バトルオブフラワーズ⑧〜ペイント大作戦〜
「猟兵、ザ・ステージの敵排除に手を貸してくれ」
システムフラワーズの周囲を守るザ・ステージ。いまだそこへとオブリビオンが殺到し、猟兵たちがメンテナンスルートへと入る邪魔をしに来ていた。ここを占拠されてしまうと猟兵は先へ進めないため、常にここに押し寄せる敵を排除していかねばならない状態なのである。
「今俺が送り出したいのはヌリツブシバトルという特殊ルールが適用されるザ・ペイントステージだ」
ヌリツブシバトルとは陣地取りゲームのようなルールが適用される場所だ。キマイラフューチャーの街並みを模して作成されたステージの壁や床は全面オブリビオンによって闇のような黒色に塗り固めている状態から始まる。
この闇のような黒色の陣地がステージの半分以上占めている間は猟兵のユーベルコードは敵へ攻撃を通すことができず、逆にオブリビオンは猟兵に攻撃を仕掛けることが可能な状態が続く。
つまりオブリビオンの攻撃を避ける、あるいはガードを固めながら猟兵たちは自分たちの陣地を増やしていかなければならないのだ。
「塗りつぶすのは簡単だ。ユーベルコードや武器で床や壁を攻撃すると任意の色に上塗りすることができる」
いくら攻撃してもこのステージの物は壊れることがない。派手に暴れれば良いだろう。
「ステージの半分をこちらの陣地にした段階でボーナスチャンスが訪れる」
ボーナスチャンスの間は一度だけユーベルコードでオブリビオンを攻撃を通すことが可能になるのだが、これを塗りつぶし行動に当てると広範囲を一気に塗りつぶすことができるというボーナスが付与される。攻撃か塗りつぶしか、どちらをとるかは猟兵次第だろう。
「ステージの3分の2以上が猟兵の陣地になればユーベルコードが無制限で敵に攻撃を与えることが可能になるようだ」
敵もただ邪魔をしてくるだけでなく、再び闇のような黒色へと塗り替えそうとしてくるので、その邪魔をするか、それを上回るスピードで陣地を増やしていくか作戦を練る必要があるだろう。
「半分以上を塗りつぶした後再び敵に陣地を増やさせ、ボーナスチャンスを何度も狙って攻撃をくり返すのも良い。あるいは3分の2以上の陣地を奪い、一気に敵を倒すも良いだろう。それはお前たちに任せる」
エコリアチは一通り説明を終えると転送ゲートを展開し、猟兵を送り出す準備を始める。
「そうそう、送り出す場所はショッピングモールのようになっているようだ」
店自体はシャッターが下ろされているが看板や、階段、エスカレーター、ちょっとした休憩場所になっている中庭のような場所。そういった場所をあちこち塗りつぶす経験なんて中々ないだろうと説明し、塗りつぶし自体、楽しんできても良いかもなと声をかけて猟兵たちの転送を始めるのであった。
鬼騎
戦争シナリオです。ショッピングモール全体をステージとすると大きすぎるため、区画(リプレイ)ごとに分かれて判定が入るとします。そのためどのような場所で重点的に戦いたいかを指定していただいてもかまいません。
塗りつぶしに使えるのはユーベルコードと武器です。何色に塗りつぶしたいかは指定してください。指定がない場合こちらで勝手に色を決めてしまいます。
第1章 ボス戦
『怪人『オンナマズ』』
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POW : ジャイアントナマズ
自身の身長の2倍の【巨大ナマズ怪人 】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : ナマズ人召喚
レベル×1体の、【後頭部 】に1と刻印された戦闘用【ナマズ人】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 矢ナマズ発射!
レベル×5本の【雷 】属性の【刺さるデンキナマズ】を放つ。
👑11
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御形・菘
妾は塗り返しの邪魔をするぞ
色はレインボー!
通路のド真ん中で、右手を高く掲げ、指を鳴らし、さあ降り注げ流星よ!
狙いは適当で構わん、攻撃回数を重視して、とにかく命中面積を増やしていこう
そのまま大雑把に塗りながら通路を進むが、怪人はどこにおるかのう?
発見したら即攻撃を仕掛けるぞ
ダメージが入らんのは百も承知! 余波で周囲を塗れるし問題ない!
ノーダメージだからといって妾を無視できまい?
攻撃は決して止めん! 耐えるのは妾の得意技よ!
ここで交戦して時間を稼いだ分だけ、皆の衆はフリーで塗りが捗るであろう
もしも逃げたら追いかける!
さあ、早く妾をブッ倒さんと、塗り拡げが完了するぞ?
タイムアタックを楽しんでくれ!
金剛・燦
ふむふむ、世界の危機を救う機会に立ち会えるとは、これも神仏や生きる者達の祈りの導き。
微力ながら私も戦いましょう。
戦いの場は多少開けていればどこでも構いません。「オーラ防御」で身を固めつつ、大連珠を持って壁や床を叩き、敵が塗りつぶした先から新緑の色に塗り替えていきます。まあ、目の前で塗り返してイライラさせる嫌がらせ、ですね。
ボーナスチャンスは敵への攻撃を行います。おや、大きくなられましたね……的が大きくてやりやすいですし、その大きさで足を挫いたりしたらどうなるでしょう? わがUC【灰燼拳】で確かめてみましょうか。
敵の動きが止まったら少しでも塗り替えを行います。
さあ、頑張りましょう。
ファティマ・ラゾールド
システムフラワーズへのルートを安定して確保するには、ここをもう一押ししたいですね。
塗りつぶしというのが今一つピンと来ないのですが、要は、ユーベルコードを浴びせていけば勝手に塗りつぶされるのですか。
では、ショッピングモールには広場があるでしょうから、そこに【生まれながらの光】を浴びせて瑠璃色に塗っていきましょう。疲労が激しくなってしまいますが、広範囲に光を浴びせて一気に陣地を増やしていきます。
ボーナスチャンスは塗りつぶし行動に当てて、3分の2を確保したら【ウィザード・ミサイル】で一気にオブリビオンを攻撃です。
はぁ、はぁ……それにしても、疲れました。
でも、闇色よりは瑠璃色の方が素敵でしょう?
秋月・信子
・SPD
流石にステージが広すぎますので二重身を姉さんにも協力して貰おうと影から呼び出して説明したのですが…
「塗り潰しの陣取りゲームねぇ…折角だし遊びながらやらない?」
と言われて、銃を使ってのモザイク【アート】の【パフォーマンス】をしながら制圧する事となっちゃいました…
まず姉さんがヘビーマシンガンでキャンバスを【掃除】するように制圧射撃をしたら、私がハンドガンやサブマシンガンを使って細かい修正や色付けをします
オブリビオンの妨害はお互いに【援護射撃】をしながら対象するとして…
小さな空間は良いとして大きな空間では【存在感】ある絵を作るって姉さんが張り切っちゃってます
折角ですし…私も楽しんでみますね?
ここはショッピングモールの中心、周囲を建物に囲まれた中庭の区画。このステージはオブリビオンの怪人オンナマズによって辺り全て闇のような黒で塗りつぶされていた。
「はーっはっは! 先手必勝だ、さあ降り注げ流星群よ!!」
しかしそこに響き渡る高笑い。それは御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)のものであった。そのまま菘が右手を高く掲げ指を鳴らせばユーベルコード、ほしのなみだで呼び出された流星群が中庭へ降り注ぎ、流星が衝突した地面があちらこちら輝く虹色に塗りつぶされていった。
「ぎょー!? なにするなまずー!!」
「なるほど、塗りつぶしとはこういう感じになるのですね」
ファティマ・ラゾールド(瑠璃の加護司る神・f18161)は塗りつぶされた様子を見て納得をする。ヌリツブシバトルとは一体どういうことなのだろうと思っていたが、実際目にすればなんとなく雰囲気を掴むことができた。
ファティマの隣で手を合わせて祈るポーズをとるのは金剛・燦(守護の巌猫・f13021)だ。
「世界の危機を救う機会に立ち会えたのも、神仏や生きる者達の祈りの導き」
一度お辞儀をした後、金剛石の体にオーラを纏い防御を固めれば、中庭奥にいた怪人オンナマズから見える位置まで出ていく。大連珠を握りしめ塗りつぶされていない箇所へと拳を叩きつければ、叩きつけたところを中心として新緑色が広がり闇のような黒色を上塗りしていく。
早速塗りつぶしを行なっていく他の猟兵を尻目に、秋月・信子(魔弾の射手・f00732)は姉と称する二重身に振り回され始めていた。
「塗りつぶしの陣取りゲームの開始ってことね、折角だし遊びながらやりましょ?」
「えっ、えぇ?! で、でも姉さん、私たちもちゃんとやらないとっ」
広範囲をカバーすべく協力者を増やすためユーベルコード、Esの影法師で呼び出したのだが、呼び出された姉はおとなしめの性格である信子とは正反対の性格をしているためか、さっそく暴れようとヘビーマシンガンを構えて壁に向かって歩み進める。
「これ以上塗りつぶされるわけにはっ……ぎょぎょ!?」
猟兵たちの塗りつぶし作業の邪魔をしようと巨大ナマズ怪人を召喚しようとしていた怪人オンナマズだが、その行動は菘によって阻止される。
「ダメージが入らんのは百も承知!」
それでも菘は怪人オンナマズを中心とし攻撃回数を重視したほしのなみだを発動。怪人に当たらなかった流星は周囲を塗りつぶすし、怪人にダメージがはいらずとも菘の攻撃を無視できるほど弱いものではなく、怪人の行動妨害とする。敵からの攻撃も持ち前の忍耐力でカバーし、怪人と交戦。菘が引きつけている間、味方はフリーで活動できる作戦となる。
ちなみにこのバトルと周囲が塗りつぶされていく様子は『妾がいろんな世界で怪人どもをボコってみた』として配信され、この世界の危機だというのに大変好評な視聴数を叩き出していた。
怪人オンナマズが菘と交戦している間、フリーで行動が可能となった他3名プラス1体は地面や器物、中庭の周囲を囲む建物を塗りつぶし始めていく。
「ちょ、ちょっと、姉さん早いっ」
信子の姉は真っ黒な壁一面をキャンパスに見立て、その上にどんどんとヘビーマシンガンを撃ち込み形を作っていく。どうやら姉は存在感ある絵を作りたいらしく、張り切って大まかな形を作っていくのだが、細かな場所や色付などは信子本人がハンドガンやサブマシンガンを使って援護をしていた。
どちらかが絵を作っている間、もう片方は塗りつぶしがまだできていない箇所へと銃撃を行い上塗りをしていく。この状況だとはたして二人分の労働力になっているかは疑問が残るが、着々と猟兵が塗りつぶした範囲は広がっていた。
信子たちとは別の場所で塗りつぶしを行うのは燦だ。燦は徹底して怪人の視界に入る場所を塗りつぶしていくことで怪人のイライラを誘い、菘の交戦と合わせれば地味な嫌がらせながら効果はばつぐんだ。集中を欠いた怪人は菘に良いように手玉にとられ押し込められていく。
かたやファティマも信子たちとは反対側の建物の壁付近でユーベルコード、生まれながらの光を発動。あたり一帯をラピスラズリのような瑠璃色に染め上げていた。疲労を伴う力だが、広範囲を染め上げるには最適な能力であった。
猟兵たちが塗りつぶしを初めてしばらくした時、あたりにアラーム音が鳴り響き、空中に『ボーナスチャンス!』との文字が浮かび上がった。
猟兵たちが上塗りした範囲がステージの半分を越えたのだ。猟兵たちはこのタイミングで一度だけボーナスチャンスの恩恵を受けオブリビオンに攻撃を通すか、塗りつぶしのボーナスをもらうことが可能となった。
「りょ、猟兵めー! ゆるさないぎょ!!」
猟兵たちの意識が『ボーナスチャンス!』の文字に一瞬それた瞬間、怪人オンナマズは巨大ナマズ怪人の召喚を果たす。
「おや、大きくなられましたね……的が大きくてやりやすいです」
それは燦の言葉。呼び出された巨大ナマズ怪人を見て、拳を構える。狙うは一点。燦はボーナスチャンスを攻撃へと使用するつもりなのだ。一気に巨大ナマズ怪人への距離を詰めその足元へと肉薄、放つのはユーベルコード、灰燼拳だ。
「破ッ!!」
怪人オンナマズに反応される前に足元へと素早く放つ強烈な一撃により、巨大ナマズ怪人の巨体はグラリと揺れる。
「あ、ちょ、こっちにたおれっ――!?」
怪人オンナマズはこの巨大ナマズ怪人が自分の動きをトレースすることを忘れ慌てふためき、よりバランスを欠いた巨大ナマズ怪人は怪人オンナマズの真上へと地響きをともない倒れ込んだ。
「きゃあ! あ、あぶない。危うく最後の仕上げを失敗するところでした……」
信子は短く悲鳴をあげるものの、今の地響きで手元が狂わなかったことに安堵する。今しがたちょうど最後の仕上げの一発を撃ち込んだところだったのだ。
「仕上がったのなら良かったです。これで陣取りゲームは終わるでしょう!」
ファティマは燦とは逆に塗りつぶしにユーベルコードを利用する。再び発動した生まれながらの光は燦々と輝きさらに広範囲を塗りつぶした。
それにより再び空中に現れたのは『ステージ3分の2奪取成功』の文字。これで猟兵たちの攻撃はオブリビオンへと無制限でダメージを与えることが可能となったのだ。
「タイムアタックは十分に楽しんだかな! 妾にかまけている間に塗り広げは完了だ。さあこれで倒れるがいい!」
菘は未だ巨大ナマズ怪人の下敷きになっている怪人オンナマズを見据え、容赦無くユーベルコードを発動する。降り注ぐ流星群は巨大ナマズ怪人へと大ダメージを与え消滅させ、同時に発動したファティマのウィザード・ミサイルは守るものも無くなった怪人オンナマズを直撃する。
「うぎょーー!?!」
ショッピングモールに響いたオブリビオンの断末魔は空に消え、その体は塵となって霧散していった。
「はぁ……それにしてもこの戦い……疲れましたね」
ファティマはその様子をみてため息をひとつ付く。
いつもと違う特殊ルールに振り回される猟兵たちだったが、それぞれの作戦をもって無事にザ・ステージ攻略終了となるのであった。
大成功
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