バトルオブフラワーズ⑪〜疾風纏うウインドゼファー
「皆様、怪人軍団の幹部・ウインドゼファーとの戦いが始まりました! アカネに力をお貸しくださいませ!」
グリモアベースに駆け込んだアカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は、集まった猟兵たちへと向かい合った。
キマイラフューチャーの未来を決める決戦「バトルオブフラワーズ」の有力者との戦いも、これで第三戦目となる。
次の敵はスピード怪人ウインドゼファー。風のユーベルコードを得意とする、怪人軍団のシリアス枠だ。
「とはいえ、ドラゴンテイマーやドン・フリーダムがシリアスではないとは言い切れませんが。とにかく、今までのエイプモンキーやラビットバニーとは違って、ウインドゼファーは単純に強いのです」
ウインドゼファーは特殊な能力は無い代わりに、強力なユーベルコードを使ってくる。
その上、ウインドゼファーは必ず先制攻撃をしてくる。これに対処できなければ、まともにダメージを与えることもできないだろう。
今までのボス達のように、工夫で裏をかくことはできない。今まで以上に使われるユーベルコードへの対処が重要になってくるだろう。
ウインドゼファーはオブリビオンのため、何度でも蘇ってくる。だが、短期間に何度も倒せば復活できなくなる。
「これまで、幾度も戦いをくぐり抜けてきた皆様方ならば、必ず勝利できると信じております。どうかお気をつけて。無事に帰ってきてくださいませ」
頷く猟兵達に微笑むと、アカネはグリモアを発動させた。
三ノ木咲紀
オープニングを読んでくださいまして、ありがとうございます。
マスターの三ノ木咲紀です。
今回はスピード怪人・ウインドゼファー戦のご案内に伺いました。
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功です。
それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。
それでは、皆様のプレイングをお待ち致しております。
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
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マユラ・エリアル
純粋な戦闘能力だけで幹部まで登り詰めたか…
流石はシリアス枠というだけの事はある
こちらも全力で相手しようではないか
●対策
敵の先制攻撃に対しては『フェイント』を駆使しながら少しでも直撃を避けるように動こう
2本の車輪剣での攻撃に対しては両腕のガントレット+右手の鉤爪で『武器受け』してガード
『オーラ防御』も合わせて竜巻に対しての備えにしよう
●戦闘
攻撃をやり過ごしたらこちらも反撃に移らさせて貰う
『全力魔法』『属性攻撃』でブーストした【氷刃展開】を発動!
氷の刃を広域に展開
『2回攻撃』で更におかわりだ!
たとえどれだけ速く動こうとも、攻撃を軽減されようとも
この物量を前にしてどれだけ避けていられるかな!
花のバトルフィールドに立つウインドゼファーを前に、マユラ・エリアル(氷刃の行方・f01439)はShadow of the Earthを手に立ちはだかった。
「純粋な戦闘能力だけで幹部まで登り詰めたか……。流石はシリアス枠というだけの事はある」
「来ましたね猟兵。シリアス枠が何のことかは分かりませんが、あなた方をここから先へ通す訳には参りません」
「無論、素直に通してもらえるとは思っていないさ。幹部に敬意を表して、こちらも全力で相手しようではないか」
「ぬかせ!」
花の床を蹴ったウインドゼファーは、身にまとうタイヤを全て高速回転させると「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣をマユラに向けて放った。
鋭い唸りを上げて迫る車輪剣が、マユラを切り裂こうと唸りを上げながら迫る。
刃がマユラを切り裂く寸前、半身を翻す。確実に剣の軌道を誘導するようにギリギリまで引きつけた攻撃は、マユラの影を切り裂き過ぎる。
一本目を避けたマユラに、もう一本の車輪剣が迫る。
「これは避けられないでしょう!」
ウインドゼファーの宣言通り、二本目の車輪剣がマユラに突き刺さった。
交差させた両腕のガントレットに、唸る刃が食い込む。刃を腕の方へ回した鉤爪の刀身も利用して攻撃を受け止めたマユラは、裂「嗤う竜巻」を放つウインドゼファーと睨み合った。
「退け、猟兵! ドン・フリーダムの下へ行かせるわけにはいかないのです!」
「断る。キマイラフューチャーのコンコンを、まだ楽しみ尽くしてはいないのだからな!」
冗談なのか本気なのか分からない口調で大きく距離を取ったマユラは、ユーベルコードを詠唱した。
激痛を訴える両腕を無視して、魔力を練り上げる。全力魔法に属性攻撃を乗せた詠唱に応えて現れた魔力が、氷属性の魔法の刃となり広域に展開される。
「氷刃の名は伊達じゃないという事だ。覚悟しろ」
現れた185本の氷の刃が、ウインドゼファーに向けて一斉に放たれる。
ウインドゼファーは時間差をつけて次々に突き刺さる氷の刃を避けようとするが、広域に展開する攻撃は回避を許さない。
「たとえどれだけ速く動こうとも、攻撃を軽減されようとも、この物量を前にしてどれだけ避けていられるかな!」
「黙りなさい、猟兵!」
全タイヤ高速回転モードでダメージを軽減したが、無傷とはとても言えない。
ウインドゼファーは油断なく車輪剣を構えると、距離を取った。
成功
🔵🔵🔴
沢木・助平
速さ、速さってなんだ!?
振り向かない事さ!
っつー事でスピード自慢のメカねーさんとちょびっと遊ぶとしますかねぇ。
あー!それにしてもカッコいいっすねぇスピードゼファーさん!
その腕や身体、解体したーい!自分が勝ったら検体提供してくれません?
暴風対策は暴風で潰す!
てことで今回のガジェットショータイムは!
【ブチアゲくん】と組み合わせて蒸気を原動力に直進の二本の圧縮突風を放つ【ツー!突風!】だぜ!
無差別の暴風ならより直進的な風で道を作るっつー訳ですよ。まー痛みは我慢かなぁ。
向こうは風と速さに自信があるから絶対に…
突っ込んでくる!
突っ込んでくる!
突っ込んでくる!
突っ込んでくる!
そこをガツンだ!!
距離を取り、車輪剣を構え直すウインドゼファーを前に、沢木・助平(ガジェットラヴァー・f07190)は目を輝かせながらしみじみと呟いた。
「あー! それにしてもカッコいいっすねぇスピードゼファーさん!」
「ウインドゼファーです」
冷静なツッコミには耳も貸さず。助平は惚れ惚れした様子で、ウインドゼファーのホイールやマフラーのチタンのような輝きに大きく頷き手を差し出した。
「その腕や身体、解体したーい! 自分が勝ったら検体提供してくれません?」
「できるものなら、やってご覧なさい!」
あくまでも冷静に言い放ったウインドゼファーは、手にした車輪剣を横薙ぎに薙ぐと暴風を放った。
息もできないほどの猛烈な風が助平を襲い、足場の花びらがボロボロと崩れ落ちていく。
荒れ狂う風を前に、助平は両腕に装着したガジェットを胸の前で突き合わせた。
「ガジェットショータイム! 今回は【ツー!突風!】」
機嫌よく叫んだ助平は、押しつぶされそうな風に拳を向けた。
両の拳をウインドゼファーの前に突き出し、強行仕様身体強化外骨格【ブチアゲくん】から圧縮突風を放つ。
「暴風には暴風だよー!」
蒸気を原動力に放たれる直進の二本の風は、うねる暴風を切り裂き一筋の道を作る。
指向性の風ならば危うかったが、無差別の暴風ならより直進的な風で道は作れる。
相殺し切れない風が助平の身体を切り裂く。激痛に飛びそうになる意識を堪えた助平は、浮かぶメロディを脳裏に乗せた。
(「♪速さ、速さってなんだ!? 振り向かない事さ!」)
歌に力づけられた助平の風が一筋の道を作り出すように、花びらの足場が残る。その向こう側がゆらりと揺らいだ。
ウインドゼファーは、風と速さに絶対の自信を持っている。風に倒れない相手ならば、絶対に突っ込んでくる!
助平が確信した時、車輪剣が目前に迫った。
唸りを上げる車輪剣を半身で避けた助平は、切り裂かれる痛みに眉を顰めながらもウインドゼファーの胸元に【ブチアゲくん】を突きつけた。
「メカねーさんとちょびっと遊んでよ」
声と同時に、猛烈な風がウインドゼファーを直撃する。
距離を取るウインドゼファーの姿にファイティングポーズを取った助平は、そのまま意識を失った。
成功
🔵🔵🔴
蔵座・国臣
同じ能力値で対処し、さらに、先制される。
それが分かっているなら誘導できるだろうし、来ると分かる攻撃なら堪える事ができる。防御にはリソース使ってるしな。
「白紙の設計図」より持ち込む武器は銃器。運転しながら片手で戦える…サブマシンガンだな。
wizのユーベルコードを選択して敵に「ソード・オブ・ダイアモード」を使用させる。私は回復しながら戦う。相手は寿命を削りながら戦う。
先制をとられても一撃で落ちさえしなければ、宇宙バイクで逃げ、回復しながら引き撃ちだ。攻撃の手を止めず撃ち続ければ、攻撃を軽減するその技を解除しないだろう。
耐久レースといこうか。
私が耐えれば耐えるだけ、他の猟兵に攻撃をする余裕が出きる。
車輪剣を構え直すウインドゼファーを前に、蔵座・国臣(装甲医療騎兵・f07153)は宇宙バイク・鉄彦のハンドルを握った。
同時にかかるエンジン。唸りを上げる爆音に振り返ったウインドゼファーに向けて、国臣はフルスロットルで駆け込んだ。
「バイク乗りですか。いいでしょう。相手をして差し上げます!」
車輪剣が横薙ぎに凪がれた直後、暴風が吹き荒れた。
襲い来る猛烈な風を前に、奪われそうになるハンドルを何とか宥めて態勢を整える。
崩れる足場を巧みなハンドル捌きで乗り越えた国臣は、全身を切り裂く暴風の傷を【戦線緊急治療】で癒やした。
ウインドゼファーは同じ能力値で対処し、さらに、先制される。
それが分かっているなら誘導できるだろうし、来ると分かる攻撃なら堪える事ができる。
深い傷を医療用ナノマシンで癒やした国臣は、手にしたサブマシンガンをウインドゼファーに向けた。
国臣は回復しながら戦う。ウインドゼファーは寿命を削りながら戦う。
国臣が耐えれば耐えるだけ、他の猟兵達が攻撃する隙が生まれるというもの。
「さあ、耐久レースといこうか」
片手で持ったサブマシンガンを放ちながら、宇宙バイクは距離を取る。
崩壊した足場を避け、距離を取りながらサブマシンガンで攻撃。その直後には既にその場にいない。
ウインドゼファーは雨のように降り注ぐ銃弾を避けようとするが、全ての回避はできずに装甲に蜂の巣を空けた。
「ええい、小うるさい!」
苛立ったように吐き捨てたウインドゼファーは、車輪剣を構えると一気に駆けた。
動きの軌道を読み、先回りする車輪剣が国臣を切り裂く。
肩に感じる痛みに眉を顰めた国臣は、再び【戦線緊急治療】で癒そうとした。
そこへ、暴風が荒れ狂う。
再使用のユーベルコードに対しての先制攻撃は、初撃と同様の威力で国臣に迫る。
高威力の暴風は再び足場の花びらを崩壊させる。片手で運転し、ユーベルコードの副作用で疲労していた国臣は、崩れる足場と襲う暴風にバランスを崩し、弧を描くように転倒する。
受け身を取り、身体を半回転させて起き上がる。
発動する【戦線緊急治療】で傷を癒やし、サブマシンガンが火を放つ。
襲う疲労によろけながらも再びバイクへ向かう国臣の行動を阻害するように、ウインドゼファーは駆け出した。
成功
🔵🔵🔴
雷田・龍子
◎SPD
ウインドゼファーが風を操るなら、私はそれを利用する。
対象の先制攻撃は受けるのではなく【見切り】、対象の力を利用し少しだけベクトルに変化を与え、いなす。
対象の力が強力であればあるほど効果がある。
受けてしまったダメージはアイテム【ドラゴンコイル】で攻撃力に変換する。
対象の先制攻撃に対処出来ても出来なくても構わずUC発動。
私に足場は関係ない。
私は雷を操る。
雷は暴風程度に負けない。
全身を帯電させる。
対象を【催眠術】にかけ惑わせようと試みる。
花の足場を【念動力】で操り、こちらの有利に働かせようと試みる。
対象の攻撃を【見切り】【カウンター】で渾身の【マヒ攻撃】を試みる。
ウインドゼファーと相対した雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)は、真正面から相対するとドラゴンコイルを構えた。
「あなたが風を操るなら、私はそれを利用するまでです」
余裕の笑みを浮かべる龍子に、ウインドゼファーは苛立ったように車輪剣を振りかざした。
「その余裕、私の風で切り裂いてみせましょう!」
声と同時に吹き荒れる暴風。龍子は風に目をこらし、その行方を肌で感じると攻撃の見切りを試みた。
ウインドゼファーの力を利用し、少しだけベクトルに変化を与えていなす。
暴風を見切り、避けた龍子に別方向からの風が吹き付けた。
広範囲に吹き荒れる風は線ではなく面となり、空間全体に吹き荒れ足場の花びらを崩していく。
全身を襲う風の刃が、龍子の身体を容赦なく切り裂く。
受けたダメージをドラゴンコイルで攻撃力に変換した龍子は、襲う痛みを歯を食いしばって耐え抜く。
暴風を何とかいなしきった龍子は、全身を帯電させると【夢幻龍合氣】を発動させた。
「私に足場は関係ない」
オーラのような雷を身にまとった龍子は、レベルが300となった技能を駆使し反撃に転じた。
崩れた足場を念動力で固め、足元がそれ以上崩れないように固めた龍子は、車輪剣で斬りかかってくるウインドゼファーに催眠術を試みる。
「私は雷を操る」
だが、ウインドゼファーに効果のある催眠術がどんなものかが分からない上に高速移動するウインドゼファーには効きが浅く、足を止めるには至らない。
「雷は暴風程度に負けない」
次の瞬間、唸りを上げる車輪剣が龍子に迫った。
冷静に見切った龍子は半身で避け、ドラゴンコイルを振り抜いた。
「これが私の全力だ!」
雷龍の毛が巻かれたコイルがウインドゼファーの腹に突き刺さる。
受けたダメージが雷に変わり、ウインドゼファーの身体を灼き貫く。麻痺させるには至らなかったが、大きなダメージを与えたことに変わりはない。
「猟兵が……なかなか、やりますね」
身体をくの字に曲げたウインドゼファーは、大きく後退するとよろりと立ち上がった。
成功
🔵🔵🔴
蒼焔・赫煌
よっしゃー! いっくぞー!
正義の味方のお通りだい!
要注意ポイントは足場が崩れることと無差別であること!
無差別ってことは可愛いボクそのものが狙いじゃないってことさ!
バラバラになった足場の破片の動きで風の流れを少しでも【見切り】、ダメージを抑えるよ!
足さえ動けばノー問題、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ!ってヤツさ!
ダメージは【覚悟】の上の【捨て身の一撃】をぶち込むよ!
バラバラになっても消えてなくなってるわけじゃない
最大速度で破片から破片へ跳び移って、駆け抜ける!
踏んだ破片は思いっきり蹴とばして更に加速!
炎の放射も追加して更に更に速度を乗せる!
これがボクの全速だよ!
【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】
車輪剣を構え直すウインドゼファーに、蒼焔・赫煌(ブレイズオブヒロイック・f00749)は笑みを浮かべた。
「ここは通してもらうよ、ウインドゼファー! 悪は滅びる定めなりってね!」
「システムフラワーズ掌握の邪魔をする、お前達こそが悪です猟兵!」
怒りと共に車輪剣を振りかざしたウインドゼファーは、猛烈な風を赫煌に叩きつけた。
広範囲を無差別に攻撃する風が、赫煌に襲いかかる。荒れる風にテンションを上げた赫煌は、崩れ始めた足場の花に明るい声を上げた。
「よっしゃー! いっくぞー! 正義の味方のお通りだい!」
崩れる足場の動きに注視した赫煌は、襲い来る風に【熱に焦がれよ、我が命】を発動させた。
赫煌の足元に火が燃え上がる。
燃える車輪を内蔵させた戦闘靴、火足九道カシャの車輪が唸りを上げて崩れる花びらに軌跡を描いた。
ウインドゼファーのユーベルコード【レボリューション・ストーム】は、【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
「『無差別』ってことは可愛いボクそのものが狙いじゃないってことさ!」
攻撃の特性を読み切った赫煌は、バラバラになる足場の動きで風の動きを読むと見切りを試みた。
バラバラになっても、足場の花びらが消えてなくなってるわけではない。崩れる足場のわずかな時間差を読み切った赫煌は、最大速度で破片から破片へ跳び移って、駆け抜けた。
襲う暴風を見切りながら進むが、全てを見切れる訳ではない。ダメージを抑えて入るが、身体を切り裂く風の渦が生み出す痛みが、赫煌に撤退を要求する。
だが、赫煌は屈しなかった。
「足さえ動けばノー問題、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ! ってヤツさ!」
ダメージ覚悟で風に突っ込んでいく赫煌は、痛みを無視しながらも全速力で突っ込んだ。
踏んだ破片を思いっきり蹴とばして更に加速を加える。
火足九道カシャが生み出す炎が風に煽られ、炎の翼のように追随する。
風に煽られ勢いを増す炎を背負った赫煌は、ただ一点を見つめて更に速度を乗せた。
「これがボクの全速だよ!」
風を抜けた赫煌は、ウインドゼファーの前に踊り出るとに火足九道カシャを叩き込んだ。
超高熱の炎が、ウインドゼファーを包み込む。捨て身の一撃を受けてよろめいたウインドゼファーに、弧を描き着地した赫煌は笑みを浮かべた。
成功
🔵🔵🔴
櫟・陽里
速さを求める時必ずぶつかるのが空気の壁
風圧はカウルで受け流し乱気流にブレる車体を技術でねじ伏せ…
レーサーと風は昔から喧嘩友達なのさ
ライを空気抵抗を最大限改良したレース型に変形
人馬一体で完成する流線型は重ねた空力研究の成果
暴風が中・遠距離技なら操縦技でいなしてみせる
本命は接近戦
動体視力で敵をよく見る
正面ならすれ違うよう走り
並走か敵の後ろに着けるなら敵の追い風に相乗りし全力追走
意地で追いつけ!
すれ違いでも追走でも大ダメージでも何とか車体を接触させ
火花を起こせればユーベルコード発動
風を利用し燃え上がれ
風で速さを得るなら風を超える事は出来ねぇ
あんたの欲には上限がある
雑念を誘い技の威力が落ちたらラッキー
真空を作り出し炎を消したウインドゼファーに、櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)は挑発するように言った。
「風で速さを得るなら風を超える事は出来ねぇぜ?」
「……なんですって?」
陽里の挑発に一瞬動きを止めたウインドゼファーは、ゆっくり振り返ると陽里と相対した。
怒りの視線を、フルフェイスヘルメット越しに感じる。プライドを傷つけられたウインドゼファーに、陽里は更に続けた。
「あんたの欲には上限がある。そんなんで俺とライを抜くことはできねぇぜ?」
「ならば、超えて御覧なさい!!」
一声吠えたウインドゼファーは、全身に暴風を纏うと花びらの床を蹴った。
荒れ狂う暴風を纏ったウインドゼファーが、風と共に陽里に猛突進を仕掛ける。
吹き荒れる暴風を前に、陽里は躊躇なく走り出した。
直後に感じる猛烈な空気抵抗。速さを求める時必ずぶつかるのが、この空気の壁だ。
嵐のような暴風が、陽里を押し潰そうと迫る。
息苦しいほどの風圧はカウルで受け流し、乱気流にブレる車体を技術でねじ伏せる。
レーサーと風は昔から喧嘩友達なのだ。
空気抵抗を最大限改良したレース型に変形させたライは、ウインドゼファーの放つ暴風に負けずに突き進む。
人馬一体で完成する流線型は重ねた空力研究の成果。暴風が中・遠距離技なら、操縦技でいなしてみせる。
その決意と共に駆けた陽里は、目の前に迫るウインドゼファーの動きを動体視力で見極めた。
ウインドゼファーの車輪剣が、陽里に迫る。すれ違いざま陽里を攻撃しようとしたウインドゼファーの動きに、一瞬戸惑いが見えた。
距離が近すぎるのだ。
正面衝突も辞さないほど接近して近づく陽里の姿に、ウインドゼファーは手にした車輪剣の柄を短く変更する。
長大な車輪剣は、近すぎる敵には完全な威力を発揮しないのだ。
その刹那が、明暗を分けた。
構えが完全ではないウインドゼファーに、ライが接触する。
ウインドゼファーの身体に起きた小さな火花が、ふいに巨大な炎へと燃え上がった。
発動した【Side by side】の火花が大きな炎へと変化し、風により運ばれる酸素で更に燃え上がる。
不完全ながらも同時に放たれた車輪剣の攻撃が、陽里の腕を深く切り裂く。
刹那の攻防に勝利した陽里は、傷の痛みにも構わずライを横滑りに停車させると労うようにカウルを叩いた。
成功
🔵🔵🔴
ヴォルフラム・ヴンダー
敵ながら気概のある者と見受ける
だが、それもここまでだ
――『絶望』をもって。貴様に、引導をくれてやる
【黒風鎧装】で漆黒の旋風をまといヴァンパイアに変身
敵が向かい来るなら、あえて正面から突撃
互いの風をぶつけることで、風の威力の低下 or 相殺を狙う
遠距離・死角、あるいは上空からの攻撃時は
「槍投げ」で竜槍を放ち、「串刺し」で地に引きずり落とす
攻撃が通る隙を見いだせたなら
黒剣で敵の肩、腕、脚、かかと等、機構部の部位破壊を狙う
機動力のそぎ落としが叶いしだい、とどめをさす
敵の攻撃は「見切り」「残像」で回避
多少の傷は「激痛耐性」で耐える
積極的に「カウンター」狙い
「吸血」「生命力吸収」で攻撃&体力回復
猟兵達の攻撃を受け切り、大ダメージを受けながらも平然と立つウインドゼファーの前に、ヴォルフラム・ヴンダー(ダンピールの黒騎士・f01774)はドラゴンランスを構えた。
「敵ながら気概のある者と見受ける。だが、それもここまでだ」
「それは、こちらの台詞です猟兵!」
吠えるように叫んだウインドゼファーは、全身を荒れ狂う暴風で覆うと花びらの床を蹴った。
空高く飛翔したウインドゼファーの周囲には、バリアのような暴風が吹き荒れている。空を飛んだウインドゼファーは、車輪剣を構えると攻撃態勢に入った。
「私の風は、私の速さは、誰にも、負けない!」
「そうか。それがお前の『希望』か。ならばーー」
上空のウインドゼファーを見上げたヴォルフラムは、【黒風鎧装】を発動させた。
漆黒の風を切り払い姿を現したのは、真の姿を現しヴァンパイアとなったヴォルフラムだった。
冷酷な光を宿した目がウインドゼファーを射抜くように見上げ、愉しそうに笑う口元には鋭い犬歯が覗いている。
灰色の髪は毛先が紅と黒に染まり、生き物のようにざわりと揺れる。
己が身に流れる血の半分を開花させたヴォルフラムは、上空のウインドゼファーにドラゴンランスの穂先を突きつけた。
「――『絶望』をもって。貴様に、引導をくれてやる」
「その前に猟兵、お前を倒してみせましょう!」
攻撃力を更に強化させたウインドゼファーの車輪剣から、鋭い風の刃が放たれる。
迫る三日月型の真空の刃をまっすぐ見極めたヴォルフラムは、ギリギリまで引きつけると寸前で見切り、躱す。
刃は残像を切り裂き消えるが、全てを躱しきれた訳ではない。流れる血に口の端をわずかに上げたヴォルフラムは、手にした槍をウインドゼファーに構えた。
「落ちろ」
声と同時に放たれる槍が、空を切りながらウインドゼファーに迫る。
ウインドゼファーが万全な状態だったら、槍は避けられただろう。だがこれまでの連撃でダメージを蓄積されたウインドゼファーは反応が一瞬遅れた。
直後、槍がウインドゼファーを貫く。
串刺しにされたウインドゼファーは、よろけると地上へと落ちる。
同時に駆け出したヴォルフラムは、黒剣を抜き放つとウインドゼファーへ振り上げた。
肩、腕、脚、かかと……。もはや身動きの取れないウインドゼファーの機構部の部位を、正確に破壊していく。
攻撃を受けたウインドゼファーは、車輪剣を握った手に力を込めるとふいに消えた。
最後の力で高速移動したウインドゼファーは、ヴォルフラムに向けて車輪剣を突き出し迫る。
「道連れにしてやる……!」
「断る」
冷静に言い放つ声と同時に、二振りの剣が交錯する。
ヴォルフラムの黒剣に貫かれたウインドゼファーは、声もなく一陣の風となる。
虚空に消えゆく突風を、猟兵達は静かに見上げ、見送った。
成功
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