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バトルオブフラワーズ④〜皆様、飯テロのお時間です

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ


●食材求めて、えっさほいさ!
 海の幸を求めて、山の幸を求めて、或いは農作物を求めて。
 お祝い事トリオは駆け回る、己が身に合うであろう食材を探す為に。
 様々な方角へ向かうも、集結する場所は一ヵ所。そう、凡そ中間地点となる草原だ。

 其処には既に、ある程度の食材が山の様で。
 此のままではオブリビオン達の圧勝となってしまう。怪人達も勝利を確信している。
 ……しかし、怪人達にとっての不運が一つだけ。
 食材が山の様に積み重なる場所、其の付近にはキッチン付きの別荘が存在していた。

●めしてろ いず ぱわー!
「ごはんは、美味しい。めしてろは、てろ。今回は、みんなで、てろりすとに、なろう」
 堂々と物騒な単語を言い放つのは、死んだ魚の様な瞳で集まった猟兵たちを見つめているリン・イスハガル(幼き凶星・f02495)である。
 一部猟兵たちが頭上に疑問符を浮かべたり、首をかしげてこいつは何を言っているんだ?というような表情を浮かべている姿を見て、リンはようやく自分の言葉の足りなさに気付き、先ほどの発言の補足をし始めた。
「えーと、先日、キマイラフューチャーが真っ二つに割れたことは、知っているよね?……色々と起こってはいるんだけど、今回はシステム・フラワーズっていうシステムの周囲を守っている『ザ・フードステージ』の『シュウカクフードバトル』へ参加して欲しいの」
 リン曰く、フードステージで行われるシュウカクフードバトルとは、多数のオブリビオンたちが海、山、農作物などが収穫できるフィールドでひたすらに食材を集め続けるステージだという。
 しかも、このステージでは、食材を収穫中のオブリビオンは攻撃が無効になる上に、一定以上の収穫をされてしまうと、猟兵たちの負けが決定してしまう。
「だけど、この無敵効果にも、弱点があったのだ」
 自信満々に腰に手を当て、えへん!と偉ぶるリンだが、その瞳はやはり死んだマグロ。
「この怪人たち、美味しそうな料理を見ると、その匂いとかに吊られて手を止めてご飯をもぐぅ!と食べちゃう。そうするとどうだろう……『攻撃無効の効果が無くなる』のだ!このチャンスを狙わないわけにはいかない!」
 幸い、近場には調理スペースがあるようで、鍋や包丁など、調理するための道具も揃っている。ここは猟兵たちの料理の腕の見せ所だ。とリンは語った。涎を垂れ流しながら。
 海の幸、山の幸、農作物が集まるので、調理の幅はとても広い。何を作るかは猟兵たちの自由。
「今回、フィールドにいるのはお祝い事トリオ」
 スシ怪人、モチ怪人、ケーキ怪人のちょっとおめでたいときに食べたくなる三人組で結成されている相手が今回の猟兵たちの相手である。
 そんな彼らが興味惹かれるお祝い料理(たとえお祝い料理で無くても自分の家ではお祝い事があるとこれを食べる!と言えばOK)だとより効果的だろうと、リンは呟く。
「お腹が空く依頼だけど、これもキマイラフューチャーの為…頑張ってね」
 涎をだらだらと流すリンの姿に説得力はなかったが、リンは涎を拭わないままグリモアを操作して猟兵たちを送り出すのだった。


朱珠
●挨拶
 皆様、お久しぶりです。朱珠でございます。
 今回は戦争シナリオのご案内となりました。
 また、本シナリオはろここ。MS様(https://tw6.jp/scenario/master/show?master_id=msf0008465)との合わせシナリオとなります。
 飯テロの方向性は同一ですが、飯テロジャンルが異なりますので御注意下さい。

●補足
 本シナリオは、猟兵の皆様方による飯テロがメインとなります。
 其の為、下記の方針を参考にプレイングを作成して頂けると助かります!
 但し、戦闘班として動く場合は純戦としてプレイングを執筆頂いて構いません。

 POW:漢気、女気を魅せろ!豪快な料理を作って飯テロ!
 SPD:数は力だ!兎に角、素早い動きで多くの料理を作って飯テロ!
 WIZ:旬の食材オンパレード?旬の食材を活かした料理を作って飯テロ!

 飯テロの効果度合いによって、判定にプラスになる可能性もあります。
 プレイングの練習をしてみたいという方も如何でしょうか。
 尚、此の判定方法は本シナリオに限る話となりますので、他のMS様の依頼では同様の書き方をしない様に御注意頂ければと思います。念の為。
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第1章 集団戦 『お祝い事トリオ』

POW   :    モチ怪人・ウェポン
【モチ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    スシ怪人・ジェノサイド
【スシ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ケーキ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ケーキ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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桑原・こがね
よし、お祝い料理といえば鯛の尾頭付きよね!
釣ってこなくちゃ!

大きいのが釣れたら調理場に戻って調理開始ね。
下ごしらえはしっかりしましょ。
内臓と鱗は丁寧に取って、やりすぎなぐらい塩をすり込んで、焼く!
そのまま焼くとヒレが焦げ落ちちゃうから、濡らした布で包んで置かないと行けないのよね。

焼き上がったら早く怪人の前に持っていかないと。
こっちこっち、美味しいわよ!さあ、あたしの料理を見ろ!
冷めても結構美味しいんだけど、焼き立ての香りが無いと魅力半減だものね。さり気なくパタパタ煽って匂いを送りつけるのも良いかも。

攻撃無効の効果が無くなったら、正々堂々勝負を挑むわ。尋常に勝負!



●めでタイ料理は大胆かつ繊細に
「お祝い料理といえば鯛の尾頭付きよね!」
 ふわふわの金髪を風に揺らしながら釣り竿の準備を入念に行うのは桑原・こがね(銀雷・f03679)。少し離れた所にいるお祝い事トリオの一人、スシ怪人が寿司ネタとなりそうな魚を地引網で大量に獲得していくのを視界に収めつつも、釣り針に餌を付けていく。
「あたしが狙うのは鯛!鯛が釣れればいいのよ!」
 ひゅっと釣り竿を振り、海に向かって餌の付いた針をポチャリと落としてこがねは鯛が罠に引っかかるのを待った。
 数時間後、ちょうど怪人が漁から帰ろうとする時、こがねは力強い手ごたえを竿に感じる。
「これは!来ちゃった?大物来ちゃった感じかしら!」
 勢いよく自分の元へと手繰り寄せた釣り糸の先には、大きな鯛がしっかりと食いついていた。
 こがねはその鯛をもって釣り場から離れ、ある場所へと向った。その場所とは調理場である。
「まずはしっかり、丁寧に下ごしらえをしなければね!」
 先ほど釣り上げた大きな鯛をまな板に乗せ、手際よく鱗と内臓を取り除いていくこがね。普段から刀剣を操る彼女にとって、刃物を扱うことはきっと得意なのだろう。その包丁さばきは見事なものである。
「それから、塩を揉みこんで……」
 やり過ぎともいえるくらいの量の塩を鯛へと塗っていく。余計な水分が抜けてふっくらと仕上がるように、鯛本来の旨味が出るように――
 形が崩れないように串を打ち、更にヒレが焦げ落ちないようにと濡れた布で包んでおくという細かな気配りも忘れない。そして、鯛が火の上へと乗せられていった。
 しばらくして、じゅうじゅうという音とともに鯛の食欲をそそる香りが辺りに立ち上る。完成だ。
 こがねは焼きあがった鯛の尾頭付きを皿に乗せ、再度魚介類を確保しようとしているスシ怪人の眼前に持っていく。
「こっちこっち、美味しいわよ!さあ、あたしの料理を見ろ!」
 香ばしい皮が焦げた匂いと、磯の香りがスシ怪人を誘惑する。じゅるり、とスシ怪人の口から涎が零れ落ちた。
 トドメとばかりにパタパタと魅力的な鯛の旨味が乗った香りを怪人へと直に届けるこがね。もうやめて、においだけで怪人は瀕死ヨ!誘惑に勝てなかった怪人は、鯛へと手を伸ばし――食べた。
「う、うう、ウマァアアアアアアアアア!」
 怪人を覆っていた攻撃無効の効果が切れたその時を狙い、こがねは手に持っていた鯛をテーブルへと素早く置いてから怪人へ正々堂々と立ち向かう。
「お祝い事トリオ!いざ尋常に、勝負!」
そして鞘から刀を抜いてスシ怪人を一刀両断にしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK
【SPD】

趣味の料理スキルを活かして。
「今回のテーマはお祝い料理ですか…」
旬の食材を活かした、パーティのコース料理で勝負!

<お品書き>
前菜:ミニクロワッサンのサンドイッチ(生ハム&アスパラ)
スープ:タケノコと春キャベツのポタージュ
冷菜:鰆のカルパッチョサラダ
温菜:ひな鶏のグリエ
デザート:苺のチーズケーキ

「さぁ、皆さん。よろしくお願いしますね!」
包丁(妖刀・紅蓮)を構え【奇術師の協力者】を発動、料理のアシスタントとして、これまでに出会った料理人を召喚。コンビネーションで次々と料理を仕上げていきます。

敵の攻撃無効が無くなったら、料理は協力者に任せ、私は射撃で敵を狙撃していきますね。



●祝賀料理のフルコースを召し上がれ!
 猟兵たちのメシテロ攻撃は始まったばかり。素材集めを休憩して休んでいるお祝い事トリオだったが、そんな彼らにもメシテロは襲い掛かる。
「さぁ、皆さん。共に料理を作り上げていきましょう。よろしくお願いしますね」
 ユーベルコード【奇術師の協力者】を使用し、今まで出会った料理人を複数人召喚。彼らをアシスタントとした。シンはそのアシスタントたちに指示を飛ばしながらも手際よく材料の下ごしらえをこなしていく。
「今回の調理テーマはお祝い料理ですか……」
 まるでUDCアースにあるという高級レストランさながらの動きで、協力者の料理人たちと連携しながら一品目を作り上げたシン。
「前菜はミニクロワッサンのサンドイッチです、どうぞ」
 白い服に紅いエプロンを着こなすシンが手にした皿を休憩中のお祝い事トリオの前に置いていく。その瞬間、ふわっと香ったパンの匂いが食欲を掻き立てる。
 禁断の果実と分かっていながらそっと手を伸ばし、クロワッサンサンドイッチを口に含むお祝い事トリオ。彼らは料理をごくりと呑み込んだ後、叫んだ。
「う、うまぁあああ!何コレ美味しい!パンのほのかな甘さと生ハムの塩加減がちょうどいい!アスパラもいいアクセント!」
 食レポするアナウンサーかお前、と言いたくなるコメントを背に、シンは次の料理を作るために厨房へと戻っていく。怪人たちはすっかり料理の虜のようだ!
 暫くして、料理が次々と怪人たちへと運ばれてくる。
 たけのこの優しい香りと、春キャベツの甘さが食をそそるポタージュは怪人たちを穏やかな春の世界へと誘い、春を告げる魚ともいえる鰆を使ったカルパッチョサラダは怪人たちの食欲を増進。魚にも野菜にも絶妙にマッチするソースは特に怪人たちからの評価が高かった。
「まだまだありますよ、さぁどうぞ」
 すっかり自身の料理の虜となった怪人に穏やかな笑みを浮かべるシンの姿は怪人側から見たら神々しい事だろう。既に彼の術中に嵌っているとも知らずに料理を頬張る怪人たちの表情は穏やかだ。
 柔らかいひな鶏を外はパリパリ、中はジューシーに焼き上げたグリエは余分な脂が落ち、旨味だけが凝縮されていていくらでも食べれそうだし、デザートにと用意された苺のチーズケーキは苺の甘酸っぱさとチーズの濃厚さが合わさってとても見事なハーモニーを奏でていた。
 だが、幸せな時間はいずれは終わりが来るもの。怪人たちが料理を食べ終え、満足していた瞬間を狙ったかのように銃声が鳴り響く。
「では、しっかりと料理の対価を頂きましょう。怪盗・紅の影、グリモアに導かれ只今参上!」
 満腹で反応が鈍くなったお祝い事トリオは、逃げることも出来ずに銃の餌食となった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

山梨・心志
多少なら料理には腕に自信があります(腕まくり)
お料理男子はモテると聞いてこっそり練習した日々…無駄にならなかった…

【POW】
食欲を刺激するのは1に嗅覚、2に見た目と聞きます
嗅覚を的確に刺激し、なおかつ確実な空腹感を引き出す料理…
それは、カレーです!

おっと庶民の料理だからと侮るなかれ、なかなか奥が深いのですよ
発汗作用があり美容にもいいし適度な刺激は胃腸を整えます
そして我が家では何故か誕生日には必ずカレーです

今回はライスの代わりに、茹でたロブスターを使います
ロブスターはカレーが煮込まれるのを待つ間に網を引き揚げて捕獲
ぷりっぷりの身に豪快にルーをかけて


食事に夢中になっている間に倒させていただきます



●カレーは立派なお祝い料理
 カレーとは、飲み物である。カレーとは、健康食品である。カレーとは、お祝い事に食べる料理である。そう、カレーとは万能なのだ。
 シュウカクフードバトルステージの一角から漂うスパイスの香りがお祝い事トリオの鼻孔を擽り、何人かが足を止めて出どころを探る。あれ、香辛料さっきお前持ってこなかったっけ?などの声が怪人たちから上がるが、どうやら怪人たちが持っている香辛料ではないようだ。
「お料理男子はモテると聞いてこっそり練習した日々…無駄にならなかった…」
 自身で調合したスパイスを鍋に投入し、かき混ぜながら山梨・心志(双子の兄の方・f03491)は呟いた。
 食欲を刺激するのはまず嗅覚。次に見た目。心志は嗅覚を刺激する方法としてカレーを選択。実際、功を成した結果、怪人たちがスパイスの香りを頼りにこちらに集まってきているのが見える。
 怪人たちが迫る中、じっくり煮込むだけとなったカレーの鍋から離れる心志。彼は迷わずに一つの方向へと歩いていった。
 数分前に鯛が釣り上げられたポイント、怪人たちが地引き網漁を行っていたポイントから少し離れた場所が彼の目的地。
 事前に仕掛けていた罠を回収し、中身を確認する心志。軽く浮かべた笑みが漁の結果を物語っていた。
 網の中にいたのはそれはそれは大きなロブスター。鯛が釣れた近くでロブスターが採れんの?と思うだろうが考えて欲しい。ここはシュウカクフードバトルの会場だぞ、つまり……何でもあり、そうだろう? 
「これなら十分ですね、申し分はありません」
 ロブスターをカレーが煮込まれている場所まで持ち帰った心志は手際よく下処理を行っていく。その作業が終わった頃合いで大きな鍋で湯を沸かした。数分後、ぐつぐつ煮立った湯に殻付きでロブスターを投入。しばらく茹で、真っ赤になったロブスターを取り出した心志が丁寧に殻を剥くと……ぷりっぷりの身が姿を現す。
 美味しそうに湯気を上げるロブスターの身に、先ほど煮込んでいた具だくさんかつ、スパイシーなカレーをたーっぷりと掛ければ出来上がり。
 彼はロブスターをライスの代わりに使用したのだ。
 そんな作業の間に心志の近くには怪人たちが数匹集まり、なんだなんだと騒いでいる。どうやらようやくスパイシーな香りの出どころを突き止めたようだ
「見てわかりませんか?お祝い料理を作っているのですよ」
 騒ぐ怪人へ言い放つ心志。だが、お祝い事トリオはある単語に敏感に反応。反論をしだした。
「お祝い事にカレー?冗談を言うな!カレーはお祝い事に食べるモノじゃないぞ!」
 怪人の言葉を聞いた彼は眼鏡をくいっとかけ直し、静かに怪人に語り始める。
「庶民の料理だからと侮るなかれ、なかなか奥が深いのですよ。発汗作用があり美容にもいいし適度な刺激は胃腸を整えます」
 そしてなにより……と一呼吸おいて心志はお祝い事トリオへとある言葉を言い放った。
「我が家では何故か誕生日には必ずカレーです。わかりましたか?ならカレーを食べてください、これは誕生日を祝うためのカレーですから」
 あー、そういうパターンかー、それ言われたらそのカレーはお祝い料理だわーと納得したお祝い事トリオ。勧められるままにルーとロブスターの剥き身をスプーンに乗せて口に運び始める。
「う、うまあぁあ!淡白な身をスパイシーなカレーが包み込んで、カレーが剥き身の甘さを引き出す……!これは革命!」
 夢中でカレーを食べ進める怪人。そんな敵を倒すのは至極簡単な事。心志は食べ終わる頃合いを見計らってサクッと怪人に攻撃を叩き込んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月藤・紫衣
【料理】は得意です
我が家のお祝い料理は栗赤飯ですね

材料は生栗、小豆、餅米に調味料など
小豆は一度煮て灰汁抜きしその水を捨て小豆の重さの7倍程の水を入れて蓋無しで途中蒸発した分は水を足しつつ煮ます
少し力を入れて潰れるくらいで火を止め小豆と煮汁に分け
小豆には清潔な布巾をかけて煮汁が冷めるのを待ちます

栗の下拵えは3分熱湯で茹でた栗を包丁で皮剥き
渋皮も丁寧に剥きます
出来たら清潔な布巾を

炊飯器って便利ですね
洗った餅米と小豆を炊飯器へ
合数分の煮汁を入れます…足りなければ水を
あとは上から先ほどの栗を巻いて塩を入れたら普通に炊飯開始
炊き上がれば軽く混ぜてごま塩を掛けて完成です

食べている間に倒してしまいましょう



●お祝い事に赤は欠かせない
 猟兵たちのメシテロによっておおよそ半数に及ぶお祝い事トリオたちが消えていった。だが、それでも猟兵たちはメシテロをやめない。なぜならば、足りなくなった人手を工夫(という名の輸送経路などの強化)によって克服したお祝い事トリオたちが続々と収穫物を小屋へと運んでいくからである。
「お祝い事に食べる料理……。我が家のお祝い料理は栗赤飯ですね」
 収穫物が集まる小屋を探索し、目的の具材を見つけた月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)はふふ、と穏やかな笑みを浮かべる。
 料理を得意とする紫衣は鮮やかな手つきで赤飯で重要となる小豆の下拵えを行う。
 一度サッと煮てあく抜きをし、今度は水分量をきちんと計って再び煮る。蒸発により減った水分を足しながら、すこし力を入れるだけで潰れるくらいの柔らかさまで煮込んだ後、煮汁と小豆に分けていく。
「小豆の煮汁を使用することで、赤飯のあの色が出るのですよ」
 作業工程を確認するように呟きつつ、小豆の準備が終わってすぐに紫衣は次の作業へと移った。
 再び鍋に水を入れ、今度は栗を茹でていく。3分後、ほくほくに茹で上がった栗の皮を包丁を器用に使って剥く。もちろん、渋皮も忘れずに。そうしたら、黄金に輝く実が湯気を纏いつつ現れるのだ。
 小豆と栗の下拵えが終わり、紫衣は調理スペースで何かを探し始める。がさごそ。すぐに目当てのものを見つけた紫衣はそれをテーブルの上へと置き、コードを引っ張った。
「炊飯器って便利ですね」
 文明の利器は使ってこそ。彼は炊飯器へ洗ったもち米と小豆を投入。メモリ通りに小豆の煮汁を入れて、上から栗を散らす。味付けの塩を入れてふたを閉め、炊飯ボタンをぽちり。
 約1時間後、炊飯器からは甘い栗の匂いともち米が焚ける匂いが漂い始め、匂いに釣られたお祝い事トリオが様子を探りにやってきた。
「ちょうど炊き上がったところですよ、赤飯。あなた方も食べていかれますか?」
 焚きあがった赤飯をしゃもじで軽くかき混ぜながら微笑む紫衣の表情と、炊き立て特有の香りの誘惑に勝てるはずもなく。
 お祝い事トリオは差し出された茶碗と箸を受け取り、ごま塩が掛かった栗赤飯を口へと運ぶ。
「こ、これは……!柔らかい小豆もグッドだが、もち米にしっかりと塩気が付いているのもポイントが高い!だが、一番のポイントはなんといっても栗との組み合わせ!ほのかな塩気が栗の甘みを増して……!うんめぇえええええ!」
 お代わりしようと炊飯器に集うお祝い事トリオだったが、彼らが二杯目にありつくことはなかった。
 なぜならば……無敵効果が切れているので、紫衣がさっくりと倒したからである。
 藤の花の香りが、栗赤飯の香りを薄くしていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジョー・グラム
祝い事ならやっぱり豪快にいかないとな。

用意するのは炭火とグルグル回す焼き台、そして仔牛だ。

焦げないように回しながらじっくり仔牛を丸焼きに。
「焦らない焦らない。こういうのは我慢が大事なんだぜ」
落ちた脂が炭火でケムリになって、これがまた良い匂いになるんだ。
焼けた肉は削ぎ落として、辛目のソースや、甘めのソースでも、モチロン塩でも。
香辛料のパウダーを振りかけてかぶりつけば、柔らかい肉で口の中はいっぱいだ。
「オススメはあばらの周りだ。油がたっぷりで美味いぜ?」

肉に怪人が夢中になっている間に至近距離から素早く攻撃して仕留める。
「やれやれだぜ。もっと気楽にBBQをしたいもんだ」



●子牛の丸焼きでお祝いする場所だってある
 がちゃがちゃ、と焼き台を組み立てる男の姿があった。彼の名はジョー・グラム(サイボーグのブラスターガンナー・f02723)。もくもくと上がる煙は焼き台からではなく、彼が咥えているタバコから立ち上っている。
 紫煙が消えるころ、取っ手が付いていて、ぐるぐると回して焼くことが出来る焼き台が完成。
「そんでもってこいつを取り付けて……っと」
 ジョーはそこに一頭丸々、形を保った子牛を取り付けていく。
中央に子牛が吊られた後、ジョーは炭を熾し始めた。慣れた手つきで空気の通り道を考えて炭を並べ、火を入れていく。やがて火は炭へと移り、ぱちぱちと小気味よい音を立てて爆ぜ始めた。
「祝い事ならやっぱり豪快にいかないとな」
 じっくりと焼けていく肉の匂いに吊られたお祝いトリオたちに向けた言葉だろうか。ジョーは丸焼きが焦げないように回しながら辺りを見回して呟く。
「おお、うまそうー!」
「でもあの牛……収穫してきたものじゃ」
「おいしそー」
 食べたいなー、という声と共にお祝い事トリオたちがざわめき始める。ジョーはそんなお祝い事トリオにおい、と声を掛けた。
「焦らない焦らない。こういうのは我慢が大事なんだぜ」
 肉から落ちた油が炭火へと付着した瞬間、煙がもわっと立ち上る。牛の旨味がたっぷりの油は燻製の様な匂いとなり、空腹を刺激してくる。だが、まだ焼けていない。
 ――数時間後。
 じっくりと焼いたことにより、中はジューシーに仕上がった丸焼きが完成した。
 お祝い事トリオはというと……長時間のお預けを食らったことにより理性は吹っ飛びかけ、食べたら負けという事をすっかり失念しているようだった。
 焼けた肉を削ぎ落し、皿に盛って行くジョー。そこに辛めのソースや甘めのソース、塩や香辛料を用意して飽きない工夫を凝らしていく。
「肉だー!」
「にくにくぅ!」
 外は香ばしく、中は旨味が凝縮された丸焼きの虜となったお祝い事トリオ。ジョーおススメのあばら周りの肉に喜び、手を油でべとべとにしながら美味そうに頬張る。
「さーて、そろそろかね」
 香辛料やソース類で変わる肉の味を楽しんでいるお祝い事トリオの身体を至近距離からの射撃が襲った。
 ジョーは手にした銃をくるくると回転させホルダーに戻すと、タバコを咥え、火をつける。
 ゆらゆらと紫煙が揺れる中、彼は誰にも聞こえないような小さな声で
「やれやれだぜ。もっと気楽にBBQをしたいもんだ」
 そう、呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヨシュカ・グナイゼナウ
(アドリブ等歓迎)
お祝いといえば矢張りケーキではないでしょうか?

この時期の旬のフルーツ、メロンを使ったタルトを作ります。美味しそうなメロンを【野生の勘】で探し当てて
バターが香るタルト生地に、ブランデーのシロップを染み込ませたスポンジ生地、カスタードクリーム、ふんわり泡だてた生クリームを層にして。その上に薄く切ったメロンをそれはもうたっぷりと花弁状に重ねます
仕上げにナパージュで表面をコーティング。うん、キラキラとしてとても綺麗。
一切れ切り分け、オブリビオンさん、紅茶と共に如何でしょう?

騙し討ちのようで少し気が引けますが、それはそれ。
すらり、と抜いた【開闢】がきらりと光を反射した


フィーレン・アート
料理は芸術だ
なら、祝い事の料理も芸術的にしねぇとな!
得意分野で戦争の役に立てるってのはいいねぇ

祝い事はまあ、ケーキが一般的だが…フルーツ堪能フェアってのをした事が有るから
目にも楽しめる様に盛り付けていくぜ。
簡単に作れるんで、材料の用意の手間さえ惜しまないならカロリーで殴ろうな?

バニラアイスを一番下にセットしてスポンジケーキに見立てて、パチパチ系の飴玉を撒いて驚き要素を。
今度はストロベリーアイスを載せて、砕いたクッキー・ナッツ系でアクセント。
次にチョコレートアイスの土台に、酸味の利いたフルーツを丁寧に並べて輪を作っていく。
並べる順番がポイントだぜって事で、一気に食べると頭とお腹に悪いのは注意な?



●ケーキやスイーツだって負けてはいません
 猟兵たちのメシテロ攻撃によってお祝い事トリオの群れは両手で数えられるレベルにまで減少してしまったが、それでもお祝い事トリオ(生き残り)は採取を行っていく。
 無人となったはずの収穫物を格納する小屋だが、内部からはごそごそと小さな音が聞こえてくる。
 音の正体は目当ての食材を探しているヨシュカ・グナイゼナウ(渡鳥・f10678)であった。彼の手には大きくて甘そうなメロン。網目もくっきりとして高級そうな緑の玉である。
 目当てのものを手にしたヨシュカは、調理を行うためにキッチンスペースへと向かうのだった。
 シュウカクフードバトルの勝者が決定した瞬間である。
 場所は変わってキッチンスペース。早速、フィーレン・アート(料理人・f17796)が下準備を行っていた。
 料理は芸術、がモットーのフィーレン。味は勿論の事、見た目にもこだわる料理人である彼は、使用する材料の妥協を許さない。
 小屋になかった材料や、よりよい品質を求めて自身で取りに行ったりとしていたのだ。目の前に並べられた素材たちを満足そうに見つめてから、フィーレンは調理を開始。
 お祝い事トリオ(残り少ない)を待つ料理とは一体何なのだろうか。最後の戦いの行方は……。

●甘いメロンのタルト
「うん、やはりこのメロンは甘いメロンでした」
 ヨシュカは味見のためにと一切れメロンをもぐりと食べて呟く。野生の感を頼りにしたが、大当たりだったようだ。
「このメロンなら、きっとおいしいタルトが出来そうです」
 そういうと、ヨシュカはバターをたっぷりと使用し、サクサクかつしっとりさも残して焼き上げたタルト生地を用意。ブランデーをしみこませたスポンジ生地を敷いていく。
 さらに芳醇な香りのするスポンジ生地の上に、濃厚カスタードをとろぉり、と垂らして満足そうな笑みを浮かべた。
 さらにそのカスタード生地の上には、牛乳本来の味を凝縮したような生クリームがふんわり盛られていく。もうこれだけで食べたいです。
 フルーツタルト最大の魅力と言えば、鮮やかに盛り付けられるフルーツ。ヨシュカは薄く切ったメロンを花弁状になるように配置。それはそれはたっぷりと重ねていく。タルトの上には薄緑色の花が咲き誇り、見た目にも食欲をそそってくる。
 だが、それだけでは終わらない。上からナパージュを掛けて薄いゼリーの幕でメロンを閉じこめていく。タルトがきらきらと輝き、一層みずみずしく見えるメロン。
「うん、完成。あとはオブリビオンさんが返ってくるのを待つだけです」
 紅茶を用意しながら、ヨシュカは満足そうに呟いた。

●驚き要素抜群のアイスケーキ
「しかし、得意分野で戦争の役に立てるってのはいいねぇ」
 武器を使用して戦うのではなく、自身が最も得意とする料理で戦う今回のフィールドはまさにフィーレンにぴったりの場所だろう。
 彼はバニラアイスをスポンジケーキに見立てて作った土台にぱちぱちと弾ける飴玉を乗せていく。これが一つ目の驚きポイント。
 次にその上に甘酸っぱいストロベリーアイスを均等に乗せていく。ピンク色と白色のカラーリングが目にも鮮やかで視覚を大いに喜ばせに来る。
 もちろん、アイスも一から手作りというこだわりだ。バニラアイスは濃厚かつクリーミーで、ストロベリーアイスも所どころに混ざったイチゴの果肉がとても可愛らしくなっている。
 その上に砕いたクッキーや、数種類のナッツを乗せていけば、完成。
 フィーレンは完成したアイスケーキを解けないように冷蔵庫に入れ、チョコレートアイスを用意。もう一品作るようだ。
 チョコレートアイスを土台に、酸味の効いたフルーツ類を丁寧に並べていく。色鮮やかなフルーツがチョコレートアイスに花を添えていった。
「材料の用意の手間がかかるが、簡単に作れる上に、カロリーでも殴れるぜ」
 一見簡単に作っているが、なかなか難しいですからねコレ。

●サヨウナラ、お祝い事トリオ
 場所は変わり、此処は調理場から少し離れた休憩所。生き残りともいえる片手で数えられるだけになってしまったお祝い事トリオが全員、作業を中断しお茶を飲んでいた。
 そのオブリビオン達のテーブルに置かれるスイーツ! 
 一瞬何事かと思ったお祝い事トリオたちが顔を上げると、そこにはフィーレンとヨシュカの二名の姿。
「オブリビオンさん、お疲れでしょうから紅茶と一緒に甘いものはいかがですか?」
 タルトをカットし、一切れ差し出したヨシュカ。
「そうそう、これでも食べてってくれよ。一気に食べると頭とお腹に悪いのは注意な?」
 フィーレンも用意したアイスケーキを切り分けてオブリビオンに差し出していく。
 疲れもあったお祝い事トリオたちは全員、甘味に飛びついた!
 タルトをひと齧りしたお祝い事トリオは言った。
「ふんわり香るブランデーの風味が甘いメロンと生クリーム、カスタードとマッチしてなにこれサイコォー!」
 アイスケーキを食べたお祝い事トリオは言った。
「あぁん、ぱちぱちと弾けるこの感触とナッツの香ばしさが甘ぁいアイスとマッチしてとってもいいのぉん!」
「チョコレートアイスとフルーツの組み合わせさいこぉおおお!甘酸っぱいのと甘いのが合わさり最強だ!」

 しっかりと食べたのを確認したヨシュカとフィーレンによって、残りのオブリビオンは全てステージ上から消えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月06日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト