バトルオブフラワーズ⑬〜自由のために
●バトルオブフラワーズ
あらあら、もうみんなぶっ殺されたですわの?
そういいながら、ドン・フリーダムはまあええやろ、切り替えていこですわと、惑星全域同時放送システムを立ち上げた。
惑星に住む次世代人類の皆様、そして猟兵の皆様、はじめましてですわ。
このわたくしが、かつてシステム・フラワーズを作り上げたちょうてんさい、『ドン・フリーダム』でございますわ。ちょうてんさいは、「物凄くかしこい」と「物凄く迷惑」のダブルミーニングですの。
でも、迷惑なんて失礼しちゃいますわ。わたくしはただ、システム・フラワーズを『修理』しているだけなのですのに。
そう、皆様がご利用中のコンコンコンは、完全なコンコンコンではないのです。本当のコンコンコンは、コンコンコンすれば望むものが何でもコンコンコンされる。コンコンコンとはそうあるべきではないですか?
不本意ながらドラゴンテイマーの手を借りてはいますが、修理はもうすぐ終わります。できれば完成を楽しみにお待ちいただきたいのですけど、いかがでございますか?
我慢しなくていいのですよ。欲望は止めなくていいのです。
オール・フォー・フリーダム! 自由こそが、この世の全てなのです!
放送をきって――ドン・フリーダムは修理を続ける。あともう少し。
もう少し。猟兵達が来る、その前に終わらせるべく。
●予知
いよいよ、最後。
ボスであるドン・フリーダムのもとへ辿り着いたのですと華切・ウカ(空鋏・f07517)は紡いだ。
戦いの場所はシステム・フラワーズの中枢。そこにいるドン・フリーダムを倒してきて欲しいのだとウカは続けた。
「相手は今までの幹部よりもさらに強い相手、皆様覚悟をもって、よろしくお願いします」
敵は――今までの幹部の持ちうる技を使ってくる。
つまり『ラビットバニー』『ウインドゼファー』『エイプモンキー』だ。
それぞれの戦い方を思い起こせば、どう対すると崩しやすいか。はたまた相手をするに難しいかがおのずと見えてくる。
「ウインドゼファーと対した時のように戦うと、なかなか厳しいかと。エイプモンキー相手も……ラビットバニーの時のように戦うのはとても崩しやすいと思います!」
それぞれ戦い方などもあるでしょうから、どうぞそれぞれお好きにとウカは言う。
そしてお送りしますのでどうか、よろしくお願いしますと猟兵達へと託すのだった。
志羽
御目通しありがとうございます、志羽です。
締め切りなどについてはマスターページの【簡易連絡】にてお知らせします。
プレイングが送れる限りは送って頂いて大丈夫ですが、全員描写するとは限りません。
●シナリオについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「バトルオブフラワーズ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●ルール
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
SPD:風で足場を崩してきます。
WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。 その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。
これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。
また、技能だけを使うのではなく、こういう攻撃なので、こういう風に見切って動く、などと具体的にお願いします。数値によっての判定も行いますので、技能が高いほどプラス判定となります。
ただ見切る、だけでは攻撃をくらいます。そういう、相手です。
(たとえば「右からの斬撃を、腕を盾代わりに。失う事覚悟の上で踏み込み拳を叩き込む」などです。)
以上です。
ご参加お待ちしております。
第1章 ボス戦
『ドン・フリーダム』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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トリテレイア・ゼロナイン
際限無しの自由…その結果が旧人類の滅亡なら看過できません。次世代人類への危険を取り除く為、騎士として貴女を討たせていただきます
接近しつつ、キャノンの銃口の角度から着弾点を●見切りつつ、スラスターを吹かしての左右への●スライディングで回避
十分に接近、もしくは限界と判断したら、●盾受けと●武器受けを駆使して戦闘不能を防ぐため重要部位を●かばいつつ防御
着弾と同時に●防具改造で仕込んでいた●破壊工作を起動
見た目は派手な爆発と煙で●目潰ししつつ、倒したと誤認
その煙の中で自動●操縦で呼び寄せた機械馬とUCで合体
「煙の中から強化形態で飛び出し」バリアを解除
●怪力での●だまし討ちランスチャージを仕掛けます
トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は今、ドン・フリーダムと向き合っていた。
「際限無しの自由……その結果が旧人類の滅亡なら看過できません。次世代人類への危険を取り除く為、騎士として貴女を討たせていただきます」
攻撃仕掛けるべく動く。
それより速く、ドン・フリーダムは己の前に絶対無敵バリアを展開する。
そして、足元には赤べこキャノン。
「それでは攻撃力をあげていこ、ですわ」
放たれる赤べこキャノン。その銃口の角度からトリテレイアは着弾点を見切ろうとする。
だが次々放たれればスラスターふかし左右へとスライディングで回避しても追い込まれていく。
それならと接敵すべく動くが――ドン・フリーダムには攻撃は届かない。
絶対無敵バリアがあるからだ。
「エモいものが無ければ、絶対無敵ですのよ!」
何が、エモいのか。
トリテレイアの行動の何が、そうなのかがドン・フリーダムにはわからないのだ。
騎士が、エモいのか。いやそれだけでは足りないのだろう。
騎士が戦うのが、エモいのか。ぼろぼろになりながら戦うのが、エモいのか。
「エモいかどうかガバのガバですけれど、何がそうなのかわからないのです」
わたくしにはただ向かってきただけのひとり、そのようにしかですのよと笑って、赤べこキャノンの弾丸がトリテレイアに降り注ぐ。
その中から機械馬と合体、損傷修復し人馬一体形態となって突撃しようとも絶対無敵バリアは崩れない。
トリテレイアの攻撃はバリアに阻まれ、そして募る攻撃に倒れるのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
オル・クブナス
ラビットバニーとの闘いにて教わりました。死力を尽くして闘うことこそ『エモ』につながるのだと
攻撃はできる限り液体の身体で受け流し、残りは…【気合い】で耐えることにいたしましょうか。瀕死になることは織り込み済みです。生半可な【覚悟】ではエモいと思わせることは不可能でしょうし、それこそが目的でもありますのでね。
自身に注意を引き付ける【援護射撃】に紛れさせて、本命のユーベルコード、戦場の亡霊による私の陰からの不意打ちの攻撃をしかけます。
貴方との戦いには紳士さは必要ありません。
紳士的な戦いがしたければ、まずは服を着てからにして貰えませんと。
「次はあなたですの?」
別にそれはなんてことないというように――裸身の花纏う女、ドン・フリーダムは紡いだ。
次に戦場へと降り立ったのはオル・クブナス(殴られ屋・f00691)だ。
ドン・フリーダムはどう戦ってくれるのですかしらと、楽し気に問うてきた。それにオルは紳士的に答える。
「ラビットバニーとの闘いにて教わりました」
「ラビットバニーから? 何をですわの?」
「死力を尽くして闘うことこそ『エモ』につながるのだと」
だから、それをお見せしましょうとオルは言う。そしてドン・フリーダムも――、見せてみると良いのですわと受けて、立った。
絶対無敵バリアが展開され赤べこキャノンが生み出される。
オルは出来る限り液体の身体でその砲弾を受け流す。けれどもちろん、全てがそうできるわけではなく身を砕かれていく。
それは、気合で耐えるだけ。
瀕死になることは――織り込み済み。生半可な覚悟ではここにいない。
そうでなければ『エモい』と思わせることはできないとオルは思っていた。
そしてそう思わせることが目的であるのだ。
ふるりと、黒いタールの身体をふるふると震わせて、それでもなお――向かっていこうとする。
「必死! 勝てないわたくしに、向かってくるなんて」
それは、とても――言葉にできぬけれど心の中に生まれるものは御し難い。
「エモ……! あっ」
そう、言葉にしたと同じく絶対無敵バリアが砕け散った。
その瞬間、今ですとオルは己が瀕死になることにより招かれる、戦場の亡霊を向かわせる。
「貴方との戦いには紳士さは必要ありません」
紳士的な戦いがしたければ、まずは服を着てからにして貰えませんと――そう、オルは紡ぐ。
しかしオルもまた瀕死。召喚した兵士が一撃をドン・フリーダムにいれると同時に姿を消した。それは召喚したオルの意識が途絶えたからだった。
成功
🔵🔵🔴
尭海・有珠
身なりまでフリーダムとは思わなんだ
死角からなら
目の届かない背面、頭上、目の届きにくい側面からと仮定
となれば周囲を目視で警戒するなら、頭上か足下からの攻撃の可能性が高かろう
後頭部と首は杖でさりげなくガードしておき
剣は攻撃を逸らす為のものとして手に持つ
音、光、風の流れにも注意を払い警戒
足下に影が映れば頭上に敵だろうし、大きく一歩前に飛べば
背後からでも致命傷だけは免れるよう
敵の攻撃後
高熱・高密度の雷の剥片の戯で反撃
それ迄の対峙で動きを捉えられそうなら一極集中
逃す可能性がありそうなら適度に範囲カバーできるよう薄刃を展開
お前、何の手を借りてるのか分かっちゃいないだろ
欲望のみの世界なんて地獄と変わんないさ
「服? 着ない自由もありますですのよ」
先程の戦い、向けられた言葉へとドン・フリーダムは独り言ちる。
それをこの場に送られると同時に耳にした尭海・有珠(殲蒼・f06286)は海を映した青の瞳に呆れの色を浮かべ、思わず零していた。
「身なりまでフリーダムとは思わなんだ」
着ない自由と先程言っていたか。ドン・フリーダムは笑って、次はあなたのお相手を紡ぐ。
有珠も話は聞いてきた。死角からくる攻撃。
それは目の届かない背面、頭上、目の届きにくい側面からくると仮定する。
となれば周囲を目視で警戒することとなる。
頭上か、足下か。
どちらかの可能性が高かろうと有珠は予想する。
後頭部と首は、杖でさりげなくガードする。その杖――『海』の宝珠を抱く真鍮色の蔓茨と、零れ、流れ落ちた青のそれに仕込まれた件を今は抜き放った。
その切っ先は攻撃するためではなく、攻撃を逸らすために。
「準備できまして? では、いきますのよ」
そう言ったが早いか、ひゅっと風がなびく気配に有珠は反応する。
自分の頭上に影はない。周囲見回す、己の真後ろに感じた気配。
大きく、前に一歩踏み込みながら身を伏せれば
光線が放たれる。
動きに遅れてついてきた黒髪の一端が持っていかれた。
通り抜けていった光線は、たどり着いた先、その地面を焦がして、そして溶かしていく。
「まともに喰らったら穴が開くな」
そして致命傷にも、きっとなるだろう。それだけは免れようと気を付けつつ、走る。
「来たれ、世界の滴。群れよ、奔れ――『剥片の戯』」
高熱・高密度の雷の剥片を有珠は巡らせる。
動きは取られられるだろうかと、ドン・フリーダムを狙って有珠は放った。
その薄刃はかわすべく動くドン・フリーダムを負う。そしてその足元、蓮台をひとひらが捉えて、次々と突き刺さる。
「お前、何の手を借りてるのか分かっちゃいないだろ」
そう言っても、ドン・フリーダムは理解できない。そもそも理解など、する気がないのだろう。
自由にふるまう己が正しい。皆自由に、我慢なんてせず欲望は止めなくて良いとドン・フリーダムは思っている。
けれど――有珠は思う。そして、言葉にする。
「欲望のみの世界なんて地獄と変わんないさ」
と、蓮台にぴしりとひびが入って、ドン・フリーダムはそれより降りた。有珠の攻撃により壊されもう使い物にはならず動きを止め地に落ちる。
「コンコンしても、それはまだでてこないだろう?」
「そうですわね。しばらく歩いてみるのも、まぁええやろ、ですのよ」
地に足を付けてドン・フリーダムはお返しですわと静かに、紡いだ。
一瞬の事だ。有珠へ向けられる攻撃は死角より幾つも重なる。己の剣先で反らしても限界があった。
その身はやがて光線に貫かれ、有珠は膝をつく。
一つで足りぬならいくつでも、作れますのよと笑う声色を聞きながら強制送還の光に包まれるのだった。
成功
🔵🔵🔴
ジナ・ラクスパー
よくわからないのですが
私が盾となることもエモ…?になると
言ってくださった方を信じます…!
一撃への覚悟なら今更
エンハンスで防御強化、盾と槍で固め仲間の皆様の前へ
…思い出す銃撃より威力も質量も重そうだから
槍の旋回で砲身を弾き、自重で体勢崩す一瞬を逃さず突き入る
その間に砲口が巡るなら
狩人の反撃を思い出し、渾身の蹴り
撃たれても焼かれても立てる限り離れない
雨花で熱を雪ぐ
貴女の語る自由は欲張りな私には足りません
前に立って戦うこと、知らない世界を開くこと
気になる背に呼びかけ、手を伸ばすこと
いつも足りない一歩に勇気を奮う
そうして踏み出したから楽しいのです
その幸せだけはきっと、誰の手も差し出せないもの
自分以外は
猟兵達が訪れる。相手をするのは楽しいようで、しかし面倒でもある。
それにても、とドン・フリーダムは零した。絶対無敵バリア、強いのにエモに弱いのだけはいただけはしませんのですと。
そこへ姿現したジナ・ラクスパー(空色・f13458)は槍と盾で、そして己の魔力をもって守りを固め、走りこむ。
だが、すでに絶対無敵バリアが生み出され、攻撃は通らない。けれどそれを破る術はもう知っている。
「よくわからないのですが、私が盾となることもエモ……? になると言ってくださった方を信じます……!」
「それもエモなのですわの? エモ……」
可憐な見た目の少女――盾となる。
今も、赤べこからの砲撃を吹き飛ばされながらも青き硝子の花盾で受け流し、そして藍水晶の槍先で絶対無敵と言われるバリアへと挑みつつ、仲間の壁となる。
「……思い出す銃撃より威力も質量も重そうだから」
先日の戦い、その時の事を思い出す。
銃を持った敵との戦いは――今、ジナの糧となっていた。
そしてドン・フリーダムはうっかり想像してしまった。
あの少女が己の前に立ち、己を守る幹部であったなら――エモ。なるほどそれも、エモ。
はったばかりの絶対無敵バリアが砕け散る。
「もう、わたくしのエモも、ガバすぎでは?」
仕方ありませんと赤べこキャノンの砲弾が走りこむジナへと向く。
ジナはその攻撃の間を縫ってキャンの傍へと走り込み、止まった。
くるりと身を回すその勢いをも槍の旋回へと載せて砲身を弾き上げる。
ドン・フリーダムは弾かれた瞬間、その重みで態勢を崩していた。
「わたくし、ただコンコンコンがコンコンコンを全うにコンコンコンできるように修理しているだけですのに」
「貴女の語る自由は欲張りな私には足りません」
前に立って戦うこと、知らない世界を開くこと。気になる背に呼びかけ、手を伸ばすこと――それはジナが今まで紡いできたことだ。
いつも足りない一歩に勇気を奮って、踏み出したからこそ楽しい。
その幸せだけはきっと、誰の手も差し出せないもの――自分以外は、と。
これからも、この手を伸ばすために在りたい。
だからここで負けるわけにはいかないのだとジナは水弾を放つ。
その水弾はドン・フリーダムに命中し、彼女をびしょ濡れに、そして眠りに誘う青い花の雨を降らせる。
しかしその雨に惑わされることなく、ドン・フリーダムはあなたこそお眠りなさいと、キャノンを再び向ける。
近い距離、放たれた衝撃もまた大きく、ジナも強制送還の光に包まれるのだった。
成功
🔵🔵🔴
ルカ・ウェンズ
足場を壊されるから空中戦を仕掛けるわ。
【行動】足場を壊されるから【空中戦】を仕掛け【残像】を使い敵を惑わしUCを使って自分の力を底上げして敵の攻撃に当たっても耐えられるように【オーラ防御】で身を守り敵の攻撃をかわしながら【怪力】に任せた武器を使っての【2回攻撃】で敵の首を切り落とすのを狙い反撃するわ。
そしてチャンスがあれば敵に組み付いて同じように怪力に任せて柄頭や拳で頭を攻撃、それでも生きていたら潰せるような攻撃をひたすらするわよ。
【心情】人型だけど頭や心臓を潰しても平気なオブリビオンも割といるから油断せずに戦わないと。
ルカ・ウェンズ(風変わりな仕事人・f03582)はドン・フリーダムが次の相手がきましたですわのと零しながら、己の身より水の気配を振り払っていた。
彼女の使うユーべルコードは聞いてきた。己に向けられるものはウインドゼファーの風の力。
(「人型だけど頭や心臓を潰しても平気なオブリビオンも割といるから油断せずに戦わないと……」)
そう思う間にゆるやかに、ドン・フリーダムはころころと可愛らしい声で歌うように――紡ぐ。
「ふふふー、わたくしはちょうてんさい」
ちょうてんさいに向かってくるなんて、怖いもの知らずでございますわね。それはそれで面白いというようにゆるりとその手は動く。
ひゅうと巻き上がる暴風はその場を覆いつくし、ルカを襲った。
この暴風、身を乾かすのにも良いのでは、と余裕を見せているドン・フリーダム。
暴風が走ると足場は崩る。それを見越していたルカは空中戦を仕掛けるために飛びかかる。残像を残しそこにいたように。
けれど、だ。
「残像ですわの? まぁ、全部吹き飛ばしてしまえば問題ありません」
手は届きませんですのと軽やかにドン・フリーダムは紡ぐ。
その身の持ちうる技能を底上げしても、だ。
荒れる暴風に対して空をとれば吹き飛ばされる。何かしら、己の身を地上に繋ぐものがあれば、もしくはどのように空中戦を挑むのか考えていればまた違ったのかもしれないが距離を詰めることができなければ――いかに守りを、その力を増したとしても攻撃は届きはしない。
「さよなら、さよなら」
どうぞお帰りくださいなのですと笑うドン・フリーダム。ルカの視界よりその姿は遠のいたのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
アストリーゼ・レギンレイヴ
《漆黒の夜》を纏いて前へ
傷を受けるたび強くなる相手を前にして
敵はどうするか――と考えれば
反撃の間もなく一瞬で勝負を決める、かしら
あたしなら、きっとそうするわ
故にすべきことは唯一つ
全神経を集中させて相手の初撃を見切り
それに自ら飛び込む形で肉薄
耐え抜いて、カウンターで一撃を叩き込むわ
攻撃が飛んでくる方向に、必ず相手がいる筈だから
武器を前方へ構えて受け
暗黒の闘気を前面へ押し出して軽減し
きっとそれでも、死んだほうがマシなほど痛いでしょう
だけれど足は止めない、怯みもしない
痛みには慣れているし
必ず一矢を報いると、その覚悟でここに立っているのだから
――自由とは自らで手にするもの
お前に与えられるものではないわ
「次から次へと飽きもしませんことですわね」
それでも、わたくしはやめぬのですがとドン・フリーダムは修理を再開しようとした。
けれどそれが出来ぬことを佐鳥、そしてお次はどんな方ですのと視線を向ける。
その様子を静かに見つめつつ、アストリーゼ・レギンレイヴ(闇よりなお黒き夜・f00658)は考えていた。
敵は、どうするかと。傷を受けるたび強くなる相手を前にして、とる行動はどのようなものだろうかと。
「反撃の間もなく一瞬で勝負を決める、かしら」
あたしなら、きっとそうするわと小さく、零す。
「なにか言いましたかしらん? どんなに仕掛けても無駄なのですわよ」
それでもかかってくるならどうぞとドン・フリーダムはひらひらと舞う花弁を纏うて躍らせる。
すべきことは唯一つと、アストリーゼは定めた。
全神経を集中させて相手の初撃を見切る。
自ら飛び込む形で肉薄し、耐え抜いて――一撃をカウンターで叩きこむ。
攻撃が飛んでくる方向に、必ず相手がいる筈とふんで。
むかっていらっしゃいと紡ぐドン・フリーダムへとアストリーゼは走った。
夜闇の如き暗黒の闘気を纏い、己の力を底上げするために。
だがそれと同時に、いやそれよりも少し早くアストリーゼの死角から攻撃が入る。
攻撃が来ることはわかっていた。咄嗟にか、反射的にか。アストリーゼの身体は動く。
月闇、身の丈ほどもある禍々しい大剣でその弾丸を反らしたものの、それのもつ勢いまでは殺せない。
反らす、けれど受けた勢いは衝撃となって体の内を蹂躙していく。
重い、痛い。息をのみ、死んだほうがマシと思うほどの痛みを耐える。
けれど――足は、止めない。
怯みもしないとアストリーゼの血の深紅と月の黄金は向けられている。
初撃を堪えた、その痛みは今アストリーゼの力になっていた。
夜闇の如き暗黒の闘気はその身を包み込むように猛り、アストリーゼは一足、その懐へと飛び込んだ。
「――自由とは自らで手にするもの。お前に与えられるものではないわ」
振り払う、その一刀がドン・フリーダムの肌の上を走る。
けれど、その一撃を入れるのがやっとだ。
アストリーゼが受けていた攻撃は思いの外深い。己の全て載せた攻撃は届いたが故に、そこで意識は落ちる。
成功
🔵🔵🔴
依世・凪波
野生の勘を研ぎ澄まし発射タイミングを狙い
全力の逃げ足で足場をジャンプし花の淵に鉤縄を掛け
ロープワークで裏側へ滑り込むように回避
▼エモ
一緒に暮らしてる仔竜自慢!
稲荷は竜だけど人の言葉がわかって賢いし
俺を心配して世話まで焼いてくれる優しい奴で
すっごく可愛いんだっ!
おいで稲荷!【竜の威借】で仔竜を呼び出し
小さな姿で飛ぶ可愛さアピール
バリア解除後
足元へ鉤縄、予備ダガーを左右でタイミングをずらし投擲し
フェイントをかけて動きが止まる一瞬のタイミングを野生の勘で見切り
イクシオンで低空から視界に入り難い脇を狙う
命中したら吹き飛ばされるのを覚悟で
自分の体を盾にして稲荷の姿を隠して視界を盗み攻撃
稲荷、いっけぇ~!
ドン・フリーダムは吐息零す。
次々と現れる猟兵たちは簡単にあしらえるほど、易くはないと――察し始めたからだ。
「こまりましたですのよ。自分で相手をするのも楽ではないのですわね」
そしてまた、もう一人。
依世・凪波(元気溌剌子狐・f14773)はこの地に降り立って、己の野生の勘を研ぎ澄ます。
攻撃しに来る気配に、ドン・フリーダムは絶対無敵バリアを展開した。
そして生み出したキャノン抱え、凪波へと放つ。
発射のタイミングを、凪波は捉えた。全力の逃げ足で足場をジャンプする。これでは少し、足りない。命中する、というところを補ったのは鉤縄だった。
花の淵に鍵縄を掛け、ロープワークで裏側へ滑り込むように回避する。
「あら、やりますですのね」
では、と連続でドン・フリーダムはキャノンを放とうとした。
けれど先に凪波が動く。
あの絶対無敵バリアを破るには――エモが必要。
凪波のエモは、一緒に暮らしている仔竜だ。
「稲荷は竜だけど人の言葉がわかって賢いし、俺を心配して世話まで焼いてくれる優しい奴で――すっごく可愛いんだっ!」
「いなり? かわいい?」
突然、何をと首を傾げるドン・フリーダム。
その攻撃が止まった時、凪波はしゅっとダガーを放った。それはかつんと、絶対無敵バリアに跳ね返る。
「そんな攻撃もちろん届きませんですのよ」
「おいで稲荷!」
ふふん、としているドン・フリーダム。けれど攻撃の為ではない。先程のものは凪波が稲荷を召喚するためのもの。
小さな翼をぱたぱたさせて稲荷はくるりと回る。
稲荷は凪波の傍にきて、ドン・フリーダムへと視線むけるとこてんと首を傾げて見せた。
そして凪波は稲荷の両脇抱えて、ドン・フリーダムへとずずいと突き出すように見せる。
「どうだ、可愛いだろっ!」
「これは……どちらも可愛いのですわっ」
どちらも――稲荷も可愛い。そしてその稲荷の可愛さをアピールする凪波も、可愛い。
絶対無敵バリアが、解除される。
稲荷はわかるけど俺? と思いつつもそれを問う間はない。
凪波は足元へと、鉤縄と予備ダガーを左右でタイミングずらして投擲する。
いくら悶えていてもドン・フリーダムは強者だ。
その攻撃をぱぱっと避けてしまう。凪波はそれでも、一瞬のタイミングを見切って低空から視界に入り難い脇を狙って十字のダガーを投擲した。
それはドン・フリーダムの柔肌の上を傷つけて、赤い滴を飛ばす。
ドン・フリーダムはその傷と引き換えに、キャノンの砲弾を放った。
凪波はその砲弾から稲荷を、自分の身体を盾にして守り隠す。その衝撃は大きい。意識は、薄れそうだ。
「稲荷、いっけぇ~!」
けれど最後の気力を振り絞って、稲荷を放った。
先程のキャノンで、凪波を倒したと思っていたドン・フリーダムは油断していた。稲荷が体当たりをかけ、相応の衝撃を受けてふらつく。
その姿を目にし、凪波の意識は途切れた。
成功
🔵🔵🔴
華折・黒羽
綾華(f01194)さんと
…はい?
いったい何を…、っ!?
唐突に気付けば抱きしめられている事に思考は停止
は?何してんだこの人?
と思考巡るも口は動かず
事の内容を飲み込んでいくその間と
無茶を吹っ掛けられた憤りと困惑で震える手は
都合よく兄弟の再会と見られるだろうか
敵を倒す為と繰返し念じ
絞り出す震える声
片手のみで服を強く握る
……、…っ兄、さん
行けと合図が届いた途端
言葉無く勢いのまま身体を離し
敵へ駆ける
屠を構え
第六感で避け怪力でいなし
致命傷負わぬ様敢えて攻撃を受ける
全ては届かせる屠の一手の為
援護を受けながら敵のみを捉え
浮かぶ表情は見事な真顔を被った「キレ顔」
──茶番に巻き込んだ罪、その身で贖え
アドリブ歓迎
浮世・綾華
華折(f10471)と
おい黒羽、絶対に合わせろよ?
お前がえもを教えろって言ったんだからな
(そして突然生き別れの兄弟を熱演)
黒羽…?
本当に黒羽なんだな
ぎゅっと抱きしめ
あの時――助けられなかったと思って
ずっと後悔してたんだ
生きててくれて、良かった――
(兄さん…!笑いこらえて肩を震わせる
多分泣いてるようにみえる)
バリアが解除されれば行けと囁き
足場対策には絡繰ル指で鳥籠を複製
いくつかを固めて飛び乗り念力で操作し早業で急上昇
必要なら黒羽の方にも展開
彼が敵へと向かう踏み台となるように操る
花びら自体は範囲攻撃で拡大し
炎の属性攻撃を更に付与した鬼火で相殺を図る
おーこっわ
罪、そこ?とへらり笑って
アドリブ歓迎
ああもう、いやになりますですのと己の身を払う。
ドン・フリーダムの前に次に浮世・綾華(美しき晴天・f01194)は華折・黒羽(掬折・f10471)と共に降り立った。
「おい黒羽、絶対に合わせろよ? お前がえもを教えろって言ったんだからな」
意味ありげな、そんな表情浮かべて綾華は言う。黒羽は合わせろよ、という言葉に何を、と思いつつも素直に頷いた。
「また現れ――んん?」
二人の姿にドン・フリーダムも視線を向ける。そして戦おうと――したのだが。
「黒羽……? 本当に黒羽なんだな」
何かが始まっていた。
本能的に絶対無敵バリアと、赤べこキャノンを構えた矢先のことだ。
思わずドン・フリーダムもその動きを止めてしまう。
綾華は黒羽のほうへ一歩、歩みよった。
「……はい? いったい何を……、っ!?」
そして手を伸ばしぎゅっと、綾華は黒羽を抱きしめた。黒羽は突然のことに身動きが取れないままだ。
「あの時――助けられなかったと思ってずっと後悔してたんだ」
声音はかすれている。
「生きててくれて、良かった――」
唐突に抱きしめられ、黒羽の思考は巡る――は? 何してんだこの人?
けれど、口は動かず、先程の事を思い出す。
合わせろよ、えもを教える。
どうしてこんな行動をと、事の内容を飲み込んでいくその間に。
けれど動かなければと、軋むように腕が動く。無茶を吹っ掛けられた憤り、それから困惑。
抱きしめられたのなら抱きしめ返すべきか――いやでも、何故、えも。何してるんだろう。
いやこれは敵を倒すため、倒すためと黒羽は心の中で繰り返し念じる。
念じてやっと動いたのは、片手のみだ。綾華の服をきゅっと、強く握る。
「……、…っ兄、さん」
そして黒羽が絞り出した声は震えていた。
(「兄さん
……!」)
やばい、笑う。堪えろ、がんばれ俺。
そんな気持ちで綾華は笑い堪えて方を震わせている。
その表情はドン・フリーダムには決して見えていない。
けれど黒羽はわかっている。笑いをこらえていることを。じっとりとした視線を突き刺せば、一層その肩の震えは大きくなる。
そんな、二人の実情はなんのその。ドン・フリーダムに通じれば、良いのだ。
「なに? なんですの? 会いたかった? 兄さん?」
もしかしてもしかして。
この雰囲気はとドン・フリーダムは頬に手をあてて。
「この、わたくしという強敵との戦いの場で兄弟の再会ですの? それは運命の再会というのですわの。ちょうてんさいのわたくしですから、はわかりますわわかりますわ、これは、エモ……!」
と、一息で言い切ると同時に絶対無敵バリアが音をたてて砕けた。
「わかってましたですけれど! やはりガバ……いえこれはガバではなくまぎれもなくですわの」
その、バリアが壊れると同時に――行け、と綾華は囁いた。
その声に言葉なく、勢いのまま身体を離し黒羽は敵へと駆ける。
宿主に依存し共存する黒剣、屠をその手にただ真っすぐかけた。
ドン・フリーダムが放ったキャノン。それを黒羽は避けない。
いや、致命傷は避けはする。その怪力で攻撃をいなすが砲弾の衝撃はやはり大きい。
「っ!」
いなした瞬間、身体に走る鈍重さがそのすべてを物語っていた。その風圧は風の刃をも生んで身に傷を生んでいく。
けれど――それは攻撃を届かせるための、屠の一手のため。
黒羽がその場から離れると共に綾華は鳥籠を手にする。そしてそれをいくつか複製し、次を見越して固めて足場とした。
「黒羽!」
戦いの最中、周囲の足場は崩されているところもある。
そこを鳥籠をもって足場を作り、綾華は踏み台を作り動かした。それに一足、黒羽は飛び乗り急上昇。
「もう少し余韻にひたりたかったところですのに。倒れる時は兄弟そろってもまたエモエモですのよ」
と、ドン・フリーダムは暴風をまき散らす。
その暴風全てを――防ぎきるのは無理だろう。けれど己の前にはそれで充分。鬼火のその力を一層増して、綾華は相殺する。
だが相手も格上、それを全ては殺し切れずその場に膝をつく。
でもここにいるのはひとりではない。
黒羽がいる、と綾華はそちらへ視線投げた。暴風の直撃避けた黒羽はすでにドン・フリーダムへと詰め寄っていた。
その表情はいつもと変わらぬ、真顔。けれどそう見えるだけで、内心は煮えくりたつ憤怒を抱えている。
あんな――ことを、させてとキレているのだ。
「──茶番に巻き込んだ罪、その身で贖え」
「おーこっわ。罪、そこ?」
へらりと綾華は笑う。
黒羽の血をもってその姿を完全へと近づけた『屠』がドン・フリーダムの身を喰らうように、切り裂く。
確実に、ダメージは募っていたのだろう。
ドン・フリーダムの身の上を斜めに、裂傷が走った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
エリス・ガーデナー
敵の攻撃見ては怯み
「果てる前に、生まれ故郷が見たかったわ…」
手掛かりは1枚のハンカチ
その不格好な刺繍の紋様…と相手にひらり
「これを胸に抱いて逝けたら、魂は故郷に導かれるかしら…」
ハンカチで涙拭い、悲壮な決意
「パパ、ママ…アタシの格好良い姿、見ていて!」
このエモ演技でバリア破り
「これはアタシの刺繍よ!」
可憐、故にアタシあり!嘘泣きも可憐な嗜み!
『可憐なる息吹』!
ダッシュで真っ直ぐ突撃…そして槍投げ!
槍を赤べこキャノンへの囮兼盾に使い、自身は高く飛翔。
捨て身で脳天蹴り下ろし、2戟目は仮面を全力薙ぎキック!
「アンタも素顔で可憐に笑ってみせなさい!」
最期
顔を隠して逝きたいなら、ハンカチで隠してあげるわ
「っ! わたくしの、この身に……!」
その声は――怒気を孕んで。けれどすぐに、いけませんいけませんわとドン・フリーダムは己を鎮める。
「……あら? また新たなお客さんですわね」
その声にエリス・ガーデナー(不器用なニンギョウ・f01337)は怯んだ様子を見せる。
ドン・フリーダムはそれでも何かを感じ絶対無敵バリアとキャノンを構えていた。
その砲撃を受け、エリスは転がるように避けて――その手にハンカチを一枚。
「果てる前に、生まれ故郷が見たかったわ……」
この不格好な刺繍……とドン・フリーダムにひらりと見せる。
「これを胸に抱いて逝けたら、魂は故郷に導かれるかしら……」
ハンカチできらりと零れ落ちた涙をぬぐい、エリスは悲壮な決意を胸に抱く。
「パパ、ママ……アタシの格好良い姿、見ていて!」
ふらりと立ち上がり、エリスは構える。柱のように剛直な白銀色の円錐型ランスを。
「いやですわいやですの、生き別れ兄弟の次は悲壮な決意で強敵に挑む娘……!」
エモ……! とドン・フリーダムが零せば絶対無敵バリアは破られた。
その瞬間、エリスは走りこむ。
「これはアタシの刺繍よ!」
「そうですの!? 親からもらったみたいなそぶりしてましたのに」
八つ当たりのように放たれるキャノン。エリスはふわりと、ほのかに甘い香りで己を覆う。
「アタシは、可愛くなればなる程、強く速く、世界を駆ける!」
その香りと、エリス自身の、己のプリティーさに対する絶対的な自信は彼女の戦闘力を強化する。
可憐、故にアタシあり! 嘘泣きも可憐な嗜み!
エリスの心はぶれない。揺らがないからこそ――強いのだ。
走りこんでの突撃。そして、その手に持った槍を、ドン・フリーダムへと投げ放つ。
その槍で狙ったのはキャノン。そしてエリス自身は高く飛翔する。
「喰らいなさい!」
捨て身で脳天を蹴り下ろす。そして地に足付けると同時に、全力で薙ぎ払う蹴りをその、仮面へと放った。
「アンタも素顔で可憐に笑ってみせなさい!」
頭が、揺れる。
ドン・フリーダムはよたたとその態勢を崩すのだがまだそこに、立っていた。
「顔を隠して逝きたいなら、ハンカチで隠してあげるわ」
挑発するように紡げば、ドン・フリーダムはその必要はありませんのよという。
だってこの仮面を砕かせる気なんてありませんものと繰り出す攻撃。
お返しというように振り払われた足がエリスの身を捉えて吹き飛ばした。
成功
🔵🔵🔴
ヴィクトル・サリヴァン
…この世界の根本作ったのがこのふりーだむさかー…
異人もとい偉人なんだろうけど何だろう認めたくない感じ。
俺はこの世界が好きだよ。
リゾートでない海がなくとも十分イカしたこの世界が。
何より――どこかで友が頑張ってる。
それを守る為なら不慣れな陸地でも足を踏ん張って頑張るしかないと思うんだけど。
自由な世界で不自由を負ってでも何かを成したい在り方はどうかなー。エモ基準的に。
できれば他の猟兵と連携。攻撃の隙を埋めるように。
野性の勘で砲弾の軌道予測しつつ銛で横に逸らすよう対応、
高速詠唱からの全力魔法の突風で軌道逸らし補助できるならそれも加え。
凌いだら銛を投擲しUC発動、水鯱で食い千切る。
※アドリブ絡み等お任せ
はぁと大きく肩で息をするドン・フリーダム。
その身の余裕は、すでにあるようでない。
ヴィクトル・サリヴァン(f06661)は裸身の女を見て一つ息をつく。
「……この世界の根本作ったのがこのふりーだむさかー……」
異人もとい偉人なんだろうけど何だろう認めたくない感じ。
ヴィクトルは重厚な三又銛でとんと、地面をたたく。
それで攻撃をしてくるのかとドン・フリーダムは絶対無敵バリアを張り、そしてキャノンを構えた。
放たれるキャノン。その砲撃を銛で横に逸らすようにしつつも、吹き飛ばされそうになるのをヴィクトルは堪える。
「俺はこの世界が好きだよ。リゾートでない海がなくとも十分イカしたこの世界が」
「コンコンコンがコンコンコンでない世界がイカしてるわけありませんでしょう?」
その言葉にヴィクトルはちがう、と首を振る。
「何より――どこかで友が頑張ってる。それを守る為なら不慣れな陸地でも足を踏ん張って頑張るしかないと思うんだけど」
ヴィクトルはドン・フリーダムを真っすぐ見つめる。つぶらな瞳で。
「自由な世界で不自由を負ってでも何かを成したい在り方はどうかなー。エモ基準的に」
エモ基準的に――エモ。
そう問われてドン・フリーダムはエモいかどうかを考えてしまう。
友のために、不慣れな場所で。そんな世界をイカした世界という――エモ!
「そんなのエモと言わねばならぬではないですの!」
「だよね」
バリアが砕けた瞬間、ヴィクトルの銛が投擲される。それはドン・フリーダムの腕を掠り、水で象った巨大なシャチが動き出す。
その牙はドン・フリーダムの腕へと狙い向けられていた。
ばくり――と。その口閉じながら水は爆ぜるように消える。
「っ! い、いったぁい!!」
齧り取られたのだ。腕一本、どうにかぶら下がっているだけのドン・フリーダムは舌打ちをしながらキャノンを再び放つ。
その弾丸はヴィクトルを捉えて意識を刈り取って、けれど――ドン・フリーダムはもう、追い詰められていた。
成功
🔵🔵🔴
クラリス・ポー
玄冬兄さまf03332と
眼のやり場に困りますから、フリーダムはお家の中だけにしてください!
マニアックマシンは敵の死角から
つまりわたしの死角から反撃してくるのでしょうで
なら振り返らずに戦うことで
死角を背面方向にある程度は固定出来るのでは?
兄さまに背中を預けて先制に耐えます
頼みます!
必要なものは【勇気】と【祈り】
そして立ち塞がる【覚悟】と【存在感】です
ミニマムサイズのケットシーでも
私の望みはジャンボです、雄大です
泣いても怒っても、皆が仲良く暮らせる平和な世界
それは欲望のままにフリーダムな世界では
決して達成できないものだと思いますにゃ
だから
ドン・フリーダム、わたしの望みは
あなたの望みには負けません!
黒門・玄冬
クラリス(f10090)と
クラリス、君の頼みであれば僕の力を尽くして承ろう
先制攻撃というからには攻撃に対する先制だ
クラリスの背面方向からのマニアックマシンを想定
目立たない、だまし討ち、第六感、拠点防御、かばうの能力を使い
位置取り耐える
これまでの繰り出された攻撃を見切り
射程距離や方向、威力等を計算
耐えきれば残像を残しつつ自己の死角をクラリスから外すように動き
カウンターを行う
…欲のままに
人の欲には限りが無い
ならば互いに食い合うのは必定だ
修理とやらで有限の世界自体を変えるというのか?
望めば無限に供給される世界
そんな世界なら誰も望むことはなくなる
それを生きているといえるのだろうか
俺には出来ない
「わたくしの、片腕。もう使い物にならないなんて」
動かない、その腕をもどかしくわずらわしいとドン・フリーダムは歯噛みする。
クラリス・ポー(ケットシーのクレリック・f10090)はその姿に金の瞳を力強く向けた。
「眼のやり場に困りますから、フリーダムはお家の中だけにしてください!」
たっと走り始める。クラリスは決して振り向かない。死角をあえて作ることで背面方向からの攻撃にある程度固定できるのではと思ってのことだ。
「頼みます!」
すっとクラリスが視線向けたのは黒門・玄冬(冬鴉・f03332)だ。
「クラリス、君の頼みであれば僕の力を尽くして承ろう」
その背後を、玄冬は守るように動く。どこから来ても、と位置取りかばいきるつもりだ。
けれど、死角は背面だけではない。
「頭上もありますですのよ」
影が落ちる。上からレーザー放つ鳥のようなマシン。そのレーザーが貫いたのは――玄冬の残像。
クラリスの背を押し、そのレーザーから守り。そして玄冬はその鳥を叩き落としていた。がしゃんと壊れて落ちたそれは、もう動かない。
「……欲のままに、人の欲には限りが無い。ならば互いに食い合うのは必定だ」
とんと、地を蹴って玄冬はドン・フリーダムへと迫ろうとする。
「修理とやらで有限の世界自体を変えるというのか?」
望めば無限に供給される世界――そんな世界なら誰も望むことはなくなる。
けれど、と玄冬は思うのだ。
「それを生きているといえるのだろうか」
俺には出来ない。
だから、此処で倒さねばならないのだと予め、己の脳にプログラムしていた連続攻撃を放つべく、動いていた。
しかし、それよりも早く、だ。
「邪魔をこれ以上させませんのよ」
ドン・フリーダムの足元からひゅうと、暴風が立ち上がる。彼女を中心に吹き荒れるそれは容赦なく玄冬と、そしてクラリスも襲う。
暴風の中、身を斬られつつも玄冬は己の刻んだ攻撃を繰り出す。暴風の強さも耐えて、そしてその一撃はドン・フリーダムへと届いた。身体の中心を抉るような一撃だ。呻き声が落ちる。
けれど攻撃をかけたと同時に、猛烈なる暴風に襲われ吹き飛ばされる。
この戦いの中で必要なのは――勇気と祈り。
そして立ち塞がる覚悟と存在感とクラリスは一歩進んだ。
「ミニマムサイズのケットシーでも、私の望みはジャンボです、雄大です」
泣いても怒っても、皆が仲良く暮らせる平和な世界。
そんな世界を――クラリスは望んでいた。
「それは欲望のままにフリーダムな世界では、決して達成できないものだと思いますにゃ」
だから、とクラリスは紡いで――その指先を向ける。
「ドン・フリーダム、わたしの望みは、あなたの望みには負けません!」
暴風に押し潰されそうになりながらも、クラリスは示す。
その指先がドン・フリーダムを定めた瞬間、光が落ちた。
クラリスの心を映すようにその光はドン・フリーダムを貫いていく。
そして、その場にドン・フリーダムは膝をついた。
「ああ……まさか、わたくしがやられるなんて」
でも、そんなこともあるやろと紡ぎ倒れる。
骸の海へとその存在を返し、戦いの一つは終わったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴