Summer dropped
皐月・灯 2019年7月19日
陽射しが、きつい。
湿度が、やべー。
太陽が顔を出さない世界が長かったせいか、夏ってのに慣れねー。
今言った2つが、体からあっという間に水分を奪っていきやがる。
頭から水を被りてーと思ったのは、これで何度目だろう。
ああ、くそ。なんでこんな日に外出しちまったんだ、オレは……。
とにかく何かで体を冷やさねーと――そう思ってるときだった。
……「犬も歩けば棒に当たる」ってことわざじゃねーけどよ。
確かに行き当たったんだ。初めて見る顔にな。
……つーか、アイツ何してたんだっけか。
暑すぎてはっきり覚えてねーんだが……。
ええと、たしか――。
・アヴァロマリア・イーシュヴァリエ(救世の極光・f13378)
・皐月・灯(喪失のヴァナルガンド・f00069)
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皐月・灯 2019年7月24日
…………。
皐月・灯 2019年7月24日
…………。
皐月・灯 2019年7月24日
…………今……何考えてた、オレ。だめだ、ぜんっぜんわかんねー……。(熱暴走とまでは言わないが、脳の演算能力が激しく低下しまくっている自覚があった。普段とはまるで違うふらふらとした足取りで、あてもなく彷徨い始めてどれだけ経ったのか。……うっすらと視界がぼやける中で、なんとかぶっ倒れまいと正面を見据えた)
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年7月24日
あぅ……暑い……(そんな視界の先で、声を上げながら電柱に寄りかかっている小さな姿を見つけるかもしれない。見えたなら、それが明らかに周囲から浮いた格好でありながら、通行人に気に留められていない―――猟兵であると気付けるだろう)
皐月・灯 2019年7月25日
……。(あれは何だろう。電柱に寄り添っている人間がいるように見える。重たい体を引きずるようにその人影に近づいてみると、寄り添うというか寄りかかっていて、今にもノックアウト寸前といった様子の――)おい。……そんなとこでじっとしてると、今にぶっ倒れるぞ。(子供、のように見えた。曖昧な言い方をしたのは、どうやら彼女が――猟兵、であるようだったからだ。だから、付け加える)……オレ達でも、気候にゃ勝てねーからな。
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年7月27日
ん……でも、暑くて……(声を掛けられ、傍に人が来ていたことに気付く。顔を上げると、カーネリアンとタンザナイトを思わせる二色の双眸に目を奪われた)綺麗……お兄さん、だぁれ……?
皐月・灯 2019年7月30日
……日差しに焙られたコンクリートに寄っかかってりゃ、暑くなる一方だろうが。(黒のハーフグローブに包まれた手で、少女の寄りかかった電柱に触れた。万が一にも冷たいのかもしれないと思ったからだ。当然冷たい。この世にはなんの救いもない。)綺麗……?(見上げる少女の視線に怪訝な顔をする。なんのことを言っているのかわからない。いよいよ暑さが限界に達してきているのか――)……灯だ。皐月・灯。そっちは。
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年7月30日
灯、お兄さん……? マリアは、マリアよ……アヴァロマリア・イーシュヴァリエ。長いから、マリア……(灯と名乗った少年の瞳をじっと見つめながら、ぼんやりした口調で答える。)UDCアースって、暑いんだね……
皐月・灯 2019年8月1日
……そうか。(口調がかなりぼんやりしているのは、お互い様だと思う。まともに頭が動いている割合は、いったい普段の何割か。)ああ……けど、今日は特別暑くてやべーな……おい、マリア。歩けるならついてこい。どっかこの近くで、日陰探すぞ。(そう言うと、少女に向けて手を差し出した。このままでは猟兵の焙り焼きか蒸し焼きが2人分できて終わりだと、半ば以上本気でそう思った)
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年8月2日
あ……(差し伸べられた手を数秒ぼんやり見つめて、握り返す)うん、ありがとう。(少しだけ、元気が戻ったらしき声で礼を述べて)灯お兄さん、優しいね
皐月・灯 2019年8月4日
(手を握ったまま、いくぞ、とゆっくり歩き出す。いつもの速度で歩いたら、引きずってしまいかねないだろう。そんなとき、耳に少女の声が届いて)……べつに。ほっといたら、ブッ倒れるまでここにいそうだって思っただけだ。(ぶっきらぼうにそう言い放って周囲を見回す。道を渡ったところに、映画館のビルが見えた。チケット売り場がある入口へと続く階段が日陰になっていて、自動販売機も見える)ほら、あそこまで行くぞ。もう少し頑張れ。
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年8月8日
うん……!(口調からして、ゆっくり歩くタイプには思えないのに、茹だった少女の歩幅でも問題なくついて行ける。相変わらず暑さは酷く堪えるが、握った手と、掛けられた言葉の暖かさは心地良かった)でも、灯お兄さん、何か用事があったんじゃないの?
皐月・灯 2019年8月10日
ん? ……ああ、大した用じゃねーよ。(今は涼むこと以上の優先事項はない。あってもねじ伏せる、そう思うほどの酷暑だった。こめかみから流れた大粒の汗の雫が、肌を伝って頤から垂れ落ちる)ちょっとした買い物ってだけだ、急ぎでもねー。……そういうお前はこのクソ暑い中、何やってたんだ?
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年8月13日
マリアは、知り合いのお店がこっちにあって……折角だから、遊びに来たついでに色々見てみようかなって……暑いって聞いてたけどこんなだとは思わなくって……(ただ肌を灼く暑さだけならまだ耐えられたろうが、それに加えて高い湿度によるサウナのような蒸し暑さは、少女の体力と気力を容赦なく奪っていたらしい)
皐月・灯 2019年8月16日
……そうか。そりゃ災難だったな。(周りを見れば、うだるような猛暑の中を平気な顔で歩いている者もいる。果たしてあれは同じ人間なのか。文字通り世界が違う……幼い少女の手をひいて、どうにか日陰に逃げ込むことには成功する)とりあえず、ここで涼もうぜ。お前がどこ行くにしても、休まねーと無理だ。
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年8月19日
うん、ここなら少し涼しいね……(日陰に全身を収めるように、階段にぺたりと座り込んで)こんなに暑いなんて……UDCのせいじゃないのかな……
皐月・灯 2019年9月2日
かもな……(その発想を否定する気にはならなかった。殺人的なこの暑さ、本当にそういうUDCが居てもおかしくはない。共に異世界人であるゆえか、少女の発想はどこか自身と似通っていた。自販機に近寄り、ペットボトルのスポーツドリンクを2本買う)……ほら。まずこれ飲んで冷やせ。(少女の隣に腰かけ、片方のボトルを差し出した)
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年9月10日
ありがとう……(ボトルを受け取り、ぐびぐびと飲み始める)ふぅ……冷たくて美味しい(一息に1/3ほどを飲み干してから、ボトルを頬に当てて火照った顔も冷まそうとしている)
皐月・灯 2019年9月12日
(キャップを回し開け、ぐいっとボトルの中身を飲む。目を閉じ、苦しくなる直前まで呼吸を忘れて喉を鳴らし)ぷはっ……ふぅ。やれやれ……そんで、友達の店まで行きてーんだったか? そこ、なんて店だ。ここから近いのか?(飲んだ傍から噴き出す汗を手の甲で拭う。熱が逃げていくのをじっと待ちつつ、少女を眺め遣った)
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年9月17日
えっと、ね。なんて名前だったかな……(懐からごそごそと機械端末を取り出すと、灯へ見せて)そらまり堂? からまる堂? 漢字って難しい……(タッチパネルで書かれたらしい、半ば象形文字に逆行している下手くそな字で「空」「鞠」「堂」の三文字が表示されている)
皐月・灯 2019年9月22日
(表示された名前を見る。あまり巧い字ではないと思ったけれど、自分も人のことは言えない。むしろ、だからこそ。書かれている事を読み取るのに時間はかからなかった)空鞠堂……ユアんとこじゃねーか。なんだ……マリア、お前ユアの知り合いだったのか。(名前をフルで呼びかけて、略称に切り替えた。こっちの方が呼びやすいと思ったからだ)
皐月・灯 2019年9月26日
(「友達」というフレーズを聞いて、微妙な表情を浮かべた)
……そんなんじゃねーよ。友達なんぞ、オレにいるかよ。……けど、知ってるのは間違いねー。
(ボトルに口をつけ、ぐいっと傾ける。ごくりと大きく喉を鳴らして)
ついでに言やあ……オレもこれからそこに行くとこだった。お前、一緒に来るか?
皐月・灯 2019年10月6日
…………(お友達いない。子供らしい気づかいに満ちたその発言に、今日イチ微妙な顔をした)
皐月・灯 2019年10月6日
(いや、どう答えればいいんだろう。実際、自分に友達などいないと思っている。そもそも欲しいと思っていないのもあるが、人に好かれるような性格ではない。第一……他人と深く関わるべきではないのだ。)
……。
(そこまで考えて、小さく唸った。今でも人と深くかかわるべきではない、と思っている。しかし最近は……妙に関わり合いが増えてしまっている。)
皐月・灯 2019年10月6日
(YESと答えるのも主義に反する。しかし……こんな子供に気遣われた挙句、NOと答えるのも何となく気が咎めた。)
あー
…………。
じゃあ……それでいい。
(考えあぐねた結果、たどり着いたのは消極的なYES。何やら居心地が悪く、視線を逸らして口に出した。)
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年10月10日
……うん、それじゃあお友達! よろしくね灯お兄さん(ぱぁ、と顔を明るくして)ユアお姉さんにも新しいお友達できたって教えてあげなきゃ……♪
皐月・灯 2019年10月14日
……おう、マリア。……そろそろ行くぞ。歩けるか?
(気恥ずかしさを振り切るように立ち上がって、意味もなく膝を払い)
いや、ユアには……言わなくていーだろ。むしろ言うな。
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ 2019年10月14日
言っちゃダメ……なら、秘密のお友達だね♪
(嬉しそうに立ち上がって、手を差し出し)
じゃあ行こ、灯お兄さん!
皐月・灯 2019年10月23日
秘密のお友達。(思わず鸚鵡返しに呟いた。あしながおじさんとかそういう逸話を連想して、静かに首を振った。これ以上は自分の首を絞めるだけ、だ。)
……ああ。そう遠くねーから……もう少し頑張れよな。
(自分もまた立ち上がりながら、差し出された手を取って)
皐月・灯 2019年10月23日
(連れ立って、うだるような暑さの中へもう一度繰り出していく「秘密のお友達」2人。滴る汗に唸りながら、時折よろめきながら、目的の店に辿りつくことだろう)
皐月・灯 2019年10月23日
(猛暑が生んだ小さな縁。――それはまるで、夏の落とし物のような。)
皐月・灯 2019年10月23日
―了―