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異名や開祖、強そな通り名怖いです

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●ちょっと痛い武将です
「一刀両断の構え、きぇぇえええい!」
 小さな村に響き渡った、不似合いな野太い声。
 それと同時に小さな家の屋根から地面へ一筋の光が走れば、直後無残に崩れ始める。
「ああぁ、オラの家がぁ」
「まだまだゆくぞ、乱世斬、一刀両断!」
 家を壊された村人の悲痛な叫び、それを打ち消す野太き声。
 声の主は豪奢な鎧に身を包み、大太刀構えた鎧武者のオブリビオン。
 回転の勢いそのままに放たれた衝撃波は家々をなぎ倒し、悲鳴を上げる村人が続出する。
「いかんな、やはりこんな名前では。もう少し捻らねば……先の構えは、家屋一刀切断両断激震の構え、今の技は……お主、泣いてばかりおらずに考えてみよ」
 家を壊された上に、技名を考えろとは無茶な要求。
 そんな無理矢理強いた行動ではまともな返答を聞き出すこともままならず、苛立ち紛れに武者オブリビオンは腕を組む。
「仕方あるまい、技の名前は後々考えるとして。お主らも修行の成果、みせてみよ!」
 村人相手では埒があかぬ、後回しにして別の事を。
 そう思考を切り替えた武者は配下である多数の忍者オブリビオンを呼び出し、其々に技の披露を要求していた。
「忍法、摺足瞬断! 略してスリダン!」
 ただ単純に摺足で近づいて、忍者刀の強力な振り下ろしを放って真一文字に木を切り倒した忍者オブリビオン。別に略さなくてもいいのに。
「忍法、無限燃焼鬼火! 略して無火!」
 生み出した多量の鬼火を飛ばし、切り倒された木を燃え上がらせ自身の力を見せ付ける忍者。こっちも略さなくていいのに。
 何故か自分の技に無理矢理強そうな修飾語をつけたり変に効果があるように叫びつつ力を見せる忍者達、そんな様子を見て武者オブリビオンは満足げに頷いていた。
「わっはっは、優秀な者共じゃ。此れならばもう遅れは取らぬぞ……」
 初めて破れた、あの四天王にも。勝てる筈の戦で苦渋を舐めた、3本槍にも。
 地域筆頭、それに懐刀、武芸の開祖に免許皆伝、我を打ち倒した者共にこの力を持って、間違いであったと認めさせてやるわ、ぐわっはっは」
 腕を組み、上体反らせて馬鹿わら……もとい高笑い。
 村人の悲鳴もなんのその、ここから自分の復讐は始まるのだと高らかに宣言し、武者オブリビオンは忍者達の武技を見守るのであった。


「とまあ、痛々しいオブリビオンがサムライエンパイアの世界で村を蹂躙しています。
 これをと配下の忍者を倒して頂きたいのですが問題が。普通に戦うと滅茶苦茶強いです。下手すれば負けるかもです」
 グリモアベースにて、集まった猟兵達にクアド・ペントヘキシウム(バーチャルキャラクターの人形遣い・f09688)が説明を開始するが早々からやばそうな雰囲気。
 負けるかもしれない、じゃあどうするんだと聞かれれば、その質問を遮るように右手を上げて制止するクアド。
「そこはこれからご説明しましょう。このオブリビオン、生前は実力は高いくせに、相手方の異名に気圧されて実力を発揮できず敗北を続けた武将のようなのです。
 どこどこの最強軍団、何とか四天王といったものや、先鋒三本槍、といったチームの名前。
 他には新しい武術の開祖や免許皆伝といった称号ですね。そういうのを聞くと、強いチームに勝てるのだろうか、新武術の開祖、強いのだろうといった不安に押し潰され、実力を発揮できなかったようです」
 アカン、普通にプレッシャーに弱い駄目なやつやん。
「以上を踏まえ、実力を削ぎ落とす方法としては。
 自分はこういう異名を持ち、その理由はこうだと説明して戦うことで重圧を与える。
 こんな武術を使え、それはどんな効果を持つ、といったことを証明して戦う。それで相手は重圧で力を発揮できなくなるでしょうね」
 異名を名乗る、特殊な武術の使い方……。
 どういったものか、と悩んでいる猟兵達に見本を見せるとクアドが言えば、いつの間にやら彼女の手には指の間に1本ずつ、左右合わせて8本の短刀が携えられていた。
「……8刀のクアド、この刀一本一本が違う怨念を持った妖刀。貴方を殺したいと強く願った刀が選ばれる」
 そういって頭上に放り投げ、ジャグリングの容量で刀を取ろうと手を出すが……。
 ガシャンガシャン、パシッ、ガシャンガシャンガシャン、パシッ、ガシャン。
 腕は2本しかないので、勿論つかめる数は2本だけ。
 取れなかった刀は異次元に消えたり華麗に納刀されるわけもなく地面に落ちれば、残念さを表すように金属音を響かせなんとも言えぬ沈黙が。
「…………この2本が貴方を殺す、他の刀は邪魔するなと暴れた結果。いきましょう、腕切り、切腹丸。奴の腕と腹を掻っ捌くのです」
 沈黙から咄嗟のでっち上げ、そんなんでいいのかよとツッコミが入るもそれでいけるとクアドはあんましない胸を張る。
「だいたいこんな感じで、異名なり技名なりを演出して使えば、武者オブリビオンは動揺して実力を発揮できなくなっていきます。
 忍者達も配下らしく、主人の様子から空気を読んで動揺したのと同じような立ち振る舞いになっていくでしょう、恵まれない上司に当たった部下の悲劇ですね」
 とても可哀想だと忍者に同情したように頭をふって、クアドはに関しての情報を追加していく。
「ああ、言い忘れていましたが。自分が異名なり武術なりを言わなくても、他の皆様の動きを実況したり、解説したりでより凄そう、と演出するのも勿論アリです。
 敵に対して知らないのか、といった風に煽っていけば知っているぞ、と見栄を張って自分から自己暗示にはまっていくのもあるので、そこを担当するのもいいですね」
 自分で名乗らず、他者のサポートに徹する立ち回りも十分ありとクアドは語り、敵に関しての情報をまとめていた。
「敵に関しては以上です。あぁ、それと、この村はオブリビオンの試し切りのせいで至る所に被害が出ています。
 倒した後は復興支援をする必要がありますね。傷ついた人も多く、このままでは冬を越せず命を落とす人も多数でるでしょう。
 必要ならば、皆様の痛々し……ごほん、勇姿をこの目に焼き付けた後となりますが、私も微力ながらお手伝い致しますので何かあればお呼びください」
 最後にちょっと本音がでつつ。
 呼ばれれば復興支援での助力もしっかりと行うとクアドは最後に付け足して、猟兵達をちょっと特殊な気配がする、オブリビオン討伐へと送り出すのであった。


紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 今回のお話はサムライエンパイア、異名とか特殊な武術とかそういったものに対しトラウマがあるちょっと残念なオブリビオン退治、そこから村の復興という話になります。

 オープニングでも語ったとおり、普通に戦うと強いですが異名を名乗ったり凄い武術の持ち主だと見せ付ければ、空気を読んで忍者は弱くなり武者は普通に弱腰になります。
 勿論、実況と解説に回るも良し。
 皆様の口プロレスで相手を圧倒していただければ、と思います。

 はい、ぶっちゃけネタシナリオですので、そこまで気難しく考えず、気軽に参加していただければと思います。

 POW、SPD、WIZの立ち回りに囚われず、異名なり演出なりを入れていただければ成功率が跳ね上がると思っていただいて結構です。

 また、戦闘が終われば村の復興があります、こちらは普通に復興支援をするほかにも、皆さんの異名なり武術なりを追加で披露し、人々を勇気付ける事も有効です。
 また、オープニングでも申しましたが、何か手伝いなり言いたいことがあるならばクアドに対して絡むプレイングを仕掛けていただければ、彼女が登場する事になります。
 特に何もなければ、皆さんとは別に復興支援の手伝いを行っていた、という扱いで判定結果全体にプラス補正が乗っかっている、という形になるかと思います。

 情報としては以上となります。
 それでは、ここまで長文をご覧頂きありがとうございました。
 ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メーティオル・スター
カッコいい異名とか二つ名って、皆一度は考えるよね。
オレも昔は色々考えたっけ…(遠い目)

へへ、「電光石火の流れ星」メーティオル、ここに参上!ってね。
愛用の宇宙バイクで現場に急行だ。
使い古してボロボロだけど、共に無数の修羅場を潜り抜けた証とかって言っておこう。

オレの勝負は大体いつも一瞬、だからこその電光石火…!とか言いながら、
クイックドロウと先制攻撃技能も使いながらクイックフルバースト!

一瞬で装弾されてる6発を撃ち切って、無駄にクルクル回しながらホルスターに戻す。
あれだよね、残身っていうんだよね、こういうの?


叶・雪月
いいだろうやり切ってやる!
ヤドリガミだからな、まずは俺の本体の名乗りから技か

我こそは名高き叶派が一振り太刀雪月のヤドリガミなり!
桜月神社に奉納され祈りを長きに渡りささげげられた我が力を見よ

己が本体の分身を展開するぞ
日本刀がずらっと己が周りに並ぶさまは壮観だろ

我が刃の煌めきは氷雪のごとく
絶対零度のこの刃を受けてみよ
かすり傷を負ったとしてもなめるなよ
その傷は凍傷となり何時が肉体をやがて壊死させるぞ


花巻・里香
強そうな通り名って…
そうね…私は「傾城」をイメージしてみましょうか。
とはいえ傾城は自称するものではなさそうよね。行動で示し、誰かに言わせましょう。

傾城:
魅惑の外装人形(艶やかな姿に)フェロモンで誘き寄せて、忍者達を色仕掛けで誑かしましょ。(男女問わず)
近づいてきた忍者達を自由に操る、魅了に成功したなら自害や裏切りの命令を下すわね。(最終的には自害命令)
失礼ね、私を誰だと思っているの?言わないとわからない者は自害なさい。
あら?知っているのね?ならすべきことはわかっているでしょう?。
(みていて何が起きたかわからない、戦場外の武者に恐怖をあたえる狙いもあるわね)


春日・ひなの
ふむ、強そうな語りを入れればよいんだな
こう見えても昔は刀の御子とも呼ばれていたんだ
生まれたとき、母よりも先に刀を抱いたといういわれがあってな…なに、もういいのか?
まだ話はあるぞ、焦らずに聞け

この【風斬り唄】という技だが
私には昔から風の音で攻撃の在りかを知る癖があってな
この無銘刀が啼くんだ、風の音を立てて
あれに敵がいる、と
あれを斬らせろ、と
ゆえに、私は「風の音」を斬るのみ
お主は音を立てぬというが…果たして、風すらも欺けるのか?

他にも幼き頃にこの刀ひとつで多くのものを斬り伏せ
この無銘の刀に霊力のようなものが…
もうよいか?

すまん、語ると止まらないようだ
嘘も方便と言うだろう?


飯田・柘榴
強いくせに負けが込むとは、
なんとも面白い、もとい可哀そうな武者ですね。

ですがまあ、負け犬を追い落とすのは私の最も得意とするところ。
幸い、この世界の強い存在についての【世界知識】はありますから、
『時計の針は戻らない』で四天王だの最強軍団だの、
彼らを倒した者を片っぱしから呼んでぶつけてあげましょう。
さすがに過去負けた相手をまとめて操る相手にはビビるでしょう。

具体的にはそう……
「あなた方がこれまで戦ってきた相手など、私の手の上で踊る駒に過ぎません」みたいな。
異名は……何でしょう、『世界の全てを記録する者』とか?
名乗るのかなり恥ずかしいですねコレ。


シャレム・アルカード
POW
フハハハ!我、降臨!
プレッシャーで弱くなるとは、いじりがいがあって面白そうな奴ではないか。
いつもなら我の大公としての威を見せつけてやるところだが、たまには他の猟兵のサポートに回るというのも一興か。

他の猟兵の名乗りや説明に合わせて「なんと、あれは○○!まさかこの現代にまだ使い手が残っていようとは……!」
「我も長く生きてきたが、実際に目にするのは初めてだ。」
とこんな感じで驚くぞ。
その際、「知っているのか!?」と合いの手を入れてくれるようにその辺の猟兵と事前に打ち合わせでもしておくとしよう。

後は適当に実況解説をするぞ。話に合わせて強そうだったり恐ろしげなエピソードを付け加えておけばいいだろう。


エコリアチ・ヤエ
正直良さげな通り名とか思い浮かばなかった。
「人は皆俺のことを死霊使いの奇術師と呼ぶ」
かなり口から出まかせで適当なことを堂々とした風格で言い放つ。出まかせすぎるとは言えそれっぽく見えるよう工夫はしよう。フードは被りあまり顔が見えないようにする。表情は固く強そうな雰囲気に。他見た目はまぁ、筋肉あるし平気だと信じて。
あとはリザレクト・オブリビオンで死霊の騎士と蛇竜を背後に召喚。それも地面からゴゴゴ、という効果音が見えそうな雰囲気で呼び出す。そしてきわめつけは宙に浮くファイブエレメンツソードで怪しげでやばそうな雰囲気を醸し出す。
敵がこちらの雰囲気でひるんでくれたら攻撃はこれらを用いて行おう。



●プレッシャーをかけていけ!

「わっはっは、さあ、お主ら、更なる武芸の高みを目指そうではないか」
 馬鹿笑い、もとい高笑いしてる武者オブリビオンに従ってる忍者達。
 思考とかしっかりできるサラリーマン的な存在だったらきっと、うぜぇなあの上司、早く帰りてぇよ、こんな茶番につき合わせるなよ、とか思ってそう。
 そんなオブリビオン軍団、村人の嘆きを無視して次の標的探して動き出すがそれを遮る影一つ。
「むっ、貴様、何者だ!」
 お約束な問いかけをする武者オブリビオン、そして相対するはフードを被り表情見えぬが、顔や体に刻まれた多数の刺青が特徴的なマッチョな男、エコリアチ・ヤエ(多重人格者の戦場傭兵・f00287)である。
「人は皆俺のことを死霊使いの奇術師と呼ぶ」
「死霊使いの奇術師だとぉ?」
 一歩踏み出しザリッと足音。
 武者筆頭の忍者軍団に怯む事無く進み出たエコリアチ、なんか背後からどす黒いオーラが立ち上ってる気がします、とてもコワイ!
 そのまま右手を掲げれば、彼の背後より呼び出される死霊騎士と死霊蛇竜。つまりコイツらは竜きs……。
「なんと、あれは死霊召還の法! まさかこの現代にまだ使い手が残っていようとは……!」
 大げさに驚いてみせたのはシャレム・アルカード(小さな暴君・f09897)その人。
 尊大な態度かつ何かすごく長生きしてきたように感じる彼は今回サポートで実況、解説担当。
 あっ、ちょっと、実況と解説は地の文であるわたs……。
「我も長く生きてきたが見るのは初めてだ……」
 えっ、マジ、そんなやばいの? 何年も生きてて見るのが始めてって。
 こええ、やべぇよやべえよ、なんか後ろに剣まで浮いてるし強そうだしやばいって。
 武者オブリビオンが気圧されたんで忍者も空気を読んで後退り。
 でも、死霊使いの奇術師とか口からでまかせなんですけどね、体型がいいし刺青パラーでそれっぽいって素敵!

「お、おのれ、怯むな、構えを「我こそは名高き叶派が一振り太刀雪月のヤドリガミなり! 桜月神社に奉納され祈りを長きに渡りささげげられた我が力を見よ」ちょっと割り込み!?」
 怯んじゃった武者、味方に指示出ししようとしたら盛大な名乗りで割り込み。
 なんだなんだと顔を上げれば家屋の上にて腕を組み、一行を見下ろす叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)が。
 そのまま両手を広げれば彼の後方、左右に5本ずつ計10本の太刀が展開、念力にて自在に操る様は正に壮観。
「我が刃の煌めきは氷雪のごとく。絶対零度のこの刃を受けてみよ」
「むっ、あれは……」
「え、えーと、しっておられるのですか!?」
 10本刀を忍者目掛けて射出、その動きにシャレムが意味深に反応すれば、話をつけられてたその辺の村人Aがとりあえず合いの手を。
「1人でありながら10の刀を扱う恐るべき技。先の死霊使いと並び、自身が手を下さず戦う恐るべき技よ」
「な、なんと、然様な使い手が! し、知っておったぞ、そのぐらい、ウワッハッハ」
 技を解説してる間に武者オブリビオン、知ってたとか知ったかぶり。絶対知ってなかったぞコイツ。
「忍よ、かすり傷程度となめるなよ。その傷は凍傷となり汝が肉体をやがて壊死させるぞ」
「ひ、ひぃい!? あぐ、がぁああ!? …………ヌワ-ッ!?」
 飛び交う太刀に斬り付けられた忍者が呻き、倒れ伏す。
 別に凍傷になるわけでもないしただの刀傷なんだけど、メッチャ信じ込んだ武者曰く、体が凍って腐っておる、とかいう言葉に対応しちゃったのだろう。
 ここは倒れとかなきゃなー、みたいな空気でバッタリ倒れたら、直後にエコリアチが呼び出してた死霊蛇竜に跨った死霊騎士が轢き飛ばすように通過。
 無防備な横っ腹を突き刺され、更に吹っ飛ばされて哀れ、空気を読んだがばかりに忍者はあっさりとやられていた。合掌。

「あっ、あそこにいるのは!」
 忍者がやられた直後、崩れた家屋の隙間から見えるはゆらりと歩む一つの人影。
 とりあえず空気を読んだ村人B、多分解説はシャレムとかがするだろうと期待して指差せば春日・ひなの(花散らし・f10274)が無銘の刀を抜き身で携え歩を進めていた。
「奴は何者!?」
 武者オブリビオン、聞けば答えるだろうとシャレムを見るも彼はあえての沈黙。
 されど自信満々に腕を組み、語らずとも分かるだろう、といった雰囲気は不安を煽るに十分か。
「な、何者だ、名を名乗れ!」
 無言の重圧に耐えかねて武者、名乗りの前フリいっちゃいましたー!
「私か……昔は刀の御子、とも呼ばれていた女だ。生まれた時、母よりも先に刀を「あ、はい、もういいです、色々と分かりました」なに、もういいのか? まだ話はある、焦らずに聞け」
 色々とやばい人だ、と察した武者が何とか話を終わらせて次にいこうとするが、そうは問屋が卸さない。
「こ、この風の音は!?」
 ふいに駆けるつむじ風。
 崩れた家々の間を通れば、奏でる音色はまるで村人の怨嗟の声。
「この【風斬り唄】という技だが、私には昔から風の音で攻撃の在りかを知る癖があってな。
 この無銘刀が啼くんだ、風の音を立てて。あれに敵がいる、と。あれを斬らせろ、と」
 太刀を一閃、剣圧から生まれた太刀風が忍者の体を捉えれば、一拍置いて左肩よりおびただしい出血!
 尚、骨を蛇腹剣のように展開射出したのが原因です。空気を読んだ忍者、とりあえず血をだしとけと言わんばかりの対応に武者もびっくり、こいつはヤバイ太刀使いだと一歩下がってひなのを凝視。
「ゆえに、私は「風の音」を斬るのみ。お主は音を立てぬというが……「いえ、立てますけd」果たして、風すらも欺けるのか?「聞いてない!?」」
 懇々と語るひなの、ツッコミするもスルーされた武者、放たれた風圧に吹っ飛ばされる忍者、なんとも混沌とした戦況!
 誰か収拾してくれと解説担当に目を向けても、使い手が語るなら任せる、と満足げに立ってるんだから救済なんかない。
「他にも幼き頃にこの刀ひとつで多くのものを斬り伏せ、この無銘の刀に霊力のようなものが……「だからもういいですって!」……もうよいか?」
「いいです、わかりましたから、すごく昔からすごいの分かりましたからもういいです!」
 早く終わってくれと懇願する武者、これではどっちが悪人か分かったものではない。
 語ると止まらない彼女の文言の間に、なんか忍者が斬られたり跳ね飛ばされたりしてて数が減っていたが、もうそっちまで武者は頭が回ってなかった。

「カッコいい異名とか二つ名って、皆一度は考えるよね……俺も昔は色々考えたっけ……ま、ここはいっちょ演じ切りますか!」
 遠い目をしつつ戦況を見守っていたメーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)、愛用の宇宙バイクに跨りエンジンの調子を伺えば、相棒、任せとけといわんばかりにエンジンからは小気味良い振動が。
 ニヤッと笑い、フルスロットル。
 掛かる負荷を考慮せず全開でかっ飛ばせば、ホイールスピンの音と共に巻き上がる砂埃。
 間を置きタイヤが地面をしっかり捉えれば、これまで溜まった力を一気に解放するかのように飛び出せば、重い宇宙バイクの車体が疾駆する!
 大きく響いたスピン音、ハッとし皆が顔を向ければ弾丸と錯覚するかのような、凄まじい勢いで迫り来るバイク。
 何だあれはと誰かがいぶかしむ間に……フルブレーキ! がくんとフロントフォークがつんのめるように圧迫されれば、凄まじい慣性Gがライダーに襲い掛かるが踝、膝のグリップで押し殺し忙しくシフトダウン。
 荷重を分散させながらハンドルを大きく切ってタイヤ滑らせ、多量の砂埃を巻き上げながら一同の前に停止していた。
「電光石火の流れ星、メーティオル、ここに参上!」
 勝負は一瞬、故に通り名は電光石火。
 今までの名乗りとかで呆気に取られて隙だらけ、ならばそこを相棒たるバイクと共に、無数の修羅場を潜り抜けた彼が逃すはずはない!
 一秒あれば、いや、それの半分、それでも多い。
 ゲームで言われる1フレーム、それを超える速度で放たれた弾丸は一発、そして続けざまに残る5発を放つは彼が持つ回転式拳銃。
 瞬時に放たれた銃弾は忍者の体へ6つの銃創を刻み込み、その体を吹き飛ばしていた。
「あれだよね、残身っていうんだよね、こういうの?」
 クルクルッと銃を指で取り回し、銃口から立ち昇る硝煙吹き飛ばしホルスターに差し込み一言。
 満足げに頷くシャレムと、えっ、残身ってこういうのでしたっけ!? と言いたそうな武者オブリビオンの対比がとても印象的である。

「な、なんという、此れほどまでの使い手が。お主たち、一旦体勢を立てなお……なにぃ!?」
 すごいアクションに気を取られていた武者、とりあえず忍者を統率しなおそうとするが目に入ったのは、正気を失った目で仲間に切りかかる複数の忍者達。
 そんな命令は下していない、どうしたんだと刀を振って狼狽すれば、その疑問に答える声が忍者達の後ろから。
「失礼ね、私を誰だと思っているの? 言わないとわからない者は自害なさい」
 透き通るような声、赤き瞳を妖しげに輝かせ桃色の髪が揺れれば、2人の忍者が自らの腹を斬りそのまま倒れる。
 命すら捨てさる命令、自己決定権を完全に奪い取り、意のままに操る美女花巻・里香(クリスタリアンの人形遣い・f05048)が妖艶な手つきにて忍者を、そして武者を挑発的に眺めていた。
「くっ、な、なんという。いけい、怯むな、お主らならば斯様な者に負けぬであろう!」
 誘うは妖花、花弁開いて蝶を呼び込む美しき花のように、ドレスを揺らせば、誘い込まれるように二名の忍者が飛び掛る。
 されど誘いに乗るは愚行、ふっと広がる花の香りは己が自由を奪いしフェロモン。
 途端に自由意志を奪われ地面に着地、得物を地に置き跪けば完全に彼女の支配下へと堕ちていたのだ。
 綺麗な花にはなんとやら。しかし彼女は身を守る棘ではなく、得物を狩る狩人だ。
 美しき見た目で相手を騙し、近づく蝶狩る花蟷螂。
 そう、名は体を表すが如く、里香の名を並び替えたアナグラムが示しだすのは花蟷螂に他ならない。
「あら、何が起こったか分からないって顔ね。だったら聞いてみてはどう?」
 クスリと笑えば、彼女が示すはシャレム。
「ふっ、言わずとも分かると思ったが説明が必要かの。お主、配下が命令を聞かぬほど篭絡されたことに何故気付かぬ」
「篭絡、だとぉ!?」
 完全洗脳、近づいたら配下が全員裏切る恐怖。
 一体此れはどういうことだと武者が困惑すれば更なる追い討ち。
「精兵集い、城に篭れば如何なる敵すらも跳ね除ける自信があったんじゃろ? それも最早此れまで、色に狂い全ては水泡。まさに傾城の女と言えよう」
 城を傾かせるほどの色気、そしてそれに抗えなかった己が軍勢。
 生前嘗めた辛酸の味、忘れず蘇った今こそ報復の時と意気込んでいた武者ではあったが正直いってもう無理である。
「あら、ようやく理解したのね? ならこれから起こること、そしてあなたたちのすべき事はわかっているでしょう?」
 武者への冷酷な通知、同時に放たれた忍者達への同士討ち命令。
 こうなれば統率などまったくなくなり、大混乱に陥った忍者達はその数を加速度的に減らしていった。

「な、なんということ、なんということ。だ、だが、我はまだ負けてはおらぬ!」
 配下がほぼ壊滅したがまだやる気の武者、もうヤケクソ感があるが最後の刺客が満を持して登場する。
 ゆらり、ゆらりと魔導書携え近づく飯田・柘榴(白紙の魔道書・f02221)の姿。
 ハッとし振り向く武者を前に、絶望与える技の発動。
「あなた方がこれまで戦ってきた相手など、私の手の上で踊る駒に過ぎません」
 パラパラパラ、と魔導書のページめくれば彼女の足元から滲み出す、澱んだ骸の海の片鱗。
 瞬きする間に黒き滲みは地を侵食、彼女を守るかの様に前面に広がれば、そこから生み出されるは弓と刀で武装した4人の武者、槍を携えた3人の武者、遅れはせぬと軍配持った翁に様々な武具持った男達。
「き、きさまは!? 苦渋を嘗めさせられた四天王、それに追い立ててくれた三本槍、それに領地を奪い取ったあの軍師……な、なぜ!?」
 どんな戦があったのか知識をフル動員、それっぽい見た目程度であったが既に配下が壊乱し自分も狼狽してるんでアッサリと昔の宿敵、もとい自分がフルボッコされた相手だと認識してしまった武者オブリビオン。
「どうしました、雪辱を晴らすために軍勢を揃えたのでしょう? しかし、その軍勢も歯が立たないようですけど」
 大将の動揺、瞬時に反応。
 動きの鈍った残り少ない忍者達は、四天王だったり三本槍だったりに追い立てられ、名のある連中には無名の忍者はやられるだろうって事であっさりKO。
 バッタバッタとなぎ倒されれば、既に武者を守る者など皆無といえた。
「負け犬を追い落とすのは私の最も得意とするところ。あなたの敗北は覆らない……世界の全てを記録する者である私の記録に、あなたの勝利はないのだから」
 強いのに負けが込んで駄目になり、面白い、もとい可哀想な結末だった武者オブリビオン。
 やり返せる軍勢を作ったのに、何かやってきた猟兵の攻撃で壊滅させられ、挙句の果てに自分が負けた四天王とかその辺の連中を操る女性に勝利がないとか言われた武者オブリビオン。
 まだ生き残ってた忍者がそこかしこで自害させられちゃったり、サクサク倒されてるのに立ち直れない武者オブリビオン。
 ちょっと恥ずかしがってる柘榴の様子にも気付けないご様子で脱力し、気付けば配下は壊滅状態。
 こうして、圧倒的優位の状況を作り出し(たぶん一方的になりそうな)猟兵と武者オブリビオンとの戦いに移っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『戦国武将』

POW   :    合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「空気読み 驚きやられ 倒れたら 気付けば仲間が 壊滅だ」
 そんな一句を残したかどうかはさておき、忍者軍団は壊滅していた。
 配下がやられたのに武者オブリビオンは武者オブリビオンで、滅茶苦茶びびって震えていたが……。
「こ、ここここれは武者震いよぉおお! 貴様らのような強敵を倒してこそ、名を上げる好機ィイイイ」
 最後、声が裏返っていた。
 普通に重圧で、多分生前、死ぬ前に追い込まれたときより酷いプレッシャーを受けてまともに戦えるか怪しい気配はあったが、一応まだやる気はあるようであった。
 ならば猟兵達がやることは一つ、更に重圧で追いこんでフルボッコにすることだ!
花巻・里香
このまま「傾城」を続けましょう
とはいえ仮にも大将だもの
対象を自由に操る魅了はそう簡単に効かなそうね

傾城:
操るとまでいかなくても誘惑補強にフェロモンを放ち、色仕掛けで敵を誑かすわ。
そうして油断した隙に抵抗する間も与えずに、蟲惑の小部屋で
小さな花(に擬態した鉄も霊も喰らう呪詛の幼虫)と1つの布団の小部屋へ送り込むわね。
敵が脱出した時はからくり人形で更なる騙し討ちや猟兵の追撃に繋げるわ

かわいいわね貴方は特別に良いところへ連れてってあげるわ
そう誰も邪魔が入らない秘密の小部屋で…ね?
あらもう出てくるなんて堪え性がないのね。そんなに待ち切れなかった?。
良い夢みれたでしょう?でもね蟲は蟲らしく餌となりなさい


叶・雪月
ロボ、だと……

二足歩行のでっかいのの弱点といえば足だよな
いくら鎧で覆っていようが俺には無駄だ
【鎧無視攻撃】で確実にダメージをいれてやる
転がすのを狙うぞ

さて我は叶派が一振り雪月。
いざ、参る!

接敵しすぎても一振りが重そうだからヒットアンドウェイが基本だな
とはえ、でかい分攻撃範囲も広いか
いっそ、懐にもぐりこんだ方がよさそうならそちらを狙う
残念だがそれは俺の【残像】だ

武将ってのはさ、強いだけじゃダメなんだよ
「将」ってのは前に立つんだ、どれほど怖くても
お前にはその覚悟が足りてなかったのさ


エコリアチ・ヤエ
あれでいいのか。なんて豆腐メンタル……。ていうか他から比べたら俺すげぇまじめにやってね?なんか逆に恥ずかしい気がしてきた……。
で、さらに重圧を加える感じか?ならオルタナティブ・ダブルでもう一人の自分を召喚。さらにフレーバーでリザレクト・オブリビオンも使おうじゃねぇか。
杖構えながらそれっぽい高笑いとかしたらビビらせられるかね。いや、正直俺自身がドン引きなんだが、仕事だ、仕方ない。やるからには本気でやろうじゃねぇか。
衝撃波の攻撃は……「あ、後ろに」と指差しとかじゃダメかね……。無理そうなら普通に避けよう。



「いぃいい、イクゾォオオ!」
 気合をこめて太刀構え、戦国武将が進み出る。
 声が震えてるのを見越してか花巻・里香がクスリと笑い手招きすれば魅せられた武将は誘われるがままに近づいていた。どうみても罠なのに。
「かわいいわね。貴方は特別に良いところへ連れてってあげるわ」
「ぬおおっ、体が勝手に小部屋の方へ……」
 前哨戦で忍者全滅、しかもビビりまくった武将には本来通用しにくい魅了もバッチリ通用。
 放たれたフェロモンに誘われるまま、里香が準備した秘密の小部屋へオブリビオン一名様ごあんなーい!
 ガラッと障子戸を開けてしまえばそのまま吸い込まれるように中へと誘導、あるのは布団が一つと意味深に置かれた小さな花。
 コレじつは、擬態してる鉄だろうが霊だろうが容赦なくモグモグするヤバイ蟲。
「ヌアーッ!!」
 悲痛な叫び、ナニをどういう風に喰いつかれたか分からぬがお布団の中でオタノシミのようですね。

「……他に比べたら俺すげえ真面目にやってね? なんか逆に恥ずかしい気がしてきた」
 小部屋の中でドタバタと物音してる中、エコリアチ・ヤエがふっと疑問を口にする。
 そうです、真面目に凄みあるキャラをやってたのです、でももっとはじけてもいいのよ? 具体的には今、めっちゃ色仕掛けでやっちゃってるお姉さんみたいn……。
「むっ、無理だ、これ以上ここに居ては食い尽くされてしまう!」
 飛び出してきた戦国武将。滞在時間、30秒未満。
 これはあれですね、最初に脱いでちょっとした刺激、ファーストコンタクトでもう逝ってし……。
「あらもう出てくるなんて堪え性がないのね。そんなに待ち切れなかった? 良い夢みれたでしょう? でもね蟲は蟲らしく餌となりなさい」
 逢瀬を楽しむ、そういう楼閣とかでの案内人的ポジションに居座っていた里香であったが逃げる相手に容赦はしない。
 障子戸前に設置された花、それは擬態した花蟷螂を模したからくり人形。
 慌てて飛び出し、鎧が乱れた戦国武将に両腕広げて飛び掛り、体中に傷をつけていた。

「あのぐらいやればいいのか……しかしなんて酷い豆腐メンタル。じゃあ俺は別方向から重圧をかけていこうか」
 英雄色を好むというが、色じゃない何か、ってか傾いちゃった戦国武将に歩み寄るエコリアチ。
 まだくるのか、敵は許してくれぬのかと慌てふためくオブリビオンに、真面目系はっちゃけ重圧が圧し掛かる。
「ククク、ハハハハハ、ハァーッハッハ!」
 それっぽく、三段階に、ギアあげる。
 杖を構えて一歩進めば、エコリアチの隣にはもう一人のエコリアチ。
 更には先ほど彼が操り忍者たちを蹴散らした死霊騎士と死霊蛇竜まで現れれば、それは完全に悪の魔術師とその使い間。
「おぉぉおお、恐れてなどおらぬ、おらぬぞぉおお、ま、まとめてたたっきるまでよぉおお!?」
 色仕掛けで酷い目にあって逃げ出したら、目の前にはなんか分身して高笑いしてるこわーいお兄さんとアンデットな竜と騎士。
 まさにこれこそ美人局、これではオブリビオンの反抗も繁華街でぼったくられた哀れなサラリーマンの必死の抵抗に等しい。
「ととととりあえず、乱世ざ「あ、後ろに……」んんっ!?」
 構えた大太刀を振りかざし、技の予備動作を始めたオブリビオンであったが急にエコリアチが笑いをやめて後ろを指差し。
 まだなにかくるのか、と疑心暗鬼に苛まれて武器を振り下ろす動作に入ったまま後ろを見れば、そこには何の姿もなく。
 どういうことだと顔を戻せば既にエコリアチは衝撃波の軌道から逃げており、折角の反撃も空振りに終わっていた。
「ハッ、ハハハハハッ、どうした、その程度で勝てると思ったのかぁ!?」
 笑って見下しながらのプレッシャー。
 思いっきり悪役になりきっていますが、やってる本人は今の自分にドン引きしている模様、これはあれですね、帰ったら枕に顔をうずめてバタバタやる、その前フリかな?

「ぬ、ぬうう、かくなる上は。こぉい、我が具足。最強の力で盛り返すのだ!」
 二人相手に酷い目にあったオブリビオン、こうなったら奥の手だと何処に隠していたんだか予備の鎧を召集合体。
 とりあえず二倍ぐらいの大きさになって、でかければ強い! を体現してみましたが既にプレッシャーでボロボロなのにどこにそんな気力があるのやら。
「ロボ、だと……」
 だが、猟兵であってもでかい敵にはちょっぴりプレッシャーを受けるのか。
 敵を見上げ驚いた表情で叶・雪月が呟くも、即座に眼光鋭く相手を射抜く。
「いくら鎧で覆っていても俺には無駄だ。さて我は叶派が一振り雪月。いざ、参る!」
「おぉおおう、こ、こぉおおい!」
 切り込む雪月、でかくなったけど何か強そうな流派を言われたのでびびったオブリビオン。
 怯えを隔すかの如く無理矢理振り下ろされたオブリビオンの一撃だったら、既にそこには雪月の姿は無く。
 側面を駆け抜けると同時に武者の左脛を断ち斬れば、その機動力を大きく削ぎ落としていた。
「ぐぬぅう、何故、何故だぁああああ」
 重圧で本来の動きがまったくできてねーんだよ、というメタいツッコミはさておき。
「武将ってのはさ、強いだけじゃダメなんだよ。
 「将」ってのは前に立つんだ、どれほど怖くても。お前にはその覚悟が足りてなかったのさ」
「な、なにぃいい!? ば、馬鹿な、我は常に、前線で、兵を鼓舞し……」
 将としての本質、その不足。
 恐れによって見失い、相手が強い、異名を持つと言い訳して逃げていた過去。
 突かれたくない、省みたくない過去の自分を否応無く認識させられたオブリビオンは頭垂れ、自身の不甲斐なさ、取るべき行動を放棄していた過去を悔いていた。
「ふ、ふふふ。言うわ、若造。ならば、如何なる恐怖であろうと打ち破ってくれようぞぉおオオオ」
 自身の過ちを認め、ならば最後にそれへ立ち向かってやると謎の覚悟を決めた戦国武将。
 これはいけない、相手が覚醒して強くなって、猟兵たちがピンチになってしまうではないか!
 と思ったが、最後は声が裏返って震えていた。
 かっこいい台詞を言っては見たものの、やはりビビリな本質は相変わらずであり重圧をかけながら戦えば技のキレは落ちるのだろう、南無。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャレム・アルカード
フハハハ!そろそろ我も直接参戦するとしようか!
見よ!この我の真の力(血統覚醒)と、この我の誇る武装収容棺『ヘカトンケイル』の威容を!

百の内蔵武装を搭載した(予定)このヘカトンケイルを、大公(自称)たる我が振るえば貴様には万に一つの勝機もなし!

フハハハ!恐れ敬え!溢れ出るこの我のカリスマの前にひれ伏すがいい!

とまあ、テンション高めにでかいことを言っておけば多少は効果があるのではないかな。
我としては9割本気だが。


フィロメーラ・アステール
「いえーい、スーパーすごいラッキーな流れ星が到着したぞー!」
あっ、ひょっとしたら流れ星がもういる!?
つまりラッキーがさらに倍か!?
まあ倍にならなくてもすごいラッキーで敵をうつぞ!

とにかく勢いに任せて【スーパー流れ星キック】をお見舞いだー!
【ジャンプ】からの空中【ダッシュ】で流星の如き【スライディング】の【パフォーマンス】を見せつつ加速!
【残像】を発しつつ【空中戦】で軌道調整し、光の【破魔】【属性攻撃】【全力魔法】を展開して、【気合い】を込めた【踏みつけ】アタック!
相手は爆散……じゃない! 行動を封じる!

そしてこの輝きがみんなの【勇気】になる!
【鼓舞】ってのは、これくらい派手にやらないとなー!



「ゆくぞぉ! 我が兵団よ!」
 戦国武将くん、最前線に立つといった舌の根乾きかぬ内から迫真の軍団召集。
 しかし配下は援護射撃専用、自分が前に出るのは変わらぬと謎の理由付け、それでいいのか戦国武将。
「フハハハ! そろそろ我も直接参戦するとしようか!」
 やる気になった心をへし折りに、実況とか解説だったけど参戦してきたシャレム・アルカード。
「見よ!この我の真の力と、この我の誇る武装収容棺『ヘカトンケイル』の威容を!」
 両手を広げ血統覚醒、棺桶がガタガタ鳴るわ姿かたちもヴァンパイアな見た目になるわで物凄いパワーアップ!
「百の内蔵武装を搭載したこのヘカトンケイルを、大公たる我が振るえば貴様には万に一つの勝機もなし!」
「な、なんと、その棺に100もの武具を収納しているというのかっ!?し、しかし我にも、100を超える、軍勢、が、いて、のう…………」
 パワーアップした自身の能力、百の武装を持つ棺といってるが、それは自称であり本当に100個あるかわからない!
 ついでに、大公ってすごい地位にいると言ってるけどこれも自称だから本当かわからない!
 具体的に強そうな数とか言われて、自分も兵団がいると主張した戦国武将であったがやっぱりあふれ出る自信を前にして尻すぼみ、最後はきちんと発言できてません!
「フハハハ!恐れ敬え!溢れ出るこの我のカリスマの前にひれ伏すがいい!」
 最後もやっぱり高笑い、すごい、これぞカリスマ! 気のせいか相手の兵団も後ずさりして武器の構えが安定してないきがする。
 でも皆様、勘違いしないでください。
 言ってることは全部自称です、本人は9割は本当だと言い張ってますけど実際はどうなのかわかりませんのであしからず。

「いえーい、スーパーすごいラッキーな流れ星が到着したぞー!」
「なにぃ、まだくるのか!?」
 シャレム相手に気圧されてたオブリビオン、更なる援軍到着な言葉を聴いてさらに狼狽。
 30cmに満たない体躯ながらめっちゃ光り輝いて、風に乗って飛んできたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)である。
 勢い任せの何でもありなラッキーな精霊、つまりなにも考えてない! でもやることは決まってる!
「スーパー!」
 妖精の小さな体躯、しかしながら溢れる力をためて光り輝きそのままジャンプ。
 空中を滑るようにオブリビオンへと距離を詰め、途中にて一気に加速!
「流れ星!!」
 より速く、更に疾く。
 残像生じ軌道を変えれば狙いは巨大なロボ状態の戦国武将、その頭部。
「キーーーック!!!」
 気合を込めてより一層、輝き増した脚部を伸ばし閃光一線。
 目にも留まらぬ速さで放たれた、弾丸の如き蹴りは頭部を砕く強烈なスタンピング。
 轟音響かせ兜が爆ぜれば、その衝撃が全身へと波及し合体していた各部位はバラバラと崩壊、先の気迫は何処へいったか、へたり込むオブリビオンが其処にはいた。
「ぐ、ぬぅうう……なんという輝き、これほどまでとはっ」
「どうした、もう終わりかよ? 気合入れて味方を鼓舞するのは、これくらい派手にやらないとなー!」
 ふよふよと飛び回り、倒れた武者を挑発するフィロメーラ。
 手も足もでず、満身創痍でへたり込み肩で息をするオブリビオンは、うめき声を上げるしかできなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花巻・里香
ダメ元でゲストを呼びましょう
クアド・ペントヘキシウムを対象に、擬態の外装人形を発動
そして擬態を解かずそのまま仕掛けるわ

8刀のクアド(偽):
クアドに擬態したからくり人形で8刀のクアドを再現
「8刀のクアド、この刀一本一本が違う怨念を持った妖刀。貴方を殺したいと強く願った刀が選ばれる」
忍の刀等を拝借し念動力でジャグリングの如く操り早業で刀同士を打ち合わせ2本の刀を選び取る
「この2本が貴方を殺す、他の刀は邪魔するなと暴れた結果。いきましょう、腕切り、切腹丸。奴の腕と腹を掻っ捌くのです」

チョット偽クアドの胸を盛っているのは秘密よ
ご本人に会ったら逃げた方がいいかしら?
帰りのことがあるから避けれないけれども



 なんだかんだでボロボロ、立ち上がれないオブリビオン。
 呼び出した兵団も自分が倒れた後に全滅させられ、万事休すか。
「さて、もう終わりのようだし最後はゲストを呼びましょう」
 えっ、まだ来るの? これ以上敵が増えたらプレッシャーで死んでしまう!
 と思ったかはさておき、戦国武将が呼吸を止めて顔を上げれば、そこにはえげつないほどに良い笑み浮かべた里香。
 そしてその隣には、なんと言うことでしょう。
 戦場に猟兵達を転送した、グリモア猟兵、クアド・ペントヘキシウム…………の、そっくりさん、もとい擬態させた里香のからくり人形が。
 転送させたグリモア猟兵が戦場に来ることはできないからね、そっくりさんってか擬態させた人形なのも仕方ないね。
 とりあえずその辺に倒れてた忍者たちから刀を8本拝借、両手の指の間へと一本ずつ持ったままオブリビオンに近づけば。
「8刀のクアド、この刀一本一本が違う怨念を持った妖刀。貴方を殺したいと強く願った刀が選ばれる」
 あるぇ、どっかで聞いたことがあるような、そんな台詞をいいながら刀を虚空に放り投げジャグリング。
 2本だけを手にとって、残る8本を打ち払い本家よりカッコよく決め台詞を言う。
「この2本が貴方を殺す、他の刀は邪魔するなと暴れた結果。いきましょう、腕切り、切腹丸。奴の腕と腹を掻っ捌くのです」
 バッチリ決まって得物を構え、それなりにある胸張る偽クアド。
 ちょっとまって、本家より胸あるやん、てか本家はあんまり胸ないのに!
 どこかで誰かがくしゃみをした、そんな気がする今日この頃。
「ぎあーっ! 切腹は、切腹は嫌でござる! 逃げ切れずに切腹したのに、また切腹はしとうないでござる!」
 腕を斬られ、動けぬところに無理やり切腹させられちゃってるオブリビオン。
 その断末魔の叫びをバックに、チョット本物より偽者の胸を秘密で盛っちゃった里香。
 本人に会って指摘されると問題だから、逃げたほうがいいかしら、なんて思いつつ。
 帰りの転送があるので避けられないわね、等と諦観し、オブリビオンを倒した人形の擬態を解くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『戦の跡と続く道』

POW   :    損壊した建屋や残骸の片付け、資材の運搬などの力仕事を引き受けます

SPD   :    炊き出しや役立つ道具の作成、仮住居の設置など住人に今必要とされているものを手配します

WIZ   :    怪我人の治療、復興を効率的にする手段の提供などを行います

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 村に脅威をもたらした、痛々しいオブリビオン。
 猟兵たちの(痛いかもしれない)主張、名乗りに怯え、実力を発揮できぬまま倒された哀れな存在。

 しかしながら、猟兵達が到着する前に暴れ回って、技の試しに傷つけ、壊された家屋はそのまま。
 冬はまだまだ続くというのに、このままでは冬を越せぬ村人が出る事は予測された。

 ならばこそ、村人の生活を取り戻させる、そのためにこそ猟兵達の力はまだ必要。
 さあ、壊され、傷つき、打ちひしがれた村人を癒し、越冬の為に立て直そうじゃないか。
シャレム・アルカード
それにしても、本当に面白いくらい弱体化したな。過ぎた自信は毒だが、やはり多少は自信を持つべきだな。

さて、戦ったばかり(?)だが我はまだまだ余裕がある。(喋ってただけだからネ!)
特別にこの我が民のため、一仕事してやろうではないか。

具体的には破壊された家屋の残骸の片付けだな。
我の【怪力】にかかれば、どんな重い物の運搬だろうとべいびーさぶみっしょんよ!
まだ使えそうな木材の残骸は『タナトス』で切り出して建材として積んでおくぞ。


叶・雪月
さて、俺は力仕事を手伝うとしよう
図体はそこそこでかいからな、任せておけ

とは残骸を小さくしたりするのは俺の本体をこう増やしてだな
で、こうやって切り刻む、と
戦いに使うにはちと弱いかもしれんがこんな時は便利だからな
屋根の上にあるものも【クライミング】で俺が取りに行けるしな

さて、せっかくだ
【拠点防衛】の知識を生かして一工夫しないか、と提案したい
なあにオビリオンは俺たちじゃなきゃダメだが襲ってくるのはそれだけじゃないからな
備えあれば憂いなしと



「それにしても、本当に面白いくらい弱体化したな。過ぎた自信は毒だが、やはり多少は自信を持つべきだな」
 戦いが終わったばかりなのに、余裕綽々、自信満々な様子を崩さないシャレム。
 そりゃあそうだろう、だって彼は一切戦ってないし、まともに武器を使って攻撃せずに喋ってただけだし。
 まあ彼からすればこれこそ大公たる者の余裕、絶対強者としてのなんとやら、なのだろう。
「それでは壊された家屋の片付けでもするとしよう。特別にこの我が民のため、一仕事してやろうではないか」
 なんとありがたい、民の為に領主様が自ら手を貸して下さるなんて!
 多分、時代と場所が違って尚且つ自称大公が本物の大公だったら、領民が感涙に咽び感謝する所で……え、感動するのは今回のオブリビオンに感化されたような連中だけだって?
 いや、そんなことはな、だって領主さまだもの、下々の為に働くことは感動を呼ぶに決まっている。
 なんてことを言っている間に、崩れた家屋の残骸なんて怪力誇る彼からすればべいびーさぶみっしょんよ! とのこと。
 手際よく取り除きつつ、使えそうな材木は切り刻んで形成することを忘れない辺り、しっかりと勘定はできている点もアピールしている、すごい!
「流石は領主様、といったところか。ああ、その残骸はこっちに回してくれ、全部薪にしちまうよ」
 こんな状況でも領主っぽいカリスマ溢れてたシャレムに苦笑しつつ雪月も残骸処理へ。
 こういう時に便利な能力、ヤドリガミたる自身の本体、刀剣を複製生産しバラバラに操ることで大量の人手を確保。
 乱雑に積まれ、大きさもバラバラな家屋の残骸もなんのその、サクサク切り刻めば大まかなサイズは統一された、冬場の暖取るに適した薪へと姿を変える素晴らしきビフォーアフター。
 なんだかんだと壊れた家屋の解体、整理は手早く終わりならば次にするには村へ施す防護策であった。
「拠点に関しての知識はあるんでね。一工夫しないか? オブリビオンは俺達じゃなきゃダメだが、襲ってくるのはそれだけじゃないからな」
 備えあれば憂いなし、そんな名言もある。
 オブリビオンが暴れ山林の食料が減れば獣が人里に出てくるであろうし、食料に困った野党なんかが出てきてもそれはそれで困ったことになる。
 少なくとも住人が避難出来る程度の時間を稼げる、そんな守りを固めるべきと残った家々や畑の回りに溝や罠の設置を提案すれば、害獣に時折悩まされていた村人も提案に同意を。
 これはもう少し素材が必要か、と思えばここでも領主()のカリスマか。
「ふっ、民が求める物を事前に知って用意する。特別な仕事の賜物よ」
 いつの間にやら山へいって数本、木を切り倒してきたのだろう。材料に出来そうなものを運び込んでいたシャレム。
 事前に知っていたのか、はたまた途中で知って慌てて材木を用意したのかは神と彼のみぞ知る、というところであるが。
 材料も、改造プランも出来ているこの状況、仕事の終わりはまだまだ先になりそうである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花巻・里香
私は治療にまわりましょうか。
村人の額や手の甲に口づけて、治療のエネルギーに満ちたクリスタガーデンへ村人達を癒すわね。
宝石の庭園から戻ってきたらきっとすごいこと(再建等)になっているわよ
それと偽クアドについては最初の内は惚けておきましょう。
そもそも目撃者がいるのよね、村人もみていたようだし。
クアドさんの胸について村人の口からこぼれそうね。
擬態解除の様子まで至れば犯人特定でしょうけど。
治療(口づけ)のついでに村人を誘惑し買収しておきましょう。
ちゃんとした治療行為よ?。(それでも気づかれるのでしょうね、きっと)
(偽クアド関連の制裁等は好きなようにしていただいて構いません)


エコリアチ・ヤエ
おかしな通り名とかが村人に広まってなけりゃいいんだが……それが不安だが、このまま村を放っておくわけにもいかんな。きっちり後始末までこなしてこそのプロだ。
まずいって村人本人たちがしっかり働ける力を取り戻さんといかんだろう。鹿か猪でも狩って炊き出しを行おう。
ついでに山菜でもとってけば栄養的にもいいかね。この時期ならアサツキやセリなんかだな。
これでも戦場傭兵だ。アウトドア的なことは簡単にこなせるぜ(そう言いながら火を起こすのはファイブエレメンツソードの火属性使う)


フィロメーラ・アステール
あたしは力仕事とかできないからなー。
【生まれながらの光】を使って、傷ついた人を治して元気付けるか!
これで治療に人手を取られる事もなくなるし、動けるヤツも増えて作業スピードがアップするはずだぜ!

すでに治療に専念してる人がいるようなら【第六感】【失せ物探し】を駆使して、壊れた家の残骸から貴重品とかを探してくるのもいいかもしれないぞ!
小さな隙間から持ち出せるような物なら、力は必要ないぜ!
埋まったものを掘り起こすとなると、誰かの協力がほしくなる……って。
派手に壊されてたみたいだけど、人とか埋まってたりしないか?
その時は【救助活動】の出番だな!

まあいずれにせよ大丈夫だろ、あたしのラッキーがあるからな!



「あっ、あなたは! 確か死霊使いの奇術師さま! 凄まじい技、感服いたしました。して、その担いだ獣はどうされたのです!?」
 フードをはずして一般的な猟兵のフリをしていたエコリアチ。
 自分で言うのも気恥ずかしい、おかしな通り名が村中に広まってしまっていたことに肩を落としつつ仕事は果たすのがプロの矜持。
 先に野山へ駆けていた彼は猪を仕留め、滋養の為の食材として担いで帰ってきたのだ。
「あー、いや、あの名前はその、忘れてくれ……っと、そんなことよりコイツは炊き出しの具材にしようと思ってな」
 通り名のことは話題からそらして、猪と山菜へ意識を向けて忘れさせる作戦にも見えるこの行動。
 そんな中、ふっと周りをみれば村人の手の甲なり額に口付け、宝石の庭園に誘う里香の姿を認め声をかけていた。
「極楽へとご招待、ってやつかい? 出来ることなら俺の通り名を知ってる連中、全員が忘れてくれるようにして貰えたら嬉しいんだが」
「あら、いくら居心地良い場所だからって流石に無理よ。まあ、戻ってきた時に何かインパクトがあれば別だけど?」
 出来ぬはずの無理難題を頼んでみるが、戻ってきた返答はやっぱり出来ない、でもうまくいけば忘れてくれるかも、という淡い希望か。
 しかしながら、そんな希望に縋るのも一興かと彼は手際よく猪を捌き始め、猪鍋にてインパクトを与えてみようと試みる。
「これでも戦場傭兵だ。アウトドア的なことは簡単にこなせるぜ」
 得意げに語っていくが、着火だけは何故に属性を宿した武器から炎属性を選び、それを利用するのだろうか。
 まあ、マッチやライターの代わりにすごく便利でしょうけど、こう、雰囲気とかさぁ!
「おー、これは美味そうな鍋ができるなー! 怪我人の治療は里香ちゃんがやってくれてるみたいだし壊れた家から探し物でもしてくるぜー!」
 光を振りまき人々を癒しつつ、鍋の気配に誘われてきたフィロメーラ。
 治療に専念する里香の様子を見てならば小さな体を利用して探し物だ、と彼女は飛ぶ、が……。
 一瞬、脳裏に引っかかった、やけに色っぽい仕草や目線で村の男性を虜にしつつ癒しの空間に送っていた里香の姿。
 なんだか怪しいぞ、と思うもすぐに何も考えない勢い任せな彼女に戻ってかっとべば、いまだ整理が終わらぬ家の前にご到着。
「埋まったものを掘り起こしたり、探す必要がありそうだな。ならあたしに任せな、あたしのラッキーがあるからすぐに見つかるぜ!」
 開口一番、村人が手をつけれず、残骸を取り除いていた家屋の中央に飛び込めば、すぐに感じる煌く気配。
「んっ、これは貴重品の気配! コッチへ行って……ここだぁ!」
 隙間を進んで手を伸ばし、掴んだままに力をこめて引き抜けばその手にあるは一枚の小判也。
 なんという、こんな寂れた村で貴重品が見つかるなんて!
 歓喜の声が巻き起こるが、それに負けないぐらいの勢いで聞こえた悲痛な叫び。
「あぁっ、鴨居の上に隠していた、ワシのへそくりがぁ!」
「何ですって、いつの間に隠してたんですか!」
 家主夫妻、小判を巡っての激しい争い。
 まあ、家を壊されて見つからなかったへそくり小判が見つかって夫はラッキー。
 だんなのへそくりが明らかになり、うまく使えば家が直せることが分かった妻もラッキー、きっと全員がラッキーなのさ!

 そんな悲喜こもごもな復興状況、鍋も程よく火がとおりいいにおいが立ち込め村人の顔にも活気が戻るが……一人だけ、そうたった一人だけ無表情ながらも凄まじい殺気を放つ者がいた。
「ふ、ふふふ……胸が小さくなったとか、どういうことですかねぇ?」
 村の復興支援を手伝っていたクアド、ふと村人から洩れた「あれ、胸小さくなってません?」の一言で事情を察知。
 誰かが(里香が)自分のそっくりさんを使ってオブリビオンを倒したということ、そして何故か胸が大きめで主張していたこと。
 自分の胸がそれに比べて小さいという現実に凹んでいるということ。
 色々な事案が重なり合って若干、もとい結構、かなりお怒り気味な様子であるが肝心の猟兵たちの返答はそっけなく。
 犯人である里香に至っては、
「あら、偽クアドさんを使う人が? 一体誰なんでしょうね」
 なんて惚けてイタズラっぽく笑う始末。
 いや、明らかに貴女がやったんでしょうとものすごく疑うも証拠不十分、ぐぬぬとなりつつ証拠集めをしていた彼女に福音をもたらしたのは、底抜けに明るく光るフィロメーラ。
「そーいや、里香ちゃんがやけに色っぽく癒してたぞー」
 なんて言ってしまえば、離れて鍋の味付けしていたエコリアチが、それを言っちゃうかー、なんて顔に出て。
「やっぱり貴女ですかぁあああああ! そうですか、やっぱり胸ですか、胸ですよね、大きい方が見栄えいいですものねぇ!」
「ほらほら、落ち着いて、髪の毛乱れてるわよ」
 確証を得たクアド、胸を遊びに使ったなと里香に詰め寄るもこれは胸囲的な勝者の余裕か、華麗にかわしつつ相手の乱れを冷静に指摘。
「ええい、この差は何でしょうかねぇ、勝者はいいですよねぇ、もごうか、もぎましょうか、その大きいのを!」
 何か色々とバグったようなクアド、それに対して勝ち誇ったかのように、豊満というか全体的に良いスタイルを見せ付ける里香。
 あっ、村人も騒ぎに気付いて近づいてきたし、里香が送り込んだ庭園で癒され、帰ってきた村人も復興状況もさることながら、この取り乱しっぷりに注目しちゃってる。
「落ち着けクアド、世の中にはどうしようもないこともある」
 とりあえず落ち着くように、フォローは出来ないもののエコリアチが言葉をかけるがギャラリーが増えてより敗北感とか強まってたのか効果が薄い。
「世の中は不公平です、そうですよねぇえええ!」
 心の叫び、涙ッシュを決め逃げ出すクアド。
「おーい、鍋が冷める前に帰ってこいよー」
 なんてフィロメーラが遠ざかる背に叫んでいるがどの程度きいているのか。
 やりすぎちゃったかしら、なんて小悪魔的に微笑む里香を見てエコリアチが苦笑、これは中々戻ってこなくて自分たちの帰りの転送が遅くなるかねと思いつつ。
 村人の関心が先の騒動に移ったおかげで、自分の恥ずかしかった通り名関係が忘れられてることに安堵するエコリアチであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月18日


挿絵イラスト