【雑談】本日のブレンド③
枯井戸・マックス 2020年10月22日
猟兵にも平穏な一日はある。
そんな日は行きつけの喫茶店に足を延ばしてみるのはどうだろう?
きっと額に仮面をひっかけた胡散臭いマスターが笑顔で君のことを出迎えてくれる筈だから。
「また来てくれたのか?嬉しいねぇ、今日は何にする?」
★前回の雑談ページから期間が空いたので、雑談ページを更新します。
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枯井戸・マックス 2020年11月22日
「ん、というか君はこの前のグリモア猟兵の?いやあ、まさかわざわざ訪ねて来てくれるなんてありがたいなぁ。珈琲、好きなのかい?」
(メニューとお冷を差し出しながら)
鈴木・志乃 2020年11月22日
「おーありがとうございます。」
(駆け付け一杯、水を飲む。喉が乾いてたのか半分消えた。カツン、とグラスとテーブルが音を立てて)
「やあ、その節はお世話になりました。いえ普段飲まないんですけど、ふっと飲みたくなったから。マックスさんそういや喫茶店のマスターだったなーと思って。なんかオススメありますか?」
枯井戸・マックス 2020年11月22日
「おう、いい飲みっぷり。若いねぇ。ん、いやいや、俺は大してなにもやっちゃいないよ。少しのお手伝いとお節介を焼いただけさ」
(中身の減ったコップの横に水差しを置きながら、にやりと微笑む)
「だが、こうして名前を覚えてもらえたのは嬉しいね。せっかくご新規さんにはまずウチの味を楽しんでもらいたいし、最初はタムタムブレンドをおススメするよ。酸味は控えめ、程よい苦みと香り高さが魅力さ」
鈴木・志乃 2020年11月23日
「んじゃそれで。期待してますよ? マスター。」
(心底楽しそうに笑って、メニュー表から顔を上げる。)
「そういやなんで店の名前“タムタム”なんですか? 私タムタムっていうと、ドラムしか思い付かないんですが……。」
枯井戸・マックス 2020年11月23日
「かしこまりました、お客様。ふふ、ちょっと待ってな?」
(冷蔵庫から真空フリーザーバックに入ったコーヒー豆を取り出し、手回しミルに分量分を入れて挽き始める)
「ん、店名の由来かい? ほら、ドラムって極論を言うとハイハットとスネアとバスドラム、あと盛り上がりどころにクラッシュシンバルなんかを入れてやるだけで曲は成立するだろう? でも、それだと曲に厚みが出ない。音が足りないから、単調でつまらない曲になるのさ」
(惹き終わった豆をフィルターに入れて、沸かしておいたお湯をコーヒーポットに移し)
枯井戸・マックス 2020年11月23日
「これは人生とコーヒーの関係に似ていると思うんだ。コーヒーも喫茶店も極論を言えば人生には必要ない。だが、あった方が『豊か』さという厚みがでる。そう思わないか?」
(ゆっくりと挽いた豆に湯を滴らせ、立ち昇る香りを楽しみながらじっくりとその時を待つ。そしてコーヒードームが膨らみきる様を見届けたら、今度は優しく、優しくお湯を注いで……)
「……さあ、お待たせいたしました。当店自慢のタムタムブレンド。人生に厚みを与える、無駄と遊び心の結晶でございます。砂糖とミルクはご自由に?」
(カウンターの上に、芳しい湯気をたてるコーヒーカップが差し出された)
鈴木・志乃 2020年11月27日
「随分大きく出ましたねぇ。まるでマスターの人生を現してるみたい。」
(ふわりと湯気立つ闇夜色に、視線を落として息をつく。空気をただようほろ苦さに、触れた肺が知らず踊った。)
「いただきます。」
(柔らかく笑んで、小さく頭を下げる。つるりとした取っ手に指をかけ、薫りを逃がさないようにそっと、持ち上げた。)
枯井戸・マックス 2020年12月1日
「はっはっは。まあ、半ば思い込みのこじつけだけどな? この店の名前を決めたのは俺の相棒だった男だ。本当の理由をしっているのはもうあいつだけさ」
(自身のカップにもコーヒーを注ぎ、香りを楽しむ)
「ああ、もし希望があれば簡単なものだがフードメニューも出せるぜ。今日はこの前のお疲れ様会ってことにしよう。サービスしておくよ」
鈴木・志乃 2020年12月4日
(持ち手を傾け闇夜色で唇を湿らせる。珈琲はなくても人生は回る。回りはするが厚味が出ない。厚味が出ないから単調で味気ない。)
「――おいしい。」
(ふと吐いた息から、吸った空気から、体の隅々まで行き渡る芳醇なアロマ。知らず顔を綻ばせ、肩の力を抜きイスに深く体を預けてしまう。)
「そうなんですか? でもなんだかそれ、合ってる気がしますけれどね。あぁ、ありがとうございます、お疲れ様でした。いいんですか? こんな一介のグリモア猟兵にそんな融通きかせてくれちゃって。本当は他の人にもあちこちサービスしまくっててお財布厳しいとかなってません……よね?」
枯井戸・マックス 2020年12月7日
「……グリモア猟兵は俺の財布事情まで予知できるのか?」
(冷蔵庫をあさっていた手が一瞬止まる。が、なんとか気を取り直して、調理の準備を終わらせることができた)
「ま、まあ、たまにはいいじゃないか。俺にはここ以外で人を労ったり喜ばせる方法がないからな。ああ、食べ物の好き嫌いはあるかい? サンドイッチかホットサンドなら用意できるよ」
鈴木・志乃 2020年12月10日
「図星かいな。いえまぁ、そこら辺『読む』のは得意な方の猟兵なので。」
(曖昧なニュアンスを滲ませつつ、もう一口と液体が喉を通り抜ける。温かい物は温かいうちにいただくに限る。)
「好き嫌いはあんま無いですね! ホットサンドお願いします。店の雰囲気も良いですし、なんなら出資したいぐらいなんですけどねー。」
(細めた眼をちらりと開けて、横目でぐるりと店内を見回す。あちこちに飾られたどこか禍々しいアイテム達は、彼が収集した遺物か否か。)
枯井戸・マックス 2020年12月12日
「そこは空気も読んで触れないでほしかったな……。まあ冗談はさておき、ホットサンドでございますね。かしこまりましたお嬢様」
(出資という言葉を聞き耳が2倍くらいに大きくなった店主。あからさまに態度が変わる)
「当店自家製の食パンと、近所の駅に入ってる高いスーパーで買ったハムとトマト、そしてA&Wから産地直送したチーズをふんだんに使ったホットサンドでございます。黒胡椒はお好みで」
(それはもう素晴らしい手際でお皿をテーブルの上に置く)
「ん、内装も気になるかい? ここは俺達の集めた骨董品やら発掘物の展示もしてるんだ。好きに見てまわってもいいんだぜ? ただし、下手に触るとヘソを曲げるかもしれないから要注意、だがな」
鈴木・志乃 2020年12月12日
「あれよく女って分かりましたね。私あちこちで少年に間違われるんですけど。」
(飾り気が無ければ胸も無い、女の声はアルトボイス。)
「おっ、おいしそー! 食パン自家製ですか? いいねぇ拘り感じますねぇ。内装気になりますよー。なんならお買い上げしたいぐらい。新しい武装も欲しいとこですしね……。」
(ホットサンドにかじりつき、上気する湯気にあちあち言ってる。)
枯井戸・マックス 2020年12月13日
「あ、もしかしてお嬢様って呼んだのは不服だったか。だったらすまなかった。なんというか、『そういう風』に振る舞うのが癖になってるように見えたから、こちらもつい気どっちまったみたいだ」
(女性であると確信を持って気付いたわけでなく、第六感でそう思っただけ)
「そうそう、自家製食パンってのも格好つけだ。うちのバイトがホームベーカリーで作ってるだけだよ、そのパンは。あと飾ってある奴らは非売品ばかりだが、もしかしたらお前さんに惹かれる奴もいるかもな。まあ好きに見てくれ」
鈴木・志乃 2020年12月24日
「あぁいえ、お好きになさって下さい。ほんとにただ驚いただけなんです。まったく、どこもかしこも男性扱いしおってからに……。」
(恨みがまし気に漏れる呟きが、湯気の中に溶けて行く。)
「えっバイト? いーなーこれジューシーでおいしいですよ。なんならテイクアウトするレベルでおいしい。てか欲しい。惹かれてくれる子いるかなー、自由意志持ってる子の方がやり易いっちゃやり易いんだけど……。」
(さくっと小気味よくパンを噛み裂きながら、きょろきょろと辺りを見回す。興味本位というには、眼光はやや鋭い。本気で『仲間』を探しているようだ。)
枯井戸・マックス 2020年12月26日
「そうかい?可愛らしいお嬢さんだと思ったんだがなぁ……見る目のない人もいたもんだ」
(たははと笑いながら自分用のカップにもコーヒーを注ぐ)
「そんなに上等なパンだっだのか?うーん、俺はどうもコーヒー以外は味音痴なもんでなぁ。ま、バイトにはお褒めの言葉を頂いたと伝えておくよ。……で、だ」
(コーヒーを一口含み、辺りに展示された遺物に意識を飛ばす。たしかに、彼女が来店した瞬間にざわめいた気配がした筈なのだが)
「さて、浮気物は誰かな?ああ、こっちの話だ。ところでお客さん、君の誕生日はいつかな?ああ、言いたくなければ星座でもいい?だが」
鈴木・志乃 2020年12月27日
「浮気物て……まるで誰か反応したみたいな言い方ですね、その感じだと」
(第六感こそそれなりに優れていれど、魔力に関しては決して明るくはない。店の主人ならではの察知があったのかと、その言い方にくすりと笑う)
「2月27日です。魚座、ピスケスですね。何かピンとくる遺物はありますか、星座使いさん?」
(彼の戦いぶりはゲートを通して見ていた。どこか不思議な魔具を使って、縦横無尽に立ち回っていた記憶がある。確か、星座に分けられていたはずだ……)
枯井戸・マックス 2020年12月28日
「なるほど魚座ね。となるとケンレンの辺りか…」
(店の中に一見乱雑に置かれている遺物達を見回し、壁に立てかけられている月牙鏟の方へと歩み寄る)
「反応したのは魚座の周りだろぉ?この辺の奴らはみんな女好きだからな。となると鯨座かペガサス座か……んん?」
枯井戸・マックス 2020年12月28日
「ほお、まさかの美女からのお誘いだったか。もしかして君、鎖とかよく獲物にしてないかい?」
(手に取ったのは壁から伸びる鎖付きの腕輪型の拘束具。壁から引き抜けば鎖の反対側は銛の先端のような形をしている)
「こいつはアンドロメダの鎖。メデューサの首の伝説は知ってるかい?」
(手に取った鎖は無作為にカタカタと震えているようにも見てとれる)
鈴木・志乃 2021年1月10日
「ケンレン?」
(聞き慣れない言葉に首を傾け、カーキグリーンのサロンエプロンがはためく先に目を凝らす。マスターが手に取ったのは、腕輪型の拘束具だった。)
「ご名答、主に扱うのは鎖ですね。メデューサはあれですか、蛇の髪の毛してなんかこう……人を石にするやつ! 神話はちょっと思い出せないなァ」
(けらけらと笑っているかのようにも見える鎖に、興味津々に身を乗り出す。瞳に映るのは好奇心と、期待。ほんのちょっとの畏怖。)
枯井戸・マックス 2021年1月11日
「ああ、ケンレンってのは俺が選んだ魚座の守護武器、捲簾大将の月牙鏟(げつがさん)だ。ほらこれ」
(見た目はアイテムイラスト参照)
「で、この魚座周りの星座の司る遺物をここに纏めて置いてるんだがな。アンドロメダ座は海の神の怒りを買った美女。彼女を崖に縛りつけたと言われてるのがこの鎖さ」
(2つある内の1つはケンレンの内部に組み込んじまったがな、と笑いながら差し出す)
枯井戸・マックス 2021年1月11日
(差し出された瞬間、鎖付きの拘束具は目の前の美女の華奢な手首に噛みつこうと飛び跳ねる)
鈴木・志乃 2021年1月13日
「――おぉっ!?」
(ぴょん、と喜び勇んで飛んで来たソレに、つい反射的に腕が伸びた。己の存在定義が所以か、どうにもこういった『意思』には吸い寄せられてしまう。あかん、変な声出た。じゃなくて――)
「……こんにちは、レディ。お誘い頂き光栄です」
(寒さにかまけて被っていたままだった帽子を外し、胸元にあてて手首に齧りついた鎖に一礼する。まるで紳士じみた気取った所作は、どこかこなれていた。まるで痛みなど介していないかのように。)
枯井戸・マックス 2021年1月16日
「お、おう……さすがに動じないな。にしたって、肝が据わってるお嬢さんだ」
(拘束具に手首を絡めとられても尚、恭しさを崩さない少女の様を見て驚嘆するマスター)
「だが、随分と気に入られたみたいだな。君のどんなところが気に入ったのか。……女心は俺にはまだよく分からないねえ」
(一生分からない気もするが、と内心で。ぎっちりと食い込んだ拘束具を外すため、一旦沈静化の魔力を放って簡易封印を施そうとする)
鈴木・志乃 2021年1月17日
「あぁだいじょ、大丈夫ですマスター! 私ヒトじゃないので……」
(くいっと手首を回せば、肌の表面から金色の光が粉のように舞い飛んだ。見れば噛み付かれた部分の皮膚が薄っすらと“透けて”、内から『何か』が煌々と輝いている)
「精神生命体、というのが近いのかな。本体はこの光なので、このぐらいの戯れなら大したことないですよ。一応……私用で修羅場も相当潜り抜けて来ましたしね!」
(嬉しいやら悲しいやら、苦笑いを浮かべて自由の利く手を鎖にかざす。直接触れるのに少し、躊躇して。それでも自分から来てくれたのだからと、髪を梳くかのようにそっと、撫でようとした)
鈴木・志乃 2021年1月17日
「女心なんて簡単ですよ。感情と感性を共有できるかどうかです」
(瞳に慈しみをたたえて、悪気もなく『彼女』の体をまじまじと見つめる。輪の弧の画き方、傷跡、意匠、生きて来た証を一つ一つ、丁寧に。)
「まぁ、彼女が私の何を気に入ったか、私はまるで分かりませんけどね。――神の娘が取り扱っても、神性に浸しても平気ですか、この方は」
枯井戸・マックス 2021年1月19日
「ほお……」
(手首のみの肉体構造を解いて回避しているのだろうか? しかしそんな些細な疑問よりも、目の前にある光景の方が遥かに魅力的だ)
「精神生命体。物質面に依らず、精神世界を渡り感情を糧とする存在、だったか? まさか自分の目で見られるとは思わなかった」
(物理的に無理がという意味ではヒーローマスクの自分も精神生命体なのか? と自問。
その間も鎖は大人しく撫でられている)
枯井戸・マックス 2021年1月19日
「うーん、つまり女同士で気が合うってことなのか……ん? 髪の娘? お客さんもまた随分とミステリアスな生い立ちしてるみたいだねぇ。詳しく、聞いていいかい? この子との相性を見るうえでも重要になるだろうしな」
(嘘である。この男、ただ面白そうな話を聞きたいだけである)
「あ、ちなみに神性はたぶん大丈夫だ。アンドロメダを縛った鎖は、元々は海神の所有物。その後にクジラ座に例えられる海獣がアンドロメダを食べようとして、メデューサの首を持った英雄ペルセウスが彼女を救うんだが……これは余談だったな。
むしろ神が作った鎖だからこそ、神じゃないと正しく扱えないってこともあるかもしれんよ」
鈴木・志乃 2021年1月22日
「この肉の殻……ヒトの体も本物ではあるので、傷が付けば痛むし血も流れますけどね」
(鎖は存外懐いてくれているらしかった。すっかり大人しくなった様子の彼女に、なんとなく無邪気な幼子を連想して。自分より長く生きている筈の体を、壊れ物を扱うかのように優しく撫ぜる)
「世界や地域によっても定義は違うと思いますが、概ね今仰った説明がほぼ私の生態です。」
鈴木・志乃 2021年1月22日
「いいですよー。でも私だけ話すっていうのはフェアじゃないですねぇ。私の話した分だけマスターも話して下さいよ? 身の上話!」
(サングラスの奥で笑う瞳につられたか、はたまた只の第六感か。心底楽しそうに女はそう返す。――いや、もしかすると単純に訊きたかっただけかもしれない。自分とは違う“ヒト”の物語を)
「――どこかの世界。今見つかっているか、見つかってないかも分からない世界の神がある日、神隠しに遭いまして」
(物語でも読むみたいな、そんな語り出しをした)
「たまたま飛んだ先がダークセイヴァー。何が何だか分からないけれど、目の前には荒れ果てた村とそれを食い物にする邪神、吸血鬼。見かねて救済の為に造られた神の使いが私です。弱小だし当時ヒトじゃなかったですけどね……。」
枯井戸・マックス 2021年1月25日
「ふむ、神様なのに神隠しとはこれ如何にだな。それにしても古今東西、神ってのは勝手なもんだ。自分でやればいいものを、わざわざ他人任せにして……ああ、すまない。君の生みの親を悪く言うつもりはなかったんだ。だがそのお陰で今ここに君がいてこうして一緒に珈琲を楽しめてるってんなら、そこは感謝だな」
(口が滑ったと苦笑いしつつ、コーヒーで唇を湿らせる)
「で、ダークセイヴァーの村を救うために想像された使徒が君だとして、なぜ他の世界まで救おうと? こうして猟兵になって飛び回るってのは、ちと過分な労働なんじゃないかい?」
枯井戸・マックス 2021年1月25日
「あー、俺の出自か? ぶっちゃけるとあまり覚えていないんだよな。気が付いた時にはこの世界―UDCアースのとある遺跡に埋まってて、発掘されるまで意識はなかったんだ。それよりも前の事は覚えちゃいないしな。名前も仕事も、全部この世界でもらったものさ」
(仮面の瞳が静かに明滅を繰り返す。過去を懐かしむかのように)
「……俺を見つけ出してくれた奴の名はヴィクター・カレイド。遺跡探索の専門家とも呼ばれた凄腕の探索者。裏社会にも太いパイプを持つ業物。喫茶タムタム初代マスター。それが、この依り代の生前の名前さ」
(仮面がふわり、と浮き上がる。それと同時にそれまで会話をしていた体は糸が切れたように崩れ落ち、椅子に倒れこむように腰を下ろした。
。その体には生気がなく、よく見れば呼吸すらしていない事が分かるだろう)
鈴木・志乃 2021年1月26日
「お気になさらず。そりゃあほら、会社の重役が現場まで下りてこないようなモンですよ。偉い人は全体を見て支持を出すのが仕事です。まぁウチの神――というか、父は神のくせして存在が弱すぎたから、人手が欲しかっただけなんですが」
(ご馳走様です、と冗談めいてカップを軽く持ち上げ、啜る。カフェインと重厚な香りのおかげで、だんだん脳が冴えて来た)
「はっはっは、もう村は滅びました。私は唯一の生き残りです。あんな惨劇は二度とごめんですよ。同じことがあっちゃあいけない、それに――、」
(わざとらしく、肩をすくめた)
「超個人的な面倒事に関わっちゃいまして。その解決の為に全オブリビオンが邪魔なんですよ、ハイ」
鈴木・志乃 2021年1月26日
「ほぅ……。それだけ伺うとまるでヤドリガミみたいですね、マスターは」
(不思議な色合いを持つ仮面を見据え、息をつく。思えばヒトではない人と深く話したことは、依頼以外で無いかもしれない。発掘と共に自我を持った仮面――俄然、興味が湧くと同時にサングラス男の肢体が突如として重力のまま椅子に倒れ込んだ。無機物のような動きに一瞬、驚いて体が跳ねる)
「……凄いな、まるで生きてるみたいだったのに」
(未だ早鐘を打つ心臓を押え、ゆっくりと息を整えながら『マスターだったもの』を見やる。彼の口ぶりから察するに、生命活動はとうの昔に停止しているのだろ。現に胸が上下していない。細胞も恐らく動いてはいない。それなのに、まるでこの遺体は――)
「…………本当に大切な方だったんですね、貴方にとって」
(自然に言葉が口をついて出ていた。そうでなければ、こんなにも綺麗なままだなんて在り得ないだろうから)
枯井戸・マックス 2021年1月29日
「なるほど重役と来たか。それなら確かにイメージしやすいな」
(ぽむ、と手を打つかのように触髪を操り)
「しかし、力の弱い神だったのか。そして結局村も……無念だったろう。人は誰しも苦い記憶ってのは抱えてるものだな。
して、その超個人的な面倒ごとってのは?そんな面白そ……重要そうな事をボカさないでくれよぉ。教えてくれよぉ」
(どこに発生器官があるのか、猫撫で声ですりよる)
枯井戸・マックス 2021年1月29日
「ヤドリガミとも似てるかもしれんな。根本的には俺も自分の事は物、道具だと思ってるし。そのせいか、俺はこいつらみたいに人に使われる事なく埋もれてた道具達の声に耳を傾けることが出来るんだ」
(そう言って店内に並べられた魔導遺物達を眺める)
「この力が重宝するからか、ヴィクターは俺を相棒に据えて遺物調査に連れ回すようになったのさ。それがかれこれ10年近く前の話しだな。まあ、なんだ……楽しかったよ。その時は」
鈴木・志乃 2021年1月29日
「ウン百年ものの不発呪詛爆弾の解呪」
(凄い早口で言い切る)
「…………いや、正確には違うんだけど。一言で言うならそんな感じ。知り合いの猟兵が頼む助けてくれーって持ちこみやがった。放っとくとそこら辺の負の感情ガンガン吸い取って能力増大するアホの代物。まぁよくある話じゃないですかHAHAHA!」
(手元がぷるぷる震えている。カップの取って握り潰しそう)
鈴木・志乃 2021年1月29日
「いいですねぇ、声なきモノの声を聴く! あちこちの遺跡に潜り込んで、冒険して、会話しながら先へ進んで……ロマンだなぁ。私は魔法も遺跡もまるで明るくないので、憧れます」
(名の知れた探索者だった先代と目の前の彼は、一体どんな旅路を歩んできたのだろうか。二人が出会ったもの、乗り越えた障害、夢溢れる想像を膨らませて思わず胸がいっぱいになる)
「その時の経験が、今の魔導遺物収集に繋がってるってワケですか。ん~聞いてるだけでワクワクしちゃう。みんな星座由来なのは、何か理由があって……?」
枯井戸・マックス 2021年2月2日
「待て待て待て待て、そんな代物かかえこんでるのかおたく!? まさかここに持ってきてたりしないよな?」
(恐怖半分、興味半分の面持ちで身を乗り出す)
枯井戸・マックス 2021年2月2日
「まあ、各地を飛び回るのはロマンもあったし楽しかったよ。だが相応に危険もあったし、人、妖、存在、非存在問わず色々な奴から目をつけられる事にもなっちまったが」
(UDC機関から声がかかったのもその頃だったかと思い出しながら)
「星座の名をつけたのは一種の封印の手段だ。明確な属性を固めてやらないと、魔導遺物なんて不定形な物を人が操るなんて危険すぎるからな。
……もうちょっと詳しくも解説できるが、専門的だし長くなるぜ?」
(触髪を蠢かせて、椅子に倒れ込んだヴィクターの衣服や髪型を整えながら)
鈴木・志乃 2021年2月18日
「持って……はないですよ。“繋がって”はいますけど。ていうかなんでそんな面白がってるんですか、怖いものなしですか」
(勢いに押され、思わず後ろにのけ反った。なんというかこの店主、思ったより食いつきが良い。これはあれか、遺跡探索を生業にしている故の職業病というやつか。元からこうな気もするけど。)
「あーいや聞きたい、聞きたいです! 自分と違う分野の話伺うのって勉強になるし、ていうかなんかマスターのお話、ロマンが詰まってそうだから。」
(――好奇心に突き動かされて行動するのは自分もだった。属性、星座、封印……どれもほとんど未知の領域である。まさかこんなところで冒険家の封印講座をコーヒー片手に聞けるとは思わなかった。)
枯井戸・マックス 2021年2月20日
「いやいや、怖がってるとも。今ここで何かの弾みで爆発したら嫌だなーとか。だが、それ以上に気になるねえ。異界由来の熟成された呪詛とか……なにか器に封印できればそりゃもう特級レベルの魔導遺物になるってのに」
(テンションが上がったせいか若干の早口。先ほどより前のめりに、眼前の『上客』を見つめる)
「そうか聞きたいか。物好きだねオタクも。ならどこから話すか……。魔導遺物はどれも元々は危険な力の塊なんだ。俺はそれを最低限人が使える形に落とし込まなきゃいけない。となると、力の制限をかけてやる必要があるんだ。その為の属性付けさ。本来はしっちゃかめっちゃか暴れる力の本流を、属性って枠に押し込むんだな」
枯井戸・マックス 2021年2月21日
「その過程に於いて『名付け』という儀式は大変重要な意味を持つ。名前はその物がどういった役割を担うかを定める重要な物だからな」
(額に仮面を被り左目を輝かせる。この緑光こそマックスが遺物の王を自称する所以―封印と契約、そして召喚をつかさどる磨羯宮サモンズアイの光だ)
「遺物ってのは屈服させた時、初めて名前を付けて封印する事ができるんだが、それでも特に強い力って奴は気位が高くてな。何か特別な階級をつけて気を静めてやる必要があるんだ。その為にもってこいだったのが星座って訳さ。特別強い力を持つ遺物には黄道星座の名を、それ以外にはまた別の星座の名をつけて階級付けしたのさ。まあ見つけた中には、もともと星座の神話の中で語られるような代物もあったがな。その鎖もその一つってわけだ」
(コーヒー冷めちまったろ。淹れなおすぜ。と、一度キッチンに戻る仮面)
鈴木・志乃 2021年2月22日
「…………、いや、渡しませんよ? ていうか見せませんよ? だってどー見てもマスター面白がってるでしょ? ダメダメ私が請け負った依頼ですからね! それはそれとして封印の仕方は教えて欲しいけど!」
(さらにのけ反り押されつつも、笑顔は崩さず口調は強気に断固拒否する。そもそも手元に無いし、見せるのにも面倒な代物なのだ。それはそれとして封印手段は聞いておきたいけど。こちらも対処に追われている真っ最中だからして!)
「はぁ~、名付けをすることで存在に属性付けをすると。まぁ名は体を表すって言いますしねぇ……。とゆーことはなんですか、元からこういう……形状とか、能力じゃなかったんですね。この子も別の存在だったのかな?」
(依然巻き付いたままの鎖を、少しからかうようにかしゃかしゃと撫でる。表情は付いていないがかわいい。荒れ狂う力の塊だったとは、ぱっと見では信じられないが……)
枯井戸・マックス 2021年2月27日
「うーん、真面目なこと言うと実際に見てみないとなんともだな。だがマジで困った時は何でも言ってくれよ?」
(淹れ直したコーヒーカップを差し出し)
「そうそう、名は体を表す。それが言いたかったんだ。ああ、元と今で形が全然違う遺物もあるぜ。獅子座の大剣とか元は魔獣の亡霊だったし。
でも途中からは星座のイメージに近い物を集めるようにもなったなぁ。ちなみにアンドロメダの鎖は……いや、これはやめておこう」
(アンドロメダの伝説が残る岸壁に女性を誘い込み、投身自殺をさせていた怨念を鎖に封じた物とは口が裂けても言えない)
「ま、まあそいつも君の事がずいぶん気に入ったようだし、折角だから君に譲ろうじゃないか!うん、それがいい!」
鈴木・志乃 2021年4月27日
「はは……いざって時は、よろしくお願いします。」
(出来れば、そんな事態に陥らないことを願うばかりだ。その時は本当に、打つ手が何もなくなった時なのだから。
新しく注がれた熱々のコーヒーを受け取る。――まぁ、急ぐこともあるまい。人命かかってるけど。)
「えぇ、貰えるんですか!? やった、よろしくねーアンちゃん!」
(気軽にあだ名を付けて喜んでは見たものの――絶対いわくつきの品だこれ。深くは突っ込まないことにした。猟兵界隈では無知は死と直結するが、一応封印された物だし何とかなるだろう。それにもし籠められているのが負の感情であるなら、それこそ対処は私の得意分野だ。)
鈴木・志乃 2021年4月27日
「――ん? あッ!」
(ちらと窓から外を窺い、何となく日が傾いて来たかなと思って時計に目を落とす。短針が予想より二つほど進んでいた。)
「うっわぁ、やっば……。ごめんなさいマスター、もう仕事の時間なのに長居しちゃった。あでも最後の一杯は頂いて行きます、美味しいから!」
(舌が火傷するのも構わずごく、ごくと飲み干す。もう少し風味を楽しんでいたかったのだが、いた仕方ない。)
鈴木・志乃 2021年4月27日
(ショルダーバッグの底を手で漁り、土で薄汚れた小さな麻袋を取り出した。外側から軽く触って感触を確かめる。ごつごつした塊は、道中欠けたりしなかったようだ。これなら申し分ないだろう。)
「代金と……あとこれ、チップ代わりに。本当に楽しくて、美味しい時間でした。中に魂晶石が三つほど入ってます、A&Wの私の領土の。是非これからも店を続けて下さいね。また来ますから!」
(財布から数枚、明らかに代金より高い紙幣を出し、麻袋を重しにしてテーブルに置く。そのまま慌てて席を立つと、入口に向かって颯爽と駆けだした。)
「いくぞアンちゃんー! しっかり捕まってろよー!!」
枯井戸・マックス 2021年4月27日
「ああ、俺なんかで良ければ助力は惜しまないぜ」
(一物含んだ笑顔に僅かな不穏を感じつつ。しかし、自分から言うべきことはもう言った。あとは、もしその時が来た時に、彼女自身が決めることだ)
「っておいおい、一気飲みは流石に熱いだろーー行っちまったよ。なんて早業……いや待て待て待て!なんだこの額!ってか、この袋の中身!」
(テーブルの上に目をやり、仮面も依代も目を見開く。明らかに多い紙幣も去ることながら、重し代わりに置かれた袋から感じるのは、決して弱いとは言えない魔力)
枯井戸・マックス 2021年4月27日
「コーヒー2杯分の税込1188円だけでよかったんだけどな……まったく商売ってのは難しいねぇ。
だが彼女を譲る事への対価と考えれば、相応しい値打だ。あの嬢ちゃん、中々いい目利きしてやがる」
(冗談めかすように笑いながら、袋の中身を確認する)
「アンちゃん、ねぇ。いい主人を見つけたじゃねえのアンドロメダ。大事にしてもらえよ?
そして君達はいったいどんな名前で、どんな力を秘めているのか。さあ、教えておくれ」
(店先の看板をCLOSEDにして、魂晶石を手に弾む足取りでバックルームへ向かう。
今より先は本業の時間。
俺のお楽しみはこれからだ)