バトルオブフラワーズ⑥〜ステップオンステージ
●ザ・ダンスステージ
まばゆいスポットライトとイルミネーションが辺りを照らし、色とりどりのレーザービームがそれに華を添える。床には光るタイルが辺り一面に敷き詰められ、刻まれるビートのリズムに合わせて激しく明滅を繰り返していた。
そう。ここは『バトルオブフラワーズ』の戦場のひとつ『ザ・ダンスステージ』。その広大なステージには流れるサウンドに合わせて踊り狂う無数の人影……いや動物たちの影があった。
彼らは怪人『つよくてクールなアニマルズ』。軽快なリズムに合わせて踊る彼らは猟兵達の登場をいやまやおそしと待ち構えるのであった。
●グリモアベース
「みなさ~ん。ダンスタイムですよ~。」
グリモアベースにうきうきしたリルム・ラルム(すーぱーさいえんてぃっくまじかるにゃふふ・f00317)の声が響く。見るとそこにはにゃふにゃふと不思議な踊りを踊るケットシーの姿があった。
「作戦は簡単で、にゃふふ~と踊りながら敵をばーんってやっつけちゃうだけです~。」
そう言いながらリルムは決めポーズばかりに手を大きくバーンと広げてみせる。
……またしてもリルムの説明がアレなので補足が必要だろう。
今回の作戦目標は『ザ・ダンスステージ』を占拠している敵オブリビオンの集団を完全に排除すること。個々の敵はさほど強くないが数は多い。
さらにこの戦場には『アカイクツレヴォリューション』という特殊な戦闘ルールがあり、ダンスのリズムに合わせて明滅する光る床タイルだけを踏みながら敵を撃破する必要がある。そのため敵を倒すにはダンスステップで移動しながら戦場の奥へ奥へと切り込んでいくことになるだろう。
光っていない床タイルを踏んだり、ダンスに失敗すると、戦闘不能となり脱落してしまうので注意が必要だ。
もちろん敵は猟兵を見つけると一斉に襲いかかってくるので、リズムに合わせてテンポよく敵を倒していくことも忘れてはいけない。
とはいうものの、あくまでリズムに合わせて光る床さえ踏んでいれば問題ないので、普段から戦いで身体を動かし慣れている猟兵達にとってさほど難しいことではないだろう。普段踊り慣れていない猟兵はダンスと聞くと尻込みしてしまうかもしれないが、あまり難しく考えすぎる必要はない。大切なのはリズム感である。
「すっごくノリのいい音楽が流れているので自然とウキウキした気分になってカラダが動いちゃうんですよね~。にゃふふ~。」
そういいながらリルムは不思議な踊りを踊り続けるのだった。
五条ながれ
こんにちは。五条ながれです。
今回はバトルオブフラワーズの戦場のひとつ「ザ・ダンスステージ」にいる敵オブリビオンをすべて撃破してください。
『ザ・ダンスステージ』には特殊ルールがあるため、ダンスのリズムに合わせて光る床タイルだけを踏みながら敵を攻撃する必要があります。
とはいっても、ダンスで最も大切なのはノリの良さ。それにザ・ステージ特有の雰囲気とノリのいいサウンドを聞けば、自然と体が動き出してしまうでしょう。ですので、あまり難しく考えずいつもの皆さんらしさを重視した戦い方を大切にしていただければよいと思います。もちろんダンスが得意な猟兵のみなさんのイケてるステージも大歓迎です。
それでは皆さんの楽しいプレイングをお待ちしています。
第1章 集団戦
『つよくてクールなアニマルズ』
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POW : モグラさんドリル怪人・ウェポン
【モグラさんドリル兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : カエルさん殺法怪人・ジェノサイド
【カエルさん殺法攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ネコちゃん拳法怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ネコちゃん拳法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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一駒・丈一
ダンスか。
ダンスなぞ、仕事でパーティ会場に潜入する為に強引に修得した社交ダンスくらいしか心得はないぞ……。
とはいえ、世界の命運がかかっているならば、病む無しか。
『戦闘知識』を上手い具合にダンスに活かすという意味も込め……
光る床を踏みながら刀剣を振るい、
リズムに沿って演武のような太刀さばきでUC『罪業罰下』を繰り出し、攻撃範囲内の敵を一閃していこう。
ステップを踏む際は、技能『早業』で、光る床が早く切り替わっても高速ステップで対応できるようにして、
『見切り』『第六感』で先読みが出来れば更に良いな。
また、
刀身に対して技能『残像』を応用すれば、良い演出になるかも知れん。
これで乗り切れれば良いが……。
「ダンスか。」
光り輝くザ・ステージを目の前に一駒・丈一(金眼の・f01005)は静かにつぶやいた。
一駒自身、ダンスの経験が皆無というわけではない。だが、踊ったことがあるのは社交ダンス。それも仕事で必要となり強引に習得しただけの代物だ。目の前に広がるアップテンポのリズムに合わせて明滅するタイルを見ると、あまりの違いにどうしても不安を感じてしまう。
だが、この戦いには世界の命運がかかっているのだ。一駒に撤退の2文字はない。
不安な気持ちを押し殺し、覚悟を決めた一駒は静かに刀を抜いた。感触を確かめるようにリズムに合わせて二度、三度と軽く刀を振ると、さっそうとザ・ステージに飛び込んだ。
(右、前、前、左、右、ターン……)
まずは光る床を踏み間違えないように。と、ステージでステップを確認する一駒に新人歓迎とばかりに敵オブリビオンが殺到する。
一駒を挟み込むように左右に展開した2匹のカエルさん殺法怪人・ジェノサイドが左右から超高速連続攻撃を繰り出す。ゆるい見た目とは裏腹に鋭い拳がその命を確実に仕留めようと一駒へと迫る。だが一駒は華麗にバックステップをキメると刀を水平に一閃。一気に敵を斬り飛ばしてみせた。
「なるほど……な。」
早速感触をつかんだのだろう一駒は、あらためて刀を握りなおすと、一気に敵の集団の中心に向けて大きく跳躍した。
それはまさしく剣舞であった。
アップテンポのリズムに合わせて一駒が振るう刀の太刀筋がザ・ステージに銀色の弧を描き、それがステージの照明を反射して彼のダンスに彩を添える。
すかさず周囲を囲むジェノサイドがその中心にいるであろう一駒へと拳を撃ち込むも、すでに一駒の姿はそこにはない。華麗なステップで敵の攻撃をいなすと、すかさず隙だらけのその背中へ向け、二の太刀、三の太刀を浴びせかける。
その一筋、一筋が確実にオブリビオンを捉え、その命を刈り取っていった。
一駒に襲い掛かる敵の数が増えるにつれ、剣舞のスピードもますます加速してゆく。それに合わせて流れるリズムもテンポも徐々に速さを増し、いまやステージの熱気は最高潮に達するかのように思えた。
「……!?」
その時、一駒の第六感が違和感を告げた。
一駒はとっさに意識を迫りくる敵からザ・ステージ全体を俯瞰するかのように切り替える。
その刹那、曲調が変化し、床の明滅パターンが変化した。
「おっと!」
あえて刀を大きく空振ることで何とか態勢を立て直す一駒。一瞬ヒヤッとしたが、同時にこの戦いのコツを完全につかんだことを確信した一駒は一気に勝負を仕掛けた。
「これにて終いだ。余罪は地獄にて禊がれよ!」
ユーベルコード、罪業罰下! 一駒はステップに合わせて軽くターンすることで周囲の敵をすべて視認すると、必殺の一閃を放った。
一駒に課せられた因果が逆転し強大な力へと変わってゆく。もし彼の姿を見る者がいれば、一駒の瞳が一瞬光ったように感じただろう。次の瞬間、一駒が振るう刃から放たれた斬撃は光り輝く残像とともに文字通り見渡す限りの敵を斬り飛ばしたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
高鷲・諒一朗
ダンスなら任せてくれよお、ってなあ!
うなれ俺のこの長い脚!
スカイダンサーの真髄を見せてやらあ!
こういうゲームはあちこちでやったことがあってなあ
得意中の得意なんで、まずは楽しむことを第一にやっていくぜえ
音楽と一体になれば、必然と次に踏むべきパネルの場所も予測がつくってもんだ
さぁ! レッツ・ダンシングだぜえ!
長い四肢を使って腕の振りや体のひねりも加え演出しつつ
危ないところは「野生の勘」で咄嗟に踏みつつ
とにかく楽しく! 見栄えも考えて! しっかり最後まで踊りきるぜえ
もちろんゲームが終わるまでダンスは絶やさないように
ここぞというときに攻撃できそうなら
『金狼舞踏』で攻撃していくぜえ!
「ダンスなら任せてくれよお、ってなあ!」
ザ・ステージに高鷲・諒一朗(ミルザム・f17861)のひときわ大きな声が響く。
まばゆいばかりのザ・ステージを前に彼のボルテージは始まる前から最高潮であった。スカイダンサーである彼にとって、一生に一度あるかのビッグステージだ。気持ちが高まるのも無理はない。
「こういうゲームはあちこちでやったことがあってなあ。得意中の得意なんで、まずは楽しむことを第一にやっていくぜえ!」
そう叫ぶと、高鷲はザ・ステージへと突撃する。
「音楽と一体になれば、必然と次に踏むべきパネルの場所も予測がつくってもんだ。」
そのセリフを裏付けるかの様に、彼は一瞬でザ・ステージの雰囲気に一体化すると、次々と華麗なステップをキメだした。
その姿は実に美しいものであった。まるでそうあるべきかのように彼の長い手足から繰り出されるダンスにはまったく迷いがない。それに加えてホッキョクオオカミとは思えない高鷲の金色の髪が、ザ・ステージのイルミネーションに照らされ光り輝いていた。
毛並みの色合いのせいでよく狐と間違えられるのが高鷲の悩みではあったが、このザ・ステージにおいてはそれが逆に彼を雄々しく見せるのに一役買っていた。
ところが、夢中になって踊っていた高鷲は、徐々に周囲を敵が取り巻きはじめ、スペースがなくなり、動き辛くなってきていることに気がつきはじめる。
(……しまったぜえ。踊ることばかりに夢中になって、具体的にどうやって敵を攻撃するのか考えていなかったぜえ。)
そうなのだ……。彼はダンスに夢中になるあまり、周囲の敵を攻撃していなかったのだ。
それには、このザ・ダンスステージは彼にとってまさに聖地のような場所であったことが関係しているかもしれない。この素晴らしいステージで踊れるという事実は、彼を魅了し、また夢中にさせるのに十分すぎた。それゆえに、ダンスをとにかく楽しく、最後までクールに踊り切ることばかりに気がいってしまい、肝心の敵を排除する方法をあまり考えていなかったのだ。
むぅ……。と踊りながらも、どうすればいいのか考え込む高鷲。
だが、すぐに考えるのを止めた。
「ダンスは情熱!溢れるパッションをぶつけるもんだ!」
そうだ。今最も重要なのはダンスを踊ること。最高にクールなステップをキメられるか? それが今一番考えなければならないことだ。
「さぁ、おれと踊ろうぜ!」
踊り続けることにした高鷲はそう叫ぶと、ユーベルコード、『金狼舞踏』を発動させる。野生の勘が研ぎ澄まされ、まるで手に取るかのようにザ・ステージの流れをすみずみまで見て取れるよういなった。
その時、ふと視界の端で、カエルさん殺法怪人・ジェノサイドが妙な動きをしていることに高鷲は気付く。
(なんだアレ? 最高にダサいぜえ……)
リズムに全く合っていない動きで拳を繰り出すカエルさん殺法怪人。よく見ると同じような動きをしている怪人はそこらかしこにいる。野生の勘が彼にひらめきを与えた。
(……まさか、一度攻撃をしだすと止まらないのかあ!?)
そのまさかであった。カエルさん殺法怪人が繰り出すカエルさん殺法攻撃は、超高速の連続攻撃が可能だが、一度発動すると回避されても中止できない。
(ということは、同士討ちが狙えるのか……? こいつは使えるぜえ!)
試しに野生の勘を駆使してステップを調整し、カエルさん殺法怪人の攻撃を別の敵のほうへと誘導してみる。すると見事にカエルさん殺法怪人は仲間を殴り始めた。
「こいつはいける! いけるぜえ! さぁ! レッツ・ダンシングだぜえ!」
勝機を捉えた高鷲は、ますます軽やかに、ザ・ステージを飛び回りカエルさん殺法怪人を翻弄する。やがてあちこちで華やかなカエルさん殺法怪人達の同士討ちが誘発され始めたのだった。
成功
🔵🔵🔴
フルール・トゥインクル
ダンス、ダンス……普段から飛んでるから足でステップにはあまり縁がないのですよね
まずは連綿と続く尊き血で人間さんサイズに、これで床が踏めるはずなのです
楽器は引けますからリズムには乗れるはずですのでまずは光る床を気にしながらステップの練習するのです
慣れてきましたら精霊銃を構えて襲ってくる敵を撃ち落とすようにするのですよ
多少逸れても誘導弾で曲がってくれるはずなのです。はずですよね?頼むのですよ、アングルナージュ
精霊銃には樹属性の力を込めて、当たったら床に根っこで縫い付けちゃうのですよ!
可愛い見た目なのですからじっとしていたらいいと思うのです
「この身に宿る王家の血。今は一介の妖精の身なれど、どうかその力をお貸しくださいませなのです。」
ザ・ステージに、凛としたフルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)の言葉が響く。
それは妖精に古から宿る血の力を解放する言葉。フルールの右目が金色に染まると、その身体が人間サイズへと成長する。フェアリーであるフルールは、ステップを踏むために、あっさりと力の解放を決断したのだ。
だがその代償は大きい。今この瞬間も刻々とフルールの寿命は削られていた。
何が彼女をそうさせるのか。
「世界も皆さんもお導きするのですっ!」
それは人を導くことにめいっぱいの誇りを持つフルールの言葉だ。その誇りゆえに、自らの命と引き換えとしたのだろうか。
だが一方で、孤独。ある者はそう表現しただろう。
常に仲間に先立って進む先導者は、決して仲間と共に歩むことはない。先導者たらんとするフルールは、同時に孤独な存在でもあった。
ザ・ステージへと進みで出たフルールは、すらりと伸びた美しい手足を伸ばし、光る床に合わせてステップを踏む。だがその動きはどこかたどたどしかった。
楽器を嗜むフルールは、ダンスのステップも何とかなると思っていた。
だが、現実は厳しい。
もともと空飛んで移動することが多いこと。さらに普段とは異なる身体の大きさ。それらが足を使う感覚を妨げる大きな要因となっていた。
リズムはつかめても、足の動きがそれについていかない。ましてや攻撃するなど至難の業であった。
フルールの周囲に徐々に敵が集まり、包囲網を狭めてゆく。敵のただなかでひとりステップを踏むフルールの姿は、まるで彼女の心を示しているようにも思えた。
だがその時、突如として彼女の手に歯車でできた金と茶色の杖が現れた。それはアングルナージュ。時の精霊である。
「アングルナージュ!?」
驚くフルールは精霊を見つめる。
「……もしかして、力を貸してくれるのですか?」
その問いへの答えとばかりに、次の瞬間、フルールの身体はアングルナージュに引き寄せられ、軽やかに舞いだした。
それはまるで空を舞うペアダンス。リードするのはアングルナージュだ。
時の精霊であるアングルナージュは、周囲の空間に流れる時間の速さを場所ごとに細かく変えることで、その空間の移動速度に差を持たせ、その差を利用してフルールを導く力を生み出していた。
それは、ザ・ステージという特殊な空間だからこそできた荒業だろうか? あるいは命を賭してなお人々を導こうとするフルールを必死に助けようとする精霊の願いだろうか?
「これなら、いけます! 世界も皆さんもお導きしますよ!」
満面の笑みを浮かべながら精霊アングルナージュのリードに身体を預けたフルールは、もう片方の手に握る精霊銃プランタンの引き金を引いた。
次々と精霊銃より撃ち出される樹属性の力が、敵を捉え、ステージの床に縫い留めてゆく。ステップを踏むことができなくなったオブリビオンは、次々と戦闘不能となり消えていった。
やがて、精霊銃の射撃が止む。それに要した時間はさほど長くはなかった。
「アングルナージュ、ありがとうなのです!」
元のフェアリーサイズに戻ったフルールにしっかりと抱え込まれたアングルナージュの金色の歯車は、ザ・ステージのイルミネーションに照らされ、どこか誇らしげに輝いていた。
大成功
🔵🔵🔵
クリスティーナ・ツァルリーノ
【心情】
なるほどなるほど……わっかりましたわ!華麗に優雅にダンスをしつつ、わるーいオブリビオンを退治すればよいのですね!私にかかればこんなのらくしょーですの!
ふっふっふー♪美しく舞う私の姿を見て、ファンがまた増えちゃったら困っちゃいますわねー♪(既にいるとは言っていない)
【戦闘】
リズムに合わせてぴょんぴょんぴょーんとキュートに踊りつつ、【ダークブレイブフレイム】の黒炎で形作られた幾つもの槍を操りオブリビオン達へと攻撃!ネコちゃん拳法で相殺しようとしても、黒炎槍で触れただけでダメージですわ!そして攻撃時以外は周辺に滞空させて防御モードですの!
ザ・ステージのひときわ派手なイルミネーションが世界を光と闇に二分する。
まばゆい光は、少女の健康的な白い肌を輝かせ、闇に目を向ければ、光の輪郭に縁どられた黒いウサミミがぴょこぴょことキュートなリズムを刻んでいた。
真っ白な肌に黒い衣装。揺れる大きなウサミミは、人並外れた美貌とあいまって、ひとりの少女を惹きたてる。
軽快なステップを踏む少女の名は、クリスティーナ・ツァルリーノ(黒兎系家出中ダンピール娘・f02905)。
彼女は今、ザ・ステージでのダンスを最高に楽しんでいた。
(ふっふっふー♪ 私にかかればこんなのらくしょーですわ!)
スカイダンサーでもある彼女にとって、こんな戦いはイージーモード。
早速と軽やかなステップで光る床の感触を確かると、自信を確信へと昇華させ、迫りくる敵をキッと見据える。
「さあいきますわよ! 私の漆黒の炎で、貴方を燃やし尽くして差し上げますわ!」
ユーベルコード、ダークブレイブフレイム!
彼女が身にまとう黒衣をも照らす、なお黒き漆黒の炎が巻き起これば、あっという間に漆黒の炎柱となり、彼女の周りを取り囲んだ。
いままさにクリスティーナを排除せんと殺到していた怪人達が、次々と燃える柱に弾き飛ばされ灰となる。その様子を満足げに見つめるクリスティーナは、おもむろに右腕を天高く掲げた。
「レッツダンシング!」
クリスティーナは楽しそうに掲げた腕を振り下ろす。それに呼応し、周りを囲む炎柱が外に向かって倒れ込み、漆黒の爆炎で周囲の怪人達を吹き飛ばす。
すかさず降ろした腕を振り上げるクリスティーナ。水平に振られた彼女の右手に漆黒の炎が集まると、やがて1本の槍へと収束した。
「私についてこられますかしら?」
クリスティーナは手にした炎槍を軽く振り回し、怪人達を挑発する。とんっ、とんっ。と光るパネルに合わせて左右に軽くステップを踏み、助走をつけたクリスティーナは、構えた炎槍を突き出すと、敵が控えるステージの奥へと低く跳躍した。
突き出されたダークブレイブフレイムが、次々と怪人達を吹き飛ばし、漆黒の炎で焼き尽くす。それはまるで大地を抉る漆黒の波。華奢な少女からは想像もできない圧倒的な衝撃である。
直線的な動きはもはや見切ったとばかりにネコちゃん拳法怪人・リフレクションが、クリスティーナの槍を相殺しようと待ち構える。
だが、そんな小細工はクリスティーナに通用しない。
怪人達の動きを的確にとらえたクリスティーナは、大きく踏み込み上へと跳躍。待ち構える敵を難なくかわすと身体をくるりと半ひねり。そのまま落下の加速に合わせ、手に持つ炎槍をスライドさせると、石突を掴み、着地と同時に横なぎの一閃をあたりに飛ばす。
――ズドンッ!
槍に押し出された空気が衝撃波となって、ザ・ステージに低く鳴り響く。
漆黒の爆炎が治まれば、ただ一人クリスティーナの姿がステップを披露していた。
「あらやだ。相手になりませんわね。美しく舞う私の姿を見て、ファンがまた増えちゃったら困っちゃいますわー♪」
楽しげに笑うクリスティーナは、漆黒の炎槍を再び構え、残る敵を打ち倒すため、ますますそのステップを加速してゆくのであった。
成功
🔵🔵🔴
レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
【声のお届け子猫】
にゃ?にゃふふ~と踊りながらばーんっ?こうかにゃ?
レフティは幻影使いの子猫に変身し、強化されたスピードと反応速度で、5代目様のようにリズミカルなキャットダンスで対応していくにゃね。
そして8代目様の力の出番にゃ、心の中で念じた言葉「にゃふふ~」を「子猫の幻影」に変えて、攪乱目的に幻影達を解き放つのにゃ!
幻影達は、光ってないタイルを踏んだり、敵の足元で戯れたり、「にゃふふ~」を発音させるのにゃあ。
戦闘は髭感知で動きを見切り、攻撃を肉球や爪で捌き、スピードと幻影で惑わして脱落させるのにゃ
…リルムにゃんも声だけ参加してみるかにゃ?予めストックできればにゃけど。
「にゃふふ~。」
ザ・ステージに猫っぽい猫の声が響く。もちろん普通の猫は「にゃふふ」と鳴かない。
……って、「にゃふふ」だと!? ちょっ! 何やってるんですかリルムさん!? 勘弁してくださいよ!
慌てて声のする方向に視線を向けると、そこには一匹の真っ白な猫がとてとてと歩いていた。
なんだ、ただの猫か……。 ふう、びっくりさせやがって。またあの腐れケットシーがわけのわからないことをやりだしたのかと思いましたよ。だいたい、毎回てきとーな説明ばかりでこちらに仕事を押し付けて、もっとグリモア猟兵のお仕事に真摯に取り組んでもらいたい……。
そんなことを考えて気が逸れている隙に、真っ白な猫はぴょん!とザ・ステージの上に飛び降り、そのまま光る床の上を、ぴょん。ぴょん。ぴょん。と跳ね回りだす。
ああ、猫にゃん! そんなところにいったら危ないよ~! 誰かの心配をよそに、真っ白な猫は軽やかな身のこなしでステップを踏み踏み。そのまま敵に向かって突き進む。
そう、もうお分かりだろう。普通の猫は「にゃふふ」と鳴かない。
真っ白な猫、それはレフティ・リトルキャット(フェアリーのリトルキャット・f15935)が変身した幻影使いの子猫であった。
もちろんオブリビオンは普通の猫でも見逃しはしない。いや、普通の猫だからこそ見逃さない。カエルさん殺法怪人・ジェノサイドたちが全速力で襲い来る。
実はここだけの話、カエルさん殺法怪人・ジェノサイドは仲間のネコちゃん拳法怪人・リフレクションにダンスを申し込んだのだが、すげなく断られてしまっていた。
「うーん、だってジェノサイドくんってドリルもってないでしょ~?」
なんという無慈悲! カエルさん殺法でネコちゃん拳法怪人を超高速連続モフモフしたかったのに!
そんな無念の思いが、突如現れた子猫、レフティに向けられる。
『おい、見ろよ! 本物の猫ちゃんだぜ!? ひゃっほう。やっときたぜモフモフチャーンス! だいたいあんな直立歩行する拳法猫なんて猫じゃねぇし~! 悔しくなんてないし~!』
ダンスを断られたカエルさん殺法怪人の怪しげな思念が沸き起こる。
むむむ……。これはまずいですよ? というか、あいつらネコちゃん拳法怪人を悪く言うだなんて、許せない!
見事なキャットダンスを披露するレフティの下へ、殺到するカエルさん殺法怪人達。まずい、超高速連続モフモフ攻撃だ!
「みゃぅ!」
とその時、レフティがユーベルコード、声のお届け子猫を発動させる。
「にゃふふ~。」
すると、レフティにそっくりな子猫が突然となりに現れた。8代目様の力をお借りした子猫の幻影ある。
「みゃぅ!」
「みゃぅ!」
現れた幻影はすかさず、レフティといっしょに新たな幻影を呼び出し始める。
「にゃふふ~。」
「にゃふふ~。」
倍に増える子猫の幻影。そしてそれらが再び幻影を呼び出して、
「にゃふふ~。」
「にゃふふ~。」
「にゃふふ~。」
「にゃふふ~。」
「にゃふふ~。」
「にゃふふ~。」
……。
猫だけどネズミ算式に数を増やす子猫たち。それらが皆、5代目様譲りのリズミカルなキャットダンスで辺り一面に散らばりだしたからたまらない。
ザ・ステージは、あふれかえる子猫、それをモフろうと追いかけるカエルさん殺法怪人、両者が入り混じって大混乱に陥った。
もちろん子猫は幻影なので、超高速連続モフモフ攻撃は当たらないし止まらない。カエルさん殺法怪人達が次々とステップを崩し始める。
「にゃふふ~。」
そんな様子を満足気に眺めながら、レフティは目の前のカエルさん殺法怪人をまたひとり、ぺしんと肉球ではたくのであった。
成功
🔵🔵🔴
チコル・フワッフル
★アドリブ、他猟兵との絡みも歓迎!
ダンスしながら戦うなんて、初めて!
音楽も流れてるなんて、ノリノリで踊るしかないねっ。
【聞き耳】で音楽を聞いてリズムを取り、【野生の勘】も使いながら光る床を踏んでいくよ!
いち、にっ、さん、しっ!
兎耳をぴこぴこ、狐尻尾をふりふり。リズムに乗るよ〜♪
余裕があれば【ジャンプ】と【空中戦】でアクロバティックに【パフォーマンス】もキメちゃおう!
楽しくなってきちゃって、目的を忘れそう!危ない危ないっ。
敵が見えたら、リズムに乗りながらダガーを【投擲】して【先制攻撃】!
至近距離で攻撃してきたら【見切り】で回避してから【シーブズ・ギャンビット】での攻撃を狙う!
これでフィニッシュ!
「わぁ! 楽しそう!」
華やかなザ・ステージを目の前に、チコル・フワッフル(もふもふウサキツネ・f09826)がきらきら眼を輝かせる。
こんなステキなステージ見たことない! 絶対楽しい! 今すぐ踊りたい!
「ダンスしながら戦うなんて、初めて! これはもうノリノリで踊るしかないねっ!」
チコルはウキウキ、マックスハイテンション! ウサミミぴょこぴょこ、シッポぶんぶん。今にもステージに飛び出さんばかりの勢いである。
というか、すでに飛び出していた。
まずは軽くステップ練習。リズムに乗って、いち、にっ、さん、しっ!
くるりと回れば、もこもこの長い髪がふわりと揺れて、きらきら笑顔があふれだす。
野生の勘でコツを掴んで、派手にキメるよ! エアトリック!
光る床でステップ踏めば、照らし出されるカラフル衣装。
チコルが浴びるスポットライトは光の華を照らし出し、ビートのリズムでテンションアップ!
「おっと、危ない、危ないっ。あやうく目的を忘れるところだったよ!」
てへへ。と我にかえって、チコルがあたりを見渡すと、見つけましたよ! オブリビオン!
「おっ! やってきたな? 悪い子たちにはおしおきだよっ!」
にぱぱっ! といたずらっぽく笑ったチコルは、思いっきりのハイジャンプ! 元気いっぱいポーズを決めると、夏陽のダガーを投げ放つ。
まっすぐ敵に突き進むその刀身は、ステージライトに照らされて、輝く残光はまるで夏の日差しの様。
ストン! と敵に命中すればそれがダンスバトルの開始となった。
シュッ! とダガーが空を裂き、リズムに合わせて敵を斬り伏す。
隙を突こうと敵が迫れば、すかさずチコルは伏せて避け、そのまま片手を床につけるとドロップキックで蹴り飛ばす。すかさず身体をひょいっ! とひねって、逆立ちすると、ぐぐっ! と両手で床を押し、ぴょん! とバク転、一気に離脱。着地とともに敵を刺したら、しゅたっ! と素早くバックステップ。敵の拳を回避する。
戦いはノリにノってるチコルが圧倒的に優勢であったが、残る敵の数はまだまだ多い。
チコルは少し上がった息を整えようと、軽く左右にステップを踏み、新たに気合を入れなおす。
「よーっし、頑張るぞ!」
きりりっ! と表情を引き締めて、ユーベルコード、シーブズ・ギャンビットを発動!
2本のダガーをそれぞれしっかり握ると、再び敵にダンスを挑み、刻むリズムを楽しむのであった。
●フィニッシュ・ステージ
「……さん、……にっ、……いち、……これでフィニッシュ!」
ダンスミュージックが終了するのと、投擲されたチコルのダガーが最後の敵を撃破するのは、ほぼ同時であった。
スポットライトがザ・ステージに立つ勝者の姿を照らし出す。投擲姿勢そのままに高々と腕を掲げるチコルの姿は、元気いっぱい輝いていた。
かくして、バトルオブフラワーズの前哨戦、ザ・ダンスステージは猟兵達の勝利で幕を閉じた。
だがこれは始まりに過ぎない。キマイラフューチャーの未来を賭けて戦い続ける猟兵達を、強大な敵が待ち構えていた。
大成功
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