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バトルオブフラワーズ⑩〜爆エモオーバーフロー

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー


●花に嵐を越える
「エモけりゃなんでも良いよ」
 グリモアベースにて。松本・るり遥(サイレン・f00727)は小型辞書型グリモアを広げながら、今回の最重要項をざっくばらんに告げた。
「目的地、キマイラフューチャー内部、システムフラワーズ。前のエイプモンキーは強敵だったみたいだな……今回は第二の難関ってやつだ」
 予知内容を辿る。グリモアの光る頁を、指がなぞる。
「目標、カワイイ怪人『ラビットバニー』。今回はこいつを倒さないと先に進めない。
 厄介なことに、絶対無敵のバリア使いだ。猟兵達の攻撃は、この絶対無敵バリアに阻まれて届かない。どのくらい無敵かっていうと、小学生のバーリア!より圧倒的に無敵チートだ。
 ーーこのままじゃ、な」
 るり遥は顔を上げ、猟兵たちの目を見た。
 これから語るは、突破口。

 ラビットバニーは『エモい』に殊更弱いのだ。エモを見せつけられると、そのエモみに胸が高鳴りすぎてしまい、無敵バリアの維持ができなくなると言う。
 その上彼女の感受性は爆裂豊かだ。ガバいとも言う。ついでにSNSでバズりそうなやつがそりゃあもう大好きだ。
 あらゆるものが、ラビットバニーのあの豊かな胸を打つ事だろう。
 そこを畳み掛ける逆転劇という、エモ展開を期待できるという訳だ!

「まあ、バリア無効手段があっても強敵だ。楽勝とは行かない。返り討ちだってあり得る。けど……生きてればそこには感情がある。感情があれば情動になる。つまり、生きてるだけで勝ち戦だ」
 エモエモ言いすぎてゲシュタルト崩壊しそうだが、なんて愉快な戦場だと心踊る心地は隠せない。るり遥は手早くグリモアを起動する。
 さあ、あり溢れるエモの中から、珠玉のエモを叩き込んでやろうじゃないか。


小林
 こんなかわいいうさぎちゃん描きたいに決まってるじゃないですか!!!!!!!
 こばやしです、よろしくお願いいたします!

 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。

 多分エモに殴られてあまり沢山は書けない気がします。それでも心を込めて描かせていただきます!
 それでは、皆様のエモーショナル! お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
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【プレイングは明日13日(月)8時半以降だとありがたいです!】
エルネスト・ポラリス
さあ、行きますよラビットバニー!
バリアなんか知るか、正々堂々戦ってぐわあああ!!(返り討ち)
つ、強い! バリアもそうだけど普通に強いこの人!
ですが、ここで倒れるわけにはいきません、何度だって立ち上がってぐわあああああ!!!(返り討ち)

……ええ、薄々感づいておりますとも。
エモさがない私では、貴女に勝てるはずもないということは。
きっと、私がやらなくても、別の人が上手くやってくれるでしょう。

それでも。
私は常に前へ、誰かに背中を見せなければいけないのです。
痛みを【勇気】で乗り越え、貴女の戦い方の【情報収集】も終わりました。
こっからが本番です、キャノンなんて、全て【見切って】【武器受け】してやりますよ!





「さあ、行きますよラビットバニー!!
 バリアなんか知るか、正々堂々戦ってぐわあああ!!
 つ、強い! バリアもそうだけど普通に強いこの人!
 ですが、ここで倒れるわけにはいきません、何度だって立ち上がってぐわあああああ!!!」

 ぐわあああああ
 うぐおおおお
 なんの、これしき、ぐわああああ!

 わああああ

 あああ……

 …………



 ーー愚直、とは、エルネスト・ポラリス(いつか満月の下で・f00066)のような男の事を呼ぶのだろう。絶対無敵とは絶対無敵だから絶対無敵なのだとラビットバニーに言い聞かされても、エルネストはその繰り返しを止めなかった。
 その結果がこれだ。赤い髪も、衣服も、繰り返されるキャノンに焼け焦げ、片腕などよく見れば逆側に捻れている。げほ、げ、ぼ。噎せた喉が、血を吐いて、口の中に新鮮な鉄の味が広がった。
「うーん……まあ、そんなナリでも頑張って立ってるとこはエモいかなー?って思うけどー」
 どんな猟兵が来るかと楽しみに待っていたラビットバニーも、これには期待外れ、退屈だ。花びらの上でしゃがみこみ、両手を頬に当てて。絶対無敵バリア越しに、エルネストの虫の息が絶えるのは、今か今かと眺めている。
「なーに、猟兵って案外おばかさんなの? エイプモンキーのやつをぶっ倒したよーなヤツが来るって言うから、どんなんが来るかとせんせんきょーきょーしてたのにさ」
 緑の髪を、くるくる、指先で弄ぶ。
「んー、死ぬまでほっとくのも、ジヒが無ーい、か。あーし優しいとこあるから、ちゃんとここで殺してあげるね」
 赤べこキャノンを肩から下ろし、その砲口をエルネストに向ける。赤べこの頭部がぶるんと揺れ、砲口に、赤べこエネルギーが溜まっていく。
「……ええ、薄々感づいておりますとも」
 甲高いエネルギー吸収音に耳を立てた。近づく危機に、立ち上がろうと膝を立てるが、力が入らない。我ながら、無様だ。血に汚れた口元で、エルネストは細く息を吐いた。肺も潰れているかもしれない、呼吸が痛いのだ。
「エモさがない私では、貴女に勝てるはずもないということは」
「んんー?」
 ラビットバニーは、その大きな首を傾げた。
 ならどうしてここに来たの。
「きっと、私がやらなくても、別の人が上手くやってくれるでしょう」
 ならどうして。キミは、笑ってるのさ。
 どうしてまだ、立ち上がって、そんなに燃える眼をしてるのさ。
 ぞわり、ラビットバニーのむき出しの背を襲った寒気は、何も薄着故の寒さのみではない。

「それでも! 私は常に前へ、誰かに背中を見せなければいけないのです!」
 エルネストは痛む肺で吠えた。片腕がねじ曲がっていようと、もう片手が生きていれば、この故郷を出る時に託された剣を握れる。
「うそうそ、なんで? だってめっちゃ痛いでしょぉソレ!? このまま死んじゃう方が絶対楽チンだしハッピーヴギじゃん!?」
「痛いですよ。でも、その痛みに踏み込んで、戦い続ける力があれば、痛みなんて乗り越えられるんです。その力が、勇気って、言うんですけど」
 眼鏡を押し上げる。レンズの割れた眼鏡で視界の焦点がちぐはぐだ。目標がド派手な格好なお陰で、問題なく視認できる。それを確認するよう視線をあげて、エルネストは眉を下げて笑った。
「格好悪いこと、出来ないんです。私、こう見えて……お兄ちゃん、ですので」

「やっ…………やっだぁ、うそうそ、ドメスティックエモーー〜〜〜い!!?」
 絶対無敵バリアが剥がれて消える。しかし赤べこエネルギー充填完了! エモさに桃色の悲鳴をあげながらも、キャノンの狙いは無慈悲にエルネストに照準、発射!
 攻撃、命中、攻撃回数の中からラビットバニーがチョイスしたのは、ガンガンに押すべく攻撃回数。ギャンギャンに砲弾がエルネストに注がれる。
「お兄ちゃんだって! 後ろに誰がいるっていうの!? それなのに捨て身で来ちゃって、そんな笑顔しちゃうその姿勢爆裂ドメスティックエモエモ〜〜〜!! 安心してね、エモくてときめいちゃったからさ、キミの弟妹もしっかりあーしがぶっ倒してあげるから!」
「それは、困りますよ」
 砲弾の雨嵐の中、ひどく穏やかな声が異物的であった。この戦いの最中でラビットバニーの戦法は分かった、強化も十分。砲弾を見切り、砲弾を受け流し、時に正面から斬りふせる。それをかなえるだけの集中力、素早さ、体力が、これまでの不利を覆すようにエルネストの身には満ちていた。
「うっ…………そ、うそうそ、あんなよわっちかったのが、こんな爆強に……? えっも……ボーイズミーツーエモぉ……」
「お褒め頂き、ありがとうございます。そうなんです、おかげさまですっかり強くなれました。だからーー」
 前へ、一歩。
 二歩、
 三歩助走をつけて
 死出の如く、跳躍
「あなたのもとまで、ひとっ飛びです」
「え、も」
 エルネストの微笑みが、バニーの眼前。
 剣が一閃、バニーの胸を斬り裂き、赤い血がひらいた。

「やだ、やだやだお触り厳禁だしぃ! もーー!!」
 突き飛ばす。胸を裂かれれど、バニーの声はまだ溌剌。
 花びらの足場まで思い切り突き飛ばされたエルネストが盛大に尻餅をつく。あいたた、と眉を下げ臀部をさする。
 後ろに集まる他の猟兵たちが、エルネストに無事かと慌てて問いかけるのにも、彼はやっぱり笑うのだ。
 ええ、だって、カッコ悪いとことか、見せられませんので。

成功 🔵​🔵​🔴​

明智・珠稀
かしこまりました、御主人様…!
私のエモみを存分にアピールいたしましょう、ふふ!

#ド変態
「それでは!たまちゃん早変化をご覧ください…!」

不思議ベルトから衣装を取り出し【早着替え】【変装】
UC【青薔薇吐息】の青薔薇で己の姿を一瞬隠し、執事服に変身★

「こんな私はいかがですか、御主人様…!
 それとも、ウサギさんはオオカミさんはお好みでしょうか?」
ワイルド&上半身裸な人狼風に変身

「やはり、私に合うと言えば…こちらでしょうか?」
シャララン♡と、ミニスカな魔法少女たまちゃん★に変身!

隙が出来た所で、本来の使い方のUC【青薔薇吐息】で魔法少女っぽく攻撃
「たまちゃん、ラヴ★シャワー!」

※アドリブ、ネタ大歓迎♡





「かしこまりました、御主人様……!」
 ご主人様ってなんだ。明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)のグラマラス級の妖艶面白オーラに不慣れなグリモア猟兵はめちゃくちゃ戸惑った。転送したら俺の仕事が終わりで本当に良かったと思った。それはさておき。

 転送後。

「私のエモみを存分にアピールいたしましょう、ふふ!」
「えっ? やっば♡、あの絶世美男子お兄さんめちゃくちゃタイプじゃん?」
「ふふ……! 嬉しいことを言ってくださいますねご主人様……!」
「まー攻撃するんですけどー」
 バニー、仕事に真面目であった。
 指パッチンで絶対無敵バリアを展開、足場の花びらを縦横無尽に操作し、猟兵の行動の自由を奪いに出る。なんならば猟兵どもをこのシステムフラワーズの奥底、すなわちこの星の核に突き落としたって構わない!
 構わないのだが!
「私も貴女の肢体の美しさには見惚れるばかりです!」
 くっ、この妖艶ハッピーイケメン、なんかすっごいはやい!全然おちない!!!
 いくら足場をぐちゃぐちゃに乱しても、うまい具合にセーフティゾーンにその彫刻のように美しい身体をねじ込んでくる! しかも美術史に残る程の美しいポーズを絶やさない! いちいちポーズをキメッキメにして、色っぽくバニーを見つめてくる! 顔がめちゃくちゃいいからバニーちゃんもその都度ときめき吐息出ちゃうだろ!!!!
「それでは!」
 かっ、と長い睫毛と葡萄酒の目が見開く。
「たまちゃん早変化、ご覧ください……!」
 ああーっと珠稀選手、不思議ベルトから唐突に大きな布を取り出したー!
 一体あんな細いとこのどこにあんなに布が入っていたんだ、ど変態って摩訶不思議である!あの布で一体何をしようというのか!いや、ちがう、珠稀選手、あらたなユーベルコードを展開する……これは、これは、武器を青薔薇に変えて吹き荒らすユーベルコードォォー!!

「あっハハッ!」
 ああ、されど無慈悲なるかな。青薔薇の花びらは一枚たりとて、ラビットバニーには届かない。飛来する花びら全て、雨に降られた桜のように絶対無敵バリアの前に舞い落ちていく。
「なーーーにするのかと思ったら、そんなただの目くらましと遠距離攻撃? そんなん、この絶対無敵バリアの前にはダメダメ無敵、あーしの圧勝だしー?! …………んっ?」

 花びらが晴れる。
 目を凝らす。
 そこに立っていたのは
 早着替えを終え、執事服に身を包んだ珠稀の姿であった。

 花びらは何も攻撃のためなどではない。
 早着替えの目くらましのためだった。
 執事服にて静々と一礼。その速さ、美しさ、どこをとってもスタイリッシュ執事。

「こんな私はいかがですか、ご主人様……!」

「えっ、やば」
 身を乗り出し食い入るように見るバニー。

「イケメン執事マジえもぉい……!? バニーのあーしに執事を重ねるってチョイスがアリスインワンダーエモーショナルくなぁい!?」
「お判りいただけますかご主人様! そう、私たちはこれで二人で一人の時計兎! 敵と味方の共同作業、これを結婚と、人は呼ぶのでは」
 ポーズ。
「ございませんか!」
 ガバッと胸元を開けてセクシー執事にもなる。
「えもーーーー〜〜〜い!!! チラ見せセクシーまでついて爆エモエモリッチ〜〜〜!!」
「まあ私としては全てを見ていただいても良いのですが、全年齢のレーティングが邪魔をいたしますので、ふふ……! 見えないのがイイとも言いますし、あなたの最大級のたまちゃんセクシーゾーンの想像、掻き立ててくださいましね……!」
 バニー、ぶんぶこ首肯。
「掻き立っちゃう掻き立っちゃう!」
「それとも、……ウサギさんはオオカミさんはお好みでしょうか?」
 第二次青薔薇吐息。
 絶対無敵バーリア。
 ワイルド&上半身裸な人狼風たまちゃんに変身。
 ぺろりとつめ先を舐め、妖艶にうさぎさんを誘う眼差し!
「えっ…………えっもーーー〜〜〜い、やだっえもぉい……!♡ えっ、絶対無敵バニーに対して一生懸命牙を向こうとする狼エモい……届かない兎を食べようと空腹の舌なめずりをするエモぉい……」
「今宵ーーあなたを、骨の髄まで、味わい尽くしたい……」
「きゃーーーー!! ルナティックエモぉぉぉ!!!」
 黄色い悲鳴の最中、第三次青薔薇吐息。
 バリアもう溶けてるけど花びら襲ってこない。
 シャラららん♡ ミニスカ♡魔法少女たまちゃん★
 今週も、あなたの心にぃ、たまちゃん、たまちゃん♡
「マギカたまきエモーーーい!! きゃあああ、あーしらの世界を救ってー!!」
「私たち……この世界を、救いたいっ……! もう誰も
悲しまずに済む世界にしませんか……!」
「ふりふりパニエ爆エモ……パンツ絶対防壁パニエめっちゃエモ……あんな可愛い魔法少女と戦わなきゃいけないあーしもえもえも……やだぁ、あーしとたまちゃんでゆりゆりプリ撮ったら絶対爆映えじゃんん。敵と味方の垣根を超えたエモじゃんんん」
「ああっ、悲しまないでくださいまし、ご主人様……! いま、すべてを終わらせてさしあげます……!」
 第四次青薔薇吐息。
 青薔薇が、エモに嗚咽するラビットバニーの周囲に集っていく。あれ?あーしのバリアどこ?あれっ、ないっけ?

 ウインク、それから横ピース。
 パニエの中を見せつけるように片脚をあげて!
 魔法少女っぽく攻撃しちゃうぞ!
「たまちゃん、ラヴ★シャワー!」
「きゃああああああ!!!!!!」

 青薔薇に飲まれるラビットバニーの悲鳴は、甲高く、姦しく。悲痛でもあり、どこか黄色い歓声のようでもあったと、見ていた猟兵たちは語る。



 エモ。エモってなんだ。
 突き抜けることさ。
 振り返るな、シックスイエーガーズ。
 キマイラたちの未来を守り抜くのは君達だ。


 

大成功 🔵​🔵​🔵​

浅沼・灯人
エモ……エモってなんだ……
迷いながら向かった戦場
予想を遥かに上回る素早さ、技の熟練さに追いつけない

倒せるか――いや、倒すんだ
麝香撫子を発動し、俺は俺の限界に挑む
底上げするのは、料理

料理とは、調理することだけには留まらない
材料の良し悪しを見極める観察力、
最上のコンディションを引き出すための技術、
何より相手を想い調理する心――
それらを限界値まで引き上げればお前と対等、
いや、それ以上になれるはずだ!

痛みに耐えて立ち上がり、相手の動きを、心の動きを読む
今この時はお前だけを見つめてやる
そしてお前に、俺のとっておきを食わせてやるよ

バリアが解けたらすかさず縊りに行く
お前の最期を俺にくれ

……これでイケるか?





 エモって何だ。モモの品種か。
 そんな事を考える余裕があったのも現場到着までの間のみ。

 ラビットバニーは強敵だ。弱点の正体も分からぬまま、迷い続ける猟兵、浅沼・灯人(ささくれ・f00902)など、彼女の敵ではなかった。
「カンフーのカはカワイイのカーーーっ!!」
「ぐ、ぅあ゛っ……!!」
 うさちゃんカンフー……兎面の光る瞳は目眩し。踏み込み、即撃、絶対無敵バリアを纏ったままの猛攻を前に踏みとどまっているのも限界ーー

「カンフーのンフーはあーーーーしのンッフッフーーー!!!」
「あ゛、ぁ゛……っ!」

 鋭いアッパーカットが灯人の身体を打ち上げた。脳ががくんと震える。
 弧を描き吹き飛ばされる最中、白く染まる頭の果て。
 どうすれば届く。
 在り合わせねばならない。
 己のうちの中に、如何なる時も応えはある常在戦陣。

 吹き飛びかけた眼鏡を、指で摘み、至極冷静に、掛け直す。
 背から花びらの中へと叩き落とされ、花弁が鮮明な視界一面に舞った。

「んーっ、足りない実力で正面衝突しても、勝利の女神は必ずしも微笑まないって学んだ? 勝利の女神はいつだってエモい方にいいねするの! 今回はあーしがエモ可愛かったって事でー」
 髪をかきあげ、ラビットバニーが背を向ける。
 トドメを刺す価値もないと言う。
「……待てよ」
 確と、立ち上がる。
 ラビットバニーが美脚を止め、桃のような尻を捻り、振り返った。エモってあの桃のことかも知れない。
「俺はまだ、俺の限界を見せてはいないぜ」
 口元の血をぬぐい、笑う。
 ラビットバニーが、おどけるような口笛を吹いた。
「まだあーしと遊びたいの? 負けても立ち上がる気持ちは、ちょっとエモじゃん?」
「お前みたいな良い女に……極限の限界を見せないなんて、不躾だからな」
「ふふふんっ♪ あーしに何見せてくーれる? ほっらぁ、はやくはやくぅ」
 ぴょんぴょん豊満なバディが飛び跳ねる。ぽいんぽいん。いや眼福だわ、眼鏡落とさなくてほんと良かった。
「俺ぁ、生憎平凡な男でよお。正直突出したところなんざ殆ど無いがーーこれだけは自信を持って、誰に対しても振るえるモンがある」
 アドミレイション。
「料理の、心だ」
 五感が、研ぎ澄まされる。
「……料理ぃ? なーに、あーしに女体盛りでもする?」
「食材が傷むし、お前も皿になるのは面白くないだろ。俺の料理は、なにも調理だけじゃあ無え」
 灯人は、上下に揺れるバニーを真摯に見つめながら、語る。

 料理とは、調理することだけには留まらない。
 材料の良し悪しを見極める観察力、最上のコンディションを引き出すための技術、
 何より相手を想い調理する心――

「今の俺は、それらを限界値まで引き上げた、最高の俺だ。……どうだよ、馳走されたくはねえか」
「フゥゥーん……」
 バニーの声が一段高くなる。そう、少女が心踊らせる時の声。
「そ、れ、じゃ、あ。いっただっきまぁす!!」
 合掌後、弾丸めいて鋭い跳躍。互いの距離が再び、零となる。

 攻防、応酬、一拍たりとも休み無き乱打。
 部位の可動部を知っている。肉付きから、可動の得意分野も見えている。それに合う調理方法も、呼吸のリズムも聞こえている。ゆえにこそ、見える。予測できる。追い付ける。
「あっはは、すごいすごい! さっきと段違い、マジでお料理で戦ってんのそれ!? うわあ、在るもので何とかする感じめっちゃエモくなぁい!?」
「そうだろ、もっとはしゃげよ。もっと心の動きを見せろよ」
 バリアが徐々に薄くなる。溶ける一瞬を見逃してはならぬ。料理が時に一秒、一度の火加減が明暗を分けるように。火から、料理人は、決して離れてはならぬ。
「今この時だけは、お前だけを見つめてやる」
 炎熱を孕んだ声が、こぼされる。
「そしてお前に、俺のとっておきを、喰わせてやるよ」
「あっ……」
「お前の最期を、俺にくれ」
「ひゃ……ひゃーーーー!!!!」
 トゥンク
 エモ判定入りました。
 バリアが溶け落ちることが、空気の通り道の変化で理解。湯通し終了、サッと揚げ時。


 完成。
 竜と兎のカウンター、エモの鼻血風味。グラマラスボディを添えて。


「っか……!」
「っくぅ、あぁー…」
 ああ、くそ、首を掴んで縊り殺そうとしたんだがかわされた。仕上げの瞬間に油断したか、あるいはこの料理がまだ少し手に余ったか。
 結局、ラビットバニーがすでに負っていた胸部の傷をえぐる殴打と、顔面を蹴り飛ばすクロスカウンターで終いとなった。
 血を吐いて、今度こそ灯人は崩れ落ちる。
 ラビットバニーは胸元を抑え、血と心音を飛び散らしながら下がっていく。

「触ったとこがさーー!!スケベじゃない!?!?」
「そんなとこ怪我してるからだ」
「んー!! スケベスケベー! おさわり厳禁ー!」
「うるせえなあ、チップねじ込むぞ」

 へ、と、灯人が露悪的に笑う。

「毎度あり。生きてる限りは、食わせてやるよ」
「どーも。映える感じの料理だったし、また食べてもいーかな」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

雨乃森・依音
いつぞや死地を共にした奴に案内されればエモだぁ?
ガバ判定…へぇ、そう
誰に刺さるか甚だ謎で後ろ向きな俺の歌でも響く可能性あるってことだ
うるせぇな、自虐だよ
少なくとも自分にはぶっ刺さってんだ
そのうさぎ女にも刺してやるよ!俺のどうしようもねぇ魂の歌を!

SNSでバズりそうだとかそんなもんは知らねぇ
俺は徹頭徹尾自分の歌しか歌わねぇ
媚びたら負けだろ?寄せたら負けだろ?
いいから聴いてけ!これは俺を肯定するための歌だ
ギターを掻き鳴らし歌い喚ぶは共依存関係にある邪神
バリアが解ければ全力突撃だ!
俺の歌ならいくらでも力にしていいから
歌い叫ぶありったけの存在証明、かき鳴らす激情
ソテル!俺を、この世界を、救ってくれよ!






 土砂降りだった。


 否、実際には本日も晴天也。
 雨、など。『それ』を聞いた、ラビットバニーの主観である。
 絶対無敵バリアを、音だけは突き抜けていく。バリアを激しく揺さぶる。
 激情塗れのハイトーンが、何もかもをかなぐり捨てるように吼えていた。

 ラビットバニーの『おはなハッキング』により花の足場をぐしゃぐしゃに乱されようが、声の主は腹這いに花畑に喰いついた。花弁舞う地べたに這い蹲るのは、無様でーー少年が自嘲的に笑う。
「……パリピのうさぎに見下されるのは、まあ。……さして珍しい感情でも、ないか。慣れてる」
「なっ……なにぃ、いまのぉ! なーんか、音ぐちゃぐちゃーっ、声どしゃーっばしゃーっ、って感じ。あーしもっとハッピーな音楽が好き!!」
 この心拍数は何だ。ラビットバニー自身が、最もわからない。
 雨は濡れるし暗いし疎ましいのに、今の数小節を雨と例えるなら、傘など無くてもいい気がした。
 濡れて凍えることを気高さと呼ぶ。それを心臓の熱ひとつで耐える事を生きると云う。
 雨乃森・依音(紫雨・f00642)は、それを思い出させる戦歌。
「……ハッピーだのキャッチーだの、大衆受け目当てのリクエストには応じれねえな」
 己への冷笑。依音が立ち上がる。
「誰に刺さるかも分からない、後ろ向きな歌ならいくらでも」
「やだやだ、ギターできるなら出来るでしょ? 聴き手を喜ばせるのもシンガーのお仕事でしょー!」
「四の五の言うなよ、響いてんだろ? ガバ判定」
 睨みあげるように笑う。
 花弁に塗れるまま立ち上がる。抱くはギター。それから魂。
「俺にだけははっきり刺さってる歌なんだ。何言われようが歌ってやる。
 だからーーいいから聴いてけ!これは俺を肯定するための歌だ!!」

 銀の悲鳴の形をとった、声という名の刃を一振り。

 intro.
 真黒い雨雲めいて鈍い。
 聞くものの内にある、後ろ暗い感情の肩を叩くような積乱雲。
 ラビットバニーは、それに止まってしまった。雨に濡れたいと思ってしまった。
「ーー自分が無敵だなんて、少年時代の空想を! 信じていたいと縋った奴から死んでいく。至極当然のように 都心はとうに地雷原、住めば地獄とラジオが笑う」
 音は徐々に畝りを伴い歪み上がっていく。端々に差し込まれる不協和音が痛みそのものだ。
「焼夷の雨に涙を隠して、いっそ死にてえと立ち尽くす! ここには誰も居なかった、それは良かった清々するぜ!」
 遠雷の気配がする。
「屈辱の夜を、激昂の雨を、罪深き加害妄想を、全て抱いて息喘いだ朝にーー」
 耳奥に疼く熱。
 見下ろすラビットバニーを、紫陽花色が見上げた。噛み千切るような瞳だった。
 サビの変調。雷鳴の如き眩い轟。
「僕は僕を肯定したい!
 ここにいてもいいですか 生きていてもいいですか――ねえ、救ってよ、」
 片腕を掲げる。雷鳴よ落ちろと乞うように。或いはそうだ、たったひとりに、助けを乞うように。
 さあ、この残響が途絶えぬ内に吠えろ。
 救う者の、名前を。
 吸気。

「ーーソテル!!!!!」

 嗚呼、詠んだね、求めてくれたね、共依存者!
 巨大なてるてる坊主型UDCがけたたましく笑い浮上する。誰もが目を外せない。
 バリアは等に剥がれてる。自分が無敵だなんて、信じた奴から死んでいく。
 ソテルの大口が、バニーの眼前。
 音に心臓を打たれたバニーはただソテルの口蓋垂を見つめていた。
 奏でるは最終節。
 切れ間から差し込む陽を乞うラストコード。
「ねえ」
「ねえ、」

 もしもこの、自分にしか刺さらない歌が。
 他の誰かに刺さったなら。
 一曲分の、桜桃忌。

「「救ってよ!!!!!!」」

 ソテルが質量に任せて顎を下ろし、花びらが嵐のように舞い上がる。
 ソテルの口内で、確かにラビットバニーが、依音の声に重ねて歌った。
 咀嚼せんと口が閉じる。牙がバニーの肉体を穿つ。それをーーバニーが、拳ひとつで、殴り返す。

 ラビットバニーはカワイイ怪人。
 あらゆるエモに弱いにも関わらず、誰もが彼女を強者と認める。

 ソテルがぞうぞう落ちていく。
 バニーも、依音も、それを見詰める。
 豊満な肉体から、唾液と血が滴る。
 濡れた腕を振り、水気を払う。

「……も。ほんと、ひどいあめ」
「もう一曲聴くか?」

 依音の不敵な笑みに、バニーは否定の意は決して示さなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

パウル・ブラフマン
Aiight!
先攻は任せて、正純さん(f01867)♪Bring the beat!

MC INSIGHT feat. MC jailbreak!
ラフに躱すLIFE 鉄壁のBLUFF-MAN
アンタの前じゃ繕えねぇ ベイビースマイル
KIR-Bust CORE!peepsじゃ満たせねぇ
KIR-Ask CORE!…Is it OK to call you“Bro”?

オレのHeaz預けるの、アンタだけなんだけどね。
正純さんのアンサーからのW狙撃でキメたいな。

Dive To The End!
コルナの親指を直角にしてI LOVE YOUサイン。
聴いてくれてサンキュ、おねーさん♪

※共通項準拠、アドリブ大歓迎!


納・正純
※アドリブ歓迎

さて。準備良いか、パウル(f04694)?
るり遥のヤツが報告書読んで羨む程の……感情の『銃弾』を、あの怪人にぶつけてやろうぜ

※共通
敵の高速攻撃はパウルのUCで迎撃し、足止め
先にパウルのRapを出し、敵の脚が鈍ったタイミングでマイクをパスしてもらう
その後こちらでパウルへのアンサーRapを怪人へ放ち、最後は二人で締めてバリアを解除してからUCで狙撃を行う作戦

楽にかますIce 俺らの-Cypher
逃げるなら今だぜRun Like A Rabbit
BPM-187! 兄弟なんて柄じゃねえ
KEEP-IT-REAL! マイクを返すぜ決めろよ『Posse』!

『この弾丸で?』

さァ、一発勝負だ。





「Bring the beatーー,」
「カンフーーーのカンっ、は、直感のカーーーン!!!!」

 絶対無敵バリア、瞬足踏み込み。ラビットバニーがパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)の顎を強打ち上げる。クリーンヒットによる昏倒、からは逃れている。パウルの放つ言葉の弾丸が、ラビットバニーの脚を一歩、完全な震脚には至らせなかった。
「か、っっはっ……! あっはは、すっごいじゃんラビットバニー!」
「んーっ、キミは言葉で攻撃できる感じ? でもそれだって、あーしの絶対無敵バリアの前ではそよ風だしぃ?」
 そよ風上等、砂煙上等。一撃一撃が微かならーー
 嵐になるほど撃ち込めばいいい!
 Bring the beat!Break Your Neck!!!
『一瞬遅けりゃ昏倒ダウン?! 成す術無しでもRide on Now!
 それじゃあ今度はオレらの番!』
 パウルの攻め込みが跳弾し花びらが乱舞する。バニーが煩わしそうに、バリア越し、男二人を見つめた。
 その視線に、納・正純(インサイト・f01867)が鋭く笑う。
「エンジンは全開だなパウルーー極上の感情の『銃弾』を、あの怪人にぶつけてやろうぜ」
「Aiight!!
 先攻は任せて、正純さん♪ Bring the beat!」
 ハンドマイク『Heaz』を構え、遊び相手を見つけた狂犬の無邪気さでパウルが踏み出した。
「名前だけでも覚えてって?♪
 MC INSIGHT feat. MC jailbreakーーー!!』

「もしかしてリズムゲー? あーし爆強だよ、ガンガンnotes上げてくしー!」
『ラフに躱すLIFE 鉄壁のBLUFF-MAN! アンタの前じゃ繕えねぇ!』
 ラビットかますLow 徹底の硬爬山 縦横無尽迎撃っきゃ無え!
 ラビットバニーの攻撃を、フルスロットルのRAPが弾き返していく。

『ベイビースマイル KIR-Bust CORE!peepsじゃ満たせねぇ KIR-Ask CORE!』
 バニースタイル KISS BAD GIRL! パリピに響かねえ筈が無え!
 うさちゃんカンフーの呼吸にすら合わせてーー否、徐々に、ラビットバニーの呼吸が、MC jailbreakのlyricに揃っていく。

「うそ、これ……あーしが……呑まれてってる……!?」

 パウルの横へと踏み出した正純が、片腕を挙げた。
『……Is it OK to call you “Bro”?』
 ハンドマイクが、投げ渡される。
 取落す事なく、正純へと託された。
「オレのHeaz預けるの、アンタだけなんだけどね?」
「そいつは光栄。聴いていけよラビットバニー、此処からが更なるエモーショナルだ」

 低く響くベースは心臓。疼く鼓膜は確かな期待。
 銃声の如く鋭い号!
「楽にかますIce! 俺らの-Cypher! 逃げるなら今だぜRun Like A Rabbit!!」
 刻むはたった今、ラビットバニーが心身を奪われているビート!
「あっ……アンサーラップってヤツだぁぁあーーー!!! ウッソ、しかも一本のマイクを投げ渡して!? 阿吽のブレス!!?」
「BPM-187! 兄弟なんて柄じゃねえ!」
「そこでちょっと突き放すのぉー!!?」
 襲い来る爆エモリリック! このアンサーをカンフーで止めるなどとんでもない、この心臓の高鳴りにラビットバニーは嘘をつけない!
「KEEP-IT-REAL! ーー」
 投げ返されるマイク。パウルが勝利見据える破顔でキャッチ。
 正純が構える銃は、感情射抜く弾道論理!
「マイクを返すぜ決めろよ『Posse』!」
「Yeahーー!!!! キメよう正純さん!!」
『魔弾にreason?簡単さListen。
 敵を置く解に 繰り返すCalc!』
 ラビットバニーの体から熱が噴き出すようだ。
 逃げねばならない、分かっている。逃げてはならない、キマっている!
『真なる計算にRight on Now。それこそが魔弾 禁忌の芸工 BULLET ARTS!』
 とうに丸裸のバリアに向けて、一切の障害物無く、二つの弾丸が重なり合う。
『この弾丸で?』
『Dive To The End !!!!』
 捩じ込む一発、百発百中のエモーション。
 弾丸で、声で、あらゆるエモで。ラビットバニーの胸を貫いた!

 舞い上がる花とバニーの歓声めいた悲鳴の下、パウルは人懐こく舌を出す。ハンドサイン、コルナの親指を直角に。聴き手に捧げるI LOVE YOUサイン。
「聴いてくれてサンキュ、おねーさん♪」
 花と共に、正純の放った硝煙が溶けていく。刻んだ残響が、尚も興奮の尾を引いている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キララ・キララ
えも。…。
いいね!ってこと?んん!それならきらちゃんとっても得意よ!

《アート》《パフォーマンス》で壁一面に物語を描いてあげる!
きららがシステム・フラワーズに来たきっかけね。
とってもステキなテレビウムとの「はじめまして」があったこと。
みんなで街を走ったこと。
――それに、どんな夢よりもすてきな毎日があるってこと!
きららの思い出、全部あなたの目の前で、一枚の絵にして教えてあげるね!

描き終わったらそのまま【ライドオンレインボー】!
描くのはパレード、着ぐるみ、ふうせん、パフォーマー、大きなケーキを次々に!
グラフィティの中からこんにちは!
いつかの未来、本物のみんなに会うために、頑張って世界を助けてきます!





「えいや」
「あ、あ……!」

 キララ・キララ(リトル・シープ・ウィズ・ビッグビート・f14752)の口から、悲哀の息が溢れ落ちる。少女が描き出した夢が、ラビットバニーの『おはなハッキング』により、キャンバスそのものから崩されていく。
 描いたものも、キャンバスが崩れれば形をなさない。
 形をなさねば、出鱈目に吹き付けた塗料と同じ。トイレの落書きと変わらない。
「やややん、だって! あーし強いんだよ! あーしだってシュババーっと反撃するっしょ!」
 シュシュシュ。ラビットバニーが拳を振るって強さのアピール。キララの耳には、それもぼやけて届かないが。

 さよならパレード、終わっちゃったら、誰も笑ってくれないのね。
 さよなら着ぐるみ、子供の悪戯に疲れてしまったの。
 さよならバルーン、カモメが食べて死んじゃった。
 さよならケーキ、落としたら全部ゴミ箱へ。

「きらちゃんの、助けたかった、もの」
 人工色に塗られただけの花びらが散るのを見ている。
 ピンクはパレードフロートの象だった。黄色は着ぐるみのくまさんだった、緑は風船、赤は苺。
 ぐちゃぐちゃじゃあもう、全部、全部、わかんない。

「はじめましてのお話ワックワクした。ね、ね、崩されちゃったくらいでおしまいなの? あーしもっと思い出のお話聞きたいな?」
 バニーは悪戯めかして笑っている。あれは悪い女の人。
 この子達と一緒に世界を救いたかったのに。この子達であの悪い女の人を、ぎゃふんと言わせたかったのに。きららの見てきたものが、すっごく強いってこと、証明したかったのに。
 全部吹かれて消えちゃうの?

「……おしまいじゃない」
「うん?」

 口から絞り出された声は、多分考えも何も無かった。
 違うって、ただ否定したくて、口をついただけだった。

「おしまいじゃないもん!」

 でも、口にすると、勇気と屁理屈っていっぱい湧いてくる。

「きらら、ちゃんと言ったでしょ!いーーーました! すてきな、『毎日』があるってこと!!! だから、きらちゃんこれから、あなたとのはじめましてをお話しします!」

 グラフィティの本質を思い出す。描き出したそれが形を伴う事じゃない。きららが心を込めて選んだ色と場所そのものに、もう力は宿ってる。
 ピンクがトランペットのような炸裂音と共に畝り、ラビットバニーへと襲い掛かる。バニーが驚愕の声を漏らしつつ、後方へ跳び上がった。
 象さんのために選んだブルーは、ちゃんとここに残ってる。
「きらちゃんは受け取った思い出を自慢したくって、あなたに逢いにきたの! でもでもいい人ばっかじゃないんだよね!」
 黄色が舞い上がり、ラビットバニーの背後を取る。バニーはお見通しだとばかりに身を捻り、鋭い蹴りで黄色を蹴散らす。
「人の作品を壊すとか、マナー違反にもほどがあります! きらちゃんすっごく怒りました!!」
 緑がラビットバニーを取り囲む。おはなハック、足場を一瞬崩して落下、再構築による回避行動。バニーの焦りが、胸元の汗の粒に浮かんでいる。
「でも、あなたにも素敵なところはちゃんとあるよね。きららのお話、聞いてくれた。ちゃんと、きららの事、すてきだって思ってくれてる」
 バリアが剥がれて、ラビットバニーが退避行動を取っているのが何よりの証拠だ。
「あと! きららの憧れるようなカッコいい身体をしてる!」
 涙に滲みながら真っ直ぐに見つめる少女の瞳が、バニーにはどんなにきらきら眩く見えたことか!
「だから今度は、きらちゃんの『今日』を、壊さずに見ていてね!!!」
 そうだね、思い出って、過去から出てくるあなたたちと同じもの。
 だから、ちゃんと、『今日』で立ち向かってあげるからね!
 塗料のみを吹き上げ、ピンク、黄色、緑、赤の塗料の靄が、一瞬の形成す。
 今日の強敵、ラビットバニーの姿そのものを!
「頑張って! 世界を! 助けます!!!」
 
「やば……エモ……」
 ラビットバニーが、呆けたように声を漏らした。
 少女の輝きと涙に立ち合った。それだけでももう、狂おしいほどにエモーショナル。
 キララの駆使する『はじめまして』というアートが、ラビットバニーを飲み込んだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

杜鬼・クロウ
【ヤド箱】
アドリブ◎
連係意識

ハァ、エモ?
意味不明だがとにかく叩くぞ、剥取
ってオイ、お前何し…
馬鹿か
俺はお前を見捨てねェ
ヤドリガミの性質上、本体守れてりゃァ問題ねェとしても
誰かを犠牲にして得た勝利に何の意味があるってンだよ!

まずバリア破壊
敵から身を隠すだけだと思った落穴の罠に目見張り舌打ち
敢えて落穴へ飛び込み救出へ
カンフー攻撃食らう前に、属性攻撃で玄夜叉に風宿し竜巻起こして強制的に脱出
剥取抱えて着地

ったく世話が焼ける後輩だぜ(デコピン
援護頼むわ
決定打は俺がぶち込む!

外套翻し駆け抜け敵との距離を一気に詰める
矢に敵が一瞬でも意識取られたら視界から外れ胴体へ回し蹴り(咄嗟の一撃
フェイント入れて重い一撃


聖餓・剥取
【ヤド箱】
アドリブ◎
連係意識

相手の攻撃が来る前にすかさずユーベルコード、秘伝の大落とし穴を発動
そしてそのまま罠を自分で踏み、自分が先に落ち、杜鬼と地中に隠れる
そして相手のキャノンをやり過ごすと穴から出て・・・否、出られない
何故ならこの罠は相手の動きを封じる技、下敷きとなった剥取は出ることが出来ないのである
地中の壁に複製した短剣を足場となるよう刺し、杜鬼に言い放つ!
「自分に構わず行って下さい!この世界のために!」

「了解、杜鬼先輩のこの風、無駄にはしません!」
風で宙に持ち上げられた状態で弓の援護射撃を用い敵に重りと、矢じりに吸盤の付いた矢を風に、軌道に乗せて放つ
「貴方の弱点はその大きな顔です!」





 ラビットバニーの赤べこが、瞳もとい照準をこちらに合わせーー
「あーしのべこちゃん食らって、ふっとべーーーぇ!!」
「杜鬼先輩! こちらへ!」
 瞬間、聖餓・剥取(見習いハンター・f17950)が声を上げ、杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)の腕を掴む。それの意図を今は知らずとも、剥取の真摯な赤瞳をクロウが疑う筈もなかった。
 砲撃。乱射、花が土煙の如く舞い上がる。二人のいた地点めがけ、馬鹿げた殺意が注がれる。笑えない火力を、爆風と熱気が物語る。
 まともに喰らえばただでは済まない。
 二人は骨のひとかけらも残らなかった。
「…………んん?」
 違う。綺麗すぎる。
 肉や骨がずたずたになっても、血飛沫や服の破片くらいは残ってもいいものだ。
 それすら無い、と、言うことは。導かれる答えは一つ。

「…………ッくそ」
 不機嫌隠さぬクロウの声。
 答えは一つ。二人は無事であると言うことだ。
 花の目隠しが風に流れれば、そこに立つは無傷で頭を掻くクロウの姿。その後ろには大穴が見える。
「なーるっほろ。直前で大穴つくって逃げ込んだ訳だー! すぐに理解できちゃうあーし天才じゃない!? あれっ、けどさっきもう一人いたよね? 茶色い髪のさー」
 クロウの舌打ち。長話のラビットバニーの声など知らぬとばかりに、クロウが背を向ける。これには流石のラビットバニーも胸を跳ねさせて驚いた。
「へっ? え、ままま、まってほしーし? あーし敵よ? めちゃ強ボスよ? いくら無事だったからって、そこで背中なんて向けて」
「うるせえ黙ッてろ!!」
 怒号。ラビットバニーが思わず身を竦める。理解が及ばない。故に気になる。ラビットバニーは考える。ここは事態把握が先決であると。

「ーー剥取!聞こえるか! お前、俺の事だけ助けて満足してんじゃねえぞ!」
 クロウの焦燥滲む声に、穴の底からはどこか嬉しそうな笑い声が帰って来た。
「へへ……大丈夫。杜鬼先輩が無事なら、あとはもう万事解決も同然ですよ」
「お前……」
「行ってください、世界の為に! ……後のこと、よろしくお願いします」
「剥取!!!」
 声が、穴に反響する。

 ……クロウの手を引き、剥取はユーベルコードの落とし穴を生成。穴の底に落ちていた。
 この穴は元々捕獲用ユーベルコード。穴の底には行動阻害の為の粘度や糸が仕込まれている。そこに剥取は先に落ちる事でクロウを守り、クロウだけは外に脱出出来るようにと、足がかりとなる短剣も突き刺した。
 底にて、剥取は待っている。先輩の雄姿を。
 穴の底からでは、花の空しか見えない事が残念だが。

「ええ……自己犠牲系後輩じゃんめっちゃエモ……自分に自信がないから、強くて信じられる先輩に全部託すんだよねえ、わかるわかる」
 バニーが踏み出す。足首とんとん。
「残念、視野が狭せまっしょ! 一人に倒されるようなあーしだったら、ここ任されてなんかないってー!」
 うさちゃんカンフー、クロウの背に向け蹴撃。
「仲良く穴の底に落ちちゃえー!」
 されどバニーの足は空気を切る。
 クロウが、穴へと自ら踏み出していったのだ。
「はへ……?」
 剥取の助けを、無駄にした?

 否。
 穴底より巻き起こる竜巻に、バニーは身を逸らし驚愕の声。竜巻は竜の如く空へと昇り、その天辺にはーー剥取を抱えたクロウだ。糸の尾を引きつつも、突風で無理やり罠を引き千切り脱出してきた二人の姿がある。
「どうし、て」
 声をこぼしたのは、助けられた剥取の方だった。
「どうもこうもあるかよ」
 目を丸くした剥取へとデコピン。いたい。
「お前の知る俺は、後輩見捨てて笑えるようなタマなのか?」
「先輩」
「俺はお前を見捨てねェ。誰かを犠牲にして得た勝利に、何の意味があるってンだよ」
 竜巻の上昇気流の支配下から、クロウが前に出て抜けていく。外套翻し下降しゆく中、にやり口端を上げ。振り返りもせず、背を託す。
「援護頼むわ」
「ーー了解!!」
 竜巻が、システムフラワーズ内の花の天井を破り、電子の青を映している。
「っ……きゃーーーー!!エモ、エモエモじゃん、美しき助け合い!!こんなん耐えられるあーしいるのぉ!? いなくなぁい!?!?」
 顔を抑えじたじた足踏み。ああけれどけれど、こんな身悶えてもいられない! あの風から二人が着地してきたら気持ちを切り替
 バニーの頭部を重い衝撃が襲った。
「ぎゃへっ」
 二、三連射、吸盤の弓矢が頭にべんべこ当たる。何故こんなに速く攻撃が!? 理屈は簡単、竜巻に煽られ、落ちて行きながらも、剥取の目はすでにバニーを捉え、指は構え、矢を放っていたからだ。
「落ち……ながら!? 照準なんて合わないっしょそれぇ、正気!? ヤブサメも真っ青の先読み撃ち!?」
「的が幸いにも大きかったので」
 剥取がニヤリと笑う。
 放った矢は重石付き。吸盤もそう簡単には外せまい。
「杜鬼先輩のくれたこの風で、まだ自分たちが着地してこない事へ……あなたは一瞬油断した。……それを無駄にするような自分には、なりたくないから!」
「やっだ、吸盤すっご硬、とれなっ、てゆーかあれ、さっきのイケメン先輩どこぉ!?!?」
「此処だよ」
 視界外からの挑発に、重石のつけられたバニーは、もう間に合わなかった。回し蹴り、衝撃がバニーの身体を折る。うさぎ面の中で、激痛に息が詰まった。
「っ……連携……気を、取られた、間に……」
「エモだろ」
 矢を掴みよせ、更に追撃の膝蹴り。
 花の中に倒されながら、バニーは思った。
「エモぉい……」



 どさり、風を失った剥取がやわい花の上に転がった。花の足場である事が幸いだ、受け身も取れた。クロウが急ぎ足で駆け寄り、手を貸し起こす。
「ッたく、世話の焼ける後輩だぜ……着地くらいしっかりキメろ」
「へへ……犠牲にされなかった自分の、意味を考えて……がむしゃらでした……」
 犠牲無き有意義を掴み取ったのだ。
 感謝に満ちて剥取が笑うので、クロウはもう一発、デコピンを追加する事にした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

スサノオ・アルマ
ニュイ・ルミエール(f07518)と一緒に


ミニスラ、みずまんじゅう
プルプルしんしょっかん
みんなさわりたくなる、ましょうのスライム

 ※ ※ ※

ニュイと並びこれ見よがしに前足でスライムをつつきます
ぷるぷるです、つるっつるです
チラチラとラビットバニーの反応を伺います
前足でつつきます

頃合いを見て攻撃に切り替え
白い炎を出し属性攻撃を中心に立ち回り
ニュイへの攻撃はすべて庇います

庇ったら重傷で倒れるふりをします
そう「これくらい大丈夫だよ」と言ってガックリするやつです
エモシチュです、二重のエモで敵の集中力を削ぎます

庇って死んだふりして【創世】を使用


常時狼の姿
人語を話すのがまだ不慣れなので
ひらがな多めになります


ニュイ・ルミエール
スサノオ(アルマ)様と一緒

召喚した大量のミニスラ同士おしくらまんじゅうっ

スサノオ様の周りでもむにんむにん♪

おねーちゃん両手を操作に集中してないと戦えないみたいだけれど

いいのぉ~?

ぷにゅっつるるっぷよよ~んなミニスラ……つついてみたくならなぁい?



──あ、あああスサノオ様ぁぁ!!

死、死んじゃダメなのスサノオ様っ!?

ぁ、あぁ………

……お、おねーちゃんがミニスラを、つついてくれない、から……

ひっぐ……スサノオ様…消えちゃった……よぉ……

これでもまだ……にゅい達の事
撫でて、くれないのぉ……?(上目遣い)

隙ありなの♪
スライム総動員
擽りやすそうな脇とか腰とかコチョコチョで
笑い死んじゃうくらい容赦しないのー!





 うっめよ♪ ふっえよ♪ ちっにみっちよ♪
 おっしくら みずまんじゅう♪
 おっされって 泣くな♪

 ぷにんぷにんである。
 ぷにぷにむにむにの
 もにんもにん
 とぅるんとるんである。

 ちゅもっちゅも
 もっちゅるぷるるるん
 るん♪である。

 ラビットバニーにはこの状況が分からぬ。
 これは一体どのような状況であるか。
 ニュイ・ルミエール(神さまの遊び場・f07518)が召喚した多量のミニスライムたちが、
白狼神、もといスサノオ・アルマ(遍く照らせ・f16425)の周りに満ちているのである。
 たとえバニーがわからずとも、スサノオはぷにぷにとミニスライム達をつついて遊んでいる。
 ミニスライム達も大はしゃぎでスサノオに遊んでもらっている。

 とにかく
 ミニスラたちが
 気持ち良さそうなのである。

 ニュイとスサノオがバニーを見つめる。スライム少女と狼、可愛いの盛り合わせに見つめられて役得である。
「なっ……なーし……なんだしっ……すっごい気持ち良さそうだなー、とか、思ってないし……」
「いいのぉ〜?」
 ぷにんもにんっ。
「ぷにゅっつるるっぷよよ~んなミニスラ……つついてみたくならなぁい?」
 ニュイが悪戯っぽく身体を揺らしながら首を傾げてみせる。スサノオも隣で深く頷いている。
 スサノオがおもむろにあーしを見る。

 ーーミニスラ。みずまんじゅう。

 こいつ直接脳内に。

 ぷるぷる しんしょっかん。

 否、発音しているのだが。
 真正面、かつ淀みも抑揚もない優しい語りなので脳がバグる。

 みんな さわりたくなる
 ましょうの スライム。

 猛暑の予感が、ひんやりとしたミニスラ達への欲望を駆り立てる。
 
「ねえ〜。おねーちゃんも触ろうよぉ〜♪」
「ンンッッッ」
 ぷるぷるゆれて無邪気に笑うニュイの抱きしめたさたるや。ふりふり無防備にバニーに駆け寄ってきて笑うのだ。でも触れるか触れないかのところで飛び込んできてはくれないのだ。バニーの理性の敗北を待っている。天然の魔性の女だ!!
 ラビットバニーはあらゆるエモによわい。
 そんな魅惑のひんやり低反発とろける水まんじゅうに触ってしまったら。
 うさぎは
 あーしは
 絶対無敵バリアを
 絶対に維持できない!!!!!

「あっ……あーーーし仕事思い出したしーー!! ここであーたらの進行を阻むことがあーしの目的だしぃぃ!!」
 半ばヤケだ。赤べこキャノンを構えたバニー。それを見て、スサノオが立ち上がる。
 この前脚は何もミニスラを触るためについているのではないし、ミニスラと戯れ自慢をするためにここに来た訳でもない。
 彼らは猟兵。そう、ラビットバニーと! 戦いにきたのである!



 〜戦闘中略〜



「スッ……スサノオ様あああぁ!!!!」

 あーし、勝利。熱い戦いだった。
 スサノオが炎を繰り、ニュイがぷるぷるミニスラ達をゆらし魅惑モーション。その二体一の戦いにあーしの勝利を収めた。
 懸命にニュイを庇い満身創痍となったスサノオには、きらきらの光粒子と、それから笑顔共に消えていく時の演出がかかっている。涙腺に訴えかけてくる脳内BGMをお掛けください。
 ニュイが消えゆくスサノオに駆け寄り泣いている。
 いやこれがあーしの仕事だし。別に良心が痛んだりとかしてないし。
 スサノオの前脚が、泣くニュイの頭に添えられる。
「スサノオ……さま……?」
 ニュイがその手に、両手を添える。スサノオはやわらかく微笑み、大丈夫だよ。と、ひどく優しい声音で残すとーー
 粒子に、溶けて、消えた。

 空に登る光を、ニュイが涙と共に見上ぐ。
 震えながら、振り返った。
 ぼろぼろ、瞳からあらたなミニスラが溢れるかのようだった。
「……ひっぐ……スサノオ様…消えちゃった……よぉ……」
 良心痛まないとか嘘です。激痛です。
「いや……あーしもこれが仕事だしほら……ね……? ご、ごめんね……?」
「……お、おねーちゃんがミニスラを、つついてくれない、から……」
「えっそこなの。え?? あーし責められるそこなの??」
「これでもまだ……にゅい達の事……。撫でて、くれないのぉ……?
 おっきい瞳の上目遣いだ! 今にもこぼれ落ちそうなうるうるの瞳がバニーを襲う!
 あーっとこれは高火力! バニーが胸を押さえ苦しんでいる!
「えーーーにゅいちゃん心配すんのほんとにそこでいいのぉ!? ほら、きらきら!きらっきらの粒子がめっちゃ心配してその辺漂ってるっしょぉ!? ほら、スサノオさまをよくもー、って言ってよぉせめてぇ!」
「ううん、だって」
 光が満ちている。
 白き炎が灯る。

「スサノオ様は、にゅい達の側におりますので!」

 左様、気付いた時にはもう遅い。
 ここはもう、スサノオが作りし創世の中。

「なっ……うそ、そんな。庇って! きらきら消えて尚! 側にいるっていうの!? エモじゃん!?!?」
 バリアも無く、炎に取り囲まれ、身動きを奪われる。
 多量のミニスライムが、バニーを見つめる。
 白き炎が揺れ、声がした。
 ーー新しい世界を始めよう。

「すきありなのー!!」
「きゃあああ!!?!? ひゃわわひゃひゃわああ!?!?」
「そーーれ皆でこちょこちょなのー! にゅい達を撫でてくれなかったおねーさんの事は、もーめいいっぱいこちょこちょしちゃうのー!!」
「あっきゃははははやだやだスライムちゃんに絡められてマジで身動きとれな、ひゃばばばば脇だめぇぇぇ」
「んんー♡♪ あのねえ、いーっぱいこちょこちょしてるとね、だんだん新しい世界が見えてくるらしいのー」
「マジ!? あーしそこまで開発されるの!?」
「笑い死んじゃうくらい容赦しないの!」
「天国(物理)ーー!!!1」



 くすぐり、なんせ立派な拷問とか処刑とかですからね。
 創世創世。向こう側の世界はどんな景色だったやら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アレクシス・ミラ
【双星】
アドリブ◎

っセリオス!
敵の攻撃から咄嗟に彼の腕を引き寄せると己が盾になるように「かばう」「盾受け」
…っ掠ったか…無事かい?
腕の中にいる彼からの抗議に自分が無茶していた事に気付く
セリオス…!
そんな事を言わないでくれ
…悪かった

い、いいのか…?
…え?
な!?おい、セリオ…ス……ッぅ、ぁ…っ
血を抜かれる感覚と痛みを呻き声を抑えるように「激痛耐性」で耐える

満足そうなセリオスに少し皮肉のように笑い
…っ如何ですか、騎士の血の味は?
は、はは…それはよかった

激しくは動けないので援護へ回る
だったら戦闘中にしないでくれ!!
切実な叫びと共に浮いた敵を囲むように顕現させた【天星の剣】で追撃

そういう問題じゃない…っ


セリオス・アリス
【双星】
アドリブ◎

避ける前にアレスに庇われ腕の中
おいアレス!
怪我は…ッチ
約束、絶対守れっつったけど
俺は守られるだけのヤツになりたい訳じゃねえぞ
お前の荷物になるくらいなら、死んだ方がましだ

あー…ただの例えだって、そんな顔すんな
そもそも、そんな気はねえっていってるだろ?
情けない顔を両手で挟み

…ゆらいでる?
くっついてるのが好きなのか?ならこれはどうだ
怪我を舐めて牙をたて吸血

…ん、ごちそうさん
味?めちゃくちゃ甘い♡
ご機嫌で【青星の盟約】を歌い攻撃力を上げて
まずは距離を詰めて拳で浮かせ
更に剣に炎の属性を纏わせ下から殴るように斬りつけ
おまけでもう一撃

アレスも攻撃、ちゃんとしろよ!

戦闘中じゃなきゃいいのか?





 瞬時、光弾が一人分の影に遮られて。赤い閃花が視界端に咲いたのが、セリオス・アリス(黒歌鳥・f09573)の開いた宵の青に映り込んだ。
「ーーおい、アレス!」
 案ずる声が荒ぐ。
 ラビットバニーの赤べこキャノンの乱発を、アレクシス・ミラ(夜明けの赤星・f14882)の盾が弾いていたのだ。アレクシスは、咄嗟だった。名を呼んで、引き寄せて、護りたいものを思わず抱き込んでしまったのは、騎士の性とでも言おうか。
 キャノンが行ったのは乱発攻撃、すなわち広範囲攻撃だ。アレクシスがセリオスの手を引いた一瞬分だけ対応が遅れ、鎧の無い首から血が飛んだのだ。
 掠ったか。痛みに目元を歪めつつ、騎士はセリオスへ微笑む。
「無事かい?」
 されど、落とした視線の先の青は、抗議を申し立てている。セリオスが彼の胸元のマントで引き寄せる。食い入るように睨んだ。
「セリオス……?」
「約束、絶対守れっつったけど。俺は守られるだけのヤツになりたい訳じゃねえぞ」

 ラビットバニーはやりとりを息を飲んで見守っている。グッドルッキングガイ達の熱い語らい、見守らない手がない。

 アレクシスの首元で痛みが疼いている。
 けれど、騎士である彼にとっては、それは決して珍しい事でも無い。寧ろ勲章とすら呼べようか。
 けれども、護られてしまった側からすれば。その痛みを褒美にしたいとは思えない。
「お前の荷物になるくらいなら、死んだ方がましだ」
 感情は本物。そこに込められるのはひとひらの狡さ。誠実なアレクシスが、もうこんな無茶をしないようにと、己を人質取る言葉。
「セリオス……!」
 血の気が引く。アレクシスの表情に後悔が浮かぶ。一拍、言葉が続かない。締め付けられる胸が息を吸えない。
 落ち着け。ゆっくりと、祈るように、言葉を続ける。
「……そんな事を、言わないでくれ。……悪かった」
 アレクシスの朝の青が歪んで、金の睫毛が影を落としている。
 ーーセリオスは尖らせていた口先を、笑みに変えて思う。ああ、叱られた犬とか、こうゆう顔するよなあ。
 唐突に、アレクシスの両頬を、セリオスの手が挟み込んだ。両頬を押し上げるように撫で回す。むにゅんと、無理やり笑みの形にこね回しているのだ。セリオスの下がった眉に、言いすぎた事への謝罪が滲んでいる。当のアレクシスは、きょとんと驚き、されるがまま。
「ただの例えだって、そんな顔すんな! そもそも、そんな気は無いって言ってるだろ?」
 ああ、もうセリオスは笑っている。自信に溢れたまばゆい青星。この星の光が沈む時など無ければいいと願うばかりに、焦っていた。
「……その、すまない。どうしても、君を護りたい……失うわけにいかない気持ちが、先走る」
「揺らいでる?」
 アレクシスが、目を閉じる。無言の肯定だ。セリオスは悪戯めいて笑って、身を寄せる。揺らぐ彼を宥めるように。強い自分を信じてくれと、伸びた背筋を伝えるように。

 ラビットバニーは息を殺して見守っている。わたしは花。わたしは床。わたしはカワイイ空気。つづけて。

「くっついてるのが好きなのか?」
「……ああ。君の強さを、直に感じられて……少し、安心する」
「なぁるほど……なら、これはどうだ?」
「……え? な!? おい、セリオ……ス……!」
 瞼を開けた時には、もう。セリオスの舌が、傷を舐めーー容赦なく牙が立てられた。
 急所の傷を一層抉る痛み。されど殺意ではなく、むしろ甘えを感じさせる痛みに、脳が混乱するようだ。
 命を呑まれる警報と。
 彼の自由にさせてしまいたい情動と。
 激痛に、歯を食い縛る。舌の上に篭り、不規則に溢れる呼吸が湿度を含む。
 どれほどそうしていただろう。ぷぁ、とセリオスの唇が開いて、血と唾液の混じる雫まで、残さず舌で舐めとった。

 ラビットバニーは君たちを見守っている!!!
 首から血が垂れてるけどこれカワイイ鼻血だから気にせずつづけて!!!

「ん、ごちそうさん」
「ッは……、っ、如何、ですか。騎士の血の味は」
 戦場で、吸血行動など。我儘なセリオスと、それを赦してしまった己への皮肉を込め、アレクシスが笑う。
 それに対して、力強く笑うのがセリオスだ。俺の強さを、直に感じられたろう? 
「めちゃくちゃ甘い♡」
「……それは、良かった」
 飲む側も、飲まれる側も甘いとは、不思議なものだと、頭のどこかで思う。



「よーし、充電バッチリ! よっくもやってくれたじゃねえかラビットバニー、こっからが反撃だぞ!」
 剣ぶんぶん。ふんすこセリオス。
「あっ、あーしただの壁なんで気にせず続けてください」
「は?? いやいや。アレスの傷のお代はしっかり貰わねえと」
「僕は……っく、うまく動けない……」
 身体が重いアレクシス。貧血症状である。
「あー、悪い。結構飲んじまったかも」
「セリオス……」
 あの長いような短いような時間、もしかして本当に長かった?
「だから後ろから援護でいいぜ? でもちゃんと攻撃してくれよな。アレスなら出来るって!」
 そうである、この青年綺麗な顔をして俺様横暴なのである!
「なら戦闘中に吸血しないでくれ……!」
「うん? 戦闘中じゃなきゃいいのか?」
「そうゆう問題じゃ……ああもう……!」
 顔を抑え呻くアレクシスの姿に、バニーが顔を覆い天を仰いだ。おっ今畳み掛けチャンスじゃねあれ?

『星に願い、鳥は囀ずる!』
『星を護りし夜明けの聖光、』
『歌声に応えろ――』
『我が剣に応えよ――』

「いやも〜〜〜あーしほんとマジもう……きみらを見てたいだけの花なんでぇ……え〜〜〜戦うとかよそうよぉ……えーなんかまぶし……あれっ……」

 バリアなど残っている筈も無し。
 最後まであのイケメン達めっちゃ綺麗だったと、バニーは語ったという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




 かくして、ラビットバニーは極楽浄土の夢を見るか?
 あとに残った花路を踏みしめて、猟兵たちは深奥へと進む。

最終結果:成功

完成日:2019年05月26日


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#キマイラフューチャー
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト