【1:1】〇月◇日、掃天の青空につき
逢坂・宵 2019年4月29日
UDCアース、日本国。
東京都都心のとある地区。
若者たちの街といわれるその表通りから路地を入ったところ。
そこには小さな看板の提げられた扉があり、
開けた向こうには珈琲の芳しい香りが鼻をくすぐる。
その喫茶店の窓辺――なぜかテーブル席のソファに座り、
優雅に珈琲を嗜んでいる男が一人。
その視線は、人の行きかう窓の外の通りに注がれていた。
(先着1名様との1:1RPスレッドです。お知り合いでも初見様でも、どなたでもどうぞ)
(キリのいいところ、または1週間返信なしで〆)
0
逢坂・宵 2019年4月29日
(本日は天気が良かった。こういう日こそ、外に出なければカビが生えるというものである。すっかり昼型になった自らの身体に感謝しつつ、マグに入ったブレンドコーヒーを啜る。店内の人の出入りはほどほどで、路地に入ったこの店はゴールデンウィークだというのに騒がしくなく穴場だった。しかし席に空きはなく、そろそろカウンターへ席替えするべきかと考えながらもう一口珈琲を飲み下した)
松原・芳典 2019年4月29日
(宛ても無く、唯々暇を潰す為だけに徘徊してた街。余りの人の多さに視界が眩み、頭が痛み出す)――どこか、やすめるところ……。(独り言ちる声は路地に吸い込まれ、揺れる足取りは覚束ず。ふと視線を上げた先。硝子の向こうからこちらを眺める見目麗しい男と目が合って、)――ッ、前髪の隙間から覗く真紅が、驚きで見開かれる)
逢坂・宵 2019年4月29日
(その人影がふと視界に入った。目で追ってみる。ふらふらと覚束ない足取りで人込みを避けるように歩いていた。大丈夫だろうか。じっと眺めていると目が合って。ガラス越しに、髪にかかるほど長い前髪でもよくわかる真っ赤な瞳がこちらを見た)……(なんとなく。わざとらしく視線を逸らすのも気が引けて、とりあえず軽く会釈をしてみた)
松原・芳典 2019年4月30日
ぇ…、(目の前で起きた光景が信じられない。――今この男は、会釈を挨拶を、したのだろうか)(動揺に揺れる真紅は直様彼の眼差しから逃れると再び歩を再開させる。靴先が向かうは雑踏の中――、ではなく、喫茶店の入口で)……(すっと、指先が君を指す。店員と二、三言会話を交わした後、長い丈を曲げた青年が、君の座すテーブル席へと辿り着いた
)…………ここ、へーき?(上背よりも幾ばかりか拙い口調。ここ、と指さすは君の向かいで)
逢坂・宵 2019年4月30日
(この距離では相手に会釈が見えるかどうかは分からなかったが。雑踏の中に見えるその背の高い姿が硬直したのを見れば、おそらく視認はしたのだろう。逃れるように視線を離されれば、おやと目を瞬かせる。そのまま手にしたコーヒーマグの中身をもう一口啜り、窓の外の人間観察を再開した。―――そうしていた。店の扉のベルがカラカラと鳴って、ああ来客が来たと。カウンター席が空いていれば席を譲ろうか、そんなことを考えながら視線をそちらの方へと向ければ、そこには先ほど見えた相手の姿。おや、と目を丸くしていれば伸びやかな背丈を持つ彼がこちらへ向かってきた。そうして声を投げられれば、ええ、と頷いて)……かまいませんよ、どうぞ。いやはや、驚きました(まさかこちらにいらっしゃるとは、と笑いかけて)
松原・芳典 2019年5月1日
……休憩、したくて。丁度良かったから。(直に並べられたおしぼりを手に僅かに息を零し、メニューと睨めっこを、する。どれもこれも馴染みのないものばかりで、困った)……(じっと、向かいにあるカップを見つめる。茶褐色のそれはどうにも人が飲める代物には思えなかったが、青年は事も無げな様子でカップを傾けている)(おいしいのだろうか? 胸の内に湧き上がる疑問のまま、)……それ、(マグを指さして)おいしいの?(柔和な笑みを浮かべる君へ、問いかけた)
逢坂・宵 2019年5月1日
……そうですか。それは、なによりでした(店員から渡されたメニューを前にどこか不安げな様子が気になって、そのまま失礼にならない程度に眺めた。それから、己の手元のマグに視線を向けるあの赤い瞳。静かでどこか舌足らずな問いの声音は、その体躯とひどくアンバランスにも感じられて)ええ、美味しいですよ。少々苦いですが……香ばしく深みのある味わいです(これと同じものはこれです、とメニューの上に手を置いて指をさす。おすすめですよ、と言葉を付けたした)
松原・芳典 2019年5月1日
苦くて、香ばしくて、深みが、ある…。(一言一言。言葉の意味とその向こう側に在る味を想像しながら鸚鵡返し)じゃあ、それで。(告げた先、メニューが取り上げられると途端、手持ち無沙汰が顔を覗かせて)……(じっと、見ず知らずの人間に見つめられるのは嫌かろう。うろ、と落ち着きなく視線は店内を徘徊し、最終的にテーブルの上で組んだ自身の手元へ落ち着いた)
逢坂・宵 2019年5月1日
(注文を受けた店員が遠ざかっていく。向かいに座った相手はその姿と周囲の人々の様子からして、同じ猟兵だろうということは推察できた。ゆっくりと窓の外に視線を移す。ガラスの向こうの外の世界は、今もさまざまな人種の人々が表通りを歩いている)……時間が空いてお天気がいいと、よくこの店に来るんですよ(唐突に切り出した。誰に話すでもない、ただの独り言)そしてこうして窓の外を見るんです。ああ今日もさまざまな人が今日という一日を平和に過ごしている。この穏やかな一日を守るために、僕らは戦っているんだと……そう、思うんです
松原・芳典 2019年5月2日
(唐突に零される大きな独り言。びくりと肩を揺らすも、その向かう場所が自身へ向いていないことを悟ると、ただ、耳を傾けることに留め)……(君の放つことのはには、自身に通ずるものがある……、ような、気がする。やおら口を開くと、どこか覚束ない言葉を覚えたての稚児のような舌運びが音を生んで)……おれも、そう思う。……全然知らない人たちだけれど、この人たちが何もしらなくて良いように…、この世界の本当なんて知りもしないで天寿を全う出来るように在れたら……、って、願っている。(初対面の人間に、心中を吐露する事になるなんて。口から零れたのは本心だけれど、言い終えた後に驚いたのは自分の方だった)
逢坂・宵 2019年5月2日
(窓に視線を向ければ、必然的に相手の言葉に耳を向けることになる。ぽつぽつと零されたしとしと雨のようなその声音に、ゆっくりと振り返って相手の方を見る)……そうですね。僕たちが動くことで、救える命と日常があるということは、僕たちが戦う理由になります。だからこうして……それを確認するために、僕はこの店に来ているのかもしれません(そこまで呟けば、言葉を切って)……申し遅れました。僕は逢坂宵といいます。しがない猟兵の、ひとりです。
松原・芳典 2019年5月2日
(美しいかんばせが正面を向き、怯む。――気後れをする。この美しい西の暮色の視界に己が醜い姿態が移り込んでいるのかと思うとどうにも居たたまれない気がして)……ぁ、(ほっと、息を吐く。丁度見計らったかのようなタイミングで、君と同じくするマグが運ばれてきたから)おれは…、松原……、です。(言い終えるのに逡巡したのは、倣って個の名も告げるかを迷ったから。結果苗字だけを告げ、逃げるようにカップへ視線を落とす。指先で触れ、すぐに離す仕草は己には慣れたものだけれど、幾度も繰り返すそれを、君はどう思うのだろうか)
逢坂・宵 2019年5月2日
松原君、ですね(教えてもらったその名を、確かめるようにもう一度繰り返す。姓だけの伝えにも気を悪くした風もなく、常と変わらぬ笑みを浮かべて頷いてみせた。そうしてもう一度己が目の前のマグを手に取り、傾けて一口飲み下した)……きみはよくこうして出掛けられるのですか?(袖振り合うも他生の縁という諺を聞いたことがある。目が合ったことは偶然だろうが、こうして話す機会を得られたことに、縁というものを感じつつそう尋ねた)
松原・芳典 2019年5月2日
(まろい声音に気を悪くした様子は伺えず)…よろしく、お願いします(一先ず背中を丸め、頭を垂れた。――おじぎ、のつもりらしい)……出かけることはあるけれど、人混みを歩くのは、…あんまり。(先刻迄身を置いていた雑踏を思い出し、僅かに影が落ちる。ふぅ、とひとつ息を吐くと真紅が持ち上がり、藍を写す)……逢坂…、宵。(どちらで呼ぼうかと暫し逡巡した後)宵、って、呼んでも……?
逢坂・宵 2019年5月2日
(一礼と思しき動作をした彼に、まじめなのだな、と思う。姿かたちよりなにより、その性質を感じた)そうですか。それならなおさら、今日お会いできてよかったです(もしここに来るのが少しでも遅かったら。外を見ていなかったら。おそらく彼との縁は、なかったのかもしれない。そんなことを考えていると、視線が絡んだ。赤い、ビロウドのような深紅色)ええ、構いませんよ。どうぞ、きみの呼びやすいように呼んでいただければ。
松原・芳典 2019年5月3日
じゃあ……、宵、で。(顔色が変わらないことに安堵して。唇に覚え込ますように何度か音にしないまま繰り返す
)……?(お逢い出来て、良かった。何故君がそう思うのかがわからない。歳のわりには幼い仕草で首を傾げて、カップに指を触れさせる。温度を確かめた後に持ち上げ、ふぅ、と水面を揺らしながら)宵が良いと思うのなら、……そうかもしれないね。
逢坂・宵 2019年5月3日
……そう、ですね。少なくとも僕は、そう感じます(再び窓の外に視線を移す。昼下がりの街並みを行き交う人々は、いずれも平和の恩寵を享受している)……一期一会、ですから。一度会えても、もう二度と縁を結ぶことはないかもしれないので。だから会えてよかったと、そう言いました(そのままマグの中身をもう一口啜る。量も減り、やや温くなってきたかもしれない)
松原・芳典 2019年5月3日
(一期一会。たっぷりの沈黙の後、そう告げた青年の声音にどこか他の感情が混じるような気がして。気になりはしたものの、然したる様子は見せずに)……そう。(零し、持ち上げたカップを傾ける)――ッ、(ほんの、一口。けれど舌先に感じたのは予想以上の熱さで。次いで、それが咥内に齎す苦味に、眉間に皺を寄せて)……なに、これ。おいしい、ん、じゃ、なかったの……?(口に広がる苦味は、とても美味だとは感じられない。水面を見つめていた視線を上げ抗議の視線を向ける。鋭い目つきのせいで睨んでいる――様に、見えるかもしれない)
逢坂・宵 2019年5月3日
(マグを傾けたらしき相手が咽るようなくぐもった声音を発したのを聞き取り、振り返る。絡んだ視線は疑り深そうな否定の感情を多大に含んでいた。おや、と首を傾げる)淹れたてはそれは熱いですよ。ですので、冷めるのを待ちながらこうしてゆっくり過ごすものなんです。苦味は……もとより苦い飲み物ですから、ミルクや砂糖で口当たりをやさしくするんですよ(ほらそこに、と相手のマグの隣を指さした。そこにはミルク用の小さなカップと、シュガーポットが置かれていた。相手の眼つきにはさほどの動揺も見せない)
松原・芳典 2019年5月4日
……(先に教えて欲しかった。胸に浮かんだ本音は言えずに、)そう。カップがそうでもなくなったから、てっきり…。見た目より随分熱いんだね。(油断した、と続けて、氷をなんとか口に含む。からころ、歯に当たる軽やかな音を立てながら青年の指先を追い得心すると徐に手を伸ばし)……これって普通、どれくらいいれるもの?(シュガーポットごと傾けようとしていた手を寸でのところで留めて)
逢坂・宵 2019年5月4日
コーヒーマグなどは外側が熱くなくても液体は熱いまま、というのがよくありますからね。きちんと見極めないと舌を火傷してしまいます……(己自身も何度か経験があるのかしみじみとした風に呟きを落とす。声をかけられればええと、と首をひねり)お好みで。僕はミルクひとさじ、砂糖もひとさじほど入れていますね(甘くマイルドなのが好きな人はそれ以上、と付け足した)
松原・芳典 2019年5月4日
そうなんだ……。誰もが通る道、ってやつ?(今度から注意しないと、と自分に言いきかせるように呟き。青年の告げる“普通”の分量に頷いて返すと)わかった。……ありがとう。(砂糖を三往復、ミルクポットはそのまま全てを入れ込んで。夜に紛れそうな程深い色をしていたそれが、瞬きの間に枯草の色へと変化する
)……。(スプーンでぐるぐるとかき混ぜる。じゃりじゃりと、溶け切らない砂糖が陶器のカップと擦れて音が鳴っている気がしたが、気にも留めず)
逢坂・宵 2019年5月4日
そうですねぇ、僕も初めてコーヒーやお茶を飲んだ時は熱さを確かめずにそのまま口を付けて、舌を火傷しかけたことがあります。まぁ、一度経験してみるのもいいことなのではないのでしょうか(そう言って、相手が砂糖とミルクをマグの中に入れるのを眺める。甘めが好きなのかもしれない、と思いながら、自分もマグを傾けて一口啜り)
松原・芳典 2019年5月4日
――…そう、だね。……一度経験したお陰で、次からは油断せずに挑めるし。(苦渋の滲む顔色の侭、ガリガリと氷を噛み砕く。気の済むまで混ぜ終え、再び持ち上げた水面に執拗なくらい息を吹きかけ)……いただき、ます。(僅かに強張る緊張のままそっと、カップを傾ける。今度はほんの数滴。唇を湿らせる程度だけ触れた温度が飲める熱さまで落ちていることに安堵して。傾斜を大きくし、枯草を流し込んだ)
逢坂・宵 2019年5月4日
そう、一度体験しないと心構えも「そういうもの」だというのもわかりませんから(まるで水を警戒する動物のように、疑り深いほど冷まして様子を見る相手が何となく微笑ましい。確実にその喉が液体を飲み終えたのを視認すれば、いかがですか? と問うてみた)
松原・芳典 2019年5月5日
…うん、いい勉強になった。――…代償は、安くは無いけれど。(味を問われるも、それが今一つわからないことを示して。本音を言えばミルクと砂糖を入れたところでそれが彼の告げる“美味しい”と自身の知る“美味しい”とは、合致しない。――けれど、これは青年が好むものだ。それを無碍に切り捨ててしまうのは憚られて
)…………、まずくは、ない、……と、思う。(たっぷりの沈黙の後、精一杯の譲渡で以って、返答とした)
逢坂・宵 2019年5月5日
……そうですか(長い沈黙と返ってきた答えに彼の意図を察して。その返答はあいまいなようでいて事実、個人としての意見を大いに含んでいる。優しいんですね、とつぶやきを落とした)僕も最初は味の良しあしがわからず、この苦みの良さがわからなかったものです。けれど、何度か飲むうちに好きなテイストを見つけて飲むようになったんですよ(きみにとってもそうだといいですねと言ってから、空になったミルクポットに視線を落とす。そうして、残り少ない己がマグの中身を呷った)
松原・芳典 2019年5月6日
……優しい?(言ちるように落とされた言葉は、やはり自分には相応しくは思えなくて。否定もせず、面白くもないであろう話に付き合ってくれる君の方がよっぽど、)宵の方が、……優しい、と、思うよ。(どうにもむず痒さが拭えず、誤魔化すように視線を逸らし、再び飲めるようになった珈琲を煽る。――やはり、“美味”くは、無い。僅かに顔を曇らすだけに留め、君が続けることのはに耳を傾け、小さな真紅が、更に身体を縮こませる。)――……へぇ、そう……なんだ。……君が過去、そうだったなら、おれにもいずれ、これ、っていうのが見つかる……の、かな…・?(今は未だ、想像することすら難しいのだけれど)
逢坂・宵 2019年5月6日
……おや、それはありがとうございます(そうして僕のほうがと言う貴方のほうが優しいと思うのは。視線をマグに落としたまま、空になったそれをテーブルに戻す。視界に映る、ふた口めを呷る相手の様子もなんだか微笑ましくて、口元からは笑みが絶えない)……そう、かもしれませんということです。その自分好みは、さすがに僕が示すことは難しいので。いろいろな味を知り、種類を知り、そのうえで試すと良いでしょう。経験は、いつだって「ちょうどいい」を考える指標になるのですから。
松原・芳典 2019年5月6日
(何故だか微笑み続ける相手の心境が良くわからなくて。不思議に思うも表には出さずに視線は、空になったカップへ
)……。(次はいいの?それとも、もう退店するのだろうか。疑問を口に出せぬ侭、助けを求めるかのように視線は店員へと向かい)(君の告げる口振りは、見た目の割には重厚で。きっと、色んな経験をしてきたであろうことが伺えた)……おれはまだ、色んな物が、初めてで…。(自身の“好み”さえ、良くわかっていない)宵がこれ以外で好きな物は何?(白紙たる今は色んなものに触れてみたいと望んでいる。物や、人。それに伴う感覚や、感情。見るもの全てが物珍しく、驚く日々だ。―見た目ではわからないけれど)
逢坂・宵 2019年5月6日
(相手の視線の向いた方向と、その意図も理解したつもりで。やんわりと柔らかく微笑んで見せた。それからややあって、店員が近づいてくる。その手には追加注文していたらしき、同じ中身のコーヒー一杯。空になったマグを店員が回収していけば、新しく置かれたコーヒーマグに手を伸ばす。芳しいその香りを鼻腔いっぱいに嗅いでから、相手の問いに視線を向けた)……コーヒー以外で好きなもの。たくさんありますよ、空に浮かぶ星などの天体、まだ見ぬ自然豊かな場所と美しい景色、そして僕の周りの大切な方々……そして何より、恋人ですね(それら“好きなもの”は、増えれば増えるほど日々が豊かになるものです、と答えた)
松原・芳典 2019年5月8日
(新しく運ばれてきたカップを一瞥し、僅かに目を瞠る。自身が此処へ辿り着くまでに何杯空にしたのか知る由もないが、何事も過ぎたるは、と言った先達の教訓もあるわけで)……他のは、飲まないの?(口に出来たのはそんな問いかけ。――本当は飲みすぎは身体に良くないのでは、と問いたかったのに、浅い対人経験が所以し、心配は葉に成れずにテーブルに落ちた)(彼が告げる“彼の好きなもの”はどれも自身にも近しいもので。得た親近感の侭視線で打っていた相槌が、止まる)……こいびと。(とても、特別な間柄の人間を指す言葉。意味として理解していても、実際に感じ得る物は又違った感想を生むのだろう。――君の態度が、それを雄弁に語っていて、興味が惹かれる)その人は、宵にとってどんな人? …その人と出逢ったことで豊かになったの?(真紅に乗るのは好奇の色で無く。唯々ひとえに純粋に、化学変化の移ろいが知りたいのだと、そう告げていた)
逢坂・宵 2019年5月8日
ここのコーヒーが気に入りでして、いつもこればかり頼んでいますね(まだ二杯目ですが、と付け足すのは相手の意図を察したからというよりも、自分がそう喋りたかったから口をついて出たものだ。ここのコーヒーは何気なくこの店に来た時に出会った、好みの一杯であるからして。けれどここのコーヒーと比べるべくもないほどに、好ましい相手がいるのだと)……そう、恋人です。どんな、……(僅かばかりの沈黙の帳が降りるのは、言葉に迷ったというよりどのように表現すれば相手に伝わるのかと考えたから。やがて、静かに言葉を紡いだ)……僕にとっての道標です。ひとりのひととして生きるために必要なしるべの星、。彼と出会ったことで、僕の世界に色がつきました(しかし言葉よりも何よりも。表現できるはずのない思いを目に宿して、柔らかに笑って見せた)
松原・芳典 2019年5月9日
(二杯目、と耳にすれば良く見なければ気が付かない程僅かに頬を緩め安堵した息をひとつ、零して)…そう。(良かった、とは口にせずに)味が……、違う、ん、だっけ? 他のお店の物とは、どう、違うの?(ただ苦味だけが拡がる気がするように感じている物を、君はどんなフィルターで以って感じ得ているのかと)
松原・芳典 2019年5月9日
……みちしるべ。(分岐点で示される、情報。――言葉の意味としての認識は、間違っていないだろう。が、どう考えても青年が告げる想いの意味と同義だとは到底思えない。それくらい如何に知識と経験が浅かろうが理解するには容易くて)色、か……。それは、すごく、……すてき、だね。(色鮮やかなのは、良いことだ。目に楽しいものは世界を豊かにしてくれる。きっと彼にとっての恋人の存在が、それなのだろうと得心し)……その人は、宵よりおとな、なの? カッコいい?(そう問いを重ねたのは青年が告げた三人称が“彼”であったから。同性であることへの嫌悪は無く、ただそういうものもあるのだろう、と、どこか他人事の心地で続けた)
逢坂・宵 2019年5月9日
違いますね。飲み慣れないとこればかりはなんとも申せませんが、苦みや酸味、甘みなども銘柄や店によって微妙に異なります。だからこそ皆さん、気に入りの一杯を求めて店を渡り歩くんですよ(僕も昔は苦いばかりの水と思っていましたから、と白状した)……、同い年ですね。カッコいいですが可愛いところもあると思えば頼もしく、と感じていたらどこか抜けていたりと、目が離せないんです(少しだけ言い淀んだのは、ヤドリガミとしての年齢と世に通っている年齢は異なるからだった。やや熱めのコーヒーマグを手に取れば、一口飲み下し喉を潤す。鼻腔に広がる香りが、心を豊かにする)
松原・芳典 2019年5月11日
そんなに…?(精々苦味の大小や香りの違いだけかと思っていた相違が多岐に渡ることに真紅を瞬いて)甘み……、は、砂糖の甘さとは違う、ん、だよね? …おれもこれを好きになりたいな。(こつん、と爪先でカップを突き。残っていた枯色を飲み干して)ごちそうさまでした。(小さくカップに告げ、背中を曲げた)へぇ……。すごく、すてきな人、なんだね。(彼の人を語る君の様子はとてもしあわせそうだから。纏う雰囲気が柔らかくなったことを敏感に感じて、穏やかに口元を緩めた)
逢坂・宵 2019年5月11日
砂糖の甘さとは、違いますね。なんと申しますかこう、度合いと言いますか……これはやはり飲み慣れないと微妙な違いはわかりませんね。ええ、ぜひ好みの一杯を見つけて好きになってください。苦いだけのものではありませんから(好きになっていただけるかもしれません、と笑ってから。飲み終えたらしき後の挨拶をする様子をみては律儀なのだなと)……素敵ですよ。僕にはもったいないくらい、と言うと窘められそうですが、それくらい思っていまふ。僕にとっては唯一無二、ですね(掛け替えのない存在なのだと伝えたところで、ちょうど良い温度になったコーヒーの中身を半ばほどまで飲み下した)
松原・芳典 2019年5月12日
度合……?(甘さの度合、とは? こてりと首を傾げれど目の前の彼も逡巡した故の結果がこれなのだから、明確な形は掴めないだろうと得心して)もうちょっと薄かったら、飲めない、ことも、ない、気もしないでも、ない……。(随分遠回しな言い方で譲渡して。おかわりを注ごうかと問う店員には首を振り)……ふふ、そう。……きっと宵がそんなに想えるくらいの人なんだから、謙遜、すると、怒られるんだろうね。
逢坂・宵 2019年5月12日
それでは、もう少し薄めのコーヒーを出す店を探して回られると良いでしょう。やはりこう云うものはどうしても好みがありますから(薄めのコーヒーが好みという感覚は己にも分かる。少々冷ました己のマグのコーヒーは丁度良く、一気に最後まで飲み干した)……そんなことはないと言う声が聞こえて来そうですね。僕としてはそれくらい大事に思っているのですが……(そこまで言えば、懐から電子音が鳴る。スマートフォンのアラームらしい)……失礼、そろそろ時間が来たようです。僕はこれにて(そう言ってテーブルに置かれた伝票を手に取る。失礼しますね、と彼に声を掛けて)
松原・芳典 2019年5月12日
ん。次はそうしてみる。(席を立つ青年に倣って)じゃあおれも、そろそろ行こうかな。……色々教えてくれて、ありがとう。
逢坂・宵 2019年5月12日
いいえ。きみの気に入りのコーヒー一杯が見つかることを祈っています(では、と軽く手を振ってレジへと向かい。会計を済ませればドアベルの音を響かせて店を後にした)