「グフフフフ……さすがは不比虎(ふひとら)様が授けてくださった魔神(ましん)兵器よ……」
オブリビオンに与する野心深き悪質大名、女ヶ沢・郎保座衛門(めかざわ・ろぼざえもん)は庭園に整然と並んだ武士の集団を見渡しながら、笑う。
「フェ、フェッヘヘヘヘ……そうでしょう、そうでしょうとも……我々那智衆(なちしゅう)の科学力は日の本一でございますからな……フェッヘヘヘ……!」
郎保座衛門の側に侍る白い羽織の男は、松戸・才園斎(まつど・さいえんさい)である。独学でからくりを学び、しかしてあまりの奇才が過ぎてお江戸の学界より追放された経歴をもつ男であった。
「皆の者!我らはこれより修羅に入る!神に逢うては神を斬り、鬼に逢うては鬼を斬れィ!まずは交通の要衝、箱根の関所を預かる小田原の城を攻め落とし、江戸への侵攻の足掛かりにするのだ!」
「「「拝累(はいる
)!!」」」
武士たちは直立不動の姿勢で右腕を高く掲げる。これはかつて選民主義思想を掲げ戦乱の時代に多くの人々に害をなした邪悪な一門、那智衆(なちしゅう)に連なる者たちに伝わる敬服と従属を示すポーズなのである。
武士たちは号令とともに整然と行進を開始する。そして、これより始まるのは地獄だ。
「仕事の時間だ、お前たち」
グリモア猟兵、イリス・シキモリ(f13325)は告げる。
「これからお前たちにはサムライエンパイアのオダワラに出向いてもらう」
小田原とは、江戸の西方に位置する地域である。入り鉄砲に出女。箱根の関所を預かる大名の領地としても知られる、お江戸の治安維持を支える場所だ。
「敵が攻めてくるのだ。女ヶ沢・郎保座衛門(めかざわ・ろぼざえもん)という大名が野心に駆られ、オブリビオンに与している。文字通りの軍団が相手だぞ」
しかし、と言添えながらイリスは指を振る。
「だが、お前たちには戦いの前にやるべきことがある。籠城の準備だ。情報を察知した藩主が城下の人々を城に避難させ、迎撃の準備を進めている。敵が到着するまでは1日ほど猶予があるからな。資材の搬入や、物品の確認など。仕事は山ほどあるだろう。手伝ってやってくれ。自在符があるからお前たちの身分は保証されている。断られることもあるまい」
というわけで、ひと通り説明を終えたイリスがホワイトボードに作戦の概要を書き入れる。
一つ。籠城の準備を手伝う。
二つ。敵が到着次第、迎撃する。以上だ。
「噂によれば、郎保座衛門はオブリビオンによって非常に強大な戦力を確保しているらしい。激しい戦いになるだろう。油断せず、しっかりと戦い抜いてくれ」
最後まで言葉を伝えきると、イリスはグリモアを輝かせるのであった。
無限宇宙人 カノー星人
ごきげんよう、イェーガー。お世話になっております。カノー星人です。
戦争?知らない言葉ですね。我々カノー星人はいつも通り地球侵略を進めさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『籠城戦の準備』
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POW : 落石用の石や弓矢などの武器になりそうな物を体力が尽きるまで城に運び込む。
SPD : 煮え湯や煮え油の罠を作ったり、馬防柵などを作成する。
WIZ : 籠城人数や籠城日数を計算し食料や飲み水の調達を指示する。
👑11
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神羅・アマミ
なんと!東西に広く悪名を轟かせた、かの不比虎絡みの事件とあっては妾も看過はできぬ!
奴らの企み、必ずや阻止してくれようぞ!
籠城戦とあらば高所からの射撃は必須。
胸に去来するはかつての師の教え。
櫓…そう、櫓をこさえるんじゃよ!
ジャングルジム状の奴をな!
こいつを背にすれば鎖鎌や鎖分銅相手には無敵!(超限定用途)
しかもいざという時に棒を組み替えてピラミッド状にすると、中に入れば腐った桃は元通りに、カミソリは再び切れ味を戻し、超人が浴びたら一瞬で骨になるようなビームを食らっても毒素が身体から抜け出ると言われておる!
そんなわけでコード『特機』を用い、近隣の竹林を片っ端から伐採しデスマッチリングを製作じゃあ!
荒・烏鵠
@WIZ
ちわーっす!お手伝いに参りましたァ!
籠城戦における一番の問題、それが食料!
マ、いうて今回はそんな長くこもる事にゃァならンだろーが……とりあえずワンコたちに防壁の隙間とかないか探して貰っとこうか。
その間にオレは人数カウントして食べモンの量計算して、あと井戸の調子でも確かめておくかァ。毒とか入れられてたり流れてきたりしてたらどーしょーもねーし。
あーとーはー……シナトに頼んで汗かいてる人とかにそよ風吹かして貰いましょーか。おつかれー!
「敵は那智衆(なちしゅう)に与する悪質大名じゃと言っておったな……」
神羅・アマミ(f00889)は石垣の上から城下に広がる景色を眺めつつ腕組みし、思案げな表情を浮かべる。
「那智衆ということは東西に広く悪名を轟かせた、かの不比虎(ふひとら)絡みの事件じゃな。そうとあっては妾も看過はできぬ!」
安戸留不比虎(あどるのふひとら)とは、かつて戦国時代に那智衆(なちしゅう)と名乗る邪悪な集団を率いて多くの人々を脅かした過去の大名である。その残党やオブリビオンの那智衆は今もまだ密かに活動を続けており、未だに幕府転覆を目論み続けている。特に根尾国に蔓延った根尾那智(ねおなち)は有名だ。
話を戻そう。
「アマミの姉御ー」
「ばうばう」
「おーう」
狗神たちを引き連れた荒・烏鵠(f14500)が眼下からアマミを呼ぶ。手元には帳面と筆。彼は石垣などの防壁の強度や必要な物資の確認などを行なっていた。
とん、と足元の石垣を蹴り、アマミは猫のように巧みな体捌きで烏鵠の目の前に着地。
「そっちの首尾はどうじゃ?」
「今計算中。マ、いうて今回はそんな長くこもる事にゃァならンだろーが……」
「うむ。しかし油断はできぬぞー。できる準備はしっかりせねばな」
アマミは視線を遠くに向けた。その先には竹林が見える。
(しゅごるのじゃ……)(ジジイ!!)
アマミの胸にかつての師の教えが思い起こされた。彼女は「環境利用護身術」……即ち周囲の環境を利用した実戦的な流派の武術を嗜んだことがあるのだ。
「妾は櫓をこさえる」
「櫓?」
「うむ。籠城戦とあらば高所からの射撃は必須じゃろ?」
「なるほど。有利な状況を自分で作っとこうってこと」
「うむ。こう、ジャングルジムみたいなやつを」
「えっ」
ジャングルジム。それはUDCアースなどの世界において主に子どもたちがあそぶ公園などに設置される遊具である。格子状に組み上げられた箱のようなかたちをしているアレだ。
「なんでジャングルジム」
「なんじゃ。知らんのかジャングルジムのすごさを」
このジャングルジムを背に戦えば、鎖鎌や鎖分銅。はたまた鞭や触手といった長くて絡まるものを用いる相手には無敵なのだ。しかも棒状のものでできているため組み換え可能。これによって四角錐状のかたちにすることでピラミッドパワーが溢れ中に入れば腐った桃は元通りに、カミソリは再び切れ味を戻し、超人が浴びたら一瞬で骨になるようなビームを食らっても毒素が身体から抜け出ると言われておる!
「えっ姉御後半ジャングルジム関係なくね?」
「いーんじゃ!!」
思わずツッコミを入れてしまった烏鵠の額をアマミがぴしゃりと叩く。そして彼女は意気揚々と資材調達のために竹林へと向かってゆくのであった。
「……アハハ。姉御らしいナー」
半目になりながら烏鵠は呟き、そのまま歩き始める。食糧の量の計算。飲み水の状態確認。忍び込んだ斥候か何かに井戸に毒など入れられてはたまったものではない。やることは山積みだ。
「おっと」
視線を巡らせた先で烏鵠は防壁の増築を急ぐ人足たちの姿を見つける。時節は夏に足を踏み入れ始めた皐月の半ば過ぎ。陽射しの暑さも厳しくなり始める頃合いだ。
「シナト。よろしく頼むワ」
「きゅい」
烏鵠のそばで子狐の姿をした風精が鳴く。ひゅうとさやかに音がして、涼やかな初夏の風が人々の熱を鎮めに四方八方流れていった。
「おつかれさーん、と! んじゃ、こっちも続きといきますか」
帳面を手に、烏鵠の仕事は続く。戦乱の気配などまるで嘘のように、気が早い蝉の鳴く音が小田原の城に届いていた。
成功
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コミュニ・セラフ
ふーむ。籠城戦の準備ですかに。
私の得意とするは 力仕事 ですに。ふん、女性らしくないやもしれないがに。
致し方なし。籠城戦に必要なのは石や岩をにより、弾幕で阻止することかもしれぬに。というわけで、荷台か何かあるのであればそこに石を詰めていきますに。使わない破損した瓦とかも武器になるかもしれぬに。それと木材もあればそれも上に持っていきたいに。誰か手伝ってくれるといいに。角材なら幅広で当てやすいかもしれぬに。(重いのが難点ですがに。)
ふぅ、とかく運んでいきますに。早く温泉か何かあれば入りたいに・・・。
エダ・サルファー
小田原狙うって、結構ガチなやつだよねぇ。
サムライエンパイアはちょいちょいお国の危機が起きてる気がするわ。
まあ、それを本当の危機にしないために、猟兵が頑張るわけなんだけど。
籠城の準備で手伝えることとなると、やっぱり資材搬入の手伝いかな?
力と体力には自信があるし、それこそ馬車馬のように働こうじゃないの。
後は突然の避難で不安になってるであろう一般民衆の人たちに、心を落ち着ける説話でもしようかしらん?そう、聖職者らしくな!
まあうちの宗教を広めようってんじゃないので、現地に合わせたお話にするけど。
この「何でも力で解決する昔話シリーズ」なら様々な示唆に富んでいて、老若男女問わずにためになること間違い無し!
「ふーむ。籠城戦の準備ですかに」
コミュニ・セラフ(f12530)は小田原城下の倉庫の前で呟いた。
「だね。悪い連中が攻めてくるんだって」
時を同じくして訪れたエダ・サルファー(f05398)が頷く。
「適材適所でいこう。こういうの、得意なことやるのが一番効率的だよ」
「私の得意とするは力仕事ですに。ふん、女性らしくないやもしれないがに」
ちょっと微妙な顔をするコミュニ29歳の乙女心。パワータイプの自覚はあるが、女性としては力仕事が得意というのもなんだか恥ずかしい気がする。
「まあまあ。私も得意は力仕事さ。力と体力には自信があるし、それこそ馬車馬のように働こうじゃないの」
一方エダはそのように言いながらさっそく荷車を準備している。「致し方なし」。短くコミュニは呟いてから倉庫の扉を開いた。
「石や岩なんかがあれば、登ってくるやつらに浴びせて阻止できるかもしれぬに」
「お、兵法にくわしいねえ」
「ふふ。それほどでもないに」
コミュニとエダは協力しながら荷車に武器になりそうな石材や割れた瓦、木材などを手際よく積み込んでゆく。
準備したのは荷車数台分。現地の人足たちにも声をかけ、城への搬入を開始した。
「小田原狙うって、結構ガチなやつだよねぇ」
道すがら、エダは呟いた。
「このあたり……オダワラはたしか、関所の管理をしてる城だったに」
「それに、江戸にもけっこう近い」
「重要拠点ってことだに」
サムライエンパイアはちょいちょいお国の危機が起きてる気がするわ。半ば呆れたようにエダは呟き、コミュニもそれに頷いた。
「まあ、それを本当の危機にしないために、猟兵が頑張るわけなんだけど……おっと、ごめんちょっと止めて」
「どうしたに?」
城内へ入ったところで、2人は足を止める。エダが視線を向けた先では、城の庭先でうずくまり恐怖に震える人々の姿があった。
「なんでこの泰平の世に戦なんか……」
「かあちゃん、おいらこええよ……」
「……」
エダとコミュニは、人々へと近づいてゆく。エダは彼らの前に立つと、つとめて明るく笑顔を見せた。
エダ・サルファーは聖職者である。普段はどちらかといえば武芸者としての性質が強いが、彼女の根底には聖職者としての信念が根付いている。
「安心しなよ。悪い奴らはみーんな私たちがやっつけるからね!」
「うん。私も全力を尽くしますに。すぐにもとの生活に戻れますに」
「……」
人々の視線が2人に集中する。
「それじゃあ、みんなの気分が軽くなるように……なにかおはなしでもしようかね」
「おはなし?」
「そう。たのしいお話だよ。それじゃあ、始めようか。むかしむかし、あるところに……」
「『むうううううん……はぁーっ』ジャックはぜんしんに氣をたぎらせ、きょじんにたちむかいます。きたえぬかれたくっきょうなにくたいは、きょじんとのたいかくさをものともしません。たんでんでねりあげた氣をこぶしにこめ、ジャックはきょじんにうちこみました。『ば、ばかな このおれが』ジャックのもうこうにたえきれず、きょじんのからだはくずれおちばくはつしました。こうしてジャックは、きょじんのしろからたくさんのたからものをもってかえり、しあわせにくらしたということです」
「し、知らないおはなしだったに……」
「でもおもしろかったね!」
「そっか、きたえぬかれたくっきょうなにくたいがあれば大きな困難にもたちむかえるんだ!」
「うんうん」
エダは『何でも力で解決する昔話シリーズ』、ジャックと豆の木の話を語り終え、人々の顔に束の間戻った笑顔を見て満足する。
「な、なんだか疲れた気がするに……」
一方コミュニはなんだかどっと疲れたような気分になりながら荷車を引く作業にもどる。
「まーまー。もうちょっと頑張ろう。小田原って温泉有名らしいから、終わったらさっぱりしにいこうじゃないか」
「それは最高にー……。はやく温泉入りたいに」
温泉の二文字に希望を見出したコミュニはモチベーションをだいぶ回復。えいや、と荷車を引く手に力をこめて。彼女たちの仕事は続く。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
虎熊・月霞
まーた那智衆が悪さしてるみたいだねぇ、面倒臭いなぁ。
まぁ向こうに付いたって事は、郎保座衛門って人も謀反自体は頭にあったのかもだけどねぇ。
【POW】
籠城、つまりは引きこもりって事だねぇ。武器とか消耗品も必要だけどぉ、やっぱり兵糧――ご飯は必須だよねぇ。あと良く寝れるように寝具も運び込まないと。残りは……暇つぶし用の遊具?
いや、食料は当然として睡眠は必要だよぉ?城攻めの中で相手を眠らせず消耗を強いる方法もあるくらいだしぃ。対策として薬で無理くり眠る事もあるらしいしぃ。遊具は――趣味かな!
そんなこんなで荷物が増えちゃうけど、羅刹の【怪力】で運搬するよぉ。
……でも燃費悪いしぃ、運び終わったら寝てよ。
「まーた那智衆が悪さしてるみたいだねぇ、面倒臭いなぁ」
虎熊・月霞(f00285)は眉根にわずかばかりしわを寄せた。前に彼女が会った連中はたしか忍者軍団だったはずだ。今回は魔神(ましん)なのだという。バリエーションゆたかだねえ。月霞はなかば呆れながら小田原城の門をくぐる。
「まぁ向こうに付いたって事は、郎保座衛門って人も謀反自体は頭にあったのかもだけどねぇ」
事情はどうあれ、無辜の人々を害すのであれば捨て置くわけにはいかない。何よりオブリビオンたちは怠惰と昼寝の敵だ。縁側でするうたた寝のひとときを守るため、彼女はゆく。
「はいはい。手伝うよぉ」
城下町の備蓄倉庫に向かった月霞は、人足たちに混じって物資の運搬を行なっていた。
「おお、助かります……。猟兵の方が手を貸してくださるなら百人力ですな!」
「ではまずこちらの……」
「うんうん。やっぱり兵糧――ご飯は必須だよねぇ」
月霞はひょいと米俵を持ち上げて、荷車に積む。女だてらになんという怪力。人足たちが賞賛する。
「あとはよく寝れるように寝具も運び込まないと」
「ははあ、寝具にございますか」
「しかし戦でございますぞ。そんなときに寝具など……」
「いや、食料は当然として睡眠は必要だよぉ?」
一部の男たちからあがった声に月霞は緩やかに反論する。
「城攻めの中で相手を眠らせず消耗を強いる方法もあるくらいだしぃ。対策として薬で無理くり眠る事もあるらしいしぃ」
「なるほど……たしかに疲れはよき仕事の敵といいますな」
「ハハハ、オメーもよく仕事場で居眠りしてるもんなァ!」「なんだとォ」「やるかァ」
「はいはいそこまでだよぉ。じゃあそっちはお願いねぇ」
月霞は人足たちに米俵と布団の乗った荷車を預け、次の荷車に取り掛かる。
「暇つぶし用の遊具も……」
「遊具……?」
「いや、わかりましたぞ。戦場は殺気立っております。息抜きがなければ疲れも倍増してしまいますからな」
「なるほど、たしかに足軽連中も花札が好きであったなあ」
「いやまこと慧眼!」
なるほど理解した。月霞は戦に取り組む皆の疲労を抑えて常に万全を期そうという戦略なのだ。男たちもこれには恐れ入り、口々に彼女を賞賛する。
「いや――趣味かな!」
そしてずっこけた。
そんなこんなで月霞は男たちとともに荷物の運搬を捗らせる。
寝具や遊具の類は月霞自身が言い出したこともあり、彼女はたいへんよく働いた。
「じゃ、僕燃費がわるいからぁ」
一仕事終えた彼女は人足たちに別れを告げ、あてがわれた女性用の休憩室にもぐりこむ。横になって5秒。彼女は既に寝息をたてていた。
「戦いにそなえて充電しないとねぇ……」
束の間の休息を、彼女は味わうのであった
成功
🔵🔵🔴
レパル・リオン
悪の大名・郎保座衛門!
謎のからくり学者・才園斎!
迫り来る那智衆の魔神兵器!
くぅ〜…フキンシンかもだけど、ヒーローの出番って感じであたしワクワクするわ!
さてと、あたしは作戦とかグンリャクとかわかんないし、力仕事とか、他の猟兵のみんなや詳しい人の手伝いをするわ!
とにかく人手が足りないのね!だったら、【分身】!
……えーと、あたし(本体)も含めて112人かあ…やだ…あたしのユーベルコード、強すぎ…!?
せっかくだから、あたし(本体)はヒーローらしい歌とダンスで人々を元気づけるわ!たまにはスカイダンサーらしい事やらないとね!
歌詞?あー…即興で!
たまたまアマミちゃん達もいるし、歌詞に盛り込んでいきたいわね!
「さてと」
レパル・リオン(f15574)はワクワクしていた。
なんてったって今回の件はシチュエーションがヤバい。悪の大名・郎保座衛門(ろぼざえもん)! 謎のからくり学者・松戸才園斎(まつどさいえんさい)! そして迫り来る那智衆(なちしゅう)の魔神(ましん)兵器軍団!
「くぅ~……フキンシンかもだけど、ヒーローの出番って感じ!」
レパルが見渡した城内では、戦いに向けた籠城の準備も既に佳境に入りつつあった。完了まであと少しといったところだろう。だが、作業を行う人々の顔には疲れが見えている。日が暮れるまでに作業は終わるだろうかといったところだ。
「うんうん、人手が足りないのね!」
見かねたレパルはぱっと飛び出し、「手伝うわ!」と人々に声をかける。
「おいおい、いくら猟兵だからってお嬢ちゃんみたいな……」
「ふふん。小さく見える? でも違うわよ。山椒は小粒でもぴりりと辛い!」
レパルは胸を張りながらまほうのちからを解放した。ぽぽぽん! ポップコーンが弾けるような軽快な音と共に、彼女のユーベルコードが起動する。【分身】だ!
「うわっ」
「ブンシン!?ニンジャ!?ナンデ!?」
「「「やだ……あたしのユーベルコード、強すぎ
……!?」」」」
そこにずらり並んだのは総勢112人のレパル分身体である。急に出てきたレパル軍団に人足たちは困惑するが、元気なレパルたちはえいえいおー、と声を上げて残る荷運びのお手伝いに入る。これだけの手があれば、残りの作業を終わらせるにはじゅうぶんだ。かくして、小田原の人々と猟兵たちによる籠城戦の準備は完遂を迎える。
「それじゃあ、いくよー!」
一仕事終えたレパルは城の中庭に舞台を立てて、マイクを握る。
彼女は戦いに備える人々を鼓舞しようと、景気付けのために一発歌とダンスを披露しているのだ。持ち込んだ音響機材が軽快なミュージックを奏で始めた。
♩小田原城籠城戦のテーマ(作詞 無限宇宙人 カノー星人)
ダンダダン ダダン ダンダダン ダダン
いま あつくとうしをもやぜ(ダンダダン)
さがみのくにに まのてがのびる(ダンダダン)
ダンダダン ダダン ダダンダン
せまる あくまの ろぼざえもん
たたかえ ぼくらの いぇーがー
ゆーべるこーどを ぶちかませ
バンバンバン
オーオーオー サティスファクション いぇーがー
オーオーオー すごいアクション いぇーがー
(※プレイングでは歌詞の内容について一部指定がありましたが、筆者のイメージ力の不足により内容に盛り込むことができませんでした。ご容赦ください)
即興で繰り出した歌詞であったが、戦いに備える城の兵士たちや避難してきた人々にはたいそうにウケた。「もーいっかい!」のコールにこたえレパルは再演。こうして音楽に勇気付けられた小田原の人々は熱く闘志を燃やし、明日の戦いへと万全の態勢を整える!
そして明朝。
遂に戦いの火蓋は切って落とされた!
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『魔神兵鬼『シュラ』』
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POW : 剣刃一閃・奪命
【近接斬撃武器】が命中した対象を切断する。
SPD : 剣刃一矢・報復
敵を【近接斬撃武器による突き】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ : 剣刃一弾・止水
対象のユーベルコードに対し【近接斬撃武器による弾き】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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ざっ、ざっ、ざっ。
のぼる朝日と共に、大地を踏みにじるように“やつら”はやってくる。
「拝累(はいる)!」
「拝累(はいる)!」
「拝累(はいる)!」
「フェヘヘヘヘヘ! フェヘ、フェヘヘヘヘ!」
小田原の城下町を我が物顔で練り歩き、城を目指すのは悪質大名女ヶ沢・郎保座衛門配下の魔神兵鬼軍団だ! そしてその陣頭指揮を執る者こそ、狂気の科学者松戸・才園斎である!
「町はもぬけのから……フェヘヘ……なるほど、城の方に引き揚げさせたと見えるわい」
才園斎は薄気味悪い笑みを浮かべながら城の方へと視線をやる。そして、静かに腕を振り上げると魔神(ましん)兵団へ号令をかけた。
「さあ、ゆくのじゃ魔神たちよ!手段は問わぬ!城門を破れ!石垣を登れ!城に攻め入って中の人間たちを皆殺しにするのじゃ!」
「拝累!」
「拝累!」
「拝累!」
――こうして、オブリビオンたちによる攻城戦は始まった!
百鬼・甚九郎
うむ。
儂の右腕はこう、二の腕のあたりからイバラみたいになっとんじゃーけども。
これ伸びるんじゃよ。あと縮む。
つまり振り回せる。そう、【羅刹旋風】ならね。
城壁の上に登りーの。立ちーの。右腕をぶん回しながら伸ばしーの。
登ってくるまっすぃーんでモグラ叩きじゃー。いえー!
レパル・リオン
心情◆現れたわね、サムライ怪人!
コイツらに負ける事なんてないと思うけど、油断は禁物よ!
戦闘◆せっかくお城があるなら、有効活用しないとね!
まずは【分身】!石垣の上にズラッとならんで、一斉に怪人軍団に向かって石を【投擲】するわ!
小さな石を投げまくったり、大きな岩や余った木材を投げまくるわ!
この後もボス怪人との戦いがあるんだから、怪人が減ってきたら【ガチキマイラ】で首に噛み付いて、体力回復しておきたいわね〜
荒・烏鵠
@WIZ
待ってたぜ那智衆!オマエらをよォ!合法的に好き放題出来る相手ッて大好き!
というワケで【牛ノ淵】!お城の回りにゃァ何がある?イエス、お堀だ!大量の水だ!
コイツを奥方に操ってもらいましてー沸騰させてーぶっかける!
機械は水に弱いッてお釈迦様も言ってた!水がなくなったら旦那に追加してもらえばオッケー!
オーラオラ悪党は釜ゆでの刑だぜェーッ!!ヒャッハー!!
コミュニ・セラフ
来たに、相当数の兵士が。
なら、さっき準備してきた岩や木材が使えそうですに。
よーし、皆でこの城を護るのですに、まずはロープか何かで無理やり登って来そうな敵兵を岩を顔面にあてて落としてやりますに。
とと、力が無い人は瓦を使って当ててやるに!そうして時間を稼いでいる間にロープを切るのですに!
っと、誰かこの木材の端を持って欲しいですに。ふ~ん!丸ごと落ちてしまえに!
それでも登ってくる敵兵がいるなら、私が相手しますに。迅速に下にお帰りいただくに。敵が刀を振るより早く相手の懐に踏み込み2回攻撃で灰燼拳をお見舞いしてやるに、くらうに!
ふぅ、ここの時間稼ぎは任せるに。さぁ、次の準備を!
「フェーッヘヘヘヘ!ゆけェい!」
「拝累!」
「拝累!」
「拝累!」
才園斎の号令に従い、魔神(ましん)オブリビオン軍団は小田原城へと押し寄せる!
「一番隊は正面から城門を攻めよ!フェヘヘヘ!!二番隊・三番隊は側面から回り込み、城壁を登って侵入するのじゃ!」
「拝累!」
魔神兵軍団は攻城戦用の長梯子を持ち出し、堀を渡すようにかける!
「待ってたぜ那智衆!」
小田原城、城壁。その上に荒・烏鵠(f14500)は立ち、石垣へと取り付いたオブリビオン軍団を見下ろす!
「現れたわね、サムライ怪人!」
「よーし、皆でこの城を護るのですに」
「「「おおっ
!!」」」
レパル・リオン(f15574)とコミュニ・セラフ(f12530)はずらり並んだ城の兵士たちや義勇兵たちとともに敵の侵攻を待ち構えていた。コミュニが呼びかけると、小田原城の人々は一斉に鬨の声をあげる。
「カ!カ!フェヘヘヘヘヘ!戦の素人どもなどいくら揃えても無駄じゃわい!」
「拝累!」
オブリビオン軍団は鉤縄を投げつけ足がかりをつくり、城壁を登り始めた!まるで機械のように精密でかつ素早い動作でオブリビオンたちは城内へ迫る。
「んじゃ、始めるとしますかァ!」
まず先手を打ったのは烏鵠である!彼は早速ユーベルコードを起動。【十三術式:牛ノ淵】!
「暝神に帰依し奉る。浮石を踏みて木葉を沈め、辿りて来たれ老椿……!」
『フフ』
『おおおおおおおおん』
それは水を操る妖を呼ぶ術式である。烏鵠の声に応えた濡女と牛鬼の二体の怪異が石垣から見下ろす!
「ひいいい妖怪変化!」
「お、おのれ妖!!」
恐れおののく城内の人々!
「あー違います違います!!味方!ね、旦那!奥方!」
烏鵠は慌てて弁明!濡女は牛鬼を椅子がわりに腰掛けながら、面白がるように笑ってみせた。
『“あれら”をやればよろしおす?』
『おおおん』
「はいはい。あんじょうよろしゅう!」
人々の誤解を解いた烏鵠は二体の怪異へと号令!牛鬼と濡女は堀に蓄えられた水をたちまち操り、鉄砲水と化した水圧を石垣に取り付いたオブリビオンたちへ叩きつける!
「グアーッ圧死!!」
「グアーッ漏電!!」
「よし、効果覿面!機械は水に弱いッてお釈迦様も言ってたからな!」
『おおおん』
「で、そっちの守備は?」
ここで烏鵠はレパルとコミュニへ水を向ける。二人と城の人々は既に準備万端だ。戦意も高く、何人かは既に石を抱えている。
「準備してた岩や木材が使えそうですに」
「オッケー!あたしも頑張るわ!」
ぽぽぽん! 軽快な音と共に、彼女のユーベルコードが起動する。【分身】!まさに一人でも百人力である。総勢一一二名に数を増やしたレパル分身体は、対攻城戦用の兵器を素早く運搬!
「よーし、それじゃあいきますに!えいやっ!」
そしてコミュニはレパル分身体から受け取った岩を持ち上げ、城壁を登り来るオブリビオン兵鬼の頭部めがけて投擲!落下する位置エネルギー×投げ放つ運動エネルギー×岩の質量が織り成す、シンプルながら非常に殺傷力の高い一撃だ!
「グアーッ顔面!!」
「グアーッ側頭部!!」
ガァンッ!鈍い音をたてて命中!頭部に致命的な損傷を受けたオブリビオンは悲鳴をあげながら堀へと落下し大きな水柱をあげた!
「きいてるよ!」
「じゃあみんな、いっしょに!」
「「おおっ!」」
ここで更に城の人々が猟兵たちに加勢する。レパル分身体と共に岩を持ち上げた人足たちは次々にオブリビオンたちへと浴びせかけていく!
「っと、誰かこの木材の端を持って欲しいですに」
「わかった、オレが手伝うぜ」
そしてコミュニはでっかい木材を担ぎ上げる。でかくて重い。さすがに一人では持ちきれないところを烏鵠が手伝って、石垣から放り投げた!
「グアーッ丸太!!」
「グアーッ即死!!」
「てめェ!クソ人間!!」
巨大な質量に叩きのめされた魔神オブリビオン軍団は悲鳴をあげながら数を減らしてゆく!
「生意気な……!」
だが、敵の数は恐ろしく多い。猟兵たちの猛攻はたしかにかなりの数を減らしたが、それでも石垣を登り切らんとする者たちがいるのだ!
「うむ」
そこで堂々と前に出たのは百鬼・甚九郎(f17079)である!
「よーし、ゆくぞぉ」
甚九郎は右腕を解く。彼の腕は茨めいて異形化したUDV由来のそれである。伸縮自在でありながら強力なパワーを持ち合わせており、対オブリビオン戦闘でも非常に有効だ。甚九郎は腕を掲げて、びゅん、と振り下ろす!
「グアーッ棘!!」
「グアーッ裂傷!!」
鉄すら叩き割る鞭めいた茨の腕がモグラ叩きのようにオブリビオンを打ち据える!直撃を受けたオブリビオンはたちまち頭部装甲を破損させ落下!着水!
「わははモグラ叩きじゃー。いえー!」
甚九郎は次から次へとオブリビオンたちを叩き落とす!
「到達……」
しかし、それでもまだしぶとくも生き残ったオブリビオンが数体。とうとう石垣を登り切り、城の敷地内へと到達する!
「これより、襲撃を……」
「そうはいかないに。迅速に下にお帰りいただくに!」
コミュニはそれに素早く対応!石垣を蹴って飛ぶように駆け抜けたちまち敵へと肉迫。握り込んだ拳に熱を宿し、至近から叩きつける!【灰塵拳】!
「くらうに!」
追撃の二段構え!
「グアーッ骨格!!」
強烈な連撃を叩き込まれたオブリビオンは悲鳴をあげながら空中へと吹き飛び、爆散しながらその破片を水面に落とす。
「こっちもやるよ!」
更に石垣を登りきったオブリビオンに向かうのはレパルである!腕を獅子の顎へと変異させるガチキマイラを起動!
「グアーッ肋骨!!」
「ええいっ!!」
その牙で噛み砕いたオブリビオンを堀の水面へとレパルは放り投げた!
「そろそろひと波終わりのようじゃぞー」
変わらず石垣の上でマイペースにオブリビオン叩きを継続していた甚九郎は、既に半壊した敵部隊の最後の一人を水底に向けて放り投げながらこの戦場における勝利を告げる。
「なんだ、もう終わりかァ。いやでもちょっと楽しかったな。合法的に好き放題出来る相手ッて大好き!」
烏鵠はひと仕事終えた濡女と牛鬼を帰しながら爽やかに笑う。「さすが猟兵の兄さんは言うことが違うぜ!」「いやァにしてもすげえ妖怪だったな!」城の人々は口々に称賛。
「でも、油断はできないよ!」
「その通りですに。敵はまだ戦う気満々みたいですに」
レパルとコミュニが視線を向けた先では、新たな戦力が今にも投入されようとしていた。第二波の到来である!
「さぁ、次の準備を!」
「「おお!」」
猟兵たちと城の人々は再び鬨の声をあげ、次なる敵を待ち受ける!
戦いは、続く!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
虎熊・月霞
同じ顔がいっぱいだねぇ。……まぁ顔というより面って感じだけどもー。
あれが魔神ってやつなのかなぁ?強さは分からないけど数だけは多そうだなぁ。
僕の対多数のユーベルコードは自分を中心に発動する技だからねぇ、まぁ敵さんのど真ん中に強襲するよねぇ。刀をぐるっと一回り、間合いの敵さん真っ二つーってね。敵隊列を崩しつつ味方との合流を目指して動くよぉ。
それとなーんか、指揮取ってる怪しい人が居るしぃ。でもこっちの情報を敵さんに持っていかれるのもやーな感じだから、まぁうん、瞬殺していこー。ついでに指揮官確保できそうなら捕まえちゃおうかなぁ。深追いはしないけどねぇ。
エダ・サルファー
なんかサムライエンパイアと世界観の違う敵が攻めてきてる……。
那智衆なんでもありかよ……。
さて、小田原城は難攻不落なのは良いんだけど、広いから猟兵だけで全部を守るってのは困難だよね。
敵が戦力を集中させてるなら良いけど、多面作戦を展開されると手が足りないと思うんだよね。
というわけで、打って出る前に、防衛の兵士さんたちに賦活術をかけて回って、戦力の底上げを図っとこう。
まあ全員にかけるのは難しいだろうから、敵が攻めてきたら切り上げて城外へ出るよ。
城外へ出たら敵を手当たり次第殴る蹴るするわけだけど、一応指揮官クラスのやつを優先的にはっ倒しに行くよ!
それと手の足りてなさそうなところも優先して殴りに行くよ!
神羅・アマミ
雑魚がワラワラと湧いてきおったわ!
我が師考案にして直伝(都合のいい後付け設定)・密林櫓の恐ろしさ、その身にしかと刻みつけるがよい!
真の姿へ覚醒し、蜘蛛型ロボのオクタビアスくんと共にカサカサと器用にジャングルジムを動き回る。
敵が素通りしようものなら頂上から唾やら変な物、「不比虎のバーカ!うんこー!」等といった罵声を浴びせ挑発を繰り返すが、そうでなくともコード『出禁』によるアーム・蜘蛛糸・麻痺電撃による嫌がらせをされては決して看過はできまい!
櫓攻略にフォーカスさせれば本丸侵攻への時間稼ぎができるのはもとより、他の猟兵たちとの連携次第では背後からの囲い込みによる挟み撃ちも可能となるはずじゃ!
小田原城、馬出門。
小田原城二の丸へと通じる門の一つである。ここを通してしまえば、城の敷地内は戦場と化し兵士や町の人々など、多くの犠牲が出るだろう。戦の際にも重要な場所であり、強固につくられた見事な構えの門であったが、今、その門前にはオブリビオンの軍団は展開していた。
「ええーいなァにをグズグズしておる!!行け!殺せぇ!」
「拝累!」
「拝累!」
猟兵たちの抵抗に遭い、遅々として進まぬ侵攻に松戸・才園斎は激怒しながら兵鬼たちへと号令をかける。整然と並んだオブリビオン兵たちは城門を破るべく列を成して突進!
「なんかサムライエンパイアと世界観の違う敵が攻めてきてる……」
那智衆なんでもありかよ……。エダ・サルファー(f05398)は眉根にしわを寄せながら迫り来る敵を見下ろした。
「ワハハ!雑魚がワラワラと湧いてきおったわ!」
「同じ顔がいっぱいだねぇ」
エダの隣に立つ神羅・アマミ(f00889)と虎熊・月霞(f00285)もまた戦闘態勢に入る。
「ではゆくぞ!我が師考案にして直伝・密林櫓の恐ろしさ、その身にしかと刻みつけるがよい!」
密林櫓とは、主に竹材を使用して作り上げられた箱のような格子状の櫓である。簡易的な遮蔽物として機能するほか、鞭や鎖鎌といった紐状の武具を絡め取るトラップのようなものとして活用することも可能であり、また格子状の構造を利用することでアクロバティックな挙動による戦闘を可能とする戦術的な仕掛けだ。現代においては運動器具としての効果を見出されジャングルジムという名前で伝わっている。(無限書房「環境利用闘術の歴史」より抜粋)
アマミは次元転送装置を起動し、彼女の持つ真の姿のひとつ蜘蛛型マシンオクタビアスくんと連携する高速戦闘形態となり、城門前の地点へと向けて密林櫓を放り投げダイナミック設置!ほとんど同時にオクタビアスくんが地を蹴り密林櫓へと取り付いた。
「それじゃ、僕たちも行こっかぁ」
「だね。アマミばっかり目立たせないよ!」
ふあ、とあくび混じりに月霞が鯉口を切り、エダが掌に拳をぱし、と打ち付ける。一拍遅れて2人も城門前へと降り立った!
「フェーッヘヘヘヘ!何者かと思えば女子ばかりではないか!フェヘヘヘ!!魔神軍団よ、我々那智衆の恐ろしさをわからせてやるのだ!」
「拝累!」
「拝累!」
魔神兵軍団は才園斎の号令に合わせて突撃する!
「この赫々たる三重奏、果たして貴様に躱しきれるかな!?」
まず彼らと会敵するのはアマミである。彼女は密林櫓の上からちくわや鉄アレイを嫌がらせのようにオブリビオンたちへと投げつける!
「おのれ!」
「メスガキめ……!我々を侮ったことを後悔させてやる!」
「ワハハハハ!そうはいくかバーカ!!おまえらの親玉の不比虎はバカ!!うんこ!!」
「なんだと!!」
「捨以世(シャイセ)!!」
更にアマミが浴びせる罵倒!!オブリビオンたちは怒りを燃やしながらアマミの座す密林櫓へと攻め込む!
「なるほどねぇ、うまく引きつけてくれたよぉ」
そして、アマミめがけてわからせるべく密集したオブリビオン兵士たちのド真ん中に、月霞は飛び込んだ。
「ヌアッ!!」
「き、貴様!何者だ!!」
「さてねぇ」
こういう場で名乗りをあげるのは、彼女の仕儀ではない。あくまでもマイペースに。緩く息を吐きながら月霞は童子切を抜き放つ!
「挨拶だけで悪いけどー……じゃあ、皆様サヨウナラ」
雷鳴去りて月を見よ。放たれた刃は稲妻を纏い、間延びした声とは裏腹に鋭く、そして激しく爆ぜる。秘剣、【鳴神円月】ッ!迸る雷鳴の剣が弧を描く!
「グアーッ電圧!!」
「グアーッ両断!!」
打尽ッ!吠え猛る雷はオブリビオンの群れを飲み込み、眩い光の中で魔神兵軍団の多くが文字通り消し炭と化す!
「一丁上がりー……ってねぇ。さて。あっちの怪しい人も逃すとなーんかやな感じだしぃ、捕まえちゃいたいところだねぇ」
「な、なに……!」
月霞が鋭く視線を向けた先には、狼狽する才園斎!
「それじゃ、ここは私に任せてもらおうかな!」
「まかせたぁ」
そこでエダが飛び出した!数を大きく減らしたオブリビオンたちでは、彼女の進撃を止めることは不可能だ。前に飛び出した魔神兵鬼に向けて放つ必殺の聖拳突き!
「グアーッ鳩尾!!」
爆散する魔神兵鬼の破片を踏み越えながら、エダはまっすぐに走り抜け才園斎へと至近距離からショートパンチを打ち込む!
「いやあッ!!」
「グエーッ!!」
直撃!鍛え抜かれた家伝の格闘術が唸る!腰の入ったエダの見事なパンチを叩き込まれた才園斎はへし折れた入れ歯を吐き出しながら砂利の上を2回バウンドして転がり昏倒!
「お、おお!才園斎様が!」
「いかん、このままでは……!」
「ワハハよそ見するでないわ!己の罪過を省みるがよい!死ねーッッ!!」
「グアーッ緊縛!!」
そして指揮官を失い狼狽するオブリビオン兵たちへと、アマミは容赦なく手枷や拘束ロープを打ち出し捕縛!
こうして、馬出門前での攻防戦は猟兵たちの勝利に終わる。
「……さて、他のところはどうかな」
エダは二の丸へ通ずるもうひとつの門、銅門へと視線を向ける。そこでは兵士たちがオブリビオン相手に奮戦していた。
「おおお――ッ!」
「はァーッ!!」
「おのれ、たかが人間が!」
「我々那智衆の科学力の前に死ぬがいい!」
彼らは槍や刀を振るい、オブリビオン相手に一歩も引かず戦いを繰り広げている!何故ならば、彼らは事前にエダのドワーフ式賦活術の恩恵を受けているのだ。注ぎ込まれたドワーフちからによって活性化した彼らの筋肉は歓喜の声をあげながらオブリビオン相手に互角の戦いを挑んでいる!抜刀!しかし!
「ぐあ……ッ!」
「ハハハハハ!愚かな!」
「いかに力を強くしたからといって我々那智衆に勝てるものか!」
オブリビオンたちは兵士たちとの鍔迫り合いを制しながらせせら笑う。いかにパワーアップを果たしたといえど彼らは一般人であることに違いはない。長くは持たないだろう。
果たして、銅門前の攻防戦は一体どうなってしまうのか――
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヨウ・ツイナ
上には十分戦力がいるようでござるな。では、私は真正面から足止めに叩きにいくとするでござるよ。フォルティス殿、援護をお願いするでござる。
コミュニ殿も後から合流するようでござるな、ここで押し返せると良いでござるが。
さて、氷刀・胡蝶の切れ味を試させていただくでござる。イザ、化け物よ勝負でござる!
近場な敵から、上段とまたは敵の左右から素早く攻撃するでござるよ。
受けきれるでござるかな?
生半可な攻撃は踏み込みながら武器受けしつつ、背後に振り向きながら刀を敵の胴に刺してやるでござる。ふふん、仕返しでござるよ。
突っ込んでくるなら残像を見せつつ回避しながら横に切り、取って返して首元に剣刃一閃を放つでござる。
フォルティス・ワーライン
ふん、ヨウの護衛の為に今回は参戦するぞ。とはいえ、戦いだから少し楽しみにしてたのは否定しないぞ?
少年体系とはいえ甘くみないでくれよ、中身はしっかりとした大人だからな!
護衛は任せろ、この近未来肩撃ち式ガトリングガンとビームキャノンで不意打ちを狙ってくる奴は片っ端から吹き飛ばしてやる。だからヨウ、あまり離れすぎないでくれよ・・・?
ふん!誘爆が怖いところはこのガトリングガンの掃射で一度掃除してやるよ。ヨウに誘爆しないなら遠慮はいらないよな。ビームキャノンで一網打尽にしてやる!弾切れを起こしたら、展開したアームドフォートを使用して、さらに弾が無くなるまで撃ち続けてやるぞ!
コミュニ・セラフ
ふむ、上のところの勢いも一度片付いたところで私も下に降りて正面から撃退しにいくとするに。この武将の野太刀に呪縛砥石を使って、斬れば斬る程体力が回復するようにしますに。ふふん、何かよくわからないがに、そういう理屈があるようですに。(生命力吸収)
下で戦ってるヨウに早く合流しにいくに。
野太刀は徒歩で使いにくいと思うかに?それは間違いですに。この重量と十分な自身の膂力(怪力)があれば、十分脅威的な武器になりますに。十分の踏み込みと移動距離を利用して数体は(なぎ払い)に!多少深く、傷ついたとしても、斬れば傷が治ってしまうに。だからこそ恐れず痛みにも耐えられるに。(激痛耐性)
小田原城。二ノ丸へと通じる門のひとつ、銅門。
その門前では、城の兵士たちがオブリビオン相手に防衛線を敷き、戦いを繰り広げていた。
「死ぬがいい!」
「ぐあ……!」
「弥助ぇ!!」
そしてとうとうオブリビオンの凶刃が兵士の一人を切り裂く!血飛沫をあげながら倒れる兵士へと、オブリビオンはとどめを刺すべく剣を振り上げる。
「させないぞ!!」
ガガガガガガガッ!ビームガトリング砲の駆動音!フォルティス・ワーライン(f18278)だ!彼は城門の上に陣取り、眼下の戦場に展開した那智衆の魔神兵鬼たちへとガトリング砲火を浴びせる!
「今のうちに下がるでござるよ!」
「グアーッ凍傷!!」
ヨウ・ツイナ(f18276)は敵の群れが砲撃に怯んだ隙に戦場へと飛び込み、踏み込みながら抜刀!涼やかな風と共に蝶が舞う。氷刀・胡蝶の一閃がオブリビオンを裂いた。
「すまねぇ、恩に着る!」
兵士たちは負傷者に応急手当を施しながら撤退。そして、2人の猟兵は彼らと城内で待つ町の人々を守るために押し寄せる敵の姿を見据える!
「フォルティス殿、援護をお願いするでござる!」
「任せろ!」
2人は短くやり取りを交わし、戦闘を続行!フォルティスはガトリングとキャノン砲の2つのビーム兵装を構え、敵の群れへと火線を浴びせる!
「おのれぇ、ガキがァ!!」
「子供に見えるからって、甘くみないでくれよ!」
怒号とともにフォルティスへと視線を向けたオブリビオンへと、フォルティスはビームキャノン砲撃を叩きつける!
「グアーッ!」
直撃!オブリビオンは破片をばらばらに撒き散らしながら爆散!
「こう見えて、中身はしっかりとした大人だからな!」
「こちらもゆくでござるよ……イザ、化け物よ勝負でござる!」
「おのれェ!」
「む、ッ!」
がッ!!魔神兵鬼の振りかざした剣がヨウの氷刀と打ち合う。鍔迫り合い!しかしヨウはここで力を抜きながらわざと態勢を崩し、敵の剣筋を受け流す。不意に力のやり場を失ったオブリビオンは戸惑いながらたたらを踏む。そこへヨウはくるりと回るような体捌きで斬閃を見舞う!
「グアーッ!」
一撃。叩き込まれたオブリビオンはすぐさま機能を停止!
「捨以世!」
「おのれ!」
しかし、そこへ更にオブリビオンの群れが迫る!
「むっ、これは少
々……!」
1人切り伏せ2人叩き斬る。だが、それよりも多く敵は押し寄せる。フォルティスがガトリングで援護するも、徐々に敵は勢いを増してゆく!
「ヨウ!一旦下がれ!」
「しかし!ここで退けないでござるよ!」
フォルティスがまた一体撃ち抜いて、ヨウがまた一体切り伏せる。だが、敵の数は未だに多い。他の進入経路絶たれたオブリビオンたちが一縷の望みをかけてここに集結しているのだ!
「おおおおおおおおおおおおおッ!!」
だが、ここで新たな剣が舞い降りるッ!石垣での戦いを制した猟兵の1人、コミュニ・セラフ(f12530)だ!
「コミュニ!」
「待たせたに!」
コミュニは背丈ほどもある大振りの野太刀を両手で構える!ぶおんっ!風切りの音とともにコミュニは刃を向けた。
「増援だと!?」
「馬鹿な!」
新たに参戦した猟兵に怯むオブリビオン。3人はその隙を好機と見て反撃を開始する!
「よし、ここで押し返すでござるよ!」
「よォし、いくぞ!」
「まかせるに!」
フォルティスはエネルギー切れを起こしたビーム兵器を一旦外し、アームドフォートへと換装!範囲を広げながら放火を浴びせる!立ち込める硝煙と土埃!
「グオオ
……!!」
「お、おのれ!」
「そこでござる!」
「捨以世!!」
煙幕めいた煙に紛れ、ヨウの太刀筋が唸る!【剣刃一閃】!
「この重量と……」
更にコミュニが一歩踏み出す!だァんッ!!震脚めいた踏み込みに空気が震えた!
「さ、させるか!」
しかしオブリビオンたちは怯みながらも武具を振り上げコミュニを襲う!取り囲む凶刃が彼女を裂き、花咲くように血の色が散った。しかし、コミュニは一歩も退かない!
「私の膂力があればァ、ッ!!」
「グアーッ両断!!」
「グアーッ即死!!」
ざ、ッ!!振り抜かれる野太刀が唸りをあげ、魔神兵鬼をまとめて叩き斬る!
「十分、脅威的な武器になりますに!」
更に、振り抜いたコミュニの傷は早くも塞がりかけていた。これは彼女の持つ呪縛砥石の力である。多くの妖刀を磨いたそれは“命を吸う”性質を伝染され、そしてこの石で刃を研ぐことによって刻まれた吸魂の力を一時的に剣に染み込ませているのだ。奪った力を自身の生命力へと変えることで、コミュニは傷を癒しながらオブリビオンたちを追撃する!
「そこだァ!」
「終わりでござる!」
「うん!自分たちから戦争なんてしようとする者たちに……容赦はしないに!」
3人の戦いは形勢を逆転し、オブリビオンの群れを押し返すことに成功していた。もはや残存する敵は城の周囲を全体的に見渡してもごく僅かである。
――こうして、オブリビオンたちの攻城戦は終息する。
魔神兵鬼たちはほとんど大破するか機能停止しており、もはや攻め入る戦力は残っていないだろう。猟兵たちの勝利だ。
だが、まだ戦いが全て終わったわけではない。
そう、猟兵たちは間も無く遭遇することになるのだ。この度の戦を企てた悪質大名、女ヶ沢・郎保座衛門の持つ最大の戦力に。
まずは――地響きがする、と思っていただきたい。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『最強無敵究極天魔城』
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POW : 最強無敵究極天魔拳
単純で重い【拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 最強無敵究極天魔忍者隊
【城内から忍者軍団】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 最強無敵究極天魔砲
【両肩の砲身】を向けた対象に、【最強無敵究極天魔砲】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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『グフフフフ……我々那智衆の魔神兵鬼を相手取っての活躍。なかなかあっぱれではないか』
声が、響く。
それは小田原の町を越えた山あいから響き渡る、とんでもない音量だ。否、音だけではない。
山陰から、“なにか”が顔を覗かせる。
それは巨人であった。……木と鉄で作り上げられた、巨大からくり兵器である!!
♩最強無敵・究極天魔城のうた(作詞 無限宇宙人 カノー星人)
江戸前 浮かぶ朝日を浴びて
胸で輝く無敵の二文字
不屈の拳を振り上げて
いざ今向かわん天下取り
身長 弐伍〇尺 体重 伍萬伍千貫
おお最強 最強 最強無敵 究極天魔城
『グハハハハハハ!! 見るがいい、明日の日の本を支配するこの女ヶ沢・郎保座衛門……否!! この儂の! 気高き真なる姿を!!』
ずし、ん。
大地を揺るがし、悪質大名女ヶ沢・郎保座衛門……もとい、その正体であったオブリビオン、最強無敵・究極天魔城が高らかに笑う!
『儂のこの力で貴様らを皆殺しにし、この地を江戸攻めの足がかりとしてくれるわ!!』
ずし、ん。
小田原の町を踏み砕きながら、からくりオブリビオン最強無敵・究極天魔城が迫る! このままでは小田原城が危ない!
猟兵たちよ! 武具を構え、ユーベルコードを起動せよ!
迫り来る巨大な邪悪の魔の手から、サムライエンパイアの平和を守り抜くのだ!!
荒・烏鵠
@WIZ
えーと一尺が大体30cmでー、一貫が3.75kgだからー……背の丈7500mの体重93750kg!!でっっっか!!おっっっも!!誰かロボ呼んできて!!
ひゃー、そりゃ調子もこくし図にも乗るわ。ぱねぇ。
オレはナビやる。小鳥サン呼んであのデカ城ロボの『真実』を教えてもらう。どこがイチバン負担デカいかーとか侵入できそうかートカ。
あとは誰を狙ってるとか、そーゆーの。
そンで、それを古杣とシナトの合わせ技で、声を風に乗せて戦う猟兵全員に伝える。
あとは一般人の相手かね。城の中のヒトらがアレ見て錯乱したりしねーよーに、コミュ力と催眠術で落ち着かせるワ。
城に居ンのは、覚悟決まった武士ばっかじゃねーかンな。
神羅・アマミ
ジャガーマンハッタマンニー
マニンチェローラニーリヴァン
ヴィロージャカヴァーナムーケニー
妾も対抗し何処からともなく流れるエキゾチックな音楽に謎言語の歌を乗せ象と共に登場!
流石に巨城相手ではスケールこそ負けるが、貴様を討ち倒そうという志は山よりも大きいぜー!
そして蟻の一穴や涓滴岩を穿つという言葉が示すように、一点集中攻撃が牙城を崩す鍵ともなろう!
コード『音残』にて文字通り一矢報いて見せる!
狙うべきは拳の打ち下ろし!
弓矢をカウンター気味に迎撃してやれば、奴の大地を砕く一撃と妾の山をも砕く一撃が相乗効果となり地球が爆発するくらいの威力になるかもしれんにゃー。
貴様の拳と妾の矢、どちらが速いかハッケヨイ!
レパル・リオン
「ついに出たわね!お城怪人!」
アイツを倒して、ここの人たちを守らなきゃ!
とはいえ、流石のあたしもアレと殴り合いをしたらミンチになって死ぬわね…!
ここは【転衣召還】!回転と鷹のパワーで戦う『スパイラルホーク』フォームに変身よ!
自在に空を飛びながら、物凄い回転で敵の呼び出す忍者軍団やその攻撃をシャットアウト!
ドリルのような回転突撃でお城怪人の膝を狙ってブチ抜くわ!
(バックで『くろがねの乱のテーマ』が流れる)
抉りまくって穴ボコにしてやったら、お城怪人はアイツ自身の重さでぶっ倒れるハズよ!
トドメっ!『鷹爪・神風脚(ホークドリル・カミカゼキック)』!(回転しながらの急降下キックを食らわせる必殺技)
アレクシア・アークライト
応援に来たわ。
それにしても凄いデカブツが出てきたわね……って、ちょっと待って。
私達はとんでもない考え違いをしていたのかもしれないわ。
これを見てちょうだい。
250尺、55,000貫。
これをメートル法に直すと、76m、206トン。
縮尺を45分の1にして人間サイズにすると、170cm、2.3kg。
うわっ……あいつの体重、軽すぎ……?
あんな超巨大なハリボテ、軽くやっつけるわよ。
(軽やかにステップを踏むテクニシャンだったら……ゴメンナサイ)
-閑話休題-
さて、何処から攻めるべきかしらね……って、なんか腰から蒸気が出てない?
あれ、排熱管かしら?
(ピコーン!)
念動力で色々詰め込んだ後に絞めて塞いじゃいましょ。
エダ・サルファー
そうか、「ジャックと豆の木」を選んだのは偶然じゃなく、天啓だったのか。
ならば私は証明せねば。
鍛え抜かれた屈強な肉体があれば、大きな困難にも立ち向かえるんだってことを!
最強無敵究極天魔城は、ざっくり75mくらいか。
私の70倍はある強大な相手だ。
あの拳が生み出す破壊は想像もつかない。
だが、ジャックは巨人を倒してみせた。
鍛え抜かれた拳で!
なら、私もそれをやるまでだ!
真の姿を開放し、更に祈りとドワーフ力(ちから)を全身に込める!
これぞ、奥義・巨人式!
見せてやる!鍛え抜かれた屈強な肉体は、体格差をものともしないのだ!
この力を使ってお前のそばまでジャンプして、顔か胴体に巨人式の聖拳突きを打ち込んでやらぁ!
『グハハハハハハ!』
ずし、ん。
地響き!そして迫る最強無敵究極天魔城!城内ではオブリビオンの忍者軍団が最強無敵究極天魔城のうたを高らかに歌い上げる!
「ついに出たわね!お城怪人!」
レパル・リオン(f15574)は身構える!比喩ではなく見上げるほどの巨体だ。凄まじい威圧感をもつ最強無敵究極天魔城は吼えながら迫る!
「そうか……「ジャックと豆の木」を選んだのは偶然じゃなく、天啓だったのか」
集った猟兵たちの中でもっとも背丈の低いエダ・サルファー(f05398)の矮躯が、腕組みしながら敵の姿を見上げる。昨日城内でこどもたちに聞かせた何でも力で解決する昔話シリーズの物語を思い起こしながら、彼女は静かに息を吐き出した。丹田に込めたドワーフちからを、血流に載せて全身に行き渡らせるイメージ。ちからを練り上げる。
「それにしても凄いデカブツが出てきたわね……」
「えーと、一尺が大体30cmでー、一貫が3.75kgだからー……」
「これをメートル法に直すと、76m、206トン」
「でっっっか!!おっっっも!!誰かロボ呼んできて!!」
荒・烏鵠(f14500)とアレクシア・アークライト(f11308)は迫り来る巨大な敵のサイズ感を見上げながら戦闘態勢を整えていく。
「ひゃー……そりゃ調子もこくし図にも乗るわ。ぱねぇ」
あまりの巨大さに嘆息する烏鵠。しかしそこでアレクシアが口を挟んだ。
「ちょっと待って。私達はとんでもない考え違いをしていたのかもしれないわ」
「え。どういうこと?」
「きゅい?」
烏鵠の肩の上で風精シナトが首を傾げる。
「あれの縮尺を45分の1にして人間サイズにすると、170cm、2.3kg……」
「マジか!」
「うわっ……あいつの体重、軽すぎ……?」
2人は最強無敵究極天魔城の体重設定の穴をつつき、勝機をそこに見出した!
「つまり……」
「そう!あいつは超巨大なハリボテよ!」
「っていうことは、案外脆いかも、ってことね!」
「ええ。軽くやっつけるわよ!」
レパルはぐっと拳を握り、戦いの構えに入る。
「それじゃあ、まずあたしからいくわ!クロッシーング!」
レパルの掲げた手の先に、光が収束する。そこに現れるのは魔法少女の衣装!翼を織り込んだシルエット。鳥の意匠を取り入れたフォルム。凛々しくも軽やかさと力強さを併せもつスパイラルホークフォームである!
「えいやっ!」
秒速お着替え!そしてレパルは地を蹴り飛び立つ!
『小賢しいハエめが!ゆけい、我が軍団よ!』
『『『拝累!』』』
「振り切ってあげるわ!」
【最強無敵究極天魔忍者隊】のエントリーだ!城内から次々に飛び出した忍者部隊は高らかに右腕を天に掲げ声の揃った敬礼を行うと速やかに戦闘を開始!次々と大凧に乗り、空中へと飛び出していく!
「よし、それじゃァオレらは支援の仕事だ」
「そうね、あれだけでかいと……どこから攻めていくかが大事だと思うわ」
「きゅい」
「なら、こういう時は……煌神に帰依し奉る。契約に基づき、我に真を授けよ!」
烏鵠は【十三術式:番イ鳥】を起動!それは霊的な視野をもち、『真実』を見通す二羽の小鳥を呼び出す術である。
『ぴい』
二羽の小鳥は最強無敵究極天魔城の巨躯を見上げる。
「さあ、いちばん脆いのは……え、なに?胴体!?フツーに胴体弱点なン!?」
お気づきであろうか。最強無敵究極天魔城は、すなわち城である。城であるがゆえに全身を鉄の装甲だけで作られているというわけではなく、木造や漆喰づくりの箇所が存在するのだ!
「なるほどなァ、だからあんな軽いワケか」
「あそこの排熱管みたいなのはどう?」
アレクシアは目敏く究極天魔城の腰部に突き出た鉄の管を見やる。なるほど、それはたしかに内部機関の排熱機構だ!
「よし、それなら攻めるポイントは2つだなァ!腰の配管部分と、城の漆喰壁だ!」
『むうう……!!小癪な!この儂の弱点を看破しようとは、なんと卑劣な!!』
究極天魔城は分析する2人の猟兵へと両肩の砲身を向ける!【最強無敵究極天魔砲】!
「卑劣なのはどっちよ!そんなでっかいので大人気なく攻めてきて!」
「ツッコミ入れてる場合じゃねーぞォ!?」
烏鵠とアレクシアはすぐさま回避行動に移る!ガオオォォン!!咆哮!砲撃!3秒前まで2人のいた地点を砲撃が粉砕!
『グハハハハハハ!どうだ!この儂の威力!不比虎様もお喜びになるわ!』
砲撃の余波で濛々と立ち込める噴煙と砂煙。……しかし、その時である!煙の中に巨大な影が浮かんだ!
「ワハハハハ!片腹痛いわ!!」
ずしん、ずしん。大地を揺らす巨体の足音……!
流石に城ほどとまでは言わぬものの、そこに現れた巨体は象のそれである!
「奏でよ!」
そして象に騎乗した神羅・アマミ(f00889)は叫ぶ!響き渡るのは歌声とどこの国のものとも知れぬ民族楽器の演奏である!
『ヌオオ……!!な、なんだこの音楽は……!!ま、まさか馬富張(ばふばり)の!?』
馬富張とはサムライエンパイアの南西に位置すると言われる亜熱帯地方であり、超人的な力をもつ偉大な領主が住んでいるのだという。話を戻そう。どこの誰が演奏してるんだかわからないエキゾチック挿入歌はエンドレスで唱和されていた最強無敵究極天魔忍軍による最強無敵究極天魔城のうたをかき消して戦場の空気を一気に傾ける!
「アマミの姐御!」
「うむ、話は聞いておるわ!!作戦は了解した!!ポジションはクラッシャーでゆく!!」
「私も出るよ!」
象の上で弓を引き絞るアマミはにやりと口の端に笑みを浮かべ、究極天魔城を不敵に睨め付ける。その傍に、全身に力を滾らせたエダが立った。
究極天魔城は拳を握りしめながら眼下に集った猟兵たちと対峙する。
『フン……有象無象がいくら集まったところで……ヌウウーッ!?』
「ふふーん。そうやって余裕ぶっこいてる奴って、大抵負けるのよね!」
究極天魔城は突如として戸惑いの声をあげた!それはアレクシアの念動力による妨害戦術だ。アマミの登場に動揺しているその間隙に、彼女は狙い通り敵の排熱管をサイキックによってそこらの石や草を詰め込んで詰まらせてやったのだ。究極天魔城はたちまち排熱に異常が発生!
『お、おのれ……!』
「やあああああーッ!!」
『なに!?』
更に!動きを鈍らせた究極天魔城へと向けて急降下する影!最強無敵究極天魔忍軍と空中戦を繰り広げていたレパルである!
「鷹爪・神風脚(ホークドリル・カミカゼキイイイイイック)!!」
『グアーッ貫通!!』
『グアーッ墜落!!』
『グアーッバードストライク!!』
『なんだとォ!?』
きりもみ回転しながら高速で襲撃するレパルの蹴り足は最強無敵究極天魔忍軍を巻き込みながら究極天魔城の土手っ腹に着弾!貫通ッ!!漆喰の壁を蹴り砕きそのままの勢いで内部フスマシャッター十数枚を更に貫いて背中側へと通り抜けたッ!
『き、貴様らァ!この儂の身体によくも傷をつけおったな!!』
激昂する究極天魔城は拳を振り上げる!【最強無敵究極天魔拳】ッ!巨体から繰り出される凄まじい破壊力を秘めた一撃だ。巨大な鉄槌めいた拳が、猟兵たちめがけて放たれるッ!
『叩き潰してくれるわ、虫けらどもめがッ!!』
「たしかにスケールじゃあ負けておるが……妾らの貴様を討ち倒そうという志は山よりも大きいぜー!」
アマミは向かい来る拳を見上げながら、引き絞った弓の狙いを定める。声に出さず、静かにカウント。放つ矢の威力を最も強くぶち当てられるタイミングを計る。
「明鏡止水の境地から射られし静謐な一矢が、やがては山をも爆発四散せしめる破滅の音色を奏でてくれようぞ
……」
『小賢しいッ!!小童めが、死ねーッ!!』
「死ねーッ!!」
貴様の拳と妾の矢、どちらが速いかハッケヨイ!アマミは最大限にまで高めた力で、その手の中から矢を撃ち放つ!山をも砕くと豪語するユーベルコード【残音】の一矢!その一撃は究極天魔城の拳をカウンター迎撃!そして、激突ッ!!
『グアーッ右腕!!』
撃ち放った拳に正面からぶつけられたユーベルコードの威力に押し負け、究極天魔城の右腕の内部機構がミシミシと音を立てながら停止する!
「アマミ!」
「よしきた!ゆけい!」
エダは短く息を吸ってからアマミの駆る戦象アマレンドラの上へと登る。ぱおーん。アマレンドラは鼻先にエダを着地させると、そのままジャンプ台めいて放り投げる!
「最強無敵究極天魔城……おおきさは、ざっくり75m」
彼女の70倍はある強大な相手だ。
だが、彼女が子どもたちに聞かせた『ジャックと豆の木』の中で、ジャックは巨人を倒してみせた。鍛え抜かれた拳で!そして、レパルやアマミが示してくれた。疑う余地もなく自分を信じているのなら、どんな巨大な相手でも臆することはないのだと!
『グオゴゴゴ
……!!』
「奥義・巨人式!」
エダは全身に巡らせたドワーフちからを解放する。おお、見よ!日頃の鍛錬と祈りが生み出す強大な力とパワーを!見せてやる!鍛え抜かれた屈強な肉体は、体格差をものともしないのだ!とうとう究極天魔城の頭部までたどり着いたエダは、強く拳を握りしめ――
「聖ッ、拳、突きいぃッ!!」
そして、叩き込むッ!!
『グアーッ!!』
巨人が、揺らぐ。
猟兵たちの猛攻を受けた最強無敵究極天魔城は、ついに衝撃に耐えきれず背中から大地へと倒れ込んだのだ!ズオンッ!!小田原の町をぺしゃんこにしながら、地震めいた衝撃が地響きとなって大地を揺らす!
『グ、ゴ……ゴゴゴゴゴ
……!!』
その衝撃は天魔城自身へもダメージとなって押し寄せる。みしみしと音を立てて究極天魔城の各部にはひびが入った!
「やったか!」
「それわざと言ってるでしょ!?」
『お、のれ……おのれえ!このままでは不比虎様に面目が立たぬわ!!』
だが、致命傷ではない!
究極天魔城はすぐさま態勢を整える。全身の人力歯車と人力内燃機関と人力回転機構をフル稼働させ、起き上がったのである!
『江戸の世を滅ぼし我ら那智衆が天下をとるため……!』
最強無敵究極天魔城は、未だそびえ立つ……!
戦いは、続く!
成功
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虎熊・月霞
えぇー……なんか倒されそうになった瞬間、脈絡なく巨大化する敵役みたいになってるぅ。
何か妙な曲も聞こえるしぃ――最後爆発四散したりしないよねぇ?
まぁ悪さしてるし倒すけどもぉ……って言うか足掛かりとか言いながら、町踏みつぶしてるんだけどぉ。
いや、オブリビオンだから別に生活拠点とかいらないのかなぁ?
ともかくこれ以上城に近付けさせない為にも足を斬り飛ばしておこっかなぁ。
両断出来なくても自重でもげそうだし、とりあえずは膝あたりを狙おうっと。
どれだけ防御を固めても装甲を重ねていても僕のユーベルコードの前では意味は無し、綺麗に切断してあげよー。
返す刀で下がった胴、腕、首と斬り崩して狙って行くよぉ?
コミュニ・セラフ
ふーん・・・!
デカいですに・・・!
とはいえ、私がやるなら最強無敵究極天魔忍者隊を蹴散らしに行きますかに・・・!自ら無敵とか言うのは面白いがに、どんなことをやってくるのかわかりませんが蹴散らすだけですに!
この武将の野太刀に呪縛砥石を使い、体力回復出来るようにしますに。
避けることは考えない、薙ぎ払ってやるに!刀を振る隙に攻撃してきますかに?ふん!手と足だって残っているに、野太刀に体重を預けて強力な蹴りを喰らわせてやるに。もしくは、怪力で顔を鷲掴みにしてから地面に叩きつけ、グラウンドクラッシャーで跡形も無くしてやるに!
フォルティス・ワーライン
コミュニは先に行ったか!ヨウは一旦、退却してるし。コミュニの援護にいくしかないな。とはいえ、こんなデカブツどうしろと・・・。まぁ、いい。
囮ぐらいにはなるかもしれん。
早速ユーベルコード【フルバースト・マキシマム】を発動するか。
手袋式粒子フィールドのバリアを展開してから、アームドフォートを展開、ガトリングとビームキャノンもくっつけてやる。狙うはあいつの足元、こけさせればそうそう起きれないだろ!ダメージを拡大させてやる!
『グオオオオオオオ!!』
咆哮する最強無敵究極天魔城!オブリビオンは両肩の最強無敵究極天魔砲を小田原城へと向けた!
「あーあーあー、そーれはまずいねぇ」
虎熊・月霞(f00285)はちょっと焦る。自分たち猟兵ならまだしも、ユーベルコードの威力で城を撃たれたらどれほどの犠牲が出るものか想像に難くない。
「って言うか足掛かりとか言いながら、町も踏みつぶしてるんだけどぉ……」
否。オブリビオンであるがゆえに必要なのは『場所』だけであって、生活拠点などはどうでもいいということか。短い思索もそこそこに月霞は剣を抜く!
『グハハハハハハ!この最強無敵究極天魔城を虚仮にした報いを受けるがいい!』
「あれを撃たせたらまずいに!」
コミュニ・セラフ(f12530)は野太刀の刀身に呪縛砥石を滑らせながら走った!
そして更に、その後方から光条が放たれる!レーザー砲撃だ。フォルティス・ワーライン(f18278)の支援砲火である!
「コミュニ!援護する!」
『ヌウウーッ……!照準が!』
着弾!炸裂!衝撃に揺らぐ巨体!最強無敵究極天魔砲の砲身は激しくブれ、砲撃が一旦止まる。
「たすかったに!」
「お安い御用ってね!続けてぶっ放すぞ!」
「いいねぇ。火縄の支援があるのはたすかるよぉ」
フォルティスの火力支援を受けながら、月霞とコミュニは進む。最強無敵究極天魔城の壁面や屋根を取っ掛かりに、敵の身体を登り始めたのである。
『おおおのれえい!!』
「おっと、そうはいかないぜ!」
2人を摘み出そうとする究極天魔城の手の先へフォルティスは砲撃を浴びせる!こんなデカブツどうしろと、とはじめは及び腰ではあったが、実際撃ち込んでみれば効かないというわけではない!
「効くってんなら……倒れるまで叩き込んでやる!」
『グオオオオ!!きさまアアアア!!』
究極天魔城は視線を眼下に向け、邪魔なフォルティスの姿を視界に捉える!構えられる最強無敵究極天魔拳!!
「こっちも忘れてもらっちゃ……」
「困るに!!」
しかし、そこで閃く斬撃ふたつ!最強無敵究極天魔城の脚へ刃を刻むユーベルコードだ!片やコミュニの【グラウンドクラッシャー】!究極天魔城の装甲を叩き壊しながら、全霊の力を乗せた強撃が炸裂する!
『グアーッ右膝!!』
「どれだけまもりを固めてもぉ……この剣の前では意味はなし、さぁ」
『グアーッ左膝!!』
【雷霆一閃】!更に迸る!紫電!閃光!疾る刃が稲妻とともに究極天魔城の膝を灼く!両膝を破壊された究極天魔城は忌々しげに歯噛みしながら大地に膝をつく!
「次はどうするに!」
「決まってるよぉ」
月霞は返す刃で上を見る。……彼女が見据えるのは、胴であり腕であり、そして、首だ。
「登ろう」
「わかったに!」
『そうはいくかッ!!』
壁面に指先をかけた2人へと、究極天魔城の声が降り注ぐ。
『『『拝累
!!』』』
おお、見よ!城内よりわらわらと集団で現れるのは那智衆の忍者軍団!すなわち最強無敵究極天魔忍者隊だ!
「足止めのつもりぃ……?」
「なら、私が蹴散らしてやるに!そっちは上を目指すに!」
「なるほど、分担だねぇ」
『我々最強無敵究極天魔忍者隊の包囲を抜けられると思うのか!!』
『捨以世(しゃいせ)!!』
最強無敵究極天魔忍者隊は咆哮とともに押し寄せる!瓦屋根を蹴立て、忍者隊とコミュニが激突!
「ッ、にえええええい!」
『グアーッ!!』
迎え撃つコミュニは野太刀を薙ぎ払う!数人まとめてひと振りでカッ飛ばした!
「にぃ、ッ!!」
『グアーッ!!』
更に背後から接近する敵めがけて放つ蹴り足が忍者を叩く!そして爆発!フォルティスの火力支援だ!
『グアーッ!!』
「コミュニ!そっちはどうだ!」
「心配ご無用、に!」
「頼もしい限りだねぇ」
放つ刃。穿つ砲撃。炸裂する力が最強無敵究極天魔忍者隊を押しとどめ叩く!コミュニとフォルティスの連携は忍者の群れを相手取りながら互角以上の戦いを繰り広げた。そしてこの隙に月霞は更に上を目指す!
屋根瓦を蹴飛ばし、よくわからない配管を掴んで這い上がり、そして至るは巨人の喉元。
「さぁて……ずいぶん好き勝手してくれたねぇ」
『き、きさま……!』
月霞は童子切をかざし、目を細める。
「ばかげた騒ぎもこれでおしまいさぁ。奔れ飛電、断ち斬れ紫電――」
ばち、っ。電光が爆ぜる。刀身に纏う雷が刃を為し、そして膨れ上がる。それはまるで、巨大な光の剣であった。
『や、やめろおおおおおおおおおおおお!!』
「おやすみ」
斬閃ッ!!紫電迸る!
『グアアアアアアアアア――――ーッ!!は、拝累!!』
光の刃は最強無敵究極天魔城の中枢である頭部を灼き切りながら完全に破壊!究極天魔城は断末魔の咆哮をあげながら、ゆっくりと倒れ――
「あ、これ爆発するやつだねぇ」
「「ええ――っ!?」」
察した月霞は全速力で離脱を図る。コミュニとフォルティスもそれに続いた。
そして、爆発。
――こうして悪質大名女ヶ沢・郎保座衛門は滅び、小田原を舞台としたオブリビオンとの攻防戦は幕を閉じる。
町は戦いの余波でだいぶ壊れてしまったが、小田原城は無事であったし、人的被害もほとんどゼロだ。
戦いを終えた小田原は人の営みを取り戻し、そして威勢のいい町の人々の声が飛び交い復興もすぐに始まるだろう。
猟兵たちはそれを手伝ってもよいし、勝利の余韻に浸って束の間の休息を味わってもよい。
君たちが守り抜いたからこそ――サムライエンパイアは、今日も泰平である。
成功
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