Too hot, too fast
皐月・灯 2020年7月1日
今回はお前で手を打ってやる――なんて、我ながらよく言ったもんだ。
ただ、こんなことに人を付き合わせるのは本当に、滅多にない。
片手の指でも十分すぎて、残った指で術式も編めそうだ。
何の話って、服選びだ。
魔法衣の類なら良し悪しなんてすぐわかるが、ただの服となるとそうはいかねー。
何もかも多すぎる。種類も量も組み合わせもだ。どうなってんだUDCアース。
そして、そもそも夏服選びなんだが……既にクソ暑ちーんだよな。
去年はもうちょっとマシじゃなかったか。どうなってんだUDCアース。
――小さく唸りながら、駅前の壁に背中を預けた。
・鳴宮・匡(凪の海・f01612)
・皐月・灯(喪失のヴァナルガンド・f00069)
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鳴宮・匡 2020年7月2日
……そっか。(昔の同僚がちょうど、こんな感じの反応をしていたなというのを思い出して、なんとなく――本当になんとなくだが。事情が呑めたような気がして)(――あれ、これ俺結構責任重大なんじゃないか? なんて今更思ってもみたのだが、今更である)
鳴宮・匡 2020年7月2日
郷に入っては郷に従えっていうしな。それに、選ぶ余地があるんだからわざわざ合わないものや趣味じゃないものを選ばなくてもいいだろ。(なんて言いつつ、続けられた言葉には苦笑ひとつ浮かべてみせて)そりゃ前の職場で散々言い聞かせられたからな、お前のその平凡な見た目は武器だから、人から浮かないようにしておけって。あと服は店員か同行者任せだぜ、俺。(そんなことを言って肩を竦める。それではまずかろうと思って多少は勉強したのだ――というのはそれこそ恥ずかしいので伏せておいた)
鳴宮・匡 2020年7月2日
多分な。ほら。(彼が生地を伸ばしたのを見て、その下に手を透かしてみせた。恐らく、自分の掌のシルエットが綺麗に服の上から見えることだろう)中に一枚、別の色の……少し丈の長いやつを重ねたりするといいらしい。こういう感じの……(自分の服を摘まんでみせた。黒のタンクトップの下から、モノトーンの迷彩柄が覗いている)
皐月・灯 2020年7月2日
……やたら種類があるのは、好きなもんを選ぶためってか。(贅沢な話だとも思ったが、彼の言う通り郷に入っては何とやらだ。そもそも、選ぶために今日この場に来ているのだから)……ああ、一般人とか身のこなしなんてわかんねーもんな。オレでも距離が空いてりゃすぐには気付けねーし。
皐月・灯 2020年7月2日
おお。(手触りでは、ここまで薄手の出来には思えず、感嘆の声が漏れた。……よくわかったな、とも。そう、人任せという割にはアドバイスがしっかりしている)……なるほどな。お前のそれに合わせてみるか。あんま暑くならねーやつがいいな……(真剣な顔で他の棚に向き合う。サイズのアルファベットをぶつぶつと呟いて)
皐月・灯 2020年7月2日
(相手の耳の良さを差し引いても、聞こえるか聞こえないか。ほとんど吐息のように、「――なんか大人っぽい気がするしな」と、その合間に言い添えた)
鳴宮・匡 2020年7月2日
そうなんだろうな、多分。……まあ、平和だってことだよ。(悪いことではないだろ、なんて肩を竦めてみせた。……それに慣れることに罪悪感がある、なんて彼が言うなら。それには理解を憶えてしまうかもしれないが――)まあそういうこと。戦場でも、平和ボケした日本人、なんて見做してもらえりゃ楽な場面は多いしな。使える武器は使うべきだろ。
鳴宮・匡 2020年7月2日
(……実際のところ、男の聴覚というのは鋭敏、というよりもはや過敏というレベルだ。呟かれた言葉もむろん、聴こえてしまっているのだが。――それを揶揄する気にはなれなかった。自分も、“大人らしい”ように見られたいとは思っていることだし。素直に応援しようとこそ思えど、からかうようなつもりにはならなかった)……一揃えだけじゃあれだろ。他に気になったのとかもあれば持ってきてみたらいいよ。……試着、とかいうのができるから、実際に着てみて違和感ないかとかも確かめられるし。
皐月・灯 2020年7月2日
(否定的に聞こえる言い方をしがちなのは、「足りない」ことが当たり前の世界の記憶が今も胸の裡にあるからだろうか。とはいえ――)そうだな。悪いとは、思わねーよ。(あんなもの、知らない方がきっといい。そう思っている自分がいるのも確かなのだ。――ただ、その場に己を置くことは、少しばかり躊躇いも感じるが)
皐月・灯 2020年7月2日
……魔術理論よりよっぽど難しいな、服選び。(専門誌が大量に存在するのも納得するというものだ。目を通してみても中身はよくわからなかったが。むぅ、と眉を寄せ、店内に視線を巡らせて)試着……ああ、あそこだな。試してみる。……いいか、どんな有様になっても、気配りとかいらねーからな。
鳴宮・匡 2020年7月5日
……自分の生きてきた世界とは違うけどさ。でも、そういう世界で生きていくんだって決めて、ここにいるんだろ。(なら、いい加減慣れていかないとな。なんて、その言葉はどこか自分に言い聞かせるようでもあったろう)
鳴宮・匡 2020年7月5日
銃の扱いの方がよほど簡単だと俺も思ったよ。でも、そういうのは“慣れてない”からってだけで。なんでも最初はそういうもので、これから付き合っていくうちにそれがだんだん自然になってくるもの、らしいぜ。(受け売りだけどな、なんて手をひらひらさせながら、試着室の方へ視線を向けた彼を見る)大丈夫だろ、お前、素材がいいし。
皐月・灯 2020年7月7日
……ああ。最初はただ流れてきただけだったんだが、な。いつの間にやら、ここで生きるのもいいか、って、思うようになってる。(偽らざる本心だ。この世界への情も確かにある。尤も、)……放っておけねーヤツらもいるしな。(つづけた言葉の方が、より比重は重かったけれど)
皐月・灯 2020年7月7日
慣れが肝心なのは、どこでもなんでもいっしょってか。一人でここで服選んでるオレってのも、想像できねーけど。(肩を竦める。両手に幾つもの衣服を抱えているので、あまり様にならなかった)素材がいいって……このへんの店員も言うよな。どういう意味で言ってんだか。こちとら剣の才能はねーし、魔力だって人並みだぜ。
鳴宮・匡 2020年7月13日
……それに関しちゃ同感かな。どうあれ、生きていくってのは決めてるし。放っておけないやつがいるってのも、事実だし。(――ただ、多分彼ほどに割り切ってはいないのかもしれない、なんて思いは少しだけ胸中にあった。言葉には出さないけれど)
鳴宮・匡 2020年7月13日
俺だってこうやって人に服選びの助言をしてる自分なんて想像もしてなかったぜ。(そもそも、つい一ヶ月ほど前には人に頼りきりだったくちだ。“そのまま”でいることをよしとしないから、少しだけ学んでみることにしたのだけれど)こと戦闘って話ならその二つで間違いないんだろうけど、服選びの場合に問題になるのは見た目の話になるかな。顔立ちとか、体型とかな。
皐月・灯 2020年7月17日
――。(歯切れが悪い。そんな気がした。淡々と話しているから分かりづらいけれど……そう感じるのは、彼も自分と同じように歩き始めたばかり、という話が記憶に残っているからだろうか。何となく、無言でじっと横顔を見て)
皐月・灯 2020年7月17日
言えてる。お前に選んでもらうってのも、初対面のときゃ思いもしなかった。(あの頃は微塵も、可能性すら浮かばなかった「それ」がここで起きている。今この現実こそ、変われば変わることの証明だ。……まあ、悪くない。)
……体型は、まあ、そりゃな。ちょっと行ってくる。(微かに自信めいたものが表情にちらついた。日々鍛錬と実戦を繰り返して、無駄な肉など1ミリもない。更衣室のカーテンの向こうに、するりと入り込んだ)
鳴宮・匡 2020年7月20日
…………?(じっとこちらを見る双色を見返して僅かばかり首を傾げたが――試着室へと踵を返すのをみて、問いの言葉は呑み込んだ。後で訊けばいいか、なんて頭の片隅で思いながら)
鳴宮・匡 2020年7月20日
……だろ。それ考えたら、慣れてくれば変わるってのも多少、説得力出ない?(なんて、軽口めいて零しては笑ってみせるのだ。ちらりと表情に見え隠れした、自信めいた色を見れば更に笑みを深くして――直後、ひとつ咳払いをした。微笑ましい、なんて思ってしまったことを気取られたらきっと、渋面を浮かべるだろうなと思ったからだ)(実際、自分の眼から視ても彼の身体はひどく洗練されたそれだ。自負があるのも頷けるというものである。カーテンの締まるのを、目で確認して。手近な服に目を向けながら、彼の支度を待つ)
皐月・灯 2020年7月29日
(上着に手をかける。フード付きのジャケットはしっとりと湿っていて、店内の冷房でひんやりと冷たかった。無造作に床に脱ぎ捨て、インナーの上からアドバイス通りにシャツを一枚。その上からサマーニットをもそもそと……本当にもそもそした動きになった。こんなに柔らかい生地の服があるのか。突っ込む傍からびよんと伸びて、腕を通す穴を見つけるのにてこずる)……こうか。こうだな。よし。(頭も両腕も出ていることを鏡で確認して、ズボンのベルトを緩めた。)
皐月・灯 2020年7月29日
(これまた無造作に床に脱ぎ捨て、カーゴパンツに脚を通す。今度はむしろ通りやすすぎて驚いた。足回りの太さよりずっと余裕があり、布が肌に纏わりつかない分、空気の層が涼しい。)なるほどな……。(これなら熱がこもりにくい気がする。さっそく慣れれば変わる、という言葉を体感できそうな気がした)
……待たせたな。その……こういう感じに、なったんだが。
皐月・灯 2020年7月29日
(きちんとベルトを締め、カーテンを開けた。首元にエアコンの風が当たって、涼しさの中にも落ち着かなさのようなものを感じる。戸惑いのようなものを覚えながら、相手を見上げる――)
(そのサマーニットは、後ろ前だった)
鳴宮・匡 2020年8月3日
(試着室から出てきた気配を感じて、そちらの方へ視線を向けて)(もちろん、すぐに違和感には気付いたのだが
)(…………どう指摘するのが精神的瑕疵が少ないものかなんてことを一瞬考えてしまい、)
……灯。振り向いて、鏡見てみな。
(そんな、やや迂遠な指摘に落ち着いてしまった)
皐月・灯 2020年8月3日
……かがみ?(色の違う目を、同時に瞬いた。ぱち、ぱち、きっちり2回)
皐月・灯 2020年8月3日
(振り返る。後ろにあったのは、全身が映るタイプの長方形の鏡。向き合うと、橙と薄青の瞳が此方を見返してきた。胸の奥あたりが一瞬ざわついたのを無視して、視線を下に動かす。……鎖骨が隠れていて、下を向くと服の布が喉に当たって、わずかに息苦しい)
皐月・灯 2020年8月3日
(その場で回り、肩越しに背中の様子を見る。背中の肌の部分が、だいぶ見えている)
皐月・灯 2020年8月3日
……! ……、こういうデザイン、じゃ、……ねーのか。
鳴宮・匡 2020年8月4日
…………ああ。もしかして、こっちで服、買ったこと……(いや、ないんだろうな、と。この間夜のコンビニで出会った時の会話を思い出して察したので、最後まで言葉は紡がず)
鳴宮・匡 2020年8月4日
(棚に並べられている中から、適当なカットソーを一着手に取って。彼にもわかるように広げてみせ。襟ぐりのあたりを指した)ほら、これ。首を通すところに白い……タグって言うんだけど。これがついてる方が、後ろ。(あとは、と。くるりとひっくり返して、裏地が見えるように)内側にもついてるだろ。これがある方が、左。首元についてないやつは、それで判断できる。
皐月・灯 2020年8月12日
…………うん。(なんともばつが悪く、言葉が上手く出てこない。ありていに言ってしまえば、そこそこショックだった。示された白いもの――2か所のタグをちら、ちらと見て、それから目を逸らした)
皐月・灯 2020年8月12日
(なんだ「うん」って。らしくもねー。動揺がそのまま口から押し出してしまった素直すぎる音に、我に返った。)タグ……2か所な。襟の部分の深さ浅さも違う、と。(口に出して復習する。そういうものの着方に疎いのは、普段の服が前と後ろで、全く迷いようのないデザインをしているからでもあった)
鳴宮・匡 2020年8月12日
そうそう。これとかだと首元の深さが違うからわかるけど、そういうのわかりにくいデザインの服もあるしな。……あと、大体普通は前が深くなってるけど、逆のやつとかもあったりするし。(たとえば、敢えて背中を大きく開いて見せるようなデザインだとか。そういうものもありはするのだ。自分で着ることはないが、店頭のマネキンなどが着ているのを見たことはある)
鳴宮・匡 2020年8月12日
……パンツの方は大丈夫みたいだな。腰回りとかきつすぎたり、もしくはゆるすぎたりしない?(とりあえずあまり下がっていないことからして、後者の可能性はなさそうだけれど)
皐月・灯 2020年8月19日
ますます難しいな……(言いながら服の裾に手をかけ、サマーニットをその場で脱ぐ。めくって確かめると、なるほど彼の言う通り。少し形は違うけれど、裾近くの縫い目の裏にタグがひとつ)ふうん……。(しげしげと眺めた後、ぽい、と宙へ放り上げた。空中でくるりと回ったサマーニットが、冷房の風を受けて膨らむ。裾が広がったところへ、両手を伸ばして突っ込んで)
皐月・灯 2020年8月19日
む。(頭が引っかかった)
皐月・灯 2020年8月19日
~~、よ、と。(きっかり2秒後、無事脱出。動物めいて首を左右に振り)……ん。下の方はちょっとブカブカしてる気がするけどな。腰回りはオレにぴったりみてーだ。ほら。(すこし下がって距離を取り、その場で脚を振ってみせた。下段、中段、素早く2発。上段はその辺に当たりそうだったので、やめておく)
鳴宮・匡 2020年8月21日
まあもともとそういうコンセプトのデザインだし……腰回りとかそのあたりが大丈夫で、歩いたり動いてみて差支えがないなら問題ないと思うぜ。(蹴りの軌道も視えている。――遜色なく動けているようだとみて、あらためて彼の全貌に目を向けた。選んだ色はもとより彼が普段身につけてるようなものを選んでいた、というのはさておき――
)…………俺の目からして違和感はないけど。お前は? 鏡見てみて、どう思った?
皐月・灯 2020年9月7日
そうだな……(ちら、と視線を鏡に遣る。繁華街で見かける同年代の姿によく似ているような気がした。より街並みに馴染む、というのか。目つきの悪さには――余計なお世話だ、と何故か思った――自覚があるが、フードで目元近くまで隠れていない分、明るい印象がなくもない)……ちょっと明るくなってる、か?(疑問符が付いたのは、それこそ自信が無いからだ。振り返り、どうだ?と言いたげに小首をかしげ)
鳴宮・匡 2020年9月10日
…………。(――思わず小さく笑声が漏れたのは。なんだか、彼の口から浮いた感想が、自分と似たようなそれだったからだ。不慣れなりに出した言葉なのだろうと思うと、それもまたなんとなく微笑ましい、ような気がして)そうだな、なんとなく視界も開けてるんじゃないか? ……ついでだ、髪型弄ったりしてもいいかもな。そっちはさすがに門外漢だけど。(というかまあ、服選びだって決して得意というわけでもないのだが。さて、振り返った彼をもう一度見て)……どうする、他にもいくつか試してみるか? 何も一揃えしか買っちゃいけないってこともないし。
皐月・灯 2020年9月16日
(む、と言葉に詰まる。色々言葉を探したけれど、他に出せるものがなかった――それを見抜かれたらしいと、直感的に察した。憎まれ口のひとつも叩こうかと思ったが、やめておく)……髪型なあ。(髪のセットには時間がかかる。思い描く姿は人より毛量が多いということもあるけれど、何気ない風にしていて、その裏には相応の努力があることを、今となっては知っていた)まあ、そっちは今度でいいさ。今はそうだな……もう少し見てみたい。お前、まだ時間あるか。
鳴宮・匡 2020年9月20日
もちろん。今日は仕事もないしな、気が済むまで付き合えるよ。(わざわざそのために予定を調整した、なんてことは言わずともよいことだ。まあそもそも、最近は前ほどに仕事を詰めていないという話もあるのだが)……さて、それじゃあどういうのにするかまず考えないとな。似たようなやつで探してみる?(それともちょっと違う感じのがいい? ――訊ねながら、店内を窺うように視線を巡らせかけて、)……あ、そうだ、次行く前に、試着したやつは着替え直しておきなよ。(どうもそういうルールらしいから。なんてまあ、当たり前のことではあるのだが付け足した。――自分は知らなかったし。)
皐月・灯 2020年10月27日
ん。(わかったという代わりに、短く一音、口を閉じたまま発した。試着室へ戻る道すがら、袖を通した服の裾に手をかけて、カーテンを足で閉めると同時に上を脱ぐ。元の衣装に身を包みながら、問われた言葉に思案して
)…………じゃあ、あれだ。もっと、その……(その単語を口にするのは、些か抵抗が強い。けれど――こんな機会、二度あるかどうかだ)……「大人っぽい」ヤツ……スーツじゃなくて、落ち着いてる、っつーか。そういうの、思いつくか?(どうにも漠然とした言い方になりがちだと、自分でも思った)
鳴宮・匡 2020年10月29日
…………大人っぽい。(思わず反駁したのは、そもそも自分があまりそうみられないという自覚があるからであるが)(だからこそ、というのだろうか、“そう見られる”ための知恵もいくらかは授かったおぼえがある)ひとつには、あんまり緩い感じのを着ないこと。お前の場合は体格がしっかりしてるから、多少体型がしっかり見えるような服装でも問題ないだろうし。少しぴったりするようなのを選ぶのがいいのかもな。(言いながら彼が着替えている合間に手に取ったのは、脚のラインがしっかり出やすいスキニージーンズと、テーパードパンツ。長さは目分量だが合っていると思う。色はどちらも黒だ)あんまり派手な柄物を着ないってのも大事らしいぜ。
皐月・灯 2020年12月26日
ああ。……オレの知ってる中じゃ、この質問はお前が一番適任だ。(当人の認識がどうであれ、自分にとって大人びて見えるのは間違いない。「嘗められた方が楽」と言っていた記憶があるが、逆に言えば「嘗められなくなるやり方」も知っている――と、そう踏んだ。アドバイスを受けつつ)……動きにくくねーか、それ。(ぴったりするタイプの衣服には首を傾げながらも、受け取って)
皐月・灯 2020年12月26日
じゃ、もう一回行ってくる。(試着室に引っ込んでカーテンを閉め、)
皐月・灯 2020年12月26日
(そのカーテンの向こうから、「これ蹴ったら股んとこ裂けそうだな」などという呟きが漏れ聞こえたかもしれない)
皐月・灯 2020年12月26日
(この後、一応虚空に蹴りを放とうとしたら布地が本当に嫌な音を立てたり、そのタイミングで様子を見に来た店員と鉢合わせしたりもしたけれど――買い物は続く。荷物で両手が塞がって、帰り路の日差しがよりキツくなるのだけれど、それもきっと些細なことだ)
皐月・灯 2020年12月26日
(夏は、まだ、終わらない)
皐月・灯 2020年12月26日
―了―