【RP】夜の帷が落ちるまで
葬・祝 2021年11月9日
空は黄昏。
連なる鳥居をくぐり抜ける足取りは軽く、珍しくきちんと地に足を付けている悪霊の足元からはからりころりと高下駄の音が鳴る。
今回の依頼ではハロウィンとは言え、食糧の類は皆差し出してしまったから、帰ったら先ず夕食にしよう。
多分、自分たちの分も夕食の支度がされている。
不意にくるりと身を翻して後ろを歩く幼子を見上げる鏡面の視線には、少ぉしばかり面白がる色。
「ね、カフカ。私の愛い子。今夜は部屋風呂に入りましょうね」
悪霊は、にっこりと笑った。
☪︎*。꙳
はふりとカフカ
1
神狩・カフカ 2021年11月9日
(見下ろす先にある視線の色を、陽色の双眸に映せば)
(また白いかんばせに仄かに朱が差す)
(さっきの意味はやはりそういう意味だったか、と)
(その言葉で確信に至ってしまって)
神狩・カフカ 2021年11月9日
お前さん。機嫌良さそうだなァ。
(肯定も否定もしないまま)
(ふい、と視線をそらして非難や呆れが混じった声を投げた)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
んふふ、そりゃあもう。
(からん、ころん。ご機嫌に歩む音は軽やかに、黒と緋に彩られた袖が秋風と遊ぶ。赤く染まった頬が愛らしい。まして、非難すれども、呆れはすれども、逃げるなんて考えがなさそうな辺りがより愛らしい)
“悪戯”もたまには楽しいものでしょう?
(眼を細めるように、ゆるりと口角を上げて悪霊は笑む。勿論、相手が楽しいなんて同意出来るはずもないのは承知の上だ)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
“悪戯する側”は愉しいだろうなァ。そりゃァ大層。
(冷えた秋風に溜息が混じる)
(前往く悪霊の軽やかさに反して、こちらはとぼとぼという擬音が似合いそうな足取りだ)
元はと言えば、あいつが余計なことを教えなけりゃァなァ……。
(ぽとり、と落ちる独り言)(元凶への恨みがつのるばかりだ)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
ええ、何時も以上に愛らしいお前が見られるんですもの。とても愉しいです。
(しれりと言いやる悪霊に、悪意なんて欠片もないのがより厄介だ。“悪戯”で、何時も以上に自分のことしか分からなくなる愛しい子を見ているのが好きなだけ)
ふふ、私は有り難いですけど。色々面白い話が聞けます。
(とぼとぼとした足取りが何だかしょんぼりと垂れた耳と尻尾でも見えそうで、ころころと鈴を転がすように笑いながら相手の隣へ戻って来て、その手を取った。どうせもう直ぐ其処だけれど、手を繋ごう)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
(まったく悪びれてねェなこいつ……)
(その言い草でこれからのことを勝手に想起しだす頭を静止するように頭を振って)
神狩・カフカ 2021年11月9日
(渋々と言った様子で手を重ねた)(わかりやすくささやかな抵抗だ)
他にもなんか余計なこと吹き込まれていないだろうなァ?
(今のうちに把握しておけば、事前に封じることができるかもしれない)
(と、希望を持ちつつ視線を向けて)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
(渋々、なんてして見せたって、この子が本気で嫌がって手を取らなかったことは、自惚れでも何でもなく一度もないと知っている。だから、くすくすと可笑しそうに笑いながらその手を温度のない小さな手で大切そうにきゅっと握って、あやすように軽く揺らす)
……他、です? 何かありましたっけ。
(ことんと細い首を傾けて、頭上にはてなを浮かべる。まあ、膝に乗せて貰ったりバニーボーイになったりトリックオアトリートに関してもそれ良いなとノリノリで賛同して貰ったり色々しているのだが、余計なこと、と言われると)(さてはて何のことやら)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
(やれやれ。本当に愉しそうだな、なんて肩を竦める)
(重ねた指先から、自分の熱が移っていく)
お前さんは自覚がないかもしれないがな、おれが面倒を被るようなことをだな……。
あー、じゃあ新しく教えてもらったことならどうだ?
(質問の趣旨を変えた)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
(じんわりとぬくもりが移って行くこの感覚が、結構好きだ。指を絡めるように握った手だけが、何だかほんのりあったかい。この子の生きている熱が、好きだ。だから、肌で触れ合う時間もより好きなのかもしれない)
新しく……、今の所は特にないんじゃないですかね? クロウがお社を出てからはまだ、私から誕生日を贈ったことと、ハロウィンを教わったことと、あとは依頼でご一緒したくらいですし。
(多分)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
(ほのりほのりと、繋いだ手に心地よいぬくもりが灯っていく)
(いつの間にか当たり前のように習慣化してしまった感覚だ)
へェ、誕生日を祝ったり依頼に一緒に行ったりしてたのかい。
それは初耳だったかもしれねェなァ。
(改めて聴くと、知らないことが結構出てくるものだ)
(陽色の目がぱちくり)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
(昔からずっと。この妖にとって、ぬくもりと言えばこの温度だった。今となっては他のぬくもりも知ったけれど、それでもやっぱり、一番安心するぬくもりはこれだ)
ほら、この間、依頼で演舞をした時もそんな話をちらりとしたでしょう?
(鏡のヤドリガミの手首を飾る、赤い組紐の花飾りと緋色の石。この妖に宿る数少ない神威を込めた、幸運を招く厄除け)(そういえば。何だかあの子が拗ねた顔をしていたのって、その話のあとだったか。あの時、何で仔猫と仔犬はきゃんきゃんにゃあにゃあしていたのだっけ?)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
あれな……お前さんがあそこまでするのも珍しかったから、よォく憶えてらァ。
祝ったつーのはあれのことか。へェ……。
(わかりやすく不機嫌というか、拗ねたようなそんな素振りを見せる)
(あのときと同じように)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
(……あれ、)
葬・祝 2021年11月9日
…………。
……もしかして、お前、妬いてます?
(相手を見上げて、思わずきょとんと。この前も、最近社の者たちと仲が良いと愛らしい悋気を見せてくれていたけれど。これも、もしかして。気のせいかもしれないけれど)(この二年で、この妖の交友範囲は一気に増えた。今まで相手以外の全てを有象無象としか映せなかった鏡面の眼に、相手以外にも“どうでも良くない”や“信頼”を知り、“好意”を映し始めたからだ)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
いやいやいやいや!? 妬いてねェが!? 別に!
(ぽかんとした顔から一転)
(あからさまに語気が強くなり、声が大きくなる)
(繋いだ手の体温が上がっていることに気づくだろうか)
(明らかに図星だとわかる態度だった)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
(突然大きな声を出されると、きょとんとした鏡面が相手を見上げる。浮いていなかったから、視線は何時もより遠い)(ぱちくり)
葬・祝 2021年11月9日
…………。
葬・祝 2021年11月9日
……ふっ、ふふっ。ふ、あははははっ!
(思わず、思いっきり笑った。軽やかな少年の笑い声が耐えきれなかったかのように華やかに零れる。とん、と高下駄が参道を蹴って、ふわりと浮かんだ小さな体躯がそのまま相手の頭の高さへ。相手の手から手を離し、代わりに両腕で相手の頭を包み込むように抱き締めようと、満面の笑みで手を伸ばした)
嗚呼もう、本当に可愛い。私の愛い子。愛しいカフカ。
(蕩けるように甘ったるい、可愛くて可愛くて仕方がないとでも言うような声が、昔から言い続ける言い回しで愛おしげに相手を呼ぶ)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
な、なにを笑ってやがる! ……!? やめろばか!
(抱きしめられてわたわた)(本気で抵抗しない辺り観念してるのか。お察しだ)
かわいかねェだろォよ……別に……何をそんなに嬉しそうにしてるンだかて……。
(照れやら気恥ずかしいやらで顔が熱い)
(このまま憤死してしまいそうだ)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
(ぎゅっと抱き締めたまま、神聖な参道で叱られそうだなんて知ったこっちゃないとばかりに愛しい子のこめかみに、髪越しに赤い唇を落とした)
嬉しいですよ。だって、それはお前が私を独占したい気持ちなんでしょう?
(ふふ、と滲む幸せそうな笑い声)(ずっと相手のことだけを無自覚に想って来た妖は、己へその気持ちが返されることを想定なんぞしていなかった。今も、相手の恋を諦めさせたことに少しの罪悪感すらある)(でも、相手がまるで自分だけのものだったのにも言わんばかりに愛らしい悋気を見せて拗ねてくれる)(それが、堪らなく嬉しい)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
(髪越しの口付けでもむず痒いものだ。なんだかそこが熱い気がするし)
うぅっ…………
(尽く言い当てられてしまい、何も言い返せず。小さく声が漏れる)
………………お前さん、いつの間にか気持ちに聡くなったもンだなァ……。
(大きく大きく溜息を吐いて)(暫し口を閉ざし視線を右往左往)
神狩・カフカ 2021年11月9日
……ああ、そうサ。
あいつへ向ける気持ちが、他とは明らかに違うなって思ったからよ。
妬いちまうのも無理ねェ話だろ。こんなの初めてだし。
(観念したようにそう白状した)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
分かりますよ。だって、それは、私がお前に向けていた“私だけのもので居て欲しい”と同じものですもの。
(学び済みどころか、経験済みのことだ。分からないはずがなかった。相手の頭を包み込むように抱き締めたまま、その手でそっと紅葉の色をしたその髪を梳くように指を通し、ゆっくりと撫でる。よしよし、と何度も)
葬・祝 2021年11月9日
多分ね、“どうでも良くない”もので、“信頼”というものなんだと思います。私は彼が幸せであれば良いと思ったので、私を忘れなければ良いと思ったので、あれを渡しました。私も、……忘れないと思えたので。
(忘れて、忘れることで身を軽くして、積み重ならぬようにして。そうして来たけれど、少しくらい、例え遠く離れても忘れ得ぬものが出来ても良いと思った。あれは曲がらず、歪まず、あれがあれである限り、この手を振り払うこともないと思えた。だから)(でもね、とそっと微笑んで、今度は相手の眼帯の上へ唇を落とす。失った、其処。かつては愛しい黄金の片割れがあった場所)
私が足掻くもの、必死になるのも、諦め切れずに無様を晒しても構わないと思うのも。お前のことだけですよ。
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
なンだ。抱えてる想いは同じだったってことかい。
(それなら理解も察することも容易であったろうなぁ、と)
(やはり恥ずかしくなる)
(撫でられて、大分余裕のなかった胸の内も落ち着いてきて)
神狩・カフカ 2021年11月9日
…………そうかい。
(まあ、わかっていた。どういう気持ちで渡したのかも痛いほどに)
(そりゃあ、千年も一緒にいるから)(だから、)
……お前さんにとって良いことを、素直に喜べねェのもな……
なんだか器が小さェ気がしてよ……それも嫌だったンだよ……。
(小さく小さく、紡ぐ言葉。今日一番の素直さで白状した)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
君と同じを持てることが、今の私にはとても嬉しい。
(以前に比べれば、随分と自然に柔らかく微笑むようになった妖は、幸せそうな声で言う。今の自分は何なのか分からなくなっても、存在が揺らいでも、今の自分の方がずっとずっと好きだった。愛しい子の見ている世界を理解出来るようになって来た自分の方が、遥かに楽しかった)
葬・祝 2021年11月9日
(ふふ、と小さく笑みを零して、また眼帯の上へ唇を寄せる。愛しい。可愛い。大切な子。参道を歩いていた足はすっかり止まってしまっていて、でもそれより、今はきちんとその言葉と向き合うべきだと思えた)
……カフカ。きっとそれが普通ですよ。だって、私だってお前の恋に嫉妬しました。喜べませんでした。見たくないからと逃げ出そうとしました。自覚がないだけでとっくに深く愛してしまっていたんですもの、仕方ありません。
ねぇ、私の愛い子。可愛いカフカ。君から見て、私は器の小さい輩です?
(相手の頬に手を添えて顔を挟むように、目線の高さを合わせて覗き込む。柔らかく優しい表情と、そっと気持ち紐解くような声だった)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
(こんな顔で笑うようになったこと)(それは素直に喜ばしくて)
(それを齎してくれたのが自分だけでなく、他ならぬ自分が悋気を向けていた者たちで――)
(そう考えると、すとんと腑に落ちて、もやもやとしていた胸の裡が晴れていく気がした)
神狩・カフカ 2021年11月9日
(眼帯の下は何もないというのに、口付けを受け入れようと思えば癖のように、隻眼を閉じた)
(それから再び目を開けば、眼の前の鏡面と視線を結んで)
……普通ねェ……お前さんから普通を説かれるとはなァ。
(それも変わった証だろうか)(表情に柔らかさが戻ってくる)
器が小さェようには見えねェな。
…………それよりも
……、…………想いの深さが見えるかねェ。
(目の前の柔らかな笑みに、ふっと微笑んだ)
(無効票)
葬・祝 2021年11月9日
だって最近は色々と思うようになりましたもの。
(普通、なんて自分には縁遠かったものも。少しくらいは分かるようになった部分がある。愛している。好きで、好きで堪らなくて、何よりも大切で。自分だけのもので居て欲しくて、誰にもあげたくなくて、特別で。だから苦しいし、何だか拗ねたような気持ちにもなるし、悋気だって出る。自分の抱えたそれを、相手も持っているのか。そう思えば、何だか嬉しい)
ふふ。私からもね、君の想いが見えますよ。……君は怒るかもしれませんけど、私は君が妬いてくれたと知って、嬉しかったです。ねぇ、カフカ。愛していますよ。
(そうだ。想いが見える。それは相手も同じこと。悋気は行き過ぎなければ愛らしいもので、それを受ける身からすれば嬉しくて幸せなことだ。だから、愛していると少年の声で告げる。何度だって悋気を見せてくれて良い。代わりに、何度だってお前だけを愛しているときちんと伝えよう)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月9日
ついに言葉にしなくても、おれの気持ちが伝わるようになっちまったか。
お前さんの成長は目覚ましいや。
(なんて、冗談めいた口調)(余裕が戻ってきたのだろう)
神狩・カフカ 2021年11月10日
…………怒りゃしねェさ。
そうかい。嬉しかったのかい。……不思議なもンだなァ。
(負の気持ちだと思っていたのに、相手を喜ばせていたとは)
おれも愛しているよ。はふり。
(不思議と今は照れることもなく、するりと出た言葉)
(同じだけの想いを返したかったから)
(無効票)
葬・祝 2021年11月10日
色んなことを、気持ちを、知りたいんです。真似をするためじゃなく、私のものとして。
(きっとそれが、愛しい子の隣に立てる道のひとつになる。生き物すらも経由しない人ならざるものが、心を持つ者になるために。何時か、共に神無月の宴に出るために。きっと、それが大切なことになる。そんな気がしていた)
葬・祝 2021年11月10日
(愛している。そう返してくれたことに、一瞬だけ瞳を見張って、それから酷く幸せそうに妖は表情を緩めた。鏡面の眼が、とろりと柔らいで相手を映す)(頬を挟んで覗き込んでいた顔を、首を傾けるようにそっと近付ける。ざあ、と強い風が吹いて、真っ赤な紅葉が舞い上がった)(唇に触れる柔らかさと、ぬくもり)(言葉を返すよりも先に、動いてしまった)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年11月10日
(触れた柔らかさに肩が小さく跳ねる)
(あまりにも自然な動作で、それが当たり前のような仕草で)
(だから、観念したように瞳を伏せて受け入れた)
(ここがどこであるとか、そんな認識はとうに無く。きっと、どこかに置き去りにされていて)
(自分もきっと浮かれていたのだ)
(無効票)
葬・祝 2021年11月10日
(伝わるぬくもりが心地好くて、何処か甘い気さえした。もっと欲しいと思ったのは、こんなに近くに居ても、何度肌を重ねても、焦がれて止まないからだ。他の何が増えたって、誰が居たって、始まりのたったひとつの星はこの手の中にあって、ずっとずっと自分だけのもので、これがなければ何も無いのと同じだ)
……ね、カフカ。私の愛しい子。私のために、今日の夕飯を抜いてくれる気は?
(そっと唇を離して、吐息さえ触れ合いそうな距離でそっと甘えるように問いをひとつ。食事が娯楽でしかない神と悪霊だからこその問い掛けだ)(食事とか、皆との語らいとか。そんな普段は楽しんでいる娯楽よりも何よりも、今直ぐに欲しいものがあった)
(。)
神狩・カフカ 2021年11月10日
(そっと離された柔らかな唇に)
(きっと名残惜しいような、物足りなさそうな顔をしてしまっていたことだろう)
(そんな自覚は不覚にもあったから)
(視線を右往左往させてから、やっぱり反らして)
…………、
(無言でこくりと頷いた)
(。)
葬・祝 2021年11月10日
(りん)
葬・祝 2021年11月10日
(鈴の音)(瞬きひとつ)(白皙の顏を持つ男がひとり。無機質な色味を裏切る蕩けるように甘ったるい瞳をしたそれは、頷いてくれた愛しい子を己の腕で急くように引き寄せて、黒と緋に彩られた袖に宝物を隠すように包み込む)(そうして)(風に舞う紅葉に紛れるように、ふつり。その姿を消した)
葬・祝 2021年11月10日
(あとには、秋の風と、結局主人が帰ることのなかったお社があるだけ)
葬・祝 2021年11月10日
【〆】