【1:1】兎の隠れ処
フラン・スティレット 2021年6月6日
UDCアース・昼下がり
何処かの片田舎
がらがらのバスに揺られて数十分
古寂びた停留所でバスを降りて、少女は少年を連れて田舎道を進む
土手を下り、木立を抜け、時には不思議な襖の力を借りて近道をして
辿り着いた先は、ひとけのない沃野
ふと少女が指差した先は、木々を背にぽつぽつと佇む幾つかの建造物
鉄屑で拵えた掘立小屋のようなそれが、ふたりが目指す目的地
――草木がざわめく中、少女と少年は再びゆったりと歩みだした
***
※約束した方と
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フラン・スティレット 2021年6月6日
さて、もう一息で我が家に到着、だ。……襖のお陰であっという間だったな。(目的地が近づくにつれて、徐々に明らかとなるその外観。母屋の外壁には蔦が這い、トタンの納屋は錆だらけ。――ひとの棲家と思えぬほどに荒廃しているけれど、敢えて言及せずに子狐の反応を伺う)
……ウィオはどう?こういう田舎は。たまには都会の喧騒から離れるのも悪くないだろ。……田舎というか、地の果てだが。(辺り一面に生い茂る草木。飛び交うトンボたち。豊かな自然の只中で、後ろ歩きで子狐に苦笑を向けた)
津雲・ウィオ 2021年6月6日
ふふぅ。拙者も学校に通う時は、コレ使ったりしてまする~。(――子ぎつねの実家は田舎も田舎。日に数本のバスにも、罅割れたアスファルトや悪路で席が跳ねておしりが痛みそうになるのにも、少しは慣れていた。下車した後は指示通りの距離感で、空間転移を行える不思議な襖を開く。周りに人間も少ないからか、能力も使い易かった)
ん。拙者のおうちも、こういう雰囲気にござるゆえっ。なんとなく慣れたものはー……おぉー。何やら秘密基地みたいでござるな。くふふ♪(童心に満ちた少年には、それが廃屋ではなく、隠れ家の様に目に映った様子。大きな狐尾を揺らして、既に楽しんでいるのを伝えていた)
フラン・スティレット 2021年6月6日
確かに、雰囲気はウィオん家の辺りに似てるか。……空気は澄んでるし、夜は星が綺麗でな。たまには、こういう景色も悪くない。(戯れに指を突き上げれば、トンボがとまってはまた飛び立っていく。――子狐の楽しげな様子に安堵すると共に、少しの悪戯心が湧き上がった)でも、夜中は少し怖いかも。ひとけがない上に真っ暗闇だから。……おまけにトイレは外。ウィオが一人で行けるといいけど……。(軽くおちょくるつもりで、抑揚を抑えた声で語る)
秘密基地……。たしかに、言われてみればそんな感じかも。……元々は、人目につかずに装備や所持品を保管する場所が欲しくてさ。あそこなら色々と都合がいいってわけ。(今までそんな発想が浮かばなかったのは、単なる拠点として見ていたからだろうか。けれど、こうして友人が共に居れば、童心に帰れるもの。歓迎の意を込めて、小さな客人に微笑みかける)
津雲・ウィオ 2021年6月7日
ん。ん。町の方へ夜に行った時は、星の少なさに驚いたものでござるよ。ふふぅ。(指先とまれとトンボが下りるのを見れば目を輝かせ、指を同じく立てるものの、狐耳の先っぽに停まられてしまった。耳を跳ねさせて追い払いつつ)……実は、サムライエンパイアでお泊りした時に、体験済みだったりっ。電気が無いから暗くー……けれど、提灯を手に歩くのは、なんだか楽しくござった。(半妖とはいえあやかしなのか、少しは順応しているようで)
ふむ、ふむ。どうやら本当に秘密基地ー……隠れ家、みたいな。なるほどござるっ。ふふふ。拙者の隠れ家は押入れの中ぐらい~。(そんな和らぐ感情が体質で伝われば、向けられる笑みに笑みを返してくすくすと、可笑しげに楽しげに。蔦纏う壁に触れて)
フラン・スティレット 2021年6月7日
へぇ、なるほどね。暗闇なんてへっちゃらってわけか。……ふふ。そいつは逞しいことで。(提灯を掲げる狐の半妖を夢想して、くすりと笑む。今は無邪気にトンボと戯れる彼を、微笑ましげに見守った)
なんやかんやで到着だ。いちお、此処が居住用。周りの小屋は物置とかトイレとか。……ようこそ、我が家へ。押し入れよりは広いはず、だ。(子狐を導くように鍵束を鳴らして。少しばかりおどけた歓迎の挨拶の後、玄関らしき扉を開け放った)
靴は脱がなくていいからな。外から砂埃が入り込んでるから。……ま、寛いでよ。水でも飲む?冷えてないけど。(板材を打ち付けた窓と、壁の穴から差し込むまばらな光が照らす、荒れた室内。がらくたに紛れて、棚や樹脂製のコンテナに少しの物資が収めてある。――ペットボトルの水を置いたテーブルの周りに、椅子がふたつ。片方にどかりと腰掛けて、促すように顎で示した)
津雲・ウィオ 2021年6月8日
元より人間ではないお方には、興味もあってござるゆえー……びっくり系のホラーなのは苦手でござるがっ。(到着するまで、そんな些細な雑談を繰り返していた。今は外観を見るべく視線を流し)
ふむふむ。本当に暮らすための隠れ家、な雰囲気。拙者の秘密基地はー……せいぜいおやつを持ちこんで2時間ぐらいでござろうか。ふふふ。(じゃらりと擦れる金属音を耳が拾えば、視線は扉へ。後に続いてゆき)
靴はー……ぅや。そうなのでござるか。なんだか"わいるど”でござるなっ。(探検で廃墟に踏み込んだ時を思い出すような場所。射す光は埃に当たって宙に浮いているかのよう。すんと鼻を鳴らして特有のにおいを感じつつ、促されるままに椅子に腰掛けた)ふふふ。さすがに喉も乾いてござるゆえ、ありがたく頂戴しまする。(言いながらも視線は部屋のあちらこちらへ。一度見たお洒落な衣装を思い出しているのか、そぐわない部屋に興味津々なようで)
フラン・スティレット 2021年6月9日
……ふふ。暮らすと言っても大抵は二、三日かな。“此処”では、の話だが……。(意味ありげに言葉を濁す。いずれ分かるさ、と肩を竦めて、ペットボトルの水をもう一本取り出して封を切った)ワイルド、か。……ひどい時は、獣が入り込んだ痕跡があったな。狸か……もしかしたら狐かも。(悪戯っぽい笑みを浮かべて、少年の狐耳へと視線を向ける)
この辺、ずっと昔は農地だったらしくてさ。この建物は農家の住居か休憩所だったんだろう。(頭の後ろで手を組んで。雨漏りしそうな天井を見上げて、遠い過去に思いを馳せる)……こういう雰囲気が落ち着くのは、ガキの頃に空き家に住んでたせいもあるのかな。……ま、自然を感じるには悪くない場所だ。夜空を見ながら飯を食ったり、虫の音を聞きながらうとうとしたり……。そして、文明が恋しくなったら都会に帰る、と。
津雲・ウィオ 2021年6月10日
……むむむ。何やら事情がおありというか、みすてりあすというか。たぬきやきつね~……猫かもしれませぬが~?(手札を伏せられたようなもどかしさを感じつつも、ペットボトルの蓋に手を掛け力を込める。回す向きに尻尾が曲がるのはどうやら癖の様子で)
ぅや。通りでほんのりと豊かな地の気配を感じられてござるっ。(なるほどと相槌打ちながらも、水をくぴりと一口)……なるほどなるほど、二、三日は息抜き~、とか、そんなカンジなのでござろうか。拙者もずぅっと自然の中で暮らしていますれば、いずれ街に出ると、フランどののようになってしまうのカモしれませぬ。くふふ。(フランの幼い頃を想像。何処となくやんちゃな気がした)
フラン・スティレット 2021年6月11日
ま、そうかもな。……何にせよ、イノシシやらフクロウやら、動物は色々生息してるみたいだ。そういうのを探すのも、ちょっとした楽しみでさ。(狐尾の動きを視界の端に捉えれば、つい頬が緩む。笑いを堪えて、曇った窓の外に視線を逃した)
例えるなら、フツーの奴が一人でキャンプするような感じかも。……田舎で暮らせば都会が羨ましく、都会で過ごせば田舎が恋しくなる。ヒトってのは、ないものねだりなもんだよな。(それは悲観するわけではなく、ただの他愛のない愚痴。気を取り直すように、大きく伸びをした)……ところで。ウィオは、狭いところは平気か?とは言っても、少しの間……だが。(席を立ち、何となしに室内を闊歩する。じゃり、と時折交じる砂の音を除けば、柔らかな足音。それが薄汚れた敷物の上に差し掛かれば、カン、と響く金属音に変わった。――まるで、その下に何かが隠してあるかのように)
津雲・ウィオ 2021年6月12日
ぅふふ。動物はふと見かけると、なんだか嬉しい気持ちになってしまいまする~……?(何やら正に膨らむ感情を察知するも、目は逸らされていた。まぁいいかと小首を傾げつつ)
ぁ。最近流行りのソロキャンプとかいうやつでござるなっ。……なるこゃ、隣の芝は青く映りまするか(伸びと共に零れた言葉へ相槌打って)狭いところー……むしろ好むところかも? 押入れとか好きでござるがー……(席立つフランの姿を目で追い、ああ長らく人の気配が無かったのだろうと感じさせる床の音。ふと響く無機質な音を狐耳が拾えば、ぴんと立つのに合わせて自身も立ち上がり)
フラン・スティレット 2021年6月12日
あぁ、そうだったな。もうひとつの問題は、少々暗いことだが……。まぁ、提灯はないが、灯りはある。(彼ももう中学生。そのくらいは平気だよな、と腕を組んだ)
……へへ。実は、こっちが本番でさ。……地下室があるんだ。そっちには、比較的まともな生活空間がある。装備だとか、貴重品なんかも保管してるってわけ。(足先で敷物を取り払う。顕となったその下の床は、金属製の無骨な床材に置き換えられていて――その中央で、正方形の物々しいハッチが鈍い光を放っている)よっ……と。これが、地下への秘密の入り口……だ。……入ってみるか?(にやり、誘うように微笑みかける。――開け放ったハッチは分厚く、頑丈に造られていることは明白で。端末のライトで中を照らせば、深い縦穴に梯子が掛かっているのが見える)
津雲・ウィオ 2021年6月13日
……地下室っ。(目を輝かせる。男の子ポイントの高い要素に食い付くぐらいには、ちゃんと男子をしているようだ)多少暗くても問題ありませぬし、別に何かが潜んでいるわけでもないなら!
ふむふむ、こちらの隠れ家は“ふぇいく”とかいうものでござるかー……(最近聞いた英単語を口にしつつも、いかにもなトラップドアから目を離さずに。妄想の膨らむそれが開け放たれると)是非にっ。くふふ。(二つ返事の躊躇い無し。同じく端末を取り出してライトを手に、やる気は満々で)
フラン・スティレット 2021年6月14日
ふふ……。そういうこと。この建物自体も結構気に入ってるんだけどね。……ネズミ一匹出やしないさ。多分、ね。(どこかぎこちない英単語に笑みを零して。長い梯子――およそ5メートルほどだろうか――の終点、縦穴の底を照らせば、無機質な灰色の壁と床が目視できる)
よし、そうこなくちゃ。降りた先に扉があるから、まずは下に辿り着こう。……じゃ、俺が先に行くから。(機嫌よく口端を上げて。軽やかに縦穴に脚を突っ込み、するりと梯子を降り始めた)……足を踏み外すなよ、ウィオ。ハッチは開けっ放しでいいからな。内側から閉められる……。尻尾を挟んだら大変だ……。(声は徐々に遠ざかり、狭い穴の中を反響して。半分ほどで梯子を飛び降り、とん、とコンクリートに着地する微かな音が響いた。――地の底から誘うかのように、梯子がライトで照らし上げられる)
津雲・ウィオ 2021年6月14日
……ふぉ。(高さを見上げて測るか、見下ろして測るか、後者は一層高く感じられる。広々とした外の高所とは違い、コンクリートの冷たく重々しい、それも閉所の井戸のような穴とあれば若干の怖気を煽られた)
Σは。せ、拙者も急いでー……。(住民というのもあろうけれど、余裕綽々に下りてゆく姿を見れば、少しの安堵。平気だろうと思えば尻尾を体に巻き付けつつ、梯子に足を掛ける)……けっこー深いでござるなっ。ぅや。よいしょっ。(かつりかつりと音立てて下りて、照らされながら自身の背丈ぐらいの高さになれば、真似してぴょんと足場から離れて床に着地)
フラン・スティレット 2021年6月15日
まったく、気をつけろよ。さて……。(無事に降り立った子狐へ、安堵の表情を浮かべて。少し過保護だろうかと、すぐに行く先へと向き直す。ライトを向ければ、錆びついた鉄格子の向こうに、大きなハンドルを備えた金属の扉が在る。――灰色の空間に、鍵束が立てる金属音が響いた)
実は、シェルターの一種でさ。核だか防災だか、何の目的で造ったかは知らないけど……まぁ、結局は手に余ったんだろう。(がらがらと鉄格子を開け放ち、ハンドルに片手を掛けて。二度、三度、舵を切るように大きく回せば、ついにはその封鎖も解かれる)……で、巡り巡って俺のものになった、ってわけ。……っと。さ、入りな。(分厚い扉に背を凭れ、子狐を迎え入れる。――ちかちかと照明が明滅して、室内を照らす。椅子にテーブル、小さなキッチン。簡素でこぢんまりとした生活空間がそこに在った)
津雲・ウィオ 2021年6月16日
こ、これぐらいなら問題ありませぬしっ。(強がる辺りは庇護欲の対象なのやら、着地の際にちょっぴりよろけたのは口噤む。背向けるその姿を端末で照らしながら、慌てて追いゆき)
しぇるたー……何やら授業で聞いたコトある気がしてござる。(歴史の授業か何かの筈。聞く音聞く音が他所からの害意を防ぐように重苦しく、元来の用途を知らせているような)……おぉ~。(けれども見せられた中は、何処か落ち着く生活感。既に手が加えられているのかどうか、彼女のものだという部屋は、上にある上辺の空間では無くて列記とした隠れ家のように感じられた)ん。ん。お邪魔しまする。(きょろきょろしながら踏み込んで)
フラン・スティレット 2021年6月17日
簡単に言えば、頑丈な避難所さ。災害だの爆弾だのに耐えられるようにできてる。(ごく普通の白いクロスを貼った壁は、小突けばその厚さを感じさせる。――顎で指した先は、太いチューブが繋げられたタンクのような仰々しい装置)そして、こういう特殊な空気清浄機で有毒物質を遮断する、と。……ま、世界が崩壊したら、独りで生き残っても仕方ないけど。(肩を竦めて、皮肉っぽく笑ってみせた)
奥は寝室に物置。ぱっと見は普通かな。……物騒なモノが置いてあるのを除けばね。(指差した先の部屋にちらりと見える、金網を張った金属棚。――中には、刃物や銃器とおぼしき影)こんな感じだ。……どう?歩いたし、小腹が空いたんじゃないか。軽く飯でも食う?
津雲・ウィオ 2021年6月19日
社会のお勉強で、ちょっと学んだ気はしまする。危ない時に逃げる場所ー。(だから頑丈そうなのだと感じ取れば、自然と強張りも解けてゆく。真似して壁に触れ、視線を移し、部屋の解説と共に機械の中身を見せられたような錯覚と共に頷いて)ん。ん。隠れ家としても、誰かをお招きしないと何だか勿体無くござるし。ふふぅ。(妹をよく招くようだ。尾を緩く揺らして笑みを返し)
本当に暮らせる場所なのでござるな……。なるほど、お仕事の場所でもありー。(猟兵としての拠点なのだろうかと思案顔。けれど興味は食欲に持って行かれ)は。そういえばお時間的にも……いただきまするっ。(腹が僅かに鳴ったそうな)
フラン・スティレット 2021年6月19日
……そうだな。こんな地の底でも、仲間が居れば“秘密基地”だ。……改めて寛いでくれよ、ウィオ。(彼の言う通りだ、と。揺れる狐の尾に目をやって、深く頷いた)
ふふ。助かるよ。……というのも、保存食がかなりあってな。期限が切れる前に、少しずつ消化したくてさ。(キッチン脇の収納棚を開放すれば、中はちょっとしたパントリー。缶詰にレトルトパウチ――パンやクラッカー、古今東西の副食、粉末飲料、さてはスイーツまで、多種多様な保存食が所狭しと並んでいる)好きなの選びな。此処の前の持ち主が置いていったもんだから、何があるか把握しきれてないけど。……ほら、和食もあるぞ。(海外製の見慣れぬ缶詰を手に取り、ラベルを一瞥する。対象的に国内製の、レトルト米飯や味噌汁の缶詰を示した)
津雲・ウィオ 2021年6月20日
ぅや。ふふふ。仲間になれたのなら、これ幸いでござる~♪
(そんな言葉に尚嬉しげに、尾の揺れ幅を大きくさせてゆく)
ふとお立ち寄りされるための保存食、でござろうかっ。……拙者、乾パンとかついつい開けて齧ってしまったりー。(並んで棚の中を覗き込めば、年単位で長持ちするような品々。見慣れた物からそうでない物まで様々な)むむむ。とはいえ拙者もあまり詳しくありませぬしー……。ぁ。(お米とレトルトカレーの組み合わせが目に入れば、目を分かり易く輝かせる。スーパーで好きなおやつを見付けた時のような)
フラン・スティレット 2021年6月22日
あぁ、素朴な味だよな。……俺はクラッカーでも食おうかな、パテを乗せて。……あとはポタージュでも。(触発されたか、長期保存用のクラッカーと小さな缶詰を手にする。ふと隣を見やれば、無邪気に輝く紫瞳。その視線の先にあるパッケージを見て取った)……カレー、好きなんだ?それじゃ、湯煎で温めてやるよ。(食事の好みは年相応なのだろうかと、そっと微笑む。――棚から取り出した片手鍋が、がらんと音を立てた)
座って待ってな。……粗食だが、たまにはこういう飯も悪くないだろ。(鍋に張った水を温める間、スプーンをテーブルに並べて。加えて、自分の分と彼の分、一際小さな缶詰をふたつ)それに、デザートがあれば少しは締まる。……缶入りのチョコレートケーキだ。(ちょっとしたご褒美だ、と、得意げに笑みを向けて)
津雲・ウィオ 2021年6月22日
特別おいしいというワケではありませぬが、ついつい口にっ。ふふぅ。くらっかーに色々乗せるのはおいし。(漁るのが楽しいのか、棚のあちらこちらを見ては何かを手に取りしげしげと眺めている。好きな食べ物の名が聞こえれば)は。お願いしまするっ。(相応の笑顔を向けて手を挙げた)
はいなー……かーさまがお忙しいときに、時々食べまする。くふふ。おいしくござるよ~?(ジャンク系の味だとか、そういうのは何だかんだと好きな様子。並べる姿を見れば手を出して、向きを整えたりとお手伝い)……おぉ~。缶のケーキとかあるんだ……(素直に物珍しげな、口調も元々のものに戻るぐらいには驚いたようで)
フラン・スティレット 2021年6月24日
なるほどね。たしかに、家や店で食うのとは少し違う美味さはあるかもな。……ウィオは他に好き嫌いとかはないの?(ごくごく普通の少年らしいエピソードが微笑ましくもあり、少しだけ羨ましくもある。――健気に手伝う様子を見届ければ、せっせと母親の手伝いをする子狐の姿が目に浮かぶ)
驚いたか。前に食べたが、結構美味いぞ。ちゃんとしっとりしててさ。それでいて二、三年持つとか。ま、食後のお楽しみだ。……っと、お待たせ。火傷すんなよ。(温めたふたつのパウチの水気を切り、タオルで掴んでテーブルへ置いた)……米を寄せて、その容器のまま食っちゃえよ。皿洗うの面倒くさいしさ。(彼になら気を使うこともないと思って、竦めた肩を揺らして笑う)
津雲・ウィオ 2021年6月24日
ごはんじゃなくて、おやつっていう気分になるからカモしれませぬ。……辛いのはちょっぴりなら、すっぱいのとか苦いには苦手でござるなっ。(大体においてお野菜のお話。子供舌。思い出したのか、唇が若干窄んだ。お手伝いを終える頃には食事の準備も済んでいて)他の世界もおさんぽで回ってござるが~……そういうなが~い時間の保存ができる技術というものに、とっても恵まれてると改めて感じてござるっ。おととっ、ありがとー……(パウチの端を摘まみ、熱さからか少しずつ切ってゆき)は。お皿に盛らない……それも何だかちょっぴり、すてきでござるっ。ふふ~。いただきまーすっ。(米をスプーンで寄せ、空いたスペースにカレーをどーん。広がるにおいに耐え切れず、合掌をすませて早速一口。にんまり美味しそうに)
フラン・スティレット 2021年6月26日
そうかもね。……じゃあ、野菜は苦手か?何でも食わなきゃ、大きくなれないぞ。(腕組みと共に首を傾げて。ここぞとばかりにお節介)こういう備蓄はもちろん、いつどんな世界でも、そこそこ美味い飯が食えるわけだ。……召し上がれ。(子狐の笑顔につられて、つい頬が緩んだ。――ふと立ち上がる甘くクリーミーな香りが、コーンポタージュが温まったことを伝える)
……さてと、俺も。(湯気の立つスープカップを置いて、どかりと腰掛ける。缶詰の封を切り、クラッカーは包装を皿代わりに)……豚肉のパテだ。子供の頃にちょくちょく食った。空き家に居た頃は、こういう缶詰……特に、保存が効く肉類は重宝したよ。(薄桃色のパテをたっぷりとクラッカーにのせて、眼前に掲げてひとくち。ぱり、と小気味よい音を立てた)
津雲・ウィオ 2021年6月28日
……な、生はちょっとっ。かーさまが料理してたら平気だったりしまするがー。(むぐ、と食べていたところで喉が詰まる。先ほど受け取ったペットボトルの水をくぴりと飲み)ん。ん。好き嫌いが言えるのはー……恵まれてござるか。ちょっと頑張ろう……。(ポタージュのふわりと香るもの。すんと鼻を鳴らしつつも、トウモロコシも野菜だよネ、と少し遠回りになりそうな)
……なんだかこう、フランどののがそうされていると、絵になりまする。ふふぅ。(素朴な組み合わせ。野外でもありそうなその姿は、何処となく土臭い格好良さを感じられた。一方で口周りのカレーを拭う童子はどう映るのやら)豚肉のー……ぱて、でござるか。お肉の缶詰もあるのでござるなー……。(肉の形を保っていないそれは、普段見掛けないようで)
フラン・スティレット 2021年6月30日
なるほどね。生はまだ厳しい、か。(きっと彼の母親が、愛情を込めた料理を作ってくれるのだろう。思い描けば、心が温まるようで)そうかもね。ま、食ってればいつの間にか慣れるもんさ。俺もガキの頃は苦手だった。……ウィオくらいの歳の頃にはもう平気だったけどな。(焚き付けるように、にやりと笑みを向けた)
そ、そお?こういう軽食や、保存食の類は食い慣れてるからかな……。(少しばかり気恥ずかしげに、ぱちくりと瞬く。彷徨った視線を戻せば、すっかり寛ぐ子狐の様子が何だか嬉しくて)ああ。肉とか魚とかのペースト、みたいなもんかな。元々はパイ生地で包んだ料理だったらしいけどね。俺はもっぱらバゲット……パンにのせて食ってたよ。(残りの半分を咀嚼して、嚥下して。新たな一枚にパテをのせる。――しっとりとした質感が見て取れるだろうか)……一枚、食べてみる?
津雲・ウィオ 2021年7月1日
(徐々に舌を野菜に慣らしていくような料理の選び方は、愛情由来のものだろうし、子ぎつねもそれには助けられている、が)……Σくっ。さ、最近はキュウリ食べられるようになったし……!(抗議のつもりか尻尾で床を軽くぽすぽす。思い切りやると埃が舞うので控えめだ)
ん。ん。こう、みりたりー、なお方のお食事の様で。くふふ。(丁度カレーを食べ終えて合掌しかけていたところ、ふとした提案をされ)……はっ。お試ししてもいいなら、是非にっ。(カマボコだとか色々考えながら、その一枚に乗せられた未体験の食物に目を少し輝かせる。こくりこくりと頷いて)
フラン・スティレット 2021年7月2日
……ふふ。キュウリか。たしかに一歩前進だな。……何事も挑戦あるのみ、だ。(揺れる狐の尾が目に入れば、宥めるようにくすりと笑む。それはどこか、彼の仕草に満足したかのようでもある)
なるほどね。……こういう保存食も、モノによっては軍隊用に開発されたって話は聞いたことがあるな。(足を組み、ぼんやりと宙を見つめて。――二度に分けてまた一枚、ぱりぱりと音を立てて食む)よーし。じゃあ、これはウィオの分な……。(機嫌よく口端を上げて。四角いクラッカーの上に、なめらかな豚肉のパテをたっぷりとのせた)……はい。……あーん。(悪戯っぽい微笑みを浮かべては、四角いそれを子狐の口元へ。――ほんのりと香るブイヨンが、癖のない味付けを感じさせる)
津雲・ウィオ 2021年7月3日
……サンドイッチ限定でござるがっ。くっ、何やら満足そうなー……これからふやしてござるしー(まったくもうと半ば諦め気味に受け入れつつ、揺れる尾を止めてつま先を揺らして)
かんづめー、とか、かんぶつー、とか、非常時のタメの食べ物とはいえ、なんだか気になってしまったり。("ごっこ”遊びで乾パンを口にするお年頃。用意してくれる手元から目を離せず、感情と直結するように尾をまた揺らし始め)Σえ。……ちょっとはずかしーのでござるがっ。……あー。(妹に冗談でされたコトはあっても、知人友人の類のそれは気恥ずかしい。それでも好意に甘えるよう口を開き、はむりと咥え)……濃過ぎずー薄過ぎずー……素材の味? おいしいカモ。くふふ。(もくもく口を動かし、二口目で食べ切った)
フラン・スティレット 2021年7月5日
気のせいだ。……でも、それで十分なんじゃないか。好きなドレッシングをかけたり、肉と合わせて食ったり……。要は工夫さ。(穏やかに眸を細めて微笑みかける。揶揄いはしたけれど、彼の努力は認めたくて)
平気だろ……?誰も周りに居ないんだから。(肩を揺らし、くつくつと笑って。子狐が食す様子をそっと見守る)……ふふ。ちょっと新鮮だろ。……たまには、新しいモノを試してみるのも悪くない。(その味を共有するかのように、もう一枚。ポタージュを嚥下して、また一枚。――クラッカーの包装をぺちゃんこにした)
さて。腹は一杯になったか?(空になった米の容器に目を落とし、子狐の顔を覗き込む。スープカップを片手に、ゆったりと背もたれに身体を預けた)……食後の休憩だ。そしたら、何かして遊ぼう。トランプくらいならあったはずだ。
津雲・ウィオ 2021年7月6日
んー……んー? むむむ。先ほどから何だかこう、手の平で転がされているよーな気分になりまするがっ。(まぁ悪い気はしないし、楽しげな感情も伝わるのでいいのだけれども)
ん。ん。また今度、かーさまにお願いして缶詰を試しー……ごちそうさまっ。(食事を終えれば合掌し、また一口水を流し込む。ふぅと一息吐くと楽しげな提案があり)ぅや。くふふ、トランプは好きでござるよ~。(……ぶらっくじゃっくだのと運が絡むものとなると、かなーり弱いのだが、それはさておき。後片付けを手伝い、早くやろうと急かすようで)
フラン・スティレット 2021年7月9日
ふふ。……おそまつさん。(礼儀正しい子狐に、慣れない食後の挨拶を返した。――彼と過ごしていると、微笑みが絶えないもので。自分には似つかわしくないけれど、満更でもなく。そんな穏やかな気持ちを受け入れて、スープカップを空にした)
そいつはよかった。ウィオのお手並み拝見といこう。(自信ありげな態度とは裏腹に、こっそり気を引き締める。年上としての矜持を示さなければ、と)……その前に、まずは片付けだな。俺はゴミを捨ててくるから、食器を洗っておいてくれ。スポンジと洗剤は適当に使っていいから……。(ゴミ袋を手に踵を返す。洗い物を一任したのは、遠慮が要らない彼が相手だからこそ)
フラン・スティレット 2021年7月9日
(ゴミ処理を終えて少年の前に姿を見せれば、手の中にはトランプケースが。どのルールで遊ぼうかと迷うけれど、まずは試してみればいい。きっとすぐに童心に帰って、ふたりの駆け引きは楽しいものになるはずだから。――地の底の“秘密基地”で、穏やかな時間が流れてゆく)