【RP】天竺葵の日々
葬・祝 2021年10月11日
お社の一室で、少年の姿をした悪霊は日に焼けて古ぼけたような日めくり暦を眺めていた。
この空き部屋に、どうしてそれがあるのかも、何時からあるのかも、知らない。
誰が捲っているのかも、年が変わった際に交換しているのかも、知らない。
けれど、この日めくり暦は毎日捲られていたし、千切られた嘗ての日付けたちが何処へ消えたかは分からなかった。
そういえば、と少しばかり考えた悪霊は、ぺらりと日めくり暦を捲って先に進めてみた。千切りはしない。何が起こるか分からないことは、しない方が良い。
本日は、十月十一日。
旧暦では、長月の十一。
あと一ヶ月と少しもすれば、神無月が始まるのだ。
☪︎*。꙳
はふりとカフカ
1
神狩・カフカ 2021年10月11日
なァに、してんだンなとこで。
(悪霊の後ろからひょっこり顔を出して、その視線の先を見遣れば)
…………予定でも決めていたのか?
(だって日めくり暦なんて眺めていたから)
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
(後ろから、というか、頭上から顔を出した相手を視線だけ上に向けるように見遣り、捲っていた頁から手を離して)
いえ、もう一ヶ月もすれば神無月が来るなあ、と見ていただけですよ。
(神無月。相手にとっては、神在月だ。何しろ、相手は山神。日の本の神のひと柱であり、神無月に出雲で行われる神々の宴に出席義務がある)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
………ああ。
(合点がいったように、ぽんと手を叩いた)
もうそんな季節か。季節が巡るのは早いもンだ。ついこの間顔出したばっかりな気がするのにな。
(宴の話である。またあーだこーだと服装や手土産を見繕って出かけねばならない面倒臭さもあった)
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
君が忘れてどうするんです、行くご当人でしょうに。
(珮李やりゅうこもそうだが、このお社の神々はあんまり神らしくないからか、どうにも慣例を忘れがちだ。今年、もしかしてあのふた柱にも神無月ですよと声を掛けておくべきなのだろうか)
珮李やりゅうこも居なくなりますし、時雨が淋しがりそうですねぇ。
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
こう毎年毎年あると、忘れちまいがちでな。
(慣れって怖いな?なんて、乾いた笑いを零して)
まあ、今年は珮李やりゅうこも一緒ならそこまで面倒なことにゃならねえェかな。
そういや時雨は神無月で留守番するのは初めてか。
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
毎年あると逆に忘れない気がしますけどねぇ。
(仕方のない子、と可笑しそうに。この子、放浪していた二年間はちゃんと宴に出られていたのだろうか。すっぽかしていそうで心配になる)
まあ、君のホイホイ対策にはなりそうで安心しています。特に珮李。……嗚呼、そうですねぇ。初めてですし、お社にこんなにみんなが居ない、静かな日々なんてのも初めてでしょうねぇ。何時も賑やかですから、このお社。
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
なんだ、ほいほいってのは。おれだって気をつけてるつもりなんだがなァ。
(つもりはつもりでも、悲しいことにあまり結果には結びついていなかった。生来の気質なので仕方ないのかもしれないが)
静かは静かで過ごしやすくていいとは思うがねェ。
ま、お前さんがいるならそこまで寂しくはないだろォよ。
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
ま、君のそれは不治の病みたいなもんですからねぇ。
(肩を竦めるさまは、最早諦めである。やれやれ、と溜息を吐いて、畳の上にぺたりと座った。そうして、隣をぽんぽんと叩く。無言の、“おいで”)
このお社は喧しいくらいが好きですよ。……さぁて、どうでしょうねぇ。くふふ、私は神域内で大人しくしてますから、時雨は元より私が淋しがらない内にお早いお戻りを。
(悪戯っぽく瞳を細めた悪霊は、揶揄うような口調でそんな戯言。数日どころか数年逢わなくたって普通だった癖をして)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
治ってくれると助かるんだがなァ。
(自然な流れで隣に腰を下ろした。今日は特にやることがないし、のんびりするつもりてまはあったし)
ここ最近は更に騒がしくなったからな。
(主にりゅうことか、りゅうことか、りゅうこのせいで)
神狩・カフカ 2021年10月11日
なンだ、お前さんも寂しがってくれるのかい?
(へェ、なんて意外そうな声)
(戯言だとしても、そういう言葉が出てくるということは、少なからずそういう気持ちがあるのだろうか、なんて気になってしまって)
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
それは誰より私が一番願って止まないと断言出来ますよ。
(治ってくれると良いけれど。まあ、千年以上このホイホイに対処しているから今更なのだけれど、自分が昔より遥かに弱くなった分、何時か対処出来なくなる日が来そうで嫌だから治ってくれると良いとは思う。隣に座った相手の手を勝手に取って、手慰みのように掌を合わせたり指を絡めたりして遊びながら)
騒がしさの大体八割方はおひとりですけどね。
葬・祝 2021年10月11日
…………、
(手慰みの指が、ぴたりと止まる。ぱちくり、瞳を瞬いて、少しだけ考える素振りでことんと細い首が傾いた。妙な間。ややあって、徐に自分の胸に片手を当てて、今更気が付いたことのように)
……あ。そうか、これ、淋しいって言うんですね。冗談のつもりだったんですけど。
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
お前さんには世話になりっぱなしだからな……。
まあ、宴で粗相をするのもおれの本意じゃねェからな。
(自分よりも位の高い神相手に緋幟が発動でもしてしまえば中々のスキャンダルになりかねない。そういう注目は望んでいない)
神狩・カフカ 2021年10月11日
(手を好きにさせてたかと思えば、突然びくともしなくなって)
(どうした?と隣を見れば、またそういう顔。なるほどな、と理解して)
なんだ、今更気付いたのかい?
そういう気持ちは冗談にはして欲しくねェなァ。
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
宴でやらかすと、間違いなく大騒ぎになりますからねぇ。
(しれっとしているが、例え位の高い神相手でも無体を働こうとすれば間違いなく発動する。発動してしまった場合、更に上の位の神を味方に付けられるかが勝負、みたいなことになりかねないので、なるべくなら緋幟が発動する余地がないくらい安全にしていて欲しい)(またのろのろと手遊びが始まる。ぬくもりが好きなこの妖は、放っておけばこうしてずっとひとり遊びをしていることも良くある)
……だって気付かなかったんですもの。普通に揶揄のつもりでしたよ。不思議ですねぇ、少し前だって君は二年間は居なかったし、修行時代は何年も逢わなかった時期もない訳ではないのに。
(本当に不思議そうだった)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
(不思議そうな顔)(こりゃわからってない顔だな……)
(伝えるべきか――いや、ちゃんと言葉にせねばと数拍沈黙した後に、のろのろと口を開いて)
………、
…………まあ、関係が明確に変わったから、……かもな…………
(視線は移ろい、口調もしどろもどろ。おまけに握られている手もなんだかそわそわしている)
(けれども、そうやっと伝えて)
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
(相手の沈黙に不思議そうにしながら、もちもちと相手の手を遊ぶ。染まった目元と、泳ぐ視線。しどろもどろになって、遊んでいた手も少し逃げ腰な気がする。相手の言葉をゆっくりと脳内で咀嚼して)
……嗚呼、なるほど。恋い慕うって、こういうことも形のひとつなんですねぇ。それなら、淋しいのも悪いことではない気がして来ました。
(にこりと笑う表情は逸そ無邪気で、心なんて理解出来なかった己が想うということについて回るらしい寂寥を感じられるのも逸そ幸せだと)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
(理解してくれたようで、やれやれと肩をすくめる)
(何千年も一緒に生きているの言うのに、まだこうも無垢なところがあるというのが、根本から違う種族なのだと感じる)
(……だからこそ、)
神狩・カフカ 2021年10月11日
淋しいって気持ちを理解してくれるのも嬉しいんだが……、
できるなら、そんな気持ちないほうがいいだろ?
(手を握り返す。なにかを切り出そうとする合図のように)
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
(知らないことは、まだ多くて、理解が及ばないこともまだ多い。人真似でそれらしいものを演じることは出来ても、本物の心の動きとなるとまだまだだ。それらも、ひとつひとつ学んで行かねばならないと知っている。何も持たずとも、理解が出来ずとも、ひたすらに反復して学び続けることだけは得意だ)
……? そう、……かもしれませんけど。
(相手が何かを言い出そうとしていることは、気が付いた。それは、長年共に居たからこその慣れだ。話を促すように、視線を向けた)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
(視線を合わせれば、ふっと微笑んだ)
離れるから淋しく感じるんだ。
――――だったら、一緒に宴に行きゃいいだろォが。
(なんでもないことのように、そう言ってのける)
(表情を見れば、決して夢物語を語っているわけではないことはわかるだろう)
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
…………、
葬・祝 2021年10月11日
(ゆっくり、一度瞬いた。何でもないことのように言うそれは、多分、きっと、本気で。でも、自分が厄災であり、神々の前に立てば追い回されて封印されるか、何らかの措置を求められることも、良く分かっているはずだ)(もう一度、鏡面の眼を瞬く。夢物語や冗談ではない、本気なのが分かるから。何と答えようかと、回答に少し時間が掛かった)
……何時か、叶えば良いな、とは、思います。
(これは、本音。今は、まだ無理だ。厄災でしかない己が、今もなお、他者の魂で霊体を強化し続ける選択肢か出来ぬ己が、厄災以外の何かになる日など、本当に来るのかは、分からない。でも、霊体になったからこそ、歪みやすく、変わりやすい今なら、何かを変えられるのではないかと、)(思いたい)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
ははっ。いつかねェ……
そうやってお前さんと未来の話ができるようになるとはな。
(それだけでも嬉しいものはある。けれども、まだ。まだ足りないと思う。だから)
ま、今はいつかでもいい。
けれども、これは必ず訪れる未来の話サ。少なくともおれはそう思っているよ。
(だって自分が“本当”にするのだから)
(向ける眼差しは、いつしか決意の籠もったものに変わっていた)
(無効票)
葬・祝 2021年10月11日
死者が何時かの話をするなんて、我ながらどうかしているとは思いますが。
(それでも、何時か、を願いたいと生まれて初めて思っている。今その場を過ごすこと以外で、数日先の話程度以外で、未来を考えるようになるなんて初めてだ)
……お前が言うと、本当になりそうですねぇ。
(瞳を伏せるように、静かな声が呟いた。一度本気でやると言ったらやり遂げるのがこの子だと、良く知っている。だから、その決意の眼差しが形だけのものではないことも、長い間共に居たから知っている)(零落した厄災風情の己が、神無月の宴に共に行く。そんな日が、来るとしたら。それは、愛しいこの子ととこしえに生きることが叶った未来だ。己の願いが叶った世界だ)(まだまだ、これから。先は長いけれど、諦める気も、ない)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年10月11日
何もおかしなことなんざないさ。おれとお前の未来の話なんだからな。
(二人の話だ。お前一人の話ではない、と。そう言外に)
ふふ、そりゃァ出来もしねェことを語るつもりはねェからな。
(まあ、きっと相手もわかっているのだろう。決意の視線を和らげれば、微笑みへと変わって)
神狩・カフカ 2021年10月11日
ま、おれたちゃ時間だけはたっぷりとあるからな。
焦らずじっくり行こうや。
いつかお前さんのことをあの宴で紹介させておくれ。
(それが今の自分にとっての目標かもしれない。そんな気がした)
(。)
葬・祝 2021年10月11日
……私と、カフカの。そう、ですね。
(嗚呼、そうか。ふたりの話、なのか。自分だけの話ではないのだと、改めて気付かされた気持ちだった。この子がそれを考えていてくれることに、未来を想ってくれることに、何処か暖かいような不思議な感覚がする)
……私も、頑張りますから。学ぶことだけは得意なんですよ、昔から。
(そう、学びは得意だ。繰り返し、繰り返し、千年以上をも人真似を続けた時のように)
葬・祝 2021年10月11日
……、……全く。君と来たら。
(本当に、この子は光だ。目映くて、鮮やかで、目も眩むくらいに明るい。私の、宝。私の、愛し子。ふ、と赤い唇が笑みを刻んだ)
ええ、何時か。君と共に向かえるようになりましょう。
(何時か。胸を張って。きっと、そうなって見せる)
(。)
神狩・カフカ 2021年10月11日
……そっか。
じゃあ、これはおれとお前さんの目標だな。
ふふ、お前さんの力もあれば案外すぐかもなァ。
(二人の目標だ。二人の力があれば、本当にすぐな気がして)
(同じ方向を向いているとは、これほどまでに心強くて)
(何より、幸せに感じて)
今からお前さんの正装も用意しておかねェとな。
(なんて、冗談をご機嫌に口にした)
神狩・カフカ 2021年10月11日
(果たしてそれは日めくり暦を何枚捲った先にあるのか)
(まだわからないけれども、必ず訪れる未来であろう)
(それだけは確信として胸に固く根付いていた)