淡い光を目で追って、手を伸ばしてみる
熱を持たない光は、不思議
遠くへは、いかない
今日はみんながいるから
何か買ってくれるの?
なら紫陽花柄の手ぬぐいがいいな
みんなとお出かけの思い出
三咲・織愛
【花筏】/アドリブ歓迎
雫に濡れた紫陽花色は麗しくて、
ついつい目が惹かれてしまいますね
美味しそうなりんご飴ですね、なんて
赤色に気付いてくすくすと
初めて見るお花は一層心が弾みますよね
楽しそうな様子を眺めているだけでも心があたたかくなります
ふと零れた滴に天を見遣れば、傘
ふふ、ありがとうございます真珠さん
せっかくですから、一緒に濡れないように
如月さんの隣に並んで、一つ傘の下
わぁ、綺麗
游ぐ星、手を伸ばせば捕まえられそうで
でも、このまま眺めているのが一番綺麗かもしれませんね
揺蕩う光に囲まれて、宵闇に身を浸す
静かでとても好い時間
リルさんも春鳴さんもおねだり上手ですね
私は……雫の飴、なんてあるかしら
雅楽代・真珠
【花筏】
執事人形の如月を連れ皆の後をついていこう
如月は片腕で僕を抱き、片手で傘を差している
雨が降り出した時は織愛に傘を傾けよう
僕は毎年見ているし、そう珍かなものではない
楽しそうなお前たちを見ていようと思う
お前たちの燥ぐ姿は目に楽しい
リルと春鳴は子供のようにも思える
様々な色を見せる手毬花は愛らしい
そうだね、金魚のよう
白い花菖蒲は僕のようだろうか
光がゆうらり横切って
――そうだよ、蛍
仄明かりに目を細め、光を追う
宵闇に浮かぶ光は美しく、そして儚い
二人共、追いかけて遠くへ行っては駄目だよ
花と蛍を堪能したら屋台を通り抜けて帰ろうか
欲しいものがあれば買ってあげるよ
可愛くおねだりしてごらん
まんまる手毬のように集まった紫陽花の青と、ひらり優美に開く花菖蒲。
そのいろに一層煌めきを与えているのは、あがったばかりの雨の露と舞い遊ぶ光。
そしてまるで宝石を散りばめるかのように、リル・ルリ(想愛アクアリウム・f10762)の揺れた尾鰭がぴしゃんと、様々な彩りを秘める雫を弾けば。
絵本に出てくる幻想的な物語の情景を切り取ったような、そんな風景に、三咲・織愛(綾綴・f01585)も薄紅色の瞳を細めて。
「雫に濡れた紫陽花色は麗しくて、ついつい目が惹かれてしまいますね」
「僕、紫陽花も花菖蒲もみるのは初めて」
「初めて見るお花は一層心が弾みますよね」
「リルは紫陽花も花菖蒲も、はじめてなんだね」
はじめてみる楽しさは知ってるから――雷・春鳴(迷子の跡・f11091)は織愛の言葉に頷きながらも。
リルが輝かせる薄花桜色の煌めきを見て、一緒に嬉しくなる。
そんな、はじめてがいっぱいのリルとは逆に。
「僕は毎年見ているし、そう珍かなものではない」
如月が片手で差す傘の下、その逆手で抱かれている雅楽代・真珠(水中花・f12752)にとっては、眼前の風景はこの時期にはありふれたもの。
でも……そんな定番の風景にも飽きることがない、添えられた彩りは。
「楽しそうなお前たちを見ていようと思う。お前たちの燥ぐ姿は目に楽しい」
リルと春鳴は子供のようにも思える、と――はしゃぐように煌めく、皆の姿。
織愛も、楽しそうな様子を眺めているだけでも心があたたかくなるような、そんなを感覚をおぼえて。
じっと見つめ合うかのように、紫陽花と花菖蒲を観察してみるリル。
「紫陽花は小さいのが集まり咲いて可愛い。何だかおいしそうだ」
そしてそう呟いてから、ふと顔を上げれば。
「春鳴のりんご飴もおいしそう」
いつの間に……そう零しつつ、視線を、咲く青から春鳴の手に握られた甘い赤へ。
「美味しそうなりんご飴ですね」
織愛もその艶やかな赤色に気付いて、思わず微笑ましくなって、くすくすと。
そんな皆の視線を集め、ちょっと子供っぽかったかな、なんて。
春鳴は貌を傾げてみるけれど……はむりとまた、甘い赤をもうひとくち。
でも甘いリンゴ飴は勿論のこと、リンゴのようにまあるい青の紫陽花も楽しむ所存。
「紫陽花、俺は両手いっぱいに抱きたくなる」
青に紅、そして二藍。
柔らかそうで、顔をうずめたい……そう続けた春鳴に、リルと真珠は同時に頷いて。
「紫陽花に顔をうめるなんて素敵だね」
「様々な色を見せる手毬花は愛らしい」
今度は優美な花菖蒲へと、視線を移してみれば。
「花菖蒲はひらひらしていて金魚みたい」
「そうだね、金魚のよう」
風にそっと靡くその花弁の様はまるで、梅雨の空を泳ぎ揺れる金魚の尾鰭。
青、藍、紫、黄――その美しい様々な彩を湛えているけれど。
やはり皆が気になるいろは――白。
「白い花菖蒲! きっと真珠にいさんみたいだよ」
「白い花菖蒲が真珠なら、咲いた時に真っ先に見つけられるよ」
白い花菖蒲は僕のようだろうか――そうひらり、尾鰭の如き長い袖を揺らす、びいどろ金魚。
そんな真珠に、でもにいさんの方が綺麗だと思う、とリルは断言した後。
ぽつり、再び感じた天からの雫に顔を上げれば。
「ふふ、ありがとうございます真珠さん」
同じ様に、ふと零れた滴に天を見遣った織愛の眼前に咲いたのは、傘の花。
如月が傾けてくれた傘に気付き、微笑んだ後。
せっかくですから、一緒に濡れないように、と――織愛が隣に並べば、一つ傘の下に。
そんな、雲に覆われているはずの雨模様だけれど。
「あれ? 星?」
リルの瞳が捉えたのは……星?
「星? ……あ、蛍」
「あれが、ほたる?」
春鳴の声に瞳を瞬かせるリルとゆうらり横切る仄明かりに、真珠は柔く瞳を細めて。
――そうだよ、蛍。
宵闇に浮かぶ美しさと儚さを宿す耀きを追いながら、言の葉を紡いで。
「梅雨で星が見えなくても、地上に星が漂うなら、さみしくないね」
明滅する淡い光を目で追って、春鳴が手を伸ばしてみれば。
掌に収まった熱を持たない光は、とても不思議な感覚。
「わぁ、綺麗」
雫煌めく空を游ぐ星は、手を伸ばせば捕まえられそうだけど。
「でも、このまま眺めているのが一番綺麗かもしれませんね」
織愛の優しい声がそう響けば――そこは、宵闇に揺蕩う光の海。
そんな姿に、穹を游ぐ星耀と戯れる妖精みたいだと、リルはそう思いながらも。
皆で観られて嬉しいな……そう、舞い遊ぶ蛍たちを、春鳴と共に追いかけようとしたけれど。
「二人共、追いかけて遠くへ行っては駄目だよ」
優しく諭すように響いた声に、その足を止める。
蛍を追いかけるのもいいけれど……でも今はやっぱり、皆といたいから。
そんな声を聞き入れた良い子たちに、帰りがけに通る賑やかな屋台で。
「欲しいものがあれば買ってあげるよ」
――可愛くおねだりしてごらん。
真珠がそう、如月の腕の中でくすりと笑めば。
「屋台! 嬉しいな。僕、ちょこのばなな、がいいな」
「何か買ってくれるの? なら紫陽花柄の手ぬぐいがいいな」
「リルさんも春鳴さんもおねだり上手ですね」
織愛は即座にそう返した二人に、楽しそうに瞳を細めながらも。
私は……雫の飴、なんてあるかしら、と。
ゆるり雫落ちる空に髪を揺らしながら、そっと二人に続いて、おねだりを。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
三岐・未夜
【姉弟妹仁義】
硝子に誘われたからついて来たは良いけど、ひとが多くてちょっと落ち着かない
……ひとの多いとこ、まだこわいからちょっと、うん
はぐれないようにと差し出された硝子の手をぎゅっと握って、不安そうに耳と尾をへたらせて歩く
威勢の良い声やはしゃぐ子供の声がする度に、びく、と縮こまる人見知りの引きこもり
でも、……硝子も北斗も楽しそうだから、僕も楽しい
チョコバナナを買って、もきゅもきゅと食べ歩き
お祭りなんて経験ないから、何もかもが新鮮に映る
屋台のチープな食べ物がすごく魅力的に見えるからずるい
射的とか輪投げもちょっとやってみたいなぁ……
あ、やっぱり?
依頼だろうなとは思ってた
北斗そろそろ慣れなよ
水沢・北斗
【姉弟妹仁義】
すごい!硝子さんの誘いが言葉通りだった事なんて初めて!
普通のお祭りだー!!
て何か随分UDCアースっぽいラインナップですけどサムライエンパイアですよねココ?(両手に焼き鳥持ちつつ)
手を繋ぐ??えー。両手塞がってるんですけどー……仕方ないですね(にぎにぎ)
ね、地酒いいですよね、やっぱりお酒はサムライエンパイアに限りま……あー!硝子さん待って!それ私のお酒!こっちの世界なら(多分きっと)15で成人扱いだしそもそも私人間じゃないから関係な……あー!取らないで!あー!
え。一仕事?
依頼??
聞いてないですよ??
硝子さんまた騙しました???
笹鳴・硝子
【姉弟妹仁義】で参加
※僧兵っぽいイエカの装束で参加しています
少年少女達、夜のお祭りに行きましょう
屋台で買い食いしながら紫陽花や花菖蒲が見れますよ
イカ焼きと地酒、楽しみです
未成年の二人はチョコバナナとかどうですか
楽しみですねえ
人出が多いのではぐれないように手でもつなぎますか
恥ずかしがらなくて良いんですよほらほら(にぎにぎ)
荷物が増えたら袂を握れば良いのです
腕はにょっきりむき出しですが気にしないので大丈夫ですよ
綺麗な花にカワイイ弟妹(もどき)を肴に飲む地酒美味しいです
はい?量が少ない?
そりゃあこの後ひと働きしなくちゃですからね
今回はお楽しみを先にしてみました
楽しいですね?良かった
では働きましょうか
「少年少女達、夜のお祭りに行きましょう」
屋台で買い食いしながら紫陽花や花菖蒲が見れますよ、なんて。
そんな笹鳴・硝子(帰り花・f01239)の言葉に、ちょっぴり疑心暗鬼であった水沢・北斗(ヤドリガミのアーチャー・f05072)だけれど。
「すごい! 硝子さんの誘いが言葉通りだった事なんて初めて!」
普通のお祭りだー!! と、露店並ぶ賑やかな、どこからどう見ても祭りな光景に瞳を輝かせる。
そして硝子の言葉に偽りのない普通の祭りに、テンションが上がっている北斗とは逆に。
「……ひとの多いとこ、まだこわいからちょっと、うん」
硝子に誘われてついて来たは良いけど――年に一度の盛り上がりを見せる夜祭りは、ひとが多くて。
落ち着かない様子なのは、三岐・未夜(かさぶた・f00134)。
そんな二人を連れて、夜祭りにやって来た硝子は。
「イカ焼きと地酒、楽しみです。未成年の二人はチョコバナナとかどうですか」
楽しみですねえ、と漆黒の瞳を細める。
どうやら本当に、ごく普通に祭りを楽しむ様子。
北斗は早速確保した焼き鳥を両手で確り握りながらも、UDCアースでもよく見かけるような露店の食べ物に首を傾けるけれど。
サムライエンパイアらしい食べ物もちゃんと沢山あるんです……!
そんな沢山の露店が並ぶ祭りには、多くの人が訪れているから。
「人出が多いのではぐれないように手でもつなぎますか」
「手を繋ぐ?? えー。両手塞がってるんですけどー……仕方ないですね」
「荷物が増えたら袂を握れば良いのです。腕はにょっきりむき出しですが気にしないので大丈夫ですよ」
恥ずかしがらなくて良いんですよほらほら、と。
北斗は、そう差し出された硝子の手をにぎにぎ。
不安そうにピアスでじゃらじゃらと飾られた耳とふわふわな尾をへたらせて歩いていた未夜も、はぐれないようにとその手をぎゅっと握って。
「わーい! お祭りー!」
すぐ傍ではしゃぐように発せられた子供の元気な声に、思わず縮こまって、びくっ。
そんな、人見知りの引きこもりである未夜だけれど。
(「でも、……硝子も北斗も楽しそうだから、僕も楽しい」)
絶対はぐれないよう、確りと硝子の手を握りながらも、二人の会話に少しだけ表情を緩めて。
買ったチョコバナナを手に、もきゅもきゅと食べ歩き。
賑やかな場所は慣れないけれど……お祭りなんて経験がない未夜にとっては、何もかもが新鮮で。
(「屋台のチープな食べ物がすごく魅力的に見えるからずるい」)
チョコバナナだけでなく、見つけたリンゴ飴にも、じーっと視線を。
「射的とか輪投げもちょっとやってみたいなぁ……」
「露店を見かけたらやってみましょうか」
ぼそりと呟かれた未夜の言葉に、そう返してから。
硝子が見つけたのは、楽しみにしていた地酒を振舞っている屋台。
北斗も同じく、張り切って店に向かうも。
「ね、地酒いいですよね、やっぱりお酒はサムライエンパイアに限りま……あー! 硝子さん待って! それ私のお酒! こっちの世界なら15で成人扱いだしそもそも私人間じゃないから関係な……あー! 取らないで! あー!」
未成年は、お酒は没収! かわりに、甘いチョコバナナです!
そんな祭りを存分に楽しんでいる、未夜や北斗たちの姿を眺めながら。
「綺麗な花にカワイイ弟妹(もどき)を肴に飲む地酒美味しいです」
そうご機嫌な様子で、くいっとひとり、地酒を楽しんだ後。
硝子はカワイイ弟妹もどきの二人に、こう言い放つ。
「はい? 量が少ない? そりゃあこの後ひと働きしなくちゃですからね」
今回はお楽しみを先にしてみました――と。
そんな言葉を聞いた二人の反応は、真逆で。
「え。一仕事?」
「あ、やっぱり?」
「楽しいですね? 良かった。では働きましょうか」
きょとんとする北斗と、薄々気付いていた様子の未夜を交互に見る硝子。
そういえば、そんな硝子の格好は――祭りにしては気合が入っている、僧兵っぽい装束。
完全に普通の祭りだと油断して満喫していた北斗は、唖然としつつも、ふるふると首を振って。
「依頼?? 聞いてないですよ?? 硝子さんまた騙しました???」
「依頼だろうなとは思ってた」
未夜は、もきゅっと残っていたチョコバナナを平らげた後。
二藍の花咲く中、肩を落とすその様子をちらりと見つつ、ひとつ嘆息する。
北斗そろそろ慣れなよ――と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
斬断・彩萌
●同行:師しょッピ(f01612)
はい、祭りだよ!もっと楽しそうにしないとカミサマに失礼でしょう。
というわけで、師しょッピをつれ回して祭りを堪能するわ
雨が止んでても、傘をくるくる回しながら、あちこち露店を見て回る
はいこれ綿あめにかき氷!(手渡そうとして逆に貰う)むぅ、しょっぱい派かぁ。これはこれで美味しくいただきまぁす(きゃっと喜んで)
折角だからここでしか出来ないものもやりたいな
染物体験かぁ、ねぇ私これやりたーい!一緒にやんない?やんない、そっか…
(しゅん。折角だから思い出に残るものがあれば良いと思ったんだけどなぁ)
柄じゃないなんて、誰かに言われたの?そういうの、自己評価低いんだから
アドリブ可
鳴宮・匡
弟子のアヤメ(f03307)と
……一応訊くけど、お前俺にそれが出来ると思って言ってる?
楽しい、とか俺と一番無縁な言葉だぞ
いいやらお前が好きに楽しんでな
あれこれ見て回るアヤメについて歩く
傘は……まあいいや、差すほどの雨じゃないし
視界が遮られるのも手が塞がるのも嫌なんだよな
いや綿あめもカキ氷もいらねーけど……
……じゃない、拗ねんな
甘いもの、そんなに得意じゃないんだよ
たこ焼きとかでいいよ、……ほら半分やるから機嫌直せ
え、いや俺興味ないから……
一人でやってな、別にどこも行かねーから
……もの作るのは苦手なんだ
(壊すだけの手には、似合わないし、)
第一、柄じゃないだろ
◆
NG:身体的接触・満面の笑顔
天からぱらりと雨が落ちているにも関わらず、活気溢れる村の夜。
いや、雨だからこそ、より盛り上がっているのかもしれない。
今宵は、雨に濡れてより艶やかさを増した、宵闇に咲く紫陽花や花菖蒲を存分に愛でる日だから。
――はい、祭りだよ!
並ぶ露店をそう、度の入っていない丸眼鏡越しに楽し気に眺めながらも。
「もっと楽しそうにしないとカミサマに失礼でしょう」
斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)は、賑やかな祭りにも特に変わった様子のない、師しょッピこと鳴宮・匡(凪の海・f01612)へと視線を移せば。
「……一応訊くけど、お前俺にそれが出来ると思って言ってる?」
楽しい、とか俺と一番無縁な言葉だぞ、と。
そう、ちらりと隣の弟子を見遣った匡だけれど。
「あ、かき氷! 食べたーい!」
「……いいからお前が好きに楽しんでな」
ご機嫌に咲かせた傘をくるくると回しながらあれこれ祭りを堪能する気満々な彩萌に、大人しくついて歩くことに。
先程まで降っていた雨は、いつの間にか傘が必要にないくらい小降りになっているけれど。
彩萌の傘の花が閉じられる気配はなく。
(「傘は……まあいいや、差すほどの雨じゃないし。視界が遮られるのも手が塞がるのも嫌なんだよな」)
逆に匡は天から落ちる雫も気にせずに、くるくる楽し気に回る傘の花の隣に並んで。
連れていかれた先は――人で賑わう、甘味の露店。
「はいこれ、綿あめにかき氷!」
「いや綿あめもカキ氷もいらねーけど……」
「むぅ、しょっぱい派かぁ」
ふわふわわた飴や甘い蜜がかかったかき氷を手に、しょんぼりする彩萌に。
「……じゃない、拗ねんな。甘いもの、そんなに得意じゃないんだよ」
たこ焼きとかでいいよ、と、匡は隣の露店で売っているたこ焼きを1舟購入してから。
……ほら半分やるから機嫌直せ。
そう、しゅんとしている弟子へと、おもむろに差し出せば。
お目当ての甘い物ではないけれど。
「これはこれで美味しくいただきまぁす」
ぱっと笑顔の花を咲かせ、きゃっと喜ぶ彩萌。
そしてもぐもぐと貰ったたこ焼きと、買った綿あめやかき氷を存分堪能した後。
おなかもいっぱいになったから、次は、折角だからここでしか出来ないものもやりたいと。
彩萌は再び賑やかな喧噪の中、きょろきょろと周囲を見回して。
「染物体験かぁ、ねぇ私これやりたーい! 一緒にやんない?」
「え、いや俺興味ないから……」
「やんない、そっか…」
「一人でやってな、別にどこも行かねーから」
思い出に残るものがあれば良いと思っていたところに丁度見つけた染物体験に、瞳を輝かせたのも一瞬。
やらないといわれて、しゅん。
そんな再びしょんぼりした彩萌に、匡は続ける。
「……もの作るのは苦手なんだ。第一、柄じゃないだろ」
――壊すだけの手には、似合わないし……そう、心の中だけで呟きながら。
彩萌は、自分はやらないけれど、でも決してやるなとは言わない、そんな隣の匡の顔をふと見上げて。
「柄じゃないなんて、誰かに言われたの?」
そういうの、自己評価低いんだから、と。
再び本降りになった雨に気付き、隣の師しょッピにも傘を差さんとするけれど。
「風邪引いたら大変でしょう」
俺はいいからと断っていた匡は、必死に自分に傘を差さんとするその肩が濡れているのを見遣ってから。
ひとつ嘆息しつつ傘を受け取り、弟子が濡れないよう仕方なく傘を差してあげつつも。
「あ! あそこの露店も見てみたーい!」
「……お前が好きに楽しんでなって、言っただろう」
紫陽花とや花菖蒲が咲き誇る中、匡は彩萌の興味の赴くまま、再び彼女について歩くのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ディフ・クライン
メイ(f00192)と共に
青の天然石と花の染料で染めた糸を使った飾りをローブにつけて
メイのネックレスと、メイの嬉しそうな顔を眺めながら、その小さな手を握り
オレも初めてだった
難しかったけれど、楽しかったね
メイのそれ、綺麗だよ
名物と言われるかき氷
今日もう一つの初めてを手に取れば器も冷たい
とても冷たい
あぁ、そうだね
氷に、甘いシロップをかけて食べるのだって
色変わりに目を見開いて
わぁ。すごいね、魔法みたいだ
世界には魔法がいっぱい、だね
あーん?…あぁ。なるほど (あーんと口をあけて)
甘い。いや、おいしいよ
じゃあメイも、あーん?
人形のオレには、あーんの意味はよくわからないけれど、メイが嬉しそうだから、いいか
辰神・明
ディフおにいちゃん(f05200)と
さっき作ったばかりの、天然の石で出来たネックレスと
ディフおにいちゃんの飾りを交互に見つつ、手をつないで
メイ、アクセサリーづくり……はじめて、でした!
楽しかったね、なのです
ディフおにいちゃん、ディフおにいちゃん!
かき氷さん、なのです……!食べられる氷、です?
(名物かき氷のシロップの色が変わったのを見て、ビックリ!)
わっ、わ……!?ディフおにいちゃん、すごいです!
魔法のかき氷さん、でした!きれい……!
すてきな、魔法でいっぱーい!です、ね
ディフおにいちゃん、あーん、です
メイは、一緒に食べたいなって……甘いの、苦手です、か?
あーんしてもらえたら、しあわせって、笑顔に
キラキラと輝く円らなピンク色の瞳が交互に映すのは、煌めくネックレスとローブに揺れる飾り。
「メイ、アクセサリーづくり……はじめて、でした!」
辰神・明(双星・f00192)は、きゅっと小さなおててで、ディフ・クライン(灰色の雪・f05200)の手を握って。
楽しかったね、なのです――そう、にぱっと花のような笑顔を咲かせる。
「オレも初めてだった。難しかったけれど、楽しかったね」
ディフも大きなその掌で、小さな手を優しく握り返しながら。
メイのそれ、綺麗だよ……と。
嬉しそうに咲いた笑顔の明を飾る、天然石の煌めきに瞳を細めて。
二人、賑やかな夜の祭りの雑踏の中を、仲良く並んで歩く。
はじめてのアクセサリー作りは、お互いに大成功で。
二人でやってみたはじめては、とっても楽しい。
そしてきょろきょろと周囲を見回していた明が見つけたのは、また新しい『はじめて』。
「ディフおにいちゃん、ディフおにいちゃん! かき氷さん、なのです……!」
ぱあっと輝くその瞳に映るのは、この祭りの名物であるというかき氷。
早速、大盛況な人の列に並んで、渡された器を手にしてみれば。
とても冷たい――思わずそう零しながらもディフが感じたのは、はじめての冷たさ。
「食べられる氷、です?」
「あぁ、そうだね。氷に、甘いシロップをかけて食べるのだって」
きょろり、周囲の人たちがやっているように、二人も真似っこをしてみて。
氷にかけられた青い蜜の上から、渡されたレモンの雫を数滴、降らせてみれば。
「わっ、わ……!? ディフおにいちゃん、すごいです!」
「わぁ。すごいね、魔法みたいだ」
青から二藍へと瞬時に変わった蜜のいろに、ビックリ!
「魔法のかき氷さん、でした! きれい……!」
そう興奮したように甘い二藍の彩りを見つめる明に、ディフも頷いて。
「世界には魔法がいっぱい、だね」
「すてきな、魔法でいっぱーい! です、ね」
一緒に体験した素敵な魔法に、ふふっと笑み合う。
でも、かき氷の魔法は、実はこれだけではなくて。
「ディフおにいちゃん、あーん、です」
……甘いの、苦手です、か?
そう少し窺うように上目の視線を向け、一掬いした二藍の色を遠慮気味にディフへと差し出した明だけれど。
「あーん? ……あぁ。なるほど」
一瞬だけ首を傾けたものの……あーんの意図を察したディフは、文字通り、あーんと口を開けて。
「甘い。いや、おいしいよ」
――じゃあメイも、あーん?
そうお返しの、あーんを。
ディフおにいちゃんと一緒に食べたいなって……そう思っていた明は、とても嬉しくて。
しあわせ――そう、にこにこ、とびきりの笑顔に。
人形であるディフには、あーんの意味はよくわからないけれど。
メイが嬉しそうだから、いいか……そう思いながらも。
でも明を見ていて、分かった気もする。
あーんは、甘いかき氷をもっと美味しくする、魔法だって。
それに――二人で共有するはじめてはやっぱり、とても楽しい、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ライム・ヒスイ
気になる存在のラス(f00157)とお祭り
天然石でアクセサリを作れると聞いてラスを誘って
彼の作るモノは特別素敵だからブレスレットをおねだり
その代わりいつもわがまま聞いてくれるお礼にネックレスを作るわ
緑と黒で彼に似合うよう…
お店の人と世間話で花影の話を聞くのも忘れない
できたら、ねぇ受け取って?
ラスのようにうまくないけど
作ったアクセサリがラスに似合ってたら嬉しい
ラスの作ってくれたブレスレットはとても素敵で目が離せない
ありがとう、大事にする
きっとよ
ブレスを見ながらここが好き
と伝えながら歩く蛍の園
心に実った思いに色づく頬
暗くて良かったと心の中にしまって
☆アドリブ、仲の進展等歓迎
ラスカス・フォティア
同じ劇団員のライム(f00323)と、祭りに
雨はあまり好きでは無かったが、此処の景色は美しい
小雨に打たれるのはかえって心地良いくらいだ
天然石を選ぶ際にでも、花影の話は少し探りを入れておこう
ブレスレットが良いと言っていた
緑と橙の二色、丸い石を選んで繋いでいこう
あるようなら、花の装飾も添えて
こうしていれば彼女の目を見なくて(…照れなくて)済むしな
彼女の綺麗な瞳にはどうも弱い
仕上がったら彼女の腕に付けてやる
似合うかも勿論気になるが、それよりも
自身の首を彩る彼女の手製のネックレスが嬉しい
上手く有難うを伝えられないから、代わりに彼女の手を引いて
蛍の園に溶け込むとしよう
※アドリブ、絡み、仲の進展大歓迎です
しとしとと降っていた雨も、随分と小降りになってきた、そんな中。
ラスカス・フォティア(黒・f00157)は、雨露に濡れ静かに輝きを増す花々を眺めながら、思う。
(「雨はあまり好きでは無かったが、此処の景色は美しい。小雨に打たれるのはかえって心地良いくらいだ」)
普段なら他愛のない雨も――不思議と今は、何だか特別なもののようにみえる。
それは、紫陽花や花菖蒲の二藍の彩のせいか……それとも。
ラスカスがそっと視線を向けるのは、隣を歩くライム・ヒスイ(舞い散るカードの先・f00323)の姿。
冷やりとした小雨の感触は、確かに肌に心地良いけれど。
ライムまで濡らしてしまうのは心苦しいから……ラスカスは彼女と共に、ある店の中へと入っていく。
店内に入れば、瞳に飛び込んできたいろは、まさに千紫万紅。
煌めく天然石が並ぶ、アクセサリー工房。
天然石でアクセサリを作れると聞いて、ラスカスをこの店に誘ったライムは、彼にブレスレットのおねだりを。
だって、創り出す事に生き甲斐を見出したその手から作り出される逸品は、特別素敵だと。
ライムは、知っているから。
でも、作って貰うだけではない。いつもわがままを聞いてくれるお礼にと、ライムも、ラスカスに贈るネックレスを。
選んだ色は、緑と黒。彼に似合うようにと、ひとつひとつ、気持ちを込めて繋いでいきながらも。
「紫陽花や花菖蒲が綺麗に観られる場所があれば、教えて欲しいわ」
アクセサリー作りを手伝ってくれる店の人への聞き込みも、抜かりなく。
「花を楽しめる、絶景……」
「この地は、白虎を祀ってあると聞いたが」
「昔は、白虎様を祀る神社の風景が絶景だったけど……今は、神社に入ることができなくなっていて」
続いたラスカスの言葉にも、何だか歯切れの悪い店主。
その様子に違和感を覚えながらも、ラスカスもライムご要望のブレスレット作りに取り掛かる。
緑と橙の色合いの丸い石を選んで、黙々と集中して繋いでいくラスカス。
こうしていれば――彼女の目を、見なくて済むから。
この緑色の天然石のような綺麗な瞳にはどうも弱くて……じっと見つめられると、照れてしまう。
そんなことをその胸の内だけに秘めながら。
お互いに、作ったアクセサリーを交換こ。
「ねぇ受け取って? ラスのようにうまくないけど」
作ったアクセサリがラスに似合ってたら嬉しい、そう願うライムへと。
ラスカスも仕上がったブレスレットを彼女の腕へと付けてあげる。
そのブレスレットがライムに似合うかも、勿論気になるけれど――それよりも。
「ありがとう、大事にする」
――きっとよ、と。
そう嬉しそうに笑む彼女の手製のネックレスが、嬉しい。
そしてアクセサリー工房を出たふたりは、二藍の花と舞う蛍を観に、雨空の下を歩いて。
ここが好き、とラスカスに作って貰ったブレスレットの感想を幸せそうに伝えるライム。
そんな自分の気持ちを口にする彼女とは逆に、上手く有難うを伝えられないラスカス。
けれど、言葉ではなかなか伝えられないけれど……代わりに、ブレスレット煌めくその手を引いて。
ふいに伝わるその温もりと心に咲いた思いに、色づくライムの頬。
暗くて良かった――そう言の葉をしまう、そんな彼女の心の中にも気付かずに。
ネックレスの煌めきを胸に。ラスカスは舞い遊ぶ仄かな光の海に、ライムと二人、そっと溶け込むのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
篝・倫太郎
夜彦(f01521)と
蛍と花を愛でながら呑む
こーゆー時期はこーゆー時期で
それなりの楽しみ方がある、ってな
来年も見事咲いて人の目を楽しませてくれますよーに
そんな気持ちも込めて花と蛍、夜彦に献杯
んー!んまい!
川魚も山菜の佃煮も酒に合うし
つーか、夜彦はやっぱこういう場所合うよなぁ
絵になるわ、そうしてるだけで
うーむ、俺も後10年くらいしたらそーゆー懐の深さみてーなの
出てる漢になれっかなー
あはは!俺は俺だ
どんな経験しようが、本質は多分変わらねぇさ
春は桜、初夏は紫陽花に花菖蒲……夏は何を眺めて酒を飲もう
やっぱ花火か?
なるほどなぁ……そーゆーんも風流で良いな
そんな機会があればまた酒を酌み交わしてぇや
月舘・夜彦
倫太郎殿(f07291)と参加
雲で空は覆われておりますが、地上の星も負けじと美しい
蛍を見るのも久しぶりです
毎年花は咲き、命もまた繰り返す
自然の営みを眺めながら、有り難く頂きましょう
どの食事も美味しく、酒も良い水から作られたのでしょう
私はサムライエンパイアでの暮らしが随分長いですからね
精神の成長は時の長さもありますが、己の環境や人との関わりも影響を受けましょう
倫太郎殿は倫太郎殿らしさを残した成長である方が私は嬉しいです
夏は花火が定番でしょうね
私はびいどろの風鈴の音や青々とした木々の葉が風に揺れる音
見るだけでなく、音も季節を思わせる
此れを聞きながら飲む酒も良いものですよ?
その時はまた飲みましょう
本来ならば、星を見ることなどできない雨模様。
だけど今、ふわりと舞い遊ぶその数多の光は――まさに、地上の星。
蛍を見るのも久しぶりです、と。
月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)はその夜空の様な色の瞳に、天に輝く星にも負けない仄かな輝きを映して。
「こーゆー時期はこーゆー時期で、それなりの楽しみ方がある、ってな」
篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は、蛍の光と雨露でより彩られた花々を眺めながら、思う。
来年も見事咲いて人の目を楽しませてくれますよーに、と。
そんな気持ちを込めて。
「毎年花は咲き、命もまた繰り返す。自然の営みを眺めながら、有り難く頂きましょう」
「だな! 花と蛍、夜彦に献杯!」
かちりと、杯を重ね合わせて。
くいっとまずはひとくち、振舞われた村の地酒を飲み交わす。
辛口だがすっきりとした味わいは飲みやすく、非常に美味で。
つまみとして調達した川魚も山菜の佃煮も、地酒にぴったり。
「んー! んまい!」
「この酒も良い水から作られたのでしょう」
紫陽花や花菖蒲が咲き誇り、蛍が舞うこの村の水はきっととても澄んでいて、良いものなのだろうと。
そう酒や食べ物を味わう夜彦へと、倫太郎は視線を向けて。
「つーか、夜彦はやっぱこういう場所合うよなぁ。絵になるわ、そうしてるだけで」
……うーむ、俺も後10年くらいしたらそーゆー懐の深さみてーなの、出てる漢になれっかなー。
なんて、ほんのり酒が入って染まった顔を傾けてみるも。
「私はサムライエンパイアでの暮らしが随分長いですからね。精神の成長は時の長さもありますが、己の環境や人との関わりも影響を受けましょう」
そして夜彦は、蛍の光に照る眼前の倫太郎へと柔く笑む。
「倫太郎殿は倫太郎殿らしさを残した成長である方が私は嬉しいです」
「あはは! 俺は俺だ」
そんな夜彦の言の葉に、倫太郎はうんうんと頷きながら笑って。
もうひとくち、旨い酒を口に運ぶ――どんな経験しようが、本質は多分変わらねぇさ、と。
そしてこの世界特有の四季を感じながらも、誰かと呑む酒は、格別に美味しいから。
「春は桜、初夏は紫陽花に花菖蒲……夏は何を眺めて酒を飲もう」
やっぱ花火か? と再び首を傾げる倫太郎に、夜彦もこくりと頷くけれど。
「夏は花火が定番でしょうね」
でも、びいどろの風鈴の音や青々とした木々の葉が風に揺れる音――見るだけでなく、音も季節を思わせるような。
「此れを聞きながら飲む酒も良いものですよ?」
「なるほどなぁ……そーゆーんも風流で良いな」
夜彦の紡ぐ情景に感心したようにそう呟いた倫太郎は、もう一度笑んで。
「そんな機会があればまた酒を酌み交わしてぇや」
夜彦は空になった倫太郎の杯に地酒を再度注ぎながら、こう約束を。
――その時はまた飲みましょう、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
浮世・綾華
オズ(f01136)と
折角だからと
二人分この世界の番傘を用意
オズには服に合う紺色を渡し
雨が降ってきたなら自分は紅を差す
ふ、こーら、足元気を付けろよ?
花菖蒲も紫陽花も、きれーだな
(傘を叩く雨音に耳を傾けるのは
オズが好きと言っていたからだ
雨に混じって歌声が聞こえたなら耳を澄ませ
一体どんな音に聞こえているのだろう
想像するのは少しだけ楽しい)
オズの目の色みたいな紫陽花、みっけ
指さす先、ぽうっと眩く何かが
気づけば辺りには螢
ん、きれー
俺もこんなたくさんいんのは初めてみた
魔法――以前聞いた彼の名前をした魔法使いの本を思いだし笑って
あ、オズの傘
くすりと笑えば紺の傘に蛍が数匹星空みたく煌き
俺?オズのまほうでしょ
オズ・ケストナー
アヤカ(f01194)と
ばんがさっ
雨が降る前からくるくる回し
たのしい
うんうん、気をつけるっ
きれい
色がちょっとずつちがうね
花に顔近づけ
雨粒をためる花がきれいで
つつけば水がぽたぽた
雨が降る音
傘を叩く音
花に落ちて弾ける音
葉を伝って落ちる音
ぜんぶいっしょになれば曲みたいで
いっしょに歌いたくなる
わたしの色?
言われて振り向けば
わあっ
光った、ひかったよっ
これがホタル?
ふわふわしてる
まばたきもしてる
ふしぎ
あっちにも、こっちにもいるっ
指した指にも光が灯って
びっくりしてとんでっちゃわないように
きらきらとアヤカを振り返り
ふふ、まほうみたい
カサ?
内側からも透けて見える雨の日の星空
きっとこれはアヤカのまほうだ
きれいだね
雨模様の天へとパッと咲いてくるりと廻るのは、紅と紺、ふたつの和の華。
折角だからと、浮世・綾華(美しき晴天・f01194)がオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)へと手渡したのは、彼の服に良く合った紺色。そして綾華は紅を差して。
「ばんがさっ」
「ふ、こーら、足元気を付けろよ?」
「うんうん、気をつけるっ」
そう返しながらもオズは楽し気に、番傘をくるくる。
そんな無邪気な様子に、瞳を細めてから。
ふと視線を移した先に咲くのは――雨に濡れて艶を増した、紫陽花や花菖蒲。
「花菖蒲も紫陽花も、きれーだな」
「きれい。色がちょっとずつちがうね」
同じ青でも、数多の星のような小さな花ひとつひとつ、微妙に色加減も違って。
そんないろが集まって咲いたまんまる花手毬は、どこか不思議で美しい。
オズは紫陽花に顔を近づけて、そっと優しく、咲き誇る花をつんつん。
指で突いてみれば――溜まっていた雫が、様々な青の彩りを煌めかせながら零れ落ちて。
雨が降る音、傘を叩く音、花に落ちて弾ける音、葉を伝って落ちる音――ぜんぶいっしょになれば、曲みたいで。
いっしょに歌いたくなる……そう思う前に、自然と零れていた小さな鼻歌。
そんな、オズが好きと言っていた音。
綾華は紅の傘を叩く雨音を聞きながら、その音色に混ざる歌声に耳を澄まして。
想像しては少しだけ楽しく思う――一体どんな音に聞こえているのだろう、って。
それからふと、瞳に飛び込んできた色は。
「オズの目の色みたいな紫陽花、みっけ」
「わたしの色?」
オズの双眸を思わせる、キトンブルーの花。
その声に、オズが振り返ってみれば。
導く指の先に――ぽうっと眩く、何かが。
それは。
「わあっ、光った、ひかったよっ。これがホタル?」
ふわふわ漂って、ぱちくりと瞬く、不思議で幻想的な灯火。
「あっちにも、こっちにもいるっ」
「ん、きれー。俺もこんなたくさんいんのは初めてみた」
気づけば此処は、周囲に蛍舞い遊ぶ光の海。
「ふふ、まほうみたい」
そう零れた言の葉に、魔法――と。
綾華は、以前聞いたことのある、彼の名前をした魔法使いの本を思いだし笑って。
「あ、オズの傘」
「カサ?」
くすりと再び笑んだ綾華のその視線の先には――幾つかの仄かな星が羽を休める、傘の夜空が。
それは、内側からも透けて見える雨の日の星空。
「きっとこれはアヤカのまほうだ」
――きれいだね、と。
そうオズが紫陽花のように花咲いた瞳を細めれば。
「俺? オズのまほうでしょ」
淑やかに咲いた青が、そう笑う綾華の赤の双眸に映り、混ざり合って。
刹那、二藍の彩りに変わる、魔法になる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
逢坂・理彦
煙ちゃんと(f10765)
ふふ、本当に俺たちは雨と縁があるのかもしれないね。
素敵なお祭りだねぇ。
紫陽花も花菖蒲も綺麗に咲いてるし…蛍も見れるんだって。お祭りの屋台も賑やかだし。
なんだかいいところをいっぱい詰めたようなお祭りだね。折角だから少し楽しんで行こうか。
甘味…旅団でもよく煙ちゃんが出してくれるよね。あれ、とっても美味しいから好きだよ。
あぁ、でもせっかくだからここでしか食べられないものを食べてみない?
あのかき氷。青い蜜にれもんをかけると色が変わるんだって。どうかな?
ふふ、面白いよね。
あとはかき氷をたべながら二人でゆっくり二藍の花を愛でようか。
賑やかなところは俺も好きだけど。今日は、ね。
吉瀬・煙之助
理彦くん(f01492)と
ふふふ、理彦くんと一緒だと雨に縁があるね
紫陽花と花菖蒲…それに蛍かぁ…
見るのが楽しみだね♪
お祭りは前にも行った事があるけれど
美味しそうなものがいっぱいあるね~
つい目移りしちゃうけど
理彦くんはどれが食べたい?
こ、こんな時に僕の作る甘味の話はいーっの…!
(褒められて帽子で顔を隠して照れながら)
んー僕はね
せっかくなら名物のかき氷を食べてみたいな
食べたいものが買えたら
蛍と花を見に行こうよ
賑やかなところも好きだけど
2人だけで過ごしたいなって…
理彦くんもそうだと嬉しいな…♪
しとしとと静かに降る夜の雨。
けれども、こんな空模様を二人で目にする機会は不思議と多くて。
「ふふふ、理彦くんと一緒だと雨に縁があるね」
「ふふ、本当に俺たちは雨と縁があるのかもしれないね」
同時にそう紡いだ言葉も、お揃い。
そんな雨降る中、逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)は、素敵なお祭りだねぇと。
雨でも活気溢れる……むしろ、雨だからこそ盛り上がっている眼前の喧噪に金の瞳を細めて。
「紫陽花も花菖蒲も綺麗に咲いてるし……蛍も見れるんだって。お祭りの屋台も賑やかだし」
「紫陽花と花菖蒲……それに蛍かぁ……見るのが楽しみだね♪」
「なんだかいいところをいっぱい詰めたようなお祭りだね。折角だから少し楽しんで行こうか」
そう言った理彦と並んで歩く吉瀬・煙之助(煙管忍者・f10765)は、並ぶ屋台へと忙しく視線を向けて。
「お祭りは前にも行った事があるけれど、美味しそうなものがいっぱいあるね~」
――つい目移りしちゃうけど、理彦くんはどれが食べたい?
そうふと、訊ねてみれば。
「甘味……旅団でもよく煙ちゃんが出してくれるよね。あれ、とっても美味しいから好きだよ」
返ってきた言葉は、完全なる不意打ち。
「こ、こんな時に僕の作る甘味の話はいーっの……!」
褒められた煙之助は思わず、帽子で顔を隠して、照れてしまうけれど。
「あぁ、でもせっかくだからここでしか食べられないものを食べてみない?」
――あのかき氷。青い蜜にれもんをかけると色が変わるんだって。どうかな?
そう提案する理彦の声に、二つ返事で頷く煙之助。
「僕もね、せっかくなら名物のかき氷を食べてみたいなって思ってたんだ」
煙之助の作る甘味も勿論大好きだけれど。
いざ露店で購入してみるのは、甘くて、そして不思議なかき氷。
青の彩りにレモンを数滴降らせてみれば……咲き誇る紫陽花や花菖蒲を思わせる、二藍の色合いに。
ふふ、面白いよね――と。
目で見ても楽しめる物珍しい甘味に理彦は笑んでから、ひとくち、口へと運んで。
いつもふかす煙の味とは全く違った、レモンの酸味がより引き立てるその甘さを、同じく堪能しながらも。
二人一緒に、舞い遊び照る蛍と淑やかに咲き誇る花を愛でる。
わいわい活気あふれる場所も良いのだけれど。
「賑やかなところも好きだけど、2人だけで過ごしたいなって……」
――理彦くんもそうだと嬉しいな……♪
しとしとと降る雨の音と、シャクシャクと二藍に染まった甘い氷を掬う音だけが聞こえる、そんな静寂の中で。
そう続けた煙之助に、理彦も頷く。
賑やかなところは俺も好きだけど――今日は、ね、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
碧海・紗
アンテロさん(f03396)とご一緒にPOW
アドリブ歓迎
情報収集、第六感を駆使して
視力は紫陽花を眺める為に
ついソワソワ…私、好きなんです
紫陽花。
小さな花が集まって鮮やかで
こんなにたくさん咲き誇った紫陽花は初めてで
雨が降ろうともつい夢中に
雨粒が大きくなってきたなら雨宿りを
雨に打たれてもまた、美しい…
そういえば、知ってますか?紫陽花や菖蒲の色をしたかき氷という氷を削った甘味があるんですって
アンテロさんを見上げて食べたいアピールです
二藍のかき氷、初めてですが美味しそう!
レモンをかける彼にキョトン
青から紫に変化する其れに目が釘付け…すごい!
こんなに楽しい場所になら、潜みたくなる気持ちもわかりますね?
アンテロ・ヴィルスカ
碧海君(f04532)と共に
POW、アドリブ歓迎
銀鎖に念動力を伝せダウジングの要領で捜索
あぁ、いつになく落ち着きがないと思ったらそう言う事か…
彼女の熱弁に耳を傾けつつ、偶には花を楽しむのも悪くない
雨が激しくなれば足早に屋根を探そう、美しいのは結構だが足元注意だ
カキ氷とらやは存じ上げないが直ぐに止む雨でもないだろう
構わないよ、と見上げる視線に一言だけ…
二つ並んだカキ氷に彼女が感激している間にサッとレモンをかけてしまう
こうして食べるのが店主オススメなのだろう、早く食べないと溶けてしまうよ?
紳士的に手を拭って先に一口
さて、紫陽花と花菖蒲の下に一体何が潜むやら…
ここに潜むのが君なら不思議ではないけどね
降り立った彼の地は、雨の降るサムライエンパイア。
予知されたのは、賑やかな夜祭に潜む不穏な花影。
アンテロ・ヴィルスカ(白に鎮める・f03396)はその影を探るべく、銀鎖に念動力を伝せて。ダウジングの要領で、注意深く捜索を試みれば。
碧海・紗(闇雲・f04532)も情報収集をするべく、第六感を駆使しながらも。
その翼と同じ色をした瞳に映すのは、降る雨に艶やかに濡れた、美しい紫陽花のいろ。
「私、好きなんです、紫陽花」
眼前に咲き誇るのは、好きな花だから……つい、紗はソワソワしてしまって。
「あぁ、いつになく落ち着きがないと思ったらそう言う事か……」
どこか普段と違った、紗の様子の理由が判明し、アンテロは納得したようにそう呟く。
そして、しとしとと雨が降るのも構わずに。
「小さな花が集まって鮮やかで。それに、こんなにたくさん咲き誇った紫陽花は初めてです」
思わず夢中になって熱弁する紗。
そんな紗の熱い言の葉に耳を傾けながらも、アンテロは思う――偶には花を楽しむのも悪くない、と。
でも、それはそれとして。
「美しいのは結構だが、足元には注意だ」
先程より気持ち激しさを増した雨に気付き、アンテロは足早に近くの屋根を探して。
彼に促され、雨宿りをしながらも。
「雨に打たれてもまた、美しい……」
より艶やかさを増した、寄り添い咲く手毬の如き美しい花にさらに見惚れ、うっとり。
それからふと、賑やかな露店へと目を向けた後。
「そういえば、知ってますか? 紫陽花や菖蒲の色をしたかき氷という氷を削った甘味があるんですって」
紗はそう隣のアンテロを見上げて、食べたいアピールを。
アンテロは、そんな見上げる視線に。
「カキ氷とらやは存じ上げないが直ぐに止む雨でもないだろう」
構わないよ――返すのは、そう一言だけ。
そして向かったかき氷の露店は、名物なだけあって、雨の中でも大盛況。
「二藍のかき氷、初めてですが美味しそう!」
ふわふわに削られた氷に、紫陽花色の甘い蜜。
本でも見たことがなかったその甘味に、紗は思わず感激の声を上げて。
「こうして食べるのが店主オススメなのだろう、早く食べないと溶けてしまうよ?」
紗が感激している間に、二つ並んだカキ氷に、サッとレモンをかけてしまうアンテロ。
そんな、レモンをぎゅっとかけた彼の様子に、紗は一瞬キョトンとするけれど。
でも刹那――鮮やかな青の彩りが、紫を帯びた二藍へと瞬時に変われば。
「……すごい!」
思わず、目が釘付けに。
アンテロは感激している紗よりも先に、紳士的に手を拭った後。
ぱくりとお先に、二藍の甘い色を口へ。
そして優しい甘さが口いっぱいに広がるのを感じながらも。
「さて、紫陽花と花菖蒲の下に一体何が潜むやら……」
美しく淑やかに咲き誇るその花影に視えたという、不穏なものを探るべく。
アンテロは店の中からそっと花咲く紫陽花や花菖蒲へと視線を向けるも。
「こんなに楽しい場所になら、潜みたくなる気持ちもわかりますね?」
遅れて、冷たい二藍のいろをひと掬いした紗の言葉に、アンテロはこう続ける。
――ここに潜むのが君なら不思議ではないけどね、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
逢坂・宵
マレーク君(f09171)と
きみとこうして腰を据えてご一緒するのは初めてでしょうか
ふふ、こちらこそその節はお世話になりました。花を肴に飲みましょう
焼き鳥にたこ焼き、名物というかき氷、抹茶パフェや団子もいい
ヤドリガミは器物であった頃に経験できなかったものに熱中する性質があるのかもしれませんね
あざやかな青色の紫陽花に生涯を誓った伴侶の姿が重なって見えて
……僕の伴侶はとても格好良いですがすごく抜けてて、頼もしいですが案外へたれなんですよ
思えば一目惚れですが、今は彼のすべてが愛おしいんです
特別な存在というのはやはり得難いものです
貴人が愛した紫という高貴な色が、きみと永久にともに在りますように
乾杯
マレーク・グランシャール
宵(f02925)と共に
宵とはグリモア猟兵として出した依頼で知り合った
あの時は世話になったな
今夜はお互い一人、一緒に花を見て回るのもいいだろう
夜店で買い求めた酒と和紅茶を持っていく
ツマミは宵に一任‥‥‥ヤドリガミは甘党か?
俺の無二の友もヤドリガミだが甘党で食べ歩きが好きらしい
俺は食より花だな
住処とする遺跡の砦に植える花を探しているが、やはり紫陽花に花菖蒲、自然と紫に目が行く
紫は親しんだ友の瞳の色、幸せだった頃の追憶の色だ
俺の友は社交的で明るいが優柔不断だな
だが戦場に立てば誰よりも雄々しく頼もしい最愛の盾だ
いずれ俺の死を看取ってくれるだろう
乾杯しよう
青がお前と常しえに寄り添い合うことを祈って
ただ耳に響くのは、天より落ちては弾ける雨の音だけ。
ふと仰いでみても、雲に覆われた空には星一つ見えない――はずだけれど。
きみとこうして腰を据えてご一緒するのは初めてでしょうか、と。
マレーク・グランシャール(黒曜飢竜・f09171)に向けられたその深宵の瞳には星が瞬いていて。
逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)の湛える夜空に星の煌めきを増やすのは、舞い遊ぶ蛍の光。
「あの時は世話になったな」
マレークが予知した依頼で繋がったという二人の縁。
そして今日は、互いに独り身。
「ふふ、こちらこそその節はお世話になりました」
花を肴に飲みましょう、そう瞳を細める宵と一緒に花を見て回るのもいいだろう、と。
マレークは夜祭りの露店で買い求めていた地酒と和紅茶を取り出して。
ツマミは宵に一任……したのだけれど。
焼き鳥にたこ焼き、名物というかき氷、抹茶パフェや団子まで。
「……ヤドリガミは甘党か?」
ずらり並べられた宵の用意したツマミに、思わずそう首を傾けるけれども。
そういえば、ヤドリガミである無二の友も甘党で食べ歩きが好きらしいことを思いだすマレーク。
そんなマレークに、宵はくすりと笑みながら。
「ヤドリガミは器物であった頃に経験できなかったものに熱中する性質があるのかもしれませんね」
ふと雨の景色に視線を移せば――目に飛び込んできたのは、鮮やかな紫陽花が湛える青の色。
そのいろが、生涯を誓った伴侶の姿と重なって見えて。
「……僕の伴侶はとても格好良いですがすごく抜けてて、頼もしいですが案外へたれなんですよ」
思えば一目惚れですが、今は彼のすべてが愛おしいんです――と。
そう、愛しくも美しいサファイアの色を想う言の葉を、気付けば紡ぐ宵。
マレークは、並べられた甘味をもう一度見遣ってから。
「俺は食より花だな。住処とする遺跡の砦に植える花を探しているが、やはり紫陽花に花菖蒲、自然と紫に目が行く」
その言葉通り目が向いてしまう、眼前に咲く二藍のいろを見つめて。
「紫は親しんだ友の瞳の色、幸せだった頃の追憶の色だ。俺の友は社交的で明るいが優柔不断だな」
同じ色を湛える瞳を細め、こう続ける。
「だが戦場に立てば誰よりも雄々しく頼もしい最愛の盾だ」
――いずれ俺の死を看取ってくれるだろう、と。
そんな言葉を聞きながら、宵はマレークの杯に地酒を注いで。
「特別な存在というのはやはり得難いものです」
――貴人が愛した紫という高貴な色が、きみと永久にともに在りますように。
そう、雨降る夜の空に杯を掲げて……乾杯、と。
互いの愛しい色が艶やかに咲く景色を肴に、酒を酌み交わし始める。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
縁城・陽
同じ旅団の春日・陽子(f12238)と遊びにきたぜー。
グリモア猟兵として、祭に行く人の送迎してた陽子にも
ちゃんと祭を楽しんで欲しくて、思わず誘っちまった
「いつもお疲れさん。たまにはこーやって祭を楽しむのもいーもんだろ?」
雨の中咲く紫陽花を見て回る
「綺麗なもんだなー…やっぱ雨に映えるな、紫陽花は」
自分の世話する花畑のことを思い出しつつ。
花畑の片隅にある紫陽花も、きっと綺麗に咲くんじゃねーかな。
「褒めてくれてサンキュ。そーいってもらえると花たちも喜ぶぜ、きっと」
陽子の言葉には笑って返す。
陽子も花好きだし、楽しんでくれてたらうれしーな。
「またそのうち、こーやって遊びにこようぜ?」
春日・陽子
陽さん(f03238)に、誘ってもらって、参加します
確かにお祭りは、久しぶりです
誘って頂いて、ありがとう、ございます
いつもは、見ているだけ、でしたが
「…はい。人がたくさんで…みんな、楽しそうで。尾が、そわそわ、します」
そっと頷きます
陽さんと共に傘をさして紫陽花を見て回ります
「夜雨に濡れる、色とりどりの紫陽花。今しかみれない風景は。とても、綺麗だと、思います」
こくこくと頷き
いつも丹精こめてお世話をしている陽さんや、みなを思い浮かべて
「陽さんの花畑。私も好き、です。きっと、綺麗な紫陽花がさくと、思います」
「誰かとまわる花祭りは、久しぶり、です」
忘れられない風景が、増えました
ありがとう、ございます
雨模様の空に、傘を咲かせながら。
「いつもお疲れさん。たまにはこーやって祭を楽しむのもいーもんだろ?」
縁城・陽(瓦礫の城塞・f03238)の声に、ふと考える春日・陽子(陽だまりの様な日々は遠く・f12238)。
いつもは見ているだけだったから……確かに、祭りは久しぶりだ。
「……はい。人がたくさんで……みんな、楽しそうで。尾が、そわそわ、します」
そう、ふわり尻尾を揺らしながら、そっと呟く陽子。
グリモア猟兵として、祭に行く人の送迎をすることはよくある陽子だけれど。
そんな彼女にも、ちゃんと祭を楽しんで欲しくて――思わず誘いの声を掛けた陽。
陽子は改めて、誘って頂いて、ありがとう、ございます、と彼に礼を言いながらも。
雨に濡れてより美しい色合いを誇る紫陽花を二人、傘を差しながら、一緒に観て回る。
「綺麗なもんだなー……やっぱ雨に映えるな、紫陽花は」
眼前に咲く紫陽花を眺め、そう紡いだ陽の言の葉に。
「夜雨に濡れる、色とりどりの紫陽花。今しかみれない風景は。とても、綺麗だと、思います」
陽子は、こくこくと頷きながらも。
脳裏に思い浮かべるのは……陽が世話をしている花畑。
そして、いつも丹精こめて世話をしている、陽や皆のこと。
同じことを思った陽も、眼前の紫陽花を眺めながら、自信の花畑と重ねて。
「花畑の片隅にある紫陽花も、きっと綺麗に咲くんじゃねーかな」
「陽さんの花畑。私も好き、です。きっと、綺麗な紫陽花がさくと、思います」
「褒めてくれてサンキュ。そーいってもらえると花たちも喜ぶぜ、きっと」
陽子の言葉に、陽はそう笑って返す。
紫陽花や花菖蒲、そして二人の周囲をも仄かに照らす蛍の光。
その輝きや雨粒に照る花々は、とても幻想的で綺麗で。
「誰かとまわる花祭りは、久しぶり、です」
陽子にとって忘れられない風景が、またひとつ。
改めて――ありがとう、ございます、と。
そう、白く長い髪を揺らしながら、ぺこりと頭を下げた陽子に。
「またそのうち、こーやって遊びにこようぜ?」
陽はそう、彼女と約束を。
そして、青や二藍に咲いた紫陽花を眺める隣の陽子へと、改めて視線を向けながら思う。
陽子も花好きだし、楽しんでくれてたらうれしーな――って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
星野・祐一
【菫子(f17838)と】
最初は名物って噂のかき氷を食べに行くぜ
菫子に続いて「めっちゃ繁盛してんな!」と声を掛けつつ
かき氷を菫子から受け取るよ ありがとな!
よし、じゃあレモンの雫を垂らすぞ、せーの…
おおっ!本当に色が変わったな…面白いなぁこれ
味の方は…ぐっ、頭がきーんってするぞ
でも確かに甘くて美味いなぁ
暫くしたら紫陽花って花を見に行くか
りんご飴は菫子の分まで購入するぜ
今度は俺が奢る番ってね
紫陽花を見るのは初めてだったが
光に照らされながら雨に濡れた姿は綺麗で
雨の鬱陶しさとか忘れて眺めてられる気がする
今まで花に興味を持つとかなかったけど
この花は好きになった
また菫子と二人で見に行きたいな
アドリブ歓迎
天方・菫子
【星野さん(f17856)と】
まずは星野さんと名物のかき氷を堪能するよ
屋台の方に「大きなお祭りですねっ」って声をかけつつ
星野さんの分も購入 はい、どうぞ!
二人でせーの、でレモンの雫を垂らして…
すごい、紫陽花と花菖蒲を一緒に見てるみたい!
きっと味も花のような味がするんだろうな
う、きーんってする でも甘くて美味しいね
ちょっと涼しくなったところでりんご飴を買って
蛍の舞う中、二人で紫陽花見物
雨の時期って憂鬱だけど、紫陽花があるだけで幸せになる
雨色の世界にふわっと咲く色
あまり派手に主張する色じゃないのもいいよね
淡い紫は馴染みの色だけど
紫陽花はなんだか品があって素敵だな
アドリブ歓迎
先程まで振っていた雨も今は上がっていて。
夜空を覆う雲こそはれないけれど、星のかわりに輝くのは、花々を照らす蛍の光。
今日は年に一度の、村を上げた夜祭りということもあって。
並ぶ露店は、多くの人で賑わっている。
特にその中でも、人の波が途絶えないのが――この『觜宿祭』の名物でもあるという、かき氷が売っている店。
「大きなお祭りですねっ」
そう店の人に声を掛けるのは、天方・菫子(咲かせや咲かせ・f17838)。
「ああ、何て言ったって、この村の年に一度の一大イベントだからな!」
「めっちゃ繁盛してんな!」
そう続いた星野・祐一(スペースノイドのブラスターガンナー・f17856)の言葉に、店主は豪快に笑って。
「おかげさまで! 元気な姉ちゃん兄ちゃんには、大盛りサービスな!」
こんもりと盛った氷に、綺麗な青のシロップをたっぷりとかけてから。
レモン汁と共に、注文したかき氷がふたつ、菫子へと手渡す。
そしてそのうちひとつは、祐一へ。
「はい、どうぞ!」
「ありがとな!」
そう礼を言い、ひやり冷たいこんもりかき氷を祐一が受け取ってから。
ふたり、顔を見合わせ頷いて。
せーの、と声を合わせて――レモンの雫を数滴、山盛りかき氷へと降らせれば。
「おおっ! 本当に色が変わったな……面白いなぁこれ」
「すごい、紫陽花と花菖蒲を一緒に見てるみたい!」
紫陽花のような青を帯びていた甘い蜜が、花菖蒲の如き二藍の彩へと、あっという間に変化して。
わぁっとふたり声を上げて色の変化を楽しんだ後。
きっと味も花のような味がするんだろうな――なんて、わくわくしながら、かき氷をひと掬い。
再び、せーので一緒に口に運べば……広がるのは、甘くて美味しい幸せの味と。
「う、きーんってする」
「ぐっ、頭がきーんってするぞ」
二人同時に頭を抱える、定番のキーンとするあの感覚。
「でも甘くて美味しいね」
「確かに甘くて美味いなぁ」
そんなキーンにめげず、こんもり山盛りのかき氷を少しずつ平らげていって。
見事に完食を果たした次は……蛍舞う中で、紫陽花見物を。
でも――ちょっとその前に。
「今度は俺が奢る番ってね」
ほら、と祐一が菫子へと手渡したのは、真っ赤なりんご飴。
それを、ありがとうと受け取った後。
「雨色の世界にふわっと咲く色、あまり派手に主張する色じゃないのもいいよね」
雨の時期って憂鬱だけど、紫陽花があるだけで幸せになる……そう続けた菫子の言葉に頷きながらも。
紫陽花を見るのが初めてな祐一も、仄かな光に照らされながら雨に濡れた姿を暫し見つめて。
「雨の鬱陶しさとか忘れて眺めてられる気がする」
艶やかで淑やかな青や二藍の世界に、酔いしれる。
それから食べたかき氷の蜜のような色をした花々の風景を二人、楽しみながら。
「淡い紫は馴染みの色だけど、紫陽花はなんだか品があって素敵だな」
「今まで花に興味を持つとかなかったけど、この花は好きになった」
祐一はまた少し違った紫を咲かせる隣の菫子へとふと視線を向け、そして思う。
また菫子と二人で見に行きたいな――と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
終夜・還
璃瑠(f00142)の要望で屋台を回って食べ歩き
いやぁ、雨の中二人で散歩ってのもまた風流だなァ。つーか少し落ち着け、咽るぞ?ホラ、口に付いてるし
……心なしかお前の髪の毛へたれてねえ?お前のドリル(髪)もちゃんとしっとりぺしゃんってするんだなァ
あとあんまりはしゃぐとマジで濡れるぞ。ちゃんと傘に入っとけよ、風邪引いちまうだろ?あ、相合傘とかしてみるぅ?な~んつって❤(ケラケラ)
あんまり揶揄うとドリル飛んでくっから程々にしとこう
清史郎の視た不穏な花影と神社探しをする前に天然石(黒、紫、赤の石)でお手製の魔除けのお守りを拵えて魔力を注いで渡して置こう
勿論呪詛入り。呪詛は使いようさね
ほら懐にでも入れとけ
鳥渡・璃瑠
還(f02594)と食べ歩き
祭りだわっしょーい!なのだわ!
風流何それ美味しいのでしてよ!ごはん!ごはん食べましょなのだわ!
焼きそば、わたあめ、名物のかき氷も欠かせないのだわ…!
あっちのも美味しそう!とめぐの手を引いてみるのだわ
お祭りなのだし、ちょっとはしゃいでもよいでしょう?
濡れたって平気なのだわ、わたくし弱くないもの!
あ、あら?めぐ、どこに…?
あぁもうびっくりしたのだわ!人がいるからはぐれるのも仕方ないけど…気をつけてなのだわ?
ふふ…賑やかで、楽しくて、笑顔がそこらにあって…
このお祭りの灯を守るためにも頑張りましょうなのだわ?
めぐと一緒ならやりきれるのだわ!
だから、はぐれちゃダメでしてよ?
青に二藍、しっとりと塗れたそのいろは、とても優美で。
見目麗しい花を愛でるべく、くるり回る傘の花を咲かせれば。
普段ならば億劫に思いがちな雨の日も、心躍るお出かけへと変わる。
「いやぁ、雨の中二人で散歩ってのもまた風流だなァ」
そう蛍舞い花咲く風景を歩きながら言った、終夜・還(一匹狼・f02594)であったが。
「祭りだわっしょーい! なのだわ!」
――風流何それ美味しいのでしてよ!
そうあちこちと忙しなく視線を向けるのは、鳥渡・璃瑠(ドリ子おじょうさま・f00142)。
そんな璃瑠のお目当ては勿論!
「ごはん! ごはん食べましょなのだわ! 焼きそば、わたあめ、名物のかき氷も欠かせないのだわ……!」
あっちのも美味しそう! そう、逸るように還の手を引いて。
買った戦利品を、ほくほく頬張れば……紫陽花や花菖蒲に負けないくらい、満面の笑顔を咲かせる。
そんな、まさに花より団子な璃瑠の様子に、還はひとつ嘆息して。
「つーか少し落ち着け、咽るぞ? ホラ、口に付いてるし」
「お祭りなのだし、ちょっとはしゃいでもよいでしょう?」
そうはむりと名物のかき氷を頬張れば、キーンと響いた頭をはわっと抱える璃瑠。
そんな様子に、還は笑って。
「……心なしかお前の髪の毛へたれてねえ? お前のドリルもちゃんとしっとりぺしゃんってするんだなァ」
チャームポイントであるドリルな髪型も、雨の日はちょっぴり気持ち、ぺしゃん……?
いや、髪型も心配だけど。
「あとあんまりはしゃぐとマジで濡れるぞ。ちゃんと傘に入っとけよ、風邪引いちまうだろ?」
あ、相合傘とかしてみるぅ? な~んつって、と。
お道化るようにケラケラと笑う還に、わたあめを食べながら、むうっとして。
「濡れたって平気なのだわ、わたくし弱くないもの!」
璃瑠はぶんぶんと、大きく首を振る。
そんな様子に、あんまり揶揄うとドリル飛んでくっから程々にしとこう、そう還は思いながらも。
ふと目についたのは、天然石の店。
美しくも淑やかに咲く花影に潜むもの――予知に視えた不穏な影や秘された神社探しをする、その前に。
還が調達したのは、黒、紫、赤の天然石。
そして。
「あ、あら? めぐ、どこに……?」
璃瑠は見失った彼の姿をきょろきょろと探すも。
「ほら懐にでも入れとけ」
「あぁもうびっくりしたのだわ! 人がいるからはぐれるのも仕方ないけど……気をつけてなのだわ?」
呪詛は使いようさね、と、魔力が注がれた手製の魔除けのお守りを手渡されて。
「ふふ……賑やかで、楽しくて、笑顔がそこらにあって……このお祭りの灯を守るためにも頑張りましょうなのだわ?」
めぐと一緒ならやりきれるのだわ! そうぐっと、璃瑠は気合を入れてから。
腹が減っては戦はできぬ……ぱくりと、美味しい戦利品を頬張りつつも。
――だから、はぐれちゃダメでしてよ?
再び降り始めた雨の中、そう彼の洋服の裾をそっと、くいくいと引っ張るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
夜祭りね。
ヤドリガミの私の実年齢は3桁以上よ?
と言いつつ今回もお酒は出してもらえなさそうなので、八つ当たり気味に食べ歩きしているわよ。
綺麗な石のアクセサリーも作ってみようかしら。
宝石のヤドリガミがそれっぽいアクセサリつくり。
考えたら負けな気がするけど。
そんな感じで楽しみながら、村の子供とかにお菓子を餌にしつつ踏み込んだらイケナイと言われている場所をそれとなく聞いてみましょう。
沢山の人の賑やかな声、食欲をそそるような香り漂わせ並ぶ屋台。
夜祭りね、と、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は色の異なる宝珠をそっと細めて。
足を向けたのは、地酒を振舞っている店……といきたいところだったけれど。
「ヤドリガミの私の実年齢は3桁以上よ?」
そうは言っても、やはりヴィオレッタの今の見た目は、どこからどう見ても15歳の少女。
今回もお酒は出して貰えそうにないと、お酒は渋々諦めて。
かわりに、八つ当たり気味に食べ歩きます!
まるでヴィオレッタの左目の如き藍から、右目のような紫へと色を変えるかき氷に。
定番のイカ焼きやたこ焼き、甘い物まで……お酒が飲めなくても、十分に楽しめます!
並ぶ露店は、そんな美味しいものの店だけでなく。
ヴィオレッタがふらりと立ち寄ったのは、綺麗な天然石でアクセサリーが作れるという工房。
それにしても……宝石のヤドリガミがそれっぽいアクセサリつくりなんて。
(「……考えたら負けな気がするけど」)
いや、細かいことは気にせず楽しんだもの勝ちです、きっと!
ヴィオレッタは様々な色を放つ天然石を選んでいきながら。
一生懸命同じようにアクセサリーを作っている子どもたちにお菓子をあげつつ、訊いてみる。
「踏み込んだらイケナイと言われている場所とか、あるのかしら」
「いったらダメなところ? びゃっこさまのじんじゃ、かな」
「びゃっこさまが、おかしくなっちゃったんだって」
「白虎が、おかしく?」
ふとその言葉に首を傾けたヴィオレッタだが。
「うん、だからじんじゃにいこうとするひとも、あたまがおかしく……あっ」
瞬間、お喋りに夢中になっていた子が手を滑らせて、煌めきがあたりに散らばる。
それを一緒に拾って、アクセサリー作りを手伝ってあげながら。
ヴィオレッタは子どもたちから聞いた話を紐解かんと、紫陽花や花菖蒲の如き色をした宝石の瞳をそっと細めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と
また贅沢な祭もあったモンだねぇ
名物とあらばゼヒ食さねばと共に買った二藍のかき氷
変わる色の美しさに、自分と喩えられれば悪い気がする訳もない
ああ、思えばこの花たちも移りゆく空色のようだネ
屋台からの鼻擽る香りに綺麗な石や染め物、どれも心惹かれるケド
やっぱ美味しい酒と共にゆっくり楽しむのがいいンじゃナイ?
なんてお持ち帰りの一提手に
店の軒先で神社の噂など仕入れてみようか
雨?
そン時邪魔じゃなきゃ嫌いじゃナイ
どんな空模様にも良さはあるからネ
ふふ、アンタは相変わらず前向きだコト
喧騒抜け花々と淡い光を目の前にすればほぅ、と感嘆の息
コレは美味い酒が増々美味くなるネと
雨の狭間、杯を掲げ
火狸・さつま
コノf03130と
ちゃっかり名物のかき氷手に
ね、ね、コノちゃん!これ、色、変わるって!ほら、見てて!
ね?ね?コノの、色!
などとはしゃぎ
ふふ、コノちゃん、詩人、だね。
妙な噂聞いたんだけど、と情報収集はしつつ
お花と蛍、向こう、だって
あ、でも、先に…地酒、行く…?
屋台も、天然石も、色々気になる
綿菓子、は…好き、だけど
雨降ってくると大変だから。と、今日は我慢
コノ、は、雨…好き?
俺ね、毛並みがへちょってなる、から…
ちょっと苦手、かな
あ、でも、暑さ和らぐ、から、イ、ねっ?
わぁああ!綺麗、だ、ね!幻想的!
雰囲気壊さぬよう小声で
尻尾は嬉し気に揺れ
素敵な景色に、楽しそなコノ……
うん、今日のお酒はまた格別、だね!
普段ならば、天気は生憎の雨……と言うところだろうが。
今宵の祭りにとっては、絶好の雨模様。
雨に濡れた紫陽花や花菖蒲は艶やかさを増し、蛍の灯火が仄かな彩りを添える。
雨音だけが聞こえる静寂に咲く花々と、梅雨を存分に楽しまんと催される様々な店が並ぶ賑やかな夜祭り。
「また贅沢な祭もあったモンだねぇ」
コノハ・ライゼ(空々・f03130)はその薄氷の瞳に贅沢な様々な色を映しながら、賑やかな露店並ぶ祭りの風景を歩いて。
ゼヒ食さねばと訪れた店で購入したものは――この祭りの名物だという、かき氷。
「ね、ね、コノちゃん! これ、色、変わるって!」
ちゃっかり火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)が手にしているのは、紫陽花の青を思わせるかき氷。
そして――ほら、見てて! と。
まるで紫陽花に降る今宵の雨のように。レモンの雫をその青に降らせれば――。
「ね? ね? コノの、色!」
青から二藍へと変化する、いろ。
さつまははしゃぐように、そう変化したかき氷とお揃いの彩を思わせるコノハを見つめれば。
二藍の甘い彩りは、喩えられたコノハ本人も悪い気がする訳もない、美しい色合い。
気紛れに雨の雫落ちる季節、色を変えるかき氷、そして梅雨空の下に咲く紫陽花に花菖蒲。
「ああ、思えばこの花たちも移りゆく空色のようだネ」
「ふふ、コノちゃん、詩人、だね」
そんな言の葉を交わし合いながら、しゃくり、二人は甘い二藍を掬う。
屋台から漂う鼻を擽る美味しそうな匂いや、輝く天然石、花の染め物――そのどれも、心惹かれるけれど。
名物のかき氷を目で舌で楽しんだ後、再び祭りの喧噪の中を歩く二人が、次に選んだのは。
「お花と蛍、向こう、だって。あ、でも、先に……地酒、行く……?」
「やっぱ美味しい酒と共にゆっくり楽しむのがいいンじゃナイ?」
綿菓子も好きなさつまだけど……雨が降ってきたら大変そうだから、今回は我慢。
咲き誇る花を肴に、ゆっくりと美味しい酒をと。地酒が振舞われている露店へ。
そして酒を受け取りながら、さり気なく情報収集も。
訊ねてみたのは、白虎を祀る神社と妙な噂のこと。
その問いに、一瞬瞳を見開いた店主だったけれど。
「……神社へ行くのは、お勧めしないかな。というより、神社へ行く道も秘されているし……軽率に森道に入れば気が触れてしまうかもしれない、村長の息子さんのようにな」
それだけ言って、ハッと、喋りすぎたと言わんばかりの表情を宿しながら。
「まぁ紫陽花や花菖蒲は、神社まで行かなくても十分綺麗だからな」
これ以上は何も話す気はないという様子で、店主は話を終わらせる。
二人もそれ以上詮索することはせず地酒を受け取って、紫陽花や花菖蒲が眺められそうな場所へと移動しながら。
いつ雨が降ってもおかしくなさそうな梅雨空を、ふと見上げる。
「コノ、は、雨……好き?」
「雨? そン時邪魔じゃなきゃ嫌いじゃナイ」
どんな空模様にも良さはあるからネ、と。
そう返ってきたコノハの言葉に、さつまはもふもふの耳をぺたんと寝かせつつも。
「俺ね、毛並みがへちょってなる、から……ちょっと苦手、かな」
いまにもまた雨が降りそうな空をもう一度、仰ぐけれど。
「あ、でも、暑さ和らぐ、から、イ、ねっ?」
「ふふ、アンタは相変わらず前向きだコト」
雨は幸い、今はあがっている。
だが、少し前まで降っていた雨の名残が、眼前に広がった紫陽花や花菖蒲を一層彩っていて。
「わぁああ! 綺麗、だ、ね! 幻想的!」
ゆらり嬉し気に尻尾をふるりと揺らし、雰囲気を壊さぬ程度の大きさながらも声をあげたさつまの隣で。
ほぅ、とコノハも感嘆の息を漏らす。
淑やかな色を湛え咲く花と、それを照らす淡い光。
「コレは美味い酒が増々美味くなるネ」
そう言ったコノハの楽しそうな声色に、さつまもより嬉しくなって。
「うん、今日のお酒はまた格別、だね!」
素敵な景色や、この楽しいひとときに。
雨の狭間、酒の雫で満たった杯を掲げて――乾杯を。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ベスティア・クローヴェル
花世(f11024)と共に参加
これだけ活気があって、色々な露天がある祭りは初めてで
物珍しくて次々と目移りしてしまう
手を繋いでいなかったら、間違いなく迷子になっていた
迷わず進む花世に引かれ、手に取った二藍のかき氷
鮮やかな青はまるで私の炎のよう
だけれど、手に伝わる感触は炎の熱さではなく、氷の冷たさ
色の変わる様子を眺めながら、手についたレモンを舐めて、
酸味に顔を顰めながら様子を窺えば、しょんぼり顔
仕方ないな、と私の分を差し出そう
かわりに、そっちのやつを少しだけ貰うけれど
かき氷を食べたなら、紫陽花を見に行こう
蛍も舞っているそうだし、きっと昼間とは違う美しさが見れるはずだ
境・花世
ベティ(f05323)と
夜祭の賑わいに目を輝かせ
きみの右手を引いて歩く
うん、そうそう、迷子防止策にね
単にそうしたかっただけなんてことは秘密にして
つないだ手を揺らして購う二藍のかき氷
初夏の宵に涼やかに彩る藍のいろ
紫陽花を食むような心地が楽しくて
さくさくと匙を掬い続けてようやく気付く
あ、レモン貰ってくるの忘れ……
しょんぼりと器を眺めれば
ベティがお裾分けしてくれる、淡い紫
その彩が美しいのと、やさしいのとで、
思わず子どもみたいに破顔したなら
きみの唇がかすかに咲ったようにも見えて
紫陽花への誘いに迷いなく頷きながら
だけど、ほんとうはきっと、
わたしが今宵見たかった花は
――きみという形を、してるんだ
雨模様のお出掛けは、普段なら億劫に感じるもの。
けれど、梅雨の花々咲く雨の夜祭りは、大盛況。
ベスティア・クローヴェル(諦観の獣・f05323)にとって、これだけ活気があって、色々な露天が並ぶ祭りは初めて。
物珍しくて、視線も忙しなく目移りしてしまって。気付けば、人の波にさらわれてしまいそうだけれど。
差し出され取ったのは、柔らかでしなやかな手。
境・花世(*葬・f11024)に手を引かれながら、ベスティアは人の合間を縫って歩きつつも呟く。
「手を繋いでいなかったら、間違いなく迷子になっていた」
「うん、そうそう、迷子防止策にね」
そんなベスティアの言葉に頷くながら笑み咲かせる花世だけど。
差し出した手は、迷子防止もなのだけど――単にそうしたかっただけなんてことは、秘密。
そして温もりまざる繋いだ手を揺らしながら、迷わず進むその足が向かうのは、ひときわ盛況な露店。
二人が購入したのは、雨に咲く紫陽花のような青を湛えるかき氷。
その鮮やかないろは――まるで私の炎のよう、と。
ベスティアは赤の瞳をそっと細めるけれど。
手に伝わる感触は炎のような熱さではなく、ひやりとした氷の冷たさ。
そしてその青にレモンの雫を落とせば、一瞬で、二藍の彩りに。
手についた雫を舐めたベスティアは、その酸っぱさに思わず顔を顰めて。
ふと顔をあげれば――目の前の花世は、何故かしょんぼり顔。
まるで紫陽花を食むような心地が楽しくて、さくさくと青を掬っていた花世であったが。
「あ、レモン貰ってくるの忘れ……」
ベスティアの様子を見て、そう気づいたのである。
そんな、しゅんとした花世に差し出されたのは、二藍の彩りに変わったかき氷。
ベスティアにお裾分けしてもらった淡いいろは美して……そして、とてもやさしくて。
思わずぱっと満開に笑みを咲かせ、子どものように破顔する花世。
そしてベスティアは二藍のかわりに、彼女の器を彩る青のいろを、ひと掬い。
そんな名物のかき氷を堪能した、その後は――雨に咲く紫陽花を愛でに。
雨は幸い止んでいるけれど、天から降った雫に濡れた手毬花は、さぞ美しいだろうし。
「蛍も舞っているそうだし、きっと昼間とは違う美しさが見れるはずだ」
花世はそんな言葉に頷きながらも。
きゅっと、再び繋いだその手をそっと握りしめて、銀の髪を揺らすベスティアの姿を薄紅の瞳に映す。
雨に濡れた艶やかな紫陽花も、勿論観たいのだけれど。
でも、今宵ほんとうに見たかったのは――きっと、きみという花だと。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
輝夜・星灯
【Ristaccia】の皆で
水無月の花見
春は忙しなくて出来なかったから、こういう機会は嬉しいね
ついつい、胸が躍ってしまう
兄さんと一緒に
姫様たちを見守りたいけれど
どうにもこの身は、食い気が張っていけないね
甘いもの、食べてみたいな
お店、少しだけ回ろうか
……仕事も忘れてないよ、多分
檸檬滴らした菫色の氷
皆で一緒に食べるとおいしい
教えてくれた皆と分ける
七結も、ルーシーも、兄さんもどうぞ
紫の雪を掬ってみせて
買って歩く食べ物を
落とさないよう気をつけて
花と蛍を愛くしもう
――息を呑むほど、綺麗な光景
星咲くような一面のあお
橄欖石の如き耀い
己の食い気が恥ずかしいな
昏い空と雨の唄
碧い光と蒼い花
皆と見られて、良かったよ
蘭・七結
【Ristaccia】の皆さんと
皆さんと降り立つのは愛しの和国
雨下にて眺むは、常夜にはない彩
なんて、ステキなお出かけかしら
まあ。これが、屋台
はじめての光景に、心が踊ってしまうの
ナユも、カキゴオリを食べてみたいわ
鮮明な色。あかい、あかいイチゴ味
まるで、宝石のようだわ
ルーシーさんのものも、星灯のものも、とても美しいわね
ふふ。ナユにくださるのかしら
ナユのものも、ひと口どうぞ
ユェーさんも、いかがかしら
宙を遊ぶ黄金、雨粒の真珠纏う淡い花々
眼前を舞う灯りに、手を伸ばし
これが、ホタル。アジサイというお花なのね
なんて、美しい光景なのでしょう
ナユの知らない色の数々
あなた達と眺むことができて、うれしいわ
ルーシー・ブルーベル
【Ristaccia】のみなさんと
雨が多いとお出かけしづらいけれど
雨の中でこそきれいなお花もあるのね
しかもホタル!はじめて見るわ……!楽しみね
まずはお祭りを歩きましょう
ルーシーのお目当てはかき氷
待っている間はお店の人とお話を
さいきん、ふしぎな事はあった?
色がかわるかき氷は食べる宝石みたいにキレイだわ
お味も甘くて…これがアジサイ味なの?
分けっこ、交換はよろこんで
みんな、ルーシーのも一口どうぞ
たどり着いたばしょ
夜に浮かぶお花たちとその間を音もなく飛ぶ光……あれがホタルなのね
思っていたよりずっとキレイ、夢みたい
水の濃い底抜けの夜は少しこわいけれど
こんな夜更かしがみんなと出来るなら、だいすきになるわ
朧・ユェー
紫陽花と花菖蒲を眺めて蛍観賞ですか。
普段はしないのですが皆さんと出かけるのも良いですね
おや?屋台ですか?確かにどれも美味しそうですね
屋台をまわる彼女達の後ろを歩き楽しそうにしてる姿に微笑みがこぼれる
かき氷?僕にも下さるのですか?
皆さんから頂いたかき氷を一口
七結姫の紅い苺、星灯ちゃんの檸檬滴らした菫色、ルーシーちゃんのアジサイ味
ん、どれも美味しいですね。ありがとう
蛍が指へと止まる
おや?僕よりもあちらの花達が綺麗ですよ。
蛍達が舞う花の様に綺麗で可愛いな彼女達を愛おしげに眺める
昔はこんな事など想う事もなかったけど
こんなひと時もとても楽しいものですね。
転送された先、降り立った世界を彩るのは、淑やかな雨が織り成す常夜にはない彩り。
――なんて、ステキなお出かけかしら。
蘭・七結(恋一華・f00421)は愛しの和国のいろを誘った皆と楽しめることに、期待の花を咲かせて。
(「春は忙しなくて出来なかったから、こういう機会は嬉しいね」)
今宵楽しむのは、春のものとはまた赴きが全く違った、水無月の花見。
輝夜・星灯(迷子の星宙・f07903)もそんな花見に、ついつい、胸を躍らせれば。
普段なら雨が多くなるこの季節のお出掛けは、なかなか気が向かないものだけれど。
「雨の中でこそきれいなお花もあるのね。しかもホタル! はじめて見るわ……!」
「紫陽花と花菖蒲を眺めて蛍観賞ですか」
楽しみね、と金色の髪を揺らすルーシー・ブルーベル(ダンピールの人形遣い・f11656)に頷く、朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)。
普段はしないお出掛けも、皆となら良いもの。
そして、美しい花の鑑賞も勿論だけれど。
「まずはお祭りを歩きましょう」
「甘いもの、食べてみたいな。お店、少しだけ回ろうか」
「まあ。これが、屋台」
その前に、賑やかな露店並ぶ夜祭りの会場へ。
「おや? 屋台ですか? 確かにどれも美味しそうですね」
ユェーは雨の花咲く世界を楽しむ、眼前の華たちを微笑ましく見守って。
同じく姫様たちを見守りたかったけれど……どうにもこの身は、食い気が張っていけないね、と。
星灯も、笑顔咲かせ屋台巡る姫様の仲間入り。
「……仕事も忘れてないよ、多分」
猟兵のお仕事も、勿論忘れていません……多分!?
ルーシーはお目当てのかき氷の店を見つけて、早速、皆と一緒に購入を。
そして氷がシャカシャカと削られている間、ふと店の人へと訊ねてみる。
「さいきん、ふしぎな事はあった?」
「ふしぎなこと、ねェ」
そんなルーシーの問いに、店員は考え込むも。
答えたのは店員ではなく、ルーシーのようにかき氷ができるのを待っていた村の男の子であった。
「ボクね、森でまいごになっていたのを、びゃっこさまにたすけてもらったの! でもね、そのびゃっこさまは……」
「……あっ、ほ、ほら! はい、かき氷できたよ」
「わーい、かきごおりーっ」
男の子のお喋りをまるで阻むかのように、店員は慌てて、甘いシロップをかけたかき氷をその子に渡した後。
青と赤のかき氷をそれぞれ、お姫様たちにも手渡す。
その紫陽花のような鮮やかな青の上に星灯が降らせたのは、檸檬の雨。
雫が落ちた瞬間、青の彩りが淡い菫へと変わって。
「色がかわるかき氷は食べる宝石みたいにキレイだわ」
青から二藍へと色を変えたかき氷に、瞳細めるルーシー。
「ナユも、カキゴオリを食べてみたいわ」
そう手に取った七結のかき氷は――あかい、あかいイチゴ味。
「ルーシーさんの言うように、まるで、宝石のようだわ。ルーシーさんのものも、星灯のものも、とても美しいわね」
「お味も甘くて……これがアジサイ味なの?」
「七結も、ルーシーも、兄さんもどうぞ」
楽しそうにしているそんな姿に、思わず微笑み零すユェーは、さくっと星灯が掬った紫の雪に金色の瞳をぱちくりさせて。
「かき氷? 僕にも下さるのですか?」
「ナユのものも、ひと口どうぞ。ユェーさんも、いかがかしら」
「みんな、ルーシーのも一口どうぞ」
差し出された色とりどりのかき氷をお言葉に甘え、一口ずつ貰うユェー。
「七結姫の紅い苺、星灯ちゃんの檸檬滴らした菫色、ルーシーちゃんのアジサイ味……ん、どれも美味しいですね。ありがとう」
そして仲良く皆で、分けっこの交換こをし合って。
「分けっこ、交換はよろこんで」
「ふふ。ナユにくださるのかしら」
「皆で一緒に食べるとおいしい」
綺麗で美味しくて甘い、楽しいひとときを。
それから、一通り屋台を巡った後――賑やかな祭りの喧噪から離れれば。
己の食い気が恥ずかしいな、とふと零す星灯。
ビー玉を転がした瞳を染めるのは、煌めく星たちが咲くような一面のあお。
それは、息を呑むほどに、綺麗な光景で。
夜に浮かぶ青の間を音もなく舞い遊ぶ、仄かな光。
「……あれがホタルなのね」
楽しみにしていた、はじめて観る蛍の姿を、ルーシーも暫し眺めて。
眼前を舞う灯りに、ふと手を伸ばしてみる七結。
「これが、ホタル。アジサイというお花なのね」
宙を舞い遊ぶ黄金の灯火に照らされ耀うは、雨粒の真珠纏う淡い花々。
――なんて、美しい光景なのでしょう。
七結は、青で溢れる星の海に、眼前で咲く淑やかな花菖蒲の如き紫の瞳を細めて。
「おや? 僕よりもあちらの花達が綺麗ですよ」
ユェーの指先にふととまったのは、舞い遊ぶ星のひとつ。
そして再び星の群れへと、指先を灯していた蛍を還しながら。
花の如く綺麗に咲いた可愛いお姫様たちの姿を愛おしげに眺めつつ、ユェーは改めて思う。
昔はこんな事など想う事もなかったけど――こんなひと時もとても楽しいものですね、と。
「思っていたよりずっとキレイ、夢みたい」
ルーシーにとって、水の濃い底抜けの夜は少しこわいけれど。
でも、今は平気。
むしろ――こんな夜更かしがみんなと出来るなら、だいすきになるわ、って。
宵色に支配された昏い空から落ちる雨の唄、仄かに照る碧い光と艶やかに耀う蒼い花。
「皆と見られて、良かったよ」
吹き抜けた風に咲いた青と共に、銀色の髪をそっと揺らしながら。
星灯はこの光景を皆と共有できたことを、嬉しく思って。
青の彩りは、よく目にするけれど。
「ナユの知らない色の数々。あなた達と眺むことができて、うれしいわ」
今までみたどの青ともまた違う、和の国でしか味わえない愛しい彩りに。
七結は皆と共に、もう暫く、揺蕩うのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ザハール・ルゥナー
ルカ(f14895)と
雨、か。
本体は隠せば濡れないが、ルカの羽はどうしようもないな。
オラトリオ用の傘などもあるところにはあるんだろうか?
ルカの様子に声を出さず、微かに笑い。
……なるほど、苦労が色々あるのだな。
綺麗な翼だというのに、大変だ。
(褒めても減る物では無いと思うのだが?)
露店の風景を興味深そうに眺めつつ。
色の変わるかき氷とやら。
……ほう、本当に変わるのか。
どんな味がするか、興味深い(深く頷き)
シロップは透明なのに、確かに変わる。不思議だな。
頭痛か。私はどうだろうな?
しかし急いで食すのも勿体ない。
折角味覚から季節を楽しむのだ。
ということで、ルカも半分食べるといい。
(翼を見、楽しそうに笑い)
ルカ・アンビエント
ザハール(f14896)と
まぁこの時期はどうしても、ですね
オラトリオ用の傘、まぁあったら便利でしょうけど
どうせ、先から湿って重くなるんですよ。大きなだけの傘で良いと思って…
何笑ってんですかあんたは
ー綺麗、とか
そういうとこ、あんたほんと気をつけたほうがいいんですからね?
…聞いてます?
あぁ、かき氷。綺麗に色が変わるもんですね
…欲しいんですか? ザハール
ふは。こういう時の素直さは何処から出てくるんだか
はい、折角ですしどーぞ。自分で色を変えてみてください
そういえばかき氷で頭痛とかするタイプなんですかね?
俺も、ですか?
そうですね、季節を楽しむ、か
…なんかこういうのも新鮮ですね…って(キーンとして羽が震え
眼前に咲き誇る花々は、天から降る恵みの雫に、より一層鮮やかな彩を咲かせるけれど。
「雨、か」
ザハール・ルゥナー(赫月・f14896)はふと一瞬、雲に覆われた鈍色の空を仰いでから。
すぐに、月を思わせる柔い紫色の視線を隣へと向けた。
刹那、天へと瞬時に開かれたのは、大輪の傘の花。
「本体は隠せば濡れないが、ルカの羽はどうしようもないな」
「まぁこの時期はどうしても、ですね」
鳶色から覗く猫目がちの緑瞳に気鬱な色を宿しながらも、慣れたようにそう言って。
咲かせた傘に入るようにバサリと翼を寄せるルカ・アンビエント(マグノリア・f14895)の様子を見守りながら、ザハールは小さく首を傾ける。
「オラトリオ用の傘などもあるところにはあるんだろうか?」
「オラトリオ用の傘、まぁあったら便利でしょうけど。どうせ、先から湿って重くなるんですよ。大きなだけの傘で良いと思って……」
そしてふと翼を上手に雨宿りさせて顔を上げたルカは。
「……何笑ってんですかあんたは」
飛び込んできた、眼前の端麗な顔に浮かんでいる色に、そう微かに眉を顰めるけれど。
「……なるほど、苦労が色々あるのだな」
その声色にどこか楽し気な響きを纏わせながらも、ザハールは続ける。
「綺麗な翼だというのに、大変だ」
「――綺麗、とか」
ふ、と一瞬落とされる息。
そして緑の瞳に、微かに笑み宿すその顔を映して。
「そういうとこ、あんたほんと気をつけたほうがいいんですからね?」
釘を刺すように言ったルカだけど、眼前の綺麗な笑みは勿論、そのまま。
むしろ、褒めても減る物では無いと思うのだが? と意に介していない様子のザハールに。
……聞いてます? と、ルカは小さく首を傾けつつも、再び息をついた。
大きな傘とはいえ、並ぶその様子が少し窮屈そうであるのは否めないが。
幸い、雨はまだ小降り。
賑やかな露店並ぶ風景を興味深げに眺めつつ、ザハールは、ある店の前でその足を止める。
他の店よりもひときわ盛況なその店に売られているのは――この夜祭の名物であるという、二藍のかき氷。
「……ほう、本当に変わるのか」
「あぁ、かき氷。綺麗に色が変わるもんですね」
購入した人々が、甘い青の彩りを二藍へと変えている様を眺めていたルカは。
隣でじっと、その青や紫の彩りを見つめる瞳に気付いて。
「……欲しいんですか? ザハール」
「どんな味がするか、興味深い」
「ふは。こういう時の素直さは何処から出てくるんだか」
はい、折角ですしどーぞ、自分で色を変えてみてください――そう、ひとつ購入したかき氷を手渡せば。
早速、キュッと絞った澄んだ雫を、受け取った甘い青へと降らせてみるザハール。
「シロップは透明なのに、確かに変わる。不思議だな」
さあっと変わっていく、梅雨に咲いた花のような彩り。
そしてその二藍を掬ってみれば、さくりと小気味よい音が鳴る。
「そういえばかき氷で頭痛とかするタイプなんですかね?」
「頭痛か。私はどうだろうな?」
でも、そんなに急いで食べてしまうのも勿体無いし。
視覚だけでなく味覚でも、季節を楽しみたいから。
「ということで、ルカも半分食べるといい」
「俺も、ですか?」
季節を楽しむ、か――と。
ルカは勧められるまま、しゃくりとひと掬い、二藍のいろを口に運んでみれば。
瞬間広がるのは、ふわり優しい甘さと。
「……なんかこういうのも新鮮ですね……って」
思わず翼がふるりと震えるような――頭に響いた、かき氷の醍醐味。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
終夜・凛是
お節介のジナ(f13458)と
祭……賑やか……だな
ちょっと苦手…(と、耳はぺそり)
でも、いろいろ、ある…
ふわふわ…甘そう……どれも甘そう……
名物? かき氷……
すごい、色が変わった
なんで? ふしぎ
一口食べれば冷たいし、やっぱ甘い
……お節介の舌も紫だけど
しゃくしゃく、かき氷食べながら歩いてたら、あれ
いない――お節介
振り向いた先、何考えてたんだろ
祭りの賑わいは良いけれど、でもやっぱり、静かな方がよくて足が向く
静かなとこにいけば蛍の姿
ほわほわ、ふわふわしてる……
じぃっと見てたら近づいてきて――あ?
俺の耳の上、とまってる?
……動けない
お節介、とって
耳を動かして払うのももったいなくて、ちょっとだけしゃがむ
ジナ・ラクスパー
わあ、賑やかです…!
はぐれないように凜是様(f10319)の耳を目で追っていたら
ぺたり下がったのは苦手の印?
妖狐さんには賑やかすぎるのかも
行きましょう!と人少ない方へ背を押して
わあ、かき氷って魔法みたいですね…!
味もさっぱりで美味し…あっ、凜是様の舌、紫色!
この世界は初めて尽くしで楽しいのです
凜是様のような…和服?もいつか着てみたいなと
すれ違う女の子の華やかさに見とれ…ていたら
…もう、置いていかないでください-!
私、蛍も初めて見ました
踊る光とふたいろに溜息
きれいですね
呟く声はついひそやか
…あ、凜是様、お耳
元気になった耳の先の光
じっとするのに少し笑って、そっと取って放す
やっぱり優しいひとなのです
降ったり止んだりを繰り返す、気紛れな梅雨空から降る雨にもお構いなしで。
夜祭りの喧噪は、活気で満ち溢れている。
そんな中を共に歩く二人の心模様は、対照的。
「わあ、賑やかです……!」
雨雲に隠れた月の変わりかのように、好奇心のいろを纏って煌めく金の瞳。
ジナ・ラクスパー(空色・f13458)は並ぶ屋台に、楽し気に目移りしながらも。
逸れないようにと、ぴこりと立っているふわもふな赤のいろを、その目で追っていたけれど。
ふいに、ぺそりと下がった終夜・凛是(無二・f10319)の狐耳に気付いて。
「祭……賑やか……だな」
同時に、零れ落ちる声。
でも、先程ジナが発したものと、同じような言の葉でも。
ちょっと苦手……と。その凛是の声色に宿るのは、戸惑いのいろ。
(「……ぺたり下がったのは苦手の印? 妖狐さんには賑やかすぎるのかも」)
同じ時間を共有していくにつれ、少しずつ自然と分かっていく相手のこと。
行きましょう! と。ジナはそう、人少ない方へと、眼前を歩く大きな背を押して。
そんな押さないでも歩ける、と、抵抗こそしないながらも背中の少女をちらりと見遣る凛是。
そして押されつつも進みながら、並ぶ屋台へとふと橙の瞳を向ければ。
「でも、いろいろ、ある……」
雲のような綿飴に、カラフルな金平糖の星が散りばめられたチョコバナナ、まんまる赤いリンゴ飴。
ふわふわ……甘そう……どれも甘そう……。
そう尻尾をゆらり揺らしながら呟いた凛是と共に、ジナが足を向けた店は。
「凛是様! このかき氷が、夜祭りの名物だそうですよ」
「名物? かき氷……」
さっき見た綿飴とはまたちょっと違ったふわふわ感の、かき氷。
ジナはそれをふたつ買って、凛是へとひとつ手渡した後。
……見ていてくださいね? そう、甘い青色に降らせたのは――魔法の雫。
刹那、ぺそりとしていた狐耳が、ぴん、と立って。
「すごい、色が変わった」
――なんで? ふしぎ。
ぱちり、思わず瞳を瞬かせる凛是。
「わあ、かき氷って魔法みたいですね……!」
雨を浴びてその彩を艶やかに煌めかせる紫陽花のように――青から二藍へと変化した、甘いいろ。
見様見真似でレモンの汁をたらしてみたジナも、美しいその様に感嘆の声をあげて。
早速、さくっと一掬いした彩を口に運んでみれば……ぱっと口の中で咲く、優しい甘さ。
凛是も耳をぴこりとさせつつ、眼前の青を二藍へと変えて。
同じようにひとくち、ぱくりと食べてみれば――冷たくて、やっぱり甘い。
そしてふと顔をあげた二人の瞳に、お互い映ったその色は。
「味もさっぱりで美味し……あっ、凜是様の舌、紫色!」
「……お節介の舌も紫だけど」
舌を染めた、かき氷とお揃いの二藍。
――この世界は初めて尽くしで楽しいのです。
そう、かき氷を食べながら歩いていたジナは、不意にその足を止めて。
見つめる視線の先――すれ違うサムライエンパイアの女の子たちの華やかな装いに思わず見惚れる。
凜是様のような和服も、いつか着てみたいな……って。
そして……あれ、と。
「いない――お節介」
しゃくしゃく、かき氷食べながら歩いてた凜是は、今まですぐ傍にいたジナの姿がないことに、ようやく気付いて。
足を止め、振り返れば。
「……もう、置いていかないでくださいー!」
聞こえてきた声と慌てて駆け寄るその姿を確認した後……何やってんの、おいてくよ、と再び歩き出しながらも。
ふと、もう一度振り向いた先――何考えてたんだろ、と小さく首を傾ける。
そんな賑やかな露店を巡るのも、思ったより、悪くはないけれど。やはり、静かな方が、好き。
凜是の足が自然と向くのは、静寂の中、紫陽花や花菖蒲が咲き誇る場所。
そしてそんな花々を仄かに照らすのは……舞い遊ぶ、蛍の光。
「ほわほわ、ふわふわしてる……」
「私、蛍も初めて見ました。きれいですね」
囁くように言ったジナの隣で、じぃっと輝くその光たちを目で追っていた凛是だけど。
――あ? そう思わず声を上げた刹那。
「……あ、凜是様、お耳」
「俺の耳の上、とまってる?」
……動けない。
そう呟いた凛是の耳の先に灯ったのは、小さくて淡い光。
それをぶんと降り払うことは簡単だけど――でも、何だか、勿体無くて。
「……お節介、とって」
極力耳は動かさず、ちょっとだけしゃがむ凛是。
そんな、じっとしている姿に、少しだけ笑んでから。
ジナは地上を舞うお星様の群れへと、耳先の輝きをそっと還してあげながら思う。
やっぱり優しいひとなのです――って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
誘名・櫻宵
🌸 一華/f13339
アドリブ歓迎
お気に入りの浴衣は桜と月下美人
笑顔を浮かべ仏頂面の「弟」へ手を振る
一華こっち!
ほら笑って
お祭り
一華はあたしのせいで自由なんて許されない次期当主
あら随分と生意気
元気でいいわ
頭を撫で綿あめを渡す
食べたことないでしょ?
手を差し伸べど繋いではくれない
だから側を寄り添い歩く
楽しんでくれてるかしら?
一華の視線を追えば
子を抱いた父親の姿
…父上はそんな事しない
あたしも抱っこされた記憶もない
少し笑って一華を抱えあげる
暴れても無駄
たまには甘えなさい
眠ってしまった一華を撫でる
随分大きくなったわね
最後に抱いた時はまだ寝返りができるようになったばかりの時
…子供の成長って
あっという間ね
誘七・一華
🌺 櫻宵/f02768
アドリブ歓迎
男なのに女物の浴衣着てる奴の隣なんて歩きたくねぇよ
…綺麗だとは思う…言わないが
兄貴に無理やり連れ出された
祭りなんて初めてだ
心が踊るのを隠す
次期当主だから行動が制限されるのは諦めてる
近寄るな恥ずかしい!
つい反抗してしまう
なのになんで怒らない?
撫でられ視線を逸らす
綿あめは受け取ってやる
美味い…
祭は目が回りそうな程でこれが楽しいって感情か
ふと見れば
父親に抱かれた子供の姿
…
父様は俺の事なんてまともに見ない
羨ましいなんて思えば
いつの間にか兄貴に抱えられて
下ろせ!
抵抗は無駄
諦めれば瞼が重くなる
兄貴に抱えられるのは
初めてなのに
なんでこんなに落ち着いて
なんでかとても懐かしい
梅雨空に咲き誇るのは、青や紫の彩をした花々だけではなく。
「一華こっち!」
そう大きく手を振れば揺れる、桜と月下美人。
そして、お気に入りの浴衣を纏った誘名・櫻宵(屠櫻・f02768)が「弟」に向ける、麗しくも嬉し気な笑顔。
そんな櫻宵の姿を見た誘七・一華(牡丹一華・f13339)は一瞬、淡い桜咲く瞳を見開くも。
……男なのに女物の浴衣着てる奴の隣なんて歩きたくねぇよ、と。そう、仏頂面。
ふいっと視線を逸らしたのは……綺麗だとは思う、だなんて。
言わないが、そう思ってしまったから。
「ほら笑って。お祭り」
そう微笑む兄に無理やり連れ出された、お祭り。
――祭りなんて初めてだ。
そんな、そわっと逸り、踊る心を隠すように。
「近寄るな恥ずかしい!」
駆け寄ってくる櫻宵へと、そう言い放つ一華。
つい反抗してしまう――なのに。
「あら随分と生意気」
元気でいいわ、と微笑み、くしゃりと頭を優しく撫でてくれる掌。
……なんで怒らない?
一華はそう思いながらも、やっぱり、兄とは視線を合わせられないけれど。
「食べたことないでしょ?」
そう不意に差し出されたのは、ほんのり薄紅色をした綿あめ。
そんな魅惑的なふわふわを、ちらりと見てから。
受け取ってやる、そう櫻宵から綿あめを貰う一華。
そしてそれをそっと、ぱくり、口にしてみれば――。
「美味い……」
ぱっと一瞬咲いたのは、年相応の彩り。
差し伸べられた手こそ繋ぎはしないけれど、はじめての祭りは、目が回りそうな程で。
はじめて食べた桜色の綿あめは、側を寄り添い歩く兄みたいに……とても甘くて、優しい味。
――これが楽しいって感情か。
今まで感じたことのない、このそわそわと落ち着かない……けれども、何だかくすぐったい感覚。
そんな『楽しい』を感じながら、一華はふと顔を上げるけれど。
「…………」
瞳に飛び込んできた眼前の光景を、ふいに見つめる。
――楽しんでくれてるかしら?
そう弟へと柔い桜の瞳を向けた櫻宵が、急に口を噤んだその視線を追えば。
そこに在ったのは、父親に抱かれた、知らない子供の姿。
(「父様は俺の事なんてまともに見ない」)
羨ましい――そう、一華は思ってしまって。
……父上はそんな事しない。
辿った櫻宵の記憶の中にも、抱っこされた記憶は、一度もない。
でも……父上はそんな事はしないけれど。
櫻宵は、じっと抱っこされた子を見つめる隣の一華に、少し笑って。
「……!?」
ひょいっと、弟のその身体を抱えてあげる。
「下ろせ!」
「暴れても無駄。たまには甘えなさい」
顔を真っ赤にしながら、じたばたと兄の腕の中で踠く一華だけど――それは、無駄な抵抗。
見た目は麗しく美しいけれど……何せ相手は、ずっと憧れて尊敬していた屠桜なのだから。
そして仕方なく諦め、大人しく抱っこされていた一華を襲うのは、眠気。
今まで体験したことがないお祭りや、楽しいという感情。
そんなはじめてばかりの時間は楽しいけれど、ちょっと疲れてしまったから。
包み込むようなぬくもりと、ゆらり波のような心地良い揺れに、とろんと瞼も重くなって。
兄貴に抱えられるのは初めてなはずなのに――なんでこんなに落ち着いて。
なんでかとても懐かしい、なんて……何故そう思うのだろうか。
でもその答えを考える暇もなく、眠りへと落ちていく一華。
そんな弟の姿に、随分大きくなったわね、と櫻宵は瞳を細めて。
最後にこうやって抱いたのは、まだ寝返りができるようになったばかりの時だったと。
「……子供の成長って、あっという間ね」
自分の胸に身を委ね、小さな寝息を立てはじめる一華へと。
美しい笑顔の櫻を、優しくそっと咲かせるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
香神乃・饗
誉人f02030と浴衣で祭りに
林檎飴買って筧師匠にお土産
良いっすね俺もとうもろこしは譲らないっす
目視で地形を利用した罠や暗殺の気配を警戒する
誉人が苦戦したら助ける
苦手と言いつつも上手くやるっすけど
俺もぺっこぺこっす
両手に串焼き一杯
とうもろこしシャッキシャキ
焼き鳥ほくほく頬張り
堪んないっす
あっ焼き鳥あげるっす!串差出すが行く誉人見送り
ぷっ、ほっぺぱんぱんっす!
イカもバリっと美味いっす!
良いっすよ、あーんっす!差出す
良い食べっぷりっす(満足
俺も名物カキ氷が気になってたっす
半分こ良いっすね!
ほんとに色が変わるんっすか
誉人やってみて欲しいっす
ふー満腹っす
蛍?
あっ誉人の肩光ってるっす
へっ頭っ
きょろきょろ
鳴北・誉人
饗(f00169)と一緒
浴衣着て参加
今日な焼きそばと焼きとうもろこしは絶対に食うって決めてっからァ!
買いながら店主に、神社への森道の場所や他にも噂があンのか情報収集する(苦手なんだけどォ…(困ったら饗に頼む
腹減った!(買ったそばともろこし無心に食う
焼き鳥もうまそォ…イイってお前食えよ
俺、買ってくっからァ(いそいそ買い行ってほっぺいっぱい
「なあ饗、そのイカうまい?
一口もらって食う(でっかい一口
うンまァ…!
食ったら名物のかき氷も買って饗と半分こ
さすがに一個は多い
レモン垂らすんだってェ、やる?
ふう…食ったァ…満足!
あ、蛍…(食うに必死で忘れてた
見てえなァ…どこにいンだ?
ん!?
わ…饗の髪も光ってるよォ
雨模様の天気もなんのその。
はしゃぐように賑やかな夜祭りの露店を巡るのは、浴衣を着た男子二人。
香神乃・饗(東風・f00169)はこの場に赴けない師匠と呼ぶ彼に、土産の林檎飴を買ってから。
「今日な焼きそばと焼きとうもろこしは絶対に食うって決めてっからァ!」
「良いっすね、俺もとうもろこしは譲らないっす」
目当ての露店をきょろきょろ探しつつも満面の笑みを咲かせる鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)に、そう返して。
まずは、香ばしい匂い漂わせる、焼きトウモロコシを売っている店へ。
情報収集は正直、苦手だけれど。
「神社へ行ける森道の場所がどこにあるか、教えてくれっと嬉しいンだけどォ……」
そう懸命に店員に尋ねてみる誉人。
「……神社への、道?」
そんな誉人の問いに、ふと手を止めて怪訝な表情で言った店主へと、饗はすかさずこう続けて。
「神社から観る花は絶景って聞いたっす、だから俺らも観てみたいって思ったっすよ」
「ああ……だが残念だけど、神社には行けないよ。ここだけの話、森道に入ると気が触れるって噂だ。それ以外にも色々といわくつき、でね」
「他にも噂があンのか?」
「よかったらその噂、聞かせて欲しいっす」
だが、ふるりと店員は首を振って。
「神社に祀られている白虎様は、この村の者にとっては大事な神様だから……これ以上は、言えない」
それだけ言うと、へいお待ち、と。
香ばしく焼けたトウモロコシを、二人へと差し出したのだった。
「結局、あんま話聞けなかったなァ」
「神社に祀られている白虎様に、何かあったっすかね?」
そう二人、首を傾けるけれど。
「腹減った!」
食欲をそそる香りに耐え切れず、はむりと焼き立てのトウモロコシを無心に頬張る誉人。
饗も、俺もぺっこぺこっす、と。
シャッキシャキのトウモロコシと、買っておいた両手いっぱいの串焼きや焼き鳥をほくほくと頬張って。
堪んないっす、と言葉を零せば。
「焼き鳥もうまそォ……」
「あっ焼き鳥あげるっす!」
「イイってお前食えよ。俺、買ってくっからァ」
誉人も自分の分の焼き鳥を買いに、いそいそと露店へ。
そして、戻ってきた誉人のその顔を見て。
「ぷっ、ほっぺぱんぱんっす!」
思わず噴き出してしまう饗。
そして焼き鳥を堪能した、その次は。
「なあ饗、そのイカうまい?」
「イカもバリっと美味いっす!」
イカ焼きも気になる誉人に、良いっすよ、お裾分けするっす! と。
ぱかりと大きく開けた誉人の口へと、あーんっす! と饗がイカを差し出せば。
「うンまァ……!」
「良い食べっぷりっす」
眼光鋭い印象を受けるその瞳をキラキラと輝かせ、幸せそうに笑む誉人に、饗も満足気。
そして締めはやはり、甘いもの!
「さすがに一個は多いから、半分ずつにしねェ?」
「半分こ良いっすね!」
二人でひとつ買ってきたかき氷の鮮やかな青の色をふと見つめて。
「レモン垂らすんだってェ、やる?」
「ほんとに色が変わるんっすか」
そっとレモンを絞ってみれば――青から二藍へと、一瞬にして色を変える蜜。
そんな様子に、すげェ! すごいっす! と同時に声を上げながら、シャクッと仲良く二藍のいろを順番に掬って。
おなかもようやく満腹になった頃。
「……蛍?」
「あ、蛍……」
食べるのに必死で忘れていたのは秘密。ふと横切った、淡い光に気付く。
「見てえなァ……どこにいンだ?」
そうきょろりと視線を動かす誉人に、饗は漆黒の瞳を瞬かせて。
「あっ誉人の肩光ってるっす」
「ん!? わ……饗の髪も光ってるよォ」
「へっ、頭っ?」
気が付けば――まるで二人に戯れるかのように。無邪気に舞い遊び照る、数多の光が。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シン・バントライン
アオイ(f04633)と
かき氷を半分こ。
初めて食べるかき氷の味は思っていたより随分と甘い。
でもきっと一人で食べたらこんなに甘くはないんだろう。
白い菖蒲を探したいという彼女と一緒に雨の花見。
見つける事が出来たなら喜ぶだろう彼女が見たい。
飛んできた蛍にはしゃぐ彼女に嬉しくなるけど、蛍には少し嫉妬。
思わずUCで小さな蛍を作る。
こっち見て?
蛍ってなんで光るんか知ってる?
この蛍はとっくに彼女に捕まっている。
紫陽花の色が変わるのは土の所為らしい。
自分の見てる世界の色が随分変わったのはアオイのお陰だなと思う。
このままずっと雨が降っていたらいいのにな。
傘なんて持っていないフリをして、優しい彼女に雨宿りしたい。
アオイ・フジミヤ
シンさん(f04752)と
かき氷好き!色が変わる二藍の彩り綺麗だね、一緒に食べよう
シンさん、初めてのかき氷どう?美味しい?
彼の記憶に、ひとつでも多く残りたいなんて
白い花菖蒲を一緒に見つけたい
(あなたを大切にします、っていう特別な花言葉があるんだよ)
わぁ、初めて見た、蛍!星みたいに瞬いている
彼の指先に灯る“蛍”に気付いて微笑んで
こういう可愛いことをするからズルいなぁ
両手で“蛍”をそっと包む……つかまえた
光る理由?確か求愛のため?
(じゃあ、あなたのこの光の意味はなに……?)
紫陽花の道
一緒に見たいと話していたことが一つ叶った
これからも彼の目に映る“色”が、綺麗で優しくてずっとカラフルだったらいいな
雨の日のお出掛けは、億劫になりがちだけど。
今日の雨は……きっと、特別。
――かき氷好き!
そうパッと笑顔を咲かせるアオイ・フジミヤ(青碧海の欠片・f04633)は、天から降る雨のように。
レモンの雫を数滴、青色の蜜の上に降らせれば……美しい二藍のいろに。
「色が変わる二藍の彩り綺麗だね、一緒に食べよう」
アオイは、シャクリと二藍のいろをひと掬いし、口に運んで。
「シンさん、初めてのかき氷どう? 美味しい?」
一緒にかき氷を味わうシン・バントライン(逆光の愛・f04752)へと、海を思わせる瞳を向ければ。
「初めて食べるかき氷の味は、思っていたより随分と甘い……」
そうシンは、口に広がる冷たさと甘さを堪能しつつも思う。
でもきっと、一人で食べたら――こんなに甘くはないんだろう、って。
そしてアオイは、彼の記憶にひとつでも多く残りたい、なんて。
心にそっと抱きつつもシンと一緒に探すのは……白い菖蒲。
雨の花見を楽しみながらも、密かに懸命にその花を探すシン。
見つける事が出来たなら、きっととても喜ぶだろうし。
そんな彼女が見たいと、そう思うから。
――そして。
「あ、ほらアオイ、あそこ」
「あっ、白の花菖蒲……!」
心から嬉しそうな笑顔が花咲けば、シンもつられて、笑みを宿してしまって。
二人視線を重ね合い、ふわり、微笑み合う。
そんな白の優美な花に込められた特別な言の葉は――『あなたを大切にします』。
そしてふいに飛んできたのは、小さくて淡い耀き。
「わぁ、初めて見た、蛍! 星みたいに瞬いている」
そうはしゃぐ彼女の姿に、シンも嬉しくなるけれど……その蒼の瞳を独占している蛍に、少し嫉妬。
――こっち見て?
堪らずに、シンは思わずユーベルコードで作った小さな蛍を指先に舞わせて。
……こういう可愛いことをするからズルいなぁ。
そうそっと、光纏う瞳をアオイが細めれば。
「蛍ってなんで光るんか知ってる?」
「光る理由? 確か求愛のため?」
……つかまえた。
両手で蛍をそっと包みながらも、アオイは思う。
じゃあ――あなたのこの光の意味はなに……? って。
そしてシンが見つめるこの蛍は……とっくに、彼女に捕まっている。
舞い遊ぶ蛍の光が照らす、雨露に濡れて淑やかに咲く手毬のような紫陽花。
「紫陽花の色が変わるのは土の所為らしい」
ふと言ったシンの瞳に灯るのは、また今までと違ったいろ。
紫陽花が土によって、青や紅や二藍に、その彩を変えるように。
自分の見てる世界の色が随分変わったのは、アオイのお陰だなって――シンは改めて思う。
そして紫陽花の道を行きながら、アオイの念願だったことが一つ、これで叶って。
(「これからも彼の目に映る“色”が、綺麗で優しくてずっとカラフルだったらいいな」)
そう、そっと願えば。
――このままずっと雨が降っていたらいいのにな、って。
シンは鈍色の空を仰ぎながら思うのだった。
だって……傘なんて持っていないフリをして。優しい彼女に、雨宿りしたいから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ニコ・ベルクシュタイン
【KOR参加】
表は黒、内側は青空が広がるデザインの傘を差して備える
紳士用の大きなサイズなので、入りたい方は是非
紫陽花と雨、か
此の世界には四季という概念が存在すると聞いたが
同じ世界が其の色をガラリと変えるのは実に興味深い
色を変えると言えば紫陽花だ、不思議なものだが綺麗だな
魔法でも無しに花弁の色が変わるとは…しかも見目麗しい
ヴォルフガングは筧にお土産を用意するのか、優しいな
画像を収めてくれるならばお任せしよう、きっと喜ばれるだろう
そうだな、花を手折って持ち帰るのはちと無粋が過ぎるというもの
ほほう、アレが噂に聞く屋台か!
傘で片手が塞がっていても…此のフワフワした食べ物なら!
(ニコニコと綿あめを買う)
涼風・ユエル
【KOR参加】
みんなと一緒に雨中散歩だね。
こっちに来てからこういう日常を過ごすのは初めてだな……。
ま、たまにはのんびりしたってバチは当たらないよね、うん。
水色の傘をさして紫陽花と菖蒲を見て回ろう。
夜祭の屋台も気になるけど、お花を見て回る方が今は好きかな。
城島さんやサクラコなんかはお店が気になるのかな?気持ちはわかるな、ボクも前はそうだったし。何かお土産お願いね
紫陽花は色が移ろう花。だから花言葉は「移り気」とか「浮気」なんて付いてるけど。
でも、この青い紫陽花は「辛抱強い愛情」、ピンクの花は「元気な女性」って花言葉もあるんだよ。ボクは……やっぱり青い方が好きかな。昔だったらピンクだったんだけどね。
城島・冬青
【KOR参加】
ヴォルフさんは着物が決まってますね
ニコさんの傘…
あー!雨なのに傘忘れたー!!
アヤネさん傘持ってるんです?
じゃ相合傘お邪魔しまーす
サムライエンパイアの紫陽花は初めて見ましたが此方のも綺麗ですね
雨があまり強くないのもよかった
ん?アヤネさん肩が濡れてるじゃないですか!私の方ばかり傘向けなくていいんで自分をもっとちゃんと入れて下さい(ハンカチでアヤネの肩を拭き)
あ、どこからかいい匂いがしてきますね
これは屋台の何かな?(くんくん)たこ焼きみたいな…私ったら花より団子みたいです
はい!かき氷食べたいです!
綺麗で甘くて美味しいです
へー、化学?はよくわからないのでアヤネさんの話はためになります!
アヤネ・ラグランジェ
【KOR参加】
皆色々な傘を持っているネ
ソヨゴは傘持ってないの?
仕方ないなあ。僕が一緒に入れてあげるよ
ただの大きな黒い傘だけど
肩?いや、気にしないで
ソヨゴが濡れたら嫌だし
では、もう少し近寄ればいいかしら?
日本の紫陽花はPHによって色が変わるのだネ
リトマス試験紙みたい
ああ、たしかにいい匂いが
タコはちょっと苦手
かき氷が美味しいらしいネ
食べに行こうか
ソヨゴと一緒にかき氷を食べるよ
美味しそうに食べる彼女を楽しそうに眺めつつ
この青いのは多分バタフライピーだネ
レモンの汁が酸性だから反応して紫に変わるんだ
紫陽花と同じ理屈かな
オウカは花より団子でいいんじゃないかな?
サクラコは一度にそんなに食べるから
ヴォルフガング・ディーツェ
【KOR参加】
折角だから祭りに合わせて袴に着物を羽織り、傘にも拘ろうか
空の青を彩る波打つ様な群雲が踊る番傘をくるり回して
ふふ、みんなありがと。ユエルやサクラコ、桜花達の傘も素敵だし…アヤネと冬青の様な寄り添い合う縁も雨ならではだね
清史郎のお土産は迷うけれど…高度情報体でこの風景を納めて、見せてあげたいな。有難う、ニコ!仲良くしたい人に贈り物を…なんて、久々過ぎて迷いまくりだけど楽しいや
そうだね、こんなに鮮やかで、艶やかな紫陽花を折るのは気が退けるから、心にしかと刻んでおきたいな
まぁまぁ雪月、甘味の魅力には抗い難いって。かき氷は気候的にも美味しいしものね(オクの興味津々な様子にほんわり微笑んで)
五條・桜花
【KOR参加】
藍色の夜空に蛍が飛び交う柄の和傘を差しつつ
雨に濡れる紫陽花、趣深いですね
ユエルさんやニコさんたちの傘もヴォルフさんのお召し物も色とりどり、そろって歩く私たちも遠くから見れば紫陽花のようでしょうね
アヤネさんのおっしゃる通りPHによって変わるそうで
同じものなのに環境でここまで変わるのもなかなかに考えさせられますね
このまま風情ある体で終わりたいところですが……甘味ハンターとしては色々聞き流せないことも
色が変わるかき氷?!そ、それはどちらにサクラコさん?!
は!そうですよね、雪月
今日は花より団子なのです……もとい団子よりは花ですから……
おしとやかは、黙って澄ましている時だけ限定にします!
叶・雪月
【KOR参加】
このなりになってからは水は大丈夫ってわかっているが、やっぱりヒヤッとするよな刀のツクモガミ的には
ってわけで、俺の服装は防水仕様だ
傘はでっかめなんで、ほかのメンバーがぬれたりしないようにちょっと気を遣う
紫陽花といえば、毒があるとかないとか言うから、触ったらあとでしっかり手を洗えよー
爺っぽいとかいうが、カタナ時代入れたら爺で済むかってくらいだからな、俺
「あぢさゐの八重咲くごとく弥つ代にを……」か
まさに咲き誇ってるな
そこにいる強い色とりどりの花々にも負けず劣らず、さ
桜花、俺の記憶が確かならお前の今日のコンセプトはおしとやかなご令嬢だった気がするが?
日隠・オク
【KORで参加】
雨が降ればビニール傘さし
みんなの傘事情が色々です
紫陽花がとても綺麗です
夜に蛍の光で見る紫陽花は、またちがった色合いにみえます
屋台では焼きそばをゲットして手に持ち
屋台と言えばやきそばです
はい、サクラコさん(焼きそばを口に運びます
あ、私もかき氷食べたいです
色が変わるかき氷……。
すごい、どうなってるんでしょうか(まじまじとかき氷みつめ
説明を聞いてすごく頷いてる
しゃくしゃくしながらいただきます
鏡彌・サクラコ
【KOR参加】
たまにはのんびりもいいですねい
和傘をさして参りましょう
若草色の蛇の目傘
紫陽花に花菖蒲
雨を背景に映えますねい
ヴォルフさまは普段とがらり雰囲気変わって、和装もよくお似合いでいす
ニコさまの傘は素敵ですねい
ちょっと中に入れてもらってもいいでいす?
食べ物は
気になるでいす!
わた飴とチョコバナナとリンゴ飴を買いましょう
オクちゃんの焼きそばも一口くださいませ
色が変わるかき氷なんて
それは食べないとですねい!
きれいな青色
わっ、色が変わりましたねい!
ひとくち食べるときーんとします
あまーい
柑橘類が爽やかでいす
見上げる空はどんよりとした鈍色だけど。
ぽつり、再び天から雫が落ちてくれば――パッと咲いて廻るのは、様々な彩や大きさをした傘の花々。
「こっちに来てからこういう日常を過ごすのは初めてだな……」
今宵は、旅団が一緒のみんなと一緒に、雨中散歩。
……ま、たまにはのんびりしたってバチは当たらないよね、うん、と。
そんな涼風・ユエル(高校生月と太陽のエアライダー・f16061)が空に咲かせた花は、風に靡くその髪と同じ水色。
日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)も、ユエルと同じタイミングで透明な傘の花を咲かせて。
そしてビニール傘から雨粒越しに見えるのは。
「みんなの傘事情が色々です」
個性溢れる、それぞれのいろ。
オクの隣を仲良く歩く鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)の手にも、梅雨空にくるり廻る若草色の蛇の目傘が。
サムライエンパイアの雰囲気にぴったりなその彩は、さらに和国の風情に花を添えて。
たまにはのんびりもいいですねい、サクラコはそう金の瞳を細めるけれど。
ふと、若草色に咲かせた傘を閉じて……足を向け見上げた視線の先広がるのは、青空。
ニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)の傘は一見、紳士用の黒い傘に見えるけれど。
パッと開いて天に掲げれば、雨模様だった空が、あっという間に青空に。
ニコは、そんな内側に青空広がるデザインの傘を天に掲げて。
「紳士用の大きなサイズなので、入りたい方は是非」
「ニコさまの傘は素敵ですねい。ちょっと中に入れてもらってもいいでいす?」
ニコの傘にお邪魔したサクラコは、梅雨空から爽やかな青空へと変わった天を楽し気に仰いだ。
そして、ニコさんの傘……と。
ふと青空が咲く花を目にした城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)は。
「あー! 雨なのに傘忘れたー!!」
今日は完全なる雨予報だったのに、なんたる失態……!
曇り空に映えるオレンジ色の髪に落ち始めた雨粒に、慌てるけれど。
皆色々な傘を持っているネ、とぐるり見回していたアヤネ・ラグランジェ(颱風・f00432)は、そんな冬青の声に、いち早く反応して。
「ソヨゴは傘持ってないの? 仕方ないなあ。僕が一緒に入れてあげるよ」
「アヤネさん傘持ってるんです? じゃ相合傘お邪魔しまーす」
ただの大きな黒い傘だけど、と開かれたアヤネの傘に、二人一緒に雨宿り。
そしてアヤネと相合傘しながら、冬青がふとその琥珀色の瞳に映したのは。
「ヴォルフさんは着物が決まってますね」
袴に着物――折角だからと、祭りに合わせた和の装いの、ヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)の姿。
「ヴォルフさまは普段とがらり雰囲気変わって、和装もよくお似合いでいす」
「ふふ、みんなありがと」
少し照れたようないろを宿す赤の瞳を細めつつ、ヴォルフガングが雨空へとくるり咲かせたのは、拘りの一輪。
その彩りは空の青。そんな青天に波打つかの如き群雲が踊る番傘。
それぞれが傘の花を咲かせ、雨の日のお出掛けに心湧き立つ中。
どことなく肝を冷やすような表情を宿しているのは、叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)。
「このなりになってからは水は大丈夫ってわかっているが、やっぱりヒヤッとするよな、刀のツクモガミ的には」
そう零す言の葉の通り、大丈夫だとは分かっていても。
纏う服は防水、差す傘も大きな、万全の雨対策で臨む雪月。
自分だけでなく他の皆が濡れないよう、気を遣うことも忘れない。
そんな雪月の顔色をちらりと横目で見つつも。
「雨に濡れる紫陽花、趣深いですね」
五條・桜花(六花の元に咲く桜・f03321)は、雨露に濡れ艶やかな彩りで咲く紫陽花を愛でるべく歩きながら。
持っていた和傘を開けば……天に廻るは、藍色の傘の夜空に飛び交う蛍の風景。
そして、一緒に夜祭りを楽しむ皆を映した瞳をそっと細め、紡ぐ桜花。
「ユエルさんやニコさんたちの傘もヴォルフさんのお召し物も色とりどり、そろって歩く私たちも、遠くから見れば紫陽花のようでしょうね」
そんな桜花の言葉に、垂れた花菖蒲の花びらの如き着物の袖をひらり揺らしながら、ヴォルフガングも頷いて。
「ユエルやサクラコ、桜花達の傘も素敵だし……アヤネと冬青の様な寄り添い合う縁も雨ならではだね」
雨の日のお出掛けの醍醐味を楽しまんと、紫陽花の如き傘を手に。皆でわいわい、祭りの夜を歩き出す。
虹色の薔薇を咲かせ吹雪かせるニコにとって、花は身近な存在。
でも、眼前に咲く花々は、己が咲かせるものとはまた全く違っていて。
この世界に存在する、四季という概念。
巡る季節とともに、世界を染め上げる色がガラリと変わることは、実に興味深く。
「紫陽花と雨、か」
色を変えると言えば、今まさに手毬のような花を咲かせている紫陽花。
それは不思議なものだけど、とても綺麗で。
「魔法でも無しに花弁の色が変わるとは……しかも見目麗しい」
ニコは雨の魔法でさらに美しさを増す花を、心惹かれるように暫し眺めて。
「サムライエンパイアの紫陽花は初めて見ましたが此方のも綺麗ですね」
皆で訪れた紫陽花や花菖蒲咲く絶景を冬青も楽しみつつ。
雨があまり強くないのもよかったと、そう天を仰ぐけれど。
はたと目に飛び込んできた光景に瞳瞬かせ、声をあげる。
「ん? アヤネさん肩が濡れてるじゃないですか!」
「肩? いや、気にしないでソヨゴが濡れたら嫌だし」
「私の方ばかり傘向けなくていいんで自分をもっとちゃんと入れて下さい」
そう、濡れた肩を拭いてくれる冬青に、アヤネは緑色の瞳を細めて。
「では、もう少し近寄ればいいかしら?」
冬青は勿論、今度は極力自分も濡れないようにと。
二人の距離をまた一歩、縮めた。
それから、目の前に咲き誇る紫陽花を観察しつつ、口を開く。
「日本の紫陽花はPHによって色が変わるのだネ、リトマス試験紙みたい」
そう言ったアヤネに頷くのは、桜花。
「アヤネさんのおっしゃる通りPHによって変わるそうで。同じものなのに環境でここまで変わるのもなかなかに考えさせられますね」
そのいろは、青に紅に白、そして二藍と、同じ紫陽花でも様々。
そして、綺麗なものには毒がある、なんて。そう言われているように。
「紫陽花といえば、毒があるとかないとか言うから、触ったらあとでしっかり手を洗えよー」
爺っぽいそんな声掛けを皆にする雪月。
いや、カタナで在った時代からみれば、爺という言葉では済まないくらいであるが。
「『あぢさゐの八重咲くごとく弥つ代にを……』か。まさに咲き誇ってるな」
ふと脳裏に浮かんだのは、眼前に咲く紫陽花が出てくる万葉集の一句。
そして顔を上げれば、瞳に映る風景に、雪月は微笑む。
そこにいる強い色とりどりの花々にも負けず劣らず、さ――と。
「紫陽花がとても綺麗です」
「紫陽花に花菖蒲、雨を背景に映えますねい」
そう、オクとサクラコも、梅雨に映え咲いた花々を見つめて。
「夜に蛍の光で見る紫陽花は、またちがった色合いにみえます」
オクがその緑色の瞳で追うのは、ふわり煌めき飛ぶ蛍の光。
そんな仄かな光に照る紫陽花を眺めながら。
「紫陽花は色が移ろう花。だから花言葉は「移り気」とか「浮気」なんて付いてるけど。でも、この青い紫陽花は「辛抱強い愛情」、ピンクの花は「元気な女性」って花言葉もあるんだよ」
そう言ったユエルがやっぱり好きなのは。
「ボクは……青い方が好きかな。昔だったらピンクだったんだけどね」
好みの色合いも、月日が経てば、移ろうこともある。
ユエルはそう、鮮やかな数多の青が集まって咲く、まんまるな花を眺めて。
「清史郎のお土産は迷うけれど……高度情報体でこの風景を納めて、見せてあげたいな」
この場に赴けぬ彼のためにヴォルフガングが選んだ土産は、眼前の景色。
「ヴォルフガングは筧にお土産を用意するのか、優しいな。画像を収めてくれるならばお任せしよう、きっと喜ばれるだろう」
そんな土産に賛成の言の葉を紡ぐニコに、有難う! と瞳を細めながらも。
雨の中、ヴォルフガングは咲き誇る花々や舞い遊ぶ蛍の風景を、高度情報体に収める。
――仲良くしたい人に贈り物を……なんて、久々過ぎて迷いまくりだけど楽しいや。
そう、きっと喜ぶだろう彼の様子を思うだけでも、嬉しくなるし。
花を手折って持ち帰るなんてことは無粋が過ぎるし、艶やかな紫陽花を折るのは気が退けるから。
この楽しくて美しい時間を、心にしかと刻んでおきたいと、そう思う。
そんな、綺麗に咲いた花々を暫く愛でていた面々だけれど。
「あ、どこからかいい匂いがしてきますね」
「露店の食べ物も気になるでいす!」
賑やかな露店巡りも気になっている様子の、冬青やサクラコ。
「城島さんやサクラコなんかはお店が気になるのかな?」
ユエルは、気持ちはわかるな、ボクも前はそうだったし、と二人を見つめる瞳を細めて。
「色が変わる名物のかき氷なんて、それは食べないとですねい!」
「色が変わるかき氷!? そ、それはどちらにサクラコさん!?」
このまま風情ある体で終わりたいところだったけれど……甘味ハンターとしては、色々と聞き流せないことが!
そうキラキラと瞳を輝かせ、かき氷につい反応してしまった桜花だけど。
「桜花、俺の記憶が確かならお前の今日のコンセプトはおしとやかなご令嬢だった気がするが?」
「は! そうですよね、雪月」
雪月の言葉に、顔をあげるけれど。
「今日は花より団子なのです……もとい団子よりは花ですから……」
――おしとやかは、黙って澄ましている時だけ限定にします!
そうぐっと拳を握れば。
「オウカは花より団子でいいんじゃないかな?」
「まぁまぁ雪月、甘味の魅力には抗い難いって。かき氷は気候的にも美味しいしものね」
甘味ハンターとして当然の反応にそう言うのは、アヤネやヴォルフガング。
ということで、花も団子も楽しむべく、皆で今度は、賑やかに並ぶ露店巡りを。
屋台で買うものにも、それぞれ個性が。
わた飴とチョコバナナとリンゴ飴、甘いものを中心に購入するサクラコ。
そして、屋台と言えばやきそばです、と。
ゲットした焼きそばを手に持ち、嬉しそうな顔をするオクは。
「オクちゃんの焼きそばも一口くださいませ」
「はい、サクラコさん」
サクラコの口へと、焼きそばのお裾分けを。
「ほほう、アレが噂に聞く屋台か!」
そう興味深げに声を上げたニコの手には、青空広がる傘があるけれど。
でも、傘で片手が塞がっていても……此のフワフワした食べ物なら!
そう購入したのは、ピンク色をしたふわふわな甘味。
ニコはそんな愛しい色をした綿あめをひとつ、ニコニコと購入して。
ひとくち口に運んでみれば――しゅわりと溶けるような感触と、広がる甘さが。
「これは屋台の何かな? たこ焼きみたいな……」
くんくん、と漂ってくる匂いから色々と推理しながらも。
私ったら花より団子みたいです、そう冬青は呟くけれど。
「ああ、たしかにいい匂いが」
同意するようにアヤネは頷くも、ちょっとタコは苦手。
――だから。
「かき氷が美味しいらしいネ。食べに行こうか」
この夜祭りの名物だという、二藍のかき氷を食べに行く提案を。
そんなアヤネの誘いに、勿論。
「はい! かき氷食べたいです!」
すぐに同意し、瞳をキラキラさせる冬青。
「あ、私もかき氷食べたいです」
オクやサクラコ、皆で名物を味わうべく、いざかき氷の屋台へ!
そして購入したかき氷は、綺麗な青色をしているけれど。
レモンの雫を降らせれば……その彩は、あっという間に二藍に。
「わっ、色が変わりましたねい!」
「色が変わるかき氷……。すごい、どうなってるんでしょうか」
まじまじとかき氷みつめるオクの興味津々な様子に、ヴォルフガングもほんわり和むように笑んで。
「あまーい。柑橘類が爽やかでいす」
ぱくりと早速、ひとくち食べてみたサクラコだったが。
「サクラコは一度にそんなに食べるから」
爽やかな甘さとともに広がったのは、きーんと頭が鳴る感覚。
甘味ハンターな桜花も勿論、色を変えた甘いかき氷を堪能して。
「綺麗で甘くて美味しいです」
そうウキウキと美味しそうにかき氷を食べる冬青を、アヤネは楽しそうに眺めつつも。
「この青いのは多分バタフライピーだネ。レモンの汁が酸性だから反応して紫に変わるんだ」
紫陽花と同じ理屈かな、と。先程愛でた花々を思い出しながら言えば。
「へー、化学? はよくわからないのでアヤネさんの話はためになります!」
はむりと舌を二藍に染めてかき氷を食べながら、関心したように言った冬青の隣で。
説明を聞いて、こくこくとすごく頷いてるのは、オク。
そして皆で楽しく観た、雨に煌めく紫陽花のような。
二藍の彩をしゃくしゃくして、もうひと掬い、口へと運ぶのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
佳月・清宵
【花守】
おいおい、折角の祭だってのにそんなツラすんなよ
お前も付き合え――どうせ暇だろ
(心底愉快げに伊織の行手を阻み、観念したと見るや屋台へふらり)
さて、俺は酒さえありゃ十分だが――お前は相変わらずだな、小町
誰かの顔が花より青くなってきてるぜ
(くつくつ笑いつつ一頻り肴を得たら、漂う仄明かりに誘われるまま花の元へ――そこからは暫し言葉少なに酌み交わし、花々と蛍の情景を唯眺め)
花言葉、ねぇ
この顔触れは紫陽花のが性に合う、と思っていたが――
(はてさて、こりゃあまた――と心内にて笑い、不意の小雨にすら笑み深め)
あぁ、今宵ばかりは雨に見舞われるもまた一興
つくづく面白ぇ――
(飽きの来ねぇ景色と面子なこった)
花川・小町
【花守】
ふふ、此処で会ったが百年目よ伊織ちゃん
そんな顔した可哀想な弟分を見たら、つい可愛がってあげたくなっちゃう性分なの――よーくご存知よね
(満面の笑みで退路断ち、屋台へくるりと)
さ、まずは酒と肴
祭とくれば花も団子も楽しまなくっちゃね
あら、花と色を競おうなんて面白いわね伊織ちゃん
(地酒や甘味をるんるんと見つつも、誰かが真っ青になる前にはきちんと切り上げ――後は舞う光に導かれるまま、暫し静かに花の宴へ)
紫陽花に花菖蒲――言葉は色々あるけれど、“移り気”と“貴方を信じる”なんて二つが並んでると、一層心踊るわねぇ
さて二人はどちらがお好みかしら、なんて
嗚呼――雨すらも良い彩りね
全く、楽しくてならないわ
呉羽・伊織
【花守】
(心底うげ、という顔で)
あー残念
野暮用思い出したから帰(言い切る前にうわぁ捕まったと覚り)
どうせ暇って何
可哀想って何!
オレ知らな~い…
いやホントオレ忙しいのに(ナンパに繰り出そうとしてたとは言えず)何が悲しくて飲兵衛の相手…
まァ、姐サンが楽しげなのはイイんだケドさ
(清宵が楽しげなのは全く以て宜しくないとぼやきつつ、微妙に青い笑顔で酒と肴の数を見やり)
(何とかお手柔らかにして頂いてほっとしつつ、淡い光と二藍の元へ――酒も程々に、束の間の癒しを静かに眺め)
どちらでも――いや――どっちだろな
(酔ったかなー頭回んないわと、清宵の尻尾はたきつつ)
頭冷やすにゃ丁度良い雨だ
一仕事の前に、今暫くは――
見上げる空は、雲に覆われた生憎の雨模様。
そんなどんよりとした鈍色かのように、心底うげ、という表情を宿してから。
呉羽・伊織(翳・f03578)はそそくさと一刻も早くこの場を去らんと、そっと退路を探すも。
「あー残念。野暮用思い出したから帰……」
「おいおい、折角の祭だってのにそんなツラすんなよ」
「ふふ、此処で会ったが百年目よ伊織ちゃん」
伊織が全て言い切って逃げる、その前に。
すかさずその退路断ち、行く手を阻むのは、心底愉快げな狐と満面の笑みを咲かせる美しい花。
そんな立ち塞がる佳月・清宵(霞・f14015)と花川・小町(花遊・f03026)の姿に、うわぁ捕まったと。
そう覚った伊織は、大人しく観念する他になく。
「お前も付き合え――どうせ暇だろ」
「そんな顔した可哀想な弟分を見たら、つい可愛がってあげたくなっちゃう性分なの――よーくご存知よね」
「どうせ暇って何、可哀想って何!」
オレ知らな~い……そうしらを切るも、通用するはずはなく。
「いやホントオレ忙しいのに」
ナンパに繰り出そうとしていたなんて言えないけれど……何が悲しくて飲兵衛の相手……と。
カワイ子ちゃんを引っ掛けるつもりが、酒呑みたちに引っ掛かった伊織は、小町と清宵に半ば連行されて賑やかな屋台へと。
「さて、俺は酒さえありゃ十分だが――」
「さ、まずは酒と肴。祭とくれば花も団子も楽しまなくっちゃね」
――お前は相変わらずだな、と。
ふらり露店を巡る清宵は、地酒や甘味をるんるんと見て回っては購入せんとする小町にそう紡いだ後。
「誰かの顔が花より青くなってきてるぜ」
一頻り肴を調達しつつも、ちらりと視線を向けた誰かの表情に、くつくつ愉し気に笑えば。
「あら、花と色を競おうなんて面白いわね伊織ちゃん」
梅雨空に咲く花々の如く微妙に顔を青くする伊織を、しなやかな黒髪を躍らせ振り返って。
買い込んだ酒と肴を手に、月の様な瞳を柔く細め小町が開かせるは、華やかな笑み。
「まァ、姐サンが楽しげなのはイイんだケドさ」
清宵が楽しげなのは全く以て宜しくない――伊織はそうぼやきつつも。
今日はこのくらいにしておこうかしら、と。
ふふっと笑んで、彼女にしては手加減した量で切り上げた小町に、何とかお手柔らかにして頂いてほっとする。
酒も肴も甘味も、宴の準備はこれで万全。
賑やかな人々の喧噪から離れ足を向けるは、宵色に浮かぶ静かな二藍の風景。
舞い遊ぶ仄かな光に誘われるまま、艶やかに色づく花々の世界に身を投じて。
雨色の狭間に、酒を酌み交わしつつ。暫し静かに、梅雨の花見と蛍の情景を眺め楽しむ。
そんな、風流な花の宴を満喫しながら。
「紫陽花に花菖蒲――言葉は色々あるけれど、“移り気”と“貴方を信じる”なんて二つが並んでると、一層心踊るわねぇ」
さて二人はどちらがお好みかしら……なんて。美しい華から咲いた問いに。
「どちらでも――いや――どっちだろな」
酔ったかなー頭回んないわ、と。
赤の瞳に映した青を二藍に咲かせながら、清宵の尻尾はたきつつ首を傾ける伊織に。
「花言葉、ねぇ。この顔触れは紫陽花のが性に合う、と思っていたが――」
はてさて、こりゃあまた――そう清宵が心内にて笑った刹那。
ぽつりと天より再び落ちはじめた、霧のような雫。
「嗚呼――雨すらも良い彩りね」
「あぁ、今宵ばかりは雨に見舞われるもまた一興」
でも、そんな不意の小雨すら、愉しい酒の肴。
――全く、楽しくてならないわ。
紫陽花や花菖蒲も霞むほど艶やかに、小町は雨落ちる天を仰いで。
つくづく面白ぇ――飽きの来ねぇ景色と面子なこった、そう笑み深める清宵。
伊織も、頭冷やすにゃ丁度良い雨だ、と零しながらも。
冷やり頬撫でる風にそっと揺れた花影に、ふと剣呑な彩を宿した瞳を向け、思う。
――仕事の前に、今暫くは――と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
宵鍔・千鶴
菖蒲も紫陽花も読み物の中でしか
識らなかったけれど
しっとりと雨露に濡れた花は
夜闇にも綺麗に綻んで咲いているのが理解る
花、というものに触れたのはごく最近からだけど
……、なぜだろう。ほっとする。
紫陽花を見つめて、その花弁にそっと触れれば
暖かな光を帯びた蛍が指先へ
逃げぬようにそっと近づいて
その物珍しさは囲い連れ帰りたいけれど
…いや、籠に入れ囚えても
お前たちの灯火は儚く短いと聞いた
…その光は懸命に生きる命の灯火だ
だからこんなに美しく胸を揺さぶる
…なあ、俺もそんなふうに強く生きられるだろうか
誰かの道を灯すくらいの光は、
雨はざあざあとその身を濡らして
傘も差さずに立ち尽くしたまま
眸に映るのは、手を伸ばした先は
どうやら今日は一日、どんより厚い雲に覆われた鈍色の空のようだけれど。
先程まで振っていた雨も、今は止んでいる。
そんな雨の狭間、宵鍔・千鶴(nyx・f00683)の瞳が映すのは、見つめるその目と同じような紫を宿す梅雨時に咲く花々。
(「菖蒲も紫陽花も、読み物の中でしか識らなかったけれど」)
天から降り注いでいた雫にしっとりと濡れたそのいろは、漆黒が支配する夜の闇の中でも。
綺麗に綻んで咲いているのが、よく理解る。
花――というものに千鶴が触れたのは、ごく最近からで。
開花し咲くその姿は、読み物でしかこれまでは目にすることはなかったのだけれど。
――でも。
(「……、なぜだろう。ほっとする」)
千鶴の心にまでふわり咲き誇る、二藍のいろ。
そして、雨露の煌めきを纏った、手毬の様にまんまる咲く紫陽花の花弁に。
手を伸ばし触れてみれば……ぽたりと零れ落ちる雫のかわりに、仄かな光がその色を照らして。
二藍に触れた千鶴の指先にも、暖かな光を帯びた蛍が。
そんな灯る淡い煌めきが逃げないようにと、そっと息を潜め近づいて。
囲い連れ帰りたい――その物珍しさと美しさに、そう思ってしまうけれども。
「……いや、籠に入れ囚えても、お前たちの灯火は儚く短いと聞いた」
舞い遊ぶ光の海に揺蕩うように、言の葉を降らせる。
……この光は懸命に生きる命の灯火。
だから――こんなに美しく胸を揺さぶる。
「……なあ、俺もそんなふうに強く生きられるだろうか」
誰かの道を灯すくらいの光は、――。
指先に止まった刹那の輝きに、千鶴はそう問いかけてみるけれど。
ふいに指先を離れた輝きは数多の光の群れへと、あっという間に紛れて。
かわりに頬を打つのは、再び降り出した冷たい雨の感触。
でも、ざあざあと次第に本降りになっていく雨に、その身を濡らして。
二藍咲く瞳の奥……眸に映るのは。手を伸ばした、その先は――。
傘も差さずに、千鶴はただ雨音だけがこの静寂の世界に、立ち尽くしたまま。
大成功
🔵🔵🔵
飛白・刻
雨夜はわりと好きだ、梅雨も然程嫌いではない
雨音に耳傾ければ鬱陶しく思い出す記憶もぼやける気がして
食細い己には数多く並ぶ飲食の誘惑は
淡い光を放つ蛍と共に歩みながら横目に通り過ぎ
二藍の織りなす道すがらに見つけた場所へ
紫陽花や花菖蒲は雨露を纏うても色褪せぬようで
この時期の楽しみだと密かに思いながら
染色…、少し趣深い
この二藍の色をいただいた手拭いも悪くないな
日頃から不思議と手を伸ばしてしまうのが藍の色でもあったから
夜祭りをこうして静かに堪能するも一興
紫陽花に花菖蒲、蛍を話し相手に地酒を味わうもいいだろう
――さて
この雨音と雨花の先に何を隠しているのやら
二藍のそれとはまた異なる藍で未だ見ぬ花影を睨め付けて
仰ぐ天に星や月の輝きはなく、厚く覆われた雲からは雨の雫がただ、しとしとと落ちている。
人によっては、雨降る夜は陰鬱な気持ちになるかもしれないけれど。
(「雨夜はわりと好きだ、梅雨も然程嫌いではない」)
飛白・刻(if・f06028)には、むしろ静寂に落ちる雨音は好ましくさえ思う。
雨音に耳傾ければ――鬱陶しく思い出す記憶も、ぼやける気がするから。
雨が降っているにも関わらず、賑やかに並ぶ、活気溢れる露店。
だが、食細い刻にとっては、良い匂い漂わせる飲食の誘惑に誑かされることはなく。
ふわりと淡い光を放つ蛍が導くまま歩みながら、横目に通り過ぎるだけ。
そして二藍のいろが織りなす道すがらに、見つけた場所へと。
天から降る雨が、美しく咲く花びらの上で休みなく弾けては落ちて。
(「紫陽花や花菖蒲は雨露を纏うても色褪せぬようで、この時期の楽しみだ」)
むしろ煌めく雫がその二藍をより艶やかに飾ることを、刻は密かに知っている。
そんな眼前のいろを、いつでも手元に置いておけるもの。
「染色……、少し趣深い」
この二藍の色をいただいた手拭いも悪くないな、なんて。
そう思うのは、日頃から不思議と手を伸ばしてしまうのが藍の色であるから。
賑やかに楽しく笑う人たちの姿を、ここに来るまで、沢山眺めてきたけれど。
喧噪から離れ、こうやって静かに夜祭りを堪能するのも、また一興というもの。
雨に濡れ輝き纏った紫陽花に花菖蒲を肴に、舞い踊る蛍を話し相手に――地酒を味わうも、また良いものだ。
刻は暫し、鈍色の空の下、梅雨の花の宴を楽しんでから。
風に小さく揺れる花びらが密かに落とすその花影を、二藍のそれとはまた異なる藍で睨め付ける。
――さて、この雨音と雨花の先に何を隠しているのやら、と。
大成功
🔵🔵🔵
花剣・耀子
ハレの場に、無粋な真似は避けたいところだけれども。
様子を伺いつつ遊び、――もとい調査をしましょう。
ええ、調査よ。
でも折角のお祭りだもの。名物なら、かき氷を頂きましょう。
待つ間に、お店のひとにでもお話は聞けるかしら。
この辺りで、不可思議なウワサをきいていない?
あっ、シロップはおおめでお願いします。
オススメのお菓子があれば、それも一緒に。
……ごはん……ごはん系もいいわね……。
しょっぱいものが恋しくなったら買いに来るわ。
サクサクとかき氷を崩しながら、花を観に。
柔い雨は嫌いじゃないわ。
……――、蛍は、たましいにたとえられるのだったかしら。
ヒトが望まぬ彼岸には連れて行かれることのないよう、努めましょう。
見上げる梅雨の夜空は生憎、晴れてはいない雨模様。
(「ハレの場に、無粋な真似は避けたいところだけれども」)
様子を伺いつつ遊び――もとい、調査をしましょう、と。
夜の祭りをどこか軽い足取りで進むのは、花剣・耀子(Tempest・f12822)。
……いえ、これはあくまで調査なのです、ええ!
でも、折角の祭り。そして名物と謳われているのならば、食べない手はない。
耀子が向かったのは、かき氷の露店。
シャカシャカとふわふわな氷が削られていくその間に。
「この辺りで、不可思議なウワサをきいていない?」
店の人へと、そう訊ねてみれば。
「不可思議なウワサ? そうだな……二藍のいろが隠している秘密の道があるって、なんて誰か言ってたかも」
二藍のいろとは、咲き誇る紫陽花や花菖蒲のことだろうか……。
そう、首を傾けている間に、器へとこんもり氷の山が出来上がって。
「あっ、シロップはおおめでお願いします」
たっぷりと、鮮やかな青の蜜をかけてもらった後。
「レモンを少し絞れば、甘味が増して美味しいし……見た目も綺麗だよ」
先程の店の人に勧められるまま、レモンの雫を降らせてみれば。
鮮やかな青が、淡い二藍へとその色を変えて。
ぱくりとひとくち食べてみれば、爽やかな酸味がきゅっと、甘味をより引き立てる。
そんな梅雨に咲く花々のような色をしたかき氷を片手に。
「……ごはん……ごはん系もいいわね……」
ふと恋しくなるのは、しょっぱい食べ物。
甘いかき氷だけでなく、濃いソースが香ばしい焼きそばも購入してから。
さくさくと甘い二藍の山を崩しつつ、賑やかな露店並ぶその場から離れて。
耀子が訪れたのは――美しく咲き誇る花々の風景。
先程店の人が言っていた噂話の調査も兼ねて、暫し紫陽花や花菖蒲を鑑賞していたけれど。
ふと天から落ちるのは、霧のような雨。
(「柔い雨は嫌いじゃないわ」)
そう眼鏡の奥の冷えた青い瞳を細めれば……目の前を横切る淡い光。
空を舞い遊ぶその仄かな蛍の輝きは、まるでどこかに誘うかのようで。
「……――、蛍は、たましいにたとえられるのだったかしら」
その光の美しさや何かを隠すように揺れる花影に、決して惑わされないように。
――ヒトが望まぬ彼岸には連れて行かれることのないよう、努めましょう。
耀子はそう思いながらも、仄かな光の海に咲く艶やかな二藍のいろを、眺めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ラナ・スピラエア
蒼汰さん(f16730)と
いつ雨が降っても良いように、傘を片手に
見たこと無い世界にワクワクします
かき氷!お祭りの名物らしいですね、食べたいです!
いつもは苺を選ぶけれど、今日は紫陽花色を
ふふ、綺麗な青色
このシロップをかけるんですよね?
…わあ、すごい綺麗!
色が変わる瞬間のワクワクは、お薬の調合にちょっと似てるかも
いつも食べるかき氷とは、ちょっと違う気がするのはこの世界だからですかね
あ、と気付いた光景に笑みを零し
蒼汰さん、舌が紫色になってます
これもカキ氷の醍醐味、ですかね?
私も、ですか?
ちょっと恥ずかしいですけど、目立たないなら良かったです
あ、雨…
折角だからお花も見に行きませんか?
ふふ、楽しみですね
月居・蒼汰
ラナさん(f06644)と
現地は雨らしいので傘持参で
夏祭りは行ったことあるけど
この世界だとやっぱり雰囲気があるなあ…
色々あるみたいだけど、ラナさん、どうしましょう?
せっかくだからかき氷とか、食べてみます?
いつもならメロンとかだけど、今日は紫陽花で
レモンの雫であっという間に色が変わるのが魔法みたいで面白い
A&Wの世界にもあるんですね、かき氷
冷たくて美味しいのはどこの世界も同じだけど、うん
いつもと違う美味しさは、この世界だからかな…?
…ん、ラナさんも舌、紫ですね(思わず笑って)
でも、外は暗いからきっと目立たないはず。…多分
はい、紫陽花と花菖蒲も見に行きましょう
花も勿論だけど、蛍も綺麗なんだろうなあ
仰ぐ空は、伝え聞いていた通りの雨模様。
けれど、普段なら億劫な雨の日のお出掛けも――今日はきっと、色々と特別。
「夏祭りは行ったことあるけど、この世界だとやっぱり雰囲気があるなあ……」
月居・蒼汰(泡沫メランコリー・f16730)は、雨が止んだ一時の空を仰いだ後。
――色々あるみたいだけど、ラナさん、どうしましょう?
そうすぐ隣を見れば、見たこと無い世界にワクワクします、と。
普段よりもひときわキラキラと楽しさの輝きを纏う、苺色の瞳。
「せっかくだからかき氷とか、食べてみます?」
「かき氷! お祭りの名物らしいですね、食べたいです!」
ラナ・スピラエア(苺色の魔法・f06644)は蒼汰の提案に、ぱっと笑顔の花を咲かせて。
彼と並んで、この夜祭りの名物だという、かき氷を食べに。
イチゴにメロン、レモンやミルク。
普段ならば選ぶような、そんな定番の味も揃ってはいるけれど。
蒼汰とラナが揃いで選んだのは――ここでしか食べられない、紫陽花色のシロップ。
「ふふ、綺麗な青色。このシロップをかけるんですよね?」
そして鮮やかな青の彩りに、レモンの雫を数滴降らせれば。
「……わあ、すごい綺麗!」
一瞬にしてそのいろは、淡い二藍に。
まるで魔法のようで面白い、そう蒼汰も金色の瞳を細めれば。
色が変わる瞬間のワクワクは、お薬の調合にちょっと似てるかも、と。
魔法薬作りに強い興味を持っているラナは、そう好奇心を咲かせながら。
さくっと小気味よい音を鳴らし、二藍のいろをひと掬い。
口それをそっとに運んでみれば……ふわりと広がる、優しい甘さ。
「いつも食べるかき氷とは、ちょっと違う気がするのはこの世界だからですかね」
「A&Wの世界にもあるんですね、かき氷」
そう言った後、蒼汰も二藍のかき氷を口にしてみると。
「冷たくて美味しいのはどこの世界も同じだけど、うん」
いつもと違う美味しさは、この世界だからかな……?
そうふと小さく首を傾けながら、ラナと同じことを思う。
普段よりも一段と甘くて美味しい気がするのは、いつもと違う世界だからか。
はたまた、夜祭りの楽しい雰囲気がそう感じさせるのか。
それとも、まだ自覚こそしていないような――もっと別の、特別な理由のせいかもしれない。
そんな淡くて甘いかき氷を、しゃくしゃくと口に運ぶ二人だけど。
ふいにラナが零したのは、あ、という声と楽し気な笑み。
「蒼汰さん、舌が紫色になってます」
これもカキ氷の醍醐味、ですかね? と。そう笑うラナに。
「……ん、ラナさんも舌、紫ですね」
お揃いの色に染まった互いの舌に、思わず蒼汰も笑って。
「私も、ですか?」
「でも、外は暗いからきっと目立たないはず。……多分」
「ちょっと恥ずかしいですけど、目立たないなら良かったです」
そう会話を交わし合って、ぱちりと視線が重なれば……もう一度一緒に、ふふっと笑み合う。
そんな二藍の甘味を存分に堪能して、店を出た二人は。
「あ、雨……」
空から落ちてきた小雨の冷たさに、一瞬天を仰いでから。
持っていた傘を、ぱっと二輪、咲かせた。
そして、傘の花をくるりと廻しながら。
「折角だからお花も見に行きませんか?」
「はい、紫陽花と花菖蒲も見に行きましょう」
ふふ、楽しみですね、と。
より花々を艶やかに飾る雨の雫降る中、蒼汰は隣のラナの速度に合わせ、歩き出して。
「花も勿論だけど、蛍も綺麗なんだろうなあ……あっ」
まるで、二人を花咲く世界に導くかのように。
ふわり目の前を舞い飛ぶのは、心に灯る仄かな想いのような――淡い輝きを纏う、蛍の光。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
スナッチ・ベット
【SPD】
パウルくん(f04694)と
今回は紫陽花と花菖蒲が見頃を迎えた觜宿祭からレポートをお届けします
縁側でのんびーりゆったーりと
屋台で買ってきたタコ焼きを肴に地酒を呑んでますが
これも新しいツアー先の下見です(キリ
濡れて彩りを深める紫陽花と
静かに降り注ぐ雨音を聴きながら
しっとりお酒を酌み交わすのも風流だよね
タコくんがさっきから美味しそうに共食いしてるけど
ほら、タコくん
盃に蛍がとまってるよ
蛍もお酒が呑みたいのかな
そうだね、タコくんならきっとお尻光らせることができるよ
がんばってねおうえんしている
ぴとん、と
規則的に落ちる雨垂れの音が心に波紋を作る
此処ではどんな出逢いがあるかなあ
楽しみだね、タコくん
パウル・ブラフマン
【SPD】
エイリアンツアーズの仲良しの先輩、スナさん(f03519)と♪
今回はサムエンに
素敵なツアー先の下見にやって来たんだ☆
出店巡りを終えたら
戦利品を手に
縁側から庭で紫陽花咲く風景を楽しめる休憩処へ。
地酒ってイイよね。
その土地のモノってお客様に歓んで貰えるしっ♪
スナさんもどうぞどうぞ!(盃にお酒を注ぎ)
なんの躊躇もなくタコ焼きをもぐもぐ。
倫理ならさっきから縁側で爆睡なう。
この雨音もイイカンジに眠気を誘うっていうか…ん、蛍?
…すっげー!てかよく見るとお尻が光ってるんすね!!
興奮しながらも声は抑えて。
蛍さんもかんぱーい♪
…オレも気合い入れたらお尻光るようになりませんかね?
えへへ、応援あざーっす☆
この世界の雨降る季節にしか出会えない、艶めき輝く花々。
そんな美しい花を愛でる旅も、猟兵向け旅行会社・エイリアンツアーズのパッケージツアーに加えたいところ。
ということで!
「今回は紫陽花と花菖蒲が見頃を迎えた觜宿祭からレポートをお届けします」
スナッチ・ベット(Vulpes et uva・f03519)とパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)が、素敵なツアー先の下見にと今回降り立ったのは、サムライエンパイア。
賑やかな出店をぐるり一通り巡って。
美味しそうな戦利品をほくほくと手に、二人がやって来たのは庭園を臨む休憩所。
雨が再び降ってきても凌げる縁側から、紫陽花咲く風景を楽しめる場所だ。
そんな絶好の花見スポットで、のんびーりゆったーり。
屋台で買ってきたタコ焼きを肴に、地酒を楽しむスナッチ。
いえ……これも新しいツアー先の下見です!
「地酒ってイイよね。その土地のモノってお客様に歓んで貰えるしっ♪」
スナさんもどうぞどうぞ! と盃にお酒を注ぐパウルに、タコくんも、と酒を注ぎ返してから。
「濡れて彩りを深める紫陽花と静かに降り注ぐ雨音を聴きながら、しっとりお酒を酌み交わすのも風流だよね」
雨模様だからこそ楽しめる、雨露の輝き纏う花々咲く景色を肴に、盃を合わせ乾杯した後。
(「タコくんがさっきから美味しそうに共食いしてるけど」)
何の躊躇もなく、タコ焼きを美味しそうにもぐもぐしているパウルへと目をやるスナッチ。
いや、きっと、気にしたら負けです――倫理ならさっきから縁側で爆睡なう。
そして何事もなかったかのようにたこ焼きを食べ終わったパウルは、ふわっとひとつあくびをして。
「この雨音もイイカンジに眠気を誘うっていうか……ん、蛍?」
目の前を横切った淡い光に、ぱちくりと紫陽花と同じ青の瞳を見開けば。
「……すっげー! てかよく見るとお尻が光ってるんすね!!」
「ほら、タコくん。盃に蛍がとまってるよ」
蛍もお酒が呑みたいのかな、と。
声は抑えつつも興奮する後輩を見ながら、小さく首を傾けるスナッチ。
そんな先輩の言葉に、蛍さんもかんぱーい♪ と。
今にもまた雨が降ってきそうな梅雨空へと、パウルは盃を掲げながら。
「……オレも気合い入れたらお尻光るようになりませんかね?」
ちらりと、自分のお尻へと視線を落としてみれば。
「そうだね、タコくんならきっとお尻光らせることができるよ」
がんばってねおうえんしている、そう続けたスナッチへと、ぱっと笑顔を咲かせて。
「えへへ、応援あざーっす☆」
くいっといい飲みっぷりで、地酒を口にするパウル。
スナッチは刹那、ぴとん、と。
規則的に落ちる雨垂れの音に気付き、耳を澄まして――落ちた雫が、心に波紋を作る。
そして舞い遊ぶ蛍と一緒に、頑張ってお尻を光らせようと試みている後輩をおうえんしながら。
――此処ではどんな出逢いがあるかなあ。
梅雨に咲くいろに潜む花影に、そっと思い巡らせてみるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
出水宮・カガリ
ステラ(f04503)と
脅威の存在はあるが、
それでも祭りが行われるのはひとが元気な証
指輪を、作ろうと思って
ステラのような、碧玉に近い色の石はあるかな
ちょうど青くて、今日の紫陽花のようでもあるなと
ああ、輪の部分は金か、それに近い色があれば
カガリは細かい作業はあまり得意ではないので、職人などいれば手伝ってもらいたいのだが…
ん。ちょっと、特別なものにしたくて
伴侶の約束をした、という印に。
ひとつの指輪に、互いの色が揃っていれば。寂しくないだろう?
ステラ、ステラ。これを(作った指輪を交換する)
つける指は、どこだったか
ふふふ。何だかくすぐったいなぁ
(瞼へキスを返す。鍵の騎士、地上でなお失われぬ星の輝きに)
ステラ・アルゲン
カガリ(f04556)と
花と蛍の舞う夜祭か……なかなかいいな
花の鮮やかさと蛍火を楽しんでから露天の方へ
結婚の約束をしたから婚約指輪を作りたいと思う
さすがにサファイアはなさそうかな?
ヴァイオレットサファイアの方を探すがなければ花菖蒲のような紫色の石を探そう
カガリの瞳のような色を
あの紫の瞳は魔眼だな
意思を奪って自由を許さない
時に恐ろしいとさえ思ってしまう
その瞳に私は捕らえられてしまった
けして悪くないなんて思ってしまうのは
心も奪われてしまったからだろうか?
白銀のリングに紫の石を
流星を捕らえたお前にこの指輪を贈ろう
左手の薬指だよ
カガリに指輪を付けたら手の甲にキスを
騎士として伴侶としてカガリと共に
雨模様の外出は、いつもならば、なかなか気がすすまないものだけど。
今日は雨こそが、絶好の祭り日和。
「花と蛍の舞う夜祭か……なかなかいいな」
ふわり舞い遊ぶ蛍を追いながら、ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)は鮮やかな花々を映した瞳にも花と同じ彩を咲かせて。
「脅威の存在はあるが、それでも祭りが行われるのはひとが元気な証だからな」
予知された、美しい二藍の花影に潜むものは気になるものの。
出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)はステラと一緒に、賑やかな人の声で溢れる露店を通り抜け、まずは紫陽花や花菖蒲、蛍火を存分に楽しむ。
そして、二人が次に訪れたのは――天然石でアクセサリーが作れるという店。
「指輪を、作ろうと思って」
店員に、そうカガリは告げて。
探すいろは、先程一緒に観た紫陽花の様な青。
ステラのような――碧玉に近い色の石。
「輪の部分は何色にしましょうか?」
「ああ、輪の部分は金か、それに近い色があれば」
正直、あまり細かい作業は得意ではないけれど。
「ん。ちょっと、特別なものにしたくて」
カガリは職人に手伝って貰いながら、丁寧にひとつひとつ作業をすすめていく。
心を込めて、自分の手で作り上げていく円環。
それは――伴侶の約束をした、という印に、と。
ステラも、指輪にはめる石選びを。
「さすがにサファイアはなさそうかな?」
探すのは、ヴァイオレットサファイアか、それに似た色。
花菖蒲のような……そしてカガリの瞳のような、紫色の石。
(「あの紫の瞳は魔眼だな。意思を奪って自由を許さない。時に恐ろしいとさえ思ってしまう」)
けれど……その瞳に、捕らえられてしまった。
でも、決して悪くないなんて。
そう思ってしまうのは――心も奪われてしまったからだろうか?
そんなことをそっと思いながらも。ステラは、白銀のリングに紫の石をはめていく。
そして、完成したのは……結婚の約束をした互いに贈る、婚約指輪。
「ステラ、ステラ。これを」
そっと手を取ったものの、つける指はどこだったか、と首を傾けるカガリに。
「左手の薬指だよ」
そう教えてあげれば、金の輪に青の石輝く指輪が、ステラのしなやかな左の薬指にはめられて。
同じ様にステラがカガリの薬指へとはめるのは、白銀に紫の石が煌めく指輪。
その円環煌めく手を取って。
騎士として伴侶としてカガリと共に……そう、ステラの唇がカガリの手の甲へと落とされれば。
鍵の騎士、地上でなお失われぬ星の輝きに……カガリのお返しのキスがそっと、ステラの瞼に。
そして互いの誓いを交換し合った二人は、はめられた指輪へと視線を落として。
――ひとつの指輪に、互いの色が揃っていれば。寂しくないだろう?
煌めく指輪の石と同じ色をした瞳で視線を交わし合い、幸せの彩を咲かせ合うのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『神の座へ至る迷いの森道』
|
POW : 気合で攻略する
SPD : 技量を駆使して攻略する
WIZ : 幻術の性質を解析して攻略する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●二藍の道
今宵はどうやらずっと、厚く空を覆った雨雲がはれることはないようだが。
ぱらりと降っていた雫が再び止んだ、雨模様の狭間に。
夜祭りをそれぞれ堪能した後、猟兵たちは集まり、得た情報をすり合わせる。
「やはり予知された不穏な花影と、白虎が祀られているという『觜宿神社』は何か関係があるようだな」
「村の人たちも何か知っているようでしたが、口裏をあわせているかのように、ことごとくはぐらかされましたね」
「祀られている白虎は、村の人たちから慕われ奉られているようだが……その白虎に何かあったような口振りな気がした」
「でも、村の者たちが言うことは大体同じような内容でしたから、作り話をでっちあげているという感じではなかったです」
かつては絶景を臨める花の名所であったらしき『觜宿神社』と、祀られている白虎。
グリモアにて予知された『不穏な花影』と、何やら関係がありそうだ。
「それにしても、肝心の『觜宿神社』ですが、その場所へと続く道は、村の人たちの話によると、秘されていると」
「足を踏み入れれば、気が触れてしまうと……そういう話でしたね」
神社へと続く、秘されている森道。
その道にうっかり入ってしまうと、幻影のようなものを視るのだというが。
実際に視た者や、人伝に聞いたというその内容は、実に様々であった。
「私が聞いた幻影は、犬が苦手な人の目の前に数えきれないくらいの犬の群れが現れたとか」
「伝えるつもりのない秘めた想いを抱く相手に、告白してこっぴどく振られた、というような幻想も」
「過去に火事に遭った村人は、あたり一面が火の海だったと」
「暗所恐怖症の人は、ただひたすら何も見えない暗闇だったとか」
「私は、過去の自分の悔いても悔いきれない記憶が再現された、と聞いたな」
「大切な人や自分が死ぬ状況が視えた、とも」
森道で視る幻想は『眼前に現れたら嫌だと心に潜む事象』でありそうだが。
苦手なものに囲まれるといった軽いものから、過去のトラウマや人の死に関する重いものまで。
その程度には、かなりバラつきがあるらしいし。
「特にそういう心内が思い当たらない人は、ぐるぐるとひたすら迷路の如き道を果てなく彷徨い歩いたとも」
さらに。
「猫が苦手なことを黙っていたのに、森道の幻影で同行者全員にバレてしまったなんて人もいたな」
「秘めていた恋心が、お相手さんが一緒の時に幻影として現れて、恋仲に発展したなんてことも聞きました」
「逆に、表面上仲良く振舞っていたが、実は互いに不満に思っていたことが幻影で露呈しただとか」
森道の幻影は、どうやら同行者と共有されてしまうようだ。
そして――全てに共通しているのは。
「これ……侵入者に危害を加える、というよりかは……森道へ足を踏み入れた者を追い払うための幻影、という感じがしますね」
猟兵ならばいざ知らず。
程度はともかくも、幻影を見続けながら長い森道を進むことは、一般人には無理であろうから。
「でもひとりだけ、白虎に強い信仰心を持っていた村長の息子さんが、幻影を振り切って神社に辿り着いたようなのですが」
その後、村には戻ってはきたものの。
辿り着いた先で見たものにショックを受けて、気がおかしくなったのだとか。
森道に足を踏み入れると気が触れるという噂は、そんな村長の息子の様子から囁かれるようになったようだ。
だが、どれもあくまで聞いた話。
本当のところがどうなのか――また、森道を進んだ先で何が起こったのか。
それは、自分たちの目で確認するしかないようだ。
「でも、神社へと続く森道は、どこに……」
「それでしたら、見つけました」
――二藍が、神社への道を隠す。
そう村人がまさに言っていた通り。
青や白、紅が混ざって咲く花々の中で……密やかに、でも不自然に群れている、二藍のみのいろ。
二藍の花のみが群生し巧妙に隠しているその裏側に、森の奥へと続く道が隠されていたのだった。
しかも、奥へと続く道の両脇に咲き誇る彩りも――二藍の一色。
暗闇に浮かぶ、藍に紅を重ねたような紫の道。
そしてその道の奥へとまるで誘うかのように、仄かに光る蛍が舞い飛んでいる。
――鬼が出るか仏が出るか。
それは、進んだ者しか分からないけれど。
再び、雨もまた降り始めるかもしれない。
さあ、準備ができた者から……二藍の花影を追って。
蛍の光が誘う紫の森道を、いざ進もう。
浮世・綾華
オズ(f01136)と
『お前らは所有物
唯のモノだと何度言えば―』
忘却の底にすら根付いた言霊
主に砕かれる鍵
大好きだった片割れが消える
先日蘇った記憶
あの時は情けない姿を見せたが
確かめるような手に「へーき」と笑う
声が震えても取り乱すことはない
そして暗転
窮屈な暗闇の中
衰弱するだけだったはずなのに―…
大丈夫と声がした
何が―…?
違う、もう分かっているはず
引かれる手は温かくない人形のものだって構わないんだ
共に過ごしその優しさに触れてきたから
…唯のモノ、だっていい
関係ない
大切だと想うなら
何より怖いのはあの時失ったように
あの子が、お前が
壊されてしまうこと
―オズ
あのな
―大好きなんだ
返る表情に口元を覆い
照れ臭そうに
オズ・ケストナー
アヤカ(f01194)と
アヤカとよく似た鍵が砕かれる瞬間
…っ
アヤカの手を握る
いる
ここに
あの鍵は
アヤカが泣いていたのはあの子のため
幻影なら助けられない
わかってるけど
モノならこわしていいわけない
つくられた瞬間からみんな生きてるのに
おなじだ
領主に簡単にころされてしまう村の人を
おしごとで見た
アヤカは、そんな風に大切なひとを目の前で
手を取ったまま前へ
これ以上の悲しみがアヤカを襲わないように
小さなアヤカがないてる
だいじょうぶ
おおきくなったアヤカはひとりじゃないからね
もうすこし、まってて
もうすぐ会えるよ
ね、アヤカ
振り返り手を引いて
初めての言葉に瞬く
うれしくて
わたしもね、アヤカがだいすきだよ
しあわせに頬を緩め
静かに奥へと導くその花影は、藍と紅を重ねたいろ。
丁度――秘されし道を共に征く、浮世・綾華(美しき晴天・f01194)とオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)の瞳の色の如く。
そして、まるで誰かの涙のように。
さわりと不意に揺れた二藍から、艶やかな雨露がぽろり、静かに零れ落ちる。
そんな中、聞こえるのは……声。
『お前らは所有物。唯のモノだと何度言えば――』
ちらちらと眼前で遊戯ぶ蛍の光に一瞬眩暈がして。
忘却の底にすら根付いた言霊に、ほんの少しだけ足を止めてしまえば。
――刹那、眼前で砕かれる鍵。
大好きだった片割れ。でもそれは、脆くも儚く消えて。
ただ瞼の裏に鮮烈に残るいろは、空と太陽のような――。
「……っ」
綾華とよく似た鍵が、砕かれる瞬間。
――いる、ここに。
そうぎゅっと、傍に在る手を取り、握り締めるオズ。
……触れた頬にあった、あの時の、なみだのあと。
あの鍵は……綾華が泣いていたのは、あの子のため。
けれど助けることは、できない。
これは幻影――先日蘇った綾華の記憶であるから。
わかってるのだけれど……でも。
(「モノならこわしていいわけない。つくられた瞬間からみんな生きてるのに」)
そしてオズは、同じだ、と紡ぐ。
以前依頼で赴いた先で見た……領主に簡単に殺されてしまう村の人と。
(「アヤカは、そんな風に大切なひとを目の前で……」)
そうふと向けられたキトンブルーの色と、確かめるようにきゅっと握られた手の感触に。
あの時は、情けない姿を見せたけれど。
「……へーき」
綾華はそう、笑ってみせる。
たとえその声が震えていても。取り乱すことは、ない。
そして、これ以上の悲しみがアヤカを襲わないように、と。
その手を取ったまま、導くようにオズは前へと進んでいく。
けれど瞬間――艶やかな二藍を覆い飲み込んだのは、漆黒。
それは、窮屈な暗闇の中。
そんな真っ暗な世界で、小さな綾華は、ただ衰弱するだけだったはずなのに――……。
「だいじょうぶ」
聞こえてきたのは、優しい声。
だから、泣くのを止めて。
何が――……?
そう、こてんと首を傾げるけれど――違う、もう分かっているはず。
「おおきくなったアヤカはひとりじゃないからね。もうすこし、まってて」
――もうすぐ会えるよ。
……ね、アヤカ、って。
振り返り、引いてくれる手。
温かくない人形のものだって構わないんだ――共に過ごし、その優しさに触れてきたから。
(「……唯のモノ、だっていい。関係ない」)
大切だと想うなら。
何より怖いのは……あの時、失ったように。
(「あの子が、お前が、壊されてしまうこと」)
そして不意に咲いたのは。
「――オズ、あのな」
――大好きなんだ。
そんな、初めての言葉。
オズは聞こえたその声に瞬いて。同時に、すごくうれしくて。
「わたしもね、アヤカがだいすきだよ」
そう、胸いっぱいの気持ちと笑顔を返せば――照れ臭そうに口元を覆う綾華。
そして、いつの間にか戻った周囲のいろのように。
視線を重ね互いの姿を映した二藍を細めながら。
大丈夫――そう手を握ったまま、また一歩。
二人一緒に前へと、進んでいく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
境・花世
ベティ(f05323)と
蛍火に導かれる二藍の途で、
確かに手を引いてた筈なのに
気付けば隣には誰もいなくなって
代わりに映るのは雨模様の天
静かに還ってゆく銀の煙が、きみだと知る
……ベティ?
か細い声で迷子のように呼ぶ名前
まっすぐで不器用なそのいのちが
永遠でないことなんて知っていた
ああ、けれど、だって、まだ、
泣くことさえできないまま、
繋いでいた指先が無意識に何かを探す
その温もりを、探してしまうから
ねえ、きみに何かを、あげられた?
ふいに煙は焼き尽くされて、
掌に戻ってくる確かな感触
いつもの顔でつぶやくきみへ
きっと不格好な笑いかたで返す
だいじょうぶだよ、かなしいんじゃない
――ただ、もう一度逢えて、うれしいだけ
ベスティア・クローヴェル
花世(f11024)と
薄暗い空の下、見知った顔が別れを告げている
泣いている者、ただ一か所を見つめる者…
この光景は私の葬儀か何かなのだろう
「人を悲しませる事をしてはいけない」
そう言われながら育った私は、辛く悲しい別れを忌諱していた
だから一人で生きる努力をした
周りにいるのは世話焼きばかりで、無駄な努力だったけど
今のまま命を燃やし続ければ、そのうちこの光景が訪れる
だけど、今更この人達との縁は捨てられない
そして、この身で長寿は望めない
であれば、私は諦めよう
避けられないのだから、こうなる事は仕方がない
だからこの景色を焼き払い、
見なかった事にして先に進もう
ごめんなさい、花世
悲しいものを見せてしまった
ゆらり、仄かに舞う蛍火に導かれた、二藍の途。
確かに二人、手を引きあっていた筈なのに。
「……ベティ?」
ただ響くのは、境・花世(*葬・f11024)の、不安の色を宿したか細い声だけ。
隣にいるはずのベスティア・クローヴェル(諦観の獣・f05323)の名を呼ぶその姿はまるで、迷子のようで。
薄紅咲く瞳に映るのは、雨模様の天の鈍色。
そしてその雨空に還ってゆく銀の煙――それが、きみだと。
花世は、眼前の光景で知る。
――薄暗い空の下、誰かに別れを告げているのは、ベスティアも見知った顔。
(「この光景は私の葬儀か何かなのだろう」)
啜り泣いている者、ただ茫然と一か所を見つめる者……そしてそんな皆が別れを惜しんでいるのは、ベスティア本人。
――「人を悲しませる事をしてはいけない」。
そう言われながら育ったから、辛く悲しい別れを忌諱して……だから、一人で生きる努力をした。
それは周囲の世話焼きたちのおかげで、無駄な努力となっているのだけれど。
……でも。
(「今のまま命を燃やし続ければ、そのうちこの光景が訪れる」)
ベスティアは暫し、遠くないかもしれない未来の光景を見つめる。
(「まっすぐで不器用なそのいのちが、永遠でないことなんて知っていた」)
そんなこと、花世も知っていたけれど……でも。
「ああ、けれど、だって、まだ、」
泣くことさえ、できないまま。
自然と零れる声と、無意識に何かを探す、繋いでいた指先。
だが、温もりを探すように彷徨うその細くしなやか指は、雨模様の空を切るばかりで。
――ねえ、きみに何かを、あげられた?
銀に燻る煙に、花世は問う。
眼前の、もうすぐ訪れるかもしれない未来。
(「だけど、今更この人達との縁は捨てられない」)
ずっと、おそれて避けてきたこと。
でも繋がった縁を切る事なんてできないし……しかし、この身で長寿は望めないのも事実。
だから、ベスティアの下した選択はひとつ。
――であれば、私は諦めよう。
(「避けられないのだから、こうなる事は仕方がない」)
刹那、目の前の光景を焼き尽くすのは、燃え盛る蒼炎。
泣く人も嘆く人も俯く人も……その全てが、炎に焼かれれば。
かわりに戻ってくるのは――掌の、確かな感触。
「ごめんなさい、花世。悲しいものを見せてしまった」
……見なかった事にして先に進もう。
そういつもの顔でつぶやき、早足に通り過ぎんと引かれるその掌の主に。
「だいじょうぶだよ、かなしいんじゃない」
きっと不格好な笑いかたで、花世は返すのだった。
――ただ、もう一度逢えて、うれしいだけ、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
終夜・凛是
お節介(f13458)と
嫌な事――息を、のむ
己より年上、高く灰青の髪くくり上げた後ろ姿
にぃちゃ……っ!
幻だと判ってても、俺は追いかける
振り向いてくれないの、わかってる
それでも、やっぱり追いたい
姿は狐の姿になって、どこかにいってしまう
やっぱり、追い付けない、出会えない
こっち向いてくれない
なんで、かなぁ……
溜息、零れて
みられたことは、気まずい
…俺、にぃちゃん探してる…んだ
お節介の言葉に瞬く
同じ妖狐、長い灰青の髪、いつも笑って…?
違う、兄ちゃんの笑った顔見たこと無い
眼帯なんてしてない……
違う、と否定する
違う
探すのは、俺のやることだから、手伝われたくない
連れてく?
つきあってやっても、いい
うん…いく……
ジナ・ラクスパー
変わった視界に瞬き一つ
見覚えある変わった色の髪に
…ら、
呼ぶより早く飛び出した凜是様(f10319)
慌てて一緒にその背を追いかけるけれど
灰青の狐になって靄の中に消えてしまって
溜息と独白に胸が詰まる
見上げる横顔にはあの寂しい瞳
凜是様の会えなくて、会いたくて仕方ないひと
…でも、あれは
決まり悪そうな顔に思い切って
凜是様、私、よく似た人を知っているのです
妖狐で、長い灰青の髪を垂らして
いつも笑っていて、片眼に眼帯を…
え?違う?でも、
重なる否定にそうですか、と呑み込む
…でも
ね、凜是様、凜是様が一人では行かない場所にも
私、引っ張っていきますから
そうすれば、見つかるのもきっとすぐです!
ね
元気を出してと小さく笑う
妖しく蛍の光が照らすそのいろは、ただ、二藍だけ。
いや……ざわりと静かに戦いだその彩たちは知っている。
嫌な事――そう終夜・凛是(無二・f10319)が、息を飲んだことを。
そして一面紫であった視界が変わったことに、ジナ・ラクスパー(空色・f13458)がひとつ、瞬けば。
眼前に現れたそのいろは――灰青。
凛是よりも年上で、くすんだ灰を纏った髪を高く括り上げた後ろ姿。
ふわり揺れる尻尾と、ぴんとたった耳――それはジナにとって、見覚えのある姿で。
「……ら、」
「にぃちゃ……っ!」
けれどジナが口にするよりも早く、駆け出した凛是。
それが幻だと判っていても。
いつか辿り着く未来を信じて……繋いだふたつの円環を揺らしながら、凛是は灰青の色を必死に追いかける。
――わかってる。振り向いてくれないの、わかってる。
自分がいることを知っていても、それでも、決しては見てくれないって。
でも――それでも、やっぱり追いたい。
は、と息が乱れるのも構わずに、凛是は走る。
自分が唯一知っているその背中を、ただひたすら追って。
けれど、その灰青は狐の姿になって、靄の中へと消えてしまって――どこかにいってしまう。
「なんで、かなぁ……」
溜息とともに、零れる呟き。
「……凛是様」
凛是と一緒に灰青の背中を追いかけたジナは、そんな漏れた息と独白に、胸が詰まる。
すぐ傍にある見上げる横顔には――あの寂しい瞳。
そして、みられたことを気まずそうにしながらも。
ぽつりと、凛是は紡ぐ。
「……俺、にぃちゃん探してる……んだ」
無意識にぎゅっと握り締める、揃いの円環。
凜是の、会えなくて、会いたくて仕方ないひと。
(「……でも、あれは」)
ジナは思い切って、決まり悪そうな顔をしている凜是へと告げる。
「凜是様、私、よく似た人を知っているのです」
その言葉に瞬く、橙の瞳。
けれど。
「妖狐で、長い灰青の髪を垂らして。いつも笑っていて、片眼に眼帯を……」
その瞳に次に浮かぶ色は、否定。
(「同じ妖狐、長い灰青の髪、いつも笑って……?」)
「……違う」
――違う、兄ちゃんの笑った顔見たこと無いし。
「眼帯なんてしてない……」
「え? 違う? でも、」
それに……探すのは、俺のやることだから、手伝われたくないから、と。
――違う、と。
もう一度首をふるりと振って、否定を重ねる凜是。
だからジナは、そうですか、と呑み込むしかできないけれど。
でも……ただ隣で見守っているような、そんな性分ではないから。
耳をぺそりとさせている凜是へと、ひと色咲かせたその顔をパッと向ければ。
「ね、凜是様、凜是様が一人では行かない場所にも、私、引っ張っていきますから」
……連れてく?
そう自分を映した瞳に、こくりと大きく頷いて。
「そうすれば、見つかるのもきっとすぐです!」
「つきあってやっても、いい」
返ってきた言葉に、ね、元気を出して、と小さく笑みを咲かせるジナ。
そうすれば、見つかるのもきっとすぐ――凜是は、こくりと小さく頷いて。
うん……いく……と、尻尾をふわりと揺らした。
瞼の裏に焼き付いた、焦がれるくらい会いたい灰青を、その心に想いながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
逢坂・理彦
煙ちゃんと(f10765)
閉ざされた神社への道かの『眼前に現れたら嫌だと心に潜む事象』か…俺の場合は予想がついてしまうけれど…俺はそれに耐えられるだろか?煙ちゃん…手をつないでもらってもいいかな?
代わる代わる現れる故郷の人達の幻影。みな口々に「お前だけ幸せになるのか?一度した約束を破るのか?」と言う。言われたくない。いや本当は言われたい?幸せになるのは怖い。
でも、煙ちゃんと一緒に居るただそれだけで幸せになる自分がいる。
(思わず手を握りしめる力がます)
家族を悪者にしないでと言われ気付く。
自分は自分の罪悪感の為にみんなを悪者にしようとしていたんだ。
そうだね。俺、逃げないから。一緒にいてくれる?
吉瀬・煙之助
理彦くん(f01492)と
迷いの道かぁ…
何が出るか分からないけど
理彦くんとならきっと大丈夫、だと思うんだけど
理彦くん…大丈夫…?
うん、心配だし【手をつなぐ】よ
現れては消える人たち
理彦くんにどことなく雰囲気が似てる人もいる
みんな理彦くんの故郷の人なのかな…?
でも…本当にこの人たちは
理彦くんの幸せを妬んでるのかな
「家族だったなら、幸せになって欲しいんじゃないの…?」
僕はヤドリガミだから家族は居ないけど
でも、長年持ち主の家族を見てたから分かるよ
だから逃げないでよ…
理彦くんの罪悪感で、家族を悪者にしちゃダメだよ…
幸せになりたいなら…ちゃんと向き合って
僕はずっと理彦くんと一緒にいるから、ね?
二藍のいろがそっと隠していた、森の道。
そんな閉ざされた神社へと続く道に、足を踏み入れた者たち。
だがその行く手を阻むのは……『眼前に現れたら嫌だと心に潜む事象』なのだという。
(「迷いの道かぁ……何が出るか分からないけど」)
理彦くんとならきっと大丈夫、だと思うんだけど――。
そう、共に歩む逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)へと目をやった吉瀬・煙之助(煙管忍者・f10765)は。
ふと、耳をぺたんと寝かせ隣を歩く理彦へと声を掛ける。
「理彦くん……大丈夫……?」
何が出るか分からないという煙之助とは逆に。
(「俺の場合は予想がついてしまうけれど……」)
理彦には、自分の前に何が現れるかが、分かっていたし。
――俺はそれに耐えられるだろか?
そう、普段の飄々とした様は鳴りを潜め、煙之助へと視線を返し紡ぐ。
「煙ちゃん……手をつないでもらってもいいかな?」
「うん、心配だし、手をつなぐよ」
刹那、重なって伝わる温もりは心まで染みて。
一緒に前へと、進んでいく二人。
だが――そんな二人の前に、代わる代わる現れては消えるのは、人。
その顔に見覚えのない煙之助は、現れては消える人たちを見遣って。
(「理彦くんにどことなく雰囲気が似てる人もいる。みんな理彦くんの故郷の人なのかな……?」)
ふと理彦へと視線を映してみれば。
口々に吐かれる、彼への言葉が。
――お前だけ幸せになるのか?
――一度した約束を破るのか?
言われたくない……いや本当は言われたい?
理彦は故郷の人達の幻影の声を聞きながら、ふるりとひとつ首を振る。
――幸せになるのは怖い、と。
……でも。
ぎゅっと、手を握りしめる力が増して。握り返される感触に、思う。
(「でも、煙ちゃんと一緒に居るただそれだけで幸せになる自分がいる」)
そして煙之助は、理彦の故郷の人達の幻影を見つめて。
ふと首を傾け、口を開いた。
「……本当にこの人たちは、理彦くんの幸せを妬んでるのかな」
「え?」
そんな意外な言の葉に、理彦はつい俯きがちだった顔を上げて。
さらにこう、続ける煙之助。
「家族だったなら、幸せになって欲しいんじゃないの……?」
ヤドリガミである煙之助には、家族という存在はいないけれど。
でも、長年持ち主の家族を見ていたから、分かる。
家族とは、どんなものであるのかが。
「理彦くんの罪悪感で、家族を悪者にしちゃダメだよ……」
だから逃げないでよ……と。
そう向けられた言葉に、理彦はハッととする。
――自分は自分の罪悪感の為にみんなを悪者にしようとしていたんだ、と。
「幸せになりたいなら……ちゃんと向き合って」
「そうだね。俺、逃げないから」
煙之助へと、理彦は確りと頷き返してから。
一緒にいてくれる? ――ふわり尻尾を揺らしながら、そう問えば。
僕はずっと理彦くんと一緒にいるから、ね? ――って。
すぐに返ってきたのは、伝わるあたたかさと、やさしいいろをした言葉。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月舘・夜彦
倫太郎殿(f07291)と参加
延々と続いているような道ではありますが、何故でしょうね
次第に覚えのある道になっているような気がします
情報の通りであるのならば……
嗚呼、やはりそうだ
あの庭は、あの家は……私の主、小夜子様の家
縁側から見える庭の景色を眺めるのが好きだった
彼が帰って来るのを待つように、静かに座っていた
幻なのでしょう
そう思っていても縁側で座っている彼女の姿には息を呑んでしまう
そして隣に寄り添う方、「あの方」は私ではない
彼に似せた私ではない、小夜子様が待っていた御方だ
叶わなかった夢
私が望んでいたもの
それなのに、とても胸が苦しい
逃げるように其の場を通ってしまった
……倫太郎殿、すみません
篝・倫太郎
夜彦(f01521)と
そうか、選ばれたのはこの人の方か
そう思う
尤も、形になるほどの強い何かなんて俺にはねぇから
当然と言えば当然なんだろう
ここら辺では見慣れた造りの家
縁側に佇む一人の女と
夜彦に生き写しの、男――
息を呑む夜彦の顔を見遣れば
懐かしさと愛おしさ……
それから、苦渋
色んな感情が綯い交ぜになった気配と瞳
この人もこんな顔するんだな……
そう思っていたら、夜彦が不意に先を急ぐから
少し面を喰らう
でも、何となく……判らなくもねぇ
あれは多分、夜彦の願いで未練みてぇなもんで
そこにある願いも想いも
夜彦自身、判ってねぇんだ、きっと
謝罪はさらりと受け流して深く触れない
だって、あれは多分夜彦の一番大切なもんだから
二藍が咲き誇る森の中は、迷い道。
覚える感覚は、同じところを何度も通っているかのような。
いや……月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)にとっては、何故だろうか。
進むに連れ変わっていくその風景は、次第に覚えのある道になっているような気がしたから。
(「情報の通りであるのならば……」)
そっと見回してみれば――嗚呼、やはりそうだ、と。
艶やかに花を彩っていた雨露のように、思わずそうぽろりと零れる言の葉。
「あの庭は、あの家は……私の主、小夜子様の家」
篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は夜彦の声に、眼前に現れた、この世界では見慣れた造りの家へと目を向ける。
……縁側から見える庭の景色を眺めるのが好きだった。
そして――彼が帰って来るのを待つように、静かに座っていたその姿。
……幻なのでしょう、と。
けれど、そうは思っていても。
縁側で座っている彼女の姿に、夜彦はやはり息を呑んでしまって。
その隣に寄り添うのは、「あの方」。
(「そうか、選ばれたのはこの人の方か」)
そう思いながらも、現れた幻影に、倫太郎はそっと納得する。
ヤドリガミは、百年余りもの時を経た器物に宿るもの。
形になるほどの強い何かなんて自分にはないから……当然と言えば当然なんだろう、と。
倫太郎は改めて、縁側の男の顔へと視線を向けてみれば。
そこには、夜彦に生き写しの男――。
だけど、「あの方」は、夜彦ではない。
(「彼に似せた私ではない、小夜子様が待っていた御方だ」)
眼前の光景は、夜彦の叶わなかった夢。
そして。
(「私が望んでいたもの。それなのに……」)
それなのに――とても、胸が苦しい。
縁側の二人を見つめるその瞳と気配は、色んな感情が綯い交ぜになったいろ。
懐かしさと愛おしさ……それから、苦渋。
(「この人もこんな顔するんだな……」)
そう、息を呑む夜彦の顔をちらりと見遣れば。
「……!」
不意に先を急ぐ彼に、少し面を喰らってしまう倫太郎。
だけど。
(「でも、何となく……判らなくもねぇ」)
夜彦と共に進む速度を上げながら、倫太郎は一度だけ振り返って思う。
(「あれは多分、夜彦の願いで未練みてぇなもんで。そこにある願いも想いも」)
夜彦自身、判ってねぇんだ、きっと――と。
「……倫太郎殿、すみません」
逃げるようにその場を通る夜彦が口にした、そんな謝罪も。
さらりと受け流して、深くは触れない倫太郎。
時を経ても鮮やかに、そして切なく咲いた約束の青紫は、神社へと導く二藍とはまた違ったいろをした想いで。
そして、それはきっと――多分、夜彦の一番大切なもんだから、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
石籠・むぎ
おまつりに気をとられてジンジャさがすのわすれてたの…
(バディペットのハヤザブロウは呆れた目で見てる
この道を行けばいいのね?コンドは大丈夫なのよ!
(むぎの嫌な事は、現在寝たきり状態の母親が亡くなってしまうこと
あれ?ダレかおふとんでねてるの?
カオに布かけてたら苦しくないの?
…このおふとんのガラ
えっ、おかあさま?なの?(近づいて
…コキュウがきこえないの
なんで?ねぇなんで?(耳が垂れて尻尾もしょんぼり
いや、おかあさまいなくなっちゃイヤなの!(しゃがみこんで泣き出す
…ん?ハヤザブロウ?(寄り添ってくるハヤザブロウに気づき
分かってるのよ
ゲンエイってやつなのよね
こんな未来にならないよう、むぎはつよくなるから
「おまつりに気をとられてジンジャさがすのわすれてたの……」
ちょっぴり申し訳なさそうに、耳をぴこりとさせながらも。
石籠・むぎ(白銀稲荷・f02944)は、コンドは大丈夫なのよ! と胸を張って。
「この道を行けばいいのね?」
妖しくも美しく咲いている二藍の花に隠されていた森道を、ハヤザブロウと共に歩き出す。
そんな、むぎとハヤザブロウの目に飛び込んできたのは――。
「あれ? ダレかおふとんでねてるの?」
……カオに布かけてたら苦しくないの?
そう小さく首を傾けるむぎだけれど。
ハッと、琥珀色の瞳を見開く。
むぎは気付いたのだ。その布団の柄が、見たことがある馴染みのものであることを。
そしてその布団で、寝たきりであるその人は。
「えっ、おかあさま? なの?」
思わず近づいて、そっと起こしてみようとするけれど。
取った手は驚くほど冷たく青くて……呼吸が、聞こえない。
眼前のおかあさまに何があったのか。
その垂れた耳としょんぼりした尻尾をみれば……幼いむぎにも、わかったのだ。
「なんで? ねぇなんで? いや、おかあさまいなくなっちゃイヤなの!」
しゃがみこんで、わっと泣き出してしまうむぎ。
けれど、バサリと寄り添う翼の音に気付いて。
「……ん? ハヤザブロウ? 分かってるのよ、ゲンエイってやつなのよね」
むぎはすくりと改めて立ち上がり、涙を拭いて。
ハヤザブロウと、再び先へと進みはじめる。
そして前だけを向いて、耳をぴんと立たせながら、決意の花を咲かせるのだった。
――こんな未来にならないよう、むぎはつよくなるから、と。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
過去や今の嫌なものが幻影として現れるのかしら。
なら、私の場合はヤドリガミになる前の持ち主たちね。
皆、私を希望の宝石とか最初は呼んでいたくせに、最後は呪いの宝石扱いして恨み言遺して逝ってしまった。
でも、今の私は自分で動ける。
「悪いけど、貴方たちの繰り言に付き合ってはいられないのよ?」
SPDを活かして幻影たちの間を走り抜けるわ。
「”今”は生きる者の時間。寿命を全うするまでは過去はお呼びじゃないわ」
もし物理的に邪魔するなら、軽く集中して千里眼射ちで撃ち散らしてあげる。
藍に紅が重なったような、二藍の色合い。
そのいろを、ちょうど似たような藍と紫の宝珠に映しながらも。
(「過去や今の嫌なものが幻影として現れるのかしら」)
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は森道を進みながら、あくまで淡々と思う。
(「なら、私の場合はヤドリガミになる前の持ち主たちね」)
皆……最初は、希望の宝石と呼んでいた。
けれど――最後は。
呪いの宝石扱いして、恨み言遺して逝ってしまった。
ヴィオレッタのそのふたつのいろは――所有者に不幸な最期をもたらすとされた、希望の宝珠。
そしてそんな過去の記憶は、ヴィオレッタにとって嫌なもので。
不意に、静かに咲く花影から現れたその姿が……記憶と、重なる。
当時は、ただ聞かされるばかりしかできなかった恨み言。
どうしようもなく、奉られそして呪いだと言われて。
吐かれる言葉をただ、投げられるがままだったけれど。
(「でも、今の私は自分で動ける」)
あの頃とは、違う。人の身体を得たのだから。
「悪いけど、貴方たちの繰り言に付き合ってはいられないのよ?」
吐かれる戯言にも誑かされず、幻影たちの間を走り抜けるヴィオレッタ。
そして――もたらすのは幸福か、それとも不幸か。
「”今”は生きる者の時間。寿命を全うするまでは過去はお呼びじゃないわ」
――もし邪魔するなら、撃ち散らしてあげる。
ヴィオレッタはそう藍と紫に煌めく宝珠を細めて。
二藍の道のその先へと、進む。
大成功
🔵🔵🔵
斬断・彩萌
見える者:10歳前後の自分
あれは私。忘れもしない、お人形だった頃の私
親のいう事を聞いて、勉強でいい成績を収めて、家事もそつなくこなせるように努力してきた私の過去
お父さん、ごめんなさい。今度はきっと満点をとるから
お母さん、ごめんなさい。次はきっと上手に縫ってみせるから
だから怒らないで、喧嘩しないで、私を見捨てないで――!
馬鹿馬鹿しい。冗談じゃないわ、私は誰のものでもない、私自身のものよ
誰かに命令されたり、頭ごなしに指示されるのはもう沢山!
過去の私に言ってやるわ。そんなにご機嫌をとりたいなら、『自分という存在を確立しなさい』ってね
今私がここにいるのは、そうしてきたからなんだから
※アドリブ歓迎
二藍の花にそっと降る雨のように、雫を零せればよかったのかもしれない。
生まれは、UDC屈指の財閥。
だから、蝶よ花よと――そして、厳しく育てられた。
斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)は一瞬だけ、眼鏡の奥の瞳を見開くけれど。
――お父さん、ごめんなさい。今度はきっと満点をとるから。
――お母さん、ごめんなさい。次はきっと上手に縫ってみせるから。
――だから怒らないで、喧嘩しないで、私を見捨てないで――!
(「あれは私。忘れもしない、お人形だった頃の私」)
良い子で在らなくてはいけないと……親の言うことを聞いて、その顔を窺いながら。
勉強でいい成績を収めて、家事もそつなくこなせるように努力してきた、紛れもない自分の過去。
……ごめんなさい、ごめんなさい。
……今度は、次はきっと。
……だから、お願い――!
「馬鹿馬鹿しい」
ふっと漏れた溜息とともに、彩萌の口からはっきりと言い放たれた言の葉。
それは、誰かの顔色をうかがうためのものでも、取り繕うものでもない。
「冗談じゃないわ、私は誰のものでもない、私自身のものよ。誰かに命令されたり、頭ごなしに指示されるのはもう沢山!」
彩萌自身の意思。
そして自分を抑え続けてきた眼前の過去の『自分』へと、こう言ってやるのだった。
「そんなにご機嫌をとりたいなら、『自分という存在を確立しなさい』」
ただ言いなりになって、必死に良い子になろうと、自分を抑えて殺すのではなくて。
本当に認めて貰いたいならば、自分を確りと持たないといけないと、彩萌は過去の自分へと紡ぐ。
「今私がここにいるのは、そうしてきたからなんだから」
良い子になろうとしていた時には感じることがなかった、沢山の楽しい事や嬉しい事。
自分らしく在るようになったからこそ知れたことや、得ることができた強さ。
彩萌は過去の自分に背を向け、再び前へと歩みを進める。
この今という時間は、誰のものでもない――自分自身のものなのだから。
大成功
🔵🔵🔵
出水宮・カガリ
【ヤド箱】
蛍が朧に光る道を、進んで
…嫌な、こと
こういう薄暗がりの、終わりの見えない道、かな
水音と、足音とが、ずっと続いて
最後に「岩戸」の自分を隔てて、悲しい別れがあった、気がする
…カガリは知らないはずの記憶なのだが
まるで、我が事のように知っていて
…同じような状況になる度、より鮮明に思い出されてくるのが、ちょっと怖い
自分が、自分でないものに、埋まっていくようで
『吾(われ)を忌むか。鐵(くろがね)の門』
怒るでもなく、悲しむでもなく
蛍火の向こうに佇む人影
形はよくわからないが、眼が柘榴の色をしている事だけはわかる
カガリをこのように呼ぶのは、唯一人だ
この身の内にいる、よくわからないもの
いわとの、おおかみ
落浜・語
【ヤド箱】
嫌いなものって言ったってなぁ。
色々あり過ぎて…
(進んだ先は、薄暗い病院。真っ直ぐ廊下が続いていて、どこからか心電図の音がする。人の気配はあるが、姿は見えない)
……マジか。マジなのか。よりによって
いや、まぁ、うん。抜ければ良いだけだからな。
さっさと抜けよう。うん。それが良い。
走るのはなんとなく気が咎めるんで、早歩き。
その間も響いている心電図の音が、だんだんと間隔が長くなって。
長音で響く音に耳を塞いでしゃがみこむ。
あぁ、嫌だ。本当、嫌だ。(おいてかないで)
カラスにつつかれて、立ち上がり、深呼吸して、一気に駆け抜ける。
早く、早く外に。早く────に。
でもまぁ、皆の前では笑って誤魔化すけど。
ペイン・フィン
【ヤド箱】
予め、コードを使用
皆の苦しみから来る怨念と恐怖
虐げられた思いから来る憤怒と憎悪
無力な感情から来る悲哀と絶望を、それぞれ喰らう
……自分は、辛い思いとかには、多少、耐性あるからね
少しでもこれで、皆が楽になると、良いのだけど……
どこからか、聞いたことのある声で、助けてと、聞こえた
そして、見えるのは、自分の姿
自分の、真の姿、数歳程度、幼くなった姿
そして、両手が血にまみれて、……涙を流していた
その後ろには、見たことのある姿
今回、共に来た人が
ここには居ない人が
大切な人たちが、皆、指を潰されている
……ああ、いっそ、狂って居たなら、まだ、あり得ないと言えたかもしれない
確かにこれは……、嫌、だね
ステラ・アルゲン
【ヤド箱】
もう見たくないなんて記憶は結構あるが……今度はこれか
その日もこの村の祭りと同じく賑やかな一日になるはずだった
式典の日、慰霊の儀式を終えたならば後は国を挙げての祭りになるはずだったのに
悲鳴と怒号、破壊と轟音
突如として現れた魔物達が暴れ人々を襲っている
次々と血溜まりが新しくできていく
何度も何度も斬り伏せても止まらない、止められない、守れない
せめて彼女だけでも守ろうと
まだ剣だった私を握り、勇敢にも立ち向かおうとしそして傷ついた彼女を
救いを求め、願い、私を呼び出した貴女だけは
もう少し早く目覚めていれば
もっと主のように剣が扱えていれば
この時を思い出して思うのはそんなことばかりだ
勘解由小路・津雲
【ヤド箱】で参加
白虎に何かあったようだな。だが確実なことは、先に進まねばわからぬか。
【嫌な現象】
勘解由小路そっくりの人物が立っている。ただ眼の色は違って黒い瞳。
次の瞬間。そっくりな人物は、片目を押さえている。そこからは血が。
「なに、おれには見鬼の才はない。退魔師としては眼がないようなもの、お前が眼になってくれればいいさ」
と、首からかけた鏡に話しかける。
次の瞬間。おそらく片手が。
「なに、印が結べずとも使える術はある。お前が手になってくれればいいさ」
次の瞬間。死の床だろうか。
「勘解由小路家はおれで最後だ。お前は自由に生きればいいさ、おれの代わりになる必要はない」
それでも、私は――。
闇に浮かび上がる二藍を、仄かに照らす蛍火。
ただの森道であるはずなのに……どうしてか、延々と出口に辿り着けないような感覚に陥って。
静かな紫に染まった夜で、迷子になってしまったような気さえする。
旅団の仲間が……すぐ傍に、いるというのに。
「白虎に何かあったようだな。だが確実なことは、先に進まねばわからぬか」
祭りで猟兵たちが集めてきた情報を思うと、予知された不穏な花影と祀られている白虎は無関係ではないようだ。
でも、勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)の言うように、詳細はまだ、二藍に隠されたまま。
先に進んでこの目で確かめるしか、何が起こったのかはわからないだろう。
そう、ふと顔を上げた津雲であったが……刹那、その足を思わず、ぴたりと止めてしまう。
蛍火が妖しく飛ぶ闇の中に在るのは、誰かの人影。
そしてそれは、津雲にそっくりな人物であったが――違うのは、その瞳のいろ。
銀を帯びた津雲のそれとは違い、佇む人物の眼は、闇のような黒であった。
けれど……その瞳が瞬間、またそのいろを変える。
不意に片目を押さえる、津雲に似た人物。抑えた掌が染まるその彩は、どろりとした赤。
――そして。
「なに、おれには見鬼の才はない。退魔師としては眼がないようなもの、お前が眼になってくれればいいさ」
彼が話しかけているのは――首からかけている鏡であった。
そして暗転……また次の瞬間、視えたもの。
それは、おそらく片手が――。
「なに、印が結べずとも使える術はある。お前が手になってくれればいいさ」
フラッシュバックするように変わる光景。
今度は、鏡のような月が静かに見守る夜……今際の際、であろうか。
「勘解由小路家はおれで最後だ。お前は自由に生きればいいさ、おれの代わりになる必要はない」
死の床で、彼はそう紡いだけれど。
……でも。
「それでも、私は――」
気付けばそう、あの人とは違う銀の瞳を虚空へと向けて。
津雲はそれだけを、ぽろりと零していた。
朧に照る明かりは、舞い飛ぶ蛍の光だけ。
それを頼りに進んでいた出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)は、ふと考える。
「……嫌な、こと」
それはまさに今歩みを進めているような――薄暗がりの、終わりの見えない道。
不意に、そんなカガリの耳に響きはじめるのは、水音と足音であった。
怖いほどの静寂と闇の中、ただその響きだけが、ひたすらずっと続いていて。
知らないはずなのに……記憶の根底からじわり湧き上がるそれは、悲しい別れ……のような、気がする。
最後に「岩戸」の自分を隔てた、いつかの何かの記憶。
それは、同じような状況に陥るたびに、より鮮明ないろになってきて。
ちょっと怖いと……カガリはそう思う――自分が、自分でないものに、埋まっていくようで。
そしてふいに闇夜に浮かんだ色は、咲き誇る二藍と舞い飛ぶ蛍火のいろと。
その奥に在る――柘榴の如き色。
形こそ分からないが、佇む誰かのその深い赤は、怒るでもなく、悲しむでもなく。
『吾を忌むか。鐵の門』
そう、するりと紡がれる言の葉。
そして――カガリは、知っている。
(「カガリをこのように呼ぶのは、唯一人だ」)
この身の内にいる、よくわからないもの。
――いわとの、おおかみ。
でもその呟きは、さわりと急に揺れた二藍の花音に、そっと隠される。
(「もう見たくないなんて記憶は結構あるが……今度はこれか」)
ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)がふっと息をつき見遣るのは、祭りの準備が行われている平和な風景。
先程楽しんだ村の夜祭りのように――いや、もっと規模の大きな、国を挙げての祭りになる予定だった。
式典の日……慰霊の儀式を、終えられたのならば。
けれど、喜びと泰平に上がるはずだった声は、悲鳴と怒号へと変わって。
破壊と轟音が、一瞬にして沢山のものを奪っていく。
眼前で吼えるのは、突如として現れ暴れる魔物達。
それを何度も何度も斬り伏せるけれど――止まらない、止められない、守れない。
赤いいろが飛び散り、守れずに血の海に沈んでいく人々。
けれど――せめて、彼女だけでもと。
勇敢にも立ち向かおうとしそして傷ついた彼女を……救いを求め、願い、私を呼び出した貴女だけはと。
そう、思ったのに。
「……もう少し早く目覚めていれば」
無意識に紡がれ零れる、今ではどうしようもない、想い。
その時のステラは、まだその手に握られた一振りだったから。
――もっと主のように剣が扱えていれば。
この時のことを思い出すたび、そんなことばかり思ってしまうステラの心に巡るそのいろは。
今もまだ根底に燻って、塗り変わらない。
ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)が展開するのは、己の超強化を施すコード。
でも、そのために、ペインは喰らうのだ。
皆の苦しみから来る怨念と恐怖を、虐げられた思いから来る憤怒と憎悪を、無力な感情から来る悲哀と絶望を――。
(「……自分は、辛い思いとかには、多少、耐性あるからね」)
少しでもこれで、皆が楽になると、良いのだけど……と。
そう思った、その時だった。
――助けて。
聞こえてきたのは、助けを求めるような声。
それはどこかで聞いたことがある響きで……ふと眼前を見遣れば、いつの間にか人影が。
蛍の光に照らされているその姿は――ペイン自身であった。
でも今の自分ではない。数歳程度幼くなった、真の姿の自分。
その手は鮮烈な赤で染められていて……幼いペインは、涙を流していた。
まるで今日の空の様に、ぽろぽろと。
刹那、ペインは一瞬、幼い自分のその後ろ――見たことのある沢山の者の姿に、瞳を見開く。
今回、共に来た人が。
ここには居ない人が。
そんな大切な人たちが――皆、指を潰されている。
あり得ないと……ああ、いっそ、狂って居たなら――まだ、言えたかもしれないけれど。
「確かにこれは……、嫌、だね」
ふるりとひとつ、ペインはそう紡いで、首を振るだけ。
容赦なく現れては突き付けてくる、仲間達の心や記憶が生み出した幻想。
(「嫌いなものって言ったってなぁ。色々あり過ぎて……」)
森道を染めるものと似た色をした瞳で、周囲の様子を窺っていた落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)であったが。
耳に聞こえ始めたあの音と、真っ直ぐに伸びた見覚えのある場所。
進んだ先は、薄暗い病院であった。
「……マジか。マジなのか。よりによって」
どこからかする心電図の音に紛れて、唖然と一瞬立ち止まり、そう零してしまうけれど。
「いや、まぁ、うん。抜ければ良いだけだからな」
……さっさと抜けよう。うん。それが良い。
自分に言い聞かせるようにそう呟き、再び前へと進み出す語。
走るのはなんとなく気が咎めるから、早歩きで。
真っ直ぐ続く廊下を通り抜けんと進むけれど……心電図の音は、一向に病む気配はなくて。
むしろ、響いているその音の間隔は、だんだんと明らかに長くなっている。
そんな耳を打つ長音に、進んでいた足が、再び止まって。
「あぁ、嫌だ。本当、嫌だ」
――おいてかないで。
耳を塞いで、思わずしゃがみこむ語。
けれど……ここにいる、と。そういわんばかりにつつく嘴の感触が、語の顔を再び上げさせて。
ぐっと立ち上がり、大きく深呼吸した後。
……早く、早く外に。早く────に。
カラスと一緒に、今度は一気に駆け抜ける。
そして、再び戻ってきた二藍の彩りに、語はそっと安堵して息をつきながらも。
皆の前では、笑って誤魔化すのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
逢坂・宵
マレーク君(f09171)と
迷いの森、ですか
これはまた厄介な……どのような呪術的な要素が働いているのか、調べたいところではありますが……
……薄暗い視界の先に、なにかが見える
分厚い雲からは驟雨が降り、辺りで上がる火の手と交わる
オブリビオンの襲撃によって灰燼と化した集落と、崩壊した屋敷
瓦礫の下から伸びる、血まみれの人間の手
あれは、僕の記憶でしょうか
……非道い人だったとはいえ主人を見殺しにした、僕の
嗚呼、許してください……!
突然に手を引かれる感覚に我に帰れば、頭を振って
……助かりました、マレーク君
マレーク君は大丈夫でしたか?
そうして、握られる手に濡れる血に気づく
……、そうですか
ありがとう、ございます
マレーク・グランシャール
宵(f02925)と共に
二藍の群れを見続けていると藤の花を思い出す
猟兵となった後に失った記憶があったことをだ
だから惑わされないよう手首を切って正気を保つ
痛みは血を代償とする技の発動を容易くするだろう
眼前に広がる廃墟の光景は宵のものか
灰燼と化した集落、血肉と化した住人
それは無二の友を苦しめるの過去と同じだ
ならば俺は宵の手を掴み、夢から現へ連れ戻す
今だけはお前と共に未来を歩む男の代わりに
今だけは俺といずれ道を違う友と同じように
彼を掴むこの手は血に濡れているが、やがて降る雨が洗い流してくれよう
宵が俺にお前は大丈夫かと問えばこう答えるだろう
今の俺は骸のようなもの
心はとうに死んでいるのだと
秘された道は、ただ真っ直ぐと伸びているだけに見えるのに。
何故だろうか、両脇に添えられた二藍の彩が、とどこまでも続いていように思えて。
さらにそのいろに艶を与えるかのように、再び降り出しそうな雨。
「迷いの森、ですか」
これはまた厄介な……と。
眼前を舞い飛ぶ蛍星と二藍を、深宵の瞳に瞬かせながら。
(「どのような呪術的な要素が働いているのか、調べたいところではありますが……」)
ぐるりと森道を見回した、逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)であったが。
ハッと、刹那、息を飲む。
そんな宵と今回共に征くのは、マレーク・グランシャール(黒曜飢竜・f09171)。
互いが普段連れ添う相手とは違うけれども、それもたまには良いのではと、そう歩みを進めながらも。
二藍の群れを眺めていた刹那、瞼の裏にふと咲いたのは――藤の花。
そしてそれはマレークに思い出させる……猟兵となった後に失った記憶があったことを。
――だから、惑わされないようにと。
紫の世界にあがったその色は、手首から飛沫いた赤のいろ。
その鮮やかな彩と痛みは、血を代償とする技の発動を容易くし、何より、マレークの正気を保たせる。
だが、そんな隣で咲いた赤のいろではなく。
(「……薄暗い視界の先に、なにかが見える」)
宵の瞳が見つめているのは、同じ赤でも、燃え盛る炎のいろ。
まるで今日と同じような、鈍色の空を覆う分厚い雲からは、驟雨が降り注いで。
上がる火の手と、交わる。
そして聞こえる咆哮は、集落を灰燼と化したオブリビオンのもの。
崩壊した屋敷、そして――瓦礫の下から伸びるもの。
それは、血まみれの人間の手であった。
(「あれは、僕の記憶でしょうか……非道い人だったとはいえ主人を見殺しにした、僕の」)
赤に染まった腕は、ただ虚空を掻くばかりで。
じわり、地に広がっていく赤い海。
刹那、その赤の海にずぶりと沈む、取らなかった主のその手。
――嗚呼、許してください……!
そして宵は星の見えない薄暗い天を仰ぐ。まわる火の手と交わり、降り注ぐ雨を浴びながら。
(「この広がる廃墟の光景は宵のものか」)
灰燼と化した集落、血肉と化した住人――それは、無二の友を苦しめるの過去と同じ。
マレークは切れ長の瞳に天仰ぐ宵を映して、そっと、その腕を伸ばす。
――今だけはお前と共に未来を歩む男の代わりに。
――今だけは俺といずれ道を違う友と同じように。
伝わる温もりと秘める優しいそのいろで……夢から現へと、彼を連れ戻す。
「……!」
引かれた手の感触に、ふっと宵は我に返って。
ふるふるとこびりついた夢を振り落とすように頭を振った後。
「……助かりました、マレーク君」
そう紡ぐと同時に、気付く。
握られている手を濡らす、赤のいろに。
でも――その鮮烈な色も、やがて降る雨が洗い流してくれよう、と。
「マレーク君は大丈夫でしたか?」
そしてふと一瞬だけ鈍色の空を見上げたマレークに、宵が問えば。
こう返る、言の葉。
「今の俺は骸のようなもの。心はとうに死んでいる」
でも――掴まれたその手には、確かに優しくてあたかかい、血の通った温もり。
……けれど。
「……、そうですか」
宵は、重なる視線と紡がれたその言の葉に、ただそれだけ返して。
改めて、自分の傍らに今日は在る彼へと口にする――ありがとう、ございます、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
香神乃・饗
誉人f02030と
不穏な花影のお出まし…っ、ある、じ?
娘はその身を白無垢に包み静々と歩み寄る
袖に隠れた■が愛おしげに顔に伸び
綿帽子に隠れた■■が見つめる
開いた口は息吹を忘れ
開いた目は瞬きを忘れ
時を忘れ愕然と立ち尽くす
ミツメテイル、なのに
■ ■ ■ ■が脳裏に焼きつく
大事なのに■■■
大好きなのに■■■
…■■■、■■■
――否。
辛うじて動く手
掌中の串で貫くのは掌
痛みの代りにぷつんと音がした
聞き慣れた声に掴まれた手、引き戻される俺
……っ、かっっはぁ。は、ははぁ、なにおこってるっすか
もどろうとして。もどれたっす
笑えてないかもしれない顔を笑ってない顔に向ける
ただいま、誉人
俺には「見える」っす
幻は消える筈
鳴北・誉人
饗f00169と
全部終わってから甘やかす
それまで黙ってる
(白無垢…、饗?
饗のただならぬ雰囲気に訝る
(あるじ…コレが饗の…
苦しそうな饗は見てらンねえ…けど、俺が関わっちゃダメだ
正直どこまで踏み込んでイイかわかんねえ…
白無垢姿に辛さが増す
全部饗に訊いたワケじゃねえ
コレは俺が勝手に点を繋いで線にしたモンだ
声かけて肩抱いて背中撫でて助けてやりてえ
けどダメだ、歯痒い…
俺がしてやれンのは、お前を待つことぐれえだよォ…
自傷しかけた饗に驚く
「饗!!(恫喝
「ナニしようとした!?
「黙ってようと思ったけど、ソレはダメだ!
串を持つ手首掴んで叱る
白無垢を睨みつけ
(コイツ嫌い…!俺のダチにこんなことさせて、マジ許せねえ!
雨粒に濡れた艶やかな二藍は、知っている。
自分たちが秘された森道をそのいろで隠していたように。
心の底にいつまでも染みついて離れない、かがみに映るその姿を。
幻影が現れると言われている紫の道を進みながら。
ふとさわり、二藍が揺れた気配を感じて。
顔を上げた香神乃・饗(東風・f00169)は、漆黒の瞳を見開く。
「不穏な花影のお出まし……っ、ある、じ?」
その両の目が映すのは、娘。
そしてつい零れたその声をすぐ傍で、鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)は聞いたけれど。
――全部終わってから甘やかす。それまで黙ってる。
そう敢えてなに言わず、饗を見守る誉人。
静々と歩み寄る娘。その身を包んでいるのは、白無垢であった。
……袖に隠れた―が愛おしげに顔に伸び。
……綿帽子に隠れた――が、見つめる。
(「白無垢……、饗?」)
決めた通り、誉人は黙って見守っているけれど。
開いた口は息吹を忘れ、開いた目は瞬きを忘れ。
時さえも忘れ……愕然と立ち尽くす饗。
……ミツメテイル、なのに。
――――が、脳裏に焼きつく……。
(「あるじ……コレが饗の……苦しそうな饗は見てらンねえ……けど」)
……俺が関わっちゃダメだ。
誉人はくっと、唇と拳を結ぶ。
全部訊いたわけじゃない。
これはあくまで、誉人がこれまで饗と過ごした時間の中で繋いで線にしたもの。
声をかけて、肩抱いて、背中撫でて……助けてやりたい。
けれど。
(「けどダメだ、歯痒い……正直どこまで踏み込んでイイかわかんねえ……」)
俺がしてやれンのは、お前を待つことぐれえだよォ……。
誉人はただ、饗を見つめることしか、今はできない。
……大事なのに―――。
……大好きなのに――ー。
……―――、―――。
――否。
ぴくりと、辛うじて動く手。
そして掌中に閃いた串で貫いたのは、己の掌。
瞬間、痛みの代りに、ぷつんと……そう、音がした。
同時に上がるのは、驚きと恫喝の声。
「饗!!」
ガッと、堪らずに掴んだ手。
「……っ、かっっはぁ。は、ははぁ、なにおこってるっすか」
「ナニしようとした!?」
もどろうとして。もどれたっす、と。
そう紡いだ饗の、串を持つ手首掴んで。
「黙ってようと思ったけど、ソレはダメだ!」
誉人はきちんと、確りと叱った後。
キッと鋭い視線を、眼前のそれへと投げる。
(「コイツ嫌い…! 俺のダチにこんなことさせて、マジ許せねえ!」)
あるじかなんだか知らないけれど。
睨みつける先の白無垢に抱いて湧き出る感情は、怒り。
そんな誉人に、饗には顔を向ける。
笑えてないかも、しれないけれど。
「ただいま、誉人」
そしてこう続けるのだった。
――俺には「見える」っす……幻は消える筈、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
辰神・明
ディフおにいちゃん(f05200)と
手をつないで、森道を歩きます、です
メイが、もう、見たくないものは……さいしょの、おうち
おっきな、おっきな……メイの檻(おうち)です
メイは、お兄様が連れ出してくれるまで
ずーっと……ここにいました、です
苦いおくすりも、痛い注射も、冷たい鎖も
当たり前じゃないって、知らなかった……時の、です
今は、大丈夫、です
ディフおにいちゃんと一緒、だから
……でも、思い出すのは怖くて、悲しくて
ディフおにいちゃん……
わ、わ、きれーな小人さん、です……!
……温かいから、今は、怖くない気がしました、ですよ
あの人さんも、ぽかぽかな人だったのかな……
いつか、聞けたらいいな、なのです
ディフ・クライン
明(双星・f00192)と
恐ろしいものが出るのなら、メイと手を繋ごう
オレの方が体が大きいし、作られてから年月も経ってるから、少し前を歩こう
突然目の前の景色が変わって困惑する
けど握ったメイの手が、怯えているのがわかったから
…メイ
オレの長い黒のローブの中に、そっとメイを隠そう
メイ、怖いのなら、見なくていい
悲しいなら、そのままローブの中に隠れていて
あの人がくれたローブだ
きっとメイのことも守ってくれる
灰雪の精霊ネージュにも、メイに寄り添ってもらおう
よかったね、ネージュ
綺麗だって
しっかりとメイと手を繋いだまま
オレの手、温かい、のか?人形の手に、温度なんてないと思っていたけれど…
君が怖くないなら、いいんだ
二藍のいろだけが艶やかに浮かぶ、夜の森。
星一つない雲に覆われた空の下、ゆらりと幽かに道を照らすのは、蛍の光。
その幽玄の景色は息を飲むほど綺麗であると同時に――どこか、得体の知れないものを孕んでいる気がして。
――恐ろしいものが出るのなら、と。
辰神・明(双星・f00192)の小さな手と己の手を繋ぎ歩く、ディフ・クライン(灰色の雪・f05200)。
でも並んで歩くのではなく、気持ち彼女の前を進んでいるのは。
(「オレの方が体が大きいし、作られてから年月も経ってるから、少し前を歩こう」)
……何がでてきても、平気なように。
明も、ディフとしっかりとおててをつないで。一緒に、紫の道を進む。
――けれど。
「……!」
ガラリと突然変わった景色に、青の瞳を見開いて。
ディフは同時に、困惑する――握ったちいさな手が、怯えているのがわかったから。
(「メイが、もう、見たくないものは……さいしょの、おうち」)
おっきな、おっきな……メイのおうち。
眼前のそれは――実験体を閉じ込めるための、檻。
「メイは、お兄様が連れ出してくれるまで、ずーっと……ここにいました、です」
まだ震えが止まらないまま、記憶を辿り紡ぐ明。
「苦いおくすりも、痛い注射も、冷たい鎖も、当たり前じゃないって、知らなかった……時の、です」
「……メイ」
「今は、大丈夫、です。ディフおにいちゃんと一緒、だから」
……でも、思い出すのは怖くて、悲しくて、と。
ふとつぶらなその瞳が、しゅんと下を向いてしまった……その時。
ふわりと、優しく天を舞って。
小さな身体をそっと包み込んだのは、やさしい雪月の夜のいろ。
「メイ、怖いのなら、見なくていい」
悲しいなら、そのままローブの中に隠れていて――。
無垢で綺麗な紫色の星が、これ以上、見たくないものを視ないでいいように。
あの人がくれたローブだ、きっとメイのことも守ってくれる――って。
宵の彩りで、明を優しく隠すディフ。
でも、怖くて悲しくてしょんぼりしてしまった明を元気付けたいのは、彼だけではない。
「ディフおにいちゃん……わ、わ、きれーな小人さん、です……!」
「よかったね、ネージュ。綺麗だって」
ひらり、そっと明に寄り添うのは、灰雪の精霊ネージュ。
そしてしっかりと繋がれた大きな掌に、明はにこりと微笑みを取り戻す。
「……温かいから、今は、怖くない気がしました、ですよ」
「オレの手、温かい、のか?」
その言葉に驚いたのは、ディフのほう。
人形の手に温度なんてないと思っていたけれど……でも。
――君が怖くないなら、いいんだ。
そっと、夜の名を冠する優しい宵で、彼女を守ってあげる。
明は、そんなふんわり繋がれ包まれた温もりに、ホッと安堵しながらも。
(「あの人さんも、ぽかぽかな人だったのかな……」)
ちいさく、その首を傾けるのだった。
――いつか、聞けたらいいな、なのです……って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
碧海・紗
WIZ
アドリブ歓迎
幻影、ですって。
アンテロさん(f03396)
ここまでして追い払う理由があるのでしょう
視力を駆使して道の先に何かあるのか注意深く観察、情報収集
第六感を頼りに進みます
神社、と言うからには神様がいるのかしら?
追い払うための幻影とは。
神様は人間が苦手なのか、はたまたトラウマでもあるのか…
もしそうだとしたら、敢えて殺気を放ち挑発するのも手かもしれません。
そういえば、アンテロさんには苦手なものやトラウマはあるんですか?
私は地図を読むのが苦手なので、大体勘で済ませます。
意外と目的地に着くものですよ?
空を飛べばいいのでしょうが…
今日はお言葉に甘えて黒い毛並みの綺麗な彼女の背に
蛍、綺麗ですし。
アンテロ・ヴィルスカ
【WIZ】アドリブ歓迎
ここを通ったのは何度目だったかな碧海君(f04532)
神の方にこそ弱さがあるから遠ざける。ふむ、なかなか面白い考えだねぇ…
剣先で地面に魔法陣を描きムスタ・タンマを召喚
女の勘とやらは馬鹿に出来ないらしい。
彼女の第六感に愛馬の聞き耳を合わせ、周囲の変化を伺おう
少々足元が悪いが気合で乗り切っておくれ。
(敵の陣地で苦手なものを告げる意味がわからない…呑気だな)
強いて挙げるならば只働きと睡眠不足くらい、そういう君が厭うものは?
飛行せず周囲を探る彼女には怪訝な顔を
雨のせいか、飛べないならムスタ・タンマにとまっているといい…
仄かに灯る蛍の光が、森道の両脇を飾る二藍のいろを朧気に浮かび上がらせるけれど。
どこまで続いているのか分からない道の先は、闇のいろ。
幸い、まだ雨は降っていないけれど。
「ここを通ったのは何度目だったかな碧海君」
アンテロ・ヴィルスカ(白に鎮める・f03396)はそうひとつ、小さく息をついて。
「幻影、ですって。アンテロさん」
碧海・紗(闇雲・f04532)は二藍の道の先を注意深く観察し、情報があれば収集せんと目を凝らしながらも。
「ここまでして追い払う理由があるのでしょう」
そうそっと小さく首を傾ければ、一緒に微かに揺れる、クレマチスの花。
この道の先には、噂では、かつて花の名所であった神社があるのだというが。
「神社、と言うからには神様がいるのかしら?」
「白虎を祀っているといわれているらしいが」
神様がいるのか、そもそもこの幻影は何のためのものなのか、ふと考察してみる紗。
「追い払うための幻影とは。神様は人間が苦手なのか、はたまたトラウマでもあるのか……もしそうだとしたら、敢えて殺気を放ち挑発するのも手かもしれません」
「神の方にこそ弱さがあるから遠ざける。ふむ、なかなか面白い考えだねぇ……」
アンテロは延々に続くのではないかと思ってしまうような、そんな迷いの森を、ぐるりと見回してから。
しっとり濡れた地に剣先で描くは――魔法陣。
そして喚んだのは、体格の良い、フリージアン種に良く似た黒青毛の牝馬。
「女の勘とやらは馬鹿に出来ないらしい」
少々足元が悪いが気合で乗り切っておくれ、と。そう、愛馬を一撫でしてから。
紗の第六感とムスタ・タンマの聞き耳を合わせ、周囲の変化を伺いつつ、頼もしい女たちの勘を信頼し進むアンテロであるが。
「そういえば、アンテロさんには苦手なものやトラウマはあるんですか?」
(「敵の陣地で苦手なものを告げる意味がわからない……呑気だな」)
ふいにそう訊ねる紗の声に、微かに首を傾げるけれど。
「強いて挙げるならば只働きと睡眠不足くらい、そういう君が厭うものは?」
「私は地図を読むのが苦手なので、大体勘で済ませます」
――意外と目的地に着くものですよ?
そう漆黒の瞳を細める紗の女の勘は、やはり当てになりそうだ。
……でも。
「空を飛べばいいのでしょうが……」
背中に黒の翼を持つにも関わらず、何故か飛行せずに周囲を探る紗に、アンテロは一瞬怪訝な顔をするけれど。
ふるふると微かに揺らし雫落とすその黒翼は、何だかどことなく重そうで。
雨のせいか、と察したアンテロはこう提案する。
「飛べないならムスタ・タンマにとまっているといい……」
そして紗は、今日はそのお言葉に甘えて。
「蛍、綺麗ですし」
蛍舞い遊ぶ、艶やかな夜のような。漆黒のいろをした綺麗な毛並みの、彼女の背に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
終夜・還
おーい、璃瑠?何処行った?逸れるなって言ったのお前じゃん…ったく…
璃瑠を探しながら進んで見つけたら声を掛けよう
オイ璃瑠!
アー…俺の言葉届いてねぇ?つーか、見えてねぇのか
璃瑠は俺が?視えてない?俺の弱った姿に囚われてる?
……コノヤロウ💢
俺の恐れてる事はな、璃瑠に俺の他にも仲の良い友達や、認めて好いてくれる相手が出来る前に死ぬのと俺の言葉が届かねぇ事だ
…ンな幻、俺が殴り飛ばして、んで、璃瑠をぶん殴って目ぇ覚まさせてやる
今回は素手で
寿命削る類は璃瑠が泣きだしそうで使う気になれん
全く、仕方ねえな、イイよ。ほらおぶされ
あとンな幻見るんじゃねーよバァカ
大丈夫、まだまだ生きてやるさ
人狼は短命だとしても、な
鳥渡・璃瑠
終夜(f02594)と行動
この花々は綺麗ですけども…綺麗すぎてこちらが異物に感じられるのだわ
…って、あら?め、めぐ!?
もう!はぐれないでって言ったのに!
あっ、いた!もう、めぐったら…なにを…
…どうしてそんな冷たい目でわたくしを見るの…?
友達、でしょう?
どうして違うなんて言うの…そんな、血を吐いてるの…!
…そう、そうだわ、わたくしはあなたが死ぬのが怖い
大切な友達がいなくなるのが怖い…!あぁ、どうしましょう、血が止まらない!
…あいったぁ!?なっ、えっ、めぐ!?
…幻?今のが?
あぁ…よかった…本当によかったのだわ…!
…ごめんなさい、ほっとしたら腰が抜けてしまって…その、おぶってもらってもよいのだわ…?
夜の闇に咲く花のいろは、二藍だけ。
蛍の光と雨粒を纏い艶やかさを増す森道の風景は息を飲むほどに見事なものだけれど。
その潔癖なほどの美しさは、どこか怖さも孕んでいる気がして。
(「この花々は綺麗ですけども……綺麗すぎてこちらが異物に感じられるのだわ」)
二藍以外受け付けない一面紫色の世界に、自分たちがいてもいいのだろうか、なんて思いながら。
花々を仄かに照らす蛍の光を、ふっと目で追っていた鳥渡・璃瑠(ドリ子おじょうさま・f00142)は。
「……って、あら? め、めぐ!? もう! はぐれないでって言ったのに!」
さっきまですぐ隣にいたはずの終夜・還(一匹狼・f02594)の姿がないことに、気付く。
そして時を同じくして。
「おーい、璃瑠? 何処行った? 逸れるなって言ったのお前じゃん……ったく……」
眼前にみえるのは、ただまっすぐ伸びた一本道。
複雑に入り組んでいるわけでは決してない道で、逸れるとは。
還は蛍が舞い遊ぶ中、璃瑠を探しながらも。静かな二藍のいろに見守られながら、先へと進む。
そんな中――先に相手の姿を見つけたのは、璃瑠であった。
「あっ、いた! もう、めぐったら……なにを……」
そう言いながらも、ホッとしたように還に駆け寄ってみるけれど。
ぴたりと、その足が止まる。
「……どうしてそんな冷たい目でわたくしを見るの……?」
向けられたその赤い瞳は、驚くほどに冷たくて。
――友達、でしょう?
そう震えそうな声で零れた璃瑠の問いに、目の前の還は淡々と答える。
「友達? 違うな」
そして、返されたその言葉も衝撃的だったけれど。
「どうして違うなんて言うの……そんな、血を吐いてるの……!」
ぼたぼたと、その口から吐かれる赤。
村人たちが口々に言っていた……森道に足を踏み入れた者の行く手を阻む幻影。
現れるのは――眼前に現れたら一番嫌だと心に潜む事象。
「……そう、そうだわ、わたくしはあなたが死ぬのが怖い」
――大切な友達がいなくなるのが怖い……!
「あぁ、どうしましょう、血が止まらない!」
自分の身が赤に染まることなど構わずに。
友達ではないと、言い放たれたのに。
璃瑠はどうにかして還の血を止めようと、必死に駆け寄る。
――その同じ時。
「オイ璃瑠! アー……俺の言葉届いてねぇ? つーか、見えてねぇのか」
ようやく璃瑠を見つけた還だが、その様子がおかしいことに気が付いて。
「めぐ、このままでは死んでしまう……!」
彼女が何を視ているのか、ようやくその目で確認する。
……璃瑠は俺が? 視えてない? ――俺の弱った姿に囚われてる?
「……コノヤロウッ」
どげしぃっと、還はまず幻影を殴り飛ばして。
「俺の恐れてる事はな、璃瑠に俺の他にも仲の良い友達や、認めて好いてくれる相手が出来る前に死ぬのと俺の言葉が届かねぇ事だ」
璃瑠の頭にも、ビシイッとチョップをお見舞いする還。
「……あいったぁ!? なっ、えっ、めぐ!?」
刹那、驚いた様に瞬かせた璃瑠のピンク色の瞳が、じわりと滲んで。
「……幻? 今のが? あぁ……よかった……本当によかったのだわ……!」
安堵するように、心底胸を撫でおろす璃瑠。
そんな彼女の前で寿命を削る類のものを使えば、きっと泣きだしてしまいそうだから。
ぐっと握った拳を叩きつけ、幻影を完全に消滅させてから。
「……ごめんなさい、ほっとしたら腰が抜けてしまって……その、おぶってもらってもよいのだわ……?」
「全く、仕方ねえな、イイよ。ほらおぶされ」
へなへなと気が抜けたように座り込んでしまった璃瑠に、背中を貸す還。
そして蛍舞う中、璃瑠をおぶりながら。
再び一緒に――前へと、進んでいく。
「あとンな幻見るんじゃねーよバァカ」
「もう、どれだけわたくしがめぐのこと、心配したと……!」
「大丈夫、まだまだ生きてやるさ」
――人狼は短命だとしても、な、と。
そう還は振り返って。ニッと、背中の璃瑠に笑んでみせる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と
二藍飾る道の先、立つ人影に気付き
心当たりのないその姿にふと隣を見れば、一歩後ろで時を止めたかのように佇む相方
静かな会話に、震える声に、共に居て見てきた事を思い出す
コイツの、記憶の中のヒト
けれど無情な言葉を投げ掛ける姿が想像とは一致せずに
思わず幻影の整った顔を不思議そうに見る
何があったのか、詳しくは知らない
アイツの気持ちに、添えるだけの感情も知らない
それでもアイツは自分で踏み出したから
通り過ぎ様、もう一度だけ幻影と目を合わせる
――憐れみ受ける程、悪い人生送っちゃいねぇよ
オレも、アイツも
バイバイ、と手をひらつかせれば先行く背に追いついて
後は迷いもせず花影の先へ
火狸・さつま
コノf03130と
現れたのは
性別不明に見える気高く格好良い見目の…
今は亡き婚約者
君、誰?との問いに
さつま…だよ。と震える声で答えても
返ってくるのは、そう…
笑えない冗談。私のさつまはもっと可愛らしい仔だよ
ああ、この会話は…あの日の
あの時は俺を遠ざける為
今は…記憶をなぞって
違うのは
元気な姿で其処に居る事
今の姿は可愛いげがないね、と繰り返してくる
しょんぼりと俯いて、けれど
あなたは?ああ、わかった。寂しくて、私の代わりに懐いてるんだね?可哀想に。
と、コノに声が向けられれば
はっとして
違う。あなたはそんな事言わない
そして…
やっと、歩き出し
横を素通りする
……コノの代わりは、居ない、よ
じゃ、ね
先、急いでるんだ
二藍の咲く風景の中に在るのは、紫の花たちと遊ぶ蛍と――森道を行く、二人の姿だけ。
でも、ざわりと二藍が突如揺れたと思った、その時。
紫に飾られたその道の先に……立つ人影に気付く。
けれど、コノハ・ライゼ(空々・f03130)には、心当たりのない顔で。
ふと隣を見遣れば……唖然と、ただ佇むばかりの相方の姿。
まるで時が止まってしまったかのような、火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)の表情。
二藍の花影に誘われたかのようにいつの間にか現れたその人影は。
性別不明に見える気高く格好良い見目の――今は亡き、さつまの婚約者であった。
そしてそれは綺麗な顔をして、ふと首を傾けると問う。
『――君、誰?』
「さつま……だよ」
それだけやっと返した声は、震えていて。
さらに返ってくるのは、そう……。
『笑えない冗談。私のさつまはもっと可愛らしい仔だよ』
その声に、思わずしょんぼりとして、ふわふわの耳をぺしょり。
(「コイツの、記憶の中のヒト」)
交わされる静かな会話や、絞り出すような震える声。
コノハは、共に居て見てきた事をふと思い出すけれど。
不思議そうな視線と、傾げられる首。
だって、確かに眼前のそれは整った顔はしているけれど。
投げる無情な言葉が、どうしても想像とは一致しなかったから。
――わかっている。
これは幻影で……あくまで、自分の記憶。
(「ああ、この会話は……あの日の」)
あの時は自分を遠ざける為、今は……記憶をなぞって。
違うのは――元気な姿で其処に居る事。
『今の姿は可愛いげがないね』
そしてまるで壊れたレコードのように、繰り返してくる声に。
尚、しょんぼりと俯くしかできないさつま。
――けれど。
ふとそれの視線が、コノハへと向けば。
『あなたは? ああ、わかった。寂しくて、私の代わりに懐いてるんだね? 可哀想に』
隣の相方へと投げられたその言葉に、はっとする。
……そして。
「違う。あなたはそんな事言わない」
ようやくさつまは、前へと一歩踏み出し、歩き出して。
「……コノの代わりは、居ない、よ」
――じゃ、ね。先、急いでるんだ。
そうすっと、それの横を、素通りする。
(「何があったのか、詳しくは知らない。アイツの気持ちに、添えるだけの感情も知らない」)
それでもさつまは、自分で踏み出したのだから。
前へと進まんとするその一歩で――十分。
コノハは相方に続いて、幻影の横を通り過ぎる。
そしてふともう一度だけ、それと目を合わせれば。
「――憐れみ受ける程、悪い人生送っちゃいねぇよ」
……オレも、アイツも、と。
バイバイ――そうコノハは、その手を宙にひらつかせた後。
先行く背に追いついて。二藍の道を再び、二人一緒に並んで歩き出す。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ネフラ・ノーヴァ
フフ、秘密とは甘いものだ。寄り集まるのもわかるよ。
森道は私独りで進もう。花も蛍も、さぞ美しく、それでいて儚げだろうか。
やがて幻影は黒い影として現れるだろう。
私だけが知る、私だけの。
会いたくて、会いたくない二律背反。
ああ、やはり君が現れたか。
ここにいるのは私だけ。見えているのは幻影と識る奴の影だけ。
喜怒哀楽、私は今どんな表情を浮かべているだろうか。
奴が剣を抜くかはどうでもいい、私は刺剣を突き立てる。そしてユーベルコード「瀉血剣晶」。胸中の澱みも剣身に変えて、奴を斬り払おう。二藍の道を真っ赤な血に染めて……。
ああ、雨はもう上がってしまっていたな。血塗れのこの身を洗い流せればと思ったが。
青、白、紅――村に咲く梅雨の花々は様々な彩を帯びていたのに。
秘された森道の両脇を飾るのは、淡い二藍だけ。
そんな紫のみの彩りを浮かび上がらせる妖艶な蛍の光。
「フフ、秘密とは甘いものだ。寄り集まるのもわかるよ」
雨に濡れて艶やかな花々は美しく、仄かな蛍火に照る姿はどこか儚げで。
ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)は暫し、秘密の光景を独り占めする。
だがやがて――そんな二藍の奥に。
現れたのは、闇のような黒き影であった。
しかしネフラは驚きはしない。
「ああ、やはり君が現れたか」
……私だけが知る、私だけの――会いたくて、会いたくない二律背反。
……ここにいるのは、私だけ。見えているのは幻影と識る奴の影だけ。
会いたい、でも会いたくない、愛しくて、そして憎らしい。
それはまるで、光を浴びると仄かに色を変える羊脂玉のようで。
笑っているのか、哀しんでいるのか、それとも――。
(「喜怒哀楽、私は今どんな表情を浮かべているだろうか」)
でも、自分が今どんな顔をしているかも。漆黒の幻影が剣を抜くかも、どうでもいい。
刹那、朧に耀く鈍色の空に咲いたのは、数多の小さき血の花。
躊躇なく突き刺した血棘の刺剣から飛沫く影の赤に、ネフラ自身も染まって。
さらに、己にもその刺剣を突き立てれば。
刺剣の封印が解かれ、赤刃の長剣と成って――胸中の澱みも剣身に変え、黒き影を斬り払う。
紫一色の世界を塗り替えるかの如く。真っ赤な血に染めて――。
そしてネフラは、ふと分厚い雲に覆われた天を仰ぎ呟く。
「ああ、雨はもう上がってしまっていたな」
血塗れのこの身を洗い流せればと思ったが――と。
雨粒を浴びて輝く花のように。半脂のようなその白を、鮮やかな赤で濡らしたまま。
大成功
🔵🔵🔵
織銀・有士郎
やばいな……旅団のみんなと夜祭を楽しむ予定だったのだが、急な依頼が入って遅れてしまった。
さてみんなはどこに……この道の先か?
遅刻したため、一人で森道を進む事に。
とりあえず「野生の勘」で道を選んで「ダッシュ」で駆け抜ける……ようは気合で攻略するってことだ。
だが、
「……っ!?」
気付けば目の前に侍風の一人の男がいる。
誰かは知らない。だが、愛おしいような……駄目だ、思い出そうとすると酷く頭痛がする。
「……悪いが、みんなが待っているんでな」
目の前の幻影を振り切り、走り抜ける。
頭痛も悲しみも振り切って走る。
(振り返るな、思い出すな、あれは……)
……かつて大切だった、何か。
到着した頃には、既に夜祭りは大変盛り上がりをみせ、多くの人で賑わっていた。
そんな人混みの中をすり抜け駆けるのは、織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)。
(「やばいな……旅団のみんなと夜祭を楽しむ予定だったのだが、急な依頼が入って遅れてしまった」)
さてみんなはどこに……そう探してみるが。
賑やかな夜祭の会場には見当たらない。
では、静かな場所で花を愛でているかもしれないと。
やってきたのは――二藍が咲き誇る、森道の入り口。
「……この道の先か?」
いくら探しても見つからないから、この奥で花を楽しんでいるのかもしれないと。
花々が隠すその道を行く人の姿を偶然見かけた有士郎は、紫に染まった道へと足を踏み込んで。
早く皆に追いつかねばと、野生の勘を頼りにダッシュで駆け抜け……ようと、したのだが。
「……っ!?」
ふと気が付けば、いつの間にか眼前に立っているのは――侍風の一人の男の姿。
その顔に見覚えはなく、誰かは分からない。分からない、はずなのに。
湧き上がる感情は……愛おしいような――。
「……っ」
記憶の糸を辿ろうとすれば、ミシリと、割れるような酷い頭痛。
そんな、くらりと世界が廻る様な、ズキズキとした痛みに耐えながらも。
「……悪いが、みんなが待っているんでな」
再び有士郎は二藍の道を駆け、走り抜ける。
目の前の男の幻影も。
伴う頭痛も何故か感じた悲しみも――全て、振り切るように。
……もう一度、あの姿を見たい。
けれど有士郎は、その赤き瞳でただ前だけを見据えて。
蛍光る夜に、銀髪を靡かせ走る。
(「振り返るな、思い出すな、あれは……」)
あの男が誰かはわからない。けれど、これだけは分かる気がする。
そう、あれは……かつて大切だった、何か。
大成功
🔵🔵🔵
城島・冬青
みんなとはぐれちゃった
早く合流しないと
私の見たくない光景は両親の離婚
だから此処に現れるはずのない両親が出てきたらきっとそれは幻影だろう
そんなのに惑わされない
すると後方の草むらが揺れてアヤネさん(f00432)さんが現れる
彼女は血塗れだった
アヤネさん!
慌てて駆け寄り彼女を支える
危険な出血量なのは見てすぐわかる
どうしようどうしよう
どこかに敵が?!
深手を負った彼女を支えながら刀を構え辺りを警戒
震えが止まらない
アヤネさんがか細い声で呟く
ソヨゴ、どこ…?
暗くて…わからない…
此処にいます!
でも彼女の目からは光が失われていって…
嫌だ!!
こんなの嫌だ…やだよぉ
目を開けてよ…
幻影に惑わされまくってから
正気に戻る
秘されし二藍の道は、一見、ただ真っ直ぐに伸びているだけに見えるけれど。
ゆらり舞い遊ぶ蛍とひたすら紫のみの世界が、足を踏み入れた者を惑わせる。
「……みんなとはぐれちゃった」
早く合流しないと、と。
きょろきょろと周囲を見回しつつ先へと進むのは、城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)。
先程まですぐ傍にいたはずの旅団の仲間たちの姿はいつの間にか見えなくなっていて。
静かな夜の闇に、今は冬青ただひとりだけ。
そんな夜の森道を歩きながら、冬青はふと考えてみる。
自分の見たくない光景――それは、両親の離婚。
だから此処に現れるはずのない両親が出てきたら、きっとそれは、冬青の心を乱そうとする幻影だから。
(「そんなのに惑わされない」)
そうきっぱりと心で断言し、こくりとひとつ頷く。
だが――その時だった。
「!」
ガサガサッと、二藍のいろが音を立てて揺れて。
飛びのくように音のした方向から本能的に距離を取り、琥珀色の瞳でその正体を探れば。
「えっ!?」
途端に大きく見開かれた冬青の両の目に映る人物は――。
「アヤネさん!」
そしてその姿は、血塗れであった。
明らかに見てわかる、危険な出血量。
その赤に染まるのも構わず、慌てて手負いのアヤネへと駆け寄って支えながらも。
「どうしよう、どうしよう……どこかに敵が!?」
逆手で花と髑髏の刃を抜き、周囲を警戒するけれど。
……震えが、止まらない。
そんな時、不意に耳に聞こえたのは……息も絶え絶えな、か細い声。
「ソヨゴ、どこ……? 暗くて……わからない……」
「アヤネさん! 私は此処にいます! すぐ傍にいます!」
彼女を導くように、そう必死に声を掛ける冬青。
けれど……彼女の緑色の瞳は冬青を捉えることができず。
次第に、その光を失っていく。
そして――。
「!」
ごほっと血を吐いた刹那、彼女の全体重が、冬青へと圧し掛かる。
――嫌だ!!
「こんなの嫌だ……やだよぉ、目を開けてよ……」
まるで梅雨に咲く花々のように。
ぽたぽたと零れ落ちる雫に濡れ、生気を失った彼女の白い頬が艶やかさを増して。
これが幻影だと正気に戻るまでの間中、ずっと。
赤に塗れることも厭わずに。
冬青はひたすら、腕に抱いた彼女の名を呼び続ける。
大成功
🔵🔵🔵
ニコ・ベルクシュタイン
…見られて困るようなものを秘めているつもりは無いが
逆に見られたくない者も居るだろうと
紫陽花鑑賞の時とは一転、単身神社へと続く道へと向かう
静寂、ただひたすらの静寂
幾多の人々の手を渡り、積み重ねた百年の行き着く果ては迷宮の深淵にて
どれだけ正確に時を刻んでみせようと、最早誰も其れを見る事は無く
きっと、俺が規則正しく刻む針の音だけが響いていたのだろう
そんな、埃を被った古びた懐中時計を
危険を冒してまで拾い上げる存在が現れようとは
そういえば、何やかやで其の時のお礼が言えていないな
骨董品屋に売り飛ばされそうになった時の事ばかりに気を取られ
素直になれずに居たが…まあ、良いか
今此処に、あいつは居ないのだから
賑やかに夜祭りを過ごした仲間とは別に、ニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)もひとり、秘された森道を前へと進んでいく。
だが皆と逸れた冬青とは違い、思うことあって単身神社へと向かうことにしたニコ。
(「……見られて困るようなものを秘めているつもりは無いが、逆に見られたくない者も居るだろう」)
ニコ自身は、そのようなものが思い当たることはないのだけれど。
暴かれたくない思いや出来事を抱く者も、いるかもしれないから。
静寂の中、咲き誇る二藍のいろ。
風にそっと揺れるたび、花に溜まった雨粒が落ちるその音さえも聞こえそうなほどの静けさ。
――けれど。
「!」
不意にニコを包んだのは、静寂は静寂でも……ただひたすらの静寂。
風が吹く音や花が揺れる音さえもしない、無音の世界。
それは、迷宮の深淵――幾多の人々の手を渡り、積み重ねた百年の行き着いた果て。
どれだけ正確に時を刻んでみせようとも。誰も、それを見ることはない。
気が狂ってしまいそうな無音の世界に、ただ虚しく、正確な時を刻み続ける懐中時計。
その時を刻む音だけが、深淵に響き渡っている。
人の身を得て、人の心を知った今、その深淵は静かすぎて、気が触れてしまいそうだけれど。
誰も見ることがないと思われた深淵の懐中時計の物語には――まだ、続きがあるのだ。
まさか――埃を被った古びた懐中時計を、危険を冒してまで拾い上げる存在が現れようとは。
(「そういえば、何やかやで其の時のお礼が言えていないな」)
時を刻む音しか聞こえない世界で、ふと、ピンクの色を思い返すニコ。
(「骨董品屋に売り飛ばされそうになった時の事ばかりに気を取られ、素直になれずに居たが……」)
ニコは正確に刻まれる深淵の中、再び歩き始める。
今此処に、あいつは居ないのだから――まあ、良いか、と。
大成功
🔵🔵🔵
ヴォルフガング・ディーツェ
【POW】
KORの皆と迷いの森へ…と、行ければ良かったのだけれどもね
不自然にならないように緩やかに道を逸れ独り向かおう
…年を喰うと、曝け出せない荷物ばかり背負ってしまうね
深々と静まる森、蛍の光を追い掛けた先には…嗚呼、そう来るか
死屍累々、屍から溢れた血が、ぎらぎらと昏い赤の血腥さが鼻に付く、絵に描いた様なバッドエンド
握りこんだ爪が肉を裂く痛み、それだけが俺の存在証明
この手から零れた命
それは生まれ直した大切な者達を守れない事かも知れない
それは自分と同じ境遇の者を生む惨劇の序曲かも知れない
只の幻と斬り捨てるには、余りに真に迫って、降る雨の冷たさよりも尚凍える心が、痛い
走り抜けよう、それしか出来ない
ニコと同じく、意図して旅団の皆とは別に神社へと向かう足が、またひとつ。
(「皆と迷いの森へ……と、行ければ良かったのだけれどもね」)
不自然にならないように緩やかに道を逸れ、独り二藍の森道を行くのは、ヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)。
今、彼の周囲には、そっと咲き誇る紫色の花々と舞い踊る蛍の姿しかないけれど。
(「……年を喰うと、曝け出せない荷物ばかり背負ってしまうね」)
でも、それをヴォルフガングは望んだのだから。
ゆらり舞い飛ぶ蛍の光は、まるで何処かへ誘うかのように闇夜を仄かに照らして。
静けさと闇が深まる中、蛍の光を追い掛けた、その先――。
「……嗚呼、そう来るか」
眼前に広がった光景に、思わずそう言の葉が零れる。
ただ二藍のみが浮かび上がっていた世界のいろが、一変して。
満ち溢れるその彩は――赤。
鼻を擽るのは花の香ではなく、血腥さ。
――死屍累々。
屍から溢れた血が、ぎらぎらと昏い赤で世界を染め変えんと流れ出して。
それはまさに――絵に描いた様な、バッドエンド。
ぐっと握り込んだ爪が、肉を裂く。
けれど、その痛みが……それだけが、ヴォルフガングの存在証明であるのだ。
そして、残酷な赤に染まり変わった世界を、一歩ずつ進みながら。
ヴォルフガングは、再び雨が降り出した鈍色の空を仰ぐ。
……この手から零れた命。
それは生まれ直した大切な者達を守れない事かも知れない――。
それは自分と同じ境遇の者を生む惨劇の序曲かも知れない――。
眼前の光景を只の幻と斬り捨てるには、余りに真に迫っていて。
そして、降る雨の冷たさよりも尚凍える心が、痛い……。
けれど、降り出した雨が、この赤を洗い流してくれることを願いながら。
(「走り抜けよう、それしか出来ない」)
駆け出したヴォルフガングの足元で飛沫いたのは、血溜まりか、はたまた、ただ水溜まりか。
それすら確認することなく――その足はただひたすら、前へと進みゆく。
大成功
🔵🔵🔵
五條・桜花
○
雪月(f03400)と同行
関係性のイメージは祖父と孫
皆様とはぐれてしまいましたね
後で合流できるといいのですが……
『眼前に現れたら嫌だと心に潜む事象』、と
私ですとなんでしょう
雪月ほど明確にはないような……
そうですよね雪月刀ですもんね
そう考えたら折れる刀の山って雪月からしたら死体の山ってことですか?!
ううグロいです、どうして連想したのか私
そして私は、というとああでも……やはり……これですか……
シリアスでないことを喜ぶべきなのでしょうが私へのダメージは同じくらいですからーーー!
出たな、我が宿敵胡瓜!!!
雪月!ええ、走り抜けましょう
いやあああああああああああ来ないでーーー!
叶・雪月
○
桜花(f03321)と同行
関係性のイメージは祖父と孫
と、なんか変な感じだったがなんとか桜花とは一緒にいられたな
まああいつらなら平気だろうから俺たちは俺たちで進んでいこう
『眼前に現れたら嫌だと心に潜む事象』か?
……長生きしてると心当たりしかないんだが
俺の場合は本質刀だからな、そりゃ戦場で折れまくってる刀とか……
俺自身は神社育ちだから戦場には立っていない
だが、戦勝祈願に来た連中が戻ってこなかったなんて珍しくなかった
だから……ちょっと直視するときついもんだな
折れれば皆、ただの金属、か
で、桜花はそれか?!
ってお前俺も巻き込むなよ、俺も苦手なの知ってるだろ?!
なぜそれを考えた?!
いくぞ走りぬくんだ!
隠された二藍の奥へと続くその道は一見、ただ真っ直ぐに伸びた単純な道に見えたけれど。
蛍の光と一面紫に染めた花々が導くのは、迷いの森。
「と、なんか変な感じだったが……なんとか桜花とは一緒にいられたな」
「けれど、皆様とはぐれてしまいましたね」
後で合流できるといいのですが……と。
そうきょろりと周囲をもう一度見回してみる五條・桜花(六花の元に咲く桜・f03321)。
そんな桜花を、まるで孫に言って聞かせるような声で。
「まああいつらなら平気だろうから俺たちは俺たちで進んでいこう」
叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)はそう宥めながらも、仲間を信じて、自分たちも前へと進む。
それにどのみち、目指す場所は一緒なのだから。
美しいけれど、どこか妖しさを孕むような森の道。
足を踏み入れた者を追い払うかのように、『眼前に現れたら嫌だと心に潜む事象』が現れると聞いたが。
「……長生きしてると心当たりしかないんだが」
そう頭を抱えるように息をつく雪月の隣で、首を傾ける桜花。
「私ですとなんでしょう。雪月ほど明確にはないような……」
「俺の場合は本質刀だからな、そりゃ戦場で折れまくってる刀とか……」
ふと雪月が言の葉を紡いだ刹那。
「!」
眼前には、まさに口にした通りの光景――折れた刀の山が。
雪月自身は神社育ちであるため、実際に戦場には立っていない。
けれども、戦勝祈願に来た連中が戻ってこなかったなんて、珍しくはなくて。
「だから……ちょっと直視するときついもんだな」
……折れれば皆、ただの金属、か。
引きつったような表情でそう零した雪月の声に、桜花も納得したように頷きつつも。
「そうですよね雪月刀ですもんね。そう考えたら、折れる刀の山って、雪月からしたら死体の山ってことですか!?」
思わずそう連想してしまって。ううグロいです、と刀の山から視線を逸らしてしまう桜花。
そして、そんな桜花の、眼前に現れたら嫌だと思うもの。
それは――。
「私は、というとああでも……やはり……これですか……」
シリアスだろうがネタっぽいものであろうが……嫌な人にとっては、同じくらい心に大ダメージなのです!
「出たな、我が宿敵胡瓜!!!」
「で、桜花はそれか!?」
現れたのは、超強大な胡瓜の大軍!?
あの、隠れていても瞬時に分かるほどの生臭さ。味もなく水分だけなのに、半端なく青臭い存在。
それでいてこいつらは、やたら色々な料理の中に潜んでいるのだ。
しかも取り除いても、そこにいたことを主張するように生臭さを置いていく。本当に無理である。
なのに、ずいっと近寄ってくる胡瓜ども。
「ってお前俺も巻き込むなよ、俺も苦手なの知ってるだろ!?」
――なぜそれを考えた!?
そんな声を上げるも、現れてしまったものは仕方がありません!
「いくぞ走りぬくんだ!」
「雪月! ええ、走り抜けましょう」
手を取り合って、胡瓜の恐怖から逃げる二人。
そしてその背中を追う胡瓜。
……傍からみれば、かなりシュールな光景だが。
「いやあああああああああああ来ないでーーー!」
嫌いな人にとっては、これほどの苦痛はないのです……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鏡彌・サクラコ
【KOR参加】
③「警報が鳴り響く
明滅するランプがまるで古い映画のコマ送りのようで
モニターに映し出される殺し合い
研究者の一人である母の姿は見当たらない」
④「救出に向かうエージェント達
率いたのは父
呪詛耐性の隙間を突かれ
味方が次々と倒れる
僕の父が独りたどり着いた先には
既に冷たくなった僕の母
絶望の渦に全て飲み込まれて消える」
アヤネさまの幻影を共有します
うっ、だいぶスプラッタな感じで
さすがに眉をひそめます
固まっているアヤネさまを揺り起こします
起きてくださいませ!
さあ、先に進みましょう
蛍の飛ぶ行く先へ
日隠・オク
【KORで参加】
觜宿神社への道、人を惑わす森、気を付けたいです
気を付けてはいたつもりだった
森を歩いてるつもりだった
(アヤネさんの幻影を見る形、
②「地下UDC研究施設
厳重な管理にも関わらず人為的ミスによる凍結UDCの暴走
狂気と殺意をもたらす真っ赤な鉤爪のUDCの危険度はSSS
存在するだけでウイルスのように拡散する精神汚染が研究員を襲う」)
まわりに見えた光景と鳴り響く音と広がる赤色にびくっとする
え、えっと
これは聞いてた幻影のはずで
なら先に進まなければいけない、です
サクラコさんの袖をついぎゅっと掴み離し
ナイフを出してくるっと握り持ち直す
アヤネさん!
これは幻影です、過去は繰り返しません!
アヤネ・ラグランジェ
【KOR参加】
①「これは記憶ではなく記録
故に見えるものは夢ではなく
フラッシュバックするように映像は鮮明
僕の父と母を失った事故について
僕が5年間集めた資料と証言と検証による物語
もがきながら幾度となく再生した光景
感情はとっくの昔に擦り切れている
放っておけば延々とループするだけ」
痛みも
悲しみも
寂しささえ
何も感じない
ただ目の前の光景に立ち尽くすだけ
僕を呼ぶ声が、聞こえる?
ああ、そうだった
こんなところで立ち止まってはいけないと、思い出させてくれた
ごめんネ
感情を取り戻し
仲間達に笑いかけ
お待たせ
行こうか
涼風・ユエル
【KOR参加】
っ、この感覚……なるほど、これは普通じゃないね。
楽しいお祭りだけじゃないってことはわかってたけど、成る程ね。
何人か逸れちゃったな、大丈夫かな……?
周りを見渡せば見知らぬ研究施設。
さて、これは誰の……って、聞くまでもないか。アヤネさん、顔色悪いよ、大丈夫?
気持ち悪いくらいに寸分たがわず繰り返すこれは、まるで記録映像か。
こんなの見せられたら進む気はなくなっちゃうね。
さて……ま、悪いけど。立ち止まってても仕方ないしね
アヤネさんを連れて夢のその先へ
一人じゃないから。みんなで居れば、怖い夢だって乗り越えられるね。
さあ、逸れた城島さんたちも探さないとだから、ちゃんと目を覚まして、ね?
旅団の皆と、わいわい賑やか楽しんだ夜祭り。
そして足を踏み込んだ、秘された二藍に染まる道。
(「觜宿神社への道、人を惑わす森、気を付けたいです」)
日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)はそう、注意深く進んでいた――つもりだったけれども。
「何人か逸れちゃったな、大丈夫かな……?」
「ソヨゴが、いない?」
「今此処にいるのは4人のようですねい。仕方ありません、私たちは私たちで進みましょう」
涼風・ユエル(高校生月と太陽のエアライダー・f16061)の言葉と同時に、つい今まで一緒にいたはずの存在がないことに気付くアヤネ・ラグランジェ(颱風・f00432)。
鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)も逸れた仲間のことは気にはなるが……しかし、目的地は一緒。
きっと辿り着いた神社で再会できるであろうと信じて、今いる仲間と前へと進み始める。
逸れるはずのない一本道で、仲間と離れ離れになって。
より、気を付けてはいたつもりだった。
森を歩いてるつもり、だったけれど。
「っ、この感覚……なるほど、これは普通じゃないね」
楽しいお祭りだけじゃないってことはわかってたけど、成る程ね、と。
突然変わった風景を、ユエルは仲間とともに、ぐるりと見回す。
二藍咲く夜の森道を歩いていたはずなのに――今目の前に広がっているのは、見知らぬ研究施設。
「さて、これは誰の……って、聞くまでもないか」
――顔色悪いよ、大丈夫?
ユエルがそう声を掛けたのはアヤネであった。
そう、この研究施設は……研究施設で遭った出来事は、夢などではなく、アヤネの心の中の記録。
「……!」
まるで映画でも見ているかの如く、フラッシュバックするように鮮明な映像。
これが映画のような夢物語であればどれほどよかったか。
これは……アヤネが5年間集めた資料と証言と検証による物語。
もがきながら幾度となく再生した光景――放っておけば延々とループするだけの終わりなき記録。
何度も見すぎて……感情は、とっくの昔に擦り切れている。
日々物事への探求に勤しむ研究者たち。研究施設には、アヤネの両親も、いた。
けれどある時、起こってしまったのだ。
厳重な管理にも関わらず――人為的ミスによる凍結UDCの暴走が。
狂気と殺意をもたらす真っ赤な鉤爪のUDCの危険度は……SSS。
研究員たちに襲いかかるのは、存在するだけでウイルスのように拡散する精神汚染であった。
そして次の瞬間、けたたましく鳴り響き明滅する赤の光に、オクは思わずびくっとするけれど。
「え、えっと。これは聞いてた幻影のはずで……なら先に進まなければいけない、です」
隣を歩くサクラコの袖を、ついぎゅっと掴ってしまったオクだけれど。
すぐにパッと離すとナイフを取り出し、くるっと握って持ち直す。
そして、横のアヤネに目を向ければ。
――痛みも。
――悲しみも。
――寂しささえ、何もない。
その姿は……ただ目の前の光景に、立ち尽くすだけ。
この後、一番見たくないものを見ることになることを、アヤネは知っているから。
……目に飛び込んでくるのは、明滅するランプ。
そしてモニターに映し出されるのは、殺し合う人々。
けれど、研究者の一人であるアヤネの母の姿は、見当たらない。
そんな研究者たちの救出に向かうエージェントを率いるのは、アヤネの父である。
だが――呪詛耐性の隙間を突かれ、味方が次々と倒れる中。
独り辿り着いた先で彼が見つけたのは……既に冷たくなった、愛する人の姿であった。
そしてこの記録は、絶望の渦に全て飲み込まれて消えて。
巻き戻されれば……また最初からはじまるのだ。
「うっ、だいぶスプラッタな感じで」
「こんなの見せられたら進む気はなくなっちゃうね」
――気持ち悪いくらいに寸分たがわず繰り返すこれは、まるで記録映像か。
そう呟くユエルの隣で、さすがに眉を顰めてしまうサクラコ。
けれども。
「さて……ま、悪いけど。立ち止まってても仕方ないしね」
こんなところで、立ち止まってなどいられないから。
「アヤネさま、起きてくださいませ!」
「アヤネさん! これは幻影です、過去は繰り返しません!」
「さあ、逸れた城島さんたちも探さないとだから、ちゃんと目を覚まして、ね?」
サクラコに続いて、アヤネへと言葉を投げるオクとユエル。
そして――僕を呼ぶ声が、聞こえる? と。
ハッと顔を上げたアヤネは、感情の戻ってきた声で、ああ、そうだった、と紡ぐ。
皆の声が……こんなところで立ち止まってはいけないと、思い出させてくれたから。
ごめんネ――そう笑い掛けるアヤネに、皆もホッとしたように笑み返して。
「お待たせ、行こうか」
二藍の花咲く景色が戻ってきた森道を、再び皆と歩き出す。
「はい、行きましょう」
「一人じゃないから。みんなで居れば、怖い夢だって乗り越えられるね」
オクとユエルもそれに続いて。
サクラコは皆をぐるりと見回すと、迷いなく紡ぐのだった。
「さあ、先に進みましょう」
蛍の飛ぶ行く先へ――と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルーシー・ブルーベル
【Ristaccia】のみなさんと
白虎さんに何かあったのかしら
気になるけれど、まずはこの道を通りぬけないと
ただ、まだ暗いから…手を繋いでも?
『幻影』
みんなが傷ついたり
居なくなってしまうこと
コレがルーシーの恐れ
……だったのね
幻を見るまで考えた事もなかった
みんなが居るのが、当たり前の様に感じていたから
足が竦めば気づくのは手のあたたかさ
七結さんは大人っぽくてきれいで憧れのおねえさん
星灯さんは皆に優しくてカッコいいおねえさん
ユェーさん、ルーシーの目線に合わせてお話してくれる優しいおにいさん
皆を大切と思う気持ちも
幻影を見て辛いのも根はおなじ
だから今、心が痛いのはきっと悪い事ではないの
さあ、後は進むだけよ
朧・ユェー
【Ristaccia】の皆と
一幻想
一己が恐れるモノ
何も興味が無い『俺』には何も無いと思っていた
ふっと温もりを感じる
誰の手だろうか?俺より小さな温かい手
七結ちゃん?微笑みは美しく、誰もが魅了する子。騎士として誓い、どんなモノにも護りたいと想う僕のお姫様
星灯ちゃん?屈託無く笑い、いつも傍で安心をくれる子。誰よりも失いたく無いと想う家族、僕の可愛い妹
ルーシーちゃん?可愛らしい姿で、でも僕を小さな手で導いてくれて癒してくれる傍で見続けて居たいと想う愛らしい子
あぁ今の僕にはこんなにも大切なモノが多い
なら護ろう誰よりもこの子達が幸せで居られる場所を
優しく手を握り返し
行こうか?
誰よりも絆が強いと証明する為に
蘭・七結
Ristaccia
あたたかで確かな温もり
ひんやりと僅かな温もり
ナユの、大切なひとたち
手を繋いだのなら、その存在を確かめて
ナユが、ナユたちが恐れるもの
ささやかな幸せを、剥奪されてしまうこと
幸せが奪われてしまうのは、すこし怖いけれど
この温もりが、繋いだ手があれば
怖くなんて、少しも感じないわ
皆さんは、どうかしら
ユェーさん
ナユを護ってくださるナイトさま
ナユも、あなたのことを護らせてちょうだいね
ルーシーさん
愛らしい陽だまりのあなた
その笑顔を、これからもずうと見ていたいわ
星灯
星の空を灯した、ナユの水晶
この身体が果てるまで。朽ち果てようとも、共に
美しいホタルの後を、追っていきましょう
さあ、先を進みましょうか
輝夜・星灯
【Ristaccia】の皆と
仄かに誘うような光
二藍だけの花影を辿って
恐怖の幻影なんか、振り払ってゆこう
真白の館の世界で暮らす仲間
祭りを共に楽しんだ家族
私が、私たちがいっとう恐れるのは
それが――大切な人が脅かされること
誰からともなく、手を繋ぐ
歩く度、隣は変わってもいい
皆で一緒に乗り越えられるなら
兄さん、初めて出来た家族
私は星で、彼は月
隣にいるのが心地良いひと
ルーシー、妹のような姉のような彼女
常夜に咲く陽だまり
その優しさに、光と救いをもらい続けて
七結、盲目的な心を受け容れてくれた君
初めての家族で、友人で、――
何処へもやりたくない
神にだって、渡すものか
君たちを見失いたくない
恐怖よりも剛い、決意を胸に
二藍の群れが隠していた、蛍火が導く秘されし道。
その森を抜ければ、白き虎を祀る神社があるというが。
(「白虎さんに何かあったのかしら」)
ルーシー・ブルーベル(ダンピールの人形遣い・f11656)はそうふと首を傾ける。
村の人は、はっきりとは口にしなかったけれど。
この先の神社に祀られている白虎と、予知に視えた不穏な花影は、無関係ではなさそうだ。
……でも。
(「気になるけれど、まずはこの道を通りぬけないと」)
花咲き蛍舞う風景はとても美しいけれど。どこか、怖さをも孕む気がしながら。
闇に覆われた道の先へと、進んでいく。
輝夜・星灯(迷子の星宙・f07903)も、仄かに誘うような光に導かれ、二藍だけの花影を辿って。
ふと、並んで歩く皆の姿を、ビー玉を転がした瞳の中に大切に閉じ込める。
――常夜の廃都に佇む、真白の館の世界で暮らす仲間。
――そして賑やかで楽しい夜祭りを共に楽しんだ家族。
(「私が、私たちがいっとう恐れるのは、それが――大切な人が脅かされること」)
でもその思いを抱くのは、星灯だけではない。
現れた幻は……真白の館で暮らす皆が傷つき、そしてバラバラになって離れてしまうという哀しい光景。
(「みんなが傷ついたり、居なくなってしまうこと、コレがルーシーの恐れ……だったのね」)
ルーシーが恐れていることも、星灯と同じ。
――幻を見るまで考えた事もなかった。
みんなが居るのが、当たり前の様に感じていたから。
けれどそれが決して当然ではないことに……出会えて共に在る奇跡を思い知る。
そして、誰が最初に手を差し伸べたかは、分からないけれど。
ただ、まだ暗いから……手を繋いでも?
ルーシーも隣に在るその手を、ぎゅっと握れば。
じわり、温もりが伝わる。
常夜の世界で異端なる真白の洋館、それは少女を囲うための箱庭だけれども。
(「ナユが、ナユたちが恐れるもの。ささやかな幸せを、剥奪されてしまうこと」)
蘭・七結(恋一華・f00421)は咲く花の如き紫を帯びた瞳で、幻影へと目を向ける。
その光景の様に――幸せが奪われてしまうのは、すこし怖いけれど。
感じているのは恐怖ではない。繋いだ手から伝わる温もり。
「怖くなんて、少しも感じないわ」
――皆さんは、どうかしら?
ふと首を傾けると同時に、冠するあかい牡丹の一花を揺らす七結。
誰からともなく、手を繋いで。歩く度、隣は変わってもいい。
(「皆で一緒に乗り越えられるなら」)
星灯はよりいっそう、でも優しく、ぎゅっとその手を握りしめて。
あたたかで確かな温もりも、ひんやりと僅かな温もりも。
七結は繋いだその手で存在を確かめる――大切なひとたちを。
――幻想。
――己が恐れるモノ。
(「何も興味が無い『俺』には何も無いと思っていた」)
そして朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)も、ふっと温もりを感じる。
――誰の手だろうか? 俺より小さな温かい手。
ルーシーも幻に足が竦んでしまったけれど……気づくのは、手のあたたかさ。
そんな皆へと、ルーシーは青い瞳を向けた。
――七結さんは大人っぽくてきれいで憧れのおねえさん。
星灯さんは皆に優しくてカッコいいおねえさん。
ユェーさん、ルーシーの目線に合わせてお話してくれる優しいおにいさん――。
そしてその隣で、同じようにそれぞれ個性的で綺麗な華を愛でる女性陣を順に見遣るユェー。
――七結ちゃん? 微笑みは美しく、誰もが魅了する子。騎士として誓い、どんなモノにも護りたいと想う僕のお姫様。
星灯ちゃん? 屈託無く笑い、いつも傍で安心をくれる子。誰よりも失いたく無いと想う家族、僕の可愛い妹。
ルーシーちゃん? 可愛らしい姿で、でも僕を小さな手で導いてくれて癒してくれる傍で見続けて居たいと想う愛らしい子――。
星灯も、見るのは眼前の幻影だけではなく。順に、大切な存在を順に見つめる。
――兄さん、初めて出来た家族。私は星で、彼は月。隣にいるのが心地良いひと。
ルーシー、妹のような姉のような彼女。常夜に咲く陽だまり。その優しさに、光と救いをもらい続けている。
七結、盲目的な心を受け容れてくれた君。初めての家族で、友人で――何処へもやりたくない。神にだって、渡すものか――。
そしてまた七結も、皆と同じ。
――ユェーさん、ナユを護ってくださるナイトさま。ナユも、あなたのことを護らせてちょうだいね。
ルーシーさん、愛らしい陽だまりのあなた。その笑顔を、これからもずうと見ていたいわ
星灯、星の空を灯した、ナユの水晶。この身体が果てるまで。朽ち果てようとも、共に……――。
(「あぁ今の僕にはこんなにも大切なモノが多い」)
……なら護ろう、誰よりもこの子達が幸せで居られる場所を。
ユェーはそう、そっと優しく手を握り返して。
――行こうか?
皆で繋いだ手を引いて、前へと進む……誰よりも絆が強いと、証明する為に。
(「皆を大切と思う気持ちも、幻影を見て辛いのも根はおなじ。だから今、心が痛いのはきっと悪い事ではないの」)
(「君たちを見失いたくない」)
さあ、美しいホタルの後を、追っていきましょう――七結もそう皆へと微笑む。
幻影には惑わされない。皆で一緒に、蛍火と二藍の導くまま、前へと進むだけ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水沢・北斗
【姉弟妹仁義】
嫌な物って3人でいたら一体どうなるんですかね?
……えのき?え、あー。えのきおいしいです……っえのきだぁぁぁぁ!!
うわー。こういうのなんて言うんでしたっけ?
そうそう、シュール?
このシチュエーションでエノキが出るとか三岐くんどんだけエノキ嫌いなのかってハナシですけど……え、焼く?食べる??
硝子さん言い出したら聞かないし付き合いますけど……
あ、ところで硝子さん醤油あります?
【属性攻撃】で火属性にした自身の分身で銃撃
『んで焼くというか私の炎は爆発させるのが主なんですよね、あくまで銃でしかないので!』
って思い出しましたけどこれ食べるとか粗末にする以前に幻影ってハナシじゃなかったです??
笹鳴・硝子
【姉弟妹仁義】
紫の道を辿りながら
「みゃーの嫌いなえのきが出てきたらどうします?――おや、出ましたね」
とても でかい えのきが あらわれた!
「……とりあえず焼きましょうか。焼いて、食べましょう」
小さく切って料理してもみゃーは食べてくれないので、いっそ大きいのにチャレンジさせるのも手かもしれません
「北斗ちゃんごめんなさい、お醤油は、無い。塩(お清め用)ならあります。シンプルイズベスト――【磐具公】、食べやすいように、切りつつ焼いてください」
おや、炭になってしまいましたね
「二人とも!私は食べ物を粗末にする子に育てた覚えはありませんよ」
育てられた覚えがない?
その通りですね
(実は酔っ払いです)
三岐・未夜
【姉弟妹仁義】
何が出て来るか分かんないのが嫌だなあ、とか考えていたら唐突なえのき
どシリアスルートにならなくてよかったとか思う間もない
巨大えのきに襲われる
えのき!?なんで!?
動いちゃダメでしょえのきの分際で!!
えのき嫌いが半泣き
嫌いだって言ってるのに隙あらば食べさせようと画策する硝子のせいで、余計に嫌いになった気がするえのきである
えのきをカレーに入れるだなんてとんでもない!
うわ、わわわっ!?
ちょ、待って待って待ってコレ食べんの!?
絶っっっ対やだ!!
えのきはのーせんきゅー!
狐火を最高火力、【操縦、属性攻撃、誘導弾、範囲攻撃、全力魔法、破魔】で全てさよならしたい
硝子に育てられた覚えは僕もないかな!!
蛍火に照らされた、二藍に色づいた静かな夜の森道を征きながら。
「嫌な物って3人でいたら一体どうなるんですかね?」
そう首を傾けた水沢・北斗(ヤドリガミのアーチャー・f05072)に。
笹鳴・硝子(帰り花・f01239)は夜の様な漆黒の瞳を向けた後。
ふと今度は三岐・未夜(かさぶた・f00134)へと目を遣り、こんな予知を。
「みゃーの嫌いなえのきが出てきたらどうします? ――おや、出ましたね」
刹那、眼前に現れた『それ』へと視線を映す。
それとは、まさに硝子の予知通り!
――とても でかい えのきが あらわれた!
「……えのき? え、あー。えのきおいしいです……っえのきだぁぁぁぁ!!」
唐突なえのき。いや何故、えのきなのか。
それは多分、この人のせい。
「えのき!? なんで!? 動いちゃダメでしょえのきの分際で!!」
何が出て来るか分かんないのが嫌だなあ、なんて考えていた未夜。
何だか重たいどシリアスルートにならなくてよかったとか思う間もない、巨大えのきに襲われるという謎の現状。
そう――半泣きしている未夜は、えのき嫌いであるのだ。
「うわー。こういうのなんて言うんでしたっけ?」
――そうそう、シュール?
まさにシュールでしかない状況に、北斗はちらりと未夜を見遣って。
「このシチュエーションでエノキが出るとか三岐くんどんだけエノキ嫌いなのかってハナシですけど……」
「……とりあえず焼きましょうか。焼いて、食べましょう」
さらりと言い放つ硝子。
「え、焼く? 食べる??」
「小さく切って料理してもみゃーは食べてくれないので、いっそ大きいのにチャレンジさせるのも手かもしれません」
むしろこれは、未夜の好き嫌いを克服するチャンス!?
……いや、今までもそうだった。
嫌いだと言ってるのに、未夜へと隙あらば食べさせようと画策する硝子のせいで、余計に嫌いになった気がするえのきである。
「えのきをカレーに入れるだなんてとんでもない!」
そんなトラウマを、未夜が全力で叫んだ瞬間。
『……ノキー!』
「うわ、わわわっ!? ちょ、待って待って待ってコレ食べんの!? なんか変な鳴き声出したし!?」
――絶っっっ対やだ!!
普通のでさえ無理なのに、得体の知れない巨大えのきなんてもっと無理……!
けれど涙目になっている未夜を後目に、北斗はふっと息をついて。
「硝子さん言い出したら聞かないし付き合いますけど……あ、ところで硝子さん醤油あります?」
えのきといえば、醤油をかけていただきたところだけど。
「北斗ちゃんごめんなさい、お醤油は、無い。塩ならあります。シンプルイズベスト――【磐具公】、食べやすいように、切りつつ焼いてください」
塩でいただくのもシンプルもいいものです! お清め用ですけれど。
そして調理を任された、頼もしい古代蝦夷の戦士であったが。
『のきぃー!』
「おや、炭になってしまいましたね」
なかなか火力が難しいようです。
「えのきはのーせんきゅー!」
そしてさらに迫り来る巨大えのきへと、狐火を最高火力!
これでもかと持てる技能全て使いまくって、一刻も早く全てさよならさせようとする未夜の隣で。
「んで焼くというか私の炎は爆発させるのが主なんですよね、あくまで銃でしかないので!」
火属性にした自身の分身で巨大えのきへと銃撃を見舞う北斗だが。
「二人とも! 私は食べ物を粗末にする子に育てた覚えはありませんよ」
硝子のオカンな指導が!!
……というか。
「って思い出しましたけど、これ食べるとか粗末にする以前に幻影ってハナシじゃなかったです??」
そもそも硝子さんに育てられていませんし、とツッこむ北斗に、頷く未夜。
「硝子に育てられた覚えは僕もないかな!!」
そんな二人を順に見遣って。硝子もこくりと頷く。
「――育てられた覚えがない? その通りですね」
ええ……えのきは酒の肴にもよさそうなのですが。
実は夜祭りで飲みすぎた硝子が、絶賛酔っ払い中だなんて――内緒なのです!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
誘名・櫻宵
🌸リル/f10762
アドリブ歓迎
あら、リィ!来てたのね!
眠った一華を送ってから白虎の神社に行こうと歩いていたら
揺らぐあたしの可愛い人魚の姿
嬉しいわ、一緒にいきましょっか!
手を繋ぎ微笑む
苦手、そうねぇ
あたしなら水が――
とぷん、と揺らぐ視界に息を飲む
水中かのように揺らめいて
目前には、下卑た笑みを浮かべ好奇の視線を投げかける、人々の姿
黒い舞台に響く喝采、鞭の音
水槽を染める血色
ああこれがリルが過去にいた場所
グランギニョルの舞台の上なのね
繋ぐ手に力をこめて、震えるリルを引き寄せる
大丈夫よ
あたしがついてるわ
不快ね
この視線
この声も全て
この子を傷つける全てを断ち斬るわ
散華咲かせて斬り裂く
幻であろうと許さない
リル・ルリ
■櫻宵/f02768
アドリブ歓迎
櫻!僕の櫻!
游ぐ星を追うように游いでいたら迷ってしまった
君に会えるなんて嬉しい
一緒にいこう
笑顔でこたえ手を握る
幻
水が現れたなら僕が君を、と言いかけて
目前に広がる光景に震え
嗚呼
水槽からみたグランギニョル――奴隷である僕の舞台『享楽の匣舟』
刺すような視線も悪意の満ちた言葉
やめて
座長の声が脳裏に響く
水槽が血色に染まる
歌え歌えと
仲間の死を喜ぶ歌を
やめて
櫻 見られたくない
引き寄せられて
桜の香りに優しい体温
何より君の声に我にかえる
嗚呼
ひとりじゃない
櫻がいる
大丈夫
君がいる
それだけでこんなにも
君と進むために歌うよ
全て沈めた『泡沫の歌』
激しい雨で幻を流してしまえ
早くここを抜けよう
夜の闇に潜む不穏な花影。
それは、自らが生み出す幻影を一番見られたくないと、そう心に思う相手を。
その者の元へと、誘う。
「あら、リィ! 来てたのね!」
「櫻! 僕の櫻!」
眠った弟を送った後、白虎が祀られた神社へと単身赴いていた誘名・櫻宵(屠櫻・f02768)と。
游ぐ蛍星を追いかけて游いでいたら迷ってしまったという、リル・ルリ(想愛アクアリウム・f10762)。
揺らぐあたしの可愛い人魚――見えない運命の糸で結ばれているかのようなこんな出逢いに、綻び咲く櫻に。
君に会えるなんて嬉しい――リルもそう、笑顔を返して。
一緒にいこう、とその手を握れば。
「嬉しいわ、一緒にいきましょっか!」
一層の微笑みと同時に、勿論、二つ返事で頷く櫻宵。
綺麗だけどどこか不穏な雰囲気を漂わせる森道だって……君と一緒ならば、楽しい。
けれど、足を踏み入れた者を惑わすという幻影の噂。
眼前に現れたら一番嫌だと心に潜む事象が顕現するのだと聞いたが。
「苦手、そうねぇ。あたしなら水が――」
そう口を開いた櫻宵に、水が現れたなら僕が君を――そうリルが言いかけた、刹那。
「……!」
眼前に揺れるのは、まさに水の気配。
とぷん、と揺らぐ視界に櫻宵は一瞬、息を飲むけれど。
震えているのは、水が苦手な櫻宵ではなく……そのすぐ隣にいる、リル。
水中かのような揺らめきのその向こうにみえるものは、下卑た笑みと好奇の視線。
嗚呼、とリルは大きく首を振る。
其処は、水槽からみたグランギニョル――奴隷であるリルの舞台『享楽の匣舟』。
芝居であって芝居ではない、喜劇に悲劇を重ねた血腥い演目。
そこでリルは歌っていた。
歌え歌えと囃し立てられ、仲間の死を喜ぶ歌を。
劇を盛り上げるために、命をいとも簡単に散らせる歌を。
黒い舞台に響く喝采、鞭の音、座長の声、水槽を染める血色――。
(「ああこれがリルが過去にいた場所。グランギニョルの舞台の上なのね」)
櫻宵はその下卑た悪意で満ちたいろに思わず顔を顰めるけれど。
――やめて。
――やめて……櫻に、見られたくない。
繋ぐ手に力をこめて、そう震えるリルをぐっと引き寄せて。
「大丈夫よ、あたしがついてるわ」
安心させるように頭を撫でてあげながら、耳元で囁く。
眼前のどす黒いいろも、ふわり花の香りがする櫻色と優しい体温に隠されて。
何よりも響く愛しい声に、リルは我にかえる。
――嗚呼、ひとりじゃない。櫻がいる。
「大丈夫……君がいる」
そう紡がれた言葉に、櫻宵は柔い桜の瞳を優しく細めた後。
「……不快ね。この視線、この声も全て」
この子を傷つける全てを断ち斬るわ――スラリと抜くのは、血桜の太刀。
そんなに血が見たいのならば、咲かせてあげるわ、と。
刹那、散華を咲かせ、幻影を斬り裂けば。
残酷な芝居のための歌じゃない。
君と進むために歌うよ――そうリルが紡ぐ旋律は、全て沈めた『泡沫の歌』。
――幻であろうと許さない。
舞い散る桜の如き斬撃が、大切な人を悲しませる光景を容赦なく叩き斬って。
「早く、ここを抜けよう」
美しき歌声が喚んだ激しい雨が、漆黒の幻を、全て洗い流す。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ザハール・ルゥナー
ルカ(f14895)と
厄介な話だ。
信心が役に立たぬとなれば、何を信じる?
いずれにせよ悪い物が憑いたのは事実だろうな。
人の心を暴くものほど、厄介なものはいまい。
……ルカ。
茫然とする彼に声を掛けて、目の前の幻に魅入る。
(ああ、ひどい光景だ。あの人は強かった。
あの人は誰よりも皆を巧く導いて、何処までも高みにゆくひとだった。
私も知っている。とても懐かしい。
だが――)
……あそこに駆けつけられる可能性が欲しい。それは、私も同じ。
やれやれと嘆息しつつ、ルカを肩に担いで立ち去る。
好きなだけ暴れろ。
ルカ。
君が呑まれては、私は立つ瀬がない。
ああ、そうだな……ありがとう。
(しかしあの過去がなければ、私は)
ルカ・アンビエント
ザハール(f14896)と
強い信仰心を持った者は辿り着けたが気が触れた、ですか
神に障りがあったと見るべきか
そうですね、心を暴くもの程
面倒なのもいない
ふいに、目の前に広がったのは焼け焦げた大地
幻想だと分かるのに立ち竦む
だってこれはあの日の惨状だ
全滅した部隊の皆の姿
その奥にいるのは、あの腕は
少尉…
倒れているあの人は、どうしたって助からないのが分かる
ーーでも、若しかしたらと
幻想だと分かっているのに、体が動く
助けないと、と手を伸ばす
…ッ離せ、少尉が…!
ーー…俺、は…
あそこには、あんたも残されてたのに
ありがとう、とか、あんたは…
馬鹿でしょう…(服を掴み
(俺が嫌だと思ったのは死んだ少尉か、それともーー…
静かに咲き誇る二藍のいろは、蛍火と雨露に飾られ、息を飲むほどに美しいけれど。
その花影がそっと隠しているのは、不穏な彩り。
――厄介な話だ、と。
ザハール・ルゥナー(赫月・f14896)はそう零した後、月のような銀の髪をそっと揺らして。
「信心が役に立たぬとなれば、何を信じる?」
「強い信仰心を持った者は辿り着けたが気が触れた、ですか。神に障りがあったと見るべきか」
ルカ・アンビエント(マグノリア・f14895)も村人が話していた内容を思い返しながら、首を微かに傾ける。
だがどのみち真実は、この先に進まないことには分からないが。
「いずれにせよ悪い物が憑いたのは事実だろうな」
ザハールの言うように、それが決して良いものではないだろうことは……二藍の森道に蔓延る幻術を思えば、頷ける。
人の心を暴くものほど――厄介で面倒なものは、ないから。
そして……どれくらい、花の迷宮を彷徨った頃か。
「……!」
ふいに、ルカの緑色の瞳に映ったその景色は――焼け焦げた大地。
幻想だと分かる。
分かっているのだけど……どうしても、立ち竦んでしまう。
(「だってこれはあの日の惨状だ」)
「……ルカ」
ザハールはそう、茫然とする彼に声を掛けるけれど。
暫し一緒に、眼前に広がる幻に魅入る。
これはあの日の惨状。全滅した部隊の皆の姿。
そして――その奥にいるのは、あの腕は。
「少尉……」
……倒れているあの人は、どうしたって助からないのが分かる。
けれど――若しかしたら、なんて。
本当のあの人が此処にいるはずなんてない。これは幻想なのだと、それは分かっているのだけれど……体が、動く。
――助けないと。
そう、焼け焦げた風景に、ルカは祈るように腕を伸ばして。
ザハールはそんなルカを見つめながらも、思い返す。
(「ああ、ひどい光景だ。そしてあの人は強かった」)
あの人は誰よりも皆を巧く導いて、何処までも高みにゆくひとであった。
(「私も知っている。とても懐かしい」)
それは――ザハール自身が、すぐ傍で見ていたからだろうか。
けれど、あそこに駆けつけられる可能性が欲しい。
それは、私も同じだと――ふっと息をついたザハールは。
「……ッ離せ、少尉が……!」
「好きなだけ暴れろ」
ひょいっとルカを肩に抱え、やれやれと再び嘆息しつつ、彼を連れて歩き始める。
そしてじたばた暴れるその耳元で、こう紡ぐのだった。
「ルカ。君が呑まれては、私は立つ瀬がない」
「――……俺、は……」
その言葉に、ルカはひと息置いてから、ぽろりと零す。
「……あそこには、あんたも残されてたのに」
呟かれた言の葉に、ザハールは神秘的な紫の瞳を細めて。
「ああ、そうだな……ありがとう」
「ありがとう、とか、あんたは……」
――馬鹿でしょう……。
そう、きゅっとザハール服を掴むルカ。
ザハールはそんなルカに、端麗な顔に宿した笑みを向けながらも思う。
(「しかしあの過去がなければ、私は」)
そして、ルカも。
(「俺が嫌だと思ったのは死んだ少尉か、それとも――……」)
刹那、再び二藍のいろが戻って来たと同時に。
まるで、空が泣いているかのような雨が再び――仰ぐ鈍色から、落ち始める。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シン・バントライン
アオイ(f04633)と
今より随分と幼い彼女を前に「夢が叶った」と思う。
昔の彼女に会ってみたいと思っても出来る事ではなかったから。
人は一人で生まれて一人で死にます。
大事な人と別れる事もたくさんあるでしょう。
でも、もう会えないということよりも、出逢えた事を何より嬉しいと思える。
貴女にはそんな出逢いがきっとたくさん待ってます。
私も貴女とお逢い出来るのを心から楽しみにしている。
私と未来で待ち合わせの約束を、して下さいますか?
目線を合わせて語りかける。
この心が伝わるだろうか。
貴女に会えてどれだけ幸せか、伝えられるだろうか。
後は手を繋ぎ、足を踏み出すだけだ。
「そんなアオイも…そんなアオイが好きや」
アオイ・フジミヤ
シンさん(f04752)と
今よりも幼い
長い黒髪に深い翡翠の眼
二藍の道の先に居たのは
故郷で生きていた頃の私
夜海の私は冷やかに囁く
「何も見えない。最後には一人ぼっちになるなら、もう何にも心を溶かしたくない」
どんなに優しい人との縁があっても
“大事に思う人はみんな、私の周りからいなくなる”
そう思い込んで何も感じない“ふり”をする自分がそこにいる
過去の私の後悔が、今の私の目隠しをする
「…シンさん、私はずっと怖かった」
弱い私を彼はどう思ってしまうのだろう
真摯な彼の言葉が、想いが心を満たす
そう、出逢ってからずっと繋いだこの手に救われて歩いてきた
かすかに聞こえた気がしたの
微笑む口元が「未来で」と囁くのを
二藍のその奥に佇む、ひとつの小さな影。
そしてそれが何かであるかを悟ったシン・バントライン(逆光の愛・f04752)は思う――夢が叶った、と。
それは、今のような海のいろではなく。
長い黒髪に深い翡翠の眼を持つ、今より随分と幼いアオイ・フジミヤ(青碧海の欠片・f04633)の姿であった。
昔の彼女に会ってみたいと思っていたシン。
でもその想いが叶う機会なんて、そうそう訪れるわけではないから。
そんな喜びの感情を抱く彼へと、夜海のアオイは冷やかに囁く。
『何も見えない。最後には一人ぼっちになるなら、もう何にも心を溶かしたくない』
傷つくのは、寂しくなるのは……もう、嫌だから。
どんなに優しい人との縁があっても――“大事に思う人はみんな、私の周りからいなくなる”。
そう思い込んで、何も感じない“ふり”をする幼い頃の彼女が、そこにはいた。
海に咲く花の如き、今のアオイのような微笑みは浮かんではいないのだけれど。
シンは小さなアオイへと、こう語りかける。
「人は一人で生まれて一人で死にます。大事な人と別れる事もたくさんあるでしょう」
でも――もう会えないということよりも、出逢えた事を何より嬉しいと思える。
「貴女にはそんな出逢いがきっとたくさん待ってます」
そして、すっと、彼女の目線まで屈んで。
真っ直ぐに、その深い翡翠の眼を見つめ、続ける。
「私も貴女とお逢い出来るのを心から楽しみにしている」
――私と未来で待ち合わせの約束を、して下さいますか? と。
小指と小指をそっと優しく結んで、指切りを。
「……シンさん、私はずっと怖かった」
弱い私を彼はどう思ってしまうのだろう――。
過去の後悔が、今のアオイの目隠しをしているけれど。
シンは今度は、海色を湛える彼女へと、視線を向けて思う。
……この心が、伝わるだろうか。
貴女に会えてどれだけ幸せか――伝えられるだろうか。
けれど後は、この腕を伸ばして。
――手を繋ぎ、足を踏み出すだけ。
「そんなアオイも……そんなアオイが好きや」
紡がれる、その真摯な言葉が、真っ直ぐな想いが。
アオイの心いっぱいに、花を咲かせて。
そう――出逢ってからずっと繋いだこの手に、救われて歩いてきた。
伝わる心地良い体温が、じわりと心にまで染みて。
「かすかに聞こえた気がしたの」
アオイは、シンに微笑んで続ける。
微笑む口元が――「未来で」って。そう囁くのを、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
スナッチ・ベット
【WIZ】
パウルくん(f04694)と
紫陽花と花菖蒲の影に潜む謎とは?
秘された森道で待ち受けるものとは一体?
趣を味わうのも良いけど、ミステリーを堪能するツアーも素敵だね
シャーマンと探索者やってる僕が思うには
こういうのって、幻影を見せる媒介が何処かにありそうな気がするけど
まあ、幻影とか掛かる前にどうにかするのは難しいからね!
(そう言ってる間にも狼狽えるタコくんに溜息)
タコくん、大丈夫だから落ち着いて。ヒッヒッフー
この水はまぼろし。狐火だって点いてるでしょ
いつも元気な後輩が怯える様子は、見ててあまり楽しいものではないし
ほら、僕の狐火が道を照らすよ
僕が迷った時は、タコくんがお尻光らせて道を照らしてね
パウル・ブラフマン
【WIZ】
引き続きスナさん(f03519)と!
さっきの休憩所でお借りした番傘を手にそぞろ歩き。
不気味さは噂程は感じないけれど…
段々と雨音が強くなってるような気がする。
ここから先は傘は畳んだ方が歩きやすいかな?
そう言い終えるや否や
突如堰を切ったかの如く進行方向からぶつかってくる水の塊。
これは雨水?ツナミってヤツ?
オレはタコだけどカナヅチっていうか…流石にこの状況笑えない!
だめだ溶けちゃう!!スナさん、アンタだけでも逃げて!!!
頭まで水に浸かった瞬間、咄嗟にあげた大声。
スナさんの大丈夫の声に我に還る。
そう、そうだ。
試験管の中の惨い仕打ちは、最早過去のこと。
心強い狐火に誘われながら惑わず前へ進もう。
――紫陽花と花菖蒲の影に潜む謎とは?
――秘された森道で待ち受けるものとは一体?
「趣を味わうのも良いけど、ミステリーを堪能するツアーも素敵だね」
そう、新しいツアーの下見も抜かりない、ツアコンの鑑であるスナッチ・ベット(Vulpes et uva・f03519)と並んで。
くるり、休憩所で借りた和の雰囲気たっぷりの番傘をさして。
神秘的な花咲く道を、パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)はそぞろ歩き。
けれどふと、雨模様の空を仰いで。
「不気味さは噂程は感じないけれど……段々と雨音が強くなってるような気がする」
ここから先は傘は畳んだ方が歩きやすいかな? と、ひとつ首を傾げてみる。
梅雨に咲く花影に隠されたミステリー。
シャーマンと探索者をやっているスナッチは、ふとこんな推理を。
「こういうのって、幻影を見せる媒介が何処かにありそうな気がするけど……まあ、幻影とか掛かる前にどうにかするのは難しいからね!」
――なんて、言っているうちに。
「!」
スナッチの隣を歩いていたパウルは、その瞳を思わず大きく見開いてしまう。
突如堰を切ったかの如く、進行方向からぶつかってくるのは――水の塊。
「これは雨水? ツナミってヤツ?」
オレはタコだけどカナヅチっていうか……流石にこの状況笑えない! と。
そうは思うも……迫り来る水の塊に、成す術もなく。
ついに、頭まで水に浸かった瞬間。
「だめだ溶けちゃう!! スナさん、アンタだけでも逃げて!!!」
咄嗟にあげた、大声。
そんな叫びにも似た声に返るのは、溜息。
「タコくん、大丈夫だから落ち着いて。ヒッヒッフー」
「えっ、あれ?」
「この水はまぼろし。狐火だって点いてるでしょ」
ほら、と炎を灯してみせるスナッチに、パウルは瞳をぱちくりと何度か瞬かせて。
ヒッヒッフーと息を吐き、落ち着いてから。
「……そう、そうだ」
ようやく、我に返る。
――試験管の中の惨い仕打ちは……最早、過去のことなのだから。
それでもやはり、震えてしまう。
そんな、いつも元気な後輩が怯える様子は、見ててあまり楽しいものではないから。
「ほら、僕の狐火が道を照らすよ」
スナッチは舞い遊ぶ蛍と共に、生み出した狐火で、花咲く夜の森道を灯して。
眼前に燃ゆる心強い狐火に誘われながら、パウルは今度は惑わずに前へと進みつつ、スナッチに礼を言えば。
流れ星のように目の前を横切った、蛍の光をふと見つめて。
「僕が迷った時は、タコくんがお尻光らせて道を照らしてね」
狐火を絶やさず灯したまま、そうスナッチは返すのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
飛白・刻
得た情報を擦り合わせた觜宿神社に纏わる話
成程、聞くほどに厄介だと
先程まで、共に愉しんだ淡い光が、鮮やかな二藍が、
不自然なまでの美しさへと変貌していくようで――
ひどく晴れた日
己が身体に刻まれた言いようのない激痛と無数の傷痕
傍らに放られた、鍵を握り締めたまま切断された片腕
それは。凡てを失って。悪夢を得た日の
幼き日の忌々しい記憶がじわり纏わりつく――
――けれど。違う
あの腕は土に埋めて弔った
同時に。痛みも涙も凡て捨てた
もう、見るがままされるがままの子供ではないと
この息苦しさも生き苦しさも今の己の一部だと
過去にせよ現在にせよ、進まなければ先はない
今の目的を思い出せと
記憶の泥濘みから抜け出す一歩を
賑やかな夜の祭りで聞いた、数々の觜宿神社に纏わる話。
――成程、聞くほどに厄介だと。
飛白・刻(if・f06028)はぐるり、一面に咲く二藍を見回してみる。
仄かに照る蛍火が、まるで足を踏み入れた者を惑わすかのように飛び交って。
先程まで愛で愉しんだ淡い光が、鮮やかな二藍が……変貌していく気さえする。
不穏な彩をそっと隠さんとしているような、不自然なまでの妖しい美しさに。
天を仰げば、二藍を艶めかせる雫が、またそろそろ降ってくる頃かもしれない。
……そんな、どんよりとした鈍色の雨模様であったはずなのに。
刻はふと、眼前に広がった風景に、足を止めてしまう。
仰ぐ空が――ひどく晴れた日のものに変わった瞬間。
言いようのない激痛と無数の傷痕が、己が身体に刻まれて。
ごとりと落ち傍らに放られたのは、鍵を握り締めたまま切断された片腕。
(「それは。凡てを失って。悪夢を得た日の――」)
じわりといまだ纏わりつく、幼き日の忌々しい記憶であった。
……けれど。
「ー―けれど。違う」
刻はふるりと小さく首を振る。
――あの腕は土に埋めて弔った。同時に。痛みも涙も凡て捨てた……。
……もう、あの時とは違う。
見るがままされるがままの子供ではないと。
この息苦しさも生き苦しさも――今の己の一部だと。
刻は再び前へと、足を踏み出さんとする。
――過去にせよ現在にせよ、進まなければ先はない。
立ち止まったままでは、ずっと、凡てを失ったあの日のままだから。
刻はふと一瞬、瞳を閉じて。
(「……今の目的を思い出せ」)
再びその藍を咲かせると同時に、踏み出す……記憶の泥濘みから抜け出す一歩を。
大成功
🔵🔵🔵
呉羽・伊織
【花守】
こーいうのを幽寂閑雅、ってーのかね――嗚呼、不穏な気配さえなけりゃどんなに良かったか
(花影の懸念に加え、連れの様子見て)
なー、オレちょい1人で歩きたいんだケド
色んな意味で雲行き怪し過ぎるんだケド
(と、不意に投槍な軽口と足を止め)
うわぁホント勘弁してって
何このデジャヴ
(横に清宵、眼前にも清宵、の幻――つまりつい先刻捕まった悪夢の再現か、という状況にまた顔しかめ)
オレを退けるにゃ確かにある意味最適だケド
……否、違うな
俺じゃない
アンタか
こりゃ“面白いモン拝めたな”
なーんて
アレが何か、なんざどーでもいい
道踏み外した時は叩き斬ってやるから、安心して進めよ
こんなんで逃腰になってくれるなよ、宵チャン
佳月・清宵
【花守】
コイツは如何にもな雰囲気で
いっそ愉しくなるな
折角花と蛍が誘ってくれようってんだ
参拝に向かう他ねぇ――三人仲良く、な
寧ろお前がいて雲行き良い事のが珍しいだろ
(相変わらず可笑しげに言の葉紡いでいたと思えば、ほぼ同時に軽口も足も止め)
へぇ――そんなに俺が嫌いかよ
とことんツレねぇこったな
(眼前に現れた己の幻に、また愉快とばかりに笑い)
――はたまた、厭ってんのは俺自身か
……とんだ意趣返しに遭ったもんだ
(顔を覆い切った狐面の下、雨に紛れ――を流しているであろう幻を暫し眺め)
嗚呼、参った――
なんて言うかよ
お前らに気ィ遣われちゃ気味悪くてならねぇ
手を煩わせる迄もない
とうに踏み越えてきた躯だ
今更止まるか
花川・小町
【花守】
秘されたモノを無闇に暴く趣味はないけれど――良からぬモノが絡むなら、話は別よね
幽寂閑雅たる本来の風情を取り戻せますよう
あらなぁに伊織ちゃん
私達がいれば怖いものなし、でしょ?
それに雲行き怪しかろうが何とかするのが貴方だと信じてるわ
(ころころ笑って――不意に現れた幻には、あらまぁと肩すくめ)
これはこれは、まさかのお出ましね
貴方達本当に面白いわ
それにしても、貧乏籖引いたわねぇ
――清宵ちゃん?
ふふ、此処は伊織ちゃんに全面同意しておくわ
私はああいう貴方も嫌いじゃないけれど、ねぇ?(悪戯っぽく笑い)
大丈夫
もし血迷ったり迷子になりそうなら、引き摺り戻してあげるわよ
ちゃあんと揃って、お参りに行きましょ
咲き誇り森道を支配するそのいろは、二藍。
その彩りは梅雨空から落ちる雫で艶やかさを増し、舞い遊ぶ蛍火に仄かに照らされている。
「こーいうのを幽寂閑雅、ってーのかね」
呉羽・伊織(翳・f03578)は、ぐるりと紫に染まった風景を見回した後。
ふっと、咲く二藍を映した赤の瞳を細め思う。
――嗚呼、不穏な気配さえなけりゃどんなに良かったか。
花影に隠された不穏。そしてそれを見据える赤の瞳もまた、剣呑ないろを隠している。
けれど、それをおくびも見せずに。伊織の視線は、今度は連れへと。
「なー、オレちょい1人で歩きたいんだケド」
「あらなぁに伊織ちゃん。私達がいれば怖いものなし、でしょ?」
「コイツは如何にもな雰囲気で。いっそ愉しくなるな」
花川・小町(花遊・f03026)と佳月・清宵(霞・f14015)は、自分たちをちらりと見る瞳に尚、愉快気に笑んで。
「秘されたモノを無闇に暴く趣味はないけれど――良からぬモノが絡むなら、話は別よね」
……幽寂閑雅たる本来の風情を取り戻せますよう。
まるで内緒話でもするかのように風に密やかに揺れた花々を小町は見遣って。
「折角花と蛍が誘ってくれようってんだ。参拝に向かう他ねぇ――三人仲良く、な」
そう、くつりと笑った後。清宵は、気を惹くかのように目の前を横切った仄かな輝きが誘うその先へと、月色の視線を向けてみるけれど。
秘め事は咲き誇る二藍に、隠されたまま。
「色んな意味で雲行き怪し過ぎるんだケド」
伊織はまるで現状のような、今にもまたひと雨来そうな空の下、ひとつ溜息をついて。
そんな投槍な軽口に、相変わらず可笑し気に返す清宵。
「寧ろお前がいて雲行き良い事のが珍しいだろ」
「それに雲行き怪しかろうが何とかするのが貴方だと信じてるわ」
そう、華のように、ころころと笑う小町であったが。
ふと――足を止めると、あらまぁと肩すくめた。
同時に、男二人も歩みを止めて。
一面紫の世界に現れた『彼』を見遣る。
「うわぁホント勘弁してって、何このデジャヴ」
横に清宵。そして――眼前にも、清宵。
……つい先刻捕まった悪夢の再現かと、また顔しかめる伊織に。
「へぇ――そんなに俺が嫌いかよ。とことんツレねぇこったな」
眼前に現れた己の幻に、また愉快とばかりに清宵は笑って。
「これはこれは、まさかのお出ましね」
貴方達本当に面白いわ、そう二人のやり取りに笑みを咲かせる小町。
――けれど。
「オレを退けるにゃ確かにある意味最適だケド」
伊織は現れた清宵の幻影映す赤の瞳をふっと細め、小さくひとつ首を振る。
「……否、違うな。俺じゃない、アンタか」
顔を覆い切った狐面。そして雨に紛れ――を流しているであろう、その姿。
眼前に現れたら一番嫌だと心に潜む事象……それは、誰のものなのか。
「それにしても、貧乏籖引いたわねぇ――清宵ちゃん?」
そんな小町の声を聞きながら、清宵は暫し己の幻を眺める。
――厭ってんのは俺自身か、と。
「こりゃ“面白いモン拝めたな”……なーんて」
「ふふ、此処は伊織ちゃんに全面同意しておくわ。私はああいう貴方も嫌いじゃないけれど、ねぇ?」
「……とんだ意趣返しに遭ったもんだ」
ふっと瞳細める伊織と悪戯っぽく笑う小町に、清宵はやれやれと肩を竦めてみせるけれど。
「大丈夫。もし血迷ったり迷子になりそうなら、引き摺り戻してあげるわよ」
「アレが何か、なんざどーでもいい。道踏み外した時は叩き斬ってやるから、安心して進めよ」
こんなんで逃腰になってくれるなよ、宵チャン、と。
自分に向けられた二人の視線に、ふっと小さく息を吐いて。
「嗚呼、参った――なんて言うかよ」
お前らに気ィ遣われちゃ気味悪くてならねぇ……そう紡いだ後。
「手を煩わせる迄もない。とうに踏み越えてきた躯だ」
――今更止まるか。
清宵は再び、二藍の森道を進み始める。
雨の如く濡れたそれを狐面で隠す、己の脇をすり抜けて。
そして伊織と共に、清宵に続き歩き出しながら。
蛍火灯る二藍の夜に美しく艶やかな髪を靡かせ、小町はもう一度、笑むのだった。
ちゃあんと揃って、お参りに行きましょ、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
花剣・耀子
見たくはないもの。
現れて欲しくないもの。
こんな仕事をしているのだもの。
そんなものは、幾らでも。
ひとの死に顔。
過去の親しいひと。
いま隣に並ぶひと。
あるいは未来の、届かなかった手の先のひと。
……――、なあに。
あとは一杯のお茶が怖い、なんて言えば良いのかしら。
軽口にはすこしの笑みが混ざる。
大丈夫。
ちゃあんと笑えるわ。
これをまぼろしだと、理解している。
忘れた事はない。
あのひとが、あのこが、恨み言なんて言うはずがない。
思い返しても、夢でも幻でも、いつも静かだけれども。
でも、それは後悔していないということでも、心残りがないということでもないのよ。
見たくはないから、そうならないよう努めるだけ。
進みましょう。
角と同じ色をした、黒耀石の髪を靡かせながら。
二藍の道を進んでいた花剣・耀子(Tempest・f12822)は、ふとその足を止めて。
眼鏡の奥のいつもと変わらぬ冷えた青き瞳で、眼前に浮かび上がるそれらを見遣る。
――見たくはないもの。
――現れて欲しくないもの。
(「こんな仕事をしているのだもの。そんなものは、幾らでも」)
猟兵として生き、戦場を駆ける身であれば。
安穏に身を委ねてなどいられないことは、分かっている。
花咲く夜の闇に現れたのは――ひとの死に顔。
それは、過去の親しいひとのものであったり、いま隣に並ぶひとのものであったり。
あるいは――未来の、届かなかった手の先のひとのもの。
「……――、なあに。あとは一杯のお茶が怖い、なんて言えば良いのかしら」
紡いだそんな軽口には、すこしの笑みが混ざっていて。
――大丈夫。ちゃあんと笑えるわ。
耀子は小さく頷き、己の心を確認する――これをまぼろしだと、理解していることを。
目の前の死に顔は、不穏な花影がみせる幻影。
(「あのひとが、あのこが、恨み言なんて言うはずがない」)
……けれど。
思い返しても、夢でも幻でも、いつも静かだけれども。
「でも、それは後悔していないということでも、心残りがないということでもないのよ」
見たくはないから、そうならないよう努めるだけと。そう、零してから。
――進みましょう。
前だけを見据え、幻影を振り切るように歩き出す。
その胸の奥に……眼前に現れた様々な人たちの姿を、しまいながら。
大成功
🔵🔵🔵
宵鍔・千鶴
髪に滴る雫をふるりと落として
二藍が続いてゆく先の神社の森へと
入れば、気が触れる。
ならば、問題ない。
多分、きっと、俺はもう何処かおかしいかもしれないし
だからといって易々と幻影に惑わされるのも癪なんだよなぁ
案の定、眸に映るは
忘れはしない幼き自分の中の凡て、根源
小さな檻、匣、古めかしい座敷牢
血溜まりの中に佇む幼少の自分
二藍と相俟って暗く密やかに
今の自分をじっと見つめて檻へと誘う
噫、懐かしい
無力で泣いて閉ざし憎悪しかできなかった自分
手を伸ばして濡れた頬を拭って
安心しなよ、お前は忘れない
俺が、この先も連れてくから
いつか本当にその檻から出るために
抱いた花影は蛍の光と交わり
反するように陰る闇は黒く濁って
まるで、溜まった雨粒にしなり、地へと零す紫の花弁ように。
ふるりと、髪に滴る雫を落としてから。
宵鍔・千鶴(nyx・f00683)も、静かに咲き誇る二藍のその先――神社へと続く森の道を進む。
――迂闊に足を踏み入れれば、気が触れてしまう。
そう噂されている、秘された道。
(「入れば、気が触れる。ならば、問題ない」)
千鶴は昏紫を帯びた瞳を、そうふと細める。
――多分、きっと、俺はもう何処かおかしいかもしれないし、と。
……それに。
(「だからといって易々と幻影に惑わされるのも癪なんだよなぁ」)
進む二藍の道に現れるのは、『眼前に現れたら一番嫌だと心に潜む事象』なのだというが。
やはり――案の定。
「……!」
刹那、微かに見開かれた千鶴の両の目に映る、その光景。
それは、忘れはしない……幼き自分の中の凡て、根源。
眼前に広がるのは小さな檻の風景。それは匣、古めかしい座敷牢。
ただその小さな檻だけが……あの時の自分の、全ての世界。
そんな匣に溜まったいろは、赤。
その只中に佇むのは――幼少の自分。
まるで夜にそっと咲く、秘め事をした花に落ちる暗い影のように。
今の自分をじっと見つめて。檻へと誘わんとする、幻影の自分。
けれど――噫、懐かしい、と。
そっと伸ばした手は、惑わされているものではなく。
雨に濡れた花のような頬を、そっと拭ってあげるため。
「安心しなよ、お前は忘れない。俺が、この先も連れてくから」
いつか本当にその檻から出るために――。
刹那、そっと密やかに、二藍が揺れて。
抱いた花影が、朧に耀う蛍火とふわり、交わるけれど。
反面、二藍のいろはそれを隠す。
黒く濁って落ちる、陰る闇を。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 集団戦
『堕ちた白虎』
|
POW : 旋風
自身の身長の2倍の【3つの竜巻】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : 飄風
【触れるものを切り裂く暴風を纏った突進】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : 凱風
自身に【相手の動きを読む風の鎧】をまとい、高速移動と【かまいたちによる遠距離斬撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
※お知らせ※
第3章プレイング送信の受付は、追加オープニング掲載後から開始します。
追加オープニングは、6/19(水)中に掲載いたします。
送信締切等のお知らせは、MS個別ページ等でご確認ください。
.
.
●二藍の行方
猟兵たちが迷いの森道で視た幻影は様々であった。
だが、ひととき足を止めることはあっても……それでも最後は、前へと進んで。
「……!」
細い森道から視界が開けた瞬間、猟兵たちは思わず息を飲む。
蛍火と二藍の花々に導かれ辿り着いた先。
それは、かつては立派であっただろうことがうかがえる、朽ち気味の神社であった。
この『觜宿神社』が花の絶景だと言われていたとは聞いていたが――見事なまでに咲き誇る花々。
そしてその彩りはやはり、ただ二藍のみ。
だがこの花の彩も、もしかしたら何らかの幻影なのかもしれない……そう思った、その時だった。
『グルルル……!』
「!」
獣の唸り声と気配を感じ、本能的に身構え顔を上げれば
「!? 白虎……?」
村の人が言っていたように、そこには白虎の姿があった。
されど、その姿は――。
「頭が……喰われている?」
「それに、何でこんなに数がいるんだ?」
村人たちが信頼している存在とは到底思えぬ、眼前の白虎の姿。
その頭は何ものかに喰われたかのように失われ、その数は数多にも及ぶ。
唯一神社に辿り着いたことがあるという村長の息子が気が触れてしまったのはきっと、厚く信仰していた白虎の、この成れの果ての姿が衝撃的だったからであろう。
そんな中、陰陽を生業とする猟兵たちが、こう思考を巡らせる。
「きっと神獣として平和を守っていた白虎が、何ものか……おそらく別のオブリビオンに頭を喰われ、自身もオブリビオンとなってしまったのかもしれない」
「あの森道の幻術は……白虎の最後の抵抗、のようなものかもしれないな。堕ちてしまった自身から、村の者達を遠ざけんとしたのかもしれん。そして……幻影に惑わされぬ力のある者に、自身を退治して貰おうと、そう思ったのかもしれない」
真実は分からないが、と付け加えられた言の葉。
きっと村人たちは村長の息子から話を聞いて、信仰する白虎に異常事態が起こったことを知ったのだろう。
だから、その尊厳を傷つけぬよう、それを隠した。
そして白虎も、人々をこの場から遠ざける為……最後の神獣としての自我が、あの幻影が視える道を作り出したのかもしれない。
だが実際、この神社で、あの白虎に何が起こったのかは分からない。
けれど、はっきりと分かっているのは――オブリビオンは、躯の海へと還さねばならないということ。
『グォォォオオ……!』
猟兵たちの目の前には、鈍色の空に吼える数多の白虎たち……いや、オブリビオンの群れ。
そんなオブリビオンを全て滅するために。
ようやく辿り着いた、二藍のいろが静かに満ちる戦場で。
猟兵たちは、各々の得物を握りしめる。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
歪んでしまって戻せない運命なら、終わらせてあげる。
高速で動くみたいだから、無暗に攻撃せず見切り13で相手の動きを把握、スナイパー34+誘導弾22で狙い撃ちよ。
近い敵から着実に攻撃するわね。
数が多いようならユーベルコード【マルチプルバレット】。
Lv34×5=170発の弾丸の雨、多数の目標を狙って降り注がせるわね。
それにしても誰がこんなことを引き起こしてくれたのかしら。
余裕があれば調査しておきたいわね。
石籠・むぎ
かわいそうだけど、たおさなきゃなの
イエーガーじゃない人がたどりついたらタイヘンなのよ
むぎはフォックスファイアで10コくらいをボウギョ用に、むぎのまわりにとばして
のこりでコウゲキするの
2~3コ合体させて、そっちに気が向くようにしてシカクからコウゲキするのよ
キツネだってトラにまけないのよ~!
テキからのコウゲキはハヤザブロウ(バディペット)の野生のカンだより
え、こっち?あっち?あう…(足がもつれて倒れるが、それで避けれたり
セントウがおわったらお花を見て
ちょっとカナシイ思い出になっちゃったけど、ここにリッパなトラさんがいたコトをおぼえておくのよ
ね、ハヤザブロウ
むぎは少しはつよくなれたかな、なの
いつ再び雨が降ってきてもおかしくない、雲に追われた鈍色の空の下。
『グルルゥゥ……!』
静かに咲き誇っていた二藍の花々をざわりと揺らすのは……地響きの様な唸り声。
――けれど。
「かわいそうだけど、たおさなきゃなの」
イエーガーじゃない人がたどりついたらタイヘンなのよ、と。
石籠・むぎ(白銀稲荷・f02944)は、銀色の狐影が遊ぶ、黄色から白へと彩移ろう扇子をパッと開き構えて。
その声に応えるかのように、ハヤザブロウも、バサリと大きな翼を鳴らした。
いつもならば、夢の中にいる夜。
けれど妨害の幻影にも屈することなく、ようやく此処まで辿り着いたのだから……あと、もう一仕事。
堕ちた白虎――それは神獣として、長年に渡りこの場に在ったものだったのだろうが。
「歪んでしまって戻せない運命なら、終わらせてあげる」
何が起こったのか、今では変わり果ててしまったその姿。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は、つや消し黒色の長い銃身を持つ回転式拳銃を躊躇なく構えて。
『ガ、ァァッ!』
風の如く戦場を駆ける白虎のうち、近い敵から着実に。無暗には攻撃せず、敵の動きを把握しては狙い撃ちしていく。
同時に、戦場に生まれるのは――狐火。
10ほどの数の炎がむぎを守るかのように灯されてから。
残り、ふたつみっつと合わさって、大きさと燃え盛る勢いを増した狐火を囮に。
「キツネだってトラにまけないのよ~!」
揺れる炎に気を取られ動きを一瞬止めた頭無き白虎へと、死角から炎の衝撃が見舞われる。
しかし白虎も、ただ大人しく撃ち抜かれたり燃やされたりしているわけではない。
『グオオオォォ……!!』
刹那、相手の動きを読むという風の鎧を纏い、その速度をさらに増して。
鋭利な風の刃を生み出し、猟兵たちを斬り裂かんとかまいたちを放射するも。
「え、こっち? あっち? あう……」
くいっと、咄嗟にハヤザブロウの嘴で装束の袖を引かれたむぎは、思わず足が縺れて、その場にコテン。
けれど。
「あ……テキからのコウゲキ、かわせたのよ」
転んだのは、ちょっぴり痛かったけれど。
倒れたのが功を奏し、放たれた風の刃を避けられました!
「大丈夫?」
ヴィオレッタは転んだむぎに、そう一言、声を掛けた後。
先程まで降っていた梅雨時の雨の変わりに。
『オオォォ……!』
敵の群れに向かって降らせるのは――マルチブルバレットの、170発にも及ぶ弾丸の雨。
「それにしても誰がこんなことを引き起こしてくれたのかしら」
ヴィオレッタは注意深く、左右色合いの違う宝珠の瞳で、何か異変がないかと周囲を見遣るも。
眼前には美しい二藍のいろをした花々と、朽ち気味の神社があるのみ。
むぎも、ヴィオレッタが仕留め損なった白虎を、すかさず放った狐火で燃やしてから。
(「ちょっとカナシイ思い出になっちゃったけど、ここにリッパなトラさんがいたコトをおぼえておくのよ」)
燃えて崩れ落ちる白虎と戦場を紫に染める花を映した琥珀を細めた後。
ただ静かに戦いの行方を見守る二藍から、ふと視線を上げ、空を仰いで。
「ね、ハヤザブロウ。むぎは少しはつよくなれたかな、なの」
鈍色の空を旋回し戻ってきた兄気取りの相棒へと、そう、紡ぐのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
月舘・夜彦
倫太郎殿(f07291)と参加
神獣として信仰されていたとてオビリビオンとなり
人の心を大きく揺さぶる……人を追い詰める
仮に遠ざけようとしても何れ綻びが生じるでしょう
私達は、戦わなければなりません
抜刀術『風斬』は基本攻撃力重視併せ2回攻撃
遠距離の斬撃により距離が詰められない場合は
命中率重視併せダッシュにより距離を詰める
倫太郎殿と連携して攻撃を与える
突進には距離を離し、残像・見切りより躱してカウンターから斬り返す
かまいたちは武器受けにて防御
神であれ堕ちれば悪と成る……他人事ではない
いけませんね、先程の幻影の所為か心が乱れている
……倫太郎殿、ありがとうございます
彼の気遣いに少しばかり甘えましょう
篝・倫太郎
夜彦(f01521)と
なるほどな……真相は判んねぇんだとしても
その方がこいつらの尊厳も、村の信仰も守られるモンな……
夜彦、こいつら楽にしてやろうぜ?
それは俺達にしか出来ないって言うんならよ
エレクトロレギオン使用
召喚した機械兵器で夜彦と俺の死角をフォロー
俺自身は華焔刀で先制攻撃からのなぎ払いで範囲攻撃
刃を返して2回攻撃
敵からの攻撃にはフェイントと見切り、残像で回避
回避不能時は咄嗟の一撃で攻撃を相殺
道中の体験をおくびにも出さねぇ辺りは流石、夜彦
でも、さっき見ちまった表情もやっぱり夜彦だから
上手く言えねぇし、安易に触れて良いもんでもねぇのは判る……けど
言葉を探す
なぁ、夜彦
戻ったら、もう一杯飲もうぜ
それは、怒りなのか苦しみなのか、哀しみなのか無念なのか。
『グルルル……!』
雨がいまにも落ちんとしている空に響く、獣の咆哮。
(「神獣として信仰されていたとてオビリビオンとなり人の心を大きく揺さぶる……人を追い詰める」)
月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は眼前の堕ちた神獣へと、真っ直ぐに緑を帯びた瞳を向けて。
これまで聞いた話、通ってきた道筋、そして視て聞いたもの……その全てを思い返しながらも、断言する。
――仮に遠ざけようとしても何れ綻びが生じるでしょう、と。
白虎自身もそれは分かっていたのかもしれないし、村人たちが神獣に強い敬意を抱いていることも知っている。
どのような事情があって、どんな思いで森道に幻影が生み出されたのかも、正直真相は分からない。
……けれども。
(「私達は、戦わなければなりません」)
目の前に在るのがオブリビオンであるというのならば――ただ、斬るのみ。
それが自分たち、猟兵のするべきことであるのだから。
(「なるほどな……真相は判んねぇんだとしても、その方がこいつらの尊厳も、村の信仰も守られるモンな……」)
篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)も二藍の世界に響く咆哮を聞きながら、頭無き獣へと琥珀色の瞳を向ける。
何が原因かは分からないが、こうなってしまった以上……真相を明かすよりも、皆がこれ以上傷つかず済ませる方法を倫太郎は考え、そして口にする。
「夜彦、こいつら楽にしてやろうぜ? それは俺達にしか出来ないって言うんならよ」
堕ちてしまった存在を、今自分たちの手で解放する。
その尊厳や信仰を守りながらも。
倫太郎が刹那戦場に喚んだのは、小型の機械兵器。
その機械兵器が自分たちの死角を補いフォローするべく動く中、焔舞い踊る美しき刃紋の薙刀で綺麗な弧を描くように。
倫太郎の華焔刀のひと薙ぎが数体の敵へと見舞われ、返す刃で追い打ちをかける。
そして風の鎧纏い放たれた敵のかまいたちが斬り裂いた倫太郎は、その風を見切った残像。
さらに巻き起こされた風ごと、もっと鋭き刃の風で叩き斬らんと。
「――我が刃、風の如く」
攻撃力に重きを置き抜き放った二閃の輝きが、倫太郎が薙ぎ払い手負いとなっていた敵に反撃を許す間も与えない。
(「道中の体験をおくびにも出さねぇ辺りは流石、夜彦」)
宵の如き藍の髪を鈍色の空に靡かせ、見事な剣筋を披露する夜彦を、頼もしく思いながらも。
(「でも、さっき見ちまった表情もやっぱり夜彦だから。上手く言えねぇし、安易に触れて良いもんでもねぇのは判る……けど」)
敵の攻撃を往なし、斬り返すその姿を見つつ……彼のために掛けるべき言の葉を、倫太郎は探して。
振るう刃こそ乱さず、表には出さぬよう努めてはいるが。
(「神であれ堕ちれば悪と成る……他人事ではない」)
百年の時を経ても尚美しくさいた竜胆の簪に宿りし己のことと、夜彦はふと神獣を重ねてしまうけれど。
――いけませんね、先程の幻影の所為か心が乱れている。
微かに首をふるりと振る夜彦。
そして敵を薙ぎ払いながら、倫太郎はそんな夜彦に、こう声を掛けるのだった。
「なぁ、夜彦。戻ったら、もう一杯飲もうぜ」
そんな彼の気遣いに、夜彦は再び風の如き居合斬りで、頭無き白虎をまた1体躯の海へと返しながらも。
「……倫太郎殿、ありがとうございます」
戻ったら、その言葉に――少しばかり甘えましょう、と。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と
人とか動物とかって敵の姿形にすぐ流されるし
過去を想っては凹みまくるし
そういうヤツなんだコイツは
どうしようもなくバカで、優しい
表情無くす相方を横目に見たまま「柘榴」を肌に滑らせ【紅牙】展開
纏う風『見切り』牙状の刃で敵へと喰らいつき、『2回攻撃』で『傷口をえぐる』よう噛み砕く
垣間見る初めての表情に面白くなさそうに眉を寄せれば
戦闘に紛れ相方の正面へ立ち
闘う勢いのまま額にデコピン(という名の拳)を撃ち込む
隠すンじゃナイよ下手糞の癖に
言い捨て柘榴振るい迫る反撃を薙ぎ払う
『スナイパー』で本体狙い『カウンター』攻撃
いつまでもンなツラ晒すつもりなら、二度とテメェの飯は作ンねぇからな
火狸・さつま
コノf03130と
そんな姿になっても
村人を護ろうとしたんだね
でも幻影であの人に遭ってしまった
元気な姿で…あの言葉を紡いで欲しく無かった
聞きたくなかった
違うと
分かってても
駄目、だめだ…今は考えるな
嫌だ…コノにこれ以上情けない姿見せれない
垂れた儘の狐耳を隠すよに消せば
すとんと…感情も表情も消えていって
ああ、この感覚
懐かしい…これは独りになった直後の
失うモノが無く何も怖くなかった
痛みも判らない『激痛耐性』
敵のさなかへ駆ければ
己中心に広範囲へと『範囲攻撃』<雷火>の雷撃
『早業』『2回攻撃』
『全力魔法・範囲攻撃』敵のみを燃やす【燐火】
!
ぴょこり出てしまう垂れた耳
しかし一瞬で過去は消えて
コノ?!ひ、ひぇ…
二藍の静寂を侵すのは、堕ちた獣の唸り声。
『グルルル……!』
頭無き白虎……その存在は最早この神社に祀られている神獣ではなく、オブリビオン以外のなにものでもない。
だけど。
「そんな姿に、なっても……村人を、護ろうと、したんだね」
火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)はそう眼前の、白虎であったものに目を向けるけれど。
しゅんと耳を垂らしたまま、小さくふるりと首を振る。
(「でも、幻影で、あの人に遭ってしまった」)
紫に染まった森道で視て聞いてしまった、あの姿、あの声――。
いや、それは現実よりも、ある意味もっと、酷な幻影で。
(「元気な姿で……あの言葉を、紡いで欲しく無かった……聞きたくなかった」)
……違う、と。
そう分かってはいても。
――駄目、だめだ……今は考えるな。
そうぎゅっと必死に拳を握りしめる。
けれど……その耳はまだ、垂れたまま。
(「人とか動物とかって敵の姿形にすぐ流されるし、過去を想っては凹みまくるし」)
……そういうヤツなんだコイツは、と。
明らかにしゅんとして、心がゆらり揺れ動いているのが見て分かる隣のさつまへと、コノハ・ライゼ(空々・f03130)は目を向けて。
ふっと、薄氷の瞳を細める。
すぐ流されたり、凹みまくったりするんだけど。
――どうしようもなくバカで、優しい。
そんなコノハが見守る中、ぶんぶんと大きく一度首を振って。
(「嫌だ……コノに、これ以上、情けない姿見せれない」)
どうしても垂れたままの狐耳を、隠すように消せば――すとん、と。
あれだけ不安定に揺れていたはずの感情も表情も、すうっと消えていって。
(「ああ、この感覚」)
懐かしい……消え失せた表情のまま、さつまはいつぶりかの感覚に、身も心も委ねる。
そう、これは独りになった直後の……。
――失うモノが無く何も怖くなかった。
「…………」
そんなさつまの変化を横目で見たまま、コノハは二藍の色を映した刃を己の肌へと滑らせて。
二藍から柘榴の如き赤へと刃がその彩を変えれば……刹那、敵を捕食せんとするように鋭く剥かれる牙。
同時に風の鎧纏いし獣が生み出した鋭利な鎌風が頬を掠め、一筋の鮮血がはしるも。
それは、見切り躱した際の余波に過ぎず。
――イタダキマス。
『ガ、ァァッ!』
短く叫び、身を捩る首無き獣。
飢えた紅に染まる刃牙がその身を貪り喰わんと、何度も噛み砕き傷を抉れば。
瞬間、戦場に轟き落ちるは、黒き雷。
そして黒の衝撃が次に変えたいろは、妖艶な青。
「――ちょいと遊ぼうか」
全体に文様拡がった尻尾を揺らし敵の只中へと飛び込んださつまは、素早く今度は燃ゆる仔狐の如き炎を生み出して。
青き狐の燐火が堕ちた虎を焦がさんと、容赦なく襲い掛かる。
だが、危な気などもなく敵を仕留めていっている戦況にも関わらず、面白くなさそうに眉を寄せるコノハ。
その視線が向けられているのは、躯の海へと還っていく敵などではなく……垣間見る、初めての表情。
そして巻き起こる風を避け、再び地を蹴ったコノハが放ったのは。
さつまの額へと撃ち込む、デコピンならぬ――デコ拳!?
「!」
ぴょこりと垂れ耳が思わず出てしまうと同時に、デコピンという名の拳を受けた額を押さえるさつまに。
「隠すンじゃナイよ下手糞の癖に」
そう言い捨てるやいなや、柘榴の刃で、ざっと敵の放つ風をも薙いで斬り捨てて。
狙いを定めた一撃で、襲い来る獣を返り討ちにし沈めるコノハ。
「コノ!? ひ、ひぇ……」
そんなコノハに、さつまは瞳を見開き、出してしまった耳をぴこりとさせるけれども。
その表情には……一瞬で消えた過去のかわりに、消え失せていたいろが再び。
「いつまでもンなツラ晒すつもりなら、二度とテメェの飯は作ンねぇからな」
「それは、こまる……コノの料理は、うまい」
いつも出てくる料理は美味しくて、調理中のコノハも楽しそうで――何より、すきだから。
ふるりと首を振った後、敵へと改めて向き直るさつま。
耳は出たままだけど――もう、コノハのおかげで、過去はどこかにいったから。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
終夜・凛是
お節介のジナ(f13458)と
幻を通り抜けて
見られた、知られたことは何処か居心地が悪いままだ
けど、それにずっと気を向けてもいられない
頭がない……
村人には、色々言わない方がいいとみて黙る
何にせよ危害くわえるようなら、倒さなきゃ
お節介は、後ろ……来ても隣、まで
やっぱりまだ危なっかしいと思ってしまうから
俺がむけるのは拳
竜巻来てもその中を絶えて敵の懐へ
む……それは、そうだけど
でもここで倒れるようじゃにぃちゃんに合わせる顔がない
だから傷負っても、俺は前にいく
それより……
お節介怪我させた方が、合わせる顔無い
だからやっぱり、あんま前出るな
完全に守り切れないのはきっとまだ俺が、弱いから
もっと強く、なりたい…
ジナ・ラクスパー
…村の方々を守ろうとしていたのですね
推測でも構わない
その尊厳と気高い望みを守るためなら
ひとつも迷わず戦えますから
…まぼろしを見たばかりの凜是様(f10319)を気にかけつつ
少し居心地悪そうな様子には気づかないふり
呼吸合わせて一匹ずつ確実に
エンハンスで攻撃強化したら
敵の挙動を注視、来る風の威力を削ぐように槍を振るう
凜是様の強さは知っていますけれど
体ごとぶつかるような戦いぶりは頼もしく、少し気がかりで
いざという時は踏み込んで、躍る花爪で斬撃を押し返します
五体無事でなければ、お兄様を探しにもいけないのです
叶える望みのあるひとに
怪我なんてさせられません
もっと安心して隣を預けてくれるように
強く、なりたい
隠されていた森の道も、二藍の世界の幻影も、これで納得がいく。
「……村の方々を守ろうとしていたのですね」
いや、それが真実なのかどうかは、正直分からない。
でも、ジナ・ラクスパー(空色・f13458)は思う……推測でも構わない、と。
真相を知ることよりも、時として大切なことがある場合もあると。
だから、ジナに躊躇はない。
(「その尊厳と気高い望みを守るためなら、ひとつも迷わず戦えますから」)
白虎の尊厳と村人の信仰、どちらも裏切らないで済む方法。
それを叶えることができるのは、今この場所にいる、自分たちだけなのだから。
でも……気付かないふりをしているけれど。
そっとジナが気にかけるのは、少し居心地悪そうな、隣の終夜・凛是(無二・f10319)の様子。
幻影だと分かっていても追いかけた、会いたいのに出会えない、灰青のいろ。
それを見られた、知られたことは……何処か居心地が悪いままで。
だけど、それにずっと気を向けてもいられない、と。
凛是は、眼前の存在へと目を向ける。
『グルルルゥゥ……!』
「頭がない……」
ぽろりと零れた言葉。けれどすぐに口を噤む凛是。
村人には色々言わない方がいいと、そう思ったし。
(「何にせよ危害くわえるようなら、倒さなきゃ」)
オブリビオンと化した今、すでにそれは滅さねばならないモノだから。
そしてちらりと凛是は、隣のジナへと、橙を帯びた視線を向ける。
「お節介は、後ろ……来ても隣、まで」
並んで前へと出て戦いたいと、そう思っているのは分かるし。
戦えることだって、分かっているのだけれど。
それでもやっぱりまだ危なっかしいと……凛是は思ってしまう。
そんな凛是の言葉に、言いたいことは沢山あるけれど。
今は飲み込み、ジナは彼の隣に並んで、3種の魔力の加護を纏い自身を強化させてから。
戦場に巻き起こる風の挙動を読み、精霊の育てた藍水晶の花を戴く槍を振るえば。
地を蹴り、巻き起こる竜巻にも怯まず、ただひたすら敵前へと出て。
風の衝撃ではしった鮮血も全く厭うことなく、敵の懐へと飛び込んだ凛是は、連なる淡き色握る拳の一撃を敵へと叩き込む。
凜是様の強さは知っている。
けれど、体ごとぶつかるような戦いぶりは頼もしくもあり、少し気がかりでもあるから。
いざという時は、花弁と共に、踏み込む覚悟を抱きながらも。
ジナはこう、凛是へと紡ぐ。
「五体無事でなければ、お兄様を探しにもいけないのです」
叶える望みのあるひとに怪我なんてさせられません、と。
「む……それは、そうだけど」
耳をぴこりと動かして、凛是は一瞬、ジナへと目を向けるけれど。
「でもここで倒れるようじゃにぃちゃんに合わせる顔がない」
――だから傷負っても、俺は前にいく。
そう、すぐに前を見据えてから。
「それより……お節介怪我させた方が、合わせる顔無い。だからやっぱり、あんま前出るな」
それだけ言うと、再び風の戦場へと凛是は大きく地を蹴る。
そんな背中を見つめ、ぎゅっと槍を握りしめながら、ジナは改めて思う。
もっと安心して隣を預けてくれるように――強く、なりたい。
そして、凛是も。
(「完全に守り切れないのはきっとまだ俺が、弱いから」)
隣に並ぶお節介な少女を守り切れると、そう自信が持てるくらいに。
そしてあの灰青にいつか追いついて、並べるくらいに。
自分のことを……いつか、見て貰えるように。
(「もっと強く、なりたい……」)
巻き起こる風の圧の中、ただひたすら灰青のいろを追う様に、前だけを見据えて。
獣を灰燼と化す拳を、凛是は一心に振るい続ける。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
誘名・櫻宵
🌸リル/f10762
アドリブ歓迎
リル、落ち着いた?大丈夫
そばにいるわ
(あれがリィがずっといた場所。あんな所にずっと。それでもこんなにも無垢で。美しいのね
あなたは)
詳しいわねリル
2つの紫陽花は神と人とが寄り添っているみたい
家族団欒、なんて花言葉もあるのよ
そうね、白虎
首がないのが残念だわ
だいぶ、苦しんでるみたいだから――ええ!
楽にしてあげましょう
人々を守った神獣として
守った人達を傷つける前に
刀に纏わせるのは破魔かしら
あたしを守るリルの歌に微笑み駆けて
怪力込めてなぎ払う
見切り躱して咄嗟の一撃
斬撃に生命力吸収する呪詛を添え
飛び込み放つは「絶華」
白虎はあたしも馴染み深いの
昔、一緒にいた
だから帰りなさい
リル・ルリ
■櫻宵/f02768
アドリブ歓迎
櫻、櫻……ありがとう
そばにいてくれて
君がいる
だから僕は大丈夫
君が横にいてくれてよかった
2つの色の紫陽花は
あるかり、とさん。の属性で色違いになるんだって
属性は違っても一緒に咲いている
ふふ、そうだきっと
愛しい人の手を握って微笑んで
さぁ、首のない神をたすけよう
あれが白虎?
櫻は陰陽師だもの
思うところもあるのかな?
終わらせよう
躯へかえそう
歌う歌は君達を送る葬送曲
歌唱に込める鼓舞は、愛しい櫻の為の凱旋の歌
オーラ防御の水泡で櫻宵への攻撃を防いで歌う
神の力を封じる『星縛の歌』を
例え相手がなんであろうとも
櫻は、僕が守るんだから
行っておいで、櫻
首はないようだけど
彼らをおくってあげて
やめて、見られたくない――そう思った、水槽世界の光景だけれど。
「リル、落ち着いた?」
……大丈夫、そばにいるわ。
引かれた華やかな赤が、見つめる柔い桜色の瞳をより美しく飾って。
耳を擽るような優しい声の響きに、ほっと心が解けていく。
「櫻、櫻……ありがとう。そばにいてくれて」
リル・ルリ(想愛アクアリウム・f10762)は、大切な櫻だからこそ、過去をみられたくないと思ったけれど。
「君がいる、だから僕は大丈夫。君が横にいてくれてよかった」
君だったからこそ――過去を振り切ることができた。
それに、誘名・櫻宵(屠櫻・f02768)にとっても。
(「あれがリィがずっといた場所。あんな所にずっと」)
愛おしい人魚が見てきた残酷な世界を共有し、目にして……ぎゅっと胸が締め付けられるような感覚を覚えながらも。
――それでもこんなにも無垢で。美しいのね、あなたは。
二藍咲く景色を游ぐ、大切な人魚の眩いばかりの煌めきに、改めて目を奪われる。
そんな櫻宵の瞳を見つめ返しながら。
「2つの色の紫陽花は、あるかり、とさん。の属性で色違いになるんだって」
属性は違っても一緒に咲いている……リルはそう紡ぎながらも、咲き誇る二藍のいろを薄花桜の瞳に宿して。
「詳しいわねリル。家族団欒、なんて花言葉もあるのよ。2つの紫陽花は神と人とが寄り添っているみたいね」
「ふふ、そうだきっと」
紫陽花みたいに寄り添いながら。愛しい人の手を握り、二人が咲かせるのは、微笑みの花。
そして、どこか哀し気な色を纏った咆哮を戦場に轟かせる存在に、一緒に視線を向ける。
「さぁ、首のない神をたすけよう」
……あれが白虎?
(「櫻は陰陽師だもの。思うところもあるのかな?」)
秘色から瑠璃へと移ろう髪を小さく揺らしながら、ふと首を傾けるリルに。
「そうね、白虎。首がないのが残念だわ」
櫻宵は頷きつつも、紅い紅い血桜の太刀に破魔纏わせ、そして紡ぐ。
「だいぶ、苦しんでるみたいだから――ええ! 楽にしてあげましょう」
――人々を守った神獣として、守った人達を傷つける前に。
――終わらせよう、躯へかえそう。
ふたりはそう視線を交わし合い、再び頷き合った後。
『グオオオォォ……!』
眼前で風纏う、頭無き白虎へと同時に向き直る。
刹那美しく響くは――君達を送る葬送曲。
その旋律に込める鼓舞は、愛しい櫻の為だけの凱旋の歌。
七色を密かに纏う水泡が、美しく咲く櫻を守らんと戦場を揺蕩って。
神の力をも封じる――『星縛の歌』を。
そして守ってくれているその歌に微笑み、駆ける櫻宵。
握る屠桜に怪力をのせ、竜巻をも見切り躱すと、生じた敵の隙に咄嗟の一撃を。
さらに見舞う斬撃に生命力吸収する呪詛を添え、巻き起こる風ごと力強く薙ぎ払う。
(「例え相手がなんであろうとも。櫻は、僕が守るんだから」)
――行っておいで、櫻。
「首はないようだけど、彼らをおくってあげて」
玲瓏たる声で紡がれたリルの言葉に、櫻宵はもう一度、微笑みを咲かせ返して。
「白虎はあたしも馴染み深いの。昔、一緒にいた」
――だから帰りなさい。
そんな己と、そしてリルの分の思いものせて。
飛び込み放った、空間ごと断ち斬る強烈な斬撃がはらり、まさに華を散らせるように。
『ガァアア……!』
また1体、哀しき神獣を躯の海へと還してあげるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
出水宮・カガリ
【ヤド箱】
どこまでが真実なのか…
真は、この狂える白虎ですら、もうわからんのだろう
神獣白虎の、成れの果て
真正のカミには劣るが…その凶行、カミの眼で留めよう
【内なる大神<オオカミ>】の意識を呼び起こす
その神力の一端で以て、【大神の神眼】を発動
【死都之塞】でできる限り多くの白虎の意思を閉ざす
狂気のオブリビオンに堕ちようとも
否、オブリビオンだからこそ持つ、原点にして不動の意思がある
『この世界が憎い』『破壊せずにはいられない』という、悲しい意思を――閉じる
静寂(しじま)に還れ、かつて気高く猛くありしもの
汝(なれ)の痛みは、間もなく終わるものなれば
ステラ・アルゲン
【ヤド箱】
身を堕としてもなお人を巻き込まぬように動き
そして自身を倒せる者を呼び込もうとしたか……
その願いには応えなければならない
私は流星剣、願い叶える剣なのだから
前衛に出て敵の相手をしよう
竜巻は敵の動きに合わせて動くならば、敵の動きを【情報収集】して竜巻の動きを予測し避けよう
敵の動きを止めるように【全力魔法】の氷【属性攻撃】で凍結させる
敵の動きが止まったら【オーラ防御】を展開しつつ【ダッシュ】で近づく
【祈り】と【優しさ】を込めて【流星一閃】
1体斬り終えたら次へ【高速詠唱】で【2回攻撃】
救う手立てがない以上、せめて苦しまぬように在るべき場所へ導こう
勘解由小路・津雲
【ヤド箱】で参加
なんと痛ましい……。こうなっては、もはや倒して解放するしか術はないか。その苦しみから、今解き放とう。
【戦闘】 【符術・結界陣】を使用。
相手の「飄風」は極端に射程が短い。とはいえ相手は白虎、その機動力は侮りがたく、数も多い。
【符術・結界陣】の一部で近づかれぬよう自分の身を守りながら、残りで相手を足止めしよう。あるいは、前衛に立つ仲間がいるなら、不意を突かれぬようガードにも使いたい。
攻撃は「破魔」を用いて浄化を試みる。せめて苦しみのないように……。
落浜・語
【ヤド箱】
白虎って言うとなんというか、この前同じの相手した時も思ったことがあるが……誰かさんの真の姿も……(津雲さんの方をチラ見。)
まぁ、これ以上はやめとこ。誰かさんに限ってそんなことはあり得ないしな。
さて、出来るだけ早く送るのが一番かね?
『人形神楽』を使用。ほぼ、人形が勝手に動くがある程度は糸で制御。
躱されてしまうとどうにもならないんだが、他の人が足止めをしてくれているんで、そちらから狙えばあるいは。
俺自身はできる限り距離を取っておくが此方へ攻撃が来るようなら人形なり奏剣つかうなりで対応。
ペイン・フィン
【ヤド箱】
……成る程、ね。
……嫌な物は、見せられたけど、
怒りは、ないよ。
だから、せめて……。送って、あげるよ。
コードを使用。
自分の腕の属性を変転。破魔属性に。
そして、その腕に焼き鏝“ジョン・フット”を持つよ。
今、この場においては、だけど、
自分の兄、”ジョン・フット”は怨念を生む物ではなくなる。
罪を焼き示し、痛みを刻むのではなく、
その怨念を焼き払い、浄化し、優しく焼く。
せめてその魂が、痛みと怨念の連鎖から解き放たれますように。
秘された森道に咲いていた艶やかな二藍のいろは、怖いくらいに静かで。
侵入してきた者達の心をそっと探るかの如く、音も立てずに咲き誇っていたけれど。
森の道を抜け、辿り着いた神社に咲いている花々は森の道のものと同じ彩をしているのに、ざわざわと音を鳴らす。
かつて、この神社に大切に祀られていた存在。
そして今は、オブリビオンと成り下がった、堕ちた白虎。
頭無き獣が巻き起こす風が、一面を染める二藍を、不穏にざわつかせている。
「なんと痛ましい……」
勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)は眼前の変わり果てた神獣の姿に、そう零さずにはいられなかった。
退魔師であった、かつての持ち主の遺志を継ぎ闘う彼にとって、四神は縁がある存在。
いや、その中でも、特に白虎は……。
(「白虎って言うとなんというか、この前同じようなの相手した時も思ったことがあるが……誰かさんの真の姿も……」)
そうちらりと津雲を見遣るのは、落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)。
けれど、すぐにそっと視線を逸らし、小さく首を振る。
(「まぁ、これ以上はやめとこ。誰かさんに限ってそんなことはあり得ないしな」)
それから気を取り直し、目の前で猛る頭無き白虎へと目を向けて。今度はふと首を傾ける。
語は以前も、似たようなオブリビオンと対峙したことがあるというが……。
もしかしたら、神獣や式神の頭を喰らうオブリビオンが、どこかに存在するのかもしれない。
しかし、まず今やるべきこと、それは。
(「こうなっては、もはや倒して解放するしか術はないか。その苦しみから、今解き放とう」)
津雲は、神獣であった頭無き白虎を苦しみから解放してあげるべく、旅団の仲間とともに戦いに身を投じる。
オブリビオンは、躯の海へと還さねばならない存在であるから。
だが災魔と成り下がっても尚、神獣として守りたいものがあったのかもしれない。
(「身を堕としてもなお人を巻き込まぬように動き、そして自身を倒せる者を呼び込もうとしたか……」)
ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)はおもむろにスッと、流星から生まれし青の魔剣を抜く。
村人を遠ざけ、危害が及ばぬようにと。
もしも此処に辿り着く者がいたら――その時は、己を滅して欲しいと。
真実はわからないが、森の道で見せられた幻影もそれだと納得できる。
そして、ステラは思う――その願いには、応えなければならないと。
(「私は流星剣、願い叶える剣なのだから」)
「……成る程、ね」
森道では、嫌なものを見せられてしまったけれど。
そうぼそりと呟いたペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)の感情に、堕ちた白虎に対しての怒りはないから。
「だから、せめて……。送って、あげるよ」
在るべき場所へと、神獣であった眼前の存在を還してあげようと思う。
(「どこまでが真実なのか……真は、この狂える白虎ですら、もうわからんのだろう」)
幻影が現れる二藍の森道は、神獣であった白虎の、最後の良心であったのかもしれない。
けれどもきっと、そんな神獣としての思いも。
一体その身に何があったのかさえも……もう、眼前の白虎は覚えてなどないだろう。
出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)は、神獣白虎の成れの果て――頭無きオブリビオンの姿を紫の瞳に映して。
皆と共に、その願いを叶えんと紡ぐ。
「真正のカミには劣るが……その凶行、カミの眼で留めよう」
刹那、梅雨に咲く花々のような紫のはずのカガリの瞳が、生々しい柘榴のいろへとかわって。
喚び起こされた内なる大神の意識が、その神眼を、神力の一端で以って開眼させる。
そして、大神の神眼は開かれたけれど。
(「狂気のオブリビオンに堕ちようとも……否、オブリビオンだからこそ持つ、原点にして不動の意思がある」)
『この世界が憎い』『破壊せずにはいられない』。
カガリは、そんな堕ちし存在と成り下がってしまった獣の悲しい意思を――閉じる。
「静寂に還れ、かつて気高く猛くありしもの。汝の痛みは、間もなく終わるものなれば」
『グォオオ……!』
――吾は古のもの。鐵の門、其の礎。磐戸なる大神なれば。吾は閉ざし、隔ち、守るもの。
そう紡がれた言の葉が宿す磐戸の神力が、獣の自由意思を閉ざせば。
すかさず前へと踊るように飛び出したのは、ステラ。
刹那生じた3つの竜巻が、白虎の動きと呼応するように戦場を荒ぶるけれど。
その特性を逆手に取り、動きを予測し躱して。
動きを止めるべく、凍てつく氷の魔力をぶつける。
そして戦場に閃く青のいろに、祈りと優しさを込めて。
「救う手立てがない以上、せめて苦しまぬように在るべき場所へ導こう」
天駆ける一筋の流星の如き一閃が、頭無き白虎へと見舞われる。
鮮やかに斬り伏せられた獣は、断末魔の咆哮を上げて躯の海へと還っていくけれど。
「!」
風を纏いし堕ちた獣は、まだ複数存在する。
纏う風を刃に変え、猟兵たちを斬り裂かんと飛び掛かる、頭無き白虎。
けれども――そうはさせぬと、ひらり戦場を舞い飛ぶのは、霊符。
「如何なる厄災もここより立ち入りを禁ず、急急如律令!」
鋭利な飄風の突進を起こす敵の射程は短いけれど。
相手は白虎……その機動力は侮りがたく、数も多い。
津雲は己を霊符で守りながら、残りの符で前衛の仲間が不意を突かれぬよう守護し、敵の足止めをしながらも。
――せめて苦しみのないように……。
まるで花弁の如く霊符舞わせる中、破魔を用い、堕ちた神獣の浄化を試みる。
そして二藍の戦場に躍り出るのは、文楽人形。
「これ以降は俺の手元じゃないんで、頑張って躱してくれ」
糸で軽く制御する程度に操りながらも、語は距離を取りつつ戦況を窺って。
人形の自立攻撃が躱されぬよう、仲間が足止めしてくれているその隙を狙うべく、巧みに絡繰りを仕向ける。
そんな文楽人形が、超高速の連続攻撃を獣へと繰り出す中。
「……今こそ、使いどき……、かな」
フィンが発動させたのは――自身の属性を反転させる、破魔属性の身を得るユーべルコード。
そしてその腕に携えるは、蒼き炎を纏う焼き鏝。
そんな自分の兄、”ジョン・フット”は、魂を焼き、肉を焦がし、神経を痛めつけるような。
そんな怨念を生む物では、今だけはない。
『ガアアァァ……!』
――せめてその魂が、痛みと怨念の連鎖から解き放たれますように。
破魔属性宿すその蒼のいろは、風に渦巻く怨念を焼き払って。
その悪しき魂を浄化し、優しく焦がした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
ベスティア・クローヴェル
花世(f11024)と
ここに至るまでの道で、私は何も見なかった
私の隣には花世がいて、目の前には焼き払うべき敵がいる
それが私が見ているもの
まだ見えぬ明日のことを気にする余裕はない
足並みを合わせて真っ直ぐに突っ込み、
大剣に炎を纏わせ終末の炎剣と成す
花世が軌道を逸らしたなら、その隙に炎剣で討ち取ろう
返す刀で炎を撒き散らしながら、
切り裂き、貫き、打ち払い、叩きつけ、焼き尽くす
これ以上苦しむ事が無いように
そして安らかに眠れるように、この炎で導こう
手向けの花弁が視界を覆えば、
その旅路が無事に終われるように祈り捧げよう
村が心配だろうけど、大丈夫
神の手を借りなくてもやっていける
だから、おやすみなさい。いい夢を
境・花世
ベティ(f05323)と
まぼろしの名残は二藍に融け
隣には確かにきみが生きている
だから、今は何も迷わずに
いのちの限り戦うだけでいい
互いの死角を補うように
並んで駆け出し敵の眼前へ
ベティを狙う風が吹いたなら
ひらり翻す扇で軌道を逸らそう
きみをそう簡単に傷付けさせやしないよ
そのために、今、ここにいるんだ
扇はそのまま薄紅に舞い散って
風に巻かれて尚世界を埋め尽くす
幾千、幾百、一片でも届いたなら
哀れな白虎の身を切り裂いて
ベティの蒼い炎が往く路を灯すなら
この花は手向けと成そう
穏やかに、安らかに、おかえりよ
いのちの果て、誰もが還る骸の海へ
――きみも、わたしも、いつか往くその場所へ
……ただ信じられたのは、掌からじわり伝わっていた、あたたかな感覚。
ベスティア・クローヴェル(諦観の獣・f05323)は来た道を振り返らず、前だけを見て。
二藍の森道を抜け、視界がひらけた先……辿り着いたのは、朽ち気味の神社。
――ここに至るまでの道で、私は何も見なかった。
ベスティアは、まずその赤き瞳をすぐ隣へと向ければ。
そこには、境・花世(*葬・f11024)の姿が。
そして。
『グルルルゥゥ……!』
目の前に視線を映せば、焼き払うべき敵の群れ。
(「それが私が見ているもの」)
ベスティアは改めて、『今』だけを見据える――まだ見えぬ明日のことを気にする余裕はない、と。
天に昇る煙の銀も、夢幻の名残も、疾うに二藍に融けて。
隣を見れば……確かにきみが生きている。
花世は、ふと合った視線に自然と薄紅の瞳を細めて。
そしてベスティアとともに、前だけを向く。
(「きみが生きている。だから、今は何も迷わずに――いのちの限り戦うだけでいい」)
刹那、互いの死角を補うように二人同時に地を蹴り、真っ直ぐと敵前へと駆ければ。
燃え盛る炎が刹那、終末の炎剣と化して。ベスティアが握る刃は、太陽を飲み込んでも決して溶ける事のないの大剣。
そして行方を阻まんと巻き起こる風を感じた花世の手元にぱっと咲くは、嫋やかな春いろの扇。
「きみをそう簡単に傷付けさせやしないよ」
――そのために、今、ここにいるんだ。
ひらり花世が扇を翻せば、激しく吹く風がその軌道を変えて。滅すべき獣へと続く道を作る。
そんな花世が切り拓いた風無き道を、燃え盛る炎で成した剣を手にベスティアは駆けて。
「――太陽を超えて耀け、炎の剣よ」
戦場に巻き散り咲くは、激しい熱さを宿す耀き。
『ガァァッ!』
敵に叩きつけられた巨大な炎剣は、その身を斬り裂き、貫き、打ち払い――そして、焼き尽くす。
(「これ以上苦しむ事が無いように。そして安らかに眠れるように」)
この炎で導こう――ベスティアがそう握る炎の刃を、堕ちた獣へと振り下ろせば。
はらり、ひらり……ほろほろと翻る春のいろが解け、数多の薄紅となって。
花世の手を離れた牡丹の花弁たちは風に巻かれ、二藍のいろと混ざり合う。
その幾千、幾百、一片の薄紅が刃となり、哀れな白虎の身を切り裂いて。
先に灯る蒼き炎の導きのまま、躯の海へと還る手向けの花弁に。
ベスティアは花弁舞う中、その旅路が無事に終われるようにと……そう祈り捧げながら。
「村が心配だろうけど、大丈夫。神の手を借りなくてもやっていける」
――だから、おやすみなさい。いい夢を。
堕ちた神獣を解放するべく、炎で燃やし尽くして。
「穏やかに、安らかに、おかえりよ。いのちの果て、誰もが還る骸の海へ」
花世も、花弁の如き舞い散る炎に焦がれる獣たちを見送る。
――きみも、わたしも、いつか往くその場所へ……と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
辰神・明
ディフおにいちゃん(f05200)と
アキラ、おねえちゃん……おねがい、です
おねがい、ディフおにいちゃんを、守ってです……!
(人格交代後、ローブから飛び出して)
虎、なァ……アタシ的には同族みたいなモンなのかね
ただ、こうなっちまったらしゃーねェよな
メイの頼みだし、ディフ!後ろは任せたよ!
白虎の攻撃から出来るだけ、ディフを【かばう】よ
【オーラ防御】で被害を減らして【激痛耐性】で歯を食いしばる
ディフ、早くブチかませ!
守るっつーのはなァ、敵を早くブッ倒すコトでもあるっての!
追撃に【捨て身の一撃】で、至近距離での叫雨を発動
……あと誰が人形だって?
あの虎の為を思えんなら、アンタは充分ヒトだっつーの
ディフ・クライン
明(f00192)と
かわいそうだって、思った
あんな姿で、好きだったものを遠ざけて
この二藍は…君も、好きだったのかな
メイ…?
アキラ、か?
いきなり飛び出したのは驚いたけれど、しっかりと前を見据え
…そうだね、仕方ない
還してあげよう、アキラ
いいよ、任せて
でも、痛い時は無理しないで
オレは人形だ、オレが多少壊れるくらいは構わないから
…成程
守ることは、素早く相手を倒すこと
覚えたよ
なら、君の為にも…あの、白虎の為にも
王の剣で、終わらせよう
【覚悟】と【呪詛】宿す【全力魔法】でUCで騎士王召喚
鳥籠を今、開こう
――王よ
巨大な騎馬、漆黒の鎧の王よ
明を守る為に、あの白虎の魂の為に、あれを斬ってくれ
…いや、オレは人形だよ
青の天然星が揺れる宵の彩りで、小さな身体を優しく包み隠したまま。
ディフ・クライン(灰色の雪・f05200)は視界広がったその光景に、ぽつりとこう零す。
――かわいそうだって、思った……と。
「あんな姿で、好きだったものを遠ざけて」
この二藍は……君も、好きだったのかな、と。
そう、哀しき咆哮を天へと轟かせる獣へと夜色の瞳を向ければ。
(「アキラ、おねえちゃん……おねがい、です。おねがい、ディフおにいちゃんを、守ってです……!」)
首元を飾る天然石の煌めきを揺らしながら。雪月の夜で編んだローブから二藍の世界へと刹那飛び出したのは、辰神・明(双星・f00192)。
いや――明は明でも。
「メイ……? アキラ、か?」
「虎、なァ……アタシ的には同族みたいなモンなのかね。ただ、こうなっちまったらしゃーねェよな」
一瞬、驚いた様にぱちくりと、ディフは瞳を瞬かせ見開いたけれど。
「……そうだね、仕方ない。還してあげよう、アキラ」
「メイの頼みだし、ディフ! 後ろは任せたよ!」
――いいよ、任せて。
しっかりと前を見据え、メイと交代したアキラの声に頷いて。
「でも、痛い時は無理しないで。オレは人形だ、オレが多少壊れるくらいは構わないから」
そう、勢いよく地を蹴ったアキラの背中へと紡ぐ。
『グオオォオ……!!』
瞬間、風を纏いし獣が放つのは、鋭利なかまいたちの衝撃。
「……く!」
守りのオーラでその身を覆いながら、ディフを庇うべく位置を取って。
ぐっと歯を食いしばり、はしる鮮血の痛みに耐えつつもアキラは叫ぶ。
「ディフ、早くブチかませ! 守るっつーのはなァ、敵を早くブッ倒すコトでもあるっての!」
痛い時は無理しないで欲しいと、そう願ってるディフだけれど。
アキラのその声に、こくりとひとつ理解したように頷いて。
「……成程。守ることは、素早く相手を倒すこと――覚えたよ」
覚悟と呪詛を込めた魔力を、全力で鈍色の天へと編み上げていく。
――今こそ、鳥籠を開いて。
「なら、君の為にも……あの、白虎の為にも。王の剣で、終わらせよう」
ディフが二藍の戦場に喚ぶのは、淪落せし騎士王。
そして王へと、こう続けて紡ぐ。
「――王よ。巨大な騎馬、漆黒の鎧の王よ。明を守る為に、あの白虎の魂の為に、あれを斬ってくれ」
刹那、その思いを聞き入れた王の剣が、アキラの眼前にいる堕ちた白虎の身を斬り裂いて。
「数は力、って言うだろ!」
『ガァアア……ッ!』
至近距離から咄嗟に放たれた、血で成した呪槍の雨。
アキラが発動させた叫雨の衝撃が頭無き白虎の身体を数多貫き、躯の海へと還す。
そして……ふと振り返り様、ディフへと投げられる声。
「……あと誰が人形だって? あの虎の為を思えんなら、アンタは充分ヒトだっつーの」
けれど、そんなアキラの言葉にも。
「……いや、オレは人形だよ」
ディフは青の石を揺らし雪月の夜を纏い直しながら、ふるりとそう、首を振る。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マレーク・グランシャール
宵(f02925)と共に
頭を喰われ神たる身をオブリビオンへと堕としたか
宵の言う通りだ
頭を失い、記憶を失い、だからこそ失った過去をこれから来る未来を悪夢という形で迷いの森は見せた
俺にはそう思える
なれば白虎、お前達を俺が悪夢より解放しよう
神に戻れぬのならせめて──
俺の槍の一撃は強力だが竜巻に阻まれる
そうならぬ為に宵が囮となり隕石を落としてくれる
敵が竜巻以外のUCを使い始めた時が好機
すかさず【流星蒼槍】を詠唱して遠くの敵には槍を投げ、召喚した双頭竜で追撃
自分も【黒華軍靴】で機動性を上げたら【魔槍雷帝】を手に串刺した敵を雷撃
敵の攻撃は【金月藤門】で目を欺いて回避
宵の攻撃で弱っているうちに確実に仕留める
逢坂・宵
マレーク君(f09171)と
……守り神も、さぞかし悲しみに狂ったでしょう
けれど、この場所を守るために、そしてオブリビオンと化した自分を倒して貰うために
こうしてこの迷い路を作ったのならば、なるほど此処は僕たちの出番であり
僕たちにしかなせない仕事であるのでしょう
そうならば、それをかなえて差し上げなくては
マレーク君の援護を行いつつ、
「高速詠唱」「2回攻撃」「属性攻撃」「全力魔法」を乗せた
『天航アストロゲーション』で狙い撃ちましょう
出来得る限り強調してオブリビオンを各個撃破していくために
「衝撃波」「吹き飛ばし」による援護射撃も行っていきます
かの神も、叶うことならばこの社の神として居たかったことでしょう
静寂の中、そっと咲いていた森道のものと、同じいろをしているけれど。
『グオオオォオ……!』
今眼前に咲くのは、轟く獣の咆哮と巻き起こる激しい風にざわりと大きく揺れる、二藍の花々。
「頭を喰われ、神たる身をオブリビオンへと堕としたか」
「……守り神も、さぞかし悲しみに狂ったでしょう」
手を取り森を抜け、辿り着いた神社で待っていたモノ。
マレーク・グランシャール(黒曜飢竜・f09171)と逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は、哀しみの色を孕み吼える獣――頭無き白虎へと、そう紡いで。
宵はふと思案するように深宵の星空を白虎へと向けつつも、続ける。
「けれど、この場所を守るために、そしてオブリビオンと化した自分を倒して貰うために、こうしてこの迷い路を作ったのならば。なるほど此処は僕たちの出番であり、僕たちにしかなせない仕事であるのでしょう」
――そうならば、それをかなえて差し上げなくては、と。
そんな言の葉に、宵の言う通りだ、と。
マレークもひとつ同意するように頷けば。
「頭を失い、記憶を失い、だからこそ失った過去をこれから来る未来を悪夢という形で迷いの森は見せた――俺にはそう思える」
雷竜を蒼き稲妻纏いし槍へと変え、荒ぶる魂を刃と成して。
「なれば白虎、お前達を俺が悪夢より解放しよう」
神に戻れぬのならせめて──風が吹き荒れる戦場へ身を投じんと、大きく地を蹴る。
同時に、今にも再び雨が降らんとしていたはずの鈍色の空から墜ちるのは、天より招来した隕石。
――星降る夜を、あなたに。
墜つる彗星は人々を魅了する美しさを持つとともに、時には地平に災いをもたらす。
そんな宵の魔力によって落ちた星の衝撃波が、戦場に巻き起こる竜巻を吹き飛ばし、敵へと見舞われて。
己の強烈な槍の一撃を阻むだろう竜巻が宵の落とす隕石により打ち消される、その機を窺っていたマレークが、一気に攻めへと転じる。
風を纏い、動く速度を上げた獣が放つのは、鋭利なかまいたち。
だが、鋭い風に鮮血がはしることも厭わずに。
「――星を穿て、蒼き稲妻を纏いし碧眼の双頭竜」
槍の鋭撃を見舞った白虎へと、戦場を飛ぶ双頭竜の追撃の牙が剥かれれば。
まるで空を駆けるかのように、黒華軍靴で空力を利用し、飛躍的に上がったその走力と跳躍力をもって。
一気に敵との距離を縮めたマレークは、左手の甲に秘めた月と藤の成す残像で鋭利な風を欺きながらも。
『グア、アアァァ……ッ!』
雷竜の蒼き稲妻の如き鋭撃を繰り出し、オブリビオンへと堕ちた獣の身を、容赦なく撃ち貫いて。
「かの神も、叶うことならばこの社の神として居たかったことでしょう」
二藍咲く世界から躯の海へと還る獣を、暫しマレークとともに、宵も見送るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鳴北・誉人
饗(f00169)と
「平気か?
「ほっぺ…よし、気合い入ったな?
彼を気遣いながら収まらない苛立ちを敵にぶつける
神獣だかなんだか…今はオブリビオンだろォが
「っしゃ、いくぜ!
刀で立ち回る
二回攻撃で手数増やす
うしろに饗がいて、なにに負けンだよ…!
こんな心強いのあるか?
(だから帰ったら甘やかす。メシでも甘味でもなんだって…)
「っ!そか…俺も楽しいよォ!
「来い、饗!
UC使うときは饗を呼ぶ
脇差一本ありゃァなんとでもなる
花嵐を目眩しにした饗を花弁で助力
花弁は吹き飛ばされねえようにオーラで防御しとく
向かってくる竜巻の動き見切って躱す
白虎は脇差で斬っていくぜ
お前に聞きたいこといっぱいあっから
あとで、たくさん話そう
香神乃・饗
誉人(f02030)と
碌でもない力試しだったっすけど捨て置けないっす
鎮めてやるっす!
(心配かけないようしっかりするっす!)両頬バシっと叩く
大丈夫っす行けるっす!(いつも通りの笑顔
「こっちは任せるっす!」
投げても戻せるよう苦無を剛糸で繋ぐ
誉人の背等死角を補うよう応戦
誉人が討ちやすいよう剛糸で絞めたり苦無で支援しフェイントをかけるっす
「誉人、不謹慎っすけど俺楽しいっす!誉人と一緒だと楽しいっす」
攻撃は敵を剛糸で絡めとり盾にして護るっす
竜巻でも良い盾になるっす誉人のほうにぶん投げる
「合点承知っす、誉人!」
呼ばれたら香神共鳴
花の嵐をフェイントに苦無で暗殺するっす!
消えた刀分働くっす
問いには肯定の頷きを
もう、ダチを苦しめる不穏な花影は鳴りを潜め、ただ二藍の彩りだけが咲いているけれど。
「平気か?」
鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)は眼前の敵よりもまず、隣にいる香神乃・饗(東風・f00169)の方へと目を向ければ。
「碌でもない力試しだったっすけど捨て置けないっす。鎮めてやるっす!」
饗の両頬でバシッと、威勢の良い音が鳴る。
「ほっぺ……よし、気合い入ったな?」
「大丈夫っす行けるっす!」
――心配かけないようしっかりするっす!
そう相棒に向ける、いつも通りの笑顔。
そんな饗を気遣いながらも。
「神獣だかなんだか……今はオブリビオンだろォが」
誉人が抱いて収まらない感情は、苛立ち。
それをぶつけんと、ぐっと白銀が閃き咲く刀身の愛刀を握り締めて。
「っしゃ、いくぜ!」
「こっちは任せるっす!」
誉人は饗とともに、二藍の戦場へと身を投じる。
そんな誉人の死角を補うように鈍色の空に投じられるは、断じて斬れぬ糸で繋いだ苦無。
『ガアァ……ッ!』
竜巻を生み出し操らんとする獣を、そうはさせないと放たれた糸が絞め上げて。
「うしろに饗がいて、なにに負けンだよ……!」
振るう唯華月代の斬撃が一閃、そしてもう一閃と獣の身を斬り伏せる。
素早い動きを誇る虎も、糸に絡めとられては身動きできない。
――こんな心強いのあるか?
(「だから帰ったら甘やかす。メシでも甘味でもなんだって……」)
誉人がそう、背中を預ける饗へと一瞬振り返れば。
「誉人、不謹慎っすけど俺楽しいっす!誉人と一緒だと楽しいっす」
「っ!そか……俺も楽しいよォ!」
再び巻き起こる竜巻も、糸に操られ投げられた敵が、二人の盾となる。
誉人は共に戦える楽しさに心弾ませながらも、生じた敵の隙を逃さずに。
「来い、饗!」
――舞い狂え。
はらり白銀の刃を刹那、白きアネモネの花弁へと変えて。
戦場に吹雪かせながら、相棒を呼ぶ。
その声に、饗も応えて。
「合点承知っす、誉人!」
――存分に喰らうっす!
誉人とだからこそ振るえる、森羅万象を両断する疾風迅雷の刃を、敵へと見舞う。
そして白き花弁で饗を隠し、支えながらも――誉人がその手に握るは、仄青く光る脇差。
襲い来る竜巻の動き見切って躱し、脇差の斬撃を頭無き白虎へと突き立て、斬っていきながら。
「お前に聞きたいこといっぱいあっから。あとで、たくさん話そう」
疾風迅雷の刃を存分に振るう饗へと、誉人がこう紡げば。
二藍咲く中、返ってくるのは――こくりとひとつ、肯定の頷き。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
有栖川・夏介
※アドリブ、絡み歓迎
そうですか。刎ねる首は、ないのですね……。
オブリビオンとはいえ元は神獣ですし、最大限の敬意を払いましょう。
「……いきます」
「神を殺す小刀」を構えて、目の前の敵を殺す【覚悟】を決める。
【ダッシュ】で駆けて【先制攻撃】【2回攻撃】
相手の動きを封じるために足を狙って攻撃します。
多少の攻撃は【激痛耐性】で耐え、風ごと切り裂いて間合いを詰めます。
UC【絶望の福音】で致命傷になりそうな攻撃は回避します。
オブリビオンが滅びるまで、何度でも攻撃し続けましょう。
終わった後は、みなさんの治療ができればと思います。
二藍のいろの中に血の色は相応しくありませんから……。
花剣・耀子
何があったのかを問うのも無意味ね。
ここにこう在ってしまったのが事実。
……その推測が、真実か否かは判らないけれど。
あたしができることも、することも、ひとつだけよ。
すべて斬り果たすわ。
行く手を阻む白虎へ【《花剣》】
おまえたちが風を呼ぶなら、それごと斬りにゆくわ。
……、そうできるだけの余裕があれば、周囲を荒らさぬようには気をつけましょう。
おまえたちを斬ることに変わりはないけれど、
守りたかったものを荒らしたいわけではないもの。
此処に留まっていてはいけないと、そう判断できるだけの心は残っているかしら。
オブリビオンに掛ける情はないけれど。
どちらにしたって、斬るけれど。
でも、――そうね。
おつかれさまでした。
飛白・刻
朽ちかけた社
妖艶に咲く二藍
彩との対比がひどく目に遺る
聴こえる唸声の方を見遣るが先か
咆哮は幾つもに重なり数を成す
それは神獣の苦と比例するにも見え
あらゆるものを守るが為の二藍の檻でもあったのかと
だがこれはもう遺しては成らぬものだ
獲物を見据える為の藍をその白虎の群れへと向ける
【SPD】
程度、獣の動きは見慣れはあるが
神ともなれば宛にもならぬ
鋭く見据え見切りを試み蜜毒で足止めを
手応えを覚えたならば短刀にて斬りかかる
鈴花の付いた扇子を沈折のままに一振
鳴らす一輪は手向け花
この社の守神の記憶
藻掻き苦しんだでもあろう軌跡は
己に図り知れるものではないけれど
二藍の花影の中
その遺志はせめて安らかに
宵鍔・千鶴
傷ついても尚、村人を護るために
自分から遠ざけ、或いは自分を葬ってくれることを
願った気高い白虎に、…どうか、安らかに眠って貰おう
高速移動は見切りで対応しながら
SPDユーベルコードで動き封じることを優先に
チクタク刻む時計の音は静かに眠るまでのカウント
或いは子守唄であるように
他オブリビオンの群れへは近接の大鋏で確実な敵から殲滅を
神獣を穢れたものへと堕としたオブリビオンの
正体は解らないけれど、心底反吐が出そうだ
二藍がもし幻影ならば、
想うほど、俺は、
(何故かここが苦しくて切ない、と押さえたのは心臓辺り)
鋏を握る手に力が篭る
凡てが終ったなら
どうか、白虎の元へと咲いてくれますように
紫陽花の花弁を天へと舞わせ
二藍の花影に潜む不穏。
それは将来的に村の人に危害を加えるものになるであろうけれど。
そっと密やかに隠れていたその影は、哀しい程に優しかった。
辿り着いた神社に在るのは、頭無き獣の群れ。
けれども、不穏の影を齎していた獣は、かつては神獣として村を守っていた存在であったのだ。
(「傷ついても尚、村人を護るために。自分から遠ざけ、或いは自分を葬ってくれることを願った気高い白虎に、……どうか、安らかに眠って貰おう」)
もう、オブリビオンに堕ちてしまったものを元に戻す事はできない。
けれど、宵鍔・千鶴(nyx・f00683)たち猟兵にしかできないことがある。
それは……堕ちた白虎を屠り、苦しみから解放してあげること。
朽ちかけた社に、妖艶に咲く二藍――彩との対比が、ひどく目に遺る。
そして訴えてくるのは視覚にだけではない。
飛白・刻(if・f06028)が聞こえる唸り声の方へと視線を向けようとした刹那、咆哮は幾つもに重なってその数を増す。
それは、神獣の苦と比例するにも見えて――あらゆるものを守るが為の二藍の檻でもあったのかと。
(「だがこれはもう遺しては成らぬものだ」)
目の前に在るのは、ただ狩るべき獲物。
刻は獲物を見据える為の藍のいろを、首無き白虎の群れへと向ける。
この場所で、あの白虎に、何が起こったかはどうあがいても分からない。
(「何があったのかを問うのも無意味ね。ここにこう在ってしまったのが事実」)
花剣・耀子(Tempest・f12822)は眼前のオブリビオンの群れに目を向けて。
二藍の花影に隠された秘密や想い……その推測が、真実か否かは判らないけれど。
改めて、ただ眼前の敵を倒すべく、耀子は戦いに身を投じる。
(「あたしができることも、することも、ひとつだけよ」)
――すべて斬り果たすわ、と。
そして皆と同じ様に、首の無い白虎を、有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)は見つめながら。
「そうですか。刎ねる首は、ないのですね……」
そうちょっぴり残念そうな響きで呟くも。
「オブリビオンとはいえ元は神獣ですし、最大限の敬意を払いましょう」
夏介は『神を殺す小刀』を構え、目の前の敵を殺す覚悟を決める。
握るナイフは、殺すと、そう決めたもののみを傷つける刃だから。
「……いきます」
刹那、地を蹴りダッシュで駆けた夏介は、眼前の獣が反応を示すその前に先制の刃を振るって。
その風纏いし機動力を封じんと、さらにもう一閃、足を狙った刃を放つ夏介。
オブリビオンが滅びるまで、夏介は何度でも、攻撃を見舞い続ける。
頬を掠め鮮血はしる鋭利な風ごと纏めて斬り裂いて、くらえばただではいられぬほど強烈な風は絶望の福音が教えてくれる。
――おいで、ドール。最期を刻む音色を聴け。
チクタクと刻む時計の音は、静かに眠るまでのカウントか、或いは子守唄であるかのようで。
宵鍔・千鶴(nyx・f00683)は敵の動きを封じることを優先して。
他の獣の群れへと振り下ろし斬り裂くは、ヒュブリスを赦さぬ断罪の大鋏。
(「程度、獣の動きは見慣れはあるが、神ともなれば宛にもならぬ」)
刻の藍のいろが一層鋭く、風纏う獣の動きを見切らんと向けられながら。
――三つ毒の。蜜の味を。
堕ちし獣へと、甘い三つの毒を注ぎ込み、足止めを試みた刹那。
握る朧の短剣で、毒に酔った獣へと斬りかかる。
「――散りなさい」
行く手を阻む白虎へと短く紡がれた言の葉は、獣が呼んだ風ごと斬る花剣を開放して。
在るべき場所へと獣たちを還さんと、容赦なくその刃を振るう耀子だけれど。
(「……、そうできるだけの余裕があれば、周囲を荒らさぬようには気をつけましょう」)
咲き誇る二藍は、決して傷つかぬように。
「おまえたちを斬ることに変わりはないけれど、守りたかったものを荒らしたいわけではないもの」
耀子はそう、滅す敵だけを斬りながらも。眼鏡の奥底の青を、そっと一瞬細める。
神獣を穢れたものへと堕としたオブリビオン。
その正体は解らないけれど……心底反吐が出そうだ、と。
(「二藍がもし幻影ならば、想うほど、俺は、」)
何故か――ここが苦しくて切ない、と。ぎゅっと千鶴が抑えたのは、己の心臓辺り。
鋏を握る手に、力が篭る。
そして刻が開きひらり一振させた扇に鳴る鈴花。
鳴らす一輪は手向け花――この社の守神の記憶。
(「藻掻き苦しんだでもあろう軌跡は己に図り知れるものではないけれど」)
――二藍の花影の中、その遺志はせめて安らかに。
「此処に留まっていてはいけないと、そう判断できるだけの心は残っているかしら」
オブリビオンに掛ける情はないけれど。どちらにしたって、斬るけれど――耀子は周囲に在る獣の、最後の一体へと刃を向けながらも。
躯の海へと送るべく握る得物に力を込めつつ、こう紡ぐ。
「でも、――そうね」
――おつかれさまでした、って。
まだ他の猟兵達が相手をしている獣は残ってはいるが。
夏介は皆に怪我がないか確認を。
「二藍のいろの中に血の色は相応しくありませんから……」
そして紫陽花の花弁を天に舞わせながら、千鶴は願う。
――どうか、白虎の元へと咲いてくれますように、と。
……静かに咲く二藍のいろは、ただ美しく静かに、事の行方を見守っている。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
ザハール・ルゥナー
ルカ(f14895)と
この抱え方に文句があるなら、これでどうだ?
(膝下に腕をいれ、抱え直す)
……これも違うか。難しいな。
――さて、冗談は兎も角。仕事の時間だ……行けるな?
刃嵐纏い駆ける。
こちらに来いと言葉で挑発し、誘き寄せを試しつつ。
……思えば、耳が無いな。解るだろうか。
速度を活かし、直線的に相手の動きに揃えて距離を詰める。
霊符を避けるか受けるか、その瞬間を狙おう。
素早い斬撃を重ね、削いでいく。
極力ルカとタイミングを合わせられれば。
少尉……あるじよ。
私が支えになれるか解らないが、ルカのために力を尽くそう。
あの幻は毒が過ぎる。
だからここで終わりにする。
哀れな神獣、その果てを。
彩る二藍が美しいな。
ルカ・アンビエント
ザハール(f14896)と
色々言いたいことはあるんですが
とりあえず、扱いが雑だと思うんですけど
ちょ、なんでこれなんですか!? ザハール!
あぁもう…っそういう所あんたは(あの人に似て
えぇ行けますよーーそれと、さっきはありがとうございました。
鳥羽の契を発動。霊符を放ち光の鳥を操りあちらの動きを阻害しましょう
攻撃より敵の動きを削ることを意識して
ザハールの攻撃の隙を作る
仕留めはお願いしますね、ザハール
ーー堕ち果ててはいなかったが為にあの幻術だったのか
えぇ、お陰で思い知りましたよ
どっちかって話じゃない
俺が嫌だと思ったのは、少尉の死と…あいつを失うことだって
死する神獣にとって
せめて二藍は慰めになるでしょう
秘されし森道を抜けた先。視界が開け、咲き誇る二藍の景色が広がった後でも。
……色々言いたいことはあるんですが。
そう紡ぐルカ・アンビエント(マグノリア・f14895)は、いまだザハール・ルゥナー(赫月・f14896)の肩に担がれたまま。
「とりあえず、扱いが雑だと思うんですけど」
まるで荷物かのような担ぎ方に、ルカがそう抗議の色を滲ませれば。
ほう、と月の如き銀の髪を微かに揺らして、小首を傾げてみるザハールは。
「この抱え方に文句があるなら、これでどうだ?」
「! わっ」
スッとルカの膝下に腕を入れた刹那、くるりと抱え直せば。
「ちょ、なんでこれなんですか!? ザハール!」
「……これも違うか。難しいな」
今度は横抱き――所謂、お姫様抱っこといわれるカタチに抱かれ、思わずルカは声を上げて。
腕で抱えた彼の顔を間近で見つめながら、もう一度しれっと首を傾けてみせるザハール。
「あぁもう……っ、そういう所あんたは」
そこまで口にしたルカは、自分を映す紫の瞳からふいっと視線を逸らしつつも。
そっと心の中で紡ぐ――そういう所あんたは……あの人に似て、と。
「――さて、冗談は兎も角」
ようやくストンとルカを地におろしてから。
ザハールはぐっと白の軍帽のつばを、白手袋嵌めた手でおさえた後。
――仕事の時間だ……行けるな?
掃除と行こう……そう、触れれば斬れる風の刃を纏い、紫を湛えた瞳で、現れたそれらを見遣れば。
「えぇ行けますよ――それと、さっきはありがとうございました」
素直に先程の礼を口にしたルカがその身を変えるのは、御霊を降ろす鳥羽の巫女。
――十全とは言えずとも巫女の系譜。幻禍の帳よ、今こそ降りよ。
瞬間、鳥の羽の如くひらりと、幻生む霊符が戦場を飛び、光纏いし鳥が追尾する。
現れた敵の群れ。それは、頭無き白虎のなれの果ての姿であった。
攻撃というよりは敵の動きを削ることを意識し、強い呪力や真言の籠もった霊符を放つルカ。
こちらに来い、ザハールはそう言葉で挑発し誘き寄せを試みるも。
「……思えば、耳が無いな。解るだろうか」
頭無き白虎に、そんな疑問を。
『ガアァ……ッ!』
しかし頭はないが相手の位置や距離は確りと感知しているようで。
増した速度を活かし、思惑通り直線的に獣の動きに揃え、ザハールが距離を詰めれば。
絶妙なタイミングで放たれたルカの戦場翔ける霊符が、再び追尾する光の鳥となる。
「仕留めはお願いしますね、ザハール」
それを受け微かに揺らいだ敵の隙をつき、素早い斬撃を重ね、仕留めにかかるザハール。
……そして。
(「少尉……あるじよ。私が支えになれるか解らないが、ルカのために力を尽くそう」)
――あの幻は毒が過ぎる。だからここで終わりにする、と。
躯の海へと還ってゆく獣たちを見送りながらも、ザハールが思うと同時に。
(「――堕ち果ててはいなかったが為にあの幻術だったのか」)
……えぇ、お陰で思い知りましたよ、と。
ルカは、髪からのぞく猫目がちの瞳にその姿を映しながら、心にそっと咲かせる。
――どっちかって話じゃない。
(「俺が嫌だと思ったのは、少尉の死と……あいつを失うことだって」)
蛍火に照り咲き誇る、美しい二藍のいろ。
哀れな神獣にとってそれは慰めとなり、そして、果てへと旅立つ手向けの彩りとなる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鳥渡・璃瑠
終夜(f02594)と行動
たくさんいるし、完全にお化けになってるのだわー!?
オブリビオンだからこ、ここ怖くなんかないけど!
え?元に戻したいだなんて…利用とかじゃなく?毛皮剥いで売るとかじゃなく?珍しい!そんないい人みたいなこと言うなんて!
では張り切ってお手伝いするのだわ!
手加減なし、全力で金糸の突雨を放つのだわ!
元神様だって、ちょっと穴があきすぎたらきっと死にますわよね?…もう死んでるとかそういうツッコミはなしなのだわ
さぁめぐ、どうぞ…って、ななななな泣いてなんかないのだわー!?!何を言ってるのだわ!?
それを!今!ここで言うのだわー!?
前言撤回、珍しくなかったのだわ、めぐはめぐだったのだわ…!
終夜・還
璃瑠(f00142)と
成程外的要素で堕ちたっぽいな?気になるなァ
璃瑠、アレを一時的に戻すのを試したい。協力頼むわ
んでさァ、璃瑠がお前が創り出した道で泣いたんだよ
腰抜かしておんぶを強請ったりしたんだ
腹立ったし璃瑠が串刺して足止めてる間にUC血の宴で思い切り殴る❤璃瑠が泣くからすぐ解除するけど
俺の友達泣かしてんじゃねえよボケェ!
気絶or殺ったら選択UC発動
信仰してた奴等遺して逝くのは心配だろ?一日だけ猶予をやろう
何があったか俺等に話して託すなり残った時間を自分で消化するなりするといい
人は心の拠り所を失うと崩れる奴が多いからな、きっとこの事態を知ったら嘆く
ずっと見守って来たのなら最期まで責任持とうぜ
辿り着いた神社も、一面の二色におおわれていたけれど。
「たくさんいるし、完全にお化けになってるのだわー!?」
そう鳥渡・璃瑠(ドリ子おじょうさま・f00142)が声をあげるのも、無理はない。
白虎であった神獣は、ばくりと頭から喰われていたのだから。
オブリビオンだからこ、ここ怖くなんかないけど! と隣で強がる璃瑠を後目に。
「成程、外的要素で堕ちたっぽいな? 気になるなァ」
終夜・還(一匹狼・f02594)は堕ちた白虎へと、ふと視線を向けてから。
こう、璃瑠に頼むのだった。
「璃瑠、アレを一時的に戻すのを試したい。協力頼むわ」
そんな還の言葉に、璃瑠はまた驚いた表情を宿して。
「え? 元に戻したいだなんて……利用とかじゃなく? 毛皮剥いで売るとかじゃなく? 珍しい! そんないい人みたいなこと言うなんて!」
けれど、友達がそう頼むのならば。
……では張り切ってお手伝いするのだわ!
「――禿げるわけではなくってよ!!」
手加減なし、全力で自身のドリルヘアーを放ち、衝撃を戦場に降らせて足止めに。
元神様だって、ちょっと穴があきすぎたらきっと死にますわよね? なんて思ってみるけれど。
「……もう死んでるとかそういうツッコミはなしなのだわ」
そして還は、ぐっと拳を握りしめて。眼前の堕ちた白虎へと紡ぐ。
「んでさァ、璃瑠がお前が創り出した道で泣いたんだよ。腰抜かしておんぶを強請ったりしたんだ」
「さぁめぐ、どうぞ……って、ななななな泣いてなんかないのだわー!!? 何を言ってるのだわ!?」
――それを! 今! ここで言うのだわー!? と。
「前言撤回、珍しくなかったのだわ、めぐはめぐだったのだわ……!」
璃瑠が髪の毛のドリルごとぶんぶん首を振る中。
璃瑠が串刺して足止めている間に、還は血の宴を発動させ、その爪や牙、脚力を強化してから。
「俺の友達泣かしてんじゃねえよボケェ!」
『ガッ、ァァアッ!』
握りしめた拳で、思い切り殴りつけて。
還が展開するのは――『終に還る前に』。
「信仰してた奴等遺して逝くのは心配だろ? 一日だけ猶予をやろう。人は心の拠り所を失うと崩れる奴が多いからな、きっとこの事態を知ったら嘆く」
首の無い堕ちた獣ではなく、村の人たちを守ってきた神獣として。
――ずっと見守って来たのなら最期まで責任持とうぜ、と。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
オズ・ケストナー
アヤカ(f01194)と
並ぶ存在が頼もしくて微笑む
わかった、いっしょだね
行こう
駆け出して一番近い虎から範囲攻撃でなぎ倒す
アヤカに気を取られた虎を見たら後ろから攻撃
こっちもわすれないでねっ
突進してくるなら目を逸らさず下がり
間に合わないなら武器受け
アヤカへの攻撃も、受けられるときは受ける
通さないよ
アヤカが泣いてなくてよかったとこっそり安心
ううん、泣いてもいい
最後には笑ってくれたら
聖なる白き虎
村の人をまもってくれてありがとう
わたしたちが、倒すからね
あんしんして
うんっ、アヤカ
だいすきな声に応えて
虎に武器を振り下ろす
虎がたくさんでも
いっしょだから
近くに感じるたびに笑みがこぼれて
まだまだぜんぜんいけるよっ
浮世・綾華
オズ(f01136)と
まずは咎力封じ
いくら動きが読めても
全部止めるなんてできねぇだろ?
オズ、今日は俺も行く、前
攻撃が弱まったところ、黒鍵刀でかまいたちを相殺
そのまま早業で素早く駆け切りつけつつ
赤衣を踊らせ誘惑で引き付ける
あんなもん見せやがってさぁ
――って言いたいとこだケド
大丈夫、ちゃんと倒してやるよ
告げることはない感謝を抱き
気高き虎の攻撃を刃で受け止め
惑わされない強い力なんて、今の俺にはない
でも、一緒に在りたいと思うやつがいるから
目配せだけで通じると分かっていても
今日はその名を呼び
行け、って言葉で敵の気が逸れれば
カウンターも狙って
頼もしい笑顔に想う
失いたくないものがあるから
今はただ前を向いて
二藍に咲く花々をざわざわと大きく揺らす、巻き起こる風。
巻き起こる暴風を放つ獣は高速を誇り、纏う風で動きを読んでくるというけれど。
「いくら動きが読めても、全部止めるなんてできねぇだろ?」
浮世・綾華(千日紅・f01194)が放ったのは、咎力封じの拷問具。
いくら風を纏っていても、全て見切ることは至難。
そして手枷と猿轡が獣を捉えた刹那、舞うように軽やかに地を蹴る綾華。
「オズ、今日は俺も行く、前」
振るう黒鍵刀は、未知を……道を切り開く鍵。
鋭き敵の風の刃を黒き波動で相殺し、早業で斬り返す綾華の姿に。
「わかった、いっしょだね――行こう」
並ぶ存在が、頼もしくて。
オズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)は頷き、微笑んでから。
一気に駆け出すと、一番近い虎を中心に、その周囲にいる獣をも巻き込んで薙ぎ倒す。
そして、ひらり赤衣を踊らせる綾華に引き付けられた虎へと、背後から衝撃を浴びせる。
「こっちもわすれないでねっ」
敵も堕ちたとはいえ、神獣。風邪を纏い、突進し斬り裂いてくるけれど。
余波ではしる鮮血をも厭わず、確りと目を凝らして。
オズは無理せず下がり、得物で咄嗟に受け止める。
――通さないよ。
自分に向けられた攻撃も、そしてそれ以上にアヤカへ向けられた攻撃も。
「あんなもん見せやがってさぁ――って言いたいとこだケド」
――大丈夫、ちゃんと倒してやるよ。
オズはそう紡ぎ、戦場を舞う様に刃を振るう綾華のその顔をそっと見つめて。
……アヤカが泣いてなくてよかった。
そう、こっそりと安心するけれど。
すぐに小さく、ふるふると首を振った。
(「ううん、泣いてもいい。最後には笑ってくれたら」)
「聖なる白き虎、村の人をまもってくれてありがとう。わたしたちが、倒すからね。あんしんして」
『ガアアァァ……!』
刹那、激しい咆哮とともに吹き荒れる暴風。
だが突進してきた獣の一撃を――いや、気高き虎の攻撃を、綾華は確りと刃で受け止めて。
告げることはない感謝を抱きながらも、鮮やかに斬り伏せる。
(「惑わされない強い力なんて、今の俺にはない」)
けれど――でも、一緒に在りたいと思うやつがいるから。
目配せだけで通じると、分かってはいるけれど。
敢えて綾華は、今日はその名を呼ぶ――オズ、と。
そして、行け、って発した言葉で気が逸れた敵へと、カウンターを叩き込んで。
「うんっ、アヤカ」
だいすきな声に応えて、オズも眼前の虎へと武器を振り下ろす。
それから、すぐ近くにいる綾華へと笑みをこぼす。
「虎がたくさんでも、いっしょだから。まだまだぜんぜんいけるよっ」
近くに綾華を感じるたび、とても嬉しくなるから。
そんな向けられた、オズの頼もしい笑顔。
綾華もつられるように自然と赤の瞳を細めつつも、想う。
――失いたくないものがあるから。
だから今はただ、隣に並ぶだいすきな人と一緒に、前だけを向いて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シン・バントライン
アオイ(f04633)と
変わり果てた心優しい神がいる。
自分は出来るだろうか。
闇に堕ちてしまったら、こんな風に大切な人を遠ざけて守ろうと出来るだろうか。
一緒に堕ちたいと思うのではないだろうか。
自分は恐らく自分自身を信用していない。
でも繋ぐ手の先にいる彼女の事は何より信じている。
彼女の「信頼」という言葉に背中を押されて進んでいける。
闇の中でも輝く優しい羅針盤。
UC
彼女の作る波飛沫に助けられて舞う紅牡丹は神への最期の餞。
第六感で方向と距離を読みなるべく多く巻き込めるように花弁を操る。
伝説は残る。
神は人の心に生きるもんやから。
だから大丈夫や。
またいつか風に揺れる藍色を見に来ようと、彼女の髪を見て思う。
アオイ・フジミヤ
シンさん(f04752)と
幻覚で足を止めてまで
守るべき人たちをたどり着かせたくなかった”神様”
まだ優しい心があるのかな
だとしたら……だからこそ、苦しいよね
もう眠ってね
シンさん、行こう
前を向かなければ、何も進まないね
ありがとう、目を覚まさせてくれて
あなたを心から信頼してる
……でもあなたがとても大切だから、どうか怪我しないで
空中に移動して、敵の頭上からUC発動
攻撃を避けつつ彼の周りを中心に波でUCの無力化を狙う
敵は多数だからこそ、できるだけ多くの風を無効化したい
彼の花びらがたくさん届くように
神様がいなくなっちゃったこの神社は大丈夫かな?
どうかかわらず、この美しい色合いが遥か未来まで続くように
ただひたすら二藍が咲き誇る世界の静寂を破るのは、頭無き獣の咆哮。
けれど、眼前の獣は、本来は気高くて優しい神獣。
森道で視た幻影。幻覚で足を止めてまで、守るべき人たちをたどり着かせたくなかった”神様”。
「まだ優しい心があるのかな。だとしたら……だからこそ、苦しいよね」
そう紡いだアオイ・フジミヤ(青碧海の欠片・f04633)と繋ぐ、その手の温もりを感じながら。
シン・バントライン(逆光の愛・f04752)はふと心に思う。
変わり果てた心優しい神がいる。
……自分は出来るだろうか、と。
(「闇に堕ちてしまったら、こんな風に大切な人を遠ざけて守ろうと出来るだろうか」)
一緒に堕ちたいと――そう、思うのではないだろうか。
シン自身、恐らく自分自身を信用していないのだ。
けれど……繋ぐ手の先にいる彼女の事は、何より信じている。
そしてアオイも。
「前を向かなければ、何も進まないね。ありがとう、目を覚まさせてくれて」
――あなたを心から信頼してる。
そう、シンに微笑めば。
アオイの「信頼」という言葉に背中を押されて進んでいけると――シンも、そう思えるから。
――もう眠ってね。
堕ちた獣へとそう優しく紡ぐアオイの声が。
「シンさん、行こう」
今度は、自分の名を呼んで。
バサリ翼を羽ばたかせ、鈍色の空へと移動するアオイ。
「……でもあなたがとても大切だから、どうか怪我しないで」
――私の”海”、全部流そう。
その願いとともに発動するのは、”海の鬼”が具現化した翡翠や瑠璃色の波。
シンの周りを中心に、敵の技の無効化を狙う。
彼の花びらが、たくさん届くようにと。
そんな彼女はまるで、闇の中でも輝く優しい羅針盤のようで。
――東風不爲吹愁去、春日偏能惹恨長…我が心を春嵐と成す。
彼女の波飛沫に呼応するように、シンが舞わせる紅牡丹は――神への、最期の餞。
なるべく多くの獣を巻き込めるように、戦場いっぱいに赤の花弁を躍らせて。
アオイは美しい赤の花吹雪を見つめながらも、ふと気になっていることを口にする。
「神様がいなくなっちゃったこの神社は大丈夫かな?」
「伝説は残る。神は人の心に生きるもんやから。だから大丈夫や」
そんなアオイの声に、シンは優しくそう返しながら。
――またいつか風に揺れる藍色を見に来よう。
二藍の世界に美しく靡く藍色の髪を見ながら、そう思うシン。
そしてアオイは、ふたりで見つめる眼前の風景に、そっと願うのだった。
――どうかかわらず、この美しい色合いが遥か未来まで続くように、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
碧海・紗
遠ざける為の理由に成る程。
ならばしっかり思いを受け止めましょう
…意地悪ですね、アンテロさん(f03396)
さて…白虎の攻撃は実に威力の強いもの。
【市松】を使用して…白は手のひらよりひと回り大きめに、黒は私が隠れるほどの大きさに。
30cm以内でしたら、飛べる私たちなら工夫すれば戦えそうですね?
白と黒は白虎の前で距離を保ちながら挑発して誘惑を
気を引いたなら黒を死角に操り人形「可惜夜」の銃で零距離射撃
…あっ。
踏み台にされた黒はアンテロさんの背中に頭突きをしてお怒りの様子。
嘴で突かないだけ、まだ良いのでしょうけど。
アンテロ・ヴィルスカ
人が良いねぇ碧海君(f04532)
神とはいえ、穿って見れば唯の見栄だというのに…
今日は人形ではなく鳥かな?
敵が碧海君と小鳥に戯れついている隙に武器・防具強化
黒剣は巨大な戦斧に、鎧はそれに耐えうる重鎧へ
これは良い、失礼。と黒い方を踏み台に、より高く跳躍すれば
頭上から勢いを乗せたUCの一撃で竜巻ごと神を屠ろう
返す刃で二回攻撃、背後に忍び寄るものも余さず骸の海へ還す。
不意に受けた背中への衝撃に構え直せば…おや?
黒い鳥君、なにやらご機嫌斜めだねぇ
秘された森道の二藍の花影に潜み、侵入者を追い返すようなものをみせた幻影。
碧海・紗(闇雲・f04532)は、遠ざける為の理由に成る程、と納得しながらも。
「ならばしっかり思いを受け止めましょう」
そう、眼前の獣の群れを見遣る。
そんな紗に、人が良いねぇ碧海君、と。
視線を向けるのは、アンテロ・ヴィルスカ(白に鎮める・f03396)。
「神とはいえ、穿って見れば唯の見栄だというのに……」
「……意地悪ですね、アンテロさん」
逆に穿った考えの彼に、今度は紗が目を向けるけれども。
すぐに、咆哮をあげている堕ちた白虎を見据える。
「さて……白虎の攻撃は実に威力の強いもの」
刹那、『市松』を発動させた紗が戦場に喚ぶのは、掌よりひと回りほどの大きさの白の文鳥と、紗が隠れるほどの大きさの黒の文鳥。
「今日は人形ではなく鳥かな?」
「飛べる私たちなら工夫すれば戦えそうですね?」
獣が紗や文鳥たちに戯れついているように見える間、アンテロは抜かりなく武器や防具を強化して。
黒剣を巨大な戦斧に、黒鋼の甲冑をそれに耐えうる重鎧へと。
そして紗が召喚した白と黒の文鳥が、白虎の気を惹くようにピイピイと挑発や誘惑をしている間に。
『グアァ……ッ!』
大きな黒の身体を死角に、操り人形「可惜夜」を躍らせて零距離から銃の引き金を容赦なく引かせる。
そして黒の文鳥の大きな身体を工夫して使うのは、召喚主の紗だけではない。
「これは良い、失礼」
アンテロはそう言うやいなや、黒の文鳥の大きな身体を踏み台にし、より天高く跳躍して。
――深きクレバスに眠りたまえ。
敵の群れの頭上から、勢いを乗せた重い一撃を叩きつけて。纏う暴風ごと、神を屠る。
さらに返す刃で一閃、また一閃。素早く振り返り、背後に忍び寄る獣も余さず叩き斬り、躯の海へと還していく。
だがそんなアンテロの背中へと不意打ちしたのは。
「……おや?」
「……あっ」
紗とアンテロが同時に短く声を上げたその正体は――お怒りな様子の黒の文鳥。
ピイピイ鳴きながら、踏み台にされたことにぷんすかしているようだ。
「黒い鳥君、なにやらご機嫌斜めだねぇ」
「嘴で突かないだけ、まだ良いのでしょうけど」
怒った様子の黒の文鳥に、アンテロは敢えて大きく首を傾げてみつつも。
紗や文鳥や絡繰り人形とともに、迫る敵を斬りつけ滅していく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
パウル・ブラフマン
【SPD】
引き続きスナさん(f03519)とご一緒するよ!
さっき心配かけちゃった分、挽回しなくっちゃ。
UC発動!
愛機Glanzに【騎乗】して、後部座席にスナさんをご招待。
オレの【運転】テクには神様だってかなわないよ!
【地形の利用】を念頭にFMXの要領で
接近してくる白虎の30cmの間合いに入らぬよう【見切り】ながら
展開したKrakeで手前から順に狙撃。
スナさんと連携して標的を定めていくね。
真実を見られたくない気持ち、すげーわかるよ。
オレもそうだもん。
骸の海への旅路は…オレら猟兵が案内するね。
お尻の代わりに
Glanzのテールライトを
導光にして【おびき寄せ】、全砲【一斉発射】!
※アドリブ&絡み歓迎!
スナッチ・ベット
【WIZ】
パウルくん(f04694)と
新ツアーのレポートはこれくらいにして
ここからは猟兵のお仕事といこうか
変わり果てた神獣の姿は、村人や村長の息子さんでなくても心が痛むからね
毎度お世話になってるタコくんのGlanzに乗せてもらって
帰り道を見失った獣に送り火を焚いてあげよう
僕は防御と牽制を主体に
【フォックスファイア】で複数の狐火を操作して、敵の接近を許さぬよう牽制
敵の遠距離攻撃は【オーラ防御】で対処
風刃がタコくんとGlanzに及びそうな時は【かばう】で防御を
敵がタコくんに突進する機を見計らい
Glanzに隠しておいた狐火を【2回攻撃】で炸裂させるね
貴方の安らかな旅路を祈るよ
今までお疲れさまです
雨でも楽しめる蛍と花の夜祭りツアー、ミステリーもあるよ!
そんな新しいツアーもいいのではないかと、これまでパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)とともに下見を続けてきたスナッチ・ベット(Vulpes et uva・f03519)だったけれども。
「新ツアーのレポートはこれくらいにして。ここからは猟兵のお仕事といこうか」
ツアコンのお仕事は少しだけお休み。
かわりにこれからは、猟兵としての仕事を。
「変わり果てた神獣の姿は、村人や村長の息子さんでなくても心が痛むからね」
信頼や信仰心が厚い村人や村長の息子は勿論、神獣白虎は皆に親しまれ敬われていたからこそ――頭を喰われオブリビオンに堕ちてしまった今の姿は、心が痛んでしまうほど。
けれども、そんな獣たちを解放してあげられるのも、此処に辿り着いた自分たちにしかできないこと。
(「さっき心配かけちゃった分、挽回しなくっちゃ」)
パウルはぐっと密かにそう気合を入れながら、ゴッドスピードライドで愛機Glanzに騎乗して。
後部座席にスナッチを乗せれば。
「オレの運転テクには神様だってかなわないよ!」
戦場を縦横無尽に描けるのは、白銀宇宙バイク。
武骨なフォルムに艶やかな蒼き光線を纏うGlanzをパウルは巧みに運転して。
風を纏いスピードを誇る獣も、そう簡単には追いつけない。
そんなGlanzの後部座席で灯るのは、複数の狐火。
「帰り道を見失った獣に送り火を焚いてあげよう」
地形をも利用し駆けるバイクの上から、スナッチは燃え盛る狐火で敵の接近を許さぬよう牽制して。
フリースタイルモトクロスの要領で、白虎の技の間合いに入らぬよう見切りながら。
触手の表面に装着したKrakeの砲台で、スナッチと声を掛け合いながら標的を定めていくパウル。
そんな白銀のバイクに追いつけぬと悟ったのか、風の刃を飛ばしてくる獣。
それをハンドルを切って躱し、防御で耐えてから。
『ガアア……ッ!』
敵が飛び掛かってくる機会を逃さず、Glanzに隠しておいた狐火を炸裂させ、頭無き獣の身を激しく焦がした。
そんな燃える獣をちらりと見て、パウルはそっとひとつ溜息をつく。
(「真実を見られたくない気持ち、すげーわかるよ。オレもそうだもん」)
でも、気持ちが分かるからこそ、やっぱり。
(「骸の海への旅路は……オレら猟兵が案内するね」)
蛍のように、まだちょっと自分のお尻は光らせられないけれど。
Glanzのテールライトを導光にして――撃ち出すは、全砲一斉発射!
周囲の獣たちを在るべき場所へと還してあげながら。
「貴方の安らかな旅路を祈るよ」
――今までお疲れさまです。
パウルの愛機Glanzの後部座席から、スナッチはそうかつての神獣を見送るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
輝夜・星灯
【Ristaccia】
可哀想、なんて
出来損ないが言う資格はないか
けれど堕ちたなら、それ既に神として在れず
悪へ成り切る前に、せめて安らかに眠れ
ひとつでも多く救うために
天の裁きを地へ降らせよう
これは瑕つける雨ではない
疵を洗う為の洗車雨だとも
〝高天原の瞬き〟
皆に先立ち降らせる光
瞳に纏った流星雨を
曇天からそのまま堕としてゆく
これは檻、星の涙、君たちへの手向け
誘き寄せ手繰り寄せ囲い込み
全て全て全て
世界から頒つてやる
紅雫ごと、飲み干すといい
成り損ないすら恨めしいか
ならその怨嗟は受けてやろう
向う先が『私』なら重畳
ひとは誰も傷つけさせない
〝かみさま〟の為に、ね
皆でまた蛍火を
弔い灯を――ここで
見られたら、いいな
ルーシー・ブルーベル
【Ristaccia】
村の人たちから大切に思われてた神さま
さいごのさいごまで、村を守ろうとしてた神さま
そして死してなお、大事にされている神さま
……かわいそうって思うのに、少しうらやましいと思うのは、なぜかしら
紡がれる舞と注がれる光はとてもキレイ
七結さんと星灯さんが彩る世界にほんの少し色をそえましょう
きて、虎さん達をたすけて
「かっこいいおともだち」
ユェーさんが側にいるなら、
ただ前をむいて、ルーシーの全力を以て向かえばいい
少しでも多くの虎さん達を空にかえせますようにって
ちゃんとお空に還すことが出来たら
またみんなで、このお花とホタルを見たいの
だから、みんなで無事に帰りましょうね
朧・ユェー
【Ristaccia】
神獣ですか
可哀想な姿ですね
村を護ろうとそんな姿になった
だったら天へと僕達が導きましょう
七結ちゃんの美しい舞、星灯ちゃんは強く頼もしい
二人の援護は綺麗で可愛らしく安心出来る
ルーシーちゃんと共に攻撃を
小さな姿で愛らしく、隣で戦う彼女がとても心強い
【道化】で死の一振りを
僕は彼女達を護ろう
もし彼女達に攻撃をしようというなら
ダメだよ?あの子達は大切な子達なんだから
ひとつの傷も許さない
【暴喰グール】で喰べつくす
身体を喰べたらきっと君達の頭を見つけてあげる
そしたら前の姿で天へと帰れるだろう
また皆で蛍を観に行こうか
愛おしい天使達と一緒に
蘭・七結
【Ristaccia】
堕ちてしまった、かつての神さまなる存在
幻術の真相は、森道に置いてきてしまったけれど
平和を守り抜いた神獣ですもの、ね
ひとつ、ふたつ、みっつ
少しでも多くの魂を、天へと還しましょう
やさしい気持ちが、届きますように
羽織を舞わせ、静まる場所へとおびき寄せ
星々の導きにて、誘わせたもの
現世と幽世を彷徨う、神さまであったもの
今、ここで。結びつけましょう
〝七つの結び目〟
深くへと沈みゆく封じの鎖
展開をしたのなら、陽光と月光を宿すふたりへと
大丈夫。あなたは、ひとりではないわ
さあ、共に。彼らを送ってあげましょう
どうか安らかに。散り果ててちょうだい
ナユも、ホタルを見たいわ
美しい灯火を、もういちど
梅雨に煌めく花々が咲き誇る神社に祀られた、神さま。
その神さまはきっと、神々しくて猛々しくて、気高い存在だったに違いない。
なのに――今この場所に、神さまはいない。
『グオオオォォ……ッ!』
鈍色の空に響く咆哮はどこか寂しくて……そして、かわいそう。
けれど、神さまはこの場所に確実にいた。
村の人たちから大切に思われてた神さま。
さいごのさいごまで、村を守ろうとしてた神さま。
そして――死してなお、大事にされている神さま。
(「……かわいそうって思うのに、少しうらやましいと思うのは、なぜかしら」)
ルーシー・ブルーベル(ダンピールの人形遣い・f11656)はオブリビオンへと堕ちてしまった獣へとそう、憐れみと羨望の両方を宿した青の瞳を向けて。
(「神獣ですか。可哀想な姿ですね」)
頭を喰われ堕ちてしまった神獣に、やはり朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)も可哀想だという感情を抱くけれど。
(「村を護ろうとそんな姿になった……だったら天へと僕達が導きましょう」)
神さまだった獣を、また元の神さまへと戻すことこそできない。
でも猟兵たちには、堕ちた白虎を救う力があるのだ。
いや、この神獣はずっと、待っていたのかもしれない。
自分を滅してくれる力を持つ存在を、この一面二藍のいろに囲まれながら。
(「可哀想、なんて出来損ないが言う資格はないか」)
輝夜・星灯(迷子の星宙・f07903)のビー玉を転がした瞳に映るのは、頭の無い獣。
それはかつて、神獣白虎として在ったものだけれど。
――けれど堕ちたなら、それ既に神として在れず。
(「悪へ成り切る前に、せめて安らかに眠れ」)
このままでは神どころか、守ろうとしたはずの村人の命を脅かすような存在になりかねないから。
安らかに眠りにつけるように……己のことは出来損ないだと、そうは言い張るけれど。
星見水晶に宿りしカミである星灯にとっても、堕ちた神の末路は、全くの他人事というわけではない。
――堕ちてしまった、かつての神さまなる存在。
皆と視たあの幻想は誰が何のためにみせたのか。
その真相は二藍に染められた森道に置いてきてしまったから、結局分からないままではあるけれど。
(「平和を守り抜いた神獣ですもの、ね」)
だからせめて、ひとつ、ふたつ、みっつ……少しでも多くの魂を、天へと還しましょう、と。
蘭・七結(恋一華・f00421)は紫で満ちた瞳に、そっと思いを咲かせる。
――やさしい気持ちが、届きますように、と。
そんな白虎や猟兵たちの願いを叶えんとするかのように。
ぶ厚い雲が覆っているはずの天に流れるは、数多の綺羅星。
「ひとつでも多く救うために、天の裁きを地へ降らせよう」
……これは瑕つける雨ではない。疵を洗う為の洗車雨だとも。
遥か遠くの空から堕つるその耀きは、降り注ぐ裁きの星――『高天原の瞬き』。
皆に先立ち星灯が降らせるそれは只の雨に非ず。
様々な彩を自在に映せる澄んだ瞳に纏った流星雨を、曇天のいろからそのまま堕としてゆく。
――これは檻、星の涙、君たちへの手向け。
誘き寄せ、手繰り寄せ、囲い込んで。
(「全て全て全て、世界から頒つてやる」)
この世界にもう在ってはならぬと……蒼穹は全てをお見通しだから。
「紅雫ごと、飲み干すといい」
耀う星の瞬きが堕ちた獣へと、優しくて酷な裁きを下していく。
そんな星が流れる二藍の景色をひらり舞い遊ぶのは、嫋やかな羽織。
星々の導きにて、猛る獣を静かな場所へと誘う様に。
現世と幽世を彷徨う、神さまであったもの。
ひらひらと羽織翻す七結は、今、ここで、結びつける――『七つの結び目』を。
「どうか安らかに。散り果ててちょうだい」
それは、深くへと沈みゆく封じの鎖。
七結はそれから、陽光と月光を宿すふたりへと笑み咲かせる。
「大丈夫。あなたは、ひとりではないわ」
――さあ、共に。彼らを送ってあげましょう。
絡めて、手繰って、結びつけて。
そんな七結の舞いは美しく、星灯の降らせる星は強く頼もしいと。
そしてそれらは、綺麗で可愛らしくて安心出来る輝き。
(「紡がれる舞と注がれる光はとてもキレイ」)
ルーシーはそう戦場に展開されるいろにうっとりと見惚れるも。
……七結さんと星灯さんが彩る世界にほんの少し色をそえましょう。
「きて、虎さん達をたすけて」
戦場に喚んだのは――かっこいいおともだち。
魔法で動くオオカミさんのぬいぐるみが、獣を躯の海に還さんと、美しい世界を遊戯んで。
――小さな姿で愛らしく、隣で戦う彼女がとても心強い。
ユェーはそうそっと、妖しく輝く金色の瞳を細めながら。
「さぁ、ショーの始まりですよ。彼の地獄への演武を御覧あれ」
ざっと薙がれるジョーカーの大鎌の軌道は、死の一振り。
そんなユェーが側にいるなら……ただ前をむいて、全力を以て向かえばいい、と。
ルーシーは、ルーシーの全力を以って獣へと振るう。
――少しでも多くの虎さん達を空にかえせますように、って。
『ガアアアアァァ……!!』
刹那、天を仰いで咆哮をあげる獣。
同時に、鋭利で激しい風が戦場に巻き起こる。
「成り損ないすら恨めしいか。ならその怨嗟は受けてやろう」
……向う先が『私』なら重畳。けれど、ひとは誰も傷つけさせない。
言葉を投げ、吹き荒れ切り裂く暴風の前へと星灯は踏み出そうとするけれど。
「ダメだよ? あの子達は大切な子達なんだから」
――ひとつの傷も許さない。
ふるりひとつ首を振り、それよりも早く獣の前へと出たのはユェー。
零黒滲む笑み宿し、そっと舌舐め摺りをしてから。
眼前への獣へと剥かれるは捕食の牙。
――身体を喰べたらきっと君達の頭を見つけてあげる、そしたら前の姿で天へと帰れるだろう。
自分の血だけでは足りずおなかをすかせた、目するモノ凡てを食し喰らいつくす――『暴喰グール』。
「ちゃんとお空に還すことが出来たら、またみんなで、このお花とホタルを見たいの」
……だから、みんなで無事に帰りましょうね。
そう紡いだルーシーに、皆はこくりと頷いて。
降らせ、舞い、繰り出される強い煌めきに……哀れな獣たちは天へと導かれていく。
ふわり舞い飛ぶ仄かな蛍火を、道標とするかのように。
そして周囲の神獣が全て還ったのを見届けてから。
「〝かみさま〟の為に、ね。皆でまた蛍火を、弔い灯を――ここで見られたら、いいな」
「ナユも、ホタルを見たいわ」
「また皆で蛍を観に行こうか」
――美しい灯火を、もういちど。
――愛おしい天使達と一緒に。
静かに揺れる二藍のいろに、そう皆で、約束するのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
三岐・未夜
【姉弟妹仁義】
あー……こういうことかぁ……
人を殺したくなかったのかな、それとも堕ちた姿を見られたくなかったのかな
……どっちにしろこのまんまにしとけないし……硝子、北斗、やろっか
……えのきは思い出させないで……
敵の数も多いから数には数で
物量戦って得意なんだ、僕
205本の火矢を空中に番えて、【操縦、誘導弾、第六感、見切り】で精密操作するよ
ついでに、【破魔、範囲攻撃、属性攻撃、全力魔法】で火力をの補助
【誘惑、催眠術、おびき寄せ】で敵を自分から当たりに来るように誘導してみよっかな
……あと、【祈り】を
破魔の炎で清められて、あとはどうぞ安らかにって願うよ
頑張ったんならそろそろ報われるべきだよ、お疲れさま
水沢・北斗
【姉弟妹仁義】
『見てくだい!あれ頭ないのにグォォォとかゆってますよ!』
……(ごほん)……はい、それじゃあ私の方は援護に回らせてもらうのでメインお任せします!
三岐くんはほら……えのきの一件でストレスたまってるかもしれないし遠慮なく発散してくださいね?
……今回は事の背景自体はそんな興味ないですし相手が何であれ、
いつも通りにやるだけです(初弾を薬室に送り込みつつ)
結果それが何かの為になるならそれでいいんじゃないですかね!多分!
主武器は銃で。
【援護射撃、誘導弾、鎧無視攻撃、スナイパ―】
二人の後方に陣取って視野を広くとり援護射撃メインで二人の射ち漏らしの処理や相手の行動の阻害を狙って射撃。
笹鳴・硝子
【姉弟妹仁義】
なるほど
人を寄せ付けまいとするものと、逆に呼び集めるものが混在するのはこういうわけでしたか
そうですね、これでは本来の白虎も落ち着いて眠れもしないでしょうから
戦霊【磐具公】の霊体を纏い、みゃーの弾幕をくぐりぬけたオブリビオンを狙って、蕨手刀子【流】で切りつけつつ炎で焼く(技能【2回攻撃・属性攻撃・なぎ払い・オーラ防御】)
攻撃時に刃を解して技能【生命力吸収】で、ユーベルコード使用に伴って失う寿命を補充
「オブリビオンの思惑もあったでしょうけれど。本来の白虎も思ったのではないですか――『誰か、助けて』と」
恐ろし気な噂に祭りは催されるのだから、
「その気持ちは通じていたんですよ、きっとね」
隠された森の道に咲き乱れる二藍のいろ。
そして、それを抜けた先の神社で待っていたのは――堕ちた神獣であった。
「なるほど。人を寄せ付けまいとするものと、逆に呼び集めるものが混在するのはこういうわけでしたか」
そんな笹鳴・硝子(帰り花・f01239)の言葉に頷きながら。
「あー……こういうことかぁ……人を殺したくなかったのかな、それとも堕ちた姿を見られたくなかったのかな」
三岐・未夜(かさぶた・f00134)もようやく少し見えた事の背景に、そう思いを巡らせてみるけれど。
「……どっちにしろこのまんまにしとけないし……硝子、北斗、やろっか」
「そうですね、これでは本来の白虎も落ち着いて眠れもしないでしょうから」
猟兵としてオブリビオンを滅するべく、そして堕ちてしまった白虎を解放してあげるために。
頭無き白虎の殲滅へと、得物を手にすれば。
「三岐くんはほら……えのきの一件でストレスたまってるかもしれないし遠慮なく発散してくださいね?」
「……えのきは思い出させないで……」
水沢・北斗(ヤドリガミのアーチャー・f05072)の気遣い(?)の言葉に、巨大エノキのトラウマが蘇る未夜。
思えば、なんというおそろしい幻影……克服どころか、もっとエノキがダメになってしまいました!?
そんな巨大エノキを爆誕させたと思われる元凶は。
『グォォォ!!』
「見てくだい! あれ頭ないのにグォォォとかゆってますよ!」
ほらあれですよ、地から轟くような……とか、心に直接響くような……とか、そういう類のやつです!
なんてったって元は神様ですから、きっとそんな感じに違いありません。
そんな、ツッこんでは事故になるかもしれなかったことを言ってのけた北斗は、ごほん、と気を取り直したように咳払いをしてから。
「……はい、それじゃあ私の方は援護に回らせてもらうのでメインお任せします!」
初弾を薬室に送り込みつつ、未夜と硝子の援護を担うべく下がりながら。
「……今回は事の背景自体はそんな興味ないですし相手が何であれ、いつも通りにやるだけです」
結果それが何かの為になるならそれでいいんじゃないですかね! 多分! と。
あくまで普段通り、敵を撃ち抜くだけ。
そして、敵の数も多いから数には数で、と。
――火生土。狐は土、黒は水って言うらしくてさ。
そう紡いだ未夜が戦場に成し空中に番えたのは、燃え盛る205本の火矢。
「物量戦って得意なんだ、僕」
その数多の矢を、持てる技能を駆使し精密操作するべく狙いを定めながら。
さらに全力の炎の魔力や破魔を込め、広い範囲へと届くようにとその火力を増せば。
刹那……鈍色の空いっぱいに広がるのは、燃え盛る炎の赤のいろ。
『ガアアッ!!』
いくら素早さを強化する風を纏ったとしても――天より数多降り注ぐ燃え滾る矢の雨は、そう簡単には躱せない。
たとえ、運よくすり抜けたとしても。
――来たれ磐具公。炎纏いし剣をもって神威を示せ。
戦霊『磐具公』の霊体を纏いし硝子が振るう、夜空を裂き流れる星の如き蕨手刀子の斬撃と宿る炎が、決して逃がさない。
そして二人の後方から視野を広くとり、極星を穿つかのようにポーラスターで狙いを定め、援護射撃メインに動く北斗。
射ち漏らした敵の処理や行動の阻害を狙い、次々と的確に撃ち抜いて。
敵をおびき寄せ誘導するように試みながらも、未夜が込めるのは――祈り。
(「破魔の炎で清められて、あとはどうぞ安らかに」)
そう願いながら、堕ちし獣を燃やし焦がして、在るべき場所へと還していく。
硝子も、賑やかな夜祭や二藍咲いた森道、これまで見て聞いたことを思い返しながらも紡ぐ。
「オブリビオンの思惑もあったでしょうけれど。本来の白虎も思ったのではないですか――『誰か、助けて』と」
そして、恐ろし気な噂に祭りは催されるのだから。
「その気持ちは通じていたんですよ、きっとね」
「頑張ったんならそろそろ報われるべきだよ、お疲れさま」
蛍の光舞い、美しき二藍の花咲く、賑やかで楽しい夜祭り。
それは、白虎であった眼前の神獣が頑張って村人を守ってきたという、確かな証拠だろうから。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
佳月・清宵
【花守】
妙なモン見た憂さ晴らしに、もう一度花見――と洒落込む暇もありゃしねぇな
概ね予想はしていたが、全く酷ぇ有様だ
てめぇらの望み通り、かは知らねぇが
最早この地に見合わぬ不吉な姿は綺麗さっぱり消してやろう
さっさと片して飲み直すぞ
接近戦は危険なら妖剣解放
高速移動にゃ高速移動で応じ間合い維持
攻撃はより自由で危険な奴を優先し牽制・妨害
早業での先制攻撃皮切に、衝撃波や手裏剣に呪詛・マヒ毒の力加え2回攻撃
可能なら足狙い、兎角敵の速度低下を重視
動作読み切られねぇよう、フェイント交え翻弄も
……ケダモノと成り果てる等、さぞ悔しかろう
此処まで来て血の紅差された花なぞ見たくもない
この光景すら歪めちまう前に――鎮まれ
呉羽・伊織
【花守】
さっきは面白いモン拝めたなんて言ったが、幻の原因がそーいう話と思うと全く以て笑えねーな
その姿が二度と人目に触れねーように、確と応えようとも
あ、速攻は同意だケド、飲み直しは拒否な拒否
此方も妖剣解放で高速移動に対抗し間合い警戒
気紛れにフェイント交えたり残像で撹乱も加え、敵からの接近や動作見切りを対策
攻撃は小町姐サンと合わせ確実に
早業で衝撃波や手裏剣飛ばし2回攻撃
毒や呪詛重ね足潰せねーか試す
――遠ざけたい、か
こりゃ確かに、な
(一瞬だけ憐れむ様な、何か重ねる様な目をして)
社も、虎も、その上に花までも荒れ果てちゃ、余りに居た堪れない
せめて花だけは変わらぬまま――いつかまた、参拝者を迎えられるよう
花川・小町
【花守】
嗚呼
社も虎も、本来は花に映える佳景だったでしょうに
最期の神意、無下にはしないわ
不穏な影も無念も、晴らしましょう
静かに手向けの杯を傾ける為にも、ね
巫覡載霊の舞使い、私も早業駆使した衝撃波での攻撃を主とし間合いに注意
仕掛ける際は読まれぬよう、時に同時に時に交互に変則的に連携を
また標的は伊織ちゃんと統一し手早く掃討
ほんと、怖いものなしだわ
敵多数なら範囲攻撃で、接近の気配あればなぎ払いで退けて
尚危険なら神霊体とオーラ防御で軽減、激痛耐性で相殺
神聖なケモノがバケモノと成り果てちゃ、ね――
(二人と虎を見遣るも、それ以上は紡がず)
さて、偶には巫女らしく
彼の神の鎮魂と、件の息子さんの快復を祈りましょう
秘されし森道を抜け切り、視界がひらけたその場所。
そこを支配するいろも、ただひたすらの二藍であった。
かつては花の名所だといわれていたという、白虎祀られし神社。
されど、立派な社は朽ち気味で、二藍に咲く花の影に静かに孕むは、不穏な気配。
「妙なモン見た憂さ晴らしに、もう一度花見――と洒落込む暇もありゃしねぇな」
……概ね予想はしていたが、全く酷ぇ有様だ、と。
佳月・清宵(霞・f14015)は、そう息を吐いて。
「さっきは面白いモン拝めたなんて言ったが、幻の原因がそーいう話と思うと全く以て笑えねーな」
「嗚呼、社も虎も、本来は花に映える佳景だったでしょうに」
呉羽・伊織(翳・f03578)と花川・小町(花遊・f03026)も、暫く放置され荒れ気味の境内に足を踏み入れながら、小さく首を振った。
同時に表情を変え、眼前に現れし存在へと一斉に視線を向ける。
『グルルル……!』
今この場所に在るのは、祀られ崇められ村の守護神であった神獣白虎ではない。
オブリビオンと変わり果てた、堕ちた獣の群れ。
けれど――神獣の最期の自我が生み出した思い。それが森道の幻影。
守りたい村人を堕ちた己から遠ざけ、そして、いつか悪しき獣と化した身を討ってくれる者を待っていたのではないか、と。
それはただ、状況を鑑みた憶測にすぎないけれども。
「てめぇらの望み通り、かは知らねぇが。最早この地に見合わぬ不吉な姿は綺麗さっぱり消してやろう」
「最期の神意、無下にはしないわ。不穏な影も無念も、晴らしましょう」
――さっさと片して飲み直すぞ。
――静かに手向けの杯を傾ける為にも、ね。
そう同時に紡がれた飲兵衛二人の言葉に、伊織は思わず肩を竦めて。
「あ、速攻は同意だケド、飲み直しは拒否な拒否」
勘弁してといわんばかりに首を大きく振るけれど。
清宵の言うように、それが彼らの望みなのかは分からないけれど。
(「その姿が二度と人目に触れねーように、確と応えようとも」)
天に咆哮轟かせる堕ちた獣たちへと、印象を変えた赤の瞳を向ける。
風を生み纏う獣の足は、素早さを誇るようだけれども。
高速移動には高速移動で応じ、対抗せんと――解放した妖剣の怨念をその身に宿す清宵と伊織。
清宵がより自由で危険な獣を優先し、牽制や妨害に動けば。
神霊体と化した小町の、舞うかの如く振るわれた薙刀から衝撃波が生まれて。
小町と共に息合わせ同時に衝撃波を放った後、伊織が間髪入れずに戦場へと飛ばすは鋭利な手裏剣。
その刃に毒や呪詛を重ね、清宵も敵の足を狙い潰せないか試みつつも。
早業を駆使しフェイントを入れ、動き読まれぬよう敵を翻弄、持ち前の技能を駆使して鮮やかな連携を重ねる。
多数の敵に対しては広範囲をカバーする衝撃波を。敵接近の気配あれば、艶やかで美しい髪を二藍の世界に靡かせつつ薙いで。
「ほんと、怖いものなしだわ」
小町は面白いほど息の合った連携に美しい笑みを咲かせながら。
抜かりなく手早い掃討をと二藍の戦場という舞台に舞う。
そして伊織の振るう冷ややかなる黒刀と清宵の放った刃の一閃が、足の鈍った獣へと同時に向いた刹那。
「――遠ざけたい、か。こりゃ確かに、な」
「……ケダモノと成り果てる等、さぞ悔しかろう」
一瞬だけ憐れむ様な、何かを重ねる様ないろを瞳に宿した伊織へと、一瞬だけ目を向けてから。
「此処まで来て血の紅差された花なぞ見たくもない。この光景すら歪めちまう前に――鎮まれ」
清宵は伊織と同時に、握る刃を振り下ろす。
『ガ、アアァァッ……!』
「神聖なケモノがバケモノと成り果てちゃ、ね――」
小町はそう二人と白虎を見遣るも……それ以上は、紡がずに。
自分たちの周囲に群れていた最後の獣を、絶妙のタイミングで同時に斬り伏せれば。
躯の海へと還りゆく、かつて神獣であった白虎を見送りながら。
「さて、偶には巫女らしく、彼の神の鎮魂と、件の息子さんの快復を祈りましょう」
そう笑む小町の隣で、伊織は紫に咲く花々へと視線を映し、その二藍に願う。
(「社も、虎も、その上に花までも荒れ果てちゃ、余りに居た堪れない」)
せめて花だけは変わらぬまま――いつかまた、参拝者を迎えられるよう、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
織銀・有士郎
【KOR参加】
「……是空」
幻影により垣間見た記憶の欠片。
そのお陰か忘れてたコードを一つ、思い出した。
「あ?」
……どうやら合流した後少しぼーっとしていたらしい。
冬青やユエル達の駆ける音で気付いたが、もう戦闘は始まっているようだ。
「いかんいかん、出遅れた分も働かないとな」
遅れた分、前衛に出るのは難しいか。【ダッシュ】で遠距離・支援メンバーを狙う白虎に接敵し、【早業】による斬撃。注意を惹いてみよう。
敵の攻撃は【野生の勘】で動きを【見切り】、
「……ここだっ!?」
適正距離なら【カウンター】で『是空』を放つ。
超至近距離の抜刀術なんて心臓に悪い事この上ないな……。
ま、頼れる面子がいるから少しは楽かね。
五條・桜花
【KOR参加】
悲しい悲鳴だったんですね
でも、胡瓜胡瓜……うう締まらないです
皆様もご無事で!
数が多いとなると、【桜の乱舞】で目くらましをしつつ削っていきましょう
さあ私の桜たち、舞い踊れ咲き誇れ我が心のままに!
ええ、1体1の戦いはそこまで得手ではありません
でも得手ではないといっても苦手という訳ではありませんよ
魔導書よ、私の声を聴いて
そして紡げ、その力を
広く浅く削りつつ、各個撃破を狙うという感じですね
接敵しないように敵に囲まれそうな場合は桜に紛れて移動しましょう
皆様やはりお強い
私もまだまだ未熟ですね
どうかお休みなさいませ
叶・雪月
【KOR参加】
人を寄せ付けないため、か
祀られていたものとしてわかるな
それじゃあ終わらせようか
おーお前らも無事だったか
遅れて悪いな
こちらもそこそこ人数いるから乱戦になると考え俺は出来るだけ各人がスムーズに戦えるように動くか
【縁の糸】【吹き飛ばし】で敵をコントロールしたい
俺は出来るだけ皆の背後を取られないように立ち回る
戦いっていうのはただぶった切るだけじゃないんだよ!
引き寄せて吹き飛ばして、さてどこまでいけるか
数が減ってきたら俺も動き方を変えるか
悪いが俺の本質は斬ることさ
我が刃の前に沈め
しかしやっぱり皆頼りになるな
人数が多いと色々動けて興味深い
安らかに眠れ、白虎
城島・冬青
【KORで参加】
戦闘中に合流
お待たせしました!
ん?首無し虎が動いてる!?なにあれ怖っ
アレは誰かの攻撃ですでに手負い(首無し)というわけではないんですね?
刀を抜き【廃園の鬼】発動!手近な虎に斬りかかります
囲まれたら【衝撃波】で吹き飛ばし
攻撃は【ダッシュ】と【残像】で回避
手負いの虎には【傷をえぐる】でトドメを刺す
戦闘中アヤネさんが無事なのを見て安心します
よかった…
しかし顔が赤いとか目元が腫れてるとか指摘が入りそうですね
えーと、ここへ来る前に転んだんです><
戦闘後にアヤネさんにハグされて焦りますが
彼女の温もりを感じて安堵します
あ、でも謝らなくていいですからね?
転んで痛かっただけですので!
本当ですよっ
ヴォルフガング・ディーツェ
【KOR参加】【SPD】
…苦しく、だがそれ以上にその姿を晒すのは苦痛だろう
神獣よ、謹んでその命を天に還そう
相手を容易に接近させない様鞭で【属性・範囲・2回攻撃】を駆使し牽制とダメージを狙う
同時に【調律・機神の偏祝】で【メカニック・ハッキング】強化しトート・ヘルメスを励起 白虎の使用する力の分析・弱点・攻撃動作を分析し仲間に通信し情報共有
オレ自身は妨害・支援に徹して仲間が動き易い様に留意
仕上げは【全力魔法】【範囲攻撃】でのルーン魔術
棘のソーン、死と再生の木を齎すユルを起動し棘の如く鋭き魔を帯びたイチイの樹槍で神々を刺し貫こうか
若き命に未来は育まれねばならない
知っているだろう、知っていただろう?
アヤネ・ラグランジェ
【KOR参加】
ソヨゴは無事?
遅くて胸騒ぎがしていたのでホッとする
僕が首を飛ばしたとかそういう訳はない
過去の因縁で手負いとは言えるかもしれないネ
あの姿では可哀想だ
還るべき場所に還そう
遠距離攻撃とは得意技が僕と被るネ
おまけにこちらの行動予測ときた
戦闘エリアを一望できる後方に配置
電脳ゴーグルを展開
ヴォルフと情報共有
連携で相手の注意をこちらから逸らした瞬間にSilver Bulletで狙撃する
戦闘後すぐにソヨゴの下へ
何か辛いものを見たのね?
心細い思いをさせてごめんなさい
優しく抱きしめ
嘘は聞かなかったフリをして
咲き誇る藍色の花々は悲しいけれど鮮やかに見えた
鏡彌・サクラコ
【KOR参加】
みなさま揃いましたねい?
よかった。ちょっと心配していたでいす
皆にうれしそうに笑いかけます
桜花さま?胡瓜って?
さて、では
敵に向き直ります
由来は存じませんが
その姿だけでお労しい
残念ながら猟兵に出来ることは限られていて
手荒ではございますが
骸の海に還しましょう
仲間と連携を取って相手を倒します
団員の中心に位置どりします
ヴォルフさまアヤネさまから情報を聞きつつ
状況に応じて団員に指示を送ります
攻撃はハクナキを操って前方のメンバーをフォロー
UCを盾のように使用して敵の攻撃から仲間全体を守ります
戦闘終了後は
怪我人がいないか無事を確認します
紫陽花と花菖蒲の色に名残を惜しみつつ
涼風・ユエル
【KOR参加】
ん……と。みんな揃ったかな?
よかった、みんな無事だね。
それじゃあ、手早く仕掛けるとしようか!
城島さんに合わせて『ダッシュ』で駆け寄り、手にした2本の剣で『2回攻撃』からの蹴りで手近な虎から仕留めさせてもらおうかな。
1対1でも負けないけど、力を合わせたほうが早いよね!
「そこ、貰った!」
後ろの対応はみんなにお任せするけど、必要なら『ダッシュ』でフォローに回るよ。
「風を使う割には少し遅いんじゃないかな?」
……雨はまだ止んでないな。
なら、今この場所はボクの領域。
周囲の雨粒を全部集めて、【天雨豪流改】でまとめて押し流してやるっ!
「集え、雨よ!蘇れ雨の記憶、天雨豪流ッ!!」
ニコ・ベルクシュタイン
【KOR参加】
皆、無事なようで何よりだ
無事合流して安堵の表情を浮かべるも、状況を把握するや険しい顔に
…成程、此れは捨て置く訳にはいかないな
此の一撃が手向けとならんことを願って
【葬送八点鐘】を発動、召喚された霊と共に
自身も双剣を構えて臆せず前線へと躍り出る
霊が繰り出す鎌はひと思いにその無念ごと骸の海へ還し
炎は黄泉路を照らす送り火とならんことを
長針は炎、短針は氷、それぞれの「属性攻撃」を湛え
「2回攻撃」による連撃で接近戦を挑もう
後方に控える味方に危害は加えさせぬよ
迫る風の刃は「オーラ防御」の障壁で防ぎ
一度攻撃を読まれても「フェイント」を交えながら動き
可能なら「傷口をえぐる」のを意識していこう
日隠・オク
【KORで参加】
なんだか見ていると悲しい……
これが聖なる白き虎……だったもの?
オブリビオン、退治します
みんなと協力していきます!
シーブズ・ギャンビット使用
敵には近づきすぎないように注意しながら攻撃し離れるというスタイル
ナイフ片手に持って斬り込みます
攻撃を受けないように攻撃をしつつ惹きつける
この綺麗な景色も、その頭じゃ、見られない、ですね
攻撃、繋いでいきます!
二藍が咲き誇る秘されし森道は、そのいろが意地悪をして、10人揃ってとは行かなかったけれど。
どのみち、目的地は同じだからと。
仲間を信じて……たまたま逸れずいられた者同士や、逸れて単独で、また敢えてひとりで。
各々が幻影に惑わされ、けれど歩みを止めずに進んだその先に――朽ち気味の神社があった。
そしてそこに在ったのは――オブリビオンに堕ちた、神獣の姿が。
「あと来てない人は誰でいす?」
鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)はぐるりと現在神社へ辿り着いている旅団の皆を見回す。
すでに他の猟兵たちとオブリビオンによる戦闘は行なわれていて、敵の数も随分減ってきてはいるが。
まだ残党は複数残っている。
「おーお前らも無事だったか、遅れて悪いな」
そこへ合流したのは、叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)と五條・桜花(六花の元に咲く桜・f03321)。
「悲しい悲鳴だったんですね」
桜花はそう頭の無い白虎の姿を確認して、そう口を開くも。
「でも、胡瓜胡瓜……うう締まらないです」
「桜花さま? 胡瓜って?」
森道で追いかけられた天敵・胡瓜の幻影を思い返し、ふるふると首を振って。
金の瞳をぱちくりとさせて、首を傾げるサクラコ。
けれど、桜花はあの青臭い存在のことを一生懸命頭の中から追い出しながらも。
まだ全員揃ってはないようだが……皆様もご無事で! と、気を取り直し微笑む。
「あとはソヨゴだけ?」
そう心配気に紡ぐのは、アヤネ・ラグランジェ(颱風・f00432)。
気が付いたら森道で逸れていて……もしや何かあったのではないかと。
不安気に元来た二藍の小径を見遣っていたアヤネであるが。
ふと緑を帯びた瞳に映ったその姿に、ホッとひとつ息をつく。
「お待たせしました!」
戦闘は既に始まってはいるけれど、最後に姿をみせた城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)も、見た感じ怪我などなさそうで。
「ソヨゴは無事?」
遅くて胸騒ぎがしていたアヤネはすかさず駆け寄ってそう訊ねるけれど。
「ん? 首無し虎が動いてる!? なにあれ怖っ。アレは誰かの攻撃ですでに手負いというわけではないんですね?」
「僕が首を飛ばしたとかそういう訳はない。過去の因縁で手負いとは言えるかもしれないネ」
普段と変わらない調子の冬青に、同じくいつものように言葉を返すアヤネ。
そんなやりとりを微笑まし気に眺めつつも。
「みなさま揃いましたねい? よかった。ちょっと心配していたでいす」
「皆、無事なようで何よりだ」
皆に嬉しそうに笑いかけるサクラコに、も安堵の表情を浮かべるも。
「……成程、此れは捨て置く訳にはいかないな」
――此の一撃が手向けとならんことを願って、と。
眼前で咆哮する頭の無い白虎の群れを見遣り、ニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)は状況を把握するや険しい顔に。
「なんだか見ていると悲しい……これが聖なる白き虎……だったもの?」
日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)もそう、元から垂れているロップイヤーを心なしか悲し気にしゅんとさせるけれども。
「……オブリビオン、退治します。みんなと協力していきます!」
気持ちを一生懸命切り替えて、皆とともに敵を倒さんと向き直る。
「……苦しく、だがそれ以上にその姿を晒すのは苦痛だろう」
ヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)も、人々を守る神獣であったらしき白虎の変わり果てた姿に、そう同情の意を紡いで。
――神獣よ、謹んでその命を天に還そう。
その苦しみから解放してあげるべく、仲間達と視線を合わせ、ひとつ頷けば。
「由来は存じませんが、その姿だけでお労しい」
「人を寄せ付けないため、か。祀られていたものとしてわかるな」
サクラコと雪月も頭無き獣へと視線を向けて。
「それじゃあ終わらせようか」
「残念ながら猟兵に出来ることは限られていて。手荒ではございますが、骸の海に還しましょう」
堕ちた白虎を在るべき場所へと還すべく、仲間達とともに敵の群れへと猟兵として成すべきことをせんと表情を引き締める。
――そんな中。
「……是空」
そうぽつりと呟いたのは、織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)。
それは――幻影により垣間見た、記憶の欠片。
そして、その記憶の欠片のお陰か……忘れてたコードを一つ、思い出したのだった。
「あ?」
……どうやら合流した後少しぼーっとしていたらしい。
刹那、ふと現実に戻ったように瞳を数度瞬かせ、有士郎は首を小さく傾けて。
「あの姿では可哀想だ。還るべき場所に還そう」
アヤネの言葉に、冬青もこくりと頷く。
そんな皆を見回して。
「ん……と。みんな揃ったかな? よかった、みんな無事だね」
涼風・ユエル(高校生月と太陽のエアライダー・f16061)は改めて全員の無事を確認してから。
――それじゃあ、手早く仕掛けるとしようか!
――花髑髏の本当の姿を見せますね。
手にした花と髑髏の彫られた刀を漆黒の吸血武器へと変化させて。
橙の髪と赤のリボン揺らしながら地を蹴った冬青に合わせ、ユエルも敵前へと駆け出す。
そして手近な獣へと斬りかかった冬青に続いて、鏡面の如く煌く刃と冴え渡る三日月の月光の如き刃、2本のナイフからの斬撃と強烈な蹴りで、1体の獣を躯の海へと還す。
「1対1でも負けないけど、力を合わせたほうが早いよね!」
並ぶ仲間は勿論、後ろで支えてくれる皆がいるから、思い切り風の如く戦場を駆けることができるのだ。
「いかんいかん、出遅れた分も働かないとな」
有士郎はそう、刀身が少し錆びてはいるが名刀である『涼鳴』を構えて。
前衛は冬青やユエルに任せ、注意を惹くように、後方に位置取る仲間に近い獣へと接敵し、握る刀を早業を駆使し素早く振り下ろす。
「遠距離攻撃とは得意技が僕と被るネ。おまけにこちらの行動予測ときた」
アヤネはすかさず戦場を一望できる後方に配置し、超高度コンピューター内臓の電脳ゴーグルを展開をして。
――さあ開演だ……指令「法則を我が意の儘に、戯れの幕を落とさん」
そうヴォルフガングが紡いだ刹那、高度情報体を編み込んだ魔帯から電子操作盤が呼び起こされ、モノクルによる透視と解析が可能となって。
「前衛の近くに、竜巻が発生する時の特徴的な超低周波音が検出されてるネ」
「そこの風を纏っている獣が、鋭い刃のような風を放とうとしているよ。気を付けて」
「前に出ている人は発生する竜巻に気を付けてください、中ほどに位置取るみなさんは、かまいたちに警戒でいす!」
皆の中心に立つサクラコがそう、アヤネとヴォルフガングの情報を素早く皆と共有するべく伝えれば。
各々が素早くその指示に従い、動きをみせる。
竜巻が発生することを報せられ、冬青は周囲の獣たちを吹き飛ばし、ユエルとともにいち早く回避するべく残像を駆使し地を蹴ってダッシュして。
巻き起こる激しい風を咄嗟に躱しながらも。
「よかった……」
ふと一瞬振り返り、アヤネの無事な姿を見て安心する冬青だけど。
顔が赤いだとか目元が腫れているだとか、指摘されそうで。
「えーと、ここへ来る前に転んだんです」
目が合ったアヤネが何か言う前に、そう言い訳を。
そんなふたりにかわり、巻き起こる竜巻にも臆せず前線へと躍り出るのは、ニコ。
そして――鳴り響け八点鐘、彼の者を呼びたもう。
そう詠唱の言の葉が刻まれると共に、ニコと前へと並ぶは、戦場へと喚んだ死を司るもの。
霊が容赦なく振るう大鎌の刃が、その無念ごとひと思いに獣を刈って。燃え盛る地獄の炎は、黄泉路を照らす送り火となる。
そしてニコがその手に握り振るう長針は炎を、短針は氷を、その刃に宿して。
「後方に控える味方に危害は加えさせぬよ」
猛る獣へと一気に接敵すれば、まるで休みなく正確に時を刻むかのように、華麗なる連撃が獣の身を斬り裂く。
さらに獣を仕留めんと、目にも止まらぬ速さで放たれるのは、オクのナイフの斬撃。
シーブズ・ギャンビットを展開し加速しながらも、敵には近づきすぎないよう注意し刃を振るえば、一旦すかさず距離を取って。
再び機を窺い、隙とあらばナイフ片手に斬り込んでは、敵を惹きつける動きを心掛けるオク。
そんな竜巻の脅威を回避し反撃に出ている前衛をフォローするべく、サクラコが戦場に躍らせるは、肩で切り揃えた白い髪の少女の人形・ハクナキ。
さらに、中衛後衛に位置取る皆を鋭い刃のかまいたちから護らんと、錬成した銅鏡を仲間の周囲に盾の如く張り巡らせて。
敵の攻撃から、仲間全員を守らんと動くサクラコ。
そして戦場に吹き巻くのは、かまいたちにも押し返されないほどの、桜の乱舞。
「――咲き誇れ、我が分身よ」
……さあ私の桜たち、舞い踊れ咲き誇れ我が心のままに!
桜花の吹雪かせた桜の嵐が、纏う風ごと敵の身を飲み込んでは斬り裂いて。
仲間たちの姿をはらりと隠す、目くらましにもなる。
そして雪月が紡ぐは、神通力が齎す縁の糸。
「――我に引き寄せられよ、その運命」
刹那、激しい衝撃音が轟き、獣の身を吹き飛ばして。
「戦いっていうのはただぶった切るだけじゃないんだよ!」
……引き寄せて吹き飛ばして、さてどこまでいけるか、と。
獣の数が多い分、出来るだけ各人がスムーズに戦えるようにと、敵をコントロールするような立ち回りをみせる雪月。
そして放たれた鋭きかまいたちの衝撃を、有士郎は咄嗟に野生の勘で見切り躱せば。
「……ここだっ!?」
――身体を、心を空にし、ただ一振りの刀として閃く刻を待つ……。
絶好の距離感を見極め抜刀し放つカウンターの一撃は、奥義『是空』。
『ガ、ァァァアッ!』
「超至近距離の抜刀術なんて心臓に悪い事この上ないな……」
ま、頼れる面子がいるから少しは楽かね、と。
高速の一閃で敵を斬り伏せながら赤き瞳をふと細める有士郎。
そんな仲間達へと、得た情報を引き続き伝えながらも。
ヴォルフガングは敵の妨害や仲間の支援に徹し、皆が動き易い様に立ち回って。
獣たちの注意が逸れた瞬間、UDC細胞炸裂弾を装填したSilver Bulletで敵を狙撃するアヤネ。
そんな息の合った連携をみせる猟兵たちの前に、獣たちはその数を減らしていって。
圧倒的に押している戦況の中、さらに一気にたたみかけにかかる。
1体1の戦いはそこまで得手ではないけれど……でも苦手という訳ではない。
――魔導書よ、私の声を聴いて。そして紡げ、その力を。
桜花は広く浅く削りつつ、敵の各個撃破を狙って。
「悪いが俺の本質は斬ることさ」
――我が刃の前に沈め。
動き方を変えた雪月の放つ閃きが、桜花の衝撃に揺らいだ獣へと完全に引導を渡せば。
さらに別の手負いの獣の傷を抉るように、花髑髏の斬撃を繰り出す冬青。
「この綺麗な景色も、その頭じゃ、見られない、ですね」
――攻撃、繋いでいきます!
そう飛び込んで素早くナイフを振るい、獣を斬り裂くオクに続いて。
「風を使う割には少し遅いんじゃないかな?」
……雨はまだ止んでないな。なら、今この場所はボクの領域。
そうユエルが周囲の雨粒を全部集め放つは、強大な水流。
「集え、雨よ!蘇れ雨の記憶、天雨豪流ッ!!」
『グアァァッ!!』
そして強烈な水の衝撃がまとめて敵を押し流した刹那。
「堕ちても尚其の矜持を貫きし白虎よ、此の一撃を黄泉路への旅立ちの贐としよう」
鋭き風の刃を、纏う気の障壁で防ぎ、フェイントを交え放たれたニコの炎と氷の双剣が敵の傷口を容赦なく抉って。
誇り高き白虎を在る場所へと送る、手向けの一撃となる。
さらに仕上げに入るは、全力の魔力で編み上げられる広範囲に渡るルーン魔術。
「若き命に未来は育まれねばならない」
――知っているだろう、知っていただろう?
刹那、棘のソーン、死と再生の木を齎すユルを起動したヴォルフガングが、棘の如く鋭き魔を帯びたイチイの樹槍で神々を刺し貫く。
「しかしやっぱり皆頼りになるな、人数が多いと色々動けて興味深い」
「皆様やはりお強い。私もまだまだ未熟ですね」
――安らかに眠れ、白虎。
――どうかお休みなさいませ。
雪月と桜花の息の合った、巻き起こる桜の嵐と振るわれた鋭き刀の一閃が、最後に残った敵を、躯の海へと送って。
堕ちた白虎全て、躯の海へと還したのだった。
アヤネは真っ先に、冬青の元へと駆けつけて。
「何か辛いものを見たのね? 心細い思いをさせてごめんなさい」
「あ、謝らなくていいですからね? 転んで痛かっただけですので! 本当ですよっ」
ぎゅうっと優しくハグされて焦りつつも、包まれたその温もりに安堵する冬青。
そんな冬青の嘘は聞かなかったフリをして。
アヤネはもう一度、仲間たち皆と一緒に、二藍のいろをその瞳に映せば。
咲き誇る藍色の花々は悲しいけれど……でも、鮮やかに見えた。
サクラコも旅団の皆の怪我を確認しながら、再び降り出した雨に艶めく紫陽花と花菖蒲の色に名残を惜しみつつも。
綺麗ですねい、と。
もう不穏な影が消え失せた二藍の花影を映す金の瞳を、そっと細めたのだった。
成功
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