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てんと【記憶】

スノウ・パタタ 2018年12月28日


きょうはどの色?




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スノウ・パタタ 2018年12月28日
ぺたんこのビニールプールをやっとぱんぱんに膨らませた。液体に呼吸は必要なのかは分からないが何となく呼吸して…そして何となく限界を定めていたが、伸縮のある体をポンプの様にすれば膨らむのも早いじゃないかと気付いたのは大分経ってからのことだ。随分と苦労をして仕立てた寝床は、可愛いと表現するには遠い。けれど彼女が気に入ったから、良いものだ。「これで、おちる、ないのよ。」ね、と一人、返事の無い宝物に話しかける。寒さを凌げる、空の見える屋上を見付けた。立地は最高だが暖房の類は無い。これも、彼女が気に入って選んだ場所なのだから、良い。寝ている間に流れていったり、凍らねば取り敢えず液体に困る事はそう多くはない。「きょーは、ええと、…白がおおいね、あしたは雪、しますか?」ストームグラスの中の透明な液体に、細かい雪の様な結晶が沈澱している。これを見ると気分が浮かんで、寒さも夢の中へ飛んでいく。
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スノウ・パタタ 2019年1月1日
春を思わせる緑の風。まだ時期には幾分か少し早い新緑の香りに思いを馳せて、今日から始まる新しい暦のページを捲る。古めかしい手帳はぱりぱりと音を立て、小さな指でそおっと開くいていく。廃棄所で拾った、いつか誰かと共に居た古い手帳。帯留めの羽根がぽわぽわで可愛かったので、丁寧に埃をはたいて頂戴してしまった。「しんねん、て言うんだって。」傍にはまだ、先程占った精霊が光の尾を残しながら宙を舞っている。春の息吹はまだかと顔の近くに寄ってきた精霊に問い掛けられている気がして、小さく笑いを零すと口許に指を立てる。「今はお休みちゅう、なのよ。もう少ししたら、お花もたくさん起きてくるのよ」そうしたら、また遊ぼう?言葉が通じたかは分からないが、一つ頷くと精霊達は光の粉を残してきらきらと消えて行った。
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スノウ・パタタ 2019年1月8日
「きれいがいっぱいで、いっしょにあそべて、うれしいなの」プールに半分とろけた状態で振り返って語るは先日赴いた迷宮の、初めての任務。興奮冷めやらぬ饒舌ぶりに聞き手にされていた精霊たちはこくりこくりと船を漕いでいた。「…おこったら、めーなのよってグランマたちから言われてたのよ…気をつけなきゃ、ね」怒りに任せるだけではいけないと教えられた。それでも悪意のない人が傷付いているのは、どうにも嫌だった。「グランマ、まもれ、って、言ってたねえ。…どうしたらまもれるのか、むずかしいのよ」対峙したあの硬い岩の兵士の様に、強くなれば護れるだろうか。お伽噺で聞いた神殿を守護した兵士も、強くて頑丈だったのだろうか。あの迷宮のゴーレムは、いつか何かを守っていた物なのだろうか。強くなりたい、守りたい、漠然と思考が向き始めた頃、退屈した精霊達がまた弾け始めた事で考えが止まった。「あぶないのよー!これ以上は、めーなの!」
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スノウ・パタタ 2019年1月15日
ひたひた、寝床と定めたビニールプールの中で半分以上液体になり浸りながら少女は、普段身に付けている香水瓶の手入れに集中していた。傍から見ればプールからぽこっと黒い頭だけが出て、タールの中でインク玉や宝石や瓶がころころ漂っている様にしか見えない。「んん、青が少ないのよ。」廃棄所で絵の具かなにか、拾えるだろうか。それとも店か何処か探して回った方が良いか。グランマたちが作ってくれていた染料の残りを数える方が早くなってきてしまった。何の草花から色が出せるか、何の石が色を齎してくれるのか、もっと知っておけばよかったと一つ小さく息を零したのは、無意識だった。
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スノウ・パタタ 2019年1月24日
たくさん、たくさん出逢えた!「…みんなたくさん、いたのよ」暖かくて嬉しいと、お腹がくすくすする。それは良いものだと教えられた。形なぞ今は保って居られようか。境界が溶ける程にプールに全て浸かって、瞳だけは爛々と星空を映していた。
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スノウ・パタタ 2019年1月30日
ぺたぺた。ころころ。たっぷり頭まで今日もプールにとろけて、夢見心地に夕焼けの空を眺めていた。好奇心を瞳に落とし込んで、まだ忙しなく心の中はうきうきと弾んでいる。「おかおー。うれしいの」タールの中できらりとその結晶を光らせるグラスペンに、少女は語りかける。拾われた頃は、自我と無機物の境目を知らず何にでもくっついて吸い込んでいた。グランマは何度も石ころやゴミを体から取り除いてやりながら自分を自分と意識して形取れと繰り返し教え込んだ。それはいつか己らが居なくなっても、少女が此処に在ると他者が認識出来るように。それはきっと人で言う所の親心の様なものだった。少し癖のある長い髪、深海から見上げた空の様な柔い青さ、ふわふわと懐いていた使い魔の毛玉。彼女が彼女である事を、忘れぬ様に。きっと忘れぬ様に。
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スノウ・パタタ 2019年2月1日
羽根がふわりと揺れる。いつかの誰かの手帳、中を開けばページは真っ白だった手帳。いくつかの少女の覚書と試し書きの次のページを捲り、幼い指で握り込んだグラスペンは紙の上を拙く走る。青いインクのそれは花ともみじ、黄色のインクのそれは雲と宝石の絵。にこにこと上機嫌に描きあげれば、ぱたんと閉じて宝物の上着にしまい込んだ。嬉しい、楽しい。くすくすする。月の光を帯びて、くるくると角度を変えて光る瞳はじっと宝物たちを眺めていた。
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スノウ・パタタ 2019年2月14日
「おてがみ、やぎさん」食べると美味しい?彼女に口と呼ぶ場所は無い、「食べる」の動作がどうにも育たず、よくよくグランマはブラックホール胃袋にぱくぱくと何でもかんでも彼女の目の前で食べて見せたが、終ぞその生命の基本行動を正しく理解する事は出来なかった。口のあたりをぽこりとあけて、依頼で残った一枚の紙を食む、咀嚼する…真似をした。味と言うものが分からない、ものの食感が分からない。辛うじてこの体は匂いは知覚が出来た。「おいしいの、かなあ」一つ疑問を零し、食い真似をした紙の破片は、異物としてぽんと体から出て行った。
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スノウ・パタタ 2019年2月15日
(早足にかけてきて、大事そうに抱えた箱をそっと置いた)【工場にいるようなラッコの形をした、カラフルなマーブル柄の。それだけでもうなんかすっっっごい高いチョコでつくられてる箱に入った、ほのかに甘い】(チョコ、を眺めて、周りを飛んで跳ねてぴょんぴょん。)
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スノウ・パタタ 2019年2月15日
(ぱたぱた、忙しなく駆けてきて箱の隣にまたそっと。)【薔薇のアップルパイ】(を並べて眺めて、そわそわ、うずうず。我慢をしきれずまた跳ねた。宝石から精霊達が転がり出て来ては、ふと、覚えのある気配にもつられたのか一緒に楽しげに跳ね回っていた。)
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スノウ・パタタ 2019年2月16日
(拾った何枚かの花弁とホワイトチョコをかけたナッツ、カラースプレーを散らしてカラフルなそれらを眺め、地平の何処までも続きそうな花畑の風景と賑やかで暖かい場所を思い返して。興奮冷めやらぬ様子で、髪の端っこがビビっと尻尾の様に震えた。)
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スノウ・パタタ 2019年2月21日
深い底から見ていた、見上げていた。長い時間、光の届かない底で。沢山の命がそこで育まれ、長い時をかけて蓄積され、それは悠久とも思える時間。覚えている。この身に溶けた生命も、純粋に物が生きて死ぬだけの世界の底で。覚えている。
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スノウ・パタタ 2019年2月26日
ゆきうささん行きたいけど、けど、行っても大丈夫なのかなあ…?みゅーみゅーかわいいねえ(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=4925)
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スノウ・パタタ 2019年3月1日
ぱたぱた、ぱたぱた。常より短い身丈でビニールプールの縁に引っかかり、ご機嫌に星見をする。疲れたり眠くなると「にんげん」に見える形を取るのが難しく、せめて「いきもの」に見えるようにと見慣れた生き物の姿から真似た姿は、それでも人の型に合わせている時の彼女の造りに何処か似ていて。「おかお、ふたつ。えへへ。うささん、かわいい、なの」もちもちと、ぷるぷると増えるウミウシの姿を、貰った資料で眺めては、…けれども延々と増え続ける宿敵達は猟兵になった身分では倒すべきものであり。ぺらりと資料を捲り、「どっちもお手伝い、したいのよー」きっとずっと、彼らを追い掛けて、めーっとし続けるのだろう。きっと、ずっと彼女はめげない。彼らも現れては増え続ける。増えたいから勝手に増える、きっとそう言う物なのであろう。そうなのであれば、こちらもそう在り続けるのである。
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スノウ・パタタ 2019年3月2日
もちもち!ぷるぷる!ユキウサギウミウシさん!(ぴょこぴょこ) https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=5001
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スノウ・パタタ 2019年3月14日
どきどき、そわそわ。雪のマークをぽん❄
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スノウ・パタタ 2019年3月19日
髪はもっとこうで、目は少しツリ目がちで…今より人に近い形態の練習に、ふにふにと形状を変えては少しの経過でふよんと戻ってしまう。形成が持たないのは目下の悩みである。羽根ぽわ手帳を開いて眺めた、グランマ達の似顔絵を描いたそれは精度の高くないこどもの落書き。拙い絵心で書き留めたそれは彼女の軸。「動くとズレちゃうの、まだダメだねえ。」暖かくなってきた春先、結晶が固まる量が少なくなってきたグラスペンに向けて話し掛ける。体積が増えれば成長と呼べるのだろう。この体の質に取り込め、調和するものは限られている。道具や飾りを増やすかとも思うが、今以上だとうっかりと零してしまいそうだとも。いっそバルーンを入れて膨らますか、空気のままではぷくぷくと抜けていってしまう。あれこれと考えているうちに夜は更ける。
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スノウ・パタタ 2019年3月27日
高い空、それでもまだまだ手は届かない程の。石柱から見下ろした広大な景色はいつかの踏破者が石碑に遺した秘めたこころ。共感の届かない幼さながらそれがとても、かつての勇者がどうしても残しておきたかった大切なものだと言う事は分かった。きっと、「心でおもう、だいじなの」きっと。いつかの暖かな頃。傍にいた温もりに届く頃。思いを馳せた時、それは確かに彼女の中に有る。忘れなければきっと。「ゆーしゃさんはお姫さまと、なかよし、出来たかなあ?」ふふ、と風の精霊は楽しげに笑う仕草でくるりと回った。誤魔化された様だ。あの場所の精霊があの先の二人の物語を覚えていたとしたら?この微笑む精霊が物語知っていたとしたら?風化しない、きっと忘れない。世界の何処かはきっと覚えている。誰が名を忘れてしまおうとも。
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スノウ・パタタ 2019年3月29日
ららさんとおそろーい、えへー(ウキウキで瓶ににゅるん)
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スノウ・パタタ 2019年4月5日
「かわいい、かわいい。ぷよよ。」ペットの所持を許してもらえた。申請が通ってから嬉し過ぎて付きっきりで、うきうきとシラユキをぽよぽよ。死の海から蘇った姿とは別の。生き物。ふわりと揺れる姿はまるでいつかの遠い昔、深い底へしんしんと降り積もるマリンスノーの様で。 光景が記憶に掠めて不意に撫でる指が止まる。宝石めいた瞳のシラユキが不思議そうに見上げていた。
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スノウ・パタタ 2019年4月11日
あつい、さむい、があまり無い。知覚は出来るが我慢が出来ないと言う域には、そう至らないのが正しい。油性ゆえの性質なのだろう。「みんなは、どっちだろ?」リトマス紙的なものを同胞にぺたぺたと貼って行くのはさすがに失礼なのは幼子にも分かること。普段の会話からなんとなく、こっちかな、あっちかなと、想像するのみである。冗談で味見をされる同胞達の賑やかさを眺めながら、自分が食べられてしまうのは相手の体が危ういと知る身では時折置物を務めている。「わたしは美味しくないって、グランマ言ってたねえ」話しかけられるとぷよんとシラユキが跳ねて頭に飛び乗る。その体は水分が多い。混じらなくて安心だ。水性のインクの多くはそのまま体内に。油性や毒性の類は香水瓶に。教えは、しっかりと覚えている。
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スノウ・パタタ 2019年4月12日
https://tw6.jp/garage/item/show?item_id=68657 頭の上でぴょこぴょこぷにぷに
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スノウ・パタタ 2019年4月18日
「おめめ、宝石の仲間さんが結構いてびっくりだねえ!」わくわくとユキさんに話しかけると、聞いているのか居ないのか耳のような触覚がピコピコと揺れる。
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スノウ・パタタ 2019年4月23日
歪なむき出しの鉱石が黒い掌に転がる。気泡と液体が水晶の中で揺れる、置いてきぼりの昔話。水性のものなぞ出ないはずの瞳が滲む様な気がする、春風にユキとお揃いのリボンが揺れる夜空。あれも、これも、かわいいは魔女達が全部くれた。つけてくれた。綺麗で、可愛いもの。それに憧れた。欲しがった。魔女達が一つ一つにまじないを施しながら少女に埋め込んだ優しい護り。遺した数々のそれは、少女である事を忘れぬ願いと、優しいまじない。
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スノウ・パタタ 2019年4月23日
「これも、きらいではないのよ。…大好きでも、ないのよ。」ブラックライトを当てると水色に発光する、魔法の様な不思議な宝石。引っ張られるように自分の体も光ってしまうのは、複雑だった。ライトを当てて光りたい訳では無いのだ、油は油だと改めて知らしめられるだけで、理解してしまえばそれを喜べる程には幼くはなかった。「きっとあと、ちょとだったの。きっと。…わからないけど。」きっと、宝石になれたかもしれないのに。とぷんとプールにとろける自分の体へ鉱石を沈め、また誰にも見えない奥へと仕舞い込んだ。
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スノウ・パタタ 2019年4月24日
ブラックタールに与えられている、ナノマシンの改良を続けていた。自分の体と調合の利く油性のインクを直接混ぜ、形成した己の形に合わせてナノマシンの性質を引き込み固定。融合と固定の繰り返しで、徐々に肌となる部位は明るく。髪となる部位は露草の色に。「うごくの、難しいけど、分けるのはできてきたねえ」体にくっつかない様に、接触物と離しておく訓練で纏えるようになった雪色のポンチョだって、空色のリボンだって、気に入った風合いを損なわぬ様と頑張れた。シラユキの額を戯れにつつきながら、これを自然に振る舞える様になるべく、と。「インク増えた分、ちょと太っちゃうかもだねえー?」
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スノウ・パタタ 2019年4月29日
ランプの灯りにシラユキの影が伸びる。ぴこぴこと揺れる触覚が影遊びをしている様に見えて、楽しい気持ちになった。「はじめてだったからびっくりだったね、」またお手伝い行けるといいね。返事をするかの様に、小さな尻尾がぺこっと震えた。
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スノウ・パタタ 2019年5月2日
核となる、母体のウミウシはお揃いのリボンのついたこの子。そこから増殖で生まれた個体は、たまに性質の違うものも出て来る。ジャンプが高かったり、他より速度が早かったり、鳴き声を上げたり、毒を持っていたり。「お助け、いっぱいしたいね?」ぴゃ。夜の静寂、耳をすませないと聞こえ無いほどの、小さな鳴き声が応えた。
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スノウ・パタタ 2019年5月8日
「ごっどぺいんた、なんですよ?」ユキさんのリボンを結び直しながらよしよしともちもち肌を撫でる。黒く塗りたくられた世界は自分が広がっている様な気がして少し面食らった。自分のインクで塗り広げた世界は楽しかった。ユキさんが先導して大活躍したのは嬉しかった。野草を探して採った事はあるが、育てたのは初めてで面白かった。わくわくな世界が無くなるのは嫌だから、キマイラさんが困るのは嫌だから、めーっとしに行く事にする。「がんばるです。ね。」
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スノウ・パタタ 2019年5月10日
きょーは、メイドの日(5/10)らしいね!異性装はじめてです、わくわくです!みんなと一緒、嬉しいなの!おかおのれんしゅーちゅう、です! https://tw6.jp/gallery/?id=34100https://tw6.jp/gallery/?id=34101
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スノウ・パタタ 2019年5月20日
タールだからある程度は、何ともない。枝が身体として型どっているものを貫通しても、やだやだと混ぜられても、彼女の痛みとなるかと言うとそれはとても鈍い。「宝石にインク、入れててもいたくないないなの」先の依頼で空いた穴は直ぐに塞がった。そう言う性質の物であるから、少しくらい液体が散ろうと、掠めようと傷には成らずに今まで通りつるんと戻せてしまう。何処まで人真似をしても、幾つ身体に好きなものを収めても。タールである事を分からない振りはしない黒い液体は、変わらない声色で夢を語る。大事に仕舞い込む。「こころでおもうが、だいじなの」けれど少し思い出の捲れた数日間は、ちりちりと意識に残った。あの声が空いた穴より何より、少し痛かった。
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スノウ・パタタ 2019年5月20日
お空飛ぶごっこするです!https://tw6.jp/garage/item/show?item_id=75223
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スノウ・パタタ 2019年6月6日
嬉しいが、たくさん。むにむにと顔をつまんで、そのままシラユキに顔を向ける「おかお、できてますか?」小さく白いぷにぷにがぴょんと跳ねて、囁かに鳴いた。色を留めて、髪と肌で区切って、造形を細かく保って…、気を緩ませるとまだまだぽよんと戻ってしまう。体と塗料との融合も最後までは進んでいない。分離した髪色の塗料が一箇所に纏まっていき、いつもの装飾の一部となる。「んん、全部いっしょはむずかしーから、さいゆーせん、肌色ですね」頭の上でもちもちがまた、跳ねた。
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スノウ・パタタ 2019年7月4日
ばいと、ばいと、えいえいお!(ぴょんぴょん)
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スノウ・パタタ 2019年7月19日
ユキさん水浴び浴び~なのよ~(じゃぶじゃぶするとズムズム膨らんできたウミウシ)
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スノウ・パタタ 2019年7月31日
「はじめて、みずぎ、わいわい!ユキさんもにょきにょきわいわい!」水を吸って膨らんだシラユキに頬を寄せ、うきうきぴょんぴょん
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スノウ・パタタ 2019年8月4日
(もちもち)
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スノウ・パタタ 2019年8月7日
透ける様な空の色、宝物を詰め込んだ夢の色、例え一時の擬態としても、沢山の嬉しさを集めたきらきらなもの。ひんやりぷんにゃり、いつもより大きいシラユキと揃って一つの夏へ希望を馳せる。大好きを集めた、それはグランマ達の纏う色。屋上に、プールではしゃぐこどもの声が響いた。
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スノウ・パタタ 2019年9月14日
「ユキさんおいくつですか?」
「(⑅><)」
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スノウ・パタタ 2019年11月24日
「ブラックたぴたぴ~る!」
原案タイトルはノリと勢いで段々と崩れていく。
小さな粒を零すのは、まだ拙い造形力では至らなかった。彼女の手のひらサイズの球が精一杯。
いつもは髪に使っていた分の容量を離して、コロコロの可愛い飲み物を真似てみた。
一緒にコロコロと器の底で転がる瓶や宝石は、きっとシェイクしたらスノードームみたいで楽しいだろう。
自分の身体の黒さの上に、ちょこんと乗ったアイスクリームの様なシラユキ、食べ物に見立てるならば
「チョコミントたぴーる!」
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スノウ・パタタ 2020年2月25日
「おきてる時に、よむ、しようね!」
両手に大切そうに抱えて建物の屋上へと駆け上がる。頭の上の、いつもの場所にはちょこんとシラユキを乗せ、足取りと共にぴょんと跳ねて。
最近宿にしている屋上まで登り切ると、呼吸を必要としない身体でも何故だか息を切らして走り通した心地がする。わくわくと一緒だ。そう思いながら、彼女だけに見えるマークを目指して、ざくざくと雪を踏んで少し屋根のある壁伝いに向かって行く。
近づくと柔らかな波長が迎える様に展開を始め、此処を使う他人の邪魔にならない様に普段は閉じている空間が広がる。今の寝床は雪を集めたかまくらの中だ。
旅を始めて、だんだんと増えた宝物に囲まれたそこは、子どもの集めたガラクタから思い出の一欠片まで、大事にしまってある。今日も一つ重なる「大事」が増えた。
「ご本、すごいねえ、可愛いねぇ」
表紙をしげしげと眺めては、同じ色のリボンと瞳、行ってみたい雪の国。
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スノウ・パタタ 2020年2月25日
憧れの雪の子、友達そっくりなまあるいフォルムに水色のぴょんと伸びた触覚。一つ一つ指をさしてはにこにこと、楽しげな声が一つ屋上に響く。
紙の束を本と呼ぶ。まだ少ししか読めない文字と、たまに絵の入ったものと、知識はそれくらいの物である。自分にはまだ手の届かない本、彼女よりも広い沢山の世界を旅する先輩から、宝物を貰った。
ふしぎがたくさん、なぞなぞがたくさん。

いつも顔は面で見えない、
-元々自分達は人の形を造らないと無いものであるし
不思議なアイテムを沢山持っている、
-別の世界から見たら、彼女の持ち物が未知な事もあろうし
ミステリアスな雰囲気の。
-向けてくれる声が言葉が、きっと高い背の腰を折って、いつも幼子でも分かる言葉に変えてくれているのは、何処と無く感じている
織るように、ささやかに折々編まれる縁が暖かい。
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スノウ・パタタ 2020年2月25日
「いつか、ユキさんも行こう、ね」
任務で向かう急ぎ足の雪国ではなく、二つでのんびりと。沢山遊びに行こう。走ってみて、埋もれてみて、泳いでもみて。友達が凍ってしまわないように温めながら。
自分に似ている挿絵に寄り添い、水色の触覚と揺らしている友達に声を掛け優しく掬うと、温湿度を合わせた寝床へ寄せる。
今日の夢はきっと、白銀の景色を見るのだろう。
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スノウ・パタタ 2020年4月17日
「はる、が、きました」
綴る拙い文字、白いページに一文字ずつ彼女の世界を広げる。
花らしい絵を描けば、拾い集めて抽出した色水のピンクの花弁が、ぽわんと開いて風に揺れて溶けた。
春の色がとても似合う、本の贈り主がすぐに心に浮かんで、うきうきとする気持ちに連動する様に髪の端が弾む。
「ご本、まどーしょ、たくさん読んでたくさん知ってて、すごいのよ」
思い返す時に中心にあるのは憧れ、
彼女が欲しい可愛いをその身にいっぱい散りばめた、
ふわりと揺れる美しいミルクティ色の髪に。
彼女が持たぬきらきらとした爛漫な表情に、
知らぬ事を沢山識る深い知識に。
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スノウ・パタタ 2020年4月17日
憧れの好きがいっぱいで、そうして、どうしてこんなにも好きな人を好きにならないで居られるだろうか。
思い出すと一緒に話した時間の楽しいも沢山溢れて来て、ムズムズして、じっとしていられなくなりいよいよと出掛ける準備に取り掛かる。
「もっと、いろいろ、探しにいくのよ!」
まだ知らぬ景色を、草花を、また聞いてもらいたいが為に。綴る本に、彼女が知っていて未だ知らない思い出の季節に、いつでも会える魔法を紡ぐ為に。
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スノウ・パタタ 2020年12月14日
商人曰く
紅葉の賑わいの一輪は秋を色濃くその身に残し、燃える様な緋色の花弁だという。
曰く
真冬に静かに眠り落ちるひとしずく、微睡みに似た柔らかな香りなのだという。
カップに注いだ水色は暖かで、けれど舌に残る涼感、

『秋の日没からなあ、冬の夜明けまでに摘むんだ。
この日を逃したらまた来年、取っておきの茶葉だぞ』

口上に惹かれて手に取った、雪を探す旅路の途中に袋が一つ。
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スノウ・パタタ 2021年2月27日
「ユキさん、ユキさん、嬉しいなのは一緒なのよ、ひとり占めは雪が描けないのよ、ね」
懇願の色を含んだ声にいやいやと体を懸命に揺らしてウミウシがスノードームの上に逃げ仰せ、自分の下に包み込んだ白いクレヨンはもうしばらくの間この子の元から出て来ていない。
背伸びしてお願いといやいやを繰り返して、小休止。
今は諦めようと少しの休憩がてらにカードと大切な箱を抱えて散策に向かう。
ちらりと振り返ると、触覚をいつになく千切れそうな程に振り回して、…喜んでいる。いつになく、自分以上に表情がなく感情の読みにくい子が全身で浮かれている。これは無理にめーっとしたら、いけない。
一面の雪景色、一番最初にそれが短くなる気がしていた。
それでも何処にいても空は青いし、スノードームに差し込む太陽光も青い。
「雪、太陽光は、青色だけ通す…だっけ」
作りながら教えられたむかしばなし。
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スノウ・パタタ 2021年2月27日
長く白と青の中に居たいから、此処への旅をその日を選んだ。
月の巡らない夜。
太陽の消えない夜。
この時だけは一番長く眺めて居られる、世界の端っこに。
カードの白さを雪に見立て、美しい世界の欠片を新しい宝物で描き残して行く。
広く旅する人がいつか、いつかここに訪れる事があれば見て欲しい景色を。
皆々眠る筈の世界に、夜に沈まぬ広い白と青の世界を。

「…そろそろ、返してくれるかなあ」
一番好きな色が、きっと最後まで長いままで。
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スノウ・パタタ 2022年2月7日
ころころと、きらきらと、目が離せなかった。
カラフルなクリスタルの集まりかと思って足を止めてみたけれど、それにしては周囲の露店の空気がいつも立ち止まる様な馴染んだ物と違っていて
形の綺麗なお菓子の山、痺れが伝うスパイスの香り、あちらこちらから匂うのはたくさんの食の香り。

店主に教えてもらったものは、クリスタルではなく薄い砂糖のカプセルに色んな液体が入った菓子だった。
味見だよ、と一粒二粒ぽんと渡され、自分の体内に纏うインクの様な小さな粒をころころ転がして眺めつつ。
こまった、味はまだよく分からないのだけれど。甘い、とかしょっぱい、とか周りのヒントがあれば、みんなの真似が出来るのだけれど。
食べるの練習をサボっていたから、自信が無い。苦手はなるべく遠回りしておいて、やりたくないものだ。
にこにこと子どもの食べる反応を待つ店員の笑顔に押されて、口の辺りにぽつんと粒を取り込む、(…食べるは歯で、かむ、)
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スノウ・パタタ 2022年2月7日
硬化した一部で粒を崩すと氷を踏んだ時の様な音がして、中からは柔らかな香りの液体が滲んだ。

「甘いでしょ」
「あまい」
あまい。甘いの匂い。

「小さい子のはジュースとかジャムがあるのよ」
あまい、と聞く物、
「大人にはブランデーのもあるけど、お土産にお勧めだよ」
しゃりしゃりと砂糖の崩れる音が楽しくて、店員の説明を聞きながらカプセルの名残を楽しむ。きっと他の人からはもぐもぐとしてる様に見えている筈で。

「お土産、」
「うん、カプセルの上にチョコをかけたのもあってね」
差し出した別の箱にはタールの様な色をした、丸い粒がコロコロと遊んでいる。

見ていて、何だかもっと楽しくなってきてしまった。甘いの匂いとシャリシャリと、カラフルとチョコの色と。

「半分ずつ、こっちのくださいな」
大人用のを小さい指が示すと、正しく意図を汲んだ店員が包みの準備を始めた。
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