【1:1】久方振りに
フラン・スティレット 2021年5月14日
UDCアース・昼前
郊外の小さな公園
日差しは柔らかく、心地良いそよ風が春を感じさせる
昼食を求めて公園を後にする子供達とすれ違い、少女はベンチをひとつ見繕った
浅く腰掛けて手を組む姿は、どこか浮足立って見えるかもしれない
今日は、一年越しの再会の日
***
※約束した方と
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フラン・スティレット 2021年5月14日
(約束の時間より少し早く着いてしまったのは、どこか気が逸っているせいだろうか。スリープ状態の端末を覗き込めば、いつもと変わらぬ自分の顔が映っていた。――少なくとも外見は、一年前と変わっていない。唯一の違いといえば、暗色を好む自分には珍しく、白いトップスを着込んできたことくらいだろうか)……ふふ。(ふと澄んだ空を見上げれば、ふさふさの狐の尾がどこかで揺れている気がして、つい頬が緩んだ)
津雲・ウィオ 2021年5月14日
(お出掛けすると家族に告げ、「男子は〇分前行動」たる誰ぞの言葉を鵜呑みにした少年の足は、時計の針を越すように公園に着いた。ちくたくと音立てるよう、大きな尾を揺らしながら)
ぅや。フランどの、お久しくござるー。……何やらよいコトでもあったのでござろうか? くふふ。(そんな表情が瞳に映ればくすりと笑う少年は、最近の暖かさに合わせたカジュアルな衣装を身に纏っていた。狐の部位を除けば、春の陽気で騒ぐ少年たちと同じ姿だ。UDCEの私服と共に、若干伸びた背もまた、以前と違う雰囲気を見せている)
フラン・スティレット 2021年5月14日
……!っ、ウィオ
……!?(慌てて身を起こし、声の主を見やる。虚を突かれて、思わず上擦った声が漏れた)……な、なんだよ、早かったな。……ほんと、久しぶり。……また会えて嬉しいよ。(決まり悪げに腕を組むけれど、やがて笑みを返して。懐かしさに浸りながら、感慨深げに双眸を細めた)まずは元気そうでなによりだ。……すっかり大人っぽくなりやがって。背も、結構伸びたんじゃない?(衣装も相まって、彼の姿はぐっと大人びて映った。驚きを押し隠し、背比べをするように隣に立つ。――自身の背丈は少しも変わらないから、その差は縮まる一方であることは分かっていながらも)
津雲・ウィオ 2021年5月15日
Σぅやっ!?(何気ない言葉から返るのは、期待よりも大きな反応。びくりと驚かれた以上に驚いてしまい、狐尾逆立ちふっくらと)
はいな、くふふ。こちらも、フランどののお元気そうな姿を見られて、嬉しくありますれば……オトナっぽくござろうか~?(一回り体は成長すれど、世辞一つで増長するような生意気さは年相応。並ばれるなり、くるりと回り、ふふん、と手にしていた扇子を口元にあてての決めポーズ。……それだけ背が伸びたコトが嬉しいのもあろうけれど、未だ肩に顎が届かない程度には背の差もあり)
ふふぅ。何かと呪いを掛けられているが如く、伸びず仕舞いの日々にござったが、最近ではいもーとどのにも近付いてござるよ~。
フラン・スティレット 2021年5月15日
驚いたのはこっちだ。せっかく春の陽気に身を委ねてたところなのに……なんて、な。ふふ……相変わらず、よく動く尻尾だこと。(狐尾による豊かな感情表現が微笑を誘う。今まさに其れに思いを馳せていたことは、胸に仕舞っておくことに)
何しろ一年越しだからな。ちっとも成長してなかったら困りものだ。(浮かれるなよ、と小狐の額を指先でそおっと突いて)ま、背が伸びたのは確かみたいだ。最後に会ったときは……この辺くらいだったもんな。(傍で見れば、よりはっきりと少年の成長を感じる。けれど敢えて揶揄うつもりで、大げさに自身の腰の辺りを手で示した)
ウィオも成長期に入ったのかもね。もう中学生、だもんな。……学校の方は順調か?(彼のことだから心配は不要だろうか。それでも、世話を焼きたくなるもので)
津雲・ウィオ 2021年5月15日
こちらこそ、急いで来たつもりだったのでござるが~……微睡むほどに余裕を持たれて着かれていたとは、予想外っ。(言葉の抑揚に合わせて尾は揺れ、もはや癖となっている動作は当人も気にしておらず)
長らく伸びず仕舞いにござるゆえ、少しは浮かれてもいいと思いまするっ。ぁー…。(額に指触れ大袈裟に仰け反って見せ)……Σさすがにそこまでちんまりとはっ。印象の問題にしても酷過ぎませぬか……!(抗議するように尾をぶんぶんと振っていると、ふと問われる日常生活)ん。中学校になってもう一ヶ月と少しでござるが、馴染めていまするよ。ふふぅ。いもーとどのも同じく~。(ご機嫌そうに返し、嘘偽り無いのは素振りでも分かり易く)
フラン・スティレット 2021年5月16日
っはは。冗談、冗談……。(可愛らしい抗議に思わず笑って。謝罪の意を込めて、ぽんぽんと子狐の肩に触れた)このまま順調に伸びたら、俺に追いつくのは何時だろうな。三年後か、四年後か、あるいは……。自信はどうだ?(小首を傾げ、悪戯っぽく視線を投げかけた)
兄妹仲良く楽しんでるなら、そいつはよかった。……ま、授業が難しくなるのはもうしばらく先かもな。油断すんなよ。(それはただ、冗談交じりに先輩風を吹かせただけで)にしても、ウィオは中学生か。……俺は高校卒業しちゃった。あっという間なもんだよなー……。(どかりとベンチに腰掛けて。ほんの少しだけ切なげに、空を仰いでは頭の後ろで手を組んだ)
津雲・ウィオ 2021年5月16日
(まったくもう、と薄ら膨らむ頬を萎ませながら、肩に受ける手にころころと笑い)去年ぐらい伸びたらー……三年ぐらいでござろうか? くふふ。(少し自信が付いているのか胸張り)
授業ー……ま、まあなんとかなるかとー……!(視線は明後日の方。英語は少し苦手だなぁと思い返し)ぅふふ。こちらも大学生になられたお方が居ますれば、なんだかそれだけ長いお付き合い、と感じれば嬉しくなりまする~。フランどのも何だか余裕があって大人っぽさがー?(ぽすりと隣に腰掛け、切なげな感情を体質で感じ取れば小首を傾げる)
フラン・スティレット 2021年5月16日
よし、言ったな。三年後、もう一度比べ合いだ。……あ、耳は含めず、だからな。(自信ありげな様子を見て取り、張り合うように腕を組む。もし届かずじまいだとしても、どうするわけでもないのだけれど)
……苦手な教科とか、あんの?(行来した視線を見逃さず、にやりと笑んでは子狐の顔を覗き込む)何だかんだで長い付き合い、だよな。……大学か。俺も、気が向いたら通ってみようかな。(この交友がずっと続くことを祈って、深く頷く。――三年後の話をしたのも、心の何処かにそんな願いがあるからだろうと気づいた)そ、そお?俺、大人っぽくなった、かな……?余裕があるように見えるとしたら、きっと気ままに生きてるからかな。(嬉しさと照れくささが綯い交ぜになって、苦笑と共に肩を竦めた)
津雲・ウィオ 2021年5月17日
ふふっふ~。三年後にまた背ぃ比べをー……耳は入れませぬヨー。
たぶん。(来たる三年はどうなる事やら。調子に乗ると痛い目を見ることも視野に入れ、成長の為に生活を改めようと頷いた)
……ぁ、そうそうだいがくせーになられたとのコトでー……色々難しいそうなっ。でも楽しげにもされていまするよ!(悪戯な気配を感じ取れば、露骨に話を逸らしながら尾を垂らし、手元はろくろを回したりと大袈裟な状態を見せ)ふむふむー……気儘に自由に、それもまたオトナなのでござろうか。ふふぅ。(自由すぎる大人にも心当たりアリ。空仰ぎ漂う雲にそれを重ねて)
フラン・スティレット 2021年5月17日
約束な。せいぜいしっかり食って寝ることだ。(機嫌よく口端を持ち上げて子狐を見やる。楽しみがひとつ増えたような、そんな気分で)
興味のある分野に没頭できたら、難しいことだって楽しいんだろうな。俺もそういうのが見つかればいいんだが。――わかった、体育だろ。ウィオ、あんま体力なさそうだもん。(話題逸らしを気に留めぬ素振りを見せてから、さらりと子狐の弱点を探りにかかった)
自由気ままも悪くないが、何か目標を見つけなきゃな。ガキの頃は大人ってもっと立派なもんだと思ってたけど、そうもいかないもんだ。……ウィオはある?目標とか……将来の夢とかさ。(決して思い詰めた様子ではなくて。春の空を見上げながら、ぼんやりと問う)
津雲・ウィオ 2021年5月18日
好き嫌いはし……ないように努力していまするゆえ、すぐでござるよー。(にんまり笑む彼女の口元に釣られてくすり。尾を揺らして応え)
フランどののご趣味ー……オシャレな印象がありますれば、そちらの方で何かこう、ステキ学びを~? ……Σ意地でも探るつもりでござるかっ。まぁ体育はあまり得意ではありませぬが! 体力的にっ。(そちらも成績は今一である。双子のインドア派。嫌いではないが苦手なご様子)
ほゃー……何だかこう、その言葉一つだけでも大人み溢れて格好よく。(そわりと身揺らし)ん。拙者の目標、でござるか。とーさまもかーさまも、すきなコトをと言われてござるが~……UDCアースに残るあやかしどのの残滓を調べてみたり、とかは興味があったり。くふふ。まだまだ未定でござるが~。(紫瞳を細めて温かな空を同じくして見上げ、ベンチから垂れる足を交互に揺らして)
フラン・スティレット 2021年5月19日
べ、別に、俺はオシャレでもなんでも……。まぁ、デザインを学ぶのは面白いかも。……ウィオに着せる服を考えたりできそうだし。(気恥ずかしげに眸を伏せては、冗談めかして子狐を一瞥する。ころころと表情が変わる様子は楽しげで)ははは、当たりか。克服しようにも、汗水垂らして体を鍛えるのは骨が折れるもんな。……球技なんかはどうなんだ?体力はあんまりなくても、素早かったりしない?(大きな耳と尾を見つめながら問う。狐が持つ俊敏なイメージ故だろうか)
へぇー、楽しそうじゃん。あちこち飛び回っては情報を集めて……学者肌の探検家、みたいな。分厚い本を出版できたりして。(見慣れたはずの世界に眠る、まだ見ぬ不可思議。それを解き明かしてゆく子狐の姿を思い浮かべれば、つい胸が躍った)
津雲・ウィオ 2021年5月19日
ぁ。それいーかもしれませぬ~。フランどののお考えになられた衣装を、というのは、きっと楽しいかとかとっ。(モデルとかいう言葉を浮かべて一人楽しい想像をし、ベンチの隙間から垂れる尾を大きく揺らし)
体育の授業のボール遊びは好きでござるがー……サッカーとかだと、ボールをけりけりして運ぶのは苦手めでござる~。蹴り過ぎて取られるのもしばしば。(爪先ぱたぱた。そこは運動音痴というよりは、身体機能にまだ付いていけてない可能性もあり)
ん~。人々に忘れ去られたあやかしどの、というのは何だかかわいそうにござるゆえ、せめて此の世に残るものを集めて、文字に残しておきたいナー……みたいなー。カクリヨに出向いていんたびゅーしてもいいかもしれませぬ。ふふぅ。
フラン・スティレット 2021年5月20日
そっか。ドリブルが苦手なら、パスするのも一つの手だ。チームスポーツだからな。……なんて、俺も昔は一人で突っ走ってたっけ。(ふと立ち上がれば、上着を置いて向かう先は傍の木陰。茂みの中から足先で転がしたのは――薄汚れたサッカーボール)置きっぱなしなのか、捨てられたのか……待ってる途中で見つけてな。……よっ、と。(爪先で持ち上げたボールを膝で、足の内側で弾ませて。熟れた様子で幾度か繰り返した後、子狐の足元へと転がした)少し空気は抜けてるけど。……できる?リフティング。
……ふふ。アヤカシがどんな奴らかは知らないけど……そうだよな。忘れられるより、誰かに覚えていて貰いたい……よな。(彼らしい、無邪気で優しい心遣い。つい、柔らかな微笑みを零して)なるほどね。……偉いな、ウィオは。(言葉は短くも、声色はどこか清々しく。彼の“目標”に触れることで、自らの励みになったような、そんな気がした)
津雲・ウィオ 2021年5月20日
ふふぅ。なんだかこう、いい具合に隙間に転がすのは得意でござるよっ。(狙いは上手く出来る様子だ。片足ぴんと伸ばして蹴り素振りを見せていると、ふと立ち上がり移動するフランを目で追い)……おぉ~、おー。お~っ。……せ、拙者はー(爪先でボールを掬い上げ、流れるように弾む軌跡を見れば見る程に瞳を輝かせる……が、ふと問われて表情が強張るも、同様に靴先を挿し込むように拾おうとすれば)Σぁー。(少し空気が抜けていたのもあり拾えはできたが、ボールはそのまま子ぎつねの額へ。べちんと音が鳴って命中と、ご覧のありさま)
……カクリヨの方でちょっぴりお見かけしてござるが、気のいいお方が多くござるよ~。ふふぅ。というのもあって、少し頑張ってみたいナーと。(打った額を擦りつつ)偉いのカナー?(大人が子供に言うようなものを感じれば、小首を傾げる)
フラン・スティレット 2021年5月22日
じゃ、運動能力自体はあるのかもな。体が成長して、体力が追いついたら見違えるかもよ。(見守る様子は微笑ましげで。将来への期待を込めて、にやりと笑いかけた)平気か……?でもまぁ、頭を使うのも重要な技術だ。膝、足、胸、そして頭。自在に使えるようになれば、色んな状況に対応できるってわけ。……それと、最初は手に持って始めてもいいんだぞ。(心配げに傍に寄るけれど、取り繕うように腕を組む。再挑戦を促すように、こぼれ落ちたボールを子狐の足元へと転がして)
へぇー、少し意外だな。……あいつら、普通の人間には姿が見えないんだっけ。ウィオに会えて嬉しかったのかもな。(くすりと微笑む。妖怪たちの気持ちが、自分にも分かる気がする)……ああ。だって、立派な目標を持ってるんだから。(小首を傾げる子狐に、深く頷いて返した)
津雲・ウィオ 2021年5月22日
(そうかなぁとぼやきながらも、軽く体を解すように準備運動。手足伸ばしてしっかりと)どうしても迫るボールを見ると、驚いて慌てがちにござるゆえー……なるほど。おてて。(転がったボールを拾い上げ、爪先に落とすよう、挟む手を離した。足首で捉える感覚を学んだのか、三回ぐらいは跳ねる球。当人もボールの浮き具合もふらふらだが)
ヒトに忘れ去られたあやかしは、姿が消えてしまう~、なんて寂しいお話もありまするゆえ。きっとそうなのカモしれませぬ。拙者は半妖にござるが、くふふ。(ボールから目は離さずに言葉を続け、立派な目標と告げられれば思わず笑う)フランどのにもステキ目標が出来るのを、お待ちしていまするよー?
フラン・スティレット 2021年5月23日
そう、そう……その調子。……あとは、それを繰り返すだけさ。慣れればバランスも取れるようになるだろう。(励ますように視線を送って。まだちょっと危なっかしいけど、と、微笑と共に肩を揺らす)ボールの扱いが上達すれば、ドリブルも簡単さ。ちょくちょく練習すれば、学校で格好良いところを見せられるかもな。……ま、ウィオなら既に十分モテてそうだけど。(軽く茶化すつもりで、子狐を横目に見た)
……そうだな。俺もやりたいことを見つけるよ。……ウィオを見習って、な。(照れ隠しがてらに端末を操作すれば、いつの間にか時刻は正午を過ぎていて。再び顔を上げれば、ふわりと笑みを浮かべた)なぁ、ウィオ。何か食いたいものあるか?……飯でも食いに行こうよ。少し体を動かして、腹が空いてきた頃だろ。
津雲・ウィオ 2021年5月23日
(──2回、3回、2回。たまに5回成功させれば調子づくも、また失敗と、一進一退を繰り返す。それでも見守られながらの結果であれば何処となく安心するのか、飽かずに続けられた)
……ちょっとダケ、コツは掴めたかも? ふふぅ。格好良さは望むトコロでござるがー……もてる? っていうのは、いもーとどのの方が適していると思いまするよー。大人気。(コミュ力の差とか色々と。恋沙汰はまだ意識が遠い御様子だ)
ふふっふ~。何か成果を挙げられた際は、是非にお祝いをー……ぅや。言われてみればっ。フランどのさえよいのなら、是非に~。この辺りだとー……せいぜりあ? とかいうレストランがおいしくござるっ。(六回の成功を終えたところで、思考は御飯行き。辺りを見回せば家族との記憶か、ファミレスが浮かんだらしく)
フラン・スティレット 2021年5月24日
ふぅん?ま、たしかにヴィオはモテそうだ……。(毒気を抜かれた気分で、ぱちくりと瞬く。彼が異性を意識するのは、もう少し先のことだろうか)
ファミレスか。オッケー。(足先でボールを転がして、元あった茂みの中へと安置した。いつか持ち主が現れることを願って)……よし、場所の見当はついた。……好きなもん頼めよ。ちょっと遅い入学祝いだが、俺の奢りだ。(端末で位置情報を調べた後、にやりと子狐に笑いかけた。今の自分は、彼の屋敷の客ではないのだから)――それじゃ、行くか。
フラン・スティレット 2021年5月24日
(二人は揃って公園を後にする。一年越しの再会を果たした少年と少女は、春の日差しに照らされて、楽しげに歩みゆく。――少年の狐の尾の隣で、下衣に隠れた少女の尾も併せて揺れているのかも)