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バトルオブフラワーズ⑩〜エモさを上げて物理で殴れ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー


「みんな、エイプモンキー撃破お疲れ様。まずそこは大いに喜んでいいと思う。文句なしであの猿人類は強かった」
 そう集まった猟兵たちに告げるのはステラ・ハシュマールだ。彼女もどうやらエイプモンキー撃破に参加していたようで、皆の苦労はよくわかるといった表情をしていた。しかし幹部の一人を倒したといってもこれで終わりではないのだ。それは皆もよくわかってるようで、顔は喜びを感じつつも油断はしてなかった。
「さて、システム・フラワーズの内部の「咲き乱れる花々の足場」なんだけど、今度は次の幹部カワイイ怪人『ラビットバニー』が独占していてね。彼女を撃破しないと先へは進めない」
 そういうとハシュマールは背景をシステム・フラワーズ内部に切り替えた。そこには実に暇そうに花で作った椅子に座るラビットバニーがいた。エイプモンキーがやられたとはいっても、自分のある能力に絶対の自信があるのか、余裕綽々とった様子であった。
「彼女はありとあらゆる攻撃に対して無敵になれるバリアを持っていてね……文字通り無敵さ、どんな攻撃でも無力化されてしまうよ」
 そういうハシュマールの表情は真剣で、嘘を言ってるようには見えなかった。それじゃあ倒しようがないではないか、どうすればいいのだと猟兵の一人が声をかける。それにハシュマールはふっと表情をこぼして答えた。
「エイプモンキーを思い出しなよ、彼もそうだったが絶対の無敵なんて存在しない。必ず弱点がある。彼女の場合は、このバリア張るのは相当の集中力がいるようでね、集中力を乱されると解除されるんだ。当然彼女もそれを知っているから並大抵のことじゃ動揺しない。だけどエモいことに弱いんだよね」
 そういうハシュマール。エモいとは、心に強いインパクトを与えるさま~涙もろいさま、なんとなく寂しい・悲しい気持ちを示す俗語であり、心の動揺を伴うような感情・感動を意味する英語『emotion(エモーション)』を略したものに形容詞化する接尾語『い』をつけたものである。ミュージシャンや音楽ファンに使われ始め、次第に音楽関係以外でも普及、"emotion"の意味から派生した様々な状態をあらわす言葉としても用いられる。
「つまりどういうことかというと、かわいさ、男らしさ、おもしろさ、血だらけで立ち上がる様子、突然のパンチラ、イケメンの壁ドン、水を吐き出すフグなど、ようするに【SNSではやりそうなやつ】はだいたいエモいと感じ、それを目撃するとバリアが解除されるんだよ」
 つまり彼女のエモさを感じる割合は緩い。ガバガバユルユルである。そのことに苦笑しながらハシュマールは言葉をつづけた。
「ボクからすれば、猟兵なんて存在するだけでemotionの暴力だと思うけど、それだけじゃだめだ。しっかりとどんなemotionを生み出すか考えて立ち向かえば、強敵ではあるけど負けることはないと思うよ」
 そういってハシュマールはテレポートをシステム・フラワーズ内部へとつなげた。
「エモさを上げて物理で殴れ!いってらっしゃい!!」
 その言葉を聞きながら、猟兵たちは彼女、カワイイ怪人『ラビットバニー』のいる場所へと飛び込んだ……。


しじる
 ※このシナリオは戦争シナリオです。⑩の戦場に機能し、一章で完結します。成功すると戦力を減らせます。

 初めての方は初めまして。そうでない方はこんにちは!しじるというモノです。エイプモンキー書きたかったが間に合わなかったでござる。
 さてそれは置いといて、⑩シナリオ【カワイイ怪人『ラビットバニー』】 となります。下記に記載している通り、ラビットバニーは文字通り無敵のバリアを持っていますが、エモいことに弱いので、エモーイことをやって集中力を乱してから撃破してやってください。難易度はネームドですがそこまで高くありません(※当MS的には。当MSがエモさに弱いだけともいう)カッコイイおよびエモさタップリのプレイングお待ちしています!

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 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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高柳・源三郎
明日起きたら記憶が無いだろうと思うぐらい完全に酔っ払った状態で来た源三郎。「おう、姉ちゃん。一杯やるか?」と本能のままに酒を飲み敵に近づく源三郎。敵の攻撃が源三郎を襲うが【源三郎式酔い覚まし】が発動し、リバースする。大量に酒を飲んだ為リバースが止まらない。リバースしたものが敵にもかかり精神的・肉体的にもダメージを与える。



 花咲き誇るシステム・フラワーズ内部、そこで花で作った玉座に座り暇そうにあくびをする怪人ラビットバニー。そんな彼女の前に現れたのは【高柳・源三郎】だ。しかし彼は既に酔っぱらっているように見える。やっと来た猟兵、さあやる気を出すぞと構えたラビットバニーもこれには動揺する。
「え?まじ大丈夫?あーしの手助けいる?」
「大丈夫大丈夫、姉ちゃん。一杯やるか?」
「え、いや、仕事中なんでむりー」
 さらっと酒を誘うが断られる。こんなんでも幹部、仕事には忠実であった。
「な、なんか調子狂う……まあいいやあーしのうさちゃんカンフーを喰らえぃ!!」
 あまりにもマイペースな高柳に調子が狂いはしたが、改めて追い返すためにユーベルコードを発動する。瞳がきらりと怪しく輝き、直後に目にもとまらぬ強烈なカンフーが繰り出される。それはまさしく幹部になれるだけのもの。1、2、3呼吸に合わせて花が舞い、美しく暴力を彩る。これを高柳は回避しない、否できない。右左上下、人体急所の集う正中線目掛けて矢継ぎ早に繰り出されるカンフーは高柳を倒れることすらさせずに拳と蹴りを叩き込み続ける。眉間鼻喉心臓鳩尾股間、流れる清流の如し乱舞。それらが終わるころにはズタボロになった高柳が……。
「あれ、無傷?」
 ところが高柳は全くの無傷。おかしい、確かな手ごたえがあったはず。困惑するラビットバニーに目掛け、高柳のユーベルコード【源三郎式酔覚まし(リバース)】が発動した。口から虹色、わあキレイ。
「なわけあるかぁい!!汚ねー!!バリアなかったら喰らうとこだった……」
 直撃コースだがエモさはどうした。対策をとっていないのであればバリアは解除されない。リバースは無念にもラビットバニーに到達する前にバリアによって消滅した。
「もう触るのも嫌だけど追い出さなきゃ……というわけでアディオスアミーゴ!」
 再度ラビットバニーの強烈なカンフーが見舞われ、高柳はシステム・フラワーズ遥か彼方まで吹き飛ばされてしまうのであった。
「やっぱりあーしのユーベルコードは無敵!というかモンキーやられたの偶然じゃない?猟兵大したことなーし!!」
 ラビットバニーはこの成功で大いに調子に乗るのであった。これが次の猟兵のチャンスにつながるといいが。

失敗 🔴​🔴​🔴​

劉・涼鈴
カンフー使いだ!
ふふー、たのしみっ!

【ダッシュ】で突っ込んで格闘勝負だ!
カンフーを戦法に選ぶってことはそーゆー映画とか好きなんじゃないかな?
映画で見たようなアクションで戦う!(存在感・パフォーマンス・誘惑・挑発)
派手な回し蹴り! 跳び蹴り!
【ジャンプ】とか【スライディング】で避けたりして大立ち回り!
【野生の勘】で攻撃を【見切って】、拳と拳で打ち合ったり、相手の力を利用して投げ飛ばしたり!
あちょー!
ぱんつ見えるの好きなの?
別に隠したりしてないから戦ってれば見えちゃうかもだけど
何でもいいけどバリアが消えるなら好都合だよ!
【怪力】乗っけたフルパワー【灰燼拳】でぶっ飛ばす!



 完全に調子に乗っていラビットバニー、次に対峙する猟兵なんて大したことないと油断しきっていた。次に現れたのは【劉・涼鈴】。カンフー使いと知ってテンションが若干上がっているようだ。なぜなら自分もカンフーを扱うから。
「カンフーを戦法に選ぶってことはそーゆー映画とか好きなんじゃないかな?」
「お、チョイスいいね。そうだけど何か?」
 あっからんと答えるラビットバニー。エモいカンフー映画も普通に好きなようだ。ならば同じカンフー好きとして立ち向かうのは自然なこと。
「ちょりゃー!」
「ヒョォー!!」
 拳と拳が、蹴りと蹴りがぶつかり合う。その度に花が散り美しく戦場を彩る。回し蹴り、飛び蹴り、実に画面映えする。だが何よりカンフー映画で一番の見どころといえばやはりこういった打ち合い。実に、実に!
「エモーい!エモーションうーさぎ!!」
 場所が花々咲き誇る戦場というのもGood、まるで因縁の師弟対決みたいでエモくない?わかる?わかれ!そんなことを考えたせいか精神が非常に乱れ、この後のユーベルコードの打ち合いでの絶対無敵バリア発生にかなり支障が出るだろう。だが仕方がない。エモさ感じちゃったんだもぉん!!
「このエモさをくれたお礼に喰らえ、赤べこキャノン!!」
 互いに飛び蹴りを打ち合った直後、背を向け合い距離を取って立ち会う。その中でユーベルコードを使用するラビットバニー。バリアを張ることはできなくとも、その威力は確かに幹部級。喰らうわけにはいかない。だが意地でも喰らわせるとばかりに攻撃回数重視で発動させる。対する劉は近づかなければ意味がないことは重々承知。一気に走り、ラビットバニーへと突き進む!
 刹那発生する無数の弾幕、どうやらすべて誘導弾のようだ。打ち出されたビームが色とりどりに輝きながら劉を襲う。身体を駆使しそれを直前で回避して首を刈り取るとばかりに突っ込む姿はまさに闘牛。牛のキマイラらしいパワーアクション。
「近く、とった!必殺、灰燼拳!!」
 怪力を乗せたユーベルコード【灰燼拳】がラビットバニーの鳩尾を抉った。ズムッと非常いやな鈍い音、ラビットバニーがくの字に折れ曲がった。
「おっへ!?ヤルじゃん……けど!」
 しかしそれでラビットバニーは倒れない。劉の角をがっしりと掴み、顔面に赤べこキャノンを突き付けた。銃口が光り輝いて死の閃光が打ち出された。
「こうやって被ダメ覚悟で攻撃するあーしもエモくない?」
 結果吹き飛ばされてしまう劉、しかしその拳は確かに大きなダメージをラビットバニーに与えるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ゴアゴア・トゥエニワン
ゴアゴアァ⦅お前さんが幹部であるか?相手、頼むであるぞ⦆

通常形態で颯爽と現れ、あくまでも余裕を持って挨拶。
【誘惑】感たっぷりのモフモフビジュアルで相手の心を乱す。

先制攻撃は【クイックドロウ、スナイパー】で打ち消し、その際に発生した煙に紛れて【UC】を発動。
煙が晴れると同時に、獣人形態でご対面。

…中々のギャップであろう?
「さて…次はこちらの番であるな?」
ガンブレードを構えて、戦闘開始である。

【戦闘知識】をフル活用して敵の攻撃範囲、次の動きを読みつつ【2回攻撃、怪力、スナイパー】で応戦。
【パフォーマンス、誘惑】で魅せながら戦い、隙をついて至近距離からの一撃を叩き込む。

(アレンジ、連携化)



「くっ……ダメージが思ったより大きい」
 先ほど劉の攻撃を受けた腹部を抑えながら、ラビットバニーは次の猟兵を待つ。そう、休んでる暇がないのは重々承知していた。故に次の猟兵への警戒を決して緩めない。そうして現れた次の猟兵は【ゴアゴア・トゥエニワン】だ。
「ゴアゴアァ⦅お前さんが幹部であるか?相手、頼むであるぞ⦆」
「わぉ、とってもキュートでエモ……はっ、危ない危ない」
 つい感動してまたもバリアを解除しかけたが、ここは耐える。そうしてもふもふキュートなトゥエンティワンへと赤べこキャノンを向けて、命中力重視で発射する。
「小さいからよく狙って~FIRE!!」
 打ち出された閃光は途中で拡散し、それぞれが誘導弾としてトゥエンティワンを襲撃する。だがトゥエンティワンは焦ることなく愛用のガンブレード【カノン・オブ・トゥエニワン】を引き抜き発砲、打ち出された弾丸と光弾が激突し爆炎と硝煙を巻き起こす。やったか?ラビットバニーは心の底で小さく思った。あれこれフラグじゃないと思っていても思わざるをえなかった。確実な手ごたえがあったからだ。
「やれやれ、思ったよりも威力があって困ったものだな……」
 しかしフラグは回収されるもの。煙が晴れるとそこに立っていたのは何ともダンディーな一匹のケットシー。一瞬誰だと思うラビットバニーだったがすぐにある答えにたどり着き、そして思ってしまった。もしそうなら、エモいと。
「…中々のギャップであろう?」
「確信したぁ!!あの毛玉なの?ダンディー過ぎない?ギャップ凄すぎて胸キュン通り過ごして心停止するぅ!エモーい!エモーションうーさぎ!!」
 鼻を抑えるような動作ののち大きく仰け反るラビットバニー。鼻血でも出そうなのだろうか。なんにしても彼女のバリアはこれにより解除された。
「さて…次はこちらの番であるな?」
 ならば遠慮の必要などない。トゥエンティワンはガンブレードを構え、ラビットバニーへ突っ込む。もちろんいくらエモいからといっても棒立ちのままでいるほどラビットバニーも甘くない。鼻は抑えたままだがすぐさま近づいてくるトゥエンティワンを迎撃すべく、赤べこキャノンを再度発砲する。
 今度は回数特化、弾幕の嵐がトゥエンティワンを近づけまいと展開されるが彼はこれを踊るように、隙間を縫って発砲。発射の反動で跳ね上がった銃身を上手いように回しながら次弾装填。発射と装填を同時にしながら、彼は弾幕を抜けていきたどり着く。
「とったぞ!」
「残念惜しい、また来週!!」
 トゥエンティワンの刃は確かに隙をついて繰り出された、一撃目は肝臓に差し込み、二撃目は首へ。しかし二撃目はラビットバニーが咄嗟に首を捻りヘルメットことウサギ仮面で防ぐことで失敗。しかし肝臓は人体急所の一つで、傷の入り方次第では心臓損傷よりも早く失血死する。重傷を与えたことは変わりない。それでもラビットバニー幹部の意地があるのか、トゥエンティワンの右手を掴みジャイアントスイングの要領で彼をしシステム・フラワーズの自分のいるエリアから投げ飛ばすのであった。
「ははは!!……っく、止血しないとあーしヤバイかも?」
 しかしそんな暇がないことは、ラビットバニーはよくわかっていた。次の猟兵がやってくる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラザロ・マリーノ
UC「影の傭兵」を発動。自分の影と一緒に大量の机と椅子を持ち込んで並べるぜ。

準備が出来たら「ライツ・カメラ・アクション」の記述をベースに、自分の影と組み手をするぜ(怪力/グラップル/ジャンプ/ダッシュ/スライディング/フェイント/衝撃波)。
組み手っつっても、映画撮影用の派手な動きの上に、手加減ナシだ。
椅子で拳を受ける!椅子で殴る!机に激突!殴られた衝撃で血と汗がしぶく!
カンフー映画以上のアクションを見せてやるぜ!

バリアが消えたら、影と連携してウサギに仕掛けるぜ。
今度は魅せ技じゃねえ。相打ち覚悟、倒すための技だ(覚悟/カウンター)。
さあ、どっちの功夫が上か試してみようぜ!

※アドリブ連携歓迎



 出血が止まらない脇腹を抑えつつやってきた猟兵を見るラビットバニー。今度の相手は【ラザロ・マリーノ】だった。彼はユーベルコード【影の傭兵(カゲノヨウヘイ)】を既に発動させていて、大量の椅子や机を持ってきていた。何をするつもりだ、疑問の感情が生まれる。
 そう思っていれば唐突に始まるアクションムービーなみの過激組手。それはマリーノがドラゴニアンということもあってか実に映える。事前に仕込んであった血のりもよく飛ぶ。まさにアクション映画ファン納得のでき前だろう。もちろんラビットバニーも強く頷く。
「血のりが飛ぶ、ものが壊れる、実用性よりも見た目重視。これぞアクション映画!まるで収録を生で見てるみたいで超エモーい!エモーションうーさぎ!!」
 安心と信頼のバリアが砕ける音、しかし本番はここから。生み出した影の傭兵と共にマリーノはラビットバニーに攻撃を仕掛ける。今度は魅せる技ではなく、正真正銘の殺しの業。加減など不要、左右から挟み込むように襲い掛かる。
「でーも、それを捌くあーしも超エモくない?」
「マジかよ、こっちは二人がかりだってのにっ!お前本当に重症人かよ!?」
 うさちゃんカンフーを発動したラビットバニー、その実力は確かに幹部級。普通の怪人なら一瞬でマリーノの攻撃にやられていただろう。しかし二人がかりの攻撃をラビットバニーは確実に防いでいた。それはまるで激流を制する清水のごとく、マリーノという激流を受け流していた。
 だがこれまでの猟兵たちから受けた傷が響いていることもまた事実。ほんの一瞬の隙だった。治りきっていない肝臓への傷が疼き、痛みで動きが鈍った。今だとばかりにラビットバニーが反撃を繰り出したのに合わせてカウンターを放ち、その場所へ二人で拳を叩き込んだ。
「汚いっていうなよ。これも勝負の世界ではよくあることだ」
「んっぐ!?かはっ、そのセリフエッモい……けどっおりゃあああ!!」
 相打ち覚悟の重たい一撃はさぞ効いたようで、ラビットバニーから仮面越しでも表情がわかるほど苦痛の声が漏れる。傷口から赤が噴き出す。しかし幹部の意地、膝は付かない。マリーノと影の傭兵両方の首根っこを掴んで放り投げ、空中で身動きの取れない二人に飛び蹴りを放ち、システム・フラワーズの自分のエリア外へと追い出すのであった。しかし先ほどカウンターを受けた傷口からは少なくない量の血が、ラビットバニーの足元の花を赤に塗り替えていく。
 猟兵たちの攻撃は間違いなくラビットバニーを追い詰めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

逆鷺・俐己
なるほど。可愛いならいいんだね。
私は手袋を外して、手のひらにある穴に杭を刺す。そこから漏れる呪いの泥から、海松色の小さい呪いの化身が出てくる。

可愛いよ。ダメ? ダメかー。

エモいって概念が難しいよね。でも感情を動かすものなら私の、私たちの呪いがエモくないはずが無い。
私は上に着ていた服を脱ぐ。すると小さな穴だらけの体が現れる。
鳩尾に空いた穴に杭を突き刺し、捻り、抜き取る。私の全身を呪いが包み込む。

この呪いは私たちの感情の塊。世界を憎み、それでも私を助けてくれた感情の残滓。
「行くよ!」
私は呪いを纏って近距離戦を仕掛ける、と同時に私に隠れていた呪いの化身による視覚外からの噛みつき攻撃で呪いを与えるよ。



 なるほど可愛ければいいのか。【逆鷺・俐己】は早速手袋を外して掌に空いた小さな穴から海松色の小さい呪いの化身を生み出す。それは呪いの化身と言うだけあって実に君が悪い。
「可愛いよ。ダメ?」
「いや生理的に無理っす」
 ウゾウゾと言葉にできない不快感を覚えたのか、ラビットバニーは自分の体を抱くように拒絶の意を示した。ダメかー、そんな感情を現しつつも逆鷺は服を脱ぎ、自らの小さな穴だらけの体を暴露する。そしてユーベルコード【怨嗟の化身(エンサノケシン)】を発動する。寿命を削り、生み出した黒い泥のような呪いの塊を纏い攻撃に出る。
「寿命を削って攻撃?なかなかエモいけど、それくらいならあーしもできるんだよねぇ!」
 どうやらエモさが足りなかったようだ、ラビットバニーの絶対無敵バリアは完全に解除されることはなく、軽く揺らいだ程度。それはラビットバニーもまた寿命を削るユーベルコードを使用することができたからだろう。呪いの化身による視覚外からの噛みつき攻撃で呪いを与えようとするが、そもそもバリアが完全に無効化されてなければ意味がない。また格闘戦においてもユーベルコードで強化された戦闘能力は幹部クラスらしく強靭。負傷していてもそこは変わらない。残念ながら逆鷺は苦戦せざるを得なかった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

高柳・源三郎
先にリバースして酔いが覚めた源三郎はさっきの姿のままだと警戒されると思い【真の姿】になって戦場に帰ってきた。多分さっきに猟兵と別人と思うだろう。まず武者鎧を着た「たろう」に激しく動く舞をと天女の姿となった「はな」には静かに動く舞を踊らせる。【真の姿】となった源三郎の人形の扱いが格段に上がりまるで芸術のようなたぬき人形の静と動の舞を見せる。
相手の心を打つ舞が出来ればバリアは無くなるだろう。無くなった一瞬を狙って【天女たぬきの加護】で強化した「たろう」の一撃をお見舞いする。



 一度舐めた辛酸は返さなければ気が済まない。【高柳・源三郎】は真の姿になって戦場に舞い戻っていた。その姿や気配の変わりように、流石のラビットバニーも同一人物とは気づかない。警戒心を最大に、ラビットバニーは高柳をにらみつける。すると高柳はまず武者鎧を着た「たろう」に激しい動く舞を、天女の姿となった「はな」には静かに動く舞を躍らせ始めた。それは確かにラビットバニーの心を強く打つものだった。激しい舞と静かな舞の交差、それがエモくないはずなど無かった。
「エモい!エモーションうーさぎ!!」
 絶対無敵バリアは排除され、その隙目掛けて「たろう」をユーベルコード【天女たぬきの加護(タヌキ・ゴッデス)】で強化し、視界外から奇襲させる。それは上手くはいった、視界外からの攻撃にラビットバニーは大きな傷を負わされたが、打ち出された赤べこキャノンもまた高柳にダメージを与えた。しかしダメージの総量はラビットバニーのほうがはるかに多い。ついにラビットバニーが膝をついた。
 それでもまだ倒れることはない。だが決着はもうじきであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クー・フロスト
SPD

▼語り掛ける

ラビットバニーよ。何でも楽しければよいと考えているだろう
楽しいものは、別に支配しなくても作れる
遊び方を間違ったオブリビオンよ。

――オマエを討滅する

※エモい?ここまで素で言ってます(周囲から見ればアイタタな厨ニにしかみえない)



往くぞ。貴様に氷雪世界を魅せてやる
天候大魔術―――フロストシュネーヴァイス!!

走り、翔けながらデスサイズを振るいUCの氷の礫を合わせた衝撃波を放つ
赤べこキャノンを素早く(早業)盗み(盗み攻撃)
それを盾にする事で(敵を盾にする、武器受け)カンフー攻撃を防ぐ
防ぎきったら、上へ跳び(空中戦、ジャンプ)
2撃目の衝撃波を首元目掛けて放つ(2回攻撃)

『――終わりだ』



 重傷を負い、追い詰められたラビットバニー。彼女へと死神の影がチラつく。死神だった彼女が躯の海への川渡しをしようとしていた。【クー・フロスト】はラビットバニーに告げる。
「ラビットバニーよ。何でも楽しければよいと考えているだろう。楽しいものは、別に支配しなくても作れる。遊び方を間違ったオブリビオンよ……」

――オマエを討滅する

 言うや否やユーベルコード【フロストシュネーヴァイス】を発動させ、天候を雪に変える。その力の凄まじさ、別の世界では不死の神と呼ばれた種族にふさわしかった。しかし彼女は一つ忘れていた。ラビットバニーには絶対無敵バリアがあることを。
「言葉だけじゃエモいとは思わないね、もっとシチュエーションを用意してればあるいは?なんちゃって!」
 そう、バリアは軽く揺らいだだけで崩壊はしていなかった。どれだけ凄まじい神の力でさえ、ラビットバニーのバリアは無効化してしまうのだ。魔法陣から氷の飛礫が発射されるがそれもバリアに飲まれて消えるだけ。大鎌とカンフーが入り乱れる。命を刈り取るそれでさえラビットバニーは刃ではなく柄に拳や蹴りを当てることでとどめていた。
 鎌というモノは技量を非常に要求される。ただ振るだけでは相手を倒すことはできない、文字通り引き刈ることが重要となってくる。ならそもそも引けないように刃の根元で止められたら?それを実行できるだけの技量が対戦者にあれば?ラビットバニーは可能とするほどの技量を持った格闘者であった。だてに幹部はやっていない。瀕死であってもそこは変わらなかったのだ。
「いい腕してるけど、あーしにはちょっと届かなかったかな?さいなら!!」
 常人では、いや猟兵でさえ目で追うことが困難な二人の超高速戦闘は、惜しくもラビットバニーに旗が上がってしまった。フロストは鳩尾に重い蹴りを受け、システム・フラワーズのラビットバニー支配下エリア外へと飛ばされてしまうのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

小烏・安芸
「お、今度の幹部さんはえらいかわええ子なんやな」って、まずは挨拶、軽いノリを見せとくんが布石や。

とはいえウチもお仕事やし……って前置きしつつ、眼鏡外すんに合わせて声色変えて、恐怖を与えるようなドスの効いた声と真剣な表情でカッコええところ見せたろ。「加減はせんで」ってな。ギャップでエモさ追加っつー寸法や。

でもバリア解いてからが肝心や。相手は超スピードと反応速度がウリやから、対応できん状況に追い込んだる。
造れる短刀の複製は32本。そのうちの8本を前後左右から2本ずつ、あえて防がせたところで時間差で足首狙いで地面スレスレから4本。飛んで躱すか体勢を崩すかしたとこに残りを四方八方から突っ込ませたる。



「お、今度の幹部さんはえらいかわええ子なんやな」
 そのような軽口を叩きながら【小烏・安芸】は戦場に姿を現した。ラビットバニーは本当のことを言ってもおだてにならないよと軽く挑発、同時に自分の容姿に自信があることをアピールした。そのことに少しフッと笑いながら小烏は自分の眼鏡に手をかける。
「とはいえウチもお仕事やし……」
 すっと外される眼鏡、併せて放たれる殺気。眼鏡の下の鋭い眼光が露わになり、ラビットバニーを確実に捉えた。
「加減はせんで」
 すると突如ガラスが割れるような音。ラビットバニーの絶対無敵バリアが破壊される音だった。なぜ?そのことに疑問を覚えた小烏だったが、その答えをラビットバニーが話した。
「眼鏡をかけた丸い柔らかな物腰の人が、本気を出すとき眼鏡外して性格豹変は使い古されたもの。だけどそれは逆に言えば王道!今では割と新鮮に感じる!エモーい!エモーションうーさぎ!!」
 相変わらずチョロいのかチョロくないのかよく分からない線引きを持つラビットバニー。だが奴が重傷を負っているのは間違いない。今も奴の脇腹から出血は続いているし、表情が仮に伺えるなら失血によって顔面が蒼白になっているはずだ。膝をついてしまったことからそれは明白、ならばここでとどめを刺すことも可能なはず。
 小烏は勝負に出た。超高速であっという間に自分の懐に飛び込んでくるラビットバニーに対してユーベルコード【錬成カミヤドリ】を発動。左右正背面から複製した本体こと短刀を二本ずつ強襲させる。これだけならいくら瀕死といえラビットバニーでも苦もなく捌くことができる。しかし本番はここからだ。
「時間差!?」
 遅れてさらに四本、地面に接するか否かのきわどい低空飛行で短刀がラビットバニーの足首を襲う。普段なら余裕を持って飛び上がり回避できただろう。しかし重度の出血と自分の使用しているユーベルコードの代償により減った寿命では、もはや跳ぶだけの力は残されていなかった。四本全てが足首に突き刺さり、その痛みで体勢が小烏めがけて崩れる。その時を小烏は待っていた。
 残りの配置した20本が一切の慈悲もなくラビットバニーに雨のように降り注いだ。ハリネズミ、そんな言葉が似合うような状態になったラビットバニー。終わりを告げるように小烏が自身の本体を逆手に持ち、ラビットバニーの心臓へと突き立てつぶやいた。
「これで詰み(チェック)やで」
 引き抜き吹き出す赤の液体、仰向けに倒れながら消滅していくラビットバニー。その最後の言葉は相変わらずこうだった。
「その台詞、エッモいわぁ……」

 決着、システム・フラワーズを占拠していたラビットバニー消滅によって、花の道は正しい形へと戻っていく。しかしこれで終わりではない。また他の区画でラビットバニーは蘇るだろう。復活できないほど徹底的に倒してようやく猟兵たちの勝利といえるのだ。そのためにもここで止まって満足している場合ではない。戦争はもうじき終盤に差し掛かる。駆け抜けろ猟兵、未来を掴むため!       【To Be Continue】

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月17日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト