0
バトルオブフラワーズ⑥〜イェーガー・オン・ステージ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ


「さて諸君、キマイラフューチャーが二つに割れたことはご存じだろうか」
 慌ただしい空気の中、いつもと変わらぬ調子でロカンタン・ウィットコップ(厭世者・f14997)はそう告げた。何人かの猟兵が驚きの声をあげるものの片手で制し、鋭い声で言葉を続ける。
「別段にこれは問題ではない。むしろこれが助けになるのだ。現在、オブリビオン・フォーミュラどもがシステム・フラワーズ――物資供給システムと言えばいいか――を占領している。そこへ直接乗り込むため、文字通り世界の中枢へ行くため、戦ってもらいたい。
 だが乗り込むには手順が必要だ。システム・フラワーズへ行くには、それを守護する六つのステージを全てオブリビオンから取り戻さなければならない。
 と、いうわけで。諸君らにはそれの奪回を手伝ってもらいたいのだ」
 つまり、進入路を開くために敵を蹴散らせということだ。
「今回の戦場は特殊な仕組みになっている。通称ダンシングフィーバー、ここでの戦いはテレビウム……以前騒がれたテレビウム・ロック事件で救出されたテレビウムの画面を通し、キマイラフューチャーへ中継されている。諸君らが戦闘中の立ち回りにダンスパフォーマンスを披露し、見る者が感動すれば、攻撃が強化されるようだ。反対にそうしなければ通常よりも攻撃の効果が低いらしい。
 なお、ダンスの部門は問わん。感動させられればいいのだ。では健闘を……いや、素晴らしい大演舞を期待しよう」
 唇の端を上げ、ロカンタンは転移の準備を始めた。



 視界が一転し、様々なスポットライト瞬く世界へと降り立つ。そこにあるのは浮かぶシルクハット、蝶ネクタイ、白手袋、空飛ぶCD。白手袋は両手を愉快そうに広げ、猟兵たちを出迎える。
「レディースアンドジェントルメンッ! 此度は知る人も知らぬ人もこんにちは! ワタクシ、シーディーメーカーが相手となりましょう! さあ、猟兵諸君、役はお出来で? ロイヤルに! ストレートに! ワタクシがアナタたちを無様にコテンパンにしてやりましょう!」
 芝居がかった調子で大仰なことを宣うシルクハット。ショータイムは始まった。さあ、華麗に、爽快に、一方的に、叩きのめしてやれ。


紡ぎ糸
 初めましてあるいはこんにちは。紡ぎ糸です。今回は戦争シナリオとなります。1フラグメントで完結し、一つ一つがバトルオブフラワーズの戦況に影響します。踊りながら戦う、戦いながら踊る。激しくとも大人しくともどちらでもどうぞ。
 今回はボス戦、シーディーメーカーとの戦いとなります。存分に踊りましょう。
 なおダンス含め版権に引っかかるプレイングは却下とさせていただきます。
 では、皆様のプレイングをお待ちしております。
9




第1章 ボス戦 『シーディーメーカー』

POW   :    人生一発逆転!
レベル×1体の、【背負った負債】に1と刻印された戦闘用【ヴァーチャルキャラクター】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    レディースアンドジェントルマン!
予め【聴衆を盛り上げる司会進行を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    ジャックポット!!
【大量のカジノコイン】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を覆う程の紙幣が舞い飛び】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
キケ・トレグローサ
ルナ「ダンスなら、任せてよね!シィーディーメーカー?せっかくCD回してるんだから、いい曲かけてよね!それぇ!」
キケの中の妹の人格、踊り子ルナが主人格となって参加します。登場と同時にシィーディーメーカーを煽ってダンス勝負に持ち込みたい。ルナは最初、シィーディーメーカーを攻撃せず、回避とカメラの向こうの人たちに向けたパフォーマンスに重きを置く、曲の盛り上がりに乗せてUCを発動。
「みんなも出てきて!はじけろぉ!」
 妖精たちと一緒に踊る、妖精は光の粒子をきらめかせながらシィーディーメーカーの周囲を飛び回り、隙をついて踊りの動作に乗せて、ナイフで切り付けてゆく。踊りの一環だから回避はしにくいはず!


二河・ビャクドー
踊りか!
なつかしいなあ。村のみんなで仕留めた獲物を囲んで踊ったんだぜ。おっきなかがり火を焚いてさあ。

踊りで一番簡単だけど一番大切なことは、遠慮せずに思い切り体を動かすことだぜ!
大きく手足を動かして、走り回って(ダッシュ3)飛び回る!ステージいっぱいに動き回って魅せながら、敵を翻弄するぜ。
そんで、一番盛り上がるタイミングでどデカイ一撃ぶっ放す!おいらのユーベルコード グラウンドクラッシャーだ!

うへへへ、覚悟しろよお。今日の獲物はお前らだ!



「ダンスなら、任せてよね!」
 その言葉と共にエメラルド髪の猟兵がステージに登場した。キケ・トレグローサ(たった一人の流浪の楽団・f00665)をライトが強い光で照らす。キケの妹である人格、ルナが表に出ているようで、赤茶色の瞳は自信に満ちていた。
「シィーディーメーカー? せっかくCD回してるんだから、いい曲かけてよね!」
 びしっとルナは指を向ける。
「おお、そうですね! 盛り上がりには音楽が必要です。ついでにチップをどうぞ!」
 シーディーメーカーの指がCDをなぞると軽快でノリのいい曲が流れ出た。シルクハットがルナへお辞儀するように下がり、天辺が開いてコインが飛び出てくる。
「ありがとう! でも、どうせなら一緒に踊りましょうよ。あ、それともダンスはできない?」
 ルナはリズムに合わせステップを踏み、ターンするように躱した。そのままシーディーメーカーの方を挑発するように見る。
「いえいえ、盛り上がらせるならやってみせますとも!」
「踊りか! なつかしいなぁ。おいらも仲間に入っていいか?」
 ひょいと現れたのはオレンジの瞳が爛々と光る緑のスキンヘッド。ゴブリンの見目であり、本質はゴブリンではない。二河・ビャクドー(ゴブリン?・f06703)だ。二河は面白そうにルナを見上げ、ウキウキと話しかける。
「村のみんなで仕留めた獲物を囲んで踊ったんだぜ。おっきなかがり火を焚いてさあ」
「いいよ! みんなで踊ろう!」
「おっと、そちらが複数で来るならこちらも呼びますよ! カモン、ヴァーチャルキャラクター!」
 負債を背負ったヴァーチャルキャラクターも出現し準備は完了。うっかりコインが飛び出たりヴァーチャルキャラクターが殴ってもそれはご愛敬。曲をかけなおし、ダンスの始まりだ。
「それぇ!」
 ポップな曲の中、ルナは弾けるような元気さで踊っていた。足は細かくリズムを刻み、飛び跳ねるようにあちらこちらへと動く。腕はそれに合わせて大きく弧を描き、時々カメラへ向かってヒマワリのような笑顔。時々ジャラジャラとコインが飛んでくるがそれが投げ銭に思えるくらい自然に躱し、床を舞う札束の中ステップを踏んだ足でクルリと回り、スッと片手を振り上げた。
「みんなも出てきて! はじけろぉ!」
 召喚されたのは沢山の妖精。妖精たちは光の粒子をきらめかせ、シーディーメーカーの周りを飛びながら踊り始めた。
「踊りで一番簡単だけど一番大切なことは、遠慮せずに思い切り体を動かすことだぜ!」
 二河はタンタタンとスキップするように前へ走る。腕を上に伸ばし引き、横に伸ばし引き、前方へ宙返りし、止まって、回って、バク転。疲れなど無いかのように大きく足が手が動く。ピョンと横に回転しながら前へ跳ぶ。ステージの端から端へ、楽しそうな笑顔で。シーディーメーカーのヴァーチャルキャラクターも追いつけない。曲がどんどんアップテンポになっていく。側転してシーディーメーカーに近づいた。力がどんどん湧いてくる。曲も一番の盛り上がり。
「いたい! ちょ、止めなさい!」
 妖精がターンの際に短剣でシーディーメーカーを切り付けた。二河は『オヤジ』の斧に手をかける。
「うへへへ、覚悟しろよお。今日の獲物はお前らだ!」
 ドカーン! と重い一撃がシーディーメーカーに放たれた。床がひび割れ、シルクハットが潰れる。
「ぎゃぎゃっ」
 ヴァーチャルキャラクターが全て吹き飛んだ。直撃地点のシルクハットは原形を留めておらず、辛うじて蝶ネクタイだけが繋がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高鷲・諒一朗
ダンスなら任せてくれよお、ってなあ!
うなれ俺のこの長い脚!
スカイダンサーの真髄を見せてやらあ!

俺の一番得意なフラメンコを披露してみっかあ
靴も履き替えて、服も動きやすいように調節して
さぁ! 演じるはかの情熱の国。ここに常夏の日差しを降らせようぜえ!

長い四肢を使って腕の振りや体のひねりも加え演出しつつ
危ないところは「スライディング」で咄嗟に踏みつつ
とにかく楽しく! 見栄えも考えて! しっかり最後まで踊りきるぜえ
ここぞというときに攻撃できそうなら
『スカイステッパー』で蹴り上げるぜえ!



 タントタンタンタン。フラメンコの独特な手拍子に足拍子。赤と黄色のライトがチカチカと彼を照らす。
「ダンスなら任せてくれよお、ってなあ! うなれ俺のこの長い脚! スカイダンサーの真髄を見せてやらあ!」
 引き締まったシャツにピッタリのズボン、よく音の鳴る靴。高鷲・諒一朗(ミルザム・f17861)はステージに立ち、踊りたくてたまらないと言うようにシーディーメーカーへ向かう。
「おおっとそうですか! では、では、続きましてフラメンコです! 踊りはそちらの猟兵、BGMはこのシーディーメーカー。さて、こちらの猟兵はワタクシの妨害を耐え、見事踊り切ることが出来るのでしょうかっ!」
 ギターの音とラテンの歌声がシーディーメーカーにより流され始める。高鷲は曲を聞き、ニィッと笑った。両手を顔の横へはこぶ。
「――さぁ! 演じるはかの情熱の国。ここに常夏の日差しを降らせようぜえ!」
 快いリズムを手拍子が刻む。足は細かく音を鳴らし、流れるように複雑なステップを踏んだ。
 胸を張り、手を叩き、笑って、体を情熱的にひねり左右を反転。時には手拍子を止め長い腕をゆったりと振る。緩急を付け。音に合わせて。思うままに!
「バモジャー!」
 掛け声と共にシーディーメーカーのCDが飛んで来た。シーディーメーカーのユーベルコードによって強化され素早く飛来するCDだが、高鷲のダンスに迸るパッション、テレビウムを通して送られる力の方が上だ。
「どうもっ!」
 タン! と大きく踏んで区切りをつけ、高鷲はCDを蹴り上げる。
「オーレ!」
 悲痛なシーディーメーカーの叫び声。高鷲は宙を蹴って上下を戻し、地面をスライディングしてポーズを決める。
 踊りの終わりと共に、曲は終了した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マキアヴォクス・アルダ
腰抜けトカゲ坊や(f06338)と組んで、お邪魔しまーす♡
キマイラフューチャーを守るため。今回ばかりは仕方なく手を組むけれど、足は引っ張らないで。

うーん。二人で組んで踊るなら、やっぱり社交ダンスのステップかしら。リズムはもちろん陽気なサンバ!
まずはゆったりとウォーク。クロス。ここでターン、もいちどターン!
ウフフ。だってあの帽子ちゃんが攻撃してくるんですもの、ダンスの合間にもちゃんと避けなきゃ。ついてきてよね、青っ鼻のトカゲちゃん。

ふう、言い出したからにはちゃんと足止めできたでしょうね?
とどめは中央へ躍り出て、尾羽を広げて華麗なターン……【Carnaval】で増援ごとバッサリと撫でてあげる。


バルディート・ラーガ
猫ッ被りクソ鳥(f13881)と。
コッチは踊りの経験が足りねエ、向こうサンは決定力が覚束ねエ。ッつーワケでやむを得ず、致し方なく、組んでおりやすが。ま、顔がしかめっ面なのは勘弁してくれや。

ともあれ、仲良く手を組んでダンスと洒落込みやしょか。
多少は身体能力でカバーすれど、流石に社交ダンスの型なんざこれっぽっちも知りゃしねエ。本職のペースにゃついてくのも一杯一杯……てめエ手加減しろっつの!

……と情けねエトコ見せんのも、不本意ながら作戦のウチ。
散々笑われて、【驕れる者の足枷】で足止めするトコまでがあっしの仕事ってワケです。クソが。
後は精々ブン回して下さいなア……ってコッチにその羽向けンじゃねエよ!



 札束やヴァーチャルキャラクターが飛び交う中、ゆったりとステップを踏むクジャク羽の女と黒い炎腕のドラゴン蛇。女の方は余裕そうな微笑だが、ドラゴン蛇の顔はしかめっ面だ。
「キマイラフューチャーを守るため今回ばかりは仕方なく手を組むけれど、足は引っ張らないでちょうだい。腰抜けトカゲ坊や」
「へいへい。こっちもやむを得ず、致し方なく、組んでおりやすが。ま、顔がしかめっ面なのは勘弁してくれや」
 手と手を取り、互いの背に手を回すほど密着している両者の空気が甘いとは限らない。
 女、マキアヴォクス・アルダ(絢爛極楽鳥・f13881)はリードするように足を引き、それを前に出す。それに少し遅れてバルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)も同様に進む。陽気なリズムの中ステージを歩き、途中でマキアヴォクスはバルディードの背中から手を放してバルディードの斜め前に踏み出た。腕が高くアーチを描く。その下をカジノコインがジャラジャラと飛んだ。再び手を戻し、今度は力強くバルディードと位置を入れ替える。負債4のヴァーチャルキャラクターが背中後ろの空気を殴る。またくるりと二人は半回転。ヴァーチャルキャラクターを躱す。
「てめエ手加減しろっつの!」
「ウフフ。だってあの帽子ちゃんが攻撃してくるんですもの、ダンスの合間にもちゃんと避けなきゃ。ついてきてよね、青っ鼻のトカゲちゃん」
 バルディードの言葉にクスクス笑い、マキアヴォクスはテンポを上げた。的確に攻撃を回避できているものの、ダンスの型に慣れないバルディードは追い付くので精一杯だ。時々曲に紛れシーディーメーカーの揶揄う声が聞こえてくる。
「あっはははは。見事に振り回されていますねぇ……ってあぎゃっ!?」
(……と情けねエトコ見せんのも、不本意ながら作戦のウチ。散々笑われて、驕れる者の足枷で足止めするトコまでがあっしの仕事ってワケです。クソが)
 シーディーメーカーの下に地割れが生まれ、影の触腕が地面に縛り付けた。曲も盛況に盛り上がり、そろそろクライマックスだろう。
「……ふう、言い出したからにはちゃんと足止めできたでしょうね?」
「もちろんですよ。後は精々ブン回して下さいなア」
 くるりと回ってマキアヴォクスがバルディードの腕を離れた。一人立つのはステージの中央。ライトが色黒の肌を照らし、ヴァーチャルキャラクターが今は好機と集う。
「あらあら。お触りは厳禁、よ……」
 クジャクの尾羽がばさりと広げられる。豪奢な色に輝くそれは、くるりとターンしたマキアヴォクスに従い、ヴァーチャルキャラクター達を切り裂いた。
「いや、ちょっと、そんな、ありえませんよ――!」
 触腕に動きを封じられたシーディーメーカーも同様で、豊かな尾羽に切断される。触腕がシーディーメーカーの全てを捧げるかのように、尾羽へと持ち上げていた。
「……ってコッチにその羽向けンじゃねエよ!」
 勢いは避難していたバルディードにも及んだようで、それを回避したバルディードの声が響く。ターンを止め、振り返り、マキアヴォクスはにっこり笑って舌を出した。

 ――かくてオブリビオンは退治された。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月02日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦争
🔒
#バトルオブフラワーズ


30




種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ネミ・ミミーニーズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト