君自身が探偵になることだよ!
●
午前9時。
女優、イリア・トロントが首を持ち上げられ壁に磔られた異常な死体で発見されたのは、朝食に出てこないイリアを心配した彼女のパートナー、ロス・ヴィンセントが彼女の部屋に向かった直後だった。
場所は寝台特急・セブンススターのスイートルーム。
ロスと共用で使っていた、イリアの部屋は荒れていた。何か探すというより、「壊す」のを目的とされていたためだと思われる。
その証拠に、ロスがいう限りではなくなったものはないらしい。金品はあった。
ロスとイリアはパートナーで活躍する、ヒーローだ。ヒーローを殺めるとはよっぽどの力を持った者だ。
とくにイリアは肉弾戦と美しさを武器にする。その首を持ち上げて、というのはかなり力がいる。
イリア殺害時、アリバイがなかった容疑者は3人。
スマートフォンばかり気にするサラリーマンのドット。フリックするというより、閲覧しているらしい。ワイズマン談。ふくよかな男性。
とにかく喋りまくるマダム・ワイズマン。壊れたレコード。ただしまともな返事をしないと怒りだす。ケバケバしい中年女性。
身分不詳の謎の男。見た目はスーツの紳士。名前はフィル。すらっとした若いイケメン。
なぜこの3人が怪しまれているかというと、3人ともイリアの遺体が、発見される前日から当日まで誰にも姿を目撃されていない。
何をしていたかも不明だ。
殺されたイリアについて。
ドット談。
「鼻に付く嫌な女だったよ(スマホをみる)。あんなのがヒーローをやってるなら頼りたくないね(スマホをみる)」
マダム・ワイズマン談。
「あの方死体になって見つかる前の日にパートナーの方と言い争いをしていましたわ何を言い争っているかわからなかったけど痴情のもつれじゃないかしらだって乗車したときにつけていた指輪を外していたもの!」(ここまで一息)
フィル談。
「……さぁ、興味ないね。え、ヒーローだったのかい? ふぅん。それにしては彼女……いや、なんでもないよ」
先述したが、ヒーローを殺める力を持つ者ならばヴィランかオブリビオンのどちらかが関わっているだろう。
ヘルズカップ警察の協力により、寝台特急への侵入は容易い。
何か事件の不明点や犯人がわかったなどがあれば、イズルート警部に聞けばいい。
猟兵諸君は油断せずに事件にあたってほしい。
蒼銃
OPを読んでいただきありがとうございます。
こんにちは、蒼銃と申します。
かっこよく言ってください、あのセリフを!
●一章
なんちゃって探偵もの。
寝台特急で死亡した女優の犯人を探してください。
犯人を推理の元、名指ししていただくとそれっぽくなります。
犯人はいまぁす!!
●二章
犯人を追え!
寝台特急から犯人が逃げるので追いかけましょう。
●三章
ボス戦。
「マスター・ビキニアーマー」
一体
つよい
ビキニアーマーを着せようとしてきます
よろしくお願いします。
第1章 冒険
『じっちゃんの名にかけて!』
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POW : 携帯ばかり気にするサラリーマンの携帯を取り上げる
SPD : マダムの高速お喋りに付き合う。ただ相槌を打つだけではだめだぞ!
WIZ : 身分不詳の男を調べる。男は最高級のスイートルームに泊まっているようだ…
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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バーン・マーディ
……どのような形で在れ殺戮という行為は悲劇しか齎さぬ
故に…我もヴィランではあるが少しばかり謎ときに付き合うとしよう
という訳でサラリーマンの携帯を取り上げる
先程から随分と色々気にしているようだがお前は何を気にしている?
(閲覧している内容を過去のログを踏まえて調べてみる
すまんな
個人の趣味にとやかく言うつもりはないが殺人に関係すること以外は他言むようにする故許せ
(言いながらも殺された女ヒーローに関しての閲覧記録やサイトが無いかを細々と調べてる。更に連絡に関して何か無いかも
後は…殺された部屋についてデュランダル騎士諜報部隊の協力も得ながら調べる
指紋から不自然な点を細々と調べて尽くすとしよう
推理は任せる
●
寝台特急セブンススターは警察の介入によって、やっとその疾走を止めた。
誰一人、アリ1匹通さぬ警備の中、運び出されていくシートに包まれた亡骸。
バーン・マーディは思わず鼻のシワを寄せた。それは亡くなった命があるせいか。
「……どのような形で在れ殺戮という行為は悲劇しか齎さぬ」
バーンは一同をぐるりと見渡す。各々不安そうな、落ち着かない、そんな雰囲気が伝わってくる。
「故に……我も少しばかり謎解きに付き合うとしよう」
足音なく移動したバーンはスマホ構うサラリーマンの手から、スマートにスマホを取り上げた。
「なっ!?」
「先程から随分と色々気にしているようだが、お前は何を気にしている?」
「や、やめてくれ、個人情報だろう!?」
バーンはサラリーマンを抑え、スマホを操作していく。ブラウザ、ニュースアプリを細かくチェックしていく。
『魅惑の女ヒーロー、その正体は』
『身代わりは、パートナーのロス!?』
『力を失った女ヒーロー』
「すまんな。個人の趣味にとやかく言うつもりはないが、殺人に関係すること以外は他言無用にする故、許せ」
とは言ったものの。
バーンの目に入ってきたのは、なかなかセンセーショナルな記事ばかりだった。パパラッチでも情報能力は高い。バカにはできないのだ。
「ふむ。殺された女ヒーローは、どうやら力を失い、その身代わりをパートナーにさせていたようだな」
さらにスマホを調べると、書きかけのメモ帳が見つかる。
「これは──」
『某美貌の女ヒーロー。そのパートナーを務める一般人の青年。この二人に隠された秘密とは』
バーンはスマホをサラリーマンに返し、肩に手を置くと耳元で囁やく。
「悪いことは言わない。この情報を警察に渡すんだ」
電話の履歴にはっきり書かれていた「R」の文字。バーンの予想が当たっているならば、「ロス」。
バーンの次なる捜査の場は、イリアが殺されたスイートルームだった。
「来たれ我に忠を尽くし者達よ」
33人のデュランダル騎士達が現れる。皆、鑑識の作業服を着ていた。デュランダル騎士諜報部隊だ。
騎士団を言いながらも近代的な鑑識も行う。
指紋の採取、磔にされた箇所の血痕の採取、荒らされた部屋を1つずつ丁寧に鑑識を行なっていく。
ひとりの鑑識が近づいてきた。
それを小さな指輪入れだった。開くと、そこには何もなかった。
大成功
🔵🔵🔵
加里生・煙
殺人事件の聞き込みか。刑事だったのは、だいぶ前の話なんだがな。
ひとまず、マダムと仲良くお話だ。これでも元刑事、聞き込みは慣れてる。
女性には丁寧に、関係ない話題でも話していれば喋りやすくなるかもしれない。長話は覚悟の上で 話を聞くことにするか。
はじめましてマダム、カリューと申します。
指輪が無くなっていた。それに気づくとは。マダム、貴方はとても素晴らしい観察眼をお持ちですね。
参考までに、指輪がないことに気づいたのはいつ頃か、教えてもらえませんか?
指輪についてはイズルート警部にも聞くとしよう。
その他、情報が集まったら共有だな。
俺は刑事だったが、探偵じゃねぇ。謎解きは得意なヤツに任せる。
アドリブ絡み可
●
紫煙が揺れる。
刑事の時は毎日、毎時、毎分摂取していた煙草を加里生・煙はすっぱりやめていた。
(殺人事件の聞き込みか。刑事だったのは、だいぶ前の話なんだがな)
今また吸ってしまったのは、再び「刑事」になるため。その紫煙を体に取り込むため。
吐き出した紫煙を眺めた後、持ち運び灰皿に詰めて、ポケットに突っ込む。
ひとまず、体に染み付いた煙を払って話し相手を探しキョロキョロするマダムに近づく。
これでも元刑事、聞き込みは慣れている。
女性には丁寧に、関係ない話題でも話していればしゃべりやすくなるかもしれない。
長話は覚悟の上で話をするしかないだろう。
「はじめましてマダム、カリューと申します」
「あら、刑事さん?」
「いえ、それとは別筋の捜査官です」
マダムの両目が異様にギラつく。あちらが話しているつもりが、こちらが喋らされていたことにならないよう注意しようと煙は思った。
「別筋の捜査官なんて、ミステリアスね。素敵っ。もしかしてヒーローの?」
「いいえ。ところで、指輪が無くなっていた。それに気づくとは。マダム、貴方はとても素晴らしい観察眼をお持ちですね」
マダムの質問は冷静に切る。そのかわりこちらの話すことは多く。
「参考までに、指輪がないことに気づいたのはいつ頃か、教えてもらえませんか?」
「そりゃあ亡くなる前に言い争ってたときよ」
「なるほど。……ありがとうございました。非常に参考になりました」
「あらぁ、そう? よかったわ」
マダムに別れを告げ、その足で煙はイズルート警部の元に向かった。
「指輪関連で何か気になることはあったか?」
「そういえば、先程の鑑識で新たに空の指輪ケースが見つかりました」
「空の……」
少しずつ。謎は解明されていく。
大成功
🔵🔵🔵
アンシェ・ローム
(殺害現場を探索)
ふふーん、わかりましたわ警部。
この惨状、女優のイリアさんはヒーローとしてヴィランに殺された可能性が高い…
なら、単純に彼女がヒーローであると知っていた方が犯人ですわ。
となれば!彼女みたいなヒーローに頼りたくないと言ったドットさん!貴方が犯人です!
3人目の方はいかにも怪しいですけれど、恐らく言いかけた言葉は「それにしては……綺麗な人」だったのではないでしょうか。
彼女の見た目はヒーローとしての筋肉質さより女優としての美しさがまさっていますしね!
えっ?磔はたぶんヴィランな力で持ち上げたんですわ。
こ、細かいところ聞かないでくださいましっ
●
同じ猟兵たちから得た情報、鑑識の結果。
アンシェ・ロームは全員の揃った食堂列車を右へ左へ歩く。ゆっくり。それはまるで、閃いてしまった探偵のように!
「この惨状、女優のイリアさんはヒーローとしてヴィランに殺された可能性が高い……。なら、単純に彼女がヒーローであると知っていた方が犯人ですわ」
知っているだけならば、ロスとドットだろうか。フィルは怪しすぎるがその辺は。
「となれば! 彼女みたいなヒーローに頼りたくないと言ったドットさん! 貴方が犯人です!」
ずびし! とアンシェはドットを指差した。それはもう、迷いなく。完璧に。
「3人目の方はいかにも怪しいですけれど、恐らく言いかけた言葉は「それにしては……綺麗な人」だったのではないでしょうか」
フィルは何度も頷いた。
「彼女の見た目はヒーローとしての筋肉質さより、女優としての美しさか優っていますしね!」
後ろで聞いていたイズルートがううん! と咳払いする。
「磔が彼にできるのですか?」
「えっ? 磔はたぶんヴィランな力で持ち上げたんですわ。こ、細かいところ聞かないでくださいましっ」
ぷいっと顔を背けるアンシェにみんな、ちょっとなんかふわ〜と和やかな雰囲気になる。
これは癒し事件解決?
「す、すみませんでしたぁぁ!!」
「!?」
突然、犯人として名指しされたドットがテーブルに突っ伏した。
「申し訳ない……イリアのヘイト記事を書きまくって、他社や他のパパラッチにも情報を渡したのは……私なんです」
「まぁ! なんていけないこと。めっ! です」
「犯人ではありませんでしたね……」
今度は、アンシェが咳払いする番だった。
「でもこれでひとつ、謎が解けましたわね!」
カメラ目線でウィンク!
たしかに可愛いですが、事件は解決しませんでしたね……。
大成功
🔵🔵🔵
新山・陽
WIZ
スイートルームに入れる人物像に絞ってみよう。私は寝台特急に乗り込んだ先で、協力的な警察官に「浅薄な所感ですが」と前置きした。
現場の経緯を聞く限り、マダムはいさかいの内容が聞き取れない位置(現場の外)にいたようだ。トッドは殺人の容疑中でも、故人へ不快感を隠さない。犯人にしては大胆だ。
では故人が部屋で死ぬ理由は……部屋に招きいれた事?
「フィルは部屋を間違う偶然を装えますし、彼の美貌は故人の油断を誘うのでは? 女優が招く程の身の上なら、金品はいらない。と、ひとまずは推察します」
警察官に言うと、フィルの様子を伺った。
私は、彼が濁した言葉の先がわかれば、また違う印象を持つかもしれないと思った。
●
新山・陽は1つ当たりをつけた。
スイートルームに入れる人物だ。
寝台特急に乗り込んだ先で、イズルート警部に話しかけた。
「浅薄な所感ですが」
と前置きしたが、イズルートは友好的な警察官でいきなり現場に乗り込んできた猟兵の意見をすんなり受け入れる。
イズルート警部は陽がそれ以上言うのを止めた。
「よければ、その推理、食堂列車のほうでしていただけませんか? 目の前で推理したほうが、犯人を揺さぶれます」
「現場の経緯を聞く限り、マダムは諍いの内容が聞き取れない位置、現場の外にいたようだ。ドットは殺人の容疑の中でも、故人へ不快感を隠さない。犯人にしては大胆だ」
冴え渡る陽の推理に、イズルートはほうと感嘆の声をあげた。
「では、故人が部屋で死ぬ理由は……部屋に招き入れたこと?」
待ち合わせをしていたか、突然訪れたところを誘ったか。それは二人にしかわからないが。
「フィルは部屋を間違う偶然を装えますし、彼の美貌は故人の油断を誘うのでは? 女優が招く程の身の上なら、金品はいらない。と、ひとまずは推察します」
「お、俺は何もしていない!」
「では! この間、濁した言葉の先をお聞かせください!」
陽は畳み掛ける。ウィルは顔面蒼白でうろたえていた。
「この間、あっ、あれは」
「それにあなたの身分もです、スイートルームに泊まる謎の男性、疑うに値します!」
「……くっ……ぐおおおおおお」
ウィルは突然発狂した! 頭をかいてヘドバンして、そうしてようやく落ち着く頃に、ウィルは細々と語り始めた。
「あの時言いかけたのは、あの女の人、ヒーローなのに『力がないな』って思ったんだ。自分の大きなカバンも持てずに従者に持たせていたから。力のあるヒーローなんでしょ? だから余計にね」
「では、あなたの身分は?」
ウィルは天井を見上げた後、手元に置いてあった水入りのグラスを煽った。
「僕は、……」
陽がじっと言葉の後を待っていると、空になったグラスを両掌で潰す。
「俺はぁ……ビキニアーマー様ッ!!!!だ
!!!!」
突然だった。パァン! とイケメンがぶ……マッチョになってしまったのだ!悲しい!
「!? 皆さん、避難して!」
「ハハハハハ!!! こんなところで捕まる俺様ではない!! さらば!!!」
「待って!」
寝台列車の窓を突き破って逃走するオブリビオンを逃がすな!!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『犯人を追え!』
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POW : ダッシュと気合で追いかける!
SPD : スピードとビル間を駆ける!
WIZ : 遠くから望遠鏡でどこへ逃げるかみる!
👑11
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●
女優ヒーロー、イリア・トロントを殺した犯人はオブリビオン、ビキニアーマーが扮していた謎の男フィルだった。
動機はまだ明らかになっていない。
被害者の無念を晴らすため、セブンススターから逃げ出したオブリビオンを追いかけよう。
猟兵たちが追い詰めれば、オブリビオンは根をあげるかもしれない。
ビキニアーマーは、一直線にしか走らず多少の建物や障害物ならそのまま突き進んでいくようだ。
逃走方法は、いわゆる脳筋。スピードはあまりないようだ。頭を使う逃げ方が苦手らしく、いく先々で目立つに目立ちまくっている。
一刻も早くオブリビオンを捉え、倒すのだ。
新山・陽
wiz「逃げるには、これ以上ないタイミングだった」
私は、相手の豹変に咄嗟の対応がとれず、苦い顔つきになった。
しかし犯人の名と特徴を掴めたことは収穫だ。車窓から身を出し、目視できる範囲で逃走の方向を確認し、車内に戻る。
「犯人について機関に連絡、手配をかけてください。追う方には無線をお願いできませんか? 連携がとれると何かと便利です」
私は口調を正して警察の協力を仰いだ。「情報収集」で「追跡」をかけます。
「逃げた方向は確認しました。手配しやすいよう逃亡先を割り出します」
私は一度目を閉じ、ゆっくり開けた。
追跡する。
今は凶悪犯を追い詰めるためではなく、民間人を次の現場近くから避けるために。
●
「逃げるには、これ以上ないタイミングだった」
新山・陽は食堂列車の割れた窓のそばのテーブルで頭を抱えていた。
遡ること数分。
目の前でフィルを犯人として追い詰め、そして成功した。ほかの猟兵達の捜査や聞き込みあってのことだ。
しかし普段はしない聞き込みという対応からすぐさま対応できずに、みすみす犯人を列車の窓から逃してしまった。
陽は苦い顔をする。しかし、反省はしても今は前をむくしかない。
目の前で変身した姿から、犯人の名はビキニアーマーであること。
車窓から身を乗り出して、目視できる範囲で逃走の方向を確認する。
北だ。
「犯人について機関に連絡、手配をかけてください。追う方には無線をお願いできませんか? 連携が取れると追い込みやすくなります」
さらに、イズルート警部には逃走先は“北”であること。対象はムキムキマッチョであったこと。
「ではそのように手配を」
「お願いいたします」
頭を下げて、陽はフィルを追いかけるために道行く人に聞き込み、北へ向く道の異変に気づく。
「一直線……?」
「そそ、変なマッチョが北にまっすぐ走ってったよ」
街の娘に声をかけたり、轍となっている道の店で話を聞くと。どうやら轍の正体はフィルで、一直線に北に向かっているらしい。
「逃げた方向は確認しました。手配しやすいよう逃亡先を割り出します」
冷静になるために、目を閉じて深呼吸。
人々の雑踏。怒号、笑い声、泣き声。
目を開ける。冷静になれた。
「今は凶悪犯を追い詰めるためではなく、民間人を次の現場近くから遠ざけるために」
やることをしっかり見定めた陽は素早く無線機を取り出した。
「こちら、新山。至急連絡したいことが」
大成功
🔵🔵🔵
アス・ブリューゲルト
仲間があそこまで問い詰めたんだ。彼らの積み重ねを無為にすることなど、出来ない!!
POWメイン。
逃さぬよう全力で走りながら、相手を立ち止まらせるためにブラスターを撃つ。
「絶対に貴様だけは……逃さぬ!!」
狙うは足。【スナイパー】【誘導弾】【地形の利用】を使って、足止めを図ります。
「そこだっ!!」
それにしても……あの体型でよくあそこまで走れるものだ。
敵ながらその意気はあっぱれとしか言い様がない。
だからといって、見逃すわけには行かない!
ブラスターの弾で怯んだ隙に、全力のサイコキネシスで転ばせて捕まえよう。
「今こそ、お前を逮捕する!!」
……言いたかっただけではないぞ……たぶん。
●
「仲間があそこまで問い詰めたんだ。彼らの積み重ねを無為にすることなど、できない!」
心の中に秘めるは燃え猛る炎。
跳ねるように飛ぶように、素早く力強く、馬のように。ここではそう、車のように。アズ・ブリューゲルトは四肢に力を込めた。
跳ぶ、駆ける。
逃さないように全力で走る。ビキニアーマーの脱兎に先を譲る一般人。
「避けてくれ!」
間違って一般人を撃たないように、一階建てのビルの屋上に立ち、ブルーブラスターを構えて引き金を引く。
「絶対に貴様だけは……逃さぬ!!」
狙うのはビキニアーマーの足。弧を描く誘導弾、そしてアズ自身のスナイプの腕がビキニーアーマーの右足の太ももに直撃する。
ビキニアーマーは顔から派手に転ぶ。痛すぎて動けないようだ。
アズは慎重にビルから降りて、一般人を遠ざけながらビキニアーマーに近づく。
「それにしても……あの体型でよくあそこまで走れるものだ。敵ながらその域はあっぱれとしか言いようがない」
ブラスターを一丁構えて倒れながらも体を引きずるビキニアーマーに突きつける。
「だからといって、見逃すわけにはいかない!」
厳しい言葉に、ビキニアーマーはアズを憎々しげに見上げてから、俊敏に立ち上がる。そして駆け出した。
「まだ動けるのか……!」
今度はよく狙い澄ます時間がなく、咄嗟に背中に撃ち込む。怯むビキニアーマーに、全力のサイコキネシスを放つ。
宙を跳び体を地面に落としたビキニアーマーに、背中から足をかけてブラスター再び突きつけた。
「今こそ、お前を逮捕する!!」
……言いたかっただけではない、たぶん。
大成功
🔵🔵🔵
※トミーウォーカーからのお知らせ
ここからはトミーウォーカーの「真壁真人」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
アウレリア・ウィスタリア(サポート)
『歌い、奏でましょう。ボクの想いを伝えるために』
オラトリオの咎人殺し×シンフォニア、17歳の女です。
普段の口調は「瑠璃蝶々(ボク、アナタ、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「瑠璃唐草(私、アナタ、ね、よ、なの、なの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
キリエ・ニール(サポート)
スペースノイドシャーマン × 聖者
15歳 男 168.9cm 赤い瞳 白い髪 色白の肌
特徴 実験室生まれ、天涯孤独の風来坊 魔眼と魔の腕
口調 好奇心の旅人
僕、キミ、だね、だよ、だよね、なのかな?
人の世の良き未来を信じ、その未来への可能性を見つけ守る
試験管生まれの人造聖者にして銀河を旅する風来坊
どこにでもふらっと現れる
人造の聖者であり、戦闘特化すぎて聖者らしい事ができない、向いてない事をひっそり気にしている
【第六感】【学習力】【見切り】でなんとなく状況とやるべき事を察知し理解
【衝撃波】【念動力】で障害を吹き飛ばし
無数の刀剣による【二回攻撃】で斬って捨てる
基本避けて斬る…ただ斬って、破壊する
ルビナ・ベイビーブルー(サポート)
『がんばるよ~!』『やる時はやるんだからねっ♪』『大丈夫? 援護するね!』
武器は薙刀を使います。戦闘はどちらかと言うと遠距離攻撃多め。助けが必要な味方がいれば、援護に回る戦闘スタイルです。
ユーベルコードはその場に合わせてどれでも使用可能です。
楽しい事や可愛いものが大好きな女子です。お色気やエッチなことには関わりません。エロ・グロの言動はしません。
アドリブ、連携などご自由に動かしてやってください。
ルビナのビは、ヒにてんてんです。よろしくお願いします。
「ハハハハハ! こ、この程度で怯む俺様だと思ったのか!」
熱線銃(ブラスター)の一撃を受けながらも、ヴィラン『ビキニアーマー』は再び走り始める。
ルビナ・ベイビーブルーは、我慢しながらも走るビキニアーマーの姿に、感嘆するようにつぶやいた。
「タフだねぇ~……」
「あの筋肉は伊達ではないということでしょう」
アウレリア・ウィスタリアは、女優にしてヒーローであったイリア・トロントを殺害するに足るオブリビオンの実力の一端をそこに見た。
オブリビオンであるビキニアーマーの奇矯な振舞いは、凄惨なイリアの殺害現場の様子とは似付かわしくない。
だが、あのビキニアーマーが、女優ヒーローであるイリアの殺害を成した殺人犯であることはもはや確実なのだった。
「彼を倒したところで、死んだ人が蘇るわけでもない……ですが、次の被害が出るのは防がねばなりません」
「それじゃあ、追いかけますね。こちらの甘くて可愛いキャンディーどうぞ~!」
ルビナは、アウレリアに可愛らしいキャンディーを手渡した。
アウレリアはルリアと共に、それぞれにキャンディーを口に運ぶ。
その瞬間、2人は逃走を図るビキニアーマーの動きが遅くなったのを感じた。
いや、ビキニアーマーだけではない。周囲にいる人々や走る車、それらの全てが遅くなっている!
「これなら、すぐに追いつけそうですねぇ」
それこそはルビナのユーベルコード、甘い時間を楽しめ乙女達(カラフルキャンディードロップス)の力であった。
にっこりと笑ったルビナが、薙刀を手にビキニアーマーの後を追って走り出すと、彼我の距離はたちまちにして縮まっていった。
「は、速い! いや、オレが遅くなっているというのか
……!?」
足止めを図ろうというのか、ビキニアーマーは急激に近付いてくるルビナへとどこからか取り出した大斧を投げつける。だが、ゆっくりと横薙ぎに回転しながら飛来する斧がルビナへ届くよりも早く、ひとつの歌声が響き渡った。
「記憶に無く魂に刻まれたボクの歌。響け、深淵から産まれる私の言霊」
魂の奥底から湧き上がる、アウレリアの歌声。
その響きが届くと、ビキニアーマーの投げつけた斧はたちまち力を失っていく。
「ありがとうございます。えいっ!」
そして、追いついたルビナは、ファンシーな薙刀でビキニアーマーの足へと攻撃を繰り出していく。
ルビナをなんとか振り払わんとするビキニアーマーの前方に、ふらりと現れたのは白髪白肌の少年、キリエ・ニールだ。
ビキニアーマーと、それを追うルビナ。
2人の様子を見て、キリエは得心のいった様子で一つ頷いた。
「なんとなく分かった。殺人犯のヴィランと、それを追う猟兵……という構図だね。その立派な体躯で、往生際が悪いんじゃないかな」
超能力じみた驚くべき理解力で状況を把握すると、キリエは腰に帯びた剣たちを解き放った。
「四の五の無用――切り尽くそう」
鞘から飛び出した剣たちは、その切っ先をビキニアーマーへと向けると一斉に加速した。キリエの念動力によって持つ者もなく回転しながら、その刃でビキニアーマーを切り裂いていく。
たちまち傷ついたビキニアーマーは、その場にがくりと膝をついた。その周囲にキリエの剣が檻のように浮かび、取り囲む。
ゆっくりとオブリビオンに歩み寄るキリエだが、彼の表情に安堵の色は無かった。
「犯人確保……だけど、まだ降伏する気はないようだね」
赤と金の目を細めるキリエ。
猟兵達の前で、ビキニアーマーの纏うオーラは、次第に強くなりつつあった。
成功
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第3章 ボス戦
『マスター・ビキニアーマー』
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POW : ワシにうぬらの強さを見せてみせい!
【後の先の構えを取る自分 】に変形し、自身の【背の武器を使わないこと】を代償に、自身の【防御力と回避率およびカウンター攻撃】を強化する。
SPD : 堅牢鉄壁・真・アーマー・ビット
自身が装備する【ビキニアーマーのパーツ 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : ビキニアーマー格闘術最終奥義『鎧包解脱求道拳』
【カウンター攻撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【光り輝く拳型のオーラ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
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※トミーウォーカーからのお知らせ
ここからはトミーウォーカーの「真壁真人」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
~これまでのあらすじ~
無惨な姿で殺された女優ヒーロー、イリア・トロント。
彼女を殺害したヴィラン、ビキニアーマーを、猟兵達はついに追い詰めた。
だが、追い詰められたビキニアーマーはその真の力を解放しようとしていた!
「フォォォォォォ!!」
ビキニアーマーの全身からオーラが溢れだし、その全身が黒灰色に染まっていく。
「どうやら、我を本気で怒らせてしまったようだな……。
我、今こそビキニアーマーの真理を汝らに示さん!!
我が名は、マスター・ビキニアーマーなり!!」
新たな姿へと変態を遂げたヴィラン、マスタービキニアーマー。
その姿は、女物のビキニアーマーを身に着けた筋骨隆々とした髭面の大男。
恐るべき脅威に、猟兵達は否応なく立ち向かわざるを得ないのであった!!
ジャスティス・ボトムズ
敵はなかなか変わったセンスをしてるみたいだな。
俺は手加減ってやつが大嫌いでね。
スタートから本気でぶん殴らせてもらうぜ。
悪さしてバレたらトンズラしてたヤツが、今さら本気見せたところで遅えんだよ!
敵をぶっ飛ばすという強い意志を持ってUC使ってフルパワーになるぜ。
作戦なんて後だ。
まずは1発、俺の全力の右ストレートを叩き込んでやる!
敵はビキニアーマー装備してんだ。
スピードには自信あるんだろうよ。
軽装でノロマだったらただのサンドバッグだからよ。
そんなバカには見えねえ。
狙いはカウンターとかか?
ならノーモーションっていう初期動作を殺した高速ブローを叩き込む。
俺のパンチはメッチャ痛いぜ!
黒いビキニアーマーと強烈なオーラを纏い、猟兵達の前にその筋肉を脈動させるマスター・ビキニアーマー。
だが、ジャスティス・ボトムズはその力に恐れる様子も見せず、おもむろに彼に近付いていった。
「随分と変わったセンスをしてるみたいだな」
「ビキニアーマーの紐が描くは無限、我、究極に至らんとするものなり
……!!」
「悪いな、何言ってんだかわかんねぇや。だが、ひとつ分かることがあるぜ」
ジャスティスはマスター・ビキニアーマーの視線を真向から受け止めた。
「お前が悪さして他人に変装して、バレたらトンズラしてたヤツってことだ」
「むぅっ……」
いかに誇らしげにそのビキニアーマーを見せつけていても、このオブリビオンが己の為した悪行を堂々と誇るでもなく、他人に化けて逃げようとした事実は変わらない。
ジャスティスの指摘に、マスター・ビキニアーマーは動揺したようだった。
そう挑発する一方で、ジャスティスの目は冷静に相手の戦力を分析している。
(ビキニアーマーしか身に着けてないんだ。スピードには自信あるんだろうな。あれでノロマだったら、ただのサンドバッグだからよ)
戦闘への嗅覚が、相手がただのバカではないであろうことを察していた。微かにこちらが姿勢を少し変えてやると、相手もまた足を動かしている。反撃を行うために、こちらの動きを読んでいるのだ。
(狙いはカウンターか)
相手も背中の武器を使う様子はない。
後の先を狙う態勢を取っていることを見抜くと、ジャスティスは微かに力を抜き、さらに相手へと踏み込んだ。
互いが、互いの拳のリーチ内へ侵入する。
「俺は手加減ってやつが嫌いでね。スタートから本気でぶん殴らせてもらうぜ」
顔の高さまで引き上げたジャスティスの拳が、一瞬のうちにストレートのパンチとして繰り出された。
初期動作もなく放たれた拳を、マスター・ビキニアーマーは回避し、カウンターへつなげようとする。だが、
「今さら本気を見せたところで遅えんだよ! お前は、ここでぶっ飛ばす!」
意志と共に、ジャスティスの全身が黄金のオーラに包まれる。
拳が急激に加速した。
相手が後の先を狙うならば、ジャスティスの狙いは先の先。
カウンターなど許さない黄金の一撃が、マスター・ビキニアーマーを宣言通りに吹き飛ばす。
「フォォォォオオッ!?」
「どうだ、俺のパンチはメッチャ痛いだろ?」
街灯に激突し、落下するマスター・ビキニアーマーに、ジャスティスはそう告げた。
大成功
🔵🔵🔵
新山・陽
「変態。いや、外道に示される真理なぞありはしない。『ワンアクション』」
もう見た感じアレなので、目撃した民間人の心の傷になったかもしれない。ヒーローを殺害し、変な格好をし、変な思想を示す多重の罪を犯したオブリビオン。許しません。
「堅牢鉄壁・真・アーマー・ビット)」に対し、各パーツの飛来や攻撃は【見切り】で回避・【咄嗟の一撃】での対処を試みます。UC「ラッシュ」を駆使して、【フェイント】で攻撃を誘発し、【カウンター】で体崩しを試み、勢いと体重を乗せた踵で【踏みつけ】ます。
「言っておくと真理以前に、サイズ感もトータルバランスも殺害動機もおかしいからな」
骸の海の深いトコロに沈んでください、
「変態……いや、あなたは外道と呼ぶべきか」
新山・陽は、吹き飛ばされ、なおも立ち上がったマスター・ビキニアーマーへと近付いていく。
ファッションは個人の自由であるとはいえ、このオブリビオンの感覚は陽の感覚からすれば、許容しがたいものがあった。
(というか見るからにアレだし……)
ここに来るまでに、ビキニアーマーは結構な時間を逃亡していた。
それ以前に、イケメンから突然ビキニアーマーへ変身したりもしている。
目撃した民間人の心の傷になっていないことを祈るばかりだ。
「女よ、汝もビキニアーマーの真理を受け入れよ。さすれば……」
「外道に示される真理などありはしない」
陽は、マスター・ビキニアーマーの言葉を断固とした姿勢で切って捨てた。
「ヒーローを殺害し、変な格好で変な思想を広めようとする。幾重にも積み重なったあなたの罪は、許すことはできない!」
地を蹴り、近付く陽を阻むかのように、マスター・ビキニアーマーが身につけるのと同じ形をしたビキニアーマーが無数に現れた。
無数のパーツはマスター・ビキニアーマーの意を受け、陽の動きを拘束せんと飛来する。
「真理を受け入れぬならば、まずは肉体から覆い尽くす!!」
「だから有害思想を垂れ流そうとしないで……!! 『ワンアクション』」
こちらの体に巻き付き、拘束せんと渦を巻いて飛来するビキニアーマーの群れ。
洗濯機の中に飛び込んだかのような錯覚を覚えながら、陽は巧みにそれをかわし、かわし切れないものは叩き落しながら、マスター・ビキニアーマーへと急加速する。
迎撃の構えを取ったオブリビオンは背にした大斧を構えると、それを力強く振り下ろした。
「ビキニアックス!!」
「ビキニ環礁に謝りなさい」
爆発のような音を伴い、大斧が地に振り下ろされる。
だが、それよりも一瞬早く、陽は後退した。眼前に振り下ろされる斧の柄を踏みつけてやると、斧を振り下ろしたオブリビオンの体がさらに前へと傾いた。
「言っておくと真理以前に、サイズ感もトータルバランスも殺害動機もおかしいからな」
さらなる跳躍から、全体重を乗せた踵が無防備な首筋へと打ち込まれる。
蔑みの眼差しを投げる陽の下で、筋骨隆々としたオブリビオンの体は音を立てて地へと倒れ伏した。
大成功
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火土金水・明
「変熊です。変熊が・・・ではなくて、変態が出ました。」「私は、変態には全力で攻撃します。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、他の方に合わせて【援護射撃】にして【高速詠唱】した【破魔】を付けた【属性攻撃】の【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『マスター・ビキニアーマー』が何処に移動しても巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「さあ、変態は『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
バーン・マーディ
………びきにあーまーとやらについて我は特に興味はない
ヴィランとはいえそれが滅びを齎す存在ならば戦うのみ
何より…その戦い方…挑むに相応しかろう
【戦闘知識】で敵の立ち方と武の性質を分析
【オーラ防御】展開
正面から激突
車輪剣で【二回攻撃】による猛攻
カウンター攻撃は魔剣による【武器受け】を含め耐える事に全力を尽くす
善い叛逆だ…だがそれ故に我も全霊を尽くさねば非礼となろう
我が叛逆
味わうがいい(ユベコ発動
【カウンター・怪力・生命力吸収・吸血】による反撃
此処からは間近による殴り合い
斬り合い
刃が届かぬなら拳
それも届かぬなら食らいつき血を啜
(色々言い合いがありそうだが一つだけ確実なのは
その衣装は趣味ではない
「変熊です。変熊が……ではなくて、変態が出ました
……!!」
火土金水・明は戦慄を覚えていた。
近くで逃げ遅れた民間人を確認していたらしい警察官を見かけ、ただちにこの周囲から離れるように伝える。
猟兵とオブリビオンのユーベルコードの応酬は、周囲に破壊を広げようとしていた。そして何より、
「私の魔法も、結構広い範囲に及びますからね」
痛打を受け、その身に負う傷も増えつつあったマスター・ビキニアーマー。
その前に立つのは、バーン・マーディだった。
「その分厚い鎧姿……汝も、我が敵か
……!!」
「……びきにあーまーとやらについて、我は特に興味はない」
いきなり鎧に言及してくるマスター・ビキニアーマー。
この頑強な肉体に、このような奇妙な妄執を抱くとは、果たして、このヴィランにしてオブリビオンの生前にどのような戦いがあったのか。
ヴィランを救うために戦い続け、その果てに神へと至ったヴィランの暗黒騎士は、車輪剣を構えて見せた。
「ヴィランとはいえ、オブリビオンと化し、滅びを齎す存在ならば戦うのみ」
その身にオーラを纏った両者は、真っ向から互いに武器を振り下ろす。
激突した車輪剣と大斧が火花を散らし、金属の悲鳴が巻き起こる。
繰り返し剣を振り下ろそうとした瞬間、マスター・ビキニアーマーはそれに合わせるようにして拳を振るった。
「ビキニアーマー格闘術が最終奥義、『鎧包解脱求道拳』!!」
「むぅっ!?」
巨大な拳の形をしたオーラが、バーンへと飛来する。
咄嗟にかざし、受け止めたバーンの体に凄まじい圧力が襲い掛かった。
だが、それに押しつぶされるよりも早く飛来したのは、明の放った氷の矢だ。
「援護します! 我、求めるは冷たき力!!」
コキュートス・ブリザードによる氷の矢が何十と突き刺さり、バーンを襲うオーラの圧力が弱まった。
さらに降り注いだ矢は、マスター・ビキニアーマーへも着弾していく。
「寒中ビキニ……それもまた一興よ!!」
「心底変態ですね……」
どう見ても体を凍り付かせながら強がる敵に、明は呆れたように再び杖を向けた。
カウンターを許さぬよう連続で撃ち出される魔法と、それでも放たれる『鎧包解脱求道拳』のオーラが、両者の間で激しく激突する。
狂気すら混じったマスター・ビキニアーマーの力に、バーンは感嘆すら覚えた。
「善い叛逆だ……だがそれ故に我も全霊を尽くさねば非礼となろう」
バーンの全身が、漆黒の粘液に包まれる。
先ほどの攻防で負った負傷までもが、彼の力に変わっていった。
「そろそろ魔法の矢も尽きよう! さあ娘よ、ビキニアーマーを着るが良い!」
「本格的に変態ですね!?」
「邪魔するぞ」
攻防を繰り広げるマスター・ビキニアーマーと明の争いに割って入る形で、バーンは車輪剣を振るい、突進した。
「ほう!」
強者との争いに、一瞬歓喜の念を浮かべると、マスター・ビキニアーマーは大斧を振るう。そこから始まるのは根気の勝負だった。
武器による戦いに始まり、そこからさらに近い間合いに踏み入ると武器を手放しての拳の応酬を繰り広げていく。
「我が叛逆、味わうがいい」
「ビキニアーマー格闘術が力、今こそ
……!!」
両者の攻防の起こす音が、街に響き渡る。
「決まりましたね」
氷の矢を準備しながら勝負を見守っていた明には、戦いの趨勢は明白だった。
バーンの身を覆う粘液が与える力は、相手の生命力を貪り、バーンの力へと変え、逆にマスター・ビキニアーマーの力は時を追うごとに衰えていく。
そして、バーンが放った拳の一撃を受け、マスター・ビキニアーマーは仰向けに地に倒れ伏した。
「強者よ……。どうか、これを受け取って欲しい」
倒れたマスター・ビキニアーマー。
彼が勝者へと差し出すのは、無論ビキニアーマーだった。バーンは額に汗がにじむのを感じながら、ゆっくりと首を横に振った。
「……すまんが、その衣装は趣味ではない」
「じゃあ、そっちの魔法使いの娘でも」
「お断りします。いいから、変態は骸の海へとお帰りなさい」
「ガーン!!」
戦いの余韻をぶち壊しにしながら、オブリビオンは骸の海へと消えていく。
かくして、全ての謎は解かれ、犯人は戦いの末に骸の海へと去る。
翌日の新聞各紙では、事件を解決した猟兵達の活躍の様子がその紙面を飾るのだった。
大成功
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