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ふんわりのゆめ

#UDCアース


●新緑、萌ゆ
 ぽかぽか陽気の今日は楽しみにしていたフリーマーケットが開催されます。誰もが自分の自慢の品を持ち寄って、新しい主に届く事を楽しみにしているようです。
 さあ、今日はどんなお店を作りますか。それともお店を回りますか。
 わくわく、どきどきのフリーマーケット。
 おや、お客さんの中に『何か』をたくさん買っていく人がいるようです。よくよく目を凝らせば見えてくる『彼』の買い物はふんわりふわふわ、白いもの──。

●そんなゆめをみた
 そこまで話すとプルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)は小さく笑って集まった一同を見回した。
「皆さんにはこの『何か』の調査を糸口に怪異を退けて頂きたいのです」
 その『何か』は邪神復活儀式に関わっているというが詳しくは見えなかったのだ。
 そうなると現地に行って調べる事になる。今回の場合は猟兵達がこのイベントに参加する事で調べ易くなるだろう。
「お店やお客さんで参加する、という事ですね。お店を出す場合はあまり奇怪なものですと人が集まりにくいです。さじ加減には気を付けて下さい」
 フリーマーケットなのでどんなものでも可能だが、今回は行楽シーズンに合った方が訪れる人の受けは良さそうだ。
 オーソドックスにいくなら雑貨、ハンドメイド、洋服や靴、鞄などだろうか。もちろんいらなくなったものを持っていくのもいいが、そうなるとお店としてはしょんぼりな結果になるかもしれない。
「食事を販売することもできそうです。その場合はぽかぽか陽気の素敵な雰囲気を壊さないものがよさそうですね。クッキーやカップケーキなんてどうでしょうか」
 最近はお菓子にモチーフの焼き印を付けたり、アイシングをするものが流行っている。このフリーマーケットで取り扱う食品も動物や花といったものがあるそうだ。
「聞き込みの際にお近づきで渡すなら、ここで購入したお菓子などが良いかもしれません。お店でない限りは手作りだと警戒されてしまいますし……」
 手作りのお菓子を渡したくなる気持ちはわかるが、あくまでも調査の為。警戒心を解く為の最低限の配慮だ。それに楽しむのにはもってこいの場所だが、うっかり楽しみすぎて本来の目的を忘れないようにも気を付けたい。
「注意点はありますが皆さんなら大丈夫です。自信をもって行ってきて下さい」
 柔らかな微笑みと共にプルミエールはよろしくお願いしますと付け加えて一礼した。


深水つぐら
ゆるふわのんびりのお話が書きたかったので書きます🐈🐑

●傾向
傾向は楽しい、冒険、わくわくわーいでしょうか。
戦闘はばしーんとカッコよくいきたい所です。
プレイングで変化しますのでご了承ください。

●シナリオの流れ
第一章【冒険】フリーマーケットで怪しい人を探します🐑🐱🐏
第二章【集団戦】怪異を守るオブリビオンと戦います
第三章【ボス戦】怪異の元凶のビブリオンと戦います

●プレイング募集について
【第一章】
できるだけたくさんの方を書きたいと思いますので、プレイング募集を二回に分けます。第一陣を8名程度まで終わり次第、二回目を募集します。ご都合よければよろしくお願いします。
【第二章・第三章】
マスターページにて募集をお知らせします。

●同行者
同行者がいらっしゃる場合は迷子防止の為に、相手の『お名前とID』又は『グループ名』をお忘れなく。

●共同プレイングについて
共同プレイングは2名を優先して描写します。3~4名は執筆時間の関係で流れる場合があり、その際は再送のお願いを致します。

●絵文字について
基本的に台詞のみである程度は描写します。
地の分では使用しませんのでご了承ください。

より詳細はオープニングにて確認をお願い致します。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
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第1章 冒険 『フリーマーケットで情報収集』

POW   :    お店を出して、怪しい人物をおびき寄せる

SPD   :    お店の人に話を聞いて、怪しい人物がいなかったか聞き出す

WIZ   :    客に扮装し、他のお客さんに怪しい人物がいないか探し出す

👑11
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●フリーマーケット!
 その日の天気は新緑の季節に相応しい良く晴れた空をしていた。
 ぽかぽか陽気の中で時折爽やかな風が吹き、汗ばんだ肌に一時の涼を与えてくれる。マーケットの開始時間はそろそろだろう。早い者はすでに店を作り終え、セッティングしたアイテムを眺めながら少し緊張した面持ちをしている。
 自分のアイテムはどんな人の手に渡るのだろう。
 そこでアイテムと過ごす体験は手に取った人を幸せにしてくれるだろうか。
 ふと、会場である公園のスピーカーから穏やかな心地よい音楽が流れて来た。その後でマーケットの開始を告げるアナウンスが続き、人々は笑顔を見せながら祝福お拍手を送った。
 お出かけには帽子を、きちんとタオルも持って。
 さあ、今日はフリーマーケット。あなたのお気に入りを探しに行こう。
カイ・シュリック
アドリブ連携歓迎

判定:SPD
こういった場に足を運ぶのは初めてだが、良い雰囲気だ
しかし邪神復活のために何かが起きているなら見過ごせない
今は楽しみつつしっかり情報も集めよう

今回は客として参加だ
誰かと話すときは【コミュ力・礼儀作法】を意識

最初に菓子をいくつか購入
その時に世間話を交えつつ、不審な人物や妙な買い物をしてる者がいないか聞いてみよう
「こういう場所は初めてでな。どういうものが人気なのだろうか」

次に雑貨や手作り品を売っている者に話を聞く
差し入れとして買った菓子を渡しながら、先程と同様に不審な者がいないか聞き込みだ
その際販売している物も買っていこう
こういうものは好きだからな
「良い品だ。ありがとう」


幻武・極
ふんわり、ふわふわの白いものか?
まさか、わたあめじゃないだろうね。
なんだか、そんな予感がするんだよね。
まあ、ボクはグリモア猟兵じゃないから、ただの予感だけど、なんかあいつらの影が見えるような気がするんだよね。
まあ、気のせいかな。

とりあえず、白くてふわふわしているものを沢山買っている人を探すか、売っている人を探してみるかな。



●キュートポット🌟
 馴染みのない場所に戸惑いがなかったといえば嘘になる。それでも臆さずに心地良い場所だと思えたのはカイ・シュリック(紫苑の殺戮代行者・f02556)にとって有難い事だった。
 賑やかな会場の中で誰もがマーケットを楽しむ姿は、UDCアースに本当に異形がいるのかと訝しむ程でこのまま何事もなく過ぎていってほしいところだ。だが、実際にはそんな思いとは裏腹に邪神復活の為の何かが起きようとしている。
 カイの傍を小さな子供が通り抜け、その後を母親が慌てて追いかけていく。二人の手がしっかりと繋がって先へと進む姿を見送るとカイは改めて小さく息を吐いた。
 猟兵としてできる事をせねばなるまい。
 決意を新たにしたカイはマーケットを進み、賑わいを見せるお菓子のお店に足を向けた。カラコロと軽快な音が響く店では色とりどりの星が紙のテトラポットに包まれていく。よくよく見ればその小さな愛らしいお菓子は金平糖である。
 ちょっとした贈り物として気兼ねなく渡せそうなひとつを覗き込み、カイは愛らしいエプロンを掛けた店員に会釈した。
「こういう場所は初めてでな。どういうものが人気なのだろうか」
「わ、そうなんですね。あの、でしたらこれはいかがでしょう!」
 そう言って差し出されたのはレモンの輪切りが描かれた紙のテトラポットだった。味は絵柄通りに爽やかな柑橘系で自慢の品なのだという。
「お手軽なのでたくさん買っていかれる方も多いんです」
「なるほど。よく覚えているんだな」
「はい! 買って頂けた事がとっても嬉しくて」
 照れ笑いを見せた店員は物覚えが良いらしい。カイはそんな彼女と商品の受け渡しをしながら他の客について話を振ってみる。そこで返ってきたのは特に見てはいないとの事だった。
「不審な方と言ってもお客様なので……」
 申し訳なさそうに告げた彼女に礼を言ってその場を離れると、今度はふわふわのポンポンが付いた手作りのアクセサリーが並ぶ雑貨店に立ち寄った。しばらく商品を眺めた後で様子を見に来た年配の女性店員に、カイは差し入れと称して金平糖を渡すと先程と同じような質問をする。
「不審、と言われてもねぇ。妙な格好とかそう言う事でいいのかな」
 どうやら心当たりを思い返してくれている様だったが、いかんせん不審なという基準が迷う所らしい。そんなところへやってきたのが幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)だった。
「お、ふわふわしてる。白いのあるかな」
 店先に並んだポンポンは白くてまんまるでふわふわ。昨今流行の物らしいがサマーヤーンで編まれたアイテムならばそう暑苦しい印象は受けなかった。その様子を見た極はうーんと唸りながらも、腕を組んで小物達の様子をまじまじと見つめた。
(「聞いてた『ふんわり、ふわふわの白いもの』か? まさか、わたあめじゃないだろうね」)
 なんだか、そんな予感がするんだよね──彼女の脳裏に映ったモノ。それはグリモア猟兵ではない以上、予知ではなく想像するだけになる。だが予感がすると思うのは誰にでもあるものだ。
 まんまるころころ。
 目の前のアイテムが起因となる邪神となれば、極の中に何か引っかかるものが在ったのだ。
(「なんかあいつらの影が見えるような気がするんだよね。まあ、気のせいかな」)
 考えるだけは自由。杞憂だったとしても備えあれば憂い有りだ。まずは彼女自身が思う人を探さねば。そう、予知の情報から考えられるのは『白くてふわふわしているものを沢山買っている人』だ。
「格好が不審というか……ちょっと切羽詰まった感じの男の人がそこの色違いの飾りものを全部買ってってくれたねぇ」
 その言葉は先ほどからカイが話していた女性店員の口から零れたものだった。言った相手が指差した先を見れば丸くてふわふわしたバックチャームが並んでいる。聞けばその人物は白いものばかりを選んでいったという。
 思わぬ答えに極もまた、傍に耳立てて聞くと自身の憶測は間違っていないようだと安堵する。このまま他の店でも同じ様に『白くてふわふわしているものを沢山買っている人』を探して行けば良いだろう。
 極がそっとその場を離れると、話を聞いていたカイは店先に並んでいた小ぶりのバックチャームを眺めてそのひとつを手に取って購入する意思を伝えた。こういうものは好きだと告げた女性店員はにっこりと笑う。
「はいはい、じゃあおまけしておくね」
 言って彼女は白くて可愛らしい羊のシールを包み袋にぺたりと貼った。ころころと転がる姿を模したシールはいかにも愛らしく思わず顔が綻んでしまう。
「良い品だ。ありがとう」
 礼を告げたカイは聞き出した情報を元に再びマーケットへと足を向けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

明日知・理
【四・さゆり(f00775)】と

「…出店」
するのか。


…わかった。付き合う。


出し物は「くまさんクッキー」。
さゆりと共に作った菓子だ。
何度も味見をしたゆえ、味には問題ない。
…だが、手作りの料理を売る、など初めてのことだからか、やはり緊張はする。

さゆりのように可愛らしいわけでもない、
こんな無愛想なデカイ男がいたら、寄ってくるものも寄って来なかろうと。
かと言って満開の笑顔を振り撒く等到底無理な話で。
結果的に淡い微笑を表情として貼り付けて売り子を。

-
(…けれど、子どもにだけは、)

「ありがとな。…転ばないよう、気を付けるんだぞ」

(自然と微笑んで、
優しい声音と表情で。
理は対応出来ていた。)

-
アドリブ歓迎


四・さゆり
【明日知・理(f13813)】と。
アレンジ大歓迎よ。

あら、おままごと。
じゃないのね、お店を開いても、良いの。

…マコ
クッキー、焼くわよ。

「出店」
するの。

ーーー

マコのごはんはとっても美味しいのよ。
勿論、お菓子も。

マコ監修のもと、初めてクッキーを焼いたの。
かわいいクマ。
ほんとは全部食べたかったのだけれど、我慢。

わたしが焼いたのだから、有り難く買いなさい。
…と言いたいところだけれど、我慢ね。

看板娘に徹しましょう。
ついでに情報が聞けたなら上々ね。

…、マコ。もう少し笑ってみたらどう?
色男が台無し。

こどもは苦手よ。
何で泣くのか、よくわからないもの。

マコ、
行ってらっしゃい。

……ふふ、なによ。
笑えてるじゃない。



●マコ🐻さゆ🐻クマさん
 その場所は穏やかな光の降る心地良い所だった。
 木漏れ日は暑過ぎず時折吹く爽やかな風のおかげで寒すぎず。快適なロケーションの中で参加者達は店のディスプレイを作り上げていた。まだ設置中の店もあるが第一陣のお客が来るまでには出来上がる筈だ。
「さあ急ぎましょう。あともう少しよ」
 そんな言葉で急かしながらも上機嫌な四・さゆり(夜探し・f00775)の様子に明日知・理(花影・f13813)はほっと息を吐いて、目の前に広げたカゴに小さなクッキーを入れていく。
 思い起こせば今回の仕事を聞いた後で、さゆりに名前を呼ばれて『クッキー、焼くわよ』と告げられた時には、何が起こったのかわからずに反応が遅れてしまった。
 『出店』するの、なんて息を巻いたお姫様に引っ張られて、さゆりの初めてのクッキー作りに手を貸したが、これでよかったのかと心配もしたりした。だが、そんな事も何のそのと可愛いクマさんクッキーが出来上がると感嘆の声が漏れたものだ。
 そんな苦労の末に参加したフリーマーケットだ。これは盛大なおままごとではないけれど、せっかく店を開いて良いのだとなれば楽しまなくては嘘になる。
「マコのごはんはとっても美味しいのよ。勿論、お菓子も」
 言いながらさゆりが胸を張る。カウンターに綺麗に並べられたクッキー達はみんな可愛らしいクマさんの顔や形をしているもので、チョコレートによってくりんとしたお目目が付いていた。
 理は二人で作ったそんなクマさんクッキーを望むと味見をした時に感じた暖かさを思い出していた。何度も試した味見で納得のいく品が出来上がっている。けれども手作りの料理を売るなど初めての事でやはり緊張するものだ。
「……、マコ。もう少し笑ってみたらどう? 色男が台無し」
 言われてさゆりの方を向けば、自分とはまるでちがう柔らかな微笑みをお客へ向ける少女の姿があった。彼女の様に可愛らしい訳ではない。こんな無愛想なデカイ男がいれば寄ってくるものも寄って来なかろうと思ったが、だからと言って満開の笑顔を振り撒くなんて彼には到底無理な話だった。
 そんな心のせめぎ合いを制した結果、淡い微笑みで相対する事になってしまう。けれどもその懸命な努力は本当を見抜く者には伝わるものだ。
「……おにーちゃん、くまさん、ください」
 その声は母親らしき女性に背中を押された少年だった。おそらく幼稚園生ぐらいだろうか。小さな手に大きな硬貨を握り締めて真剣に硝子玉の様な澄んだ瞳で理を見上げている。
 一瞬、理はさゆりに助けを求めようとしたがあいにく彼女は首を振った。そういえば子供は苦手と言っていた。なんで泣くのかよくわからないから。
「マコ、行ってらっしゃい。」
 そんなさゆりの言葉をもらえば逃げる訳にもいかず、理は瞬きをすると少年の手をそっと掬った。
 怖がられないか心配ではあるけれど。
(「……けれど、子どもにだけは」)
 少年の手から硬貨を受け取り、どのクマがいいかと聞いてみる。問われた少年は一生懸命クマ達を眺めて、その顔ひとつひとつとにらめっこする。
 かわいいこ。かっこいいこ。おもしろいこ。ないてるこ。
 どれもどれもみんな少年にとってキラキラした宝物として見えている様だった。再三迷ってひとつを指差すと『このこをください』と声を上げた。
「ありがとな。……転ばないよう、気を付けるんだぞ」
「うん、ありがとう!」
 答えた少年の手が握ったクマはきりりとカッコいい眉をしていた。嬉しそうにクマを見る少年の姿を見送った後で理が空いた場所に他のクマさんクッキーを置いていく。
「……ふふ、なによ。笑えてるじゃない」
 くすぐったく感じた理の微笑みを喜びながら呟いて、さゆりはその手が広げていくクッキーへと目を向けた。チョコレートやアラザンで綺麗に飾り付けられたクマ達。ラムネの帽子、シュガーのおしろい。どれもこれもかわいいクマ。
「ほんとは全部食べたかったのだけれど、我慢」
「さゆり?」
「なんでもないわ……さあ、いらっしゃいまし。クッキーはいかが?」
 わたしが焼いたのだから、有り難く買いなさい──少々暴力的なレディ故にそんな風に言ってしまいたい所だが今は我慢だ。看板娘に徹すると決めたさゆりは改めて呼び掛ける。
 麗らかな日差しの中で二人のフリーマーケットの時間は過ぎていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウイシア・ジンジャーエール
●WIZ行動

オラトリオ特有の羽と花を隠し、パンツスーツ。
〔目立たない〕よう〔変装〕をし、客として参加します。
〔視力〕で店を端から端まで〔失せ物探し〕の要領で探しましょう。

『小学生の妹にプレゼントを買いに来た、年の離れた姉』を演じます。
持ち前の〔コミュ力〕を使い〔言いくるめ〕フル活用。
「年が離れていて、何を渡していいものか悩んでいて」
「可愛らしい物が好きみたい。そういえば、白色が好きだと言っていたわ」

良い情報が得られない場合は、
雀や鳩を〔動物使い〕で〔おびき寄せ〕し〔動物会話〕。
「白くてふわふわしたもの、知らない?」
何か知っていれば教えて貰おう。

(動物会話後に店を当たる、等、アレンジ歓迎します)



●ふぉーゆー!🎁
 晴れやかな空へ手を伸ばすとその指先に影が落ちた。
 マーケットが広がる場所よりもわき道にそれた一角で、ウイシア・ジンジャーエール(探索者・f09322)は鳥達を招いて話を聞いていた。
「白くてふわふわしたもの、知らない?」
 掌に乗る数匹の雀にそう訊ねると彼らはぴちちと鳴きながら覚えのあるものを上げていく。
 『タンポポ?』『抜けちゃうハネ?』『人が持ってる冷たいモノ?』――。
「うーん、最後はアイスクリームかしら」
 ウイシアが苦笑していると一羽の雀はこてりと身体を倒し、そのまんまるになった白いお腹を向けた。
 『ボク、ボクじゃない?』『うんうん、この子の白いお腹じゃない?』──。
 くりんと輝く円らな瞳に思わず微笑みが漏れる。期待した視線を向ける雀達にウイシアは眉尻を下げながら、琥珀色の瞳を嬉しそうに瞬かせた。
「ふふ、ちょっと違うかも。でも、ありがとう」
 どうやら雀達にはわからなかったらしい。同じ様に翼をもつ鳩達にも聞いてみたが、やはり探しているものがあいまいだと相手に分からないようだ。それでも鳩達からの話によれば上空から見てもわかる程に『ものをたくさん持っている人達』は何人か見かけたという。それはマーケットの中央付近のお店から出てきたそうだ。
 その話にピンときたウイシアは鳥達に礼を言うと改めてマーケットへと足を向けた。先程聞いた店の場所を呟きながら目的の場所へと歩みを進める。やがてマーケットの中央付近までやってきた所で、パステルカラーのテントを広げた雑貨店に辿り着いた。
 店を覗くと柔らかな色合いの丸いモノ──それは洋風の手毬だった。キーホルダーやイヤリングなど手のひらサイズの飾り物、果ては吊るしの大小混合の手毬まで賑やかに並べられたアイテム達はフリルやレースなど洋風の素材で彩られていた。
 思わずその風変わりなアイテム達に面食らったウイシアだったが、そのひとつひとつが淡い色でありレースならば遠目から見るとふわふわとした質感に見える事が分かった。ひとまず先程の買って行った人物について聞き出さねば──。
 ならば、予定していた『キャラクター』を装うべし。
 ウイシアがきょろきょろと迷う様に商品を見比べ始めると、気が付いた店員がいらっしゃいませと声をかけて来た。会釈をしてから微笑むと、ウイシアは『ある人物に贈るもの』を探していると告げた。
「……年が離れていて、何を渡していいものか悩んでいて」
「なるほど。普段何かお好きなものとかありますか?』
「可愛らしい物が好きみたい。そういえば、白色が好きだと言っていたわ」
「可愛らしいもの……それならこれはどうですか?」
 すっかりウイシアを『小学生の妹にプレゼントを買いに来た年上の姉』だと察した店員が、店の奥から出してきたのはまんまるころころの手毬。耳や尻尾を付けて形を模した白いレースのネコ手毬だという。
「先程たくさんお迎えして頂いたので、新しい子を出してあげようと思ったんです」
 その言葉に手ごたえを感じる。たくさん買って言った人物がいるのなら、その人が探している邪神の情報に辿り着く手掛かりかもしれない。商品の説明を聞きながらウイシアはさり気なくその人物がどんな人だったのか話を向けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

クーナ・セラフィン
どんな所にでも邪神の影はある…なーんてにゃー。
こういうイベントは新鮮だし、楽しめる時は楽しまないと!
折角だし色々巡って素敵な何かに巡り合えるといいにゃー。

お客として色んなお店を回る。
ハンドメイドのアイテムに内心興味津々、けれど常識猫といった感じで礼儀正しくすていすてい。
可愛い系の鞄とか日常に使えそうな物品見かけたら、拘りポイントとか作った物に興味ある感じで話を聞いてみようかな。
(実は:可愛いもの好き)
その中で変わった視点で物見てた人とかいなかったか聞いてみたり。
ハンドメイド初心者的に色んな視点は大事だと思うんだにゃーとか冗談めかしつつ。
最後にお礼言って購入して次のお店へ。

※アドリブ絡み等お任せ



●かわいいにゃん✨
 きょろりと空を見上げるとよく晴れた五月の空が微笑んでいた。
 まるでマッサージをされる様な心地良い木漏れ日の中をクーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)は上機嫌で進んでいく。自慢の毛並みを惜しげ無く見せふわふわ揺らして歩くケットシーは藍の大きな目を瞬かせてぽつりと呟いた。
「ん~どんな所にでも邪神の影はある……なーんてにゃー。折角だし色々巡って素敵な何かに巡り合えるといいにゃー」
 にゃぱっと笑みが零れたのも仕方がない。クーナにとってこうしたイベントは新鮮で、だからこそ楽しめる時に楽しまないとと気持ちが持ち上がったのだ。
 彼女の視線に映るのは賑やかな色味をした洋服や小物、お菓子や雑貨といったもの達だ。中でも強く惹かれたのはハンドメイド・アイテム達でそんなアイテムが置かれた店のひとつに足を向けた。
 クーナが立ち寄った店は手作りのバックを扱っている店だった。どの品も動物をモチーフにしたもこもこのバックで、ウサギや猫といった種類だと分かる。というのもバックのチャック付近に長い耳や猫の三角耳がぴょっこりついているのだ。
「こ、これは……」
 ふわふわフォルムがなんとも可愛らしい。思わずぴぃんと尻尾を立てたクーナだったが、はっと気が付いて咳払いする。あくまでこれはお仕事中なのだ、すていすてい。そうして落ち着きを取り戻すと、クーナは品出しをしていた店員へ声をかけた。
「すみません、このバックの拘った所ってどこでしょうか」
「あ、はい! そのバックは中の部分が滑らない様に……」
 品出しの手を止めた店員は嬉しそうに顔を綻ばせるとクーナの指差した鞄を手に取った。
「ポイントは耳ですがチェックしてほしいのはミニ尻尾。で、付属品にはボアとかメッシュとか付けると雰囲気が変わります」
 説明しながら店員がさらに取り出したのは、これまた手作りらしい色とりどりのポンポンバックチャームだった。一緒にリボンやレースが合せてあるところはなんとも愛らしい雰囲気を仕立てていてにくい。まるで御伽噺のお洒落な登場人物のアイテムの様で、クーナはほわぁっとした微笑みを浮かべてしまう。
「にゃるほど。着せ替えができるのっていいですねぇ」
「はい、先程のお客さんにアドバイスをもらったんです。別売りだったんですけれどポンポンのバックチャームも着けたらいいんじゃないかって……その方が気に入って下さったのは付属品で置いていたバックチャームで、結局そちらをお買い上げ頂きましたっ」
 その言葉にクーナはぴくんと耳を動かした。ぱちりと目を瞬かせるとうんうんと頷く。
「へえ、変わった見方をされる方なんですね。ハンドメイド初心者的に色んな視点は大事だと思うんだにゃー」
 そう続けると店員は上機嫌に他のバックチャームも持ってくる。ふわふわとしたバックチャームは柔らかく猫の形を模している様だった。
「キャットチャームっていうんです。もう在庫はこれだけになっちゃいました」
 照れくさそうに話す店員を余所に、クーナは口元に手を当てると心に引っかかったものと対峙する。
 やっぱりこれを購入した人物は、猟兵の探している異変に繋がっている──?
 クーナは店員に礼を言うとその人物がどちらに向かったのか確認して、改めてマーケットの中を歩き始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

勾坂・薺
【UBK】
フリーマーケットかぁ。
どうせなら買い物行きたいよね。
ついでに怪しい人も見つけられればお得というか。
買い物しながらおまけして欲しいなぁ
みたいな感じで
【情報収集】――ちょっと話聞きにいく感じ。
お話聞けたら御礼にちょっとチップ弾んだり。
うーん、財布が寒くなってきた。

そういえば。
わたしはこういう所来るのは初めてだけど
芥辺さんはこういうところ初めて?
色々あって面白いなぁ。

うーん、あれもいいしこれもいいし。迷うなぁ。
わたしはUSBメモリにつけられそうな
アクセサリとか探そうかなぁ。
芥辺さんこういうのどう?みたいな感じで
服とかアクセサリとか似合いそうなの
勝手に見繕いながら辺りもちゃんと観察。


芥辺・有
【UBK】

それじゃ、客に紛れて怪しい奴でも探すとするか。
……聞き込みは得意じゃないし、そこは薺に任せようか。私は周囲に怪しい奴がいないか見渡してみよう。周囲に聞き耳を立てたりして、情報収集。
ふわふわ、白いもの……良くわかんないけどそれらしい物を買おうとする、あるいは手にしてる奴がいないか特に注意を払っておく。
……チップもほどほどにしなよ。

うん?私もこういうところは来たこともないね。……まあ、こんだけ色々あれば興味深くはあるけど。
取り立てて何かを探すわけでもないけど、ざっと品物を眺めたりもしつつ。
薺が見繕うものでされるがままになりながらも、ふわふわした白いもの自体も探してみよう。



●お買い物にいけば🛍
 空から降り注ぐ木漏れ日が足元を照らし、その間を爽やかな風が心地よく吹いていく。フリーマーケットの賑わいがなければ今頃芝生の上で昼寝でもしているかもしれない。そんな心地良さの中を散歩をしている気分に浸りながら勾坂・薺(Unbreakable・f00735)は腕を伸ばして背伸びをした。
「フリーマーケットかぁ。どうせなら買い物行きたいよね」
 立ち止まって同意を求めようと振り向けば、後ろを歩いている芥辺・有(ストレイキャット・f00133)楽しそうな薺の姿に苦笑を浮かべていた。普段ならば静かな場所を好む有も仕事となればそうも言ってはいられない。故に聞き込みは不得手と心得ているからこそ、会話を楽しむ術を知る薺が積極的に動いてくれている事は有難かった。そんな彼女の心情を知ってか知らずか、薺はぱちりと片目を閉じてお気楽に言葉を紡いでいく。
「ま、ついでに怪しい人も見つけられればお得というか」
 しっかりお仕事もしますから。
 そんな意味合いの込められた言葉に有は息を吐いて頷く。
「ああ。それじゃ、客に紛れて怪しい奴でも探すとするか」
「おー!」
 勝鬨の声という訳ではないけれど。楽しそうに声を上げた薺はにこにこしながら再びマーケットを進み始めた。
 今回のフリーマーケットは比較的ハンドメイドやお菓子のお店が多い様だった。小物ならばハーバリウムやテラリウムといった流行りの品を始め、イヤリングやブレスレットなど定番のアクセサリーも置かれている。
 食べ物ならば聞いていた通りクッキーやマフィン、マカロンといったものが多く、素材の組み合わせでそれぞれが個性を出している。
「うーん、あれもいいしこれもいいし。迷うなぁ」
 わくわくどきどきの宝探し。そんな言葉がぴったりのマーケットを進みつつ薺はきょろきょろと店を望む。その視線が隣を歩く有に辿り着くと、薺はふと唇に指を当てた。
 それはちょっとした疑問だった。
「そういえば。わたしはこういう所来るのは初めてだけど、芥辺さんはこういうところ初めて?」
「うん? 私もこういうところは来たこともないね。……まあ、こんだけ色々あれば興味深くはあるけど」
 言いながら有は手日差しを作って遠くを眺める仕草をする。たくさん並ぶ店ならば彼女にぴったりの『何か』もあるかもしれない。薺もまた釣られて視線を向けようとしたところで、その手前に見えたふわふわに目を奪われた。
 そこは薺が気になっていたアクセサリーを扱っているお店だった。ハンドメイド品を主に扱ったその店は流行のデコラティブなデザインが主体らしく大きめのふさふさしたチャームや羽根を織り交ぜたアイテムが多かった。
「芥辺さんこういうのどう?」
 店頭に並べられたアイテムをひとつ手に取って薺は有の胸に当てて見せる。それはシルバーチェーンのブローチでピンにぶら下がる形で羽根やリボンが飾られていた。
「この手のアイテムですとスカーフ止めにもなりますが、単体でブローチとして付けてもお洒落ですよ」
「うんうん、芥辺さん似合う!」
 店員の同意も得て心強くなった薺は有にアイテムを合わせていく。取り立てて何かを探していた訳でもなかった有当人は上機嫌の薺の見立てを受け入れていた。
 そんな中で薺は『ポンポンの付いた商品』に白いものが少ない事に気が付いた。おそらく店の拘りなのだろう、アイテムのカラーバリエーションは統一しているらしく、その中でリボンを中心にしたデザインには白が在るのにポンポンの付いた商品には白がないのだ。その違和感を掴み取ると薺はさり気なく質問を口にする。
「これって結構人気なんですか?」
「ははは、おかげさまで。今日はひとりでたくさん買って行って下さる方が結構います。ポンポン系の白が人気なんですよ」
 ふわふわして白いもの。それは他の猟兵達も掴み始めていた事実──『白くてふわふわしたもの』というキーワードの符合するものをたくさん買って行く人々がいるのだ。
「ふわふわ、白いもの……」
「ああ、そういうのに引き寄せられてる人が『いる』」
 そう呟いた時、有はマーケットの通りへ改めて視線を投げて目を見開いた。
「……あの人」
 それは両手いっぱいに物を抱えている青年だった。驚く程たくさんの袋からふわふわしたぬいぐるみやお菓子の包みなどが見え、そんな大荷物を抱えながらも薄く口元が笑っていた。その視線は真っ直ぐに公園の南の方に向いている。
 大抵の場合、本当に好きで必要としているのであれば大量購入は悪い事ではないが、もしそれが邪神の召喚に使われる為だとすれば──。
「行きましょう」
 薺が静かにそう告げると有は頷いて店を後にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ガキにゃんこ』

POW   :    お菓子が足りない、もっとにゃー。
戦闘中に食べた【お菓子】の量と質に応じて【なぜか空腹感が増し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    食べ終わってしまったのにゃ。さあ、次の袋にゃ。
戦闘中に食べた【お菓子】の量と質に応じて【空いた袋が増大し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    このお菓子はおまえらにはやらないのにゃ。
戦闘中に食べた【お菓子】の量と質に応じて【独占欲が増大し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
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●蠢くモノ
 ふわふわの白いもの──そんな可愛らしいもの達を抱えた人々はどこかに向かっている様だった。集団ではないにしろ、周りを気にしながらも彼らが進むのは公園から少し歩いたわき道のビルだった。
 ビル自体は営業している様だったが地下部分は潰れたライブハウスになっていた。下る為の階段は不要な侵入を拒む為にポールチェーンで塞がれているだけで侵入は容易く、彼らも人目を気にしながらも簡単に入っていく。
 あの場所が邪神を召喚しようとしている場所へ繋がっている。そう確信した猟兵達が慎重に階段を下ると、そこに長い廊下が現れた。
 どうやらいくつかの店が連なる様に作られていた地下道的な場所の様だった。まだ目が慣れぬ中で左右を見渡していると急に足元が輝いたのだ。それは見た事も無い文字の綴られた魔法陣の様で。
 侵入を気付かれた。
 猟兵達がそう思った瞬間、同時ににゃーっと大きな声がする。そこに現れたのは多数のコロコロした猫達──ふわふわな毛並みをした猫を模した猫のオブリビオンが先程見た人々に餌付けをされているところだった。
「もぐもぐ、美味しいにゃー!」
「もきゅ、あ、これ食べモノじゃないにゃー!! でもふわふわすきにゃ!」
「お菓子おいしいのにゃー!」
 そう言いながら、オブリビオンはお菓子を与えていたひとりの指をハムハムぺろぺろすりすり甘えていく。
「おなかすいたにゃー!」
 もふもふもふー。にゃーんにゃーん。
 恍惚の表情を浮かべた人間とすりすりするネコチャン。
「ふわぁあああ~~ネコチャンかわいいよぉ~~ああ~~ネコチャンお菓子あげるねぇっネコチャーン!!!」
 そんな感じでやばい顔になりながら人々──信者とも呼ぶべき者達が猫ちゃんと戯れ……もとい、ダメ人間にされていく。危ない人達なだけな気がするので放置してもよくないかな。うん。
 しかし、オブリビオンが告げた次の言葉に猟兵達の間に緊張が走る。
「にゃにゃー! お菓子もふわふわもこのままずーっといっぱい持ってくるにゃ! そうすれば『あれ』もきてくれるにゃー!」
「やったー! ふわふわ触りたーい!!」
 だめだ。すっごいふわってる。あかん。
 そう思った瞬間だった。薄らと輝いていた床が赤い光を帯びたのだ。その言葉に猟兵達は自分達の得物を構えて目の前に転がるオブリビオンを睨み付ける。
 やっぱりあれは悪い子さん。ふわふわしてるのをやっつけなきゃいけない気がする。
 ああ、でも。
「にゃん?」
 ころころころがり、かわい子もぶりっ子もお手の物。カーペットの床にぺしーんと尻尾が叩きつけられる姿に、うっかり頃ッと負けちゃいそう。ちょっとだけなら撫でたりお菓子を上げたりしてもいいかもしれない。
 そんな事を思わせる様なねこちゃんはにゃーんと声を上げると猟兵達にウインクした。


※マスターより
お菓子が好きな猫(オブリビオン)『ガキにゃんこ』の登場です。ゆるい戦闘です。
ネコチャンと遊んで(戦って)ダメになった人が優勝です🐱🐈🐱
なお遊んでダメな存在(ひと)になったら、オブリビオンなのでちゃんとやっつけてあげて下さい。
幻武・極
キミ達はいつも相変わらず、お菓子を食べてばっかりいるよね。
これでキミ達のユーベルコードは全部制覇になるよ。

さて、ボクは通信対戦を・・・ってなんで勝負方法をキミが決めているのさ。
しかも、お菓子の早食い対決なんてと思ったけど、挑まれた勝負は受けないと武術家とゲーマーの恥だよね。
その勝負受けたよ。

くっ、食べれば食べるほど空腹感が増すそのユーベルコードは厄介だね。
でも、ボクも負けるわけにはいかないよ。


ウイシア・ジンジャーエール
あら、可愛らしい。
動物は好きよ。だって私、ビーストマスターだし。
けれど、悪い子はいただけない。お仕置きね。

貴方達、戦闘力増加のUCしかないの?変わったオブリビオンね。
UDCアースは好きで何度も来ているけれど、初めて会ったわ。

純粋に攻撃をしてもいいけれど、少し遊んでみましょうか。
「朋弥さん、手伝って?」
UC【朋弥】で透明な狼を召喚。
狼に「お菓子の袋、奪ってこれる?」と、少し悪戯っぽく聞いてみよう。

どんな反応になるかしら。少しワクワク。
もし攻撃が強めに来るようなら、すぐに倒してしまいましょう。

「朋弥さん、ごめんね、遊びは終わりにしよう」



●対決にゃんこ
 短いお耳がぴるっと動いた。
 陽だまり色のほわほわな猫──『ガキにゃんこ』と呼ばれるオブリビオン達は信者と戯れながらもきゅもきゅとお菓子を食べていく。咀嚼する度にお髭が動き、至福の味に目尻はとろんと垂れ下がっていた。
 その姿にウイシア・ジンジャーエール(探索者・f09322)は優美な口元を緩ませた。
「あら、可愛らしい。動物は好きよ」
 ──だって私、ビーストマスターだし。
 茶目っ気のある言葉を零したウイシアは優しげな眼差しで猫達を望んだ。当の猫達は菓子をたくさん頬張ってにゃうにゃうと喜びの声を上げており、そんな姿に幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)は思わず苦笑する。
「キミ達はいつも相変わらず、お菓子を食べてばっかりいるよね」
 詳細は不明だがどうやら極はこのオブリビオンと面識がある様だ。だからこそこのままにしておく訳にはいかなかった。魔法拳とゲーム武術の道を歩む者として挑む戦いはもちろん決まっている。
「さて、ボクは通信対戦を……」
「お菓子が足りない、もっとにゃー!」
 もっとにゃー!──早速準備に取り掛かろうとしていた極の耳に聞こえたのは、大合唱と共にきゅるるるっというお腹の音だった。驚いて声の方へと顔を向ければ、ころんころんと転がりながらネコチャンがウイシアにすりすりしている姿があった。その腕はむきむきになっているが見なかった事にしてほしい。
「あらあら、お菓子が欲しいの?」
「うにゃ……おなかすいたのにゃ……」
「食べてるじゃないかっ、あーもう、しゃんとしてよ、ボクと戦うよっ」
 ずりずりずべべ。
 媚び媚びにゃんにゃんしていた猫をウイシアから引きずって離し、極は獣の頬をぺちぺちと叩いた。うにゃんうにゃんといやいやしたネコチャンだったが、お菓子から離された事にふくれると背中のカゴをぺぺんと叩いた。
「しょうがないにゃあ~じゃあおやつを早く食べた方が勝ちにゃ!」
「ってなんで勝負方法をキミが決めているのさ」
「やらないならいいにゃ~もきゅもきゅもきゅ」
 ついに擬音まで言い始めた。だが、そんな些細な事は極には聞こえない。なぜなら挑まれた勝負は受けないと武術家とゲーマーの恥だと思ったからだ。だったらその恥を晒す前に取る行動は一つである。
「その勝負受けたよ」
 競う勝負事に腕を捲り、いざ参らんと奮起する。にやりと笑う少女はその赤い瞳に闘志を燃やし、眼前に現れたお菓子と対峙する。
 いただきますと告げた時。
 もきゅもきゅとお菓子を食べる別の猫をウイシアはのんびりと観察していた。
「貴方達、戦闘力増加のユーベルコードしかないの? 変わったオブリビオンね」
「うにゃ~?」
 お菓子でお口を汚したままちょっぴり逞しくなったネコチャンの腕をつんつんする。観察して分かった事だがこのオブリビオンはお菓子を食べれば食べる程に腕が逞しくなっていた。これまでUDCアースの世界を好んで訪れていたウイシアもさすがにこの手の敵には初めて会う。
 だからこそだろうか。むくむくと悪戯心が沸き上がり、やってみたいと思ったのだ。
「朋弥さん、手伝って?」
 告げた途端、空気が動き存在を感じる。それを自身の呼びかけに対する願いの受諾だと感じたウイシアは、透明だという獣に向かい小声でぽろりとお願いを零した。
「お菓子の袋、奪ってこれる?」
 ほんのちょっぴりの出来心。その答えはふいに浮いたお菓子が表していた。
「うにゃ??」
 ふわふわふうわり。
 突然浮いたお菓子の袋に猫達は小首を傾げていたが、ぴゅーんと逃げてしまえばお菓子の逃亡だと騒ぎが起こった。どたどたと追い駆け、飛びかかり、あっという間にお菓子を奪い──キャインと不憫な声がした。同時に散らばったお菓子の中身にウイシアの顔が引き締まる。
 確かにこの猫は先程彼女が述べた通りに必殺技はない。だが一般的な攻撃も強化されているのだ。その一撃に甘く見てはいけないのだと悟ると美しきオラトリオの探索者は自身の得物を構えて対峙する。
「朋弥さん、ごめんね、遊びは終わりにしよう」
 そう告げた隣では口の周りを綿飴でべとべとにしちゃった極が苦悶の表情を浮かべていた。
 巨大綿飴の戦いはつらい。そろそろ食べるの限界じゃないかね、うん。
「くっ、食べれば食べるほど空腹感が増すそのユーベルコードは厄介だね。でも、ボクも負けるわけにはいかないよ」
 まだまだもきゅもきゅっとお菓子を食べるネコチャンに極はウイシアと同じ様に得物を向けると、改めて相手と対峙する。戦いの口火はそんな二人から切られようとしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

勾坂・薺
【UBK】

人をダメにさせる猫かぁ。一家に一猫。
猫ネカフェとか流行るかな。流行らないか。

うーん。かわいいなぁ。猫。
ヤドリガミも人間型じゃなくて猫型とかになれたらなあ。
わたしは来世は猫がいいなぁ。
芥辺さんは猫とか、動物苦手とかない?

はいはい、お姉さんがお菓子あげるからね。うんうん。
こっちおいで。撫でてもあげるから。
かわいすぎてちょっとぐらいなら
転がっていってもいいかなぁって気にはなるよね。

芥辺さんにちょっとくらいなら大丈夫だから、と
ねこを抱えて半ばに押し付けるように
苦手そうなら無理強いはせず

でもいつまでも遊んではられないし。
楽しい猫との遊びの時間は終わり。
【Hydra Code】で終わり。


芥辺・有
【UBK】

……何だ、この光景。
ダメになった人間を見つつ呆れ顔。

来世ねえ。猫、そんないいか?……まあ、黙っててもこうして餌貰えるなら楽なもんか。
うん?特に苦手な動物とかはないかな。蛇でも狼でも喚び出したりしてるし。

薺に押し付けられた猫をとりあえずごろごろ、喉を撫でてみたり背中を触ってみたりする。
こうしてると、まあ、ちょっとは気持ちいいもんだ。癪だけど。
確かに少し気が緩むような気がしなくもないが。……さっき見たようなダメ人間っぷりは流石に晒せないだろ。

さて、いつまでもだらだらはしてられないし、見逃すわけもない。
厳つ霊を喚び出して、尾で打ち払わせようか。
猫みたいな可愛いげは無くて、悪いね。



●らいせはねこがいい。
 ころんと転がった黄金色の毛はふさふさふわふわと揺れていた。
 かの猫達を煽るのは足元の魔法陣が放つ不穏な力のせいだろう。明らかな異変にも関わらず、虜となった人々は『ガキにゃんこ』の求めるままにお菓子を与え、その身を愛で続けていた。
「はあ~ネコチャンきゃわいい~~」
「……何だ、この光景」
 思わず本音を漏らしてしまった芥辺・有(ストレイキャット・f00133)は心底呆れた顔だった。目の前で幼児語を話しながら鼻の下を伸ばす人間を見てしまえば仕方のない事かもしれない。やや引き気味の有の隣では勾坂・薺(Unbreakable・f00735)が手近に転がっていた猫のお腹をつんつんと突いていた。ぽっこりお腹の猫は『くすぐったいにゃ』と言いながらももぐもぐとお菓子を食べ続けている。
「人をダメにさせる猫かぁ。一家に一猫。猫ネカフェとか流行るかな。流行らないか」
 のほほんと呟いて薺はその手の思うままにわしゃわしゃと猫の頭を撫でていく。
「うーん。かわいいなぁ。猫。ヤドリガミも人間型じゃなくて猫型とかになれたらなあ」
 確かにモノが猫などの動物になると楽しいかもしれない。世の中人型ベース以外の種族も存在しているのだからそんな現象も──という幻想はさておき、薺は考えから得た答えを気軽に口にした。
「わたしは来世は猫がいいなぁ」
「来世ねえ。猫、そんないいか?」
 薺の呟きを拾った有は小さく苦笑して、足元で信者からお菓子をもらう猫を見る。その顔は世界の幸福を一身に受けていると言っている様でなんとも微笑ましい。
(「……まあ、黙っててもこうして餌貰えるなら楽なもんか」)
 ごろごろとしながらその日暮らしでお菓子を食べる。そんな猫らしい暮らしをしているオブリビオンが少しうらやましく感じてしまう。その視線に気が付いたのか薺は有を覗き、悪戯っ子の様に微笑んだ。
「芥辺さんは猫とか、動物苦手とかない?」
「うん? 特に苦手な動物とかはないかな。蛇でも狼でも喚び出したりしてるし」
 無明、あるいは厳つ霊の様な存在の事だ。もちろんそれがユーベルコードと呼ばれる神秘の力ではあるが、象徴として模らせている存在を嫌う事はない。そんな有の返事に薺は妙に納得して自分の持ち物をごそごそと漁った。
 どこにあるかな。どこだったかな。
 確かにここに入れたと続け、ようやく彼女が取り出したのは先程のフリーマーケットで購入した美味しそうなお菓子だ。それはふわりと軽い綿飴で馨しい蜂蜜の香りがしていた。
「はいはい、お姉さんがお菓子あげるからね」
「にゃ! お菓子にゃ~!」
「うんうん。こっちおいで。撫でてもあげるから」
「にゃ~♪」
 てふてふと走ってきた数体の猫達の目は薺の持つお菓子に釘付けだ。その追跡が可愛らしくて思わず右に左に振ってやるとその後を追って猫達の体がゆるゆるそわそわと動いていた。そのままくるりと踊りながら周囲を回ると面白い程に猫達が釣れていく。
「はーい、しっかり食べてね!」
 集まってきた猫にぽぽいとお菓子を投げると彼らは見事にキャッチしていく。手にあるのはふわふわで美味しそうな綿飴ひとつ、小さな舌がひと舐めするとその顔はとろんと幸せそうに溶けていた。それが妙に可愛らしくて、薺は自分もこの可愛さに溺れて転がってしまってもいいのではないかと思ってしまった。ふと、隣に視線を向ければ有がおそるおそる猫を触っているのが見えた。ちょっとくらいならいいのに、と思うと薺はひょいと猫を抱える。
「ほら、警戒しなくてもいいよ。ちょっとくらいなら大丈夫だから」
 一部では軟体動物だと囁かれる猫の身はみょーんと縦に伸びていたが、その可愛らしさは少しも損なわれ……損なわれない。気がする。そこまでなったのにお菓子もぐもぐしているから仕方ないね。
「……」
 誘われた有は目の前でぶらぶらと揺れる猫に静かに手を伸ばしてその頬を撫でた。その手はとっても温かい。思わず猫が喉を鳴らすと有はそのまま背を撫で、次いで喉を掻いた。予想以上の良い触り心地に有は思わず口を尖らせた。
「こうしてると、まあ、ちょっとは気持ちいいもんだ。癪だけど」
「ふふ、ね~、いいよね」
「確かに少し気が緩むような気がしなくもないが。……さっき見たようなダメ人間っぷりは流石に晒せないだろ」
 その言葉に周囲へ視線を向ければ、『お猫様』『ニャンちゃん』『ふわふわ』と先程よりも異様な言葉を発する人々の姿が見えた。確かにこの猫は可愛いしお菓子を食べさせたくなるが、こんな異様な状況を続けさせる訳にはいかなかった。それにいつまでも遊んではいられないと思ったのは、なおも光を増した床の魔法陣が危険なものだと思えるからだ。
「もっともっとにゃ~」
 もっとお菓子を、もっとふわふわを。
 煽る様に言葉を重ねる猫達は『何か』を望んで声を上げる。
 求めるのはお菓子だけか。
 求めるのはふわふわだけか。
 無邪気な鳴き声と仕草に惑わされる楽しい猫との遊びの時間は終わりにしなくてはならない。その事は有もわかっていたのだろう。手持ちのお菓子を自分達から少し遠ざけて投げると一度猫達を追い払った。
「さて、いつまでもだらだらはしてられないし、見逃すわけもない」
 告げた途端、彼女の手に白い靄が下りる。それが何かとわかる前に真下へ叩き付けると、靄は瞬く間に長く巨大な白蛇へとその身を変化させる。かの白き蛇が尾先に纏うのは雷の力──そのまま尾が振るわれると周囲にいた猫達──否、オブリビオンの身が一斉に弾き飛ばされた。後にはにやりと不敵な微笑みを見せる有だけだ。
「猫みたいな可愛いげは無くて、悪いね」
 告げた女の顔は猟兵へと変わっていた。次いでその後ろから生まれたのは薺の生み出すバグの泡だ。
「電脳魔術入門、記載無し」
 解き放つスペルは淡々としていた。瞬く間に周囲へと渡った泡達は混乱するオブリビオンを包んでいく。
 さあ、遊びはもう終わり。これからは甘いお菓子の夢から覚めて痛い現実へ戻る時間だ。
 有の従えた白蛇は猛け躍り、薺の生み出したシャボン玉は優しく浮かびながらも、オブリビオン達を確実に追い詰めていく。ただただ食べる事でその身を癒し続けるガキにゃんこは少しずつ数を減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クーナ・セラフィン
これはどうしたものかにゃー。
あざとくこびっこびだねこのダメにゃんこ達。
私も猫の妖精だしこう、見てると何とも言えない気分に?
オブリビオンだし最後は最後として、ちょっとの間位はいいかにゃー。

ケットシーなのでちょっと引き気味にダメ人間化した人たちを見ている。
ええい猫のプライドのない猫達め、真の猫たるもの媚びとツンの割合は大事だよ?とかツッコんだり。
…でもこんな風に楽しそうなのを見るとちょっとこう、うずうずしちゃうというか。
ダメ猫にはならないよう一線を意識しつつ軽くからかってみるかにゃー。

皆遊んでダメな存在になっちゃったら切り替え。
お酒じゃないけど惑わせちゃおうと花吹雪で攻撃を。

※アドリブ絡み等お任せ


カイ・シュリック
アドリブ連携歓迎

な……何だこの……猫?
とりあえず退治しないと……だが……ふわふわ……
お菓子が好きなのか。そうか……
先程買った菓子がまだあるな
少しくらいなら分けてやっても大丈夫か

という事で菓子を差し出しながら猫達に近付くぞ
食べに来たのなら構ってやろう
猫は柑橘類って大丈夫なんだろうか。オブリビオンだからまぁいいか……
手袋を外して体を撫でてやったり遊んでやったりしよう
凄まじくふわふわだ……なるほど……

だがいつまでも遊んでいられない、魔法陣も気になるし
時が来たらしっかり退治だ
武器を【鈴蘭の嵐】で花に変えてぺしぺししよう
すまないな。これも猟兵の仕事だ

それにしても『あれ』とは何だろうか
ふわふわしてるのか?


明日知・理
【四・さゆり(f00775)】と
アドリブ歓迎


あそこで楽しそうな奴らは、猫が好きなんだな。
いいんじゃないか。(包容力MAX)


ウィンク出来るのか。器用だなお前は。
素直に感心
次いでさゆりの言葉に
成る程と彼女の意図を汲み取り
居心地は微妙に悪いが、俺もクッキーを食う

やらん。
意地悪してるンじゃなくて…
…動物に、人間の食い物は駄目だろう。


誘き寄せたが
敵意が無いと酷く刃が鈍った
遊ぶことで骸の海に帰るなら、気の済むまで付き合う
それが駄目でも、チョップ等軽い衝撃で済むのなら迷いなくそちらを
彼らが痛くない方を

…それでも駄目なら
最終手段として
刃を振るおう
彼らがせめて苦しまぬよう
一瞬で。


四・さゆり
【明日知・理(f13813)】と。アレンジ大歓迎よ。

ーー

クマちゃんクッキーを、
猫たちの前で、
‥‥マコ、あんたも食べなさい。

もぐもぐ。
おいしい。

「あら?欲しいの?ふふ、嫌よ。」

猫を敵視していることが、
だめな人間たちにばれると面倒だわ。

数匹を誘き寄せて、すこし離れた暗がりへ。

「いらっしゃい、猫ちゃんたち。」

なあに、

あげないって言ったでしょ。
私の方が背は高いもの、
ついてくる子と追いかけっこね、ふふ、猫もするのね、
わんちゃんだけだと思った、

‥‥さて、お人好しの。
そして良い男の気が済んだなら、わたしもさよならしましょ。

傘の先で、叩くぐらいで済んだら良いけれど。

歯向かうのなら、容赦はしないわよ。

ばいばい。



●猫の胎動
 ころりと転がる体が妙に愛らしく、それが猫の魅力なのだと思わせた。
 けれどもクーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)の目にはそんな姿は違和感を覚えさせ、逆に嘆かわしいとも思ったのだった。言うなれば心底呆れていると言うものだ。
「これはどうしたものかにゃー」
 目に映る猫達の姿はあざとくこびっこびのダメにゃんこである。クーナ自身も猫に纏わる者である以上、この猫達の様子になんとも居心地に悪さを覚えてしまう程だ。確かにオブリビオンである以上は敵対する訳だが、それでも一言いいたくなるのは同族がルーツである為だろう。クーナはその藍の瞳に快活な覇気を宿して転がるね猫達へとはっきり言い放った。
「ええい猫のプライドのない猫達め、真の猫たるもの媚びとツンの割合は大事だよっ」
 告げた後で鮮やかに外装を払えばその凛々しい顔で信者達に視線を向ける。ちょっと抜けた主張はさておき、彼女の仕草は実に優美で騎士然とした風格があった。
 灰色の滑らかな毛並み、くりんと大きく可愛らしい猫の目、さりげなく被った羽根付き帽はまるでおとぎの国から飛び出した作り物の騎士猫の様だ。それを見れば思わずうっとりしてしまう。
「か、かっこかわいい~!」
 それはクーナの魅力に釣られてしまった信者の声だった。ふらふらと立ち上がって例の『ふわふわしたもの』を抱えながら彼女の方へと寄ってきたのだ。通常ならばその身を案ずるのだが、これまでの猫達への対応で信者達がいたって紳士的で魅力のある事をクーナはわかっていた。具体的に言うと、このままあのワキワキした手に掴まったらごろごろされちゃう。
(「それは回避したい所だけど」)
 目の前でふわふわしたものを振られると思わず心が動きかけてしまう。それでも我慢できるのはダメ猫の仲間入りをしない様にという鉄の意思──その葛藤を知ってか知らずか、目の前に現れた猫達を呆れた様に望んでいたのはカイ・シュリック(紫苑の殺戮代行者・f02556)だった。
「な……何だこの……猫?」
 言いながらたじろいだカイに猫達は近づいてころんと白いお腹を見せた。それはお菓子をおねだりしている仕草であり、そこに見えたふわふわした毛がカイの戦う意志を削いでいく。
「くんくん……お菓子持ってるにゃ? いい匂いにゃ~」
 その言葉に一体が鼻を動かしてカイのポケットに顔を寄せた。思わず瞬きをしたカイだったが、すぐに心当たりに気が付いてポケットの中に手を入れた。
「お菓子が好きなのか。そうか……少しくらいなら分けてやっても大丈夫か」
 言葉の後に登場したのは先ほど購入したお菓子だ。その包み紙をそろりと開けば色鮮やかな金平糖が顔を出し、それを見た猫達はにゃあんと嬉しそうな声を上げた。それは動物にはあまり与えない柑橘類のお菓子であったがオブリビオンならば大丈夫だろう。
 掌に乗せた金平糖を相手の口元に寄せれば、猫はふんふんと匂いを嗅いだ後でぺろぺろと舐めてお菓子を口にした。大人しく味わう猫の背をカイは素手で撫でながらその柔らかさに感心する。
「凄まじくふわふわだ……なるほど……」
 これはメロメロになってしまうのも仕方がない。妙に感心した様子で猫の喉を撫でればにゃぁんと可愛い声があがった。
「ふわー! 猫ちゃん良かったねぇ~」
 ぺろぺろころんとお菓子を食べる猫の姿に魅了された人々の声が上がる。その様子を改めて目にした明日知・理(花影・f13813)は思わず感心した様に頷いていた。
「あそこで楽しそうな奴らは、猫が好きなんだな」
 暖かい目で見守る先では大の大人がごろんごろんってなっている。それはそれはとてもいい笑顔で、見ているだけで幸福だとわかる姿──そういうのもいい、と思うのだ。ネコチャンが好きでもいいじゃないか。
 決して生暖かい視線を送っている訳ではない。理はそんな感じの優しい子です。たぶん。
 その隣では四・さゆり(夜探し・f00775)が手にしたクマちゃんクッキーと睨めっこをしていた。先程のフリーマーケットで販売していた手作りクッキーはとても美味しそうな焼き色で、仄かにバターの香りが漂っていた。
「くれるのにゃ~?」
 クッキーの匂いに誘われてふらふらと釣れたのは数匹の猫達だ。キラキラと期待の眼差しでさゆりの手にあるクッキーを見上げ、その行方を見守っている。その仕草にさゆりは飛び切りの微笑みを向けるとさっと手を振った。
 可愛いクマさんのクッキーがひょーんと飛び込んだのは小さく開けられたお口──さゆり自身がクッキーを齧ってしまう。
 もぐもぐもぐもぐ。
「おいしい」
「うにゃ~~~?! ずるいにゃずるいにゃ!」
「あら? 欲しいの? ふふ、嫌よ」
 そう告げたさゆりは残りのクッキーを頭の上へと避難させて楽しそうに猫達から逃げた。それでも追いかけてくるガキにゃんこの群れを望み、理の傍にやってくると手にしたクマちゃんクッキーを一枚取り出して彼へと向けた。
「……マコ、あんたも食べなさい」
 ──猫を敵視していることが、だめな人間たちにばれると面倒だわ。
 だから食べろと言ったさゆりは再び駆け出していく。その言葉に理は頷くと追い付いた猫に視線を向けて、手にしたクッキーをがりんと齧った。
「やらん」
「ふにゃ?!」
「意地悪してるンじゃなくて……動物に、人間の食い物は駄目だろう」
「いやにゃ~」
 その言葉を呼び水に理はクッキーを齧りながら同じく猫達を誘き寄せる。二人は少し離れた暗がりへと足を向け、信者達から猫達を引き離していった。
「いらっしゃい、猫ちゃんたち」
 そう告げたさゆりの後を追う猫達はまるで追いかけっこをしている様だ。猫は犬の様に追いかけっこをしないと思っていたからこそ、なおさらこの状況が可笑しくてさゆりはついつい微笑んでしまう。
「なあに、あげないって言ったでしょ」
「にゃ~ん!」
 ほしい、あげない、ほしい、あげない。
 言葉の追いかけっこも楽しみながら賑やかな追いかけっこが続く。ふと、理はこうして遊ぶことで骸の海に帰るなら気の済むまで付き合うのもいいだろうと思った。だが、現実にこのままでは解決はしまい。何故なら彼らはオブリビオンであり、邪心を復活させる存在である事は間違いないのだ。
 その証拠はすぐに現れた。
 限界まで焦らされた猫──オブリビオンが動いたのである。これまでじゃれ事と見ていたその動きは急に大きく背を向けたかと思うと、その爪が素早くさゆりの肩へと振るわれたのだ。
「……!」
 咄嗟の事に悲鳴を上げられなかった。鮮血が散る中で踏みとどまったさゆりは素早く間合いを取ると眼前のオブリビオンと対峙する。それはこれまで掛けていた力の増幅の籠った一撃であり、眼前の猫が『ガキにゃんこ』と呼ばれる敵なのだと思い出させるにはちょうどいいものだった。
「いい加減によこすにゃ!!」
 そう叫んだオブリビオンはもう一撃と爪を向ける。
 その身がもう一度跳躍し、さゆりとの間合いを詰めたと思った瞬間、白と紅の片が舞った。それは瞬く間にさゆりと理の前に溢れると冷気を伴って荒れ狂う。
「大丈夫にゃー?」
「無事か?」
 言葉と共に駆け付けたクーナとカイは二人に声をかけて自身の得物を周囲へ向けた。すでにこの場所はオブリビオンに囲まれてはいるが、二人の助けが入った今ならば蹴散らせない数ではない。
 視線を向ければお菓子をもらえなかった怒りなのだろうか。敵意を剥き出しにした猫がほっぺたを膨らませながら威嚇している。もう容赦をするべきではない。ふと理が視線を他方へと一瞥すると他の猟兵達も戦闘を始めているのが分かった。傷つける事をためらったおかげでさゆりにお人よしとまで言われた理も猟兵の顔へと変わっていく。
「すまないな。これも猟兵の仕事だ」
 そう告げたカイが得物を向け、さゆりもまた自身の傘をくるりと回した。
「傘の先で、叩くぐらいで済んだらよかったのに。歯向かうのなら、容赦はしないわよ」
 告げた少女が傘を開けば瞬く間に近くにいたオブリビオンがにゃあんと悲鳴を上げた。次いで得物を構えた理がその瞳に冷ややかな殺意を宿し、次の瞬間には不可視の斬撃を繰り出していく。
 戦場は一瞬にして出来上がった。
 猟兵達が無慈悲に力を振い、戯れに成れた『獣』を蹂躙していけばあっという間に数を減らしていく。やがて最後の一匹を討ち取った瞬間、床の魔法陣が一斉に輝きながらその範囲を広げた。
「なに、どうしたんだい?!」
 クーナの上げた驚きの声を飲み込んで。赤々と燃える様に輝いた魔法陣は、ふわふわを提供していた信者達の足を上り、縛り付ける様に体の表面へ文字の線を伸ばし、不可視の風を巻き上げた。荒れ狂う風と光、そして大量の白い『ふわふわ』──その二つを望んだカイは思わず声を上げた。
「まさか、『あれ』というやつか?!」
 その言葉に猟兵達が視線を足元へと向ける。
 同時にどくりと音が聞こえた。
 猟兵達の間に緊張が走り、それぞれに唇を引き締めると得物を音のした魔法陣の中央へ向ける。なおも鳴りやまぬ音は心音に似ている。何が起こるかは予測でしかない。けれどもプルミエールの予知の通りであれば『邪神復活の儀式』がここで行われ、そしてそれを阻止出来て……出来て(?)いるはずだ。
 固唾をのんだ猟兵達が静かに見守る前で『それ』は生まれ出ようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『睡魔』

POW   :    貴方も段々眠くなる
【なんだか眠くなる波動 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    羊が一匹、羊が二匹
【極僅かでも、興味】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【レベル×10の匹数の、モフモフの羊達】から、高命中力の【強い眠気を催す波動】を飛ばす。
WIZ   :    あと5分
予め【起きるまでの時間を申告し起床を引き延ばす】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●ふんわりの夢
 それは幸せそうに眠る少年だった。
 まばゆい光の中から現れた存在は、大きな羊の背中にころりと転がったままで心底幸福な微笑みを浮かべている。けれどもその手足が仄かに薄まっているのは、この召喚が不完全な為だろう。
 猟兵達の目の前で完全に姿を見せた邪神は周囲に満ちていた不可視の風が収まるとようやくその目を開ける。それでもとろんとした瞳は完全に開かぬままで、ただひたすらに眠たそうにしている。こちらまで眠気を誘うその姿は抗いがたい力を秘めている様だった。
「ふぁ……なぁに……ぼくをおこしたの……?」
 少年は寝ぼけ眼のまま視線を周囲へと向けると、ひときわ大きな欠伸をする。それでも猟兵達の姿を見止めると緩やかに瞬きをしてにっこりと笑った。
「ああ、きみたちがぼくらのあさごはんかな……『おいしそう』だね……」
 もういちど、ふあっと大きな欠伸が上がった。思わず釣られて寝てしまいそうな穏やかな少年だがの言葉は恐ろしいものに満ちている。生きているものを見て『おいしそう』という言葉が表すのは──。
「ねえ、いっしょにねむってよ……ぼくらがと……ずうっと」
 ねてしまえばぼくらのえねるぎーになるから。
 その誘いは穏やかな死だ。
 優しい捕食を求める少年は相棒である巨大な羊を撫でると、心底楽しそうに微笑んだ。


※マスターより
三章はプレイングの受付開始を5月31日の8時30分以降にしたいと思います。
該当時間以降のプレイングを優先的に執筆しますので、ご都合合えばどうぞよろしくお願いいたします。
カイ・シュリック
アドリブ歓迎

これが邪神か
姿こそ愛らしいが放っておけば被害は甚大だろう
……そして永遠に眠る訳にもいかない。ここで討伐するぞ

相手が起床を引き伸ばすようならその間に出来るだけ叩こう
【地形の利用】で上手く相手に接近し速攻で攻撃する
相手が避けるようなら【だまし討ち】や【フェイント】も交えて立ち回るぞ
眠気にやられそうなら舌を噛むなり装備で自分を軽く傷つけるなりして耐える
必要なら【オーラ防御】も使おうか

上手く攻撃できたら【傷口をえぐる】ように武器を扱おう

お前は復活したばかりだが、その誘いは悪しきものだ
俺はまだ、永い眠りに就く訳にはいかない
倒すべき敵は多く救うべき人も多い
……だからここで眠るのはお前だけだ



●眠るのならば
 我が夢に落ちるのならば、その指先に振れたもう。
 ふわふわふかふかな羊の背に頬を摺り寄せて、少年は蕩ける様な微笑みを浮かべるとはふりと息を吐いた。まるでそれが極上の幸せだと言わんばかりに口元を緩ませた恍惚の表情にカイ・シュリック(紫苑の殺戮代行者・f02556)の眉は戸惑う様に歪んだ。
「これが邪神か」
 呟いた言葉を改めて意識する。
 躯の海より染み出した存在はこの世界を緩やかに侵食する。その揺らぎをもたらすモノがUDCアースでは邪神と呼ばれる存在である。その姿は奇々怪々な異形を始め千差万別というが、中でもこの少年達は厄介ではないかと思った。
 人間にとって視覚とは最初に知る魔法だという。刺激としては五感の中でも絶大なインパクトで今回の様に『羊』という姿で耐え難い眠りへの誘惑として視覚を覆うのに最も効果的なものだった。姿こそ愛らしいが放っておけば邪神の被害は甚大になるだろう。
 それを理解しているからこそカイは相手の言う通りに眠る訳にはいかなかった。
「ここで討伐するぞ」
 そう宣言したカイは眼鏡のつるを指で押してから、手にした得物をくるりと回して眼前のオブリビオンへと走り出す。間合いを詰めるならば迅速に。先手必勝とばかりに相手へ迫った途端、それまで閉じていた少年の瞳がとろりと開いた。
「ん……あと……五分……」
 告げた後で少年の体が光を帯びる。
 間の抜けた言葉に思わず意を削がれたが、それでもすぐに異変の意味を悟って得物を振り上げた。
 相手が起床を引き伸ばすならその間に出来るだけ叩けばよい。
「お前の罪がその脚を焦がす」
 男の唇が呪を紡ぐ。大きく振り抜いた焼鏝が断罪の火熱を雨と生み、オブリビオンの身へ降り注ぐ。それは避けられぬ一撃であったと思ったのだが。
「ふぁ……」
 欠伸をした少年がぽんと羊の頭を叩くと、叩かれた羊はぽんぽんと器用に跳ねて流弾から逃れたのだ。それどころかふにゃりとお口を結んでいた羊はふんすと怒った表情を作ると『めえっ!』とひと鳴きして前足を上げた。
 相手が攻撃を避ける可能性は確かに予想していた。だからこそカイはすぐに相手の変化に気が付いて、得物を掴んで飛び退りある程度の間合いを取った。次に攻撃が来るとなればやはり眠りの誘いだろうか。
 うとうとする少年はもう一度欠伸をすると羊の角を撫でながら、事も無げに言葉を投げた。
「もぉ……ねようよぉ……みんなねればしあわせでしょ……」
「お前は復活したばかりだが、その誘いは悪しきものだ」
 はっきりとした言葉に少年の目が緩やかに瞬くのが見えた。それでもパッチリとはいかない様子にカイは相手を見据えてさらに口を開いていく。
「あいにくだが俺はまだ、永い眠りに就く訳にはいかない。倒すべき敵は多く救うべき人も多いのでな」
 そう告げると床に倒れ込んだ人々を一瞥する。静かに息をしてはいるがこのまま眠らせておく訳にはいかない。
「……だからここで眠るのはお前だけだ」
 宣言したカイが得物を向けると少年は小さく笑った。
 それはこれから更に起こるであろう戦を楽しみにしている子供の微笑みだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウイシア・ジンジャーエール
あら、素敵な羊さん。ふわふわで可愛いらしい。
私も同じように動物に乗って戦うとしましょう。
(オーラ防御)(呪詛耐性)

UC【修平】
「修平さん、手伝って」
自身の身長の2倍の【白の狼】を召喚し騎乗する。
修平さん、回避行動を担当して。よろしくね。
(騎乗)(操縦)(空中戦)(動物使い)(動物会話)

●敵SPD行動に関して
ビーストマスターとして、キャラとしても、興味がどうしても出てしまう。
敵SPD攻撃をほぼ確実に食らってしまう事を見越して、UC修平を使用。
自身が眠気に耐えられなくても、狼が回避を担当します。

狼に騎乗しUC【天罰】
武器を向けながら高命中の光の柱を落とす。
(高速詠唱)(早業)(全力魔法)



●もこもこ
 相手の眠る様は幸せというよりも怠惰に見える。それでもふわふわもふもふな『羊』に頬擦りする姿は何とも羨ましいという感情と好奇心を生んだ。
 ふんわりふわふわを触ってみたい。
 戦場には不釣り合いなのんきな敵の様相にウイシア・ジンジャーエール(探索者・f09322)は小さく微笑んだ。
「あら、素敵な羊さん。ふわふわで可愛いらしい」
「……ん」
 ウイシアの言葉に反応したのだろう。少年は気だるげに瞳を彼女へ向けると、ふにゃらと溶けた微笑みを作った。
「おねえさんも…いっしょに、ねようよ………」
 小首を傾げてお願いを。幸せそうな表情のままで羊の背に頬を擦り付ければ、ウイシアの耳の後ろにぞわりと快感を覚えさせる。あの手触りの良さそうなふわふわは心地良い眠りを作っているのだろうか。その柔らかな羊毛の中へ顔を埋めて深く深呼吸する様子は戦場に似つかわしくなさ過ぎたが、それ以上に惹き付ける魅力があった。
 そんな少年の唇がふにゃりと笑って言葉を紡ぐ。
「羊が一匹、羊が二匹……」
 心地よさそうな微笑みだった。あの背中の上で深呼吸して目を閉じたら最高なのではないだろうか。もはや眠りから覚める事は出来なくともそれが幸せなのだとしたら──そう思った瞬間だった。
 目の前をゆらゆらと揺れていた白い靄が、小さな羊となってウイシアの周りを取り囲んでいたのだ。小さな小さな羊達はめえめえと可愛らしく鳴きながらウイシアの身に寄り添っていく。
 足に、手に、すりすりふわふわと当たる感覚が彼女の頬を仄かに紅潮させる。
「あ、だめよ……」
『めえ~』
 抵抗するウイシアの声を余所に、羊達は彼女の手にその羊毛を触れさせていく。
 極上とはこの事だろうか。柔らかな感覚が指の腹を伝い、手の甲を滑り、吸い寄せられていく。その感覚はまるで最高級のベッドの様で、出来るならこのまま羊達の上に飛び込んでしまいたいと思う程だった。それでも、我慢したまま立っていられたのはビーストマスターとしての矜持だろうか。だからこそ、最後の気力を振り絞る。
「修平さん、手伝って……」
 それは懇願する様な少女の言葉だった。
 ふらりと身を崩したウイシアを支える様に立ち、『獣』は自身の背中に乗せたのは彼女の召喚した『獣』だった。白い狼の姿をした彼は羊達の前で姿勢を低くすると威嚇する様に低い声を上げる。その直後にひと吠えすると羊達が驚いて遠巻きに輪を作った。
 動ける。そう思った瞬間、自身の狼の背にまたがるとウイシアはその雄々しい鬣を握った。それを合図と思った狼は羊に溢れた空間から素早く飛び退き、牽制する様に低い唸り声を上げた。
「あり、がとう、修平さん……」
 礼を告げると一度だけ尻尾が大きく振られ、ウイシアの手の上を撫でる。その感覚を頼りにして彼女は首を振ると改めて部屋の中央にいるオブリビオンへと視線を向けた。未だにウイシア自身の眠気は完全に振り払えてはいない。完全に眠りそうな訳ではないが、しばらくの間は手元が狂うかもしれない。戦術として狙うなら当たりやすい攻撃が必要か──。
 そう判断したウイシアは揺れる意識の中で眼前の敵へ視線を向けた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

四・さゆり
【明日知・理(f13813)】と一緒
アレンジ大歓迎よ

ーーー

あら、お昼寝のお誘いだなんて、可愛いじゃない。

【漫ろ雨】
ゆうゆるり、整列。
赤い傘、肩から滲む赤よりもずうと、鮮明に。
自身殴るのは、少しばかり億劫なの。
夢路の誘いには、傘たちが応えましょう。

一緒に眠るのならずうと起きている男が良いの、
わたしが眠るまで。

あんた、先に寝ちゃいそう
役不足、ね。

マコが、随分と張り切っているようだから。
甘んじて庇われてあげる。

先行くあなたは、わたしの傘が援護しましょう。

まったく、お人良しね。

でも、

ねこより、そこの羊より。
ずうと、わたし、犬が好きなの。

良い男に、情けない顔にさせて、あんた。
起きなくて良いわ、

ばいばい。


明日知・理
【四・さゆり(f00775)】と。

-
悪いが、お前に朝は来ない。
…寝てな。

▼戦闘
さゆりを気にかけながら、最優先に庇う。
(直前の対猫戦において、自身の油断からさゆりに怪我させてしまったため。後悔と、理の自身への怒り。)
眠気を誘われたなら、自分の肌を刀の刃で傷付けるなり何なりして無理やり目を覚ます。
多少の無茶も痛みもとっくに慣れている。
何よりさゆりをもう傷つけたくない。

対する此方が発動するユーベルコードは『buddy』
赤い眼の大きな黒犬を模したUDC ――シスが俺の体を覆って一つになる
この大きな牙を葬送の一助とする。

アレンジ歓迎



●蕾と踊れ
 眩しい程に白い毛は仄かに輝いている様だった。
 眼前の獣が発するひと鳴きに牧歌的な温かさを感じながら、四・さゆり(夜探し・f00775)は口元に微笑みを浮かべて瞬きをすると楽し気に告げた。
「あら、お昼寝のお誘いだなんて、可愛いじゃない」
 それはダンスを誘われた娘がからかい交じりに答える如く。告げられた少年は気だるげなままにさゆりを望み、瞬きをしてから少しだけ身を起こした。その瞳が映しているのは赤く、紅く、燃える様な緋色の傘だ。
 さゆりの力を依り代に現れた赤い傘達は、物憂げに揺れつつ数を増やして空へと踊った。ゆうゆるり、と整列しながら揺れる傘は、少女の肩に滲む赤よりもなお鮮明に赤を知る。
 ──自身で殴るのは、少しばかり億劫なの。夢路の誘いには、傘たちが応えましょう。
 謳う少女は微笑みを宿し、言葉と共に標的へと指を向けた。目指すのは未だ周辺に蠢く羊の群れ──赤矢と化した傘の雨が降り注ぎ、白き獣を射抜き散らすと大きな羊に伏せていた少年が息を飲む声が聞こえた。
「だめ……やめろ……!」
 少年の頬を掠める傘の雨は次々とその身へ鮮血を生んだが、オブリビオンはそれでも呪を紡ぐ。唱えるのは羊を導く言の葉だ。紡ぎ数える間に現れた新たな白き獣は、その数を増やしながらめぇと鳴いた。それは幾重にも木霊してさゆりの耳へ甘き眠りの誘いを掛けてくる。
 しかし、そう簡単には事は運ばす。
 揺らいだ少女の視界に入ったのは見慣れたフードを被った少年の背中だった。いつもならば舌打ちひとつしそうなその背中は、今回ばかりはそうもいっていられない。地を蹴った少年──明日知・理(花影・f13813)は、その紫の瞳に意志を灯して静かに告げた。
「悪いが、お前に朝は来ない」
 理の声はひたりと冷ややかな響きを持っていた。その源が先程のさゆりの怪我にある事は間違いはなく、だからこそ後悔と自身への怒りに己が身は震えていた。
 もうさゆりを傷つけたくはない。そう射止めた己が決意は腕に刻んだ傷が痛みとして教えてくる。眠気覚ましにはちょうど良い、むしろ多少の無茶も痛みもとっくに慣れていると思った。
「―――"Thys"」
 零した言葉に身に宿る刻印が脈打った。途端、理の体を黒い何かが覆っていく。それは赤い眼の大きな黒犬を模したUDC ――シス。異形を纏いし理の身は瞬く間に間合いを詰め、その腕は得物を振り上げた。
「……寝てな」
 それははっきりと告げる別れの言葉だ。瞬時に振り下ろされた一撃は少年もろとも羊の身に当たると、そのまま地面に巨大なひびが入っていく。ずん、と心地良い程の衝撃音が走り、誰もがその中心を望んだ途端、複数の金切り声が上がった。
 金属の擦れる音、否。
 電子が発する警告音、否。
 子供が上げる嫌悪の悲鳴、否。
 どれとも似て非なるものと思いながら異音を放つオブリビオンに猟兵達の視線が集まった。少年と羊の口から溢れた音はこれまで聞いた事のないものであり到底人間が出せる声ではない。つまりそれは彼らがこの世界の物ではない事を表している。
「ぼくら、ねむり、じゃま、ユルサナイ!!」
「あんた、先に寝ちゃいそう。役不足、ね」
 一緒に眠るのならずうと起きている男が良いの、わたしが眠るまで。
 理の影からそう告げてひょっこりと顔をだしたさゆりは手にした傘をもう一度展開する。そうして現れた傘の群れはまるで咲く前の花の蕾の様だ。そんな花達の中で理は再び地を蹴り走る。
「まったく、お人良しね。でも、ねこより、そこの羊より。ずうと、わたし、犬が好きなの」
 真っ直ぐに突き進む彼の背にさゆりはふと微笑みを零した。その直後に理の得物が目を見開くオブリビオンに振るわれる。
「起きなくて良いわ、ばいばい」
 一閃に合わせて告げた言葉の後で、浮かんだ傘が再び周囲の羊とオブリビオンへと降り注いだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

幻武・極
へえ、キミが邪神か。
禍禍しさは感じられないけど、人の欲望の睡眠欲を司っているってことだね。

さてと、まずはキミ はいつまで寝ているつもりなのかな?
そのユーベルコードは一見すると強そうだけど、大きな弱点があるよね。
それは強化までの時間だね。
まず申告した時間が経過してからようやく強化できる時間が始まる。
そして、起床だから床に入っていないといけない。
その無防備な時間をマヒ攻撃や2回攻撃等を組み合わせた幻武百裂拳で攻撃させてもらうよ。


クーナ・セラフィン
確かに白くてふわふわ、惹かれちゃうのも無理はない?
周りに無害ならほっといてもよさそうだけどもいるだけでアウトだしにゃー、オブリビオンは。
そもそも言ってる事もアレだし、ここはお引き取り願わないとね。

基本は支援中心に。
起床時間、さっきも言ってたよね?延長?
どうせ眠るならずっと寝てればいいのに。勿論キミ一人だけでね。
UC発動し花弁と吹雪を少年に纏わりつかせ攻撃、寒さと幻惑で動きを鈍らせてみよう。
眠くなる波動もこれで相殺できればいいんだけれど無理そうなら自分の手を引っ掻くなり痛み等で意識を強くを保つ。

戦闘後は一般人達起こして帰還。
もう怪しいふかふかには釣られちゃだめだにゃー、と。

※アドリブ絡み等お任せ



●時間
 自身の瞳と同じ色の傘の雨が降り注ぐ様を望むと、幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)は改めてオブリビオンへと向き直った。爛々と輝く彼女の目に映るのはなおも燃える闘志だ。眼前で踏み止まる少年と羊を一瞥した極は口端に笑みを浮かべて告げた。
「へえ、キミが邪神か。禍禍しさは感じられないけど、人の欲望の睡眠欲を司っているってことだね」
 それが真実かどうかはわからない。けれどもそのふわふわした心地よさそうな体が他者を眠りに誘うには最適だと思えば、その話はあながち間違っていないのかもしれない。もちろん憶測の域を出ないが、それでもはっきりしているのは邪神による『眠り』を誘うという行為が死への誘いという脅威である事だ。
「確かにあんな白くてふわふわ、惹かれちゃうのも無理はない? ん~周りに無害ならほっといてもよさそうだけども、いるだけでアウトだしにゃー、オブリビオンは」
 自身の髭を弄りながらクーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)はううんと唸り声を上げる。現れた邪神の感想はのんびりとしたものだったが、そもそも言っている事がアレな感じである以上は、お引き取り願わなければなるまい。すでに戦の均衡は猟兵達へと傾き始め、これから畳み掛けるにはいい頃合いだった。
 そんな状況を理解しているのか、オブリビオンの少年は騎乗する羊の背中に改めて身体を投げ出すと、はふりと息を吐いて目を閉じた。
「あと五分」
 白くてふわふわなその身が淡く輝くとクーナの表情が曇った。恐らくは力を溜めて反撃をするのだろうとはわかったが、それににしても雑過ぎる。
「起床時間、さっきも言ってたよね? 延長?」
 からかい調子で告げたクーナは、自身の得物を振り上げて花弁と吹雪の帯を描く。それはオブリビオンの身に降り注ぎ体の自由を奪い、猟兵達の後押しとなった。
──どうせ眠るならずっと寝てればいいのに。勿論キミ一人だけでね。
 そう笑ったクーナの横を猛スピードですり抜けたのは極だった。彼女は蒼穹の髪を風に流しながらオブリビオンとの間合いを素早く詰めるとその拳を振り上げる。そうして繰り出されたのは幾重にも力を秘めた一撃──まともに攻撃を受けたオブリビオンは悲鳴を上げて羊の上からずり落ちる。うまく動けないでいる相手に向かい、極は前へと進み出るとにやりと笑って告げた。
「さてと、まずはキミはいつまで寝ているつもりなのかな? そのユーベルコードは一見すると強そうだけど、大きな弱点があるよね」
 指を折りながら極が告げたのは弱点──それは強化までの時間だった。彼らのパターンを見るに宣言の後に強化できる時間が始まっていた。つまりその間は眠っていなくてはならない様なのだ。それはつまりその間に隙ができるという事。
「さあ、まだまだ行くよ」
「もちろんさ」
 極が告げた意気込みの言葉に、クーナはそう答えて得物を向けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

勾坂・薺
【UBK】

あーあ、可愛い猫がいなくなって残念だと思ってたら。
変なのが出てきたなぁ。
うーん。いやわたしは食べてもおいしくないかなぁ。
芥辺さんも食べられる趣味はないだろうし。

だらっとするのは嫌いじゃないけど
ずっと寝るのは好きじゃないしなぁ。
飽きるというか。夢は夢、現実は現実で
わたしはちゃんと分けたい派だし。

それに、ちょうど――眠りから覚めて
骸の海に帰って貰わないといけない時間だしね。

眠気に負けないように波動はオーラ防御。
それから【Daydream Order】、命令は単純明快に。
起きて。起きろ。二度寝は罰ゲームね。
――あとは芥辺さん、ばっさりやってくれるでしょ?
しっかり目覚めるような一撃。


芥辺・有
【UBK】

羊ね。……成る程。
さて。人好きのする見た目かもしれないが、野放しにするわけには当然いかないからね。
勿論食べられる趣味なんてないさ。餌になってやる道理もない。
……私もだらだらするのは常だが。眠り続けるなんてのは御免だね。疲れる。
眠るのならお前だけでどうぞ。

杭と鎖を振り回して、フェイントを仕掛けたりしつつ。少しでも隙ができたなら既に傷があればそれを狙い、傷口をえぐる。
眠気を感じたら杭で自身の腕などを掻き切る。痛みで眠気が飛ぶなら上等。
そして、ついでだ。その血を利用して列列椿を使おう。
薺の起こした白いそれを目で追って、無数の杭を次々に。眠気で多少狙いが狂おうが。これだけ数打ちゃ当たるだろ?



●終幕
 もはやその体裁は乱れた異形となっていた。
 大きな羊の背に乗っていた少年の目はいつの頃からか、眼球の無いがらんどうになりその口はぽっかりと闇が空いていた。ともすれば吸い込まれてしまうかもしれないと奇妙な恐怖が抱く闇からは、時折くぐもった声が生まれていた。
『あざごはんのぉおおぶんざいでぇ!!』
「あーあ、可愛い猫がいなくなって残念だと思ってたら。変なのが出てきたなぁ」
 攻撃の手を休まずオブリビオンと対峙していた勾坂・薺(Unbreakable・f00735)は、息を吐いて残念そうに呟く。その言葉に芥辺・有(ストレイキャット・f00133)は苦笑する。
「羊ね。……成る程」
 確かに薺が可愛いと思った様に羊という外見は人好きのする見た目だろう。しかしだからと言って野放しにする訳には当然いかないものだ。それに朝ご飯と言われてもそんなつもりはさらさらなかった。
「うーん。いやわたしは食べてもおいしくないかなぁ。芥辺さんも食べられる趣味はないだろうし」
「勿論食べられる趣味なんてないさ。餌になってやる道理もない」
 薺の意見にあっさりと同意して、有は改めて眼前で狂い哭く少年へと獲物を向けた。かなりダメージが蓄積しているのだろう。少年は崩れ始めた自身の体を抱くと、静かに目を閉じて再びぶつぶつと呟き始める。
 何番煎じと言うなかれ。猟兵達が現れた羊の群れに警戒する中、巻き起こったのは脳の奥まで届く白き獣の大合唱──眠りに誘う声達に身構えたままで薺と有は眉根を寄せた。
「……っ、だらっとするのは嫌いじゃないけど、ずっと寝るのは好きじゃないしなぁっ……」
「……私もだらだらするのは常だがっ、眠り続けるなんてのは御免だね。疲れる」
 びりびりと脳内に侵入してくる眠気を振り払わねばなるまい。そう判断した有は自身の得物である杭で迷いなく腕を裂いた。酷い裂傷には至らない様に、されど痛みがある様に。痛みで眠気が飛ぶなら上等とばかりに滴る血潮を指から垂らし、有は眼前のオブリビオンをねめつける。
「眠るのならお前だけでどうぞ」
 告げた後で有のみが地を蹴った。その後に薺は口元を引き締めると新緑のシャボン吹きを手の中で擦る。
 寝るのは飽きるというか。夢は夢、現実は現実で。ちゃんと分けたい派だという薺はもう『気が付いていた』。それは崩れかけた異形の体は限界に近いという事。
「ちょうど――眠りから覚めて骸の海に帰って貰わないといけない時間だね」
 眠るにはちょうどいい。告げた後で薺はシャボン吹きに唇を当てると小さく呪を零す。
「仮想魔術中級、第357頁」
 ふうと吹き上げた途端、無数のシャボンが現れた。それは増え続ける羊達を瞬く間に包み上げ、少年もろとも泡の海へと満たしていく。それでも少年は目を閉じるとあと五分と言って身を護ったが、薺はその姿に静かにオーダーを告げた。
 ──起きて。起きろ。二度寝は罰ゲームね。
 それは木霊の様に。波の様に。寄せては返す反響の海にオブリビオンを縛り上げると、薺は楽し気に笑みを浮かべた。お膳立てはこれで万全、だったら──あとは芥辺さん、ばっさりやってくれるでしょ?
 言葉の後で紅が舞った。
 それは突如現れた、否、先程から見えていた『存在』だ。赤く紅い、真を得た赤。それが血液の美しい色であると理解する前に、有のしなやかな身がオブリビオンとの間合いを詰めていた。いつの間にか縮まっていた距離に息を飲み、相手が怯む前に有は唇を開いてはっきりと告げた。
「逃がさない」
 その言葉は自身の血を代償とした杭の創造へと至る。踊る様に伸びよ、冥々と脈打つ血を飲み込み、その鋭利さを謳いながら肉を裂け。それは落ち行く首、椿の様に消えて落ちよ。
 次々に現れた杭は少年と羊の体を無数に貫き空洞の眼球へと肉薄する。
 しっかり目覚めるような一撃を。
 薺の望んだ攻撃が有の手から両の目へ突き刺された瞬間、咆哮が上がる。否、それは断末魔と言うべきだろう。巨大な羊もろともオブリビオンが崩れると、猟兵達の足元で輝いていた光が消えた。後に残るのは静寂と倒れた信者──であった人々のみ。
 彼らを介抱する仲間達を望みながら、有は己の鎖を振ると浮いていた血糊を払って息を吐いた。ようやく終わったのだ。
「ふー、お疲れ様、大丈夫?」
「ああ、大事ない」
 近づいた薺に有はそう答えると改めて周囲に散らばった物へと視線を向けた。
 ふわふわなもの。それが買の邪神を呼び出すアイテムであり捧げられたものだった。今回は不完全な状態で召喚された様だったが、これからも同じ様な時間が起これば再び会う事があるだろうか。運次第かもしれないがそこまで考えても詮無い事だろう。ただ事実としては邪神の復活を防ぐ事ができたのだ。
 その成果を持って猟兵達は安堵すると、改めて倒れた人々の元へと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月08日


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🔒
#UDCアース


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト