バトルオブフラワーズ③〜合体だ!僕らのイェーガーロボ!
キマイラフューチャーの中枢『システムフラワーズ』へと続くメンテナンスルート上にある『ザ・ステージ』。その一角は、まるでキマイラフューチャーの表面部を再現したような都市が広がっていた。そのど真ん中を、ビルよりも巨大な一つの巨大な影がズシン、ズシンと重々しい音を立てながら突き進む。
「パーカパカパカァァ!! 何だか細かいことは良く分からんが、これは好機! 今こそ、我がマッスルを世に知らしめる時なりィィ!!」
それは、巨大ロボなのに何故か肉感ありまくりな上に油でテカッてる鋼のボディ。それは、巨大ロボなのに何故かふわもこで触り心地がよさそうな毛皮の頭部。それは、くりっとして愛くるしいつぶらなカメラアイ、巨大ロボなのに。
そんな珍妙極まりない姿の巨大ロボは、その先にある巨大な施設目指し、立ち塞がる建造物を蹴散らしながら爆進するのだった……。
「……ホント、何コレ?」
グリモアを介して流された映像が終わった後、アイリーン・ルプスは、こめかみを押さえるように頭を抱えていた。大規模戦争に関する予知だとは分かっていても、流石にこの光景は彼女の中の何かを超える代物だったようだ。数拍おき、ようやく落ち着きを取り戻したアイリーンは、改めて目の前にいる猟兵達に解説を告げる。
「コホン……皆の尽力のおかげで、キマイラフューチャーの中枢『システムフラワーズ』へと続くメンテナンスルートが開かれたわ。」
キマイラフューチャーがまっぷたつに割れるという、豪快すぎる方法で。猟兵達は、システムを占領しているオブリビオンへの対処をするためにも、速やかに向かう必要があるのだが。
「そのためには、中枢への道を塞ぐように存在する『ザ・ステージ』を突破しないといけないの。」
周囲を守る6つの舞台、『ザ・ステージ』。これらを全て制圧しないと、『システム・フラワーズ』への道は開くことはない。しかも『ザ・ステージ』にはそれぞれ「特殊な戦闘ルール」があり、たとえ敵を倒しても、敗北条件を満たすと謎の力で追い出され、強制敗北になってしまうという。
「今回は、そのうちの一つ、『ザ・ビルドステージ』の攻略になるわ。」
ここの戦闘ルール、それは『キョダイロボバトル』である。ステージ全体がキマイラフューチャーの表面部を再現したような都市となっており、なぜか猟兵達がマシンを作れるような機材と資材が揃った『基地』が都市の中央にある。そして敵は自身をそのままスケールアップしたような巨大ロボを操り、猟兵達の基地へと襲撃を仕掛けているのだ。
「そこで皆には、この基地の施設を使って自分用のマシンを造って、敵の巨大ロボを迎撃して基地を守って欲しいの。」
だが、猟兵が操るとはいえ、非力なマシンでは巨大ロボの撃破までいくのは不可能である。戦闘を続けていくうち、猟兵達のマシンが出揃い次第、皆の力を合わせて変形合体し、『合体ロボ』となることで、初めてオブリビオンロボを撃破する事が可能になるのだ。
「皆の自分らしい創造力、そしてそれを形にする表現力が鍵になるわ。実にこの世界らしい戦い方ね。それじゃあ皆……あんな奴、コテンパンにしてやりましょう!」
よっぽどあの見た目がショッキングだったのか、アイリーンはいつもと比べると強い口調で、猟兵達を戦場へと送り出すのだった。
橘田華佗雄
八度目まして、そしてお久しぶりの方はめっちゃお久しぶりです、橘田華佗雄です。色々あって約一か月お休みしてましたが、心機一転、改めてMS業に励んでいきたいと思ってます!
以下、ちょっとした補足になります。
●戦場について
オープニングにもある通り、キマイラフューチャーの表面部を再現したような都市となっています。が、住民もおらず、現実のキマフュへの影響はありませんので、特に地上への被害を気にする必要はありません。敵の進行を食い止めるべく、思う存分戦ってください!
●敵について
普段よりもはるかに巨大なロボの姿を取っていますが、使用するユーベルコード等は等身大の時とは変わりません。
●戦闘について
大まかな流れとしては、
オリジナルマシンの作成→マシンによる戦闘(最低限ここまで記載頂ければ大丈夫です)→出揃ったマシンが合体、巨大ロボとなりフィニッシュ!
となります。マシンは人型動物型乗り物型何でもアリ。合体する際の整合性とかは気にしなくて大丈夫です、何とかします(もちろん、こだわりがあるならばそれでもOKです)。
なお、敵によって基地が完全に破壊された場合はたとえ敵を倒しても、謎の力で追い出され、強制敗北になってしまいます。
今回のシナリオはキマフュらしい、皆さんの独創性が強く表れるシナリオとなっております。
それでは、皆さんの参加を、心よりお待ちしてます!
第1章 ボス戦
『怪人アルパカマッスル』
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POW : ポージング
自身の【肉体美の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : 鋼の筋肉
全身を【力ませて筋肉を鋼の如き硬度】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ : つぶらな瞳
【つぶらな瞳で見つめること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【瞳から放たれるビーム】で攻撃する。
👑11
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リステル・クローズエデン
あれは、ロボットと言っていいのでしょうか?
個性的というべきか、個性があり過ぎるというべきか。
さて…今回は、防衛と砲撃をテーマにしますか。
作成
形状:青いトレーラー型マシン
武装:荷台にキャノン砲とミサイルポット
メカニック+怪力+武器改造+防具改造+世界知識+ハッキングで作成。
怪力は、部品が重い時用。
世界知識とハッキングは作成の為の機械知識と制御系作成に
戦闘
運転しながら、視力と見切りで情報収集。
拠点防御が目的だから、地形も利用して目立たないように布陣し
援護射撃を行いながら時間稼ぎを行う。
場合によっては、ミサイルの一斉発射も。
【呪炎武装】属性攻撃+スナイパーでも攻撃。
「やればできるものですね。」
モイ・トリー
※アドリブ・共闘歓迎
ロボット・・・頑丈で鈍足なイメージだけど、みんなが揃うまでの時間稼ぎをするなら動物型で俊敏なのがいいよね、うん。
肉食系の動物を模したロボットを造り、騎乗する形で駆け回りつつユーベルコードによる敵の妨害に専念してみる。此方への攻撃があったら技能【オーラ防御】を展開しつつ【逃げ足】で回避できるか試すよ
待宵・アルメ
「出たなアルパカマッスル!
ロボなのにその生身っぽいボディはどういう仕組みだいアルパカマッスル!」
まずはガオナと一緒に二人乗りの『拳が大きな人型ロボ』を作るよ。
なんで二人乗りかって?
ロボバトルは乗り手の気持ちが強い方が勝つ、つまり二人分のパワーを込める事で強さが増すんだ!(たぶん!でもきっとそう!マンガに書いてあったし!)
攻撃は具体的にはロボの重さを乗せた重心移動グーパンチ!
でっかいロボだからこそ肉弾戦にロマンがあるってもんだよね。
基地に近づけないように殴りまくろう!
合体する時は変形して拳、もしくは腕の部分になりたい!
グーパンチにかける想いはその辺の猟兵には負けないよ!
※共闘、アドリブ歓迎だよ
アレク・アドレーヌ
いやだからロボ作れってなんだよ…まぁ同じ戦場で作ったロボ使うが。
作ったロボは…【最初からバラバラのブロック状だけど組み替えることで形が出来て対応するロボ】だ
つまり最初から組み替えること前提だがブロック状だけでも数が多いからうざいぞ
操作がめんどそうだけどまぁそこはUCで文字通り『手数』を増やして対応すりゃいいし敵の攻撃はロボの特性で攻撃に応じて組み替えて防いでいけばいいと思う。
まぁでもこのロボっていうかブロックの状の何か意外と汎用性高いぞ。操作がめんどくさい以外はな
(アドリブ歓迎・共闘歓迎
鶴来・桐葉
【心情】おいおい、マジかよ…ロボ作れんのかよ!すげぇな!なら、俺の実力を心底発揮できるロボにするか!
【ロボ】俺がつくんのは刀で戦う人型ロボだ!だが、それだけじゃねえ!なんと、でっけえ刀に変形して自分で飛ぶことも可能だ!動かし方は中に入る俺の動きを真似する形だぜ!名前は…そうだな。カタナイザーだ!
【作戦】仲間と共闘。敵の動きは【残像】、【武器受け】で回避だ!そして、隙が生まれれば【二回攻撃】の剣刃一閃だ!「やってやろうぜカタナイザー!!」
黒滝・龍也
えーと、この世界の戦いって何というか、うん。あれだな! アニメとかでよくある「ゲーム世界がリアルに干渉しまくるからゲームで何とかしよう!」というやつだな。OK、OK、やってやろうじゃないの。
で、自分のマシンを作れ、と。
なら、俺は当然、愛機である「パワードラゴン」を作るぜ。
あいつならエンジンの中まで知ってるんだ、しっかりと具現化できるはずだしな。
戦いはショベルカーらしく、アルパカロボの足元を掘って崩してバランスを崩したリ、瓦礫を【クライシスゾーン】で竜巻の塊にして、それをアームで投石のように投げつけてやろう。
合体もするの!? なら、「パワードラゴン」は当然サブアームのような形で合体だ。いくぜ!
「パーカパカパカァァ!! どうしたどうしたぁ、猟兵達ィ! 早くしなければ、我がマッスルがこの街を、貴様らの基地を破壊してしまうぞぉ!」
とある『ザ・ステージ』の一角。そこに再現された巨大都市を突き進みながら、可愛さと暑苦しさが合体事故を起こしたかのような巨大ロボが、都市中央の基地に接近しつつあった。居並ぶビル群を剛腕で薙ぎ倒し、つぶらな瞳から放たれる光線で爆破していくアルパカマッスル。周囲の街は爆煙に包まれ、最早基地の陥落は時間の問題、そう思われたその時!
「いやだから、ロボ作れってなんだよ……!」
そうボヤキ交じりのツッコミを入れながら、もうもうと立ち込める煙を切り裂き、アレク・アドレーヌのオリジナルロボが、戦場へと飛び込む形で推参する。数多の小塊によって構成された、変幻自在の姿へと変えられるアレクのロボ。既に他の戦場で組み上げていたためか、最小限の整備の後、他の者よりいち早い形で出撃できたのだ。
「フゥン! そんな貧弱なロボなぞ、赤子の手の如く捻ってやるわぁ!」
その一瞬でアレクのロボへと振り下ろされる、巨大マッスルの剛腕。逃げる間もなく、哀れブロックロボは避け切る事が出来ず、粉々に粉砕……。
「まぁでも、このロボっていうかブロックの状の何かはな……意外と汎用性高いぞ。」
否、攻撃を受ける瞬間、一旦ブロック状にばらける事で、一基も欠けずにその拳を避け切ったのだ。機敏にその剛腕を避け、アルパカロボの背後で再集合・再合体をするブロック達。瞬間の虚を見切られ、攻撃後の硬直を突かれたアルパカロボは、お返しとばかりに、時にはその腕にブロックを集中させ、時にはその足を肥大化させ、機動力を重視させ、砲撃を交え……次々と姿を変えながら、圧倒的な手数でアルパカロボに、怒涛のラッシュを叩き込んでいく。
「それにしても、操作の面倒ささえなけりゃ、文句無しなんだが……。」
なおその間、アレクは大量のブロックをコントロールするため文字通り増やした『手数』を、ひっきりなしに精密かつ高速で稼働させていたせいか、ラッシュが終わる頃にはうんざりするような苦悶の声をあげるのだった。
「ヌゥゥ、鬱陶しい小虫共メェ!」
ブロックロボの猛攻が一通り止み、ようやく態勢を整え直したアルパカロボは、今一度小癪な敵を打ち倒そうと目論む。だがしかし!
「そうは!」
「させないよ!」
間髪入れず、新たな二台のマシンが戦場へと名乗りを上げる。リステル・クローズエデンの駆る、拠点防衛と砲撃支援に特化した青いトレーラー型マシンと、モイ・トリーの操る、ライオンやティラノといった肉食獣を掛け合わせたような外見の動物型ロボだ。
「アンタの命と言う名の宝、貰いに行くよ!」
胴に跨る形で騎乗していたモイはそう告げると、ビル群の屋上を軽快に飛び回りながら、一目散にアルパカロボへと突進していく。
「ええい、ネコなのかトカゲなのかはっきりしない奴め! 叩き潰してくれるわぁ!」
巨大マッスルは硬質化した拳を次々と見舞うも、動物型由来の俊敏な動きの前には中々当てる事が出来ず、時間稼ぎというモイの思惑通りに翻弄されている一方であった。偶に、その拳撃が迫る事があろうとも。
「! オーラシールド、展開!」
タテガミ型の装備から発せられるオーラで身を守りつつ、逃げに特化した動きで紙一重に躱していく。
「あれは、ロボットと言っていいのでしょうか? 個性的というべきか、個性があり過ぎるというべきか……。」
一方のリステルは、個性的すぎるアルパカマッスルの巨大ロボ版という存在に複雑な感情を抱きつつも、敵の目を掻い潜るようにビル群の裏路地を駆け回っていた。彼女の豊富な知識と技術によってチューニングされたその機体と制御システムにより、トレーラーはその大きさに見合わぬ機敏で精密な動きでビル群の裏路地を縦横無尽に走り抜けていく。そして走り抜けざまにその眼で探り当てた、絶好のポイントへと移動し陣取ると。
「主砲、ミサイル、一斉掃射!」
コンテナに格納されていたキャノン砲とミサイルポッドを展開、動物型ロボに注意を向けていたアルパカロボに全ての攻撃を雨あられと叩きつけ、その身を爆炎に包み込んでいく。
「ヌフゥゥ!? ど、何処から仕掛けてきたのだ、卑怯者メェ!」
そしてその隙を逃さず、モイはユーベルコードを発動させ、アルパカロボを囲むように建つビル群の外壁から多種多様な拘束具を放つ。手枷、猿轡、拘束ロープ、あらゆる拘束具が、アルパカロボの四肢へと絡み付き、その動きを封じていく。
「ムホウゥ!? よくもこんな煩わしい真似をォ!」
拘束具を引き千切ろうと、悪戦苦闘するアルパカロボ。だがその頭上の遥か上、何故か一際高いビルの屋上に、日の光を背に受けた二つの影が!
「出たなアルパカマッスル! ロボなのにその生身っぽいボディはどういう仕組みだいアルパカマッスル!」
「やっと俺達の出番だ。やってやろうぜ、カタナイザー!!」
その正体は、待宵・アルメ、そしてオルタナティブ・ダブルで実体化したガオナの二人が乗り込む巨拳のロボと、鶴来・桐葉の操縦する刀を携えた武士型ロボ『カタナイザー』だ。
「それじゃあ早速、行くよ! ガオナ!」
『あぁ、タイミング間違えるなよ、アルメ!』
紫色と緋色、虹彩の異なる似た容姿の二人は、アンバランス極まりないロボを、巧みに呼吸を合わせながらその距離を詰めていく。一歩間違えれば、いや今ですら不安定な動きを見せ、空中分解していしまいそうな巨拳ロボ。だが、その重心のブレからくる勢いと、質量の塊であるその拳が合わされば。
「『乗り手の気持ちの強さはロボの強さ、つまり二人が乗れば二倍の強さ! 僕『俺』のグーパンチ、受けてみろ!」』
何とも不可解な言ではあるが、まぁ、フィクションではよくあるお約束である。それはともかく、巨拳ロボは全力の勢い任せによる拳撃を、アルパカロボを基地から遠ざけるように次々に叩きこんでいく。拘束具で動きの鈍っていたアルパカロボは、防御を取る事も出来ずまともに喰らってしまう。
「ホウ、肉弾戦のロマンを理解するとは! その上で我が鋼の如きマッスルに傷を付けるとは、敵ながら良きマッスルだ!」
いや、ロボなので鋼そのものなのだが。そして一方的に攻撃を受けたのに、何故かアルパカマッスルはご機嫌なのだった。
「さぁ、今度は俺達の剣撃を見せてやるぜ!」
続けて、桐葉の駆るカタナイザーが、刀を手に取り戦陣を奔る。名をつける程の愛着を込められたこのロボには、いわゆるモーショントレース方式が採用されていた。すなわち、剣豪である桐葉の実力を十全に発揮できる、まさしく彼の彼による彼のためのロボなのである。なお、桐葉は自作でロボが出来ると知った際、その事実に興奮を隠せなかったとか。
「ブホウゥ! そのような鈍刀、容易くへし折ってやろうぞォ!」
ここまでに数多の攻撃を喰らい、それでもなお闘志の折れぬアルパカマッスル。侍の魂とも言える刀を折るべく、その鋼の拳を勢いよく放つも。
「悪いが、そいつはハズレだ!」
再現された桐葉の足捌きによって生まれた残像を突き抜ける形でその拳は空を切り、更に実体の刀による受け流しでその態勢を大きく崩される。そしてその隙を桐葉は見逃すわけもなく。
「やってやりますかねぇ!」
刹那、桐葉の、彼の動きを忠実に再現したカタナイザーの、目にも止まらぬ二太刀が、アルパカロボへと振り下ろされる。そして一瞬の緊張の後、ドサリ、ドサリと、何かが落ちる音が伝わる。
「オォ?……ウオォォウ!? 私の、私の自慢のモフモフがァァ!!」
地面には、巨大ロボにおいてもチャームポイントだったモフモフが、それがあるべきはずだった場所は、刈り上げのように綺麗に剃り落されていたのだ。そしてアルパカマッスルは、あまりのショックに、おそらくここまでで一番の精神的ダメージを受けるのだった。
「よくも、よくも我が麗しきモフモフを! 絶対に許さヌボォォーー!?」
激昂のあまり、猟兵達の元へと向かおうとするアルパカロボ。だがその一歩を踏み出した瞬間、まるで踏み外したかのように大きくその態勢を崩す。
「ふぅ……流石パワードラゴン! 完璧な再現率だな!」
そのアルパカロボの足元には、黒滝・龍也と、彼のユンボ型の愛機『パワードラゴン』をそのままスケールアップしたマシンが鎮座していた。アルパカマッスルの気が逸れている隙を突き、その足元を掘り崩す事で簡素な落とし穴を作っていたのだ。そして地面を掘った際に生まれた土砂や、アルパカロボの進撃によって生み出された瓦礫をユーベルコードで一旦超次元の竜巻に変換、アームを巧みに操り、投石の要領で竜巻の塊を、アルパカロボの頭上へと次々に投げつけていく。
「ええィ、よくも私を此処までコケにしバッフゥ!?」
そしてその頭上に到達した瞬間、ユーベルコードを解除。再び土砂や瓦礫となったそれらが、アルパカロボをその下へと封じていく。ついにしばらくは動けなくなったアルパカロボ。そして揃い踏みした猟兵達のマシン。となれば、やる事はただ一つ。
「皆、合体だ! いくぜ!」
「「「「『「応
!」」」」』」
彼らのマシンが開けた場所に集結すると、龍也は再びユーベルコードを発動。残った瓦礫を超次元の竜巻へと変え、周囲を取り巻く簡易的なバリアへと変貌させる。
「シリンダー伸長、起立開始!」
「各部収納、問題なし!」
リステルのトレーラーは右脚に、モイの動物型ロボは左脚に、後部を起こして前部を下にする形で変形し。
「ドッキング解除、行くよ!」
『いつでも行けるぜ!』
アルメとガオナの巨拳ロボは正中線で分割、正しいバランスになるよう各部を調節していく。
「アームはちゃんと残してくれよな!」
龍也のパワードラゴンはその基部を中心に胴体に適した形へと姿を変え。
「やっぱり、このロボの汎用性は高いな。」
アレクのブロックロボは最小単位に分解、各部の接合に一役を担った。
「いくぜカタナイザー! 刀形態だ!」
そして合体を終えたその手に、一振りの巨大な刀と化した桐葉のカタナイザーが握られる。
「「「「「『「「猟兵合身!キング、イェーガーァァ
!!」」」」」』」」
超次元の竜巻が止むと、そこには猟兵達の力が一つとなった巨神、キングイェーガーが、威風堂々たる姿を現す。
「おのれ……おのれオノレオノレェェ!! よくも、よくもここまでコケにしてくれたぬわァ!!」
一方のアルパカロボも、ようやく全ての戒めを振りほどき、最後の決戦へと意気を上げる。一瞬の対峙の後、先手を切ったキングイェーガーは大きくジャンプ。左足による大上段蹴りに入る。
「オーラシュート!」
モイの掛け声と共に、爪先となった頭部のタテガミからオーラを展開。強化された蹴撃を見舞う。
「ぐゥ! だがこれしきィ!」
腕でガードするも、思い切り喰らってしまうアルパカロボ。すかさず、キングイェーガーは今度は右すねとなったコンテナからキャノン砲をせり出し、その砲塔から、真紅の呪炎を放出する。
「呪炎武装(ブレイズブレイク)!」
リステルのユーベルコードを乗せ、放たれる砲撃。その炎が最も発揮できる、狙うべき箇所は。
「ノォォウッ!! やめろ、これ以上はやめろォォ!!」
アルパカロボの最も燃えやすい場所、すなわち、モフモフである。残されたモフモフをくまなく包んでいく呪炎。そして絶える間もなく、キングイェーガーはその両拳を構え。
「『いくよ『ぜ』!ツインビッグナックル!』」
合体してもなお巨大なその両拳を、勢いよく放つ。
「ムヒィ! そ、そんなもの、我がマッスルで受け止めてみせるわぁ!」
しかしその剛腕で、しかと受け止めるアルパカロボ。これにより、両者ともにがっぷりと組み合い、その両腕が互いに封じられる形となった。
「フ、ふははははァ! これではその手の刀も使えま、い……?」
おかしい。先程までその手には刀が握られていた。だが今組み合っているこの手にはない。では一体どこに?
「それは!」
「ここだぜ!」
ふと、アルパカロボの、キングイェーガーの頭上から、龍也と桐葉の声が響く。そう、カタナイザーはサブアームとなった龍也のマシンのアームに。
「何度も言わせてもらうが……やっぱり、このロボの汎用性は高いな。」
正確には、サブアームから強引に生やした、アレクのブロックによる五指に支えられていたのだ。そして輝きと共に、その刀身にキングイェーガーのエネルギーが集中していく。
「「「「「『「「必殺! キングイェーガー・真っ向斬
!!」」」」」』」」
頭上から大きく振り下ろされ、アルパカロボの天辺から股下一気に切り裂いていくカタナイザー。遂にアルパカロボは致命打を受け、その切り口からは光が漏れ出していく。
「最後に言わせてくれ……お前らァ! アルパカ毛とマッスルの日々のお手入れは大切になァァ!!」
断末魔の声がそれでいいのか。ともかく、その叫びと共に、アルパカロボは光に包まれ、大爆発の中へと消えていった。
こうして、猟兵達はまた一歩、『ザ・ステージ』奪還への道を踏み出す事が出来た。だが、これで終わりではない。『システム・オブフラワーズ』は未だ幹部達に占領されたままであり、そして何より、もしかしたらまた巨大ロボと化した敵が現れるかもしれない。
いつかのその時まで、頑張れ、僕らのキングイェーガー! 平和を掴み取るその日まで、負けるな、僕らのキングイェーガー!
次回に、続かない! 完!
成功
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