【1:1】星廻、瞬き夜
都槻・綾 2019年2月27日
『宵にのみ開くという、手紙屋をご存知?』
此処が書簡屋であるというのは
棚々に並ぶ数多の紙類で知れるかもしれないけれど。
端々へ積み重ねられた書物の方が圧倒的に多く、
「貸本あり〼」と謳ってみても
強ち間違いではないかもしれない。
※お招きした方と
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都槻・綾 2019年2月27日
(ご無理なき範囲で。流れと日数を見て締めます。)
都槻・綾 2019年2月27日
(「おいでませ、」と招いた先は勘定台の奥、小上がりの畳敷き。)(其処にも所狭しと書物が散乱していたし、見渡す店内の至る所にも本が見え隠れしていた。ちゃっかり紙棚に並んでいる和綴じ書は、文字を綴られる前に生まれ変わった心地で居るのだろうか。まるで宝探しの様相。)
都槻・綾 2019年2月27日
(受け取った本へと穏やかな眼差しを向ける。以前、彼の居所に置いて来た、星廻りの童話絵本。天の川を鉄道で旅する人々の物語。)差し上げると言っても全く構わなかったのですけれど、遠慮してしまうかと思いましてね。荷物になっても困らせるでしょう。其れに判断は間違っていなかった、ふふ、こうしてまたお会い出来たのですから。少しでもお気に召しましたでしょうか。他の本は――どんなものがお好みです?
リュカ・エンキアンサス 2019年2月27日
(畳だ。ちょっと迷った末に、靴を脱いで上がりつつ。散乱した本に目を向けしたりもしていた。……本当にいろんな本があるなって、感心したようにしながら)うん。あそこは野ざらしだし、本を置くには環境がよくないから、早めに返さなきゃとは思ってたのもあるし……それに、面白かったから。つい(あっという間に終わってしまったと。少し惜しむように行って)それに俺も綾お兄さんと、ゆっくりお話したかったからね。他……(ちらちら、と山のように積み重なった本に目を取られながら)趣味だと星の本とか。後、食べても大丈夫な薬草とか野草の本とかあるかな。図鑑だとなおありがたいんだけれど……。
リュカ・エンキアンサス 2019年2月27日
あ、せっかくだから、ちょっと難しいのがいい。俺はあんまり頭がよくないから、一人だと読めないものも多いと思う。でも、お兄さんが教えてくれるなら、きっと読めると思うんだ
都槻・綾 2019年2月28日
食べられる野草…もしや、野晒しの場で寝食をしていらっしゃるのです? それとも秘密基地みたいなものでしょうか。体調を崩したら大変ですから、悪天候の日は屋根のあるところで休んでくださいね。(微かに眉尻を下げて「お兄さん」の如く年長らしい口調で諭すものの、散乱した店内を眺めれば自身こそ子供のままのよう。惨状は見ない振りでしれっと棚上げ。)
都槻・綾 2019年2月28日
さて、草花や薬草に関する書は多々あれど、「難しい」の定義は様々ですねぇ。(ずしりと重い便覧を箱から取り出し、ぱらりと捲る。植生辞書としての使い手には面白いかもしれないが、目が滑って眠くなるのは己で実証済みだった。だめ。暫し逡巡の後「あぁ、お待ちください、」立ち上がって店におりる。間もなく、先程棚に並んでいた和綴じ帳を手に戻った。)
都槻・綾 2019年2月28日
実は私の手書きです。(無駄に得意気な顔で本を渡す。開けば草花の観察記録らしいのだが、絵が下手すぎて何の植物やら超難解。)『芸術が爆発していて難しい』とよく褒めれます。……その「難しい」ではない? 後は、そう――歌はお好きですか? 季語に絡めた植物図鑑もありますよ。
リュカ・エンキアンサス 2019年3月1日
…………ああ。ええと、大丈夫だよ。俺は家はないけれどもテントや寝袋はちゃんと用意してるから。たまに町に行ったら宿もちゃんと取る(不審者ではないしそれで問題があったことはないと、ぴ、と片手をあげて主張して)悪天候の日も、案外それで何とかなってるよ。誓って危ないことはしていないです。……ただ、数度まあその、うっかりその辺の草を料理して行き倒れかけたのは認めるけれど……(だんだん声が小さくなっていって)だからこそ、そうならないように勉強してるんだ。
リュカ・エンキアンサス 2019年3月1日
難しいの定義……か。そういわれると難しいって何なんだろうな……ん?(それこそ難しい顔で考え込んでしまったけれども、なにやら取り出された箱を興味深そうに覗き込んだりしながら相手が選ぶのを待っていた。……と)……手書き?(現れた本はなんだかとってもこの場所に似合っていた一冊だった。風情があると目を輝かせたのも一瞬で、手書きと聞くと若干驚いたような声で)……すごいな。お兄さん、本が、書けるんだ。……(開いてみて、思わずえ、って、考え込んだ)……この、ぐにゃ、としたのは何?食べられる?(なんだかよくわからない絵を指差した)歌とか……風情なことはわからない。お兄さんは歌を詠むの?それって、楽しい?
都槻・綾 2019年3月4日
(彼も猟兵だ。腹を壊し風邪を引いたところでそう易々と――、)…行き倒れたのですか。(鸚鵡返し。ゆるゆると首を振る。)見目と違わぬ齢であるのなら、成人前ですよね。勉強熱心は誉れですが、誰かの家を頼みにしてもきっと罰は当たりませんよ。其れとも他者に頼るのは、苦手?(家はないという。ならば家族も、だろうか、)……貴方は、いつから独りきりなのだろう、(知らず零れた呟きは、無意識の独白。)
都槻・綾 2019年3月4日
(驚きの声を聞けば素直に笑んで、)手段とやる気さえあれば作れます。勿論リュカさんにも、(言い止し、示された画を覗き込む。百合めいた小花を描いたつもりだが、どうしてか人には伝わらないらしい。)其れは堅香子ですねぇ。地下茎を精製すると片栗粉、というものになります。歌は私にとっては難しく、楽しいものですが……そうですね、其の堅香子もまた、万葉歌集にひとつございますよ。(もののふの、と枕詞から走る歌を諳んじてみせた。萌す春の陽光、水汲む乙女ら、瑞々しく煌くひとときが少しでも瞼に浮かぶよう、朗らかに。)
リュカ・エンキアンサス 2019年3月6日
……(視線が、ちょっと痛い。視線をそらしつつ)まあ、成人前であることは否定しないわけですが。……ええと、そうだね。でも、頼る相手もいないし、こういう生活が長いから。いったんそういう……生活習慣?になっちゃうと、今から変えるのって、結構難しいんじゃないかな。と、思います。お兄さんだって、そういうところあるんじゃない?いきなり誰かと住むって、ちょっと、大変じゃないかなとか(伝わるだろうか。若干言葉を選びつつ)……俺の考え方って、ちょっと、変かな?
リュカ・エンキアンサス 2019年3月6日
……ほんとに?(自分でも作れるらしいと聞けば、若干驚いたように声のトーンが上がって)……どういう風に作るの?(教えて、と。割と興奮気味にたずねつつも、覗き込んだ絵)堅香子……。へえ、これで片栗粉、って言うんだ。見たことは、ない、かな……(多分。絵が絵だから、若干自身がなさそうだったかもしれない。あいまいに、首を傾げて
)……。(その歌に、感心したように瞬きをひとつした)……お兄さん、歌うまい。それに、そういう風に歌うとなんだか風情があるね。(難しいことはわからなくとも、気持ちのいい情景は伝わると)お兄さんが描いたってことは、お兄さんはこの花を見たことがあるの?
都槻・綾 2019年3月6日
いいえ、(「変か」の問い掛けへ、柔らかな眼差しを返した。)ひとは生きている限り歩む路に可能性を秘めている。貴方にとって「難しい」ことなら、変化に取り組んでみるのもまた勉強の一つかもしれませんね。(「尤も、私も独りが気儘な訳ですが、」悪戯っぽく肩を竦める。)――それでも時折、人恋しい。こうして語らう時間が、温かい。貴方は学ぶことが好きそうだ。新しい植物、日々の発見、いつか誰かと見つけた暮らし、知り得た喜びを、此れからも私に聞かせてくれますか。
都槻・綾 2019年3月6日
(幾分弾む声の調子にささめき笑んで、)紙と筆記具、綴りたい想い。其れだけです。好きな物事、心揺らす言の葉。書き留めていけば、世にたった一つの辞書になりますね。リュカさんが好きな言葉は、何ですか?(一つ零れた瞬きへ、謝辞を述べつつ図鑑を捲る。淡紫の花。大きさは子供か女性の掌くらい、と片手をひらり。)山の斜面などに群生しております。開花はもう少し温かくなってからですが…其の頃に探しに行ってみましょうか。澱粉にするまでの実験も行ってみましょう。(堅香子から取れる量は僅かで、きっと精製は困難だ。然れど、そう、「難しい」からこそ。成功も失敗も見えない過程は、面白い。)
リュカ・エンキアンサス 2019年3月7日
……う。難しいことは、なるべく取り組みたくないです(白状した)。変でないなら、そのままでいいです。勉強といわれると……なんだかやらないのはものすごく、悪いような気になるけれど(一人のほうが気ままなのは、自分もそうだったりして、うん、うん、て、小さく、頷いて)……そうか。綾お兄さんは大人だけど、大人でもそういう風に人恋しいとか思ったりするんだね。……そうだね、俺の発見の話でよければいっぱい聞いてよ。あ、でも、そうだ。話もいいけれど、今度一緒にじゃあ、野宿してみない。案外、そんなに、ひどいものでもないし、難しくはないよ
リュカ・エンキアンサス 2019年3月8日
……ううん。俺が俺の好きなものを並べたら……それってポエム帳って言わない?(どこかの依頼で聞いた言葉を思い出して)なんだかものすごく恥ずかしいものだって聞いたんだけれど(なんだか口に出すのは恥ずかしいな。って、少し考えながら)好きな言葉……言葉?ドウダンツツジかな。こう書くんだ(捲られた図鑑の先、紫の花の上に指を滑らせて「満天星」と書いた)この花みたいに食べられるわけじゃないけど……って、え、いいの(うわ、と、柄にもなく声がはしゃいだ)いいね。じゃあ温かくなったら、採取に行って作ってみよう。ついでにキャンプもしたら完璧だと思う。せっかくだから絵も描こう。本のページが増えるの、いいと思う。俺はお兄さんの絵、結構好きだ(きれいで上手なものよりも、味のあるのが好きだとまでは口に出さずに)
都槻・綾 2019年3月11日
同意です。なるべくなら難しいことはさておいて、気楽に過ごしたいですねぇ。(明け透けな告白にからからと笑い、野宿、の誘いを受ければ更に破願した。)私も天体観測時に行いますが、ご一緒出来るのならば嬉しい限り。花の前線を追いかけて、廻る星々をぼんやりと眺めて。地に天に添うているだけで、瞬く間に時が過ぎている。然うして歳を経て来たのみですけれど、「大人」に見えているのなら、たっぷり夜更かししても「さっさと寝なさい」とは叱られませんよね?(悪戯な眼差しで片目を瞑る。)
都槻・綾 2019年3月11日
誰に見せる訳でもないですし、身悶えするのは己のみですから問題ないですよ。(などと至極てきとうな事を嘯いた。綴られた文字を見て首肯。)陽光の元でも見ることの叶う満天の星。字面も響きも然る事乍ら、小鈴のような花も秋の紅葉も美しいですね。間もなく咲き誇る頃合いでしょうか。――あぁ、野宿に採集に実験に絵画に。楽しみが盛り沢山。(好きだと言われれば面映げに緩む眦。「では約束の証に乾杯の契りを、」と茶目っ気交じりに淹れて差し出したのは、金平糖を浮かべた紅茶。)
リュカ・エンキアンサス 2019年3月13日
花?桜を追いかけるの?そういうのも、楽しいかもしれないね花のしたで眠るのも、楽しそうだ(感心したように、小さく呟いて悪戯考えているようなまなざしに、瞬きをひとつ)でも……しかられないけれど、あんまり夜更かししていると早起きが出来なくなるよ。それは、困らない?綾お兄さんは、朝はゆっくりするほうなの?(確かにぼうっとするのは、わかるんだけれどもとなんとなく年下をみるような感じになってしまったもしかしてこの人は結構、なんというか、俗に言う、「だめな大人」なんじゃないかと思い出したような、そんな疑いのまなざしで)
リュカ・エンキアンサス 2019年3月13日
……自分を身悶えさせてもどうしようもないので俺はお兄さんのポエム帖を眺めているだけでいいです(とか、たいそう可愛くないことを言いながら)……そう。この木。白い花もきれいだし、夏の爽やかな緑の色も素敵だよ。なにより言いのは勿論紅葉だけど……(なんて、長々とつい語ってしまって。それに気づいて、つい、黙り込んだ)……(ちょっと恥ずかしいので、咳払い)……お兄さんがそんな風に、外に出るのが好きな人だとは思わなかった。もっと、インドア派かと思ってた。……うわ、お兄さんがかわいい(そして出てきた金平糖の紅茶に目を丸くして受け取って)おいしそう、乾杯?(こう?って両手で持って掲げつつ)
都槻・綾 2019年3月20日
えぇ、朝はゆっくり……でもないですねぇ。余り寝ていない、が、正しいかもしれません。(投げられた胡乱な視線を更に悪戯っ気を深めた笑みで包む。)寝ている時間が惜しいのだとも、寝るのが寂しいのだとも。(百年、眠ってきたようなものだから。其の間に手を差し伸べることも出来ずに流れるいのちが、日々が、幾つあっただろう。)開花を追いかける旅も、計画に組み込みましょうねぇ。
都槻・綾 2019年3月20日
(想いを馳せた語りも、咳払いも、少年の瑞々しい感性を眺める心地で、穏やかに双眸を細める。満天星が咲き誇る度、天に満つ星を見上げる度、きっと彼を思い起こすだろう。)(可愛い、に首を傾げつつ、同じく器を掲げた。朗と歌うが如き聲で、)――楽しき先行きに、乾杯。
都槻・綾 2019年3月20日
(器同士が触れる軽い音は、星々の煌きにも似ているかもしれない。ちいさなちいさな内緒話のように。くすくす、さやさや。きらきら。)(星が廻る、星が瞬く、此れから幾つの夜を越えて時を歩んでいくのか未知だけれど、燈された約束は何れも暖かいものだから。)(貴方との出会いに、感謝を。)