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シアター・オブ・イェーガー!!

#キマイラフューチャー


●まあ一理くらいはあるかもしれないけど
 それは、とある映画館での出来事。
「『映画』にとって最も不要なもの……それは『蛇足』っ!!」
 スクリーンの前で謎のカッコいいポーズを決めながら、ナマズ頭の怪人はそう叫んだ。
 上映が始まるのを待っていた客席のキマイラたちは、何じゃ何じゃと困惑顔。
「『終わってほしくない』とか『もっと続きが見たい』とか……そーゆーアンタたち視聴者の底知れない欲望が『蛇足』を生むの! ストーリーってのはねぇ、綺麗に纏まったらそこでスッパリ終わらせておくのが至高なのよ!!」
 熱弁を奮うあまり、ナマズ怪人の体からはバチバチと電流がスパークしている。
 ヤバいぞこいつ、ナマズはナマズでもデンキナマズだ。
「『2』とか『続』とか『続々』とか『ファイナル』とか『セカンドファイナル』とか『新』とか『ZERO』とか! 1作目で完成されてたものを汁吸ったラーメンみたいに引き伸ばして! そんなのアタシ許せない!」
 まあ要するにこの怪人が何を言いたいかっていうと。
「名作映画の台無し続編はみんな滅べーーーーーー!!!!!」
 スパーク!!
 あ、電源落ちた。

●でもちゃんと名作だってあるんですよ
「……という事件が起こります。リムは猟兵に出動を要請します」
 自らの見た予知の内容を伝えて、リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)はあくまで淡々とした口調でそう言った。
「詳細を説明しますと、キマイラフューチャーのとある映画館に怪人――オブリビオンが出現し、居合わせた観客や映画館の設備を襲います。その怪人はどうやら『ガッカリ続編滅ぶべし』という信条を持つようです」
 丁度事件現場となった映画館でも、とある名作映画の続編が公開されており、怪人はこれを狙ったものと推測される。
 ちなみにだがこの続編の評価はそこそこ良い。ネット評価で☆3.7くらい。

「目的はアレですが、現場には多くの一般キマイラもいますし、放置はできません」
 戦闘に巻き込まれたら大変だし、うっかり怪人に共感する者が出たらコトである。
「なので皆様は現場に転移したら、まずは一般キマイラを避難させてください」
 観客への避難誘導をするのも勿論だが、怪人の足止めをして時間を稼ぐのもアリだ。
 普通に殴ってもいいが、何なら映画談義でも仕掛けてみれば乗ってくるかもしれない。
「避難が完了すれば本格的な戦闘に移れます。リムが予知できた怪人は一名でしたが、数的不利を悟れば部下を呼び出す可能性もあるので、注意してください」
 たとえ続編映画アンチでもオブリビオンはオブリビオン。決して油断はしないように、とリミティアは念を押してから、手のひらにグリモアを浮かべる。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回のシナリオは映画館を襲撃する怪人との戦い。まずは居合わせた一般キマイラ達を避難させ、その後戦闘という流れになります。
 とことん相手と信念をぶつけ合ってもいいですし、知ったこっちゃねぇやと殴り飛ばしてもいいです。最終的に勝てば良いのです。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『名作映画の台無し続編許さない怪人!』

POW   :    正面から怪人を叩く

SPD   :    観客を素早く避難させる

WIZ   :    怪人に続編映画の良さを説得する

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フルム・サーブル
それじゃあ、僕は観客の避難を手伝おう
いくらどんなに駄作であっても、劇場で物語を遮るというのは最大のタブーだ
文化人(※自称)としては看過できない行為だね

まずは非常電源の有無と非常口の表示を確認
電源を出来る限り復帰させて劇場がもつ本来の非常設備を活用

ガチ停電ならユーベルコードで生きている生け花を召喚して
花が行き先を示すように避難誘導をするよ
時期的に紅白のポインセチアがいいかな

みんな落ち着いて、大丈夫。今から誰かがあいつをやっつけるからね



映画館に突然現れたナマズ頭の怪人。
「うわー、なんだコイツ?!」
「キャー、助けてー!!」
 電撃ビリビリスパークの嵐、映画館はたちまち大混乱!

 だが、そこに颯爽と現れるのは猟兵たち!!

「みんな落ち着いて、大丈夫。今から誰かがあいつをやっつけるからね」
 生きている生け花を連れて、真っ先に姿を見せたのはフルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)。
 映画館の暗がりの中でも目立つ紅白のポインセチアが、観客の避難誘導を行う。
 ここに駆けつける前に、非常電源への切り替えや非常口の確認などをそつなく行っていたので、その誘導はスムーズだ。

「うわー、猟兵だ!!」
「キャー、助かったわ!!」
 一般キマイラの方々は大興奮。
 この世界の住人はヒーロー大好きですから。

「何よアンタ! アタシの邪魔するつもり?!」
「いくらどんなに駄作であっても、劇場で物語を遮るというのは最大のタブーだ。文化人としては看過できない行為だね」
 パチパチと電気で怒りを表現する怪人に、フルムは優雅に見栄を切る。
 しかし彼はあくまで儚い妖精さんだ。
 さっきしれっと「誰かが」とも言っていたとおり、自分は今のところ避難誘導に徹するご様子。

 ……戦場生まれのバーバリアンなんですけどね、この自称文化人。

成功 🔵​🔵​🔴​

アノニム・ヴァリアント
「……」
 続編にだっていいものはあるのである。怪物にも矜持はある。故に、怪獣映画の続編パンフレットを持ち込んだ。
 自分は口がうまくないことを知っている。故に、【捨て身の一撃】的覚悟で説得するつもりだった。つもりだったのだ。
「……む」
 アノニムに批評はわからぬ。映画をいかに評価すればいいのかその言葉も知らぬ。だが彼にも解ることはある。
 良き映画は、見ることでその良さがわかるということと。
 どんなものであれ、見なければ評価はできぬということ。
 ゆえに、彼のとった行動は完結だった。
「……見ろ」

 おおっとアノニム選手! パンフレットを全力で怪人にたたきつけたぁ!!



「アタシはそいつらの間違いを正してやるのよ! 邪魔しないで!」
 カッとなって殴りかかろうとしたナマズ怪人の前にさっと立ち塞がったのはアノニム・ヴァリアント(名無しの怪物・f03241)。
「……」
 彼はじっと黙って怪人を見つめる。
 その手には一冊のパンフレット――彼の世界でヒットした、とある怪獣映画の続編のパンフレットが握られていた。
「何よ、アンタも邪魔する気?!」
「……」
「ちょっと?」
「……」
「いや喋りなさいよ?」

 アノニムは己を怪物だと自認する。だが怪物にも矜持はある。
 続編にだっていいものはあるのだ。
 細かな批評点は分からないし、映画を批評するための言葉もアノニムは持ち合わせない。
 だが、良いものは、良いのだ。それは見れば分かる。
 言い換えるならば、見なければ分からないのだ。

 どんなものであれ、見なければ評価はできない。
 そうアノニムは伝えたかった。伝えたかったのだが――
 残念なことに、彼はどうしようもなく口下手であり。
 故に取った行動は。

「……見ろ」

 スパァーーーーーーーーーーン!!!!!!!!
 おおっとアノニム、パンフレットを全力で怪人に叩き付けたぁーーーーっ!!

「痛ったああああああああああああ?!」
 効いている! アノニムの捨て身の説得(POW判定)は怪人に効いている!
 よく分からんがとにかく結果オーライだ! 足止めにはなってるしね!

成功 🔵​🔵​🔴​

空飛・空牙
POW判定
色んな意味で叩こうか

「ヒーホゥ! 邪魔すんぜナマズ野郎!」
[先制攻撃]に[衝撃波]付きで思い切り蹴り飛ばす

「蛇足だなんだって論議がそもそも蛇足だろうが。…ていうか、ナマズに手足とか蛇足どころじゃねぇなおい」

避難の邪魔にならないよう【スカイステッパー】で移動しながら[衝撃波]を飛ばしつつ話かける

「文句があんなら見なきゃいいだろ。映画撮るのだってタダじゃねぇんだ、需要があるから存在してんだよ。てめぇ個人の意見じゃ映画は成り立たねぇんだ。それをいったい何様だ? 何でてめぇごときの許しが必要なんだ? てめぇ自身の存在が蛇足のくせして適当抜かしてんじゃねぇよにわか風情が!!」

たぶん時間稼ぎ目的



強烈な説得(物理)を食らった怪人がひるんだ瞬間、すかさず追撃を仕掛けたのは空飛・空牙(蒼天疾駆の自由人・f04480)。
「ヒーホゥ! 邪魔すんぜナマズ野郎!」
 スカイステッパーで軽快に映画館内を跳躍し、衝撃波を乗せた鋭いキックが怪人の頭を蹴り飛ばした。
「また痛ぁ?!」
 立て続けに頭部に打撃を受けまくる怪人、これは辛い。

 だが、空牙の攻撃は単なる物理だけではなかった。
「蛇足だなんだって論議がそもそも蛇足だろうが。……ていうか、ナマズに手足とか蛇足どころじゃねぇなおい」
「うぐっ」
 実は気にしていたのかナマズ怪人が言葉に詰まる。
 ちなみにこの怪人、首から下はわりと普通の人型である。
「文句があんなら見なきゃいいだろ。映画撮るのだってタダじゃねぇんだ、需要があるから存在してんだよ。てめぇ個人の意見じゃ映画は成り立たねぇんだ。それをいったい何様だ? 何でてめぇごときの許しが必要なんだ? てめぇ自身の存在が蛇足のくせして適当抜かしてんじゃねぇよにわか風情が!!」
 留まることのない口撃の嵐である。
 さらに宙を跳び回りながら衝撃波のキックもバシバシ飛ばしてくる。
「いやそれは、ちょっ、待っ、喋らせてっ」
 あまりの勢いに怪人は反論する余裕もない。

 傍目には乱暴だが、空牙がスカイステッパーで跳び回っているのは避難の邪魔にならない為だし、ボコボコに叩いている(二重の意味で)のも時間稼ぎが目的である。
 実は意外とクレバーな立ち回りを見せる空牙であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

松平・富嶽
私は文化人ではありませんが、事を荒立てるつもりはありません。ここは説得しましょう。
「あなたが何やら個性的な主張をするナマズ怪人ですか?」
と話を切り出す。
「私は松平富嶽。あなたを説得するように派遣された者です。確かに映画の続編で蛇足みたいものはあるでしょう」
と言い、相手の意見を一旦肯定する。
「しかし、続編はファンの希望から作られるものもあるのです。それを否定することは、ファンの楽しみを裏切ることにもなります。映画は人々を楽しませるために作られるもの。あなたは人々の楽しみを奪うつもりですか!」
と愛用の鉄扇で敵の方をビシッと指しながら言う。
もし攻撃されたら、『富嶽新陰流・水龍突』で反撃。正拳突きで。



「ぜぇ……ぜぇ……はぁ……」
 暴力と暴言を立て続けに食らい、肉体よりも精神的に疲労してくるナマズ怪人。
 そこにすっと歩み出たのは松平・富嶽(忠烈義士・f02974)。
「あなたが何やら個性的な主張をするナマズ怪人ですか?」
「あ、アンタは……?」
「私は松平富嶽。あなたを説得するように派遣された者です」
 事を荒立てるつもりはありません、と至極丁寧に彼は話を切り出した。

「確かに映画の続編で蛇足みたいものはあるでしょう」
「そうそう! そうでしょう!」
「しかし、続編はファンの希望から作られるものもあるのです。それを否定することは、ファンの楽しみを裏切ることにもなります」
「うっ……そ、それはっ」
 まず一度、相手の主張を肯定してから、理路整然として反論を展開する。
 実に真っ当な説得の手法だった。

「映画は人々を楽しませるために作られるもの。あなたは人々の楽しみを奪うつもりですか!」
「くっ、くぅぅ~~~~~ッ!!!」
 ビシッ、と富嶽が愛用の鉄扇で指すと、咄嗟に反論の言葉の出ないナマズ怪人はがくり、と膝を突く。
「確かに、アンタの話にも一理あるわ……でもアタシは諦めない! 名作を汚す台無し続編は、やはり悪なのよ!」
 それでも、怪人の心は完全に挫けたわけではなかった。

「でも嬉しいわ。ようやく普通に話をしてくれる人が出てきて」
「……えぇと」
 なんか気に入られたらしく、富嶽は困惑顔。
 オタクって共通の話題で議論のできる相手に飢えてますよね。

成功 🔵​🔵​🔴​

暴星・メテオ
「あーアタシはそのブンカジン?ってのでもないしヒヒョー?ってのもよくわかんねーんだけどさ…」
学ランをはためかせながら頭をかきつつ登場。
映画のことはよく分からないがとにかく悪い怪人は許しません。
「とにかく映画ってのはカッコいいヒーローが出て!なんかスゲー音楽が流れて!ドカーンってデカイ音が出て!ガガーン!ってアクションがスゴけりゃいいんだろ?」
「こんな!風に!な!!」
と自論?を展開しながらナマズ怪人をボコボコにしにいきます。
避難の邪魔にならないよう超接近戦で。
言うだけ言ってナマズの顔面にUCを叩き込み[吹飛ばし]ます。
「細けーことはいいんだよ!映画なんだから!」



「あーアタシはそのブンカジン? ってのでもないしヒヒョー? ってのもよくわかんねーんだけどさ……」
 わりとまともに説得してる所に、頭をかきつつ登場するのは暴星・メテオ(星屑★番長・f03838)。
 愛用のギャラクシー★ガクランをはためかせ、口下手なりに自論を展開する。
「とにかく映画ってのはカッコいいヒーローが出て! なんかスゲー音楽が流れて! ドカーンってデカイ音が出て! ガガーン! ってアクションがスゴけりゃいいんだろ?」
 ちょっと擬音が多目だが、熱意のある悪くない説得だったかもしれない。
「こんな! 風に! な!!」
 直後にメリケンサックでブン殴ってなければな!!!!

「ぐふぅ!?」
 またちょっと話の通じるやつが来たかも、と思ったナマズ怪人の顔面に炸裂するメテオの超爆滅★超星拳。
 盛大に吹っ飛ばされた怪人は、ゴロゴロとスクリーン端まで転がっていく。
「ま……また殴ったわね?! 意見の合わないヤツを暴力で黙らせるなんて、アンタたち最低よ!」
「うるせぇ!」
 抗議するナマズ怪人との距離を素早く詰めると、再び拳を繰り出すメテオ。
「細けーことはいいんだよ! 映画なんだから!」
 映画のことはよく分からないが、とにかく悪い怪人は許さない。
 見た目は乱暴な不良少女だが、根は正義感の強いメテオさん。
 避難の邪魔にならないよう超接近戦を挑んだりと、本当はいい子なのだ、きっと。

「オラオラオラオラァッ!!」
「げふっ、ごふっ、ぐふっ、がふっ!?」
 メテオの正義の説得(POW判定)に、ナマズ怪人もたじたじだ。
 念のため言っときますけどまだ戦闘パートじゃないです。

成功 🔵​🔵​🔴​

ムルヘルベル・アーキロギア
【WIZ:怪人に続編映画の良さを説得する】
わかる。
ワガハイは怪人の苦悩がわかる。オヌシの怒り、憤り、何もかも理解できる。わかルヘルベルである。
しかしだ。この怪人は大事なことをひとつ失念しているではないか。
「オヌシの論理は不完全なのだ」
「よいか! 真にアレなのはだいたい続編より3作目! 特に2作目が傑作だったりするとなおアレだったりするやつだ!!」
時代設定を一新したやつとか、面倒ななんかに配慮して味がスポイルされたのとか! 枚挙にいとまがないわ!!
まあ逆に2作目がアレで3作目で持ち直すのもあるが。
「ところでオヌシはあのシリーズだとどれが一番好き? ワガハイは全部好き!」
説得? 説得だとも。



「ううっ……なんて野蛮なヤツらなの……猟兵なんてしょせん、映画の良し悪しも分からないケダモノなのね……」
 身も心もわりとボコボコにされて、悲劇のヒロインぶって打ちひしがれるナマズ怪人。
 ちょっと一緒にして欲しくなさそうな顔の猟兵も一部いるがそれはさておき。
 そこに現れたのはムルヘルベル・アーキロギア(執筆者・f09868)だった。
「な、何よ……どうせアンタもアタシを否定するんでしょ? 主に暴力で!」
「わかる」
「え?」
 短く告げられた一言に、怪人は目を丸くする。
「ワガハイはオヌシの苦悩がわかる。オヌシの怒り、憤り、何もかも理解できる」
 わかルヘルベルである。
 そう、ここに来てついに、ナマズ怪人の理解者が現れたのである!

「あ……アンタ、本当に? 本当にアタシの気持ちが分かるの?」
「ああ。しかしだ、オヌシは大事なことをひとつ失念している」
「そ、それは一体?」
 怪人が話にノッてきたところで、すかさず熱弁を揮うムルヘルベル。
「オヌシの論理は不完全なのだ。よいか! 真にアレなのはだいたい続編より3作目! 特に2作目が傑作だったりするとなおアレだったりするやつだ!!」
「!!!!!!」
 ピシャーンッ!! と、背景に雷が落ちそうなノリで驚く怪人。
 そう、映画に限らず作品とは1作目よりも2作目、2作目よりも3作目のほうがハードルが上がるもんなのだ。
 よって悲しいかな駄作も増える。
「時代設定を一新したやつとか、面倒ななんかに配慮して味がスポイルされたのとか! 枚挙にいとまがないわ!!」
「分かる……すごく分かるわ! シリーズのファンにとってはいっちばん腹たつヤツよね!」
「うむ。まあ逆に2作目がアレで3作目で持ち直すのもあるが」
「あるある!!」
 話の合うヤツが来て、怪人、めっちゃ嬉しそう。

「ところでオヌシはあのシリーズだとどれが一番好き? ワガハイは全部好き!」
「アタシはやっぱり初代ね!」
 そのまま普通に映画談義に突入するムルヘルベルとナマズ怪人。
 説得って何だっけって雰囲気だが、怪人が談義に夢中になっている間に、気がつけば観客の避難は完了していた。
「……ハッ?! 誰もいない?」
 そう、ここに居るのはもう怪人と猟兵だけだ。
 紆余曲折はあったが、一般キマイラを退避させるという猟兵たちの第一目的は果たされたのである。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』

POW   :    恨みのローソク
【ケーキの飾りのロウソク 】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ふかふかボディ
自身の肉体を【スポンジケーキ 】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    生クリームブラスト
【両掌 】から【生クリーム】を放ち、【ベトベト感】により対象の動きを一時的に封じる。
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「くっ、キマイラ達にアタシの信念を叩き込むチャンスが……こうなったら、代わりにアンタ達を教育してやるわ!」
 コンコンコン、と映画館の床をナマズ怪人が叩くと、わらわらわらっと多数の怪人が飛び出してくる。
 ひょっとしてずっとスタンバってたんだろうか。

『我ら、売れ残ったクリスマスのケーキ怪人!!』
『我らをご購入くださったナマズ様の恩義に報いるため、貴様らを倒す!』

 一斉にそう語るケーキ頭の怪人の目には悲哀の涙が浮かぶ。
 こういうのってシーズン逃すとマッハで売れ残るのだ。
 クリスマス当日ですら既にヤバい。

「ふっ、こんな事もあろうかと配下は用意しておいたのよ……半額でね!」
 そこは定価で買ってやれよ、と猟兵達が思ったかどうかはともかく。
 ナマズ怪人と決着をつけるには、先にこのケーキ怪人達を倒す必要があるようだ。
ムルヘルベル・アーキロギア
クリスマスといえばだな、ワガハイあのシリーズはなんだかんだ2も3も良作だと思うのだよ。特に3は主人公が変わったので人を選ぶかもしれぬが、あのオウムがいい味を出しててだな。
……ん? なんだこの幸薄そうな顔をしたケーキどもは。映画鑑賞にケーキが合うか馬鹿者、邪魔だ邪魔だ! 【ウィザード・ミサイル】で頭の蝋燭をまるごと燃やしてくれよう!
おお、そういえばあのシリーズで出てきたトラップだとオヌシどれが一番好き? ワガハイはやはり……
なんだ、まだ敵がいるのか? ええいまだるっこしい、ワガハイが何のためにここに来たと思っておるのだ!
……戦うためであったな! おのれオブリビオン、ワガハイを惑わせるとは!



「クリスマスといえばだな、ワガハイあのシリーズはなんだかんだ2も3も良作だと思うのだよ。特に3は主人公が変わったので人を選ぶかもしれぬが、あのオウムがいい味を出しててだな……」
 あのムルヘルベルさん、もう戦闘始まってますよ?
「……ん? なんだこの幸薄そうな顔をしたケーキどもは。映画鑑賞にケーキが合うか馬鹿者、邪魔だ邪魔だ!」
 心底面倒くさそうな手つきで彼が放つのはウィザード・ミサイル。
 ロウソクに火を灯すってレベルじゃねーぞって数の炎の矢が、売れ残ったクリスマスのケーキ怪人に襲い掛かる。
「ギャーッ!? メリクリ!!」
 火ダルマになって爆発するケーキ怪人。
 怪人とは爆発するのがお約束らしい。

 邪魔者を排除したムルヘルベルは映画談義を再開する。
「おお、そういえばあのシリーズで出てきたトラップだとオヌシどれが一番好き? ワガハイはやはり……」
「隙ありー!」
 が、そこに別のケーキ怪人が両掌から生クリームを放って攻撃してくる。
 露骨にイラッとした表情のムルヘルベル、ベトベトの生クリームを回避しつつ、
「なんだ、まだ敵がいるのか? ええいまだるっこしい、ワガハイが何のためにここに来たと思っておるのだ!」
 そう言って、暫し間が空いて。
「……戦うためであったな!」
 そうだよ。
「おのれオブリビオン、ワガハイを惑わせるとは!」
「いやアタシ何もしてないし!?」
 責任転嫁されたナマズ怪人はたまったもんじゃない。
 それはそうとケーキ怪人は炎の矢でまた一匹爆発させられるのだった。合掌。

成功 🔵​🔵​🔴​

アノニム・ヴァリアント
 アノニムは思う。ケーキか、成程。映画に食べ物は大事な要素だ。
 だが、ケーキはどうだろう。片手で食べづらく、落とすと服や床が汚れる。
 映画を見ながらには向いていないだろう。ならば、やはり。
「……刻印、解放。武装干渉、内臓武装の変換開始――完了」
 胸の中央の刻印を輝かせ、UDCを喰らい融合するその力をもって右腕の兵装を変換する。展開された内臓兵器は、そう。
 射出式ポップコーン製造機。
 ……兵器?
「……おごり、だ。全弾、もっていけ……!」
 ガトリングのように射出される熱々のポップコーンが怪人に襲い掛かる!
 種はどっからって? 気にするな!
 
 ※なお、後程スタッフが回収して美味しくいただきました。



『クソッ、負けるかー!』
 朝の子供向け特撮番組の戦闘員ばりの軽さで倒されても、ケーキ怪人は怯まない。
 頭のロウソクに火を灯し、その炎を武器にして尚も襲ってくる。

「……ケーキ、か、成程」
 そんな彼らを見てアノニムは思う。
 映画に食べ物は大事な要素だ。しかしムルヘルベルも言っていたが、映画鑑賞のお供にケーキは相応しいだろうか。
 食器がなければ食べづらく、落とすと服や床が汚れる。
 そんな食品を映画館に持ち込むのはまずNGである。

 よってアノニムの出した結論は。
「……刻印、解放。武装干渉、内臓武装の変換開始――完了」
 胸の刻印を輝かせ、サイボーグにしてグールドライバーたる彼の右腕が変形する。
 そこから展開される兵器の形は――射出式ポップコーン製造機。
『な、何だそれはぁぁぁぁぁぁぁっ!?』
 ケーキ怪人たちが驚愕する。色んな意味で。
 そりゃあ突然目の前の敵にデカいポップコーン製造機を向けられても意味わからんだろうし。

「……おごり、だ。全弾、もっていけ……!」
 ガトリングのように回転射出されるのは、熱々の出来たてポップコーンの弾幕!
 種はどこから調達したのか? そんな常識は猟兵には通じない!
『ギャァァァァァァァァァ!!?』
 熱々ポップコーンの直撃を受けて、次々と爆発していくケーキ怪人。
 見た目はアレでもユーベルコード、その威力は保証済みだ。
 ……映画館に散乱するケーキの残骸とポップコーンという、トンチキな絵面ではあるが。

成功 🔵​🔵​🔴​

江戸川・律
心底呆れたように一番後ろの席で溜息を吐き
クリスマスケーキ特集と書かれた情報誌を席に置き
立ち上がります

「映画館は静かにって知らないのか?作品の良し悪しは横に置いておいてもみんな楽しみに見に来てんだから」

「ペンは剣よりも強し」の効果でケーキ怪人の攻撃を
紙一重で避けながら歩を進め、ふとケーキ怪人に目を向けます

「その特徴的なデコレーション…君はあの店のケーキかい?」
「そこの君はあの店の?何だよ有名店ばっかじゃん」
「俺、最近忙しくて買えなかったんだよ。半額?なら定価で買い直してやろうか?戦闘よりさ皆に食べて喜んでもらった方が幸せだろ?」
コミュ力と言いくるめの心に刺さるセリフで寝返りを誘います

アドリブOK



火矢とポップコーンと生クリームが飛び交う戦場と化した映画館。
 誰もいなくなった客席の最後列から、呆れた顔でそれを見下ろすのは江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)。
 溜息をひとつ吐きつつ、一刻も早くこの騒動を収めるべく、彼は立ち上がる。

「映画館は静かにって知らないのか? 作品の良し悪しは横に置いておいてもみんな楽しみに見に来てんだから」
 律はそう語りながら自らのユーベルコードを発動し、未来の敵の攻撃を予想する。
 ケーキ怪人がそのスポンジボディでいくら殴りかかっても、彼には当たらない。
 紙一重での回避を続ける律は、ふとケーキ怪人の一人に目を留めて。
「その特徴的なデコレーション……君はあの店のケーキかい?」
『えっ、知ってるの?!』
「知ってる知ってる。そこの君はあの店の? 何だよ有名店ばっかじゃん」
『お、おぉぉぉ……!!』
 ケーキ怪人の一人ひとりに向けたその言葉は、彼らのひん曲がったプライドを大いにくすぐった。

「俺、最近忙しくて買えなかったんだよ。半額? なら定価で買い直してやろうか?」
『マジですか?!?!』
「ああ。戦闘よりさ、皆に食べて喜んでもらった方が幸せだろ?」
 律の提案を受けたケーキ怪人たちは、互いに顔を見合わせて。
『お、俺……買ってもらおうかな……』
『あ、じゃあ俺も……』
『俺も!』
「ちょっ、アンタたち、何裏切ってんのよー!?」
 次々と寝返っていくケーキ怪人たちに、ナマズ怪人は驚愕。
 流石に全員とはいかなかったが、多くのケーキ怪人は戦いよりもケーキらしく食べられる道を選んだのだ。
 ちゃんと定価で買っておけばよかった、とナマズ怪人が後悔してももう遅い。

 見事な交渉術を示した律だったが、そのタネは彼の座っていた客席に置いてある。
 それは表紙に「クリスマスケーキ特集」と書かれた一冊の情報誌。
 流石ジャーナリスト、情報収集は完璧だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

松平・富嶽
裏にいるスタッフから拡声器を借りて
「あ~、ケーキの怪人たちに告げます。武器を捨てて投降しなさい。あなたたちを作ってくれたパティシエたちが泣いてますよ」
と言う。反論があるはずなので
「あなたたちは元々、人に暴力を振るうために生まれてきたのではないでしょう? パティシエたちはお客様に素敵な時間を提供するために、あなたたちケーキを作り出したのです。そこのナマズ怪人に尽力するよりも、お金が無くて食べられなかった人たちに無償提供で食べてもらった方が良いのでは?」
と【コミュ力】と【言いくるめ】を使って、怪人たちの離反を促す。
「あ、抵抗した場合は問答無用で斬り捨てるので、覚悟してください」
と最後に付け加える。



猟兵たちのケーキ怪人への説得はまだ続く。
「あ~、ケーキの怪人たちに告げます。武器を捨てて投降しなさい」
 律に続いて呼びかけるのは富嶽。
 その手にある拡声器は裏方のスタッフさんに借りたらしい。後でちゃんと返してあげて下さい。

「繰り返します、投稿しなさい。あなたたちを作ってくれたパティシエたちが泣いてますよ」
『うるせー!! オヤジの事なんて知るか!!』
 ケーキにとってパティシエは父親らしい。
 それはそれとして、今残っているのは律の説得にも応じなかった捻くれ者たち。
 ちょっと情に訴えたくらいでは絆されない。

 だが、富嶽は尚も言葉を重ねる。
「あなたたちは元々、人に暴力を振るうために生まれてきたのではないでしょう? パティシエたちはお客様に素敵な時間を提供するために、あなたたちケーキを作り出したのです」
『うっ……そう言われるとちょっと申し訳ない気分に……』
 ナマズ怪人相手にしたような、理路整然とした説得がケーキ怪人の心を打つ。
「そこのナマズ怪人に尽力するよりも、お金が無くて食べられなかった人たちに無償提供で食べてもらった方が良いのでは?」
『確かに……俺たち、カネに執着し過ぎていたかもしれない……』
 食べてもらえるなら、定価や半額なんて関係ないじゃないか。
 そんな雰囲気がケーキ怪人の間に広まりかけ、いやでもやっぱりちゃんと買ってほしい! という気持ちとせめぎ合う中――

「あ、抵抗した場合は問答無用で斬り捨てるので、覚悟してください」
『降伏します!』
 さらっと最後に付け加えられた一言で、白旗を上げるケーキ多数。
 やはり最後にモノを言うのは暴力だった。

「あれ……なんかアタシの時よりちゃんと説得してない?」
 釈然としない顔のナマズ怪人を守るケーキ怪人の数も、あと僅かだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヒメル・ヴィーゼ
クリスマス…装備のプログラム調節に没頭してたら過ぎちゃってたのよね。
クリスマスって、楽しい人もいれば悲しい人もいる……ケーキも一緒なのね。
(内心:私はプログラム好きだし、正直気にしてないけど。言っちゃだめよね)

よし、ライオンさんに手伝ってもらいましょう。
「レオンハート・ライド」でライオンさんを呼んで、ガブガブもぐもぐ(噛みつき攻撃)してもらうわ!
邪魔されそうになったら、走って避けたり、武器(ヒメルの尾:フォース)で攻撃飛ばしたりするわね。

(内心:多少傷んでてもこのライオンさん機械だし、口にしたもので壊れないよう、袋に貯まるようにしてあるから大丈夫。皆には内緒よ?)

※アドリブOK



「クリスマス……装備のプログラム調節に没頭してたら過ぎちゃってたのよね」
 残り少なくなったケーキ怪人に、哀れみに似た視線を投げかけるのはヒメル・ヴィーゼ(ブラックタールは草原と空の夢を見る・f04279)。
「クリスマスって、楽しい人もいれば悲しい人もいる……ケーキも一緒なのね」
 かく言う彼女は、趣味のプログラミングに没頭できて悔いはなかったらしい。
 クリスマスの楽しみ方は人それぞれということだろう。

「よし、ここはライオンさんに手伝ってもらいましょう。力を貸して!」
 ちりん、とヒメルが丸鈴を鳴らすと、現れるのは巨大な獅子のぬいぐるみ。その背中にぴょん、と黒猫が飛び乗る。
 ちなみにだが彼女はケットシーではなく、猫に変身したブラックタールである。もふもふに見えてぷるぷるなのだろうか。
 さておき、ヒメルが号令を下せばライオンさんは走り出す。
『く、来るぞ、迎え撃てー!』
 ケーキ怪人は必死に迎撃しようとするが、ライオンさんの機敏な動きは彼らのスポンジボディでは追いきれない。
 近寄ろうとしても、ヒメルの尻尾から放たれるフォースの弾丸に吹き飛ばされる。
 そうして体勢の崩れたケーキ怪人にライオンさんは飛びかかると、ガブガブもぐもぐと自慢の牙で食い散らかす。

『ギャーッ!! でも、食べられるなら、本望……』
 残念、このライオンさんは機械仕掛けなのだ。
 口にしたものを袋に貯める機能はあるが、ケーキを栄養にしてる訳ではないのだ。
 だけどヒメルは黙っておくことにした。それがケーキ怪人の心情を慮ってのことかは定かではない。

成功 🔵​🔵​🔴​

クオン・セルフィライト
……食べれるの? ……ほんとに食べられるなら食べるけど。
食べれそうにないみたいだし、うん。処分する。

2丁拳銃を構え連射して蜂の巣にする。
あなたたちもこんなところでこんな風に散るために産まれたわけじゃないだろうのに。
一縷の悲しみを振り切って連射連射連射連射。

次にケーキとして生まれ変わったらちゃんと定価で買ってあげる

それが私が彼らに残せる最後のメッセージだ。



クオン・セルフィライト(双剣双銃・f00566)は困惑していた。
 むっしゃむっしゃとケーキ怪人を食らう(ように見える)ライオンさんを見て。
「……食べれるの? ……ほんとに食べられるなら食べるけど」
 ここまで当然のように食べられる前提で話を進めてきたが、こいつら怪人であり、オブリビオンである。
 普通に考えれば食用に適している気がしない。売れ残りだし消費期限もヤバそう。
「食べれそうにないみたいだし、うん。処分する」
 それがクオンの下した結論だった。
 極めて常識的な判断と言えよう。

『ひ、怯むなー、進めー!』
 最初はあれだけ(売れ)残っていたケーキ怪人の数も、今や数名。
 それでもナマズ怪人への恩義を果たすために特攻を仕掛ける彼らに、クオンは二挺拳銃の銃口を向ける。
「あなたたちも、こんなところでこんな風に散るために産まれたわけじゃないだろうのに」
 その眼差しに浮かぶは一縷の悲しみ。
 しかし彼女の銃弾に容赦はなかった。
 悲しみを振り切って放たれる銃弾の嵐に、蜂の巣と化していくケーキ怪人。

『ここまで、か……ナマズ怪人様、申し訳ありません……』
 最後に残った一体の頭部に、クオンは照準を合わせて。
「次にケーキとして生まれ変わったら、ちゃんと定価で買ってあげる」
『フッ、ご一緒にチキンもいかがですか……メリクリ!!!』
 銃声、そして爆発。
 こうして、クリスマスの悲哀をその身に纏った怪人たちは、戦場から消え去ったのである。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『怪人『オンナマズ』』

POW   :    ジャイアントナマズ
自身の身長の2倍の【巨大ナマズ怪人 】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    ナマズ人召喚
レベル×1体の、【後頭部 】に1と刻印された戦闘用【ナマズ人】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    矢ナマズ発射!
レベル×5本の【雷 】属性の【刺さるデンキナマズ】を放つ。
👑17
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猟兵たちの活躍によって売れ残ったクリスマスのケーキ怪人は映画館から一掃された。
 一部降伏した奴らもいるが、それはまあ一旦置いておこう。
 後で誰かが美味しく食べてやればいいよ。

「フッ、アタシの配下をこうも易々と倒すなんて、流石は猟兵ね」
 しかし今回の騒動の元凶であるナマズ怪人は健在である。
 序盤でボコボコにされた肉体とメンタルもいつの間にか回復したようだ。
 時間稼ぎに使われたケーキ怪人に合掌。

「アンタたちの言葉にも一理ある……だけど、アタシはアタシの信念を貫く! 名作は一作で完結すべき! 続編なんて必要ないのよ!」
 こんなナリでも思想でも、オブリビオンはオブリビオン。
 その信念は常に「過去」ばかりを見ていて「未来」のことを考えていない。
「行くわよ猟兵ども! 全てのガッカリ続編と共に、消し炭になりなさい!!」
 かくして世界と映画の未来を賭けたかもしれない、ナマズ怪人と猟兵の決戦の火蓋は切って落とされた!!
ムルヘルベル・アーキロギア
「なあ怪人よ、オヌシにとってリメイクとかリブートってどういう立ち位置なのだ?」
戦闘? それも大事だがこれだけは聞いておきたいのだ!
その答えがどうあれ続編というだけで駄作扱いするのは言語道断
懐古主義に囚われたオブリビオンよ、せめて安らかに逝け!

敵の攻撃を見た上でUCを使い、召喚ナマズ人を魔神に食らわせ味方の活路を開く
「だがやっぱりワガハイはオヌシの気持ちがわかる! わかってしまうのだ……!」
ワガハイの襟巻には【雷耐性】がある、彼奴の電撃を散らしながら攻防を仕掛けるとしよう

「映画マニアの怪人……あれが最後とは思えない」
戦いが終わったらそう呟く
エンドロール後に露骨な続編フラグを入れる映画のように!


江戸川・律
えっと、あのさぁ
「ナマズ人」召喚出来るなら
「クリスマスのケーキ怪人」購入する意味って在ったの?
まぁ人の財布の中身だしどうでもいいんだけど

心底あきれた表情で「怪人「オンナマズ」」を見つめつつ
迫る「ナマズ人」達を一瞥します

映画館のマナー①今更だけどさ上映中はお静かに
ここの住人達はこの状況も楽しんでる気もするけどな
分かったら大人しくしてろ!!

射影室から図太く撮影されてる気配を感じつつ
⇒早業+罠使い+破魔+戦闘知識を使用
レプリカクラフトで進路と退路を塞ぐ「鋼の檻」を作り
一気に封じ込めます

「抵抗はお勧めしない…これ以上映画館に迷惑かけたくないしな」

口元はにこやかに、ただ見つめる目が冷たくて笑っていません


ヒメル・ヴィーゼ
あなたの、ガッカリ映画を見たくない気持ちも…否定はできないわ。
でも(私はよくわからないけど)そのガッカリ続編って言われちゃう作品が好きな人もいたりするって聞くわ。
そういう人たちのためにも、ナマズさんには此処からはけてもらわなきゃいけないの!

さっき呼んだライオンさんで走り回るだけじゃなくって、「キャット・レギオン」でネコたちにも来てもらいましょう。
一匹一匹は大したことないかもしれないけど、これだけいっぱい足元にまとわりついて引っかかれば、足止めくらいにはなるはず。
そこを狙って、攻撃するわ!

※アドリブOK



「行きなさい、アタシの精鋭たち!」
『ナマナマー!!』
 ナマズ怪人が自らのヒゲをぶちっと引き抜いて放ると、そこから黒タイツを着たナマズ人の戦闘員が召喚される。
 後頭部に1、2、3……と番号の振られた戦闘員たちは、ナマズ怪人の号令一下、猟兵たちに襲い掛かる。

「……えっと、あのさぁ」
 それを見た律はふと呟く。
「そいつら召喚出来るなら、さっきのケーキ怪人購入する意味ってあったの?」
「これは大事なアタシのヒゲなのよ! できれば温存したいでしょ!」
「あっそ。まぁ人の財布の中身だしどうでもいいんだけど」
 心底呆れた表情でナマズ怪人から視線を外した律は、迫り来るナマズ戦闘員を一瞥する。
 流石にこいつらに懐柔策は通用しないだろう。ならば実力行使あるのみ。

「映画館のマナー①。今更だけどさ上映中はお静かに……ここの住人達はこの状況も楽しんでる気もするけどな」
 たぶんそれは間違いない。きっとこの戦いもどこかから撮影されて、動画サイトにアップロードされてるだろうし。
 だが、それでもマナーはマナー。
 普通に映画を楽しんでいた人々の邪魔をしていい理由にはならない。
「分かったら大人しくしてろ!!」
 一喝と同時に律はレプリカクラフトを発動。
 目にも留まらぬ早業で作り上げられた仕掛け罠が作動し、ナマズ戦闘員の進路と退路を鋼の檻が塞ぐ。

「抵抗はお勧めしない……これ以上映画館に迷惑かけたくないしな」
 にこやかな笑みを浮かべてはいても、律の目はこれっぽっちも笑っていなかった。
 その冷たい視線に、閉じ込められた戦闘員たちも思わずビビる。

 そこに押し寄せるのは、ヒメルが召喚したキャット・レギオン。
 かわいいネコさんのぬいぐるみの大軍が、檻の隙間からするっと入り込んで、ナマズ戦闘員に襲い掛かる。
 引っかいたり、噛み付いたり、猫パンチしたり。にゃーおにゃーお!
『ナマナマァァァァァ!?』
 狭い檻の中で身動きの取れない戦闘員は、あっという間に蹂躙された。

「あなたの、ガッカリ映画を見たくない気持ちも……否定はできないわ」
 ライオンさんの背中からネコさんに指令を飛ばしながら、ヒメルはナマズ怪人に語りかける。
「でも、そのガッカリ続編って言われちゃう作品が好きな人もいたりするって聞くわ。そういう人たちのためにも、ナマズさんには此処からはけてもらわなきゃいけないの!」
「それは一部のマニアだけの話よ!!」
 ツッコミを入れながら、配下を失ったナマズ怪人が放つのは無数の小型デンキナマズの群れ。
 矢のように飛ぶデンキナマズは次々とキャット・レギオンに突き刺さり、機械仕掛けのネコさんをショートさせていく。

 熾烈さを増していく戦場。
 その間隙を縫って、ナマズ怪人に近づく一人の男がいた。
 ムルヘルベルである。

「アンタ……この状況でまだ話をするつもり?」
 一度は映画談義に花を咲かせた相手でも、流石にもうそんな雰囲気ではない。
 だが、ムルヘルベルは最後に一つだけ聞きたいことがあった。
「なあ怪人よ、オヌシにとってリメイクとかリブートってどういう立ち位置なのだ?」
「ゴミね!!!」
 ムルヘルベルの問いかけを、ナマズ怪人は一蹴した。
 怪人にとっては初代・オリジナルこそ唯一にして至高なのだから。

 答えは出た。ムルヘルベルは魔道書のページを開く。
 示し合わせたようなタイミングで、ナマズ怪人もデンキナマズを生み出す。
「懐古主義に囚われたオブリビオンよ、せめて安らかに逝け!」
「お断りよ!!」
 デンキナマズの電撃がムルヘルベルを襲う。
 だが彼は、身に着けた襟巻で電撃の流れを逸らすとニヤリと笑う。
「残念だったな。ワガハイの襟巻には電撃耐性があるのだ」
「チィッ、なら直撃させれば!」
 と、放たれたデンキナマズの矢に対し、ムルヘルベルが開いたのは【553ページの悪魔】。
「さあ、いざや来たりて報え、復讐するは汝なり!」
 封印より放たれた禁書の魔神が、無数のデンキナマズの前に立ちはだかり、その攻撃を相殺する。
「そんな……っ!?」
 渾身の一撃を相殺されたナマズ怪人が驚愕する。

 その隙を突いて、怪人の足元から忍び寄る影があった。
 かわいいネコさんの軍団である。
「なっ、いつの間にっ?!」
 ムルヘルベルが攻撃を引き受けている隙に接近したネコさんたちは、足元から怪人の体に纏わり付いて、引っかきまくる。
「ちょっ、これっ、地味に痛っ?!」
「カワイイの暴力に戸惑うといいわ……!」
 そこに、ヒメルの乗ったライオンさんまでが飛び掛った。
 ぬいぐるみの大軍に呑み込まれ、ナマズ怪人の姿が消える。

 しーん……と、静寂に包まれる映画館。

「終わったか……だが、映画マニアの怪人……あれが最後とは思えない」
「まだ終わってないわよっ!!」
 いかにもな続編フラグを立てようとしたムルヘルベルにツッコミが入った。
 どうにかぬいぐるみ軍団から脱出したナマズ怪人だ。
「なんだ、続編は許さんのではなかったのか?」
「打ち切りエンドはまた別の話よ!!」
 ダメージはかなり負ったようだが、怪人はまだ健在である。
 猟兵たちの戦いはこれからだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

松平・富嶽
愛刀を構えて
「そういえばあなたを討伐するのも今回の目的でしたね。すっかり忘れていました。さて、私だけでも真剣にお相手しましょう」
と言う。さぁ、戦いの時だ! といったところで、放送で
「現代日本世界からお越しの松平富嶽様ー。誠に申し訳ございませんが、至急、スタッフのところへ拡声器をお返しくださいませ」
と呼ばれて
「あ、拡声器を返さないといけませんね。では、失礼します」
と言って、刀を納刀して去ろうとする。止められたら
「え~。他の猟兵たちがあなたと熱く語り合ってくれるからいいじゃないですか」
と言うが、何もしないのも可哀相なので、『忠実なる義士の召喚』を発動して、武士の霊の相手をしてもらう。アドリブ可。



「そういえばあなたを討伐するのも今回の目的でしたね。すっかり忘れていました」
 愛刀を構えながら富嶽はそう呟く。
 たぶん挑発だろうが、ワンチャン本気で言ってそうなのが怖い。

「さて、では真剣にお相手しましょう」
「望むところよ……!」
 仮面の剣豪とナマズ怪人。互いに一触即発の空気が流れ――
「あ、そういえば拡声器をスタッフさんに返さないといけませんでした。では、失礼します」
「ちょっと待たんかぁぁぁぁい!?」
 納刀してくるっと踵を返そうとする富嶽に、ツッコミというデンキナマズが飛んだ。

「真剣にお相手するんじゃ無かったの!? やる気ゼロじゃない!」
「え~。他の猟兵たちがあなたと熱く語り合ってくれるからいいじゃないですか」
 ラスボス戦だというのにこの富嶽さん、めっちゃ冷めている。
 これにはナマズ怪人さんも激おこ。
「肝心な所で仲間任せにして帰るとか、映画じゃすぐに死ぬタイプよ!」
 怒りのデンキナマズの矢が、富嶽の肩をかすめた。

 流石にマズいと思ったか、ここに来て富嶽もユーベルコードを発動させる。
「出でよ、我が忠実なる義士よ。我が名をもって命じる。敵を殲滅せよ!」
 銃と日本刀で武装した武士の霊が召喚され、富嶽を襲うデンキナマズの矢を切り払う。
 が、一体で無数の矢に対抗するのは荷が重いか、少し押され気味である。
 腐っても相手は配下を従えるほどのオブリビオン、そうそう楽に早退させてはくれないようだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アノニム・ヴァリアント
 先にも告げたとおり、怪物にも矜持はある。怪獣映画だけではなく、怪物の映画にも続編があるものは多い。プレデターとか、ジェイソンとか。
「……抑制解除、食欲励起。心魂焼炉、過重駆動」
 ゆえに、これは怪物を自認するアノニムにとっても――待って今なんかおかしかった! 詠唱おかしかった!
「“名無しの怪物”、起動宣言――怪物が来たぞぉ!!」
 説明しよう! アノニムは抑制された感情を開放・励起することにより、“名無しの怪物”に変身し凄い戦闘力を得るのだ!
 で、さっき食欲って言ったよな。喰うの?
「これはもはやただの怪物。故に、貴様を喰らおう! 前もそうしたなればな!」
 ぁ、こいつ本気だ。


暴星・メテオ
「お!ようやく戦闘パートか!!待ってたぜ!この時をよぉ!!」
ビカビカと輝きながら真の姿のメタルボディに変身します
本来なら範囲攻撃である【小惑星★乱打】を全部ナマズに打ち込みます
「続編映画のオモシロさ、テメーの体に教えてやるぜ!!」
[力溜め]からの猛攻ラッシュ!
「これがアタシのパンチ1!!パンチ2!!パンチ3!!!真パンチ!!!続・真パンチ!!!帰ってきたパンチ!!!帰ってきたパンチリターズ!!!」
とめちゃくちゃな続編風ラッシュを叩き込みます
「もっとも、テメーは一作打ち切りだけどな!!」



「ふふふ、このままアンタたち全員痺れさせてあげるわ!」
 一時的な優勢を得て、強気になるナマズ怪人。
 だがそこに立ちはだかるのは二人の猟兵。
 メテオとアノニム。序盤でナマズ怪人にアツい説得(POW判定)を食らわせてた二人である。

「お! ようやく戦闘パートか!! 待ってたぜ! この時をよぉ!!」
 意気揚々とメテオは真の姿――SFやヒーロー映画を思わせるメタルボディに変身する。
 あなた冒険パートでも普通にボコってた気がしますけどね。
「……抑制解除、食欲励起。心魂焼炉、過重駆動。"名無しの怪物"、起動宣言――怪物が来たぞぉ!!」
 アノニムもまた、ホラーや怪物映画を思わせる異形の姿へと変貌する。
 詠唱に何か変なの混じってた気がするけど聞き間違いかな?

「今度はアンタたちね……さっきのお返しをたっぷりしてあげる!」
 ぶちぃっ、とヒゲを引っこ抜いてナマズ怪人が召喚したのは、自らの身の丈の倍もある巨大なナマズ怪人。
『ナ~~~マァ~~~』
 仮にオオナマズ怪人と呼ぼうか、そいつは本体のナマズ怪人の動きに合わせて前進し、猟兵どもを踏み潰さんと襲いかかる!

 だが、そんなデカブツに怯む猟兵たちではない。
 怪物化したアノニムは、その機械の瞳で迫り来るオオナマズ怪人をぎろり、と睨み。
「これはもはやただの怪物。故に、貴様を喰らおう! 前もそうしたなればな!」
「前も!?」
 彼は抑制された感情を開放・励起することによって"名無しの怪物"に変身し、凄まじい戦闘力を得る。
 さっき食欲とか言ってたのは聞き間違いではなかったらしい。
「オオオオオオオオオ!!!」
 咆哮と共にオオナマズ怪人に飛び掛ったアノニムは、機械のアギトでオオナマズの肉に食らいつく。
『ナ~~~マァ~~~!?』
 むっしゃむっしゃと、丁寧に描写すれば放送コードに引っ掛かりそうな絵面で捕食されていくオオナマズ怪人。
 敵を食らうアノニムの心に宿るのは飽くなき食欲と、怪物としての矜持だった。
 怪物映画にも続編のある作品は多いからね。

 そうしてアノニムがオオナマズを食っている隙に、本体のナマズ怪人に肉迫したのはメテオ。
「続編映画のオモシロさ、テメーの体に教えてやるぜ!!」
 ぐっと力を溜めて握り締められた拳を、ナマズ怪人の顔面目掛けて叩き込む。
「これがアタシのパンチ1!!」
「ぐはっ!?」
「パンチ2!!」
「げふっ!?」
「パンチ3!!!」
「がはぁっ!?」
 その技の名は小惑星★乱打(アステロイドラッシュ)。
 暴星メテオ監督による続編風ラッシュはまだまだ続く。
「真パンチ!!! 続・真パンチ!!! 帰ってきたパンチ!!! 帰ってきたパンチリターンズ!!!」
「げふがほぐふごはぁっ?!?!?!」
 息つく暇もない猛攻に、ナマズ怪人がふらふらとよろめく。
 そこを見逃さずメテオが繰り出すは渾身のアッパー。
「もっとも、テメーは一作打ち切りだけどな!!」
「ぐっはぁぁぁぁぁぁぁ?!」

 アゴにメリケンサックがめりこむ勢いで殴り飛ばされたナマズ怪人は、2度3度映画館の床をバウンドしてから、よろよろと起き上がる。
 気がつけば折角召喚したオオナマズ怪人も、アノニムの腹の中にすっかり収まっていた。
「アタシが打ち切りですって……? そんなバカなこと、あるわけが……!」
 怒りに燃えて否定するナマズ怪人。
 しかしその体には着実にダメージが蓄積していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フルム・サーブル
君が上映を遮ろうとしていた怪人か。
レディに手を上げるのは忍びないが、敵であれば容赦はしない。

僕だってね、続編が気に入らない作品は今まで無いこともなかった
でも、その逆で「なんだこれ……納期足りなかったのかな?」って思った惜しい作品が
予算力と広告力を得て超絶パワーアップしてリメイクされたときに
「僕この原作見たよ! 惜しい所に手が届かない作品だったけど完全作が出るなんて!」
ってドヤ顔が出来たときの爽快感たるやマジ半端ないよ

映画好きなら、そういう経験は今までに無かったのかい?

という気持ちを込めてチョップでごつっと殴るよ



ナマズ怪人は追い詰められつつあった。
 しかし、その胸に宿る信念が折れない限り、彼女が膝を屈することはない。
「オオナマズ怪人がやられたなら……アタシが巨大化すればいいじゃない!」
 どんな理屈かは分からないが、とにかくそういうことだ。
 ピンチになった怪人が巨大化するのはお約束だしね。

 巨大化するナマズ怪人と対峙するのは、身長30センチの小さな文化人、フルム。
「レディに手を上げるのは忍びないが、敵であれば容赦はしない」
 遥かに図体で上回る相手にもまったく怯まず、彼は堂々と怪人に立ち向かう。

「容赦しないのはこっちのセリフよ!」
 ナマズ怪人は巨大化した己の拳を振り下ろす。
 ちっぽけで儚い妖精さんなど、プチッと潰せると思ってのことだろう。
 だが。
「えっ……あ、アタシの拳が、動かない……?!」
 振り下ろされた拳は、フルムにがっしりと受け止められていた。

「僕だってね、続編が気に入らない作品は今まで無いこともなかった」
 受け止めた拳の前で、フルムは語りかける。
「でも、その逆で『なんだこれ……納期足りなかったのかな?』って思った惜しい作品が、予算力と広告力を得て超絶パワーアップしてリメイクされたときに『僕この原作見たよ! 惜しい所に手が届かない作品だったけど完全作が出るなんて!』ってドヤ顔が出来たときの爽快感たるやマジ半端ないよ」
 すごく実感のこもった長広舌だった。さすが文化人。

 怪人の拳を押しのけると、フルムは背中の翅を羽ばたかせる。
 映画館の天井近くまで舞い上がり、そこから勢い良く急降下して。
「映画好きなら、そういう経験は今までに無かったのかい?」
 速度とパワー、そして何より映画への気持ちがこもった妖精さんチョップが、怪人の頭部に炸裂した。

「グ、ァ……ッ?!」
 ナマズ怪人の巨体がよろめき、ずしんと音を立てて倒れる。
 即座に立ち上がれないのは、脳天にごつっとイイ一発を貰っただけではない。
「あ、アタシは……アタシは……」
 フルムの言葉は、想いを乗せたチョップは、怪人の信念を大きく揺らがせたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

松平・富嶽
他の猟兵たちが戦っている間に拡声器を返してきて戻り
「…さて、先ほどは失礼しました。これで気兼ねなく戦うことができます」
と言って、仮面に片手を添える。
「聖獣の仮面よ、我に力を与えたまえ」
と言って【封印を解く】を利用し、仮面の力の一部を解放し、自身に魔力のオーラを纏わせて強化する。いわゆる真の姿になって力を解放する。
「先ほどの私と同じだと思わないことですね。いざ、参る」
愛刀を構えて敵に斬り掛かる。【見切り】や【武器受け】で攻撃を避けて、【カウンター】を利用し、『富嶽新陰流・水龍砕き』を【属性攻撃】と【力溜め】を乗せて放つ。放つ際に
「これで塵と消えなさい。富嶽新陰流・水龍砕き!」
と言う。アドリブ可。



「……さて、先ほどは失礼しました。これで気兼ねなく戦うことができます」
 信念を揺らがされ、膝を突くナマズ怪人の前に立つのは富嶽。
 仲間が戦っている間に拡声器を返してきたらしい。
 その身に纏う雰囲気は、先程までとは違う。

「聖獣の仮面よ、我に力を与えたまえ」
 すっと仮面に手を添えて、その封印された力の一部を解き放つ。
 全身に聖獣のオーラを纏った、その姿こそが彼の真の姿。
「先ほどの私と同じだと思わないことですね。いざ、参る」
 愛刀、越前守安定を構えて斬り掛かる富嶽に対し、ナマズ怪人は拳に電撃を纏って立ち向かう。
「今さら本気になった所で……っ!?」
 振り抜かれたナマズ怪人の拳は、富嶽の流れるような刀捌きによって受け流され。
 間髪入れず、返す刃が放たれる。
「これで塵と消えなさい。富嶽新陰流・水龍砕き!」

 水の魔力を纏った剛剣の一撃が、ナマズ怪人を斬り伏せる。
 衝撃波が映画館中を吹き荒れ、怪人の足元は大きなクレーター状に陥没する。
 ……後で怒られそうだ。

 だが、その威力は紛れもなく絶大。
「グ、ハァッ……!!?」
 両断こそ免れたものの、一目で深手と分かる傷を負ったナマズ怪人は、鮮血を噴き上げながら再び膝を突く。
 決着の時は、間近に迫っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

クオン・セルフィライト
「確かに続編はつまらなくなることも多い」
それは肯定しよう、それは間違いない。
されど――――されど!!
「続編の反省を活かし、より進歩して帰ってくる映画だって多い」
そうだ、彼のデデンデンデデンも第一作はB級であった。間違いなく!!
だがあのデデンデンデデンは第二作で傑作となった!!
続編全てが悪だなんて、そんなことが在り得るわけがない。
鴉が全て黒いなんて言う命題、一匹白い鴉がいればそれだけで覆るのだ。
「そもそも、映画はその当たり外れすらも楽しむべき!!」
エンターテイメントとはそういうものだろう!?

そんな気持ちをこめながらナマズをひたすら双剣でどつき回す。



「確かに続編はつまらなくなることも多い」
 もはや虫の息に近いナマズ怪人に、クオンは静かに語りかける。
 腰には手に馴染んだ二振りの刀。いつでも抜き放てる構えを取りながら。

 確かに、続編の製作には多くの困難が立ちはだかる。
 前作ファンからの期待やプレッシャーに応えきれず、駄作のレッテルを貼られるものも多い。
 されど――――されど。
「前作の反省を活かし、より進歩して帰ってくる映画だって多い」
 クオンの脳裏に浮かぶのは、とある有名SFアクション映画シリーズ……作品名は伏せるがデデンデンデデンで有名なアレだ。
 かのデデンデンデデンの第一作は、いわゆるB級映画の枠組みだった。制作費が少なかったのだ。
 だが、第一作のヒットによって潤沢な予算を得たデデンデンデデンの第二作は劇的なクオリティアップを果たし、大傑作としてその名を轟かせたのである。
 一作目からのファンたちは、フルムの言っていたようにさぞかしドヤ顔をしたことだろう。

「黒い鴉が何羽いようと、白い鴉が一羽いるだけで、鴉は全て黒いという命題は覆る。それと同じだ。続編全てが悪だなんて、そんなことが在り得るわけがない」
「それでも……それでもアタシは、悪しき続編を許せない……許せないのよ! たとえ"白い鴉"がいようとも! "黒い鴉"がこの世に生まれ続ける限り!!!」
 拳を固めて立ち上がる怪人。その瞳には、涙。
 もはや妄執の化身と化したオブリビオンを前に、クオンは床を蹴り、抜刀。

 双剣乱舞・刃金乃舞。
 ナマズ怪人を切り刻む無慈悲なる剣の舞いと共に、クオンは叫ぶ。
「そもそも、映画はその当たり外れすらも楽しむべき!!」
 エンターテイメントとは、そういうものだろう、と!!!!!

 やがて双剣の舞いは止み、クオンは刀を納める。
「そう……アンタたちは信じているのね……続編を……未来ってヤツを……」
 負けたわ、と告げるナマズ怪人の体は、徐々に崩壊しかかっていた。
「でも、忘れないことね。アンタたちが初代へのリスペクトを忘れ、再びガッカリ続編が世に溢れた時……アタシは……」
 消失する最後の瞬間、怪人は親指をグッ、と立てながら。

「あいる、びー、ばぁぁっく……」

 溶鉱炉――ならぬ映画館の床に沈むように消えていったのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2018年12月31日


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🔒
#キマイラフューチャー


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鳥渡・璃瑠です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト