サムライエンパイアのとある宿場町の掲示板、人々が見上げるそこに一枚の手書きの張り紙が無断で張り付けられていた。白い紙の大きく黒い文字でそこにはこう書かれている。
――この街の薄汚い男共を粛正する。審判の鞠が男共の醜い本性を暴き出す――。
町人たちは、誰かのいたずらかとその時は気にも留めていなかった。
キケ・トレグローサ(たった一人の流浪の楽団・f00665)はグリモアベースで呼びかけて猟兵たちをかき集める。
「サムライエンパイアでの事件を予知したよ、今回起きる事件は言わば、オブリビオンによる辻斬り事件。みんなにはそれを防いでほしいんだ」
辻斬り、とは通りがかりに人を切りつける行為の事だ。オブリビオンの辻斬りとなれば、見境なく人々を傷つけて回る危険性が高い。
「場所はサムライエンパイアの宿場町。オブリビオンは掲示板に張り紙で予告をしているんだ。その意図は分からないけど、ともかく情報はある。町民たちもその張り紙の事はほとんどの人が知っているから、話を聞くと色々とわかることもあるんじゃないかな?けど、町民たちは張り紙の事を悪戯か何かだと思ってる人が多いから、話を聞くときは気を付けてね」
張り紙に関しては宿場町全体に話が知れ渡っている様子だが、事態を重く見ているのはごくごく少数ということだ。あるいは一工夫して人々に尋ねれば、オブリビオンについて何かわかるかもしれない。
「予告を見る限りだと、オブリビオンは何か特別な道具を持っているみたい。人の本質や過去、願望を暴くような鞠?僕の予想だとそういった能力を持った道具なんだと思う。オブリビオンと戦うときは対策を考えておいた方がいいかもね」
キケは宿場町に関する手製の資料などを猟兵たちに配り終えると説明を終える。
「オブリビオンに何の罪もない人が傷つけられるのは、看過できないよ。みんな、この事件は必ず防ごう」
キケはグリモアを起動しながら猟兵たちに頼んだ。
Yggd
こんにちはYggdです。時代風の和風旅館風情があっていいですよね。行ったことは無いんですが。
サムライエンパイアで男性殺しちゃうぞーなオブリビオンが予告状を張り出したみたいですね。宿場町の人のほとんどは張り紙について悪戯程度に考えています。また、オブリビオンは何かしらの道具を持ってる様子なので、戦闘になるとその道具の破壊も行うことでしょう。
それではサムライエンパイアの人々を守るため、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『予告状を探れ』
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POW : 怪しい場所へ殴りこむ、怪しい人を捕まえて調べる
SPD : 走り回り情報を得る、細工や罠をしかける
WIZ : 過去の資料を調べて敵を絞る、町人達に話しかけ調査する
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十六夜・無白
【POW】
「はーん。辻斬りに予告とはまた律儀だなぁ」
スンスンスン。
街の中に怪しい臭いはないかと鼻を鳴らす。
「とにかく。件の輩のところに行きゃあ、ツエーヤツらの斬った張ったが見れるかもしれねえんだろ? ンなもん野次馬しにいく一択だろ!」
幸い(?)斬られそうなのは野郎ばかり。
魂の性別は別として、自分には害が及ばないと思えば気は楽だと、早速裏路地へと入っていく。
細やかな心遣いの出来ない自分は、怪しいヤツに片っ端から聞いていくしかないとばかりに、目についた相手に脅しをかけて情報を集めていこう。
有用な情報手に入れたら、他の猟兵サンらに褒めてもらえっかな? …と、邪な笑みが口の端に浮かぶ。
事件の発端となった宿場町の掲示板に掲げられた、オブリビオンのものと思われる予告状を見上げて十六夜・無白(万有引力の野良狐・f18287)は妖狐特有の耳をツンと立てる。
「はーん。辻斬りに予告とはまた律儀だなぁ」
掲示板を見上げて特に深く考えた様子も、興味を感じたなく、無白は町をきょろきょろと見渡す。すんすん、と本物の狐のように鼻を鳴らして無白は周囲の様子を探る。
「とにかく。件の輩のところに行きゃあ、ツエーヤツらの斬った張ったが見れるかもしれねえんだろ? ンなもん野次馬しにいく一択だろ!」
ガツンと拳を合わせて無白は宿場町を歩き回ることにした。
無白の考えは至極単純なものだった。それは片っ端から町の人の尋ねて回るという物である。無白はその中でも怪しい風体の連中に声をかけて回る。
(ま、幸いにも敵の標的は男。魂は男だが、外見が女の俺が斬られることはないだろうな)
と、自分の性別の有利に高を括り、無白は目についた怪しい男たちに片っ端から声をかけて回る。
「よぉにぃちゃん、ちょっと話聞かせて欲しぃんだけど」
無白は裏路地で隠れるように何かしていた男に声をかける。声をかけられた男はびくりと肩を震わせて振り返る。男の向こうに、女物の着物の袖が見えた。
「へぇ、下衆な趣味してるね。おにぃさん。ま、前世で悪事を働いてきた俺が言えたことじゃねぇか」
にやりと口元を歪ませ白い歯を見せる無白。相手が外道だとわかり、少女の化けの皮を被るのをやめた無白から発せられるのは、かつて悪事の限りを働き、その後に転生を果たした男の得も言われぬ威圧感。同時に彼女の体の血液が、活発に流れ始めて彼女がもつグールドライバーが大きく肥大して凶悪な牙を覗かせる。
「何、少し話を聞かせて欲しいだけさ」
男は腰を抜かし、しりもちを着いた。ガクガクと震え上がり、無白を見上げる。男に絡まれていた女性は、別の道から無事に逃げ出したようだった。
(有用な情報手に入れたら、他の猟兵サンらに褒めてもらえっかな?)
無白の脳裏に一瞬邪な思考がよぎり、彼女の笑みは一層深くなった。
成功
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九尾・へとろ
■WIZ
男を粛清するってどういう了見なんじゃろか。
それにさほど町民にも相手にされてなさそうじゃの。
ふーむ、気付かれぬ内に討つとするかのう。
さて、町民がそういう感じじゃと大して情報も収集できないんじゃないかの。
張り紙を貼り付けておった時の目撃者を探す、とかかのう。
まぁ張り紙の張ってある看板を見ておれば何人かは捕まえられるじゃろ。
聞き込みの時は「誘惑」「存在感」「言いくるめ」を使おうか。
このような書き込みがあるということはこの村にはなんかあるんかのう。
それともただの気まぐれでこの村なのか。
まぁどっちでもよいわ。
宿場町なら多少の店もあるじゃろ。
戦いの前に甘味で腹ごしらえでもしようかの、ひょひょひょ。
宿場町の掲示板を見上げ、極彩色の衣服を着用した九尾・へとろ(武舞の姫・f14870)はふ~む、と唸り声をあげる。視線の先には落書きのように走り書きにされた、事件の発端になった予告状がある。
「男を粛清するってどういう了見なんじゃろか。それにさほど町民にも相手にされてなさそうじゃの」
オレンジ色のおかっぱ髪から突き出した、ツンと立った妖狐の耳をぴくぴくと動かしながら、通りの様子を観察するへとろ。ちょうどその時に一人の男がへとろの前にやってきた。
「おい、娘っ子。そんなところで何をしている?まぁた悪戯をされたらかなわねぇ」
男は守衛風の帽子身に着けており、懐は不自然に何か武器をしまったようなふくらみがある。戦いになれたへとろには、街の警察組織に与するものであると人目に分かった。へとろは、男の言葉に引っ掛かりを感じる。
「また?お主はこの落書きみたいな張り紙を張った者に心当たりがあるのかぇ?」
「ああ、あるとも。俺はこの街の手先をやってるんだが、今朝早くに髪の短ぇ女が掲示板の前に立ってるのを見かけてよ。そんときゃ、ただ、散歩でもしてるんだろうと思ってそのままにしてたんだが、こんなことしてくれやがるとはなぁ…。人斬りの予告なんざ、いたずらだとは思うが、確証がねぇ、ってんで俺たちもどうするか困ってんだ」
男は深くため息をついてやれやれと両手を挙げて降参の動作をしてみせる。
(ふむ、犯人は髪の短い女じゃな…存外、早く見つけられるかもしれぬのぉ)
へとろは男の話を自分なりにかみ砕き、犯人の目星をつけ、情報を引き出せた成果に内心で笑みを浮かべる。
「して、このような悪戯があるような街じゃ。なんかあるんじゃないのかぇ?」
へとろが男を見上げて尋ねると、男は一瞬目を丸くして何か閃いたように口元に笑みを浮かべた。
「ここは宿場町だぜ娘っ子。うめぇもんがたーくさんあるに決まってろう。ついてきな、いい饅頭の店に案内してやる」
「ほう、饅頭か!」
予想とは違うが、男からもたらされた甘味の情報にへとろは耳としっぽをぴんと立たせて喜びを表現する。へとろはさっそく、男に案内させその饅頭の店へと足を向ける。通りに面した小さな店の席に着き、わくわくと目を輝かせているとやがて男が皿にのせた饅頭を持ってきて現れる。へとろは手を合わせて饅頭を手に取る。
「いただくのじゃ…うん、あんこがしっかりしてて、うまいのぉ」
ほくほく顔で饅頭を頬張るへとろに、男はにんまりと笑みを浮かべる。
「どうだ、うちの嫁が作る饅頭はうまいだろう?」
「うむ!…ん?なんと、ここはお主の嫁さんお店じゃったのか!」
へとろは饅頭を片手に席を立って男に頭を下げる。
「掲示板のこととい、お主には世話になるな。そうじゃ、礼にいいものを見せてやろう!」
へとろは両の手を広げてクルリと身を翻す。へとろの手先、そして尾の先から七色の色彩を放ち、空間そのものを画布とするように空中に色を固定して絵画を描き上げる。描き出されるのは元気よく跳ね回る子狐の愛らし様子、美しい毛並みをなびかせ、陽光の下駆け回る元気な様子だ。
「こいつはすげぇな…娘っ子、すごいな」
あっけに取られる男にへとろは満足げに礼を述べ、饅頭を口に頬張って通りにです。
(さて、オブリビオンに出会う間に腹ごしらえも肩慣らしも済んだし、そろそろご対面といこうかのぅ)
へとろは通りを歩きながらにやりと笑みを浮かべ、予告状を張り付けたという短い髪の女を探しに向かうのだった。
成功
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一・風香
敵の行動原理には然程興味は御座いませんが……
武器は戦場で振るわれるべきものであり、
剣閃で人が殺められる場も、また戦場であるべきかと。
その道理に反するなれば、捜査に協力するのも吝かではありません。
さて。
他の猟兵の調査で、「髪の短い女性」ということが分かっています。
相手はオブリビオン。元からの町人である可能性は限りなく低いとみて良いでしょう。
ならば、「最近この町に訪れて滞在中の、髪の短い女性は居ないか」
そういった観点で聞き込みを行いましょう。
聞き込みの理由を問われれば、行方不明の姉を探しているとでも述べておきましょうか。
主としているおおよその滞在場所くらいは絞り込みたいところですが……。
フォルク・リア
(辻斬りなのに予告めいた事をするのは。
意図があるに違いないが。
一体何か…。)
恐怖を与えると言った類のものか、
予告したという事自体で満足しているのか。
(犯人像が絞れないからある程度勘で動くのも仕方ないか。)
掲示板の張り紙の文字をよく見て
怒りや憎しみ、興奮等。書き手の心理状態の
読み取りを試みる。
予告状を出して辻斬り、と言うのなら
その前に刃傷沙汰を起こしていてもおかしくないと
病院、診療所の様な所に情報収集へ向かう。
そこでは医術技能で診療を手伝いつつ。
コミュ力、言いくるめで
医者、患者から最近男が襲われた事件がないか情報収集。
また、犯人が恨みを持つ様な女性が被害者の事件が
起きていないか聞きこみもする。
一駒・丈一
SPD重視。
ふむ、男に並々ならぬ恨みでもあるのかね。
まぁ、今の段階で考えても仕方がないか。
既に挙がっている情報では
「髪の短い女」「今朝早くに掲示板前に出没」という情報か。
では、「早朝」という時間帯に着目して調べよう。
ここは宿場町だ。
早朝の仕込みなどで早朝から働く職の者も幾人か居るだろう。
そういった人々をターゲットにして聞き込みを行えば、
もう少しヒントが出てくるのではないかな。
目撃例が他にも幾つか出揃えば、敵の住処を絞り込めるかもしれない。
その方向でちょっと当たってみるかね。
「わざわざ予告するなんて、話に聞いた髪の短い女は男に並々ならぬ恨みでもあるのかね」
掲示板に金色の瞳を向けて、一駒・丈一(金眼の・f01005)はぼそりと呟く。丈一の視線の先でフードを深くかぶった猟兵、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)が掲示板に張られた予告状の文字を指でなぞりながら一字一句丁寧に読み解いていた。
「先にいらしていた猟兵はあなたたちですね?」
掲示板の前で張り紙を眺めていた二人に、黒髪の少女が近づき声をかけた。長く黒い髪を後ろに一括りにし、ややきつい赤茶の目にはどこか他人を寄せ付けない雰囲気を漂わせた少女だ。その立ち振る舞いには隙が無く、二人と同様に辻斬りの予告を行った犯人の調査に来た猟兵である事が分かった。
「わたくしは風香と申します。調査は如何ほどですか」
一・風香(霧時雨・f18002)は掲示板の前の二人に尋ねる。
「俺たちもまだ調査を始めたばかりさ、他の猟兵から犯人は『髪の短い女』『今朝早くに掲示板前に出没』していた、という情報を得て、今原点に戻って予告状を見に来た、って訳なんだが」
丈一が風香の問いに答えながら掲示板に視線を向ける。ちょうど、フォルクは掲示板から手を放したところだった。
「随分荒れた筆跡に、辻斬りに予告めいた事をする。敵の意図は恐怖を与えることか、或いは、衝動的なものか…いずれにしても、敵が明確な害意を、いっそ殺意といえる負の感情を抱いていることは確かなようだな」
フォルクは首を風香に向けて話す。彼の顔はフードに隠れて見えないが、声色は緊張しているように固く、事態が見過ごせる状況にはないことを物語る。
「敵の行動原理には然程興味は御座いませんが……武器は戦場で振るわれるべきものであり、剣閃で人が殺められる場も、また戦場であるべきかと」
風香は腰に巻いた彼女の小さな鞄に手を乗せる。そこには彼女の武器である符が入っている。風香は鞄の所在を確かめるように摩った。
「その道理に反するなれば、わたくしも調査に協力しましょう。次はどこへ」
「そうだな、ここは宿場町だ。早朝から働く職の者も幾人かいるだろう。例えば、朝食を用意する中居なんかだな、そういった犯人を目撃していそうな人物を中心に話を聞いてみよう」
丈一の提案にフォルクと風香は頷き、賑わい始めた宿場町を歩く。往来を行きかう人たちの中に時折、着物の袖をたくしあげて宿の前で働く者が汗を流している。三人はそれぞれ手分けして宿場の人に尋ねて回ることにした。
「すみません、少しお話を伺いたいのですか?」
風香は適当な宿に入り、その中で動きまわっていた中居の一人に声をかけた。中居は足を止めて、腰に佩いた布で手をぬぐいながら笑顔で風香に向き直る。
「最近この町に訪れて滞在中の、髪の短い女性は居ませんか」
「ああ、髪の短い女性ですか。うちの宿ではそういった方はいらっしゃいませんが。今朝、仕込みの最中に通りを歩いている髪の短い女性は見かけましたよ。何かお困りごとですか?」
中居が丁寧な態度で風香に笑顔を浮かべながら尋ねる。
「実は、わたくしの姉が、この辺りにいると聞いたのです。数年前にぱったりと連絡が途絶えてしまって…それきり会えていなくて」
風香はあらかじめ用意しておいた嘘の言い訳を並べた。中居は風香の言葉を信じたように口を押えて申し訳なさそうにしている。
「そうだったの、私も、できる限り知り合いに尋ねてみるわ。気を落さないでね。きっと、会えるといいわね」
中居はそういって風香を励まし、風香は中居に礼を述べてその宿を後にした。風香は宿を出て通りを見渡し、これでよいのだ、と一つ頷く。何事も効率を重視する風香は人の出入りが激しい宿場町で素早く調査を行うためにはそこに土着の人脈を利用するのがよいと判断した。中居の同情を誘い、いずれ髪の短い女の話はすぐに広まるだろう。中居の良心を利用することになるが、他人の感情の機微に疎い風香はあまり気に留めることはなかった。
数刻の間宿場町を訪ね歩き、三人が再度掲示板の前に集合したとき、フォルクは一人の老婆を連れて現れた。
「風香、随分な嘘をついたようだな。宿で姉を探す健気な娘がいる、という話を聞いたぞ」
老婆を連れたフォルクが肩を竦め口元をにやりと歪ませる。
「ま、そのおかげで婆さんに辿り着けたんだがな」
フォルクはそういって連れてきた老婆を紹介した。フォルクは宿を巡り終えた後、強い殺意を持つオブリビオンが既に殺傷事件を起こしている可能性を考え、町の医者を訪ねていたのだが、その医者の家に通っていた老婆が、宿の間で流れた風香の話をたまたま聞きつけていてフォルクに話を持ち掛けたのだ。
「髪の短い女、だったね?ああ、見たとも。今朝早くにこの掲示板の前をうろつく顔色の悪い女だったよ。あんまりにも怪しいもんだから、どこのだれでどこか悪いところでもあるのかって聞いたよ、私は。そしたらその女、こっちを見て突然『男なんていない方が世のため』なんて言い出してさっさといなくなっちまうからね…それで、気になってその女のあとをついていったのさ。そしたら、外れのあばら屋に入っていったね。あんな小汚いところに住んでるから、あんなに顔色が悪いんだ…」
老婆の話に三人は顔を見合わせる。予告状の内容とも合致するどころか、現行犯の目撃者が現れたのだ。
「なぁ、あんたたち。あの髪の短い女がそこの娘さんの姉ってのは嘘なんだろ?なんでそんな嘘を言うのかは分からないが…ひょっとして、この予告ってのも、ただのいたずら…ってわけじゃないんだろう?私たち、このままで大丈夫なのかい?誰かが傷つくのなんて、私は嫌だよ」
老婆は不安そうに目の前に立つ三人の顔を見回す。丈一はふっと短く息を吐くと、老婆を安心させるように努めて表情を作る。
「安心しな婆さん。俺たちはそれを止めるためにここに来たんだ。婆さんが不安がることなんて一つもありはしない。さ、あとは任せて婆さんは帰った」
やや不器用ながらも丈一は老婆の不安を払拭しようと努力し、彼女を日常へと返す。
「慣れねぇこと、するもんじゃねぇな…」
老婆の背を見送りながら、丈一はぼやく。
「さて、かなり敵の所在も絞り込めたようだし、あまり悠長にしてやる道理もない、な」
フォルクがフードの奥の眼光をきつく光らせる。
「ええ、それでは向かいましょうか。その髪の短い女のいるというあばら屋に」
風香が颯爽と黒髪を靡かせて通りに歩を踏みだし、フォルクと丈一もそれに続く。空は茜に染まり始めていた。
大成功
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第2章 集団戦
『蒐集者の手毬』
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POW : あなたと共に在るために
【自身がよく知る死者】の霊を召喚する。これは【生前掛けてくれた優しい言葉】や【死後自分に言うであろう厳しい言葉】で攻撃する能力を持つ。
SPD : 理想郷にはまだ遠い
【自身と同じ能力を持つ手毬】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ : いつか来る未来のために
小さな【手毬】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【全ての望みを再現した理想郷】で、いつでも外に出られる。
👑11
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オブリビオンである予告状の差し出し人と思しき人物のいるという宿場町のあばら屋に猟兵たちは辿り着く。日が傾き始め、薄暗くなったあばら屋は不気味な雰囲気を漂わせて骸骨のように寒々しく猟兵たちを待っていた。その入り口には町の人々から聞いた通り、髪が短く顔色の悪い一人の女性が立っていた。女性の目の下には濃い隈が存在感を放ち、そして彼女が手に持った巨大な鉈のような凶器が鈍く光っていた。彼女が一連の騒動の元凶であることは間違いないだろう。
「おっと、もう見つかっちまったのか…まだ一人の男も消せてないのにな…」
女性は猟兵たちを見止めると苦虫を噛み潰したようにひどい渋面を浮かべて憎らし気に吐いた。
「くそったれ、男なんていない方がいいに決まってるのに…そうだ、あんな男どもを守ろうとするあんたらも、きっと男どもみたいに、薄汚い本性を隠してるに違いない…骸の海での拾いものが、役に立ちそうだ」
女性はにやりと悪意に満ちた笑みを浮かべて懐から一抱えの鞠を取り出す。
「さぁ、蒐集者の手毬。あいつらの醜い欲望、過去。それら全部、私に教えておくれ!」
女性が放ると同時に、炸裂するように鞠は幾多の小さな鞠に分裂し、猟兵たちに向かって飛びかかってきた。
十六夜・無白
【WIZ】
「オレの過去を知りたい? 教えてやってもいいぜ」
飛び掛かる鞠を避けることもせず、前に足を向ける。
その向こうの世界に踏み出すように。
―――その先にあったのは、ありふれた学校の裏山。
炎のように揺らめく銀色の毛並をなびかせた大妖と、
どこにでもいそうな…けれど少しだけ特別な若い学生たちがいる。
例えるならば、ゲームのイベントボス。
悪さを尽くした大妖は、呆気なく若者たちに退治されました。
「…めでだしめでたし、と。
これがオレの情けなくも輝かしい、手に入らない…、
…今のところ一番大切な記憶だ」
いつかの自分の影を燃やし、
散歩するような歩調で、世界から抜け出す。
女に対し、次はお前だと目を向けながら。
「オレの過去を知りたい? 教えてやってもいいぜ」
頬を持ち上げて無白は飛びかかる鞠に胸を張って正面から向かい、飛びかかってきた鞠を片手を突き出して受け止める。ぐん、と下腹部を引っ張れれるような感覚とともに無白の視界は明転する。白い空間の中、しばらく目をしばたかせて慣らすと目の前に広がる光景がはっきりとしてくる。頭上には燃えるように緑が靡き隙間から青い空が覗く森が広がっていた。少し視界を下げれば眼下に広がるのは閑静な街並み。学校だろう広い敷地を持つ建物が目立つ。街並みを見下ろす森、いや小さな山だろう。足元に感じる土に視線を下げ、がさりという音が無白の耳に届いて即座にその音の方向に目を向ける。まず目に飛び込んだのは炎のように揺らめく銀色の毛並だった。木漏れ日を反射させ、絶えずその輝きを変化させる銀色の体を持つ大妖が自らの前に立つどこにでもいそうな学生を前にして牙を剥いていた。
(悪さを尽くした大妖は)
学生が大妖に挑み攻撃を重ねてゆく、一撃、一撃と、学生が大妖に攻撃を与えるたびに大妖の体が揺らぎ、地に伏す。
(呆気なく若者たちに退治されました)
力尽きた妖の傍らに立ち、無白は妖狐の尾をゆらりと揺らしてから目を細め、屈みこんで手を当てる。
「めでたし、めでたし、と」
無白の手から狐火を放ち、大妖の体を焼いてゆく。炎に包まれる大妖から立ち上る煙の揺らぎにとともに、世界そのものが次第にぐにゃりと歪む。無白は『いつかの自分の影』に背を向け、散歩するようにその場を後にする。少し歩いけばいつの間にかサムライエンパイアのあばら屋の前へと戻っていた。濃い隈を湛えた女が鞠の見せた幻想の世界から帰ってきた無白に不快そうに眉を寄せる。
「それがお前の望みか、獣」
鉈を構えた女の言葉を無白は鼻で笑う。
「そうさ、これがオレの情けなくも輝かしい、手に入らない…、…今のところ一番大切な記憶だ」
無白は鉈を持つオブリビオンに対して危険な視線を向けた。次はお前だ、と無白の目には、闘志が大妖を燃やした炎のように燃えていた。
成功
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九尾・へとろ
なんじゃあいつ。なんの怨みが男にあるんかのー。
生きとる時に男にでも殺されたんかえ?
しかして今は目の前の鞠じゃな。鞠の化生とは雅なことじゃ。
ひょひょひょ、どれひとつウチが鞠遊びに使うてやろうか。
ってなんか吸い込まれたー!?
目に見えるこの景色は…ほ、宝石の山じゃー!
あ~!なんという事じゃ!
ウチずっとここいたーい!!
…と、思うたがやめじゃ。
ここの宝石はどれも見事じゃ。ウチ好みでのう。
じゃがそれも過ぎればつまらん話よ。
歪、不足、未熟…不平等じゃから宝石は価値があるのよ。
理想の世界なんぞ退屈じゃ。内側から斬り裂き破ってくれる。
つまらん景色を見せおって。
遊びに使えぬ鞠なぞガラクタよりも始末に終えんのー。
分裂した鞠は地面に跳ね返りったり、またはあばら屋の壁に一度激突したりなどを繰り返しながら猟兵たちに迫る。
「ひょひょひょ、鞠遊びとは雅なことじゃ。どれひとつウチが鞠遊びに使うてやろうか」
飛びかかってきた鞠に対していたずらっぽい笑みを浮かべながらへとろは幼いながらも健康的な足を突き出し、遊びのように蹴り上げようとする。しかし、鞠に触れた瞬間にへその辺りから強く引っ張られるような感覚がへとろを襲う。
「ってなんか吸い込まれたー!?」
へとろの絶叫とともに彼女の視界はぐるぐると渦を巻き始め、酔ったような感覚を覚えて思わず目をつむる。へとろは彼女の狐耳をぺたんと寝かせてそのまま引っ張られるままに耐えた。暫くするとその感覚が薄れる。恐る恐るへとろが目を開けると彼女の目の前には輝く宝石の山が広がっていた。
「ほ、宝石の山じゃー!あ~!なんという事じゃ!」
星を宿したかのように爛々と両目を輝かせてへとろはその宝石の山に飛び込む。彼女の軽い体を宝石の山は微動だにせずに受け止め、赤青緑…と七色の輝きに彼女を包み込む。へとろは自身を囲む息を飲む美しい宝の中で空気の抜けた風船のように寝転がる。
「ウチずっとここいたーい!!」
手足や妖狐の尻尾をじたばたと喚かせたり、宝石を一掬い手に取りその輝きを覗き込んだりとへとろはその宝石の山を余すことなく堪能し尽くさんとする。けれど、
「…と、思うたがやめじゃ」
数時間にも及ぶと思われたへとろの豪遊は、しかしながら数分でぱたりと止んだ。彼女は宝石の一つをつまみ上げ、一切の興味を無くしたガラクタのようにそれを放り投げる。先ほどまで宝石にまみれていた手足そして彼女の尻尾を軽やかに動かし、踊るように空中に紋を刻み込む。深紅の色を放ち空中に描き出された紋へ舞踏の続きと言わんばかりの軽やかさとともに足を蹴り上げその爪先で紋を断ち切る。陶器が砕け散るかのような軽い破砕音が辺り一帯に響き渡ると、宝石の山を映していた景色にひびが入りそして砕け散る。偽りの宝の山の向こうでは、オブリビオンが待っていた。
「なぜ、出てきた。あそこはお前の望みを映した場所ではなかったのか?」
見下すように腕組みをして問いかけたオブリビオンにへとろは彼女の小さな胸を逸らして堂々と答えた。
「ふん、つまらん景色を見せおって。確かに、あの宝石はどれも見事じゃ。ウチ好みでのう。じゃがそれも過ぎればつまらん話よ。歪、不足、未熟…不平等じゃから宝石は価値があるのよ」
へとろはオブリビオンの女に対して諭すような口調で語り、更に続ける。
「ときにお主、男になんの恨みがあるのかの。生きとる時に男にでも殺されたんかえ?」
へとろ言葉に女はぎりっ、と奥歯を噛み潰す。
「それをお前に、教える義理はない!」
激高するオブリビオンに対してへとろは飄々とした笑みを浮かべ、軽やかな足取りで身構える。彼女の足には赤い紋が輝いていた。
大成功
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フォルク・リア
「薄汚い本性、だと。
お前が何を見たのかは知らないが。
綺麗なばかりが人間じゃない。
寧ろ俺には今のお前の悪巧みの方が
よっぽど醜悪に思える。」
「その妙な気配がする毬も
ゆっくりと潰していこうか。」
毬の数や配置をしっかりと確認してホーリーフロウを発動。
右腕を流水に変化させ渦の様に周囲に展開。
発見できていない毬には特に注意し
流水は広範囲に広げ主に索敵に使用。
流水に毬が接触したら浄化による攻撃を行いつつ
デモニックロッドの魔弾でも同時に攻撃し
撃ち漏らしが無い様に注意。
(戦闘時、範囲攻撃や誘導弾などの技能を使用)
「毬突き遊びもそろそろ仕舞いか。
今度は其方の本性を見せて貰う番かな。」
「薄汚い本性、だと」
オブリビオンの言葉にフォルクはピクリと肩を揺らし、フードの奥に除くわずかな口元を歪める。
「お前が何を見たのかは知らないが。綺麗なばかりが人間じゃない。寧ろ俺には今のお前の悪巧みの方がよっぽど醜悪に思える」
飛んできた鞠を半身を逸らすわずかな動きで回避したフォルクは、あばら屋の前に立つオブリビオンに自らが感じた嫌悪感を隠すことなく露わにする。けれど、彼女の接近しようとする前に飛び交う鞠が邪魔をする。
「妙な気配がする毬だな。ゆっくりと潰していこうか」
フォルクは素早く自らの周囲に展開した鞠を把握するとわずかに前傾の姿勢を取り身構える。鞠が再度バウンドしてフォルクに飛びかかるその途端、彼の右腕が流体のようにぐにゃりと歪む。空間の中で波打ち、彼の肩ほどを目とする渦を形成する。フォルクは渦の右腕を棍棒をふるうように振り回して飛びかかってきた鞠を渦の中にとらえる。渦は水しぶきを上げて彼の周囲にいくつもの水たまりを形成した
「鞠遊びは確か上に打ち上げる、だったか?」
渦の右腕を天に向けてフォルクは一気にその流体の右腕を拡大させる。渦の右腕は今度は彼の周囲に壁のように展開し、巻き込まれていた鞠は空中に取り残されてゆっくりと落ちてくる。
「まず一つ」
フォルクは左手で彼の黒い杖を構えて魔力の弾丸を鞠に打ち込んで破壊する。空中にそうして空中に漂う鞠を次々と破壊してゆくが、わずかに破壊が遅れた鞠が先ほど女の手から離れた時のように分裂を行い、フォルクの弾丸を回避しようとする。
「逃がさんよ」
フォルクは左手を下ろして液体になっている右手を震わせる。彼の周囲に展開したり、地面に飛び散ったフォルクの生み出した液体は彼の意のままにずるりと動き、分裂して飛び散った鞠に向けて流れ出し、からめとるように動きを止める。
「毬突き遊びもそろそろ仕舞いか」
言葉と同時に杖を掲げて再度魔弾を放出するフォルク。流水に捕縛された鞠は分裂することも許されず、彼の持つ黒杖から放たれる攻撃の餌食となって一つまた一つと砕け散る。
「今度は其方の本性を見せて貰う番かな」
自身の周囲の鞠を撃滅しきったフォルクは杖を払い右手をもとに戻すと顔を顰めるオブリビオンに向け、淡々と言い放つのだった。
成功
🔵🔵🔴
※トミーウォーカーからのお知らせ
ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)
~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
花言葉で想いを伝える事も
参考科白
んンッ、あなたって手強いのねぇ
えっあっヤダヤダ圧し潰……ギャー!
私も気合入れて働くわよー!
悪い子にはお仕置きしないとねぇ
さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる!
乗り物を召喚して切り抜けるサポート派
技能は「運転、操縦、運搬」を駆使します
広域では営業車『Floral Fallal』に乗り込みドリフト系UCを使用
近接では『シャッター棒』を杖術っぽく使います
公共良俗遵守
松苗・知子(サポート)
『メリハリつけていかないとね!』
妖狐の陰陽師 × スターライダー
年齢 20歳 女
外見 153.8cm 灰色の瞳 黒髪 色黒の肌
特徴 ポニーテール お調子者 アクティブ カフェ好き 実はロマン主義者
口調 はすっぱ(あたし、あなた、呼び捨て、なの、よ、なのね、なのよね?)
死を覚悟した時は 無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)
口も足癖も悪いが義理人情には弱い。伸縮自在の特殊警棒と宇宙ビックスクーターで暴れまわり、時々クレバーに妖術も使ってみるスペースヤンキーもとい陰陽師
実は常識的
※セリフイメージ
「けったくそわるいわね」
「ぶちのめすわよ!」
「あ、あたしよりよほどやばい奴なのよ……」
「あらあら、盛り上がってるわねぇ。お忙しい所、お邪魔しまーす!」
無邪気な声と共にあばら屋正面に響き渡るのは、エンパイアに似つかわしくない重い駆動音。営業車『Floral Fallal』をドリフトで駆って到着したニコリネ・ユーリカが、飛び回る鞠を前にぺこりと一礼してみせた。その背後へもう一つ、エンジン音が追い付いてくる。
「他人の暗い欲望だの辛い過去だの、そういうのを勝手に暴き出して突きつけるとか……正直大っ嫌いなのよね。けったくそわるいわ!」
宇宙ビックスクーターに跨って現れた松苗・知子が、怒りも露わに特殊警棒で自分の肩を叩く。やっちゃいましょうか、と微笑むニコリネにひとつ大きく頷いて、彼女は器物の妖たちに呼びかける。
「さあさ、やってやりましょう!」
茶碗、飯釜、土臼に石臼。この時代、この世界に遍在する器物たちの霊が、号令に応じて暴れ出す。空飛ぶ手鞠と真正面からぶつかり、叩き落とそうと騒ぐ妖たちに、負けていられないわねとニコリネも花屋のシャッター棒を両手で構えた。
「悪い子にはお仕置きしないとねぇ……さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる!」
まぁ、鞠にお尻はないけれど! ――そんな風に付け加えつつ、手鞠に向けてフルスイング。隙あらば彼女を偽りの『理想郷』に抱き込もうとした小さな鞠は、空のお星様になる前に妖たちの集中砲火を叩き込まれて色とりどりの糸屑と散った。
「さあ、そろそろ覚悟して!」
臼妖のタックルを受けて地面に落とされ、バウンドして飛び掛かって来た鞠に、知子はすかさず警棒を突き出す。呪力を込めて急速に伸びたその先端が、あやまたず鞠を貫いた。ひとつ息をつきつつ警棒を繰り込み、彼女は再び器物の妖たちを呼び出した。鞠に打ち落とされ、数を減らしていたひとならざる軍勢が、そうして再び勢いを盛り返す。
「いよいよクライマックスみたいねぇ。それじゃ私も、花屋のとっておきをあげる!」
悪戯っぽくウィンクしたニコリネの掲げた手の中で、シャッター棒の輪郭がほどけていく。それは見る間に赤やオレンジ、ピンクに薄緑、色とりどりのガーベラの花弁へと形を変えて、その和名の通りの『千本槍』として鞠の群れに殺到する!
やがて百鬼夜行とガーベラの花、ふたつの嵐が晴れた先には、ただオブリビオンの女だけが憎しみに燃える目をして立っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『四華衆『男罪破断の曼珠沙華』』
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POW : あぁ嫌だ嫌だ…男、男、男…本当消えて欲しい…
自身の【全世界屈指の男性嫌悪感】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : あぁ愚か愚か…剣士の目を嘗めないで欲しい…
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【身体に寄生する曼珠沙華】が出現してそれを180秒封じる。
WIZ : 分かる?分かる?私の気持ち…男なんて糞でしょう?
【呪詛の炎の雨】が命中した対象を爆破し、更に互いを【男性への圧倒的嫌悪感】で繋ぐ。
👑11
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ヴェル・ラルフ
ボスの登場みたいだね、微力ながら協力しよう
男性嫌悪か…うん、まぁ何があったかは知らないし興味もないけど…下手に声かけると逆上させちゃいそうだから
黙って戦おうかな
後から参戦だから、まずは目立たないよう物陰で様子見、接近を試みる
武器はナイフ
死角から、体勢を低くして[早業]で足を狙って[先制攻撃]
敵の脚を封じたい
先制攻撃ができた場合
敵の行動に遅れが出ればそのまま至近距離で【日輪葬送】発動
防御として黒炎で身代わりの錯視
接近の段階で気づかれたらその時点でUCを発動
突撃する錯視を起こし、僕自身は後退し後方から緑閃を放つ
女心は難しいね…
★アドリブ・連携歓迎
男性への憎悪を隠しもせず、無辜の人々を守るべく立ちはだかる猟兵へも同じ逆恨みの言葉を零すオブリビオンの姿を物陰から伺いつつ、ヴェル・ラルフは小さく首を横に振った。
(「何があったかは知らないし興味もないけど……下手に声かけると逆上させちゃいそうだね」)
特に、男であるヴェルからは。そう判断して唇は閉ざすことに決め、彼は風のように踏み出した。敵の死角を潜り抜け、低く一閃させたナイフが、女の膝裏を切り裂いた!
「!」
痛みに顔を歪めて振り向いた女の表情が、刃の主を認めて一層険しくなる。物騒な文字の刻まれた斧を振り上げ、女は口元を捻じ曲げた。
「ああ汚い汚い……男のやり口はいつもそうだ」
だが初撃を足に受けた女の動きは、彼女が想定していただろうそれより僅かながら鈍い。刃が振り下ろされるよりなお早く、ヴェルは既に次の一手を打っていた。
「赫う鮮緑、貫け肉叢」
詠唱と共に緑色の炎がヴェルを守るように燃え上がり、女の視覚を惑わせて分厚い刃の軌道をずらす。見当違いの空中を切り裂いた斧を難なく飛び退って回避しながら、ヴェルはそのまま片手を一閃させた。瞬間彼を取り巻く炎の一部が刃と化し、女の手首を深々と裂く。舌打ちと共に睨み返してくる女に油断なく向け直したナイフが、炎の輝きを浴びて鮮やかな緑色に煌いた。
大成功
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田中・香織
催涙ガスを撃ち込んで動きを封じてから アームドフォートの大砲の一斉射撃を撃ち込むわ。
見るからに近接攻撃型の相手なので、距離を取って相手の射程範囲外から攻撃するわね。
もし、距離を詰められたらアームドフォートの大砲の砲身で防ぐわ。
(武器受け)
過去に何があったのか知らないけど、無差別に人を襲うような相手は放っておけないわ!!
「過去に何があったのか知らないけど、無差別に人を襲うような相手は放っておけないわ!!」
もしかすると彼女にもこうなるに至った相応の理由はあるのかも知れないけれど、それは今彼女が起こそうとしている凶行への免罪符にはならない。ヒーローらしく正義感に燃える声で言い切って、田中・香織はアームドフォートの全砲門をオブリビオンへ向けた。
「一気に決めてあげる!」
相手は見るからに近接攻撃を得手とする敵、ならばこちらは近付かれぬうちにどうにかするまで。放った催涙ガス弾が着弾するかしないかのうちに、香織は撃てるだけの砲撃をオブリビオンへと見舞った。もうもうと煙が立ち、オブリビオンの影が見えなくなる。油断なくアームドフォートの再装填を行う香織の目に、やがてゆらりと立ち上がる女の姿が映った。
「男を守ろうとするとか、ほんと愚か……分かる? 分かる? 私の気持ち……」
「ぐ……っ、……分かって、あげられないよ!」
大型の砲身を盾にしてもなお防ぎきれない呪詛の炎が香織の身を焼き、その傷口から女の暗く歪んだ情念が侵食してくる。自らの心を焼きに来る嫌悪感に必死に抗いながら、香織は力いっぱい叫んで再び砲撃を放った。
成功
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九十九・静香
此処が侍国の世界ですか
わたくし達の櫻幻世界とは近いような遠いような処ですね
おっと、いけませんね。お相手しましょうか
断部流を【怪力】で奮い、【グラップル】の体捌きで敵の近接攻撃を受け流し、怪力蹴り・怪力拳も織り交ぜて戦っていきます
『筋肉には男性も女性もありません。どちらの筋肉も素晴らしく、甲乙など付けられるはずもなく…おっと、少しはしたない思考に。貴方も良き筋肉をお持ちのようなので惜しいのですが、貴方の意志が鍛えた筋肉のように強固なのも確か。なので、最後まで手など緩めずお相手致します』
隙を見つけ相手の足を掴み取ったらUCでぶんぶん振り回し叩きつけ、最後は放り投げ落ちて来た所を断部流で【2回攻撃】
ウォルター・ワーマキーネ
POW
アドリブ連携可
「生憎とウォルターは男でも女でもない。猟兵として狩りをするだけだ」
ウォーマシンたる自分に性別ははない。
よって相手の心情に依ることなどできない。したいとも思わないが。
淡々と狩りを行うのみ。
ショットガンに【火炎弾】を装填して「スナイパー」を乗せて攻撃。
外れても着弾箇所からの炎を吹き出させて相手の行動を阻害。
隙を見せるか、捉えられる距離までいけば間合いを詰めて「零距離射撃」で火炎弾をぶちこむ。
後は体の中から炎で延焼させる。
「口調が男性的。なるほど。では次に会うときは女性口調もインストールしておこう。――次などないが」
「此処が侍国の世界ですか……」
転送された街並みを一度見回し、九十九・静香はほうと息をつく。どこか自身の故郷とも近しいものを感じるようで、全く異なるようでもあるサムライの世界――少しの間そんな風に思いを巡らせかけて、彼女は巨大な両極鎚をひょいと肩の上まで持ち上げた。
「おっと、いけませんね。お相手しましょうか」
「そうだな。狩りの時間だ」
呟きに答えたウォルター・ワーマキーネが、ショットガンに淡々と弾を装填する。精密な狙いをつけて撃ち込まれた弾丸はオブリビオンの腕に食い込むと同時にぱっと燃え上がり、その身を苛んでいく――そう、それこそがウォルターのユーベルコード。装弾の時点で、仕掛けは既に終わっていたのだ。
炎に腕を焼かれながら、なおも女は斧を振り回す。襲い来る刃を持ち前の格闘技術でいなしながら、静香は男性への憎悪をむき出しにしたオブリビオンに向けて説くように唇を開いた。
「筋肉には男性も女性もありません。どちらの筋肉も素晴らしく、甲乙など付けられるはずもなく……」
そこで小さく咳払いする彼女を援護するように、ウォルターが徐々に前進しながら火炎弾を再び放つ。静香が敵に接近戦を仕掛けてくれている今なら、その隙を見て距離を詰めていくのもより容易だ。撃ち抜くと言うよりむしろ牽制するように銃の向く先を調整しながら、ウォルターは思う。殺戮兵器として生を受けた自分にも、男だ女だといった話はよく分からない。だが、目の前のこの女が『獲物』であるということは明確に分かる。ならば。
「燃えろ 燃えろ!」
静香が片足を軸に身体を反転させ、オブリビオンの斬撃を回避する。そうして空いた空間に、ウォルターは迷いなく踏み込んだ。地面に食い込んだ斧は、女の焼けた腕では未だ引き抜けない。隙だらけの女の肩口に銃口を押し当て、引き金を引く。瞬間、女の体内で炎の花が咲く音がした。
「ぎッ……」
苦痛に目を見開き、ヒトとも思えぬ呻き声を上げる女の足を、静香の掌がしかと掴んだ。
「貴方も良き筋肉をお持ちのようなので惜しいのですが、貴方の意志が鍛えた筋肉のように強固なのも確か。なので、最後まで手など緩めずお相手致します」
言葉通りに、常人を遥かに凌駕する握力が女の肉に食い込んでいく。力任せにぶんぶんと振り回された女の身体が、やがて勢いよく真上へと放り投げられる。たん、と響いた破裂音とほぼ同時に、女の放り投げられた空が炎の赤に染まる。火の粉の尾を引きながら落ちてきたオブリビオンから視線を決して逸らさず、静香は手に取った両極鎚――『断部流』を振り抜いた。歪んだ情念に侵され切った女の身が、衝撃に文字通り砕け散る。未だ赤々と燃える炎が、その破片を包み込み――やがてオブリビオンの骸は、かけらも残さず空へと溶けて消えていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵