7
Nevinnyy~無垢なるもの~

#アックス&ウィザーズ


●赤い故に目立つ
 アックス&ウィザーズ世界、とある村にて。
 この村が位置する、山間に広がる草原は、巨大な怪鳥が渡りの合間に羽を休めることで知られていた。
 怪鳥は人を見ても恐れず、村人も毎年訪れる怪鳥を恐れることなく、平和的に共存がなされていた。
 だがしかし、今年は違った。
 ある村人が仕事に向かう途中に、草原に「何か大きなもの」を見つけたのだ。
 目を凝らして見てみると、その「もの」は赤く、艶があって、ぷるぷるとしていた。時折小さいものが増えては、また一つにまとまったりしていた。
「ありゃあ……なんだ……?」
 不審なものの正体が分からず、村人は訝しんだ。謎の生き物が鎮座していては、怪鳥の渡りに悪影響があるかもしれない。
 しかし、相手は一体だけの様子。冒険者を募ったところで来てくれる「物好き」がいるかどうかも分からない。
「うーん……」
 首を傾げて唸る村人の視界の先で、赤い生き物はぷるんと跳ねた。

●物好き故に集う
「とまぁ、そんな具合でな。ある山間の草原にポゥリンの出現を予測した」
 ロスティスラーフ・ブーニン(ドジっ子ライオン先生・f00470)は片手で赤ワインの注がれたワイングラスを弄びながら、溜め息をつきながらそう口火を切った。
 ポゥリンは、いわゆるスライムの一種だ。魔物の中では温和な性質で、小型のポゥリンを召喚したり身体を硬化させたり、伸びたり縮んだりする。
 その実、強い魔物ではない。しかし赤く大きいため、目立つ。こと草原の真ん中なので、それはもう目立つ。
 ロスティスラーフが予知したタイミングでは、怪鳥の群れに隠れてしまっているそうだが。
「排除自体は至極簡単だ。大きく目立つとは言え草原は広いし、近隣の村からも距離がある故、放置しても害を生じる予測はない。
 だが、草原は怪鳥の休息ポイントにもなっている故、放置するわけにもいかん」
 手にしたワイングラスに残るワインを飲み干しつつ、ロスティスラーフは猟兵たちを睥睨した。
 その目曰く、報酬は期待するなと、つまりはそういうことだと。
 そうして猟兵たちを見回した後、彼は目を伏せて何度目かの溜め息をついた。
「まぁ、遊びついでとも言えような。幸いと言うべきか、怪鳥はポゥリンを気にする様子は一切無い。彼らと戯れてくるも一興だろう」
 そう、怪鳥たちはポゥリンの存在など気にも留めずに、草原で休息しているのだ。怪鳥が人間に慣れているのなら、交流するのも悪くない。
 まずは村に赴いて、ポゥリンを発見した村人から情報を集める必要がある。広い草原だ、いくら目立つとはいえ闇雲に探しては見つかるものも見つからない。
「発見した村人は市場で屋台を出す商人のようだ。商人らしく、ただで情報をよこしはしないだろう。何らかの形で協力し、相手の気を良くする必要があるな」
 ロスティスラーフはそう言ってワイングラスの縁をそっと撫でた。
 情報を引き出した後は、怪鳥との交流タイムだ。巨体の割に素早く、また力もある怪鳥は、猟兵たちのパワーやスピードにも付いてくることだろう。
 彼らが気を良くしたら、背中に乗せてくれることもあるかもしれない。
「それでは諸君、よろしく頼む。せいぜい、楽しんでくるとよい」
 そう言ってロスティスラーフは手をひらりと振った。その拍子に彼の袖がワイングラスに絡み、サイドテーブルからするりと落ちる。
 パリーンと乾いた音が、グリモアベースの一角に響き渡った。


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 Nevinnyy。無垢なるもの。

 今回はのんびりまったり系ですが、戦闘はあるので油断しないように。
 ゆるいですけど。

●目標
 ・ポゥリン×1体の撃破。

●戦場・場面
(第1章)
 草原の中にある村の市場です。
 ポゥリンの居場所を商人から聞き出すには、彼の屋台の売り子手伝いをする必要があります。
 商人の男は頑固で金に汚いタイプですが、ぼったくりはしません。
 売り物は食べ物や食器などの生活必需品です。

(第2章)
 村近隣の草原です。
 全長3メートル程ある怪鳥が数十羽、群れを成して草原で休んでいます。
 人間が来ても怖がりませんが、自分から積極的に絡もうとはしません。
 ポゥリンも怖がりません。

(第3章)
 草原のどこかです。
 ポゥリンは体長1メートル半くらいです。

●敵
(第3章)
 ポゥリン×1体。

(ユーベルコード)
 ・増える(POW)
 ・固まる(SPD)
 ・伸びる(WIZ)

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
 籠もってなくても何も言いません。
140




第1章 冒険 『店の売り子手伝い』

POW   :    とにかく通りかかる人に声をかける

SPD   :    自分の特技を披露して衆目を集める

WIZ   :    商品の配置や看板などを魅力的なものに改善する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
ティル・ライハ
おー、ポゥリン! カワイイよなー、見てる分には。
で、まずは商人に聞き出すためにシゴトの手伝いかぁ。得意技…

そうだな、『レプリカクラフト』で作った“切れないナイフ”何本かつくって……“[早業]でじゃぐりんぐ”するのはどーだろ。
ポーションの匂いを偽ナイフに付けて客を[おびき寄せ7]……集客するのもありか?

『SPD 手先の器用さ等で遊ぶように集客』
『使用するのは無害な物のみ』



ロスティスラーフの転移によって、名も知らぬ山間の村にやって来た猟兵たち。
 ティル・ライハ(好奇心の末・f04613)は両手を頭の後ろにやりながら、誰にも聞こえないように独り言ちた。
「ポゥリンかー、カワイイよなー……見てる分には」
 そう、「見てる分には」可愛いのが、ポゥリンという魔物。
 積極的に人を襲うことこそないけれども、立派なオブリビオンなのだ。
 そうしてティルが目を向けたのは、村の中心にある市場の一角、生活必需品や食物を取り扱っている屋台だ。
 屋台の向こうには大声で呼び込みをしながら市場を睥睨する、体格のいい男性が立っている。
 あの男性が、ポゥリンを発見した村人だろう。そうあたりを付けたティルは、件の屋台へと近づいて男性へと声をかけた。
「おっちゃん、売れてる?」
「あん?どうした坊主、母ちゃんの遣いか?」
 子供のお遣いされてしまったことに、一瞬ムッとするティルだったが、すぐに気を取り直す。
「俺、これでも冒険者なんだぜ。この辺に魔物が出たって聞いたんで来たんだ。おっちゃん、何か知ってるか?」
「あー……」
 そうどっちつかずな声を漏らしながら、視線を逸らす男性。それを見てティルの瞳が光を帯びる。これは確実に「当たり」だ。
「客引き手伝ってやるよ。商売人ならただでってわけにもいかないだろ」
 そう片の頬にえくぼを作りながら、ティルがひょいっと取り出したのは、一本のテーブルナイフだ。銀色にキラキラと輝いている。
 そのナイフを合計六本。ティルは宙に放り投げて器用にジャグリングを始めた。
「さあさあ街頭の皆様お立会い、こんな上等のナイフで曲芸なんざ、滅多にお目にかかれるものでもないよ!」
 向上を述べつつその場にいる人々の目を惹きつける少年の手で軽やかに踊るナイフを見て、男性の目がくわっと見開かれた。
「あっ、このガキ商品を勝手に……おお?」
 慌ててティルへと手を伸ばしながら屋台の上に視線を落とす男性だが、そこには商品のテーブルナイフが普段通りに並んでいる。
 このナイフは正確には商品そのものではない。ティルがユーベルコードで生み出した偽物だ。
 ティルの瞳が数瞬、男性の方へと向けられる。そして投げかけられる確かな笑み。
 男性はその瞳に一瞬息を飲むも、すぐに気を持ち直して声を張るのだった。
「さあ坊ちゃん嬢ちゃん見ておいで、そこの小僧が手に手に投げてるナイフはここで買えるよ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

深護・刹那
ではでは、不肖、深護・刹那、参ります。

【SPD】
目立つことならお任せあれ。
那由多と一緒に売り子をしますわ。
那由多が自動で動くわけではないのですが、
からくり人形の売り子なんて珍しいでしょう?
ルール違反無しと、迷惑さえかけなければ、何でもありですわ。

まずは歌唱による宣伝ソングを披露。
こちらを向く人がいれば、那由多に手招きさせますわ。
「おいでおいで、の、いらっしゃいませですわ!」
商品をオススメする時は押し売りにならないように気をつけて
でも少し背中を押す言葉をひとこと。
「もし、気になるのでしたら、いかがですか?」
買ってくださると嬉しいですわ!(笑顔)

はー、売り子経験、楽しかったですわ!



「おいでおいで、の、いらっしゃいませですわ!」
 ジャグリングを続けるティルの反対側、屋台の端から深護・刹那(花誘う蝶・f03199)が姿を現した。
 彼女の携えるからくり人形・那由他も一緒である。
 見目麗しい彼女たちの登場に、屋台を取り囲むように位置どっていた観衆たちから歓声が上がる。
 そして彼女は、いや彼女たちは深く一礼すると。
「一曲、披露させていただきますわ!」
 胸に手を置き、鈴のような歌声を響かせ始めた。
 赤々とした艶やかなリンゴ、深い色味を湛えながら香ばしい薫りを持ったベーコン、それらを包み込むように受け止め、色合いを際立たせる白い皿――
 それは、屋台に並ぶ商品を取り上げ、讃え、売り込む「宣伝ソング」だった。
 歌と共に那由他が舞い踊り、刹那と共に押しつけがましくならないラインで商品を売り込んでいく。
 その歌と人形遣いに衆人の視線が釘付けになったところで、一言刹那が添える。
「もし、気になるのでしたら、いかがですか?」
 そこからは早かった。
 すぐさま観衆は屋台の前へと群がり、商品の品定めを始めてゆく。
 突然の客の殺到に目を白黒させる男性に、刹那はパチリと片目をつぶってみせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリサレナ・ハイヴァーン
SPD
私客引きとか苦手なのよね、この厳つい黒い装備見たらみんな避けるのよ。【恐怖を与える】

(ドラゴンランスを取り出しドラゴンに戻す)
だからクーロ、あんたが客引きしなさい。招き猫ならぬ招き仔竜ね。

「くわっくわー!」【誘惑、存在感】

私は後ろでシルフィンケープを深く被って【目立たない】ようにするわ。ぐすん。



客が列を成している屋台の後方。店主の男性の後ろの方でケープを深く被った女性がいた。
 リリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)である。
「私客引きとか苦手なのよね、この厳つい黒い装備見たらみんな避けるのよ……」
 ケープで目立たないようにしているが、リリサレナの身に纏うのは非常に威圧感を感じさせる、ゴツゴツした漆黒の鎧である。
 およそ客引きを行うのに適した装いではないのは、彼女自身がよく分かっていた。
 故に、彼女は手に握った槍を、宙に向けてパッと離した。
「クーロ、あんたが客引きしなさい」
「くわっ!」
 携えたドラゴンランスを仔竜の姿に戻して、屋台の前方に指を向ける。
 一声鳴いて答えた仔竜はパタパタと羽ばたくと、広場で遊ぶ子供たちの方へと向かって行った。
「くわっくわー!」
「わっ、何あれ!?」
「かわいいー!お母さん、見て見てー!」
 小さく可愛らしいクーロは子供たちの関心を大きく引いた。その状態でクーロが屋台の方へと飛んでいけば、子供たちは追いかけてついてくる。
 そうして屋台の方へと導かれた子供の親たちが、屋台に並ぶ商品に目を向けるのは、ごくごく自然の流れだ。
「くわっ!」
 そしてその立役者であるクーロは、屋台の上で誇らしげに胸を張っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

逆月・すい
売られたことは数あれど、売る側になるというのは初めての経験だね。

食べ物を売るのなら、美味しく見えることが大事だね。
食器もあるし、丁度良い。
二つを組み合わせて、食卓を演出するような配置にしてみよう。
派手になりすぎない程度に華やかに。
…個人的には派手な方が好みではあるけど、やり過ぎると今度は手を伸ばしにくくなってしまうもの。

それと、商品が汚れていてはいけないからね。
汚れがあれば「掃除」で綺麗にすることも忘れずに。

最後に、明るい笑顔を添えれば上々かな?
ほら、商人さんも笑ってみせて。
明るい笑顔に、人は自然と惹かれるものだよ。



客引きに専念する猟兵がいる中で。屋台の整備に精を出す猟兵も、またいるのであった。
 逆月・すい(黒杯・f06634)もそのうちの一人だ。
 ゴフレットとして数多の人の手を渡り歩いた彼女は、如何様にすれば人の目に商品が魅力的に映るかを、よく熟知していた。
「食べ物を売るのなら、美味しく見えることが大事だね。食器もあるし、丁度良い」
 そうしてすいは観衆が注目する中で、商品のディスプレイを始めた。
 無造作にただ並べるだけでは、商品の魅力を伝えきることは出来ない。生活に密接に関わる食物や生活必需品なら猶の事。
 見る間に食品は美味しそうに、食器は清潔そうに見えるように並べ替えられていく様子に、その様子を見ていた客から感嘆の声が上がった。
「最後に、明るい笑顔を添えれば上々かな?」
 そう言ってすいは傍らに立つ商人の男性に顔を向けて、口元に指を添えながら笑みを見せた。
 感じ良く見せるなら、笑顔は何にも増して肝要なこと。
 すいの自然な、嫌みのない笑顔に、自然と顔がほころぶのを感じた商人は、その笑顔をそのままに客へと向き直るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴェル・ラルフ
とりあえず、集客しなくちゃね。
僕は幸い種族的にも見目は恵まれているので、女性を中心に声かけしながら微笑みかけようかな。礼儀正しく接した方が、安心感あるかな?

いらっしゃいませ、見ていきませんか?お姉さんきれいだから、つい、声かけちゃった。

【誘惑】【礼儀正しさ】をこういうときに活用しないとね。
足を止めてくれたお姉さまたちには、はんなり微笑んでハートを狙い打ち、ってね。
ふふ、お姉さま好きだから、ちょっと本気出してがんばろっと。



そして客引きを担当する者にも笑顔を武器にする者はいた。
 勿論客引きを担う全員の猟兵たちの笑顔は効果的に働いていたが、ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)の笑顔は中でも一つ抜きんでていた。
「いらっしゃいませ、見ていきませんか?お姉さんきれいだから、つい、声かけちゃった」
 ダンピールという種族の美貌も最大限に活用し、市場にいる女性を中心に声をかけて回るヴェル。
 その柔らかな微笑と礼儀正しい立ち振る舞い、女性たちが惹かれてしまうのも無理からぬところである。
 そうして屋台の前に集まる女性陣を見て、店主の男性はくいと口角を持ち上げる。
「いい男ってのは得だな、兄ちゃんよ?」
「ありがとう店主さん、褒め言葉と受け取っておくよ」
 そうしてヴェルは市場の女性たちを総ざらいする勢いで客引きを続けた。
 屋台の前に黒山の人だかりが出来上がったのは、そのしばらく後の事である。
 あんまりにも人が集まったおかげで、店主の男性は対応に大わらわだったことを、ヴェルは知る由もない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロアー・アレグリアス
【CSF】で参加
(POW行動)
ふむ、つまりは商人に上手く取り入ればいいのだな!
はっはっはー、我はこの通り声を張り上げるのが得意なものでな!
客引きならばお得意なのだ、まあ任せておきたまえ!
「さあさあいらっしゃいいらっしゃーい! いいもの安いもの掘り出し物、選り取りみどりだぞー! はい買った買ったー!」
声を張り上げる仕事以外ならば、力仕事もまあまあ行けるほうだ!
ケットシーの腕力を侮るなかれ、冒険と恩返しのためならばワイバーンだってひっくり返してみせようではないか、はっはっはー!
アンジェとコゼーはどうしてるかな、迷子になっていなければいいんだが!
大屋さん(自分のこと)はちょっと心配だぞ!


コゼー・カッツェンバッハ
客寄せは他の猟兵どのにおまかせして、ボクは屋台、看板や商品をピカピカにするであります!
UC発動ですニャ。ボクの自慢の肉球でゴシゴシしたものはツルツルピッカピカになりますよ!ただ、ものすごく滑りますゆえ、誰かが触るようなところはゴシゴシしないように気をつけるであります。
旅団【CSF】の仲間たちと声をかけあいつつ、手が空いたら仲間を手伝うであります。


アンシェ・ローム
【CSF】
怪鳥さんと遊んでみるのって楽しそうですわね。空とか飛べるかしら…?って、その前にお手伝いしなくちゃいけませんわよね…ですわよね…はあ〜

…あっ!では、わたくし実演販売をやりますわよ。
「見てくださいましー!この洗剤!シュッと吹きかけるだけでピカピカキレーになりましてよ!」
…こんな感じで。
手が空いたら店の商品の埃を手持ちのはたきで落としておきましょ〜♪

ふーっ、働くのってこんなに疲れますのね…まあでも、少し楽しかったですわ!



時間が経っても屋台の前から客がいなくなることは無い。
 その一助を担っていたのは旅団【CSF】に所属するケットシー三人組だ。
「さあさあいらっしゃいいらっしゃーい! いいもの安いもの掘り出し物、選り取りみどりだぞー! はい買った買ったー!」
 大屋さんことロアー・アレグリアス(ケットシーのマジックナイト・f02956)が声を高く張り上げれば。
「見てくださいましー!こちらにありますこの洗剤!シュッと吹きかけるだけで汚れがピカピカキレーになりましてよ!」
 アンシェ・ローム(ですわ〜ますわ〜・f06211)が洗剤の実演販売を行って関心を惹きつける。その傍らで。
「ボクの自慢の肉球でゴシゴシしたものはツルツルピッカピカになりますよ!」
 コゼー・カッツェンバッハ(もふもふの大盾・f06648)が自身の肉球で屋台のあちこちをピッカピカのツッルツルに磨き上げてみせる。
 ケットシーの可愛らしさも手伝ってか、三人組の客引きは主に奥様方に大うけだった。
 ロアーが大いに胸を張って、店主の男性へと向き直った。
「うむ、いい具合であるな!しかして店主殿、力を要するような仕事は何かあるだろうか?ケットシーの腕力を侮るなかれ、冒険と恩返しのためならばワイバーンだってひっくり返してみせようではないか、はっはっはー!」
「お、おう……じゃああれだ、屋台の裏手に在庫を入れた箱があるんで、持ってきてくれるか?」
 果たしてこんな小さい体で大丈夫なのだろうか、と心配になる店主の男性だったが、そこはロアーも猟兵の一員。
 自身の体躯の二倍はあろうかという、在庫の商品のぎっしり詰まった木箱を難なく運んでみせる。
 そうして新たに運ばれ、並べられていく在庫も飛ぶように売れてゆく。
 新たに並ぶ商品が置かれる屋台の天板は、コゼーの肉球によってまるで顔が映りそうなくらいにピカピカに磨き上げられていた。ピカピカすぎて商品を乗せている敷物ごと滑って行ってしまいそうな勢いである。
 その辺りは商品に損害が及ばないよう、コゼーの手でしっかり防御されていたのであるが。
「あんまりツルツルにしすぎると、怪我に繋がってよくないでありますからなー。アンシェ殿、そちらはどうでありますか?」
「コゼーさん、大丈夫ですわ。こちらも綺麗でピッカピカですわよ!」
 はたきで商品や屋台にかかった埃を落としながら、アンシェがコゼーに応えた。
 二人のおかげで屋台は、村の市場の中で浮き上がりそうなほどに綺麗に保たれていた。食品を扱うことも考えると実に望ましい状況に、店主の男性はほくほく笑顔だ。
「いやぁ、助かるよお前達。食いもんを扱う屋台で不潔は厳禁だからな」
「そうでしょうそうでしょう。しっかり丁寧に綺麗にしないとならないのですのよ!」
「綺麗な屋台の方が、食べ物を買う側も気持ちがいいのであるからなー。当然の帰結なのだ!」
 当初の仏頂面はどこへやら、すっかりいい笑顔になった店主の男性に、アンシェとロアーは揃って胸を張った。
 そしてロアーはさらに言葉を続ける。
「加えて、近隣に食品を食べる機会があるのなら、猶の事有利なのである」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

綿津見神・禮
客寄せと言えば、やはり吟遊詩人の真似事でしょう。
わたしはこれでも人魚です、そういうのには自信があるんですよ。
人魚の竪琴の出番です!

【楽器演奏】しながら【歌唱】しましょう。
同時に店主さんに頼んで軽食や飲み物を売りさばいてもらいます。
遠い異国の物語をお聞かせしましょう。
泡沫に消えた人魚の物語や、川の岩山にたたずむ美しい少女の物語。
最期まで立ち向かった人魚の戦士の歌。
人魚に纏わる歌ならたくさん知ってるんです。わたしの歌で魅せちゃいましょう。(誘惑)

ついでに商人さん以外からもお話を聞きたいです。
集まった人たちからポゥリンや怪鳥について情報を聞けないでしょうか?



そうしてロアーが目を向けたのは屋台の近傍、市場の一角だ。
 屋台とは別に黒山の人だかりが出来ているその中心で、綿津見神・禮(黒鱗の人魚・f07619)は竪琴を奏でながら歌声を紡いでいた。
「これは昔々、ある海で泡沫に消えた人魚の物語……」
 禮は吟遊詩人として、物語を歌に乗せて市場の人々に聞かせていた。
 彼女の物語に聞き惚れる人々の手には、商人の男性の屋台で売られていた飲み物に、軽食が握られている。
 そう、商人の屋台で買った軽食や飲み物をその場で聞きながら食べられる、という営業形態を確立させたのだ。
 川の岩山にたたずむ美しい少女の物語。最期まで立ち向かった人魚の戦士の歌。
 自身と同じ、人魚にまつわる歌を歌って聞かせる禮に、一曲が終わるごとに観客から喝采と拍手が送られた。
 いつの間にやら屋台の店主も軽食を売りながら拍手を送っている。
 そうして全ての曲が終わり、大きく一礼した禮に、市場に居合わせた全員から惜しみない拍手が送られたのであった。
「いやぁ、いいものを聞かせてもらったよ。お陰様で近年稀に見る売り上げだ。ありがとうな」
「いいえ、このくらいお安い御用ですわ。それで、情報なのですが……」
 そうにこやかに微笑みかけながら、禮が水を向ける。すると店主の男性は大きく頷いた。
「草原で見かけた赤い奴の事だろう?そいつの情報なら喜んで提供しよう。
 あいつは村の北側、例の怪鳥が多く集まるエリアの一角にいた。仲間を呼んでいる様子はない、一体だけだ」
 その後に続くように、観客たちからも次々に声が上がる。
「怪鳥は赤い奴を怖がらないで、普通に草原で休んでいたよ」
「今年は渡りをする怪鳥の数が多かったみたいだ。北側の草原以外でもあちこちで見かけるよ」
 思いの外、情報が多く集まった。喜色満面の禮が、人々に向けて大きく頭を下げる。
「皆さん、ありがとうございます!魔物は私達が何とかしますので、どうか安心なさってくださいね!」
 そうして村を出て、北の草原に向かう猟兵たちを、村人たちは手を振って送り出してくれた。
 気分を高揚させる猟兵たちの目には、遠目からでもその大きさが分かる怪鳥たちが、羽を畳んで憩う様が既に飛び込んできていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『怪鳥たちと空の旅を』

POW   :    怪鳥と力比べ勝負

SPD   :    怪鳥とスピード勝負

WIZ   :    怪鳥と仲良くなり空を飛ぶ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
メリー・アールイー
北へゴーゴー、おっいたいた!
「かいちょーさーんっ、あーそーぼっ……なーんてね。」
珍しく見た目通りの幼女っぽい話し方で怪鳥に絡みに行くが、やり難いとすぐ元に戻る
ポゥリンが出て来るまで一緒に遊ぼうか

魔物にビビらないなんて大したタマだねぇ
派手な着物であたしとReがちょっかいかけに行ってみて
興味を持ってもらえるといーんだけど

なあなあ、あたし達と追いかけっこしてみないかい?
「Repeat」モードでからくり人形のReにあたしを操ってもらえば
それなりの速さで動けるのさ
カラフルな着物の袖を羽根のようになびかせて
【フェイント】も入れてみようか?ほら、こっちこっち!

あー、でも速い速い!あんたの勝ちだよ怪鳥さん!



村から出て、北へ向かった猟兵たち。
 先頭を行くメリー・アールイー(リメイクドール・f00481)の視界に、草原に座って羽を休める巨大な鳥の姿が、十、二十、と入ってくる。
「おっいたいた。かいちょーさーんっ、あーそーぼっ……なーんてね」
 普段の彼女とは違う、年相応の幼女らしい口ぶりで怪鳥へと近づいていくメリー。
「クァァ?」
 メリーが近づいた一羽の怪鳥が、長い首をもたげて彼女を見下ろした。思っていたよりも、高いところから見下ろしてくる怪鳥に、メリーの瞳がキラキラと光る。
「うわー、おっきいな……この大きさなら、ポゥリン程度の魔物にはビビらないか」
 からくり人形のReと一緒に、怪鳥の周りをくるくる回るメリー。その色鮮やかな着物とひらひら動く様に興味を持ったか、長い嘴でつつくようにしながら怪鳥がメリーを追い始めた。
「おっ、いい感じ!なあなあ、あたし達と追いかけっこしてみないかい?」
 着物の裾をひらりと翻し、メリーが怪鳥の前に来て前方へと駆け始めた。まずは程々の速度で、怪鳥の気を引くように。
 そしてうまいこと怪鳥に興味を持ってもらえたようだ、のっそり立ち上がってメリーを追うように歩を進めていく怪鳥。足の幅も勿論広いので、歩く程度の速度でもかなりの距離を詰められる。
 怪鳥が歩き出したのを確認したメリーは、Reに目配せした。
「よしいくよ、「Re(アールイー)」。モード「Repeat(リピート)」!」
 途端に、ものすごい速度で走り始めるメリー。急にぐんとスピードを上げた彼女に、怪鳥も目を丸くしていた。
「クワッ!?」
 だがすぐに、走り始めた綺麗な目標を追わんと駆けだした。ぐんぐんスピードを上げて、前を行くメリーに追いすがる。
「ほら、こっちこっち!」
 【フェイント】も交え、縦横無尽に駆けまわるメリー。追いかける怪鳥も楽しそうだ。
 そうして一頻り草原を駆けまわってしばらくの後、怪鳥の足がメリーの身体を捕らえることでおにごっこは終わりを告げた。
「あー、速い速い!あんたの勝ちだよ怪鳥さん!」
「クワーッ!」
 一人と一羽、互いに肩で息をしながら顔を見つめ合って笑うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェル・ラルフ
怪鳥、て実は初めてみるんだけど、大きな鳥なんだね…!

すごく、背中に乗ってみたい。でも振り落とされたら怖いからなー…

とりあえず、SPDを生かしてスピード勝負してみよう!
少しは意思の疎通ができるのかな?
く、嘴とか羽とか、触ってみたい…生き物大好きだから、うずうずするよ!

もし慣れてくれたら、背中に乗せてくれないか聞いてみようかな!

遊びながらポゥリンも見つけられたら万々歳だね。


ティル・ライハ
お、怪鳥相手に珍しく戦わずに交流すんだな?
んー、俺も空飛んでみてぇって気持ちがデカいけど…
まぁ……無難に長所で対応しますかー
[おびき寄せ7]てから、[逃げ足5]で距離を取るっていうのを繰り返せば、それなりに交流出来ねぇかな。
あ、このUC使えば勝てるっぽくね?
ワクワクすんな!……で、俺等何しに来たんだっけ…

『SPD 素早さ重視で怪鳥と戯れる』
『記念に触れるか試してみる』



ヴェルとティルも、二人並んで一羽の怪鳥を見上げつつ、その大きさに圧倒されていた。
「大きな鳥なんだね……!すごく、背中に乗ってみたいけど、振り落とされたら怖いからなー……」
「だよな……んー、俺も空飛んでみてぇって気持ちがデカいけど……」
 生き物が好きなヴェルは、背中に乗りたいという気持ちに加えて触りたい、撫でたいという気持ちもあったようでうずうずしている。
 しかし相手は野生の鳥、それも巨大な鳥である。ちょっとつつかれたり噛まれたりするだけでも、怪我をしてしまいそうだ。
 ティルもそこは一緒なようで、何とか記念に触れたら僥倖、でも相手は巨大だから、とまごまごしていた。
 そんな二人に、目をぱちくりさせた怪鳥がぐっと顔を近づけてくる。
「クァー?」
「わっ……!?」
 急に顔を近づけて来た怪鳥に驚くヴェルだったが、相手は口を開けもこちらに嘴を向けもしない。二人の間で大人しくしているだけだ。
「触っていい、ってことなんじゃね?」
「い、いいのかな……?」
 ティルがゆっくりと怪鳥の頭に手を伸ばし、それにつられるようにヴェルも嘴へと手を伸ばした。そして二人でゆっくり優しく、怪鳥を撫でていく。
 撫でられている間、怪鳥は大人しくされるままにしていた。暴れる様子も抵抗する様子もない。
 そうして怪鳥との触れ合いを楽しんだ二人は、しばらく顔を見合わせるとニコリと笑って怪鳥の傍からダッシュで離れた。
「鬼さんこちらー!」
「追いつけたらもっと遊んでやるよー!」
 笑い声を上げながら自分の傍から離れていくヴェルとティルを見て、怪鳥はすぐさま立ち上がった。そうして地を蹴り、二人を追いかけていく。
 何度か追われては身をかわし、を繰り返していくうちに、ヴェルは怪鳥に捕まってしまった。未だ逃げ続けるティルを見つめる怪鳥に、ヴェルはそっと手を当てる。
「一緒に追いかける?」
「クワッ!」
 一声鳴いた怪鳥は身を低くかがめた。ヴェルがその背によじ登り、しっかり掴まったことを確認すると、怪鳥は再び力強く走り始めた。
「わわ、速ーい!」
 キャッキャと楽し気な声が後方から聞こえた気がして振り返ったティルは、怪鳥の背にヴェルがまたがっているのを見つけて目を剥いた。
 びしりと指を突きつけながら叫ぶ。
「あっ、ヴェルお前、ずりぃぞ!」
「ティルも後で乗せてもらいなよー!」
 ティルの文句もどこ吹く風、ヴェルは心底から楽しそうだ。
 そうして程よく走り回った後に、ティルが怪鳥の背にまたがってヴェルを追いかけたのは、この後の事である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リリサレナ・ハイヴァーン
POW

客寄せで活躍できなかった鬱憤を晴らしてやるわ
【怪力】で正面から受けつつ【見切り】で相手の重心をうまく利用してぶん投げるわ

いいクーロ、あんたもドラゴンならこんぐらいできるようになりなさい

……私も女の子なら愛想良く客寄せできるようにならないととかそういうのは棚に上げとくわ。



ずしーん、と鈍い音を立てて草原が揺れる。
 リリサレナの手によってその巨体をひっくり返された怪鳥が、気の抜けた声を喉から吐き出していた。
「グェェ……」
「ま、こんなものね」
 手をパンと鳴らして埃を落としたリリサレナは、涼しい顔で地面に背をつける怪鳥を見下ろした。
 如何に相手の身体が大きいとはいえ、重心の高さを利用すれば放り投げることは難しいことではない。
 リリサレナの目は怪鳥のバランスの悪さを的確に見抜いていた。
「いいクーロ、あんたもドラゴンならこんくらい出来るようになりなさい」
「くわっ!?」
 怪鳥が宙を舞う様を呆気に取られて見ていたクーロが、いきなり水を向けられて甲高い声を上げた。この主人、無茶を言ってくるものである。
 そうこうするうちに身体を反転させるようにして起き上がった怪鳥が、目をキラキラさせてリリサレナを見ていた。
「クワッ!!」
「もう一回やれって?物好きね、あんた」
 ため息をつくリリサレナ。その後もリリサレナは、怪鳥が受け身を失敗して目を回すまで放り投げるのに付き合わされたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

綿津見神・禮
お客さんたちの話だと怪鳥はこの辺りではよく見かける生き物らしいですね。
話を聞く限りではあまり獰猛だという感じでもありませんでした。
思ったよりも穏やかに事は進みそうです

わたしは【WIZ】。彼らとの対話を試みます。
しかしわたしは動物とは話せません、なので
共通言語、音楽を使用します。
彼らは怪鳥、つまり鳥類です、ですよねたぶん。
さえずりなどでコミュニケーションをとっているのなら、【楽器演奏】、音楽で対話できるかもしれません!

遠くから少しずつ音を鳴らしながら近づいていきます。
警戒されているなら立ち止まって、様子を見ながら、ゆっくりと。
近づけたら触ったりして触れ合ってみましょう!


深護・刹那
ではでは、不肖、深護・刹那、参ります。

とはいえ、えーと?
鳥さんと仲良くなるのは大歓迎なのですが、どうやってお近づきになりましょう?
な、那由多、わたくし、どうすれば?(もちろん答えはない)

え、えぇ、気が動転してましたが、落ち着いて。
自信のあるものなんて歌と踊りしかないわけですから。
那由多、踊りましょう。
鳥さんたちの邪魔にならないように、
それでいて鳥さんたちがこちらを見てくれるように。
ゆるやかに、たのしく、歌って、踊りましょう。

ふふ、鳥さんたち、わたくしたちを気に入ってくれたなら、
背中に乗せてくれませんか?



別の場所では、禮と刹那、那由他が怪鳥に歌と踊りを披露していた。
「彼らは怪鳥、つまり鳥類です、ですよねたぶん。ならば音楽で対話できるかもしれません!」
「そうです、自信のあるものなんて歌と踊りしかないわけですから。那由多、踊りましょう。」
 禮の歌に合わせて刹那が舞い、刹那の動きに合わせて那由他も踊る。
 巨大な鳥に囲まれて舞い踊るその様は、さながら妖精のようであった。
 ただ、計算外だったのは。
「クェー!!」
「クェー、クェー!!」
「ひゃっ!?」
「わあっ、風が!?」
 何故か声を張りながら翼をばっさばっさ、風を巻き起こして踊りを邪魔する怪鳥たち。
 不興を買ってしまったのだろうか、なにかまずいところがあったのだろうか。互いに顔を見合わせる禮と刹那だったが。
「クェー♪」
「クヮッ、クヮッ、クワー♪」
「あれ、これって……?」
「『一緒に歌いましょう』……そういうことです?」
 気を取り直して禮は楽器を構えなおし、刹那は踊りではなく歌を披露しようと腕を組んだ。
 どうやら怪鳥たち、自分たちが主役になりたかったようである。
 そこからは怪鳥たちとのセッションだ。
 禮の竪琴が柔らかな旋律を奏で、怪鳥たちが声を揃えてそこにメロディを乗せ、刹那の歌声が怪鳥たちのメロディラインに沿うようにして彩りと厚みを出していく。
 怪鳥たちの歌を邪魔しないように、バランスを取るように。
 サポートに徹した禮と刹那の演奏と歌声は、怪鳥たちにとっても心地の良いものだったようだ。
 ワンコーラスがツーコーラスになり、アウトロまで添えられ、5分間歌い続けた怪鳥たちは、禮と刹那をもみくちゃにするように二人、いや三人の周りに群がった。
「あっ、あはは……楽しかったですか?」
「クエッ!」
 禮が怪鳥の頭に手を添えながら声をかけると、相手は元気よく返事を返してくれた。
 今ならその背に乗って空を飛べるかもしれない。刹那は恐る恐る、自分の近くの怪鳥へと声をかけてみる。
「鳥さんたち、わたくしたちを気に入ってくれたなら、背中に乗せてくれませんか?」
 帰って来たのは、数瞬の沈黙。その後に。
「クワッ!!」
 体勢を低くしてその背に乗りやすいように、心配りをする怪鳥がそこにいたのであった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ロアー・アレグリアス
【CSF】で行動
WIZ
なんと、これはこれは大きな鳥だなー!
ケットシー何人分の大きさなんだか、何を食べたらこんな大きくなるのだ?

気を良くしたらその背に乗せてくれるやもとは、なんともロマン溢れる話じゃないか。
しかし鳥は基本的に警戒心が強めとも聞いたぞ、さてどうするか……。
なるほど、アンシェは歌を披露するのだな、我も歌は好きだぞ!
それでは一曲、デュエットといこうではないか、はっはぁ!

そんなわけでサウンド・オブ・パワーを披露するとしよう!
うまく怪鳥の気を引き、乗れるまでに心を許してくれるなら、爪は立てぬよう気を付けねばな!
……あー、ついでに赤くてデカイやつを空から探すのもいいかもしれんなぁ。


アンシェ・ローム
【CSF】
へーっくしょん!!……っふ、草原を歩くと草がお鼻に触りますわ……。へっくし!
おおーっ、やはり近くで見ると怪鳥さんって、でっかいですわねー!
御機嫌よう怪鳥さん!怪鳥会長も快調でして?
………コホン。初対面なのですから、まず名乗ってお辞儀をするのが礼儀ですわね。

旅団長さまが歌を歌うなら加勢いたしますわ。ソプラノは任せてくださいまし。
優しく歌ってあげれば、心を許してもらえるかしら…?ちょうちょさん(シールド)も加勢してくれます?

しかし、お空を飛ぶって楽しそうですわよね。私ももう少し真面目でしたらパイロットになりたかったですわ!



【CSF】のケットシーたちは今回も連れ立っての行動である。
 大屋さんのロアーとアンシェは二人揃って、自身を見下ろす怪鳥を瞳をキラキラさせて見上げていた。
「なんと、これはこれは大きな鳥だなー!ケットシー何人分の大きさなんだか、何を食べたらこんな大きくなるのだ?」
「おおーっ、やはり近くで見ると怪鳥さんって、でっかいですわねー!御機嫌よう怪鳥さん!怪鳥会長も快調でして?」
「クワァ?」
 アンシェ渾身のボケに、首を傾げて鳴く怪鳥。残念、不発だったようだ。
 怪鳥の前でわちゃわちゃしながら、どうすれば彼らに心を許してもらえるか、思案を重ねるロアーとアンシェ。と、そこに禮と刹那、怪鳥がセッションしている歌声が聞こえてきた。
「旅団長さま、わたくしたちもお歌を歌うのはどうでしょうか?ソプラノは任せてくださいまし」
「なるほど、我も歌は好きだぞ!それでは一曲、デュエットといこうではないか!はっはぁ!」
 そうと決まれば話は早い。咳払いしたロアーが拍を取る。1、2、3。
「にゃ~♪」
「にゃ~♪」
 二人揃って同じように猫の鳴き声を迸らせて、揃ってずっこけた。音程もタイミングも完璧であるがゆえに、余計に彼らのケットシーらしさが際立つ。
「な、なに、今のは音合わせである、音合わせ」
「そ、そうですわよね、本番はここからですわ!」
 そう、誰が聞くでもない言い訳を述べて、姿勢を整えいざ歌おうとしたところで。
「くぇ~♪」
 目の前の怪鳥が一声、いい声で鳴いた。それはそれは、見事なバリトンである。先の二人の歌声に、音程もしっかり取れている。
 ロアーとアンシェは互いに顔を見合わせて、くすりと笑った。
「なるほど、掴みは完璧であるな!」
「怪鳥さんも一緒に歌いましょう!トリオですわ!」
 そうしてケットシーと怪鳥のセッションが始まる。ロアーのテノールとアンシェのソプラノが、怪鳥のバリトンに乗って軽快に歌を紡いでいく。
 いつしか二人の身体は踊り出し、怪鳥もその大きな足でステップを踏み始めた。どんどん高潮していく二人と一羽のテンション。
 そして気付けばロアーとアンシェは怪鳥の背に乗り、歌を歌いながら空を舞っていた。
「おぉアンシェ、飛んでいるぞ!爪は立てぬよう気を付けねばな!」
「旅団長さま、お空を飛ぶって楽しいですわね!私ももう少し真面目でしたらパイロットになりたかったですわ!」
「クワー!」
 怪鳥も満足げに一声鳴いた。そうしてロアーは、この依頼の本来の目的を思い出す。
「……あー、ついでに赤くてデカイやつを空から探すのもいいかもしれんなぁ。どこかにいはしないか……?」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

コゼー・カッツェンバッハ
むむむ、ボクもぜひ怪鳥どのに乗ってみたいでありますが、体格差がありますゆえ、勝負を挑むのは無理がありますなあ…
ここは、仲良くなる作戦でありますな。他にも同じようなことを考えている猟兵どのがいればぜひ協力させていただきますよ。ボクができることというと、いつもポケットにたくさん隠し持っております上等なお菓子を差し上げることくらいですが…あとは、追跡用に使っているUCをお見せして興味を引くくらいですかね。
実際に怪鳥どのに乗って空を飛ぶ場合には、別の猟兵どのと一緒に乗るであります!1人では間違いなく吹き飛ばされるであります…


テン・オクトー
【CSF】で参加。

可能であればコゼー・カッツェンバッハさんと行動。

WIZ

鳥さんに乗れるかもしれない!?と聞いてやってきました。
大きい鳥さんに乗れるとか、ロマンです。冒険心をくすぐられます。
でもどうやったら乗せてもらえるかな?
お菓子やお茶をごちそうしたら・・少しだけ背中に乗せてもらえないかな?
ボク、下心満載で頑張ります。だってまだ子供だもの。

給仕をします。意思疎通は難しいかもしれないけど(動物と話す)で、
なんとなく食べたいお菓子や、飲みたいお茶を口まで運びます。
食べ終わったらお口もフキフキします。

もし鳥さんに乗せてもらえたら・・
【CSF】の方々と一緒に乗れたら幸せです。



ロアーとアンシェが怪鳥とセッションしてフィーバーしているその横で、【CSF】のもうひとグループ、コゼーとテン・オクトー(ケットシーのシャーマン・f03824)は別の意味で怪鳥の目を引いていた。
 怪鳥がまじまじと食い入るように見ているのは、コゼーのポケットから取り出されたるお菓子である。
 そう、お菓子である。ちなみにテンも同じようにポケットからお菓子を取り出していて、そちらにも怪鳥の熱視線が送られていた。
「ボクができることというと、いつもポケットにたくさん隠し持っております上等なお菓子を差し上げることくらいですが……」
「お菓子やお茶をごちそうしたら……少しだけ背中に乗せてもらえないかな?」
 二人揃って期待と下心に瞳をキラキラさせながら、怪鳥さんの前にお菓子を並べていた。
 これがUDCアースだったら、野生動物への餌付けならびに人間のお菓子を与えることについて、五月蠅く言われることもあるだろうが、ここはアックス&ウィザーズ。
 ついでに言うなら目の前の怪鳥が一般的な生物の埒外にいる可能性だって否定できない。お菓子に味を占めて村近隣に居ついてしまう可能性はゼロではないが、ここは目を瞑ろう、そういうことには。
 かくして二人の手から貪るようにお菓子を食べ始めた怪鳥。野生生活をしている中では確実に味わえない、濃厚な甘さと酸っぱさと旨さの洪水に押し流されんばかりに、どんどんその胃袋にお菓子を収めていった。
 やがてほとんどのお菓子を食べきって満足した様子の怪鳥さん、コゼーとテンに背中に乗るように促してくる。するとコゼーはあからさまに尻込みしていた。
「ボクはテンどのと一緒に乗るであります!一人では間違いなく吹き飛ばされるであります……」
「いいですよーコゼーさん、一緒に乗りましょう」
 8歳のテンに35歳のコゼーがしがみつくようにして怪鳥の背に乗っているわけだが、ケットシー同士だし同じ旅団の仲間。これもまたいいだろう。
 そうして宙に舞い上がった怪鳥の背に乗って、下界を見渡すテン。コゼーは怖くて下を見れないでいた。
 すると、テンの視界になにやら、赤くてプルプルして光りを反射するものが映った。
「あれって、もしかして……」
 視界を上に戻す。すると既に同じものを見咎めていたのだろう、ロアーとアンシェがテンを見て頷いた。
 同じく宙を舞っていた禮と刹那は【CSF】の四人と一緒に空中から、残りの猟兵たちは地上から、ポゥリンのいるその場所へと向かって行くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ポゥリン』

POW   :    増える
レベル×5体の、小型の戦闘用【ポゥリン・ミニ 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
SPD   :    固まる
全身を【漬物石 】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    伸びる
自身の肉体を【液体スライム 】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
綿津見神・禮
か…かわいい…!
なんですかあれ!あれを倒せっていうんですか!?
ああ、なんて残酷な…!!

でも、怪鳥さんに訊いてみます
「やっぱりあのポゥリン。お邪魔ですよね。」

これも仕事です、仕方がありません。……でもやっぱりかわいいですね。

敵さんはスライム。あまり有効な技能は持ってませんが…そうですね
トリニティエンハンスで武器に【炎の魔力】を付与。
とりあえずつついて(刺突して)みます

もし増えたらひとつ抱きしめます
「あ、あの、これお持ち帰りしてはダメですか!?」
(だめです)



それが、いかなる過去から生じたものか。
 それが、いかなる意図を以て生じたものか。
 誰にも、どうにも分からない。
 そのようなオブリビオンは、得てしてこの世に生じ来たる。
 ポゥリンも恐らくは、そのようにして生じ、この世界の民に災厄を齎さんとするものなのだろう。
 しかし。
「か…かわいい…!なんですかあれ!あれを倒せっていうんですか!?ああ、なんて残酷な…!!」
 禮のように、その見た目の愛らしさに攻撃の手を休めてしまう者が出るのも、また無理からぬところであった。
 だって、こんなに可愛くて、こんなにぷにぷにしているのだ。
「これも仕事です、仕方がありません」
 なんとか気持ちを持ち直して、武器を構える禮。
 その手に持つ星の指揮刀に炎の魔力を纏わせて、目をつむりながらポゥリンへと突き出す。

 ぷにっ。

 剣の刃に押され、ポゥリンの身体がへっこんだ。
 そしてそこから千切れるようにして、ポゥリンの身体から小さいポゥリンが、わらわらと生み出される。
 禮はその手に持つ剣を手放し、生まれたばかりのミニポゥリンをぎゅっと抱き締めた。
「あ、あの、これお持ち帰りしてはダメですか!?」
 抱き締めた腕の中で、ミニポゥリンがもぞもぞと居心地悪そうにうごめいた。
 勿論、ダメです。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ティル・ライハ
おー、いたいた。ポゥリン可愛いよな、俺は好き。
まぁ、邪魔なのはわかるし、一応敵だからな。ちょっと痛い目に遭ってもらってお互いにとって安全な場所に移動してもらわねぇとな!

まずは、お邪魔な小型ポゥリンを倒さねぇと。[逃げ足]で走り回りながらワラワラいるミニ共を[2回切り]の要領でサクッと、な。
本体にも一応攻撃しとくか。んーでも、硬化されたらナイフ通んねぇんだよな……大丈夫か?
あ、いくらポゥリン相手でも危険そうだったらUC使って逃げねぇと!

『SPD ポゥリン・ミニから排除』
『本体へも攻撃を試みる』
『攻撃回避も忘れずに』



「うん、禮、気持ちは分かる。ポゥリン可愛いよな、俺は好き」
 ティルが肩をすくめながら禮へと笑いかけた。
 だが、可愛くってもこれはオブリビオン。放っておけば、いや放っておいてもそんなに害は無いかもしれないが、いつどんな機会があって村人と接触するとも限らない。
 故に、ここで退治しなくてはならないのだ。
「まぁ、邪魔なのはわかるし。ちょっと痛い目に遭ってもらってお互いにとって安全な場所に移動してもらわねぇとな!」
 そうしてティルはタガーナイフを両手に握り、ミニポゥリンへと切りかかった。
 【2回攻撃】の要領で、まず一匹、返す刀でもう一匹。そうして舞う様にしてミニポゥリンの数を減らしていった。
 その勢いで、本体のポゥリンの姿が見えたところに切りかかっていくティル。
 だが、その瞬間。
「本体にも、一応攻撃……っとぉ!?」
 ナイフを振りかぶったティルの横をすり抜けるように、ポゥリンの赤い身体が高速で通り過ぎていった。
 その伸縮自在な身体は、伸びては縮み、縮む反動ですぐさま別の場所へと逃げてゆく。
 自身の遥か後方へと逃げ去っていくポゥリンを、ティルはナイフを振り下ろした姿勢のまま、茫然と見つめるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

深護・刹那
ではでは、不肖、深護・刹那、参ります。

先ほどはお恥ずかしい場面をお見せしたので、ここで挽回しなくては!

那由多、行きますわよ!
…あれ?なんかでろーんとなってるんですがポゥリン。
あれ、伸びますの?みょーんとか伸びますの?
那由多で掴んで伸ばしてみましょう。
みょーん。
あ、ちょっと楽しい。
違います、わたくしは戦いに来たのであって伸ばしに来たのではありませんわ!
気を取り直してシンフォニック・キュアで周りの人を癒してから、
改めて那由多で攻撃ですわ!
「攻撃用のユーベルコードが今切実に必要なんですの!」



ティルの刃から逃げるその様を、刹那もまた攻撃の手を忘れたかのように見つめていた。
「なんかでろーんとなってるんですがポゥリン。あれ、伸びますの?みょーんとか伸びますの?」
 その通り、みょーんと伸びてばちんと縮みます。縮んだ勢いで、今まさにティルの攻撃から逃げています。
 ポゥリンの突進するその進路上に、那由他が立ち塞がる。
 弾かれるように移動するポゥリンは、勿論進行方向を変えることなど出来ない。そのままの勢いでぽよんと那由他の身体にぶつかった。
 那由他をクッションにするようにして、地面に着地するポゥリン。那由他は背中から倒れ伏したが、そこは人形。大事はない。
 そしてポゥリンを腹の上に乗せたまま。
 那由他の両手がポゥリンに伸びて。

 みょーんと、ポゥリンを両側から引っ張って伸ばした。

 伸ばされたポゥリンが、嫌がるようにぷるぷると那由他の手の間で震える。
 かわいい。
「……はっ、違います、わたくしは戦いに来たのであって伸ばしに来たのではありませんわ!」
 そう言いつつ癒しの歌声を響かせる刹那さん。
 残念なことに説得力が皆無なのでありました。
 ポゥリンは那由他の手の間でみょーんみょーんと伸ばされた後、自ら縮んでその手から逃れていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロアー・アレグリアス
はっはあ、ホントにぷにっぷにじゃないか!
ケットシー自慢の肉球といい勝負が出来そうだ、オブリビオンでなければクッションとしてお持ち帰りしていたやもしれん!

……なに、冗談だとも、それでは我等の使命を果たすとしよう!
サウンドウェポン(ヴァイオリン)を手に、サウンド・オブ・パワーを奏でて仲間の戦闘能力を底上げと行こうじゃないか!
……その後に攻撃の隙があるなら、トリニティ・エンハンスの炎の型でぼっこぼこのめっこめこにしてもいいんだが、今回は大屋さんっぽくサポートに徹してもいいだろう、うん。
我はなんか増えたちっこいのもべしべし、もぐらたたきっぽく処理しておくぞ!



ぷにぷにもにもにと伸ばされるポゥリンを見て、ロアーは腹がよじれんばかりに笑っていた。
「はっはあ、ホントにぷにっぷにじゃないか!ケットシー自慢の肉球といい勝負が出来そうだ、オブリビオンでなければクッションとしてお持ち帰りしていたやもしれん!」
 確かに、ケットシーの肉球とポゥリン、ぷにぷに度合いでは甲乙付けがたいものがある。
 クッションとして持ち帰りたいというその意見も賛同できる。UDCアースやキマイラフューチャーであれば、一世を風靡するブームが生まれたやもしれない。
 しかしここはアックス&ウィザーズ、そんなブームを生み出すには少々、文明の進行度合いが物足りない。
 ということでロアーは手に持つヴァイオリンを奏で始めた。
「それでは我等の使命を果たすとしよう!」
 そうして奏でられる戦いの音楽。その調べは味方の戦闘能力を確実に底上げした。
 その音楽に、ポゥリンも気持ちが高ぶったのか。その身体からミニポゥリンをポンポンと生み出してみせる。
「……う、うむ」
 自身の周りにわらわらとまとわりつくミニポゥリンを、もぐらたたきのごとくべしべしと潰していくロアーが、そこにいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

小宮・あき
宿敵ポゥリンが現れたと聞いて参りました。
「久しぶりね、可愛いポゥリン」

狙うは【伸びる】時。体積が変わらず大きくなれば、的が増えるだけ。高速で動く場合も、ジャッジメント・クルセイド…光の柱の前ではあまり意味をなさないでしょう。【視力・第六感・野生の感】を駆使し攻撃します。

「んん、逃げるなら、まあ…」
平原での出現が問題のようですし、自分から洞窟の奥に引きこもるなら、逃がしてもいいのかな、と思っています。宿敵でオブリビオンなのはわかっていますが、これでも聖者なので。ポゥリン自体は悪意を持って生まれた生物ではないんですよね。トドメは刺しにくいので、ほかの人の判断に従います。



ぷるぷると震えるポゥリンの前に、立ちはだかる少女が一人いた。
「久しぶりね、可愛いポゥリン」
 小宮・あき(人間の聖者・f03848)。ポゥリンを宿敵として定める、一人の猟兵である。
 ポゥリン自体は悪意を持って生まれた生物ではない、そのことは彼女自身が誰よりも理解している。
 これが村に近い平原での出現でなく、洞窟の中などもっと人里離れた場所であれば、いくらでもやりようがあったことだろう。
 オブリビオンとはいえ、害をなすことの少ない存在。しかしこの場に現れてしまった以上、何もしないというわけにはいかない。
 あきの姿を見て、ポゥリンが逃げようと身体を伸ばした時。
「そこです!」
 あきの指先が、伸びたポゥリンの身体を指し示す。その瞬間、天から降り注いだ光がポゥリンの身体を焼いた。
 光に焼かれ、穴が穿たれたポゥリンの身体。伸びていた身体は3分の2ほどが千切れ、本体から切り離された部分が崩れるように消滅していく。
 縮んだ後に、いくらか小さくなったポゥリンを見て、あきはそっと両手を胸の前で合わせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メリー・アールイー
捜索の手伝いをしなくて悪かったねと笑って頬を掻き、ポゥリンとご対面
ちなみにこの子は、何か悪い事をしたんかね
追っ払うだけじゃ、ダメなんかねぇ
しつけが出来れば何でも飼える世の中だったら、良かったんだけど、ね

【WIZ】
戦闘になれば真剣に戦うよ…ごめんね
『彩縫狩縫』を使って補助するように動きたいね

敵が伸びたり増えたりしそうだったら
黄色の糸を通したしつけ針で千鳥駆けをして、地面に縫い付けちまおうか
こいつは雷属性でね…ほら、糸がチリチリ鳥みたいに鳴いてるだろ
水っぽいあんたにはビリビリが効くんじゃないかい?

漬物石に困っていたら
水属性の青糸で、同じ場所を何度も波縫いするのはどうだい
雨垂れ石を穿つ…っていうだろ



縮んで動きを止めた瞬間、ポゥリンの後方からメリーが躍りかかった。
「しつけが出来れば何でも飼える世の中だったら、良かったんだけど、ね……ごめんね」
 小さく謝りながら、メリーの手に持つしつけ針に黄色の色が通される。
 刹那、ポゥリンの影に施される千鳥がけ。
 影の枠を縫い留めるように地面に施された黄色の糸が、ポゥリンの動きをしっかと縫い留めてみせた。
 加えて糸に施された雷属性がポゥリンの身体を痺れさせ、余計にその動きを止めていた。
「この子は、何か悪い事をしたんかね。追っ払うだけじゃ、ダメなんかねぇ」
 震えるポゥリンを見下ろすようにして、メリーの目がすぅと細められた。
 そう、何も悪いことはしていない。言うなればただそこにいただけだ。
 追い払うだけで事が済むのならそれでもよかっただろうが、ポゥリンも生き物。いつまた人里近くに出てくるかが分からない。
 怪鳥とは根本的に存在事由が異なる。それが、オブリビオン。
 その悲しい事実に、メリーはやるせなげに宙を見上げるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリサレナ・ハイヴァーン
POW
さあクーロ!今回はあんたが戦ってみなさい!
ドラゴンランスをポゥリン・ミニの前に【槍投げ】で突き刺してクーロに戻すわ

ポゥリン・ミニとの一騎打ちよ!頑張れクーロ!

一騎打ちを邪魔しようとする他のポゥリン・ミニは自動拳銃のクイックドロウでプチプチ潰すわ
【クイックドロウ、早業、スナイパー、優しさ】

クーロがポゥリン・ミニを倒したら思いっきり褒めて次のポゥリン・ミニに行くわ


本体?本体の方はまぁ……後で加勢するわよ。



メリーの糸に縫い留められ、逃げの手を封じられたポゥリン。
 その身体が小さく震え、三度ポゥリン・ミニを生み出してみせた。
 周辺の猟兵へと立ち向かっていくポゥリン・ミニ。そのうちの一体の前に、リリサレナのドラゴンランスが突き刺さった。
「さあクーロ!今回はあんたが戦ってみなさい!」
 その声とともに、ドラゴンの姿へと戻される槍。ポゥリン・ミニの前へとクーロの小さな身体が降り立った。
「くわー!」
 ぐわっと口を開いてポゥリン・ミニを威嚇してみせるクーロ。対するポゥリン・ミニは若干逃げ腰だ。
「一騎打ちよ!頑張れクーロ!」
 優勢になってしまえばこちらのものと、後退るポゥリン・ミニをべしべしと叩くクーロの周りに、仲間に加勢しようと他のポゥリン・ミニが近寄っていく。
 それらの「邪魔者」を、リリサレナは的確にクイックドロウで撃ち抜いていった。
「槍だけじゃないのよ、私は」
 そうこうするうちにポゥリン・ミニとクーロの一騎打ちも片がついたらしい。ポゥリン・ミニがいた場所に片足を置いて、胸を張るクーロは得意げだ。
「よーしよし、偉かったわねクーロ。さぁ次よ!」
 リリサレナはクーロを全力で褒めると、次のポゥリン・ミニへと向かって行くのだった。
 未だ動けない本体にチラリと視線を投げるが、まぁ、まだ動けないようだしそれはそれで。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリサレナ・ハイヴァーン
あら、もう本体死にかけじゃない。

一撃くらい入れておきたいわね、クーロおいで。

槍になったクーロを雷神槍でポゥリンに撃ち込むわ

最後は2人で行くわよクーロ!!!
【槍投げ、スナイパー、属性攻撃、串刺し、怪力】



だが、そんな動けない瀕死のポゥリンを見逃してあげるほど、リリサレナは聖人ではなかった。
「あら、もう本体死にかけじゃない。一撃くらい入れておきたいわね、クーロおいで」
「くわっ?」
 後についてくるクーロを呼び寄せると、ひょいっと抱き上げるリリサレナ。
 そのままクーロを槍の姿に変えると、ぐっと大きく半身に構えて槍投げの体勢を作った。
 握る槍が、リリサレナの身体が、雷の闘気を帯びてバチバチと空気の爆ぜる音を立てる。
「最後は2人で行くわよクーロ!!!雷神槍ッ!!!」
 槍の石突を指で押し込むようにして投じた槍が、電磁気の力で加速した。すなわち、レールガンの原理である。
 まさしく雷の速度でポゥリンに撃ち込まれた槍はその身体に大穴を穿つと、深々と地面に突き刺さったのである。
 しかし核を外したか、ポゥリンは未だその身体を霧散させずに震えている。
「あら、トドメは刺せなかったか。残念だわ」
 ため息をついてまなじりを下げるリリサレナだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アンシェ・ローム
出遅れましたわ!えーい、もうふっ飛ばしますわよ!

SPD
先手を取ってメイスでガンガン鎧砕きの要領で叩いてしまいましょう。
もし石みたいに固まってしまったら、ポゥリンに猫の毛づくろいをして、ポゥリンの摩擦抵抗を極力まで下げます。そこを蹴っ飛ばしてカーリングのように草原の彼方までふっ飛ばしてやりますわ!
生えてる大きな岩にでもぶつかれば流石に粉々になるかしら。
(あと、…ポゥリンって何味が気になりますし?)


テン・オクトー
空から見たときは気づかなかったけど、寄ってみると意外に大きくて、、可愛いかも。プルンプルン。
可愛いけどやはり状況見るに対峙したら強くて、草原に居続けられては脅威だよね。少し心苦しいけどここは心を鬼にして。ごめんなさい。

WIZ

武器フレイルをぶんぶん振り回して、タゲそらし的な効果をもたせつつ、伸びた液体スライムの伸びを誘発させます。面積が多くなったところでUC打ち込むよ。まだ倒れないならフレイルや衝撃波で粉砕しちゃいます。

他の方との絡み歓迎です。



リリサレナの槍から逃れて一塊になるも、既に満身創痍で力なく震えるポゥリンを前にして、テンとアンシェは未だ大きいその赤い塊を見上げた。
「空から見たときは気づかなかったけど、寄ってみると意外に大きくて……可愛いかも。プルンプルン」
 指でつつくと未だにその肌がプルンプルン。ボロボロになったポゥリンの表情はどことなく悲しげだ。
 その表情に絆されそうになってしまうが、テンはぷるぷると首を振る。
 なんだかんだ言って、ここまで猟兵の猛攻に晒されながらも生き残っているのだ。攻撃性能こそお察しだが、その耐久力には目を見張るものがある。
 やはりこいつは人々にとって脅威である。
「テンさん、ここは先手必勝!一緒に攻撃しますわよ!」
 アンシェが声をかけると、テンもその手にフレイルを握る。同時に呼び出されるケットシーの姿をした古代戦士の霊。三人で武器を振りかぶり、振り下ろした瞬間。

 カチーン!

 ポゥリンの身体がまるで漬物石のように硬くなった。
「あら?」
「あれ?」
 振り下ろした武器が硬質な音を立てて弾き返されて、二人は顔を見合わせた。古代戦士の霊は石みたいになったポゥリンをガッツガッツ叩いていた。
 こうなってしまえば攻撃は通らない。その代わりにポゥリンも攻撃できなくなるし、逃げることも出来なくなるが、当初から攻撃力なんて無いようなものなので、逃げられなくなったくらいだろう。
 と思ったが、既にメリーの糸のおかげで逃げの手も封じられていた。
 表面がつるつるした石の塊のようなポゥリンの表面を撫でて、アンシェは何かひらめいたらしい。
「そうだわ!戦士さん、お退きくださいませ!」
 古代戦士の霊を後方に下がらせると、アンシェはポゥリンの身体を一心不乱にペロペロと舐めまわし始めた。
「ア、アンシェ?どうしたの?」
「ちょっとお待ちくださいませ、もう少し……!」
 アンシェの突然の奇行に困惑するテンだったが、アンシェはポゥリンを舐めまわすことをやめない。そして全身を一頻り舐め終えたところで、ぽつりと一言。
「……ラズベリー味」
「えっ?」
「なっ、なんでもありませんことよ!さぁテン、私と一緒にこのポゥリンを、あちらの方角にふっ飛ばすのですわ」
 アンシェが指さしたのは草原の一方向、視界の先に大きな岩が突き出しているのが見える。事態をよく理解できないままに、テンがフレイルを構える。
「行きますわよ、1、2の、3!」
 アンシェのメイスと、テンのフレイルが、ポゥリンの側面にぶつかった。すると、先程までは攻撃を跳ね返すだけだったポゥリンの身体が、猛スピードで草原の上を滑っていくではないか。
 同時に小さく、影を縫い留めていた糸が千切れるブチブチという音も聞こえる。
「アンシェ、さっき舐めていたのは……【猫の毛づくろい】?」
「そうですわ。私達の攻撃が通らないというのなら、遥か彼方まで吹っ飛ばしてしまえばよいのです。その道中で岩にぶつかって砕けてしまうなら結果オーライですわ」
 そうして話す合間に、遠方から硬いもの同士が激突した轟音が響き渡った。戦闘音に平気な顔をしていた怪鳥たちが、俄かに色めき立つ。
 遠くの方で、哀れなポゥリンは高速で滑った果てに岩と派手に激突し、その身体を粉々に砕かれながら消滅していったのだった。

「さぁ、ポゥリンは片付いたことですし、怪鳥さんと遊びますわよー!」
 アンシェの元気の良い声が、草原に、青空に響いていった。
 その後も猟兵たちは日が暮れるまで怪鳥と遊び、戯れ、平和な一時を満喫するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月01日
宿敵 『ポゥリン』 を撃破!


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は小宮・あきです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト