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バトルオブフラワーズ⑪〜散るは花、吹くは風

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ウインドゼファー


●エンカウント
 システム・フラワーズ内部、花の道。そこを進んでいるあなたは、ふと風が吹き始めたことに気付いた。初めはそよ風程度だったそれはたちまち暴風となり、グイグイとあなたの体を押し返そうとしてくる。
 風に逆らいどれほど進み続けただろうか。突如として風が止むと共に、上空から何かがやってくる。
 道を遮るよう目の前に着地したそれの正体を、あなたは知っている。赤いヘルメットに体中のタイヤ、スピード怪人『ウインドゼファー』だ!
「私達は全てを手に入れる。誰にも、邪魔は、させないッ!」

●その十分前
 バトルオブフラワーズの戦いはいよいよ佳境が見えてきた。エイプモンキーとラビットバニーを倒し、ドン・フリーダムへの道を塞ぐのはウインドゼファーを残すのみだ。
「そのウインドゼファー、彼女の能力について説明するよ!」
 グリモア猟兵のイデア・ファンタジア(理想も空想も描き出す・f04404)が説明を始める。

 ウィンドゼファーは、これまでの幹部のような特殊能力は持っていないようだ。しかしそれは御しやすい相手という意味では決して無い。
「スピード怪人は誰よりも速くなりたいって欲望を満たすことに特化しているわ。絶対に先制される、って言い換えると分かりやすいかしら」
 最速で発動するユーベルコードは、猟兵がいかなる行動をする猶予も与えないだろう。後手に甘んじた上で、危機的状況から脱する手段を講じる必要がある。
「相手のユーベルコードは次の三つよ」

 一瞬で飛び立ったと思えば旋回し、凄まじい勢いで突撃してくる『フルスロットル・ゼファー』。
「最高速度はマッハ……いくつかしら。とにかく音速を遥かに超えてるのは確実ね」
 その速度を前にしては大抵の攻撃はかすりもしないだろう。追尾ミサイルのような物を放ったとして、振り切られる光景が容易に想像できてしまう。
 飛び立ってから戻ってくるまでには少しだけ間があるので、その間に迎撃態勢を整えることが出来るだろう。ただし猶予は本当に僅かである。時間をかけ過ぎればどうなるかは言うまでもない。

 暴風で周囲の足場を破壊する『レボリューション・ストーム』。足場を失えば行動は極端に制限され、人によってはそれだけで完封されてしまう。
「飛べる種族なら問題ない……って思うじゃない?そう上手くはいかないのよね」
 この技の厄介な所は、落下と同時に暴風によって揉みくちゃにされる事にある。生来の飛行能力だけでやり過ごすには、よほど空中での動きに長けていないと難しいだろう。

 防御を固めつつ攻撃を繰り出す『ソード・オブ・ダイアモード』。防御は高速回転するタイヤに任せ、二本の車輪剣で猛攻撃を行ってくる。
 攻撃をやり過ごしながら防御を突破する手段を考えなければならない。攻防一体の相手に対しては、こちらも攻防一体となる必要があるだろう。

「こんなところかしら。それじゃあ、いってらっしゃい!」
 開かれたゲートの先は星の中心、システム・フラワーズ。待ち受けるは怪人幹部。
 キマイラフューチャーの未来は猟兵達にかかっている。


渡来あん
 初めまして、あるいはお久しぶりです、渡来あんです。
 本シナリオはルールが特殊です。以下を必ずお読みください。

●特殊ルール
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

●運営シナリオ数について
 運営シナリオ数に制限はありません。戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。

●説明
 本シナリオは高難度です。判定はかなり厳しく行います。
 プレイングボーナスの量を判定し、最終的な結果はダイス次第となります。

 今回は個別に採用する形式を取らせていただきたいと思います。
 ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

 それでは、ご参加をお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『スピード怪人『ウインドゼファー』』

POW   :    フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
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マーリス・シェルスカナ
此処で負けてたラ、折角の皆の頑張りがなくなるネ!

此処は是が非でも通してもらうヨ、Bikeの怪人!



【WIZ】【UC:アナライズアンドリプロダクション】

先制攻撃の「車輪剣」と「竜巻」に対し、直撃や致命的な攻撃は【第六感】で躱し、反撃の機会を逃さぬ様【激痛耐性】で耐えㇽ。

その後、自分のUCを展開してガードしつつ【情報収集】【学習力】を全開にして、「敵のUC」を分析、再現できるように準備スル



一瞬のChance、敵が止めを刺そうとする大振りを狙っテ、自身のUCで敵の「車輪剣」と「嗤う竜巻」を再現、【属性攻撃】で竜巻を強化しての【カウンター】、これを狙うデス。



後は、手にできた僅かな情報を仲間に託すヨ…。



 ウインドゼファーの持つ車輪剣は、その名の通り車輪の形状をした剣である。先端に取り付けられたホイール、そこに生やされた不揃いな刃が相手の肉を、心を抉る。そんな、見るからに痛そうな一撃を、マーリス・シェルスカナ(宇宙(そら)飛ぶマーリンレディ・f15757)は真っ向からその身で受け止めていた。
「ア、アアアアアッ!!」
 袈裟懸けに食い込んだ車輪が回り続け、絶え間ない激痛がマーリスを苛み続ける。

「まだ意識があるのですか。早く手放した方が楽になりますよ」
「こ、此処で負けてたラ、折角の皆の頑張りがなくなるネ……!」
 致命傷は避けたとはいえど、無間の斬撃は常人には耐えきれるものではない。それでもマーリスが正気を保てている理由は、元々痛みに強いというのもあるだろうが、何よりもその強い意志によるものだった。肉体を凌駕する魂の為せる技だった。
「此処は是が非でも通してもらうヨ、Bikeの怪人!」

 止めを刺そうとウインドゼファーは両腕を振り上げ、そして動けない。気付けば自分の制御下にない風が、竜巻が己の動きを阻害しているではないか。
「っ、ですが私にはまだこの防御が――!?」
 言い切る前にタイヤが止まる。風による拘束、回転の相殺。身を切り間近で観察し続けたマーリスによる再現は、あと一つ残っている。
「UbelCode……解析完了、お返しデス!」
 電脳世界から現れた車輪剣が、スピード怪人を切り裂いた!

 撤退していく怪人を見送り、己の傷を癒しながらマーリスは祈りの言葉を紡ぐ。
「後は託すヨ。Meは信じてるネ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

アカネ・リアーブル
花咲き乱れるフィールドはまるで舞台のよう
ここは舞台
ウインドゼファーは共演者
そう思えば恐れることはありません

「ダンス」で身を軽くし「フェイント」「見切り」で回避
ダメージは「激痛耐性」「武器受け」で耐え抜きます
何があっても笑顔を絶やしません
ウインドゼファーを魅了してみせましょう

攻撃を耐え抜きましたら【退魔封縛の舞】で攻撃を
無数の鎖を放ち、ウインドゼファーの車軸へ絡ませます
回転は軸への異物に弱いものです
一部で足を止め残りで一斉に攻撃を
続けて踏み込み舞薙刀で「二回攻撃」
予想される反撃はUCと同様に回避

キマイラフューチャーはキマイラの皆様方の舞台
退場した時点であなた方のものではありません
どうぞお引取りを



 怪人が放つ竜巻は、システム・フラワーズの花々を巻き上げ花吹雪を作り出していた。進入を拒む恐ろしい光景か、それとも観客を魅了する幻想的な光景か。どちらと捉えるかは人次第であり、アカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は後者であった。
 ここは舞台、目の前の相手は共演者。そう思えば恐れることは無いと、アカネはその中で平常心を保つ。そして舞台であるならばと、退魔封縛の舞を披露する。
 自然に逆らわず受け流すように、くるりと体を翻し。浮かべた笑顔はいかなる時も崩さずに。美しく振るわれる薙刀は、無粋な車輪を寄せ付けない。
 散るは花、吹くは風、舞うは姫巫女、晴れ舞台。

『君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな』
 奏される祝詞に込められしアカネの想い。生きてその日を迎えるのだという決意。
 二人で歩む未来を掴むため、今日も命を削り舞う。

 舞に合わせて放たれた鎖が怪人へと巻き付いてゆく。車軸へと自ら飛び込み、その身を絡ませ回転を食い止めてゆく。
「馬鹿な、私達は、今度こそ無限大の欲望を喰らい尽くし――!」
 スピード怪人が捕らわれる。退場してなお舞台に上がる哀れな演者に幕引きを。
「今のキマイラフューチャーは、キマイラの皆様方の舞台です。最早あなた方のものではありません……どうぞお引き取りを」
 舞薙刀の一閃をもって、猟兵と怪人の共演、これにてお仕舞いである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルシー・ナイン
まずは先制攻撃を凌ぐことですね。
怪人の速度に対抗できる気はしませんので【覚悟】を決めてサイキックフィールドジェネレーターを構えて全力で【オーラ防御】して突撃に耐えます。
怪人が再び飛び立ったらすかさずUCで反撃です。どうせ速すぎて捕らえられないでしょうから狙いは定めません。ブラスターもガトリングガンも拡散式のものに【武器改造】して自分の周囲全てに【範囲攻撃】の【一斉射撃】です。ミサイルも敢えて誘導はさせず無作為にばら撒きます。

どんなに速くても突撃してくる以上、自分の周囲を弾幕で覆っておけば、怪人の方から弾に突っ込んできてくれますからね。突撃の加速度も逆にダメージを増す要因になるはずです。



 轟、と飛び立つウインドゼファー。その瞬間を視覚で捉えることは、いかにエルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)であっても不可能だった。見上げれば怪人の姿は既に豆粒より小さく、こちらへ向けてUターンを行っている最中である。
 「やはりあの速度には対抗できません。ですので、ワタシも覚悟を決めます」
 事前情報から高機動戦モードでは分が悪いと判断したエルシーは、フルアーマー形態、高火力制圧モードによる戦術を構築していた。回避を捨てて、シールドとアーマーで防御を固めるエルシー。

 その姿に不穏な物を感じたのだろうか、ウインドゼファーは軌道をずらし、彼女の傍を通り過ぎるに留めていった。
 衝撃波がエルシーを襲う。音を超越した速度によるそれは、アーマーの重量が無ければ吹き飛ばされていただろう程の威力だ。盾を活用し全力で受け流す。
 飛び去ったスピード怪人はすぐに戻ってくるだろう。そして今度は直撃コースを外さないだろう。だから、その前に。
「これより反撃を開始します」

 ミサイルの誘導装置をあえて切る。ブラスターを連射モードに切り替える。ガトリングガンの銃身を切り詰める。全方位に弾幕を貼るためだ。
 欠点は弾幕の密度が薄くなること。対策は簡単だ、とにかく撃ちまくればいい。
 エネルギーの一滴、弾丸の一発も残さず撃ち尽くす、いわば全武装全弾射撃。
「一帯を完膚なきまでに殲滅します。オールウエポン、フルバースト!」

 そして、怪人は弾幕へと突入して撃墜された。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルク・フッシー
し、死にたく…ない…でも、だからこそ…やらなきゃ…!

竜巻と剣は、精一杯の【オーラ防御】と【武器受け】で防ぎます…痛みは…【覚悟】して!突っ切るしかない!
敵の武器とボクの大筆がぶつかったタイミングで、【花宴描画】を発動、酸【属性】の塗料を収束させてぶつけます
普通に撃っても弾かれるだけでしょうけど、近い距離でならその前に当てられます…!
彼女は見た感じ、サイボーグやそれに近い存在、その金属の身体を腐食させる事が狙いです

負けられない…負けられないんです!この世界には…ボクの、友達だって、いるんですから…!



 嗤うかのような唸りを上げる竜巻に、無機質な回転音を響かせる車輪剣。紛うことなき敵意を前に、ルク・フッシー(ただの少年猟兵・f14346)の瞳には涙が浮かんでいた。
「し、死にたくない、死にたく……ない……!」
「ならば退きなさい。私は門番、追いはしません」
 ルクの心は弱い。戦いの恐ろしさにはいつまで経っても慣れない。だが、怪人の言葉を受けても背を向けることはしなかった。

「う……うわあああぁ!」
「恐怖で錯乱しましたか。すぐに解放してあげます」
 正面から突撃するルクに、風と車輪が襲いかかる。体が捩じ切れそうな痛みをどうにか堪えた少年へ、一振りの剣が振り下ろされる。
 キイン、と甲高い音を立てて弾かれた車輪。弾いたのは特大の絵筆だ。ルクが愛用しているそれは瞬時に液体と化して怪人の体を彩っていく。
「酸性の塗料ですか。しかしそれでも、私の剣の方が速い!」
 刹那、二本目の車輪剣が振り抜かれた!

 キイン、と。
 二の太刀を防いだのはもう一本の絵筆、しかし先程と異なるのはその小ささだ。簡単にへし折られそうなその愛用品に、ルクは己の命運を迷わず託したのである。
「負けられない……負けられないんです!この世界には……ボクの、友達だって、いるんですから……!」
「これは……見誤りました、か……」
 怪人はようやく気付いた。少年の涙を湛えた瞳、そこに宿る強い意志に。
 それは、弱いからこその強さ。恐怖を乗り越え前へと進むための力。
 誰かを守る為ならば、どんな相手だろうと立ち向かえる。
 人はそれを、勇気と呼ぶのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

雷田・龍子
【WIZ】
人派ドラゴニアンの龍子は銃槍を構え空を飛ぶ

遠距離では【見切り/2回攻撃/スナイパー】で対処
近距離では【見切り/2回攻撃/なぎ払い/武器受け/武器落とし/串刺し/零距離射撃】で対処
受けたダメージはアイテム【ドラゴンコイル】で攻撃力に変換する

上空高く飛翔し、ウインドゼファーとの距離を十分取れたらUC攻撃を当てようと試みる。

「竜巻程度に雷は負けない」



 ウインドゼファーにとって、目の前の猟兵は取るに足らない存在だった。
 こちらを正しく認識しているかも怪しい視線、何も考えていないかのような精彩を欠いた動き。
 雑魚怪人をして十中八九勝てるだろう相手であり、幹部たる己ならば万に一つも無い。そう確信しているにも関わらず、スピード怪人が未だ止めを刺せていない理由とは。
「竜巻程度に雷は負けない」
 猟兵、雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)が零した一言だった。

「……何か誤解しているようですね。冥土の土産に教えてあげます」
 覆しようのない戦況なのが良くなかった。少しでも龍子に光る物があれば、怪人も念には念を入れてさっさと決着を着けていただろう。しかし現実はそうではなく、だからこそ怪人は龍子の主張に異を唱えてしまった。
「そもそも私の欲望は『誰よりも速く』であり『何よりも速く』ではありません。仮に貴方の技がノータイムで発動する物だとしてもその前に私の技が命中します。ジャンケンで例えるならフライングでぶん殴り後出しすらさせないのが私です、分かりますか?」
「でも風って雷より遅いよな」
「話聞いてました貴方!?」
 その結果がこれである。ぽんこつを超越した何かに、怪人のマスクにヒビが入った。

 その後もなんやかんやあって、とうとう折れる怪人と、帯電していく龍子。
「……はぁ、もういいです。私は行くので貴方もさっさと帰って下さいね」
「竜巻程度に雷は負けない」
「だから話を聞いて!?」
 落雷が止んだ後にウインドゼファーの姿は無かった。もちろん倒せていない。

失敗 🔴​🔴​🔴​

ステラ・ハシュマール
漸く普通に強敵が登場というところかな?待ちくたびれたよ。さあ、死合おう。君の死は芸術になる。

冥獄炎化粧・紅薔薇を発動するよ。
ボクは飛べるから足場は関係ないけど、暴風は別だ。巻き込まれないように炎へと変身。
同レベルの炎と風なら炎は風を燃料にさらに燃える。でも完全に取り込むことは出来ないだろうし、流しきれないダメージは【激痛耐性】でカバー。
その後黒壇鎮魂葬送曲で【戦闘知識】をフル活用して攻撃を【野生の勘】で【見切り】【カウンター】ねらい。【怪力】を使って【薙ぎ払い】等で皆が与えた【傷口を抉る】よ。
距離を取るなら火炎刃で狙い打ちさせてもらう。

「君という作品に、そろそろサインを入れよう。死のサインを」



 ウインドゼファーのレボリューション・ストームは花の足場をことごとく崩壊させる。それは怪人の足元も例外ではない。ともに落下していく怪人と向き合いながら、ステラ・ハシュマール(炎血灼滅の死神・f00109)は不敵に笑った。
「この時を待ちくたびれたよ。さあ、死合おう。君の死は芸術になる」

「炎は風を燃料に更に燃える。君の力を喰らわせてもらうよ」
 黒い翼を広げると共に全身を炎と化すステラ。炎は風を受けて勢いを増してゆく。
「そこまで言うならば分かっているでしょう。風の方が強ければ炎は消し飛びます」
 怪人も負けていない、暴風が更に勢力を強める。上下左右から迫りくる風によって文字通り体が千切れそうな痛みを味わうステラだったが、彼女は歯を食いしばって笑みを更に深めるのだった。

 風の唸りをつんざく耳障りな駆動音。大鎌が振るわれる度に、これまでの戦いで刻まれたウインドゼファーの傷が抉られていく。
「いいね、すごくいいよ。君という作品は今まで作った中でも上々だよ」
「悪趣味が過ぎますね……!」
「理解してもらえないのは残念だね。まあいい、そろそろ仕上げと行こうか」

 不穏な気配を感じた怪人が距離を取ろうとするが、時既に遅し。そこはステラの間合いの内だ。
 ステラの武器に炎が集まり形を成す。元となったそれの何十倍も巨大な鎌を。炎熱は烈風を呼び、怪人の風を圧倒する。
「サインを入れるとしよう。死のサインを!」
 死神の一撃が、ウインドゼファーの命運を刈り取った。

成功 🔵​🔵​🔴​

レパル・リオン
急がないと…この世界が、滅びちゃう!パパ、ママ…あたし…負けないわ!

花の足場が切り裂かれるなら…アイツが起こす風に乗って、アイツに近づいてやるわ!あたしの身体に風の【属性】を宿す!無闇に風に逆らわず、逆に流れを利用してアイツに近づくわ!【空中戦】だったらあたしもできるわ!

痛みと苦しみは…【激痛耐性】と、【覚悟】で耐えるっ!嵐に耐えて、怪人に近づいて、【怪力】【グラップル】で掴むわ!絶対逃がさないっ!

うおおおっ!【竜咆拳】っ!



●散るは花、吹くは風
 ウインドゼファーは死の淵にあった。致命傷を与えられ、いずれ滅びることは明らかだった。
「ですから、放っておいてもらえませんか?」
「ダメよ!急がないとこの世界が滅びちゃうもの!」
 それでも、キマイラフューチャーの住人、レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)は座して待つことを良しとはしなかったのである。

 ならば道連れです、怪人がそう言うや否や空へと投げ出されるレパル。
「パパ、ママ……あたし、負けないわ!」
 しかし、彼女とて伊達や酔狂でこの場にいる訳ではないのだ。上下さえ定かでなくなる乱気流の中、あえて風に逆らわず利用することで怪人へと距離を詰めていく。
「でりゃーっ!」
 とうとう正拳突きを叩き込むことに成功するも、遥か下方へと吹き飛んでいく怪人を見つめるレパルの目は険しいまま。
 駄目だ、この体勢じゃあ威力が出ない。それなら――!

 それはヒーローの超必殺技。仲間の想いを乗せ、守るべき人々のために放つ一撃。
 魔力を纏い、遮る物の無い空を一陣の風となり駆け下りていく。
 その瞬間レパルは、桃色のキマイラは、怪人の速度を上回った。

「これでアンタは終わりよ!究、極!」
「――あぁ。次世代の種族達など、与えられた平和に甘えるだけと思っていましたが」
 怪人という徒花が散華する。世界に新しい風が吹く。
「なかなかどうして、素晴らしいじゃないですか……!!」
「レパル・カミカゼキィィーーック!!」

 スピード怪人『ウインドゼファー』――撃破。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月21日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト